JP2020109257A - 内燃機関用ピストンおよび内燃機関用ピストンの製造方法 - Google Patents

内燃機関用ピストンおよび内燃機関用ピストンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低熱伝導性および低体積比熱を実現する焼結体層とピストン基材とが強固に接合された内燃機関用ピストンを提供する。【解決手段】少なくとも,基材と,基材上に設けられた焼結体層とを有し,焼結体層と基材との間にはピストン基材よりも低融点のインサート材により焼結体側に浸透拡散層を形成させたことを特徴とする内燃機関用ピストンを提供する。また,基材よりも低融点の金属をインサート材とし,インサート材が焼結体の空孔に浸透することで浸透拡散層を形成することを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法を提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は内燃機関用のピストンおよび内燃機関用ピストンの製造方法に関する。
内燃機関の低燃費性能へ寄与する熱効率を高めるために、従来、燃焼室内部の壁面に断熱層を設ける技術が知られており、様々な断熱層の構成が提案されている。断熱層が設けられた内燃機関用の部材として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1によれば、エンジン燃焼室に臨む部材表面に断熱層が設けられており、該断熱層は、無機酸化物からなる中空粒子と、フィラー材と、ケイ酸を主体とするガラス質材とを含み、ガラス質材は非末状態であり、中空粒子とフィラー材とを覆うと共に結合している構成が開示されている。特許文献1によれば、中空粒子によって断熱層の断熱性能を向上し、かつ、断熱層内への燃料の浸み込みを防止でき、長期にわたって高い断熱性を維持することができるとされている。
ところで、従来の断熱層を構成する金属およびセラミックス(ガラス)などは、体積比熱が大きいことから、エンジンを構成する基材のベース温度(燃焼室内部のガス温度が最も低いときの基材の温度)を上昇させやすく、ガス温度に対する燃焼室壁面の温度の熱応答性(追従性)が低下する。この熱応答性が低いと、ノッキングやNOxの増大を引き起こす原因となり、燃料の燃焼効率が低下する。そのため、体積比熱が大きい断熱層は、燃焼室壁面の一部を構成する内燃機関の部材全面へ設けず、範囲を限定して使用する必要がある。しかしながら、内燃機関の高い熱効率を実現するためには、燃焼室壁面において、より大きい面積で使用できる断熱層が必要であり、そのためには断熱層を構成する材料として、低熱伝導性に加えて低体積比熱を有するものが求められている。
低熱伝導および低体積比熱を両立するために、固体材料に気孔を含ませた構造が好適であると考えられる。例えば、特許文献2には、多数の空孔を含むポーラス構造を有する陽極酸化膜から構成される断熱膜と、断熱膜の空孔の内部に封入される複数の粒子であって、隣接する粒子の間の隙間が予め設定される大きさの空隙となるように封入される複数の封入粒子を備える内燃機関が開示されている。
また、特許文献2には、断熱膜は母材よりも低い熱伝導率および低い単位体積当たりの熱容量を有する断熱材を使用することが記載されており、その素材として中空構造を持つ断熱材が好適であることが記載されている。
特開2015−68302号公報 特開2012−47110号公報
上述したように、内燃機関の熱効率を高めるために、断熱層は低熱伝導性および低体積比熱を両立することが望まれ、そのために気孔率の高いポーラス構造を有する表面層を設けることが重要である。さらに、耐久性および基材(断熱層が設けられる内燃機関の部材)との密着性を十分に確保することも重要である。しかし、上述した特許文献1および特許文献2は、いずれも、ポーラスの気孔率、耐久性、基材との密着性、低熱伝導性および低体積比熱のすべての項目について、十分なレベルを達成するものではなかった。
本発明は、上記事情に鑑み、基材との密着性および耐久性を確保し、かつ、低熱伝導性および低体積比熱を実現することが可能なポーラス構造を有する内燃機関用ピストンおよび内燃機関用ピストンの製造方法を提供することを目的する。
本発明にかかる上記目的を達成するため、基材と,基材上に設けられた焼結体層とを有し,焼結体層と基材との間にはピストン基材よりも低融点のインサート材により焼結体側に浸透拡散層を形成させた構成とした。
また、本発明に係る内燃機関用ピストンの製造方法は、基材よりも低融点の金属をインサート材とし,インサート材が焼結体の空孔に浸透することで浸透拡散層を形成する方法とした。
本発明によれば、基材との密着性および耐久性を確保し、かつ、低熱伝導性および低体積比熱を実現することが可能な内燃機関用ピストンおよび内燃機関用ピストンの製造方法を提供することができる。
