JP2013124140A - 冊子処理装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

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Nobuyasu Suzuki
伸宜 鈴木
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恭昌 松本
Atsushi Kikuchi
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Abstract

【課題】突当部材に突き当たった状態の冊子を、天地方向から押圧して固定するときに、冊子の最外紙にタルミが生じてしまう不具合が軽減される、冊子処理装置、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】冊子PSの背部の側を進行方向として搬送して突当部材91に突き当てる搬送手段82、88と、突当部材91に突き当たった状態の冊子PSを押圧して固定する押圧固定手段82、88と、突当部材91に突き当たった状態の冊子PSの小口部の中央部を押し止める押止部材100と、押圧固定手段82、88によって冊子PSを押圧して固定するときに押止部材100によって押し止められた状態の冊子PSの最外紙に対して進行方向に対して逆方向の付勢力を付加する付勢手段82、88と、が設置されている。
【選択図】図4

Description

この発明は、冊子に対して断裁処理等の処理をおこなう冊子処理装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、に関するものである。
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置に設置する後処理装置として、冊子に対して断裁処理等の処理をおこなう冊子処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
詳しくは、画像形成装置本体において複数枚の紙に所望の画像が形成されると、その複数枚の紙が中綴じ製本装置に搬送されて、背部(中折部)を有する冊子が形成される。そして、中綴じ製本装置にて形成された冊子は、冊子処理装置に搬送されて裁断処理や整合処理等の後処理がおこなわれる。
ここで、特許文献1には、冊子の小口部を断裁する前に冊子にシワやタルミを残存させないことを目的として、折り処理をおこなった後の冊子の背部(中折部)を突当部材(冊子位置決め手段)に突き当てた後に、冊子の背部を天地方向から押さえて、その後に冊子の天地面を押さえて固定して、小口部の断裁処理をおこなう技術が開示されている。
従来の冊子処理装置は、突当部材に突き当たった状態の冊子を、天地方向から押圧して固定するときに、冊子の最外紙にタルミが生じてしまうことがあった。そして、冊子の最外紙にタルミが生じた状態で、その後の断裁処理や整合処理等の処理がおこなわれてしまうと、処理後の出来映えが良好でない冊子となってしまっていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、突当部材に突き当たった状態の冊子を、天地方向から押圧して固定するときに、冊子の最外紙にタルミが生じてしまう不具合が軽減される、冊子処理装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる冊子処理装置は、冊子の処理をおこなう冊子処理装置であって、冊子の背部の側を進行方向として搬送して、前記冊子の背部を突当部材に突き当てる搬送手段と、前記突当部材に突き当たった状態の前記冊子を天地方向から相対的に押圧して固定する押圧固定手段と、前記突当部材に突き当たった状態の前記冊子の小口部に対して天地方向の中央部が前記進行方向とは逆方向に移動しないように押し止める押止部材と、前記押圧固定手段によって前記冊子を押圧して固定するときに、前記押止部材によって押し止められた状態の前記冊子の最外紙に対して前記逆方向の付勢力を付加する付勢手段と、を備えたものである。
本発明は、突当部材に突き当たった状態の冊子を押圧固定手段によって天地方向から押圧して固定するときに、冊子の小口部の天地方向中央部を押止部材によって押し止めた状態で冊子の最外紙に対して小口部の側への付勢力を付加している。これにより、突当部材に突き当たった状態の冊子を、天地方向から押圧して固定するときに、冊子の最外紙にタルミが生じてしまう不具合が軽減される、冊子処理装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 中綴じ製本装置の動作を示す図である。 冊子処理装置の基本的な動作を示す図である。 冊子処理装置の特徴的な動作を示す図である。 冊子における最外紙の挙動を示す模式図である。 従来の冊子処理装置の動作を示す図である。 別形態の冊子処理装置を示す概略図である。
