JP2020112262A - 減速機 - Google Patents

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靖 梶原
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Abstract

【課題】偏心運動吸収機構を介することなく回転を取り出すことができるようにする。【解決手段】減速機1は、駆動軸5と共に回動する偏心カム6と、偏心カム6によって揺動させられる第1及び第2揺動体10A,10Bと、第1揺動体10Aと第2揺動体10Bの外周に跨って接し、第1揺動体10Aと第2揺動体10Bによって揺動させられる複数のピン3と、ピン3の一端側を径方向にスライド移動させる径方向溝4がピン3と同数(Za)形成された第1径方向溝形成体2Aと、ピン3の他端側を径方向にスライド移動させる径方向溝4がピン3と同数形成され、第1径方向溝形成体2Aと一体化される第2径方向溝形成体2Bと、第1及び第2揺動体10A,10Bの径方向外方側に位置し、揺動させられるピン3と接触する波形状凹部28が周方向に沿って(Zb)形成された波形状凹部形成体13と、を有している。そして、ZaとZbの差が1である。【選択図】図3

Description

この発明は、回転を減速して伝達するために使用される減速機に関するものである。
従来から一般的に使用されている歯車減速機は、複数の歯車を組み合わせて構成されているため、バックラッシを無くすことが困難であり、また、小型で且つ大きな減速比を得ることも困難である。そこで、歯車減速機の欠点を解消するものとして、図19のような減速機(サイクロイド減速機)が開発された。
図19は、このような従来の減速機100を示す図である。この図19に示すように、減速機100は、第1リング101の径方向内方側の空間102内に第2リング103が相対回動可能に収容され、その第2リング103が軸受けを介して入力軸(図示せず)に相対回動可能に係合されることにより、第2リング103が入力軸に偏心した状態で取り付けられている。また、この減速機1は、第1リング101の可変切り抜き104と第2リング103の可変切り抜き105に嵌り合うことが可能な算盤玉形状(一対の円錐体の底面同士を貼り合わせたような形状)の複数のローラ106が第1リング101と第2リング103の間に位置するローラケージ107に等間隔で回動可能に支持されている。また、この減速機100は、第1リング101が固定され、出力軸(図示せず)が第2リング103に接続され、入力軸の回転を減速して出力軸に伝達するようになっている。
この図19に示す減速機100は、第2リング103の可変切り抜き105の総数が第1リング101の可変切り抜き104の総数よりも小さく、ローラ106の総数が第2リング103の可変切り抜き105の総数よりも多く且つ第1リング101の可変切り抜き104の総数よりも少なく設けられることにより、サイクロイド減速機として動作する。例えば、この図19に示す減速機100は、第1リング101の可変切り抜き104の総数を6個とし、第2リング103の可変切り抜き105の総数を4個とし、ローラ106の総数を5個として構成することができる。そして、この場合における減速機100の減速比Rは、ローラ106の総数Nに基づいて決定され、R=(N−1)/2の数式によって算出される。したがって、ローラ106の総数が5個の場合、減速機100の減速比Rは、2となる。
そして、図19に示す減速機100は、入力軸の軸心の回りに偏心した状態で回動する第2リング103と出力軸(図示せず)とがオルダム継ぎ手108(図20参照)のような偏心運動吸収機構を介して接続され、入力軸と同軸上に位置する出力軸から第2リング103の回転が円滑に取り出されるようになっている(特許文献1参照)。
特表2018−519482号公報
しかしながら、図19に示すように、従来の減速機100は、偏心した状態で回動する第2リング(出力部材)103から回転を取り出す(出力軸に伝達する)場合、図20に示したような偏心運動吸収機構(例えば、オルダム継ぎ手108)を必要とするため、その偏心運動吸収機構を設ける分だけ構造が複雑化すると共に大型化するという問題を有していた。
そこで、本発明は、出力部材の回転を偏心運動吸収機構を介することなく取り出すことができるようにし、偏心運動吸収機構を別途設ける必要がない分だけ構造が簡単化することができる共に、小型化することができる減速機の提供を目的とする。
本発明は、入力側回転体5の回転を出力側回転体(2A,2B)に減速して伝達する減速機1に関するものである。
この発明の減速機1は、
・前記入力側回転体5と共に回動する偏心カム6と、
・前記偏心カム6に相対回動可能に嵌合され、前記入力側回転体5の回転軸心CLに対して偏心した状態で回動する前記偏心カム6によって揺動させられる第1揺動体10Aと、
・前記偏心カム6に相対回動可能に嵌合され、前記入力側回転体5の回転軸心CLに対して偏心した状態で回動する前記偏心カム6によって揺動させられ、且つ、前記第1揺動体10Aに対して180°位相がずれた状態で揺動させられる第2揺動体10Bと、
・前記第1揺動体10Aと前記第2揺動体10Bの外周に跨って接し、前記第1揺動体10Aと前記第2揺動体10Bの揺動運動によって揺動させられる複数の丸棒状のピン3と、
