以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の作業支援システム1の一構成例を示す図である。
図1に示されるように、本実施形態の作業支援システム1は、タスクフロー管理サーバ10と、作業者用端末20と、管理者用端末30とによって構成される。また、作業者用端末20には、メガネ型のウェアラブルデバイス20Aが接続される。なお、ここでは、ウェアラブルデバイス20Aを接続して使用する作業者用端末20を想定しているが、作業者用端末20自体がウェアラブルであってもよい。また、作業者用端末20は、タブレットなどと称されるモバイルデバイスあって、ウェアラブルデバイスと接続することなく単独で使用されるものであってもよい。
この作業支援システム1は、たとえば製造工場で製品を製造する作業などを支援するためのシステムである。この作業支援システム1は、製造業などの第二次産業に限らず、農業などの第一次産業やサービス業などの第三次産業を含む様々な業種の作業を支援するために適用され得る。なお、ここでは、この作業支援システム1が、製造業を営む企業に導入されている場合を想定する。
タスクフロー管理サーバ10は、作業工程を示すタスクフローを管理するコンピュータである。タスクフロー管理サーバ10は、作業支援システム1を導入する、製造業を営む企業のコンピュータであってもよいし、作業を支援する機能をサービスとして提供する企業のコンピュータであってもよい。タスクフロー管理サーバ10は、作業者用端末20および管理者用端末30と通信することのできるコンピュータであればよい。
タスクフロー管理サーバ10は、CPU11、主メモリ12、ストレージデバイス13および通信デバイス14を有している。ストレージデバイス13にはタスク管理プログラム100がインストールされており、CPU11が当該タスク管理プログラム100をストレージデバイス13から主メモリ12へロードして実行することで、タスクフロー管理サーバ10上に後述する制御部110(図2参照)を構築する。ストレージデバイス13には、タスク管理プログラム100のほか、様々なプログラム、様々なデータが格納される。通信デバイス14は、作業者用端末20および管理者用端末30との通信を実行する。
タスクフロー管理サーバ10は、タスクフローを作成または更新するためのユーザインタフェースを管理者用端末30へ提供する。具体的には、管理者用端末30は、Webブラウザを動作させることのできるコンピュータであり、タスクフロー管理サーバ10は、スクリプト(プログラム)を含むWebページを管理者用端末30へ提供する(a1)。管理者用端末30は、作業の管理全般を担う管理者によって使用されるたとえばパーソナルコンピュータ(PC)などである。符号b1で示される管理者用端末30上の画面は、タスクフロー管理サーバ10から提供されるWebページをWebブラウザで表示したものである。
つまり、管理者は、管理者用端末30を使ってタスクフロー管理サーバ10へアクセスすることによって、タスクフロー管理サーバ10からWebページを取得し、タスクフローを作成または更新するための画面b1を管理者用端末30上に表示させる。タスクフロー管理サーバ10から取得するWebページには、画面上の操作でタスクフローを作成または更新することを実現するスクリプト(プログラム)が含まれており、また、画面上の操作で作成または更新したタスクフローをタスクフロー管理サーバ10へ転送することを実現するスクリプト(プログラム)が含まれている。これにより、管理者は、管理者用端末30での画面上の操作でタスクフローを作成または更新することができ、かつ、作成または更新したタスクフローをタスクフロー管理サーバ10へ転送することができる(a2)。タスクフロー管理サーバ10へ登録するための当該管理者用端末30からタスクフロー管理サーバ10へのタスクフローの転送は、アップロードとも称される。
管理者によって作成または更新されるタスクフローは、複数のタスクが時系列に連結されたものである。各タスクは、テキスト、写真(静止画)、動画、音声などによる作業方法の説明や、作業者用端末20での写真(静止画)や動画の撮影、バーコードの読み取りなどの実行指示を行うものなどである。
タスクフロー管理サーバ10は、管理者用端末30から転送されるタスクフローをストレージデバイス13へ格納する。そして、タスクフロー管理サーバ10は、管理者によって作成または更新されたタスクフローを、作業者によって携帯されるコンピュータである作業者用端末20へ提供する(a3)。タスクフロー管理サーバ10から作業者用端末20へのタスクフローの転送は、たとえば、そのタスクフローが作業者用端末20に提供されていない状態で当該タスクフローに対応する作業を作業者が開始する場合などに実行される。この時のタスクフロー管理サーバ10から作業者用端末20へのタスクフローの転送は、ダウンロードとも称される。図1においては、作業者用端末20を1台のみ示しているが、作業者用端末20はたとえば作業者と同じ数だけ存在する。この作業支援システム1においては、各作業者へ作業者用端末20が1台ずつ配給されているものと想定する。つまり、この作業支援システム1においては、作業者用端末20を示す識別子が、その作業者用端末20を使用する作業者を示す。
タスクフロー管理サーバ10は、各作業者に対して、どのタスクフローが割り当てられているのかを管理する。各作業者に対するタスクフローの割り当ては、管理者が行う。つまり、タスクフロー管理サーバ10は、各作業者に対してタスクフローを割り当てるためのユーザインタフェース(Webページ)を管理者用端末30へ提供する。
作業者によって携帯されるコンピュータである作業者用端末20は、CPU21、主メモリ22、ストレージデバイス23、通信デバイス24、ボタンユニット25およびI/Oデバイス26を有している。ストレージデバイス23には、作業者支援プログラム200がインストールされており、CPU21が当該作業者支援プログラム200をストレージデバイス23から主メモリ22へロードして実行することで、作業者用端末20上に後述する制御部210(図3参照)を構築する。ストレージデバイス23には、作業者支援プログラム200のほか、様々なプログラム、様々なデータが格納される。通信デバイス24は、タスクフロー管理サーバ10との通信を実行する。ボタンユニット25は、作業者用端末20の筐体周壁に設けられる作業者からの指示を受け付けるための操作ユニットである。I/Oデバイス26は、作業者用端末20に接続されるウェアラブルデバイス20Aとの間のデータの送受信を実行する。ウェアラブルデバイス20Aには、ディスプレイ、カメラ、マイク、スピーカなどが設けられており、I/Oデバイス26を介して、作業者用端末20は、画像データや音声データなどをウェアラブルデバイス20Aとの間で送受信する。
作業者用端末20は、タスクフロー管理サーバ10から転送されるタスクフローをストレージデバイス23へ格納する。そして、作業者用端末20は、タスクフローに沿った作業の実行を支援する。たとえば、作業者用端末20は、作業方法を説明する画面を表示するための画像データをウェアラブルデバイス20Aへ転送し、ウェアラブルデバイス20Aのディスプレイを介して作業者へ提示する。符号b2で示される画面は、ウェアラブルデバイス20Aのディスプレイ上に表示される画面である。メガネをかけるようにウェアラブルデバイス20Aを装着する作業者は、この画面を見ながら作業を行っていく。また、作業者用端末20は、たとえばウェアラブルデバイス20Aのカメラで撮影された画像などをウェアラブルデバイス20Aから受信し、作業の終了時などにおいて、その画像を作業結果としてタスクフロー管理サーバ10へ送信する(a4)。タスクフロー管理サーバ10へ送信される作業結果としては、画像などのほか、たとえばタスクフロー中の各タスクの所要時間などが含まれ得る。タスクフロー管理サーバ10は、作業者用端末20から受け取った作業結果をストレージデバイス13へ格納する。
なお、作業者用端末20と管理者用端末30との間においても、通信を実行することができる。たとえば、作業者用端末20で撮影した画像を管理者用端末30へ送って状況を管理者へ伝え、管理者からの指示を仰ぐといったことが可能である。この場合の指示は、音声であってもよいし、たとえば、送られてきた画像上にコメントを上書きした画像などであってもよい。このように、管理者は、タスクフローを作成または更新するだけでなく、作業者の後方支援にあたる役割も担っている。
