JP2020114644A - 多層無端ベルト、それを具備するインクジェット画像形成装置、電子写真画像形成装置及び多層無端ベルトの製造方法。 - Google Patents

多層無端ベルト、それを具備するインクジェット画像形成装置、電子写真画像形成装置及び多層無端ベルトの製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、表面形状の粗い用紙に対しても高画質で、かつ長期の使用でも反りが大きくなることのない、耐久性に優れた多層無端ベルトを提供することである。また、それを具備するインクジェット画像形成装置、電子写真画像形成装置及び多層無端ベルトの製造方法を提供することである。【解決手段】本発明の多層無端ベルトは、内側から基材層及び弾性層を有する多層無端ベルトであって、幅手方向において、前記基材層の両端部領域の平均厚さが、当該基材層の中央部領域の平均厚さに対し120〜150%の範囲内であり、かつ、前記弾性層の両端部領域の平均厚さが、当該弾性層の中央部領域の平均厚さよりも薄いこと特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、多層無端ベルト、それを具備するインクジェット画像形成装置、電子写真画像形成装置及び多層無端ベルトの製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、反りが少なく耐久性に優れた多層無端ベルト等に関する。
近年、インクジェット方式や電子写真方式を用いて、さまざまな用紙や用紙サイズに画像を形成することが多くなり、通常の平滑な用紙のみでなく、コート紙のような平滑性の高いものからエンボス紙や和紙、クラフト紙のような表面性の粗いものが使用されることが増えてきている。このような表面性の異なる用紙への追従性は重要であり、追従性が悪いと用紙の凹凸状の濃淡ムラや位置により色調ムラが発生する。
この問題を解決するために比較的柔軟性のあるゴム弾性層を基材層に積層した様々な多層無端ベルトが中間転写ベルトとして提案されている。しかしながら、このようなゴム弾性層は基材層上に成型した時に熱収縮が大きいため中間転写ベルトの反りが問題となっていた。特に、近年の高速化や量産化の要請からベルトを大径化すると、この問題はより顕著になり、中間転写ベルトの端部が外周面側に反り返り、干渉による中間転写ベルトの損傷や蛇行といった問題があった。
更に、近年の省スペース化による複合機の小型化により部材同士の間隔が狭くなり、中間転写ユニットの脱着時に部材同士が干渉しやすく、着脱時の中間転写ベルト両端部の折れの発生も問題となっていた。
反りの問題に対して、特許文献1には、ゴム弾性層にマトリックスポリマーとしてアクリロニトリルブタジエンゴムを用い、クロロプレンゴムを含有させてベルト端部の反りを抑制することが提案されている。しかしながら、この公開公報記載の構成はエンボス紙などの表面性の粗い用紙への追従性を上げるにはゴム硬度を柔らかくするためにゴム層を厚くする必要があり、厚くするとベルト端部の反りが大きくなり十分ではない。
特許文献2には、ゴム弾性層表面にシリコーン球形微粒子を有し、ベルト端部の反り返りを抑制することが提案されている。しかしながら、ベルト表面に付着したトナークリーニング性は耐久性を含めると十分でなく、また表面のゴム硬度が硬いため表面性の粗い用紙への追従性が十分でない。
特許文献3には、両端部の膜厚を厚くしたベルトが提案されている。しかし、目的がベルト両端部の強度を補強することであり、両端部を含めたベルト表面はフラットではないため、トナークリーニング性が十分ではない。
特開2013−195891号公報 特開2013−109002号公報 特開2012−91328号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、表面形状の粗い用紙に対しても高画質で、かつ長期の使用でも反りが大きくなることのない、耐久性に優れた多層無端ベルトを提供することである。また、それを具備するインクジェット画像形成装置、電子写真画像形成装置及び多層無端ベルトの製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、ベルトの幅手方向において、基材層の両端部領域を中央部領域に対して特定範囲内で厚くし、弾性層の両端部領域を中央部領域に対して薄くすることにより、高画質で、かつ長期の使用でも反りの発生を防ぎ、耐久性にも優れる多層無端ベルトを実現できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.内側から基材層及び弾性層を有する多層無端ベルトであって、
幅手方向において、前記基材層の両端部領域の平均厚さが、当該基材層の中央部領域の平均厚さに対し120〜150%の範囲内であり、かつ、前記弾性層の両端部領域の平均厚さが、当該弾性層の中央部領域の平均厚さよりも薄いこと特徴とする多層無端ベルト。
2.外周長が800mm以上であり、前記基材層の中央部領域の平均厚さが100〜130μmの範囲内であり、かつ、中央部領域の平均厚さが300μm以上であることを特徴とする第1項に記載の多層無端ベルト。
3.前記両端部領域の幅手方向の長さが、多層無端ベルトの幅に対して、両端からそれぞれ8〜17%の範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の多層無端ベルト。
4.前記両端部領域における前記基材層及び前記弾性層の平均厚さが、下記(式1)を満たすことを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の多層無端ベルト。
(式1) 両端部領域の弾性層の平均厚さ/両端部領域の基材層の平均厚さ≦3.5
5.前記基材層と前記弾性層との平均厚さの合計が、両端部領域と中央部領域で同じであることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の多層無端ベルト。
6.インクジェット画像形成用の中間転写ベルトであることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の多層無端ベルト。
7.電子写真画像形成用の中間転写ベルトであることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の多層無端ベルト。
8.第6項に記載の多層無端ベルトを具備することを特徴とするインクジェット画像形成装置。
9.第7項に記載の多層無端ベルトを具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
10.第1項から第7項までのいずれか一項に記載の多層無端ベルトの製造方法であって、
ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含有する塗布液を、外周面に相対的に移動するノズルを使用して、前記中央部領域の塗膜を形成した後、前記両端部領域の塗膜を形成して前記基材層を形成する工程を有することを特徴とする多層無端ベルトの製造方法。
11.第1項から第7項までのいずれか一項に記載の多層無端ベルトの製造方法であって、
アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム又はシリコーンゴムを含有する塗布液を、前記基材層表面に相対的に移動するノズルを使用し、前記中央部領域の塗膜を形成した後、前記両端部領域の塗膜を形成し前記弾性層を形成する工程を有することを特徴とする多層無端ベルトの製造方法。
