以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態を説明する。添付図面では、類似の構成要素には、同様の参照符号を付して表すこととする。
最初に、図1を参照して、本発明によるシート押圧装置である増し折りユニットを有した折り処理装置を備える画像形成システムの全体構成を説明する。画像形成システムは、画像形成装置Aと、折り処理装置Bと、後処理装置Cとを含んで構成され、画像形成装置Aによって画像形成されたシートSに折り処理装置Bによって折り処理を施した後、さらに下流側の後処理装置Cで、必要に応じて、ステープル処理や整合処理などを施し、下流側の収納トレイ27に排出する。画像形成システムには、例えば、複写機、プリンタ、印刷機など種々の構造のものが含まれる。以下、画像形成装置A、折り処理装置B及び後処理装置Cについて詳細に説明する。
[画像形成装置]
画像形成装置Aは、図1に示されているように、画像形成ユニットA1と、画像読取ユニットA2と、原稿給送ユニットA3とを含んでいる。画像形成ユニットA1は、装置ハウジング1内に、給紙部2と画像形成部3と排紙部4とデータ処理部5とを備えている。
給紙部2は、複数のカセット2a,2b,2c、2dを含んでおり、各カセット2a,2b,2c、2dには、予め選定された異なる規格サイズのシートSを収納可能になっている。各カセット2a,2b,2c、2dには、内部のシートSを一枚ずつ分離する分離機構と、シートSを繰り出す給紙機構が内蔵されている。このような構成の給紙部2に収納されたシートSは、本体制御部(図示せず)から指定されたサイズのシートSを給紙経路6に繰り出す。給紙経路6には、中間部に配置され複数のカセット2a,2b,2c,2dから供給されるシートSを下流側に搬送する搬送ローラ7と、経路端部に配置され各シートSを先端揃えするレジストローラ8とが設けられており、レジストローラ8によって先端揃えされたシートSが所定のタイミングで下流側の画像形成部3に給送される。
画像形成部3は、給紙部2から送られたシートSに画像を形成するように構成されていればよく、種々の画像形成機構が採用可能である。図示されている実施形態では、画像形成部3として、静電式画像形成機構が示されている。しかしながら、画像形成部3は、図示されている静電式画像形成機構に限定されるものではなく、インクジェット式画像形成機構、オフセット式画像形成機構などを採用することも可能である。
図1に示されている画像形成部3では、感光体9(ドラム、ベルト)と、感光体9に光学ビームを発光する発光器10とが設けられており、現像器11(ディベロッパー)とクリーナ(図示せず)とが回転する感光体9の周囲に配置されている。図示のものはモノクロ印刷機構であり、感光体9に発光器10で光学的に潜像を形成し、この潜像に現像器11でトナーインクを付着する。感光体9に付着されたインク画像(インクトナー)は、給紙部2から送られたシートSに転写チャージャ12で画像転写され、画像転写されたシートSが定着ローラ13で定着された後に、排紙経路14へ送られる。また、画像形成部3には、循環経路17が設けられており、排紙経路14からのシートSをスイッチバック経路で裏表反転した後に、再びレジストローラ8に送り、シートSの裏面に画像形成がされ、排紙経路14へ送られる。排紙経路14には、排紙ローラ15が配置されていると共に、その末端に排紙口16が形成されており、排紙ローラ15によって排紙口16から折り処理装置BへシートSを搬送する。
このように構成された画像形成ユニットA1の上部には、画像形成部3で画像形成する原稿画像を光学的に読み取る原稿読取ユニットA2が設けられており、原稿読取ユニットA2のさらに上部に、原稿給送ユニットA3が搭載されている。
画像読取ユニットA2は、透明ガラスで形成された第1のプラテン18及び第2のプラテン19と、読取キャリッジ20と、読取キャリッジ20に搭載された光源と、光電変換素子21と、ミラーやレンズを組み合わせて構成された縮小光学系22とを備え、第1のプラテン18に沿って読取キャリッジ20を走査して第1のプラテン18上に載置された原稿シートSの画像に光源からの光を照射し、原稿シートSの画像からの反射光を縮小光学系22で光電変換素子21に案内して、画像の読み取りを行う。光電変換素子21は画像データを電気信号に変換して画像形成部3に転送する。
原稿給送ユニットA3は、給紙トレイ23と、給紙経路24と、排紙トレイ25とを備え、給紙トレイ23上に載置された原稿を給紙経路24に沿って一枚ずつ搬送して、第2のプラテン19上を通過させ、排紙トレイ25に排出する。なお、原稿給送ユニットA3から給送されて第2のプラテン19上を通過する原稿を読み取るときには、読取キャリッジ20を第2のプラテン19の下方で予め停止させておき、第2のプラテン19上を通過する画像から画像データを生成させる。
[後処理装置]
後処理装置Cは、画像形成装置Aに連結された折り処理装置Bのさらに下流側に連結されており、折り処理装置Bによって折り処理を施されて又は折り処理を施されずに排出されたシートSを受け取って、必要に応じて、ステープル処理や整合処理などを施す。
後処理装置Cの内部には、後処理経路26が設けられており、後処理経路26に沿ってステープルユニットや整合ユニットなどの後処理機器(図示せず)が配置されている。後処理装置Cは、画像形成装置Aから排出されたシートSを折り処理装置Bを介して受け取り、必要に応じて、ステープルユニットや整合ユニットなどの後処理装置によって、受け取ったシートSにステープル処理や整合処理などを施した後に、シートSを収納トレイ27に排出して収納する。
[折り処理装置]
画像形成装置Aに連結された折り処理装置Bは、画像形成装置Aの排紙口16から排出された画像形成済みのシートSを受け取り、折り処理を施す装置である。
図2に折り処理装置Bの内部構成が示されている。折り処理装置Bは、折り処理装置Bの動作を制御する制御部140を備えており、折り処理装置Bの内部には、略水平方向に延びる搬送経路101が設けられている。搬送経路101上には、一つ又は複数の搬送ローラ対102と、シート坪量認識手段であるシート坪量検知センサ141と、搬送ローラ対102の下流側に配置される折り処理機構103とが設けられていると共に、折り処理機構103の下流側の搬送経路101の末端部には、さらに、本発明によるシート押圧装置に相当する増し折りユニット104が設けられている。折り処理装置Bは、搬送経路101に沿って搬送されるシートSに折り処理機構103によって折り処理を施した後に、増し折りユニット104によって増し折り処理を施し、折り処理及び増し折り処理を施したシートSを後処理装置Cに引き渡すことができるようになっている。
なお、搬送経路101は、図1に示されているように、画像形成装置Aの排紙口16に連なるように配置され、排紙口16から排出されたシートSを搬送経路101を介して折り処理装置B内に搬入できるようになっている。また、増し折りユニット104の排出口も後処理装置Cの後処理経路26と連なるように配置され、増し折りユニット104から排出されるシートSが後処理経路26を介して後処理装置C内に搬入できるようになっている。
搬送ローラ対102は、ゴムローラで形成されており、上側に配置される上側搬送ローラ102aと、上側搬送ローラ102aと対向して下側に配置される下側搬送ローラ102bとを含んでいる。本実施形態では、上側搬送ローラ102aは、図示されていない搬送ローラ駆動モータに連結されており、搬送ローラ駆動モータの回転に伴って回転するようになっている一方、下側ローラ102bは、図示されていないバネの付勢力によって上側搬送ローラ102aに圧接されており、従動的に回転するようになっている。しかしながら、搬送ローラ対102は、シートSを搬送することができれば、上述の構成に限定されるものではなく、適宜の構成を採用することが可能である。