・前記入力側回転体5の回転軸心CLから放射状に延びる方向を径方向とし、前記入力側回転体5の回転軸心CLを中心とする仮想円の円周に沿った方向を周方向とすると、前記第1揺動体10Aと前記第2揺動体10Bとによって揺動運動させられる前記ピン3の一端側を前記径方向に沿ってスライド移動させる径方向溝4が少なくとも前記ピン3と同数形成された第1径方向溝形成体2Aと、
・前記第1揺動体10Aと前記第2揺動体10Bとによって揺動運動させられる前記ピン3の他端側を前記径方向に沿ってスライド移動させる径方向溝4が少なくとも前記ピン3と同数形成され、前記第1径方向溝形成体2Aと一体化される第2径方向溝形成体2Bと、
・前記第1揺動体10A及び前記第2揺動体10Bの径方向外方側に位置し、前記径方向溝4に沿ってスライド移動させられる前記ピン3と接触する波形状凹部28が前記周方向に沿って形成された波形状凹部形成体13と、を有している。
そして、前記第1径方向溝形成体2A及び第2径方向溝形成体2Bと前記波形状凹部形成体13とのいずれか一方は、被固定部材に固定されている。また、前記第1径方向溝形成体2A及び第2径方向溝形成体2Bと前記波形状凹部形成体13とのいずれか他方は、前記第1径方向溝形成体2A及び第2径方向溝形成体2Bと前記波形状凹部形成体13とのいずれか一方、前記第1揺動体10A、及び第2揺動体10Bと相対回動可能に配置されている。また、前記波形状凹部28は、前記径方向溝4の溝数をZaとし、前記波形状凹部28の数をZbとすると、ZaとZbとの差が1になるように、前記波形状凹部形成体13の前記周方向に沿って複数形成されている。
本発明に係る減速機は、入力側回転体の回転軸心に対して揺動体が揺動させられるものの、揺動する揺動体によって第1径方向溝形成体及び第2径方向溝形成体と波形状凹部形成体が偏心回動させられないため、従来のサイクロイド減速機で設けられた偏心運動吸収機構を別途設けることなく、第1径方向溝形成体及び第2径方向溝形成体と波形状凹部形成体とのいずれか一方から回転を取り出すことができ、構造を簡単化できると共に小型化することができる。
本発明の実施形態に係る減速機を分解して斜め上方から見て示す外観斜視図である。 本発明の実施形態に係る減速機を示す図であり、図2(a)は減速機の正面図、図2(b)は減速機の側面図、図2(c)は減速機の背面図である。 図2(a)のA1−A1線に沿って切断して示す減速機の断面図である。 図4(a)は正面側の第1径方向溝形成体を取り外して示す減速機の正面図であり、図4(b)は正面側の第1径方向溝形成体を取り外して示す減速機の側面図である。 図5(a)は図2(a)のA2−A2線に沿って切断して示す減速機の断面図、図5(b)は各ピンの一端側の揺動設定点と第1径方向溝形成体の各径方向溝との関係を簡略化して示す図、図5(c)は各ピンの他端側の揺動設定点と第2径方向溝形成体の各径方向溝との関係を簡略化して示す図である。 図6(a)は図5(a)のB1部を拡大して示す図であり、図6(b)は図5(a)のB2部を拡大して示す図である。 ピンの揺動状態(首振り状態)を簡略化して示す図であり、波形状凹部形成体を図13(d)のA8−A8線に沿って切断して示す断面図である。 本発明の実施形態に係る減速機の偏心カムを示す図であり、図8(a)は偏心カムの正面図、図8(b)は偏心カムの側面図、図8(c)は偏心カムの背面図、図8(d)はA3−A3線に沿って切断して示す偏心カムの断面図である。 本発明の実施形態に係る減速機の入力スリーブを示す図であり、図9(a)は入力スリーブの正面図、図9(b)は入力スリーブの側面図、図9(c)は入力スリーブの背面図、図9(d)は図9(a)のA4−A4線に沿って切断して示す入力スリーブの断面図である。 本発明の実施形態に係る減速機の揺動体(第1揺動体及び第2揺動体)を示す図であり、図10(a)は揺動体の正面図、図10(b)は揺動体の側面図、図10(c)は揺動体の背面図、図10(d)は図10(a)のA5−A5線に沿って切断して示す揺動体の断面図である。 第1揺動体及び第2揺動体とピンとの関係を示す図であり、図11(a)は第1揺動体及び第2揺動体とピンとを正面側から見て示す図、図11(b)は第1揺動体及び第2揺動体とピンとを側面側から見て示す図、図11(c)は第1揺動体及び第2揺動体とピンとを背面側から見て示す図である。 本発明の実施形態に係る減速機の第1径方向溝形成体及び第2径方向溝形成体を示す図であり、図12(a)は第1径方向溝形成体及び第2径方向溝形成体の正面図、図12(b)は第1径方向溝形成体及び第2径方向溝形成体の側面図、図12(c)は第1径方向溝形成体及び第2径方向溝形成体の背面図、図12(d)は図12(a)のA6−A6線に沿って切断して示す第1径方向溝形成体及び第2径方向溝形成体の断面図である。 本発明の実施形態に係る減速機の波形状凹部形成体を示す図であり、図13(a)は波形状凹部形成体の正面図、図13(b)は波形状凹部形成体の側面図、図13(c)は波形状凹部形成体の背面図、図13(d)は図13(a)のA7−A7線に沿って切断して示す波形状凹部形成体の断面図である。 本発明の実施形態に係る減速機の揺動体(第1揺動体及び第2揺動体)の変形例1を示す図であり、図14(a)は揺動体の正面図、図14(b)は図14(a)のA9−A9線に沿って切断して示す揺動体の断面図、図14(c)は揺動体の背面図である。 変形例1に係る揺動体を使用した場合のピンの揺動状態を示す図であり、図15(a)はピンの第1揺動状態図、図15(b)はピンの第2揺動状態図である。 揺動体の変形例2を示す図であり、図7に対応する図である。 ピン揺動支持部の変形例を示す図であり、図7に対応する図である。 波形状凹部形成体の変形例を示す図である。 従来の減速機を簡略化して示す外観斜視図である。 従来の減速機の偏心運動吸収機構(オルダム継ぎ手)の分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。
