JP2020114885A - 局所粘膜適用水性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】レバミピド、レバミピド誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、べたつきが抑制された局所粘膜適用水性組成物を提供する。【解決手段】(A)レバミピド、レバミピド誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種、並びに(B)エタノールアミン、トロメタモール、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、局所粘膜適用水性組成物を調製する。【選択図】図1

Description

本発明は、局所粘膜適用水性組成物に関する。
レバミピド[2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)プロピオン酸]は、胃粘膜プロスタグランジンE2増加作用、胃粘液量増加作用、胃粘膜細胞新生能賦活作用等を有し、主に、経口投与で用いられ、胃潰瘍や、急性胃炎及び慢性胃炎急性憎悪期に現れる胃粘膜病変に対して優れた改善効果を示す薬物である(非特許文献1)。
近年レバミピドは、点眼剤の形態で眼にも適用され、ゴブレット細胞の増加、ムチン産生の促進効果を奏することによって、ドライアイ、すなわち、眼球乾燥症候群に治療剤として使用されている(特許文献1)。
特表2011−524854号公報
「胃炎・胃潰瘍治療剤 日本薬局方 レバミピド錠 ムコスタ(登録商標)錠100mg」、医薬品インタビューフォーム、2013年7月(改訂第11版)
本発明では、優れた特性を有する局所粘膜適用水性組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、レバミピド、レバミピド誘導体、及び/又はそれらの塩を含有する組成物は、眼の表面などの局所に適用した際にべたつきを感じさせるという新たな課題を見出し、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、レバミピドを含有する局所粘膜適用水性組成物に特定成分を共存させることによって、べたつきを改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[9]を提供する。
[1](A)レバミピド、レバミピド誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種、並びに(B)エタノールアミン、トロメタモール、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、局所粘膜適用水性組成物;
[2]上記(B)成分がエタノールアミンであり、該エタノールアミンが、モノエタノールアミンである、[1]記載の局所粘膜適用水性組成物;
[3]上記(A)成分の含有量が、0.0001〜10w/v%である、[1]または[2]記載の局所粘膜適用水性組成物;
[4]上記(B)成分の含有量が、0.0001〜5w/v%である、[1]〜[3]のいずれか1項記載の局所粘膜適用水性組成物;
[5]さらに、緩衝剤を含有する[1]〜[4]のいずれか1項記載の局所粘膜適用水性組成物;
[6]さらに、非イオン界面活性剤を含有する[1]〜[5]のいずれか1項記載の局所粘膜適用水性組成物;
[7]さらに、ビニル系高分子を含有する[1]〜[6]のいずれか1項記載の局所粘膜適用水性組成物;
[8]さらに、多価アルコールを含有する[1]〜[7]のいずれか1項記載の局所粘膜適用水性組成物; および
[9]局所粘膜適用水性組成物中に、(A)レバミピド、レバミピド誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種、並びに(B)エタノールアミン、トロメタモール、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を共存させることで、適用時の局所粘膜へのしみ防止の効果を付与する方法。
本発明により、レバミピド、レバミピド誘導体、またはそれらの塩を含みながら、べたつきの少ない局所粘膜適用水性組成物を提供することができる。
本発明の眼粘膜適用組成物及び比較例の眼粘膜適用組成物をスライドガラス上に滴下し、24時間静置した後の、白残りの評価結果を表す写真である。 本発明の眼粘膜適用組成物及び比較例の眼粘膜適用組成物の安定性試験による、析出物発生の評価結果を表す写真である。
本明細書において、含有量の単位「w/v%」は、「g/100mL」と同義である。
本発明の局所粘膜適用水性組成物は、(A)レバミピド、レバミピド誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種、並びに(B)エタノールアミン、トロメタモール、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。
本明細書において、(A)成分のレバミピドは、2−(4−クロロベンゾイルアミノ)−3−(2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)プロピオン酸((2RS)-2-(4-Chlorobenzoylamino)-3-(2-oxo-1,2-dihydroquinolin-4-yl)propanoic acid(IUPAC))とも称される化合物である。レバミピドは、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
レバミピド誘導体としては、例えば、レバミピドのエステル化誘導体、エーテル化誘導体、アミド化誘導体、スルホン化誘導体、ニトロ化誘導体、ニトロソ化誘導体、ハロゲン化誘導体等を挙げることができるが、これらに限定されない。好ましくは、誘導体は、エステル化誘導体及び/又はエーテル化誘導体であり、より好ましくはエステル化誘導体である。
