以下、本発明の一実施形態に係る血圧測定装置1の一例について、図1乃至図38を用いて以下例示する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る血圧測定装置1の構成を示す斜視図である。図2は、血圧測定装置1の構成を分解して示す斜視図である。図3は、血圧測定装置1の構成を示す側面図である。図4は、血圧測定装置1を手首200に装着した状態を示す説明図である。図5は、血圧測定装置1の構成を示すブロック図である。
図6は、血圧測定装置1の流路部15、開閉弁16、圧力センサ17の構成を示すブロック図である。図7は、血圧測定装置1の構成を示す斜視図である。図8は、血圧測定装置1の装置本体3の構成を一部省略して示す分解斜視図である。図9は、血圧測定装置1の構成を一部省略して示す分解斜視図である。
図10は、血圧測定装置1の基部33及び流路板34を手首200側から見た状態を示す平面図である。図11は、血圧測定装置1の基部33を流路板34側から見た状態を示す平面図である。図12は、血圧測定装置1の流路板34を示す斜視図である。図13は、血圧測定装置1の流路板34を、風防32側から見た状態を示す平面図である。図14は、血圧測定装置1の流路板34を、手首200側から見た状態を示す平面図である。
図15は、血圧測定装置1の流路板34及び裏カバー35が分解された状態を示す斜視図である。図16は、血圧測定装置1の開閉弁16、圧力センサ17、及び支持板38の構成を示す斜視図である。図17は、血圧測定装置1の開閉弁16、圧力センサ17、及び支持板38の構成を、手首200側から見た状態示す平面図である。
図18は、血圧測定装置1の基部33及び流路板34の構成を示す断面図である。図19は、血圧測定装置1の基部33及び流路板34の構成を示す断面図である。図20は、血圧測定装置1のカーラ5及びカフ構造体6の構成を示す斜視図である。
図21は、血圧測定装置1のカーラ5及びカフ構造体6の構成を示す断面図である。図22は、血圧測定装置1のカーラ5及びカフ構造体6の構成を示す断面図である。図23は、血圧測定装置1の引張カフ74の構成を示す断面図である。
図24は、血圧測定装置1の引張カフ74の構成を示す断面図である。図25は、血圧測定装置1のカーラ5の構成を示す斜視図である。図26は、血圧測定装置1のカフ構造体6の手首200側の構成示す平面図である。図27は、カフ構造体6をカーラ5の内周面側から見た状態を示す平面図である。図28は、血圧測定装置1の押圧カフ71の構成を示す平面図である。図29は、押圧カフ71の構成を示す図28中XXIX−XXIX線断面で示す断面図である。図30は、血圧測定装置1のセンシングカフ73の構成を示す平面図である。図31は、血圧測定装置1のセンシングカフ73の構成を示す図30中XXXI−XXXI線断面で示す断面図である。
図31は、血圧測定装置1のセンシングカフ73の構成を示す断面図である。図32は、血圧測定装置1の製造方法の一例を示す流れである。図33乃至図35は、血圧測定装置1を手首200に装着する一例を示す斜視図である。図36は、血圧測定装置1の動作の一例を示す流れ図である。図37は、血圧測定装置1が手首200に取り付けられた状態を模式的に示す断面図である。図38は、血圧測定装置1の動作の一例を示す流れ図である。図39は、血圧測定装置1の構成を示す分解斜視図である。
血圧測定装置1は、生体に装着する電子血圧測定装置である。本実施形態においては、生体の手首200に装着するウェアラブルデバイスの態様をもつ電子血圧測定装置を用いて説明する。
図1乃至図3、及び図5に示すように、血圧測定装置1は、装置本体3と、手首に装置本体3を固定するベルト4と、ベルト4及び手首の間に配置されるカーラ5と、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74を有するカフ構造体6と、装置本体3及びカフ構造体6を流体的に接続する流体回路7と、カーラ5に設けられた給電部8と、を備えている。
図1乃至図5に示すように、装置本体3は、例えば、ケース11と、表示部12と、操作部13と、ポンプ14と、流路部15と、開閉弁16と、圧力センサ17と、電力供給部18と、振動モータ19と、制御基板20と、を備えている。装置本体3は、ポンプ14、開閉弁16、圧力センサ17及び制御基板20等によって、カフ構造体6に流体を供給する。
図1乃至図3、及び図8乃至図14に示すように、ケース11は、外郭ケース31と、外郭ケース31の手首200側とは反対側(外方側)の開口を覆う風防32と、外郭ケース31の内部の手首200側に設けられた基部33と、基部33の手首200側の面に固定される流路板34と、外郭ケース31の手首200側を覆う裏カバー35と、裏カバー35の下面に設けられるシール部材36と、を備えている。
図4及び図8に示すように、外郭ケース31は、円筒状に形成される。外郭ケース31は、外周面の周方向で対称位置にそれぞれ設けられた一対のラグ31aと、2つの一対のラグ31a間にそれぞれ設けられるバネ棒31bと、を備えている。
また、外郭ケース31は、図9に示すように、一方の一対のラグ31a間、及び他方の一対のラグ31a間に、それぞれ、孔31cが形成される。孔31cは、外郭ケース31の内部及び外部を連通する。孔31cの外郭ケース31の内周面に配置される開口端には、フィルタ37が設けられる。フィルタ37は、空気を通して、水の通過を規制する機能を有する。ここで言う規制とは、水の通過量を制限することを意味する。フィルタ37は、水の通過を防止する性能を有することが好ましい。
外郭ケース31の一方一対のラグ31a間の部分の内周面、及び他方の一対のラグ31a間の部分の内周面は、図8に示すように、それぞれ、フィルタ37が設けられる。また、外郭ケース31の一方一対のラグ31a間の部分の内周面、及び他方の一対のラグ31a間の部分の内周面は、互いに平行であり、かつ、外郭ケース31の軸方向Dに平行な平面として構成される。2つの一対のラグ31aの間の部分の内周面は、曲面状に構成される。風防32は、例えば、円形状のガラス板である。
基部33は、その平面形状が、外郭ケース31の開口と略同形状に構成される。基部33は、表示部12、操作部13、ポンプ14、開閉弁16、圧力センサ17、電力供給部18、振動モータ19及び制御基板20を保持する。また、基部33は、例えば、ポンプ14及びカフ構造体6を流体的に連続する流路部15の一部を構成する。
基部33の風防32側の面33aの、一方の一対のラグ31a側には、制御基板20を配置する窪み33bが形成される。基部33の裏カバー35側の面33cの窪み33bに対向する領域は、裏カバー35側に突出する凸部33dに構成される。
基部33には、後述する第1開閉弁16Aの一部を配置する第1孔33A1、後述する第2開閉弁16Bの一部を配置する第2孔33A2、後述する第3開閉弁16Cの一部を配置する第3孔33A3、及び、後述する第4開閉弁16Dの一部を配置する第4孔33A4が形成される。
また、基部33には、後述する第1圧力センサ17Aの一部を配置する第5孔33A5、及び後述する第2圧力センサ17Bの一部を配置する第6孔33A6が形成される。
第1孔33A1、第2孔33A2、第3孔33A3、第4孔33A4、第5孔33A5、及び第6孔33A6は、基部33の、外郭ケース31の一方の一対のラグ31aと他方の一対のラグ31aの間の部分の内周面に対向する、円弧状に構成される縁に囲まれる領域に配置される。
これら孔は、一方の一対のラグ31a側から他方の一対のラグ31a側へ向かう方向で、第5孔33A5、第6孔33A6、第1孔33A1、第2孔33A2、第3孔33A3、第4孔33A4の順番で並んで配置される。
また、基部33は、ポンプ14の吐出孔14dに流体的に接続される第7孔33A7が形成される。第7孔33A7は、例えば、基部33の厚み方向で、吐出孔14dに対向する位置に配置される。
図11に示すように、基部33の裏カバー35側の面33cの流路板34の周縁部と対向する部分には、環状の溝33Bが形成される。溝33Bの一部は、凸部33dの縁の一部に配置される。
流路板34は、基部33の手首200側の面33cの凸部33dを避けた領域の一部を覆う。流路板34の基部33側の面34aには、第1孔33A1に対向する第1窪み34A1、第2孔33A2に対向する第2窪み34A2、第3孔33A3に対向する第3窪み34A3、第4孔33A4に対向する第4窪み34A4、第5孔33A5に対向する第5窪み34A5、及び第6孔33A6に対向する第5窪み34A6が形成される。
これら窪みは、一方の一対のラグ31a側から他方の一対のラグ31a側へ向かう方向で、第5窪み34A5、第6窪み34A6、第1窪み34A1、第2窪み34A2、第4窪み34A4の順番で並んで配置される。
流路板34の手首200側の面34bの、裏カバー35に対向する部分には、図14に示すように、第1突部34B1、第2突部34B2、第3突部34B3、及び第4突部34B4を有する。
裏カバー35は、図2に示すように、中央側が開口する環状に構成される。裏カバー35は、外郭ケース31の手首200側の端部の外周縁側を覆う。
また、裏カバー35の流路板34側の面には、図2及び図15に示すように、第1突部34B1が係合する第1窪み35e1と、第2突部34B2が係合する第2窪み35e2と、第3突部34B3が係合する第3窪み35e3と、第4突部34B4が係合する第4窪み35e4と、が形成される。
このような裏カバー35は、カーラ5と一体に組み合わされることで、中央の開口がカーラ5により覆われ、そしてカーラ5とともに外郭ケース31の手首200側の端部を覆う裏蓋を構成する。具体的には、裏カバー35は、4つの第1締結部材35aによってカーラ5に固定されるとともに、4つの第2締結部材35bによって外郭ケース31の手首200側の端部に固定される。裏カバー35は、底部に設けられ、カーラ5に固定される第1締結部材35aを挿通する4つの孔部35cと、外周部の4箇所が径方向に突出し、この突出した部位に設けられた外郭ケース31に固定される第2締結部材35bを挿通する4つの孔部35dと、を有する。
第1締結部材35a及び第2締結部材35bは、螺子、ボルト、ビス、リベット等の二つの部品を機械的に締結する部材である。本実施形態において、第1締結部材35a及び第2締結部材35bは、ネジである。
シール部材36は、裏カバー35のカーラ5と接触する領域の形状に形成された、例えば両面テープである。シール部材36は、カーラ5及び裏カバー35の間に存することで、カーラ5及び裏カバー35間をシールする。
表示部12は、外郭ケース31の基部33上であって、且つ、風防32の直下に配置される。図5に示すように、表示部12は、電気的に制御基板20に接続される。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。表示部12は、日時や最高血圧及び最低血圧などの血圧値や心拍数等の測定結果を含む各種情報を表示する。
操作部13は、使用者からの指令を入力可能に構成される。例えば、操作部13は、図1及び図5に示すように、ケース11に設けられた複数の釦41と、釦41の操作を検出するセンサ42と、表示部12又は風防32に設けられたタッチパネル43と、を備える。操作部13は、使用者が操作することで、指令を電気信号に変換する。センサ42及びタッチパネル43は、電気的に制御基板20に接続され、電気信号を制御基板20へ出力する。
複数の釦41は、例えば3つ設けられる。釦41は、基部33に支持されるとともに、外郭ケース31の外周面から突出する。複数の釦41は、具体的には、外郭ケース31の外周面の、一方の一対のラグ31a及び他方の一対のラグ31aの間の部分の、外郭ケース31の中心を挟んで第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、第4開閉弁16D、第1圧力センサ17A、及び第2圧力センサ17Bの反対側の部分から突出する。複数の釦41及び複数のセンサ42は、基部33に支持される。タッチパネル43は、例えば、風防32に一体に設けられる。