(a)は本発明に係るピストンの一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は(a)のA−A’断面図である。 (a)(a)は本発明に係るピストン100の冠面101の断面の拡大図を示すものであり、(b)は図2(a)の金属層30を構成する金属粒子32の拡大図である。 実施例2に係るピストンを構成する焼結層の一例を模式的に示す断面図である。 (a)(b)(c)はそれぞれ冠面101に焼結層2を配置した具体例である。 実施例3に係るピストンを構成する焼結層の一例を模式的に示す断面図である。 本発明に係るピストンに用いる焼結層2の製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明に係るピストンの基材1と焼結層2とのの接合の一例を示すフロー図である。 実施例2に係るピストンの製造方法の他の一例を示すフロー図である。 パルス通電装置の一例を模式的に示す図である。 (a)は実験例1に係る中空粒子の断面SEM観察写真、(b)は実験例1に係る焼結層2の断面SEM観察写真、(c)は(b)の拡大写真、(d)は焼結層2および浸透拡散層を含む表層部断面を観察した光学顕微鏡写真。 実験例の熱応答性評価試験に用いた装置の模式図である。 (a)は実験例の熱応答評価試験におけるレーザー光の出力と時間の関係を示すグラフであり、図10(b)は実験例の熱応答評価試験における試験片の表面温度と時間の関係を示すグラフである。
≪実施例1≫
[内燃機関用ピストン]
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)は本発明に係るピストンの一例を模式的に示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)のA‐A´線断面図である。
本発明に係る内燃機関用ピストン100(以下、単に「ピストン」とも称する。)は、上面には冠面101を、側面にはピストン受け部102を有している。冠面101は、燃焼室の内壁の一部となる部分であり、燃焼効率を向上するために断熱層が設けられる部分である。本発明では、ピストン100の表面に、低熱伝導性および低体積比熱の特性を併せ持つ「表面層」を設けた。以下、この表面層について詳述する。
図2(a)は本発明に係るピストン100の冠面101の断面の拡大図を示すものである。図2(a)に示すように、本発明に係るピストン100の冠面101には、ピストン基材1(以下、単に「基材」と称する。)と、基材1の表面に設けられた焼結層2を有する。
焼結層2は、複数の金属粒子が結合して構成された金属層30と、金属粒子の結合部分以外の部分で囲まれて構成された空隙(言い換えると、金属粒子間に形成された空隙)31とを有す。金属層30は、金属粒子が焼結によって結合された焼結金属で構成される。なお、便宜上、金属層30と空隙31を合わせて母相3と呼ぶ。
図2(b)は図2(a)の金属層30を構成する金属粒子32の拡大図である。図2(b)に示すように、金属粒子32の一部同士が焼結によって結合し、ネック33を有していることが好ましい。このネック33によって金属粒子32間の空間を確保し、空隙31を形成することができる。また、焼結密度を制御することで空隙31の割合を制御することができる。このような焼結金属の作製方法については、後述する。
焼結層2と基材1との間には、浸透拡散層4を有する。浸透拡散層4は低融点のインサート材を母相3の片面の一部に溶かして浸透拡散させた層であり、元来の焼結体に設けられた空隙31の一部はインサートを吸収することで埋まった状態となる。図2(a)では、B−B部まで母相3が存在している構造になっている。このような構造にすることによって、空隙を焼結層2で確保したうえで基材1との密着性を確保することができる。したがって、基材との密着性および耐久性を確保し、かつ、低熱伝導性および低体積比熱を実現することが可能となる。
また、基材1と金属層30は、同じ金属をそれぞれの主成分として含むことが好ましい。具体的には、基材1をアルミニウム(Al)合金とし、金属層30をAlとすることが好ましい。このように基材1と焼結層2の主要部分を構成する金属層30を同じ金属で構成することによって、基材1とポーラス構造を有する焼結層2の界面で強固な固相接合部を形成して密着性を確保し、耐久性に優れた焼結層2を提供することができる。
焼結層2の体積比熱は、1000kJ/m3・K以下であることが好ましい。また熱伝導率は1W/mK以下であることが好ましい。焼結層2の熱特性をこのように構成することにより、内燃機関内部でのベース温度の上昇がほとんど発生しない水準となる。すなわち、焼結層2のガス温度に対する熱応答性が十分高いものとなり、燃焼室内部のガス温度の変化に合わせて瞬時に低温から高温へ、または高温から低温へ変化できる。これにより、ピストン100の冠面101の全面に焼結層2を施工したとしても、より高い燃焼効率を得ることができる。
なお、本発明に係るピストン100において、上述した焼結層2が形成される箇所はピストン100の冠面101上であれば特に限定はない。具体的なものとしてピストン100において焼結層2を形成する箇所の例を以下に示す。
図4(a)は本発明に係るピストンの第一の例を示す断面図であり、ピストン100の冠面101に凹部を設け、その凹部に焼結層2を配置したものである。
また、図4(b)は本発明に係るピストンの第二の例を示す断面図であり、冠面101の全面に焼結層2を配置したものである。
また、図4(c)は本発明に係るピストンの第三の例を示す断面図であり、冠面101の形状に沿って凹部を設け、その凹部101に焼結層2を配置したものである。
