JP2020105854A - 引き戸駆動装置および引き戸 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明の引き戸は、スライド可能な戸体と、前記戸体をスライド移動させる前述した本発明の引き戸駆動装置とを備えている
ことを特徴とする。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本実施形態に係る引き戸1は、建物躯体の開口に設置されて室内外を区画するものであり、枠体2と、枠体2内にスライド可能に配置された戸体3とを備え、更に戸体3をスライド移動させる引き戸駆動装置10が設置されている。
以下の説明において、引き戸1の左右方向をX軸方向とし、引き戸1の上下方向をY軸方向とし、引き戸1の見込み方向(室内外方向)をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交している。
戸体3は、上框31、下框32、左右の縦框33および面材34を框組みして構成されている。図1において左側の縦框33が戸先側縦框であり、図1において右側の縦框33が戸尻側縦框である。
上框31には、図4に示すように断面コ字状のガイド溝部311が形成されており、このガイド溝部311に上レール211が配置されている。左右の縦框33の上端部には、図5に示すように、上レール211の両側面に隙間を隔てて当該上レール211を挟む摺動片331と、上レール211に沿ってX軸方向に走行可能に摺動片331に軸支された戸車35とが設置されている。また、縦框33の上端部にはキャップ部材332が取り付けられており、キャップ部材332にはロッド333がY軸方向に沿って立設され、ロッド333に沿って付勢部材としてのバネ部材334が設けられている。摺動片331はロッド333に上下移動可能に装着され且つバネ部材334に上方に弾性付勢されている。このため、戸車35は摺動片331とともに上レール211側に向かって上方に弾性付勢されている。戸車35の周面には断面略V字状の溝部351が形成されているので、前記弾性付勢によって上框31はZ軸方向において位置決めされる。また、上框31は、このような戸車35を備えることで、後述するフリクションローラ15に押し付けられてもZ軸方向の位置ズレを抑制可能な構成とされている。
このように構成された付勢装置13では、調整ロッド131の回転操作によりナット135の位置をZ軸方向において可動前板部121に接近させると、バネ部材132が圧縮され、当該バネ部材132の可動前板部121に対する室外側への付勢力が増大する。一方、調整ロッド131の回転操作によりナット135の位置をZ軸方向において可動前板部121から離間させると、バネ部材132への圧縮が緩和され、当該バネ部材132の可動前板部121に対する室外側への付勢力が減少する。このように、調整ロッド131の回転操作によってバネ部材132の可動枠12に対する付勢力を調整可能である。
フリクションローラ15は、回転駆動軸143に取り付けられており、装着板部124よりも下方に配置されている。このため、フリクションローラ15は前述した段付きビス16よりも低い位置に配置されている。フリクションローラ15は、その周面151が上框31の室外面部に摩擦接触可能に形成されていればよく、例えばウレタンローラ、ゴムローラ等によって構成される。このフリクションローラ15は、回転駆動軸143の回転駆動により、当該回転駆動軸143の回転軸心C(戸体3のスライド方向に直交する回転軸心)を中心として回転する。
引き戸1の閉鎖状態において、引き戸駆動装置10のモーターユニット14を作動させてフリクションローラ15が回転し、この回転力がフリクションローラ15の周面151に摩擦接触する上框31にX軸方向の移動力として伝達され、戸体3が戸尻側にスライド移動して引き戸1が開放される。
また、引き戸1の開放状態において、引き戸駆動装置10のモーターユニット14を作動させてフリクションローラ15を逆方向に回転し、この回転力がフリクションローラ15の周面151に摩擦接触する上框31にX軸方向の移動力として伝達され、戸体3が戸先側にスライド移動して引き戸1が閉鎖される。
