JP2020103713A - 細胞カプセル - Google Patents
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Abstract
【課題】細胞カプセルによって移植された細胞・組織に対して、十分な量の酸素を長期間にわたって安定的に供給することができる技術を提供する。【解決手段】本発明に係る細胞カプセルは、酸素徐放材を用いて細胞に対して十分な量の酸素を供給するための仕組みを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、細胞をカプセル化する細胞カプセルに関する。
再生医療等の治療において、細胞・組織を移植した際に、移植された細胞・組織に対する酸素供給が不足することによる細胞死が課題となっている。下記特許文献1は、カプセル化された細胞もしくは組織に対して酸素利用可能性および送達をより良くするべく、パーフルオロ有機化合物などの水よりも高い酸素溶解度を有する溶媒を用いる方法を提案している(同文献の0096参照)。
特許文献1に記載されているように、液体溶媒に酸素を溶解させる手法においては、溶媒が体内に拡散してしまうので、細胞カプセル内に溶媒を長期的に保持することが困難である。また細胞に対して供給できる酸素量が少ないので、細胞の生存率が低いという課題がある。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、細胞カプセルによって移植された細胞・組織に対して、十分な量の酸素を長期間にわたって安定的に供給することができる技術を提供することを目的とする。
本発明に係る細胞カプセルは、酸素徐放材を用いて細胞に対して十分な量の酸素を供給するための仕組みを備える。
本発明に係る細胞カプセルによれば、移植された細胞が体内においてより長期間生存することができる。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって明らかにする。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る細胞カプセル100の構成図である。細胞カプセル100は、細胞101をカプセル化する。細胞カプセル100は、酸素徐放材102と細胞保持担体103を備える。図面記載の便宜上、細胞保持担体103にはハッチングを付与した。
図1は、本発明の実施形態1に係る細胞カプセル100の構成図である。細胞カプセル100は、細胞101をカプセル化する。細胞カプセル100は、酸素徐放材102と細胞保持担体103を備える。図面記載の便宜上、細胞保持担体103にはハッチングを付与した。
酸素徐放材102は、固体であり、酸素を放出する機能を有する。徐放材より放出される酸素は、液中に溶解により、また一部は気泡として放出される。酸素徐放材102は固体であるので、細胞101の近傍に安定して配置することができる。したがって酸素徐放材102が細胞101の近傍から散逸することなく、細胞101に対して長期的に酸素を供給し続けることができる。これにより、特に酸素を大量に必要とする細胞101を長期間生存させることができる。
細胞保持担体103は、細胞101を保持するための媒体である。本実施形態1においては酸素徐放材102も保持している。細胞保持担体103により、細胞101の細胞カプセル100内における位置を安定させることができる。これにより、酸素徐放材102から細胞101に対して酸素を均一に供給することができるので、効果的である。細胞保持担体103の材料は特に限定されるものではないが、例えばアルギン酸ゲルなどのゲル材料や多孔性ポリスチレンなど多孔性高分子材料を用いることができる。また細胞保持担体103を用いることにより、細胞カプセル100を容器によって覆わない場合であっても、細胞101をカプセル化することができる。また、酸素徐放材との間に酸素透過性膜(たとえば、PDMS等)を設けることで、細胞に害を与えず、緩やかに酸素供給できるため望ましい。
