JP2020114706A - 座席装置 - Google Patents

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純一 宗近
Junichi Munechika
純一 宗近
典恵 梅原
Norie Umehara
典恵 梅原
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【課題】着座者をより確実にリラックスさせることができる座席装置を提供する。【解決手段】座席装置10は、車両に搭載され、着座者が着座するシート12と、前記シートに着座した着座者の背部を押圧するリフレッシュ用空気袋32と、前記リフレッシュ用空気袋32の駆動を制御するコントローラ44であって、リフレッシュ動作が必要な場合に、リフレッシュ用空気袋32による前記背部の押圧と、前記押圧の解除とを繰り返すリフレッシュ動作を実行させるコントローラ44と、を備え、前記コントローラ44は、前記繰り返しの周期を予め設定された初期周期から徐々に大きくする。【選択図】図6

Description

本明細書では、車両に搭載される座席装置を開示する。
運転手をはじめとする自動車の乗員は、比較的、長時間ほぼ同じ姿勢を取ったまま座席に座り続ける。こうした着座の長期化や他の理由により、自動車の乗員のストレスや緊張感が高まり、運転操作の判断に影響を与えることがある。そこで、従来から自動車の乗員の緊張感を緩和できる座席装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、自動車の運転者に対して規則正しい周期の呼吸を誘導する運転者感情誘導装置が開示されている。この特許文献1の運転者感情誘導装置は、運転者の背後から後頭部、胸椎部、腰椎部を圧迫する圧迫手段と、車両のシートベルトの張力を調節する張力調節手段と、この圧迫手段及び張力調節手段を制御して運転者の呼吸周期を予め設定された呼吸周期に誘導する呼吸誘導手段と、を備えている。一般に、人はゆっくりとした周期で呼吸をする(例えば深呼吸等)と緊張感が緩和されることが知られている。そのため、特許文献1の技術で、運転者の呼吸周期を望ましい周期に誘導できれば、運転者の緊張を緩和できる。
特開2005−296452号公報
ところで、特許文献1では、目標とする呼吸周期として、丹田式、西野式といった呼吸法に基づく、特定の呼吸周期が設定されており、この目標の呼吸周期に合わせて圧迫手段及び張力調節手段を駆動している。従って、この目標の呼吸周期は、圧迫手段等の駆動周期とほぼ同じである
ここで、丹田式呼吸法は、吸気5秒、呼気10秒(したがって呼吸周期は15秒)を目標としており、通常の成人の呼吸周期(3.3秒〜5秒)と比べて非常に長い。また、西野式呼吸法でも、呼吸周期は、10秒以上と非常に長くなっている。換言すれば、特許文献1の技術では、圧迫手段等によって乗員を押圧し始めたときの乗員の呼吸周期と、圧迫手段等による押圧周期との乖離が大きい。そのため、圧迫手段等により身体が部分的に押されたとしても、この押圧と同じ周期で呼吸することは、乗員が特別に意識して行わない限り難しい。つまり、特許文献1のように、平常時の乗員の呼吸周期より大幅に大きい周期で乗員を押圧する技術では、乗員の緊張を自然に(無意識的に)緩和することは難しかった。
そこで、本明細書では、乗員をより確実にリラックスさせることができる座席装置を開示する。
本明細書で開示する座席装置は、車両に搭載され、着座者が着座するシートと、前記シートに着座した着座者の背部を押圧する押圧機構と、前記押圧機構の駆動を制御するコントローラであって、リフレッシュ動作が必要な場合に、前記押圧機構による前記背部の押圧と、前記押圧の解除とを繰り返すリフレッシュ動作を実行させるコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記繰り返しの周期を予め設定された初期周期から徐々に大きくする、ことを特徴とする。
