JP2020104291A - 印刷装置 - Google Patents

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Takehiko Inaba
武彦 稲葉
祐己 長島
Hiroki Nagashima
祐己 長島
篤男 広瀬
Tokuo Hirose
篤男 広瀬
将太郎 渡邉
Shotaro Watanabe
将太郎 渡邉
寛士 真田
Hiroshi Sanada
寛士 真田
翔 浅井
sho Asai
翔 浅井
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【課題】ライナーレスラベルへの印刷を比較的短時間で開始することと、プラテンローラにライナーレスラベルの粘着層が貼り付いていたままで印刷を実行することを回避することとを両立可能な印刷装置を提供すること。【解決手段】印刷装置は、サーマルヘッド、搬送部、温度検出部、計時部、報知部及び制御部を備える。制御部は、ライナーレスラベルへの印刷開始を指示する開始指令が取得された時(S1:YES)、温度検出部によって検出された、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度と、計時されたニップ時間とが所定条件を満たす場合に(S4:YES、S5:YES)、開始指令に応じて印刷動作を開始せずに所定のメッセージを報知部に報知させ(S6)、所定条件を満たさない場合に(S4:NO又はS5:NO)、開始指令に応じてサーマルヘッド及び搬送部を制御し、印刷を実行する(S11)。【選択図】図5

Description

本発明は、印刷装置に関する。
印刷面と反対側の面に粘着層を有する、台紙のない長尺状のラベル(ライナーレスラベル)を、サーマルヘッドとプラテンローラとで挟持し、サーマルヘッドにて印刷可能な印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。上記印刷装置では、プラテンローラにライナーレスラベルの粘着層が貼り付いた状態で印刷を開始することによる不具合(例えば、ライナーレスラベルの巻き込みの発生)を防ぐために、印刷開始時に、プラテンローラを搬送方向及び搬送方向の反対の方向に正逆回転させる。ライナーレスラベルに印刷する際、印刷開始毎に、プラテンローラが正逆回転される場合、印刷開始までに時間がかかる。このため上記印刷装置では、予め設定された条件に合致した場合に、ライナーレスラベルに印刷する毎にプラテンローラを正逆回転させる技術も提案されている。
特開2013−215899号公報
従来の印刷装置が開示する条件では、プラテンローラにライナーレスラベルの粘着層が貼り付いているかを適切に判断できない場合がある。
本発明は、ライナーレスラベルへの印刷を比較的短時間で開始することと、プラテンローラにライナーレスラベルの粘着層が貼り付いていたままで印刷を実行することを回避することとを両立可能な印刷装置を提供することである。
本発明の第一態様に係る印刷装置は、サーマルヘッドと、前記サーマルヘッドと対向配置されるプラテンローラを有し、印刷面と反対側の面に粘着層を有する台紙のない長尺状のライナーレスラベルを搬送する搬送部と、前記サーマルヘッドの温度を検出する温度検出部と、前記ライナーレスラベルへの印刷が終了した後、前記ライナーレスラベルが前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとで挟持された状態で、前記搬送部による搬送が停止されている時間であるニップ時間を計時する計時部と、メッセージを報知する報知部と、前記サーマルヘッド、前記搬送部、及び前記報知部の各々を制御可能な制御部とを備え、前記制御部は、前記ライナーレスラベルへの印刷開始を指示する開始指令が取得された時、前記温度検出部によって検出された、前回の前記ライナーレスラベルへの印刷実行時の温度と、前記計時部によって計時された前記ニップ時間とが所定条件を満たす場合に、前記開始指令に応じて印刷動作を開始せずに所定のメッセージを前記報知部に報知させ、前記所定条件を満たさない場合に、前記開始指令に応じて前記サーマルヘッド及び前記搬送部を制御し、印刷を実行する印刷制御部として機能する。
一般に、サーマルヘッドとプラテンローラとに挟持されたライナーレスラベルの粘着層は、サーマルヘッドにより一定温度以上に加熱された後、該一定温度よりも低い粘着温度まで低下した場合に、プラテンローラに貼り付く力が最大になる。サーマルヘッドにより加熱された粘着層の温度は、前回の印刷時のサーマルヘッドの温度と相関がある。ライナーレスラベルの温度が加熱された後、粘着温度まで低下したかはニップ時間と相関がある。これに対し第一態様の印刷装置は、温度検出部によって検出された、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度と、計時部によって計時されたニップ時間とが所定条件を満たす場合に、開始指令に応じて印刷動作を開始せずに所定のメッセージを報知部に報知させる。このため印刷装置は、プラテンローラにライナーレスラベルの粘着層が貼り付いていると想定される状態で、印刷が実行されることを回避できる。印刷装置は、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度と、計時部によって計時されたニップ時間とが所定条件を満たさない場合に、開始指令に応じてサーマルヘッド及び搬送部を制御し、印刷を実行する。このため印刷装置は、印刷開始毎に、プラテンローラが正逆回転される場合に比べ、ライナーレスラベルへの印刷を短時間で開始できる。故に印刷装置は、ライナーレスラベルへの印刷を比較的短時間で開始することと、プラテンローラにライナーレスラベルの粘着層が貼り付いていたままで印刷が実行することを回避することとを両立できる。
本発明の第二態様に係る印刷装置は、サーマルヘッドと、前記サーマルヘッドと対向配置されるプラテンローラを有し、印刷面と反対側の面に粘着層を有する台紙のない長尺状のライナーレスラベルを搬送する搬送部と、前記サーマルヘッドが設けられた本体部と、前記本体部に対して開閉可能に支持され、前記プラテンローラが設けられた蓋部と、閉鎖状態の前記蓋部を開放させる開放機構と、前記サーマルヘッドの温度を検出する温度検出部と、前記ライナーレスラベルへの印刷が終了した後、前記ライナーレスラベルが前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとで挟持された状態で、前記搬送部による搬送が停止されている時間であるニップ時間を計時する計時部と、前記サーマルヘッド、前記搬送部、及び前記開放機構の各々を制御可能な制御部とを備え、前記制御部は、前記ライナーレスラベルへの印刷開始を指示する開始指令が取得された時、前記温度検出部によって検出された前回印刷実行時の温度と、前記計時部によって計時された前記ニップ時間とが所定条件を満たす場合に、前記開始指令に応じて印刷動作を開始せずに、前記開放機構を制御して、閉鎖状態の前記蓋部を開放させ、前記所定条件を満たさない場合に、前記開始指令に応じて前記サーマルヘッド及び前記搬送部を制御し、印刷を実行する印刷制御部として機能する。