酸素徐放材102は、酸素を吸着、放出する多孔質材料を用いて構成することができる。これにより、多量の酸素を貯蔵することができるので効果的である。酸素を貯蔵する多孔質材料として、酸化セリウム(セリア)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化セリウム−酸化ジルコニウム(CeO2−ZrO2)(セリア−ジルコニア)、多孔性配位高分子、金属有機構造、などを用いることができる。この場合、酸素徐放材102が単位時間当たりに酸素を放出する量を制御する方法としては、(a)多孔質材料に対して酸素を吸着させる量を制御する、(b)酸素徐放材102を細胞カプセル100内に配置した後において、細胞保持担体103(後述する実施形態3と4においては酸素徐放材担体106)内の酸素濃度を変化させる、などが考えられる。
酸素徐放材102は、水と反応して酸素を発生する過酸化物を用いて構成することもできる。水と反応して酸素を発生する過酸化物としては、過酸化カルシウム、過酸化マグネシウム、過酸化水素−尿素などが挙げられる。この場合、酸素徐放材102が単位時間当たりに酸素を放出する量を制御する方法としては、酸素徐放材102近傍に水を供給することが考えられる。あるいは、例えば細胞保持担体103(後述する実施形態3と4においては酸素徐放材担体106)の粘度を上げると水分の移動度が低下し、これにより酸素徐放材102近傍に対して供給される水分が減少するので、酸素放出量を抑制することができる。
本実施形態1に係る細胞カプセル100の具体的な構成例としては、例えば以下のものを用いることができる:細胞101としてHePG2細胞(ヒト肝癌由来細胞)、酸素徐放材102としてセリア−ジルコニア、細胞保持担体103としてアルギン酸ゲルを用いることができる。なお、本実施形態の酸素放出量は約0.7 mL/day/cm3であり、治療に必要な細胞数約108個、細胞の酸素必要量は約22 mL/dayを想定した。
本実施形態1に係る細胞カプセル100をHePG2用培地に浸漬し、窒素90%、酸素5%、二酸化炭素5%の低酸素雰囲気下で培養した。7日後に細胞101の数が初期の1.9倍となり、14日後に3.9倍となった。本実施形態1に係る細胞カプセル100は良好な増殖性を示すことが確認できた。
<比較例1>
本実施形態1に係る細胞カプセル100内に酸素徐放材102を入れない細胞カプセルを比較例1として作製した。上記と同様の低酸素雰囲気下での細胞増殖性を確認したところ、7日後に細胞数が初期の1.1倍となり、14日後に1.2倍となった。比較例1の細胞カプセルでは、本実施形態1に係る細胞カプセル100よりも低い増殖性を示すことが確認できた。
本実施形態1に係る細胞カプセル100内に酸素徐放材102を入れない細胞カプセルを比較例1として作製した。上記と同様の低酸素雰囲気下での細胞増殖性を確認したところ、7日後に細胞数が初期の1.1倍となり、14日後に1.2倍となった。比較例1の細胞カプセルでは、本実施形態1に係る細胞カプセル100よりも低い増殖性を示すことが確認できた。
<実施の形態2>
図2は、本発明の実施形態2に係る細胞カプセル100の構成図である。本実施形態2に係る細胞カプセル100は、実施形態1で説明した構成に加えて容器104を備える。その他構成は実施形態1と同様である。
図2は、本発明の実施形態2に係る細胞カプセル100の構成図である。本実施形態2に係る細胞カプセル100は、実施形態1で説明した構成に加えて容器104を備える。その他構成は実施形態1と同様である。
容器104は、細胞カプセル100全体を覆う。容器104は半透膜を用いて構成することができる。半透膜とは、あるサイズ以下の分子やイオンのみを透過させる膜である。容器104はこの半透膜を介して、細胞101に対して体内からの酸素や栄養素を供給するとともに、細胞101が生産するホルモンや老廃物を排出することができる。これにより細胞101の生存率向上に寄与する。容器104を構成する半透膜の材料は特に限定されるものではないが、多孔性高分子膜を用いることができる。多孔性高分子膜に用いられる高分子材料として、ポリテトラフルオロエチレンは生体適合性が高く特に望ましい。
容器104を構成する半透膜は、体内から酸素を受け取ることもできる。しかし細胞101に対する酸素供給量を向上させる観点から、酸素徐放材102が単位時間当たりに酸素を放出する量は、半透膜を酸素が単位時間当たりに透過する量よりも大きいことが望ましい。