本発明で使用される(A)成分の内、レバミピド、レバミピド誘導体の塩としては、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、有機酸塩、無機酸塩、有機塩基、または無機塩基が挙げられる。有機酸塩としては、例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等のモノカルボン酸塩;フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等の多価カルボン酸塩;乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等のオキシカルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等の有機スルホン酸塩が例示される。無機酸塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩が例示される。有機塩基との塩としては、例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン、エチレンジアミン等の有機アミンとの塩が挙げられる。無機塩基との塩としては、例えば、アンモニウム塩; ナトリウムまたはカリウム等アルカリ金属、カルシウムまたはマグネシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム等の金属との塩等の各種の塩が挙げられる。これらのレバミピドの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。「薬学的又は生理学的に許容される塩」には、塩の溶媒和物又は水和物を含んでいてもよい。
本発明の局所粘膜適用水性組成物において、局所粘膜適用水性組成物総量に対する(A)成分の総含有量は、他の成分とのバランスによって適宜設定される。局所粘膜適用水性組成物の総量に対して、(A)成分の総含有量は、好ましくは0.0001w/v%以上であり、より好ましくは、0.001w/v%以上、より好ましくは0.01w/v%以上、さらに好ましくは0.05w/v%以上、更により好ましくは0.1w/v%以上、特に好ましくは1w/v%である。局所粘膜適用水性組成物の総量に対して、(A)成分の総含有量は、好ましくは10w/v%以下であり、より好ましくは5w/v%以下、さらに好ましくは3w/v%以下、もっとも好ましくは2w/v%以下である。局所粘膜適用水性組成物の総量に対して、(A)成分の総含有量は、好ましくは0.0001w/v%〜10w/v%、より好ましくは、0.001w/v%〜5w/v%、より好ましくは0.01w/v%〜3w/v%、さらに好ましくは、0.05w/v%〜2w/v%、0.1w/v%〜2w/v%、最も好ましくは1w/v%〜2w/v%である。
本発明において、(B)成分のエタノールアミンには、例えばモノエタノールアミン(2-アミノエタノール)、ジエタノールアミン(2,2'-イミノジエタノール)、トリエタノールアミン(2,2',2"-ニトリロトリエタノール)などが挙げられる。(B)成分として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びトロメタモール(2-Amino-2-hydroxymethyl-propane-1,3-diol)からなる群より選択される少なくとも1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。これらは、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
本発明において、(B)成分としては、本願の効果をより顕著に奏する観点から、エタノールアミンが好ましく、中でもモノエタノールアミンがより好ましく用いられる。
本発明の局所粘膜適用水性組成物において、局所粘膜適用水性組成物総量に対する(B)成分の総含有量は、他の成分とのバランスによって適宜設定される。局所粘膜適用水性組成物の総量に対して、(B)成分の総含有量は、好ましくは0.0001w/v%以上、より好ましくは、0.001w/v%以上、さらに好ましくは0.01w/v%以上、更により好ましくは0.1w/v%以上であり、好ましくは、5w/v%以下、より好ましくは3w/v%以下、さらに好ましくは1w/v%以下、更により好ましくは0.5w/v%以下である。
本発明の局所粘膜適用水性組成物において、(A)成分に対する(B)成分の配合量の比率は、(A)成分の総含有量1重量部に対して、(B)成分の総含有量が0.0001〜10重量部が好ましく、0.001〜5重量部がより好ましく、0.01〜3重量部がよりさらに好ましく、0.05〜1重量部が特に好ましい。
本発明の局所粘膜適用水性組成物は、本発明による効果がより顕著に奏される観点から、(A)成分及び(B)成分の他に、更に緩衝剤を含有することが好ましい。本発明の局所粘膜適用水性組成物に配合できる緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されず、有機系緩衝剤または無機系緩衝剤のいずれも使用することができる。かかる緩衝剤の一例として、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩、イプシロン−アミノカプロン酸、塩酸、水酸化ナトリウム等が挙げられる。これらの緩衝剤は組み合わせて使用しても良い。
ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸、又はホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等のホウ酸塩が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸、又はリン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等のリン酸塩が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸、又は炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等の炭酸塩が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸、又はクエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、緩衝剤としては、各塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等);クエン酸緩衝剤として、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム等);アスパラギン酸又はその塩(アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム等量混合物等)が例示できる。これらの緩衝剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。緩衝剤は、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
上記緩衝剤の中で、ホウ酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、及びイプシロン−アミノカプロン酸が好ましく、特にホウ酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、及びイプシロン−アミノカプロン酸、とりわけホウ酸緩衝剤及びイプシロン−アミノカプロン酸は好適である。ホウ酸緩衝剤の好適な具体例として、ホウ酸、ホウ酸とその塩との組み合わせ(例えばホウ酸とホウ砂)が挙げられ、好ましくはホウ酸、ホウ酸とホウ砂の組み合わせ、更に好ましくはホウ酸が例示される。また、クエン酸緩衝剤としては、クエン酸、クエン酸とその塩の組み合わせが挙げられ、好ましくはクエン酸が例示される。
本発明の局所粘膜適用水性組成物に緩衝剤を配合する場合、緩衝剤の配合割合については、使用する緩衝剤の種類、他の配合成分の種類や量、局所粘膜適用水性組成物の用途等に応じて異なり、限定はされないが、例えば、局所粘膜適用水性組成物の総量に対して、緩衝剤の総含有量は、好ましくは0.01w/v%以上、より好ましくは、0.05w/v%以上、さらに好ましくは0.1w/v%以上であり、好ましくは、10w/v%以下、より好ましくは5w/v%以下、さらに好ましくは3w/v%以下、更により好ましくは2w/v%以下である。
本発明の局所粘膜適用水性組成物において、(A)成分に対する緩衝剤の配合量の比率は、(A)成分の総含有量1重量部に対して、緩衝剤の総含有量が0.001〜50重量部が好ましく、0.005〜10重量部がより好ましく、0.01〜5重量部がよりさらに好ましく、0.05〜2重量部が特に好ましい。
本発明の局所粘膜適用水性組成物は、本発明による効果がより顕著に奏される観点から、(A)成分及び(B)成分の他に、非イオン界面活性剤を含有することが好ましい。本発明の局所粘膜適用水性組成物に配合可能な非イオン界面活性剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されない。
本発明の局所粘膜適用水性組成物に配合可能な非イオン界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレン(以下、POEとも表記する)(20)ポリオキシプロピレン(以下、POPとも表記する)(20)グリコール(プルロニック(登録商標)L44)、POE(42)POP(67)グリコール(ポロクサマー403、プルロニック(登録商標)P123)、POE(54)POP(39)グリコール(ポロクサマー235、プルロニック(登録商標)P85)、POE(120)POP(40)グリコール(プルロニック(登録商標)F87)、POE(160)POP(30)グリコール(ポロクサマー188、プルロニック(登録商標)F68)、POE(196)POP(67)グリコール(ポロクサマー407、プルロニック(登録商標)F127)、POE(200)POP(70)グリコール等のPOE・POPグリコール;ポロキサミンなどのエチレンジアミンのPOE・POPグリコール;モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20) 、POEソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60)、POEソルビタントリステアレート(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン (ポリソルベート80)などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POE硬化ヒマシ油5、POE硬化ヒマシ油10 、POE硬化ヒマシ油20 、POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油50、POE硬化ヒマシ油60 、POE硬化ヒマシ油100などのPOE硬化ヒマシ油;POEヒマシ油3、POEヒマシ油10、POEヒマシ油35などのPOEヒマシ油;POE(9) ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4) セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル類;ステアリン酸ポリオキシル40などのモノステアリン酸ポリエチレングリコールなどが挙げられる。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
本発明の局所粘膜適用水性組成物において、これらの非イオン界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、界面活性剤は、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
