[本実施の形態において前提となる情報処理システムSの構成]
まず、本実施の形態において前提となる情報処理システムSの構成について説明する。図1は、本実施の形態において前提となる情報処理システムSの構成を示す図である。情報処理システムSは、通信端末1と、サービス提供サーバ2と、会員基盤システム3と、情報処理装置4とを有する。
情報処理システムSは、情報処理サービスを提供するシステムである。情報処理サービスは、サービス提供サーバ2及び会員基盤システム3の間において連携される情報を処理するサービスである。通信端末1は、ユーザが使用する端末であり、例えばスマートフォン、タブレット等である。
サービス提供サーバ2は、ユーザにサービスを提供するサービス事業者が管理するサーバである。サービス事業者が提供するサービスは、例えば、ロッカーの予約を受け付けるサービス(以下、ロッカーサービスという)、宿泊の予約を受け付けるサービス(以下、宿泊サービスという)、又は電子書籍を販売するサービス等である。サービス提供サーバ2は、ユーザにサービスを提供するためのサービス提供サイトを管理する。ユーザは、サービス提供サイトにおいてロッカーを予約したり、電子書籍を購入したりする。
会員基盤システム3は、システム事業者が管理するシステムであり、システム事業者と提携又は契約したサービス事業者が提供するサービスを、登録したユーザに利用させるためのシステムである。例えば、システム事業者が鉄道輸送サービスを運営する企業である場合、システム事業者は、会員基盤システム3を介して、提携した他社(サービス事業者)が提供する宿泊サービスを、当該会員基盤システム3に登録されたユーザに利用させる。
システム事業者は、会員基盤システム3に会員登録するユーザが、サービス事業者が提供するサービスを利用する場合、会員基盤システム3に登録しないユーザがサービスを利用する場合よりも優遇して当該サービスを利用させる。システム事業者は、例えば、サービス提供者が提供するサービスの価格よりも安い優待価格でサービスを利用させたり、サービス事業者が所定の条件を満たすユーザ(例えばVIP会員)に限定して提供するサービスを、会員基盤システム3に登録されたユーザに無条件で利用させたりする。また、システム事業者は、例えば、会員基盤システム3においてサービス提供者が提供するサービスを利用させる際に特典(例えば、ユーザが利用するサービスに適用できるクーポン、又は蓄積したり、ユーザが利用するサービスに適用したりできるポイント等)を提供してもよい。また、システム事業者は、例えば、自社が提供する決済サービス(例えばクレジットカード)を用いてサービス提供者が提供するサービスを利用させてもよい。
システム事業者は、情報処理サービスに加入している。会員基盤システム3は、ユーザにサービスを利用させるための会員基盤サイトを管理する。ユーザは、会員基盤サイトにおいて会員登録することにより、当該会員基盤サイトを管理する会員基盤システムに当該ユーザに関する情報が登録される。会員基盤システム3に登録されたユーザは、会員基盤サイトを介して、サービス提供サイトにおいてロッカーを予約したり、電子書籍を購入したりする。
情報処理装置4は、情報処理サービスを提供する装置であり、例えばサーバである。情報処理装置4は、情報処理サービスによって得られた情報を、会員基盤システム3に登録されているユーザ、サービス事業者又はシステム事業者に提供する。情報処理装置4は、情報処理サービスによって得られた情報を提供するための情報提供サイトを管理する。
[本実施の形態に係る情報処理装置4が実行するサービスの利用状況を開示する処理の概要]
まず、情報処理装置4が実行するサービスの利用状況を開示する処理の概要を説明する。図2は、サービスの利用状況を開示する処理の概要を説明するための図である。以下の説明において、サービス提供サーバ2x、2yを管理するサービス事業者は、それぞれX社、Y社であるものとする。
サービス事業者が提供するサービスは、サービス事業者がサービスをユーザに提供できる数に制限があり、サービスが提供されるユーザに占有されるサービスである。サービスが提供されるユーザに占有されるサービスは、例えば、物理的な空間をユーザに提供するサービスである。具体的には、物理的な空間をユーザに提供するサービスは、コインロッカー、ワーキングスペースを提供するシェアオフィスサービス、駅やビルに設置されるパーソナルスペース又は会議室をユーザに提供するサービスである。また、サービス事業者が提供するサービスは、サービス事業者が提供する物品を貸し出すサービスであってもよい。例えば、サービス事業者が提供する物品を貸し出すサービスは、自動車レンタルサービス、又は自転車レンタルサービスである。以下の説明においては、説明を簡単にするため、サービス事業者が提供するサービスが物理的な空間をユーザに提供するサービスであるものとする。
情報処理装置4は、X社が管理するサービス提供サーバ2xから、サービスの利用状況の開示要請を受け付ける(図2の(1))。情報処理装置4は、利用状況の開示要請を受け付けると、サービス提供サーバ2yから利用状況を取得する(図2の(2a))。利用状況は、例えば、サービスが提供される提供場所において、ユーザに提供可能なサービスの数に対するユーザに利用されるサービスの数の割合であるサービスの利用率である。具体的には、サービスの利用率は、物理的な空間をユーザに提供するサービスの提供場所で提供される空間の総数に対するユーザが利用する空間の数の割合である。サービスの利用率は、現在又は過去におけるサービスの利用率だけでなく、将来の特定の日時又は期間におけるサービスの利用率でもよい。将来の特定の日時又は期間におけるサービスの利用率は、例えば、将来の特定の日時又は期間においてユーザに提供可能なサービスの数に対する、ユーザが利用を予約した数の割合であるサービスの予約率である。また、情報処理装置4は、将来の特定の日時又は期間におけるサービスの利用率を予測してもよい。情報処理装置が将来のサービスの利用率を予測する具体的な方法は後述する。なお、情報処理装置4は、サービスの提供場所を示す場所情報と、場所情報に示される場所で提供されるサービスの利用状況とを関連付けて記憶する利用状況データベース5からサービスの利用状況を取得してもよい(図2の(2b))。
情報処理装置4は、開示要請を行ったX社が管理するサービス提供サーバ2xに取得した利用状況を通知する(図2の(3))。このようにすることで、情報処理システムSは、サービス事業者に、サービスの利用状況を開示することができる。
[情報処理装置4の構成]
図3は、情報処理装置4の構成を示す図である。情報処理装置4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43とを有する。通信部41は、ネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えば通信コントローラを含んで構成されている。
記憶部42は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部42は、制御部43が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部42は、ユーザを管理するユーザ管理データベースと、情報処理サービスに加入した会員基盤システム3に関する情報を管理するシステム管理データベースとを記憶している。記憶部42は、情報処理装置4が提供するサービスを利用したユーザを識別するためのユーザ識別情報に関連付けて、ユーザ識別情報に示されるユーザが利用したサービスを識別するためのサービス識別情報を記憶する。
