JP2020104945A - 成形活性炭の端部処理装置および端部処理方法 - Google Patents

成形活性炭の端部処理装置および端部処理方法 Download PDF

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寛和 弘瀬
Hirokazu Hirose
寛和 弘瀬
小澤 稔
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Abstract

【課題】従来の熱コテを用いて手作業で成形活性炭の端面に不織布を折り返す作業を装置化することで、作業者起因の生産性低下を無くし、短いタクトタイムで高い生産性を実現できる成形活性炭の端部処理装置および端部処理方法を提供する。【解決手段】筒状の成形活性炭2と成形活性炭2の外周に巻かれた包装材4とを含む成形活性炭カートリッジの製造に用いられ、成形活性炭2の周方向に添って巻かれた包装材4の端部を、成形活性炭2の端面の外周縁に沿わせて折りたたむ端部処理装置10であって、成形活性炭2の端面に向ける側の面に、開口部分の直径Dが成形活性炭の外径dよりも大きく、深さ方向に向かうにつれて縮径した円形状の掘り込み13が形成された中間治具12と、成形活性炭の端面に向ける側の面が平面である仕上げ治具17と、前記中間治具12および前記仕上げ治具17を昇温するための加熱手段11と、を備えた端部処理装置10。【選択図】図2

Description

本発明は、成形活性炭の外周に巻きつけられた不織布用の端部処理装置および端部処理方法に関する。
従来から、浄水用フィルターのろ材として、臭気成分や有機物質等を吸着除去できる活性炭を固化した成形活性炭が知られている。例えば、家庭用の浄水用フィルターでは、円筒状に成形された成形活性炭の内外周及び側面を不織布等の包装材で覆い、両端部に流路を備えたキャップを取り付けることで浄水器本体と系合する。水はキャップの流路から、成形活性炭の内径部に入り、径方向へ流通させることで、塩素等の有害物質の吸着・除去を行う。
このような浄水用フィルターの製造では、不織布筒の外周部に活性炭を堆積・硬化させて円筒状の成形活性炭を作成し、成形活性炭の外周部に不織布を巻き付けて溶着固定した後、軸方向の両端からはみ出た不織布を端面に折り返して密着させ、両端部にキャップを接着固定する。
ここで、成形活性炭の端面に不織布を折り返す工程では、成形活性炭からはみ出して巻かれた不織布の、そのはみ出した端部を、熱コテを用いて手作業で成形活性炭の端面の外周縁に沿わせて折りたたむ方式が提案されている。(特許文献1)
特開平8−24638号公報
しかし、特許文献1に開示されているような、熱コテを用いて折りたたむ方法は、手作業であるため、生産能力に限界がある。特に、外観品位の観点から、折りたたむ際のしわが円筒側面に及ばない様に、不織布を折り重ねながら折りたたむ作業は難易度が高く、作業者が作業に慣れるまでは、作業スピードの面から生産性は低くなる。また、成形活性炭の端面外周縁を全周に渡って順番に熱コテで押さえる必要があるため、たとえ熟練者であっても、タクトタイムの短縮には限界がある。更に、作業者の技量も個人差がある上、同じ作業者であっても、体調次第で生産能力がばらついてしまう。
すなわち、特許文献1の方法では、手作業で成形活性炭の端面に不織布を折り返す作業が行われるため、生産性を高めて量産することが難しい。
本発明は、従来の手作業で成形活性炭の端面に不織布を折り返す作業を行う際に発生する問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、上記折り返し作業を装置化することで、作業者起因の生産性低下を無くし、更に、専用の治具へ不織布を介して成形活性炭の端部を押し付ける構成とすることで、成形活性炭の全周を一度に折り返すことができ、短いタクトタイムで高い生産性を実現できる成形活性炭の端部処理装置および端部処理方法を提供することにある。
上記本発明の目的は、以下に述べる手段によって達成される。
本発明の成形活性炭の端部処理装置は、筒状の成形活性炭と成形活性炭の外周に巻かれた包装材とを含む成形活性炭カートリッジの製造に用いられ、成形活性炭の周方向に添ってかつ成形活性炭からはみ出して巻かれた包装材の、そのはみ出した端部を、成形活性炭の端面の外周縁に沿わせて折りたたむ端部処理装置であって、
上記成形活性炭の端面に向けて最初に押し当てるための治具であって、成形活性炭の端面に向ける側の面に、開口部分の直径が成形活性炭の外径よりも大きく、深さ方向に向かうにつれて縮径した円形状の掘り込みが形成された中間治具と、
上記中間治具に次いで上記成形活性炭の端面に向けて押し当てるための治具であって、成形活性炭の端面に向ける側の面が平面である仕上げ治具と、
上記中間治具および上記仕上げ治具を昇温するための加熱手段と、
を備えている。
本発明の成形活性炭の端部処理装置は、上記筒状の成形活性炭が、筒状の部材の外周に活性炭が堆積したものであり、
上記仕上げ治具の上記成形活性炭の端面に向ける側の面に、開口部分の直径が上記筒状の部材の外径よりも大きい円形状の堀り込みが形成されていることが好ましい。
さらに、前記仕上げ治具が、前記包装材の端部に接触し始めてから、前記包装材の端部を介して前記成形活性炭の端面に接触するまでの間に、前記仕上げ治具又は前記成形活性炭を、成形活性炭の筒状の中心軸を回転軸として回転させる回転手段を備えることが好ましい。
