JP2020106991A - 処理時間短縮機能を備えた自由曲線プログラムの処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度な加工を行うために自由曲線の形状に応じた送り速度で補間する補間装置において、送り速度を求める処理時間を短縮する。【解決手段】補間部6で求めた加工パスSPの送り速度列VSを基準データとして、同一性判定部5で加工パスSPと形状特徴比SRが所定範囲内で同一と判断された加工パスについては、出力データ再利用部8で基準区間の送り速度列VSを形状特徴比SRに応じて再利用し、当該加工パスの送り速度列を生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、数値制御工作機械で自由曲面を加工するための加工プログラムに代表される自由曲線プログラムを処理する装置に関する。自由曲線プログラムを処理する装置としては、高精度な加工を行うために自由曲線の形状に応じた送り速度を目的の出力データとする補間装置や、このような補間装置でワークを加工するのに要する推定時間を目的の出力データとする加工時間推定装置がある。
本発明は、特に、自由曲線プログラムを処理するのに要する時間を短くする処理時間短縮手段を備えた自由曲線プログラムの処理装置に関する。
数値制御工作機械で高精度な加工を行なうための補間方式として、例えば本出願人が開示した特許文献1の技術がある。また、このような方式は加工プログラムによって与えられた形状に応じて送り速度を制御するので、加工に要する時間は総移動距離を指令された送り速度で割るといった単純な式では算出できない。加工時間を正確に推定するための装置として、本出願人が開示した特許文献2の技術がある。
さて、数値制御工作機械で3次元形状を加工する場合、自由曲面を連続した複数の線分で近似した自由曲線プログラムに従って加工することが一般的である。自由曲面をできるだけ正確に表現するために、近年では1つの移動指令の移動距離を短くするようになってきた。これは、数値制御工作機械のデータ処理能力が高まり、所定時間内に処理できる移動指令数が増えてきたことによる。
所定時間内に処理できる移動指令数が増えてきたとはいえ、やはり上限はあるので、近年においても特許文献3のような処理時間短縮方式が提案されている。特許文献3の技術は、移動距離の短い複数の指令経路をひとつに圧縮して加工を行う数値制御装置において、圧縮による工具の送り速度の変化を防止し、加工精度を悪化させることなく高速に加工を行なわせる、つまり高精度加工のまま処理時間を短縮する技術である。
特開平07−239708号公報 特開2005−301440号公報 特開2011−186939号公報
補間装置については、加工プログラムの移動指令を補間周期の時間内に処理して補間指令を生成できないと、数値制御工作機械の送り軸を駆動するサーボ制御部に出力できなくなり切削動作が停止してしまう。こうなると加工時間が延びることはもとより、加工精度が悪化したりワークに切削痕が付いたりして加工面品位が極めて悪くなる。下記の加工時間推定装置と共通する指令の増加に対応することに加え、このような加工面品位の悪化を避けるためにも、近年においても一層の処理時間短縮を実現する意義はある。
一方、加工時間推定装置は主に加工計画を立案するために利用される。自由曲線プログラムでは、切削のための移動指令の移動距離が短くなってきたことに併せ、折り返し動作であるピックフィード動作のための移動指令の移動距離(ピックフィード距離)も短くなってきている。仮にピックフィード距離を半分にすると、特許文献2の装置で加工時間を推定に要する時間は約2倍になる。加工内容にもよるが、時間差にして数時間というのも珍しくはない。このような状況であるので、加工時間推定装置でも一層の処理時間短縮を実現する意義はある。
本発明では、ピックフィードも含め移動指令の移動距離が短い自由曲線プログラムの特徴に着目し、補間装置や加工時間推定装置といった自由曲線プログラムを処理する装置において自由曲線プログラムの処理に要する時間を短くする手段を開示する。
本発明は、自由曲線プログラムを自由曲線処理手段により処理して目的の出力データを得る自由曲線プログラムの処理装置において、自由曲線プログラムを1行ずつ読込み、形状特徴量の同類性が判定できる単位に区切って順次区間としていく区間化手段と、受け取った前記区間の形状特徴量を区間毎に算出し、都度対象区間の形状特徴量として出力すると共に保持する特徴量算出手段と、前記特徴量算出手段から出力された前記対象区間の形状特徴量と、前記特徴量算出手段に保持された当該対象区間の最近傍の基準区間の形状特徴量とを比較し、両者の差異が所定の範囲内であれば同一形状と判定すると共に、当該対象区間の形状特徴量を出力データ再利用手段に渡す同一性判定手段と、保持された基準区間の出力データを前記対象区間の形状特徴量に基づいて再利用し、当該対象区間の出力データとして出力する出力データ再利用手段と、を備え、前記同一性判定手段で同一形状と判定された場合には、前記出力データ再利用手段が前記基準区間の出力データを再利用して得たデータを出力する、ことを特徴とする処理時間短縮機能を備えた自由曲線プログラムの処理装置である。
望ましくは、前記同一性判定手段で同一形状でないと判定された場合には、前記自由曲線処理手段は前記対象区間を処理したデータを出力すると共に当該出力を前記基準区間の出力データとして保持し、さらに、前記特徴量算出手段に保持された特徴量のうち当該対象区間の特徴量を基準区間の特徴量としなおす、ことを特徴とする。