第二態様の印刷装置は、温度検出部によって検出された、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度と、計時部によって計時されたニップ時間とが所定条件を満たす場合に、開始指令に応じて印刷動作を開始せずに蓋部を開放させる。これにより印刷装置は、サーマルヘッドとプラテンローラとを相対的に離れさせ、ライナーレスラベルがプラテンローラから離れることを促すことができる。このため印刷装置は、プラテンローラにライナーレスラベルの粘着層が貼り付いていると想定される状態で、印刷が実行されることを回避できる。印刷装置は、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度と、計時部によって計時されたニップ時間とが所定条件を満たさない場合に、開始指令に応じてサーマルヘッド及び搬送部を制御し、印刷を実行する。このため印刷装置は、印刷開始毎に、プラテンローラが正逆回転される場合に比べ、ライナーレスラベルへの印刷を短時間で開始できる。故に印刷装置は、ライナーレスラベルへの印刷を比較的短時間で開始することと、プラテンローラにライナーレスラベルの粘着層が貼り付いていたままで印刷が実行することを回避することとを両立できる。
蓋部3が閉鎖状態である時の印刷装置1の斜視図である。 蓋部3が開放状態であり、且つ前覆部6が取り外された状態の印刷装置1の斜視図である。 (A)は蓋部3が閉鎖状態である時の印刷装置1の開放機構60、蓋検出部91、及び移動部材95を模式的に示した図であり、(B)は蓋部3が閉鎖状態である時の印刷装置1の開放機構60、蓋検出部91、及び移動部材95を模式的に示した図である。 印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。 第一実施形態のメイン処理のフローチャートである。 第二実施形態のメイン処理のフローチャートである。 第三実施形態のメイン処理のフローチャートである。 第三実施形態の印刷装置1が記憶するテーブル8の説明図である。
以下、本発明の第一〜第三実施形態について、図面を参照して説明する。第一〜第三実施形態の印刷装置1に共通する構成について説明する。印刷装置1は、外部端末9(図4参照)から受信した印刷データに基づいて、文字、及び図形等のキャラクタを、印刷媒体に印刷するよう構成されたサーマルプリンタである。外部端末9は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)である。印刷装置1は、電池駆動が可能である。印刷装置1は、例えば、ベルトクリップ(非図示)を介してユーザの腰ベルトに装着された状態で使用される。図1の右下側、左上側、右上側、左下側、上側、及び下側を各々、印刷装置1の右側、左側、後側、前側、上側、及び下側と定義する。
図1〜図3に示すように、印刷装置1は、合成樹脂製の本体部2及び蓋部3を備える。本体部2は、略直方体の箱状である。本体部2は、底部5及び前覆部6を有する。底部5は、印刷装置1の内部領域を下側から覆う。前覆部6は、印刷装置1の内部領域の内、前側略半分を上側から覆う。底部5は、底壁51、及び側壁52〜54を有する。底壁51は、本体部2の下側の壁部に対応する。底壁51の前端近傍に、上側に湾曲した凸部55が設けられる。凸部55の下側に、印刷装置1を駆動するための電池(非図示)が収容される。側壁52〜54は各々、底壁51の右端部、左端部、後端部から上側に向けて延びる。側壁52〜54の上端部は、開口部20を構成する。
印刷装置1は、本体部2の底部5に、収容部24、一対の支持部41、切断刃26、サーマルヘッド27、一対の係止部25、開放機構60、移動部材95、蓋検出部91、及びフレーム7を備える。収容部24は、底部5の内、後側略半分の部分である。収容部24は、後述のフレーム7の後側に配置され、左側面視半円状に凹んだ凹部である。一対の支持部41は各々、左右対称の構成を有し、収容部24によって形成される凹部の左右両端部に、左右方向移動可能に設けられる。一対の支持部41の間にはロールMを配置可能であり、一対の支持部41は、ロールMの左右方向の両側を支持可能である。ロールMは、印刷媒体を筒状の芯に巻回されて構成される。本例の印刷媒体は、印刷面に感熱発色剤を含む感熱層を有し、印刷面と反対側の面に粘着層を有する台紙のない長尺状のライナーレスラベルを含む。ライナーレスラベルは、感熱層及び粘着層に加え、剥離層等を有してもよい。剥離層は、例えば、感熱層の印刷面に、合成樹脂などの剥離剤を塗布することで形成される。本例の印刷装置1は、印刷面に感熱発色剤を含む感熱層を有し、印刷面と反対側の面において台紙に貼付された感熱ラベル等、ライナーレスラベル以外の感熱層を有する印刷媒体にも印刷できる。
切断刃26は、本体部2の内、開口部20の前端部に設けられる。切断刃26は、印刷された部分をロールMから切り離す際に使用される。サーマルヘッド27は、切断刃26の下側に設けられる。サーマルヘッド27は、左右方向に複数個並列した発熱素子を備え、CPU81の制御に従って各発熱素子を発熱させることで、感熱層を有する印刷媒体にキャラクタを印刷するよう構成されている。感熱発色剤は、例えば、65〜90℃で発色し始め、90〜150℃で最高濃度に達する。サーマルヘッド27の発熱素子の発熱温度は、感熱層に含まれる感熱発色剤の発色温度に合わせられており、例えば、65〜150℃程度である。ライナーレスラベルの粘着層を形成する粘着剤が活性化する温度は、感熱発色剤が発色する温度よりも低く、例えば、約40〜50℃であり、粘着剤が活性化された後、室温(例えば、25℃)程度に粘着剤が冷却された場合に粘着層の粘着力が最大となる。サーマルヘッド27の周囲には、サーマルヘッド27の温度に対応した信号を出力可能な温度検出部97(図4参照)が配置される。