本発明の成形活性炭の端部処理方法は、上記の成形活性炭の端部処理装置を用いて、上記成形活性炭カートリッジの外周に巻かれた上記包装材の成形活性炭からはみ出した上記端部を、成形活性炭の端面の外周縁に沿って折りたたむ端部処理方法であって、
上記加熱手段で上記中間治具および上記仕上げ治具を所定の温度まで加熱する加熱工程と、
上記中間治具の掘り込みの壁面と上記成形活性炭の端面の外周縁とを、上記包装材を介して所定の時間だけ接触させて、成形活性炭からはみだした上記包装材の端部に折り目を付ける中間処理工程と、
上記中間処理工程に次いで、上記仕上げ治具と上記成形活性炭の端面とを、上記包装材を介して所定の時間だけ接触させて、成形活性炭からはみ出した上記包装材の端部を成形活性炭の端面に密着させる仕上げ工程と、
を有している。
本発明の成形活性炭の製造方法は、上記筒状の成形活性炭が、筒状の部材の外周に活性炭が堆積したものであり、
上記仕上げ治具の上記成形活性炭の端面に向ける側の面であって、前記成形活性炭の端面と接触する平面に、開口部分の直径が上記筒状の部材の外径よりも大きい円形状の堀り込みが形成されており、
上記仕上げ工程において、上記仕上げ治具に形成された上記掘り込みの開口部分の内側に、上記筒状の部材の端部が含まれるように、仕上げ治具と成形活性炭の端面とを包装材を介して接触させることが好ましい。
さらに、前記仕上げ工程において、前記仕上げ治具が、前記包装材の端部に接触し始めてから前記包装材の端部を介して前記成形活性炭の端面に接触するまでの間に、前記仕上げ治具又は前記成形活性炭を、成形活性炭の筒状の中心軸を回転軸として回転させることが好ましい。
本発明の成形活性炭の端部処理装置および端部処理方法を用いれば、加熱した中間治具と仕上げ治具に、外周部に巻かれた不織布が軸方向の両端からはみ出た状態の成形活性炭の端部をそれぞれ1回押し当てることで、成形活性炭の端面に不織布を折り返すことができる。不織布は、治具との接触面に沿って折り曲げられるため、成形活性炭の側面にしわが発生しない様に治具側の接触面の角度を一度調整すれば、同じ動作を繰り返す限り成形活性炭の側面にしわが発生することもない。その結果、作業者の技量に影響されることなく、安定した速度で成形活性炭の端部を処理できる。
本発明による成形活性炭の端部処理装置および端部処理方法とを、成形活性炭の端部処理工程に適用すれば、作業者起因の生産性低下を無くし、短いタクトタイムで生産ができ、生産効率を高めることができる。
家庭用浄水器の交換用浄水カートリッジ1の側断面図である。 本発明の第一の成形活性炭の端部処理装置の概略正面図である。 本発明の第一の成形活性炭の端部処理方法の工程A1〜A4をステップ的に示す説明図である。 本発明の第一の成形活性炭の端部処理方法の工程A5〜A6をステップ的に示す説明図である。 本発明の第一の成形活性炭の端部処理装置で使用される中間治具の断面図である。 掘り込み角度が大きな中間治具と成形活性炭との接触状況を示す図である。 掘り込み角度が小さな中間治具と成形活性炭との接触状況を示す図である。 本発明の第二の成形活性炭の端部処理装置の一部を示す概略正面図である。 本発明の第二の成形活性炭の端部処理方法の工程B6を示す説明図である。 本発明の第三の成形活性炭の端部処理装置の一部を示す概略正面図である。 本発明の第三の成形活性炭の端部処理方法の工程C6、C7を示す説明図である。
本発明を、家庭用浄水器を例として図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る交換用浄水カートリッジ1の側断面図を例示している。ただし、好ましい態様や例示はこれに限られるものではない。
本発明に係る交換用浄水カートリッジ1の成形活性炭2は、円筒形状に成形されており、内壁部には不織布を筒状に成形した筒状部材3を有する。ここで、筒状部材3は、樹脂製のフレームに不織布を巻きつける構成であってもよい。成形活性炭2の外周部には、全長に渡って不織布4が巻きつけられており、この不織布4は、成形活性炭2の軸方向に対し両端面の少なくとも一部を覆っている。
さらに、成形活性炭1の軸方向に対し両端面には、円盤形状の端部キャップ5が取り付けられている。また、端部キャップ5の中心部には、軸方向に対して流路6が貫通孔として備えられ、筒状部材3の内壁部への導入口または導出口となっている。なお、家庭用浄水器との接続箇所にはOリング7を備えてシール性を確保している。
[第一の成形活性炭の端部処理装置]
図2を参照する。図2は、第一の成形活性炭の端部処理装置10の概略断面図である。成形活性炭の端部処理装置10は、板状のヒーターユニット11の上に、中間治具12が配置されている。中間治具12は、上面に円形の開口部を有する第1の掘り込み13を設けており、この開口部の直径Dは成形活性炭の直径dよりも大きく、深さ方向に対して縮径している。
中間治具12の上には、不織布4が巻かれた成形活性炭2の円筒側面を把持する第1のチャック14が設けられており、第1のチャック14は、把持した成形活性炭2の軸心と中間治具12の第1の掘り込み13の軸芯とが一致する様に配置されている。ここで、第1のチャック14は、電磁式、油圧式等、どの様な駆動方式のものでもよいが、把持力の調整が容易で安価なエア駆動式が好ましい。