以上が、本実施形態の作業支援システム1におけるタスクフロー管理サーバ10、作業者用端末20および管理者用端末30の連携の基本的な流れである。
図2は、タスクフロー管理サーバ10の機能ブロックの一例を示す図である。
図2に示されるように、タスクフロー管理サーバ10は、制御部110、記憶部120および通信部130を有している。前述したように、制御部110は、ストレージデバイス13にインストールされているタスク管理プログラム100をCPU11が主メモリ12へロードして実行することによって構築される。なお、制御部110は、電子回路として構築されてもよい。つまり、制御部110は、ソフトウェアによって実現されてもよいし、ハードウェアによって実現されてもよい。
また、記憶部120は、ストレージデバイス13に対応し、通信部130は、通信デバイス14に対応する。
制御部110は、タスクフロー作成・管理処理部111、作業者管理処理部112、タスクフロー割り当て処理部113、作業支援処理部114および作業結果管理処理部115を有している。
タスクフロー作成・管理処理部111は、記憶部120に格納されている、タスクフローを作成または更新するためのWebページデータ121を管理者用端末30へ送信する。タスクフロー作成・管理処理部111は、このWebページデータ121を使って管理者用端末30側において作成または更新されたタスクフローを受け取り、タスクフローデータ122として記憶部120へ格納する。なお、記憶部120には、様々なユーザインタフェースを提供するために、複数のWebページデータ121が格納されている。これらのWebページデータ121も、Webブラウザが動作する管理者用端末30からの要求に応じて、タスクフロー管理サーバ10から管理者用端末30へ転送される。
作業者管理処理部112は、たとえば作業者の増員に伴って新たな作業者用端末20を追加する場合などにおいて、当該新たな作業者用端末20をタスクフロー管理サーバ10に登録するためのWebページデータ121を管理者用端末30へ送信する。作業者管理処理部112は、このWebページデータ121を使って管理者用端末30側において新規登録された作業者用端末20の識別子を、作業者データ123として記憶部120へ格納する。作業者管理処理部112から管理者用端末30へ送信されるWebページデータ121を使用することで、管理者用端末30側においては、登録済みの作業者用端末20を削除することもできる。たとえば、ある作業者が使用する作業者用端末20が故障して新たな作業者用端末20と交換する必要が生じた場合などにおいては、交換前の作業者用端末20の削除と、交換後の作業者用端末20の登録とで対応することができる。作業者データ123は、たとえば、作業者用端末20の識別子をインデックスとし、作業者用端末20ごとにエントリ(レコード)が確保されるデータ構造体として構成されている。
タスクフロー割り当て処理部113は、作業者へタスクフローを割り当てるためのWebページデータ121を管理者用端末30へ送信する。このWebページデータ121は、その時点で記憶部120に格納されているタスクフローデータ122の一覧および作業者データ123の一覧を含んだ状態で管理者用端末30へ送信される。このWebページデータ121は、作業者(作業者用端末20)の一覧の中から目的の作業者を選択し、かつ、選択した作業者に対して割り当てるタスクフローをタスクフローの一覧の中から選択することを実現するスクリプト(プログラム)を含んでいる。なお、各作業者に対して、複数のタスクフローを割り当てることができる。換言すれば、各作業者は、複数の作業に従事することができる。
タスクフロー割り当て処理部113は、このWebページデータ121を使って管理者用端末30側において実施された作業者に対するタスクフローの割り当ての設定を、記憶部120に格納される作業者データ123中の当該作業者(作業者用端末20)用に確保されたエントリ(レコード)へ記録する。また、このWebページデータ121によれば、作業者に割り当てられていたタスクフローを削除することもできる。この場合、タスクフロー割り当て処理部113は、作業者データ123中の当該作業者(作業者用端末20)用に確保されたエントリ(レコード)から対象のタスクフローを削除する。また、タスクフロー割り当て処理部113は、作業者用端末20に対して、当該対象のタスクフローを削除する指示を送信する。
作業支援処理部114は、タスクフロー割り当て処理部113によって作業者(作業者用端末20)に割り当てられているタスクフローの一覧を作業者用端末20へ通知したり、その中から要求されたタスクフローを作業者用端末20へ送信したりする。
作業結果管理処理部115は、作業者用端末20から転送されてくる、後述する作業結果データ222(図3参照)を記憶部120へ格納する。
図3は、作業者用端末20の機能ブロックの一例を示す図である。
図3に示されるように、作業者用端末20は、制御部210、記憶部220、通信部230およびI/O処理部240を有している。前述したように、制御部210は、ストレージデバイス23にインストールされている作業者支援プログラム200をCPU21が主メモリ22へロードして実行することによって構築される。なお、制御部210は、電子回路として構築されてもよい。つまり、制御部210は、ソフトウェアによって実現されてもよいし、ハードウェアによって実現されてもよい。
また、記憶部220は、ストレージデバイス23に対応し、通信部130は、通信デバイス24に対応し、I/O処理部240は、I/Oデバイス26に対応する。
制御部210は、タスクフロー格納処理部211、タスクフロー実行処理部212、作業結果記録・送信処理部213および環境設定処理部214を有している。
タスクフロー格納処理部211は、タスクフロー管理サーバ10から転送されるタスクフローデータ122を記憶部220へ格納する。また、タスクフロー格納処理部211は、タスクフロー管理サーバ10からの指示に応じて、記憶部220に格納される、タスクフロー管理サーバ10から指定されたタスクフローデータ122を削除することができる。
タスクフロー実行処理部212は、記憶部220に格納されているタスクフローデータ122に基づき、作業者用端末20を使用する作業者に対する作業支援を実行する。具体的には、タスクフローデータ122に含まれる、作業方法を説明するためのテキスト、写真、音声、動画などを、メガネをかけるように作業者が装着するウェアラブルデバイス20AへI/O処理部240を介して転送し、それらをウェアラブルデバイス20Aのディスプレイやスピーカによって作業者へ提示する。タスクフロー実行処理部212は、ウェアラブルデバイス20Aのカメラで作業結果として撮影された画像を、I/O処理部240を介してウェアラブルデバイス20Aから受信する処理も行う。
作業結果記録・送信処理部213は、タスクフロー実行処理部212によって作業結果として取得された画像などを作業結果データ222として記憶部220へ格納する。作業結果記録・送信処理部213は、各タスクの所要時間を計測して、作業結果データ222として記憶部220へ格納することも可能である。作業結果記録・送信処理部213は、1回の作業が完了するごとに、記憶部220に格納された当該作業に対応する作業結果データ222をタスクフロー管理サーバ10へ転送する。作業者用端末20からタスクフロー管理サーバ10への作業結果データ222の送信は、アップロードとも称される。
環境設定処理部214は、作業者用端末20および作業者用端末20に接続されるウェアラブルデバイス20Aを、作業者用端末20およびウェアラブルデバイス20Aを実際に使用する各作業者にとって使い易いものにするための設定を行い、その設定をプロファイルデータ221として記憶部220へ格納する。たとえば、メガネ型のウェアラブルデバイス20Aは、後述するウェアラブルデバイス本体1024(図4参照)が左右のテンプルの一方に取り付けられる。通常、右眼が利き目の作業者の場合、ウェアラブルデバイス本体1024を右側のテンプルに取り付け、左眼が利き目の作業者の場合、ウェアラブルデバイス本体1024を左側のテンプルに取り付ける。そして、右側のテンプルに取り付けられる場合と左側のテンプルに取り付けられる場合とでは、ウェアラブルデバイス本体1024は上下反転する。これに伴い、ディスプレイも上下反転する。環境設定処理部214は、たとえばウェアラブルデバイス本体1024が左右のいずれのテンプルに取り付けられるかといった情報をプロファイルデータ221として記録する。