制御部43は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部43は、記憶部42に記憶されたプログラムを実行することにより、決定部430、受付部432、取得部433、通知部436、及び予測部437としての機能を実現する。
受付部432は、会員登録したユーザを管理する会員基盤システム3のユーザに提供される、複数の異なるサービス事業者それぞれが提供する複数のサービスであって互いに関連付けられたサービスの利用状況を示す利用状況情報の開示要請を、複数の異なるサービス事業者のいずれかから受け付ける。例えば、受付部432は、複数の異なるサービス事業者のいずれかから送信された利用状況の開示要請を示す開示要請情報を受信する。
複数のサービスであって互いに関連付けられたサービスは、サービス事業者が提供するサービスに対して比較対象となる複数のサービスである。比較対象となる複数のサービスは、例えば、複数の異なる事業者それぞれが提供する同一の種別に関連付けられた複数のサービスである。具体的には、同一の種別に関連付けられた複数のサービスは、種別「ロッカーサービス」に関連付けられた、サービス事業者X社が提供するサービスと、サービス事業者Y社が提供するサービスとである。なお、複数のサービスであって互いに関連付けられたサービスは、情報処理装置4の管理者によって、サービスの種別を示す種別識別情報に、複数の異なるサービス事業者それぞれが提供するサービスを識別するサービス識別情報を関連付けて記憶部42に格納されていてもよい。
受付部432は、複数の異なるサービス事業者のいずれかから、複数の異なるサービス事業者のいずれかの選択をさらに受け付けてもよい。例えば、受付部432は、複数の異なるサービス事業者のいずれかから、複数の異なるサービス事業者のいずれかを選択したことを示す事業者選択情報を受信する。具体的には、受付部432は、複数のサービス事業者それぞれを識別するための事業者識別情報を含む事業者選択情報を受け付ける。
また、受付部432は、サービスの提供場所を示す場所情報を含む開示要請を受け付ける。例えば、受付部432は、複数の異なるサービス事業者それぞれがサービスを提供する複数の提供場所のうち少なくともいずれかを示す場所情報を受け付ける。サービスの提供場所は、例えばコインロッカーの設置場所である。また、受付部432は、1以上の提供場所を含む領域を示す領域情報を受け付けてもよい。
受付部432は、サービス事業者から開示する利用状況の時刻の指定を受け付けてもよい。例えば、受付部432は、開示する利用状況の時刻を示す時刻情報を含む開示要請を受け付ける。受付部432は、1日の中である時刻からある時刻までの間を示す時間帯を示す時間帯情報を含む開示要請を受け付けてもよい。また、受付部432は、開示する利用状況の日付の指定を受け付けてもよい。この場合、受付部432は、日付を示す日付情報を含む開示要請を受け付ける。
取得部433は、受付部432が複数の異なるサービス事業者のいずれかから開示要請を受け付けると、サービスの利用状況を取得する。例えば、取得部433は、開示要請を行ったサービス事業者が提供するサービスに関連付けられた複数のサービスの利用状況を示す利用状況情報を、複数のサービス事業者それぞれが管理するサービス提供サーバ2又は利用状況データベースから取得する。具体的には、取得部433は、複数の異なるサービス事業者それぞれが提供する複数のサービスそれぞれの利用率を取得する。より具体的には、取得部433は、開示要請を行ったサービス事業者が提供する第1サービスの利用率と、開示要請を行ったサービス事業者と異なる他のサービス事業者が提供する、第1サービスに関連付けられた他のサービスの利用率とを含む利用状況情報を取得する。
また、取得部433は、サービスの提供場所に関連付けられたサービスの利用状況を取得する。例えば、取得部433は、サービス事業者がサービスを提供する複数の提供場所それぞれに関連付けられた、複数の提供場所それぞれで提供されるサービスの利用状況を取得する。
取得部433は、受付部432がサービス事業者の選択を受け付けた場合、選択されたサービス事業者が提供するサービスの利用状況を取得する。例えば、取得部433は、選択されたサービス事業者がサービスを提供する提供場所を示す場所情報に関連付けられた、提供場所で提供されるサービスの利用状況を取得する。
取得部433は、サービス事業者から指定された場所、時刻又は日付において提供されるサービスの利用状況を取得する。例えば、取得部433は、受付部432がサービスの提供場所を示す場所情報を含む開示要請を受け付けた場合、場所情報に示される提供場所で提供されるサービスの利用状況を取得する。また、取得部433は、受付部432が領域情報を受け付けた場合、領域情報に示される領域内で提供される1以上のサービスの利用状況を取得する。
取得部433は、受付部432が時刻を示す時刻情報を含む開示要請を受け付けた場合、時刻情報に示される時刻を含む所定期間において提供されるサービスの利用状況を取得する。この場合、取得部433は、開示要請を行ったサービス事業者から所定期間を示す期間情報を取得する。取得部433は、時間帯を示す時間帯情報を含む開示要請を受け付けた場合、時間帯情報に示される時間帯において提供されるサービスの利用状況を、サービスが提供される時間帯を示す情報に関連付けて取得する。
取得部433は、日付情報を含む開示要請を受け付けた場合、日付情報に示される日付において提供されるサービスの利用状況を取得する。例えば、取得部433は、日付情報に示される日付の間に利用されるサービスの利用状況を、サービスが利用される時刻に関連付けて取得する。
通知部436は、取得部433が取得した利用状況情報を、開示要請を行ったサービス事業者に通知する。例えば、通知部436は、開示要請を行ったサービス事業者が提供するサービスの利用率と、開示要請を行ったサービス事業者と異なる他のサービス事業者が提供する他のサービスの利用率とを含む利用状況情報を通知する。このようにすることで、サービス事業者は、自社が提供するサービスに関連付けられた他の事業者が提供する他のサービスの利用状況を把握できる。
また、通知部436は、開示要請を行ったサービス事業者が提供するサービスの提供場所に関連付けた利用率と、他のサービス事業者が提供する他のサービスの提供場所に関連付けた利用率とを通知してもよい。このようにすることで、サービス事業者は、サービスの提供場所ごとに自社が提供するサービスの利用率と、他社が提供するサービスの利用率とを把握することができる。
通知部436は、サービス事業者の選択を受け付けた場合、選択されたサービス事業者が提供するサービスの利用状況を示す利用状況情報を通知する。具体的には、通知部436は、選択されたサービス事業者が提供するサービスの提供場所を示す場所情報に関連付けて、提供場所で提供されるサービスの利用状況を示す利用状況情報を通知する。このようにすることで、情報処理装置4は、開示要請を行ったサービス事業者から選択されたサービス事業者が提供する提供場所の利用状況情報のみを取得すればよいので、情報処理装置4の計算リソースの消費を低減できる。
