JP2020114757A - 箱詰めキット - Google Patents
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Abstract
Description
こうしたスパウト付容器とは、可撓性を備えた袋状の容器体に筒状のスパウトを装着した袋状容器であり、所謂「チアパック」と呼ばれているものである。
例えば容器についての提案としては、袋状容器体に気密性の高い素材を採用した、注出口付き袋(特許文献1)、注出具(スパウト)に気密性の高い素材を採用した、ガスバリアー性および/ないし遮光性を有する注出具と該注出具を備えた注出具付き包装袋(特許文献2)、或いは、キャップ部分に気密性の高い素材のカバーの採用を図った、パウチ用スパウトのシール構造(特許文献3)等がある。
しかしながら、これまで提案された容器、例えば袋状容器体やスパウトやキャップのカバーに気密性の高い素材を採用した容器(特許文献1〜特許文献3など)は、以前と比べて密封性が高められているものの、これらスパウトとキャップは気密性を完全に保てる訳ではないため、容器外部と極僅かながら連通することは避けられない。
このため、容器内部の水素ガスは長い時間をかけて、スパウトとキャップから極微量が徐々に放出され、それとともに容器外部からの空気が容器内部に徐々に流入し、結果、容器内の水素含有水の溶存水素濃度が低下する虞がある。
真下を向いた姿勢(上向き姿勢)に保管することを避け、例えばキャップが下を向き、容器体の底部が上を向いた状態(逆さ姿勢)にて保管することで、容器内部の水素ガスの容器外部への放出と容器外部から容器内部への空気の流入を少なくすることができ、それにより、飲料用水素含有水製品の溶存水素濃度を大きく低下させずに長期間保管できることを見出し、以下の本発明を完成させた。
前記容器体の底中央部が前記キャップよりもより低い高さに位置し、そして該キャップの仰視角度が40度未満である斜め上向きの姿勢、
前記容器体が略水平に保たれる横向きの姿勢、
前記容器体の底中央部が前記キャップよりもより高い高さに位置する斜め下向きの姿勢、あるいは
前記容器体の底部が真上を向き、反対に前記キャップが真下を向いた逆さ姿勢にて箱内に装填されていることを特徴とする、飲料用水素含有水製品の箱詰めキットに関する。
また前記箱は、前記斜め上向きの姿勢、横向きの姿勢、斜め下向きの姿勢、又は逆さ姿勢が保たれるように、箱内に装填された2個以上の飲料用水素含有水製品を個々の製品ごとに或いは2個又は3個の製品ごとに区切る仕切り材を設けていてもよい。
そして前記箱には、前述の仕切り材と姿勢保持手段の双方、或いは前述の仕切り材と姿勢支持手段の双方が設けられていてもよい。
さらに前記箱の側面の少なくとも一箇所及び/又は上面に、箱内に装填される飲料用水素含有水製品を表示する標識が設けられていてもよい。
特に好適な態様として、本発明にあっては下記[1]〜[6]の態様を対象とするものである。
[1]
飲料用水素含有水製品が箱内に装填されてなる箱詰めキットであって、
該飲料用水素含有水製品は、可撓性を有する袋状の容器体と、該容器体内に差し込まれたスパウトと、該容器体の頂部に取着された該スパウトのキャップとを備えてなるスパウト付包装容器の内部に、飲料用水素含有水が充填されてなるものであり、
そして前記飲料用水素含有水製品は、
前記容器体の底中央部が前記キャップよりもより低い高さに位置し、そして該キャップの仰視角度が40度未満である斜め上向きの姿勢、
前記容器体が略水平に保たれる横向きの姿勢、
前記容器体の底中央部が前記キャップよりもより高い高さに位置する斜め下向きの姿勢、あるいは
前記容器体の底部が真上を向き、反対に前記キャップが真下を向いた逆さ姿勢にて箱内に装填されていることを特徴とし、さらに、