かかる構成とすることで、リフレッシュ動作の開始時における着座者の呼吸周期と、押圧/押圧解除の繰り返し周期との乖離を小さく抑えられるため、着座者が、この押圧/押圧解除の動作につられて呼吸しやすくなる。そして、この押圧/押圧解除の繰り返し周期が徐々に大きくなることで、着座者の呼吸周期を自然と大きくできる。結果として、着座者が意識しなくても、自然と着座者をリラックスさせることができる。
また、前記押圧機構は、前記シートの背もたれ部のうち前記着座者の腰椎を支える箇所に内蔵され、膨張することで前記背もたれ部の表面を前記背部に近づく方向に膨らます1以上の空気袋を含んでもよい。
かかる構成とすることで、簡易に着座者の背部の押圧/押圧解除が可能となる。
さらに、前記着座者のマインド状態に関する情報を検知するマインド状態検知手段を備え、前記コントローラは、前記マインド状態検知手段で検知された情報に基づいて前記着座者のマインド状態を判断し、その判断結果に基づいて、前記リフレッシュ動作の要否を判断してもよい。
かかる構成とすることで、適切なタイミングでリフレッシュ動作を実行することができる。
前記マインド状態検知手段は、前記着座者を撮像するカメラ、及び、前記着座者の生体信号を検知する生体信号センサの少なくとも一つを含んでもよい。
また、前記初期周期は、平常時における前記着座者の呼吸周期よりも大きくてもよい。
かかる構成とすることで、比較的短い時間で、着座者を所望の呼吸周期に誘導することができる。
本明細書で開示する座席装置によれば、着座者をより確実にリラックスさせることができる。
座席装置に設けられるシートの斜視図である。 シートの概略的な断面図である。 空気袋の膨縮制御に関するブロック図である。 着座者のマインド状態の遷移の一例を示す図である。 腰椎の動きに伴う横隔膜及び肺の動きを説明する図である。 リフレッシュ用空気袋の膨縮のプロファイルを示す図である。
以下、図面を参照して座席装置10の構成について説明する。図1は、座席装置10に設けられるシート12の斜視図である。また、図2は、シート12の断面図である。この座席装置10は、車室の前部に搭載される運転席や助手席として用いられる1人掛け用の座席装置である。座席装置10のシート12には、着座者が着座するシートクッション14と、着座者の上体を支えるシートバック16(背もたれ部)と、が設けられている。シートクッション14は、略水平に設置されたクッションフレーム(図示せず)に、クッションパッド22を載置し、さらに、このクッションパッド22の表面をクッションカバー24で覆うことで構成される。クッションカバー24は、薄いシート状素材、例えば布や合成皮革、天然皮革等からなる。クッションカバー24の表面には、いくつかの溝が形成されており、これは、クッションカバー24をクッションパッド22側から吊る(引っ張る)ことで形成される。クッションパッド22は、適度な弾性を有した材料、例えば、軟質ポリウレタン発泡体等からなる。
クッションフレームの下には、前後方向に延びるスライドレール(図示せず)が固着されており、クッションフレームは、このスライドレールに対してスライド可能に取り付けられている。そして、クッションフレームがスライドすることで、シート12全体が前後方向にスライドできる。
シートバック16は、シートクッション14の後端から立ち上がるバックフレーム(図示せず)と、バックフレームの前面に配置されるバックパッド28と、バックパッド28の表面を覆うバックカバー30と、を有している。バックパッド28は、後述する空気袋32,34の膨縮に伴い変形できる程度の弾性を有した材料、例えば、軟質ポリウレタン発泡体等からなる。バックカバー30は、クッションカバー24と同様に薄いシート状素材(布、合成皮革、天然皮革等)からなる。また、バックカバー30の表面にも、いくつかの溝が形成されており、これは、バックカバー30をバックパッド28側から吊ることで形成される。
バックフレームの下端は、幅方向に延びる揺動軸20に連結されている。バックフレームを含むシートバック16は、この揺動軸20を中心として前後方向に揺動(リクライニング)できるようになっている。シートバック16の上端には、着座者の頭部を支えるヘッドレスト18が接続されている。このヘッドレスト18の構成は、従来のものを採用できるため、ここでの詳説は、省略する。