図4は、ウェアラブルデバイス20Aの外観の一例を示す。ウェアラブルデバイス20Aは、メガネフレーム1142とウェアラブルデバイス本体1024を備える。メガネフレーム1142は一般的なメガネからレンズを取り除いた形状でもよく、作業者の顔に装着される。メガネフレーム1142はメガネが取り付けられる構造としてもよい。
メガネフレーム1142はウェアラブルデバイス本体1024が着脱される取付具1144を左右のテンプルに備える。図4では作業者の右側のテンプルの取付具1144はウェアラブルデバイス本体1024に隠されているので、図示されない。前述したようにウェアラブルデバイス本体1024はディスプレイ1124(図5参照)を備え、ディスプレイ1124は片目で目視されるようになっているので、ウェアラブルデバイス本体1024が利き目側に取り付けられるように取付具1144は左右のテンプルに備えられている。なお、ウェアラブルデバイス本体1024を取付具1144によりメガネフレーム1142に着脱自在に取り付ける必要はなく、ウェアラブルデバイス本体1024がメガネフレーム1142に固定された右眼用、左眼用のウェアラブルデバイス20Aを用意してもよい。さらに、ウェアラブルデバイス本体1024をメガネフレーム1142ではなく、ヘルメット、ゴーグル等を用いて作業者の頭部に装着してもよい。
ウェアラブルデバイス本体1024は、その係合片1128(図5参照)が取付具1144の上下の枠内に押し込まれることにより、メガネフレーム1142に取り付けられる。ウェアラブルデバイス本体1024をメガネフレーム1142から取り外す場合は、ウェアラブルデバイス本体1024が取付具1144から引き抜かれる。
ウェアラブルデバイス本体1024は、取付具1144に取り付けられた状態で、係合片1128は、取付具1144内で前後に移動可能である。このため、作業者の焦点がディスプレイ1124に合うようにウェアラブルデバイス本体1024は前後位置が調整可能である。さらに、取付具1144はテンプルに直交する軸1144Aを中心に回転可能であり、ウェアラブルデバイス本体1024がメガネフレーム1142に取り付けられた後、ディスプレイ1124が作業者の視線上に位置するように上下位置が調整可能である。さらに、取付具1144の回転角度は90度程度であり、取付具1144を上方向に大きく回転することにより、ウェアラブルデバイス本体1024をメガネフレーム1142からはね上げることができる。これにより、ウェアラブルデバイス本体1024により視野が邪魔され実物を見ることが困難な場合や、狭い場所でウェアラブルデバイス本体1024が周囲の物体に干渉する場合でも、ウェアラブルデバイス20A全体を顔から外す/再装着することなく、ウェアラブルデバイス本体1024を作業者の視野から一時的に外す/戻すことができる。
ウェアラブルデバイス本体1024は、メガネフレーム1142のテンプルに沿った側面部と作業者の一方の眼球の視線上に位置する前面部とからなる。側面部に対する前面部の角度は調節可能である。
図4に示すように、前面部の外側表面にはカメラ1116、ライト1118、カメラLED1120が設けられる。ライト1118は暗部の撮影時に発光する補助照明である。カメラLED1120は写真や動画の撮影時に点灯し、撮影対象者に撮影していることを認識させるためのものである。
右側のテンプルに取り付けられたウェアラブルデバイス本体1024の側面部の上側面に第1、第2、第3ボタン1102、1104、1106が設けられる。なお、作業者の利き目が左眼の場合、ウェアラブルデバイス本体1024は左側のテンプルに取り付けられる。右側に取り付けられるか左側に取り付けられるかで、ウェアラブルデバイス本体1024の上下が反転するので、側面部の上側面と下側面の両面に第1、第2、第3ボタン1102、1104、1106を設けてもよい。
側面部の外側表面にはタッチパッド1110、第4ボタン1108、マイク1112、照度センサ1114が設けられる。タッチパッド1110と第4ボタン1108は人差し指で操作可能である。ボタン1102、1104、1106は、ウェアラブルデバイス本体1024が右側に取り付けられた際、それぞれ人差し指、中指、薬指で操作可能な位置に配置される。タッチパッド1110は、その表面上で矢印に示すように作業者が指を上下前後に移動させたことを検出できるようにしている。この移動の検出は、指を接触したまま移動するドラッグの動きに加え指をさっと擦るフリックの動きも含む。
第1ボタン1102は人差し指、第2ボタン1104は中指、第3ボタン1106は薬指、第4ボタン1108は小指で操作できるような位置に配置される。なお、第4ボタン1108が側面部の上部ではなく、側面部の外側表面に設けられるのは、スペースの関係上であり、第4ボタン1108も第1〜第3ボタン1102、1104、1106と同様に側面部の上部に設けられてもよい。照度センサ1114はディスプレイの明るさを自動調整するために周囲の照度を検出する。
図5は、ウェアラブルデバイス本体1024の裏面の外観の一例を示す。前面部の内側にはLCDからなるディスプレイ1124が設けられる。側面部の内側にはマイク1126、スピーカ1130、係合片1128が設けられる。マイク1126は側面部の前方に、スピーカ1130は側面部の後方に、係合片1128は側面部の後方に設けられる。スピーカ1130の代わりにヘッドフォンを用いてもよい。その場合、マイクとヘッドフォンをインカムとして一体的に設けてもよい。
図6は、作業者用端末20とウェアラブルデバイス20Aとの接続の一例を示す。側面部の後方にはUSB type-C(登録商標)規格のケーブル1146の一端のプラグ1146Aが挿入されるレセプタクル1132が設けられる。USB type-C規格のケーブル1146の他端のプラグ1146Bは作業者用端末20の上部端面のUSB type-C規格のコネクタ1207に挿入される。このようにウェアラブルデバイス本体1024はUSB type-C規格のケーブル1146を介して作業者用端末20に接続され、画像等がウェアラブルデバイス本体1024と作業者用端末20との間で伝送される。ウェアラブルデバイス本体1024は、無線LAN、ブルートゥース(登録商標)等の無線通信により作業者用端末20に接続されてもよい。
本実施形態ではウェアラブルデバイス本体1024は駆動電源としてのバッテリまたはDC端子を備えず、駆動電源は作業者用端末20からUSB type-Cケーブル1146を介してウェアラブルデバイス本体1024に供給される。しかし、ウェアラブルデバイス本体1024が駆動電源を備えてもよい。
図7は、作業者用端末20の外観の一例を示す。作業者用端末20は片手で持てる小型PCであり、そのサイズは、幅が約10cm以下、高さが約18cm以下、厚さが2cm程度であり、重量は約300g程度と、小型で軽量である。このため、作業者用端末20は作業着のポケット、ベルトに装着されるホルスタあるいはショルダーケースに収納でき、ウェアラブルである。
作業者用端末20の正面にはアップボタン1202a、ライトボタン1202b、ダウンボタン1202c、レフトボタン1202d、決定ボタン(センターボタン、エンターボタンとも称する)1202eからなる5ボタン1202が配置され、その下に指紋センサ1204が配置される。指紋センサ1204は作業者用端末20のログイン時のユーザ認証のために用いられる。5ボタン1202はコマンドを入力できる。
なお、5ボタン1202の各ボタン1202a〜1202dを数字に割り当てて、5ボタン1202を用いて暗証番号を入力することにより、ログイン時のユーザ認証を行ってもよい。この場合、指紋センサ1204は省略可能である。決定ボタン1202e以外の4つのボタンに数字を割り当てるので、数字の種類は4つしかない。従って、ランダムに入力した数字が暗証番号に一致する可能性がある。しかし、暗証番号の桁数を大きくすれば、ランダムに入力した数字が暗証番号に一致する確率を小さくすることができる。指紋センサ1204を備える作業者用端末20でも5ボタン1202による認証も可能としてもよい。