前記箱は、2個以上の飲料用水素含有水製品が、前記斜め上向きの姿勢、前記横向きの姿勢、前記斜め下向きの姿勢、又は前記逆さ姿勢に保たれるように、前記箱の内部空間を格子状に区切る仕切り材を設けてなり、
前記仕切り材の高さは、箱内に装填された飲料用水素含有水製品の高さよりも低くなるように設けてなるか、或いは、
前記箱は、2個以上の飲料用水素含有水製品が、前記斜め上向きの姿勢、又は前記斜め下向きの姿勢に保たれるように、前記容器体を支える姿勢支持手段を設けてなり、
前記姿勢支持手段は、前記容器体を下方より支えるための水平に対して傾斜する傾斜面を有し、該傾斜面の傾斜方向の長さは、前記容器体の底中央部から前記キャップまでの長さより短い長さであるか、或いは、
前記箱は、前記仕切り材及び前記姿勢支持手段の双方を設けてなる、
飲料用水素含有水製品の箱詰めキット。
[2]
前記飲料用水素含有水製品が、前記斜め上向きの姿勢、前記横向きの姿勢、前記斜め下向きの姿勢、又は前記逆さ姿勢に保たれるように、前記容器体の周囲が前記仕切り材に当接してなる、[1]に記載の箱詰めキット。
[3]
前記飲料用水素含有水製品が、前記斜め上向きの姿勢、又は前記斜め下向きの姿勢に保たれるように、前記容器体の周囲が前記姿勢支持手段に当接してなる、[1]に記載の箱詰めキット。
[4]
前記仕切り材は、個々の、2個の、又は3個の飲料用水素含有水製品を区切るように設けられている、[1]乃至[3]のうち何れかに記載の箱詰めキット。
[5]
前記箱は、
前記容器体の底部が真上を向き、反対に前記キャップが真下を向いた前記飲料用水素含有水製品の逆さ姿勢が保たれるように、又は、
前記容器体の底中央部が前記キャップよりも高い高さに位置する斜め下向きの姿勢が保たれるように、
前記キャップの動きを拘束する姿勢保持手段を設けてなる、
[1]乃至[4]のうち何れかに記載の箱詰めキット。
[6]
前記箱の側面の少なくとも一箇所及び/又は上面に、箱内に装填される飲料用水素含有水製品を表示する標識が設けられている、[1]乃至[5]のうち何れかに記載の箱詰めキット。
このため本発明により、長期間保管後においても水素含有水の溶存水素濃度の変化が少
なく、品質の安定した水素含有水を消費者に供給することが可能となる。
この方法によれば、水中の気体を脱気した後、加圧水素ガスを溶解させることで飽和濃度に近い高濃度の水素含有水を得ることができるものの、仮に得られた水素含有水が空気と一たび接触するならば、空気が水素含有水に再び溶解して水素含有水中の溶存水素濃度が低下し、ひいては水素含有水としての品質低下が生じ得る。このため、水素含有水を容器に充填する際、空気の容器内への混入を防ぎ、水素含有水が充填・密封された容器内において、空気の残留量をできる限り少なくすることが、水素含有水製品の品質保持のためには重要な事項である。このため本発明者らは、空気の残留量をできる限り少なくできる充填方法を検討したり、スパウト付包装容器の空気溜まり量を減少させる容器を提案したりしている(特開2011−240959号公報)。
しかしながら、水素含有水製品の製造時において、容器内部における空気の残留量をできるだけ減少させたとしても、スパウト付包装容器におけるスパウトやキャップの気密性を完全に保つことは難しく、僅かながら容器内部の空間と外部の空間とが連通しており、長期間保管後に容器内部の水素ガスが外部に放出することを完全に遮断することは困難であった。すなわち、長期間保管後には、水素含有水製品における水素含有水の溶存水素濃度が低下してしまうという傾向があった。