図4(a)から(c)に示すように、ピストン100aから100cにおいて、焼結層2を形成する場所は特に限定されず、図4(a)のように、冠面101の中央部に形成しても良く、図4(b)のように冠面101の全面に形成しても良く、また図4(c)のように冠面101の焼結層2の表面形状に沿って厚さが一定となるように形成してもよい。
図6(a)は本発明に係るピストンに用いる焼結層2の製造方法の一例を示すフロー図であり、図6(b)は本発明に係るピストンの基材1と焼結層2とのの接合の一例を示すフロー図である。まず、図6(a)において、金属層30の原料となる金属粒子32と中空粒子4の粉末を混合する(S10:原料混合粉末準備工程)。次に、S10で得られた混合粉末を加熱し、焼結して(S11:焼結工程)焼結体を得る(S12)。混合粉末の焼結方法としては、母相3に空隙31が形成されるように金属粒子を焼結可能な方法であれば特に限定は無いが、パルス通電焼結、ホットプレス焼結、熱間等方加圧焼結および冷間等方加圧焼結等が好適である。これらのなかでも特に荷重および温度を制御可能な加圧焼結とすることが好ましく、パルス通電焼結法が好適である。
パルス通電焼結(Pulse Electric Current Sintering)は、放電プラズマ焼結(Spark Plasma Sintering)とも呼ばれる焼結手法である。原料粉末に加圧しながらパルス通電を印加すると、粉末表面では抵抗発熱とスパーク放電による発熱が発生し、粉末表面での反応を活性化し、図2(b)に示すように、金属粒子間接触部にネック33を形成しやすい。空隙を多く含む多孔焼結体であっても、ネック33部分で金属粒子同士を強度に結合させることができる。
パルス通電焼結法では、粉末表面での反応が活発化するため、比較的荷重負荷が小さい環境での焼結が可能であり、荷重または押込み量を制御して加圧することにより、母相3の空隙31の割合を制御することが可能である。
続いて図6(b)について説明する。図6(b)では、まず始めに、ピストン基材を鋳造によって作製する(S13)。この鋳造工程では、例えば、Al合金製のピストン母材の粗材を従来の方法で鋳造する。続いて、得られた粗材に対して機械加工(ランド部外径切削およびピン穴加工等)を施す(S14)。次に、低融点のインサート材を基材表面に設置する(S14a)。次に先の図6(a)に示した工程で作製した焼結体を、基材の表面に接触させて設置する(S15)。
そして、基材と焼結体とを接合する(S16)。接合方法として、インサート材を加熱して溶融させ、焼結体および基材との間に拡散させ,特に焼結体の空隙に浸透拡散させて接合する手法が好ましい。加熱方法の分類として、熱処理、摩擦撹拌接合、レーザー溶接およびアーク溶接等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
焼結体と基材1の接合後の後処理として、熱処理工程を実施する(S17)。この熱処理は、接合工程で発生する歪を除去し、強度を均一化することを目的とするものであり、例えば溶体化時効処理または人口時効処理を行う。熱処理工程後、二次機械加工工程として仕上げの切削加工を施し(S18)、製品であるピストンが完成する(S19)。
≪実施例2≫
続いて実施例2について説明する。本実施例が実施例1と異なる点は、母相3内部に中空粒子5を配置した点である。
十分な低熱伝導性を得るためには、母相3の空隙31を増大させることが有効であると考えられるが、空隙31を増大させすぎると母相3の強度が低下し、焼結層2が内燃機関の中の過酷な環境(温度および圧力)に耐えられない。
そこで、本実施例では母相3の空隙31中に中空粒子5を含有させ、母相3中の空隙31と中空粒子5の空孔50とを合わせることで、焼結層2全体の気孔率を十分に確保しつつ、焼結層2の強度を保つようにした。
図3は上述の通り、中空粒子5を母相3に含む場合を模式的に示した断面図であり、母相3に中空粒子5が含まれている。中空粒子5は、内部に空孔(微細な気孔)50を有する粒子である。母相3が有する空隙31と、中空粒子5が有する空孔50とを合わせたものが、焼結層2を占める空隙の体積割合(以下「気孔率」と称する)となる。
本発明では、母相3が有する空隙31と、中空粒子5が有する空孔50の両方を合わせることで、焼結層2全体の気孔率を50体積%まで高めることを実現している。
また、浸透拡散層4の中にも中空粒子5が含まれることが好ましい。中空粒子5の空孔50は閉空孔であれば、インサート材が入り込まず,そのまま空孔を保つことになる。また、空孔50が開空孔であったとしても、空隙31に比べてインサート材が侵入しにくく、空孔を残すような形となる。その結果、浸透拡散層4が気孔を有した構造となり、かつ、焼結層2に比べて気孔率が低い構造を有する。
中空粒子5として、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)およびジルコニア(ZrO2)等、種々の多孔質酸化物を用いることができるが、焼結層2の断熱性能を確保するために熱伝導率が低い材料とすることが好ましく、特にシリカを用いることが好ましい。
シリカはセラミックスの中でも比較的熱伝導性が低く、なおかつ中空状あっても強度が比較的高い材料である。シリカを主成分とする中空粒子としては、セラミックビーズ、シリカエアロゲル、多孔ガラス、ガラスビーズ、火山性白砂、珪藻土およびそれらの加工粉末等があるが、これらに限定されるものではない。