望ましくは、前記自由曲線プログラムの処理装置は、サーボ制御手段によりワークを加工する工作機械の数値制御装置に設けられ、前記自由曲線処理手段は、目的の出力データである補間周期毎の送り速度列を自由曲線の形状に応じて求め、該補間周期毎の送り速度列により該自由曲線上を補間して得た補間周期毎の補間位置を前記サーボ制御手段に出力する補間手段であり、前記自由曲線プログラムの処理装置は、前記サーボ制御手段から機械特性のデータを得て、当該機械特性に見合った所定の範囲を導出する判定範囲導出手段と、をさらに備え、前記特徴量算出手段は、区間の形状特徴量として区間の移動距離を順次算出し、前記同一性判定手段は、対象区間の形状特徴比として基準区間の移動距離に対する対象区間の移動距離の比を算出し、形状特徴量の比較を当該形状特徴比で行うと共に、当該対象区間の形状特徴比を前記出力データ再利用手段に渡し、前記出力データ再利用手段は、前記対象区間の形状特徴比に基づいて再利用する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記自由曲線処理手段は自由曲線の形状に応じて送り速度を求め、目的の出力データとして数値制御工作機械にてワークを加工する時間を推定して出力する加工時間推定手段であり、前記特徴量算出手段は、区間の形状特徴量として区間の移動距離を順次算出し、前記同一性判定手段は、対象区間の形状特徴量として基準区間の移動距離に対する対象区間の移動距離の比を算出し、形状特徴量の比較を当該移動距離の比で行い、前記出力データ再利用手段は、前記対象区間の形状特徴量に基づいて再利用する、ことを特徴とする。
本発明によれば、補間装置においては補間周期の時間内に処理できない懸念の高い自由曲線プログラムであるほど処理済みのデータを再利用できる可能性が高くなるので、さらに多くの指令から成る自由曲線プログラムに対応できるようになったり、加工面品位が悪化する可能性を抑えることができる。
また、加工時間推定装置においても、加工時間の推定に要する時間が長くなりそうな自由曲線プログラムであるほど処理済みのデータを再利用できる可能性が高くなる。したがって、加工時間の推定に要する時間が延びるのを抑えることができ、効率的な加工計画立案を維持することができる。
実施例1を説明するブロック図である。 実施例1を説明するフローチャートである。 自由曲面加工の送り方の例を説明する図である。 実施例1の出力データである制御周期毎の送り速度列の例示であり、(a)は、自由曲線を処理して得た加工パス(1)の速度列である。 実施例1の出力データである制御周期毎の送り速度列の例示であり、(b)は、自由曲線を処理して得た加工パス(2)の速度列である。 実施例1の出力データである制御周期毎の送り速度列の例示であり、(c)は、加工パス(1)を再利用して得た加工パス(2)の速度列である。 実施例2を説明するブロック図である。 実施例2を説明するフローチャートである。
自由曲面加工の典型として金型加工というものがある。金型とはプレス加工用や射出成型機に使われる金属製の型の事であり、例えば自動車のボディーの板金はプレス金型を使ってプレス加工されたものである。自動車のボディーの板金はボンネット部やフェンダー部などいくつかのパーツから成っているが、フェンダー部ひとつとってもサイズは大きく、デザイン性を有した多数の曲面部から成っている(デザイン性を与えるため、金型設計では曲面部を自由曲面で定義する)。
例えば数値制御工作機械で金型を切削加工する場合、一気にその形が形成されるわけではない。数値制御工作機械では切削工具とワークが触れる切削点でワークを削り取っていく。このため模式的に表した図3のように、切削点で線状に加工する、切削点をこの線とほぼ垂直方向にわずかにずらす、そしてまた切削点で線状に加工する、といった動作を何度も繰り返して、自由曲面から成っている金型が得るわけである。自由曲面を加工するので線状とは金型の設計形状に沿った自由曲線であるため、本明細書ではこのような加工プログラムを自由曲線プログラムと称す。また、切削点を線状に加工する動作を本明細書では加工送りと称し、この自由曲線の連続した加工送り動作による経路のことを加工パスと称する。切削点を線とほぼ垂直方向にずらす動作をピックフィードと称する。
ここで本発明の着想について述べる。
自由曲線プログラムにおいては、図3でも例示したように、ひとつのピックフィードを隔てた加工パスの形状どうしは似ていることが非常に多い。前述したように、近年ではピックフィードの距離が短くなってきており、0.3mmである自由曲線プログラムも多い。ピックフィード距離が0.3mm程度となると、人の目にはひとつのピックフィードを隔てた加工パスの形状は同じに見える。
自由曲線プログラムの処理装置において、自由曲線プログラムを処理して目的の出力データを得るのに時間がかかるのは、加工送り動作部の処理に時間がかかるためである。自由曲線プログラムの処理装置では目的の出力データを加工パスの形状に基づいて算出するので、加工パスの形状が同一なら得られる目的の出力データは同一になる。
これらふたつのことからピックフィード距離が短い自由曲線プログラムに対しては、自由曲線プログラムの処理装置において次のようにすることで、処理時間が短縮できる。既に目的の出力データが得られている加工パスに形状が極めて似ている加工パスに対しては、前者の加工パスの出力データを後者の加工パスの出力データとして再利用する。従来の自由曲線プログラムの処理装置は加工送り動作部の処理も加工送りの指令ごとに逐一処理を施していたため時間がかかったが、再利用する処理は指令ごとの処理より短時間で済むからである。
以上が本発明の着想である。