ここで、引き戸駆動装置10では、調整ロッド131の回転操作によりバネ部材132の可動枠12に対する付勢力を調整することで、フリクションローラ15の戸体3に対する押付力を設定可能である。この押付力は、例えば枠体2および戸体3の間に人や物が挟まれた場合に戸体3に加えられる力とフリクションローラ15の戸体3に対する摩擦係数との関係において設定され、当該設定により戸体3の移動力が150N以下となるように設定されてもよい。150N以下とする設定は、住宅用窓シャッター技術基準(日本シャッタードア協会、日本サッシ協会)の障害物感知性(電動タイプ)として感知力150N以下で停止または反転動作をすることや、JIS規格(JISA7422 5.5.7.3 静的動力の限度値)などの基準に対応したものである。この場合、戸体3に加えられる力が設定された移動力より大きくなると、回転するフリクションローラ15が戸体3に対して滑りを生じ、これにより、戸体3のスライド移動が停止される。
前記実施形態では、上框31の室外面部にフリクションローラ15の周面151を摩擦接触させているが、例えば図6に示すように、上框31の室外面部のうちフリクションローラ15の周面151が摩擦接触する部分に摩擦テープ36を設けてもよく、これにより、フリクションローラ15の戸体3に対する摩擦抵抗を増大させてもよい。摩擦テープ36の表面には、梨地処理やヘアライン加工などの凹凸処理が施されていてもよい。なお、摩擦テープ36は、上框31の全長に沿って設けられてもよいが、例えば上框31の戸先側の端部側、戸尻側の端部側などに部分的に設けられていてもよく、また、摩擦テープ36の長手方向における異なる領域ごとに摩擦力が異なるように梨地処理や凹凸処理の粗さなどが異なっていてよい。
前記実施形態では、引き戸駆動装置10は、戸体3に対して室外側に配置されているが、室内側に配置されていてもよい。また、引き戸駆動装置10は、フリクションローラ15が上框31に摩擦接触するように引き戸1の上部に設置されているが、例えばフリクションローラ15が戸体3の下框32に摩擦接触するように引き戸1の下部に設置されてもよい。
前記実施形態では、可動枠12は固定枠11に対して段付きビス16を介して回動するピボット式の構成とされているが、これに限らず、可動枠12が固定枠11に対してZ軸方向にスライド移動するスライド式の構成とされていてもよい。この場合、付勢装置13は、例えばバネ部材132を引張コイルバネによって構成し、可動枠12を戸体3側に付勢する構成とされてもよい。
前記実施形態では、調整ロッド131を回転させることでナット135の室内外位置を調整する構成とされているが、例えば調整ロッド131を固定枠11に固定し、ナット135を回転させてその室内外位置を調整する構成とされていてもよい。また、調整ロッド131は、固定枠11ではなく可動枠12に螺合していてもよく、この場合、固定枠11には、調整ロッドが貫通する貫通孔が形成されていてもよい。
前記実施形態では、調整ロッド131が可動枠12を貫通しているが、可動前板部121を固定前板部111に近接配置させて引き戸駆動装置10の小型化を図る必要がない場合には、調整ロッド131は可動枠12を貫通していなくてもよい。
前記実施形態では、戸体3において戸車35を上レール211に向かって付勢することで、上框31の室内外方向における位置決めを行っているが、他の位置決め機構を備えている場合には、戸車35を前述したように付勢しなくてもよい。
前記実施形態では、引き戸駆動装置10は一つのフリクションローラ15を備えて構成されているが、例えば三枚の戸体が連動する三枚連動引き戸に対して引き戸駆動装置10を設置する場合には、引き戸駆動装置10を図7に示す変形例のように構成変更してもよい。図7に示す引き戸駆動装置10は、フリクションローラ15に対してX軸方向に離間した位置に配置された従動フリクションローラ55を備えている。固定枠11の固定前板部111と、可動枠12の可動前板部121は、X軸方向に長く延びて形成されており、可動枠12には、従動フリクションローラ55を回転可能に支持した支持部56が設けられている。そして、従動フリクションローラ55はフリクションローラ15に回転伝達ベルト57によって回転連動可能に連結されている。回転伝達ベルト57は、フリクションローラ15が取り付けられた回転駆動軸143と、従動フリクションローラ55が取り付けられた支持部56の回転軸58とに掛け回されている。このように構成された引き戸駆動装置10では、モーターユニット14の作動によってフリクションローラ15が回転し、この回転が回転伝達ベルト57を介して従動フリクションローラ55に伝達され、従動フリクションローラ55も回転する。このため、図7(A)に示す位置にある戸体3をフリクションローラ15によってスライド移動させ、戸体3が図7(B)に示す位置まで移動する際に従動フリクションローラ55を戸体3に摩擦接触させ、従動フリクションローラ55によって戸体3を図7(C)に示す位置までスライド移動させる。このように、戸体3をX軸方向に沿って長い距離をスライド移動させることができ、三枚連動引き戸に対しても、引き戸駆動装置10を適切に動作するように設置可能である。