シートバック16のうち、着座者の腰部に対応する箇所、具体的には、シートバック16の中間高さよりもやや下側位置には、複数の空気袋32,34が設けられている。空気袋は、比較的小さめのリフレッシュ用空気袋32と、比較的大きめのストレッチ用空気袋34と、を含む。これら空気袋32,34は、いずれも、着座者の背部を押圧する押圧機構として機能するものである。より具体的には、空気袋32,34は、いずれも、その内部に空気を充填させることで膨張し、これによりシートバック16の表面を局所的に着座者に近づく方向に突出させる。
ストレッチ用空気袋34は、着座者に背筋を伸ばすストレッチをさせるために設けられている。ストレッチ用空気袋34は、図1に示すように、幅方向に長尺な略長方形であり、着座者の腰部の背後に位置している。ストレッチ用空気袋34が膨張することで、着座者の腰部が前方に押圧され、着座者の背筋が伸ばされる。なお、ストレッチ用空気袋34は、その厚み方向に複数段、重ねられて配置されてもよい。複数のストレッチ用空気袋34を、厚み方向に重ねることで、空気注入量を抑えつつ、大きな変形ストロークが得られる。
リフレッシュ用空気袋32は、着座者をリフレッシュさせて、緊張を緩和するために設けられている。より具体的には、リフレッシュ用空気袋32は、特別な周期で膨縮を繰り返すことで、着座者に深呼吸を促し、これにより着座者をリラックスさせるが、これについては、後に詳説する。図1に示すように、シートバック16には、四つのリフレッシュ用空気袋32が、2行2列の配列で配置されている。このリフレッシュ用空気袋32も、着座者の腰部に対応する位置に設けられており、一部のリフレッシュ用空気袋32は、ストレッチ用空気袋34と厚み方向に重なって配置されている。このリフレッシュ用空気袋32の膨張に伴うシートバック16の変形ストロークは、ストレッチ用空気袋34の膨張に伴うシートバック16の変形ストロークに比べて小さくなっており、例えば、前者は、後者の2/3以下である。なお、リフレッシュ用空気袋32も、ストレッチ用空気袋34と同様に、厚み方向に複数段、重ねられてもよい。
図3は、空気袋32,34の膨縮制御に関するブロック図である。図3に示す通り、また、上述した通り、座席装置10には、複数の空気袋32,34が設けられている。この空気袋32,34は、チューブ40を介してポンプ42に連通されている。ポンプ42は、コントローラ44の指示に従い、空気袋32,34に空気を供給、または、空気袋32,34から空気を回収する。ポンプ42と空気袋32,34との間には、電磁弁などの弁38が設けられており、弁38を適宜、開閉することで、ポンプ42と連通する空気袋32,34、換言すれば膨縮駆動される空気袋32,34を切り替えることができる。
各空気袋32,34には、当該空気袋32,34の内圧を検知する圧力センサ36が設けられている。この圧力センサ36による検出圧力は、コントローラ44に送られる。コントローラ44は、この検出圧力に基づいて空気袋32,34の膨張量を判断する。
座席装置10は、さらに、着座者のマインド状態を検知する検知手段を有する。この検知手段は、着座者のマインド状態、例えば、緊張の有無や眠気の有無に関する情報を検知するものであれば、特に限定されない。本例では、検知手段として、着座者を撮像するカメラ46を設けている。このカメラ46は、主に着座者の顔(表情)を撮像するために設けられており、例えば、ダッシュボードやバックミラーの近傍に設置されている。カメラ46は、着座者を定期的に撮像し、得られた画像をコントローラ44に送る。なお、カメラ46の個数は、特に限定されず、複数のカメラ46、例えば、着座者の顔を撮像するカメラ46と、着座者の上半身全体を撮像するカメラ46と、を設けてもよい。また、本例では、マインド状態を検知する検知手段としてカメラ46を用いたが、カメラ46に替えて、または、加えて着座者の生体信号(例えば、脈拍、体温等)を検知する生体信号センサを設けてもよい。