5ボタン1202はウェアラブルデバイス本体1024のボタン1102、1104、1106、1108とタッチパッド1110の操作と同じ操作が可能である。ウェアラブルデバイス本体1024のボタン1102、1104、1106、1108とタッチパッド1110で操作している様子を作業者は見ることができないので、作業者によっては意図した操作をするには慣れが必要な場合もある。また、ボタン1102、1104、1106、1108とタッチパッド1110とは小型であるので、操作しづらい場合もある。本実施形態では、作業者用端末20の5ボタン1202でも同じ操作ができるので、このような懸念は解消される。
作業者用端末20の上部側面には、USB 3.0規格のコネクタ1206とUSB type-C規格のコネクタ1207とオーディオジャック1208が設けられる。
作業者用端末20の一方の側面(正面から見て左側の側面)には、メモリカード用のカードスロット1218が設けられる。メモリカードは、例えばSDカード、マイクロSDカード(登録商標)等を含む。
また、作業者用端末20の他方の側面(正面から見て右側の側面)には、ケンジントンロック(登録商標)のためのスロット1210、電源スイッチ1212、パワーLED1213、DC IN/バッテリLED1214、DC端子1216、冷却用の通風口1222が設けられる。パワーLED1213は電源スイッチ1212の近傍に配置され、電源オンの期間点灯する。DC IN/バッテリLED1214はバッテリが充電中であるか否か等の作業者用端末20の状態とバッテリの残量を表示する。作業者用端末20はバッテリで駆動可能であるが、DC端子1216にACアダプタを接続した状態でも駆動可能である。図示しないが、裏面はワンタッチでバッテリが交換可能に構成されている。
ここで、図8を参照して、本実施形態の作業支援システム1において意図されるタスクフロー改善の流れについて説明する。
まず、管理者によってタスクフローが作成され(ステップA1)、作業者によってタスクフローに沿った作業(実行)が行われる(ステップA2)。作業者の作業が終了すると、その作業結果がタスクフロー管理サーバ10へアップロードされる(ステップA3)。
管理者は、タスクフロー管理サーバ10によって管理されている作業結果を調査(レビュー)して(ステップA4)、タスクフローを更新する(ステップA5)。以降、ステップA2〜ステップA5が繰り返され、タスクフローが改善されていく。
次に、本実施形態の作業支援システム1によって提供される、作業者の習熟度に適したタスクフローを作成する機能について説明する。
図9は、タスクフロー管理サーバ10から提供されるWebページを用いて管理者用端末30上において表示される、タスクフローを作成または更新するための画面の一例を示す図である。このWebページは、タスクフローを作成または更新するためのユーザインタフェースを持つタスクフローグラフィカルエディタを管理者用端末30上に実現する。
タスクフローの作成時においては、タスクフローグラフィカルエディタは、まず、符号c101で示されるタスクフローの開始を示すアイコンと、符号c102で示されるタスクフローの終了を示すアイコンとが配置された編集画面(タスクフローエディタ画面c1)を表示する。また、タスクフローグラフィカルエディタは、タスクフローエディタ画面c1の側部にタスクテンプレート一覧c2を表示する。管理者は、タスクテンプレート一覧c2中の目的のタスクテンプレートをタスクフローエディタ画面c1上に配置していくことによってタスクフローを作成する。タスクフローの更新時においては、タスクフローグラフィカルエディタは、更新対象のタスクフローが配置された編集画面を表示する。
タスクテンプレートのタスクフローエディタ画面c1上への配置は、たとえばドラッグ・アンド・ドロップなどと称されるマウスの操作によって行われる。また、タスクフローエディタ画面c1上に配置したタスクテンプレート間の連結は、先行のタスクテンプレートが配置される領域から後続のタスクテンプレートが配置される領域に向けて線分(矢印)を描画するようなマウスの操作によって行われる。タスクフローの開始を示すアイコンc101と先頭のタスクテンプレートとの間と、最後のタスクテンプレートとタスクフローの終了を示すアイコンc102の間とにおいても、同様のマウスの操作が行われる。つまり、このタスクフローエディタ画面c1上において、管理者は、タスクフローの開始を示すアイコンc101とタスクフローの終了を示すアイコンc102との間にタスクテンプレート(c103−1〜4)を配置し、かつ、それらを連結することによって、タスクフローを作成することができる。
なお、図9に示されるタスクテンプレートc2−1は、作業方法をテキストで提示する場合に選択されるタスクテンプレートである。たとえば先行のタスクが終了して当該タスクへ移行した場合、作業方法を示すテキストが作業者へ提示される。
タスクテンプレートc2−2は、作業方法を写真(静止画)で提示する場合に選択されるタスクテンプレートである。
タスクテンプレートc2−3は、作業方法を動画で提示する場合に選択されるタスクテンプレートである。
タスクテンプレートc2−4は、作業方法を音声で提示する場合に選択されるタスクテンプレートである。
タスクテンプレートc2−5は、バーコードの読み取りを指示する場合に選択されるタスクテンプレートである。
タスクテンプレートc2−6は、作業方法をPDF(登録商標)で提示する場合に選択されるタスクテンプレートである。
タスクテンプレートc2−7は、URLによって参照すべき情報へアクセスさせる場合に選択されるタスクテンプレートである。
タスクテンプレート2−8は、写真(静止画)の撮影を指示する場合に選択されるタスクテンプレートである。
タスクテンプレート2−9は、動画の撮影を指示する場合に選択されるタスクテンプレートである。
そのほか、図9には示されていないが、たとえば作業方法をテキストと写真(静止画)との両方で提示する場合に選択されるタスクテンプレートなどが存在する。図9に示されていないタスクテンプレートは、スクロールバーc3を操作して画面上に出現させることで選択可能となる。
また、タスクフローグラフィカルエディタは、編集対象のタスクテンプレートを示すためのオブジェクトc104を表示する。たとえば目的のタスクテンプレートが配置されている領域をポインタで示してクリックなどと称されるマウスの操作を行うことで、そのタスクテンプレートを示すようにオブジェクトc104を移動させることができる。たとえば、タスクテンプレートc2−1をオブジェクトc104が示す場合、つまり、タスクテンプレートc2−1が編集対象である場合、タスクフローグラフィカルエディタは、作業方法を示すテキストを入力するためのプレビューエリアc4を画面上に設ける。
図9では、タスクテンプレートc2−2が配置された領域(タスクテンプレートc103−2)をオブジェクトc104が示しており、タスクテンプレートc2−2が編集対象である場合、タスクフローグラフィカルエディタは、作業方法を示す写真(静止画)を登録するためのプレビューエリアc4を画面上に設ける。
つまり、管理者は、プレビューエリアc4において、作業者に提示したいテキストや写真(静止画)などを登録することができる。
また、タスクフローグラフィカルエディタは、タスクごとに各種設定を行うためのボタン設定エリアc5を画面上に設ける。ボタン設定エリアc5には、まず、スキップ(Skip)ボタンc501とバック(Back)ボタンc502とが存在する。これらのボタンc501、c502は、スライド式のボタンであり、(画面に向かって)右へのスライドがオン、(画面に向かって)左へのスライドがオフとなる。
スキップボタンc501は、そのタスクを飛ばして次のタスクへ移行することを許可する場合にオンに設定されるボタンである。スキップボタンc501がオンに設定されると、作業者に提示される画面上にスキップボタンが表示され、このスキップボタンを選択することで、作業者は、そのタスクを飛ばして次のタスクへ移行することができる。このスキップボタンc501は、主に、習熟度の高い作業者向けのタスクフローを作成する場合にオンに設定される。習熟度の低い作業者向けのタスクフローを作成する場合には、スキップボタンc501はオフに設定され、その結果、作業者に提示される画面上にスキップボタンは表示されず、作業者が、そのタスクを飛ばして次のタスクへ移行することが禁止される。