さらに、第1のチャック14は第1のブラケット15を介して第1の昇降装置16に接続されており、第1の昇降装置16は上記軸芯に沿って、図のY方向に第1のチャック14を昇降させる。ここで、第1の昇降装置16は油圧シリンダー、単軸ロボット等どの様なものを用いてもよいが、治具への押し付け力の調整が容易で安価なエアシリンダーを用いることが好ましい。
また、板状のヒーターユニット11の上には、第1の仕上げ治具17が中間治具の横に併設されている。この第1の仕上げ治具17は、上面が平面であり、筒状活性炭3の端面を押し当てたとき、第1の仕上げ治具17の上面から筒状活性炭3の端面がはみ出すことなく収まる様に上記平面を設けている。
第1の仕上げ治具17の上には、成形活性炭2の円筒側面を把持する第2のチャック18が設けられており、第2のチャック18は、把持した成形活性炭2の端面と第1の仕上げ治具17の上面とが平行になる様に配置されている。ここで、第2のチャック18は、電磁式、油圧式等、どの様な駆動方式のものでもよいが、把持力の調整が容易で安価なエア駆動式が好ましい。
さらに、第2のチャック18は第2のブラケット19を介して第2の昇降装置20に接続されており、第2の昇降装置20は成形活性炭2の端面と第1の仕上げ治具17の上面との平行を維持しながら、図のY方向に第2のチャック18を昇降させる。ここで、第2の昇降装置20は油圧シリンダー、単軸ロボット等どの様なものでもよいが、治具への押し付け力の調整が容易で安価なエアシリンダーが好ましい。
なお、上記それぞれの治具の外形は、成形活性炭2の端部外周を一度に押し当てられれば、どの様な形状でもよいが、成形活性炭2と同じ円柱形状が、余肉が少なく加熱時間を短くできるため好ましい。
また、上記それぞれの治具の材質は、アルミニウムや銅等、使用温度に十分耐えることのできる金属であればどの様なものでもよいが、防錆性が高く、傷が付きにくいステンレスが、長期間の使用を考慮すると好ましい。
さらに、成形活性炭2の端部を各治具へ押し当てた際、不織布4が治具へ熱融着するのを防ぐため、それぞれの治具の不織布4との接触面には、剥離性を高めるシリコン系やフッ素系の表面処理を施すことが、実用上好ましい。
一方、ヒーターユニット11は、温度制御手段である温度制御装置21と電気的に接続されており、中間治具12もしくは第1の仕上げ治具17の少なくとも一方に内蔵された図示しない熱電対により、測定された温度データが温度制御装置21へと伝達されることで、ヒーターユニット11の温度制御が行われる。なお、中間治具12と第1の仕上げ治具17は、互いの温度が同等となる様に、事前に位置調整を行った上でヒーターユニット11の上に配置すればよい。また、温度条件変更時は、温度制御装置21と電気的に接続された操作盤22に適宜設定温度を入力すれば、それが温度制御装置21に伝達されて、ヒーターユニット11を制御することで各治具の温度変更が実現できる。
[第一の成形活性炭の端部処理方法]
次に図3A、Bを参照しながら、成形活性炭の端部処理装置10を用いて、成形活性炭2の端面に不織布4を折り返す、第一の成形活性炭の端部処理方法を、工程A1〜A8で示すステップを追って説明する。図3A、Bは、第一の成形活性炭の端部処理方法の一態様をステップ的に示す説明図である。
図3A(a)を見ると、中間治具12と第1の仕上げ治具17がヒーターユニット11上に配置され、ヒーターユニット11は、図示しない制御装置に電気的に接続されている。また、中間治具12の上には第1のチャック14と第1の昇降装置16が、第1の仕上げ治具17の上には第2のチャック18と第2の昇降装置20が、それぞれ配置されている。
<工程A1>(図3Aの(a)の状況)
中間治具12による端部処理の準備工程である。第1の昇降装置16が上昇した位置で待機し、第1のチャック14は開いている。また、中間治具12及び第1の仕上げ治具17はヒーターユニット11により所定の温度まで加熱され、保温されている。
<工程A2>(図3Aの(b)の状況)
第1のチャック14への成形活性炭2の取り付け工程である。外周部に巻かれた不織布4が軸方向の両端からはみ出た状態の成形活性炭2の円筒側面を第1のチャック14を閉じて把持する。
<工程A3>(図3Aの(c)の状況)
中間治具12への押し当て工程である。第1の昇降装置16が下降し、成形活性炭2の端部を中間治具12の第1の掘り込み13の壁面へ所定の時間だけ押し当てる。
<工程A4>(図3Aの(d)の状況)
中間治具12による端部処理の終了工程である。第1の昇降装置16が上昇し、成形活性炭2の端部が中間治具12から離れた位置で待機する。
<工程A5>(図3Bの(e)の状況)
第2のチャック18への成形活性炭の取り付け工程である。成形活性炭2を第1のチャック14を開いて取り外した後、工程4を終えて折り目の付いた不織布4を下面に向け、成形活性炭2の円筒側面を第2のチャック18を閉じて把持する。
<工程A6>(図3Bの(f)の状況)
第1の仕上げ治具17への押し当て工程である。第2の昇降装置20が下降し、成形活性炭2の端部を第1の仕上げ治具17の上面へ所定の時間だけ押し当てる。
<工程A7>(図3Bの(g)の状況)
第1の仕上げ治具17による端部処理の終了工程である。第2の昇降装置20が上昇し、成形活性炭2の端部が第1の仕上げ治具17から離れた位置で待機する。
<工程A8>(図3Bの(h)の状況)