本発明の局所粘膜適用水性組成物に非イオン界面活性剤を配合する場合、非イオン界面活性剤の配合割合については、非イオン界面活性剤の種類、他の成分の種類や量、局所粘膜適用水性組成物の用途等に応じて適宜設定できる。非イオン界面活性剤の配合割合の一例として、局所粘膜適用水性組成物の総量に対して、非イオン界面活性剤の総含有量は、好ましくは0.001w/v%以上、より好ましくは0.005w/v%以上、さらに好ましくは、0.01w/v%以上であり、好ましくは、5w/v%以下、より好ましくは3w/v%以下、さらに好ましくは1w/v%以下である。
本発明の局所粘膜適用水性組成物において、(A)成分に対する非イオン界面活性剤の配合量の比率は、(A)成分の総含有量1重量部に対して、非イオン界面活性剤の総含有量が0.0001〜30重量部が好ましく、0.0005〜20重量部がより好ましく、0.001〜10重量部がよりさらに好ましく、0.005〜1重量部が特に好ましい。
本発明の局所粘膜適用水性組成物は、本発明による効果がより顕著に奏される観点から、(A)成分及び(B)成分の他に、更にビニル系高分子を含有することが好ましい。本発明の局所粘膜適用水性組成物に配合できるビニル系高分子は、例えば、ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(K17、K25,K30,K90など)、カルボキシビニルポリマーなどが挙げられる。これらのビニル系高分子は、1種単独で使用してもよいが、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。ビニル系高分子は、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
これらのビニル系高分子の中でも、ポリビニルピロリドンが好ましく、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、ポリビニルピロリドンK30が更に好ましく、ポリビニルピロリドンK25、ポリビニルピロリドンK30が更により好ましい。
本発明の局所粘膜適用水性組成物にビニル系高分子を配合する場合、その配合割合については、使用するビニル系高分子の種類、他の成分の種類や配合量、局所粘膜適用水性組成物の用途等に応じて異なる。特に限定はされないが、例えば、局所粘膜適用水性組成物の総量に対して、ビニル系高分子の総含有量は、好ましくは、0.001w/v%以上、より好ましくは0.005w/v%以上、さらに好ましくは0.01w/v%以上、特に好ましくは0.1w/v%以上、最も好ましくは1w/v%以上であり、ビニル系高分子の総量は、好ましくは、10w/v%以下、より好ましくは、7w/v%以下、さらに好ましくは、5w/v%以下、特に好ましくは3w/v%以下である。
本発明の局所粘膜適用水性組成物において、(A)成分に対するビニル系高分子の配合量の比率は、(A)成分の総含有量1重量部に対して、ビニル系高分子の総含有量が0.001〜500重量部が好ましく、0.01〜100重量部がより好ましく、0.05〜50重量部がよりさらに好ましく、0.1〜10重量部が特に好ましい。
本発明の局所粘膜適用水性組成物は、本発明による効果がより顕著に奏される観点から、(A)成分及び(B)成分の他に、更に多価アルコールを含有することが好ましい。本発明の局所粘膜適用水性組成物に配合できる多価アルコールは、水に難溶であるレバミピド及び/又はその塩が水溶液中に溶解するのを補助する作用を有する成分であればよく、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(400、4000、6000等)等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよいが、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。多価アルコールは、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
これらの多価アルコールの中でも、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールがより好ましく、グリセリン、プロピレングリコールが更に好ましく、グリセリンが特に好ましい。
本発明の局所粘膜適用水性組成物に多価アルコールを配合する場合、その配合割合については、使用する多価アルコールの種類、他の成分の種類や配合量、局所粘膜適用水性組成物の用途等に応じて異なる。特に限定はされないが、例えば、局所粘膜適用水性組成物の総量に対して、多価アルコールの総含有量は、好ましくは、0.001w/v%以上、より好ましくは0.005w/v%以上、さらに好ましくは0.01w/v%以上、特に好ましくは0.05w/v%以上であり、多価アルコールの総量は、好ましくは、10w/v%以下、より好ましくは、5w/v%以下、さらに好ましくは、3w/v%以下、特に好ましくは1w/v%以下である。
本発明の局所粘膜適用水性組成物において、(A)成分に対する多価アルコールの配合量の比率は、(A)成分の総含有量1重量部に対して、多価アルコールの総含有量が0.001〜10重量部が好ましく、0.005〜5重量部がより好ましく、0.01〜2重量部がよりさらに好ましく、0.05〜1重量部が特に好ましい。
本発明の局所粘膜適用水性組成物のpHについては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではないが、一例としては、pHが4.0〜9.5、好ましくは5.0〜9.0、より好ましくは、6.0〜8.8、更に好ましくは6.0〜8.6、特に好ましくは6.5〜8.5となる範囲が挙げられる。