図8に示すように、ポンプ14は、例えば圧電ポンプである。ポンプ14は、空気を圧縮し、流路部15を介して圧縮空気をカフ構造体6に供給する。ポンプ14は、電気的に制御基板20に接続される。
ポンプ14は、図6に示すように、ポンプ本体14aと、ポンプ弁14bと、を備えている。ポンプ本体14aは、空気を圧縮し、流路部15に空気を吐出する。ポンプ弁14bは、開くことで、ポンプ本体14aからの空気及び流路部15部からの空気を大気に排気可能に構成される。
ポンプ14は、外郭ケース31の軸方向Dに対して直交する方向で、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、第1圧力センサ17A、及び第2圧力センサ17Bから離れた位置に固定される。
ここで、ポンプ14の、外郭ケース31内の位置について、一方の一対のラグ31aから他方の一対のラグ31aへ向かう方向に平行な方向を第1方向とし、第1方向、及び外郭ケース31の軸方向Dの双方に対して直交する方向を第2方向として説明する。ポンプ14は、一例として、第2方向で、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、第4開閉弁16D、第1圧力センサ17A、及び第2圧力センサ17Bに対して外郭ケース31の中心側であって、第1方向で窪み33bに並ぶ位置に配置される。ポンプ14は、一例として、両面テープで、基部33に固定される。ポンプ14は、基部33側の面に、吐出孔14dが配置される。
流路部15は、図5に示すように、ポンプ14から押圧カフ71及び引張カフ74へつながる流路の一部、及び、ポンプ14からセンシングカフ73へつながる流路の一部を構成する。また、流路部15は、押圧カフ71及び引張カフ74から大気へつながる流路の一部、及び、センシングカフ73から大気へつながる流路の一部を構成する。流路部15は、基部33及び流路板34間に設けられた中空部、溝、及び流路部、並びに基部33に設けられたチューブ等により構成された空気の流路である。
図9に示すように、流路部15は、具体的には、流路部本体15aと、第1チューブ15bと、第2チューブ15cと、第3チューブ15dと、を備えている。流路部15は、流路部本体15aに、第1チューブ15b、第2チューブ15c、及び第3チューブ15dが組み付けられることで、構成される。
流路部本体15aは、基部33及び流路板34の間に構成される。流路部本体15aは、第1流路部141、第2流路部142、第3流路部143、及び第4流路部144を有する。
第1流路部141は、第1孔33A1、第2孔33A2、及び第7孔33A7を連続する流路を構成する。第1流路部141は、図11乃至図13に示すように、基部33の手首200側の面33cの一部である基部側第1構成部141aと、流路板34の基部33側の面34aの一部である流路板側第1構成部141bと、により構成された、第1流路溝141c、及び接着剤の逃げ部を含む室である。
基部側第1構成部141aは、図11に示すように、第1孔33A1、第2孔33A2、第7孔33A7を含む。基部側第1構成部141aは、第1孔33A1及び第2孔33A2から、第2方向で基部33の中心側まで延び、当該中心側から第1方向に一方の一対のラグ31a側の一端まで延びる。
また、基部側第1構成部141aの縁には、溝33Bととともに、基部側第1構成部141aを他部に対して区画する第1区画溝33C1及び第2区画溝33C2が形成される。第1区画溝33C1は、両端のそれぞれが、溝33Bに連通する形状に構成される。第2区画溝33C2は、両端のそれぞれが、溝33Bに連通する形状に構成される。
流路板側第1構成部141bは、図12及び図13に示すように、基部側第1構成部141aと対向する領域により構成される。流路板側第1構成部141bは、具体的には、第1窪み34A1及び第2窪み34A2が配置される流路板34の縁部から、第2方向に外郭ケース31の中心側まで延び、第1方向に一方の一対のラグ31a側の流路板34の縁部まで延びる。
流路板側第1構成部141bの、第7孔33A7と対向する部分には、第7窪み34A7が形成される。また、流路板側第1構成部141bは、第1窪み34A1、第2窪み34A2、及び第7窪み34A7を連通する第1流路溝141cが形成される。
流路板側第1構成部141bの縁には、流路板側第1構成部141bを他部に対して区画する環状の第3区画溝34C3が形成される。第3区画溝34C3は、図11中に二点鎖線で示すように、基部33の溝33B、第1区画溝33C1、及び第2区画溝33C2に対向する。
流路板側第1構成部141bは、平面状に構成される。また、図18及び図19に示すように、流路板側第1構成部141bは、第3区画溝34C3の外側の第3区画溝34C3に隣接する部位に比較して低い面として構成される。なお、ここで言う低いとは、血圧測定装置1が、外郭ケース31の軸方向Dが重力方向と平行であり、かつ、表示部12が裏カバー35に対して上方に配置される姿勢にあるときに基づく。以降、高さについて説明する場合は、血圧測定装置1が、外郭ケース31の軸方向Dが重力方向と平行であり、かつ、表示部12が裏カバー35に対して上方に配置される姿勢にあるときに基づく。
このように構成される第1流路部141は、第1流路溝141cが基部側第1構成部141aに覆われることで流路が構成される。また、第1流路溝141cの周囲では、基部側第1構成部141a及び流路板側第1構成部141b間に隙間を有しており、流路板34及び基部33を固定する接着剤Gの逃げ部141dを構成する。この隙間は、例えば微小である。
第2流路部142は、図6に示すように、第1開閉弁16Aと、第1チューブ15bと、を介して、第1流路部141に接続される。第2流路部142は、ポンプ14からセンシングカフ73までの流路の一部を構成する。第2流路部142は、周囲の一部を第1流路部141に囲まれ、周囲の他部を、基部33の縁部及び流路板34の縁部に囲まれる。
第2流路部142は、図11及び図12に示すように、基部33の手首200側の面33cの一部である基部側第2構成部142aと、流路板34の基部33側の面34aの一部である流路板側第2構成部142bと、により構成された、第2流路溝142c、及び接着剤の逃げ部を含む室である。
基部側第2構成部142aは、図11に示すように、基部側第1構成部141a、及び基部33の縁部に囲まれる領域に構成される。基部側第2構成部142aは、第5孔33A5、及び第6孔33A6が配置される。
また、基部側第2構成部142aには、第6孔33A6に対して第2方向に外郭ケース31の中心側の位置に、第8孔33A8が形成される。第8孔33A8は、第1チューブ15bが流体的に接続される。
このように構成された基部側第2構成部142aは、溝33B、及び第2区画溝33C2により、基部側第1構成部141aに対して区画される。また、基部側第2構成部142aは、平面状に構成される。
流路板側第2構成部142bは、図12に示すように、基部側第2構成部142aと対向する。流路板側第2構成部142bは、流路板側第1構成部141b、及び流路板34の縁部に囲まれる。
また、流路板側第2構成部142bの、第2方向で第5窪み34A5及び第6窪み34A6に対して第2方向で外郭ケース31の中心側に、センシングカフ73と流体的に接続される第9孔34A9が形成される。流路板34の手首200側の面には、図14及び図15に示すように、第9孔34A9を内側に配置する第1ノズル34D1が形成される。
第1ノズル34D1は、図6及び図39に示すように、センシングカフ73の後述する接続部93に流体的に接続される。また、流路板側第2構成部142bは、第5窪み34A5、第6窪み34A6、及び第9孔窪み34A9を連通する第2流路溝142cが形成される。第2流路溝142cは、基部33の第8孔33A8と対向する。また、第2流路溝142cの幅は、流路板側第2構成部142bの幅よりも狭い。
また、流路板側第2構成部142bの縁には、環状の第4区画溝34C4が形成される。第4区画溝34C4は、流路板側第2構成部142bを他部に対して区画する。第4区画溝34C4は、図11中に二点鎖線で示すように、基部33の溝33B、及び第2区画溝33C2に対向する。
流路板側第2構成部142bは、平面状に構成される。また、流路板側第2構成部142bは、第4区画溝34C4の外側で第4区画溝34C4に隣接する部分に比較して、低い面として構成される。
このように構成される第2流路部142は、第2流路溝142cが基部側第2構成部142aに覆われることで流路が構成される。また、第2流路溝142cの周囲は、基部側第2構成部142a及び流路板側第2構成部142b間に隙間を有しており、基部33及び流路板34を固定する接着剤Gの逃げ部142dを構成する。この隙間は、例えば微小な隙間である。
第3流路部143は、図6に示すように、ポンプ14から引張カフ74までの流路の一部を構成する。第3流路部143は、第1流路部141に、第2開閉弁16B及び第2チューブ15cを介して、流体的に接続される。第3流路部143は、第3開閉弁16C、及び第3チューブ15dを介して、第4流路部144に流体的に接続される。
第3流路部143は、図11に示すように、基部33の手首200側の面33cの一部である基部側第3構成部143aと、流路板34の基部33側の面34aの一部である流路板側第3構成部143bと、により構成された、第3流路溝143c、及び接着剤用の逃げ部を含む室である。
基部側第3構成部143aは、図11に示すように、基部側第1構成部141aの第1区画溝33C1に、第1方向で隣接する。基部側第3構成部143aは、第3孔33A3側から、第2方向で外郭ケース31の中心側まで延びる。
基部側第3構成部143aには、第2チューブ15cと流体的に接続される第10孔33A10が形成される。
基部側第3構成部143aは、平面状に構成される。また、基部側第3構成部143aの縁には、溝33B及び第1区画溝33C1とともに、基部側第3構成部143aを他部に対して区画する第5区画溝33C5が形成される。
流路板側第3構成部143bは、図12及び図13に示すように、基部側第3構成部143aと対向する。流路板側第3構成部143bは、第3窪み34A3から第2方向で外郭ケース31の中心側まで延びる。
流路板側第3構成部143bの、第3窪み34A3に対して他端側には、引張カフ74と流体的に接続される第11孔34A11が形成される。図14及び図15に示すように、流路板34の手首200側の面34bには、第11孔34A11を内側に配置する第2ノズル34D2が形成される。第2ノズル34D2は、図6及び図39に示すように、引張カフ74の後述する接続部103が流体的に接続される。
また、流路板側第3構成部143bは、第3窪み34A3、及び第11孔34A11を連通する第3流路溝143cが形成される。第3流路溝143cは、基部側第3構成部143aの第10孔33A10と対向し連通する。第3流路溝143cの幅は、流路板側第3構成部143bの幅よりも狭い。
流路板側第3構成部143bの縁には、環状の第6区画溝34C6が形成される。第6区画溝34C6は、図11中に二点鎖線で示すように、基部33の溝33B、第1区画溝33C1、及び第5区画溝33C5に対向する。第6区画溝34C6は、流路板側第3構成部143bを、他部に対して区画する。
流路板側第3構成部143bは、平面状に構成される。また、流路板側第3構成部143bは、第6区画溝34C6の外側で第6区画溝34C6に隣接する部分に比較して、低い面として構成される。
このように構成される第3流路部143は、第3流路溝143cが基部側第3構成部143aで覆われることで流路が構成される。また、第3流路溝143cの周囲は基部側第3構成部143a及び流路板側第3構成部143b間に隙間を有しており、基部33及び流路板34を固定する接着剤の逃げ部143dを構成する。この隙間は、例えば微小な隙間である。
第4流路部144は、図6に示すように、第3流路部143から押圧カフまでの流路の一部を構成する。第4流路部144は、第3流路部143に、第3開閉弁16C及び第3チューブ15dを介して、流体的に接続される。