[第1実施形態]
図1から図5は、本発明の実施形態に係る減速機1を示す図である。なお、図1は、本発明の実施形態に係る減速機1を分解して斜め上方から見て示す外観斜視図である。また、図2(a)は減速機1の正面図であり、図2(b)は減速機1の側面図あり、図2(c)は減速機1の背面図である。また、図3は、図2(a)のA1−A1線に沿って切断して示す減速機1の断面図である。また、図4(a)は正面側の第1径方向溝形成体2Aを取り外して示す減速機1の正面図であり、図4(b)は正面側の第1径方向溝形成体2Aを取り外して示す減速機1の側面図である。また、図5(a)は図2(a)のA2−A2線に沿って切断して示す減速機1の断面図、図5(b)は各ピン3の一端側の揺動設定点P1と第1径方向溝形成体2Aの各径方向溝4との関係を簡略化して示す図、図5(c)は各ピン3の他端側の揺動設定点P2と第2径方向溝形成体2Bの各径方向溝4との関係を簡略化して示す図である。
(減速機の概略構成)
図1から図5に示すように、本実施形態に係る減速機1は、駆動軸(入力側回転体)5と一体に回動する偏心カム6と、偏心カム6と一体に回動する一対の入力スリーブ7,7と、偏心カム6の外周面に軸受け8を介して相対回動可能に取り付けられた一対の揺動体(第1揺動体10A、第2揺動体10B)と、入力スリーブ7の外周側に軸受け11を介して回動可能に嵌合され且つ第1揺動体10Aの外側面12に対向するように配置された第1径方向溝形成体2Aと、入力スリーブ7の外周側に軸受け11を介して回動可能に嵌合され且つ第2揺動体10Bの外側面12に対向するように配置された第2径方向溝形成体2Bと、一対の揺動体(第1揺動体10A、第2揺動体10B)の径方向外方側に配置され且つ被固定部材(図示せず)に固定される波形状凹部形成体13と、一対の揺動体(第1揺動体10A、第2揺動体10B)の外周面に跨るように配置された複数の丸棒状のピン3と、を有している。なお、この減速機1の説明で使用する径方向とは、駆動軸5の回転軸心CLに直交する仮想平面において、駆動軸5の回転軸心CLから放射状に延びる方向をいうものとする。また、この減速機1の説明で使用する周方向とは、駆動軸5の回転軸心CLに直交する仮想平面において、駆動軸5の回転軸心CLを中心とする仮想円の円周に沿った方向をいうものとする。
(偏心カム)
図3、図5、及び図8に示すように、偏心カム6は、軸穴14に駆動軸5が回り止めした状態で嵌合されている。偏心カム6の軸穴14は、回転軸心CLに沿って偏心カム6を貫通しており、回転軸心CLに直交する断面形状がD形状になっている。この軸穴14に嵌合される駆動軸5は、回転軸心CLに直交する断面形状がD形状になっている。また、偏心カム6は、回転軸心CLに沿った方向の中央に回転軸心CLと同心の円環状の鍔部15が形成され、鍔部15を境にして回転軸心CLに沿った一方側に第1偏心カム部6Aが形成され、鍔部15を境にして回転軸心CLに沿った他方側に第2偏心カム部6Bが形成されている。この第1偏心カム部6Aと第2偏心カム部6Bは、回転軸心CLに対する偏心量が等しく、回転軸心CLを中心とした回転対称の位置関係にある(回転軸心CLの回りに180°ずれて位置している)。そして、第1偏心カム部6Aの外周面には、軸受け11を介して第1揺動体10Aが相対回動できるように取り付けられている。また、第2偏心カム部6Bの外周面には、軸受け11を介して第2揺動体10Bが相対回動できるように取り付けられている。また、この第1偏心カム部6Aの軸方向端面及び第2偏心カム部6Bの軸方向端面には、回転軸心CLに沿って延びる雌ねじ16が形成されている。そして、第1偏心カム部6Aには、入力スリーブ7が雌ねじ16に螺合するボルト17によって固定される。また、第2偏心カム部6Bには、入力スリーブ7が雌ねじ16に螺合するボルト17によって固定されている。
(入力スリーブ)
図3、図5、及び図9に示すように、一対の入力スリーブ7は、軸穴20が駆動軸5に嵌合され、偏心カム6にボルト17で固定されることにより、駆動軸5及び偏心カム6と一体に回動する。そして、この一対の入力スリーブ7,7の外周面には、第1径方向溝形成体2A又は第2径方向溝形成体2Bが軸受け11を介して取り付けられている。これにより、一対の入力スリーブ7,7の一方は、第1径方向溝形成体2Aが駆動軸5の回転軸心CLを中心として円滑に回動できるように支えている。一対の入力スリーブ7,7の他方は、第2径方向溝形成体2Bが駆動軸5の回転軸心CLを中心として円滑に回動できるように支えている。なお、図9に示すように、入力スリーブ7は、ボルト17の頭部を収容するための座繰り穴21aと、ボルト17の軸部が挿通されるボルト軸穴21bとが形成されている。