本発明の局所粘膜適用水性組成物は、更に必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧比に調節することができる。適切な浸透圧比は適用部位、剤型等により異なるが、通常0.5〜5.0、より好ましくは0.6〜3.0、更に好ましくは0.7〜2.0となる範囲が挙げられる。浸透圧の調整は無機塩、多価アルコール等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十六改正日本薬局方に基づき286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)の浸透圧に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)に従って測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いる。
本発明の局所粘膜適用水性組成物の粘度は、生理学的又は薬学的に許容される範囲内であれば、配合成分の種類及び含有量、該局所粘膜適用水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。回転粘度計(RE550型粘度計、東機産業社製、ローター;1°34‘×R24)で測定した20℃における粘度が0.01〜10000mPa・sとすることが好ましく、0.05〜8000mPa・sとすることがより好ましく、0.5〜1000mPa・sとすることがさらに好ましく、1〜1000mPa・sとすることが更により好ましい。
本発明の局所粘膜適用水性組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記成分の他に、種々の薬理活性成分や生理活性成分を組み合わせて適当量含有してもよい。このような薬理活性成分や生理活性成分としては、例えば、 一般用医薬品製造販売承認基準2012年版(一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会 監修)に記載された各種医薬における有効成分が例示できる。具体的には、次のような成分が挙げられる。
抗アレルギー剤または抗ヒスタミン剤:例えば、塩酸ジフェンヒドラミン、イプロヘプチン、マレイン酸クロルフェニラミン、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、トラニラスト、塩酸レボカバスチン、クロモグリク酸ナトリウム、フマル酸ケトチフェン、ペミロラストカリウム、塩酸オロパタジン等。
充血除去剤:例えば、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン等。
眼筋調節薬剤:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン、硫酸アトロピン等。
殺菌剤:例えば、アクリノール、セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸ポリヘキサニド等。
ビタミン類:例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロール等。アミノ酸類:例えば、アミノエチルスルホン酸等。
消炎剤:例えば、グリチルリチン酸二カリウム、アラントイン、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、塩化リゾチーム、アズレンスルホン酸ナトリウム、インドメタシン、プラノプロフェン、イブプロフェン等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
その他:スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール、スルフイソミジンナトリウム、等。
さらに、本発明の局所粘膜適用水性組成物においては、担体、増粘剤、糖アルコール類、糖類、アミノ糖、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、キレート剤、防腐剤、清涼化剤、油類、陰イオン界面活性剤などの添加物を選択し、少なくとも1種を併用して適当量含有させてもよい。それらの添加物として、例えば、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加物協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性担体等。
増粘剤:例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ジェランガム、アルギン酸等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
糖類:例えば、ブドウ糖等。アミノ糖:例えば、メグルミン等。
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等。
pH調節剤:例えば、塩酸、希塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等。
安定化剤:例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、シクロデキストリン、ジイソプロパノールアミン等。
キレート剤:例えば、アスコルビン酸、エデト酸四ナトリウム、エデト酸ナトリウム等。
防腐剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化亜鉛、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、塩酸ポリヘキサニド(ポリヘキサメチレンビグアニド)等)、グローキル(ローディア社製商品名)等。
清涼化剤:例えば、メントール、メントン、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、シトロネロール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、チモール、シメン、テルピネオール、ピネン、カンフェン、イソボルネオール、フェンチェン、ネロール、ミルセン、ミルセノール、酢酸リナロール、ラバンジュロール、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油、樟脳油等。