そして、従来一般的な保管姿勢である製品の天地を保った状態、すなわちスパウトやキャップの部分を上にした“上向き姿勢”による保管は、スパウトやキャップを通じて容器外部からの気体の流入や容器内部からの気体の放出が起こりやすく、溶存水素濃度の低下を加速させる虞があること、そのため、スパウトやキャップの部分を製品内部の水素含有水自体で塞ぐ(製品内部に存在するガスをスパウトやキャップと接触させない)こと、具体的には、例えば製品の天地を逆さにするなどによって、スパウトやキャップ部分における気体の連通が抑制されることを見出した。そしてそれにより、溶存水素濃度を大きく低下させることなく水素含有水製品を長期間保管できる箱詰めキット並びに飲料用水素含有水製品の保存方法の完成に至ったものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
前記飲料用水素含有水製品は、可撓性を有する袋状の容器体と、該容器体内に差し込まれたスパウトと、該容器体の頂部に取着された該スパウトのキャップとを備えてなるスパウト付包装容器の内部に、飲料用水素含有水が充填され、キャップによって密封されてなるものである。
このような容器体としては、例えばアルミラミネートフィルム製の容器体、所謂パウチ容器が、気密性が高く水素の流出を防ぐことができるために好ましく用いられる。パウチ容器の形状としては、既に市販されているガゼットタイプ(まち付き)、スタンドタイプ(まち無し)等、各種のタイプのものを使用できる。
また、上記容器において使用するスパウトとしては、バリア材を使用して製造されたバリアスパウトを用いることが望ましい。
上記容器の製品容量は特に限定されないが、例えば100ml乃至2,000ml、特に150ml乃至500ml、好ましくは180ml乃至300ml程度の容量の容器を好適に使用できる。なお本明細書において「製品容量」とは、製品が流通・販売される際の規格容量(適正充填量、表示内容量とも称する)であり、容器に充填できる最大容量より数%〜10%程度、より少ないものとなっている。
上記飲料用水素含有水そして飲料用水素含有水製品は、具体的には(1)浄化装置において原料となる水をろ過及び浄化し、得られた浄化水を脱気装置に送る浄化工程と、(2)前記脱気装置に供給された浄化水を脱気し、得られた脱気水を水素溶解装置に送る脱気工程と、(3)前記水素溶解装置に供給された脱気水に水素ガスを溶解させ、得られた水素溶解水を殺菌装置に送る水素溶解工程と、(4)前記殺菌装置に供給された水素溶解水
を殺菌し、得られた水素含有水を充填装置に送る殺菌工程と、(5)前記充填装置に供給された水素含有水を袋状容器に充填し、充填された水製品を加熱殺菌装置に送る充填工程と、(6)前記加熱殺菌装置に送られた水製品を加熱殺菌する加熱殺菌工程、とを含み、前記水素溶解装置が、ガス透過膜によって水室と気体室とに区画され、水室に前記脱気水を通過させ、一方気体室に水素ガスを加圧して供給することにより、水素ガスを前記脱気水に溶解させるガス透過膜モジュールを備えてなり、そして工程(4)で得られた水素含有水の一部を工程(2)の脱気装置に戻し、工程(2)乃至工程(4)の間で水循環させることによる方法により、製造することができる。
なお上記工程のうち、飲料用水素含有水を製造する工程、すなわち(1)浄化工程、(2)脱気工程、(3)水素溶解工程及び(4)殺菌工程は、各工程が閉じられた系において連続して為すことにより、溶存水素濃度の高い飲料用水素含有水を製造できるので好ましい。
なお機能性原料配合の飲料用水素含有水は、前記(1)浄化工程実施時において原料となる水に機能性原料溶解又は混合した後、その後の工程に供して製造してもよく、或いは、機能性原料の液体(例えば野菜ジュース、牛乳など)自体を脱気し、ガス透過性中空糸膜を介して水素ガスを溶解することによって製造してもよい。
1)前記容器体の底中央部が前記キャップよりもより低い高さに位置し、そして該キャップの仰視角度が40度未満である斜め上向きの姿勢(図1(b)):