実施の形態.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機の装置本体(画像形成装置本体)、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像を用紙P(紙)に転写する転写部(画像形成部)、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、12〜14は転写紙等の用紙Pが収納された給紙部、17、18は転写部7に向けて用紙Pを搬送するレジストローラ(レジストローラ対)、20は用紙P上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、を示す。
また、50は画像形成装置本体1から搬送口を介して搬送された複数の用紙Pを整合した後に中綴じ・中折り処理を施して冊子PSを形成する後処理装置としての中綴じ製本装置、80は中綴じ製本装置本体50から搬送口を介して搬送された冊子PSに断裁処理を施す後処理装置としての冊子処理装置(断裁処理装置)、を示す。中綴じ製本装置50や冊子処理装置80は、画像形成装置本体1に対して着脱可能に設置されている。
図1を参照して、画像形成装置本体1における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図中の時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応した画像(トナー像)が形成される。
その後、感光体ドラム5上に形成された画像は、画像形成部としての転写部7で、レジストローラ17、18により搬送された用紙P上に転写される。
一方、転写部7(画像形成部)に搬送される用紙P(紙)は、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部12、13、14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部12が選択されたものとする。)。
そして、給紙部12に収納された用紙Pの最上方の1枚が、搬送経路Kの位置に向けて搬送される。
その後、用紙Pは、複数の搬送ローラが配設された搬送経路Kを通過して、レジストローラ17、18の位置に達する。そして、レジストローラ17、18の位置に達した用紙Pは、感光体ドラム5上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7(画像形成部)に向けて搬送される。
そして、転写工程後の用紙Pは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達した用紙Pは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方の部材21、22から受ける圧力とによって画像が定着される。画像が定着された用紙Pは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間(ニップ部である。)から送出された後に、画像形成装置本体1から排出される。
そして、ユーザーによって中綴じ製本処理が選択されている場合には、画像形成装置本体1から排出された用紙Pは、搬送ローラ対51によって順次に中綴じ製本装置50に搬送されて、切替爪52による搬送経路の切替によって処理部に導かれ、それらの用紙Pが処理部で整合されて用紙束が形成された後に、その用紙束に中綴じ・中折り処理がおこなわれて冊子PSが形成される。これに対して、ユーザーによって中綴じ製本処理が選択されていない場合には、画像形成装置本体1から排出された用紙Pは、搬送ローラ対51によって中綴じ製本装置50に搬送されて、切替爪52による搬送経路の切替によって、処理部に導かれることなく、排紙ローラ対53を介して中綴じ製本装置50の外部に排紙され、不図示の排紙トレイ上に順次積載されることになる。