バックボタンc502は、前のタスクへ戻って当該前のタスクをやり直すことを許可する場合にオンに設定されるボタンである。バックボタンc502がオンに設定されると、作業者に提示される画面上にバックボタンが表示され、このバックボタンを選択することで、作業者は、前のタスクへ戻って当該前のタスクをやり直すことができる。このバックボタンc502は、主に、習熟度の高い作業者向けのタスクフローを作成する場合にオンに設定される。習熟度の低い作業者向けのタスクフローを作成する場合には、バックボタンc502はオフに設定され、その結果、作業者に提示される画面上にバックボタンは表示されず、作業者が、前のタスクへ戻って当該前のタスクをやり直すことが禁止される。やり直しを禁止することにより、習熟度の低い作業者が、どのようなミスを犯すのかを作業結果として収集することが可能となる。
また、ボタン設定エリアc5には、さらに、写真撮影ボタンc503、動画撮影ボタンc504、呼び出しボタンc505および詳細(Detail)ボタンc506が存在する。これらのボタンc503〜c506も、スライド式のボタンであり、(画面に向かって)右へのスライドがオン、(画面に向かって)左へのスライドがオフとなる。
写真撮影ボタンc503は、写真撮影を行うためのボタンを表示させる場合にオンに設定されるボタンである。動画撮影ボタンc504は、動画撮影を行うためのボタンを表示させる場合にオンに設定されるボタンである。呼び出しボタンc505は、管理者用端末30との通信を行うためのボタンを表示させる場合にオンに設定されるボタンである。詳細ボタンc506については後述する。
また、タスクフローグラフィカルエディタは、保存ボタンc6と、タスクフロー発行ボタンc7とを画面上に配置する。保存ボタンc6は、作成または更新したタスクフローをタスクフロー管理サーバ10へ送信するためのボタンである。タスクフロー発行ボタンc7は、保存ボタンc6によってタスクフロー管理サーバ10へ送信したタスクフローを作業者へ提供可能な完成版としてリリースするためのボタンである。
図10は、タスクフローの終了を示すアイコンc102がクリックされてオブジェクトc104が当該アイコンc102を示している状態を表している。
タスクフローの終了を示すアイコンc102が選択された場合、タスクフローグラフィカルエディタは、前述のタスクテンプレートが選択された場合とは異なるボタン設定エリアd1を画面上に設ける。このボタン設定エリアd1には、やり直しボタンd101と、繰り返しボタンd102とが存在する。
やり直しボタンd101は、タスクフローの先頭のタスクから作業をやり直すことを許可する場合にオンに設定されるボタンである。やり直しの場合、やり直し前の作業結果は破棄される。やり直しボタンd101がオンに設定されると、作業者に提示される画面上にやり直しボタンが表示され、このやり直しボタンを選択することで、作業者は、やり直し前の作業はなかったものとして、タスクフローの先頭のタスクから作業をやり直すことができる。このやり直しボタンd101は、主に、習熟度の高い作業者向けのタスクフローを作成する場合にオンに設定される。習熟度の低い作業者向けのタスクフローを作成する場合には、やり直しボタンd101はオフに設定され、その結果、作業者に提示される画面上にやり直しボタンは表示されず、作業者が、やり直し前の作業はなかったものとして、タスクフローの先頭のタスクから作業をやり直すことが禁止される。やり直しを禁止することにより、習熟度の低い作業者が、同じミスを繰り返してしまうことを防止したり、どのようなミスを犯すのかを作業結果として収集したりすることが可能となる。
また、繰り返しボタンd102は、やり直しボタンd101と同様、タスクフローの先頭のタスクから作業をやり直すことを許可する場合にオンに設定されるボタンである。やり直しボタンd101との違いは、やり直し前の作業結果は破棄されない点にある。繰り返しボタンd102がオンに設定されると、作業者に提示される画面上に繰り返しボタンが表示され、この繰り返しボタンを選択することで、作業者は、やり直し前の作業の作業結果は残しつつ、タスクフローの先頭のタスクから作業をやり直すことができる。この繰り返しボタンd102は、たとえば、同じミスを繰り返す可能性は低いが、どのようなミスを犯すのかを作業結果として収集しておきたい、習熟度が中程度の作業者向けのタスクフローを作成する場合にオンに設定される。習熟度の低い作業者向けのタスクフローを作成する場合には、繰り返しボタンd102はオフに設定され、その結果、作業者に提示される画面上に繰り返しボタンは表示されず、作業者が、タスクフローの先頭のタスクから作業をやり直すことが禁止される。やり直しを禁止することにより、習熟度の低い作業者が、同じミスを繰り返してしまうことを防止することができる。
図11は、スキップボタンc501およびバックボタンc502の設定による作業者用端末20側で表示される画面の違いを説明するための図である。
図11中、(A)は、スキップボタンc501およびバックボタンc502の双方がオンに設定された場合の画面例を示している。一方、(B)は、スキップボタンc501およびバックボタンc502の双方がオフに設定された場合の画面例を示している。
作業者が作業を開始すると、タスクフローで定義されているタスクが順次作業者に提示されていく。具体的には、作業方法を説明するテキスト、写真(静止画)、動画がウェアラブルデバイス20Aのディスプレイに表示されたり、音声がウェアラブルデバイス20Aのスピーカから出力されたりする。1タスクにつき1画面が表示され、作業者は、この表示に従って作業を行い、指示される作業を完了したら、ネクスト(Next)ボタンe3を操作し、次の作業へ移行する。
スキップボタンc501およびバックボタンc502の双方がオンに設定された場合、図11(A)に示されるように、作業者用端末20側で表示される画面上にスキップボタンe1およびバックボタンe2がネクストボタンe3とともに表示される。したがって、たとえば装置の点検を毎回行う必要がない等の習熟度の高い作業者は、スキップボタンe1を操作して、装置の点検のタスクをスキップすることができるし、また、本人の判断で、バックボタンe2を操作し、前のタスクをやり直すことができる。
一方、スキップボタンc501およびバックボタンc502の双方がオフに設定された場合、図11(B)に示されるように、作業者用端末20側で表示される画面上にスキップボタンe1およびバックボタンe2は表示されず、ネクストボタンe3のみが表示される。したがって、たとえば習熟度の低い作業者は、習熟度の高い作業者のように装置の点検のタスクをスキップすることなどは禁止され、また、本人の判断で前のタスクをやり直すことも禁止される。
また、図12は、やり直しボタンd101および繰り返しボタンd102の設定による作業者用端末20側で表示される画面の違いを説明するための図である。
図12中、(A)は、やり直しボタンd101と繰り返しボタンd102との双方がオンに設定された場合の画面例を示している。一方、(B)は、やり直しボタンd101と繰り返しボタンd102との双方がオフに設定された場合の画面例を示している。
やり直しボタンd101と繰り返しボタンd102との双方がオンに設定された場合、図12(A)に示されるように、作業者用端末20側で表示される画面上にやり直しボタンf3と繰り返しボタンf2とが完了ボタンf1とともに表示される。したがって、習熟度の高い作業者は、本人の判断で、やり直しボタンf3を操作し、やり直し前の作業の作業記録を破棄して、先頭のタスクから作業をやり直すことができる。また、習熟度が中程度の作業者は、繰り返しボタンf2を操作することで、やり直し前の作業の作業記録を破棄せずに残しつつ、先頭のタスクから作業をやり直すことができる。なお、ここでは、やり直しボタンf3と繰り返しボタンf2との双方が表示されている例を示しているが、習熟度が中程度の作業者向けに、やり直しボタンd101をオフに設定し、繰り返しボタンd102はオンに設定することによって、やり直しボタンf3と繰り返しボタンf2とのうちの繰り返しボタンf2のみを表示させるようにしてもよい。
一方、やり直しボタンd101と繰り返しボタンd102との双方がオフに設定された場合、図12(B)に示されるように、作業者用端末20側で表示される画面上にやり直しボタンf3と繰り返しボタンf2とは表示されず、完了ボタンf1のみが表示される。したがって、たとえば習熟度の低い作業者は、習熟度の高い作業者などのように本人の判断で先頭のタスクから作業をやり直すことが禁止される。
このように、本実施形態の作業支援システム1は、タスクフローを作成または更新するにあたり、タスク単位においては、スキップの可否、やり直しの可否を設定でき、タスクフロー(作業)単位においては、やり直し前の作業記録を破棄した上でのやり直しの可否、やり直し前の作業記録を残した上でのやり直しの可否を設定することができる。これらを設定する機能を提供する本実施形態の作業支援システム1は、作業者の習熟度に適したタスクフローを作成することを可能とする。