本発明の上記手段により、表面形状の粗い用紙に対しても高画質で、かつ長期の使用でも反りが大きくなることのない、耐久性に優れた多層無端ベルトを提供することができる。また、それを具備するインクジェット画像形成装置、電子写真画像形成装置及び多層無端ベルトの製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
弾性層を基材層上に積層した中間転写ベルトは、弾性層が基材層に比べて成型時の熱収縮が大きいので、ベルト両端部は表面側へ大きく反りやすくなり、ベルト外径が大きくなるほど反り量は大きくなる。本発明では、基材層の中央部領域の平均厚さに対し120〜150%の特定範囲内とすることで基材層が外力に対し強度が増し、変形し難くなり、かつ、弾性層の両端部領域の平均厚さが、当該弾性層の中央部領域の平均厚さよりも薄くすることで弾性層の両端部領域の収縮力を小さくし、変形し難くなることで反り量を抑制することができるものと推察される。
本発明の多層無端ベルトの一例を示す幅手方向の概念断面図 本発明の多層無端ベルトを作製するための装置の一実施形態 本発明の多層無端ベルトを中間転写ベルトとして用いた電子写真画像形成装置の構成断面図の一例 本発明の多層無端ベルトを中間転写ベルトとして用いたインクジェット画像形成装置の概念を示す側面図
本発明の多層無端ベルトは、内側から基材層及び弾性層を有する多層無端ベルトであって、幅手方向において、前記基材層の両端部領域の平均厚さが、当該基材層の中央部領域の平均厚さに対し120〜150%の範囲内であり、かつ、前記弾性層の両端部領域の平均厚さが、当該弾性層の中央部領域の平均厚さよりも薄いこと特徴とする。この特徴は、下記各実施態様(形態)に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、外周長が800mm以上であり、前記基材層の中央部領域の平均厚さが100〜130μmの範囲内であり、かつ、中央部領域の平均厚さが300μm以上であることが好ましい。
また、前記両端部領域の幅手方向の長さが、多層無端ベルトの幅に対して、両端からそれぞれ8〜17%の範囲内であることが、反りを抑制でき省スペース化の複合機を実現させる観点から好ましい。
さらに、本発明においては、前記両端部領域における前記基材層及び前記弾性層の厚さが、前記(式1)を満たすことが、反りを抑制する観点から好ましい。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記基材層と前記弾性層との平均厚さの合計が、両端部領域と中央部領域で同じであることが好ましい。
また、インクジェット画像形成用の中間転写ベルトであることが、耐久性に優れることから好ましい。
さらに、本発明においては、電子写真画像形成用の中間転写ベルトであることが、耐久性に優れることから好ましい。
本発明の多層無端ベルトはインクジェット画像形成装置及び電子写真画像形成装置に好適に具備され得る。
本発明の多層無端ベルトの製造方法としては、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含有する塗布液を、外周面に相対的に移動するノズルを使用して、前記中央部領域の塗膜を形成した後、前記両端部領域の塗膜を形成して前記基材層を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明の多層無端ベルトの製造方法としては、アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム又はシリコーンゴムを含有する塗布液を、前記基材層表面に相対的に移動するノズルを使用し、前記中央部領域の塗膜を形成した後、前記両端部領域の塗膜を形成し前記弾性層を形成する工程を有することが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《多層無端ベルト》
本発明の多層無端ベルトは、内側から基材層及び弾性層を有する多層無端ベルトであって、幅手方向において、前記基材層の両端部領域の平均厚さが、当該基材層の中央部領域の平均厚さに対し120〜150%の範囲内であり、かつ、前記弾性層の両端部領域の平均厚さが、当該弾性層の中央部領域の平均厚さよりも薄いこと特徴とする。
〔両端部領域及び中央部領域〕
図1は、本発明の多層無端ベルトの一例を示す幅手方向の概念断面図である。図1において、1aは多層無端ベルト、2aは基材層、3aは弾性層、4aは表面層を示す。本発明の多層無端ベルト1aは、基材層2aと弾性層3aだけで構成されていてもよいが、必要に応じ表面層4aなどの層を有する構成とすることもできる。
本発明の多層無端ベルト1aはベルト幅Wに対して、両端部領域Bを構成する端部領域B1及び端部領域B2の基材層2aの平均厚さ(b11及びb12)が、それぞれ当該基材層2aの中央部領域Aの平均厚さ(a1)に対し120〜150%の範囲内であり、かつ、前記弾性層3aの両端部領域Bの平均厚さ(b21及びb22)が、当該弾性層の中央部領域の平均厚さ(a2)よりもそれぞれ薄いこと特徴としている。
本発明において、中央部領域は、幅手方向において、多層無端ベルトの幅の中央(W/2)の位置から左右30mmの領域をいう。中央部領域の平均厚さは、この領域を5mmピッチ、更に周方向4か所(90°刻み)で膜厚測定を行い、その算術平均値を平均膜厚とする(膜厚測定数:13×4=52か所の平均値)。
また、本発明に係る両端部領域は、幅手方向において、測定した厚さのプロフィルを用いて以下のようにして検出することができる。
手順1:金型上に塗布された基材層を固定後、端部から、ベルト幅手方向を1mm間隔で測定し、端部から中央に向かっての厚さを測定する。
手順2:中央部領域の平均厚さに対して+5%に厚さに達する点をさがし、端部からその点までを両端部領域とする。両端部領域の厚さは、端から5mm間隔で測定された厚さの算術平均値を両端部の厚さとする。これを両端部領域Bを構成する端部領域B1及び端部領域B2について行う。更に周方向に4か所(角度90°刻み)の厚さを測定して、その算術平均値を、それぞれ端部領域B1及び端部領域B2の平均厚さとする。本発明では両端部領域Bを構成する端部領域B1及び端部領域B2のそれぞれが、本発明に係る基材層及び弾性層の厚さの要件を満たす必要がある。
本発明において、基材層2aの両端部領域のみの厚さを上記のように厚くすることで外力に対し強度が増し、変形し難くなることで反り量を抑制することができる。基材層2aの両端部領域Bの平均厚さがベルト中央の中央部領域Aの平均厚さに対して150%を超えると、基材層2aの両端部領域Bと中央部領域Aの熱収縮の関係で基材層2a自体に反りが発生するため上限は150%となる。下限の厚さは120%で、下限を下回ると基材層2aの強度不足により反りを抑制する効果が不十分である。両端部領域の弾性層3aの厚さを薄くすることで熱収縮を抑制できることから、反り量は抑制することができる。
両端部領域Bを構成する端部領域B1及び端部領域B2は、多層無端ベルトの幅に対して、両端からそれぞれ8〜17%の範囲内の領域であることが好ましい。8%以上であれば弾性層の熱収縮に耐え、反り量は大きくなることがない。また、17%以内であれば、基材層自体の膜収縮が現れて多層無端ベルトの寸法精度が低下することがない。また、両端部領域Bを構成する端部領域B1と端部領域B2とは、差が2%以内であることが好ましく、同じ長さであることがより好ましい。