金属層30を構成する金属粒子の粒子径と中空粒子5の粒子径は、略同一であることが好ましい。中空粒子5の粒子径が金属粒子32の粒子径に比べて大きい場合、金属粒子32同士の結合が形成されにくくなり、焼結体である金属層30の強度が低下するおそれがある。一方、中空粒子5の粒子径が金属粒子32の粒子径に比べて小さい場合、金属粒子32間の空隙31の形成を妨げて高い気孔率を実現することができない恐れがある。そのため、本実施形態では金属粒子32の粒子径と中空粒子5の粒子径が略同一である構成とした。
次に、本発明に係るピストンの製造方法について説明する。基材1への焼結層2の形成方法としては、まず金属層30を構成する金属粒子32と中空粒子4を焼結して焼結体を形成し、この焼結体を基材1と接合する方法と、焼結層2の原料粉末となる金属粒子32と中空粒子5の混合粉末を基材1の表面に設置し、金属粒子32の焼結と基材1への接合を同時に行う方法が挙げられる。このようにして事前に焼結体を作成しておく。 図6(c)は本実施例に係るピストンの製造方法の他の一例を示すフロー図である。図6(c)では、焼結体の作製(図6(a)のS1)と、焼結体と基材との接合(図6(b)のS2)を同時に実施している。ピストン基材の鋳造(S13)および一次機械加工(S14)については、図6(b)と同様である。一次機械加工工程を施した基材1の表面に、浸透拡散層を形成するインサート材を設置し(S14a)、その上に焼結層2の原料粉末となる金属粒子と中空粒子4の混合粉末を設置する(S15´)。この際に、インサート材や混合粉末を粉末状にして基材1の表面に設置しても良いが、粉末を所定の形状を有する成形体、例えば粉末に予め圧力を加えて予備成形を行うことでビスケット状に押し固めた圧粉体とし、この圧粉体を基材1表面(ピストン冠面)に設置してもよい。
そして、混合粉末の上部から荷重をかけて加熱することで、混合粉末を焼結すると同時に混合粉末とピストン基材とを接合させる(S16´)。なお、その後の熱処理(S17)からピストン完成(S19)までは実施例1と同様の工程となるため、説明を割愛する。
なお、本実施例では実施例1同様、パルス通電焼結法を用いた。パルス通電焼結法では、粉末表面での反応が活発化するため、比較的荷重負荷が小さい環境での焼結が可能であり、中空粒子の形状を破壊せずに含有させることが可能である。本発明においては、混合粉末にパルス通電を印加することにより、金属粒子同士が互いに繋がった金属層(焼結金属)30を形成し、かつ金属粒子同士の結合部分以外で構成された空隙31に、中空粒子5をその形状を壊すことなく包含することができる。
また、焼結層2の気孔率については特に限定はないが50%以上が好ましい。
≪実施例3≫
続いて実施例3について説明する。本実施例が実施例2と異なる点は、焼結層2の表面に封止材からなる封止層51を設けた点である。
図5は本実施例に係るピストンを構成する焼結層の一例を模式的に示す断面図である。
焼結層2の空隙31に燃料が浸み込むと、燃焼に寄与する燃料が減少し、燃焼効率が悪くなる。そこで、図5に示すように焼結層2の表面に封止材からなる封止層51で空隙31を封止し、燃料が焼結層2の奥(基材1側)まで浸みこむことを防止することが好ましい。焼結層2の表面に封止層51を設ける際に、封止材は焼結層2の表面(図5の52で示す部分)のみならず、表面近くの空隙31(図5の53で示す部分)にも侵入するが、本実施例に係る焼結層2は母相3の空隙31と中空粒子5の空孔50とで焼結層2全体の気孔率を確保しており、中空粒子5の内部の空孔50には封止材が侵入することは無いため、母相3の空隙31の一部が封止材によって封止されたとしても、焼結層2全体では十分な気孔率を確保することができる。
なお封止材としては、具体的には、ポリシラザン、ポリシロキサン、シリカアルコキシド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドおよび各種樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の上記構成によれば、優れた熱応答特性を有してなおかつ長期の使用に耐えうる構造をもったピストンを提供し、燃料の燃焼を助けて内燃機関の燃費改善に寄与する。また、内燃機関からのデポジットやスモークの排出を抑制することに寄与する。
続いて封止層51の形成方法について説明する。封止材形成工程は、実施例1及び実施例2に記載の図6(b)および図6(c)の工程において、焼結体と基材の接合工程(S16またはS16´)、熱処理工程(S17)あるいは二次機械加工工程(S18)のいずれかの工程間で実施することとなる。本発明によれば、熱処理工程(S17)の前に封止層51を形成してもよく、二次機械加工工程(S18)の前に形成しても良く、二次機械加工工程(S18)後に形成してもよい。これらの塗布工程において、塗布した封止材をピストン表面に定着させるために熱処理工程をさらに追加しても良い。また、熱処理工程(S17)が、塗布後の封止材の乾燥を兼ねていてもよい。
封止層51の形成方法としては、例えば封止材としてポリシラザンを用いる場合、焼結体表面にポリシラザンの前駆体を含む塗布液を塗布し、400〜500℃で1〜2時間加熱して乾燥することで形成することができる。
≪実験例≫