図13は、本実施形態の作業支援システム1におけるタスクフロー作成時の流れを示すフローチャートである。
タスクフロー管理サーバ10は、管理者用端末30からの要求に応じて、タスクフローを作成するためのユーザインタフェース(Webページ)を管理者用端末30へ提供する(ステップB1)。管理者は、習熟度の高い作業者向けのタスクフローを作成する場合(ステップB2:YES)、提供されたユーザインタフェースを使って、やり直し等が許可される第1設定のタスクフローを作成する(ステップB3)。ここで、第1設定は、やり直し前の作業結果を破棄して作業をやり直すことを許可する設定、または、やり直し前の作業結果を残しつつ作業をやり直すことを許可する設定のいずれかである。
一方、習熟度の低い作業者向けのタスクフローを作成する場合には(ステップB2:NO)、管理者は、提供されたユーザインタフェースを使って、やり直し等が禁止される第2設定のタスクフローを作成する(ステップB4)。タスクフロー管理サーバ10は、提供したユーザインタフェースを使って管理者用端末30において作成された当該タスクフローを管理する(ステップB5)。
図14は、本実施形態の作業支援システム1におけるタスクフロー適用時の流れを示すフローチャートである。
タスクフロー管理サーバ10は、管理者用端末30からの要求に応じて、作業者(作業者用端末20)へタスクフローを割り当てるためのユーザインタフェース(Webページ)を管理者用端末30へ提供する(ステップC1)。管理者は、提供されたユーザインタフェースを使って、作業者(作業者用端末20)へのタスクフローの割り当てを設定する(ステップC2)。
タスクフロー管理サーバ10は、提供したインタフェースを使って管理者用端末30において行われた作業者(作業者用端末20)へのタスクフローの割り当ての設定を管理し(ステップC3)、かつ、作業者用端末20に対して、当該作業者用端末20(作業者)へ割り当てられたタスクフローを提供する(ステップC4)。そして、作業者用端末20は、提供されたタスクフローに沿った作業支援を実施する(ステップC5)。
以上のように、本実施形態の作業支援システム1においては、たとえば、習熟度の高い作業者向けにはやり直し等が許可される設定のタスクフローを作成し、習熟度の低い作業者向けにはやり直し等が禁止される設定のタスクフローを作成するといった、作業者の習熟度に適したタスクフローを作成することが実現される。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の作業支援システム1は、第1実施形態の作業支援システム1と構成が同じであることを想定する。そこで、第1実施形態において使用した符号を本実施形態においても援用する。また、以下、第1実施形態の作業支援システム1を説明するために用いた図面を、本実施形態の作業支援システム1を説明するために援用することがある。
第1実施形態の作業支援システム1の説明でも触れたように、各作業者に対して、複数のタスクフローを割り当てることができる。換言すれば、各作業者は、複数の作業に従事することができる。
作業者用端末20を携帯し、かつ、作業者用端末20に接続されるウェアラブルデバイス20Aをメガネのように装着する作業者は、タスクフロー管理サーバ10から一覧として取得する複数の作業の中のいずれかの作業を開始する際、作業者用端末20またはウェアラブルデバイス20Aのボタンを操作し、複数のタスクフローの中からその作業に対応するタスクフローを選択する。作業者用端末20は、たとえば、複数のタスクフローを選択肢として列挙したリストを作業者へ提示し、その中から1つのタスクフローを選択する操作を受け付ける。また、もし、このタスクフローが記憶部220に格納されていない場合、作業者用端末20は、選択されたタスクフローをタスクフロー管理サーバ10からダウンロードする。このとき、間違って異なるタスクフローを選択してしまう可能性があり、また、そもそも、複数のタスクフローの中から1つのタスクフローを選択する操作自体が作業者に煩わしさを感じさせる可能性がある。
本実施形態の作業支援システム1は、この作業開始時におけるタスクフローの選択を効率的に行うことができる機能を提供するものであり、以下、この点について説明する。
本実施形態の作業支援システム1におけるタスクフロー管理サーバ10のタスクフロー作成・管理処理部111は、記憶部120に格納されているタスクフローデータ122それぞれに対応する2次元コードを印刷することのできるWebページデータ121を管理者用端末30へ送信する。このWebページデータ121は、タスクフローの一覧を表示し、その中から目的のタスクフローを選択して、当該選択したタスクフローに対応する2次元コードを印刷することを実現するスクリプト(プログラム)を含んでいる。
図15は、このWebページデータ121によって管理者用端末30上で表示されるタスクフローに対応する2次元コードを印刷するための画面の一例を示す図である。なお、この画面は、2次元コードを印刷するために専用に設けられる画面ではなく、この画面上で行えることの一つとして2次元コードの印刷が存在する。
図15に示されるように、2次元コードを印刷するための画面上には、タスクフロー管理サーバ10で管理されているタスクフローの一覧が表示される。この一覧は、各タスクフローのバージョン、最終更新日、最終発行者、ステータスなどの情報を含んでいる。また、この一覧は、2次元コードを生成することを指示するボタンg1を含んでいる。つまり、この画面上には、ボタンg1がタスクフローと一対に表示される。管理者は、目的のタスクフローが表示されている欄のボタンg1をたとえばマウスなどでクリックすることで、そのタスクフローに対応する2次元コードを画面上に表示させることができる。
図16は、あるタスクフローのボタンg1が操作されたことによる当該タスクフローに対応する2次元コードの一表示例を示す図である。
あるタスクフローのボタンg1が操作されると、図16に示されるように、そのタスクフローに対応する2次元コードh3と、この2次元コードh3を印刷することを指示するボタンh2とが配置された2次元コードエリアh1が画面上に設けられる。管理者は、2次元コードエリアh1内のボタンh2をたとえばマウスなどでクリックすることで、たとえば管理者用端末30に接続されているプリンタによって2次元コードエリアh1内の2次元コードh3を印刷することができる。
このようにして印刷された2次元コードは、たとえば、作業者に配布されてもよいし、作業エリアのテーブルや壁などに貼付されてもよい。前者の場合、たとえば、その日に各作業者に行わせる作業に対応する2次元コードを配布することなどが考えられる。また、後者の場合、たとえば、製造ラインに並んでいる様々な工作機械それぞれで行う作業に対応する2次元コードを各作業エリアに貼付しておくことなどが考えられる。
また、本実施形態の作業支援システム1における作業者用端末20のタスクフロー実行処理部212は、前述のように印刷された2次元コードを読み取り、この2次元コードで示されるタスクフローを自動的に選択する機能を提供する。
図17は、作業者用端末20において2次元コード読み取りではなくリスト選択によってタスクフローを開始するまでの流れの一例を示す図である。
作業者用端末20の起動時、タスクフロー実行処理部212は、図17(A)に示されるような、タスクフローをリストから選択するためのアイコンj1が選択された状態にある画面をスタート画面として表示する。アイコン群の中の選択された状態にあるアイコンは、他のアイコンよりも大きなサイズで表示される。このアイコンj1が作業者用端末20またはウェアラブルデバイス20Aのボタン操作で選択(決定)されると、タスクフロー実行処理部212は、図17(B1)に示されるような、複数のタスクフローの中から1つのタスクフローを選択するためのリスト画面を表示する。そして、このリスト画面上において選択肢として表示される複数のタスクフローの中から1つのタスクフローが選択されると、タスクフロー実行処理部212は、図17(B2)に示されるような、そのタスクフローの内容を示し、かつ、そのタスクフローを開始する開始ボタンが配置される画面を表示する。この画面上の開始ボタンを選択することで、必要であればタスクフロー管理サーバ10からのダウンロードが実行されて、そのタスクフローに沿った作業が開始される。以上が、一般的なリスト選択によってタスクフローを開始するまでの流れである。