また、画像転写時、中央部Aと同じ厚さの画像転写領域Cが、画像の転写に用いられることが好ましい。
多層無端ベルトの基材層の厚さは、金型上に設けられた基材層を固定後、フィッシャーインストルメンツ(株)製MMSを用いて測定することができる。また、基材層の上に形成した弾性層も同様にして測定し、基材層分を差し引いてその厚さを算出することができる。表面層も同様にして測定することができる。
また、基材層の端部領域B1及び端部領域B2の厚さは、同じであることが好ましい。弾性層においてもの端部領域B1及び端部領域B2の厚さは、同じであることが好ましい。
本発明においては、外周長が800mm以上であり、基材層の中央部領域の平均厚さが100〜130μmの範囲内であり、かつ、多層無端ベルトの中央部領域の平均厚さが300μm以上であることが好ましい。
前記両端部領域における前記基材層及び前記弾性層の厚さが、下記(式1)を満たすことが、反りを抑制する観点から好ましい。
(式1) 両端部領域の弾性層の平均厚さ/両端部領域の基材層の平均厚さ≦3.5
また、前記基材層と前記弾性層との平均厚さの合計が、両端部領域と中央部領域で同じであることがクリーニング特性を良好にする観点から好ましい。合計の厚さが同じであるとは、基材層と弾性層のそれぞれの平均厚さの和が、両端部領域と中央部領域において、平均厚さの差が5μm以内であることをいう。
さらに、多層無端ベルトの厚さは、その使用目的などに応じて適宜決定し得るが、300〜800μmであることが好ましい。厚さが薄い程、転写に必要となる電圧が低くなり、放電が抑制されて転写効率が向上するため、800μm以下が好ましい。また、厚さが300μm以上であれば多層無端ベルトの強度を十分保つことができる。
〔反り量の測定〕
反り量は、多層無端ベルトを幅手方向に切断し平面台の上に置き、切断部分から20cmを除き、平面台から浮いている量の最大値をノギスにて測定して測定することができる。
以下多層無端ベルトの構成の詳細を説明する。
《基材層》
本発明に係る基材層は、樹脂と導電材とを含む基材層形成組成物によって形成される。
[樹脂]
樹脂としては、様々なものを使用することができるが、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの強度と耐久性をもつスーパーエンジニアリングプラスチックが望ましい。
これらの中では、ポリイミド及びポリアミドイミドが好ましい。中でもポリイミドは、耐熱性、耐屈曲性、柔軟性、寸法安定性等の特性に優れておりより好ましい。ポリイミドは、例えば、酸無水物とジアミン化合物からポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を合成し、当該ポリアミック酸を熱や触媒によってイミド化することにより得られる。
ポリイミドの合成に使用される酸無水物としては、特に制限されないが、例えば、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ターフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、ポリイミドの合成に使用されるジアミン化合物としては、特に制限されないが、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル、3,7−ジアミノ−ジメチルジベンゾチオフェン−5,5′−ジオキシド、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、4,4′−ジアミノベンズアニリド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミン等が挙げられる。
さらに、市販品として、ポリイミド前駆体を主成分とするポリイミドワニス(例えばU−ワニスS:宇部興産社製)やポリアミドイミド前駆体を主成分とするポリアミドイミドワニス(例えば、HR−16NN:東洋紡社製)なども用いることができる。
(導電剤)
本発明の基材層中に分散される導電剤としては、公知の電子導電性物質、イオン導電性物質を用いることができる。 電子導電性物質としては、例えば、カーボンブラック、SAF(超耐摩耗性)、ISAF(準超耐摩耗性)、HAF(高耐摩耗性)、FEF(良押出性)、GPF(汎用性)、SRF(中補強性)、FT(微粒熱分解性)、MT(中粒熱分解性)等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、合成グラファイト、アンチモンドープの酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーなどが挙げられる。
また、イオン導電性物質としては、例えば、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等の無機イオン性導電物質、トリデシルメチルジヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、ラウリルトリメチルアンモニウムパークロレート、変性脂肪族・ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3′−ドデシロキシ−2′−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウムエトサルフェート、3−ラウルアミドプロピル−トエイメチルアンモニウムメチルサルフェート、ステアルアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチル−アンモニウム−ジハイドロジェンフォスフェート、テトラブチルアンモニウムホウフッ酸塩、ステアリルアンモニウムアセテート、ラウリルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウムの過塩素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、メチルサルフェート塩、リン酸塩、ホウフッ化水素酸塩、アセテート等の有機イオン性導電物質、又は電荷移動錯体などが挙げられる。
これらの導電剤を1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記導電剤のうち、カーボンブラックを用いることが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、ガスブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。より少量の混合で所望の導電率を得るのに有効なものとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラックとオイルファーネスブラックが挙げられる。なお、ケッチェンブラックとは、コンタクティブファーネス系のカーボンブラックである。
上記の導電剤を適宜用いて、基材層に導電性を付与し、多層無端ベルトの本印加電圧100Vの体積抵抗率を1.0×10〜9.0×10Ω・cmの範囲内に調整することができる。導電剤の含有量は、導電剤として上記電子導電性物質を用いる場合、基材層形成組成物100質量%中、6〜20質量%、好ましくは8〜12質量%である。導電剤として上記イオン導電性物質を用いる場合は、基材層形成組成物100質量%中、10〜50質量%、特に20〜40質量%用いることが好ましい。
《弾性層》