第4流路部144は、図9乃至図12に示すように、基部33の手首200側の面33cの一部である基部側第4構成部144aと、流路板34の基部33側の面34aの一部である流路板側第4構成部144bと、により構成された、第4流路溝144c、及び接着剤の逃げ部とを含む室である。
基部側第4構成部144aは、図11に示すように、第1方向で基部側第3構成部143aの第5区画溝33C5に並ぶ位置に配置される。基部側第4構成部144aは、第4孔33A4側から、凸部33dの縁の一部を通り第2方向で外郭ケース31の中心側まで延び、基部側第3構成部143a及び基部側第1構成部141aの側方を通って、第1方向に基部33の縁部まで延びる。
第4孔33A4の近傍には、第12孔33A12が形成される。第12孔33A12は、第3チューブ15dと流体的に接続される。基部側第4構成部144aは、溝33B、及び第5区画溝33C5によって、他部に対して区画される。また、基部側第4構成部144aは、平面状に構成される。
流路板側第4構成部144bは、図12及び図13に示すように、基部側第4構成部144aと対向する。流路板側第4構成部144bは、第4窪み34A4側から第2方向で外郭ケース31の中心側まで延び、第1方向で流路板34の一端まで延びる。
流路板側第4構成部144bの、第12孔33A12に対向する位置には、第13窪み34A13が形成される。
流路板側第4構成部144bの、第2方向で外郭ケース31の中心側には、押圧カフ71と流体的に接続される第14孔34A14が形成される。流路板34の手首200側の面34bには、図14及び図15に示すように、第14孔34A14を内側に配置する第3ノズル34D3が形成される。第3ノズル34D3は、カーラ5のカバー部5aの後述する第3孔部5f3内に挿入され、図6及び図39に示すように、押圧カフ71の接続部84に流体的に接続される。
流路板側第4構成部144bは、第4窪み34A4、第13窪み34A13、及び第14孔34A14を連通する第4流路溝144cが形成される。流路板側第4構成部144bの縁には、環状の第7区画溝34C7が形成される。第7区画溝34C7は、図11中に二点鎖線で示すように、基部33の溝33B、第2区画溝33C2、及び第5区画溝33C5に対向する。
流路板側第4構成部144bは、平面状に構成される。また、流路板側第4構成部144bは、第7区画溝34C7の外側で第7区画溝34C7に連続する部分に対して、低い面として構成される。
このように構成される第4流路部144は、第4流路溝144cが基部側第4構成部144aに覆われることで流路を構成する。また、第4流路溝144cの周囲は、基部側第4構成部144a及び流路板側第4構成部144b間に隙間を有しており、基部33及び流路板34を固定する接着剤の逃げ部144dを構成する。
このように構成される基部33及び流路板34は、図18及び図19に示すように、接着剤Gにより固定される。具体的には、基部33に形成される溝33B及び複数の区画溝33C1,33C2,33C5と、これらに対向する、流路板34に形成される複数の区画溝34C3,34C4,34C6,34C7の間に、接着剤Gが配置される。
また、図19に、第1区画溝33C1、第3区画溝34C3及び第6区画溝34C6を代表して示すように、流路板34の面34aの、隣接する2つの区画溝の間の領域は、基部33に形成される区画溝に対向する。流路板34の面34aの隣接する2つの区画溝は、基部33に形成される区画溝を介して、連続する。
基部33に形成される溝33B、及び複数の区画溝33C1,33C2,33C5、並びに流路板34に形成される区画溝34C3,34C4,34C6,34C7に配置された接着剤Gは、第1流路部141、第2流路部142、第3流路部143、及び第4流路部144を流体的に密封する。
なお、基部33の溝33B、区画溝33C1,33C2,33C5、及び、流路板34の区画溝34C3,34C4,34C6,34C7に接着剤Gが配置されることで、この接着剤Gが基部33及び流路板34間に配置される壁部となり、結果、基部側第1構成部141a及び流路板側第1構成部141b間に隙間を生じさせる。同様に、基部側第2構成部142a及び流路板側第2構成部142b間、基部側第3構成部143a及び流路板側第3構成部143b間、並びに、基部側第4構成部144a及び流路板側第4構成部144b間のそれぞれに、隙間を生じさせる。
第1チューブ15bは、図6に示すように、第1開閉弁16A、及び第2流路部142の第2流路溝142c接続され、第1開閉弁16A及び第2流路部142を流体的に接続する。第1チューブ15bは、図8及び図9に示すように、例えば、硬質の樹脂から形成された管等から構成され、一端が第1開閉弁16Aに接続され、他端が、例えば、基部33の風防32側の面に形成されたボスを介して第2流路部142の第8孔33A8に流体的に接続される。なお、第1チューブ15bは、内部を流動する流体の圧力により変形が生じない材料で形成されることが好ましい。
このように構成された第1チューブ15bは、基部33の風防側で、外郭ケース31の軸方向Dに直交する方向で、ポンプ14及び電力供給部18から離れた位置に配置される。
第2チューブ15cは、図6に示すように、第2開閉弁16B、第3流路部143の流路溝143cに接続され、第2開閉弁16B及び第3流路部143を流体的に接続する。第2チューブ15cは、図8及び図9に示すように、例えば硬質な樹脂材料から形成された管等から構成され、一端が第2開閉弁16Bに接続され、他端が、例えば、基部33の風防32側の面に形成されたボスを介して第3流路部143の第10孔33A10に接続される。第2チューブ15cは、内部を流動する流体の圧力により変形を生じない材料で形成されることが好ましい。
このように構成された第2チューブ15cは、基部33の上方で、外郭ケース31の軸方向Dに直交する方向で、ポンプ14及び電力供給部18から離れた位置に配置される。第2チューブ15cは、具体的には、外郭ケース31の軸方向Dで、流路板34と並ぶ位置に配置される。
第3チューブ15dは、図6に示すように、第3開閉弁16C、及び第4流路部144の第4流路溝144cに接続され、第3開閉弁16C及び第4流路部144を流体的に接続する。第3チューブ15dは、図8及び図9に示すように、例えば硬質な樹脂材料から形成された管等から構成され、一端が第3開閉弁16Cに接続され、他端は、例えば、基部33の風防32側の面に形成されたボスを介して第4流路部144の第12孔33A12に流体的に接続される。第3チューブ15dは、内部を流動する流体の圧力により変更を生じさせない材料で形成されることが好ましい。
このように構成された第3チューブ15dは、基部33の上方で、外郭ケース31の軸方向Dに直交する方向で、ポンプ14及び電力供給部18から離れた位置に配置される。第3チューブ15dは、具体的には、外郭ケース31の軸方向Dで、流路板34と並ぶ位置に配置される。
開閉弁16は、流路部15の一部を開閉する。開閉弁16は、複数、具体例として、図5及び図6に示すように、4つ設けられ、各開閉弁16の開閉の組み合わせによりポンプ14から押圧カフ71及び引張カフ74へつながる流路、ポンプ14からセンシングカフ73へつながる流路、押圧カフ71及び引張カフ74から大気へつながる流路、及び、センシングカフ73から大気へつながる流路を選択的に開閉する。具体例として、4つの開閉弁16は、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dにより構成される。
第1開閉弁16Aは、第1流路部141の第1孔33A1及び第1窪み34A1に設置される。第1開閉弁16Aは、第1流路部141の第1流路溝141cと流体的に接続される。また、第1開閉弁16Aは、第1チューブ15bが接続される。第1開閉弁16Aは、ポンプ14とセンシングカフ73とを接続する流路を開閉する。
第2開閉弁16Bは、第1流路部141の第2孔33A2及び第2窪み34A2に設置される。第2開閉弁16Bは、第2流路部142の第2流路溝142cと流体的に接続される。また、第2開閉弁16Bは、第2チューブ15cに接続される。第2開閉弁16Bは、ポンプ14と引張カフ74とを接続する流路を開閉する。
第3開閉弁16Cは、第3流路部143の第3孔33A3及び第3窪み34A3に設置される。第3開閉弁16Cは、第3流路部143の第3流路溝143cに流体的に接続される。また、第3開閉弁16Cは、第3チューブ15dに接続される。第3開閉弁16Cは、第2開閉弁16Bと協働して、ポンプ14と押圧カフ71とを接続する流路を開閉する。
第4開閉弁16Dは、第4流路部144の第4孔33A4及び第4窪み34A4に設置される。第4開閉弁16Dは、第4流路部144の流路溝144cに流体的に接続される。第4開閉弁16Dは、第2開閉弁16B、及び第3開閉弁16Cと協働して、ポンプ14及び大気を接続する流路を開閉する。
また、図9、図16及び図17に示すように、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dは、外郭ケース31の軸方向Dに対して直交する方向で、ポンプ14及び電力供給部18に対して離れた位置に配置される。第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dは、一例として、基部33の第2方向で、釦41に対して反対側の縁部上に配置される。
第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dは、支持板38に固定される。第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dは、例えば、支持板38の手首200側の面に固定される。
圧力センサ17は、少なくともセンシングカフ73の圧力を検出する。圧力センサ17は、例えば、第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bを備える。圧力センサ17は、検出した圧力を電気信号に変換し、制御基板20へ出力する。例えば、第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bは、流路部15の第1圧力センサ17A及びセンシングカフ73を接続する流路に設けられる。この流路は押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74とポンプ14とが、各開閉弁の開閉によって連続することから、これら流路内の圧力がポンプ14のつながる押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74の内部空間の圧力となる。
第1圧力センサ17Aは、第2流路部142の第5孔33A5及び第5窪み45A5に設置される。第2圧力センサ17Bは、第2流路部142の第6孔33A6及び第6窪み34A6に配置される。第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bは、第2流路溝142cの圧力を検出する。第1圧力センサ17A、及び第2圧力センサ17Bは、支持板38に固定される。
具体例として圧力センサ17は、第1開閉弁16Aが開であり、そして、第2開閉弁16Bを閉であるときにセンシングカフ73の圧力、換言すると、ポンプ14及びセンシングカフ73を接続する流路部15の圧力を検出する。また、圧力センサ17は、第1開閉弁16A及び第2開閉弁16Bが開であり、そして、第3開閉弁16Cが閉であるときに、センシングカフ73及び引張カフ74の圧力、換言すると、ポンプ14、センシングカフ73及び引張カフ74を接続する流路部15の圧力を検出する。さらに、圧力センサ17は、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B及び第3開閉弁16Cが開であり、そして、第4開閉弁16Dが開又は閉であるときに、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74の圧力、換言すると、ポンプ14、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74を接続する流路部15の圧力を検出する。