ピストン冠面に見立てた基材を準備し、その表面に中空粒子の比率を変えた表面層を形成した試験片を作製した(実験例1〜3、参考例1および2)。得られた試験片の焼結状態、気孔率および熱応答性を評価した。
まず、実機のピストン材料に近いAl合金(JIS(Japanese Industrial Standards) 4032‐T6)を用いて円盤状の試験片(直径:75mm、厚さ:10mm)を作製し、その表面に直径30mm、深さ5mmの凹部を形成した。
焼結層2を構成する原料混合粉末(表面層の原料粉末)として、金属層30を構成する金属粒子32としてAl粒子と、中空粒子5としてSiO2粒子を混合した原料混合粉末を準備した。いずれの粒子も、平均粒子径が30μmのものを用意した。この原料混合粉末をパルス通電焼結法によって焼結し、焼結体を作製した。
図7は実施例で用いたパルス通電装置の一例を模式的に示す図である。真空チャンバ64内で、円環状のカーボンダイ62の中に上述した混合粉末(焼結層原料粉末61)を入れ、カーボンパンチ63を図6の矢印方向に駆動して荷重を負荷し、パルス電源67および電極(上部電極65および下部電極66)を介して混合粉末にパルス通電を印加し、加熱して焼結した。パルス通電焼結中は、温度、荷重およびカーボンパンチ63の押込み量をモニタリングした。
得られた焼結体を、直径30mm、厚さ3mmの形状となるように加工し、上述したアルミニウム合金試験片の凹部に設置した。焼結体とアルミニウム合金試験片とを拘束ジグを用いて固定し、熱処理炉で加熱することで両者を拡散接合した。
実験例1〜3および参考例1の焼結層の原料粉末の組成と、焼結状態および気孔率(P)の評価結果を後述する表1に示す。
本明細書において、参考例1は、本発明に係る焼結層の接合において,インサート材に焼結体よりも融点が高くならない純アルミニウムを用いたものである。
また参考例2は焼結層を持たないアルミニウム基材のみの試験片である。表1中、焼結層の気孔率Pおよび浸透拡散層の気孔率Qは、下記の式から算出した。
〔数1〕
P=100−D/D×100
〔数2〕
Q=P×{αX+β(1−X)
Figure 2020109257
ここで、Dmは測定した密度(g/cm3)であり、試験片から採取した直方体の小片から体積と重さを測定して算出した。Diは気孔を含まないバルク体の理想密度(g/cm3)であり、金属粒子(Al)と中空粒子(SiO2)の含有比率を考慮して決定した。またインサート材により気孔の一部が埋まった浸透拡散層において、αは焼結体の空隙のうちで残存している箇所の体積比率,βは中空粒子の空孔部が残存している箇所の体積比率である。xは元の焼結層の気孔の中で焼結体の空隙が占める割合を示した体積比率であり、1−xは中空粒子の空孔が占める割合を示した体積比率である。なお、中空粒子の中の空孔の比率はヘリウムガスを用いた真密度計により測定することができ、本実施例で用いた中空シリカの空孔の平均比率は59.6%であった。
図8(a)は実験例1に係る中空粒子の断面SEM観察写真であり、図8(b)は実験例1に係る焼結層2の断面SEM観察写真であり、図8(c)は図8(b)の拡大写真であり、図8(d)は焼結層2および浸透拡散層を含む表層部断面を観察した光学顕微鏡写真である。図8(b)および8(c)のSEM写真では、白色部分がAlであり、灰色部分がSiO2であり、黒色部分が空隙および空孔である。図8(b)および8(c)に示すように、焼結層ではAl粒子71間に形成された空隙中73に、中空シリカ72がその形状を保持したまま含まれていることがわかる。
実験例1〜3および参考例1で用いた焼結体は中空シリカを50体積%含ませた原料を用いて焼結時の空隙比率が32体積%となるように多孔焼結体を作製した。
その結果,焼結層に占める空隙の割合xは0.59となった。実験例1〜3で作製した試験片の断面を観察したところ、浸透拡散層では空隙が完全に埋まっているのに対して空孔が全て残っている状況が確認された(α=0およびβ=1)。このことから、焼結層の気孔率Pは54%であり、浸透拡散層の気孔率は22%であった。なお、接合時の温度はアルミニウム基材が軟化しない温度としていずれも470℃とした。
アルミニウムよりも融点が低いアルミ合金粉末をインサート材に用いた実施例1〜3では,浸透拡散層の形成により良好な接合状態を確保できたのに対し、純アルミニウム粉末をインサート材に用いた参考例1では、インサート材が溶融せずに焼結された状態で固定され,浸透拡散層は形成されなかった。
また、表面層における熱応答特性を評価するために、レーザー熱源を用いて表面層の温度を評価する熱応答評価試験を実施した。図9は実験例の熱応答性評価試験に用いた装置の模式図である。図9に示すように、評価装置は、真空チャンバ82内に設置した試験片81に対して、レーザー熱源84を用いてレーザー光を照射し、その際の試験片81の表面温度を、赤外線カメラ83を用いて測定する構成を有する。
図10(a)は実験例の熱応答評価試験におけるレーザー光の出力と時間の関係を示すグラフであり、図10(b)は実験例の熱応答評価試験における試験片の表面温度と時間の関係を示すグラフである。
図10(b)は、図10(a)におけるレーザー照射時の表面温度を表している。図10(b)において、1回目のレーザー照射時に記録されるピーク温度をT1、3回目のレーザー照射時に記録されるピーク温度をT3とした。試験片にレーザーを吸収するための黒体塗料を塗ってレーザー照射を実施した。