シート坪量認識手段であるシート坪量検知センサ141は、例えば超音波などによって搬送経路101を搬送されるシートSの坪量に関する情報を取得し、取得されたシートSの坪量に関する情報は制御部140に送信され、後述するように増し折りユニット104における増し折り処理の際に使用される。シート坪量検知センサ141は公知の技術であるので、ここでは、測定原理や構造についての詳細な説明を省略する。なお、本実施形態では、シート坪量認識手段として、シート坪量検知センサ141が使用されているが、シートSの坪量に関する情報を取得することができればよく、限定されるものではない。例えば、シート坪量認識手段として、様々なシートタイプに対応して坪量に関する情報を蓄積したデータ蓄積部を使用し、操作者が画像形成システムの使用にあたって選択したシートSのタイプなどの情報からシートSの坪量に関する情報を制御部140に提供するようにしてもよい。
折り処理機構103は、折りローラ対105と、突き板107とによって構成されている。折りローラ対105は、ゴムローラで形成されており、上側に配置される上側折りローラ105aと、上側折りローラ105aと対向して下側に配置される下側折りローラ105bとを含んでいる。下側折りローラ105bは、図示されていないバネの付勢力によって上側折りローラ105aに圧接されており、上側折りローラ105aと下側折りローラ105bとは、図示されていない共通の折りローラ駆動モータに連結されており、折りローラ駆動モータの回転に伴って互いと逆向きに回転するようになっている。突き板107は、搬送ローラ対102と折りローラ対105との間に配置され、図示されていない突き板駆動モータに連結されており、突き板駆動モータの駆動に伴って 折りローラ対105の上流側の搬送経路と平行に移動するようになっている。
搬送ローラ対102と折りローラ対105との間の搬送経路101には、上側搬送ガイド108と、下側搬送ガイド109と、上側折りガイド110と、下側折りガイド111とが設けられている。
上側搬送ガイド108は、シートSの先端を搬送ローラ対102から突き板107まで導くように搬送ローラ対102の直後から突き板107の上方まで形成されている。上側搬送ガイド108は、搬送経路101を搬送されるシートSの流れを規制するためのもので、搬送経路101の上側に配置されており、下流側に向かうに従い下方に屈曲した形状となっている。また、上側折りガイド110は、上側搬送ガイド108と折りローラ対105との間に配置され、折りローラ対105にシートSの先端及び後述するシートSの折り曲げ部を導くように折りローラ対105の直前まで延びている。上側折りガイド110は、折り処理機構103におけるシートSの流れを規制するためのものであり、上側搬送ガイド108の下流側で搬送経路101の上側に設けられている。
下側搬送ガイド109は、搬送経路101を搬送されるシートSの流れを規制するためのもので、搬送経路101の下側に配置されており、上側搬送ガイド108と同様に下流側に向かうに従い下方に屈曲した形状となっている。下側搬送ガイド109は、突き板107の手前で途切れており、下側搬送ガイド109の下流側には、開いた空間が形成されるようになっている。下側折りガイド111は、突き板107の下流側に配置され、折りローラ対105の上流側と下流側とにまたがって延びており、下側折りガイド111における折りローラ対105よりも上流側の部分は、搬送されるシートSの先端及び後述するシートSの折り曲げ部を折りローラ対105のニップ部へ導くための水平面と水平面へ導きやすくするための傾斜面とを有している。
突き板107は、図示されていない突き板駆動装置と制御部140とによって水平移動されるようになっている。また、突き板107は、搬送経路101に沿ってシートSを搬送ローラ対102によって折りローラ対105まで搬送するとき、下側搬送ガイド109と下側折りガイド111との間の空間を埋めるように配置されており、搬送されるシートSの先端を下側折りガイド111まで導くようになっている。突板107による折り処理動作は後述する。
次に、図3を参照して増し折りユニット104の構成を説明する。増し折りユニット104は、シートSの搬送方向における折りローラ対105の下流側において下側折りガイド111の上方に配置されている。増し折りユニット104は、移動可能な支持部材112と、支持部材112に支持されている複数の増し折りコロ114と、支持部材112に取り付けられた規制部材115と、支持部材112を下側折りガイド111に対して接近離反する方向に移動させる第1の移動機構116と、支持部材112を水平方向にシートSの折り目に沿って移動させる第2の移動機構117とを備える。上下に対向して配置される上側折りガイド110と下側折りガイド111における折りローラ対105よりも下流側の部分は、シートSを増し折りユニット104内に案内する一対の搬入ガイド118として機能し、一対の搬入ガイド118の上流側端部が増し折りユニット104の搬入口119をなしている。また、上述のような支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114と下側折りガイド111とによって増し折り部が構成される。
複数の増し折りコロ114は、各々がシートSの搬送方向(下側折りガイド111の上面と平行で且つシートSの折り目と垂直な方向)に延びる回転軸線周りに回転可能となるように、押圧部材配置領域にシートSの折り目の方向に沿って互いに一定の間隔で離間して配置されて支持部材112に支持されている。また、第1の移動機構116は、複数の増し折りコロ114を支持する支持部材112を下側折りガイド111に対して接近離反する方向に移動させる。これにより、複数の増し折りコロ114を下側折りガイド111に対して接近離反させ、各増し折りコロ114と下側折りガイド111との間に配置されたシートSの折り目を各増し折りコロ114と下側折りガイド111とによって押圧する押圧位置とシートSから離れる方向に押圧位置から複数の増し折りコロ114を移動させた退避位置との間で移動できるようになっている。また、第2の移動機構117は、押圧位置で支持部材112を水平方向(図3における左右方向)に移動させることによって複数の増し折りコロ114をシートSの折り目に沿って移動できるようになっている。なお、複数の増し折りコロ114と下側折りガイド111とは、押圧位置においてシートSがそれらの間に介在していなければ、直接接触するようになっている。押圧部材配置領域の長さ(すなわち押圧部材配置領域の両極端位置に配置された増し折りコロ114の間の距離)は、退避位置から押圧位置に移動されたときに一方の極端位置に隣り合って配置される二つの増し折りコロ114の間にシートSの折り目の一方の端部(増し折りコロ114の移動方向上流側の端部)が配置され且つ他方の極端位置に配置される増し折りコロ114が折り目上に配置されるように定められている。好ましくは、図示されている実施形態のように、押圧部材配置領域の長さすなわち押圧部材配置領域の両極端位置に配置された増し折りコロ114の間の長さが、増し折りユニット104に搬入されるシートSの折り目の長さよりも複数の増し折りコロ114の配列の1ピッチ分(隣り合って配置される二つの増し折りコロの1間隔分)だけ短くなっている。この場合、必要となる増し折りコロ114の数を減らすことができ、増し折りコロ114のコストを減少させることができる。また、支持部材112に支持される増し折りコロ114の数が減少するので、同じ力を支持部材112に付与するときにシートSに対する一つの増し折りコロ114当たりの押圧力が大きくなって、増し折りの効果が高くなり、より小さい力で効率的な増し折りが可能となる。