容器104は、細胞101に対して免疫隔離性を提供することもできる。細胞101を体内に直接さらすと、体内の免疫細胞が細胞101を攻撃する場合がある。容器104によって細胞101を免疫細胞から隔離することにより、細胞101の生存率を向上させることができる。免疫隔離の手法は特に限定されるものではないが、容器104として多孔性高分子膜を用いることにより、半透膜としての機能と免疫隔離機能を兼ね備えることができる。また細胞保持担体103も免疫隔離機能を発揮するので、これらを組み合わせて使うとさらに効果的である。
本実施形態2に係る細胞カプセル100の具体的な構成例としては、例えば以下のものを用いることができる:細胞101としてHePG2細胞、酸素徐放材102として過酸化カルシウム、細胞保持担体103としてアルギン酸ゲル、半透膜として多孔性ポリテトラフルオロエチレンを用いることができる。
<実施の形態3>
図3Aは、本発明の実施形態3に係る細胞カプセル100の構成図である。本実施形態3に係る細胞カプセル100は、実施形態2で説明した構成に加えて、酸素透過膜105と酸素徐放材担体106を備える。その他構成は実施形態1と同様である。
図3Aは、本発明の実施形態3に係る細胞カプセル100の構成図である。本実施形態3に係る細胞カプセル100は、実施形態2で説明した構成に加えて、酸素透過膜105と酸素徐放材担体106を備える。その他構成は実施形態1と同様である。
容器104内部は、酸素透過膜105によって第1区画と第2区画に区分されている。第1区画は細胞101と細胞保持担体103を収容しており、第2区画は酸素徐放材102と酸素徐放材担体106を収容している。すなわち細胞101と酸素徐放材102は、酸素透過膜105を介して配置されている。酸素徐放材102から細胞101の生存率を低下させるような悪影響が生じた場合、酸素透過膜105によってこれを緩和することができる。例えば酸素徐放材102から生じる酸素濃度が過剰であった場合がこれに相当する。酸素透過膜105は酸素を透過させるので、酸素徐放材102による酸素供給を維持するとともに、上記のような悪影響を緩和できる。
酸素徐放材担体106は、細胞カプセル100内における酸素徐放材102の位置を保持するための媒体である。これにより、酸素を細胞101に対して偏りなく均一に供給することができる。
酸素透過膜105は、例えばポリジメチルシロキサンもしくは含フッ素高分子膜を用いて構成することができる。ポリジメチルシロキサンは生体適合性が高いので、本発明が有効に作用する。
酸素徐放材担体106は、酸性のゲル材料を用いて構成することができる。酸素徐放材102として過酸化物を用いる場合、過酸化水素が発生して細胞101に対してダメージを与える可能性がある。酸素透過膜105が過酸化水素をブロックすることによりある程度はダメージを抑制することができるが、酸性のゲル材料によって酸素徐放材担体106を構成することにより、さらにダメージを抑制することができる。すなわち、酸性であるため水素イオンが存在し、この水素イオンが過酸化水素と反応して水を生成するので、過酸化水素の悪影響を抑制することができる。
図3Bは、本実施形態3に係る細胞カプセル100の変形例である。図3Bにおいて、容器104のうち細胞101と細胞保持担体103を覆う部分は第1膜104Aによって構成され、容器104のうち酸素徐放材102と酸素徐放材担体106を覆う部分は第2膜104Bによって構成されている。第1膜104Aは図3Aと同様の半透膜である。第2膜104Bは水を透過(または通過、以下同様)させる膜である。
酸素徐放材102として、水と反応して酸素を発生する過酸化物を用いた場合、酸素徐放材102に対して与える水の量を制御することにより、酸素発生量を制御することができる。したがって第2膜104Bとして水を透過させる膜を用いることにより、細胞カプセル100の外から与える水の量を制御して、酸素徐放材102からの酸素発生量を制御することができる。
実施形態2で説明したのと同様に、細胞101に対する酸素供給量を向上させる観点から、酸素が単位時間当たりに酸素透過膜105を透過する量は、容器104を構成する半透膜を酸素が単位時間当たりに透過する量よりも大きいことが望ましい。