一対の係止部25は、本体部2の底部5の内、開口部20の左右両端部に設けられる。各係止部25は、後述の回転軸68により揺動可能に支持される。開放機構60は、閉鎖状態の蓋部3を開放させるよう構成されている。図3に模式的に示すように、開放機構60は、蓋モータ93(図4参照)、ギヤ66、67、回転軸68を備える。蓋モータ93は例えば、左右方向に延びる出力軸65を有するパルスモータである。出力軸65にはギヤ66が固定されている。ギヤ66はギヤ67と噛み合う。ギヤ67の回転軸68は、係止部25の下端部を揺動可能に支持する。蓋モータ93が駆動すると、ギヤ66、67を介して、回転軸68が回転し、係止部25の上端部は後方に揺動する。係止部25の上端部が後方に揺動すると、蓋部3が閉鎖状態から開放状態に変更される。
移動部材95は、蓋部3の状態に応じて、上下方向の位置が変更されるように構成される。移動部材95は、本体部98、押圧部99、及び付勢部材96を備える。本体部98は、上下方向に長い箱状であり、内部に付勢部材96(例えば、圧縮コイルバネ)を収容する。付勢部材96の下端は、フレーム7に係止されており、付勢部材96は本体部98を上方に付勢する。押圧部99は、本体部98の下端と連結し、左側面視L字状に屈曲した部分である。蓋検出部91は、接触子92を有するスイッチであって、接触子92の姿勢に応じて、蓋部3が開放状態であることを示すオン信号及び蓋部3が閉鎖状態であることを示すオフ信号の何れかを後述のCPU81に出力する。具体的には、接触子92は、下方に延びる姿勢(図3(A)参照)の位置と、斜め下後方に延びる姿勢(図3(B)参照)の位置とを揺動可能であり、左側面視時計回りに付勢されている。図3(A)に示すように、蓋部3が閉鎖状態である時、移動部材95は、蓋部3に当接して下側に押圧され、付勢部材96の付勢力に抗して下方位置に位置する。この時、押圧部99は、蓋検出部91の接触子92が下方の延びる姿勢になるよう接触子92を押圧する。蓋検出部91は、接触子92が下方に延びる姿勢である時、オフ信号をCPU81に出力する。図3(B)に示すように、蓋部3が開放状態である時、移動部材95は、蓋部3から下側に押圧されなくなり、付勢部材96の付勢力により上方位置に位置する。この時、押圧部99は、蓋検出部91の接触子92と離れ、接触子92は斜め下後方に延びる姿勢となる。蓋検出部91は、接触子92が斜め下後方に延びる姿勢である時、オン信号をCPU81に出力する。
図2に示すように、フレーム7は、底部5の前部に固定される。フレーム7は、本体部2よりも剛性が高いガラス繊維等が含有された繊維強化合成樹脂により形成されている。フレーム7は、側板71、72、及び架設部73を有する。側板71、72は各々、略板状であり、左右方向と直交して延びる。側板71、72は、互いに左右方向に離隔する。側板71は、底部5の側壁52の左側に配置される。側板72は、底部5の側壁53の右側に配置される。側板71、72は、各々の上端部の内、前後方向中央よりも後側部分に、下方に凹んだ凹部74を備える。架設部73は側板71、72の各々の前後方向中央よりも前側部分の間に架設される。架設部73は、非図示の制御基板、通信基板、電源基板、モータ、及びヘッドホルダ等を支持する。モータは、図4を参照して後述する搬送モータ94及び蓋モータ93を含む。
図1に示すように、印刷装置1は、本体部2の前覆部6に、入力部11、表示部12、及びレバー23を備える。入力部11は、前覆部6の前面に設けられ、ユーザが各種指示を印刷装置1に入力する場合に操作される。表示部12は、前覆部6の前面に設けられる。表示部12は、例えば、各種メッセージを表示可能な液晶ディスプレイ(LCD)である。レバー23は、前覆部6の右後部に設けられ、蓋部3を閉鎖状態から開放状態に変更する場合にユーザにより操作される。レバー23がユーザによって押し下げられた場合、各係止部25の上端部は後方に揺動し、蓋部3が閉鎖状態から開放状態に変更される。
蓋部3は、本体部2の側壁54の上端部に回転可能に支持される。以下では、閉鎖状態の蓋部3(図1参照)を基準とし、印刷装置1の各方向を蓋部3に適用する。蓋部3は、蓋部3の後端部に設けた回転軸34を中心に、閉鎖状態(図1、図3上参照)と開放状態(図2、図3下参照)との間を揺動可能である。回転軸34は左右方向に延びる。蓋部3は、閉鎖状態の場合に開口部20の下側の収容部24を上側から覆う(図1参照)。蓋部3は、開放状態の場合に開口部20の下側の収容部24を開放する(図2参照)。印刷装置1は、蓋部3に、付勢部材30、及びプラテンホルダ33を備える。付勢部材30は、蓋部3を閉鎖状態から開放状態に揺動する向き(左側面視反時計回り)に付勢する。付勢部材30は、例えば、蓋部3の回転軸34に外挿されたネジリバネである。
プラテンホルダ33は、蓋部3の前端部に設けられる。印刷装置1は、プラテンホルダ33に、プラテンローラ31、及び左右一対の軸受32を備える。プラテンホルダ33は、軸受32を介してプラテンローラ31を回動可能に支持する。プラテンローラ31の回転軸(非図示)は左右方向に延びる。プラテンローラ31と、回転軸34との間の距離は、収容部24に収容可能なロールMの直径よりも長い。プラテンローラ31の表面には剥離剤コーティング加工(例えば、シリコーンオイル含浸加工、フッ素樹脂加工)が施されており、ライナーレスラベルの印字面とは反対側面に塗着されている粘着剤がプラテンローラ31の表面に付着することが抑制されている。各軸受32は、蓋部3が閉鎖状態の時、フレーム7の対応する凹部74と当接し、対応する係止部25によって上側から係止される。この場合、蓋部3は閉鎖状態で維持される(図1参照)。蓋部3が閉鎖状態の時にレバー23(図1参照)が押し下げられた場合、又は開放機構60が駆動された場合、各係止部25は、対応する軸受32から外れる。この時、蓋部3は、付勢部材30の付勢力によって閉鎖状態(図1参照)から開放状態(図2参照)の位置まで揺動する。
図3に示すように、蓋部3が閉鎖状態のとき、サーマルヘッド27とプラテンローラ31とは互いに接触する。プラテンローラ31は、サーマルヘッド27に後側から接触する。プラテンローラ31は、サーマルヘッド27との間に印刷媒体が配置された場合、サーマルヘッド27に向けて印刷媒体を押し付ける。プラテンローラ31がサーマルヘッド27と接触する位置を、「印刷位置P」という。印刷位置Pは、印刷媒体がプラテンローラ31とサーマルヘッド27の間に挟持された状態でサーマルヘッド27が発熱した場合に、印刷媒体に像が形成される位置である。搬送部90(図4参照)は、印刷媒体をサーマルヘッド27に押し付けながら搬送する。搬送部90は、プラテンローラ31及び搬送モータ94を有し、搬送モータ94の駆動力でプラテンローラ31を回転させることで、印刷媒体を搬送するよう構成されている。印刷媒体は、収容部24に収容されたロールMの下端部近傍から繰り出される。印刷媒体の搬送経路Qは、ロールMの下端部近傍から前斜め上側に向けて延びる。搬送経路Qは更に、サーマルヘッド27後側近傍で上側に曲折し、印刷位置Pを通って上側に延びる。プラテンローラ31は、印刷位置Pにおいて搬送経路Qと接する。搬送経路Qは更に、後述の排出口28に向けて後斜め上側に延びる。搬送経路Qに沿った方向を、「搬送方向」という。搬送方向は、プラテンローラ31、サーマルヘッド27、及び切断刃26の長手方向(左右方向)と直交する。印刷媒体がライナーレスラベルである時、ライナーレスラベルの印刷面は、印刷位置Pにおいて前側に配置される。ライナーレスラベルの粘着面は、印刷位置Pにおいて後側に配置される。蓋部3が閉鎖状態のとき、切断刃26とプラテンローラ31との間には、排出口28が形成される。印刷装置1の内部で印刷された印刷媒体は、搬送部90の駆動により搬送され、排出口28から印刷装置1の外部に排出される。