増し折りユニット104では、複数の増し折りコロ114が下側折りガイド111に対して退避位置又は押圧位置よりも退避位置側へ離れた受け入れ位置に配置された状態で、増し折りユニット104内にシートSを受け入れる。その後、折りローラ対105の上流側に設けられたシート位置検出手段(図示せず)によってシートSの位置を検出してシートSの折り目が増し折りコロ114の下方に到達したときにシートSを停止させ、第1の移動機構116によって下側折りガイド111に対して複数の増し折りコロ114を押圧位置に移動させる。シートSは、押圧位置に複数の増し折りコロ114が移動したときに、折り目の一方の端部(折り目に沿った移動の方向の上流側の端部)が押圧部材配置領域における一方の極端位置の二つの増し折りコロ114の間に配置される一方、折り目の他方の端部(折り目に沿った移動の方向の下流側の端部)が押圧部材配置領域の外側(すなわち、押圧部材配置領域における他方の極端位置の増し折りコロ114の外側)に配置されるように、増し折りユニット104内に搬入される。さらに、第2の移動機構117によって押圧位置で下側折りガイド111に対して複数の増し折りコロ114をシートSの折り目に沿って移動させることによって、複数の増し折りコロ114でシートSの折り目を折り目の全域にわたって押圧して増し折りを行い、折り目を強化する。このように、各増し折りコロ114と下側折りガイド111とは押圧部材として機能する。
また、両極端位置の増し折りコロ114の外側及び離間して隣り合う増し折りコロ114の間には、支持部材112に取り付けられた概略L字形状断面を有する規制部材115が配置されている。規制部材115は、増し折りコロ114を下側折りガイド111に対して押圧位置でシートSの折り目に沿って移動して増し折りを行う増し折り処理の際に、規制部材115の底面(すなわち、下側折りガイド111と対向する面)と下側折りガイド111の上面との間の距離d1が、通常の搬送経路の高さ、例えば増し折りユニット104の搬入口119に続く搬入経路を形成する一対の搬入ガイド118(上側搬入ガイド118aと下側搬入ガイド118b)の間の距離d2よりも短くなる規制位置に配置され、距離d1を保ちながら支持部材112と共にシートSの折り目に沿って移動する。ここでの規制部材115の底面と下側折りガイド111の上面との間の距離d1は、これらの部材が直接接触することがないように定められている。これによって、増し折りコロ114による押圧に先だって、規制部材115が折り目の高さを上側搬入ガイド118aと下側搬入ガイド118bとの間よりも低く押し下げた状態で、増し折りコロ114によってシートSの折り目を押圧して増し折りを行うことができる。
なお、複数の増し折りコロ114と下側折りガイド111との隙間、および、規制部材115と下側折りガイド111との隙間は、それぞれ、シートSの折り目に沿った方向に全域にわたって一定に保たれている。
図4に示されているように、複数の増し折りコロ114は、それぞれ、支持部材112に対して移動可能に支持された補助部材113に回動可能に取り付けられ、支持部材112に形成されたバネ受け部120と各補助部材113の上端部との間にそれぞれバネ121を弾性部材として配置し、増し折りコロ114を下側折りガイド111へ向けて付勢するようになっていることが好ましい。このような構成にすることによって、増し折りユニット104の支持部材112及びこれに取り付けられた規制部材115が下側折りガイド111へ向かって下方へ移動する際に、増し折りコロ114はシートSを介して下側折りガイド111に接したところで下方への移動を停止する。その一方、バネ121の収縮により支持部材112及び規制部材115はさらに下方への移動を続けることができ、規制部材115の底面と下側折りガイド111の上面との距離が所望の値になって規制部材115が規制位置に到達した時点で停止させることが可能となる。また、各補助部材113が個別のバネ121で付勢されていれば、支持部材112が少し傾いてシートSの折り目に沿って移動した場合でも、各増し折りコロ114がシートSの折り目に対して一定の押圧力を付与することができ、折り目の部分によって押圧力が変化し不均一な増し折りを行うことを抑制することができる。さらに、バネ121の圧縮によって増し折りコロ114をシートSに押し付け、確実に押圧力をシートSの折り目に付与することができる。
次に、図示されている実施形態における第1の移動機構116と第2の移動機構117の詳細な構成について説明する。
増し折りユニット104の支持部材112は、折り処理装置Bの筐体122などに固定されたガイドレール123に沿って移動可能なスライダ124に、ブラケット125を介して上下動可能に取り付けられており、水平方向にスライダ124と連動して移動するようになっている。スライダ124上には、プーリ126と一体的に回転するピニオン(図示せず)と噛合するラック127が設けられており、増し折り駆動モータ128を駆動して、その回転をベルト129を介してプーリ126に伝達してプーリ126を回転させることによって、スライダ124を水平方向にガイドレール123に沿って移動させることができるようになっている。
また、支持部材112には、折り処理装置Bの筐体122などに固定された接触子130と係合するカム溝131が形成されている。支持部材112の水平移動に伴ってカム溝131が接触子130と係合しながら移動し、カム溝131の形状に従って支持部材112が案内されながら移動する。カム溝131は、略水平方向に延びる第1の底部水平部分と、第1の部分の終端から上方に傾斜して延びる第1の傾斜部分と、第1の傾斜部分の終端から概略水平方向に延びる頂部水平部分と、頂部水平部分の終端から下方に傾斜して延びる第2の傾斜部分と、第2の傾斜部分の終端から略水平に延びる第2の底部水平部分とを含んでいる。カム溝131の第1の傾斜部分及び第2の傾斜部分を接触子130に係合させながらスライダ124によって筐体122に対して支持部材112を図3中の水平方向に移動させることによって、支持部材112が下側折りガイド111に対して接近離反する方向すなわち図3中の上下方向に移動する。このように、ガイドレール123、スライダ124、ブラケット125、プーリ126、ラック127、増し折り駆動モータ128、ベルト129、接触子130、カム溝131の第1の傾斜部分及び第2の傾斜部分が第1の移動機構116を構成している。また、カム溝131の頂部水平部分を接触子130に係合させながらスライダ124によって筐体122に対して支持部材112を図中の水平方向に移動させることによって、支持部材112及びこれに支持される複数の増し折りコロ114が下側折りガイド111に対して図3中の水平方向にシートSの折り目に沿って移動する。このように、ガイドレール123、スライダ124、ブラケット125、プーリ126、ラック127、増し折り駆動モータ128、ベルト129、接触子130、カム溝131の頂部水平部分が第2の移動機構117を構成している。図示されている実施形態では、接触子130が筐体122などに固定され、カム溝131が支持部材112に形成されているが、接触子130を支持部材112に固定し、カム溝131を筐体122に形成するようにしてもよいことはいうまでもない。
なお、図示されている実施形態のように、複数の増し折りコロ114が一定の間隔で離間して配置されている場合、隣り合う増し折りコロ114の間に位置する折り目の全てを増し折りコロ114と下側折りガイド111との間で押圧するためには、隣り合う増し折りコロ114の間隔分(すなわち1ピッチ分の距離)以上、押圧位置で下側折りガイド111に対して複数の増し折りコロ114を折り目に沿って移動させる必要がある。上述した第1の移動機構116の構成では、接触子130とカム溝131の第1の傾斜部分とを係合させながらスライダ124を水平方向に移動させることによって支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114が下側折りガイド111に対して接近して押圧位置に移動される。また、上述した第2の移動機構117の構成では、接触子130とカム溝131の頂部水平部分とを係合させながらスライダ124を水平方向に移動させることによって支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114が押圧位置で折り目に沿って移動することになる。よって、カム溝131の頂部水平部分の水平方向(折り目に沿った方向)の長さは、隣り合う増し折りコロ114の1ピッチ分以上になっている。