成形活性炭2の取り外し工程である。上記工程7を終えて不織布4の端部が折り返された成形活性炭2を第2のチャック18を開いて取り外す。
以上の本発明の成形活性炭の端部処理方法の一態様で、外周部に巻かれた不織布4が軸方向の両端からはみ出た状態の成形活性炭2の端部を中間治具12および第1の仕上げ治具17に軸方向に押し付けることで、成形活性炭2の端部の不織布4を全周にわたり同時に折り返すことができるので、短いタクトタイムで端部処理を行うことができる。
また、不織布4を折りたたむ際に、まず、中間治具12で不織布4に折り目を付けた後、次に仕上げ治具17で不織布4を成形活性炭2の端面に密着させて折りたたむことで、成形活性炭2の側面にしわを発生させず、外観品位を安定させて作業者起因の生産性低下を無くすことができる。その理由を以下に具体的に述べる。
まず、工程A3で成形活性炭を中間治具12に押し付ける際、成形活性炭2の軸方向の端部からはみ出た不織布4は、中間治具12の第1の掘り込み13の壁面に案内されて軸方向に対して折り曲げられると同時に、周方向に対して折り重なって絞られる。
そして、成形活性炭2が中間治具12に所定の時間だけ押し当てられることで、成形活性炭2の軸方向の端部からはみ出た不織布4は、成形活性炭2の端面の外周縁に密着した状態となり、掘り込み形状に沿った折り目がつけられる。このように熱を加えて折り目が付けられた不織布4は、工程A4で中間治具12から離れても、成形活性炭2の端面の外周縁を起点として先端が絞られた形状を維持する。
続いて、工程A6で成形活性炭2を仕上げ治具17に押し付ける際、既に不織布4には、成形活性炭2の端面の外周縁を起点とした折り目が付いているため、その起点を維持したまま折り曲げが継続される。そして、仕上げ治具17の上面と成形活性炭2の端面が接触して所定の時間押し当てられることで、不織布4は成形活性炭2の端面に密着した状態で折り目がつけられる。
このとき、周方向に対して折り重なって絞られていた不織布4は、仕上げ治具17と成形活性炭2とが近接するにつれ、成形活性炭2の端面で更に大きく折り重なりながらしわとなる。しかし、工程A4で、不織布4は成形活性炭2の端面の外周縁に密着して折り曲げられているため、成形活性炭2の端面で発生したしわは外周縁の折り目にせき止められ、側面には至らない。
以上の工程で、不織布4を折りたたむ際に成形活性炭2の側面にしわを発生させないために、成形活性炭2の端面に密着させて折り目をつけることのできる中間治具12の掘り込み形状は、事前に実験的に求めておくことができる。例えば、図4に図示する様なテーパ形状である場合、掘り込み角度θが90°±15°の範囲であれば、不織布4の先端部が第1の掘り込み13にスムーズに案内されるので、成形活性炭2の端面の外周縁に密着した折り目を付ける上で好ましい。
なお、不織布4の剛性が高い場合は、不織布4の先端部をよりスムーズに中間治具12の第1の掘り込み13へ案内するために、断面のテーパ部分の少なくとも一部を曲線としてもよい。
掘り込み角度θが105°より大きい場合は、第1の掘り込み13の壁面の滑り具合によっては、不織布4の先端部を案内する際に第1の掘り込み13の壁面に不織布4が引っ掛かり、成形活性炭端面の外周縁の不織布4が側面にかけて部分的にめくれ上がることがある(図5の状態)。成形活性炭2の側面にめくれ上がった不織布4が中間時治具12に押し当てられると、そのまま成形活性炭2の側面でしわとなってしまう。
一方、掘り込み角度θが75°より小さい場合は、成形活性炭2を中間治具12に押し付ける際に、第1の掘り込み13の壁面と成形活性炭2の側面の一部がかなり近づく(図6の状態)。この状態で、中間治具12の設定温度が高い場合は、成形活性炭2の側面の不織布4を溶かしてしまう可能性がある。
以上で述べた、第1の掘り込みを有する中間治具12と仕上げ治具17に加え、第1の昇降装置16及び第2の昇降装置20を用いることで、各治具の押し付け動作が繰り返し精度良く再現されるので、外観品位が安定した状態で繰り返し作業ができ、作業者起因の生産性低下を無くすことができる。
[第二の成形活性炭の端部処理装置]
次に図7を参照しながら、本発明の第二の成形活性炭の端部処理装置30について説明する。図7は、成形活性炭の端部処理装置30の一部を示す概略正面図である。図7の成形活性炭の端部処理装置30は、成形活性炭の端部処理装置10の第1の仕上げ治具17を第2の仕上げ治具31に入れ替えただけで、その他はすべて成形活性炭の端部処理装置10と同じである。
第2の仕上げ治具31は、直径が筒状部材3の外径よりも大きい円形状の開口部を有する第2の掘り込み32を上面に設けただけで、その他は全て第1の仕上げ治具17と同じである。
なお、第2の掘り込み32は、成形活性炭2が第2の仕上げ治具31に押し当てられた際、筒状部材3の端部が掘り込み32の開口部の内側に収まる位置に配置されている。
[第二の成形活性炭の端部処理方法]
次に、成形活性炭の端部処理装置30を用いて成形活性炭2の端面に不織布4を折り返す、本発明の第二の成形活性炭の端部処理方法を説明する。第二の成形活性炭の端部処理方法は、次の工程B1〜B8のステップで成形活性炭の端部処理を行う。この製造方法は、第一の成形活性炭の端部処理方法と、工程A6を工程B6に変更した以外は、全く同じである。
<工程B1〜B5>
第一の成形活性炭の端部処理方法の工程A1〜A5と同じ。