本姿勢は、図1(b)における仰視角度αが40度未満となるように、すなわち従来の上向き姿勢の保管状態に比べて飲料用水素含有水製品が斜めに傾いた姿勢となっている姿勢である。本姿勢は、キャップの仰視角度αが40度未満から0度(すなわち下記2)横向きの姿勢となる)までの全ての角度を含む傾きにて、斜め上向きとなっている姿勢を含む。なお本姿勢において仰視角度αは、(b−1)に示すように、飲料用水素含有水製品の袋側面と水平面とで為す角度である場合[言わば飲料用水素含有水製品が前傾(又は後傾)した状態]、(b−2)に示すように水素含有水製品の袋正面と水平面とで為す角度である場合[言わば飲料用水素含有水製品が右傾(或いは左傾)した状態]のいずれもを包含する。
2)前記容器体が略水平に保たれる横向きの姿勢(図1(c)):
本姿勢は、言わば容器体を横置きに設置した姿勢である。なお本姿勢は、(c−1)に示すように飲料用水素含有水製品の袋正面部分が上下を向くように設置された姿勢である場合、(c−2)に示すように飲料用水素含有水製品の袋側面部分が上下を向くように設置された場合のいずれもを包含する。
3)前記容器体の底中央部が前記キャップよりもより高い高さに位置する斜め下向きの姿勢(図1(d)):
本姿勢は、前記キャップが下斜め方向に傾いた姿勢となっているものである。本姿勢は、該キャップが前記2)横向きの姿勢(略水平)から下記4)逆さ姿勢(真下の向き)となるまでの全ての角度を含む傾きβ(すなわちβは0度から90度の範囲内)にて、斜め
下向きとなっている姿勢を含む。なお本姿勢において傾きβは、(d−1)に示すように、飲料用水素含有水製品の袋側面と水平面とで為す角度である場合[言わば飲料用水素含有水製品が下向きに前傾(又は下向きに後傾)した状態]、(d−2)に示すように水素含有水製品の袋正面と水平面とで為す角度である場合[言わば飲料用水素含有水製品が下向きに右傾(或いは下向きに左傾)した状態]のいずれもを包含する。
4)前記容器体の底部が真上を向き、反対に前記キャップが真下を向いた逆さ姿勢(図1e):(e−1)側面図、(e−2)正面図):
本姿勢は、言わば製品の天地を逆転させた姿勢である。
これらの中でも、製品の箱内への充填効率や充填コストの観点、そして特に飲料用水素含有水製品における容器内の雰囲気と外気との連通の遮断という観点から、最も好ましくは前記容器体の底部が真上を向き、反対に前記キャップが真下を向いた逆さ姿勢であること、すなわち、製品の天地を逆転させて保管する姿勢にて箱内に装填されていることが好ましい。
また、前記箱には4)逆さ姿勢が保たれるように、前記キャップの動きを拘束する姿勢保持手段を設けてもよい。
或いは前記箱には、1)斜め上向きの姿勢、又は3)斜め下向きの姿勢が保たれるように、前記容器体の姿勢を支える姿勢支持手段を設けてもよい。なお、3)斜め下向きの姿勢が保たれるように、姿勢保持手段と姿勢支持手段の双方が設けられていてもよい。
前記仕切り材は、前記飲料用水素含有水製品が、1)斜め上向きの姿勢、2)横向きの姿勢、3)斜め下向きの姿勢、又は4)逆さ姿勢を保つことができるような箱内の位置に設けられていればよいが、前記飲料用水素含有水製品の箱内からの取り出し易さなどを考慮すると、箱内に装填された飲料用水素含有水の高さよりも低い部分に設けられてなること、例えば、4)逆さ姿勢で箱内に装填されている場合には、箱内に装填された容器体の底より高い部分には設けられていないことが好ましい。
また前記仕切り材は、個々の水素含有水製品を区切るように設けられ、或いは、複数個の、例えば水素含有水製品を2個ずつ区切るように設けられる。前記仕切り材が複数個の水素含有水製品を区切るように設けられる場合、仕切り材で区切られた場所から水素含有水製品を一つ取り出し後においても、当該区切られた場所に残された別の水素含有水製品が、上述したように1)斜め上向きの姿勢、2)横向きの姿勢、3)斜め下向きの姿勢、又は4)逆さ姿勢を保つことができるという条件を考慮して該仕切り材は設けられ、例えば2個ずつ、あるいは3個ずつ区切るように設けられる。