制御部140は、増し折り処理の際に、増し折りコロ114と折り目との間にシート部分(シートSが折り目によって区画される部分)が介在せず増し折りコロ114が折り目と直接対向して接触するとき、シート坪量認識手段によって取得されたシートSの坪量に関する情報に依らずに、第1の移動機構116によって押圧位置に配置された複数の増し折りコロ114を一つの折り目に対して予め定められた回数N1だけ折り目に沿って移動させるように第2の移動機構117を制御する。ここでは、制御を簡略化するために、一つの折り目について、押圧位置で下側折りガイド111に対して第1の折り目132に沿って増し折りコロ114を移動させる回数を、シート坪量認識手段によって取得されたシートSの坪量に関する情報に依らず、同一の回数N1としているが、シートSの坪量が予め定められた閾値α以上であるか否かに応じて回数を切り換えるようにしてもよい。一方、制御部140は、増し折り処理の際に、増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在するときには、シート坪量認識手段によって取得されたシートSの坪量に関する情報に基づいて、第1の移動機構116によって押圧位置に配置された複数の増し折りコロ114を一つの折り目に対して折り目に沿って移動させる回数を変化させるように第2の移動機構を制御して、複数の増し折りコロ114と下側折りガイド111との間で折り目に押圧力を付与する時間を変動させる。詳細には、制御部140は、増し折り処理の際に、シート坪量認識手段であるシート坪量検知センサ141によって検出されたシートSの坪量が予め定められた閾値α以上の場合には、増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在するときに、押圧位置に配置された複数の増し折りコロ114を一つの折り目に対して回数N1よりも多い回数N2だけ折り目に沿って移動させ、シート坪量認識手段であるシート坪量検知センサ141によって検出されたシートSの坪量が予め定められた閾値αより小さい場合には、増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在するときに、押圧位置に配置された複数の増し折りコロ114を一つの折り目に対して回数N2よりも少ない回数N3だけ折り目に沿って移動させるように、第2の移動機構を制御する。回数N3は、回数N2より少なければよいが、回数N1よりも少ない方が好ましい。ここで、折り目に沿った移動の単位回数は、支持部材112がシートSの折り目に沿って移動することで、折り目の全域が増し折り処理されることを意味する。具体的には、接触子130とカム溝131が係合する箇所が、カム溝131の頂部水平部分の一端部から他端部まで、若しくは他端部から一端部へと移動する片道行程が単位回数となる。
回数N1よりも多い回数N2だけ、押圧位置に配置された増し折りコロ114を一つの折り目に対して折り目に沿って繰り返し移動させると、複数の増し折りコロ114と下側折りガイド111との間で折り目に押圧力を付与する時間が長くなるので、複数の増し折りコロ114を回数N1だけ折り目に沿って移動させる場合よりも、増し折りコロ114と下側折りガイド111との間でシート部分及び折り目に付与される押圧力の総量(仕事量)が大きくなる。一方、回数N2(好ましくは回数N1)よりも少ない回数N3だけ、押圧位置に配置された増し折りコロ114を一つの折り目に対して折り目に沿って移動させると、複数の増し折りコロ114と下側折りガイド111との間で折り目に押圧力を付与する時間が短くなるので、増し折りコロ114を回数N2(好ましくは回数N1)だけ折り目に沿って移動させる場合よりも、増し折りコロ114と下側折りガイド111との間でシート部分及び折り目に付与される押圧力の総量(仕事量)が小さくなる。増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在すると、シート部分により押圧力が分散して折り目に付与される押圧力が低下するが、回数N1よりも多い回数N2だけ押圧位置に配置された増し折りコロ114を一つの折り目に対して折り目に沿って移動させれば、増し折りコロ114と折り目との間に介在するシート部分により折り目に付与される押圧力が低下する影響を相殺するように、増し折りコロ114と下側折りガイド111との間でシート部分と折り目に付与する押圧力の総量(仕事量)が増加するので、増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在するときに折り目に付与されるときの押圧力の総量が、増し折りコロ114と折り目とを直接接触させて付与されるときの押圧力の総量と比較して少なくなることを抑制することが可能となる。また、回数N2よりも少ない回数N3で押圧位置に配置された増し折りコロ114を一つの折り目に対して折り目に沿って移動させれば、増し折りコロ114と下側折りガイド111との間で折り目に付与する押圧力の総量が減少するので、坪量が小さく折り癖が付き易いシートの場合に増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在した状態で折り目を押圧しても、シート部分に折り目による痕が筋となって残ることを抑制することができる。特に回数N3が回数N1よりも少なくなるようにすれば、増し折りコロ114が直接折り目に接触して押圧する場合よりも増し折りコロ114と下側折りガイド111との間で折り目に付与する押圧力の総量が少なくなるので、シート部分に折り目による痕が筋となって残ることを抑制する効果をさらに高めることができる。したがって、増し折りコロ114と折り目とシート部分との位置関係による増し折りの効果の変動が抑制され、より均一な折り高さの折り目を実現することが可能となると共に、増し折り処理後のシートSの品質を高めることが可能となる。
次に、図5から図9を参照して、図示されている実施形態の折り処理装置B及び増し折りユニット104の動作を詳細に説明する。ここでは、折り処理機構103によって上述したように折り処理が施されて、第1の折り目132と第2の折り目133とによって三つのシート部分に区画され、第1の折り目132がシート部分の上側に位置し且つ第2の折り目133がシート部分の下側に位置するようにZ字状に折り畳まれたシートSを増し折りユニット104に搬入すると共に、坪量が小さいシートSとして薄紙のシート、坪量が大きいシートSとして厚紙又は普通紙のシートが増し折りユニット104に搬入されるものとして説明する。
最初に、図5及び図6を参照して、複数の折り目を有するシートSに対する増し折り処理の基本的な動作を説明する。折り処理機構103からのシートSを搬入口119及び上側搬入ガイド118aと下側搬入ガイド118bとによって構成される搬入経路を通して増し折りユニット104内に受け入れるとき、図5(a)に示されているように、支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114はホーム位置である受け入れ位置に配置されている。このとき、支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114の下端部が搬入経路の上側を規制すると共に、下側折りガイド111が搬入経路の下側を規制し、搬入されるシートSの第1の折り目132を増し折りコロ114と下側折りガイド111との間まで導くガイドとして機能する。また、このとき、接触子130は、カム溝131の第1の底部水平部分の端部に位置している。なお、図示されている実施形態では、後述する第2の退避位置が受け入れ位置となっている。しかしながら、押圧位置よりも退避位置(第1の退避位置又は第2の退避位置)側に位置しており、増し折りコロ114と下側折りガイド111との間が離れていれば、受け入れ位置を第2の退避位置とは異なる位置に設定してもよい。