熱応答評価試験では、まず初めにエンジン環境を模擬するため、表面層を設けていない参考例2のアルミニウム試験片のピーク温度T1が、実際のエンジン環境に近い200℃程度となるように、レーザー照射の条件を選定した。具体的には、図10(a)に示すように、800Wのレーザーを1秒間照射して5秒間自然冷却する工程を1セットとし、合計3セットの照射を実施した。なお、赤外線カメラ83が定量的に評価できる温度の上限は500℃であるので、500℃を超えた場合は「500℃超」と表記する。ピストン冠面において燃料を瞬時に燃焼させるためには、燃料の発火点(300℃)よりも十分に高い400℃程度に加熱される必要がある。よって、この試験において、ピーク温度が400℃以上となる昇温効果を持つ表面層を選定した。実施例1〜3および参考例1〜2の熱応答性評価試験におけるT1およびT3の値を表1に併記する。
熱応答評価試験の結果、実験例1〜3はT1およびT3ともに500℃以上であったのに対し、参考例1では焼結層が一度目のレーザー照射直後に接合部で剥離して結果が得られなかった。実施例1〜3について、熱応答性評価試験後も試験片からの表面層の剥離は観測されず、良好な密着性を有することが確認された。
実験例1〜3および参考例1について、示差走査熱量法(DSC(Differential scanning calorimetry)法)を用いて重量比熱を測定し、別途測定した密度から体積比熱を算出した。体積比熱が1000kJ/m3・K以下のものを「合格」と評価した。いずれも800kJ/m3・K以下であり,合格であった。評価の結果を表1に併記する。
[ピストンの作製と燃料効率評価]
図6(a)および図6(b)に示す方法で実験例1と同じ構成を有する表面層を有するピストンを作製した。焼結体は、図6(a)の製造工程に沿って、パルス通電焼結法により、実施例1と同様に作製し、直径70mm、厚さ3mmに加工した。図6(b)の製造工程に沿って、ピストン鋳造工程(S13)で作製したアルミ合金製のピストン粗材(JIS AC8A)に一次機械加工(S14)を施し、一次機械加工時に、ピストン冠面に直径70mmの凹部を形成した。凹部にインサート材となる粉末を敷き、予め作製した焼結体を、このピストン冠面の凹部に設置し、拘束ジグにより焼結体とピストン基材とを十分に接触させ(S15)、熱処理炉で接合を実施した(S16)。その後、溶体化処理と人口時効処理(S17)を施し、二次機械加工(S18)により仕上げ形状に加工して所定の形状を有するピストンを作製した(S19)。
また、上記方法で作製したピストンに対して、二次機械加工(S18)後のピストン表面に、封止層形成工程を実施した。具体的には、二次機械加工(S18)後に、ピストン冠面にポリアミドイミドを塗布して乾燥熱処理を行い、表面付近の空隙が封孔された状態とした。ただし、元々中空シリカに含まれる空孔は閉構造であり、気孔として残存している状態である。
作製したピストンを、エンジン試験に供して燃費効率を確認した。いずれも表面層を持たないピストンに比べて燃費効率が改善したが、封止層を設けた実施例7の方がより燃料の消費が少ないことが確認できた。これは、封止層を設けた実施例7では、表面層の空隙に燃料が浸み込むことを防止することで、より高い燃焼効率が実現できるためであると考えられる。封止層が燃費効率に寄与することが確認された。
以上、本発明について簡単にまとめる。
本発明に記載の内燃機関用ピストン(100)は、基材(1)と、基材(1)上に設けられた焼結体層(2)とを有し、焼結体層(2)と基材(1)との間には前記基材(1)よりも低融点のインサート材により焼結体側に浸透拡散層を形成させた。このような構造にすることによって、空隙を焼結層2で確保したうえで基材1との密着性を確保することができる。したがって、基材との密着性および耐久性を確保し、かつ、低熱伝導性および低体積比熱を実現することが可能
また、本発明に記載の内燃機関用ピストン(100)は、焼結体(2)の主成分となる金属はアルミニウムであり、基材の主成分もアルミニウムである。このような構成にすることによってに基材1と焼結層2の主要部分を構成する金属層30を同じ金属で構成することができ、基材1とポーラス構造を有する焼結層2の界面で強固な固相接合部を形成して密着性を確保し、かつ耐久性に優れた焼結層2を作ることができる。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストン(100)は、焼結体(2)には中空粒子(5)を含む。このような構成にすることによって、母相3中の空隙31と中空粒子5の空孔50とを合わせて焼結層2全体の気孔率を十分に確保しつつ、焼結層2の強度を保つことが可能となる。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストン(100)は、焼結体(2)の気孔率が50%以上であることが好ましい。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストン(100)は、インサート材が少なくともアルミ合金を含む。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストン(100)は、インサート材に含まれるアルミ合金がAl−Mg合金である。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストン(100)は、インサート材に含まれるAl−Mg合金がAl12Mg17である。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストン(100)は、浸透拡散層の厚さが焼結体に含まれる金属粒子の平均粒径の2倍以上である方が、強度的に好ましい。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストン(100)は、浸透拡散層の空隙率が焼結体に比べて低くなっている。