弾性層は、基材の外周面上に形成される所期の導電性と弾性を有する層である。弾性層は、ゴム材料で構成される。弾性層の厚さは、例えば50〜400μmである。ゴム材料の例には、ウレタンゴム、クロロプレンゴム及びニトリルゴムなどのゴム弾性を有する樹脂が含まれる。上記ゴム材料は、クロロプレンゴム又はニトリルブタジエンゴムを含むことが、多層無端ベルトの電気抵抗を制御する観点から好ましい。
《表面層》
必要により、表面層は、弾性層の外周面上に形成されうる、表面層には公知の樹脂及び添加剤が用いられる。また、従来公知の方法を利用して硬化して用いることができる。表面層が、金属酸化物微粒子(A)と、屈折率nDが1.6〜1.8の範囲にある(メタ)アクリレートモノマー(B)、及び、当該(メタ)アクリレートモノマー(B)以外の多官能(メタ)アクリレート(C)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物とを含有する表面層形成用塗布液の塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化することによって得られることが好ましい。多層無端ベルトの耐久性を改善することができる。
《多層無端ベルトの製造方法》
次に、多層無端ベルトの製造方法について説明する。
本発明の多層無端ベルトは、製造方法は、ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含有する塗布液を、外周面に相対的に移動するノズルを使用して、前記中央部領域の塗膜を形成した後、前記両端部領域の塗膜を形成して前記基材層を形成する工程を有することが好ましい。
また、本発明の多層無端ベルトは、アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム又はシリコーンゴムを含有する塗布液を、前記基材層表面に相対的に移動するノズルを使用し、前記中央部領域の塗膜を形成した後、前記両端部領域の塗膜を形成し前記弾性層を形成する工程を有することが好ましい。
このようにして、基材層及び弾性層を製造することで、本発明に係る両端部領域を有する多層無端ベルトを効率的に製造することができる。
図2は、本発明の多層無端ベルトを作製するための装置の一実施形態を示すものである。図2に示されるように、塗布装置1bは、ノズルを有する塗布手段2bと、金属製円筒5bとを備えている。塗布手段2bは、所望の組成を有する塗布液を霧状にして、金属製円筒5bに対して霧状の塗布液3bを噴霧させ、金属製円筒5b上に塗膜4bを形成させる。金属製円筒5bは矢印7bの方向に所望の速度で回転され、さらに矢印6bの方向に塗布手段2bを移動させながら、ノズルから塗布液を流延させながら均一な塗膜を形成させる。
好ましい実施形態によれば、難燃性の樹脂成分を含む塗布液、すなわち、ポリイミド樹脂前駆体またはポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗布液を用いて基材層を製造することができる。
円筒状の型、例えば、円筒状の金属金型(金型ドラム:金属製円筒5b)をゆっくりと回転させながら、難燃性の樹脂成分を含む塗布液(例えば、ポリイミド樹脂前駆体またはポリアミドイミド樹脂前駆体を含む塗布液)をノズルやディスペンサーのような液供給装置(図示せず)にて、加熱処理(焼成)処理後の厚さが中央部領域の厚さとなるよう金属製円筒5bの外面全体に均一になるように塗布・流延して塗膜を形成する。
この際の回転数にも特に制限はなく金属製円筒5bの大きさ等に応じて適宜設定可能であるが、30〜80rpm程度が好適である。回転させつつ徐々に昇温させながら、約80〜150℃の温度で30〜90分程度、塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。次に、加熱(焼成)処理後の厚さが両端部領域の厚さとなるよう両端部領域のみに中央部領域と同じ塗布液の塗膜を形成する。厚さの制御は、塗布液の供給量を制御することにより行うことができる。
自己支持性のある膜が形成されたところで金属製円筒5bごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250〜450℃程度の高温で、10〜90分、加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド樹脂前駆体またはポリアミドイミド樹脂前駆体のイミド化またはポリアミドイミド化を行って、両端部領域を有する基材層を作製する。上記イミド化またはポリアミドイミド化して基材層を作製した後十分に冷却してから、引き続き、基材層上に弾性層を積層する。
弾性層は、射出成形、押し出し成形などにより基材層上に形成することも可能であるが、ここでは、熱硬化型の液状のエラストマー材料を用い、基材層上に塗布形成する方法について説明する。
例えば、液状の熱硬化型エラストマー材料を含む塗布液を、基材層の場合と同様にして円筒状の金属金型(金型ドラム:金属製円筒5b)をゆっくりと回転させながら、ノズルやディスペンサーのような液供給装置(図示せず)にて金属製円筒5bの外面に形成した基材層上に塗布・流延(塗膜を形成)する。
この際の回転数にも特に制限はなく金属製円筒5bの大きさ等に応じて適宜設定可能であるが、30〜80rpm程度が好適である。ただし、この時、先ず前記中央部領域の塗膜を形成した後、前記両端部領域の塗膜を形成し前記弾性層を形成することが好ましい。このようにして、両端部領域と中央部領域の厚さを制御することができる。厚さの制御は、塗布液の供給量を制御することにより行うことができる。
そして、金属製円筒25bを回転させながら所定温度および所定時間で加熱処理してエラストマー材料を硬化させ、弾性層を形成する。エラストマー材料としては、アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム又はシリコーンゴムが好ましく、これら含有する塗布液を用いることが好ましい。
具体的な温度条件も特に制限はなく、塗布液の種類等により適宜選択できるが、目安としては35〜70℃程度であり、時間は10〜90分程度である。自己支持性のある膜が形成されたところで金属製円筒5bごと高温処理の可能な加熱炉に移し、段階的に昇温し、最終的に130〜180℃程度で、10〜90分、加熱処理(加硫)する。弾性層を作製した後十分に冷却してから、引き続き、必要に応じ弾性層上に表面層を積層しても良い。
《用途》
本発明の多層無端ベルトは、電子写真方式の複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置の中間転写ベルトに好適に用いられる。特に電子写真画像形成装置及びインクジェット画像形成装置に用いられることが好ましい。
〔電子写真画像形成装置〕
図3は、本発明の多層無端ベルトを中間転写ベルトとして用いた電子写真画像形成装置の構成断面図の一例である。
この電子写真画像形成装置10は、タンデム型フルカラー複写機と称せられるもので、自動原稿送り装置13と、原稿画像読み取り装置14と、複数の露光手段13Y、13M、13C、13Kと、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、中間転写体ユニット17と、給紙手段15及び定着手段124とからなる。