電力供給部18は、例えば、リチウムイオンバッテリ等の二次電池である。電力供給部18は、図5に示すように、制御基板20に電気的に接続される。電力供給部18は、制御基板20に電力を供給する。
電力供給部18は、図8に示すように、外郭ケース31の軸方向Dに対して直交する方向で、開閉弁16及び圧力センサ17に対して離れた位置に固定される。電力供給部18は、具体例として、ポンプ14の風防32側の面14cに固定される。
図5に示すように、制御基板20は、例えば、基板51と、加速度センサ52と、通信部53と、記憶部54と、制御部55と、を備えている。制御基板20は、加速度センサ52、通信部53、記憶部54及び制御部55が基板51に実装されることで構成される。
基板51は、ケース11の基部33にビス等によって固定される。
加速度センサ52は、例えば、3軸加速度センサである。加速度センサ52は、装置本体3の互いに直交する3方向の加速度を表す加速度信号を制御部55に出力する。例えば、加速度センサ52は、検出された加速度から血圧測定装置1を装着した生体の活動量を測定するために用いられる。
通信部53は、外部の装置と無線又は有線によって情報を送受信可能に構成される。通信部53は、例えば、制御部55によって制御された情報や測定された血圧値及び脈拍等の情報を、ネットワークを介して外部の装置へ送信し、また、外部の装置からネットワークを介してソフトウェア更新用のプログラム等を受信して制御部に送る。
本実施形態において、ネットワークは、例えばインターネットであるが、これに限定されず、病院内に設けられたLAN(Local Area Network)等のネットワークであってもよく、また、USB等の所定の規格の端子を有するケーブルなどを用いた外部の装置との直接的な通信であってもよい。このため、通信部53は、無線アンテナ及びマイクロUSBコネクタ等の複数を含む構成であってもよい。
記憶部54は、血圧測定装置1全体及び流体回路7を制御するためのプログラムデータ、血圧測定装置1の各種機能を設定するための設定データ、圧力センサ17で測定された圧力から血圧値や脈拍を算出するための算出データ等を予め記憶する。また、記憶部54は、測定された血圧値や脈拍等の情報を記憶する。
また、記憶部54は、ポンプ弁14b、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dの故障を判断する為の閾値を予め記憶する。閾値は、例えば、血圧測定装置1が記憶部54に記憶されたプログラムデータに基づいて動作しているときの、当該プログラムデータに基づく値である。
この例としては、閾値は、例えば、血圧測定の終了後にセンシングカフ73、引張カフ74、及び押圧カフ71を大気開放したときに、第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bからの電気信号に基づく圧力が大気圧となるまでの時間である。
また、閾値の他の例は、血圧測定中の、プログラムデータに設定される圧力である。例えば、押圧カフ71を血圧の測定に適した状態まで膨らませる工程後、引張カフ74を血圧測定に適した状態まで工程を有する場合、この引張カフ74を血圧測定に適した状態まで膨らませる工程では、第3開閉弁16Cを閉じることでセンシングカフ73に空気を供給する。この工程では、第2流路部142の圧力も上昇する。この工程では、時間に対する圧力の上昇のスピードに関わる数値、例えば、所定の圧力に達するまでの時間が閾値として用いられる。例えば第3開閉弁16Cが故障していることで閉じない状態では、ポンプ14からの空気は、押圧カフ71へも供給される。この為、第3開閉弁16Cが閉じることで押圧カフ71に空気が供給されない状態に比較して、第3開閉弁16Cが故障することで閉じない状態では、第2流路部142の圧力の上昇のスピードが遅い。なお、上述した閾値は、一例であり、これに限定されるものではない。
制御部55は、単数又は複数のCPUにより構成され、血圧測定装置1全体の動作、及び、流体回路7の動作を制御する。制御部55は、表示部12、操作部13、ポンプ14、各開閉弁16及び各圧力センサ17に電気的に接続されるとともに、電力を供給する。また、制御部55は、操作部13及び圧力センサ17が出力する電気信号に基づいて、表示部12、ポンプ14及び開閉弁16の動作を制御する。
例えば、制御部55は、図5に示すように、血圧測定装置1全体の動作を制御するメインCPU(Central Processing Unit)56及び流体回路7の動作を制御するサブCPU57を有する。例えば、メインCPU56は、圧力センサ17が出力する電気信号から、最高血圧及び最低血圧などの血圧値や心拍数などの測定結果を求め、この測定結果に対応した画像信号を表示部12へ出力する。
例えば、サブCPU57は、操作部13から血圧を測定する指令が入力されると、ポンプ14及び開閉弁16を駆動して押圧カフ71及びセンシングカフ73に圧縮空気を送る。また、サブCPU57は、圧力センサ17が出力する電気信号に基づいて、ポンプ14の駆動及び停止、並びに、開閉弁16の開閉を制御する。サブCPU57は、ポンプ14及び開閉弁16を制御することで、圧縮空気を押圧カフ71及びセンシングカフ73に選択的に送るとともに、押圧カフ71及びセンシングカフ73を選択的に減圧する。
また、制御部55は、第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bのそれぞれからの電気信号、及び記憶部54に記憶された閾値に基づいて、ポンプ弁14b、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dのいずれかの故障を判断する機能を有する。
図1乃至図4に示すように、ベルト4は、一方の一対のラグ31a及びバネ棒31bに設けられた第1ベルト61と、他方の一対のラグ31a及びバネ棒31bに設けられた第2ベルト62と、を備える。ベルト4は、カーラ5を介して手首200に巻き付けられる。
第1ベルト61は、所謂親と呼ばれ、第2ベルト62と連結可能な帯状に構成される。第1ベルト61は、図1乃至図4に示すように、ベルト部61a及び尾錠61bを有する。ベルト部61aは、帯状に構成される。ベルト部61aは、弾性変形可能な樹脂材料で形成される。また、ベルト部61aは、可撓性を有するとともに、ベルト部61aの長手方向の伸縮が抑制されるシート状のインサート部材を内部に有する。ベルト部61aは、一方の端部に形成され、ベルト部61aの長手方向に直交する第1孔部61c及び他方の端部に形成され、第1ベルト61の長手方向に直交する第2孔部61dを有する。
図1乃至図4に示すように、第1孔部61cは、ベルト部61aの端部に設けられる。第1孔部61cは、バネ棒31bを挿入可能、且つ、バネ棒31bに関して第1ベルト61が回転可能な内径を有する。即ち、第1ベルト61は、一対のラグ31aの間であって、且つ、バネ棒31bに第1孔部61cが配置されることで、外郭ケース31に回転可能に保持される。
図1、図4、及び図7に示すように、第2孔部61dは、ベルト部61aの先端に設けられる。第2孔部61dは、尾錠61bが取り付けられる。
図1及び図3に示すように、尾錠61bは、矩形枠状の枠状体61eと、枠状体61eに回転可能に取り付けられたつく棒61fと、を有する。枠状体61eは、つく棒61fが取り付けられた一辺が第2孔部61dに挿入され、ベルト部61aに関して回転可能に取り付けられる。
第2ベルト62は、所謂剣先と呼ばれ、枠状体61eに挿入可能な幅を有する帯状に構成される。第2ベルト62は、弾性変形可能な樹脂材料で形成される。また、第2ベルト62は、可撓性を有するとともに、第2ベルト62の長手方向の伸縮が抑制されるシート状のインサート部材を内部に有する。
また、第2ベルト62は、図1及び図2に示すように、つく棒61fが挿入される小孔62aを複数有する。また、第2ベルト62は、一方の端部に設けられ、第2ベルト62の長手方向に直交する第3孔部62bを有する。第3孔部62bは、バネ棒31bを挿入可能、且つ、バネ棒31bに関して第2ベルト62が回転可能な内径を有する。即ち、第2ベルト62は、一対のラグ31aの間であって、且つ、バネ棒31bに第3孔部62bが配置されることで、外郭ケース31に回転可能に保持される。
このようなベルト4は、第2ベルト62が枠状体61eに挿入され、小孔62aにつく棒61fが挿入されることで、第1ベルト61及び第2ベルト62が一体に接続され、外郭ケース31とともに、手首200の周方向に倣った環状となる。ベルト4は、手首200の周方向に倣った環状となることで、カーラ5を押圧し、カーラ5を血圧測定装置1の装着者の手首の周方向に倣うように、弾性変形させる。
カーラ5は、図1乃至図4に示すように、手首200の周方向に倣って湾曲する帯状に構成される。カーラ5は、一端と他端が離間して形成される。カーラ5は、例えば、一端側の外面が装置本体3の裏カバー35に固定される。カーラ5は、一端及び他端が裏カバー35よりも手首200の一方の側方側に突出した位置に配置される。これにより、カーラ5は、血圧測定装置1を手首200に装着したときに、一端及び他端が手首200の側方に配置される。また、カーラ5は、所定の距離だけ離間して一端及び他端が隣接する。カーラ5は、例えば、樹脂材料で形成される。具体例として、カーラ5は、ポリプロピレンによって厚さが1mm程度に形成される。
具体例として、図1乃至図4に示すように、カーラ5は、手首の周方向に倣って湾曲する帯状に構成される。また、カーラ5は、一端側の手首200の手の甲側に対向する位置に設けられ、裏カバー35とともに裏蓋を構成する円板状のカバー部5a、カバー部5aの周囲に設けられ、及び、外郭ケース31及び裏カバー35を固定する第1締結部材35aを移動可能な逃げ部5bを有する。カーラ5は、例えば、カバー部5a及びその隣接する部位が平板状に形成されるとともに、カバー部5aよりも一端側及び他端側が所定の曲率で湾曲して形成される。そして、カーラ5は、カバー部5aから一端までの長さが、カバー部5aから他端までの長さよりも短く形成される。具体例として、カーラ5は、カバー部5aから一端までの短手側が、手首の手の甲側に配置され、そして、カバー部5aから他端までの長手側が、手首の手の甲側から一方の側方を通って手首200の手の平側まで延びる。
また、図25に示すように、カーラ5は、一端及び他端が近接したときに、一端側の内周面側に他端が位置する形状に形成される。具体例として、カーラ5の手首200の幅方向の幅は、カーラ5の手首200の手の平側よりもカーラ5の手首200の手の甲側が大きく設定される。そして、カーラ5は、手首200の手の甲側の一端の曲率半径が手首200の手の平側の他端の曲率半径よりも大きく設定される。このような構成により、カーラ5は、カーラ5の両端側が当接すると、一端よりも他端がカーラ5の内方に配置される。また、カーラ5は、カバー部5aの一部、及び、カバー部5aから一端側の外面、さらに言えば、カバー部5aから延びる短手側の外面に、カバー部5aに隣接して設けられた窪み5cが設けられる。
カバー部5aは、インサートされた補強用のインサート部材5dを含む。カバー部5aは、固定された裏カバー35を介して外郭ケース31の手首200側に固定される。カバー部5aは、裏カバー35の4つの孔部35cと対向する位置に設けられ、裏カバー35を固定する第1締結部材35aが螺合される螺子孔5e、及び、カバー部5aは、カフ構造体6を装置本体3に接続するための3つ孔部5fを有する。
逃げ部5bは、裏カバー35側から外郭ケース31に裏カバー35を第1締結部材35aにより固定するときに、第1締結部材35aがカーラ5に干渉せずに第1締結部材35aを裏カバー35に配置するため及び第1締結部材35aを回転させる工具を配置するための逃げである。
3つの孔部5fは、押圧カフ71の後述する接続部84を挿入可能な内径に形成された第1孔部5f1と、センシングカフ73の後述する接続部93を挿入可能な内径に形成された第2孔部5f2と、引張カフ74の後述する接続部103を挿入可能な内径に形成された第3孔部5f3と、である。本実施形態において、第2孔部5f2は、第1孔部5f1及び第3孔部5f3よりも、カバー部5a内のカーラ5の手の平側の他端側に配置される。