また、
本発明に記載の内燃機関用ピストン(100)は、浸透拡散層の空隙率が傾斜していてもよい。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストン(100)は、焼結体層の体積比熱が1000kJ/m3・K以下であり,熱伝導率は1W/mK以下である。
また、焼結体層の厚さは50ミクロン以上、100μm以下であることが好ましい。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストンの製造方法は、 基材よりも低融点の金属をインサート材用い、インサート材が焼結体の空孔に浸透することで浸透拡散層を形成することを特徴とする。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストンの製造方法は、インサート材を溶融させて接合する際にパルス通電接合法を用いる。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストンの製造方法は、インサート材を溶融させて接合する際には外部熱源を用いてもよい。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストンの製造方法は、インサート材が粉末である。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストンの製造方法は、インサート材の粉末がAl合金を含む。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストンの製造方法は、インサート材に含まれるAlはAl−Mg合金である。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストンの製造方法は、インサート材に含まれるAl−Mg合金がAl12Mg17である。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストンの製造方法は、インサート材がシート状材料である。
また、本発明に記載の内燃機関用ピストンの製造方法は、インサート材のシート状材料にはAl合金を含む。
以上、説明したように、本発明に係る内燃機関用ピストンは、耐久性および基材との密着性を確保し、かつ、低熱伝導性および低体積比熱を実現することが可能であることが実証された。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…基材
2…焼結層
3…母相
30…金属層
31…空隙
32…金属粒子
33…ネック
4…浸透拡散層
5…中空粒子
50…空孔
51…封止層
52…焼結層の表面の封止材
53…母相の空隙に侵入した封止材
61…焼結層原料粉末
62…カーボンダイ
63…カーボンパンチ
64…真空チャンバ
65…上部電極
66…下部電極
67…パルス電源
71…Al粒子
72…中空シリカ
73…空隙
81…試験片
82…真空チャンバ
83…赤外線カメラ
84…レーザー熱源
100,100a,100b,100c…ピストン
101…ピストン冠面
102…ピストンピン受け部

Claims (24)

  1. 基材と、
    基材上に設けられた焼結体層とを有し、
    焼結体層と基材との間にはピストン基材よりも低融点のインサート材により焼結体側に浸透拡散層を形成させたことを特徴とする内燃機関用ピストン
  2. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンであって、
    焼結体の主成分は金属であることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  3. 請求項2に記載の内燃機関用ピストンであって、
    焼結体の主成分となる金属はアルミニウムであることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の内燃機関用ピストンであって、
    焼結体には中空粒子を含むことを特徴とする内燃機関用ピストン。
  5. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンであって、
    焼結体の空隙率は50%以上であることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  6. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンであって、