コントローラ44は、例えば、CPUとメモリとを有したマイコン等で構成される制御装置である。このコントローラ44は、着座者のマインド状態を推定し、その推定結果に基づいてリフレッシュ動作またはストレッチ動作の要否を判断し、その判断結果に応じて空気袋32,34を膨縮させる。具体的に説明すると、本例では、コントローラ44は、カメラ46から送られる画像に写った着座者の表情を解析し、着座者の緊張の有無及び眠気の有無を判断する。こうした表情の解析には、公知のAI技術等を用いることができ、例えば、唇や眼、眉等の動きやまばたきの頻度、手指や体の動き等から表情を解析する。なお、本例では、着座者のマインド状態に基づいてストレッチ及びリフレッシュ動作の要否を判断しているが、他の条件に基づいて、これら動作の要否を判断してもよい。例えば、コントローラ44は、連続乗車時間等に基づいてストレッチ及びリフレッシュ動作の要否を判断してもよい。また、ストレッチ及びリフレッシュ動作の開始指示を着座者から受け付けるようにしてもよい。
表情解析の結果、着座者の眠気が一定以上高いと判断した場合、コントローラ44は、ストレッチ動作が必要と判断し、ストレッチ動作を実行する。また、着座者の緊張感が一定以上高いと判断した場合、コントローラ44は、リフレッシュ動作が必要と判断し、リフレッシュ動作を実行する。図4は、着座者のマインド状態の遷移の一例を示す図である。図4において、横軸は、時間を、縦軸は、着座者のマインド状態を示している。着座者のマインド状態は、適度にリラックスしたリラックス状態と、緊張感が高まってイライラによる注意力低下が生じている緊張状態と、眠気が高まった過剰リラックス状態と、に大別される。コントローラ44は、着座者のマインド状態を定期的に確認し、上記三つのいずれに当てはまるかを判断する。そして、コントローラ44は、その判断結果に応じて、ストレッチ動作またはリフレッシュ動作を実行させる。例えば、着座者がリラックスした状態(a)から徐々に眠気が増加し(b)、過剰リラックス状態に到達(c)したとする。この場合、コントローラ44は、ストレッチ動作を実行し(s)、着座者の覚醒を図る。その結果、着座者のマインド状態が、リラックス状態になれば(d)、ストレッチ動作を停止する。一方、1回のストレッチ動作で、十分に覚醒できなかった場合(e)には、着座者がリラックス状態に達するまで、ストレッチ動作を繰り返す。
また、着座者がリラックスした状態(a)から徐々に緊張感が増加し(f)、緊張状態に到達(g)したとする。この場合、コントローラ44は、リフレッシュ動作を実行し(r)、緊張感の緩和を図る。その結果、着座者のマインド状態が、リラックス状態になれば(h)、リフレッシュ動作を停止する。一方、ワンセットのリフレッシュ動作で十分にリラックスできなかった場合(i)、コントローラ44は、着座者がリラックス状態に達するまで、リラックス動作を繰り返す。
次に、ストレッチ動作及びリフレッシュ動作の具体的な動きについて説明する。ストレッチ動作では、ストレッチ用空気袋34を膨張させて、着座者の背筋を伸ばした状態を一定時間(例えば10秒)継続させる。より具体的には、ストレッチ動作を実行する場合、コントローラ44は、ストレッチ用空気袋34に対応する弁38を開放するとともに、圧力センサ36で検知された圧力が所定の目標値に達するまで、ポンプ42でストレッチ用空気袋34に空気を送る。検出圧力が目標値に到達すれば、コントローラ44は、対応する弁38を閉鎖して、ストレッチ用空気袋34を密閉する。この状態なれば、コントローラ44は、ポンプ42の駆動を停止し、一定時間(例えば10秒)待機する。一定時間が経過すれば、コントローラ44は、ストレッチ用空気袋34に対応する弁38を再び開放するとともに、ポンプ42を駆動してストレッチ用空気袋34から空気を回収する。そして、ストレッチ用空気袋34が、完全に縮小して平坦になれば、ストレッチ動作は、終了となる。
リフレッシュ動作では、リフレッシュ用空気袋32を、予め規定されたプロファイルで膨縮させて、着座者の呼吸を誘導させる。このときのリフレッシュ用空気袋32の膨縮手順は、ストレッチ用空気袋34の場合と同様に、必要に応じて弁38を開放し、圧力センサ36で検知された圧力に基づいてポンプ42を駆動する。