このようなカーラ5は、一端及び他端がベルト4の第2ベルト62と対向する向きで外郭ケース31に固定される。また、カーラ5は、少なくとも、手首200の手の平側と対向する位置が、手首200の手の平側に沿って周方向に沿って湾曲することで、手首200の手の平側と対向するカフ構造体6を、手首200の手の平側の形状に倣って湾曲させた状態で保持する。
また、カーラ5は、可撓性及び形状保持性を有する硬さを有する。ここで、可撓性とは、カーラ5にベルト4の外力が印加されたときに径方向に形状が変形することをいう。例えば、可撓性とは、ベルト4によってカーラ5が押圧されたときに、手首に近接するか、手首の形状に沿うか、又は、手首の形状に倣うように側面視の形状が変形することをいう。また、形状保持性とは、外力が印加されないときに、カーラ5が予め賦形された形状を維持できることをいう。例えば、形状保持性とは、本実施形態においてはカーラ5の形状が手首の周方向に沿って湾曲する形状を維持できることである。
カーラ5は、内周面にカフ構造体6が配置され、そして、カーラ5の内周面形状に沿ってカフ構造体6を保持する。具体例として、カーラ5は、押圧カフ71及び引張カフ74が内周面に配置され、カーラ5並びに押圧カフ71及び引張カフ74との間に設けられる接合層75により、カフ構造体6が固定されることで、カフ構造体6を保持する。本実施形態においては、接合層75は、接着剤や両面テープである。
カーラ5は、樹脂材料で形成される。カーラ5は、例えば、ポリプロピレンによって厚さが1mm程度に形成される。
図1乃至図4、図7、及び図26に示すように、カフ構造体6は、押圧カフ71と、背板72と、センシングカフ73と、引張カフ74と、を備えている。また、カフ構造体6は、各構成同士、及び、カーラ5とカフ71、74を接合する接合層75を備えている。カフ構造体6は、カーラ5に固定される。カフ構造体6は、押圧カフ71、背板72及びセンシングカフ73が積層してカーラ5に配置され、引張カフ74が押圧カフ71、背板72及びセンシングカフ73と離間してカーラ5に配置される。
具体例として、カフ構造体6は、図4に示すように、カーラ5の手首200の手の平側の内周面に、カーラ5の内周面から手首200側に向かって、押圧カフ71、背板72及びセンシングカフ73の順に積層して固定される。また、カフ構造体6は、カーラ5の手首200の手の甲側の内周面に引張カフ74が配置される。カフ構造体6の各部材は、積層方向に隣接する部材に接合層75によって固定される。
押圧カフ71は、流路部15を介してポンプ14に流体的に接続される。押圧カフ71は、膨張することで背板72及びセンシングカフ73を手首200側に押圧する。押圧カフ71は、図21、図22、図26乃至図29に示すように、複数の、例えば二層の空気袋81と、カーラ5と対向する空気袋81に設けられた被接合部82と、空気袋81と連通する流路体83と、流路体83の先端に設けられた接続部84と、を含む。このような押圧カフ71は、複数のシート部材86を一体に溶着することで構成される。
ここで、空気袋81とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置1がポンプ14により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は当該流体により膨張する流体袋であればよい。複数の空気袋81は、積層され、積層方向に流体的に連通する。
空気袋81は、一方向に長い矩形状の袋形状に形成される。また、空気袋81は、短手方向の幅が、カーラ5の短手方向の幅と同じ幅に設定される。空気袋81は、例えば、二枚のシート部材86を組み合わせ、図21、図22、図26乃至図29に溶着部81aを示すように、一方向に長い矩形枠状に熱により溶着することで構成される。また、二層の空気袋81は、二つの空気袋81を熱により溶着して一体に組み合わせるか、又は、隣り合う空気袋81の対向するシート部材86同士を溶着したあとに空気袋81を溶着して形成することで構成される。具体例として、二層の空気袋81は、互いに対向するシート部材86に設けられた開口によって流体的に連続する。また、二層の空気袋81は、対向するシート部材86同士を外周縁に位置する溶着部81aよりも小さい四辺枠状に溶着し、この溶着部(接合部)81bで複数の開口を囲うことで、隣り合う空気袋81を一体に形成し、そして、溶着部81bの内側で流体的に連続させる。
被接合部82は、カーラ5と隣接して配置される空気袋81の縁部の少なくとも一部に、単数又は複数設けられる。被接合部82は、空気袋81を構成するシート部材86の一部によって形成される。
本実施形態においては、被接合部82は、図20乃至図22、図26乃至図28に示すように、空気袋81の短手方向の縁部のそれぞれに一つずつ設けられる例を用いて説明する。なお、例えば、被接合部82は、スリットにより空気袋81の長手方向に分割されていてもよく、また、空気袋81の長手方向に複数設けられていてもよい。被接合部82は、押圧カフ71がカーラ5の内周面に配置されたときに、少なくとも、カーラ5の外周面に接合される。また、例えば、二つの被接合部82は、積層され、そして溶着される。
なお、二つの被接合部82は、例えば、空気袋81の短手方向の長さが異なる長さに設定される。この例においては、二つの被接合部82は、カーラ5の短手方向の一端側において積層されて溶着される。なお、二つの被接合部82は、先端がカーラ5の外周面に配置可能であれば、その長さは適宜設定可能であり、積層可能であってもなくてもよいが、積層可能な長さに設定される場合には、先端がカーラ5の外周面の外縁よりも外方に延設されない長さが好ましい。
流路体83は、図20、図26乃至図28に示すように、一つの空気袋81、例えば、カーラ5に隣接する空気袋81の長手方向の一方の縁部の一部に一体に設けられる。具体例として、流路体83は、空気袋81の装置本体3に近い端部に設けられる。また、流路体83は、空気袋81の短手方向の幅よりも小さい幅で一方向に長い形状に形成され、先端が円形状に形成される。流路体83は、先端に接続部84を有する。流路体83は、接続部84を介して流路部15に接続され、装置本体3の流路部15と空気袋81との間の流路を構成する。
流路体83は、二枚のシート部材86に接続部84を配置した状態で、シート部材86の空気袋81を構成する領域に隣接するシート部材86の一部を一方向に長い枠状に熱により溶着することで構成される。このような流路体83は、カーラ5の内周面及び引張カフ74の間に配置され、先端がカーラ5のカバー部5aが設けられた領域の手首200側の主面であって、且つ、第1孔部5f1と対向する位置に配置される。また、流路体83の溶着部83aを除く幅は、例えば、3.8mmに形成される。
なお、流路体83が設けられる空気袋81は、二枚のシート部材86を矩形枠状に溶着する溶着部81aの一部を非溶着とし、流路体83を構成する溶着部83aと連続する構成とすることで、空気袋81が流路体83に流体的に連続する。
接続部84は、例えばニップルである。接続部84は、流路体83の先端に設けられる。接続部84の先端は、流路体83を構成する二枚のシート部材86のうち、カーラ5と対向するシート部材86から露出する。接続部84は、カバー部5aの第1孔部5f1に挿通され、流路部15に接続される。
具体例として、押圧カフ71は、図21、図22及び図37に示すように、手首200側から、第1シート部材86aと、第1シート部材86aと一層目の空気袋81を構成する第2シート部材86bと、第2シート部材86bと一体に接合されるとともに、被接合部82を構成する第3シート部材86cと、第3シート部材86cと二層目の空気袋81及び流路体83を構成する第4シート部材86dと、を備える。なお、押圧カフ71は、隣り合うシート部材86が熱による溶着により接合されることで一体に構成される。
第1シート部材86a及び第2シート部材86bは、空気袋81と同様の矩形状に構成され、四辺の周縁部が溶着されることで空気袋81を構成する。第2シート部材86b及び第3シート部材86cは、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋81を流体的に連続させる複数の開口86b1、86c1を有する。また、第2シート部材86b及び第3シート部材86cは、複数の開口86b1、86c1の周囲を、空気袋81を溶着した四辺よりも小さい四辺枠状に熱により溶着されることで、一体に接合される。
第3シート部材86cは、例えば、空気袋81、被接合部82及び流路体83を構成可能な形状に構成される。第4シート部材86dは、例えば、空気袋81及び流路体83を構成可能な形状に構成される。また、第4シート部材86dは、例えば、接続部84の先端を挿入可能な孔部86d1を有する。
第3シート部材86c及び第4シート部材86dは、対向して配置され、空気袋81及び流路体83が流体的に連続するように、空気袋81及び流路体83の周縁形状に沿って熱により溶着され、所定の形状に裁断されることで空気袋81、被接合部82及び流路体83を構成する。
第4シート部材86dは、孔部86d1に接続部84が配置され、そして、孔部86d1の周囲が接続部84と熱により溶着される。さらに、第4シート部材86dは、カーラ5の内周面に、第3シート部材86cの被接合部82はカーラ5の外周面に、それぞれ接合層75を介して接合される。
背板72は、図21、図22及び図37に示すように、接合層75により押圧カフ71の第1シート部材86aの外面に貼付される。背板72は、樹脂材料で板状に形成される。背板72は、例えば、ポリプロピレンからなり、厚さが1mm程度の板状に形成される。背板72は、形状追従性を有する。
ここで、形状追従性とは、配置される手首200の被接触箇所の形状を倣うように背板72が変形可能な機能をいい、手首200の被接触箇所とは、背板72が対向する手首200の領域をいい、ここでの接触とは、直接的な接触及びセンシングカフ73を介した間接的な接触の双方を含む。
例えば、図22に示すように、背板72は、背板72の両主面に長手方向に対して直交する方向に延びる複数の溝72aを有する。図22に示すように、溝72aは、背板72の両主面にそれぞれ複数設けられる。両主面に設けられた複数の溝72aは、背板72の厚さ方向においてそれぞれ対向する。また、複数の溝72aは、背板72の長手方向に等間隔に配置される。
背板72は、複数の溝72aを有する部位が溝72aを有さない部位に比べて薄肉となることで、複数の溝72aを有する部位が変形しやすいことから、手首200の形状に倣って変形し、手首の周方向に延在する形状追従性を有する。背板72は、手首200の手の平側を覆う長さに形成される。背板72は、手首200の形状に沿った状態で、押圧カフ71からの押圧力をセンシングカフ73の背板72側の主面に伝達する。
センシングカフ73は、流路部15を介してポンプ14に流体的に接続される。センシングカフ73は、背板72の手首200側の主面に固定される。センシングカフ73は、図4及び図37に示すように、手首200の動脈210が存する領域に直接接触する。ここで、動脈210とは、橈骨動脈及び尺骨動脈である。センシングカフ73は、背板72の長手方向及び幅方向で、背板72と同一形状か、又は、背板72よりも小さい形状に形成される。センシングカフ73は、膨張することで手首200の手の平側の動脈210が存する領域を圧迫する。センシングカフ73は、膨張した押圧カフ71により、背板72を介して手首200側に押圧される。
具体例として、センシングカフ73は、図21、図22、図30及び図31に示すように、一つの空気袋91と、空気袋91と連通する流路体92と、流路体92の先端に設けられた接続部93と、を含む。センシングカフ73は、空気袋91の一方の主面が背板72に固定される。例えば、センシングカフ73は、背板72の手首200側の主面に接合層75により接合される。このようなセンシングカフ73は、二枚のシート部材96を一体に溶着することで構成される。