前記姿勢保持手段としては、例えば剛性の相対的に高い面材、例えば厚肉クラフト紙や段ボールや樹脂シート、発泡スチロールボードに、キャップの挿込み孔を設けてなる態様が挙げられる。
該キャップの挿込み孔は、箱内に装填する水素含有水製品の数だけ、そして好ましくは、容器体の本体同士が軽く押圧し合うような間隔を保って、複数個設けられる。該キャップの挿込み孔としては、例えば切り込みが十字形状や放射状に形成された切り込み孔であって、その切り込み片がキャップ外周に設けられたツバやネジ山と係止する構造のものや、キャップの径よりわずかに大きい径の孔、若しくは更にくぼみのある孔で、孔の周縁部がキャップ外周に設けられるツバやネジ山と係止する構造のものが挙げられる。該挿込み孔が切り込み孔である場合、切り込みの周囲に折り曲げやすくなるような溝が設けられたり、或いは、切り込み孔の中心部においてキャップの径よりも小さい径の孔が設けられたりしてもよい。さらに挿込み孔は、後述するようにキャップだけでなく、飲料用水素含有水製品の容器体の上部が挿込めるように、切り込み孔とともに線状の切り込みが設けられていてもよい。
またこうした挿込み孔が設けられた姿勢保持手段は、通常、箱内の底部辺りに設けられるが、その際、キャップの向きが垂直に保持されるように、そしてキャップの挿込みが容易となるように、キャップの先端が箱の底にほぼ当接するくらいに近接する高さに挿込み孔が設けられてなる態様であることが好ましい。これは、例えば姿勢保持手段が設けられた段ボールなどの厚紙の周囲を折り曲げ、該姿勢保持手段に高さを設けることにより実現できる。なお姿勢保持手段の材料として発泡スチロール製のボードを採用した場合には、ボードの厚みと挿込み孔の深さを調整することにより、キャップの向きを垂直に保持することができる。
前記姿勢支持手段としては、例えば剛性の相対的に高い面材、例えば厚肉クラフト紙や段ボールや樹脂シートを三角形状に折る、或いは単に折り曲げるなどして傾斜を設けてなる態様や、発泡スチロールボードなどを斜めに切断して、切断面が水平面に対して傾斜している態様などが挙げられ、これらの傾斜に製品(特に容器体)を沿わせるように立てかけることにより、傾いた姿勢を支持することができる。
なお、飲料用水素含有水製品が斜め下向き姿勢をとる場合、姿勢支持手段とあわせて前記姿勢保持手段を設けてもよい。前記姿勢保持手段を設けることによって、容器体の底中央部より下に位置する前記キャップを保持させ、これにより、飲料用水素含有水製品の斜め下向き姿勢を安定させることができる。この場合の設ける姿勢保持手段は前述と同様の条件にて設置し得る。
また、図5に示すように、仕切り材4とキャップの動きを拘束する姿勢保持手段5とを併用してもよい。
図7の態様では、その一例として、姿勢支持手段8として、三角形状に折り曲げられたボード(図7(a))を採用した例(図7(b))及び折り曲げたボード(図7(c))を採用した例(図7(d))である。そしてこれら姿勢支持手段8の傾斜面8aに飲料用水素含有水製品2を配置することにより、前記飲料用水素含有水製品2の前記容器体21の底部21aの中央部(底中央部)21bが前記キャップ22よりもより低い高さに位置する斜め上向きの姿勢を維持することができる。
の箱詰めキット1を販売店や顧客に配送したり、或いは販売店において陳列・保管したり、顧客において飲料用水素含有水製品2を飲用する際まで、箱詰めキット1の天地を反転させる行為を防止でき、すなわち、飲料用水素含有水製品2が斜め上向きの姿勢(図1(b))、横向きの姿勢(図1(c))、斜め下向きの姿勢(図1(d))、又は逆さ姿勢(図1(e))を保つことを容易とする。なお図8には示していないが、箱3の側面や上面に加えて、箱3の下面にも標識9が設けられていてもよい。また、図8には示していないが、小箱7においても、その側面、上面及び下面に標識9が設けられていてもよい。