なお、本実施の形態では、画像形成装置本体1から排出された複数の用紙Pが中綴じ製本装置50にて整合されて用紙束が形成された後に、中綴じ・中折り処理がおこなわれて冊子PSが形成されるように構成した。これに対して、画像形成装置本体1と中綴じ製本装置50との間に用紙処理装置を設置して、画像形成装置本体1から排出された複数の用紙Pが用紙処理装置にて整合されて用紙束が形成された後に、その用紙束を中綴じ製本装置50に搬送して中綴じ・中折り処理をおこない冊子PSを形成するように構成することもできる。
そして、中綴じ製本装置50にて中綴じ・中折り処理が施された後に冊子PSは、搬送ローラ対81によって冊子処理装置80に導かれて、さらに搬送ベルト対82、88によって装置内部に搬送されて位置決め・押圧固定がされた後に、断裁手段としての断裁部92によって冊子PSの小口部が断裁されて、冊子PSの見映えが整えられて、冊子処理装置80から排出される(図1の破線矢印方向の移動である。)。
なお、冊子処理装置80の構成・動作については、後でさらに詳しく説明する。
以下、図2を用いて、中綴じ製本装置50の構成・動作について、簡単に説明する。
まず、図2(A)に示すように、切替爪52(図1を参照できる。)による搬送経路の切替によって処理部に導かれた用紙Pは、搬送ローラ対54、55によって、その先端が可動フェンス60に突き当たる位置まで搬送される。このとき、可動フェンス60は、用紙Pの搬送方向のサイズに応じて最適な当接位置になるように移動して待機している。そして、待機している可動フェンス60に用紙Pの先端が当接して用紙束Pとしてスタックされることになる。
その後、図2(B)に示すように、下方の搬送ローラ対55が離間(圧解除)した状態で、ベルト部58に設置された後端叩き爪59の移動によって用紙束Pの後端が叩かれて、用紙束Pの搬送方向の揃えがおこなわれる。また、中綴じジョガーフェンス64が幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に移動しながら、可動フェンス60と後端叩き爪59により用紙束Pの搬送方向を揃える整合動作がおこなわれる。このとき、用紙束Pのサイズ情報、枚数情報、束厚み情報によって、後端叩き爪59や中綴じジョガーフェンス64の押し込み量が最適化される。
その後、用紙束Pの中央部(搬送方向中央部)に対して中綴じスティプラ61により綴じ処理を施す。ここで、可動フェンス60は可動フェンスHPセンサ73からのパルス制御により位置決めされていて、後端叩き爪59は後端叩き爪HPセンサ71からのパルス制御により位置決めされている。
その後、図2(C)に示すように、中綴じされた用紙束Pは、搬送ローラ対55が離間した状態のまま、可動フェンス60の移動によって上方に運ばれる。
そして、図2(D)に示すように、綴じられた針部の近傍が略直角方向に折りプレート65により押されて、折りローラ56のニップへと導かれる。そして、回転する折りローラ56によって、用紙束Pが加圧搬送されることで、用紙束Pの中央部(冊子PSの背部となる部分である。)に折りが施されて、冊子PSが形成される。
その後、図2(E)に示すように、折りが施された用紙束P(冊子PS)は、排紙ローラ対57により中綴じ製本装置50から排出される。このとき、冊子PSの後端が折り部通過センサ74に検知されると、折りプレート65や可動フェンス60がホームポジションに移動して、搬送ローラ対55が当接状態(加圧状態)に復帰して、次の中綴じ・中折り処理に備える。なお、次のジョブが同サイズ・同枚数のものであれば、可動フェンス60を再び図2(A)の位置に移動して待機させるように制御することもできる。
以下、図3を用いて、冊子処理装置80の基本的な構成・動作について、簡単に説明する。
先に説明したように、中綴じ製本装置50から排出された冊子PSは、冊子処理装置80に搬送されて、冊子処理装置80にて断裁処理が施される。
図3を参照して、冊子処理装置80は、中綴じ製本装置50より排出された冊子PSを装置内に導く搬送ローラ対81、断裁手段としての断裁部92、冊子PSの位置決め・固定をおこなう整合部82〜91、等で構成されている。
断裁部92(断裁手段)は、断裁刃95、断裁刃95の近傍で冊子PSを押圧して押さえる押圧部材93、押圧部材93による押圧面と断裁刃95による断裁面との基準となるベース部94、等で構成されている。
整合部には、冊子PSの天地方向(上下方向)を挟むように一対の搬送ベルト対(上方に設置された第1搬送ベルト82と、下方に設置された第2搬送ベルト88と、である。)が設置されている。この搬送ベルト対82、88は、冊子PSを搬送する搬送手段として機能するとともに、冊子PSを整合するときの押圧固定手段(ガイド手段)としても機能する。具体的に、搬送ベルト対82、88は、冊子PSの背部(中綴じ部)の側を進行方向として搬送して冊子PSの背部を突当部材91に突き当てる搬送手段として機能するとともに、突当部材91に突き当たった状態の冊子PSを天地方向から相対的に押圧して固定する押圧固定手段としても機能する。