以下、形状が極めて似ているという同一性の判定の条件や再利用処理した場合の精度について、実用上差し支えない程度に構成した二つの実施例で、本発明を説明する。
<実施例1>
実施例1は、自由曲線の形状に応じた送り速度列を目的の出力データとする補間装置に本発明を適用した例である。
図1に実施例1のブロック図を示す。図1のすべての機能ブロックは、数値制御工作機械を制御して加工を行わしめる数値制御装置の機能ブロックである。図2は実施例1のフローチャートである。まず図1で各ブロックの動作を説明し、次に図2で動作の手順を説明する。
自由曲線プログラム1は、数値制御工作機械(図示せず)で自由曲面を加工するための加工プログラムである。その書式は1行1ブロックとして数値制御工作機械の動作を順に指令する普通の数値制御プログラムであるが、前述の「図3」のようにピックフィードを経て往復動作を繰り返すことで自由曲面を加工するよう指令が記述されている。加工パスは自由曲線を微小な直線で近似した送り指令の集まりで記述されている。加工パスはNURBS形式などによる曲線指令であってもよい。動作は往復ではない一方向であってもよく、等高線加工であってもよい。ピックフィードの指令ブロックにはピックフィードであることを示すコードが付与されている。
区間化部2は自由曲線プログラムを1行ずつ読込み連続する加工パスを1つの区間SPとして抽出する。抽出した加工パスSPは順次、特徴量算出部3に出力していく。
前述したようにピックフィードで隔てられた加工パスの形状どうしは似ているので、「形状特徴量の同類性が判定できる単位」を加工パスとしている。加工パスはピックフィード指令ブロックで区切られているので、ピックフィードであることを示すコードを認識して区切っていく。ピックフィードのない自由曲線プログラムであれば、形状特徴量の同類性が判定できる単位つまり一周分でコードを入れて区切るようにしてよい。ピックフィードであることを示すコードがない自由曲線プログラムであれば、公知の方法でピックフィード指令ブロックを認識して区切ってもよい。また、加工パスに前もしくは後ろのピックフィード指令ブロックを統一的に加えたものを区間SPとしてもよい。
特徴量算出部3は、受け取った加工パスSPの移動距離を形状特徴量SFとして順次算出していく。加工パスは微小な直線で近似した送り指令の集まりなので、加工パスの移動距離は区間SP内の送り指令の移動量を全て積算して算出する。形状特徴量SFは同一性判定部5で加工パスの形状の同一性を判定するための指標データである。算出した形状特徴量つまり移動距離を同一性判定部5に、対象区間の形状特徴量SFとして出力する。
併せて特徴量算出部3は、算出した形状特徴量SFを特徴量保持部4に保持させる。特徴量保持部4へは、どの区間のものかが特定できるよう区間番号Snを付けて、区間ごとに形状特徴量SF[Sn]と基準区間フラグSSF[Sn]を保持する。基準区間フラグSSF[Sn]はその区間が基準区間か否かを示すもので、詳細については後述する。特徴量保持部4では少なくとも1つの基準区間が存在するだけの区間分を保持すればよい。
同一性判定部5は、区間数判定と形状特徴量判定とで同一性の判定を行う。区間数判定については後の動作の流れの説明で詳述する。
形状特徴量判定とは、対象区間の形状特徴量SFと基準区間の形状特徴量SF[SS]とを比較し、両者の形状が同一か否かを判定する。対象区間の形状特徴量SFは特徴量算出部3から受け取る。基準区間の形状特徴量SF[SS]は特徴量保持部4に保持されている基準区間SSすなわち基準区間フラグSSFの立った区間SSの形状特徴量SF[SS]を読み出す(もし基準区間フラグの付いた区間が複数あったならば、その中でも順序的に最も対象区間Snに近い区間の形状特徴量とする)。
同一性判定部5での形状特徴量比較は式1の形状特徴比SRで判定幅JRを持たせて行う。判定範囲の上限JRmaxと下限JRminは判定条件記憶部10に記憶されている。なお、判定範囲の上限JRmaxと下限JRminは予め判定範囲導出部11で導出され、判定条件記憶部10に記憶される。判定範囲導出部11については後述する。
形状特徴比SR=対象区間の移動距離SF/基準区間の移動距離SF[SS] ・・・式1
形状特徴比SRが上限JRmax以下でかつ下限JRmin以上であれば、対象区間である加工パスと基準区間とした加工パス形状とは同一形状と判定する。
同一形状と判定した場合、同一性判定部5は対象区間の加工パスSPとともに前記形状特徴比SRを出力データ再利用部8に渡す。逆に同一形状でないと判定した場合には、対象区間の加工パスSPを補間部6に渡す。
補間部6は同一性判定部5から加工パスSPを受け取った場合、すなわち同一性判定部5で対象区間の加工パス形状が基準区間の加工パスの形状とは同一形状でないと判定された場合、補間部6が対象区間の補間周期毎の補間位置P[i]をサーボ制御部9に出力する。この補間位置は受け取った加工パスSPを従前の方式にて順次補間していくことで生成される。添え字iは補間周期の順番を示す。
前述のように補間部6は、高精度な加工を行うために自由曲線の部分々の形状に応じた送り速度V[i]を求める。形状がなだらかな曲率の小さい部分では送り速度を落とさずに、逆に形状が複雑で曲率の大きい部分や鋭角を持つコーナ部分では送り速度を落とす、といった具合である。この送り速度V[i]を求めるのに非常に時間がかかる。
なお、ひとつの区間分の送り速度列VOの要素を積算すると、その区間の加工パスの移動距離SFと等しくなる(式2)。