電子写真画像形成装置の本体12の上部には、自動原稿送り装置13と原稿画像読み取り装置14が配置されており、自動原稿送り装置13により搬送される原稿dの画像が原稿画像読み取り装置14の光学系により反射・結像され、ラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより読み取られた原稿画像を光電変換されたアナログ信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、露光手段13Y、13M、13C、13Kに各色毎のデジタル画像データとして送られ、露光手段13Y、13M、13C、13Kにより対応する第1の像担持体としてのドラム状の感光体11Y、11M、11C、11Kに各色の画像データの潜像を形成する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されており、感光体11Y、11M、11C、11Kの図示左側方に中間転写ベルト搬送用ローラー171、172、173、174を巻回して回動可能に張架された半導電性でシームレスベルト状の第2の像担持体である本発明の中間転写ベルト170が配置されている。
そして、本発明の中間転写ベルト170は図示しない駆動装置により回転駆動されるローラー171を介し矢印方向に駆動されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、感光体11Yの周囲に配置された帯電手段12Y、露光手段13Y、現像手段14Y、1次転写手段としての1次転写ローラー15Y、クリーニング手段16Yを有する。
マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、感光体11M、帯電手段12M、露光手段13M、現像手段14M、1次転写手段としての1次転写ローラー15M、クリーニング手段16Mを有する。
シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、感光体11C、帯電手段12C、露光手段13C、現像手段14C、1次転写手段としての1次転写ローラー15C、クリーニング手段16Cを有する。
黒色画像を形成する画像形成部10Kは、感光体11K、帯電手段12K、露光手段13K、現像手段14K、1次転写手段としての1次転写ローラー15K、クリーニング手段16Kを有する。
トナー補給手段141Y、141M、141C、141Kは、現像装置14Y、14M、14C、14Kにそれぞれ新規トナーを補給する。
ここで、1次転写ローラー15Y、15M、15C、15Kは、図示しない制御手段により画像の種類に応じて選択的に作動され、それぞれ対応する感光体11Y、11M、11C、11Kに中間転写ベルト170を押圧し、感光体上の画像を転写する。
この様にして、画像形成部10Y、10M、10C、10Kにより感光体11Y、11M、11C、11K上に形成された各色の画像は、1次転写ローラー15Y、15M、15C、15Kにより、回動する中間転写ベルト170上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。
即ち、中間転写ベルトは感光体の表面に担持されたトナー画像をその表面に1次転写され、転写されたトナー画像を保持する。
又、給紙カセット151内に収容された記録媒体としての転写材Pは、給紙手段15により給紙され、次いで複数の中間ローラー122A、122B、122C、122D、レジストローラー123を経て、2次転写手段としての2次転写ローラー117まで搬送され、2次転写ローラー117により中間転写体上の合成されたトナー画像が転写材P上に一括転写される。
即ち、中間転写体上に保持したトナー画像を被転写物の表面に2次転写する。
ここで、2次転写手段6は、ここを転写材Pが通過して2次転写を行う時にのみ、転写材Pを中間転写ベルト170に圧接させる。
カラー画像が転写された転写材Pは、定着装置124により定着処理され、排紙ローラー125に挟持されて機外の排紙トレイ126上に載置される。
一方、2次転写ローラー117により転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した中間転写ベルト170は、クリーニング手段8により残留トナーが除去される。
ここで、中間転写体は前述したような回転するドラム状のものに置き換えても良い。
次に、中間転写ベルト170に接する1次転写手段としての1次転写ローラー15Y、15M、15C、15K、と、2次転写ローラー117の構成について説明する。
1次転写ローラー15Y、15M、15C、15Kは、例えば外径8mmのステンレス等の導電性芯金の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴム材料に、カーボン等の導電性物質を分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、体積抵抗が1×10〜1×10Ω・cm程度のソリッド状態又は発泡スポンジ状態で、厚さが5mm、ゴム弾性率が20〜70°程度(アスカー弾性率C)の半導電弾性ゴムを被覆して形成される。
2次転写ローラー117は、例えば外径8mmのステンレス等の導電性芯金の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴム材料に、カーボン等の導電性物質を分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、体積抵抗が1×10〜1×10Ω・cm程度のソリッド状態又は発泡スポンジ状態で、厚さが5mm、ゴム弾性率が20〜70°程度(アスカー弾性率C)の半導電弾性ゴムを被覆して形成される。
(転写材)
本発明に用いられる転写材としては、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写材或いは転写紙といわれるものである。好ましくは薄紙から厚紙までの普通紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、凹凸紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
〔インクジェット画像形成装置〕
本発明の多層無端ベルトは、インクジェット画像形成装置における中間転写ベルトに好ましく適用できる。以下に、ゾル・ゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットインク(以下、単に「ゲルインク」ともいう。)を用いたインクジェット画像形成装置を例にして説明する。
図4は、本発明の多層無端ベルトを中間転写ベルトとして用いたインクジェット画像形成装置の概念を示す側面図である。
画像形成装置205は、インク吐出部210と、中間転写部220と、用紙搬送部230と、第1光照射部240と、第2光照射部250と、クリーニング部300と、制御部(不図示)とを有する。制御部(不図示)は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。CPUは、ROMから処理内容に応じたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置5の各ブロック等の動作を集中制御する。
図4に示すように、インク吐出部210は、インクジェットヘッド211Y、211C、211M、211Kを備え、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のインクを、中間転写部220に吐出してインクに基づく画像を形成する。なお、インクジェットヘッド211Y、211C、211M、211Kは、同様の構成を有するため、以下の説明では、便宜上、Y、M、C、Kを省略して「インクジェットヘッド211」として示すこととする。