通知部436は、場所情報を含む開示要請を受け付けた場合、場所情報に示される提供場所で提供されるサービスの利用状況を通知する。また、通知部436は、領域情報を含む開示要請を受け付けた場合、領域情報に示される領域内で提供される1以上のサービスの利用状況を通知する。
通知部436は、時刻情報を含む開示要請を受け付けた場合、取得部433が取得した、時刻情報に示される時刻を含む所定期間におけるサービスの利用状況を示す利用状況情報を通知する。通知部436は、時間帯を示す時間帯情報を含む開示要請を受け付けた場合、時間帯情報に示される時間帯におけるサービスの利用状況を通知する。通知部436は、日付情報を含む開示要請を受け付けた場合、日付情報に示される日付におけるサービスの利用状況を通知する。
このように、情報処理装置4は、場所、時刻又は日付の指定をサービス事業者から受け付け、指定された場所、時刻又は日付において提供されるサービスの利用状況をサービス事業者に通知する。このようにすることで、サービス事業者は、利用状況を把握したい場所、時刻又は日付において提供されるサービスの利用状況を把握できる。
通知部436は、利用状況情報として、サービスの提供場所の位置と、サービスの提供場所で提供されるサービスの利用率とを関連付けて地図上に表示したサービスの利用状況マップを通知してもよい。図4は、サービスの利用状況マップを模式的に示す図である。図4において、ひし形で塗りつぶした部分は、利用率が高レベルである領域を示す。斜線で塗りつぶした部分は、利用率が中レベルである領域を示す。縦線で塗りつぶした部分は、利用率が低レベルである領域を示す。
図4において、情報処理装置4は、サービスの提供場所として「東京駅周辺」を受け付け、時刻として「9:00」を受け付け、日付として「8/26」を受け付けたものとする。図4に示すように、通知部436は、場所情報に示される場所「東京駅周辺」で、時刻「9:00」に提供されるサービスの利用率を示す利用状況マップを通知する。このようにすることで、サービス事業者は、特定の時刻に提供される、サービスの提供場所の位置と、提供場所で提供されるサービスの利用状況とを視覚的に把握できる。
[利用が許可された提供場所と、許可されていない提供場所とを開示する処理]
情報処理システムSが複数の会員基盤システム3を有する場合、情報処理サービスは、サービス提供サーバ2と複数の会員基盤システム3それぞれの間において連携される情報を処理する。複数の会員基盤システム3それぞれのユーザに提供されるサービスは、複数のサービスの提供場所それぞれで、複数の会員基盤システム3ごとに、ユーザによる利用が許可されていたり、許可されていなかったりする。例えば、サービス事業者が提供するサービスは、第1事業者が管理する会員基盤システム3aのユーザによる利用が許可され、第1事業者と異なる他の事業者が管理する他の会員基盤システム3bのユーザによる利用が許可されていない。そのため、サービス事業者は、ユーザに提供する複数のサービスの提供場所それぞれで、会員基盤システム3のユーザによる利用が許可されているか否かを把握しづらくなっていた。
そこで、情報処理装置4は、複数の会員基盤システム3のいずれかの選択を受け付け、選択された会員基盤システム3のユーザによる利用が許可されたサービスの提供場所と、利用が許可されていないサービスの提供場所とをサービス事業者に通知する。このようにすることで、サービス事業者は、選択した会員基盤システム3のユーザによる利用が許可されたサービスの提供場所と、利用が許可されていないサービスの提供場所とを把握することができる。以下、情報処理装置4が実行する利用が許可された提供場所と、許可されていない提供場所とを開示する処理について説明する。
まず、受付部432は、複数の会員基盤システム3のいずれかの選択を受け付ける。受付部432は、会員基盤システム3の選択とともに、複数のサービスの提供場所を含む領域を示す領域情報を受け付けてもよい。
次に、取得部433は、選択された会員基盤システム3のユーザによる利用が許可されたサービスの提供場所と、利用が許可されていないサービスの提供場所とを取得する。取得部433は、複数のサービスの提供場所を含む領域を示す領域情報を受け付けた場合、領域情報に示される領域内に含まれる複数のサービスの提供場所それぞれで、選択された会員基盤システム3のユーザによる利用が許可されているか否かを示す情報を取得する。
そして、通知部436は、選択された会員基盤システム3のユーザによる利用が許可されたサービスの提供場所と、利用が許可されていないサービスの提供場所とをサービス事業者に通知する。例えば、通知部436は、領域情報に示される領域内に含まれる複数のサービスの提供場所それぞれに、選択された会員基盤システム3のユーザによる利用が許可されているか否かを示す情報を関連付けてサービス事業者に通知する。通知部436は、領域内に含まれる複数のサービスの提供場所それぞれと、選択された会員基盤システム3のユーザによる利用が許可されているか否かを示す情報とを関連付けて地図上に表示したサービスの利用許可不許可マップを通知してもよい。
図5は、サービスの利用許可不許可マップを模式的に示す図である。図5においては、受付部432が複数のサービスの提供場所を含む領域として「東京駅周辺」を受け付けたものとする。図5において、「東京駅周辺」において、サービス事業者により選択された「会員基盤システム」のユーザによる利用が許可された提供場所を白丸で示し、利用が許可されていない提供場所を黒丸で示す。このようにすることで、サービス事業者は、選択した会員基盤システムのユーザによる利用が許可された提供場所と、利用が許可されていない提供場所とを視覚的に把握できる。
なお、受付部432は、会員基盤システム3の選択の受け付けに替えて、複数のサービスの提供場所を含む領域を示す領域情報を含むサービスの利用可否情報の開示要請を受け付けてもよい。この場合、取得部433は、領域情報に示される領域内に含まれる複数のサービスの提供場所それぞれで、複数の会員基盤システム3それぞれのユーザによる利用が許可されているか否かを示す情報を取得する。また、受付部432は、サービス事業者が管理する端末の表示画面に表示された地図の範囲を特定し、特定した範囲を、提供場所を含む領域としてもよい。
通知部436は、領域内に含まれる複数のサービスの提供場所それぞれと、複数の会員基盤システム3のいずれのユーザによる利用が許可されているかを示す情報とを関連付けて通知する。例えば、通知部436は、複数の会員基盤システムそれぞれに応じて、ユーザによるサービスの利用が許可された提供場所の表示態様を変更して地図上に表示した利用許可不許可マップを通知する。このようにすることで、サービス事業者は、複数のサービスの提供場所それぞれで、複数の会員基盤システム3のいずれのユーザによる利用が許可されているかを把握できる。
[会員基盤システム3のユーザによるサービスの利用の可否を決定する処理]
(利用率に応じて利用の可否を決定する処理)