Σは積算の演算子である。説明の簡単化のため式2では、1はひとつの区間分の最初の順番を意味するものとし、mはひとつの区間分の加工パスがm個で補間されたことを意味するものとする。iが1からmまでの送り速度V[i]は、一括して保持されるので、これらを単に送り速度列VOと称することとする。
生成したひとつの加工パス分の送り速度列VOを、補間部6は基準区間の出力データ保持部7に保持する。さらに補間部6は、受け取った加工パスを基準としたことを同一性判定部5が認識できるように、特徴量保持部4に保持されている該当する区間番号SSの基準区間フラグSSF[SS]をONする。つまり基準区間の出力データ保持部7に保持されたデータは基準区間の送り速度列VSとなり、式2は式3のように書き換えることができる。
一方、出力データ再利用部8が同一性判定部5から加工パスSPと形状特徴比SRを受け取った場合、すなわち同一性判定部5で対象区間の加工パス形状が基準区間の加工パスの形状と同一形状と判定された場合、出力データ再利用部8が対象区間の補間周期毎の補間位置P[i]をサーボ制御部9に出力する。この補間位置P[i]は基準区間の出力データ保持部7に既に保持されている基準区間の送り速度列VSを再利用して生成される。以下に出力データ再利用部8の再利用について詳説する。
対象区間の加工パスの開始点P[0]から、まずV’[1]のところで補間しP[1]を生成する。次にP[1]からV’[2]のところで補間しP[2]を生成する。V’[j]は式4から求める。これを基準区間の速度列の要素数mまで繰り返す。
V’[j]=形状特徴比SR*基準区間の送り速度Vs[j] ・・・式4
V’[j]=形状特徴比SR*基準区間の送り速度Vs[m+1−j] ・・・式5
式4は往復加工動作で対象区間が基準区間と同じ方向、あるいは一方向動作や等高線加工の場合の式である。往復加工動作の場合で対象区間が基準区間と反対の方向の場合は式5で求める。式5の添え字式は、時間軸においてデータの並び順を反転することを表している。
形状特徴比SRは式1で求めた値である。したがって式6が成り立ち、対象区間の加工パスはちょうどm回の補間がなされる。
基準区間の速度VSは、基準区間の出力データ保持部7に保持されている速度列である。出力データ再利用部8はV’[j]を当該の速度列VSを利用して乗算で求めるので、補間部6の従前の方式と比べてきわめて短時間で処理が済む。
以上が出力データ再利用部8の再利用の説明である。
サーボ制御部9は、補間部6あるいは出力データ再利用部8の必ずどちらかから補間位置P[i]を補間周期毎に受け取り、これらの補間位置P[i]に従って数値制御工作機械を制御する。これにより自由曲線プログラム1どおりにワークが加工される。
判定範囲導出部11は同一性判定部5での判定条件を導出し、判定条件記憶部10に記憶しておく。この判定条件は次のように導出する。
判定範囲の上限JRmax=1.0+(「許容加速度マージン率AM」−1.0)/2 ・・・式7
判定範囲の上限JRmin=1.0−(「許容加速度マージン率AM」−1.0)/2 ・・・式8
許容加速度とは数値制御工作機械の機械特性を表すサーボパラメータのひとつであり、送り加速度つまり送り速度の単位時間当たりの変化量が通常この許容加速度を越えないように制御される。許容加速度マージン率AMも機械特性を表すサーボパラメータのひとつであり、機械的ダメージを受けるような限界の加速度を許容加速度との比で表したものである。許容加速度マージン率AMは1より大きな値であるが、大きくてもせいぜい1.2程度である。この1.2が加速度マージン率であった場合、判定範囲の上限JRmaxと下限JRminはそれぞれ式7と式8から1.1と0.9という値となる。補間部6で補間した結果がもし許容加速度を越えてしまっても、まだ「許容加速度マージン率」の半分のマージンが残るので、実用上の問題はない。判定条件記憶部10に記憶された判定範囲の上限JRmaxと下限JRminは、前述の同一性判定部5で参照される。
以上が図1のブロック図を使った実施例1の説明である。
以下、図2のフローチャートで実施例1の動作の流れを説明する。図3はあくまで模式図ではあるが、加工パス(2)が加工パス(1)と同一形状であり、加工パス(3)は加工パス(1)と同一形状ではないという前提で、最初の3つの加工パスを中心に動作の流れを説明していく。図3の加工パスの括弧書きの番号は区間番号であり、区間を区別するために以下の説明にも使用する。
なお、説明の簡単化のために自由曲線プログラム1には切削送り指令しかないものとする。言い換えれば、普通には存在するアプローチや逃げの位置決め指令やSTMコードなどの補助指令はないものとする。また、ピックフィードは切削送りで指令されているものとする。ピックフィードはその部分の出力データを再利用しないものとして説明するが、ピックフィードも加工パスと分けたうえで加工パスと同様な方法で再利用すれば実現可能である。あるいは、ピックフィードを前なら前、後ろなら後ろと統一的に加工パスに繰り込んで区間としてもよい。
まず、数値制御装置自体の電源投入直後など本発明でのプログラム運転起動(ステップS101)に先立って、判定範囲導出部11は同一性判定部5での判定条件、すなわち判定範囲の上限JRmaxと下限JRminを導出して(式7、式8)おき、判定条件記憶部10に記憶しておく(ステップS100)。
機械オペレータによって自由曲線プログラム1が選択された後にプログラム運転が起動されると(ステップS101、Yes)、ステップS102にて最初の加工パスを取り込み、基準区間SPとする。本発明では通常の方法で処理して得た出力データを基準としてそれを再利用することで処理時間を短縮するので、まずはその基準データを確定しておくためである。