本発明においては、各インクジェットヘッド211から吐出されるインクは、紫外線を照射されることにより重合及び架橋して硬化する光重合性化合物を液体成分として含有する紫外線硬化型インクであることが好ましい。
中間転写部220は、転写部を構成する本発明の中間転写ベルト201と、3つの支持ローラー222,223、224とを有する。中間転写ベルト201は多層無端ベルトで構成され、3つの支持ローラー222、223、224に逆三角形状に張架される。
3つの支持ローラー222、223、224のうち、少なくとも1つのローラーは、駆動ローラーであり、制御部の制御の下、駆動する。これにより、中間転写ベルト201がD方向(図4における時計回り方向)に回転する。
中間転写ベルト201における、逆三角形状の左右の頂点部分に位置する支持ローラー222、224に張架された部分は、インクジェットヘッド211から吐出されたインクの着弾面となっている。中間転写ベルト201における、逆三角形状の下側の頂点部分に位置する支持ローラー223は、中間転写ベルト201を用紙搬送部230に向けて所定のニップ圧により加圧する加圧ローラーである。
用紙搬送部230は、金属ドラムで構成され、支持ローラー223に加圧されることで、転写ニップを形成する。用紙搬送部230は、用紙Pの先端を固定する爪(不図示)を有している。用紙搬送部230は、制御部の制御の下、当該爪に用紙Pの先端を固定し、図4における反時計回り方向に回転することで、記録媒体の一例としての用紙Pを転写ニップに搬送する。
第1光照射部240は、インク吐出部210の下流側における中間転写ベルト201におけるインクの着弾面に対向している。第1光照射部240は、中間転写ベルト201上に形成された画像に光を照射して、当該画像をプレ硬化させる。
第2光照射部250は、用紙搬送部230における転写ニップの下流側の部分に対向しており、用紙P上の画像に光を照射して、当該画像を本硬化させる。
インクジェットヘッド211により中間転写ベルト201の表面に形成された画像は、中間転写ベルト201が回転することにより、第1光照射部240によりプレ硬化され、支持ローラー223と用紙搬送部230との転写ニップに搬送される。そして、転写ニップに搬送された画像は、用紙搬送部230により搬送される用紙Pに転写される。用紙Pに転写された画像は、第2光照射部250により本硬化される。
クリーニング部300は、転写ニップよりも下流側に位置し、第1クリーニング部材310と、第2クリーニング部材320と、第3クリーニング部材330と、第4クリーニング部材340(不図示)とを有する。
クリーニング部300は、制御部の制御の下、中間転写ベルト201に形成された画像である転写残画像を除去する。ここでいう「転写残画像」は、用紙Sに転写されずに中間転写ベルト201に残った転写画像のことをいう。
第1クリーニング部材310は、中間転写ベルト201に接触する接触位置に移動可能な状態で構成されている。
第2クリーニング部材320は、ウェブローラーやスポンジローラー等のクリーニングローラーであり、中間転写ベルト201における第1クリーニング部材310の下流側の部分に接触する。第2クリーニング部材320は、制御部の制御の下、駆動回転することで、転写残画像を除去する。
第3クリーニング部材330は、第2クリーニング部材320に対して、中間転写ベルト201とは反対側で、第2クリーニング部材320に接触するクリーニングローラーである。
上記画像形成方法で用いられるインクジェットヘッドとしては、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でもよい。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)、放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いてもよい。また、印字方式としては、シリアルヘッド方式、ラインヘッド方式等を制限なく用いることができる。
インクジェットヘッドとしては、例えば、特開2012−140017号公報、特開2013−010227号公報、特開2014−058171号公報、特開2014−097644号公報、特開2015−142979号公報、特開2015−142980号公報、特開2016−002675号公報、特開2016−002682号公報、特開2016−107401号公報、特開2017−109476号公報、特開2017−177626号公報等に記載されている構成からなるインクジェットヘッドを適宜選択して適用することができる。
また、第1光照射部240及び第2光照射部250における波長域が360〜410nmの紫外線の照射手段としては、蛍光管(例えば、低圧水銀ランプ、殺菌灯等)、冷陰極管、紫外レーザー、数100Pa〜1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ及びLED等が含まれる。硬化性の観点から、照度が100mW/cm以上の紫外線を照射する紫外線照射手段、具体的には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、又はLED等が好ましく、消費電力の少ない点から、LEDがより好ましい。具体的には、Phoseon Technology社製(波長:395nm)、水冷LEDを用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
《多層無端ベルトの製造》
[多層無端ベルト1の製造]
〈基材層の形成〉
ポリイミド樹脂前駆体を主成分とする固形分15質量%のポリイミドワニス(宇部興産社製U−ワニスS)にレベリング剤(信越化学社製KF−96)をポリイミドワニスの全重量に対し100ppmを添加して、ミキサーを用いて混合することにより基材層形成用の塗布液を調製した。
次いで、離型剤を形成した周長2500mm、幅800mmの円筒形状のステンレス製金型を、円筒軸を中心に100rpmで回転させると共に、ディスペンサーノズルを円筒軸方向に移動させながら幅560mm、焼成後の厚さが100μmになるようにウエット膜を形成した。
次いで、両端部は同様に円筒軸を中心に100rpmで回転させながらディスペンサーノズルを塗布幅70mm、焼成後の厚さが150μmになる様に円筒軸方向に移動させ両端部にウエット膜を形成し、全幅700mmのウエット膜とした。
次いで、円筒軸を中心に100rpmで回転させながら遠赤外線乾燥装置を用いて100℃で2時間加熱(焼成)することにより溶媒を揮発させて基材層が流下しない状態にした。
最後に、当該金型を加熱炉へ導入し、段階的に昇温し380℃で保持した状態で90分加熱処理(焼成)した。充分に冷却し、中央部領域の厚さが100μm、両端部領域の厚さが150μm及び全幅700mmに対して、それぞれ両端から10%の幅の端部領域B1と端部領域B2からなる両端部領域Bを有するポリイミド基材層を得た。
この段階で、両端部領域と中央部領域の厚さと両端部領域の端からの長さを前述したフィッシャーインストルメンツ(株)製MMSを用いて測定した結果、中央部領域及び両端部領域の厚さが表に示したように形成されていることを確認した。
〈弾性層の形成〉
下記成分を下記量で固形分濃度が20質量%となるようにトルエンに溶解させた後、弾性層形成用の塗布液を調製した。