折りローラ対105の上流側に設けられたシート位置検出手段(図示せず)によってシートSの位置を検出して、折りローラ対105から搬入口119に搬入されたシートSの搬入方向先端側の第1の折り目132が増し折りコロ114の下方に到達したことを認識すると、シートSの搬送を停止させ、増し折り駆動モータ128を駆動することによって、プーリ126と一体的に回転するピニオンとラック127とを介してスライダ124と共に支持部材112を水平方向に移動させる。これによって、接触子130がカム溝131と係合する箇所が第1の底部水平部分から第1の傾斜部分へ移動し、これに伴って支持部材112が下側折りガイド111へ向けて下降して、図5(b)に示されているように、支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114が下側折りガイド111との間にシートSの第1の折り目132を挟み込んで押圧する押圧位置へ移動する。このとき、シートSの第1の折り目132の一方の端部(往路における増し折りコロ114の移動方向の上流側端部)が一方の極端位置に配置される隣り合う二つの増し折りコロ114の間に配置され且つ他方の極端位置に配置される増し押しコロ114がシートSの第1の折り目132の上に載った状態となってシートSの第1の折り目132の他方の端部(往路における増し折りコロ114の移動方向の下流側端部)が押圧部材配置領域の外側に配置されるようになっている(図5(b)参照)。また、増し折りコロ114が取り付けられている補助部材113はバネ121によって下側折りガイド111へ向けて付勢されているので、支持部材112が下降し、増し折りコロ114がシートSを介して下側折りガイド111に当接した後も、支持部材112はさらに下降することができる。これに伴って、規制部材115もさらに下降して、増し折りコロ114の下方に位置するシートSの第1の折り目132を押圧し、予め定められた厚さ以下にシートSの折り目の厚さを規制する。また、各増し折りコロ114はバネ121による付勢によってシートSの第1の折り目132を下側折りガイド111へ向けて押圧する。なお、本明細書における搬入方向とは、シートSが折りローラ対105から搬入口119を経て増し折りユニット104内に搬入される方向を意味する。
図5(b)に示されている状態から増し折り駆動モータ128の駆動によってスライダ124と共に支持部材112をさらに水平方向に移動させると、図5(c)に示されているように、接触子130がカム溝131と係合する箇所が第1の傾斜部分から頂部水平部分に移動する。すると、支持部材112に取り付けられる規制部材115がシートSの第1の折り目132の厚さを予め定められた厚さ(距離d1に相当)以下に規制しつつ、支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114が押圧位置で下側折りガイド111に対してシートSの第1の折り目132に沿って複数の増し折りコロ114の1ピッチ分以上の距離だけ移動して、移動方向の先頭の増し折りコロ114がシートSの第1の折り目132の他方の端部(往路における増し折りコロ114の移動方向の下流側端部)を越えるまで移動する。詳細には、シートSの第1の折り目132の他方の端部が他方の極端位置に配置される隣り合う二つの増し折りコロ114の間に配置され且つ一方の極端位置に配置される増し折りコロ114がシートSの第1の折り目の上に載った状態となってシートSの第1の折り目132の一方の端部(往路における増し折りコロ114の移動方向の上流側端部)が押圧部材配置領域の外側に配置されるようになっている(図5(c)参照)。図5(c)では、シートSの第1の折り目132の他方の端部が、極端位置に配置される隣り合う二つの増し折りコロ114の中間位置に配置されるように示されているが、上述した「極端位置に配置される隣り合う二つの増し折りコロ114の間」には、極端位置に配置される増し折りコロ114の押圧点がシートSの第1の折り目132の他方の端部と一致する位置も含まれる。こうして、増し折りコロ114と下側折りガイド111とによって第1の折り目132が全域にわたって押圧されて第1の折り目132の強化すなわち増し折りが行われる。
図5(c)に示されている状態から増し折り駆動モータ128の駆動によってスライダ124と共に支持部材112をさらに水平方向に移動させると、接触子130がカム溝131と係合する箇所が頂部水平部分から第2の傾斜部分を経て第2の底部水平部分に移動する。これによって、図5(d)に示されているように、支持部材112が規制部材115と共に下側折りガイド111から離れる方向に上昇し、支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114が押圧を終了した位置に近接して上方に位置する第1の退避位置へ移動して、第1の増し折り処理が完了する。第1の退避位置は、ホーム位置である受け入れ位置と異なる位置となっている。
第1の増し折り処理が完了して図5(d)に示されている状態になると、搬入方向上流側に位置する搬送ローラ対102及び折りローラ対105によってシートSを搬送することが可能となる。図5(d)に示されている状態から搬送ローラ対102及び折りローラ対105によってシートSを搬送し、折りローラ対105の上流側に設けられたシート位置検出手段によってシートSの位置を検出して、第1の折り目132よりも搬入方向後端側に位置する第2の折り目133が増し折りコロ114の下方に到達したことを認識すると、シートSの搬送を停止させる。
シートSの第2の折り目133が増し折りコロ114の下方で停止されると(図6(e)参照)、増し折り駆動モータ128を往路とは逆方向に回転するように駆動することによって、プーリ126と一体的に回転するピニオンとラック127とを介してスライダ124と共に支持部材112を往路のときとは逆向きに水平方向に移動させる。これによって、接触子130がカム溝131と係合する箇所が第2の底部水平部分から第2の傾斜部分へ移動し、これに伴って支持部材112が下側折りガイド111へ向けて下降して、図6(f)に示されているように、支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114が下側折りガイド111との間にシートSの第2の折り目133を挟み込んで押圧する押圧位置へ移動する。このときの複数の増し折りコロ114の位置すなわち復路の始点の位置は往路の終点の位置と同じ位置である。さらに、このとき、シートSの第2の折り目133の一方の端部(復路における増し折りコロ114の移動方向の上流側端部)が一方の極端位置に配置される隣り合う二つの増し折りコロ114の間に配置され且つ他方の極端位置に配置される増し折りコロ114がシートの第2の折り目133の上に載った状態となってシートSの第2の折り目133の他方の端部(復路における増し折りコロ114の移動方向の下流側端部)が押圧部材配置領域の外側に配置されるようになっている(図6(f)参照)。また、増し折りコロ114が取り付けられている補助部材113はバネ121によって下側折りガイド111へ向けて付勢されているので、支持部材112が下降し、増し折りローラ114がシートSを介して下側折りガイド111に当接した後も、支持部材112はさらに下降することができる。これに伴って、規制部材115もさらに下降して、増し折りコロ114の下方に位置するシートSのシート部分及び第2の折り目133を押圧し、予め定められた厚さ以下にシートSのシート部分及び第2の折り目133の厚さを規制する。また、各増し折りコロ114はバネ121による付勢によってシートSのシート部分及び第2の折り目133を下側折りガイド111へ向けて押圧する。