このように、搬送ベルト対82、88は、冊子整合時の押圧固定手段としても機能するため、冊子PSに接する搬送面の摩擦係数が低くなるような材質で形成され、さらに上下の搬送ベルト82、88の摩擦係数が同程度になるように設定されている。これにより、搬送ベルト対82、88によって冊子PSを天地方向(上下方向)から押圧するときに、冊子PSの上部と下部とにかかる力を低くかつ同程度にすることができるため、押圧時に冊子PSにズレが生じにくくなる。なお、本実施の形態では、上述したように搬送ベルト対82、88に押圧固定手段としての機能も持たせているが、ガイド板等の押圧固定手段を別に設置して、搬送ベルト対82、88が冊子PSの搬送手段としてのみ機能するように構成することもできる。
上方の第1搬送ベルト82を有する上部ユニットは、ガイド軸87に沿って昇降可能に構成されていて、2つの搬送ベルト82、88の間隔を相対的に可変できるようになっている。また、2つの搬送ベルト82、88で冊子PSを狭持するときに、加圧プレート85をさらに下降させることで、圧縮スプリング87のスプリング力によって、その狭持力を可変することができる。
なお、本実施の形態では、上方の第1搬送ベルト82を昇降させることで、2つの搬送ベルト82、88の間隔を可変しているが、下方の第2搬送ベルト88を昇降させたり、双方の搬送ベルト82、88を昇降させたりすることで、2つの搬送ベルト82、88の間隔を可変することもできる。
また、搬送ベルト82、88は、それぞれ、駆動ローラ83、89と従動ローラ84、90とによって張架・支持されている。そして、駆動ローラ83、89がそれぞれ所定方向に回転駆動されることで、2つ搬送ベルト82、88がそれぞれ冊子PSを図3中の破線矢印で示す進行方向(正方向)に搬送するように回転することになる。なお、本実施の形態では、駆動ローラ83、89がそれぞれ逆方向に逆転して回転駆動できるように構成されていて、搬送ベルト対82、88(押圧固定手段)によって冊子PSを押圧して固定するときに、押止部材100(図4を参照できる。)によって押し止められた状態の冊子PSの最外紙に対して逆方向の付勢力(移動力)を付加する付勢手段としても機能することになるが、これについては後で図4を用いて詳しく説明する。
また、整合部には、搬送ベルト対82、88による搬送経路を遮る位置と退避する位置とを移動可能に構成された突当部材91(位置決めストッパ)や、突当部材91に突き当たった状態の冊子PSの小口部(背部の反対側である。)に対して天地方向の中央部が進行方向とは逆方向に移動しないように押し止める押止部材100(図4を参照できる。)、が設置されている。
突当部材91は、冊子PSのサイズや断裁量等の情報に基いて、その搬送方向(図3の左右方向である。)の位置が可変できるように構成されている。そして、冊子PSの背部を突当部材91に当接させることで、断裁処理時における冊子PSの位置決めをおこなう。また、押止部材100(図4を参照できる。)も、搬送ベルト対82、88による搬送経路を遮る位置と退避する位置とを移動可能に構成されていて、搬送ベルト対82、88による押圧固定時に冊子PSの小口部の中央部を押止することになるが、これについては後で図4を用いて詳しく説明する。
このように構成された冊子処理装置80に、中綴じ製本装置50から排出された冊子PSが搬送されると、その状態が入口センサ(不図示である。)によって検知されて、その検知信号に基いて各部における動作準備が開始される。
まず、図3(A)に示すように、上方の第1搬送ベルト82を含む上部ユニット82〜87が、2つの搬送ベルト82、88の間隔が距離D1になるように移動する。この距離D1は、冊子PSをほとんど押圧することなく搬送ベルト対82、88によって冊子PSを進行方向に搬送できる程度の距離であって、冊子PSの天地方向の厚さ(用紙Pの紙厚、サイズ、綴じ、枚数、種類等の情報に基いて求めることができる。)に対応して予め設定されている。
また、突当部材91は、冊子PSのサイズや断裁量等の情報に基いて、冊子PSの位置決めをおこなう位置に移動する。さらに、搬送ローラ対81や搬送ベルト対82、88は、それぞれ、回転駆動されて、冊子PSを進行方向に向けて搬送する。なお、双方の搬送ベルト82、88の駆動ローラ83、89は、上下の搬送ベルト82、88の回転位相を合わせるように、構成され制御される。