前記実施形態では、前記引き戸1は、下框32の戸車(図示省略)が下枠22の下レールに沿ってX軸方向に走行する下戸車タイプの構成とされているが、これに限らず、例えば図8(A)に示すように戸体3が上枠21にX軸方向に上吊り支持された上吊りタイプの構成とされた引き戸1Aであってもよく、また、例えば図8(B)に示すように枠体に形成されたスライド溝21A,22Aに戸体3が嵌合するどぶ溝タイプの構成とされた引き戸1Bであってもよい。
前記実施形態では、引き戸1が、枠体2および戸体3を備えて構成されているが、例えば枠体2を備えず、戸体3が建物躯体の開口にスライド可能に設置される場合には、引き戸駆動装置10の固定枠11は建物躯体に固定されてもよく、また、開口に額縁が設置される場合には、この額縁に固定されてもよい。
本発明の引き戸駆動装置は、スライド可能な戸体を備えて室内外を区画する引き戸に設置される引き戸駆動装置であって、固定枠と、前記固定枠に対して室内外側に可動に連結された可動枠と、前記固定枠に対して前記可動枠を付勢する付勢装置と、前記可動枠に装着された回転駆動源と、前記回転駆動源に連結されていると共に回転によって前記戸体をスライド方向に移動させるフリクションローラとを備え、前記フリクションローラの周面は、前記戸体の室外面または室内面に摩擦接触可能に形成され、前記付勢装置は、前記固定枠および前記可動枠のうちの一方の枠に対して室内外側に位置調整可能な受け部を備えていると共に前記固定枠および前記可動枠のうちの他方の枠に取り付けられた調整ロッドと、前記受け部および前記一方の枠の間に配置された付勢部材とを備えていることを特徴とする。
本発明の引き戸駆動装置によれば、調整ロッドの受け部を室内外側に位置調整することで、受け部および前記一方の枠の間隔を調整できて付勢部材の可動枠に対する付勢力を変えることができ、フリクションローラの戸体に対する摩擦力を調整できる。このため、例えば引き戸に人や物が挟まれた場合にフリクションローラが戸体に対して滑って空転するように前記摩擦力を調整でき、戸体のスライド移動力を緩和できる。
更に、前述したようにフリクションローラに対して戸体を滑らせることで戸体を手動開閉することも可能である。
また、固定枠を建物躯体や額縁、枠体に固定するだけで引き戸駆動装置を設置可能なので、新設の引き戸だけでなく、既設の引き戸にも後付け設置可能である。
このような構成によれば、調整ロッドを回転させることによって受け部の室内外側の位置を変えることができ、これにより、フリクションローラの戸体に対する摩擦力を簡単に調整できる。
このような構成によれば、一対の可動側板部が一対の固定側板部に対してピボット軸を介して連結されるので、例えば可動枠を固定枠に対して室内外方向にスライド移動可能にガイドする引き戸駆動装置を構成する場合と比べて、大掛かりなガイド機構を構成しなくても可動枠を円滑に回動させることができる。また、可動枠を円滑に回動させることができるので、可動枠を付勢する付勢装置の調整ロッドおよび付勢部材もワンセットあればよく、このため、例えば調整ロッドおよび付勢部材が複数セットある場合と比べて、可動枠に対する付勢力調整の操作を簡単に行える。
このような構成によれば、調整ロッドが可動前板部の貫通孔を貫通しているので、可動前板部を固定前板部に近づけて配置することができ、引き戸駆動装置の小型化を図ることができる。また、このように小型化しても、固定前板部に螺合した調整ロッドを外部から簡単に回転操作することができ、この回転による調整ロッドの進退によって受け部を室内外側に位置調整でき、付勢部材の可動枠に対する付勢力を変えることができる。
このような構成によれば、戸体をフリクションローラだけでなく従動フリクションローラによってもスライド移動させることができ、戸体をスライド移動させることが可能な距離を延長できる。このため、例えば三枚の戸体が連動する三枚連動引き戸に対して引き戸駆動装置を設置した場合でも、フリクションローラおよび従動フリクションローラによって戸体を戸先から戸尻までスライド移動させることができる。
本発明の引き戸によれば、前述した本発明の引き戸駆動装置の作用効果と同様の作用効果を発揮可能な引き戸を構成できる。
このような構成によれば、戸体に摩擦テープを設けることでフリクションローラの戸体に対する摩擦抵抗を増大することで、付勢装置の可動枠に対する付勢力を弱めてもフリクションローラの戸体に対する所望の摩擦力を得ることができる。またこのように付勢力を弱められるので、例えばフリクションローラの回転軸心に交差する方向の負荷を軽減でき、これによりフリクションローラをより円滑に回転させることができ、戸体をよりスムーズにスライド移動させることができる。