<工程B6>(図8の(f)の状況)
第2の仕上げ治具31への押し当て工程である。第2の昇降装置20が下降し、成形活性炭2の端部を第2の仕上げ治具32の上面へ所定の時間だけ押し当てる。
<工程B7、B8>
第一の成形活性炭の端部処理方法の工程A7、A8と同じ。
第二の成形活性炭の端部処理方法は、第一の成形活性炭の端部処理方法の工程A1〜A8のうち、工程A6で、第2の掘り込み32を設けた第2の仕上げ治具31を用いることにより、第2の仕上げ治具31と筒状部材3が接触することを回避している。この第2の掘り込み32を、第2の仕上げ治具31の上面の不織布が触れない箇所に配置することで、不織布4の折り返しそのものに関しては、第二の成形活性炭の端部処理方法も、第一の成形活性炭の端部処理方法と同じ効果を奏する。
上記の成形活性炭の端部処理装置30を用いて成形活性炭2の端面に不織布4を折り返す方法は、筒状部材3に熱が加わると変形や発煙等のおそれがある場合に、筒状部材3と第2の仕上げ治具31との接触を回避する手段として好適に用いることができる。
具体的には、筒状部材3が融点の低い熱可塑性樹脂である場合、第2の仕上げ治具31の表面温度が筒状部材3の融点より高いと、第2の仕上げ治具と筒状部材3が接触すると、筒状部材3が溶融して熱変形を起こす。筒状部材3の端面は、後工程で取り付けられる端部キャップ5の流路6と密接することで、筒状部材3の内壁部への導入口または導出口を構成しているので、筒状部材3の端部が変形すると、漏れが発生して製品不良となる。
製造条件においては、第2の仕上げ治具31の設定温度が、筒状部材3の融点より十分低ければ熱変形を起こすことは無いが、第2の仕上げ治具31の設定温度を高くした方が、短い押し付け時間で不織布4に十分な熱を加えて折り曲げることができるので、タクトタイムを短くできる。また、構造上、筒状部材3に接触することのない中間治具12に関しても、設定温度は第2の仕上げ治具31と連動しているため、設定温度が高ければ、同様に不織布4へ押し当てる時間を短くでき、タクトタイムを短縮できる。
そのため、生産に適用する場合等、タクトタイムを優先して、第2の仕上げ治具31の設定温度を筒状部材3の融点と同等かそれ以上に設定するおそれがあるならば、第2の仕上げ治具31の上面に、開口部の直径が筒状部材3の外径よりも大きい円形状の第2の掘り込み32を設けて、筒状部材3と第2の仕上げ治具31の接触を回避することが好ましい。
以上説明したように、第二の成形活性炭の端部処理方法では、第2の仕上げ治具31の上面に、開口部の直径が筒状部材3の外径よりも大きい円形状の第2の掘り込み32を追加的に設けているので、第2の仕上げ治具31を用いて不織布4を折り返す時に、筒状部材3が第2の仕上げ治具31に接触するのを回避することができ、筒状部材3の熱変形が原因で発生する製品不良を防止することができる。これにより、筒状部材3の融点が低い場合であっても、中間治具12と第2の仕上げ治具31の温度を高く維持できるため、不織布4へ押し当てる時間を変更することなく、タクトタイムを維持することができる。
なお、図7では、第2の掘り込み32が、第2の仕上げ治具31の上面に形成された凹みであるが、この形態には限定されない。第2の掘り込み31が、第2の仕上げ治具31を貫通する穴であってもよい。
[第三の成形活性炭の端部処理装置]
次に図9を参照しながら、本発明の第三の成形活性炭の端部処理装置40について説明する。図9は、成形活性炭の端部処理装置40の一部を示す概略正面図である。図9の成形活性炭の端部処理装置40は、成形活性炭の端部処理装置10の第1の仕上げ治具17を第3の仕上げ治具50に入れ替え、ヒータ11に新たに設けた貫通孔41に第3の仕上げ治具50を挿入し、さらに、第3の仕上げ治具50の一部を回転伝達機構42を介してモータ43に接続しただけで、その他はすべて成形活性炭の端部処理装置10と同じである。
第3の仕上げ治具50は、ヒータ11の貫通孔41に挿入する円柱状の延長部材44を追加しただけで、その他は全て第1の仕上げ治具17と同じである。
ヒータ11に設けた貫通穴41には、図示しない軸受けを設けており、挿入された延長部材44が滑らかに回転することができる。
また、延長部材44を貫通穴41に挿入した際に、第3の仕上げ治具50が抜け落ちないように、延長部材44の直径は、第3の仕上げ治具50の上部の外形より小さくするとよい。
回転伝達機構42は、歯車やプーリとベルト等、どの様なものでもよいが、耐熱性が高く軸間距離の調整が容易である金属製のスプロケットとチェーンで構成することが好ましい。
モータ43は、回転速度が設定できればステッピングモータやインバータモータ等、どの様なものでもよいが、動作の繰り返し再現性が高いサーボモータを用いることがより好ましい。また、モータは、図示しない固定板で第三の成形活性炭の端部処理装置40に固定されている。
[第三の成形活性炭の端部処理方法]
次に図10を参照しながら、成形活性炭の端部処理装置40を用いて成形活性炭2の端面に不織布4を折り返す、本発明の第三の成形活性炭の端部処理方法を説明する。第三の成形活性炭の端部処理方法は、次の工程C1〜C8のステップで成形活性炭の端部処理を行う。この製造方法は、第一の成形活性炭の端部処理方法と、工程A6を工程C6に変更し、工程A7を工程C7に変更した以外は、全く同じである。