次に、こうした空気袋32,34の膨縮が、ストレッチ及びリフレッシュ効果を与える理由について簡単に説明する。ストレッチ動作では、ストレッチ用空気袋34を膨張させ、着座者の腰部を前方に押圧する。これにより、着座者の背筋は、自然と伸ばされ、背伸びと同様の効果を発揮し、眠気が効果的に解消される。
一方、リフレッシュ動作では、リフレッシュ用空気袋32の膨張と収縮を、一定期間、繰り返し行う。これにより、着座者の腹式呼吸が誘導される。これについて、図5を参照して説明する。図5は、腰椎102の動きに伴う横隔膜104及び肺106の動きを説明する図である。図5に示す通り、人体の胸腔と腹腔との間は、横隔膜104により隔てられている。この横隔膜104は、腰椎102、胸骨(図示せず)、肋骨(図示せず)に跨っている。また、この横隔膜104の上側、胸腔には、肺106がある。
既述した通り、リフレッシュ用空気袋32は、着座者の腰部、ひいては、腰椎102に対応する位置に設けられている。かかるリフレッシュ用空気袋32が膨張すると、図5(a)に示すように、腰椎102が前方に押し出され、弓なりに曲がる。これに伴い、腰椎102に繋がった横隔膜104も前方に押し出され、弛緩する。横隔膜104が弛緩すると、その分、横隔膜104が下に下がり、肺106が広がる。これにより、人体は、自然と息を吸うことになる。また、リフレッシュ用空気袋32が縮小すると、図5(b)に示すように、腰椎102の押し出しが解除され、腰椎102に繋がった横隔膜104が緊張する。横隔膜104が緊張すると、その分、横隔膜104が上に上がり、肺106が縮小する。これにより、人体は、自然と息を吐くことになる。つまり、リフレッシュ用空気袋32の膨縮に伴い、横隔膜104が上下し、自然と呼吸するようになる。
こうした横隔膜104の動きに伴う呼吸は、いわゆる、腹式呼吸と呼ばれ、リラックス効果が高いと言われている。特に、比較的ゆっくりとしたリズムで腹式呼吸を行った場合、肺が刺激信号を出し、この刺激信号が、脊椎から自律神経中枢(脳)へと送られる。そして、自律神経中枢に刺激信号が到達した時のバランスにより、副交感神経が優位となる。そして、結果として、精神的にリラックスできるだけでなく、手足等の筋肉の緊張も和らぐ。
本例では、ゆっくりとしたリズムでの腹式呼吸に誘導するために、リフレッシュ用空気袋32の膨張と縮小とを繰り返すが、この繰り返しの周期を予め設定された初期周期から徐々に大きくしている。また初期周期は、平常時における着座者の呼吸周期よりも大きめに設定している。これについて、図6を参照して説明する。図6は、リフレッシュ用空気袋32の膨縮のプロファイルを示している。図6において、横軸は、時間を示している。また、縦軸は、リフレッシュ用空気袋32の膨縮状態を示しており、Highは、膨張状態(吸気状態)を、Lowは、縮小状態(呼気状態)を示している。
図6において、リフレッシュ動作は、時刻t0に開始される。リフレッシュ用空気袋32の膨縮の初期周期は、膨張(吸気)時間Aがa0、縮小(呼気)時間Bがb0となっている。膨縮の周期は、この初期周期から徐々に長くなっていき、n回目の膨縮の時間An,Bnは、下の式1−4で表される。
an=a0+n×α (1)
bn=b0+n×α (2)
an<AmaxならAn=an an≧AmaxならAn=Amax (3)
bn<BmaxならBn=bn bn≧BmaxならBn=Bmax (4)
ここで、初期吸気時間a0及び初期呼気時間b0は、平常時における着座者の呼吸周期(通常、吸気時間及び呼気時間を合わせて3.3〜5秒)よりも大きくなっており、例えば、a0は、3〜4秒、b0は、3.5秒〜4.5秒とすることができる。また、加算時間αは、初期吸気時間a0の1/10以下であり、例えば、0.1〜0.3秒程度である。さらに、吸気最大時間Amax及び呼気最大時間Bmaxは、膨縮動作を10〜15回繰り返して到達する値が設定される。コントローラ44は、こうしたプロファイルに従ったリフレッシュ用空気袋32の膨縮動作を所定時間(例えば3〜5分)実行する。