手順としては、区間化部2は自由曲線プログラム1を1ブロックずつ読込み、ピックフィードであることを示すコードが現れたら、その前ブロックまでの指令をひとつの加工パスSP(1)とする。そして特徴量算出部3はこの加工パスの各ブロックの送り指令の移動量を全て積算して移動距離SF(1)を求める。特徴量算出部3は特徴量保持部4に、区間番号に最初の加工パスとして1を、この移動距離SF(1)を形状特徴量SF[1]に、さらに基準区間フラグSSF[1]をONして保持する。この最初の加工パスSP(1)の指令は補間部6で処理され、補間部6は処理して得た送り速度列VO(1)を基準区間の出力データ保持部7に保持しておく。
ステップS103からステップS113までは、自由曲線プログラム1を区間単位で最後まで順次処理するためのループ処理である。ステップS113にてM02などのプログラムエンドコードが検出されたら終了する。次は区間番号2について説明する。
ステップS103では、次の加工パスとして区間番号を1増やし、区間化部2は自由曲線プログラム1を次のブロックから1ブロックずつ読込み込んでいく。ピックフィードであることを示すコードが現れたら、その前ブロックまでの指令をひとつの加工パスとする。これを対象区間の加工パスSP(2)とする。
そして特徴量算出部3は対象区間の加工パスSP(2)の各ブロックの送り指令の移動量を全て積算して移動距離SR(2)を求める(ステップS104)。特徴量算出部3は特徴量保持部4に区間番号2を、この移動距離SF(2)を形状特徴量SF[2]に、さらに基準区間フラグSSF[2]をOFFして保持する(ステップS105)。
ステップS106は、同一性判定部5における区間数判定である。基準区間から所定の区間数が隔たったかを判定する。所定の区間数はあらかじめ設定される数で、例えば4なら、対象区間の区間番号と基準区間の区間番号の差が4となった場合には、YesとなりステップS110に移行する。これにより形状特徴量判定で同一形状と判定され続けたとしても5区間ごとに基準区間パスとなり、移動距離で形状特徴量判定することに対して、加工パスの形状が徐変していくが故に同一性の判定を誤る危険性が軽減される。なお所定の区間数は、あらかじめ設定される距離をピックフィード距離で除した数としてもよい。以下では所定の区間数を4として説明する。
対象区間番号が2なのでステップS107に移行する。同一性判定部5は式1で説明したように、対象区間の距離を基準区間の距離で除して形状特徴比SR(2)を求める。
ステップS108は、同一性判定部5における形状特徴量判定である。判定条件記憶部10の範囲の上限JRmaxと下限JRminを参照し、形状特徴比SR(2)が範囲内つまり上限JRmax以下でかつ下限JRmin以上であれば、対象区間の加工パスと基準区間の加工パスの形状は同一と判定し、ステップS109に移行する。逆に範囲外であれば、ステップS110に移行する。
ステップS109は、形状が同一と判断された場合に出力データ再利用部8にて実行されるステップである。基準区間の出力データ保持部7に保持されている基準区間の送り速度列VS(1)から対象区間の加工パスの速度V’(2)[j]を式5により順次算出する。この速度列を使って加工パスを補間していき、補間位置P[i]を補間周期毎に順次サーボ制御部9に出力する。
ここまでが区間番号2の説明である。次に区間番号3について説明する。
ステップS103からステップS106を経てステップS107は区間番号2と同様である。ステップS108では範囲外となり、ステップS110へ移行する。
ステップS110は、形状が同一と判断されなかった場合に補間部6にて実行されるステップである。従前の方式で対象区間の速度列VO(3)を求め、この速度列を使って加工パスを補間していき、補間位置を補間周期毎に順次サーボ制御部9に出力する。求めた速度列は、基準区間の出力データ保持部7に保持する(ステップS111)。補間部6はさらに特徴量保持部4にある対象区間の、すなわち区間番号3の区間番号を持つ基準区間フラグSSF[3]をONする(ステップS111)。
以上が区間番号3の説明である。特徴量保持部4にある基準区間フラグSSF[3]がONとなることで区間番号3の加工パス(3)が新たな基準区間となり、送り速度列VO(3)は基準区間の速度列VSとして以降の区間番号の処理で再利用することができる。この基準区間の加工パスと同一形状と判断されたならば区間番号2で説明したのと同様な手順で、同一形状ではないと判断されたならば区間番号3で説明したのと同様な手順となる。
なお、同一性判定部5における区間数判定の所定の数が4で、基準区間が加工パス(1)であった場合、仮に加工パス(2)〜(6)が形状特徴量判定で加工パス(1)と同一形状という条件に合致しても、区間数判定により加工パス(5)が加工パス(1)の次の基準区間になる。そして加工パス(6)は加工パス(5)の出力データを再利用することになる。ところで、補間部6が送り指令に対するオーバーライド変更に対応しており、加工パスの途中でオーバーライドが変わった場合は、区間数で基準を更新するだけでなくオーバーライドが変わったタイミングも考慮して、基準区間を更新するようにしてもよい。
最後に、実施例1の出力データである送り速度列の具体例を図4(a)から(c)の棒グラフで掲載しておく。
図4(a)と図4(b)はいずれもひとつの区間分の加工パス(図示せず)の送り速度列の補間周期毎のグラフであり、従前の方式にて順次補間していくことで生成されたものである。前述のように形状がなだらかな曲率の小さい部分では送り速度を落とさずに、逆に形状が複雑で曲率の大きい部分や鋭角を持つコーナ部分では送り速度を落とす、といった具合で生成されるので送り速度は変動している。