図4を参照し、印刷装置1の電気的構成を説明する。印刷装置1は、CPU81を備える。CPU81は印刷装置1の動作を統括制御する。CPU81は、ROM82、RAM83、フラッシュメモリ84、及び通信I/F85と接続する。ROM82は各種プログラムを記憶する。RAM83及びフラッシュメモリ84は、印刷装置1の動作に必要な各種情報を非一時的又は一時的に記憶する。通信I/F85は、印刷装置1に接続される外部端末9との間で通信を行なうためのインターフェースである。
CPU81は、入力部11、蓋検出部91、温度検出部97 及び駆動回路86〜89と接続する。入力部11は、ユーザによる入力操作によって生成される各種指示をCPU81に出力するよう構成されている。蓋検出部91は、蓋部3が開放状態であることを示すオン信号又は蓋部3が閉鎖状態であることを示すオフ信号をCPU81に出力するよう構成されている。温度検出部97は、サーマルヘッド27の温度を表す信号をCPU81に出力するよう構成されている。駆動回路86はサーマルヘッド27と接続する。駆動回路87は搬送モータ94と接続する。駆動回路88は表示部12と接続する。駆動回路89は蓋モータ93と接続する。CPU81は、駆動回路86〜89に制御信号を送信することで、サーマルヘッド27、搬送モータ94、表示部12、及び蓋モータ93の各々を駆動制御する。
図5を参照し、第一実施形態のメイン処理を説明する。第一実施形態のメイン処理は、印刷装置1が印刷動作を実行する処理である。メイン処理の開始前、ロールMは印刷装置1に装着されており、蓋部3は閉鎖状態にある。ユーザが入力部11を操作して印刷装置1の電源を投入すると、CPU81はメイン処理を実行するためのプログラムをROM82からRAM83に読み出して、以下の処理を実行する。
図5に示すように、メイン処理では、CPU81は、外部端末9から出力された開始指令を取得したかを判断する(S1)。開始指令が取得された場合(S1:YES)、CPU81は、印刷条件を取得する(S2)。印刷条件は、外部端末9で設定された印刷媒体の種類を含む。印刷媒体の種類は、例えば、ライナーレスラベル、又は台紙有り感熱ラベルである。また、印刷媒体の種類は、収容部24に収容されるロールMの筒部の形状を検出することにより、自動的に取得されてもよい。CPU81は、ライナーレス動作モードが設定されているかを判断する(S3)。印刷媒体の種類がライナーレスラベルではない場合には、CPU81はライナーレス動作モードではないと判断する(S3:NO)。この場合CPU81は、通常の印刷処理を実行する(S19)。通常の印刷処理では、CPU81は、印刷データに従って、駆動回路86、87を制御する公知の処理が実行される。CPU81は、S19の処理の後、後述のS20の処理を実行する。
印刷媒体の種類がライナーレスラベルである場合には、CPU81はライナーレス動作モードと判断する(S3:YES)。この場合、CPU81は、温度検出部97によって検出された、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度が、閾値以上であるかを判断する(S4)。前回のライナーレスラベルへの印刷とは、例えば、一の印刷データに基づく、一連の印刷処理をいう。したがって、一の印刷データに基づき、複数の印刷処理が実行される場合には、複数回の印刷処理が実行されていると判断される。一の印刷データに基づき、複数の印刷処理が実行される場合に、一回の印刷処理が実行されていると判断してもよい。前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度は、後述するS17によってフラッシュメモリ84に記憶される。本例の前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度は、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の最高温度である。閾値は、サーマルヘッド27による加熱時の温度、ライナーレスラベルの粘着層の粘着剤が活性化する温度等を考慮して予め設定されている。
温度検出部97によって検出された、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度が、閾値以上である場合(S4:YES)、CPU81はニップ時間が閾値以上であるかを判断する(S5)。ニップ時間は、前回のライナーレスラベルへの印刷が終了した後、ライナーレスラベルがサーマルヘッド27とプラテンローラ31とで挟持された状態で、搬送部90による搬送が停止されている時間である。ニップ時間は、後述のS18の処理で計測が開始される。電源起動後、最初のメイン処理においては、ニップ時間は例えば、閾値以上の所定値とする。ニップ時間が閾値以上である場合(S5:YES)、CPU81は、駆動回路88を制御し、表示部12にメッセージを表示して報知する(S6)。S4からS6の処理により、温度検出部97によって検出された、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度と、計時されたニップ時間とが所定条件を満たす場合に、開始指令に応じて印刷動作を開始せずに所定のメッセージが表示部12に表示される。メッセージは例えば、「蓋部を開放して下さい」である。
ユーザは、表示部12に表示されたメッセージに従って、レバー23を操作して蓋部3を開放状態にする。図3(B)に示す如く、蓋部3が開放状態になると、サーマルヘッド27とプラテンローラ31とが離れる。蓋部3が閉鎖状態から開放状態に変更された場合、プラテンローラ31は、前後方向において、ロールMよりも前方の位置から、ロールMよりも後方の位置に移動される。ライナーレスラベルへの印刷が終了した後、ライナーレスラベルがサーマルヘッド27とプラテンローラ31とで挟持されていることにより、ライナーレスラベルがプラテンローラ31に貼り付いていた場合にも、プラテンローラ31が上記のように移動することで、ライナーレスラベルがプラテンローラ31から剥がされる。