ここで、空気袋91とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置1がポンプ14により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は当該流体により膨張する流体袋であればよい。
空気袋91は、一方向に長い矩形状に構成される。空気袋91は、例えば、一方向に長い二枚のシート部材96を組み合わせ、図21、図22、図26、図30及び図31に溶着部91aを示すように、一方向に長い矩形枠状に熱により溶着することで構成される。また、空気袋91は、例えば、空気袋91を背板72に接合層75を用いて接合するための面積を確保するために、接合代91bを有する。接合代91bは、例えば、背板72に対向するシート部材96により形成される。
流路体92は、空気袋91の長手方向の一方の縁部の一部に一体に設けられる。具体例として、流路体92は、空気袋91の装置本体3に近い端部に設けられる。また、流路体92は、空気袋91の短手方向の幅よりも小さい幅で一方向に長い形状に形成され、先端が円形状に形成される。流路体92は、先端に接続部93を有する。流路体92は、先端に、接続部93を有する。流路体92は、接続部93を介して流路部15に接続され、装置本体3の流路部15と空気袋91との間の流路を構成する。
流路体92は、二枚のシート部材96に接続部93を配置した状態で、シート部材96の空気袋91を構成する領域に隣接するシート部材96の一部を一方向に長い枠状に熱により溶着することで構成される。なお、空気袋91は、二枚のシート部材96を矩形枠状に溶着する溶着部91aの一部を非溶着とし、流路体92を構成する溶着部92aと連続する構成とすることで、空気袋91及び流路体92を流体的に連続する。このような流路体92は、カーラ5の内周面及び引張カフ74の間に配置され、先端がカーラ5のカバー部5aが設けられた領域の手首200側の主面であって、且つ、第2孔部5f2と対向する位置に配置される。また、流路体92の溶着部92aを除く幅は、例えば、3.8mmに形成される。
接続部93は、例えばニップルである。接続部93は、流路体92の先端に設けられる。また、接続部93の先端は、流路体92を構成する二枚のシート部材96のうち、カーラ5及び背板72と対向するシート部材96から外部に露出する。接続部93は、カバー部5aの第2孔部5f2に挿通され、流路部15に接続される。
具体例として、センシングカフ73は、図21及び図22に示すように、手首200側から第5シート部材96a及び第6シート部材96bを備える。なお、センシングカフ73は、隣り合うシート部材96が熱による溶着により接合されることで構成される。
例えば、第5シート部材96a及び第6シート部材96bは、空気袋91、接合代91b及び流路体92を構成可能な形状に構成される。第5シート部材96a及び第6シート部材96bは、対向して配置され、空気袋91及び流路体92が流体的に連続するように、空気袋91及び流路体92の周縁形状に沿って熱により溶着され、所定の形状に裁断されることで空気袋91及び流路体92を構成する。
また、第6シート部材96bは、例えば、接続部93の先端を挿入可能な孔部96b1を有する。第6シート部材96bは、孔部96b1に接続部93が配置され、そして、孔部96b1の周囲が接続部93と熱により溶着される。第6シート部材96bは、背板72の内周面に、接合層75を介して接合される。
引張カフ74は、流路部15を介してポンプ14に流体的に接続される。引張カフ74は、膨張することで手首200から離間するようにカーラ5を押圧することで、ベルト4及びカーラ5を手首200の手の甲側に引っ張る。引張カフ74は、複数の、例えば六層の空気袋101と、カーラ5と対向する空気袋101に設けられた被接合部102と、カーラ5と対向する空気袋101に設けられた接続部103と、を含む。このような引張カフ74は、複数のシート部材106を一体に溶着することで構成される。また、引張カフ74は、流路体83、92が設けられた領域、及び、カバー部5aを含むカーラ5の手首200の手の甲側に固定される。即ち、カーラ5の手首200の手の甲側及び引張カフ74の間に、押圧カフ71の流路体83及びセンシングカフ73の流路体92が配置される。
また、引張カフ74は、膨張方向、本実施形態においては、カーラ5及び手首200の対向する方向で、膨張時の厚さが、押圧カフ71の膨張方向における膨張時の厚さ、及び、センシングカフ73の膨張方向における膨張時の厚さよりも厚く構成される。即ち、引張カフ74の空気袋101は、押圧カフ71の空気袋81及びセンシングカフ73の空気袋91よりも多い層構造を有し、カーラ5から手首200に向かって膨張したときの厚さが押圧カフ71及びセンシングカフ73よりも厚い。
ここで、空気袋101とは、袋状構造体であり、本実施形態においては血圧測定装置1がポンプ14により空気を用いる構成であることから、空気袋を用いて説明するが、空気以外の流体を用いる場合には、袋状構造体は当該流体により膨張する流体袋であればよい。複数の空気袋101は、積層され、積層方向に流体的に連通する。
空気袋101は、一方向に長い矩形状の袋形状に形成される。また、空気袋101は、短手方向の幅が、カーラ5の短手方向の幅と同じ幅に設定される。空気袋101は、例えば、二枚のシート部材106を組み合わせ、図23、図24、図26及び図27に溶着部101aを示すように、一方向に長い矩形枠状に熱により溶着することで構成される。また、六層の空気袋101は、例えば、六つの空気袋101を熱により溶着して一体に組み合わせるか、又は、隣り合う空気袋101の対向するシート部材106同士を溶着したあとに空気袋101を溶着して形成することで構成される。六層の空気袋101は、互いに対向するシート部材106に設けられた開口によって流体的に連続する。また、六層の空気袋101は、対向するシート部材106同士を外周縁に位置する溶着部81aよりも小さい四辺枠状に溶着し、この溶着部101bで複数の開口を囲うことで、隣り合う空気袋101を一体に形成し、そして、溶着部101bの内側で流体的に連続させる。
被接合部102は、カーラ5と隣接して配置される空気袋101の縁部の少なくとも一部に、単数又は複数設けられる。被接合部102は、空気袋101を構成するシート部材106の一部によって形成される。
本実施形態においては、被接合部102は、空気袋101の短手方向の縁部のそれぞれに、空気袋101の長手方向で二つずつ設けられる例を用いて説明する。なお、例えば、被接合部102は、カーラ5のカバー部5aと対向する位置を避けて空気袋101に設けられる。また、例えば、被接合部102は、カーラ5に設けられた給電部8の後述する給電端子8bと対向する部位に、給電端子8bを外部に露出させるための逃げ部102aを有する。逃げ部102aは、例えば、給電端子8bを外部に露出可能な開口であり、一例として円形状である。
被接合部102は、引張カフ74がカーラ5の内周面に配置されたときに、少なくとも、カーラ5の外周面に接合される。また、空気袋101の短手方向で同じ位置に配置される被接合部102は、積層され、そして溶着される。
なお、二つの被接合部102は、例えば、空気袋101の短手方向の長さが異なる長さに設定される。この例においては、二つの被接合部102は、カーラ5の短手方向の一端側において積層されて溶着される。なお、二つの被接合部102は、先端がカーラ5の外周面に配置可能であれば、その長さは適宜設定可能であり、積層可能であってもなくてもよいが、積層可能な長さに設定される場合には、先端がカーラ5の外周面の外縁よりも外方に延設されない長さが好ましい。
接続部103は、例えばニップルである。接続部103は、カーラ5と隣接して配置される空気袋101の長手方向で中央側であって、且つ、カバー部5aの第3孔部5f3と対向する位置に設けられる。接続部103の先端は、空気袋101を構成する二枚のシート部材106のうち、カーラ5と対向するシート部材106から露出する。接続部103は、カバー部5aの第3孔部5f3に挿通され、流路部15に接続される。
具体例として、引張カフ74は、図23及び図24に示すように、手首200側から、第7シート部材106aと、第8シート部材106bと、第9シート部材106cと、第10シート部材106dと、第11シート部材106eと、第12シート部材106fと、第13シート部材106gと、第14シート部材106hと、第15シート部材106iと、第16シート部材106jと、第17シート部材106kと、第18シート部材106lと、を備えている。なお、引張カフ74は、隣り合うシート部材106が熱による溶着により接合されることで一体に構成される。
第7シート部材106a乃至第18シート部材106lは、空気袋101と同様の矩形状に構成される。第7シート部材106a及び第8シート部材106bは、四辺の周縁部が溶着されることで、一層目の空気袋101を構成する。第8シート部材106b及び第9シート部材106cは、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106b1、106c1を有する。また、第8シート部材106b及び第9シート部材106cは、複数の開口106b1、106c1の周囲を、空気袋101を溶着した四辺よりも小さい四辺枠状に熱により溶着されることで、一体に接合される。
第9シート部材106c及び第10シート部材106dは、四辺の周縁部が溶着されることで、二層目の空気袋101を構成する。
第10シート部材106d及び第11シート部材106eは、図23及び図24に示すように、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106d1、106e1を有する。また、第10シート部材106d及び第11シート部材106eは、複数の開口106d1、106e1の周囲を、空気袋101を溶着した四辺よりも小さい四辺枠状に熱により溶着されることで、一体に接合される。第11シート部材106e及び第12シート部材106fは、四辺の周縁部が溶着されることで、三層目の空気袋101を構成する。
第12シート部材106f及び第13シート部材106gは、図23及び図24に示すように、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106f1、106g1を有する。また、第12シート部材106f及び第13シート部材106gは、複数の開口106f1、106g1の周囲を、空気袋101を溶着した四辺よりも小さい四辺枠状に熱により溶着されることで、一体に接合される。第13シート部材106g及び第14シート部材106hは、四辺の周縁部が溶着されることで、四層目の空気袋101を構成する。
第14シート部材106h及び第15シート部材106iは、図23及び図24に示すように、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106h1、106i1を有する。また、第14シート部材106h及び第15シート部材106iは、複数の開口106h1、106i1の周囲を、空気袋101を溶着した四辺よりも小さい四辺枠状に熱により溶着されることで、一体に接合される。第15シート部材106i及び第16シート部材106jは、四辺の周縁部が溶着されることで、五層目の空気袋101を構成する。
第16シート部材106j及び第17シート部材106kは、図23及び図24に示すように、対向して配置され、それぞれ、二つの空気袋101を流体的に連続させる複数の開口106j1、106k1を有する。また、第17シート部材106kは、例えば、空気袋101及び被接合部102を構成可能な形状に構成される。第16シート部材106j及び第17シート部材106kは、複数の開口106j1、106k1の周囲を、空気袋101を溶着した四辺よりも小さい四辺枠状に熱により溶着されることで、一体に接合される。第17シート部材106k及び第18シート部材106lは、空気袋101の周縁形状に沿って熱により溶着され、所定の形状に裁断されることで、六層目の空気袋101及び被接合部102を構成する。