そして、整合部に搬送された冊子PSは、図示しないセンサの検知によって、突当部材91の手前で停止する。
その後、図3(B)に示すように、上部ユニット82〜87が、2つの搬送ベルト82、88の間隔が距離D2(<D1である。)になるように下降移動して、厚みのある冊子PSが一定の高さ(厚さ)まで絞り込まれる。この距離D2は、冊子PSの天地方向の厚さ(用紙Pの紙厚、サイズ、綴じ、枚数、種類等の情報に基いて求めることができる。)に対応して予め設定されている。
そして、図3(C)に示すように、搬送ベルト対82、88の間隔をD2に維持した状態で、搬送ベルト対82、88を正方向に回転させて冊子PSを進行方向に搬送して、冊子PSの背部を突当部材91に当接させて位置決めする。このとき、冊子PSのスキュー等を修正するために、搬送ベルト対82、88をある程度オーバーランさせる。
その後、図3(D)に示すように、上部ユニット82〜87が、2つの搬送ベルト82、88の間隔が距離D3(<D2である。)になるように下降移動して、冊子PSが固定される。このとき、2つの搬送ベルト82、88が冊子PSに当接した後に、加圧プレート85が下降することで、圧縮スプリング87による加圧力が冊子PSの押圧力として加わる。なお、この冊子PSに対する押圧力は、加圧プレート85の下降量によって調整される。この距離D3は、冊子PSの天地方向の厚さ(用紙Pの紙厚、サイズ、綴じ、枚数、種類等の情報に基いて求めることができる。)に対応して予め設定されている。
そして、図3(E)に示すように、冊子PSの位置を整合して冊子PSを押圧して固定した後に、断裁刃95の近傍に設けられた押圧部材93にて冊子PSの断裁位置近傍を押さえて、断裁刃95を下降移動させることで断裁処理をおこなう。
そして、図3(F)に示すように、冊子PSに断裁処理を施した後に、断裁刃95や押圧部材93を上方の退避位置に移動させる。さらに、加圧プレート85を上昇移動させて、冊子PSの進行方向の搬送が可能な程度の加圧力になるまで除圧する。この加圧プレート85の移動距離は、冊子PSの天地方向の厚さ(用紙Pの紙厚、サイズ、綴じ、枚数、種類等の情報に基いて求めることができる。)に対応して予め設定されている。そして、突当部材91を退避位置に移動させて、搬送ベルト対82、88を正方向に回転させることで、断裁された冊子PSが冊子処理装置80の外部に排出され、一連の冊子処理動作が完了する。
次に、主として図4を用いて、本実施の形態において特徴的、冊子処理装置80の構成・動作について詳述する。
図4に示すように、本実施の形態における冊子処理装置80には、突当部材91に突き当たった状態の冊子PSの小口部に対して天地方向(上下方向)の中央部が進行方向とは逆方向(図4の右方向である。)に移動しないように押し止める押止部材100が設置されている(図3では、その図示を省略している)。この押止部材100は、冊子PSの正方向の搬送を妨げない退避位置から冊子PSの小口部に対向する位置に移動して、小口部において逆方向(図4の右方向である。)に突出した天地方向中央部に当接する板状部材である。すなわち、断裁処理が施される前の冊子PS(図3(D)の状態である。)の小口部は、最外紙から中央部側の用紙Pであるほど逆方向(図4の右方向である。)にずれた状態になっていて、逆方向に向けて凸状に突出した状態になるため、天地方向に平行な板状部材を小口部に向けて押し当てることで、最外紙は押止部材100に当接せずに、小口部の中央部のみが押止部材100に当接することになる。
さらに、本実施の形態では、搬送ベルト対82、88を逆転駆動できるように構成されていて、押圧固定手段としても機能する搬送ローラ対82、88によって冊子PSを押圧して固定するとき(図3(D)の状態である。)に、押止部材100によって押し止められた状態の冊子PSの最外紙(冊子の最も外側に位置する用紙Pであって、搬送ベルト82、88に直接的に接触する用紙Pである。)に対して逆方向の付勢力(図3、図4の右方向に移動させようとする力である。)を付加する付勢手段として搬送ベルト対82、88が機能するように構成されている。
詳しくは、図4(A)は、突当部材91に当接した冊子PSの小口部側に、押止部材100(後端押さえ部材)が移動した状態を示す図であって、先に説明した図3(C)の工程と同時(又は、図3(D)の工程の直前)に実施される。なお、図4では、簡単のため、押止部材100が、搬送ベルト対82、88の搬送方向の範囲内に設置された図となっているが、実際には、押止部材100は断裁部92に対して搬送方向上流側の位置に設置されている。