<工程C1〜C5>
第一の成形活性炭の端部処理方法の工程A1〜A5と同じ。
<工程C6>(図10の(f)の状況)
第3の仕上げ治具50への押し当て工程である。モータ43が駆動して第3の仕上げ治具50が回転を開始すると同時に、第2の昇降装置20が下降を開始し、成形活性炭2の端部を第3の仕上げ治具50の上面へ所定の時間だけ押し当てる。
<工程C7>(図10の(g)の状況)
第1の仕上げ治具17による端部処理の終了工程である。第2の昇降装置20が上昇し、成形活性炭2の端部が第3の仕上げ治具50から離れた位置で待機する。次いで、モータ43が停止して第3の仕上げ治具50が回転を停止する。
<工程C8>
第一の成形活性炭の端部処理方法の工程A8と同じ。
なお、第3の仕上げ治具50の回転と停止、第2の昇降装置20の下降と停止の順番は上記の順番には限られない。不織布4の端部が第3の仕上げ治具50に接触し始めてから、成形活性炭2の端面が不織布4の端部を介して第3の仕上げ治具50に押し当てられるまでの間に、第3の仕上げ治具50が回転し続けていればよい。
上記の成形活性炭の端部処理装置40を用いて成形活性炭2の端面に不織布4を折り返す方法は、成形活性炭の端面をより平滑に仕上げたい場合に、不織布4の端部の折りシワを押し伸ばす手段として好適に用いることができる。
具体的には、成形活性炭が、家庭用浄水器の交換用浄水カートリッジ1の形状に加工される場合、上述の通り仕上げられた成形活性炭2の端部には、端部キャップ5が接着剤を用いて接着される。このとき、十分な接着力を得るためには、成形活性炭2の端部と端部キャップ5との隙間全体に接着剤を行き渡らせる必要があるが、不織布4の端部の折りシワにより成形活性炭の端面の凹凸が大きいと、凹部に入り込む分の接着剤が余計に必要となる。接着剤の使用量が多くなるほど、製造時のコストが高くなってしまう。
第三の成形活性炭の端部処理方法では、第1の仕上げ治具17に回転機構を追加的に設けているので、第3の仕上げ治具を用いて不織布4を折りたたむ時に、第3の仕上げ治具を回転させることができる。回転動作を加えることで、成形活性炭の端部と第3の仕上げ治具は擦り合わされながら接触するため、成形活性炭2の端面で折り重なって発生する不織布のシワが、周方向に沿って押し伸ばされて、成形活性炭の端面にできる凹凸が小さくなる。
これにより、後工程で成形活性炭の端部に端部キャップ5を接着する場合、接着面の凹凸による隙間を埋めるために用いられる接着剤の量を減らすことができるので、製造コストを低く抑えることができる。
なお、図9では、第3の仕上げ治具50を回転させる構成を例示したが、第3の仕上げ治具50を回転させる機構に限定されず、成形活性炭2を回転させる構成でもよく、その場合は、第2のチャック18に回転機構を設け、成形活性炭2を回転させる構成とすればよい。
本発明に適用できる不織布としては、浄水用フィルターを浄水器本体に組み付けた後の通水の際に脱落した活性炭を捕捉できれば、どの様な製法で作成されたものでもよく、スパンボンド法、メルトブロー法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法等の既知の手法で作成された不織布から適宜選定すればよい。また、不織布の材質としては、浄水用途で用いるため、耐水性があればどの様なものでもよく、代表的なものとしてポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル等が挙げられ、これらを単一素材で用いても、2種類以上の混合素材として用いてもよい。
本発明の成形活性炭の端部処理装置の一実施態様を以下に説明するが、本発明の内容はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
成形活性炭の端部処理装置として、図2に示す第一の成形活性炭の端部処理装置10を用いて、外周部に巻かれた不織布4が軸方向の両端からはみ出た状態の成形活性炭2の端部処理を行った。
中間治具12の外形は、φ50の円筒形状で厚さ20mmとし、第1の掘り込み13の形状は、開口径φ40で断面形状がテーパとし、テーパの縮径に伴う斜面の掘り込み角度を90度とした。第1の仕上げ治具17の外形は、φ50の円筒形状で厚さ15mmとした。中間治具12と第1の仕上げ治具17は、互いの温度差が±1℃未満となる様に、一辺が300mmの板状のヒーターユニット11の上に、中心間距離150mmで配置した。
なお、ヒーターユニット11は、温度制御装置21に電気的に接続し、第1の仕上げ治具17に内蔵された図示しない熱電対により温度データを測定して、温度制御を行う構成とした。
端部処理を行う成形活性炭2は、ポリプロピレン製の格子状フレームの外周部にポリエステル製不織布を巻き付けて溶着し、外径φ12mm、長さ150mmの円筒状に成形した筒状部材3を用い、湿式成形法にて外周部にφ30mmの活性炭を堆積させることで、筒状の成形活性炭2を得た。この成形活性炭2を100度のオーブンで5時間乾燥させた後、外周部に幅160mmのポリエステル製不織布を1周巻き付けて溶着することで、端部から片側5mmずつ不織布がはみ出た状態の成形活性炭を作成した。