このような構成によれば、戸車がガイドレールに向かって付勢されることで、戸体に対してフリクションローラが押し付けられても、戸体の枠体に対する見込み方向の位置ズレを抑制でき、フリクションローラの戸体に対する所定の摩擦力を保つことができる。
Claims (8)
- スライド可能な戸体を備えて室内外を区画する引き戸に設置される引き戸駆動装置であって、
固定枠と、
前記固定枠に対して室内外側に可動に連結された可動枠と、
前記固定枠に対して前記可動枠を付勢する付勢装置と、
前記可動枠に装着された回転駆動源と、
前記回転駆動源に連結されていると共に回転によって前記戸体をスライド方向に移動させるフリクションローラとを備え、
前記フリクションローラの周面は、前記戸体の室外面または室内面に摩擦接触可能に形成され、
前記付勢装置は、前記固定枠および前記可動枠のうちの一方の枠に対して室内外側に位置調整可能な受け部を備えていると共に前記固定枠および前記可動枠のうちの他方の枠に取り付けられた調整ロッドと、前記受け部および前記一方の枠の間に配置された付勢部材とを備えている
ことを特徴とする引き戸駆動装置。 - 請求項1に記載の引き戸駆動装置において、
前記調整ロッドは前記他方の枠に対して螺合している
ことを特徴とする引き戸駆動装置。 - 請求項1または請求項2に記載の引き戸駆動装置において、
前記固定枠は、固定前板部と、前記固定前板部の縦側縁に連続した一対の固定側板部とを有し、
前記可動枠は、可動前板部と、前記可動前板部の縦側縁に連続した一対の可動側板部とを有し、
前記一対の可動側板部は、前記一対の固定側板部に対してピボット軸を介して回動可能に連結されている
ことを特徴とする引き戸駆動装置。 - 請求項3に記載の引き戸駆動装置において、
前記可動前板部には上下方向に延びた貫通孔が形成され、
前記調整ロッドは前記固定前板部に螺合し且つ前記貫通孔を貫通して配置され、
前記付勢部材は、前記受け部および前記可動前板部の間に配置されている
ことを特徴とする引き戸駆動装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の引き戸駆動装置において、
前記可動枠に回転可能に保持された従動フリクションローラと、前記従動フリクションローラを前記フリクションローラに連動可能に連結した回転伝達ベルトとを更に備え、
前記従動フリクションローラは、前記フリクションローラに対して戸体のスライド方向に離間した位置に配置されている
ことを特徴とする引き戸駆動装置。 - スライド可能な戸体と、前記戸体をスライド移動させる請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の引き戸駆動装置とを備えている
ことを特徴とする引き戸。 - 請求項6に記載の引き戸において、
前記戸体の室外面または室内面のうち前記引き戸駆動装置のフリクションローラの周面が摩擦接触する部分には、前記フリクションローラの前記戸体に対する摩擦抵抗を増大させる摩擦テープが設けられている
ことを特徴とする引き戸。 - 請求項6または請求項7に記載の引き戸において、
戸体がスライド可能に配置される開口を形成した枠体を備え、
前記枠体は前記戸体のスライド方向に沿ったガイドレールを有し、
前記戸体は前記ガイドレールに向かって付勢される戸車を有している
ことを特徴とする引き戸。
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JP2018246960A JP7071912B2 (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | 引き戸駆動装置および引き戸 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022059828A1 (ko) * | 2020-09-21 | 2022-03-24 | 주식회사 카본디자인 | 능동형 클러치를 통해 슬립을 방지할 수 있는 미닫이형 창호의 자동 환기장치 |
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- 2018-12-28 JP JP2018246960A patent/JP7071912B2/ja active Active
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