油類:例えば、ゴマ油、ヒマシ油、ダイズ油、オリーブ油等の植物油、スクワラン、精製ラノリン等の動物油、流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油等。陰イオン界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、N−アシルタウリン塩等。
その他:カフェイン等。
本発明の局所粘膜適用水性組成物は、所望量の上記(A)及び(B)成分、必要に応じて他の配合成分を所望の含有量となるように担体に添加することにより調製される。具体的には、例えば、精製水で上記成分を溶解又は懸濁させ、所定のpH及び浸透圧に調整し、濾過滅菌等により滅菌処理することで調製できる。
本明細書の局所粘膜適用水性組成物は、水を組成物全体の1w/v%以上、好ましくは、5w/v%以上、より好ましくは、20w/v%以上、さらに好ましくは、50w/v%以上、さらに好ましくは70w/v%以上、最も好ましくは、90w/v%以上含む。本発明の局所粘膜適用水性組成物に含有される水は、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容されるものであればよい。例えば、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水、注射用蒸留水等を使用できる。これらの定義は第十六改正日本薬局方に基づく。
本発明の局所粘膜適用水性組成物は、目的に応じて種々の製剤形態をとることができる。例えば、本発明の局所粘膜適用水性組成物の製剤形態として、液剤、半固形剤(軟膏等)等が挙げられる。好ましくは液剤である。
本発明の局所粘膜適用水性組成物は、眼粘膜、鼻粘膜、口腔粘膜、咽頭粘膜等の局所粘膜に直接適用される水性組成物である。
よって、本発明の局所粘膜適用水性組成物は、医薬品や医薬部外品等の製剤として使用でき、例えば、眼粘膜適用組成物、鼻粘膜適用組成物、口腔粘膜適用組成物、耳粘膜適用組成物等の様々な用途で使用することができる。
眼粘膜適用組成物には、点眼剤(コンタクトレンズ装用中にも使用することができる点眼剤を含む)、人工涙液(コンタクトレンズ装用中にも使用することができる人工涙液を含む)、洗眼剤、眼軟膏、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用剤(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤、コンタクトレンズ用消毒・洗浄・保存剤等)等が含まれる。ここで、コンタクトレンズとは、現在市販されている、又は将来市販される全てのコンタクトレンズ(ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、及び酸素透過性ハードコンタクトレンズのいずれをも包含する。また、ソフトコンタクトレンズとは、イオン性及び非イオン性の双方を包含し、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ及び非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの双方を包含し、さらに全ての材質のカラーコンタクトレンズを包含する。)を適用対象にできる。
鼻粘膜適用組成物には、点鼻剤、鼻軟膏、鼻洗浄液等が含まれる。口腔粘膜適用組成物には口腔咽頭用クリーム剤、口腔咽頭用ゲル剤、口腔咽頭用軟膏剤、口腔咽頭用スプレー剤、含嗽薬、吸入剤等が含まれる。耳粘膜適用組成物には、点耳薬、耳軟膏が含まれる。
上記用途の中でも、眼粘膜用組成物は、本発明のべたつき抑制効果、見えやすさの改善効果、しみ抑制効果をより顕著に奏する観点から好ましい。
眼科用組成物の中でも、点眼剤は、一日当たりの使用回数が多いため、特に本発明のべたつき抑制効果、しみ抑制効果を顕著に奏する観点から好ましい。
本発明の局所粘膜適用水性組成物は、任意の容器に収容して提供される。本発明の局所粘膜適用水性組成物を収容する容器については特に制限されず、例えば、ガラス製であってもよく、また樹脂製であってもよい。本発明の局所粘膜適用水性組成物を収容する容器は、さらに、樹脂をガラス繊維などの補強剤を含んで強化した樹脂容器であってもよい。
具体的には、本発明の局所粘膜適用水性組成物は、容器の少なくとも一部が、ポリエチレンテレフタレート(PET)製、ポリエチレンナフタレート(PEN)製、ポリプロピレン(PP)製、ポリアリレート(PAR)製、ポリブチレンテレフタレート(PBT)製、ポリカーボネート(PC)製、ポリエチレン(PE)製からなる群から選択されるいずれかの容器に収容される。好ましくは、PET製、PEN製、PP製、PAR製、PBT製、PC製、PE製であり、さらに好ましくはPET製、PBT製、PP製、PE製、さらにより好ましくは、PET、PP、PE製であり、特に好ましくはPET、PP製であり、最も好ましくはPET製である。
本明細書において、容器とは、主としてレバミピド含有局所粘膜適用水性組成物を直接収容する容器(一次容器)を意味する。また、容器は、容器本体部に蓋部や抽出口部が付随されていることもある。上記の材質は、主として容器本体部の材質を意味する。
本実施形態に係る局所粘膜適用水性組成物を収容する容器が樹脂製である場合、容器は単一の樹脂のみから成形されていてもよく、また、複数の合成樹脂を組み合わせて成形されていてもよい。複数の合成樹脂を組み合わせる場合、上記合成樹脂同士(PET、PEN、PP、PAR、PBT、PC及びPE)を組み合わせてもよく、上記合成樹脂に加えて通常、合成樹脂製容器を成形するのに用いられる合成樹脂を組み合わせてもよい。
本発明の局所粘膜適用水性組成物を収容する容器は、容器内部を視認できる透明容器であってもよく、容器内部の視認が困難な不透明容器であってもよい。ここで、「透明容器」とは、無色透明容器及び有色透明容器の双方が含まれる。