本実施形態3においては、細胞101と酸素徐放材102が酸素透過膜105を介して隔離されているので、例えば酸素徐放材102のみを定期的に詰め替えて使用することができる。これにより、細胞101を長期間にわたって生存させることができる。酸素徐放材102を詰め替える方法としては、(a)細胞カプセル100を体内から取り出して酸素徐放材102を詰め替える、(b)注射器を用いて酸素徐放材担体106を吸引し、新たな酸素徐放材担体106を注入する、などが考えられる。
本実施形態3に係る細胞カプセル100の具体的な構成例としては、例えば以下のものを用いることができる:細胞101としてMIN6(mouse insulinoma 6)細胞、酸素徐放材102として過酸化マグネシウム、細胞保持担体103として多孔性ポリスチレン、容器104として多孔性ポリテトラフルオロエチレン、酸素透過膜105としてポリジメチルシロキサン、酸素徐放材担体106としてアルギン酸ゲルを用いることができる。
<実施の形態4>
図4は、本発明の実施形態4に係る細胞カプセル100の構成図である。本実施形態4に係る細胞カプセル100は、実施形態3で説明した構成に加えて、2つ目の酸素透過膜105を有する。したがって細胞カプセル100内部は、3つの区画に分離されていることになる。中央の区画には酸素徐放材102と酸素徐放材担体106が配置され、その両側の区画には細胞101と細胞保持担体103が配置されている。第1膜104Aは細胞101と細胞保持担体103を覆う部分に配置され、第2膜104Bは酸素徐放材102と酸素徐放材担体106を覆う部分に配置されている。したがって第2膜104Bは、細胞カプセル100の中央部分に帯状に配置されていることになる。
図4は、本発明の実施形態4に係る細胞カプセル100の構成図である。本実施形態4に係る細胞カプセル100は、実施形態3で説明した構成に加えて、2つ目の酸素透過膜105を有する。したがって細胞カプセル100内部は、3つの区画に分離されていることになる。中央の区画には酸素徐放材102と酸素徐放材担体106が配置され、その両側の区画には細胞101と細胞保持担体103が配置されている。第1膜104Aは細胞101と細胞保持担体103を覆う部分に配置され、第2膜104Bは酸素徐放材102と酸素徐放材担体106を覆う部分に配置されている。したがって第2膜104Bは、細胞カプセル100の中央部分に帯状に配置されていることになる。
本実施形態4に係る細胞カプセル100は、実施形態3と比較して略2倍の細胞101を収容している。C−peptideを分泌する細胞101を用いて実施形態3と4を比較したところ、本実施形態4においては実施形態3の約2倍のC−peptideが分泌されることを確認できた。
<実施の形態5>
図5は、本発明の実施形態5に係る細胞カプセル100の構成図である。細胞カプセル100が収容する細胞101や各媒質などは、細胞カプセル100を用いる直前に細胞カプセル100内へ投入することもできる。この場合、細胞カプセル100は初期状態として少なくとも容器104を備える。図5においては、図3Bで説明した構成を備える例を示した。すなわち細胞カプセル100は、第1膜104Aと第2膜104Bが酸素透過膜105を収容した構成を備える。その他実施形態で説明したものに対応する構成を備える場合も同様に、細胞101と各媒質以外の構成のみを備える。
図5は、本発明の実施形態5に係る細胞カプセル100の構成図である。細胞カプセル100が収容する細胞101や各媒質などは、細胞カプセル100を用いる直前に細胞カプセル100内へ投入することもできる。この場合、細胞カプセル100は初期状態として少なくとも容器104を備える。図5においては、図3Bで説明した構成を備える例を示した。すなわち細胞カプセル100は、第1膜104Aと第2膜104Bが酸素透過膜105を収容した構成を備える。その他実施形態で説明したものに対応する構成を備える場合も同様に、細胞101と各媒質以外の構成のみを備える。
本実施形態5に係る細胞カプセル100によれば、細胞101や各媒質を使用直前に細胞カプセル100内へ投入するので、これらが新鮮な状態で体内へ投入することができる利点がある。また細胞カプセル100とその内部に収容する各物質等を分けて搬送することができる。
<本発明の変形例について>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