(揺動体)
図1、図3から図5、図10、及び図11に示すように、揺動体10A(10B)は、ボス部22の外周側に円板状部23が一体に形成され、ボス部22に偏心カム取付穴24が形成されている。この揺動体10A(10B)は、説明の都合上、第1偏心カム部6Aに軸受け8を介して嵌合されるものを第1揺動体10Aとし、第2偏心カム部6bに軸受け8を介して嵌合されるものを第2揺動体10Bとする。この第1揺動体10Aと第2揺動体10Bは、同一形状のものが背中合わせの状態で配置され、第1揺動体10Aと第2揺動体10Bとが180°位相がずれた状態で揺動させられる。また、第1揺動体10Aと第2揺動体10Bの外周側には、丸棒状のピン3が跨って接している。また、第1揺動体10Aと第2揺動体10Bの外周側には、偏心カム6の偏心量に応じたピン3の揺動角(θ)と同様の傾斜角度に形成された第1ピン支持凹所25と第2ピン支持凹所26とが形成されている。
すなわち、第1揺動体10Aの第1ピン支持凹所25は、図3及び図5に示すように、ピン3の一端側が回転軸心CLに対して平行な姿勢の位置から波形状凹部形成体13のピン揺動支持部27を支点として径方向外方(+R)側へ向けて揺動角度(θ)分だけ回動すると、ピン3の外周面に線接触するようになっている(図6、図7参照)。また、第1揺動体10Aの第2ピン支持凹所26は、ピン3の一端側が回転軸心CLに対して平行な姿勢の位置から波形状凹部形成体13のピン揺動支持部27を支点として径方向内方(−R)側へ向けて揺動角度(θ)分だけ回動すると、ピン3の外周面に線接触するようになっている(図6、図7参照)。また、第2揺動体10Bの第1ピン支持凹所25は、ピン3の他端側が回転軸心CLに対して平行な姿勢の位置から波形状凹部形成体13のピン揺動支持部27を支点として径方向外方(+R)側へ向けて揺動角度(θ)分だけ回動すると、ピン3の外周面に線接触するようになっている(図6、図7参照)。また、第2揺動体10Bの第2ピン支持凹所26は、ピン3の他端側が回転軸心CLに対して平行な姿勢の位置から波形状凹部形成体13のピン揺動支持部27を支点として径方向内方(−R)側へ向けて揺動角度(θ)分だけ回動すると、ピン3の外周面に線接触するようになっている(図6、図7参照)。そして、図5に示すように、第1揺動体10A及び第2揺動体10Bは、第1ピン支持凹所25の幅方向長さ(回転軸心CLに沿った方向)が第2ピン支持凹所26の幅方向長さよりも長くなるように、第1ピン支持凹所25と第2ピン支持凹所26との境界(稜線)が決定される(図6参照)。このように、第1揺動体10A及び第2揺動体10Bは、第1ピン支持凹所25の幅方向Wの長さL1を第2ピン支持凹所26の幅方向Wの長さL2よりも長くすることにより、ピン3が波形状凹部形成体13の波形状凹部28に係合した状態で回転トルクを伝達する際に、第1ピン支持凹所25の幅方向Wの長さL1を第2ピン支持凹所26の幅方向Wの長さL2と等しくする場合と比較し、ピン3に作用する回転伝達荷重に起因して生じる応力を低減でき、より大きな回転トルクの伝達が可能になる。第1ピン支持凹所25及び第2ピン支持凹所26は、第1揺動体10A及び第2揺動体10Bの周方向に沿って波形形状に連続して形成されている。なお、図4に示すように、ピン3は、一端側が波形状凹部形成体13の第1波形状凹部部分28aに広範囲(C1)で接触し、他端側が波形状凹部形成体13の第2波形状凹部部分28bに広範囲(C2)で接触している。
図5(b)は、第1揺動体10Aの第1ピン支持凹所25と第2ピン支持凹所26との境界から径方向外方に延長した仮想平面30であって且つ回転軸心CLに直交する仮想平面30と、波形状凹部形成体13の波形状凹部28に接する各ピン3の母線との交点P1(以下、ピン3の揺動設定点という)を示している。この各ピン3の揺動設定点P1は、第1揺動体10Aの中心31と同心の円32上に位置している。同様に図5(c)は、第2揺動体10Bの第1ピン支持凹所25と第2ピン支持凹所26との境界から径方向外方に延長した仮想平面30であって且つ回転軸心CLに直交する仮想平面30と、波形状凹部形成体13の波形状凹部28に接する各ピン3の母線との交点P2(以下、ピン3の揺動設定点という)を示している。この各ピン3の揺動設定点P2は、第2揺動体10Bの中心31と同心の円32上に位置している。
また、第1揺動体10A及び第2揺動体10Bは、第1径方向溝形成体2Aの複数の回り止め突起33A及び第2径方向溝形成体2Bの複数の回り止め突起33Bに係合する回り止め穴34が複数(回り止め突起33A,33Bの合計数と同数)形成されている。そして、第1揺動体10A及び第2揺動体10Bは、回り止め穴34の内径(D1)が回り止め突起33A,33Bの外径(d1)に偏心カム6の偏心量(e)を考慮した寸法(D1=d1+2e)に形成されている。その結果、第1揺動体10A及び第2揺動体10Bは、偏心カム6によって駆動軸5の回転軸心CLの回りに揺動させられるものの、駆動軸5の回転軸心CLの回りに自由に回動することが阻止される。また、第1揺動体10A及び第2揺動体10Bは、回り止め穴34が形成された径方向位置に、背面35側に突出する円環状突起36が一体に形成されている。この円環状突起36は、第1揺動体10Aと第2揺動体10Bが背中合わせで偏心カム6に組み付けられた際に突き当てられ、第1揺動体10Aと第2揺動体10Bとを駆動軸5の回転軸心CLに沿った方向の位置決めを行うようになっている。