CPU81は、蓋検出部91が出力する信号に基づき、蓋部3が開放状態にあるかを判断する(S7)。CPU81は、蓋検出部91からオン信号を取得するまで、S7の判断を継続する(S7:NO)。蓋検出部91からオン信号が取得された場合(S7:YES)、CPU81は、ニップ時間に0を設定してリセットする(S8)。CPU81は、S6で開始した報知を止める(S9)。CPU81は、蓋検出部91が出力する信号に基づき、蓋部3が閉鎖状態にあるかを判断する(S10)。CPU81は、蓋検出部91からオフ信号を取得するまで、S10の判断を継続する(S10:NO)。CPU81は、駆動回路88を制御して、蓋部3を閉鎖状態にすることを促すメッセージを表示部12に表示させてもよい。ユーザは、蓋部3を開放状態にした後、蓋部3を閉鎖状態にする。蓋検出部91からオフ信号が取得された場合(S10:YES)、CPU81は、処理をS1に戻す。
温度検出部97によって検出された、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度が閾値以上ではない場合(S4:NO)、又はニップ時間が閾値以上ではない場合(S5:NO)、CPU81は、最高温度に0を設定して初期化する。CPU81は、印刷データに従って駆動回路86、87を制御することで、S1で取得された開始指令に応じた印刷を開始する(S11)。CPU81は、温度検出部97から出力される、サーマルヘッド27の温度を表す信号を取得する(S12)。CPU81は、S12で取得された温度が最高温度よりも大きいかを判断する(S13)。S12で取得された温度が最高温度よりも大きい場合(S13:YES)、CPU81は、S12で取得された温度を、最高温度に設定して、最高温度を更新する(S14)。
S12で取得された温度が最高温度よりも大きくはない場合(S13:NO)、又はS14の次に、CPU81は、印刷データに基づく印刷が終了したかを判断する(S15)。印刷が終了していない場合(S15:NO)、CPU81は処理をS12に戻す。S12〜S14の処理を印刷期間中繰り返すことにより、CPU81は印刷期間中のサーマルヘッド27の最高温度を取得する。印刷データに基づく印刷が終了した場合(S15:YES)、CPU81は駆動回路86、87の制御を停止して、印刷を終了させる(S16)。CPU81は、最高温度を前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度としてフラッシュメモリ84に記憶する(S17)。CPU81は、ニップ時間の計測を開始する(S18)。ニップ時間は別途実行される処理により、所定時間間隔毎に更新される。
CPU81は、メイン処理を終了する終了指示を取得したかを判断する(S20)。ユーザは、入力部11を操作して、終了指示を入力できる。CPU81は、終了指示を取得していない場合(S20:NO)、CPU81は、蓋検出部91からオン信号を取得したかを判断する(S21)。オン信号が取得された場合(S21:YES)、CPU81はニップ時間に0をセットしてニップ時間をリセットする(S22)。蓋検出部91からオフ信号が取得された場合(S21:NO)、又はS22の次に、CPU81は処理をS1に戻す。CPU81は終了指示が取得された場合(S20:YES)、各種設定値をフラッシュメモリ84に記憶する等の終了処理を実行し(S23)、メイン処理を終了する。
図6を参照し、第二実施形態のメイン処理を説明する。図6において、図5の第一実施形態のメイン処理と同様な処理には同じ符号を付与している。図6に示すように、第二実施形態のメイン処理は、S6、S7の処理に変えてS26の処理を行い、S9、S21、S22の処理を省略する点で、第一実施形態のメイン処理と異なる。以下の説明では、第一実施形態のメイン処理と同様の処理は説明を省略し、第一実施形態と異なる処理について説明する。なお、S21、S22の処理は省略しなくともよい。
S26では、CPU81は開放機構60(駆動回路89)を制御して、閉鎖状態の蓋部3を開放させる(S26)。CPU81は、ニップ時間に0を設定してニップ時間をリセットした後(S8)、蓋検出部91からオン信号が取得されるまでS10の判断を継続する。蓋検出部91からオン信号が取得された場合(S10:YES)、CPU81は、処理をS1に戻す。S20において、終了指示が取得されていない場合(S20:NO)、CPU81は処理をS1に戻す。
図7及び図8を参照し、第三実施形態のメイン処理を説明する。図7において、図5の第一実施形態のメイン処理と同様な処理には同じ符号を付与している。図7に示すように、第三実施形態のメイン処理は、S4、S5の処理に変えてS41の処理を行い、S21、S22の処理を省略する点で、第一実施形態のメイン処理と異なる。以下の説明では、第一実施形態のメイン処理と同様の処理は説明を省略し、第一実施形態と異なる処理について説明する。なお、S21、S22の処理は省略しなくともよい。
S41では、CPU81は温度検出部97によって検出された前回印刷実行時の温度と、計時されたニップ時間とが所定条件を満たすかを判断する(S41)。第三実施形態の印刷装置1はフラッシュメモリ84に、図8に示すテーブル8が記憶されている。テーブル8では、前回印刷実行時の温度と、計時されたニップ時間とが所定条件を満たす場合を蓋部開放、所定条件を満たさない場合を印刷実行と表記される。テーブル8において、温度h1、h2、ニップ時間t1、t2は、各々所定の閾値を表す。CPU81は、テーブル8における、前回印刷実行時の温度Hと、計時されたニップ時間Tとの組み合わせに基づいて、所定条件を満たすかを判断する。図8に示すように、温度Hがh2以上且つニップ時間Tがt1未満の場合、印刷実行と判定される。温度Hがh2以上且つニップ時間Tがt1以上の場合、蓋部開放と判定される。温度Hがh1以上h2未満且つニップ時間Tがt2未満の場合、印刷実行と判定される。温度Hがh1以上h2未満且つニップ時間Tがt2以上の場合、蓋部開放と判定される。温度Hがh1未満である場合、ニップ時間Tによらず印刷実行と判定される。所定条件を満たすと判断された場合(S41:YES)、S6の処理が実行される。所定条件を満たすと判断されない場合(S41:NO)、S11の処理が実行される。S20において、終了指示が取得されていない場合(S20:NO)、CPU81は処理をS1に戻す。