また、図2乃至図8には示していないが、箱詰めキット1の箱3に所定数の飲料用含有水製品2を装填後、飲料用含有水製品2の上方に、厚肉クラフト紙や段ボールや樹脂シート、発泡スチロールボードなどから形成される平板パッドを箱3内に収まるように挿入してもよい。平板パッドの挿入により、箱詰めキット1を梱包後、カッター等の刃物を用いて箱3を開封した場合においても、該刃物によって飲料用含有水製品2が破損する虞を防ぐことができる。
本実施例で使用した飲料用水素含有水そして飲料用水素含有水製品は、本発明者らが先の特許出願(特願2009−123310号明細書)において開示された方法により、好適に製造できる。
すなわち、(1)浄化装置において原料となる水をろ過及び浄化し、得られた浄化水を脱気装置に送る浄化工程と、(2)前記脱気装置に供給された浄化水を脱気し、得られた脱気水を水素溶解装置に送る脱気工程と、(3)前記水素溶解装置に供給された脱気水に水素ガスを溶解させ、得られた水素溶解水を殺菌装置に送る水素溶解工程と、(4)前記殺菌装置に供給された水素溶解水を殺菌し、得られた水素含有水を充填装置に送る殺菌工程と、(5)前記充填装置に供給された水素含有水を密封容器に充填し、充填された水製品を加熱殺菌装置に送る充填工程と、(6)前記加熱殺菌装置に送られた水製品を加熱殺菌する加熱殺菌工程、とを含み、前記水素溶解装置が、ガス透過膜によって水室と気体室とに区画され、水室に前記脱気水を通過させ、一方気体室に水素ガスを加圧して供給することにより、水素ガスを前記脱気水に溶解させるガス透過膜モジュールを備えてなり、そして工程(4)で得られた水素含有水の一部を工程(2)の脱気装置に戻し、工程(2)乃至工程(4)の間で水循環させることによる方法により、飲料用水素含有水を製造した。
図9に示すように、ガゼットタイプの容器6は、内容物(水素含有水)を充填すると箱状(直方体状)の形状となり、この容器は、アルミラミネートシートを熱溶着して袋状に成形してなる容器体61と、樹脂製のスパウト62と樹脂製のキャップ63から構成される。
容器体61は、略長方形状をなす前後のシート611a、611bの両側面に、細長い側方のシート611c、611dを2つ折にして夫々挟み込み、前後のシート611a、611bの下縁部を共に接合して底部612を形成し、また側縁部を共に接合してまち部613を形成した。そして、前後のシート611a、611bの上縁部の略中央の差込口614にスパウト62を差し込み、スパウト62と共に前後のシート611a、611b及び側方のシート611c、611dと一体に接合することにより形成した。
図2乃至図8に実施例1乃至実施例7の箱詰めキット1を示す。なお実施例1乃至実施例5及び実施例7は、本発明の箱詰めキットにおいて、前記容器体の底部が真上を向き、反対に前記キャップが真下を向いた逆さ姿勢にて飲料用水素水含有製品が箱内に装填されてなる例を示し、実施例6は、容器体の底中央部が前記キャップよりもより低い高さに位置し、そして該キャップの仰視角度が40度未満である斜め上向きの姿勢にて飲料用水素含有水が箱内に装填されてなる例を示す。
仕切り材4は互いに直交する縦板と横板とからなり、箱3の内部空間を格子状に仕切る板材である。仕切り材4により形作られる個々の区域は、飲料用水素含有水製品が丁度よく収納される大きさの空間となっている。すなわち、仕切り材4は、飲料用水素含有水製品2の容器体21の周囲に当接するように、そして仕切り材4が飲料用水素含有水製品2を個々(1個)の製品ごとに区切るように、格子状に設けられている。このように仕切り材4を配置することで、箱3に装填された任意の一の飲料用水素含有水製品2を取り出した場合において、箱3に装填された残りの飲料用水素含有水製品2はそのままその容器体21の底部21aが真上を向く姿勢を保つことができる。