さらに言えば、図4(a)と図4(b)との元の加工パスはひとつの自由曲線プログラムの隣接する加工パスである。なお自由曲線プログラムは往復動作しているので横軸の時系列は反転している。図4(c)の送り速度グラフは図4(b)の元の加工パスを実施例1で処理した結果である。この図4(c)の送り速度グラフが得られる過程を説明する。
図4(a)と図4(b)の元の加工パスをそれぞれ加工パス(1)と加工パス(2)として、いま加工パス(1)が基準区間で確定したとする。これまでの主たる状況は以下のとおりとする。
・判定範囲の上限JRmax=1.1、判定範囲の下限JRmin=0.9
・区間数判定の所定の数=4
・形状特徴量である移動距離SF(1)=特徴量保持部4のSF[1]=148,647mm
・基準区間の出力データ保持部7の送り速度列VS要素:図4(a)の各送り速度
さて、区間化部2で区間化された加工パス(2)について、特徴量算出部3は加工パス(2)の移動距離を積算し形状特徴量SF(2)とする。
・形状特徴量である移動距離SF(2)=148,549mm
次に同一性判定部15で形状特徴比SR(2)を求める。
・形状特徴比SR(2)=SF(2)/SF[1]=148,549mm/148,647mm=0.99934071996071229153632431196055
さらに同一性判定部15で形状特徴量判定を行う。
・上限JRmax≧形状特徴比SR(2)≧下限JRmin
なので、形状が同一と判断される。
したがって出力データ再利用部8にて基準区間の出力データ保持部7に保持されている基準区間の送り速度列VS(1)から対象区間の加工パスの速度V’(2)[j]を、往と復なので式5により順次算出する。このようにして、図4(c)の送り速度列が得られる。
同じ加工パス(2)について、図4(c)すなわち加工パス(1)の速度列を再利用して得た速度列と図4(b)すなわち自由曲線を処理して得た速度列とは、実用上差し支えない程度に似ている。一方、速度列を得た過程は異なっており、図4(b)を得るのに比べ図4(c)を得る処理量はきわめて少なく短時間で済む。
なお、これまで説明した第1の実施例では、同一性判定部5にて同一形状でないと判定された場合には、その加工パスを基準の加工パスとするが、これ以外の構成としてもよい。例えば、加工パスと基準区間をその中のコーナ形状で区切ってそれぞれ細分化し、細分化した各区間同士で再度同一性判定をしてもよい。加工パス全域ではないが、その一部だけでも再利用できる可能性が広がる。あるいは、同様の目的で、基準区間と対象区間の加工パスの高さ方向の差分の偏差を速度列要素ごとに求め、偏差の総和に対する各偏差の比に応じて、速度列要素ごとの再利用係数(式4あるいは式5の形状特徴比SRに相当するもの)を決定してもよい。コーナ形状で区切るよりさらに細分化され、その処理時間もかかるようになるが、それでも補間部6で送り速度を求めるよりは、処理時間が短縮される可能性は十分に高い。
<第2の実施例>
実施例2は、ワークを加工するのに要する時間を推定する加工時間推定装置に本発明を適用した例である。
図5に実施例2のブロック図を示す。図5のすべての機能ブロックは一般的なパーソナルコンピュータで動作する。当該のパーソナルコンピュータには加工プログラムを生成する機能が組み込まれていてもよい。あるいは実施例2は数値制御工作機械を制御して加工を行わしめる数値制御装置に組み込まれていてもよい。図6は実施例2のフローチャートである。まず図5で各ブロックの動作を説明し、次に図6で動作の手順を説明する。
自由曲線プログラム1、区間化部2、特徴量算出部3、特徴量保持部4は、実施例1の図1と同じなので詳細な説明を割愛する。これらの機能ブロックにより、加工パスSPが順次区間化され、各加工パスSPの形状特徴量SFとして移動距離が算出され、特徴量保持部4に保持される。
同一性判定部15は区間数判定で同一性の判定を行う。区間数判定とは対象の区間が基準区間から所定の区間数が隔たったかを判定するもので、所定の区間数より少なければ対象の区間は基準区間と同一形状とみなす。所定の区間数は装置オペレータが所望する処理時間短縮の程度に応じてあらかじめ設定される。この区間数の値が大きいほど処理時間が短縮されるが、加工時間の推定誤差は大きくなる。2〜4が実用的である。
同一性判定部15はまた、形状特徴量比SRを式1で算出する。
同一性判定部15は、同一形状と判定した場合、前記形状特徴比SRを出力データ再利用部18に渡す。逆に同一形状でないと判定した場合には、対象区間の加工パスSPを加工時間推定部16に渡す。
加工時間推定部16は同一性判定部15から加工パスSPを受け取った場合、すなわち同一性判定部15で対象区間の加工パス形状が基準区間の加工パスの形状とは同一形状でないと判定された場合、受け取った加工パスSP基づき従前の方式にて加工時間TCを推定する。この加工時間TCを加工時間積算部19に出力すると共に、基準区間の出力データ保持部17に保持する。さらに加工時間推定部16は、受け取った加工パスを基準としたことを同一性判定部15が認識できるように、特徴量保持部4に保持されている該当する区間番号SSの基準区間フラグSSF[SS]をONする。つまり基準区間の出力データ保持部17に保持されたデータは基準区間の加工時間TCSとして扱われる。