以上の実施形態において、異なる特性の酸素徐放材102を組み合わせて使用することが考えられる。例えば、長期間少量の酸素放出が可能な徐放材と、短期間酸素放出量の多い徐放材とを組み合わせること等である。また、酸素徐放材102として、上記に例示した水と反応することにより酸素を放出する材料と、酸素吸着材料とを組み合わせて用いることが好ましい。例えば酸素吸着材料は初期の酸素放出量が大きい傾向があるので、初期段階においてはまず酸素吸着材料によって酸素を供給する。酸素吸着材料からの酸素放出量が低下し始める時点以降は、水を供給することによって過酸化物から酸素を放出させる。これにより酸素供給の絶対量を維持しつつ、時間経過にともなって酸素供給量を制御することができる。
以上の実施形態において、細胞101の由来、種類、フェノタイプ、遺伝子改変の有無、継代数、などは限定されない。浮遊細胞、接着細胞、シングル、シート、オルガノイド、などのような細胞101の性質・形態も限定されない。細胞101の用途も限定されない。すなわち細胞保持担体103によって保持し容器104内に収容することができる任意の細胞について本発明を適用することができる。ただし酸素徐放材102によって酸素供給能力を向上させたことに鑑みると、酸素を大量に必要とする細胞101に対して本発明の効果を最も効果的に発揮することができる。例えばヒト膵臓細胞などが1例として考えられるが、これに限られるものではない。
100:細胞カプセル
101:細胞
102:酸素徐放材
103:細胞保持担体
104:容器
105:酸素透過膜
106:酸素徐放材担体
101:細胞
102:酸素徐放材
103:細胞保持担体
104:容器
105:酸素透過膜
106:酸素徐放材担体
Claims (33)
- 細胞をカプセル化する細胞カプセルであって、
前記細胞を保持する細胞保持担体、
前記細胞カプセル内に収容された固体の酸素徐放材、
を有することを特徴とする細胞カプセル。 - 前記酸素徐放材は、過酸化物または多孔質材料のいずれかまたは双方を用いて構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の細胞カプセル。 - 前記細胞保持担体は、ゲル材料または多孔性高分子材料を用いて構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の細胞カプセル。 - 前記細胞カプセルはさらに、前記細胞保持担体と前記酸素徐放材を収容する容器を備える
ことを特徴とする請求項1記載の細胞カプセル。 - 前記容器は、半透膜を用いて形成されている
ことを特徴とする請求項4記載の細胞カプセル。 - 前記半透膜は、多孔性ポリテトラフルオロエチレン膜によって形成されている
ことを特徴とする請求項5記載の細胞カプセル。 - 前記酸素徐放材が単位時間当たりに酸素を放出する量は、前記半透膜を酸素が前記単位時間当たりに透過する量よりも大きい
ことを特徴とする請求項5記載の細胞カプセル。 - 前記細胞カプセルはさらに、酸素を透過させる酸素透過膜を備え、
前記容器の内部は、前記酸素透過膜によって第1区画と第2区画に区分されており、
前記細胞は前記第1区画に配置され、前記酸素徐放材は前記第2区画に配置されている
ことを特徴とする請求項4記載の細胞カプセル。 - 前記容器は、半透膜を用いて形成されており、
前記酸素透過膜を酸素が単位時間当たりに透過する量は、前記半透膜を酸素が前記単位時間当たりに透過する量よりも大きい
ことを特徴とする請求項8記載の細胞カプセル。 - 前記酸素透過膜は、ポリジメチルシロキサンまたは含フッ素高分子膜によって形成されている
ことを特徴とする請求項8記載の細胞カプセル。 - 前記容器は、前記第1区画を覆う第1膜と、前記第2区画を覆う第2膜とを備え、
前記第1膜は、半透膜を用いて形成されている
ことを特徴とする請求項8記載の細胞カプセル。 - 前記酸素徐放材は、水と反応して酸素を発生する過酸化物を用いて構成されており、
前記第2膜は、水を透過または通過させる膜を用いて構成されている
ことを特徴とする請求項11記載の細胞カプセル。 - 前記細胞カプセルはさらに、前記第2区画内に配置され前記酸素徐放材を保持する酸素徐放材担体を備える
ことを特徴とする請求項8記載の細胞カプセル。 - 前記酸素徐放材担体は、酸性のゲル材料を用いて構成されている