図6(f)に示されている状態から増し折り駆動モータ128の駆動によってスライダ124と共に支持部材112をさらに往路と逆向きに水平方向に移動させると、図6(g)に示されているように、接触子130がカム溝131と係合する箇所が第2の傾斜部分から頂部水平部分に移動する。すると、支持部材112に取り付けられている規制部材115が増し折りコロ114の下方に位置するシートSのシート部分及び第2の折り目133の厚さを予め定められた厚さ(距離d1に相当)以下に規制しつつ、支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114が、押圧位置で下側折りガイド111に対してシートSの第2の折り目133に沿って往路と逆向きに複数の増し折りコロ114の1ピッチ分以上の距離だけ移動して、移動方向の先頭の増し折りコロ114がシートSの第2の折り目133の端部を越えるまで移動する。こうして、増し折りコロ114と下側折りガイド111とによって第2の折り目133の全域にわたって押圧して第2の折り目133の強化すなわち増し折りが行われる。
図6(g)に示されている状態から増し折り駆動モータ128の駆動によってスライダ124と共に支持部材112をさらに往路と逆向きに水平方向に移動させると、接触子130がカム溝131と係合する箇所が頂部水平部分から第1の傾斜部分を経て第1の水平部分に移動する。これによって、図6(h)に示されているように、支持部材112が規制部材115と共に下側折りガイド111から離れる方向に上昇し、支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114が押圧を終了した位置に近接して位置する第2の退避位置へ移動して、第2の増し折り処理を完了する。本実施形態では、第2の退避位置はホーム位置である受け入れ位置と同じ位置に設定されている。しかしながら、第2の退避位置を受け入れ位置と異なる位置に設定することも可能である。
このように一連の増し折り動作を完了した後、搬入方向上流側に位置する搬送ローラ対102及び折りローラ対105によってシートSを下流側の後処理装置Cへ向けて搬送する。なお、退避位置に移動された複数の増し折りコロ114の下端部及び規制部材115の底面は、増し折りを施されたシートSを排出する際のガイドとしても機能する。
増し折りユニット104では、第1の移動機構116によって退避位置又は受け入れ位置から押圧位置に下側折りガイド111に対して増し折りコロ114を移動させたときにシートSの折り目の一方の端部(折り目に沿った移動の方向の上流側の端部)が押圧部材配置領域における一方の極端位置の二つの増し折りコロ114の間に配置されると共に、折り目の他方の端部(折り目に沿った移動の方向の下流側の端部)が押圧部材配置領域の外側(すなわち、押圧部材配置領域における他方の極端位置の増し折りコロ114の外側)に配置される。一方、複数の増し折りコロ114が折り目に沿って移動される方向において一定の間隔で離間して配置されている場合、隣り合う増し折りコロ114の間に位置する折り目の全てを増し折りコロ114と下側折りガイド111との間で押圧するためには、隣り合う増し折りコロ114の間隔分(すなわち1ピッチ分の距離)以上、複数の増し折りコロ114を折り目に沿って移動させる必要がある。したがって、増し折りを行うために最小限必要な複数の増し折りコロ114の1ピッチ分以上の距離だけ複数の増し折りコロ114すなわち支持部材112を折り目に沿って移動させれば、折り目に沿った移動の方向の上流側の極端位置の増し折りコロ114が移動方向上流側のシートSの端部を越えて、移動の始期に移動方向上流側の極端位置の増し折りコロ114に隣り合って位置する増し折りコロ114の位置まで確実に移動し、移動の始期に移動方向上流側の極端位置の二つの増し折りコロ114の間に位置するシートSの端部部分が押圧されて増し折りされる。
また、増し折りユニット104では、複数の増し折りコロ114の折り目に沿った移動は、往路で1箇所目の折り目の増し折りを行い、Z折りや内三つ折りなどのように1枚のシートSに複数の折り目が形成されている場合に、復路で2箇所目の折り目の増し折りを行う。したがって、往路と復路とで異なる折り目を押圧して複数の折り目に増し折り処理を施すことができるので、増し折り処理に要する時間の増加を抑えて効率的に且つ短い時間で複数の折り目に対して増し折り処理を行うことができる。
なお、以上の説明において、シートSにZ折りが施されている場合における増し折りユニット104による増し折り処理を説明したが、増し折りユニット104は、二つ折りのシートや、四つ折りなどのようなシートにも対応することができる。二つ折りのようにシートに一つの折り目しか形成されていない場合には、先行のシートの折り目に対して往路で増し折りを行った後に先行のシートを排出し、復路で後続のシートの折り目に増し折りを施すことで、連続するシートに対して効率的に且つ短い時間で増し折り処理を施すことができる。さらに、四つ折りなどのようにシートに三箇所以上の折り目が形成されている場合は、増し折りコロ114の下方に折り目が到達するたびにシートの搬送を停止させ、往路又は復路で折り目に沿って複数の増し折りコロ114を移動させて増し折りを行えばよい。加えて、折り処理の対象は、シート束でも、単枚のシートでもよく、また、綴じ処理を施されたシート束でもよく、綴じ処理が施されていないシート束でもよい。
次に、図7から図9を参照して、図5及び図6に示されている増し折り処理の際に折り処理装置Bの制御部140によって行われる制御、特に第2の移動機構117の制御について詳細に説明する。ここでは、図8及び図9に示されているように、第1の折り目132がシート部分の上側に位置し且つ第2の折り目133がシート部分の下側に位置するようにZ字状に折り畳まれたシートSが増し折りユニット104内に搬入されるものとして説明を行う。
折り処理装置Bでは、まず、折り処理機構103がシートSに折り処理を施し、第1の折り目132がシート部分の上側に位置し且つ第2の折り目133がシート部分の下側に位置するようにシートSをZ字状に折り畳む(ステップS1)。詳細には、シートSの先端が折りローラ対105にニップされたことを認識すると、制御部140が折り処理機構103を制御して、折り曲げ部を形成するために、突き板107を水平方向に下側搬送ガイド109の下方の退避位置へ移動させて、下側搬送ガイド109と下側折りガイド111との間にループ作成用の空間を形成させる。ループ作成用の空間が形成された後、シートSの先端が折りローラ対105にニップされた状態でシートSを所定量だけ搬送すると、シートSの中間部がループ作成用の空間で下方に撓んでループ部を作成する。この状態で、突き板107を退避位置から折りローラ対105へ向かって水平方向に移動させて折り曲げ部を形成し、突き板107が折りローラ対105の手前まで到達した後に、折りローラ対105を駆動させてシートSを搬送させることによって、第1の折り目132が形成され、さらに、突き板107を退避位置へ移動させた後に折りローラ対105によってシートSを搬送させてループ部をニップすることによって第2の折り目133が形成されて、Z折りが施されたシートSが下流側に搬送される。
折り処理機構103によって折り処理を施されたシートSは、折りローラ対105によって搬入口119を経て増し折りユニット104内に搬入される(ステップS2)。増し折りユニット104では、複数の増し折りコロ114が下側折りガイド111に対して退避位置又は押圧位置よりも退避位置側へ離れた受け入れ位置に配置された状態で、増し折りユニット104内にシートSを受け入れる。このとき、制御部140は、折りローラ対105の上流側に設けられたシート位置検出手段(図示せず)によって検出されたシートSの位置に基づいて、図8(a)に示されているように、折りローラ対105から搬入口119に搬入されたシートSの搬入方向先端側の第1の折り目132が増し折り部すなわち増し折りコロ114の下方に到達したことを認識したときにシートSを停止させる(ステップS3)。
第1の折り目132が増し折り部で停止すると、制御部140は、図8(b)に示されているように、第1の移動機構116を駆動して支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114を押圧位置へ移動させる。その後、制御部140は、第2の移動機構117を駆動して押圧位置で下側折りガイド111に対して増し折りコロ114を第1の折り目132に沿って複数の増し折りコロを移動させ、増し折りコロ114と下側折りガイド111とによって第1の折り目132を押圧し、第1の折り目132の強化すなわち増し折りを行わせる。
