JPWO2006137231A1 - 製造コストを抑えることのできる脈波計測装置 - Google Patents
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Abstract
脈波計測装置は1つのポンプ(9)と1つの3ポート弁(10)とを備える。ポンプ(9)は、排気口(91)と吸気口(92)とを備え、吸気口(92)からエアチューブ(32)内の気体を導入して、排気口(91)からエアチューブ(30)内に排気する動作を行なう。3ポート弁(10)は、カフ(13)およびポンプ(9)の排気口(91)と、カフ(13)、ポンプ(9)の吸気口(92)および排気弁(7)とを選択的に接続する動作を行なう。この動作によって、エアチューブ(30)とエアチューブ(31)との間の気体の流路が確立されて、エアチューブ(31)とエアチューブ(32)との間の気体の流路が遮断された状態と、エアチューブ(31)とエアチューブ(32)との間の気体の流路を確立されて、エアチューブ(30)とエアチューブ(31)との間の気体の流路が遮断された状態とが切換えられる。
Description
この発明は脈波計測装置に関し、特に、圧脈波センサが取付けられた空気袋を膨らませて圧脈波センサの生体動脈への押圧を増加させる方法を採用した脈波計測装置において、製造コストを抑えてコストダウンを実現する脈波計測装置に関する。
本願の出願人が先に出願して公開されている特開2005−95392号公報(以下、特許文献1)は、生体の動脈上に圧脈波センサを押圧して動脈の圧脈波を計測する脈波計測装置において、圧脈波センサの押圧レベルを調整する方法・構成を開示している。
すなわち、特許文献1は、気体供給源から圧脈波センサが取付けられた空気袋(カフ)内に気体を送込む構成として、空気袋を膨らませて圧脈波センサの生体動脈への押圧を増加させる方法を開示している。
また、本願の出願人が先に出願して公開されている特開2004−313409号公報(特許文献2)は、脈波計測装置の一構成例として、上述のような圧脈波センサが取付けられた空気袋を膨らませて圧脈波センサの生体動脈への押圧を増加させる方法を採用した脈波計測装置において、圧脈波センサが不用意に突出して故障しないように電源ON時に押圧調整手段の一部を構成する空気袋内の圧力を大気圧より低くし、空気袋容積を小さく保つために負圧ポンプを採用する構成を開示している。
上述のような従来の脈波計測装置の構成では、圧脈波センサが不用意に突出して故障しないような機能を持たせるために、たとえば、圧脈波センサの押圧のための加圧ポンプとは別に、圧脈波センサの突出を抑えるための負圧ポンプが必要になる。さらに、加圧と負圧との機能を切換えるために、流路切換え用の3ポート弁が必要となる。
図21は、圧脈波センサが取付けられた空気袋を膨らませて圧脈波センサの生体動脈への押圧を増加させる方法を採用し、圧脈波センサが不用意に突出して故障しないような機能を備える、従来の脈波計測装置の構成の一例を示す図である。図21を参照して、従来の脈波計測装置は、カフ(空気袋)13の内圧(以下、カフ圧という)を加圧するための加圧ポンプ18と、カフ圧を減圧するための負圧ポンプ17とを備え、各ポンプ17,18は、各々、制御回路22からの制御信号にしたがって加圧ポンプ18と負圧ポンプ17とのいずれかを選択的にカフ13に切換接続する2つの3ポート弁20,21を介してカフ13に接続される。
特開2005−95392号公報
特開2004−313409号公報
このように、かかる機能を実現するために従来の脈波計測装置においては圧力制御系の部品点数が多くなり、これらの部品が高価であることより、脈波計測装置の価格を押し上げる要因の1つになるという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、圧脈波センサが取付けられた空気袋を膨らませて圧脈波センサの生体動脈への押圧を増加させる方法を採用した脈波計測装置において、圧脈波センサが不用意に突出して故障しないような機能を備えて、製造コストを抑えてコストダウンを実現することのできる脈波計測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、脈波計測装置は、生体の動脈上に押圧される圧力センサと、圧力センサを押圧するための押圧部と、押圧部により押圧される圧力センサに対する押圧レベルを変化させる過程で圧力センサより出力される圧力情報に基づいて動脈から発生する脈波を計測する脈波計測部と、気体収容部を含み、気体収容部中の気体の圧力を用いて圧力センサに対する押圧レベルを調整する押圧調整部と、気体収容部に気体を供給する供給部と、開くことで気体収容部と外部との間で気体を出入れし、閉じることで気体収容部と外部との間の気体の出入れを遮断する弁を含み、外部と気体収容部との間の気体の流路を調整する流路制御部とを備える。