一方、出力データ再利用部18が同一性判定部15から形状特徴比SRを受け取った場合、すなわち同一性判定部15で対象区間の加工パス形状が基準区間の加工パスの形状と同一形状と判定された場合、出力データ再利用部18が加工時間TCを加工時間積算部19に出力する。この加工時間TCは基準区間の出力データ保持部17に既に保持されている基準区間の加工時間TCSを式9のように再利用して生成される。
加工時間TC=形状特徴比SR*基準区間の加工時間TCS ・・・式9
このように、加工時間TCを基準区間の出力データ保持部17に保持されている基準区間の加工時間TCSを利用して乗算で求めるので、加工時間推定部16の従前の方式と比べてきわめて短時間で処理が済む。
加工時間積算部19は、加工時間推定部16あるいは出力データ再利用部18の必ずどちらかから区間分すなわち加工パス分の加工時間TCを受け取り、都度積算していく。これにより最終的に自由曲線プログラム1の推定された加工時間が導かれる。
以上が図5のブロック図を使った実施例2の説明である。
以下、図6のフローチャートで実施例2の動作の流れを説明する。図3はあくまで模式図ではあるが、各加工パスは形状が似ているという前提で、かつ同一性判定部15における区間数判定の所定の区間数は3として、最初の4つの加工パスを中心に動作の流れを説明していく。図3の加工パスの括弧書きの番号は区間番号であり、区間を区別するために以下の説明にも使用する。なお、説明の簡単化のために実施例1と同様な前提もおく。
まず、装置オペレータによって自由曲線プログラム1が選択された後、本加工時間推定装置が起動されると(ステップSS)、ステップS200にて加工時間積算部19は推定する加工時間積算値(以下、加工時間積算値と称する)の値をゼロで初期化する。続いてステップS201にて最初の加工パスを取り込み、基準区間SPとする。本発明では通常の方法で処理して得た出力データを基準としてそれを再利用することで処理時間を短縮するので、まずはその基準データを確定しておくためである。
手順としては、区間化部2は自由曲線プログラム1を1ブロックずつ読込み、ピックフィードであることを示すコードが現れたら、その前ブロックまでの指令をひとつの加工パスSP(1)とする。そして特徴量算出部3はこの加工パスの各ブロックの送り指令の移動量を全て積算して移動距離SF(1)を求める。特徴量算出部3は特徴量保持部4に、区間番号に最初の加工パスとして1を、この移動距離SF(1)を形状特徴量SF[1]に、さらに基準区間フラグSSF[1]をONして保持する。この最初の加工パスSP(1)の指令は加工時間推定部16で処理され、加工時間推定部16は処理して得た加工時間TC(1)を基準区間の出力データ保持部17に保持しておく。
ステップS202からステップS212までは、自由曲線プログラム1を区間単位で最後まで順次処理するためのループ処理である。ステップS212にてM02などのプログラムエンドコードが検出されたら、加工時間積算部19は加工時間積算値を表示して(ステップS213)終了する。次は区間番号2について説明する。
ステップS202では、次の加工パスとして区間番号を1増やし、区間化部2は自由曲線プログラム1を次のブロックから1ブロックずつ読込み込んでいく。ピックフィードであることを示すコードが現れたら、その前ブロックまでの指令をひとつの加工パスとする。これを対象区間の加工パスSP(2)とする。
そして特徴量算出部3は対象区間の加工パスSP(2)の各ブロックの送り指令の移動量を全て積算して移動距離SR(2)を求める(ステップS203)。特徴量算出部3は特徴量保持部4に区間番号2を、この移動距離SF(2)を形状特徴量SF[2]に、さらに基準区間フラグSSF[2]をOFFして保持する(ステップS204)。
ステップS205は、同一性判定部15における区間数判定である。基準区間から所定の区間数が隔たったかを判定する。加工パス(2)は基準区間である区間(1)と1つしか隔たっていないのでステップS206に移行する。
ステップS206で同一性判定部15は、式1で説明したように対象区間の距離を基準区間の距離で除して形状特徴比SR(2)を求める。
ステップS207は形状が同一と判断された場合に出力データ再利用部18にて実行されるステップである。基準区間の出力データ保持部17に保持されている基準区間の加工時間TCS(1)から、対象区間の加工時間TC(2)を式9により算出する。このときの形状特徴比はSR(2)を参照する。加工時間TC(2)は加工時間積算部19に出力され、加工時間積算部19はこれを加工時間積算値に加算する(ステップS211)。
ここまでが区間番号2の説明である。次の区間番号3は区間番号2と同様な手順であり、基準区間の加工時間TCS(1)を利用して加工時間TC(3)が出力される。次に区間番号4について説明する。
ステップS202からステップS204は区間番号2と同様である。ステップS205では範囲外となり、ステップS208へ移行する。
ステップS208は、形状が同一と判断されなかった場合に加工時間推定部16にて実行されるステップである。従前の方式で対象区間の加工時間TC(4)を求め、加工時間積算部19に出力する。求めた加工時間TC(4)は、基準区間の出力データ保持部17に保持する(ステップS209)。加工時間推定部16はさらに特徴量保持部4にある対象区間の、すなわち区間番号4の区間番号を持つ基準区間フラグSSF[4]をONする(ステップS210)。加工時間TC(4)を受けた加工時間積算部19はこれを加工時間積算値に加算する(ステップS211)。
以上が区間番号4の説明である。特徴量保持部4にある基準区間フラグSSF[4]がONとなることで区間番号4の加工パス(4)が新たな基準区間となり、この加工時間TC(4)は基準区間の加工時間TCSとして以降の区間番号の処理で再利用することができる。なお、さらに次の新たな基準区間になるのは区間番号7である。