制御部140は、上述したように押圧位置で折り目に沿って増し折りコロ114を移動させるとき、第2の移動機構117の動作を制御して、増し折りコロ114が折り目と直接接触し得るか否か、すなわち増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在するか否かに基づいて、一つの折り目に対して折り目に沿って増し折りコロ114を移動させる回数を変更する(ステップS4)。
シートSの搬送方向先頭側の第1の折り目132のように、折り目がシート部分の上側に位置し、増し折りコロ114が直接折り目に接触し得るとき、制御部140は、第2の移動機構117の動作を制御して、シート坪量認識手段であるシート坪量検知センサ141によって取得されたシートSの坪量に依らず、一つの折り目について、押圧位置で下側折りガイド111に対して第1の折り目132に沿って予め定められた回数N1だけ増し折りコロ114を移動させる(ステップS5)。詳細には、制御部140は、増し折り駆動モータ128を駆動してスライダ124と共に支持部材112を水平方向に移動させて、接触子130に対してカム溝131の頂部水平部分の一端部と他端部との間の片道行程を回数N1だけ繰り返し移動させることによって、押圧位置で下側折りガイド111に対して第1の折り目132に沿って回数N1だけ増し折りコロ114を移動させて、第1の折り目132に対して増し折り処理を施す。制御を簡略化するために、一つの折り目について、押圧位置で下側折りガイド111に対して第1の折り目132に沿って増し折りコロ114を移動させる回数は、上述したように、シート坪量認識手段によって取得されたシートSの坪量に関する情報に依らず、同一の回数N1とすることが好ましいが、シートSの坪量が予め定められた閾値α以上であるか否かに応じて回数を切り換えるようにしてもよい。
第1の折り目132に対する増し折り処理が終了すると、制御部140は、第1の移動機構116の動作を制御して、図8(c)に示されるように、下側折りガイド111から離れる方向に支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114を退避位置へ向けて予め定められた距離だけ移動(上昇)させた後、下流側にシートSを搬送させる(ステップS6)。
第1の折り目132に対する増し折り処理が施されたシートSが搬送されて、第1の折り目132の場合と同様に、折りローラ対105の上流側に設けられたシート位置検出手段(図示せず)によって検出されたシートSの位置に基づいて、第2の折り目133が増し折り部に到達したことを認識すると、制御部140は、図9(d)に示されているように、シートSを停止させる(ステップS3)。
第2の折り目133が増し折り部で停止すると、第1の折り目132の場合と同様に、制御部140は、第1の移動機構116の動作を制御して、図9(e)に示されているように、支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114を押圧位置へ移動させる。その後、制御部140は、第2の移動機構117を駆動して、押圧位置で下側折りガイド111に対して増し折りコロ114を第2の折り目133に沿って複数の増し折りコロを移動させ、増し折りコロ114と下側折りガイド111とによって第2の折り目133を押圧し、第2の折り目133の強化すなわち増し折りを行わせる。
制御部140は、第1の折り目132の場合と同様に、第2の移動機構117の動作を制御して、押圧位置で折り目に沿って増し折りコロ114を移動させるとき、増し折りコロ114が折り目と直接接触し得るか否か、すなわち増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在するか否かに基づいて、一つの折り目に対して折り目に沿って増し折りコロ114を移動させる回数を変更させる(ステップS4)。さらに、制御部140は、第2の移動機構117の動作を制御して、シートSの搬送方向後端側の第2の折り目133のように、折り目がシート部分の下側に位置し、増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在するとき、シート坪量認識手段によって取得されたシートSの坪量に応じて、一つの折り目に対して第2の折り目133に沿って複数の増し折りコロ114を移動させる回数を回数N1から変更させて第2の折り目133に増し折り処理を施す(ステップS7)。
シート坪量検知センサ141によって取得されたシートSの坪量が予め定められた閾値α以上の場合(例えば搬送されたシートSが普通紙又は厚紙の場合)、制御部140は、増し折りコロ114と第2の折り目133との間にシート部分が介在するときに、第2の移動機構117の動作を制御して、一つの折り目について、押圧位置で下側折りガイド111に対して第2の折り目133に沿って支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114を回数N1より多い回数N2だけ移動させて、第2の折り目133に対して増し折り処理を施す(ステップS8)。詳細には、御部140は、増し折り駆動モータ128を駆動してスライダ124と共に支持部材112を水平方向に移動させて、接触子130に対してカム溝131の頂部水平部分の一端部と他端部との間の片道行程を回数N2だけ繰り返し移動させることによって、押圧位置で下側折りガイド111に対して第2の折り目133に沿って回数N2だけ増し折りコロ114を移動させて、第2の折り目133に対して増し折り処理を施す。
増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在すると、シート部分により押圧力が分散して折り目に付与される押圧力が低下するが、一つの折り目に対して、押圧位置に配置された増し折りコロ114を第2の折り目133に沿って回数N1よりも多い回数N2だけ繰り返し移動させることによって、増し折りコロ114と下側折りガイド111との間でシート部分及び第2の折り目133に付与する押圧力の総量(仕事量)が増加する。したがって、増し折りコロ114と第2の折り目133との間にシート部分が介在するときに第2の折り目133に付与される押圧力の総量が、増し折りコロ114と第1の折り目132とを直接接触させるときに付与される押圧力の総量と比較して少なくなることを抑制することが可能となり、増し折りコロ114と折り目133とシート部分との位置関係による増し折りの効果の変動が抑制され、より均一な折り高さの折り目を実現することが可能となる。
一方、シート坪量検知センサ141によって取得されたシートSの坪量が予め定められた閾値αよりも小さい場合(例えば搬送されたシートSが薄紙の場合)、制御部140は、増し折りコロ114と第2の折り目133との間にシート部分が介在するときに、第2の移動機構117の動作を制御して、一つの折り目について、押圧位置で下側折りガイド111に対して第2の折り目133に沿って支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114を回数N2より少ない回数N3だけ移動させて、第2の折り目133に対して増し折り処理を施す(ステップS9)。詳細には、御部140は、増し折り駆動モータ128を駆動してスライダ124と共に支持部材112を水平方向に移動させて、接触子130に対してカム溝131の頂部水平部分の一端部と他端部との間の片道行程を回数N3だけ繰り返し移動させることによって、押圧位置で下側折りガイド111に対して第2の折り目133に沿って回数N3だけ増し折りコロ114を移動させて、第2の折り目133に対して増し折り処理を施す。