(径方向溝形成体)
図1から図5、及び図12に示すように、径方向溝形成体(出力側回転体)2は、第1揺動体10A及び第2揺動体10Bを挟んで対向するように一対配置されている。この一対の径方向溝形成体2,2の一方は、第1揺動体10Aの外側面12に対向するように配置され、入力スリーブ7に軸受け11を介して嵌合される。また、一対の径方向溝形成体2,2の他方は、第2揺動体10Bの外側面12に対向するように配置され、入力スリーブ7に軸受け11を介して嵌合される。なお、以下の説明において、第1揺動体10Aの外側面12に対向するように配置される径方向溝形成体2は、適宜第1径方向溝形成体2Aと呼称する。また、第2揺動体10Bの外側面12に対向するように配置される径方向溝形成体2は、適宜第2径方向溝形成体2Bと呼称する。
径方向溝形成体2は、駆動軸5の回転軸心CLと同心の略円板状の部材であり、中心部に軸受け11のアウターリングに嵌合される軸受け穴37が形成され、この軸受け穴37の径方向外方側の内側面38(第1揺動体10Aの外側面12又は第2揺動体10Bの外側面10Bに対向する面)にピン3と同数の径方向溝4が形成されている。この径方向溝4は、第1揺動体10Aと第2揺動体10Bとによって揺動(首振り)されるピン3の一端側又は他端側をスライド移動可能に収容しており、溝底壁4aがピン3の端面の揺動軌跡に沿うような円弧形状に形成されている。また、径方向溝形成体2は、内側面38で且つ径方向溝4と軸受け穴37との間の位置に、回り止め突起33A(33B)が軸心40の回りに等間隔で6箇所形成されている。この回り止め突起33A(33B)は、軸心40に沿って突出する丸棒状体であり、第1揺動体10A及び第2揺動体10Bの回り止め穴34を貫通して延び、対向して配置された他の径方向溝形成体2の回り止め係合穴41に係合されるようになっている。回り止め係合穴41は、回り止め突起33A(33B)と同一の径方向位置で且つ隣り合う回り止め突起33A,33A(33B,33B)の中間位置に形成され、対向する他の径方向溝形成体2の回り止め突起33B,33B(33A,33A)の先端面が穴底面に突き当てられるようになっている。また、回り止め突起33A(33B)の先端面の中央には、軸心40に沿って延びるねじ穴42の一端が開口している。そして、ねじ穴42の他端は、ノックピン挿入穴43に開口するか、又は出力部材接続用ねじ穴44に開口するようになっている。ノックピン挿入穴43と出力部材接続用ねじ穴44は、開口端が径方向溝形成体2の外側面45(第1揺動体10A又は第2揺動体10Bに対向しない面)に位置し、回り止め突起33A(33B)のねじ穴42の中心と同心となるように形成され、周方向に沿って交互に形成されている。また、径方向溝形成体2は、外側面45で且つ回り止め係合穴41に対応する位置に、ボルト46の頭部を収容する座繰り穴47が形成され、ボルト46の軸部を挿通させるボルト軸穴48が座繰り穴47と回り止め係合穴41とを連通するように係合されている。また、径方向溝形成体2の外側面45には、軸受け穴37を取り囲むように突出する円筒状フランジ50が一体に形成されている。このような一対の径方向溝形成体2,2は、一対の径方向溝形成体2,2の一方の座繰り穴47及びボルト軸穴48に挿入されたボルト46の軸部(雄ねじ)が一対の径方向溝形成体2,2の他方の回り止め突起33A(33B)に形成されたねじ穴(雌ねじ)42に螺合され、ボルト46によって締め付け固定され、波形状凹部形成体13に対して一体として相対回動できるようになっている。
(波形状凹部形成体)
図1から図5、及び図13に示すように、波形状凹部形成体13は、全体が円環状に形成されている。そして、この波形状凹部形成体13は、一対の径方向溝形成体2,2の間で且つ第1揺動体10A及び第2揺動体10Bの径方向外方側に配置される径方向内方部分51と、一対の径方向溝形成体2,2の外周面に係合されるリングを有する径方向外方部分52と、を有している。径方向外方部分52は、舌片状の固定部53が周方向に沿って3箇所形成され、3箇所の固定部53が図外の固定部材に固定される。その結果、波形状凹部形成体13は、一対の径方向溝形成体2,2、第1揺動体10A及び第2揺動体10Bと相対回動するようになっている。