以上が図6のフローチャートによる実施例2の動作の流れの説明である。
実施例1と同様、加工時間推定部16で加工時間TCを得る処理に比べ、基準区間の加工時間TCSを利用して加工時間TCを求める方が処理量はきわめて少なく短時間で済む。
なお、加工時間推定の対象となる補間装置が実施例1であれば、同一性判定部15に該補間装置と同じ所定の区間数にした区間数判定に加え該補間装置と同じ判定範囲にした形状特徴量判定を備えるようにすると、推定した加工時間の正確性が増す。
また、加工時間推定部16で処理して加工時間を求めた基準区間を、実施例2の基準区間(第1の基準区間)に対して所定数離れた第2の基準区間を確定しておき、第1の基準区間の加工時間から第2の基準区間の加工時間へと単調に変化していると仮定して、第1の基準区間と第2の基準区間の間の区間の加工時間を内挿して求めるように構成することは容易である。実施例2と同程度の処理時間短縮効果を維持したうえで、第1の基準区間の出力データだけを再利用する実施例2より推定した加工時間の正確性が増すことが期待できる。
SP 区間(加工パス)、SF 形状特徴量(移動距離)、SS 基準区間、SR 形状特徴比(移動距離比)、JR 判定範囲、P[i] 補間周期毎の補間位置、V[i] 補間周期毎の送り速度、VO 対象区間の送り速度列、VS 基準区間の送り速度列、JR 判定範囲、AM 機械特性(加速度マージン率)、TC 対象区間の加工時間、TCS 基準区間の加工時間。

Claims (4)

  1. 自由曲線プログラムを自由曲線処理手段により処理して目的の出力データを得る自由曲線プログラムの処理装置において、
    自由曲線プログラムを1ブロックずつ読込み、形状特徴量の同類性が判定できる単位に区切って順次区間としていく区間化手段と、
    受け取った前記区間の形状特徴量を区間毎に算出し、都度対象区間の形状特徴量として出力すると共に保持する特徴量算出手段と、
    前記特徴量算出手段から出力された前記対象区間の形状特徴量と、前記特徴量算出手段に保持された当該対象区間の最近傍の基準区間の形状特徴量とを比較し、両者の差異が所定の範囲内であれば同一形状と判定すると共に、当該対象区間の形状特徴量を出力データ再利用手段に渡す同一性判定手段と、
    保持された基準区間の出力データを前記対象区間の形状特徴量に基づいて再利用し、当該対象区間の出力データとして出力する出力データ再利用手段と、
    を備え、
    前記同一性判定手段で同一形状と判定された場合には、
    前記出力データ再利用手段が前記基準区間の出力データを再利用して得たデータを出力する、
    ことを特徴とする処理時間短縮機能を備えた自由曲線プログラムの処理装置。
  2. 請求項1に記載の処理時間短縮機能を備えた自由曲線プログラムの処理装置であって、
    前記同一性判定手段で同一形状でないと判定された場合には、
    前記自由曲線処理手段は前記対象区間を処理したデータを出力すると共に当該出力を前記基準区間の出力データとして保持し、さらに、前記特徴量算出手段に保持された特徴量のうち当該対象区間の特徴量を基準区間の特徴量としなおす、
    ことを特徴とする処理時間短縮機能を備えた自由曲線プログラムの処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の処理時間短縮機能を備えた自由曲線プログラムの処理装置であって、
    前記自由曲線プログラムの処理装置は、サーボ制御手段によりワークを加工する工作機械の数値制御装置に設けられ、
    前記自由曲線処理手段は、目的の出力データである補間周期毎の送り速度列を自由曲線の形状に応じて求め、該補間周期毎の送り速度列により該自由曲線上を補間して得た補間周期毎の補間位置を前記サーボ制御手段に出力する補間手段であり、
    前記自由曲線プログラムの処理装置は、
    前記サーボ制御手段から機械特性のデータを得て、当該機械特性に見合った所定の範囲を導出する判定範囲導出手段と、
    をさらに備え、
    前記特徴量算出手段は、区間の形状特徴量として区間の移動距離を順次算出し、
    前記同一性判定手段は、対象区間の形状特徴比として基準区間の移動距離に対する対象区間の移動距離の比を算出し、形状特徴量の比較を当該形状特徴比で行うと共に、当該対象区間の形状特徴比を前記出力データ再利用手段に渡し、
    前記出力データ再利用手段は、前記対象区間の形状特徴比に基づいて再利用する、
    ことを特徴とする処理時間短縮機能を備えた自由曲線プログラムの処理装置。
  4. 請求項1又は2に記載の処理時間短縮機能を備えた自由曲線プログラムの処理装置であって、
    前記自由曲線処理手段は自由曲線の形状に応じて送り速度を求め、目的の出力データとして数値制御工作機械にてワークを加工する時間を推定して出力する加工時間推定手段であり、
    前記特徴量算出手段は、区間の形状特徴量として区間の移動距離を順次算出し、
    前記同一性判定手段は、対象区間の形状特徴量として基準区間の移動距離に対する対象区間の移動距離の比を算出し、形状特徴量の比較を当該移動距離の比で行い、
    前記出力データ再利用手段は、前記対象区間の形状特徴量に基づいて再利用する、
    ことを特徴とする処理時間短縮機能を備えた自由曲線プログラムの処理装置。
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