また図2に示すように、仕切り材4の高さは、一例として、容器体21の底部21aよりも低い位置に設定することができる。このように仕切り材4の高さを調整することで、箱3内に装填された水素含有水製品2が取り出し易さが向上する。また仕切り材4の高さを、容器体21の底部21aよりも高い位置に設定してもよい。箱詰めキットを段積みした場合、上方に位置する箱詰めキットからの重力によって下方に位置する箱詰めキット内の飲料用水素含有水製品2が変形する虞があるが、仕切り材4の高さを調整することで、こうした製品の変形を抑えることができる。
本実施例の箱詰めキットにおいて、仕切り材4を2個ずつ区切るように設けることにより、仕切り材4により形作られた区域内の一方の飲料用水素含有水製品2を取り出したとき、もう一方の飲料用水素含有水製品2は、仕切り材4により区切られた一の区域内で、その容器体21の底部21aが真上を向く斜め姿勢を保つことができ、これにより水素の放出が抑制される。しかも、仕切り材4の使用量を減らすことができるため、コストの削減につながる。
なお図4(a)に示す箱詰めキットでは、切り込み5b及び溝5cが設けられた挿込み孔5aの形態(図4(b))となっているが、さらに挿込み孔5aにさらに線状切り込み5eを設けた形態(図4(c))としてもよい。図4(b)は5つの切り込み5bと該切
り込みの周囲に溝5cが設けられた形態、図4(c)は、4つの切り込み5bと、該切り込みの周囲に設けられた溝5cと、該溝から線状切り込み5eが設けられた形態を示している。図4(c)に示すように、切り込み5b及び溝5cに加えて線状切り込み5eをさらに設けることにより、前述の容器体61における前後のシート611a、611b及び側方のシート611c、611dが一体に接合された接合部615(図9参照)を線状切り込み5eより差し込むことが可能となり、すなわち挿込み孔5aにキャップ22と接合部615の挿入が可能となり、飲料用含有水製品2の姿勢保持がより容易となる。
姿勢保持手段5は、1枚の段ボールに切り込みを入れそしてその周囲を折り曲げることで、容易に形成可能である。また、箱2内からの飲料用水素含有水製品2の容易な取り出しが可能である。
製造した飲料用水素含有水製品を、室温にてテーブル上にて、以下の5姿勢にて保管した。
1)上向き姿勢(図1(a)参照)
2)斜め上向きの姿勢(仰視角度α(図1(b−1)の前傾(又は後傾)姿勢参照)を35度とした姿勢)
3)横向きの姿勢(図9における611a又は611b面をテーブルに接地させた姿勢(図1(c−1)参照)))
4)斜め下向きの姿勢(傾きの角度β(図1(d−1)の下向きに前傾(又は下向きに後傾)の姿勢参照)を45度とした姿勢)
5)逆さ姿勢(図9におけるキャップ63がテーブルに接地し、容器体の底部612が真上を向く姿勢、図(1(e)参照))
0日(製造直後)から240日後までの飲料用水素含有水の溶存水素濃度を測定した(試料数:各2)。製造直後からの溶存水素濃度の減少率(%)について表1並びに図10に示す。
なお、本試験は、飲料用水素含有水の溶存水素濃度を1.40ppmに調整し、充填してなる飲料用水素含有水製品を用いて行った。
.3%となり、溶存水素濃度はほぼ0に近い値(水道水と同レベルの溶存水素濃度値)となった。
一方、斜め上向きの姿勢で保管した水素含有水製品においては、90日経過後における溶存水素濃度の減少率が60.7%、横向きの姿勢で保管した製品にあっては同42.9%、斜め下向きの姿勢で保管した製品にあっては同31.4%となり、上向き姿勢よりも溶存水素濃度の低下を抑制できるという結果となった。さらに逆さ姿勢にての保管にあっては、90日経過後においても溶存水素濃度の減少率が20.7%であり、上向き姿勢にて保管した製品と比べて相当に高い溶存水素濃度を維持することができる結果となった。
このように、本発明に従う箱詰めキットは、飲料用水素含有水製品を斜め上向きの姿勢、横向きの姿勢、斜め下向きの姿勢、或いは逆さ姿勢にて装填(保管)することにより、製品の天地を保持した(上向き)これまでの装填(保管)に比べて、飲料用水素含有水製品の溶存水素濃度を、長期間高い値にて維持することが可能であった。