(弾性層形成用の塗布液)
マトリックスポリマー:アクリロニトリルブタジエンゴム DN003(日本ゼオン社
製) 100質量部
有機系難燃剤:トリメチルホスフェート TPM(大八化学工業社製) 30質量部
樹脂架橋剤:フェノールノボラック型エポキシ樹脂 N−770(DIC社製)
10質量部
導電剤:過塩素酸テトラブチルアンモニウム QAP−01(日本カーリット社製)
1質量部
次いで、金型外周面に形成したポリイミドの基材層を用い、円筒軸を中心に200rpmで回転させると共に、ディスペンサーノズルを円筒軸方向に移動させながら、端部領域B1と端部領域B2の間に、幅560mm、焼成後の厚さが300μmになるようにウエット膜を積層した。
次いで、両端部は同様に円筒軸を中心に200rpmで回転させながらディスペンサーノズルを塗布幅70mm、焼成後の厚さが250μmになるように円筒軸方向に移動させ両端部にウエット膜を形成し、全幅700mmのウエット膜とした。次いで、円筒軸を中心に200rpmで回転させながら遠赤外線乾燥装置を用いて100℃で1時間加熱することにより溶媒を揮発させて弾性層が流下しない状態にした。
最後に、当該金型を加熱炉へ導入し、段階的に昇温し180℃で保持した状態で60分加熱処理(加硫)した。充分に冷却し、基材層と弾性層を合わせた膜厚は中央部領域400μm、両端部領域400μmで、幅手方向で厚さが均一な積層ベルトを得た。
〈表面層の形成〉
下記成分を下記量で固形分濃度が10質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)に溶解、分散させた。次いで、下記成分を分散させた分散液の総重量にたいして1質量%の表面張力調整剤(シルフェイスSAG008:日信化学工業社製)をさらに添加することで、表面層形成用の塗布液を調製した。
(表面層の形成)
ペンタエリスリトールトリアクレート 50質量部
ポリウレタンアクリレート 50質量部
重合開始剤 5質量部
ラジカル重合性化合物としては、ペンタエリスリトールアクリレート(M−305:東亜合成社製)及びポリウレタンアクリレート(UV−3520TL:日本合成化学工業社製)を使用し、重合開始剤としては、1−ヒドロキシ−シクロへキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE184:BASFジャパン社製)を使用した。
次いで、弾性層を形成した上記積層ベルトを20rpmで回転させながら、積層ベルトの外周面に薄膜スプレー塗布装置(ワイディー・メカトロソリューション社製)を用いて下記スプレー塗布条件によりスプレー塗布し、ウエット膜を形成した。
次いで、ウエット膜を形成した積層ベルトを、円筒軸を中心に20rpmで回転させながら、遠赤外線乾燥装置を用いて60℃30分間加熱することにより、溶媒を揮発させた。
次いで、上記積層ベルトを回転させたまま、下記の照射条件により紫外線を照射して、ラジカル重合反応による硬化を行った。これにより、厚さ2μmの表面層を形成した。
(スプレー条件)
・ノズルスキャン速度:1〜10mm/秒
・ノズルから弾性層を形成したベルト表面までの距離:100〜150mm
・ノズル数:1
・送液流量:1〜5ml/分
・エアー流量:2〜6L/分
(照射条件)
・光源:高圧水銀ランプ(H04−L41:アイグラフィックス社製)
・照射口から積層ベルトまでの距離:100mm
・照射光量:1J/cm
・照射時間:240秒間
以上の工程により、基材層、弾性層及び表面層を順次重ねてなる厚さ402μmの多層無端ベルト1を作製した。
[多層無端ベルト2〜8の製造]
〈基材層の形成〉
多層無端ベルト1の基材層の形成において、樹脂の種類が異なる基材層形成用の塗布液を用いて、両端部領域Bの全幅に対する比率(%)及び中央部領域Aと両端部領域Bの厚さを表I変えることにより多層無端ベルト2〜8用の基材層をそれぞれ作製した。なお厚さは、基材層形成用の塗布液の供給量を変えることにより行った。
多層無端ベルト4及び5の作製には、ポリイミドワニス(宇部興産社製U−ワニスS)に代えてポリアミドイミドワニス(HR−16NN:東洋紡社製)を用いた基材層形成用の塗布液を用いた。表Iでは以下の略号を用いた。
PI:ポリイミド
PAI:ポリアミドイミド
〈弾性層の形成〉
上記作製した多層無端ベルト2〜8用の基材層上のそれぞれに、ゴム材料を表Iに示したように変えた弾性層形成用の塗布液をそれぞれ用いて、両端部領域Bの全幅に対する比率(%)及び中央部領域Aと両端部領域Bの厚さを表Iのように変えることにより多層無端ベルト2〜8の弾性層をそれぞれ形成した。なお厚さは、弾性層形成用の塗布液の供給量を変えることにより行った。なお、焼成後の基材層と弾性層の和が幅手方向で同じになるように形成した。
なお、表Iで示したゴム材料としては以下のものを用いた。略号とともに示す。
NBR:アクリロニトリルブタジエンゴム(型番DN003、日本ゼオン社製)
SR:シリコーンゴム(型番XE15−B7354S A剤/B剤、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルジャパン合同会社製)
CR:クロロプレンゴム(型番DCR−75、電気化学工業社製)
〈表面層の形成〉
多層無端ベルト1の製造と同様にして厚さ2μmの表面層をそれぞれ形成して多層無端ベルト2〜8を製造した。
以下に作製した多層無端ベルトの基材層と弾性層の構成を示す。
Figure 2020114644
《評価》
上記製造した多層無端ベルトを中間転写ベルトとして、インクジェット画像形成装置、及び電子写真画像形成装置に組み込んで、それぞれの耐久性を評価した。また、幅手方向の端部の反り量を評価した。なお、多層無端ベルト1〜3及び6〜8は、インクジェット画像形成装置、多層無端ベルト4〜5は、電子写真画像形成装置にそれぞれ搭載して評価をおこなった。
〔反り〕
多層無端ベルトのそれぞれについて、幅手方向に切断し平面台の上に置き、切断部分から20cmを除き、平面台から浮いている量の最大値をノギスにて測定して測定し、これを反り量とした。
〔インクジェット画像形成装置による評価〕
<インク1の調製>
(顔料分散液の調製)
以下の成分を、合計で100質量部となるように調合した。これを、0.5mmφのジルコニアビーズ120gと共に、200ccの蓋付ポリエチレン容器に入れた後、蓋を閉め、ペイントコンディショナーで3時間分散させた。その後、上記ビーズを分離して、顔料分散液を得た。
C.I.Pigment Blue 15:3(DIC社製、TGR/表面処理なし) 20.0質量部
トリプロピレングリコールジアクリレート(光重合性化合物) 71.9質量部
Solsperse 3000(Lubrizol社製、高分子分散剤)
8.0質量部
Irgastab UV−10(BASF社製、重合禁止剤) 0.1質量部
(インクの調製)
得られた顔料分散液を60℃に加熱しながら、以下の成分を以下の割合となるように加えて、インク1を調製した。
顔料分散液 20.0質量%
PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(光重合性化合物)
34.8質量%
ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(光重合性化合物)
20.0質量%
4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(光重合性化合物)
20.0質量%