上記第一〜第三実施形態の印刷装置1において、サーマルヘッド27、プラテンローラ31、搬送部90、温度検出部97、CPU81、表示部12、CPU81、本体部2、蓋部3、蓋検出部91、及び開放機構60は各々、本発明のサーマルヘッド、プラテンローラ、搬送部、温度検出部、計時部、報知部、制御部、本体部、蓋部、蓋検出部、及び開放機構の一例である。S4の処理を実行するCPU81は、本発明の第一判定部の一例である。S5の処理を実行するCPU81は、本発明の第二判定部の一例である。S6の処理を実行するCPU81は、本発明の報知制御部の一例である。S11の処理を実行するCPU81は、本発明の開始制御部の一例である。S9の処理を実行するCPU81は、本発明の報知停止制御部の一例である。S26の処理を実行するCPU81は、蓋部制御部の一例である。S8、S22の処理を実行するCPU81は、本発明のリセット部の一例である。S4〜S6、S11の処理を実行するCPU81は、本発明の印刷制御部の一例である。S4〜S6、S26の処理を実行するCPU81は、本発明の印刷制御部の一例である。S41、S11の処理を実行するCPU81は、本発明の印刷制御部の一例である。
一般に、サーマルヘッド27とプラテンローラ31とに挟持されたライナーレスラベルの粘着層は、サーマルヘッド27により一定温度以上に加熱された後、該一定温度よりも低い粘着温度まで低下した場合に、プラテンローラ31に貼り付く力が最大になる。サーマルヘッド27により加熱された粘着層の温度は、前回の印刷時のサーマルヘッド27の温度と相関がある。ライナーレスラベルの温度が加熱された後、粘着温度まで低下したかはニップ時間と相関がある。第一及び第三実施形態の印刷装置1は、温度検出部97によって検出された、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度と、計時されたニップ時間とが所定条件を満たす場合に、開始指令に応じて印刷動作を開始せずに所定のメッセージを表示部12に表示させることで報知する。このため印刷装置1は、プラテンローラ31にライナーレスラベルの粘着層が貼り付いていると想定される状態で、印刷が実行されることを回避できる。印刷装置1は、前回印刷実行時の温度Hと、計時されたニップ時間Tとが所定条件を満たさない場合に、開始指令に応じてサーマルヘッド27及び搬送部90を制御し、印刷を実行する。このため印刷装置1は、印刷開始毎に、プラテンローラ31が正逆回転される場合に比べ、ライナーレスラベルへの印刷を短時間で開始できる。故に印刷装置1は、ライナーレスラベルへの印刷を比較的短時間で開始することと、プラテンローラ31にライナーレスラベルの粘着層が貼り付いていたままで印刷が実行することを回避することとを両立できる。
第一実施形態の印刷装置1は、温度検出部97で検出された温度が、所定温度以上かを判定し(S4)、計時されたニップ時間が、所定時間以上かを判定する(S5)。印刷装置1は、開始指令が取得された時、S4での判定結果が所定温度以上であり(S4:YES)、且つ、S5での判定結果が所定時間以上である場合に(S5:YES)、開始指令に応じて印刷動作を開始せずに、所定のメッセージを表示部12に表示する(S6)。印刷装置1は、開始指令が取得された時、S4での判定結果が所定温度未満(S4:NO)、又はS5での判定結果が所定時間未満である場合に(S5:NO)、開始指令に応じてサーマルヘッド27及び搬送部90を制御し、印刷を実行する(S11)。故に、印刷装置1は、S4と、S5とでの判定結果に基づき、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度と、計時されたニップ時間とが所定条件を満たすかを判定できる。このため印刷装置1は、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度及び計時されたニップ時間の一方に基づき、プラテンローラ31にライナーレスラベルの粘着層が貼り付いていると想定されるかを判断する場合に比べ、プラテンローラ31にライナーレスラベルの粘着層が貼り付いているかを適切に判断できる。
第一及び第三実施形態の印刷装置1は、サーマルヘッド27が設けられた本体部2と、本体部2に対して開閉可能に支持され、プラテンローラ31が設けられた蓋部3とを備える。印刷装置1は、S6において、蓋部3の開放を促すメッセージを表示部12に表示する。故に、印刷装置1は、蓋部3の開放を促すメッセージを表示部12に表示して報知することで、ユーザに蓋部3の開放を促すことができる。ユーザがメッセージに従って蓋部3を開放する場合、サーマルヘッド27とプラテンローラ31とが相対的に離れる。故に印刷装置1は、ライナーレスラベルがプラテンローラ31から離れることを促すことができる。このため印刷装置1は、プラテンローラ31にライナーレスラベルの粘着層が貼り付いていると想定される状態で、印刷が実行されることを回避できる。
第一及び第三実施形態の印刷装置1は、蓋部3の開放を検出する蓋検出部91を備える。印刷装置1は、メッセージの報知を開始後(S6)、蓋検出部91により蓋部3の開放が検出された場合(S7:YES)、表示部12を制御してメッセージの表示を止める(S8)。故に、印刷装置1は、ユーザにより蓋部3が開放された場合に、表示部12による所定のメッセージの報知が継続されることを自動で停止できる。印刷装置1は、表示部12によるメッセージの報知を停止させるユーザの手間を省くことができる。
第一実施形態の印刷装置1は、蓋検出部91により蓋部3の開放が検出された場合、計測中のニップ時間をリセットする(S8、S22)。故に印刷装置1は、ラベルの交換等で蓋部3が開放された場合に、ニップ時間の計測をリセットできる。故に印刷装置1は、蓋部3の開放状況を考慮してニップ時間を計測できる。
第二実施形態の印刷装置1は、閉鎖状態の蓋部3を開放させる開放機構60を備える。印刷装置1は、ライナーレスラベルへの印刷開始を指示する開始指令が取得された時、温度検出部97によって検出された前回印刷実行時の温度と、計時されたニップ時間とが所定条件を満たす場合に(S4:YES、S5:YES)、開始指令に応じて印刷動作を開始せずに、開放機構60を制御して、閉鎖状態の蓋部3を開放させる(S26)。印刷装置1は、前回印刷実行時の温度と、計時されたニップ時間とが所定条件を満たさない場合に(S4:NO又はS5:NO)、開始指令に応じてサーマルヘッド27及び搬送部90を制御し、印刷を実行する(S11)。故に第二実施形態の印刷装置1は、温度検出部97によって検出された、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度と、計時されたニップ時間とが所定条件を満たす場合に、開始指令に応じて印刷動作を開始せずに蓋部3を開放させる。これにより印刷装置1は、サーマルヘッド27とプラテンローラ31とを相対的に離れさせ、ライナーレスラベルがプラテンローラ31から離れることを促すことができる。このため印刷装置1は、プラテンローラ31にライナーレスラベルの粘着層が貼り付いていると想定される状態で、印刷が実行されることを回避できる。印刷装置1は、前回印刷実行時の温度Hと、計時されたニップ時間Tとが所定条件を満たさない場合に、開始指令に応じてサーマルヘッド27及び搬送部90を制御し、印刷を実行する。このため印刷装置1は、印刷開始毎に、プラテンローラ31が正逆回転される場合に比べ、ライナーレスラベルへの印刷を短時間で開始できる。故に印刷装置1は、ライナーレスラベルへの印刷を比較的短時間で開始することと、プラテンローラ31にライナーレスラベルの粘着層が貼り付いていたままで印刷が実行することを回避することとを両立できる。