    インサート材は少なくともアルミ合金を含むことを特徴とする内燃機関用ピストン。
  7. 請求項6に記載の内燃機関用ピストンであって、
    インサート材に含まれるアルミ合金はAl−Mg合金であることを特徴とする内燃機関用ピストン
  8. 請求項7に記載の内燃機関用ピストンであって、
    インサート材に含まれるAl−Mg合金はAl12Mg17であることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  9. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンであって、
    浸透拡散層の厚さは焼結体に含まれる金属粒子の平均粒径の2倍以上であることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  10. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンであって、
    浸透拡散層の空隙率は焼結体に比べて低いことを特徴とする内燃機関用ピストン。
  11. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンであって、
    浸透拡散層の空隙率は傾斜していることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  12. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンであって、
    焼結体層の体積比熱は、1000kJ/m3・K以下であり,熱伝導率は1W/mK以下であることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  13. 請求項1に記載の内燃機関用ピストンであって、
    焼結体層の厚さは50ミクロン以上、100μm以下であることを特徴とする内燃機関用ピストン。
  14. 内燃機関用ピストンの製造方法であって、
    基材よりも低融点の金属をインサート材とし、
    インサート材が焼結体の空孔に浸透することで浸透拡散層を形成することを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法
  15. 請求項14に記載の内燃機関用ピストンの製造方法であって、
    インサート材を溶融させて接合する際にパルス通電接合法を用いることを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  16. 請求項14に記載の内燃機関用ピストンの製造方法であって、
    インサート材を溶融させて接合する際には外部熱源を用いることを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  17. 請求項14乃至16のいずれかに記載の内燃機関用ピストンの製造方法であって、
    インサート材は粉末であることを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  18. 請求項14乃至16のいずれかに記載の内燃機関用ピストンの製造方法であって、
    インサート材の粉末にはAl合金を含むことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  19. 請求項14乃至18のいずれかに記載の内燃機関用ピストンの製造方法であって、
    インサート材に含まれるAlはAl−Mg合金であることを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  20. 請求項19に記載の内燃機関用ピストンの製造方法であって、
    インサート材に含まれるAl−Mg合金はAl12Mg17であることを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  21. 請求項14乃至16のいずれかに記載の内燃機関用ピストンの製造方法であって、
    インサート材はシート状材料であることを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  22. 請求項21に記載の内燃機関用ピストンの製造方法であって、
    インサート材のシート状材料にはAl合金を含むことを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
  23. 請求項22に記載の内燃機関用ピストンの製造方法であって、
    インサート材に含まれるAlはAl−Mg合金であることを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法
  24. 請求項23に記載の内燃機関用ピストンの製造方法であって、
    インサート材に含まれるAl−Mg合金はAl12Mg17であることを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法。
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