2 飲料用水素含有水製品
21 容器体
21a 容器体の底部
21b 容器体の底中央部
22 キャップ
3 箱
4 仕切り材
5 姿勢保持手段
5a 挿込み孔
5b 切り込み
5c 溝
5d 周囲
5e 線状切り込み
6 スパウト付袋状容器
61 容器体
611a〜611d シート
612 底部
613 まち部
614 差込口
615 接合部
62 スパウト
63 キャップ
7 小箱
8 姿勢支持手段
8a 傾斜面
9 標識
Claims (6)
- 飲料用水素含有水製品が箱内に装填されてなる箱詰めキットであって、
該飲料用水素含有水製品は、可撓性を有する袋状の容器体と、該容器体内に差し込まれたスパウトと、該容器体の頂部に取着された該スパウトのキャップとを備えてなるスパウト付包装容器の内部に、飲料用水素含有水が充填されてなるものであり、
そして前記飲料用水素含有水製品は、
前記容器体の底中央部が前記キャップよりもより低い高さに位置し、そして該キャップの仰視角度が40度未満である斜め上向きの姿勢、
前記容器体が略水平に保たれる横向きの姿勢、
前記容器体の底中央部が前記キャップよりもより高い高さに位置する斜め下向きの姿勢、あるいは
前記容器体の底部が真上を向き、反対に前記キャップが真下を向いた逆さ姿勢にて箱内に装填されていることを特徴とし、さらに、
前記箱は、2個以上の飲料用水素含有水製品が、前記斜め上向きの姿勢、前記横向きの姿勢、前記斜め下向きの姿勢、又は前記逆さ姿勢に保たれるように、前記箱の内部空間を格子状に区切る仕切り材を設けてなり、
前記仕切り材の高さは、箱内に装填された飲料用水素含有水製品の高さよりも低くなるように設けてなるか、或いは、
前記箱は、2個以上の飲料用水素含有水製品が、前記斜め上向きの姿勢、又は前記斜め下向きの姿勢に保たれるように、前記容器体を支える姿勢支持手段を設けてなり、
前記姿勢支持手段は、前記容器体を下方より支えるための水平に対して傾斜する傾斜面を有し、該傾斜面の傾斜方向の長さは、前記容器体の底中央部から前記キャップまでの長さより短い長さであるか、或いは、
前記箱は、前記仕切り材及び前記姿勢支持手段の双方を設けてなる、
飲料用水素含有水製品の箱詰めキット。 - 前記飲料用水素含有水製品が、前記斜め上向きの姿勢、前記横向きの姿勢、前記斜め下向きの姿勢、又は前記逆さ姿勢に保たれるように、前記容器体の周囲が前記仕切り材に当接してなる、請求項1に記載の箱詰めキット。
- 前記飲料用水素含有水製品が、前記斜め上向きの姿勢、又は前記斜め下向きの姿勢に保たれるように、前記容器体の周囲が前記姿勢支持手段に当接してなる、請求項1に記載の箱詰めキット。
- 前記仕切り材は、個々の、2個の、又は3個の飲料用水素含有水製品を区切るように設けられている、請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の箱詰めキット。
- 前記箱は、
前記容器体の底部が真上を向き、反対に前記キャップが真下を向いた前記飲料用水素含有水製品の逆さ姿勢が保たれるように、又は、
前記容器体の底中央部が前記キャップよりも高い高さに位置する斜め下向きの姿勢が保たれるように、
前記キャップの動きを拘束する姿勢保持手段を設けてなる、
請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の箱詰めキット。 - 前記箱の側面の少なくとも一箇所及び/又は上面に、箱内に装填される飲料用水素含有水製品を表示する標識が設けられている、請求項1乃至請求項5のうち何れか一項に記載の箱詰めキット。
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