増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在すると、シート部分の下側で下側折りガイド111との間に折り目による段差が生じて、薄紙のように坪量が小さく折り癖が付き易いシートSの場合に、増し折りコロ114と下側折りガイド111との間でシート部分及び折り目を押圧したときに、シート部分に折り目による痕が筋となって残りやすくなる。しかしながら、押圧位置に配置された増し折りコロ114を第2の折り目133に沿って回数N2よりも少ない回数N3だけ移動させることによって、坪量が大きく折り目による痕が残りにくいシートの場合よりも増し折りコロ114と下側折りガイド111との間でシート部分及び第2の折り目133に付与する押圧力の総量が少なくなる。したがって、坪量が小さく折り癖が付き易いシートSの場合に増し折りコロ114と第2の折り目133との間にシート部分が介在した状態で折り目を押圧しても、シート部分に第2の折り目133による痕が筋となって残ることを抑制し、増し折り処理後のシートSの品質を高めることが可能となる。
このように、制御部140は、シート坪量識別手段であるシート坪量検知センサ141によって取得したシートSの坪量に応じて、増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在するときに、一つの折り目に対して押圧位置で増し折りコロ114を折り目に沿って移動する回数を切り換えることによって、折り目による痕がシート部分に残ることを抑制しつつ、折り目による痕が残りにくい場合には、折り目の強化の効果を十分に得ることができるようにしている。
なお、図示されている実施形態では、薄紙のように坪量が小さく折り癖が付き易いシートSの場合に、増し折りコロ114との間にシート部分が介在する第2の折り目133に対して、一つの折り目について、増し折りコロ114が第2の移動機構117によって押圧位置で第1の折り目132に沿って移動する回数N2よりも少ない回数N3だけ第2の折り目133に沿って移動すると説明されている。しかしながら、シート部分に折り目による痕が残ることをより抑制しやすくするために、薄紙のように坪量が小さく折り癖が付き易いシートSの場合に、増し折りコロ114と第2の折り目133との間にシート部分が介在するとき、増し折り処理の際に回数N1より少ない回数N3で第2の折り目133に沿って増し折りコロ114を移動させるようにしてもよい。
また、制御部140は、ステップS8における第2の折り目133に対する増し折り処理のように、シート坪量検知センサ141によって取得されたシートSの坪量が予め定められた閾値αより小さい場合に、複数の増し折りコロ114と折り目との間にシート部分を介在させて複数の増し折りコロ114と下側折りガイド111との間で折り目に押圧力を付与するときに、増し折りコロ114が第2の折り目133と対向して直接接触するときよりも、第2の折り目133に沿った増し折りコロ114の移動の速度を速くするように、第2の移動機構117の動作を制御してもよい。これにより、増し折りコロ114と下側折りガイド111との間で第2の折り目133を押圧する時間が短くなり、第2の折り目133に付与される押圧力の総量(仕事量)が減少するので、薄紙のように坪量が予め定められた閾値よりも小さく折り癖が付き易いシートSの場合に、シート部分に第2の折り目133による痕が筋となって残ることをさらに抑制して、増し折り処理後のシートSの品質をさらに向上させることが可能となる。制御部140は、シート坪量検知センサ141によって取得されたシートSの坪量が予め定められた閾値αより小さい場合、第2の折り目133のように増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在するときに、増し折りコロ114が折り目と対向して直接接触するときよりも、増し折りコロ114と下側折りガイド111との間でシート部分及び折り目に付与する押圧力を弱くするように、第1の移動機構116を制御してもよい。これにより、増し折りコロ114と下側折りガイド111との間で折り目に付与される押圧力の総量がさらに減少するので、薄紙のように坪量が予め定められた閾値よりも小さく折り癖が付き易いシートSの場合に、折り目による痕が残ることをさらに抑制して、増し折り処理後のシートSの品質をさらに向上させることが可能となる。
第2の折り目133に対する増し折り処理が終了すると、第1の折り目132に対する増し折り処理の場合と同様に、制御部140は、図9(f)に示されるように、第1の移動機構116によって下側折りガイド111から離れる方向に退避位置へ向けて予め定められた距離だけ支持部材112に支持される複数の増し折りコロ114を上昇させた後に、下流側にシートSを搬送させる(ステップS6)。
Z折りや三つ折りなどのように二箇所以上に折り目がある場合には、最後の折り目に対する増し折り処理が完了するまで、ステップS3からステップS9までの動作が繰り返され、シートSの折り目が増し折り部に配置される毎にシートの搬送を停止させ、シートSの折り目に沿って複数の増し折りコロ114を移動させて増し折り処理を行う(ステップS10)。全ての折り目に対して増し折り処理が完了すると、増し折り処理を施されたシートSが後処理装置Cに搬送される。
以上、図示されている実施形態を参照して、本発明のシート押圧装置及びこれを備える画像形成システムを説明したが、本発明は図示される実施形態に限定されるものではない。図示されている実施形態では、ガイドレール123、スライダ124、ブラケット125、プーリ126、ラック127、増し折り駆動モータ128、ベルト129、接触子130、カム溝131の第1の傾斜部分及び第2の傾斜部分によって構成されると共に、第2の移動機構117がガイドレール123、スライダ124、ブラケット125、プーリ126、ラック127、増し折り駆動モータ128、ベルト129、接触子130、カム溝131の頂部水平部分によって構成されているが、支持部材112を下側折りガイド111に接近離反させると共に、支持部材112をシートSの折り目に沿って移動させることができれば、第1の移動機構116及び第2の移動機構117の構成は限定されるものではない。例えば、図10に示されているように、ベース部材142上にガイドレール123、スライダ124を設け、スライダ124と支持部材112とをブラケット125によって接続し、スライダ124を図示しない直動機構によって駆動することでベース部材142に対して支持部材112の水平移動を可能とさせると共に、ベース部材142を昇降機構143によって昇降させることで支持部材112を昇降させることを可能とさせてもよい。この場合、ガイドレール123、スライダ124、ブラケット125及び直動機構が第2の移動機構として機能し、昇降機構146が第1の移動機構として機能する。また、この場合、押圧位置における支持部材112と下側折りガイド111との間隔を変えることができ、押圧位置におけるバネ121の圧縮量を変化させて増し折りコロ114と下側折りガイド111との間でシートSに付与する押圧力を調整することが可能となる。したがって、上述したように、制御部140は、シート坪量検知センサ141によって取得されたシートSの坪量が予め定められた閾値αより小さい場合、第2の折り目133のように増し折りコロ114と折り目との間にシート部分が介在するときに、増し折りコロ114が折り目と対向して直接接触するときよりも、増し折りコロ114と下側折りガイド111との間でシート部分及び折り目に付与する押圧力を弱くするように第1の移動機構116を制御することが可能となる。
さらに、図示されている実施形態では、増し折りコロ114を移動させることによって、下側折りガイド111に対して増し折りコロ114を移動させているが、下側折りガイド111を移動させることによって、下側折りガイド111に対して増し折りコロ114を移動させてもよい。もちろん、増し折りコロ114と下側折りガイド111の両方を移動させるようにしてもよい。また、増し折りコロ114に代えて、下側折りガイド111を増し折りコロ114へ向けて弾性部材としてのバネで付勢するようにしてもよい。