そして、温度制御装置21と電気的に接続された操作盤22を用いて、各治具の設定温度を150度とした上で、端部処理を開始した。まず、成形活性炭2を中間治具上のチャックに取り付け、成形活性炭2の押し付け時間を2秒、押し付け力を300gfで、成形活性炭2を中間治具12に押し当てて不織布4の端部を折り曲げた。続いて、成形活性炭2を第1のチャック14から取り外した後、中間治具12で処理した面を下に向けて第1の仕上げ治具17上の第2のチャック18へ取り付け、成形活性炭2の押し付け時間を2秒、押し付け力を300gfで、成形活性炭2を第1の仕上げ治具17に押し当てて不織布4の端部を成形活性炭2の端部に密着させた。
上記同じ手順で成形活性炭2のもう一方の端面の端部処理を行うことで、1本の成形活性炭の端部処理を完了し、この作業を繰り返すことで合計50本の成形活性炭の端部処理を行った。
端部処理が完了した成形活性炭2を目視確認した結果、円筒側面にシワが発生している本数は0本であり、50本全てで筒状部材3の変形は見られなかった。
このことから、成形活性炭の端部処理装置を用いた、成形活性炭の端部処理方法は、作業者起因の生産ロスである円筒側面のシワを発生させることなく、また、成形活性炭の全周を一度に折り返すことで、治具への押し付け時間は、成形活性炭1本あたり合計8秒という短いタクトタイムにて、成形活性炭の端部処理ができることが分かった。
[実施例2]
成形活性炭の端部処理装置として、図7に示す第二の成形活性炭の端部処理装置30を用いて、成形活性炭の端部処理を行った。
成形活性炭の端部処理装置30は、成形活性炭の端部処理装置10の第1の仕上げ治具17の上面に、直径15mmで深さ5mmの掘り込みを追加的に設けただけで、その他はすべて成形活性炭の端部処理装置10と同じである
端部処理を行う成形活性炭2は、筒状部材3を構成する格子状フレームの材質をポリエチレンとした以外は、実施例1と同じである。
そして、成形活性炭の端部処理装置30を用いて、実施例1と同じ手順と方法で、上記成形活性炭2の端部処理を連続で50本行った。
端部処理が完了した成形活性炭を目視確認した結果、円筒側面にシワが発生している本数は0本であり、50本全てで筒状部材3の変形は見られなかった。
[参考例1]
筒状部材3を構成する格子状フレームの材質を実施例2と同じポリエチレンとした以外は、実施例1と同じ成形活性炭、同じ不織布、同じ装置、同じ方法により、成形活性炭の端部処理を連続で50本行った。
結果、円筒側面にシワが発生している本数は0本であったが、50本全ての筒状部材3の端部に若干の変形が見られた。
実施例1と実施例2の結果から、筒状部材3に融点が治具の設定温度より低い材質を用いた場合においてでも、第1の仕上げ治具17の形状を筒状部材3との接触を避ける形状とすることで、治具の設定温度と押し付け時間を変えることなく、不織布4の端部処理が行えることがわかる。
一方、実施例2と参考例1の結果から、筒状部材3に融点が治具の設定温度より低い材質を用いた場合において、第1の仕上げ治具17と筒状部材3が接触する形状とすると、筒状部材3の端部が変形が見られた。筒状部材3の材質によっては、第2の仕上げ治具31上面に第2の掘り込み32を形成するのが有効であることが分かる。
なお、第2の仕上げ治具31上面に第2の掘り込み32が形成されていなくても、各治具の温度を下げることで、筒状部材3の熱変形は回避できる。しかし、この場合、不織布4を折り曲げるために十分な熱を加えるには、治具の押し当て時間を長く取る必要があるので、タクトタイムが長くなってしまう。
成形活性炭の端部処理装置30を用いた成形活性炭2の端部処理方法は、融点が低い筒状部材3を用いた場合であっても、治具の設定温度と押し付け時間を変えることなく、タクトタイムを維持して成形活性炭の端部処理ができる。
[実施例3]
成形活性炭の端部処理装置として、図9に示す第三の成形活性炭の端部処理装置40を用いて、成形活性炭2の端部処理を行った。
成形活性炭の端部処理装置40は、成形活性炭の端部処理装置10の第1の仕上げ治具17の下面に、直径12mmで長さ100mmの金属軸と、減速比1:1のスプロケット1組及び1本のチェーン、更に、側方に減速比1:10の減速機付のACサーボモータ(定格回転数:3000rpm)を追加的に設けただけで、その他はすべて成形活性炭の端部処理装置10と同じである
また、端部処理を行う成形活性炭2は、実施例1と同じである。
そして、第3の成形活性炭の端部処理装置40を用いて、成形活性炭2を第3の仕上げ治具50に押し当てる際に、第3の仕上げ治具を90rpmで回転させて不織布4の端部を成形活性炭2の端部に密着させたこと以外は、実施例1と同じ手順と方法で、上記成形活性炭2の端部処理を連続で50本行った。
端部処理が完了した成形活性炭2を目視確認した結果、50本全てで不織布4の端部の折りシワは押し伸ばされて微小な凹凸となっていた。更に、円筒側面にシワが発生している本数は0本で、50本全てで筒状部材3の変形は見られなかった。
[参考例2]
実施例1で製作した成形活性炭2と実施例3で製作した成形活性炭2の両端部に、熱可塑性樹脂を溶かしたホットメルト接着剤を塗布して端部キャップ5を接着した後、ぞれぞれの剥離強度を測定した。