径方向内方部分51の内周面54には、第1揺動体10Aと第2揺動体10Bとによって揺動させられるピン3と係合する波形状凹部28が複数(ピン3の本数をZa本とすると、Za−1個)形成されている。この波形状凹部28は、ピン3が駆動軸5の回転軸心CLと平行の姿勢(中立姿勢と略称する)にある場合に係合しないようになっている。また、この波形状凹部28は、ピン3の一端側が中立姿勢からピン揺動支持部27(内周面54の幅方向中央位置)を揺動支点(首振り支点)として径方向外方側へ揺動した場合に係合する第1波形状凹部部分28aと、ピン3の他端側が中立姿勢からピン揺動支持部27を揺動支点(首振り支点)として径方向外方側へ揺動した場合に係合する第2波形状凹部部分28bと、で構成されている(図6参照)。第1波形状凹部部分28aと第2波形状凹部部分28bは、径方向内方部分51の幅方向中央(ピン揺動支点部27)で分けられ、ピン3の揺動角度(θ)と同様の傾斜角度に形成された傾斜溝であり、ピン3の揺動ストロークの半分づつでピン3に係合するようになっているため、周方向に半ピッチずれた状態で形成されている。また、この第1波形状凹部部分28aと第2波形状凹部部分28bは、平面視した形状が円弧形状に形成され、第1揺動体10Aと第2揺動体10Bとによって揺動させられるピン3に円滑に接触するようになっている。そして、隣り合う波形状凹部28,28は、隣り合う第1波形状凹部部分28a,28a間に径方向内方部分51の内周面54の一部が位置し、隣り合う第2波形状凹部部分28b,28b間に径方向内方部分51の内周面54の一部が位置している。その結果、波形状凹部形成体13の内周面54に形成された複数の波形状凹部28は、第1波形状凹部部分28aと第2波形状凹部部分28bとが周方向に千鳥状(ジグザグ状)に位置するようになっている(図13(d)参照)。
(減速機の作動)
以上のように構成された本実施形態に係る減速機1は、駆動軸5が1回転すると、第1揺動体10A及び第2揺動体10Bが偏心カム6によって揺動させられ、第1揺動体10Aと第2揺動体10Bとによってピン3が1ストローク分だけピン揺動支点部27を支点として揺動(首振り)させられる。これにより、ピン3の一端側が第1径方向溝形成体2Aの径方向溝4内を1往復すると共に、ピン3の一端側が波形状凹部形成体13の第1波形状凹部部分28a内を周方向に沿って移動する。また、ピン3の他端側が第2径方向溝形成体2Bの径方向溝4内を1往復すると共に、ピン3の他端側が波形状凹部形成体13の第2波形状凹部部分28b内を周方向に沿って移動する。
このような構造の減速機1は、径方向溝4の溝数及びピン3の個数をZaとし、波形状凹部28(第1波形状凹部部分28a及び第2波形状凹部部分28b)の個数をZbとし、ZaがZbよりも1個多い場合、第1径方向溝形成体2A及び第2径方向溝形成体2Bが波形状凹部形成体13に対して回動し、駆動軸5の回転を1/Zaに減速して第1径方向溝形成体2A及び第2径方向溝形成体2Bから取り出すことが可能になる。この場合、第1径方向溝形成体2A及び第2径方向溝形成体2Bの回転方向は、駆動軸5と同一方向である。
また、以上のような構造の減速機1は、径方向溝4の溝数及びピン3の個数をZaとし、波形状凹部28(第1波形状凹部部分28a及び第2波形状凹部部分28b)の個数をZbとし、ZaがZbよりも1個少ない場合、第1径方向溝形成体2a及び第2径方向溝形成体2bが波形状凹部形成体13に対して回動し、駆動軸5の回転を1/Zaに減速して第1径方向溝形成体2a及び第2径方向溝形成体2bから取り出すことが可能になる。この場合、第1径方向溝形成体2a及び第2径方向溝形成体2bの回転方向は、駆動軸5と逆の方向である。
(実施形態の効果)
以上のような本実施形態に係る減速機1は、駆動軸(入力側回転体)5の回転軸心CLに対して第1揺動体10A及び第2揺動体10Bが揺動させられるものの、揺動する第1揺動体10A及び第2揺動体10Bによって第1径方向溝形成体2A及び第2径方向溝形成体2Bが偏心回動させられないため、従来のサイクロイド減速機100で設けられた偏心運動吸収機構(例えば、オルダム継ぎ手)108を別途設けることなく、第1径方向溝形成体2A及び第2径方向溝形成体2Bから回転を取り出すことができ、構造を簡単化できると共に小型化することができる。
(揺動体の変形例1)
図14は、上記実施形態に係る揺動体10(第1揺動体10A及び第2揺動体10B)の変形例を示す図であり、上記実施形態に係る揺動体10と同様の構成部分に同一符号を付し、上記実施形態に係る揺動体10の説明と重複する説明を省略する。また、図15は、本変形例に係る揺動体10を使用した場合のピン3の揺動状態を示す図である。なお、図14(a)は、揺動体10の正面図である。また、図14(b)は、図14(a)のA10−A10線に沿って切断して示す揺動体10の断面図である。また、図14(c)は、揺動体10の背面図である。また、図15(a)は、ピン3の第1揺動状態図である。また、図15(b)は、ピン3の第2揺動状態図である。
図14に示す本変形例に係る揺動体10は、上記実施形態に係る揺動体10と同様に、同一形状のものが背中合わせで一対使用され、第1偏心カム部6Aに軸受け8を介して嵌合されるものを第1揺動体10Aとし、第2偏心カム部6Bに軸受け8を介して嵌合されるものを第2揺動体10Bとする。そして、第1揺動体10Aと第2揺動体10Bは、180°位相がずれた状態で揺動させられる。