サービス事業者は、自社が提供するサービスの利用率が低い場合、サービスの利用率を上げるため、自社が管理する会員基盤システム3のユーザ(以下、自社ユーザという)だけでなく、他のサービス事業者が管理する他の会員基盤システム3のユーザ(以下、他社ユーザという)によるサービスの利用を許可したい。一方、サービス事業者が提供するサービスにおいて、他社ユーザによるサービスの利用率が高くなり、自社ユーザがサービスを利用できなくなると、自社ユーザの満足度は低下してしまう。そのため、サービス事業者は、サービスの利用率が高い場合、自社ユーザの満足度の低下を抑制するため、他社ユーザによるサービスの利用を禁止したい。
このように、サービス事業者は、サービスの利用率に応じて、他社ユーザによるサービスの利用を許可することを望む場合や、禁止することを望む場合があった。そこで、情報処理装置4は、サービスの利用率に応じて会員基盤システム3のユーザによるサービスの利用の可否を決定する。このようにすることで、サービス事業者は、サービスの利用率が低い場合に他社ユーザによるサービスの利用が許可されることにより、サービスの利用率が上がることを期待できる。また、サービス事業者は、サービスの利用率が高い場合に他社ユーザによる利用が許可されないことにより、自社ユーザの満足度の低下を抑制できる。以下、情報処理装置4が実行する、サービスの利用率に応じて会員基盤システム3のユーザによるサービスの利用可否を決定する処理について説明する。
まず、取得部433は、会員基盤システム3のユーザによるサービスの利用を許可するか否かを判定するための利用率の閾値を示す許可判定閾値を取得する。また、取得部433は、サービス事業者がサービスを提供する複数のサービスの提供場所それぞれに関連付けて許可判定閾値を取得してもよく、複数の日付それぞれ、複数の時刻それぞれ、又は複数の時間帯それぞれに関連付けて許可判定閾値を取得してもよい。
次に、取得部433は、将来の特定の日時又は期間におけるサービスの予約率を取得する。取得部433は、将来の特定の日時又は期間におけるサービスの予約率が許可判定閾値未満である場合、サービス事業者がサービスの利用を許可している会員基盤システム3と異なり、サービスの利用率に応じてサービスの利用を許可する会員基盤システム3を示す基盤識別情報を取得する。サービスの利用率に応じてサービスの利用を許可する会員基盤システム3を示す基盤識別情報は、予めサービス事業者から受け付けてもよく、情報処理装置4の管理者が登録してもよい。そして、決定部430は、取得部433が取得した基盤識別情報に示される会員基盤システム3のユーザによるサービスの利用を許可する。
また、取得部433は、サービス事業者が提供するサービスの現在の利用率を取得してもよい。例えば、取得部433は、サービス事業者がサービスを提供する複数の提供場所それぞれで提供されるサービスの現在の利用率を取得する。
そして、決定部430は、サービスの現在の利用率が許可判定閾値未満である場合、サービス事業者がサービスの利用を許可していない会員基盤システム3のユーザによるサービスの利用を許可する。決定部430は、サービスの利用率が許可判定閾値以上である場合、許可判定閾値に関連付けられた基盤識別情報に示される会員基盤システム3のユーザによるサービスの利用を許可しない。このようにすることで、サービス事業者は、サービスの利用率が許可判定閾値未満の場合にサービスの利用率が上がることを期待でき、サービスの利用率が許可判定閾値以上の場合に自社ユーザの満足度の低下を抑制できる。
(サービスの提供場所を含む地域ごとに利用の可否を決定する処理)
取得部433は、一以上のサービスの提供場所を含む地域を示す地域情報に関連付けて許可判定閾値をサービス事業者から取得する。例えば、取得部433は、複数の地域ごとに許可判定閾値を取得する。一以上のサービスの提供場所を含む地域は、例えば、駅構内、又は各種施設の敷地内である。また、一以上のサービスの提供場所を含む地域は、複数の駅又は複数の施設を含む範囲であってもよい。
取得部433は、複数の地域それぞれに関連付けて、現在のサービスの利用率又は将来の特定の日時又は期間におけるサービスの予約率を取得する。決定部430は、サービスの利用率又は予約率が許可判定閾値未満である地域情報に示される地域内で提供されるサービスの利用を許可する。決定部430は、サービスの利用率又は予約率が許可判定閾値以上である地域情報に示される地域内で提供されるサービスの利用を許可しない。決定部430がサービスの利用を許可することにより、ユーザが、通信端末1を用いて他の会員基盤システム3の会員基盤サイトにアクセスすることができるようになる。そして、ユーザがサービス提供場所を検索する際に、利用可能なサービスとして新たに利用が許可されたサービスが表示されるので、新たに利用が許可されたサービスの利用申込(予約)ができるようになる。このようにすることで、情報処理装置4は、サービスの利用率又は予約率が許可判定閾値未満である地域内で提供されるサービスを、会員基盤システム3のユーザに利用させることができる。
(日時、曜日、又は時間のいずれかに基づいて利用の可否を決定する処理)
取得部433は、サービスの利用を許可する会員基盤システム3を示す基盤識別情報に、会員基盤システム3の利用を許可する日時、曜日、又は時間の少なくともいずれかを示す許可日時情報を関連付けてサービス事業者から取得する。決定部430は、許可日時情報に示される日時、曜日、又は時間において、基盤識別情報に示される会員基盤システム3のユーザによるサービスの利用を許可する。このようにすることで、情報処理装置4は、サービス事業者が指定した日時、曜日、又は時間において、会員基盤システム3のユーザにサービスを利用させることができる。
なお、取得部433は、許可判定閾値、許可地域情報、又は許可日時情報を組み合わせて取得してもよい。例えば、取得部433は、許可地域情報と許可判定閾値とを関連付けて取得する。決定部430は、許可地域情報に示される地域内で提供されるサービスの利用率が許可判定閾値未満である場合、会員基盤システム3のユーザによるサービスの利用を許可する。
例えば、取得部433は、許可判定閾値と許可日時情報とを関連付けて取得する。決定部430は、許可日時情報に示される日時、曜日、又は時間において、サービスの利用率が許可判定閾値未満である場合、会員基盤システム3のユーザによるサービスの利用を許可する。
例えば、取得部433は、許可判定閾値と、許可地域情報と、許可日時情報とを関連付けてサービス事業者から取得する。この場合、決定部430は、許可日時情報に示される日時、曜日、又は時間において、許可地域情報に示される地域内で提供されるサービスの利用率が許可判定閾値未満である場合、会員基盤システム3のユーザによるサービスの利用を許可する。このようにすることで、情報処理装置4は、サービス事業者から指定された日時、曜日、又は時間において、指定された地域内で提供されるサービスの利用率が許可判定閾値未満である場合、会員基盤システム3のユーザにサービスを利用させることができる。
(サービス事業者から指定された利用料金の範囲で利用の可否を決定する処理)
サービス事業者は、会員基盤システム3のユーザに利用を許可したいサービス、又は許可したくないサービスを、利用料金の範囲で指定したい場合がある。そこで、取得部433は、利用料金の範囲を示す料金範囲情報に関連付けてサービスの利用可否を示す利用可否情報をサービス事業者から取得する。