接着には熱可塑性樹脂のポリ−オレフィン共重合体(ヘンケルジャパン(株)製、TECHNOMELT XPO 3011)を使用した。この樹脂は塗布温度180度における粘度が1000〜1400mPa・Sの範囲である。樹脂の塗布温度を180度にして、吐出口径0.2mmのノズルを用い、φ22の円軌道を描いて均等な太さで塗布を行った。接着剤の塗布後、5秒以内に成形活性炭2に端部キャップ5を被せ、3kgfの力で5秒間押しつけることで、接着作業を行った。接着作業を終えた成形活性炭2を、冷却・固化のため24度の室温にて60分間のインターバルを設けた。インターバル後にプッシュプルゲージを用いて端部キャップ5を引っ張り、成形活性炭2から剥離した時点の引っ張り力を剥離強度として測定を実施した。
そして、剥離強度の目標を15kgf以上として、接着剤の塗布量を調整した結果を表1に示す。
Figure 2020104945
条件1と条件2の結果より、剥離強度の目標値である15kgf以上の接着強度を得るのに必要な接着材の量は、仕上げ治具を回転させて不織布を折りたたんだ条件2の方が、約4割少なかった。
条件3は、接着剤の塗布量を条件2のままで、仕上げ治具の回転を無くしたものであり、剥離強度が低下していた。
さらに、剥離後の端部キャップ5と成形活性炭2を全て回収し、接着面を詳しく観察した。条件3では、接着面の一部において接着剤が広がりきっていなかった。一方、条件2では、接着剤が接着面全面に押し広げられていた。仕上げ治具を回転させて不織布を折りたたんだ場合は、不織布の折りシワによる凹凸が小さくなり、接着する2面がより密着していたことが分かる。
1 交換用浄水カートリッジ
2 成形活性炭
3 筒状部材
4 不織布
5 端部キャップ
6 流路
7 Oリング
10 第一の成形活性炭の端部処理装置
11 ヒーターユニット
12 中間治具
13 第1の掘り込み
14 第1のチャック
15 第1のブラケット
16 第1の昇降装置
17 第1の仕上げ治具
18 第2のチャック
19 第のブラケット
20 第2の昇降装置
21 温度制御装置
22 操作盤
30 第二の成形活性炭の端部処理装置
31 第2の仕上げ治具
32 第2の掘り込み
40 第三の成形活性炭の端部処理装置
41 貫通穴
42 回転伝達機構
43 モータ
44 延長部材
50 第3の仕上げ治具

Claims (6)

  1. 筒状の成形活性炭と成形活性炭の外周に巻かれた包装材とを含む成形活性炭カートリッジの製造に用いられ、成形活性炭の周方向に添ってかつ成形活性炭からはみ出して巻かれた包装材の、そのはみ出した端部を、成形活性炭の端面の外周縁に沿わせて折りたたむ端部処理装置であって、
    前記成形活性炭の端面に向けて最初に押し当てるための治具であって、成形活性炭の端面に向ける側の面に、開口部分の直径が成形活性炭の外径よりも大きく、深さ方向に向かうにつれて縮径した円形状の掘り込みが形成された中間治具と、
    前記中間治具に次いで前記成形活性炭の端面に向けて押し当てるための治具であって、成形活性炭の端面に向ける側の面が平面である仕上げ治具と、
    前記中間治具および前記仕上げ治具を昇温するための加熱手段と、
    を備えた端部処理装置。
  2. 前記筒状の成形活性炭が、筒状の部材の外周に活性炭が堆積したものであり、
    前記仕上げ治具の前記成形活性炭の端面に向ける側の面であって、前記成形活性炭の端面と接触する平面に、開口部分の直径が前記筒状の部材の外径よりも大きい円形状の堀り込みが形成された、請求項1の端部処理装置。
  3. 前記仕上げ治具が、前記包装材の端部に接触し始めてから、前記包装材の端部を介して前記成形活性炭の端面に接触するまでの間に、前記仕上げ治具又は前記成形活性炭を、成形活性炭の筒状の中心軸を回転軸として回転させる回転手段を備えた、請求項1または2の端部処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかの端部処理装置を用いて、前記成形活性炭カートリッジの外周に巻かれた前記包装材の成形活性炭からはみ出した前記端部を、成形活性炭の端面の外周縁に沿って折りたたむ端部処理方法であって、
    前記加熱手段で前記中間治具および前記仕上げ治具を所定の温度まで加熱する加熱工程と、
    前記中間治具の掘り込みの壁面と前記成形活性炭の端面の外周縁とを、前記包装材を介して所定の時間だけ接触させて、成形活性炭からはみだした前記包装材の端部に折り目を付ける中間処理工程と、
    前記中間処理工程に次いで、前記仕上げ治具と前記成形活性炭の端面とを、前記包装材を介して所定の時間だけ接触させて、成形活性炭からはみ出した前記包装材の端部を成形活性炭の端面に密着させる仕上げ工程と、
    を有する端部処理方法。
  5. 前記筒状の成形活性炭が、筒状の部材の外周に活性炭が堆積したものであり、
    前記仕上げ治具の前記成形活性炭の端面に向ける側の面に、開口部分の直径が前記筒状の部材の外径よりも大きい円形状の堀り込みが形成されており、
    前記仕上げ工程において、前記仕上げ治具に形成された前記掘り込みの開口部分の内側に、前記筒状の部材の端部が含まれるように、仕上げ治具と成形活性炭の端面とを包装材を介して接触させる、請求項4の端部処理方法。
  6. 前記仕上げ工程において、前記仕上げ治具が、前記包装材の端部に接触し始めてから前記包装材の端部を介して前記成形活性炭の端面に接触するまでの間に、前記仕上げ治具又は前記成形活性炭を、成形活性炭の筒状の中心軸を回転軸として回転させる、請求項4または5の端部処理方法。
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