上記気体収容部の一例としては、圧力センサが取付けられた空気袋(カフ)およびカフに接続されたエアチューブが挙げられる。また、脈波計測部としては、CPU(Central Processing Unit)が含まれる。
さらに、脈波計測装置は、気体収容部の気体を外部に排気する排気部を含み、上記弁は、供給部の外部の気体を吸気する吸気側に接続される第1弁と、排気部の外部へ気体を排気する排気側に接続される第2弁とを含み、流路制御部は、第1弁および第2弁の開閉と、供給部および排気部の動作とを制御することで、外部と気体収容部との間の気体の流路を調整することが好ましい。
上記供給部の一例としては吸気口と排気口とを備える加圧ポンプが挙げられ、上記排気部の一例としては吸気口と排気口とを備える負圧ポンプが挙げられる。上記第1弁および第2弁の一例としては、電磁弁である排気弁が挙げられる。上記気体収容部の一部に相当するエアチューブには、上記供給部に相当する加圧ポンプの排気口と、上記排気部に相当する負圧ポンプの吸気口とが接続される。
また、上記流路制御部の一例としては、脈波計測装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)からの制御信号を各部に出力する制御回路が挙げられる。
より具体的には、押圧調整部において圧力センサを生体の表面より離す際、流路制御部は、供給部の動作を停止し、排気部を動作するように制御し、第1弁を閉じ、第2弁を開けるよう制御することで、気体収容部から排気部および第2弁を経由して外部への第1流路を確立し、体収容部中の気体を排気することが好ましい。
上記第1流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図23に挙げられる。
このため、計測開始時等には、カフ等である気体収容部から気体が排出されて減圧され、容積が低下することで、圧力センサが生体の表面より離れる。
また、より具体的には、押圧調整部において押圧部で圧力センサを押圧させる際、流路制御部は、供給部を動作するように制御し、第1弁を開け、第2弁を閉じるよう制御することで、外部から第1弁および供給部を経由して気体収容部への第2流路を確立し、気体収容部に気体を供給することが好ましい。
上記第2流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図24に挙げられる。
このため、計測が開始されるとカフ等である気体収容部に気体が供給されて加圧され、容積が増加することで、圧力センサが生体の表面に押圧される。
さらに、押圧調整部において押圧部で圧力センサを押圧させる際、流路制御部は、排気部を動作するように制御することがより好ましい。
このため、カフ等である気体収容部に気体が供給されて加圧されると気体収容部内の気体が負圧ポンプ等である排気部の吸気口側から排気口側に排気されて、排気部の排気口側の圧力を吸気口側の圧力よりも高くすることができる。これにより、排気ポンプの推奨される使い方が吸気口側の圧力を排気口側の圧力よりも低いこととなっている場合に、その使い方に対応させることができる。
また、より具体的には、脈波計測装置は、気体収容部の気体を排気量を調整しながら外部に排気する微速排気部をさらに含み、押圧調整部において圧力センサに対する押圧レベルを調整する際、流路制御部は、供給部および排気部の動作を停止し、微速排気部を動作するように制御し、第1弁および第2弁を閉じるよう制御することで、気体収容部から微速排気部を経由して外部への第3流路を確立し、気体収容部中の気体を排気することが好ましい。
上記第3流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において図26に挙げられる。