この本変形例に係る揺動体10は、径方向外方端側で且つ幅方向一端側に、第2ピン支持凹所26の幅寸法と同一の幅寸法に形成された鍔部55が一体に形成され、この鍔部55にピン収容穴56が形成されている。このピン収容穴56は、径方向下面が第2ピン支持凹所26であり、径方向上面が波形状凹部形成体13の第1波形状凹部部分28a又は第2波形状凹部部分28bの一部を構成するように、ピン3の揺動角度と同一の傾斜角度θに形成されている。また、ピン収容穴56は、偏心カム6の偏心量(e)を考慮した長穴になっている。そして、このピン収容穴56の径方向下面と径方向上面との径方向に沿った間隔のうちで最も狭い部分は、ピン3の直径をdとし、ピン3の揺動角度をθとすると、L=(d/cosθ)の寸法になっている。その結果、本変形例に係る揺動体10は、ピン3の一端側又は他端側をピン収容穴56で支持することができ、ピン3の揺動(首振り)運動のがたつきを抑えることができるため、ピン3がピン揺動支持部27を支点として揺動(首振り)した場合に、ピン3を波形状凹部形成体13の第1波形状凹部部分28a又は第2波形状凹部部分28bに円滑に接触させることができ、ピン3と波形状凹部形成体13との衝突音に起因する減速機1の作動音を静粛化することができる。なお、波形状凹部形成体13の両側面には、揺動体10の鍔部55を収容する環状の鍔部収容凹所57が形成されている。
(揺動体の変形例2)
図16は、揺動体10(第1揺動体10A、第2揺動体10B)の変形例2を示す図であり、図7に対応する図である。この図16に示すように、本変形例2に係る揺動体10を使用した減速機1は、ピン3の一端側が径方向外方側へ第1揺動体10Aによって揺動させられ、ピン3が波形状凹部形成体13の第1波形状凹部部分28aの傾斜角度と同一の揺動角度θまで揺動すると、ピン3の他端側が第2揺動体10Bの第2ピン支持凹所26によって支持されるようになっている。また、本変形例2に係る揺動体10を使用した減速機1は、ピン3の一端側が径方向内方側へ第2揺動体10Bによって揺動させられ、ピン3が波形状凹部形成体13の第2波形状凹部部分28bの傾斜角度と同一の揺動角度θまで揺動すると、ピン3の一端側が第1揺動体10Aの第2ピン支持凹所26によって支持されるようになっている。また、本変形例2において、第1揺動体10Aと第2揺動体10Bは、背面35上に曲率中心が位置する曲率半径R2の曲面で形作られる第1ピン支持凹所25が形成されている。この第1揺動体10Aと第2揺動体10Bの第1ピン支持凹所25は、背面35の径方向外方端で揺動していないピン3(駆動軸5の回転軸心CLと平行な姿勢のピン3)と接触し、第2ピン支持凹所26に滑らかに接続されている。
このような本変形例2に係る揺動体10を使用した減速機1は、上記実施形態に係る減速機1と同様に、ピン3の一端側と波形状凹部形成体13の第1波形状凹部部分28aとの係合深さを上記実施形態に係る減速機1と同様にすることができ、また、ピン3の他端側と波形状凹部形成体13の第2波形状凹部部分28bとの係合深さを上記実施形態に係る減速機1と同様にすることができる。
(ピン揺動支持部の変形例)
図17は、波形状凹部形成体13のピン揺動支持部27の変形例を示す図であり、図7に対応する図である。この図17に示すように、本変形例1のピン揺動支持部27は、波形状凹部形成体13の第1波形状凹部部分28aの溝底面と波形状凹部形成体13の内周面54とを曲率半径R1の曲面で滑らかに接続し、波形状凹部形成体13の第2波形状凹部部分28bの溝底面と波形状凹部形成体13の内周面54とを曲率半径R1の曲面で滑らかに接続してある。このように構成することにより、ピン3と第1波形状凹部部分28aとの係合深さ、及びピン3と第2波形状凹部部分28bとの係合深さは、上記実施形態と比較して浅くすることができる。
(波形状凹部形成体の変形例)
図18(a)は、波形状凹部形成体13の変形例を示す図であり、図7に対応する図である。また、図18(b)は、本変形例に係る波形状凹部形成体13の内周面54側の断面図である。また、図18(c)は、上記実施形態に係る波形状凹部形成体13の内周面54側の断面図である。
この図18に示すように、波形状凹部形成体13は、第1波形状凹部部分28aの凹み深さが上記実施形態の第1波形状凹部部分28aの凹み深さよりも深くなるように、ピン揺動支持部27(幅方向の中心位置)から幅方向に沿って表面13a側に向かうに従って内径寸法が漸減するように形成されている。また、波形状凹部形成体13は、第2波形状凹部部分28bの凹み深さが上記実施形態の第2波形状凹部部分28bの凹み深さよりも深くなるように、ピン揺動支持部27から幅方向に沿って背面13b側に向かうに従って内径寸法が漸減するように形成されている。
このような本変形例に係る波形状凹部形成体13は、第1波形状凹部部分28a又は第2波形状凹部部分28bに接触するピン3の数が上記実施形態に係る波形状凹部形成体13を使用した場合よりも増加し、上記実施形態に係る波形状凹部形成体13を使用した場合よりも大きなトルク伝達が可能になる。
(他の変形例)
上記各実施形態及び各変形例に係る減速機1は、ピン3と同数の径方向溝4が形成される例を示したが、これに限られず、ピン3よりも多くの径方向溝4を形成するようにしてもよい(例えば、ピン3の個数をZ1とし、径方向溝4の個数をZ2とした場合、Z2=2・Z1にしてもよい)。なお、この場合、径方向溝4の個数と波形状凹部28(第1波形状凹部部分28a、第2波形状凹部部分28b)の個数の差を1とする。
また、本発明に係る減速機1は、上記実施形態に係る減速機1(波形状凹部形成体13を固定し、第1径方向溝形成体2A及び第2径方向溝形成体2Bから回転を取り出すようになっている減速機1)に限定されず、第1径方向溝形成体2A及び第2径方向溝形成体2Bを固定し、波形状凹部形成体13から回転を取り出すようにしてもよい。