中綴じした状態の冊子PSの小口部は、用紙Pが内側から階段状に重ねられているために、押止部材100が実際に当接するのは冊子PSの最内紙(天地方向中央部)付近の用紙となる。そして、図4(B)(図3(D)をも参照できる。)に示すように、この状態から上方の第1搬送ベルト82を下方向に移動させて、冊子PSを押圧固定するが、このとき搬送ベルト対82、88を所定時間だけ逆転駆動して押圧と同時に冊子PSを小口部側へ移動させる力を作用させる(付勢手段を稼動する)。このとき、搬送ベルト対82、88の逆回転によって、冊子PSには逆矢印(図4の右方向である。)の力が作用するものの、冊子PSの中紙(天地方向中央部)は、押止部材100によってその移動が規制されていて、正方向(図4の左方向である。)に反力を受ける。したがって、搬送ベルト対82、88(付勢手段)が逆転駆動されると、冊子PSの最外紙(表紙)を小口部側に移動させるが、中紙は移動しないことになる。結果的に、冊子PSの位置自体は変化せずに、冊子PSが背部側から小口部側にしごかれながら押圧固定されることになる。
図5は、冊子PSを押圧する前と押圧した後との最外紙PS1の挙動を比較した模式図である。
図5の上図を参照して、搬送ベルト対82、88(押圧固定手段)によって冊子PSを押圧する前には、搬送ベルト82、88と最外紙PS1(冊子PS)との接触点から左側の表面長さは、H2×2+H1となる。これに対して、図5の下図を参照して、搬送ベルト対82、88(押圧固定手段)によって冊子PSを押圧した後には、同じ箇所の表面長さは、H3×2+H4となる。ここで、H1≒H4であるので、押圧前後での最外紙PS1の表面長さの差異ΔHは(H2−H3)×2となる。搬送ベルト82、88は上下2箇所にあるので、各搬送ベルト82、88を(H2−H3)だけ逆方向に移動させればよいことになる。このようにして、冊子PSの押圧と同時に、搬送ベルト対82、88の逆回転によって移動する移動量ΔHを算出する。
なお、冊子PSが整合部に搬送されたときのベルト間隔D1や冊子先端部〜接触点長さH3や冊子先端部直径D2は、搬送されてくる冊子PSの条件に合わせて変更すればよい。また、搬送ベルト82、88の表面摩擦抵抗を充分に低くできれば、冊子PSと搬送ベルト82、88とのすべりを想定して、押圧時の搬送ベルト82、88の移動量を一定に設定することもできる。
このように、本実施の形態における冊子処理装置80では、突当部材91に突き当たった状態の冊子PSを搬送ベルト対82、88によって天地方向から押圧して固定するときに、冊子PSの小口部の天地方向中央部を押止部材100によって押し止めた状態で、搬送ベルト対82、88を逆転駆動して冊子PSの最外紙に対して小口部側への付勢力(移動力)を付加している。
これにより、突当部材91に突き当たった状態の冊子PSを、搬送ベルト対82、88によって天地方向から押圧して固定するときに、冊子PSの最外紙にタルミが生じてしまう不具合が軽減される。したがって、冊子PSの最外紙にタルミが生じた状態で、その後に断裁部92によって断裁処理がおこなわれてしまい、処理後の出来映えが良好でない冊子となってしまう不具合を防止することができる。
図6(A)〜(D)は、従来の冊子処理装置(押止部材100等が設置されていない装置である。)の動作を示す図である。
図6(A)に示すように、冊子PSは、搬送ベルト対182、188によって、背部が突当部材191に当接する位置まで搬送される。このとき、図6(B)に示すように、冊子PSの最外紙(表紙)と搬送ベルト182、288とが、冊子PSの頂部を当接点として当接した状態になる。そして、この状態から上方の搬送ベルト182を下方向に移動して冊子PSを押圧すると、当接点では搬送ベルト182、188と表紙とがすべらないので、冊子PSの最外紙が当接点を境に、右側部分が右側に移動して、左側部分が左側に移動することになる。
そのため、図6(C)に示すように、右側へ移動した最外紙の部分はそのまま伸びるが、左側に移動した最外紙の部分は、突当部材191があるため移動できず、冊子PSから浮かび上がった状態になる。そして、図6(D)に示すように、搬送ベルト対182、188による冊子PSの押圧固定が完了したときに、押圧固定された冊子PSの背部(破線で囲んだ部分である。)において最外紙が浮かび上がり、撓んだ状態にて固定されてしまうことになる。そして、このように冊子PSの最外紙にタルミが生じた状態で、その後に断裁部によって断裁処理がおこなわれてしまうと、処理後の出来映えが良好でない冊子となってしまう。