上記微速排気部の一例としては、制御信号に従って排気量を調整しながら排気口から徐々に大気中に排気する動作を行なうことが可能な微速排気弁が挙げられる。微速排気弁等である微速排気部が動作することで気体収容部内圧が徐々に減圧され、圧力センサの押圧レベルが徐々に減ぜられる。
さらに、流路制御部は、気体収容部内圧が所定圧力になるまで、第3流路の確立と気体収容部の閉鎖とを繰返すことがより好ましい。
このため、気体収容部内圧が所定圧力となり、圧力センサの押圧レベルを最適な押圧レベルとすることができる。
また、より具体的には、上記弁は、気体収容部に接続される第3弁をさらに含み、押圧調整部において圧力センサを生体より開放する際、流路制御部は、供給部および排気部の動作を停止するように制御し、第1弁および第2弁を閉じ、第3弁を開けるよう制御することで、気体収容部から第3弁を経由して外部への第4流路を確立し、気体収容部中の気体を排気することが好ましい。
上記第4流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図28に挙げられる。
このため、計測が終了するとカフ等である気体収容部から気体が急速に排気されて減圧され、容積が急速に低下することで、圧力センサが生体の表面より急速に離れる。
または、気体収容部は一定容量の第1気体収容部、第2気体収容部、および第3気体収容部を含み、押圧調整部は、第1気体収容部中の気体の圧力を用いて圧力センサに対する押圧レベルを調整し、供給部は第2気体収容部と第3気体収容部との間に設置されて、第3気体収容部中の気体を吸気して第2気体収容部に排気することで第2気体収容部に気体を供給し、上記弁は、開くことで第3気体収容部と外部との間で気体を出入れし、閉じることで第3気体収容部と外部との間の気体の出入れを遮断する第1弁を含み、流路制御部は、第1気体収容部が第2気体収容部を介して供給部の排気側に接続された第1接続状態と、第1気体収容部が第3気体収容部を介して供給部の吸気側に接続された第2接続状態とを切換える切換部をさらに含み、第1気体収容部、第2気体収容部、および第3気体収容部の間の気体の流路を調整することが好ましい。
上記切換部の一例としては、3ポート弁が挙げられ、より具体的には、第1気体収容部に接続されて気体を出入れする第1ポートと、第2気体収容部に接続されて気体を出入れする第2ポートと、第3気体収容部に接続されて気体を出入れする第3ポートとを有する3ポート弁が挙げられる。
上記供給部の一例としては、吸気口と排気口とを備えるポンプが挙げられる。
上記第1弁の一例としては、排気弁が挙げられる。
上記第1弁の一例としては、排気弁が挙げられる。
上記第1気体収容部の一例としては、カフおよびカフに接続されたエアチューブが挙げられる。上記第1気体収容部に相当するエアチューブには、上記切換部に相当する3ポート弁の第1ポートが接続される。
上記第2気体収容部および上記第3気体収容部の一例としては、共にエアチューブが挙げられる。上記第2気体収容部に相当するエアチューブには、上記供給部に相当するポンプの排気口と、上記切換部に相当する3ポート弁の第2ポートとが接続される。上記第3気体収容部に相当するエアチューブには、上記供給部に相当するポンプの吸気口と、上記切換部に相当する3ポート弁の第3ポートと、上記第1弁に相当する排気弁が接続される。
上記流路制御部の一例としては、脈波計測装置全体を制御するCPUからの制御信号を各部に出力する制御回路が挙げられ、上記制御信号によって、上記切換部に相当する3ポート弁における各ポートの接続、上記供給部に相当するポンプの動作、および上記第1弁に相当する排気弁の開閉が制御される。
より具体的には、押圧調整部において圧力センサを生体の表面より離す際、流路制御部は、第1ポートを第3ポートに接続して第2接続状態とするよう3ポート弁を制御し、供給部を動作するように制御し、第1弁を閉じるよう制御することで、第1気体収容部から第3気体収容部を経由して第2気体収容部への第1流路を確立し、第1気体収容部中の気体を排出することが好ましい。
上記第1流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図5に挙げられる。
このため、計測開始時等には、カフ等である第1気体収容部から気体が排出されて減圧され、容積が低下することで、圧力センサが生体の表面より離れる。