また、第18シート部材106lは、例えば、接続部103の先端を挿入可能な孔部106l1を有する。第18シート部材106lは、孔部106l1に接続部103が配置され、そして、孔部106l1の周囲が接続部103と熱により溶着される。また、第18シート部材106lは、カーラ5の内周面に、第17シート部材106kの被接合部102は、カーラ5の外周面に、それぞれ接合層75を介して接合される。
また、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74を形成する各シート部材86、96、106は、熱可塑性樹脂材料により形成される。熱可塑性樹脂材料は、熱可塑性エラストマーである。シート部材86、96、106を構成する熱可塑性樹脂材料としては、例えば、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(Thermoplastic PolyUrethane、以下TPUと表記する)、塩化ビニル樹脂(PolyVinyl Chloride)、エチレン酢酸ビニル樹脂(Ethylene−Vinyl Acetate)、熱可塑性ポリスチレン系樹脂(Thermoplastic PolyStyrene)、熱可塑性ポリオレフィン樹脂(Thermoplastic PolyOlefin)、熱可塑性ポリエステル系樹脂(ThermoPlastic Polyester)及び熱可塑性ポリアミド樹脂(Thermoplastic PolyAmide)を用いることができる。なお、押圧カフ71、センシングカフ73は、少なくとも空気袋81、101を構成する複数のシート部材86、106のうち、少なくともカーラ5と溶着されるシート部材86、106がカーラ5と同種材料で構成される。
例えば、シート部材86、96、106は、Tダイ押し出し成形や射出成形等の成形方式が用いられる。シート部材86、96、106は、各成形方式で成形された後、所定の形状にサイジングされ、そして、サイジングした個片を溶着等により接合することで袋状構造体81、91、101を構成する。溶着の方式としては、高周波ウェルダーやレーザー溶着が用いられる。
流体回路7は、ケース11、ポンプ14、流路部15、開閉弁16、圧力センサ17、押圧カフ71、センシングカフ73、及び、引張カフ74によって構成される。以下、流体回路7の具体例を説明する。
流体回路7は、図5に示すように、例えば、第1開閉弁16Aを介してポンプ14とセンシングカフ73、第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bとを連続する第1流路7aと、ポンプ14及び第1開閉弁16Aの間の第1流路7aから分岐されることで構成され、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dを順次介してポンプ14と大気とを連続する第2流路7bと、第2流路7bの第2開閉弁16B及び第3開閉弁16C間の中途部が分岐されることで構成され、ポンプ14から引張カフ74を連続する第3流路7cと、第2流路7bの第3開閉弁16C及び第4開閉弁16D間の中途部が分岐されることで構成され、ポンプ14から押圧カフ71を連続する第4流路7dと、を備えている。
第1流路7aは、図6に示すように、第1流路部141と、第1開閉弁16Aと、第1チューブ15bと、第2流路部142と、から構成される。第1流路7aは、ポンプ14のポンプ弁14bに流体的に接続される。
第2流路7bは、第2開閉弁16Bと、第2チューブ15cと、第3流路部143と、第3チューブ15dと、第4流路部144と、第4開閉弁16Dと、から構成される。第3流路7cは、第3流路部143から構成される。第4流路7dは、第4流路部144から構成される。
このような流体回路7は、第2開閉弁16B及び第3開閉弁16Cが開き、第1開閉弁16A及び第4開閉弁16Dが閉じることで、第2流路7bから分岐する第3流路7c及び第4流路7dがポンプ14と接続し、ポンプ14、押圧カフ71及び引張カフが流体的に接続される。
流体回路7は、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B及び第3開閉弁16Cが開き、そして、第4開閉弁16Dが閉じることで、第1流路7a、第2流路7bから分岐する第3流路7c及び第4流路7dがポンプ14と接続され、ポンプ14、押圧カフ71及び引張カフ、並びに、ポンプ14及びセンシングカフ73が流体的に接続される。流体回路7は、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dが開き、そして、第1開閉弁16Aが閉じることで、第2流路7b、第3流路7c及び第4流路7dがポンプ14と接続され、ポンプ14、押圧カフ71、引張カフ74及び大気が流体的に接続される。また、流体回路7は、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dが開くことで、第1流路7a、第2流路7b、第3流路7c及び第4流路7dがポンプ14と接続され、ポンプ14、押圧カフ71、センシングカフ73、引張カフ74及び大気が流体的に接続される。
給電部8は、図7及び図20に示すように、装置本体3から突出するカーラ5の一端側の外面に形成された窪み5cに設けられる。例えば、給電部8は、充電器の充電ケーブルに設けられたコネクタと接続可能に構成される。
図3、図9及び図11に示すように、給電部8は、配線部8aと、給電端子8bと、カーラ5の窪み5cに配置された配線部8aを覆うカバー8cと、を備えている。配線部8aは、一端が給電端子8bに、他端が制御部55に接続される。給電端子8bは、例えば二つの円形状の端子により構成される。例えば、配線部8a及び給電端子8bは、ポリイミド等のベースフィルムに導電性金属膜等が設けられたFPC(Flexible printed circuits)等により形成される。カバー8cは、窪み5cと同形状に形成され、窪み5cを覆うとともに、窪み5cに設けられたときに、上面が、カーラ5の短手側の外面と面一となる。
次に、図32に示すように、血圧測定装置1の製造方法の一例を説明する。
先ず、カーラ5に給電部8を形成する(ステップST1)。カーラ5に配線部8a及び給電端子8bを構成するFPCをカーラ5のカバー部5a及び窪み5cに両面テープ等により接合し、窪み5cにカバー8cを両面テープ等により接合する。
次に、カーラ5にカフ構造体6を接合する(ステップST2)。具体例として、先ず、背板72を、湾曲する冶具に配置し、加熱炉で過熱することで、熱加工し、所定の形状に湾曲させる。次に、押圧カフ71の第4シート部材86dのカーラ5と対向する領域、及び、被接合部82に接合層75である両面テープを貼り付けて、カーラ5に押圧カフ71を貼り付ける。次に、センシングカフ73の第6シート部材96bの背板72と対向する領域に両面テープを貼り付けて、背板72にセンシングカフ73を貼り付ける。なお、これらの工程において、押圧カフ71の接続部84及びセンシングカフ73の接続部93は、カーラ5のカバー部5aの第1孔部5f1及び第2孔部5f2に挿通させておく。
次に、背板72の押圧カフ71と対向する領域に両面テープを貼り付けて、押圧カフ71の第1シート部材86aに背板72を貼り付ける。次に、引張カフ74の第18シート部材106lのカーラ5と対向する領域、及び、被接合部102に両面テープを貼り付けて、カーラ5及びカーラ5の内面に配置された押圧カフ71の流路体83及びセンシングカフ73の流路体92に引張カフ74を貼り付ける。これらの工程により、カーラ5にカフ構造体6が接合される。
次に、カバー部5aにシール部材36及び裏カバー35を配置し、第1締結部材35aによりカバー部5aに裏カバー35を固定し(ステップST3)、裏蓋を構成する。
次に、裏カバー35を除く装置本体3を一体に組み立てる(ステップST4)。具体例として、先ず、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、第4開閉弁16D、第1圧力センサ17A、及び第2圧力センサ17Bを、支持板38に固定する。
次に、例えば、流路板34の区画溝34C3,34C4,34C6,34C7のそれぞれに、接着剤Gを塗布する。
接着剤Gは、流路板34を基部33に押し付けることで基部33の溝33B,33C1,33C2,33C5にも収容される。
流路板34を基部33に押し付けたときに流路部141,142,143,144に浸入した接着剤Gの一部は、流路部141,142,143,144のそれぞれの流路溝の周囲に構成された、接着剤の逃げ部141d,142d,143d,144dに収容される。
次に、紫外線を照射して、接着剤Gを硬化させる。
次に、ポンプ14、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、第4開閉弁16D、第1圧力センサ17A、及び第2圧力センサ17B等の、基部33に設置される部品を基部33に設置する。次に、第1チューブ15b、第2チューブ15c、及び第3チューブ15dを流路部15に設置する。このような工程を経て、装置本体3の組み立てが完了する。
次に、装置本体3の外郭ケース31の手首200側の端部に裏カバー35を配置し、第2締結部材35bにより外郭ケース31及び裏カバー35を固定する(ステップST5)。そして、外郭ケース31に第1ベルト61及び第2ベルト62を組み立てる(ステップST6)。これらの工程により、血圧測定装置1が製造される。なお、血圧測定装置1の製造後に、装置本体内の各種パラメータの調整、外観検査、リーク検査等を行い、シリアルナンバー等を刻印し、個装箱等に梱包することで出荷状態となる。
次に、血圧測定装置1の装着の一例について、図36乃至図34を用いて説明する。図36乃至図34は、ユーザが手首200に血圧測定装置1を装着する一例を示す。
先ず、ユーザは、例えば、図33に示すように、手首200の一方をカーラ5内に挿入する。
このとき、血圧測定装置1は、装置本体3及びセンシングカフ73がカーラ5の相対する位置に配置されることから、センシングカフ73を手首200の手の平側の動脈210が存する領域に配置される。これにより、装置本体3及び引張カフ74は、手首200の手の甲側に配される。
次いで図34に示すように、ユーザが血圧測定装置1を配した手とは反対の手によって、第1ベルト61の尾錠61bの枠状体61eに第2ベルト62を通す。次いで、ユーザは、第2ベルト62を引っ張り、カーラ5の内周面側の部材、即ち、カフ構造体6を手首200に密着させ、小孔62aにつく棒61fを挿入する。これにより、図4及び図36に示すように、第1ベルト61及び第2ベルト62が接続され、血圧測定装置1が手首200に装着される。
血圧測定装置1の動作の一例を、図36を用いて説明する。図3は、制御部55の動作の双方を示す。
制御部55は、血圧測定の指令に基づいて、例えば、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B及び第3開閉弁16Cを開くとともに、ポンプ弁14b、及び第4開閉弁16Dを閉じ、ポンプ14を駆動し、第1流路7a、第2流路7b、第3流路7c及び第4流路7dを介して押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74へ圧縮空気を供給する(ステップST11)。これにより、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74は膨張を開始する。
第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bは、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74の圧力を検出し、この圧力に対応した電気信号を制御部55へ出力する(ステップST12)。制御部55は、受信した電気信号に基づいて、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74の内部空間の圧力が血圧測定のための所定の圧力に達しているか否かを判断する(ステップST13)。例えば、押圧カフ71及び引張カフ74の内圧が所定の圧力に達しておらず、且つ、センシングカフ73の内圧が所定の圧力に達した場合には、制御部55は、第1開閉弁16Aを閉じ、第2流路7b、第3流路7c、第4流路7dを介して圧縮空気を供給する。