これに対して、本実施の形態では、押止部材100や搬送ベルト対82、88の逆転駆動によって、冊子PSの最外紙にタルミが生じない状態で冊子PSの押圧固定をおこなっているため、そのような不具合が生じないことになる。
なお、本実施の形態において、上述した効果がより確実に発揮されるように、搬送ベルト対82、88(付勢手段)によって冊子PSの最外紙に対して付勢力(逆方向の移動力)を付加するのを停止するタイミングと、搬送ベルト対82、88(押圧固定手段)によって冊子PSを押圧して固定する動作が完了するタイミングと、が一致するように制御することが好ましい。すなわち、このようなタイミングにて制御することによって、冊子PSの最外紙のタルミが確実に除去された状態で、冊子PSの押圧固定が完了することになる。
また、本実施の形態において、搬送ベルト対82、88(付勢手段)は、冊子PSの天地方向の厚さに応じて付勢力を付加する時間(逆転駆動する時間又は移動距離)が可変されるように制御されることが好ましい。これは、冊子PSの厚さによって、冊子PSの最外紙に生じる可能性のあるタルミ量が異なるためである。具体的に、冊子PSの厚さが薄い場合には、冊子PSの厚さが厚い場合に比べて、冊子PSの最外紙に生じる可能性のあるタルミ量が小さくなるため、搬送ベルト対82、88(付勢手段)を逆転駆動する時間(又は移動距離)が短くなるように制御する。
特に、冊子PSの天地方向の厚さが所定値以下(例えば、数枚の用紙PSによって冊子PSを形成する場合である。)であるときには、冊子PSの最外紙にタルミが生じることはほとんどないため、搬送ベルト対82、88(付勢手段)を逆転駆動する時間(又は移動距離)がゼロになるように制御することができる(冊子に付勢力を付加しないように制御することができる)。
このような制御をおこなうことで、無駄のない効率的な制御をおこなうことができる。
なお、本実施の形態では、搬送ベルト対81、88を逆転駆動することで付勢手段として機能させたが、付勢手段として機能する部材を別に設置することもできる。
なお、本実施の形態では、押止部材100として、冊子PSの小口部の全域に対向する板状部材を用いた。
これに対して、図7に示すように、押止部材として、冊子PSの小口部の天地方向中央部(中紙)に対向する位置に移動して、天地方向中央部にのみ当接する柱状部材110を用いることもできる。
さらに、図示は省略するが、押止部材として、冊子PSの小口部に対して幅方向(進行方向及び天地方向に直交する方向であって、図7の紙面垂直方向である。)の両端位置に移動して、小口部における天地方向中央部(中紙)の両端部を挟持する挟持部材を用いることもできる。
そして、これらの場合であっても、先に図4を用いて説明したメカニズムと同様に、小口部の中央部を押止した状態で搬送ベルト対82、88の逆転駆動によって最外紙のタルミを除去することができるので、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態においては、突当部材91に突き当たった状態の冊子PSを搬送ベルト対82、88(押圧固定手段)によって天地方向から押圧して固定するときに、冊子PSの小口部の天地方向中央部を押止部材100によって押し止めた状態で冊子PSの最外紙に対して小口部の側への付勢力を付加している。これにより、突当部材91に突き当たった状態の冊子PSを、天地方向から押圧して固定するときに、冊子PSの最外紙にタルミが生じてしまう不具合を軽減することができる。
なお、本実施の形態では、モノクロの画像形成装置1に設置される冊子処理装置80に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置に設置される冊子処理装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1に設置される冊子処理装置80に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置である。)に設置される冊子処理装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
さらに、画像形成装置1に接続された冊子処理装置80ではなく、単独の装置としての冊子処理装置(たとえば、搬送口に冊子用の給紙カセットがセットされていて、冊子処理装置自体に処理モード等を入力する操作パネルが設置されているものである。)に対しても本発明を適用することができる。