本発明において、容器の形状、内部に収容できる容量は特に限定はされない。例えば点眼剤や点鼻剤などの局所粘膜適用剤用途に供される場合の容器であれば、内容量を0.1mL以上500mL以下、1mL以上100mL以下、好ましくは、2mL以上50mL以下、さらに好ましくは3mL以上25mL以下収容できる容器であり得る 。
本発明の局所粘膜適用水性組成物が点眼剤である場合には、特にマルチドーズの点眼剤であることが好ましい。
本発明の局所粘膜適用水性組成物は、単独あるいはキットの形態において、樹脂容器内に収容されて提供される。
本発明の実施態様に係る局所粘膜適用水性組成物は、(A)成分の薬効に基づき特にドライアイ疾患の治療または予防効果を有する眼粘膜適用組成物として用いられることが好ましい。
さらに、本発明の局所粘膜適用水性組成物は、眼の不快感(特にコンタクトレンズ装用時)を改善する為の点眼剤のような眼粘膜用組成物として好適に用いられる。
本発明の局所粘膜適用水性組成物が、眼粘膜適用組成物、特に点眼剤である場合、その用法・用量としては、効果を奏し、副作用の少ない用法・用量であれば特に限定されない。例えば1回に1〜3滴、1日に3〜6回(例えば、朝、昼、夕方及び就寝前等)に点眼して用いる方法が好ましい。滴下数としては1回に1〜2滴、中でも1滴、点眼回数としては1日に4回がより好ましい。
本発明の局所粘膜適用水性組成物によれば、レバミピド、レバミピド誘導体、及び/又はそれらの塩を含有する局所粘膜適用水性組成物でありながら、特に眼などの局所への適用の際のべたつきが改善され、また、点眼時の痒みなどが抑えられ、点眼後における見やすさの低下が抑制され、さらに、乾燥時の白残りが抑制される。
さらに、低温下で長期間に亘り保存されても結晶析出が抑制されており、長期に亘り澄明で製剤的に非常に安定な局所粘膜適用水性組成物とすることができる。本発明の局所粘膜適用水性組成物は、点眼剤のような眼粘膜用組成物として好適に用いられる。
本発明においては、さらに、局所粘膜適用水性組成物中に、(A)レバミピド、レバミピド誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種、並びに(B)エタノールアミン、トロメタモール、及び/又はそれらの塩を共存させることで、適用時の局所粘膜へのしみ(不快な刺激感)の抑制、特に点眼時の眼部におけるしみの抑制作用を付与する方法が提供される。この作用付与方法は局所粘膜適用水性組成物を調製することでなされ得る。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、表における各成分量の単位は、すべてw/v%である。
試験例1:使用感試験1
表1に示す組成の眼粘膜適用水性組成物(点眼剤)を常法に従って調製した。具体的には、各成分を100mL容量ビーカーに量り取り、必要量の蒸留水を添加した。加温しながら攪拌し、室温にて最終pHを調節し、均一な製剤を得た。ここで、レバミピドとしては、日本薬局方適合のレバミピドを用いた。
次に、得られた眼粘膜適用組成物を、孔径0.2μmのメンブランフィルター(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製ボトルトップフィルター)でろ過した後に、内容積14.2mLのポリエチレンテレフタレート製点眼容器に13mL充填した。各組成物はすべて無色澄明であった。充填後、点眼容器にポリエチレン製ノズルを装着した。被験者3名に各点眼剤を、左右の眼に点眼させ、点眼後すぐに表1に記載の症状に関する点眼後の実行感を下記の評価基準1に基づき評価させた。被験者は全員裸眼であった。
<評価基準1>
0点:ほとんど感じない。
1点:弱いが感じる。
2点:感じる。
3点:強く感じる。
4点:耐えられない程度に強く感じる。
3名の点数の平均値を求め、下記式1に従って、比較例1-1に対する改善率(%)を算出した。
[式1]症状の改善率(%)=
[(比較例1−1のスコアの平均値−各実施例のスコアの平均値)/比較例1−1のスコアの平均値]×100
結果を表1に併せて記載する。
表1の結果から、(A)成分及び(B)成分を組み合わせて使用した場合には、(A)成分のみを含む点眼剤と比べて、眼のべたつき、痒みの指標が顕著に改善する傾向が確認された。
試験例2 使用感試験2
表2に記載の処方に従い、各眼粘膜適用水性組成物(点眼剤)を試験例1と同様に調製し、孔径0.2μmのメンブランフィルター(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製ボトルトップフィルター)でろ過した後に、内容積14.2mLのポリエチレンテレフタレート製点眼容器に13mL充填した。充填後、点眼容器にポリエチレン製ノズルを装着した。被験者3名に各点眼剤を、左右の眼に点眼させ、点眼5分後に表2に記載の症状に関する実行感を下記の評価基準2に基づき評価させた。被験者は全員裸眼であった。
3名の点数の平均値を求め、下記式1に従って、比較例2−1に対する改善率(%)を算出した。
見やすさの改善率(%)=
[(各実施例のスコアの平均値−比較例2−1のスコアの平均値)/比較例2−1のスコアの平均値]×100
<評価基準2>
0点:大変見づらい。
1点:少し見づらい。
2点:点眼前後で変わらない。
3点:少し見やすい。
4点:大変見やすい。
表2の結果から、(A)成分及び(B)成分を組み合わせて使用した場合には、(A)成分のみを含む点眼剤と比べて、見やすさのスコアが改善することが確認された。また、比較例2−1では、全員が「0点:大変見づらい」又は「1点:少し見づらい」を選択したが、実施例1−2、2−2では全員が2点以上を選択したことから、比較例2−1の点眼剤では、見やすさが低下する傾向があること(課題)、モノエタノールアミン又はトロメタモールをともに含有することによって課題が解決される傾向があることが確認された。
試験例3:使用感試験3
表3に記載の処方に従い、各眼粘膜適用水性組成物(点眼剤)を試験例1と同様に調製し、孔径0.2μmのメンブランフィルター(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製ボトルトップフィルター)でろ過した後に、内容積14.2mLのポリエチレンテレフタレート製点眼容器に13mL充填した。充填後、点眼容器にポリエチレン製ノズルを装着した。被験者3名に各点眼剤を、左右の眼に点眼させ、表4に記載の症状に該当する人数を算出した。