押圧カフ71及び引張カフ74の内圧並びにセンシングカフ73の内圧が、全て所定の圧力に達した場合には、制御部55は、ポンプ14の駆動を停止する(ステップST13でYES)。このとき、図4に二点鎖線で示すように、押圧カフ71及び引張カフ74は十分に膨張しており、膨張した押圧カフ71は、背板72を押圧する。また、引張カフ74は、手首200から離間する方向に、カーラ5を押圧することから、ベルト4、カーラ5及び装置本体3は、手首200から離間する方向に移動し、結果、押圧カフ71、背板72、センシングカフ73が手首200側に引っ張られる。加えて、引張カフ74の膨張によってベルト4、カーラ5及び装置本体3が手首200から離間する方向に移動するときに、ベルト4及びカーラ5が、手首200の両側方に向かって移動し、手首200の両側方に密着した状態で、ベルト4、カーラ5及び装置本体3が移動する。このため、手首200の皮膚に密着したベルト4及びカーラ5は、手首200の両側方の皮膚を手の甲側に引っ張る。なお、カーラ5は、手首200の皮膚を引っ張ることができれば、例えば、シート部材86、106を介して間接的に手首200の皮膚に接触する構成であってもよい。
さらに、センシングカフ73は、内圧が血圧を測定するために要する圧力となるように所定の空気量が供給され、膨張しており、そして、押圧カフ71に押圧された背板72によって手首200に向かって押圧される。このため、センシングカフ73は、手首200内の動脈210を押圧し、図37に示すように動脈210を閉塞する。
また、制御部55は、例えば、第3開閉弁16Cを制御し、第3開閉弁16Cの開閉を繰り返すか、又は、第3開閉弁16Cの開度を調整することで、押圧カフ71の内部空間の圧力を加圧させる。この加圧の過程において第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bが出力する電気信号に基づいて、制御部55は、最高血圧及び最低血圧等の血圧値や心拍数等の測定結果を求める(ステップST14)。制御部55は、求めた測定結果に対応した画像信号を、表示部12へ出力し、測定結果を表示部12に表示する(ステップST15)。また、制御部55は、血圧測定終了後、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C及び第4開閉弁16Dを開く。
表示部12は、画像信号を受信すると、当該測定結果を画面に表示する。使用者は、表示部12を視認することで、当該測定結果を確認する。なお、使用者は、測定終了後、小孔62aからつく棒61fを外し、枠状体61eから第2ベルト62を外し、カーラ5から手首200を抜くことで、手首200から血圧測定装置1を取り外す。
次に、制御部55による圧力監視、及び安全制御の一例について、図38を用いて説明する。
制御部55は、例えば血圧測定装置1がプログラムデータに基づいて動作を開始すると、第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bから受信する電気信号に基づいて圧力の監視を開始する。
制御部55は、具体的には、図36に示すようにステップST11でポンプ14の駆動を開始すると、図38に示すように第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bから受信した電気信号、及び記憶部54に記憶された閾値に基づいて故障を判断する(ステップST21)。
制御部55は、記憶部54に記憶される、血圧測定装置1のプログラムデータに基づく動作に対して設定される閾値と、第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bから受信する電気信号等に基づいて、ポンプ弁14b、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dの故障を判断する。
この故障の判断として、血圧測定の終了後では、例えば、制御部55は、血圧測定の終了後で、センシングカフ73、引張カフ74、押圧カフ71を大気開放するために開閉弁16A,16B,16C,16Dのそれぞれを開く制御を行ってから、閾値としての所定時間が経過しても、第1圧力センサ17A、及び第2圧力センサ17Bが示す圧力が大気圧とならない場合は、ポンプ弁14b、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dのいずれかに故障があると判断する(ステップST21でYES)。
また、故障の判断として、血圧測定中では、例えば、押圧カフ71を血圧の測定に適した状態まで膨らませる工程後、引張カフ74を血圧測定に適した状態まで工程を有する場合、この引張カフ74を血圧測定に適した状態まで膨らませる工程で第3開閉弁16Cに閉じる信号を送信してからの第2流路部142の圧力上昇のスピードが遅い場合、換言すると第2流路部142の圧力が、予め設定されている所定圧力まで上昇するまでの時間が、閾値として設定されている時間よりも長い場合は、第3開閉弁16Cが故障していると判断する。
なお、上述した故障の判断は、一例であり、これらに限定されるものではない。
制御部55は、ポンプ弁14b、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dの少なくとも1つに故障があると判断すると、ポンプ14のポンプ本体14aの駆動を停止する(ステップST22)。次に、制御部55は、ポンプ弁14b、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dに対して、開く指示を送信する(ステップST23)。この指示により、故障した弁以外の弁は、開く。
例えば、ポンプ弁14bが故障している場合は、センシングカフ73、引張カフ74、及び押圧カフ71は、第4開閉弁16Dを介して大気開放されるので、センシングカフ73、引張カフ74、押圧カフ71の内部の空気は、第4開閉弁16Dから排気される。
例えば、第1開閉弁16Aが故障している場合は、センシングカフ73内に圧縮空気が供給されないので、センシングカフ73の内部空間の圧力は上昇していない。この為、センシングカフ73を大気開放する必要が生じない。引張74及び押圧カフ71は、第4開閉弁16Dを介して大気開放されるので、引張74及び押圧カフ71は、第4開閉弁16Dを介して排気される。
第2開閉弁16Bが故障している場合は、センシングカフ73は、ポンプ弁14bを介して大気開放されるので、センシングカフ73は、第2開閉弁16Bを介して排気される。引張カフ74及び押圧カフ71は、第4開閉弁16Dを介して大気開放されるので、引張カフ74及び押圧カフ71内の空気は、第4開閉弁16Dを介して排気される。
第3開閉弁16Cが故障している場合は、引張カフ74には圧縮空気が供給されないことから、引張74を大気開放する必要がない。センシングカフ73はポンプ弁14bを介して大気開放されるので、センシングカフ73内の空気は、ポンプ弁14bを介して排気される。押圧カフ71は、第4開閉弁16Dを介して大気開放されるので、第4開閉弁16D内の空気は、第4開閉弁16Dを介して排気される。
第4開閉弁16Dが故障している場合は、センシングカフ73、引張カフ74、及び押圧カフ71はポンプ弁14bを介して大気開放されるので、センシングカフ73、引張74、及び押圧カフ71内の空気は、ポンプ弁14bを介して排気される。
このように構成された本実施形態に係る血圧測定装置1は、ポンプ弁14bを有するポンプ14と、第1開閉弁16Aを有する第1流路7aと、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dを有する第2流路7bと、第3流路7cと、第4流路7dと、を有する。
この為、ポンプ弁14b、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dのいずれかが故障することで開かいない場合であっても、センシングカフ73、引張カフ74、及び押圧カフ71は、ポンプ弁14bまたは第4開閉弁16Dを介して大気開放可能となるので、センシングカフ73、引張カフ74、及び押圧カフ71内の空気を、ポンプ弁14bまたは第4開閉弁16Dを介して排気可能である。
さらに、制御部55は、第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bからの電気信号、並びに記憶部54に記憶された閾値に基づいて、ポンプ弁14b、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dのいずれかの故障を判断すると、全ての弁を開く。この為、例えば、夜間等、ユーザが血圧測定装置1の異常に気がつかない状態であっても、センシングカフ73、引張カフ74、及び押圧カフ71のそれぞれの内部空間の空気がポンプ弁14b、または第4開閉弁16Dから排気されるので、血圧測定装置1の安全性を向上できる。
さらに、流体回路7の一部を構成する流路部15は、基部33及び流路板34の間に形成される流路部本体15a、並びに、基部33の風防側に設けられる第1チューブ15b、第2チューブ15c、及び第3チューブ15dを備える。
このように、流路部15は、チューブ15b,15c,15dを用いることで、外郭ケース31の軸方向Dに直交する方向で小型化が可能となる。この為、装置本体3は、外郭ケース31の軸方向Dに直交する方向で小型化が可能となる。
さらに、第1流路部141は、第1流路溝141cを有する。この為、主に圧縮空気が流動する流路幅を狭くできるので、第1流路部141内に収容される空気量を少なくできる。第2流路部142、第3流路部143、及び第4流路部144も同様である。この為、ポンプ14から空気を、センシングカフ73、引張カフ74、及び押圧カフ71に効率よく供給できる。
さらに、第1流路部141は、第1流路溝141cの周囲を、接着剤Gの逃げ部に構成する。第2流路部142、第3流路部143、及び第4流路部144も同様である。この為、接着剤Gによって、第1流路溝141c、第2流路溝142c、第3流路溝143c、及び第4流路溝144cが閉塞されることを抑制できる。
さらに、ポンプ14の風防32側に電力供給部18が固定され、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dが、ポンプ14及び電力供給部18に対して、外郭ケース31の軸方向Dで離れた位置に配置される。換言すると、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、及び第4開閉弁16Dは、ポンプ14及び電力供給部18と、外郭ケース31の軸方向Dで対向する位置に配置されない。この為、装置本体3は、薄型化が可能となる。
さらに、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、第4開閉弁16D、第1圧力センサ17A及び第2圧力センサ17Bは、基部33の円弧状の縁により囲まれる領域に配置される。このように、基部33の円弧状の縁により囲まれる領域にポンプ弁14b、第1開閉弁16A、第2開閉弁16B、第3開閉弁16C、第4開閉弁16D、第1圧力センサ17A、及び第2圧力センサ17Bを配置することで、基部33の中心側のスペースを有効に利用することが可能となる。この為、基部33上の血圧測定装置1の部品の配置の自由度を向上できる。
また、上述した例では、外郭ケース31は、一例とし円筒状に構成された例が説明されたがこれに限定されない。外郭ケース31は、例えば、矩形の筒状に構成されてもよい。
即ち、上述した各実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。