そして、それらの場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、断裁処理をおこなう冊子処理装置80に対して本発明を適用したが、その他の処理をおこなう冊子処理装置(例えば、冊子の整合処理、天地断裁処理、スクウェアホールド等をおこなう装置である。)に対しても当然に本発明を適用することができる。
そして、その場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置本体(装置本体)、
50 中綴じ製本装置、
80 冊子処理装置、
82 第1搬送ベルト(搬送手段、押圧固定手段、付勢手段)、
88 第2搬送ベルト(搬送手段、押圧固定手段、付勢手段)、
91 突当部材、
92 断裁部(断裁手段)、
100 押止部材(板状部材)、
110 押止部材(柱状部材)、
PS 冊子、PS1 最外紙、 P 用紙(紙)。
特開2010−173004号公報

Claims (10)

  1. 冊子の処理をおこなう冊子処理装置であって、
    冊子の背部の側を進行方向として搬送して、前記冊子の背部を突当部材に突き当てる搬送手段と、
    前記突当部材に突き当たった状態の前記冊子を天地方向から相対的に押圧して固定する押圧固定手段と、
    前記突当部材に突き当たった状態の前記冊子の小口部に対して天地方向の中央部が前記進行方向とは逆方向に移動しないように押し止める押止部材と、
    前記押圧固定手段によって前記冊子を押圧して固定するときに、前記押止部材によって押し止められた状態の前記冊子の最外紙に対して前記逆方向の付勢力を付加する付勢手段と、
    を備えたことを特徴とする冊子処理装置。
  2. 前記搬送手段は、前記冊子を天地方向に挟むように配設された搬送ベルト対であって、
    前記付勢手段は、前記搬送ベルト対を逆転駆動する手段であって、
    前記押圧固定手段は、前記搬送ベルト対の天地方向の間隔を狭めるように前記搬送ベルト対を相対的に移動させる手段であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冊子処理装置。
  3. 前記押止部材は、前記小口部に対向する位置に移動して、前記小口部において前記逆方向に突出した天地方向中央部に当接する板状部材であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の冊子処理装置。
  4. 前記押止部材は、前記小口部の天地方向中央部に対向する位置に移動して、前記天地方向中央部にのみ当接する柱状部材であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の冊子処理装置。
  5. 前記押止部材は、前記小口部に対して進行方向及び天地方向に直交する幅方向の両端位置に移動して、前記小口部における天地方向中央部の両端部を挟持する挟持部材であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の冊子処理装置。
  6. 前記付勢手段によって前記冊子の最外紙に対して前記付勢力を付加するのを停止するタイミングと、前記押圧固定手段によって前記冊子を押圧して固定する動作が完了するタイミングと、が一致するように制御されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の冊子処理装置。
  7. 前記付勢手段は、前記冊子の天地方向の厚さに応じて前記付勢力を付加する時間が可変されるように制御されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の冊子処理装置。
  8. 前記付勢手段は、前記冊子の天地方向の厚さが所定値以下であるときに、当該冊子に前記付勢力を付加しないように制御されることを特徴とする請求項7に記載の冊子処理装置。
  9. 前記押圧固定手段によって前記冊子を押圧して固定した状態で当該冊子の小口部を断裁する断裁手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の冊子処理装置。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の冊子処理装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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