決定部430は、利用可否情報にサービスの利用の許可が示されている場合、利用料金範囲に示される利用料金の範囲内の料金で提供されるサービスの会員基盤システム3のユーザによる利用を許可する。決定部430は、利用可否情報にサービスの利用の不可が示されている場合、利用料金範囲に示される利用料金の範囲内の料金で提供されるサービスの会員基盤システム3のユーザによる利用を許可しない。このようにすることで、情報処理装置4は、サービス事業者から指定された利用料金の範囲内の料金で提供されるサービスの会員基盤システム3のユーザによる利用の可否を決定できる。
決定部430は、サービスを利用する日時の所定期間前の時点において、サービスの予約率が、所定の閾値よりも低い場合、サービスの利用料金を値下げする。例えば、決定部430は、サービスの予約率が、サービス事業者から取得した所定割合又はサービス事業者が提供するサービスと同一の種別に関連付けられた他のサービス(以下、同種サービスという)の予約率よりも低い場合、サービスの利用料金を値下げする。具体的には、決定部430は、サービスの利用料金を、サービス事業者がサービスを提供する地域内で提供される同種サービスの料金の平均額又は最低額以下の金額に値下げする。決定部430は、サービスを利用する日が週末又は祝日である場合、サービスの利用料金を値下げしない。決定部430は、サービスの利用料金を下げる前に、サービスの利用を予約したユーザのサービスの利用料金を値下げする。
決定部430は、サービスを利用する日時の所定期間前の時点において、サービスの予約率が、サービス事業者から取得した所定の値上閾値又は同種サービスの予約率以上である場合、サービスの利用料金を値上げする。例えば、決定部430は、サービス事業者がサービスを提供する地域内で提供される同種サービスの料金の平均額又は最高額以上の金額に値上げする。なお、決定部430は、利用料金を値上げする前に、サービスの利用を予約したユーザのサービスの利用料金を値上げしない。
(サービスを利用したユーザごとに利用の可否を判定する処理)
決定部430は、会員基盤システム3に会員登録するユーザごとにサービスの利用の可否を決定してもよい。例えば、決定部430は、サービスの利用が許可された会員基盤システム3のユーザの通信端末1からサービスの利用要求を受けた場合、利用要求を行った通信端末1のユーザによるサービスの利用を許可する。具体的には、決定部430は、利用要求を行った通信端末1のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、利用要求を行ったサービスを識別するためのサービス識別情報とを関連付けた許可ユーザ情報を記憶部42に記憶させる。
決定部430は、ユーザの通信端末1からサービスの利用要求を受けた場合、許可ユーザ情報を参照し、通信端末1のユーザによるサービスの利用が許可されている場合、利用要求を行ったユーザによるサービスの利用を許可する。
決定部430は、利用要求を行った通信端末1のユーザが登録する会員基盤システム3の利用が許可されていない場合であっても、許可ユーザ情報を参照し、通信端末1のユーザによるサービスの利用が許可されている場合、サービスの利用を許可してもよい。決定部430は、ユーザにサービスを提供した時刻を示す提供時刻情報を許可ユーザ情報に関連付けて記憶部42に記憶させる。そして、決定部430は、提供時刻情報に示される時刻から所定の期間が経過するまでの間、許可ユーザ情報に示されるユーザのサービスの利用を許可し、提供時刻情報に示される時刻から所定の期間が経過した場合、サービスの利用を許可しない。所定の期間は、サービス事業者が任意に設定できる。なお、決定部430は、提供時刻情報に示される時刻から所定の期間が経過したユーザの情報を削除してもよい。
このようにすることで、情報処理装置4は、ユーザが登録する会員基盤システム3の利用の許可が取り消された場合であっても、過去にサービスを利用したユーザに継続してサービスを利用させることができる。また、情報処理装置4は、継続してサービスを利用しないユーザの情報を削除できるので、ユーザの情報を管理するコストを低減できる。
なお、決定部430は、サービスの利用率に係わらず、サービス事業者が管理する会員基盤システム3のユーザによる、当該サービス事業者が提供するサービスの利用を許可してもよい。このようにすることで、情報処理装置4は、サービス事業者が管理する会員基盤システム3のユーザに、当該サービス事業者が提供するサービスを常時提供できる。
[ユーザの属性を関連付けて開示する処理]
サービス事業者は、どのようなユーザがサービスを利用しているかを把握することにより、サービスを利用したユーザの属性に基づいてサービスの利用を促す施策を行うことができる。そこで、情報処理装置4は、サービスを利用したユーザの属性を示す属性情報を関連付けたサービスの利用状況をサービス事業者に通知する。
取得部433は、ユーザが利用したサービスを識別するサービス識別情報に関連付けて、当該サービスを利用した当該ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得する。そして、取得部433は、取得したユーザ識別情報に関連付けられたユーザの属性を示す属性情報を会員基盤システムから取得する。ユーザの属性は、例えば、ユーザの性別、年齢、職業、住所、嗜好などのユーザの行動傾向を特定するために用いられる情報である。
通知部436は、サービス識別情報に示されるサービスの利用状況にサービスを利用したユーザの属性情報を関連付けたサービスの利用状況情報を通知する。例えば、通知部436は、複数の属性それぞれに、複数の属性それぞれのユーザがサービスを利用した回数を関連付けて通知する。
このようにすることで、サービス事業者は、どのような属性のユーザにサービスが利用されているかを把握できる。そのため、サービス事業者は、サービスを利用したユーザの属性に基づいてサービスの利用を促す施策を行うことができる。例えば、サービス事業者は、サービスを利用した回数が多い属性のユーザに広告を配信することができる。また、サービス事業者は、サービスを利用した回数が少ない属性のユーザが興味を引く内容の広告を配信することができる。
[利用状況を予測する処理]
サービス事業者が提供するサービスの利便性を高めるためには、サービスの利用状況に応じてサービスを提供する態様を変えると効果的である。そこで、情報処理装置4は、将来のサービスの利用状況を予測し、予測した利用状況をサービス事業者に通知する。
受付部432は、現在時刻より未来の時刻を示す時刻情報を受け付ける。例えば、受付部432は、時刻情報に関連付けて、サービスの提供場所を示す場所情報を受け付ける。また、受付部432は、現在時刻より未来の日付を含む日付情報を取得してもよい。
取得部433は、現在時刻より過去の時刻を含む所定期間におけるサービスの利用状況を示す利用状況情報を取得する。例えば、取得部433は、過去の時刻を含む所定期間において場所情報に示される提供場所で提供されたサービスの過去の利用状況情報を取得する。具体的には、取得部433は、受け付けた未来の時刻と同じ時刻を含む過去の時間帯において提供されたサービスの利用率を取得する。より具体的には、取得部433は、未来の時刻として「月曜日の9時」を受け付けた場合、現在時刻より過去の「月曜日の9時」を含む時間帯において提供されたサービスの利用率を取得する。なお、取得部433は、複数の過去の利用率を取得してもよい。この場合、取得部433は、例えば、複数の「過去の月曜日の9時を含む時間帯」において提供されたサービスの利用率を取得する。