表4の結果から、(A)成分及び(B)成分を組み合わせて使用した場合には、(B)成分のみを含む点眼剤と比べて、点眼時のしみが軽減されている傾向が確認された。
試験例4:白残り試験
表5に記載の処方に従い、各眼粘膜適用水性組成物(点眼剤)を試験例1と同様に調製した。各眼粘膜適用水性組成物を孔径0.2μmのメンブランフィルター(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製ボトルトップフィルター)でろ過した後に、100μLずつスライドガラス上に滴下し、20℃遮光下で24時間静置した。24時間後のスライドガラス上の各試験液の状態を観察し、以下の白残りの評価基準に従って白残りの程度を評価した。結果を下記表5に示す。また、図1に、デジタルカメラにより撮影した画像を示す。
<白残りの評価基準>
白残りが非常に激しい :+++
白残りが激しい : ++
白残りがある : +
白残りがわずかにある : ±
白残りが全く見られない : −
図1において、左から、比較例4−1、実施例4−1、比較例4−2を表わす。表5及び図1から明らかなように、(A)成分のみを含有する眼粘膜適用水性組成物においては、スライドガラスに滴下後、白色固形物が残存することが観察された(比較例4−1)。これに対して、(A)成分と共に、モノエタノールアミンを含有する眼粘膜適用水性組成物においては、白残りが顕著に抑制された(実施例4−1)。従って、眼粘膜適用水性組成物に、モノエタノールアミンを含有させることにより、滴下乾燥時の白残りが顕著に抑制され、品質に優れた眼粘膜適用水性組成物を得られることが明らかとなった。一方、眼粘膜適用水性組成物に、モノエタノールアミンの代わりにメグルミンを含有させた場合(比較例4−2)においては、白残りの抑制効果は殆ど認められなかった。
試験例5:安定性試験
表6〜8に記載の処方に従い、各眼粘膜適用水性組成物(点眼剤)を試験例1と同様に調製した。この液を、孔径0.2μmのメンブランフィルター(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製ボトルトップフィルター)でろ過した後に、各眼粘膜適用水性組成物を10mL容量のガラスヘッドスペースバイアルに5mLずつ充填し、−20℃、遮光下にて7日間保存した後に、4℃遮光下で1日間融解させた。各眼粘膜適用水性組成物中の析出物の有無を下記の析出量の評価基準に従って評価した。
<析出量の評価基準>
50cm離れた場所から観察し、結晶が20個以上確認できる ×
50cm離れた場所から観察し、結晶が10〜20個確認できる △
50cm離れた場所から観察し、結晶が1〜10個確認できる ○
50cm離れた場所から観察し、結晶が確認できない ◎
(A)成分と(B)成分を含有することによって、低温化で保存した場合にも析出が発生しにくく、安定性の高い製剤が調製できることが確認された。特に、実施例5−2、5−3、5−4は、上記の観察終了後さらに4℃環境下で7日間保存した場合にも結晶析出の増加が確認されず、安定性に特に優れていることが確認された。また、実施例5−2、5−3、5−4は、別の低温環境下(4℃)においても2週間析出が増加せずに安定に保たれることが確認された。
試験例6:安定性試験
表9に記載の処方に従い、各眼粘膜適用水性組成物(点眼剤)を調製した。各眼粘膜適用水性組成物を、孔径0.2μmのメンブランフィルター(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製ボトルトップフィルター)でろ過した後に、10mL容量のガラスヘッドスペースバイアルに5mLずつ充填し、4℃遮光下にて14日間保存し、試験例5と同様の評価基準に従って評価した。(評価1)さらに、そのサンプルを、遮光下20℃にて約6週間保存したものを同様の基準に従って評価し(評価2)、さらにデジタルカメラで状態を撮影した(図2)。
また別途、同様に充填した試料を、−20℃、遮光下にて7日間保存した後に、4℃遮光下で1日間融解させた。その後再度−20℃遮光下にて7日間保存し、4℃遮光下で1日間融解させ、同様の基準に従って評価した。(評価3)
図2において、左側は実施例6−1、右側は比較例6−1を示す。図2及び表9から明らかなように、本発明の眼粘膜適用組成物(点眼剤)は、低温下においても安定であることが確認された。
参考試験例1
本発明の局所粘膜適用水性組成物は、例えば、下記のような方法で製造することが出来た。
100mLのビーカーに約50mLの蒸留水を入れ、70℃に加温しながら撹拌した。その中に、各成分を投入した後、更に約40mLの精製水を投入した。70℃で30分以上撹拌した後に、常温に戻してpHを調整し、均一な製剤を得た。
この製剤を、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過した後に、点眼容器に充填し、充填後、点眼容器用ノズルを装着した。
(製剤例)
下記表10〜13に記載の処方で、点眼剤(製剤例1〜42)が調製される。表10〜13の製剤例中、塩酸及び水酸化ナトリウムはpH調整に用いられ、局所粘膜適用水性組成物が表10〜13に記載のpHとなるように加えられる。精製水は各液剤の全量が100mLとなるよう加えられる。尚、下記表における各成分量の単位は、w/v%である。

Claims (1)

  1. (A)レバミピド、レバミピド誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種、並びに
    (B)エタノールアミン、トロメタモール、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、局所粘膜適用水性組成物。
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