第二実施形態の印刷装置1は、温度検出部97で検出された温度が、所定温度以上か否かを判定し(S4)、計時されたニップ時間が、所定時間以上か否かを判定する(S5)。印刷装置1は、開始指令が取得された時、S4での判定結果が所定温度以上であり、且つ、S5での判定結果が所定時間以上である場合は、開始指令に応じて印刷動作を開始せずに、開放機構60を制御して、閉鎖状態の蓋部3を開放させる(S26)。印刷装置1は、開始指令が取得された時、S4での判定結果が所定温度未満、又はS5での判定結果が所定時間未満である場合は、開始指令に応じてサーマルヘッド27及び搬送部90を制御し、印刷を実行する(S11)。故に印刷装置1は、S4と、S5との判定結果に基づき、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度と、計時されたニップ時間とが所定条件を満たすかを判定できる。このため印刷装置1は、前回のライナーレスラベルへの印刷実行時の温度及び計時されたニップ時間の一方に基づき、プラテンローラ31にライナーレスラベルの粘着層が貼り付いていると想定されるかを判断する場合に比べ、プラテンローラ31にライナーレスラベルの粘着層が貼り付いているかを適切に判断できる。
本発明の印刷装置は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の変形が適宜加えられてもよい。
印刷装置は、ライナーレスラベル専用の印刷装置であってもよい。印刷装置が備える、本体部、蓋部、サーマルヘッド、プラテンローラ、搬送部、温度検出部の構成及び配置等は適宜変更されてよい。印刷装置に装着されるライナーレスラベルは、ロール状に巻回されていなくてもよい。報知部は、所定のメッセージを報知可能であればよく、音声報知可能なスピーカ、及び画像表示可能な表示部等であってもよい。蓋検出部は、蓋部が開放状態にあるか、閉塞状態にあるかを区別可能なセンサであればよく、機械式のセンサの他、光学式センサ等であってもよい。
温度検出部によって検出された前回印刷実行時の温度は、温度検出部によって前回印刷実行中に取得された温度であればよい。温度検出部によって検出された前回印刷実行時の温度は、例えば、温度検出部によって前回の印刷終了時に取得された温度であってもよいし、平均温度等の前回印刷実行期間中に温度検出部によって複数取得された温度の代表値であってもよい。
第一及び第三実施形態の印刷装置1は、開放機構60を省略してもよい。S4、S5における閾値は適宜変更されてよい。所定のメッセージは、ライナーレスラベルがプラテンローラに貼り付いたままで印刷が実行されることを抑制するものであればよく、適宜変更されてもよい。例えば、所定のメッセージは、「ライナーレスラベルがプラテンローラに貼り付いていないかを確認して下さい」等でもよい。印刷装置は、サーマルヘッドが設けられた本体部と、本体部に対して取り外し可能に装着され、プラテンローラが設けられた蓋部とを備えてもよい。この場合、第一、第三実施形態のメイン処理において、印刷装置は、蓋部を本体部から取り外すことを促すメッセージを所定のメッセージとしてもよい。印刷装置1は、蓋検出部91を省略し、報知開始後所定時間経過後に所定のメッセージの報知を終了してもよい。他の例では、印刷装置1は、ユーザが入力部11を操作して報知停止の指示を入力した場合に所定のメッセージの報知を終了してもよい。第三実施形態のメイン処理のS41で参照されるテーブル8は適宜変更されてよい。S41では前回印刷実行時の温度Hと、ニップ時間Tとを所定の計算式に代入して計算した値に基づき、所定条件を満たすか否かが判断されてもよい。第一実施形態のメイン処理において、S21、S22の処理は省略されてもよい
第二実施形態の印刷装置1は、表示部12を省略してもよい。第三実施形態のメイン処理において、印刷装置1は、S41で蓋部開放と判定された場合に(S41:YES)、S6、S7の処理に変えて、第二実施形態のメイン処理のS26を実行し、S9の処理は省略してもよい。この場合も、印刷装置は報知部を省略してもよい。開放機構60の構成は適宜変更されてよく、例えば開放機構60の駆動源は、DCモータ、ソレノイド等適宜変更されてよい。
印刷装置1は、蓋検出部91を備える場合に、蓋検出部91により蓋部3の開放が検出された場合、計測中のニップ時間をリセットする処理を省略してもよい。この場合、例えば印刷装置1は、入力部11を介してニップ時間の計測をリセットする指示を取得した場合に計測中のニップ時間をリセットしてもよい。
メイン処理を実行させるための指令を含むプログラムは、CPU81がプログラムを実行するまでに、印刷装置1の記憶機器に記憶されればよい。従って、プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更してもよい。CPU81が実行するプログラムは、ケーブル又は無線通信を介して、他の装置から受信し、フラッシュメモリ等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
メイン処理の各ステップは、CPU81によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC、FPGA)によって実行されてもよい。メイン処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。メイン処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。印刷装置1上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が、CPU81からの指令に基づきメイン処理の一部又は全部を行う態様も、本発明の範囲に含まれる。