Irgacure819(BASF社製、光重合開始剤) 3.0質量%
Irgastab UV−10(BASF社製、光重合禁止剤) 0.1質量%
KF−352(信越シリコーン社製、界面活性剤) 0.1質量%
カオーワックスT−1(ゲル化剤、花王社製) 2.0質量%
得られたインクで、図4に記載の画像形成装置に、中間転写ベルト(201)として上記作製した中間転写ベルト201を装着し、インクジェットヘッド(211K)に上記調製した紫外線硬化型インクを充填した。
次いで、中間転写ベルト1上に、インクジェットヘッドより、印字速度600mm/sで、1ドットライン−1ドット印字なし−1ドットラインの繰り返しハーフトーン画像を印字(解像度1200×1200dpi,インク液滴サイズ10pL)した。次いで、第1光照射部(240)で、波長395nm、照射強度200mW/cmの紫外線LED光源を用い、予備硬化を行った。
次いで、支持ローラー(23)の用紙搬送部(30)に対する押圧を20kN/mとして、記録媒体としてエンボス紙(レザック66 260kg紙)に形成画像を転写した。
最後に、第2光照射部(250)で、波長395nm、照射強度500mW/cmの紫外線LED光源を用いて、本硬化を行い、印刷物1を作製した。さらにこのハーフトーン画像を10000枚出力した。
〔電子写真画像形成装置による評価〕
画像形成装置「bizhub PRESS C11000」(コニカミノルタ社製)の中間転写ベルトとして搭載し、エンボス紙(レザック66 260kg紙)を用いて印字率30%のハーフトーン画像を10000枚出力した。
(ハーフトーン画像の評価)
のハーフトーン画像を10000枚出力する操作を実施し、1枚目、5000枚目及び10000枚目の可視画像を目視にて確認して下記の評価基準によって黒色のハーフトーン画像の画質評価をそれぞれ行った。
◎:転写ムラが認められない
○:転写ムラがわずかに認められる
△:転写ムラがあるが実用上問題がない場合
×:転写ムラがあって実用上問題がある場合
以上の結果を表IIに示す。なお、評価途中で走行不良により、評価が続行できなかった場合は、表中、走行不良と記した。これらは、中間転写ベルトの端部が機器本体と接触し、損傷していた。
Figure 2020114644
表IIから、本発明の多層無端ベルトを用いた中間転写ベルトは、反りが少なく、耐久性に優れていることが分る。
1a 多層無端ベルト
2a 基材層
3a 弾性層
4a 表面層
A 中央部領域
B1、B2 端部領域
C 画像転写領域
W 多層無端ベルトの幅
1b 塗布装置
2b ノズルを有する塗布手段
3b 霧状の塗布液
4b 塗膜
5b 金属製円筒、
6b 矢印26
7b 矢印27
10 電子写真画像形成装置、
170 中間転写ベルト
d 原稿、
P 転写材、
6 2次転写手段、
8 クリーニング手段、
10Y、10M、10C、10K 画像形成部、
11Y、11M、11C、11K ドラム状の感光体
12 電子写真画像形成装置の本体、
13 自動原稿送り装置
13Y、13M、13C、13K 露光手段、
14 原稿画像読み取り装置、
14Y、14M、14C、14K 現像装置
15 給紙手段、
15Y、15M、15C、15K 1次転写ローラー、
16Y、16M、16C、16K クリーニング手段、
17 中間転写体ユニット、
117 2次転写ローラー、
122A、122B、122C、122D 中間ローラー、
123 レジストローラー、
124 定着手段、
125 排紙ローラー、
126 排紙トレイ、
141Y、141M、141C、141K トナー補給手段、
151 給紙カセット、
171、172、173、174 中間転写ベルト搬送用ローラー。
201 中間転写ベルト
205 インクジェット画像形成装置
210 インク吐出部
211 インクジェットヘッド
220 中間転写部
222 支持ローラー
223 支持ローラー
224 支持ローラー
230 用紙搬送部
240 第1光照射部
250 第2光照射部
300 クリーニング部
310 第1クリーニング部材
320 第2クリーニング部材
330 第3クリーニング部材

Claims (11)

  1. 内側から基材層及び弾性層を有する多層無端ベルトであって、
    幅手方向において、前記基材層の両端部領域の平均厚さが、当該基材層の中央部領域の平均厚さに対し120〜150%の範囲内であり、かつ、前記弾性層の両端部領域の平均厚さが、当該弾性層の中央部領域の平均厚さよりも薄いこと特徴とする多層無端ベルト。
  2. 外周長が800mm以上であり、前記基材層の中央部領域の平均厚さが100〜130μmの範囲内であり、かつ、中央部領域の平均厚さが300μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の多層無端ベルト。
  3. 前記両端部領域の幅手方向の長さが、多層無端ベルトの幅に対して、両端からそれぞれ8〜17%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多層無端ベルト。
  4. 前記両端部領域における前記基材層及び前記弾性層の厚さが、下記(式1)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の多層無端ベルト。
    (式1) 両端部領域の弾性層の平均厚さ/両端部領域の基材層の平均厚さ≦3.5
  5. 前記基材層と前記弾性層との平均厚さの合計が、両端部領域と中央部領域で同じであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の多層無端ベルト。
  6. インクジェット画像形成用の中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の多層無端ベルト。
  7. 電子写真画像形成用の中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の多層無端ベルト。
  8. 請求項6に記載の多層無端ベルトを具備することを特徴とするインクジェット画像形成装置。
  9. 請求項7に記載の多層無端ベルトを具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
  10. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の多層無端ベルトの製造方法であって、
    ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂前駆体を含有する塗布液を、外周面に相対的に移動するノズルを使用して、前記中央部領域の塗膜を形成した後、前記両端部領域の塗膜を形成して前記基材層を形成する工程を有することを特徴とする多層無端ベルトの製造方法。
  11. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の多層無端ベルトの製造方法であって、
    アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム又はシリコーンゴムを含有する塗布液を、前記基材層表面に相対的に移動するノズルを使用し、前記中央部領域の塗膜を形成した後、前記両端部領域の塗膜を形成し前記弾性層を形成する工程を有することを特徴とする多層無端ベルトの製造方法。
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