ことを特徴とする請求項13記載の細胞カプセル。 - 前記細胞カプセルはさらに、酸素を透過させる第2酸素透過膜を備え、
前記容器の内部は、前記酸素透過膜によって前記第1区画と前記第2区画に区分されるとともに、前記第2酸素透過膜によって前記第2区画と第3区画に区分されており、
前記細胞は、前記第1区画に加えて前記第3区画にも配置されている
ことを特徴とする請求項8記載の細胞カプセル。 - 前記容器は免疫隔離性を有することを特徴とする請求項4記載の細胞カプセル。
- 前記細胞はヒト膵臓細胞であることを特徴とする請求項4記載の細胞カプセル。
- 細胞をカプセル化する細胞カプセルであって、
前記細胞を収容する容器、
前記容器内を第1区画と第2区画に区分する区画膜、
を備え、
前記区画膜は、酸素を透過させる酸素透過膜を用いて構成されている
ことを特徴とする細胞カプセル。 - 前記容器は、前記第1区画を覆う第1膜と、前記第2区画を覆う第2膜とを備え、
前記第1膜は、半透膜を用いて形成されている
ことを特徴とする請求項18記載の細胞カプセル。 - 前記酸素透過膜を酸素が単位時間当たりに透過する量は、前記半透膜を酸素が前記単位時間当たりに透過する量よりも大きい
ことを特徴とする請求項19記載の細胞カプセル。 - 前記第2膜は、水を透過または通過させる膜を用いて構成されている
ことを特徴とする請求項19記載の細胞カプセル。 - 前記酸素透過膜は、ポリジメチルシロキサンまたは含フッ素高分子膜によって形成されている
ことを特徴とする請求項18記載の細胞カプセル。 - 前記半透膜は、多孔性ポリテトラフルオロエチレン膜によって形成されている
ことを特徴とする請求項19記載の細胞カプセル。 - 前記細胞カプセルはさらに、酸素を透過させる第2酸素透過膜を備え、
前記容器の内部は、前記酸素透過膜によって前記第1区画と前記第2区画に区分されるとともに、前記第2酸素透過膜によって前記第2区画と第3区画に区分されている
ことを特徴とする請求項18記載の細胞カプセル。 - 前記第1区画は前記細胞を収容しており、
前記第2区画は固体の酸素徐放材を収容している
ことを特徴とする請求項18記載の細胞カプセル。 - 前記酸素徐放材は、過酸化物または多孔質材料のいずれかまたは双方を用いて構成されている
ことを特徴とする請求項25記載の細胞カプセル。 - 前記第1区画は、前記細胞を保持する細胞保持担体を収容している
ことを特徴とする請求項18記載の細胞カプセル。 - 前記細胞保持担体は、ゲル材料または多孔性高分子材料を用いて構成されている
ことを特徴とする請求項27記載の細胞カプセル。 - 前記容器は、半透膜を用いて形成されており、
前記酸素徐放材が単位時間当たりに酸素を放出する量は、前記半透膜を酸素が前記単位時間当たりに透過する量よりも大きい
ことを特徴とする請求項25記載の細胞カプセル。 - 前記細胞カプセルはさらに、前記第2区画内に配置され前記酸素徐放材を保持する酸素徐放材担体を備える
ことを特徴とする請求項25記載の細胞カプセル。 - 前記酸素徐放材担体は、酸性のゲル材料を用いて構成されている
ことを特徴とする請求項30記載の細胞カプセル。 - 前記容器は免疫隔離性を有することを特徴とする請求項18記載の細胞カプセル。
- 前記細胞はヒト膵臓細胞であることを特徴とする請求項18記載の細胞カプセル。
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WO2023054051A1 (ja) * | 2021-09-28 | 2023-04-06 | 国立大学法人東京工業大学 | 細胞由来物質の放出を制御可能な細胞封入デバイス |
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2018
- 2018-12-28 JP JP2018246947A patent/JP2020103713A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023054051A1 (ja) * | 2021-09-28 | 2023-04-06 | 国立大学法人東京工業大学 | 細胞由来物質の放出を制御可能な細胞封入デバイス |
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