予測部437は、サービスの将来の利用状況を予測する。例えば、予測部437は、過去の利用状況情報に基づいて、時刻情報が示す未来の時刻において場所情報に示される場所で提供されるサービスの将来の利用状況を予測する。具体的には、予測部437は、受け付けた未来の時刻と同じ時刻を含む過去の時間帯において提供されたサービスの利用率に基づいてサービスの将来の利用率を予測する。例えば、予測部437は、受け付けた未来の時刻と同じ時刻を含む複数の過去の時間帯において提供されたサービスの利用率の統計量に基づいて将来のサービスの利用率を予測する。具体的には、予測部437は、複数の過去の時間帯において提供されたサービスの利用率の平均値、中央値又は最頻値に基づいて将来のサービスの利用率を予測する。
予測部437は、サービス事業者から指定された提供場所、又は提供場所を含む領域内で提供されるサービスの将来の利用状況を予測してもよい。例えば、予測部437は、サービス事業者から受け付けた領域に複数の提供場所が含まれる場合、複数の提供場所それぞれで提供されるサービスの将来の利用状況を予測する。
予測部437は、ユーザによるサービスの利用の予約を示す予約状況に基づいて、提供場所で提供されるサービスの将来の利用状況を予測してもよい。この場合、取得部433は、ユーザが利用するサービスと、ユーザがサービスの利用を開始する時刻とを関連付けたサービスの予約状況を示す予約情報を取得する。予約情報は、ユーザが利用するサービスのサービス識別情報と、ユーザがサービス識別情報に示されるサービスの利用を開始する予定の時刻を示す予定時刻とを関連付けた予約状況データテーブルである。
予測部437は、予約情報を参照し、サービス識別情報に示されるサービスの提供場所で提供可能なサービスの数と、提供場所で提供されるサービスの利用が予約された数とに基づいて将来のサービスの利用率を予測する。また、予測部437は、過去の利用状況情報と、予約状況とに基づいて利用率を予測してもよい。具体的には、予測部437は、過去の利用状況情報に基づいて予測したサービスの将来の利用率と、予約状況に基づいて予測したサービスの将来の利用率との和を、サービスの将来の利用率として特定する。このように、情報処理装置4は、サービスが利用された実績と、ユーザがサービスの利用を開始する予定とに基づいて利用率を予測する。そのため、情報処理装置4は、サービスの利用率の予測精度を高めることができる。
通知部436は、予測部437が予測した未来の利用状況を示す利用状況情報を通知する。例えば、通知部436は、サービスの提供場所に関連付けて未来の利用状況を通知する。また、通知部436は、サービス提供場所における過去の利用状況である実績と、未来の利用状況の予測とを含む利用状況情報を通知してもよい。例えば、通知部436は、複数の過去の時刻それぞれにおける利用率の実績と、未来の複数の時刻それぞれにおける利用率の予測とをサービス提供場所に関連付けて通知する。具体的には、通知部436は、サービス事業者から指定された提供場所で提供されるサービスの過去の利用状況と予測した未来の利用率とを地図上に重ねて表示した利用状況情報を表示する表示画面を通知する。
図6は、利用状況情報を表示する表示画面を模式的に示す図である。図6において、黒の棒グラフは利用率の実績を示し、破線のグラフは利用率の予測を示す。図6のグラフの横軸は時刻を示し、縦軸は利用状況である利用率(%)を示す。なお、図6に示すように、通知部436は、サービス事業者から指定された提供場所における利用率の実績と、利用率の予測とを表示する表示画面を通知したが、通知部436が通知する表示画面はこれに限らない。例えば、通知部436は、表示画面上に含まれる複数のサービスの提供場所における利用率の実績と、利用率の予測とを統合して表示する表示画面を通知してもよい。
このようにすることで、サービス事業者は、予測された未来の時刻におけるサービスの利用状況に基づいてサービスを提供する態様を変更できる。例えば、サービス事業者は、他の時間帯より低い利用率が予測された時間帯において、利用を許可していない会員基盤システム3のユーザによるサービスの利用の許可を行うことで、サービスの利用率の向上を見込める。また、サービス事業者は、利用率が高いと予測された時間帯の利用料金を高くすることにより利益率を上げることができる。また、サービス事業者は、利用率が高いと予測される時間帯において一時的にサービスを提供する提供場所を設置することにより、より多くのユーザにサービスを提供できる。
(予測した利用状況に基づいて利用の許可を決定する処理)
決定部430は、予測部437が予測した未来の利用状況に基づいて、サービスの利用を許可するか否かを決定してもよい。例えば、決定部430は、予測した利用率が許可判定閾値未満である場合、サービス事業者がサービスの利用を許可していない会員基盤システム3のユーザによる利用を許可する。また、決定部430は、予測した利用率が許可判定閾値以下であるサービスの利用料金を、地域内で提供される同種サービスの料金の平均額以下の金額に値下げする、又は同種サービスの料金の最低額以下の金額に値下げする。決定部430は、予測した利用率が許可判定閾値よりも大きいサービスの利用料金を、地域内で提供される同種サービスの料金の平均額よりも高い金額に値上げする、又は同種サービスの料金の最高額以上の金額に値上げする。
情報処理装置4は、サービス事業者が提供するサービスの利用を許可した会員基盤システム3の会員基盤サイトに、利用を許可したサービスの広告を表示させる。具体的には、情報処理装置4は、利用が許可された会員基盤システム3の会員基盤サイトに広告を表示することを会員基盤システム3に要求する。また、情報処理装置4は、利用が許可されたサービスの広告を会員基盤システム3のユーザに通知することを、会員基盤システム3に要求してもよい。
[通信端末1の位置に基づいてサービスの利用が許可されたユーザの数を予測する処理]
情報処理装置4は、通信端末1の位置に基づいてサービスの提供場所を含む所定の範囲内に存在する、サービスの利用が許可されたユーザの数を予測し、予測したユーザの数を通知する。このようにすることで、サービス事業者は、ユーザの数に基づいてサービスの利用状況を予測できるので、予測した利用状況に応じてサービスの提供態様を変更できる。以下、情報処理装置4が実行する、通信端末1の位置に基づいてサービスの利用が許可されたユーザの数を予測する処理について説明する。
まず、取得部433は、サービス事業者が提供するサービスの利用が許可されたユーザの通信端末1の位置を示す端末位置情報を取得する。例えば、取得部433は、サービスの利用が許可されたユーザが登録する会員基盤システム3から端末位置情報を取得する。
次に、予測部437は、端末位置情報に基づいてサービス事業者が提供するサービスの提供場所を含む所定の範囲内に存在するユーザの数を予測する。具体的には、予測部437は、サービスの提供場所を含む所定の範囲である利用圏に端末位置情報に示される位置が含まれる提供されるサービスの利用が許可されたユーザの通信端末1の数を予測する。