これに対して、図18は、作業者用端末20において2次元コード読み取りによってタスクフローを開始するまでの流れの一例を示す図である。
図17(A)に示した、アイコンj1が選択された状態にあるスタート画面において、アイコン群を左右に移動させる操作が作業者用端末20またはウェアラブルデバイス20Aのボタンで行われると、他のアイコンが選択された状態へ移行する。なお、ここでは、選択しようとするアイコンを画面中央に位置させるように作業者用端末20またはウェアラブルデバイス20Aのボタンが操作されるものとする。図18(A)は、2次元コードを読み取ることによってタスクフローを選択するためのアイコンj2が選択された状態にある画面を示している。
このアイコンj2が作業者用端末20またはウェアラブルデバイス20Aのボタン操作で選択(決定)されると、タスクフロー実行処理部212は、ウェアラブルデバイス20Aのカメラで2次元コードを撮影する状態へと作業者用端末20を移行させる。具体的には、図18(B1)に示されるように、ウェアラブルデバイス20Aのカメラが捉えている被写体像がウェアラブルデバイス20Aのディスプレイに表示される状態へと作業者用端末20を移行させる。この時、タスクフロー実行処理部212は、位置合わせのためのガイドk1をウェアラブルデバイス20Aのディスプレイに表示する。
このガイドk1内に2次元コードh3が収まってカメラのピントが合うと、タスクフロー実行処理部212によって当該2次元コードh3が自動的に読み取られる。つまり、作業者によるレリーズ操作などは不要である。タスクフロー実行処理部212は、2次元コードh3を読み取ると、図18(B2)に示されるような、その2次元コードh3で示されるタスクフローの内容を示し、かつ、そのタスクフローを開始する開始ボタンが配置される画面を表示する。この画面上の開始ボタンを選択することで、必要であればタスクフロー管理サーバ10からのダウンロードが実行されて、そのタスクフローに沿った作業が開始される。
このように、本実施形態の作業支援システム1においては、たとえば、管理者から渡された2次元コードを読み取ったり、作業エリアのテーブルや壁などに貼られている2次元コードを読み取ったりすることで、誤ったタスクフローを選択することがなく、また、煩わしい操作を行うことなく、正しいタスクフローを選択して開始することができる。つまり、本実施形態の作業支援システム1は、作業開始時におけるタスクフローの選択を効率的に行うことを可能とする。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。なお、本実施形態の作業支援システム1も、第1実施形態の作業支援システム1と構成が同じであることを想定する。そこで、第1実施形態において使用した符号を本実施形態においても援用する。また、以下、第1実施形態の作業支援システム1を説明するために用いた図面を、本実施形態の作業支援システム1を説明するために援用することがある。
第1実施形態の作業支援システム1の説明でも触れたように、タスクフロー管理サーバ10は、管理者用端末30からの要求に応じて、タスクフローを作成または更新するためのインタフェース(Webページ)を管理者用端末30へ提供する。このWebページを用いることによって、管理者用端末30は、図9に示されるような、タスクフローを作成または更新するための画面を表示する。
また、前述したように、この画面上には、タスクごとに各種設定を行うためのボタン設定エリアc5が設けられ、このボタン設定エリアc5には詳細ボタンc506が存在する。図9は、詳細ボタンc506がオフに設定されている状態を示している。詳細ボタンc5は、オブジェクトc104が示すタスクテンプレートについて、プレビューエリアc4で登録する作業方法を示すテキストや写真(静止画)に加えて、より詳細な作業方法を示すテキストや写真(静止画)を登録する場合にオンに設定されるボタンである。具体的には、前述したように、作業者に対しては、基本的に、1タスクにつき1画面が表示されるが、詳細ボタンc506がオンに設定されているタスクについては、作業者に対して、たとえば複数の画面を使った詳細な説明を提示することができる。
つまり、本実施形態の作業支援システム1は、タスクフローを2階層とする機能を提供する。タスクフローを2階層とすることで、習熟度の高い作業者は、上位層の簡易な説明で作業を進めていくことができ、一方、習熟度の低い作業者は、上位層の簡易な説明だけでは不足なタスクについては、下位層の詳細な説明をさらに参照しながら作業を進めていくことができる。
図19は、詳細ボタンc506がオンに設定された場合の画面の状態を示している。
詳細ボタンc506がオンに設定されると、Webページに含まれるスクリプト(プログラム)によって実現されるタスクフローグラフィカルエディタは、タスクフローエディタ画面c1のたとえば下部に詳細手順編集画面m1を設ける。
この詳細手順編集画面m1において、管理者は、タスクフローエディタ画面c1上での編集の場合と同様の操作によって、そのタスク用の詳細なタスクフローを作成することができる。なお、この詳細手順編集画面m1においては、タスクフローの開始を示すアイコンc101やタスクフローの終了を示すアイコンc102は配置されず、(画面に向かって)左に置かれたタスクテンプレートから右のタスクテンプレートへと順次移行していくことになる。たとえば、作業方法をテキストで提示するタスクテンプレートc2−1がまず置かれ、その右隣に作業方法を写真(静止画)で提示する場合に選択されるタスクテンプレートc2−2が置かれたとすると、タスクテンプレートc2−1によって登録されたテキストがまず提示され、ネクストボタンe3の操作により、タスクテンプレートc2−2によって登録された写真(静止画)が提示される。なお、図19には、タスクテンプレートc2−2によって、詳細なタスクフローの先頭のタスクとして、作業方法を示す写真(静止画)m2が登録された状態が示されている。
詳細なタスクフローを含むタスクフローが生成または更新されると、Webページに含まれるスクリプト(プログラム)によって、そのタスクフローがタスクフロー管理サーバ10へアップロードされる。つまり、タスクフロー管理サーバ10は、2階層のタスクフローを作成または更新するためのインタフェースを提供する機能と、2階層のタスクフローを管理する機能とを有している。
図20は、詳細ボタンc506がオンに設定された場合における作業者用端末20における画面の一遷移例を示す図である。
図20中、(A)は、図19に示した画面において詳細ボタンc506がオンに設定されたタスクに先行するタスクの画面であり、(B)は、図19に示した画面において詳細ボタンc506がオンに設定されたタスクそのものであり、(C)は、図19に示した画面において詳細ボタンc506がオンに設定されたタスクに後続するタスクの画面である。詳細ボタンc506がオンに設定されている場合、作業者用端末20のタスクフロー実行処理部212は、図20(B)に示されるように、詳細なタスクフローへ移行するための詳細ボタンn1を表示する。
たとえば、習熟度の高い作業者は、図20(A)のタスクを終了すると、ネクストボタンe3を操作して図20(B)のタスクへ移行し、図20(B)のタスクを簡易な説明のみで行い、そのタスクを終了すると、ネクストボタンe3を操作して、図20(C)のタスクへ移行する。つまり、習熟度の高い作業者は、詳細ボタンn1を操作する必要はなく、詳細なタスクフローをトレースしなくともよい。スキップボタンc501がオンに設定されている場合には、さらに、そのタスクをスキップして次のタスクへ移行することができる。
これに対して、たとえば、習熟度の低い作業者であって、図20(B)のタスクについて簡易な説明のみでは不足な作業者は、詳細ボタンn1を操作することで、詳細なタスクフローの先頭のタスクへ移行することができる。図20中、(D1)は、詳細なタスクフローの先頭のタスクの画面であり、(D2)は、詳細なタスクフロー中の(D1)に後続するタスクの画面であり、(D3)は、詳細なタスクフロー中の(D2)に後続し、かつ、詳細なタスクフローの最後のタスクの画面である。