1:印刷装置、2:本体部、3:蓋部、27:サーマルヘッド、31:プラテンローラ、60:開放機構、81:CPU、82:ROM、83:RAM、84:フラッシュメモリ、91:蓋検出部、93:蓋モータ、94:搬送モータ

Claims (7)

  1. サーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドと対向配置されるプラテンローラを有し、印刷面と反対側の面に粘着層を有する台紙のない長尺状のライナーレスラベルを搬送する搬送部と、
    前記サーマルヘッドの温度を検出する温度検出部と、
    前記ライナーレスラベルへの印刷が終了した後、前記ライナーレスラベルが前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとで挟持された状態で、前記搬送部による搬送が停止されている時間であるニップ時間を計時する計時部と、
    メッセージを報知する報知部と、
    前記サーマルヘッド、前記搬送部、及び前記報知部の各々を制御可能な制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記ライナーレスラベルへの印刷開始を指示する開始指令が取得された時、前記温度検出部によって検出された、前回の前記ライナーレスラベルへの印刷実行時の温度と、前記計時部によって計時された前記ニップ時間とが所定条件を満たす場合に、前記開始指令に応じて印刷動作を開始せずに所定のメッセージを前記報知部に報知させ、前記所定条件を満たさない場合に、前記開始指令に応じて前記サーマルヘッド及び前記搬送部を制御し、印刷を実行する印刷制御部として機能することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記印刷制御部は、
    前記温度検出部で検出された前記温度が、所定温度以上かを判定する第一判定部と、
    前記計時部によって計時された前記ニップ時間が、所定時間以上かを判定する第二判定部と、
    前記開始指令が取得された時、前記第一判定部による判定結果が前記所定温度以上であり、且つ、前記第二判定部の判定結果が前記所定時間以上である場合に前記所定条件を満たすと判断し、前記開始指令に応じて印刷動作を開始せずに、前記所定のメッセージを前記報知部に報知させる報知制御部と、
    前記開始指令が取得された時、前記第一判定部の判定結果が前記所定温度未満、又は前記第二判定部の判定結果が前記所定時間未満である場合に前記所定条件を満たさないと判断し、前記開始指令に応じて前記サーマルヘッド及び前記搬送部を制御し、印刷を実行する開始制御部として機能することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記サーマルヘッドが設けられた本体部と、
    前記本体部に対して開閉可能に支持され、前記プラテンローラが設けられた蓋部とを更に備え、
    前記所定のメッセージは、前記蓋部の開放を促すメッセージであることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記蓋部の開放を検出する蓋検出部を更に備え、
    前記制御部は、
    前記所定のメッセージの報知を開始後、前記蓋検出部により前記蓋部の開放が検出された場合、前記報知部を制御して前記所定のメッセージの報知を止める報知停止制御部として更に機能することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
  5. 前記制御部は、
    前記蓋検出部により前記蓋部の開放が検出された場合、計測中の前記ニップ時間をリセットするリセット部として更に機能することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
  6. サーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドと対向配置されるプラテンローラを有し、印刷面と反対側の面に粘着層を有する台紙のない長尺状のライナーレスラベルを搬送する搬送部と、
    前記サーマルヘッドが設けられた本体部と、
    前記本体部に対して開閉可能に支持され、前記プラテンローラが設けられた蓋部と、
    閉鎖状態の前記蓋部を開放させる開放機構と、
    前記サーマルヘッドの温度を検出する温度検出部と、
    前記ライナーレスラベルへの印刷が終了した後、前記ライナーレスラベルが前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとで挟持された状態で、前記搬送部による搬送が停止されている時間であるニップ時間を計時する計時部と、
    前記サーマルヘッド、前記搬送部、及び前記開放機構の各々を制御可能な制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記ライナーレスラベルへの印刷開始を指示する開始指令が取得された時、前記温度検出部によって検出された前回印刷実行時の温度と、前記計時部によって計時された前記ニップ時間とが所定条件を満たす場合に、前記開始指令に応じて印刷動作を開始せずに、前記開放機構を制御して、閉鎖状態の前記蓋部を開放させ、前記所定条件を満たさない場合に、前記開始指令に応じて前記サーマルヘッド及び前記搬送部を制御し、印刷を実行する印刷制御部として機能することを特徴とする印刷装置。
  7. 前記印刷制御部は、
    前記温度検出部で検出された前記温度が、所定温度以上か否かを判定する第一判定部と、
    前記計時部によって計時された前記ニップ時間が、所定時間以上か否かを判定する第二判定部と、
    前記開始指令が取得された時、前記第一判定部による判定結果が前記所定温度以上であり、且つ、前記第二判定部の判定結果が前記所定時間以上である場合に前記所定条件を満たすと判断し、前記開始指令に応じて印刷動作を開始せずに、前記開放機構を制御して、閉鎖状態の前記蓋部を開放させる蓋部制御部と、
    前記開始指令が取得された時、前記第一判定部の判定結果が前記所定温度未満、又は前記第二判定部の判定結果が前記所定時間未満である場合に前記所定条件を満たさないと判断し、前記開始指令に応じて前記サーマルヘッド及び前記搬送部を制御し、印刷を実行する開始制御部として機能することを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
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