なお、予測部437は、サービスの提供場所から端末位置情報に示される位置までの距離と、端末位置情報を取得した通信端末1のユーザが提供場所で提供されるサービスを利用したか否かを示す情報とを関連付けたデータベースに基づいて、利用圏を決定してもよい。例えば、予測部437は、複数の予め定められた提供場所からの距離の範囲それぞれに端末位置情報に示される位置が含まれる複数の通信端末1に基づいて利用圏を決定する。具体的には、予測部437は、予め定められた提供場所からの距離の範囲に位置が含まれる複数の通信端末1の数に対する、複数の通信端末1のうち提供場所で提供されるサービスを利用したユーザの通信端末の数の割合を示す利用割合が所定の割合以上になる距離の範囲を利用圏として決定する。このようにすることで、予測部437は、利用圏内に存在する通信端末1の数のうち、提供場所で提供されるサービスを利用するユーザの通信端末の数の割合が所定の割合以上になるように利用圏を更新できる。
そして、通知部436は、予測部437が予測したユーザの数を通知する。このようにすることで、サービス事業者は、提供場所で提供されるサービスの利用が許可されたユーザの数に基づいて、提供場所で提供されるサービスの利用率を推定することができる。
[サービスの料金体系を開示する処理]
ユーザは、ユーザに提供される複数のサービスの料金体系がそれぞれ異なる場合、複数のサービスそれぞれの料金体系を比較して利用するサービスを決定する。そのため、サービス事業者は、サービス事業者が提供するサービスの提供場所で提供される他のサービスの料金体系に基づいて料金体系を変更することにより、サービスの利用率を上げることができる。そこで、情報処理装置4は、サービス事業者から提供場所で提供されるサービスの料金体系の開示要請を受け付け、提供場所で提供されるサービスの料金体系をサービス事業者に通知する。以下、情報処理装置4が実行する、サービスの料金体系を開示する処理について説明する。
受付部432は、複数の異なるサービス事業者のいずれかから、サービスを提供する提供場所の選択とともにサービスの料金体系の開示要請を受け付ける。受付部432は、提供場所の選択に替えて、複数のサービスの提供場所を含む領域を受け付けてもよい。
取得部433は、選択された提供場所を含む領域内又は受付部432が受け付けた領域内において提供されるサービスの料金体系を取得する。例えば、取得部433は、料金体系の開示要請を行ったサービス事業者と異なる他のサービス事業者により提供される他のサービスの料金体系を取得する。具体的には、取得部433は、提供場所で提供されるサービスを予め定められた時間利用するのに必要な料金を示す料金体系を取得する。より具体的には、取得部433は、複数の提供場所それぞれに関連付けて、ユーザが複数の提供場所それぞれでサービスを1時間利用する場合に必要な料金を取得する。
通知部436は、料金体系の開示要請を行ったサービス事業者に、選択された提供場所に関連付けた料金体系を示す体系情報を通知する。例えば、通知部436は、領域内において提供される複数のサービスの提供場所それぞれに料金体系を関連付けた体系情報を地図上に示した料金体系マップを通知する。具体的には、通知部436は、複数のサービス事業者それぞれがサービスを提供する提供場所を、複数のサービス事業者に応じて変更した表示態様で示した料金体系マップを通知する。
図7は、領域内において提供される複数のサービスの提供場所それぞれに料金体系を関連付けた体系情報を地図上に示した料金体系マップを模式的に示す図である。図7において、白丸はX社が提供するサービスの提供場所を示し、黒丸はY社が提供するサービスの提供場所を示す。また、白丸又は黒丸からの吹き出しは、サービスの料金体系をそれぞれ示す。このようにすることで、サービス事業者は、他のサービス事業者により提供場所で提供されるサービスの料金体系を把握できる。
また、通知部436は、サービス事業者から時間帯の指定を受け付けると、受け付けた時間帯における料金体系を通知する。例えば、通知部436は、受け付けた時間帯における料金体系を複数のサービスの提供場所それぞれに関連付けた体系情報を地図上に示した料金体系マップをサービス事業者に通知する。このようにすることで、サービス事業者は、指定した時間帯における料金体系を把握することができる。
また、受付部432は、料金体系の開示要請を行ったサービス事業者から選択された提供場所において、料金体系の開示要請を行ったサービス事業者が提供するサービスの料金体系の変更指示を受け付ける。そして、決定部430は、受付部432が受け付けた変更指示に示される料金体系で、ユーザによるサービスの利用を許可する。このようにすることで、サービス事業者は、提供場所における料金体系に基づいて、サービスの料金体系を変更できる。
[利用状況の開示の許可に基づいて利用状況を開示する処理]
サービス事業者は、サービスの利用状況を開示したくない場合がある。そこで、情報処理装置4は、予め利用状況の開示の許可をサービス事業者から取得し、利用状況の開示の許可を取得したサービス事業者が提供するサービスの利用状況を開示し、許可を取得していないサービス事業者が提供するサービスの利用状況を開示しない。以下、情報処理装置4が実行する、利用状況の開示の許可に基づいて利用状況を開示する処理について説明する。
受付部432は、サービス事業者から、サービス事業者が提供するサービスの利用状況を他のサービス事業者に対して開示する許可を受け付ける。通知部436は、開示要請を受け付けた場合、サービスの利用状況の開示の許可を取得したサービス事業者が提供するサービスの利用状況を通知し、利用状況の開示の許可を取得していないサービス事業者が提供するサービスの利用状況を通知しない。このようにすることで、情報処理装置4は、サービスの利用状況を開示したくないサービス事業者が提供するサービスの利用状況の開示を防止できる。
また、受付部432は、開示要請を行ったサービス事業者が、当該サービス事業者が提供するサービスの利用状況の開示を許可することを条件として、他のサービス事業者が提供するサービスの利用状況の開示要請を受け付けてもよい。受付部432は、開示要請を行ったサービス事業者が利用状況の開示を許可していない場合、開示要請を受け付けない。
通知部436は、開示要請を行ったサービス事業者から利用状況の開示の許可を取得していない場合、利用状況の開示の許可を要求する開示許可要求を通知してもよい。受付部432は、開示要請を行ったサービス事業者に開示許可要求を通知した後、開示要請を行ったサービス事業者から利用状況の開示の許可を取得した場合、利用状況の開示要請を受け付ける。
このようにすることで、情報処理装置4は、サービスの利用状況の開示を許可するサービス事業者の間で利用状況を共有させることができる。また、情報処理装置4は、サービスの利用状況の開示を許可していないサービス事業者に他のサービス事業者の利用状況を開示しないので、サービス事業者が利用状況の開示コストを負担せず利益だけを受けることを抑制できる。
以下、利用状況の開示の許可に基づいて利用状況を開示する処理の流れを説明する。図8は、利用状況の開示の許可に基づいて利用状況を開示する処理のフローチャートである。以下の説明において、開示要請を行ったサービス事業者を第1事業者として説明する。
まず、受付部432は、第1事業者から利用状況の開示要請を受け付ける(ステップS1)。受付部432は、利用状況の開示要請を受け付けると、第1事業者が利用状況の開示を許可しているか否かを判定する(ステップS2)。