図20(D1)のタスクへ移行した場合、ネクストボタンe3を操作することで、図20(D2)のタスクへ移行することができ、さらに、図20(D2)のタスクの画面上でバックボタンe2を操作することで、図20(D1)のタスクの画面を見直すことができる。図20(D2)のタスクの画面上でネクストボタンe3を操作すると、図20(D3)のタスクへ移行する。図20(D3)のタスクは、詳細なタスクフローの最後のタスクなので、この図20(D3)のタスクの画面上でネクストボタンe3を操作すると、詳細ボタンn1を操作した図20(B)のタスクの画面に復帰する。
このように、本実施形態の作業支援システム1は、たとえば習熟度の高い作業者向けの上位層のタスクフローと、たとえば習熟度の低い作業者向けの下位層のタスクフローとで構成される2階層のタスクフローを扱うことができる。つまり、本実施形態の作業支援システム1は、作業者の習熟度に適したタスクフローを作成することを可能とする。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。なお、本実施形態の作業支援システム1は、第1実施形態の作業支援システム1と構成が同じであることを想定する。そこで、第1実施形態において使用した符号を本実施形態においても援用する。また、以下、第1実施形態の作業支援システム1を説明するために用いた図面を、本実施形態の作業支援システム1を説明するために援用することがある。
第1実施形態の作業支援システム1の説明でも触れたように、タスクフロー管理サーバ10は、管理者用端末30からの要求に応じて、タスクフローを作成または更新するためのインタフェース(Webページ)を管理者用端末30へ提供する。このWebページを用いることによって、管理者用端末30は、図9に示されるような、タスクフローを作成または更新するための画面を表示する。
また、前述したように、タスクフローの更新時においては、Webページに含まれるスクリプト(プログラム)によって実現されるタスクフローグラフィカルエディタは、更新対象のタスクフローが配置された編集画面を表示する。タスクフローの更新は、たとえば、図15に示したようなタスクフロー管理サーバ10で管理されているタスクフローの一覧から更新対象のタスクフローが選択されることによって開始することができる。
ところで、あるタスクフローを更新した場合において、更新前のタスクフローが作業者用端末20によってダウンロードされていたり、更新前のタスクフローに沿って作業を行っている最中であったりする場合、たとえば作業者用端末20からアップロードされる作業結果が更新後のタスクフローと一致しない等により、突然作業が行えなくなるといった問題を生じさせる可能性を否定できない。
本実施形態の作業支援システム1は、タスクフローを世代管理し(バージョン毎に管理)、更新前のタスクフローと更新後のタスクフローとを並存させる機能を提供するものであり、以下、この点について説明する。
図21は、本実施形態の作業支援システム1におけるタスクフローの更新時の流れを説明するための図である。なお、図21に示す画面の表示や画面の遷移は、タスクフロー管理サーバ10から管理者用端末30へ提供されるWebページに含まれるスクリプト(プログラム)によって実現される。
図21中、(A)は、更新対象のタスクフローを表示する画面の一例である。前述したように、この画面は、たとえば、図15に示したようなタスクフロー管理サーバ10で管理されているタスクフローの一覧から更新対象のタスクフローを選択することによって表示させることができる。
この画面上のたとえば(画面に向かって)左部には、更新対象のタスクフローのバーション情報を提示するためのエリアが設けられる。ここでは、更新対象のタスクフローが未更新の初版(バージョン:00001)であることが示されている。また、この画面上のたとえば上部には、図9に示したような、タスクフローを編集するための画面へ移行するための編集ボタンp1が配置される。管理者は、編集ボタンp1を操作することによって、タスクフローを編集するための画面へ移行することができる。
図21中、(B)は、(A)の画面上で編集ボタンp1を操作することによって表示されるタスクフローを編集するための画面の一例である。この画面上で、たとえば、あるタスクについて、作業方法をテキストで提示していたものを写真(静止画)で提示するように変更したり、写真(静止画)を交換したり、タスクを追加・削除したり、各種ボタンの設定を変更したりといった編集を行うことができる。
また、タスクフローを生成または編集するための画面上には、前述したように、作成または更新したタスクフローを作業者へ提供可能な完成版としてリリースするためのタスクフロー発行ボタンc7が配置される。あるタスクフローに対して編集を施し、タスクフロー発行ボタンc7が操作されると、更新後のタスクフローが、作業者(作業者用端末20)へ提供可能な状態となる。なお、この更新後のタスクフローは、編集が終了して保存ボタンc6が操作された際にタスクフロー管理サーバ10へ転送されている。タスクフロー管理サーバ10は、この更新後のタスクフローを、更新前のタスクフローとともに管理する。つまり、タスクフロー管理サーバ10は、タスクフローデータ122を世代管理する(バージョン毎に管理)。
図21中、(C)は、(B)の画面上でタスクフロー発行ボタンc7を操作することによって表示される更新対象のタスクフローを表示する画面の一例である。つまり、タスクフローに対する編集を終えてタスクフロー発行ボタンc7を操作すると、編集ボタンp1を操作した画面に戻ることになる。図21(C)に示されるように、タスクフローが改定版(バージョン:00002)であることが示されている。なお、タスクフローの更新は、その時点で最新版のタスクフローをベースに編集を行うことで実施することもできるし、最新版以外の旧版のタスクフローをベースに編集を行うことで実施することもできる。画面上のバージョン情報を選択することで、ベースとするタスクフローを選択することができる。
次に、このように更新が行われ得るタスクフローの作業者(作業者用端末20)への反映について説明する。
図22は、タスクフロー管理サーバ10のタスクフロー割り当て処理部113が管理者用端末30へ提供する、作業者(作業者用端末20)へ割り当てられているタスクフローの一覧を表示するためのWebページデータ121によって、管理者用端末30において表示される画面の一例を示す。図22には、3つのタスクフローが割り当てられている作業者(作業者用端末20)のタスクフロー一覧が表示されている状態が示されている。
図22に示されるように、この画面上には、リボーク(Revoke)ボタンq1と、ビューワ(Viewer)ボタンq2とが、タスクフローと一対に配置される。あるタスクフローのリボークボタンq1が操作されると、この作業者(作業者用端末20)へ割り当てられる当該タスクフローを削除する要求がタスクフロー管理サーバ10へ送られる。この指示を受けたタスクフロー管理サーバ10のタスクフロー割り当て処理部113は、作業者データ123の当該作業者(作業者用端末20)用のエントリに保持される、指示されたタスクフローの情報を削除する。
また、このとき、タスクフロー割り当て処理部113は、作業者用端末20に対して、指示されたタスクフローの削除を指示する。この指示を受けた作業者用端末20のタスクフロー格納処理部211は、そのタスクフロー(タスクフローデータ122)が記憶部220に格納されている場合、記憶部220に格納されている当該タスクフローを削除する。
その後、第1実施形態において説明したように、この作業者(作業者用端末20)に対して更新後のタスクフローを改めて割り当てることによって、たとえば再割り当て後に初めて作業が行われるタイミングなどにおいて、作業者用端末20による更新後のタスクフローのダウンロードが実行され、更新前のタスクフローから更新後のタスクフローへの入れ替えが完了する。管理者は、各作業者の状況に応じて、作業に支障がないタイミングで、タスクフローの入れ替えを実施すればよい。
なお、ビューワボタンq2は、作業者(作業者用端末20)へダウンロードされているタスクフローを参照するためのボタンである。ビューワボタンq2を操作することで、管理者は、作業者(作業者用端末20)へダウンロードされているタスクフローを参照することができる。
このように、本実施形態の作業支援システム1においては、タスクフローの更新が作業に支障を与えることのないように、作業更新前のタスクフローと更新後のタスクフローとを並存させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。