このように、膨縮の周期を徐々に長くすることで、比較的自然に、着座者に深い呼吸をさせることができる。すなわち、通常、このリフレッシュ動作の開始時において、着座者は、平常時の呼吸周期で呼吸している。従来、この呼吸周期よりも、はるかに大きな周期、例えば15秒等の周期でシートバック16表面を進退させる技術が提案されている。このように、着座者の実際に行っている呼吸周期と大きく乖離した周期で、着座者の腰部を押圧しても、着座者は、押圧と押圧解除の間で、別途、胸式呼吸(胸を膨らませて行う呼吸。平常時の呼吸方式)を行いやすい。結果として、従来の技術では、着座者を所望の周期での呼吸に導くことは難しく、着座者の緊張感を効果的に緩和できなかった。
一方を、本例では、膨縮の初期段階では、着座者の平常時の呼吸周期よりやや大きい程度の周期でリフレッシュ用空気袋32を膨縮させ、その後、膨縮の周期を徐々に大きくしている。この場合、初期段階における着座者の呼吸周期と、リフレッシュ用空気袋32の膨縮周期との乖離が小さいため、着座者は、リフレッシュ用空気袋32の膨縮につられて呼吸しやすくなる。そして、膨縮周期が徐々に大きくなることで、着座者の呼吸周期も徐々に大きくなりやすい。結果として、着座者は、ゆっくりとしたリズムの腹式呼吸、いわゆる深い呼吸を行いやすくなり、緊張感が効果的に緩和される。
特に、膨縮周期を徐々に大きくする本例によれば、着座者が意識していなくても、リフレッシュ用空気袋32の膨縮動作につられて、自然と呼吸周期が大きくなる。そのため、着座者がリラックスの必要性を感じていない場合でも、着座者をより確実にリラックスさせることができる。
なお、ここまで説明した構成は、一例であり、少なくとも、着座者の背部の押圧と押圧解除との繰り返し周期を徐々に大きくするのであれば、その他の構成は、適宜変更されてもよい。例えば、吸気時間An及び呼気時間Bnは、徐々に大きくなるのであれば、式1−4以外の式で算出されてもよい。例えば、式1−4では、吸気時間及び呼気時間に加算される加算時間を、ともに同じ時間αとしているが、吸気及び呼気で異なる加算時間を用いてもよい。また、各種パラメータa0,b0,Amax,Bmax,α等の値は、常に一定の固定値でもよいし、着座者のマインド状態等に応じて適宜変更される可変値でもよい。また、こうしたパラメータの値は、着座者が自由に設定できるようにしてもよい。
また、本例では、着座者の背部を押圧する押圧機構として、膨縮可能なリフレッシュ用空気袋32を設けているが、他の機構を用いて着座者の背部を押圧してもよい。例えば、シートバック16の厚み方向に進退可能なシリンダ等を用いて着座者の背部を押圧してもよい。また、本例では、着座者のマインド状態を検知し、その検知結果に基づいて、ストレッチ及びリフレッシュ動作を実行しているが、上述した通り、他のトリガーに基づいて、これら動作を実行するようにしてもよい。さらに、本例では、リフレッシュ動作に加え、ストレッチ動作も行っているが、少なくともリフレッシュ動作をするのであれば、ストレッチ動作は、省略されてもよい。
10 座席装置、12 シート、14 シートクッション、16 シートバック、18 ヘッドレスト、22 クッションパッド、24 クッションカバー、28 バックパッド、30 バックカバー、32 リフレッシュ用空気袋、34 ストレッチ用空気袋、36 圧力センサ、38 弁、40 チューブ、42 ポンプ、44 コントローラ、46 カメラ、102 腰椎、104 横隔膜、106 肺。

Claims (1)

  1. 車両に搭載され、着座者が着座するシートと、
    前記シートに着座した着座者の背部を押圧する押圧機構と、
    前記押圧機構の駆動を制御するコントローラであって、リフレッシュ動作が必要な場合に、前記押圧機構による前記背部の押圧と、前記押圧の解除とを繰り返すリフレッシュ動作を実行させるコントローラと、
    を備え、前記コントローラは、前記繰り返しの周期を予め設定された初期周期から徐々に大きくする、
    ことを特徴とする座席装置。
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