受付部432は、第1事業者が開示を許可していると判定すると(ステップS2でYes)、第1事業者からの開示要請を受け付け、ステップS5に移行する。受付部432は、第1事業者が開示を許可していないと判定された場合(ステップS2でNo)、第1事業者からの開示要請を受け付けない。通知部436は、第1事業者が開示を許可していないと判定された場合、第1事業者に利用状況の開示の許可を要求する開示許可要求を通知する(ステップS3)。
受付部432は、通知部436が開示許可要求を通知した後、第1事業者から利用状況の開示の許可を取得したか否かを判定する(ステップS4)。受付部432は、第1事業者から利用状況の開示の許可を取得していないと判定した場合(ステップS4でNo)、ステップS8に移行する。
受付部432は、第1事業者から利用状況の開示の許可を取得したと判定した場合(ステップS4でYes)、第1事業者からの開示要請を受け付けて、ステップS5に移行する。通知部436は、第1事業者と異なる他のサービス事業者(以下、第2事業者という)が利用状況の開示を許可しているか否かを判定する(ステップS5)。
取得部433は、第2事業者が開示を許可していると判定した場合(ステップS5でYes)、第2事業者が提供するサービスの利用状況を取得する(ステップS6)。通知部436は、取得部433が取得したサービスの利用状況を通知する(ステップS7)。
取得部433は、第2事業者が開示を許可していないと判定した場合(ステップS5でNo)、第2事業者の利用状況を取得せず、ステップS8に移行する。通知部436は、第1事業者から開示の許可を取得していない場合、又は第2事業者が開示を許可していない場合、開示要求を行った第1事業者にサービスの利用状況が開示できないことを示す開示不能情報を通知する(ステップS8)。
[実施の形態に係る情報処理装置4の効果]
このように、情報処理装置4は、複数の異なるサービス事業者それぞれが提供する複数のサービスであって互いに関連付けられたサービスの利用状況をサービス事業者に通知することにより、サービスの利用状況をサービス事業者に開示する。そのため、サービス事業者は、サービス事業者が提供するサービスに関連付けられた他のサービスの利用状況に基づいてサービスのマーケティングを行うことができる。例えば、サービス事業者は、サービスの利用率が高い場所を、新たにサービスの提供場所を設置する場所として選択できる。また、サービス事業者は、利用率が低い場所において提供するサービスの利用料金を利用率が高い場所において提供するサービスの利用料金より下げることができるので、サービスの利用率を高めることができる。
(変形例1:サービスの利用料金を変更する処理)
決定部430は、サービスの利用率に応じてサービスの利用料金を変更してもよい。例えば、決定部430は、サービスの利用率が、サービスの利用料金を下げるか否かを判定するための判定閾値である料金割引閾値未満である場合、料金割引閾値以上である場合にサービスを利用する料金より安い料金を決定する。決定部430は、サービスの利用料金を下げる場合、サービスの利用料金を、サービスの利用率が料金割引閾値未満であるサービスの提供場所を含む領域内で提供される同種サービスの利用料金の最低額にする。そして、通知部436は、決定部430が決定したサービスの利用料金を、サービスの利用が許可されたユーザの通信端末1に通知する。通信端末1は、サービスの利用料金の通知を受けると、サービスの利用料金を表示画面に表示する。
また、決定部430は、サービスの利用率が、サービスの利用料金を上げるか否かを判定するための判定閾値である料金割増閾値以上である場合、料金割増閾値未満である場合にサービスを利用する料金よりも高い料金を決定する。決定部430は、サービスの利用料金を上げる場合、サービスの利用料金を、サービスの利用率が料金割増閾値以上であるサービスの提供場所を含む領域内で提供される同種サービスの利用料金の最高額にする。
なお、料金割引閾値と料金割増閾値とは、サービスの利用料金と、利用料金でサービスを提供した場合の利用率とのバランスを考慮して定めればよい。また、取得部433は、サービス事業者から料金割引閾値又は料金割増閾値を取得してもよい。なお、料金割増閾値は、料金割引閾値以上である。このようにすることで、情報処理装置4は、サービスの利用料金を、サービスの利用率に応じて適宜変更することができる。そのため、情報処理装置4は、利用率が低い場合に利用料金を安くすることにより利用率を上げることができ、利用率が高い場合に利用料金を高くすることによりサービスの売り上げを向上できる。
(変形例2:サービスの利用を促す処理)
会員基盤システム3のユーザによるサービスの利用を許可したとしても、利用率が低い提供場所又は利用率が低い時間帯において提供されるサービスが利用されるとは限らない。そこで、情報処理装置4は、利用率の低いサービスの利用を許可するとともに、利用を許可したサービスと共に利用が見込まれる他のサービスを会員基盤システム3のユーザに提供する。このようにすることで、情報処理装置4は、利用率の低いサービスの利用をユーザに促すことができる。
決定部430は、会員基盤システム3のユーザによる利用率が許可判定閾値未満であるサービスの利用を許可するとともに、利用を許可したサービスと共に利用が見込まれる他のサービスの会員基盤システム3のユーザによる利用を許可する。例えば、決定部430は、ユーザが許可判定閾値未満であるサービスを利用する場合に他のサービスの利用を許可する。具体的には、決定部430は、許可判定閾値未満であるサービスを利用する場合、許可判定閾値未満であるサービスを利用しないで他のサービスを利用する場合よりも安い利用料金での他のサービスの利用を許可する。
情報処理装置4は、許可判定閾値未満であるサービスを利用するとともに他のサービスを利用する場合に、ユーザに特典を配信する図示しない特典付与部を備えていてもよい。例えば、特典配信部は、許可判定閾値未満であるサービスを利用する場合に利用可能な他のサービスの割引クーポンをユーザの通信端末1に配信する。具体的には、特典配信部は、許可判定閾値未満であるサービスを利用する場合、サービスの提供場所を含む領域で提供されるサービスの割引クーポンを配信する。より具体的には、特典配信部は、利用率が許可判定閾値未満であるロッカーサービスの提供場所を含む領域内で提供される飲食サービスの割引クーポンを配信する。また、特典配信部は、利用率が許可判定閾値未満である宿泊サービスを利用する場合に利用可能な動画配信サービスの無料時間クーポンを配信する。
このように、情報処理装置4は、利用率の低いサービスの利用が許可されたユーザに、利用率の低いサービスを利用する場合に他のサービスを提供する。そのため、情報処理装置4は、利用率の低いサービスの利用をユーザに促すことができる。また、特典配信部は、サービスの利用が許可された会員基盤システム3のユーザの通信端末1に、サービスの利用が許可されたことを示す情報と共に、利用が許可されたサービスの利用する場合に許可される他のサービスを通知してもよい。このようにすることで、情報処理装置4は、ユーザにサービスを利用することで他のサービスが提供されることを知らせることができるので、ユーザにサービスの利用を促すことができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。