1……減速機、2A……第1径方向溝形成体、2B……第2径方向溝形成体、3……ピン、4……径方向溝、5……駆動軸(入力側回転体)、6……偏心カム、10A……第1揺動体、10B……第2揺動体、13……波形状凹部形成体、28……波形状凹部、CL……回転軸心

Claims (5)

  1. 入力側回転体の回転を出力側回転体に減速して伝達する減速機において、
    前記入力側回転体と共に回動する偏心カムと、
    前記偏心カムに相対回動可能に嵌合され、前記入力側回転体の回転軸心に対して偏心した状態で回動する前記偏心カムによって揺動させられる第1揺動体と、
    前記偏心カムに相対回動可能に嵌合され、前記入力側回転体の回転軸心に対して偏心した状態で回動する前記偏心カムによって揺動させられ、且つ、前記第1揺動体に対して180°位相がずれた状態で揺動させられる第2揺動体と、
    前記第1揺動体と前記第2揺動体の外周に跨って接し、前記第1揺動体と前記第2揺動体の揺動運動によって揺動させられる複数の丸棒状のピンと、
    前記入力側回転体の回転軸心から放射状に延びる方向を径方向とし、前記入力側回転体の回転軸心を中心とする仮想円の円周に沿った方向を周方向とすると、前記第1揺動体と前記第2揺動体とによって揺動運動させられる前記ピンの一端側を前記径方向に沿ってスライド移動させる径方向溝が少なくとも前記ピンと同数形成された第1径方向溝形成体と、
    前記第1揺動体と前記第2揺動体とによって揺動運動させられる前記ピンの他端側を前記径方向に沿ってスライド移動させる径方向溝が少なくとも前記ピンと同数形成され、前記第1径方向溝形成体と一体化される第2径方向溝形成体と、
    前記第1揺動体及び前記第2揺動体の径方向外方側に位置し、前記径方向溝に沿ってスライド移動させられる前記ピンと接触する波形状凹部が前記周方向に沿って形成された波形状凹部形成体と、を有し、
    前記第1径方向溝形成体及び第2径方向溝形成体と前記波形状凹部形成体とのいずれか一方は、被固定部材に固定され、
    前記第1径方向溝形成体及び第2径方向溝形成体と前記波形状凹部形成体とのいずれか他方は、前記第1径方向溝形成体及び第2径方向溝形成体と前記波形状凹部形成体とのいずれか一方、前記第1揺動体、及び第2揺動体と相対回動可能に配置され、
    前記波形状凹部は、前記径方向溝の溝数をZaとし、前記波形状凹部の数をZbとすると、ZaとZbとの差が1になるように、前記波形状凹部形成体の前記周方向に沿って複数形成された、
    ことを特徴とする減速機。
  2. 前記径方向溝は、前記ピンの端部の揺動軌跡に沿う溝底壁が形成された、
    ことを特徴とする請求項1に記載の減速機。
  3. 前記波形状凹部形成体は、前記回転軸心と平行の内周面を有し、前記内周面の前記回転軸心に沿った方向を幅方向とすると、前記内周面の前記幅方向の中間が前記ピンの揺動支点となるように前記波形状凹部が形成され、
    前記波形状凹部は、前記幅方向の中間から前記幅方向の一端側に向かうに従って深さが漸増し且つ前記ピンの揺動角度に応じた傾斜角度に形成された第1波形状凹部部分と、前記幅方向の中間から前記幅方向の他端側に向かうに従って深さが漸増し且つ前記ピンの揺動角度に応じた傾斜角度に形成された第2波形状凹部部分とが、前記内周面の前記周方向に沿って交互に形成され、
    前記第1揺動体は、前記回転軸心に沿った方向を幅方向とすると、前記第1波形状凹部部分と前記第2波形状凹部部分のいずれか一方の前記傾斜角度と同一の傾斜角度に形成された第1ピン支持凹所と、前記第1波形状凹部部分と前記第2波形状凹部部分のいずれか他方の前記傾斜角度と同一の傾斜角度に形成された第2ピン支持凹所と、が前記外周面の前記幅方向に分けて形成され、
    前記第2揺動体は、前記回転軸心に沿った方向を幅方向とすると、前記第1波形状凹部部分と前記第2波形状凹部部分のいずれか他方の前記傾斜角度と同一の傾斜角度に形成された第1ピン支持凹所と、前記第1波形状凹部部分と前記第2波形状凹部部分のいずれか一方の前記傾斜角度と同一の傾斜角度に形成された第2ピン支持凹所と、が前記外周面の前記幅方向に分けて形成された、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の減速機。
  4. 前記第1揺動体及び第2揺動体は、前記第1ピン支持凹所の前記幅方向に沿った寸法が前記第2支持ピン支持凹所の前記幅方向に沿った寸法よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項3に記載の減速機。
  5. 前記第1揺動体及び前記第2揺動体の前記径方向外方端側で且つ前記幅方向の一端側には、前記第2支持ピン支持凹所となる内周面を有するピン収容穴が形成され、
    前記ピン収容穴は、前記ピンを揺動可能に収容し、且つ、前記ピンが前記揺動角度以上に揺動するのを規制する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の減速機。
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