また、より具体的には、押圧調整部において押圧部で圧力センサを押圧させる際、流路制御部は、第1ポートを第2ポートに接続して第1接続状態とするよう3ポート弁を制御し、供給部を動作するように制御し、第1弁を開けるよう制御することで、外部から第3気体収容部および第2気体収容部を経由して第1気体収容部への第2流路を確立し、第1気体収容部に気体を供給することが好ましい。
上記第2流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図6または図15に挙げられる。
このため、計測が開始されるとカフ等である第1気体収容部に気体が供給されて加圧され、容積が増加することで、圧力センサが生体の表面に押圧される。
また、より具体的には、押圧調整部において圧力センサに対する押圧レベルを調整する際、流路制御部は、第1ポートを第2ポートに接続して第1接続状態とするよう3ポート弁を制御し、供給部の動作を停止するように制御し、第1弁を開けるよう制御することで、第3気体収容部から外部への第3流路を確立し、第3気体収容部内圧を大気圧とした後、第1弁を閉じるよう制御することで第3気体収容部を閉鎖してから、第1ポートを第3ポートに接続して第2接続状態とするよう3ポート弁を制御し、供給部の動作を停止するように制御することで、第1気体収容部から第3気体収容部への第4流路を確立し、第1気体収容部内圧を減圧することが好ましい。
上記第3流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図8または図17に挙げられ、上記第4流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図10または図19に挙げられる。
第3気体収容部内圧が大気圧に減圧されることで、第1気体収容部と第3気体収容部との間に圧力差が生じ、その後、上記第4流路が確立されることで、第1気体収容部と第3気体収容部との内圧が等しくなって第1気体収容部内圧が減圧され、圧力センサの押圧レベルが減ぜられる。
さらに、流路制御部は、第1気体収容部内圧が所定圧力になるまで、第3流路の確立と、第3気体収容部の閉鎖と、第4流路の確立とを繰返すことがより好ましい。
このため、第1気体収容部内圧が所定圧力となり、圧力センサの押圧レベルを最適な押圧レベルとすることができる。
また、より具体的には、押圧調整部において圧力センサを生体より開放する際、流路制御部は、第1ポートを第3ポートに接続して第2接続状態とするよう3ポート弁を制御し、供給部の動作を停止するように制御し、第1弁を開けるよう制御することで、第1気体収容部から第3気体収容部を経由して外部への第5流路の確立し、第1気体収容部中の気体を排出することが好ましい。
上記第5流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図11または図20に挙げられる。
このため、計測が終了するとカフ等である第1気体収容部から気体が急速に排気されて減圧され、容積が急速に低下することで、圧力センサが生体の表面より急速に離れる。
または、上記弁は、開くことで第2気体収容部と外部との間で気体を出入れし、閉じることで第2気体収容部と外部との間の気体の出入れを遮断する第2弁をさらに含み、押圧調整部において圧力センサを生体の表面より離す際、流路制御部は、第1ポートを第3ポートに接続して第2接続状態とするよう3ポート弁を制御し、供給部を動作するように制御し、第1弁を閉じるよう制御し、第2弁を開けるよう制御することで、第1気体収容部から第3気体収容部、および第2気体収容部を経由して外部への第6流路を確立し、第1気体収容部中の気体を排出することが好ましい。
上記第2弁の一例としては、排気弁が挙げられ、上記第2気体収容部に相当するエアチューブに、上記供給部に相当するポンプの排気口と、上記切換部に相当する3ポート弁の第2ポートと共に接続される。
上記第6流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図14に挙げられる。
このため、計測開始時等には、カフ等である第1気体収容部から気体が外部に排出されて減圧され、容積が低下することで、圧力センサが生体の表面より離れる。
本発明にかかる脈波計測装置は上記構成とすることで、構成要素の数を従来装置よりも減じて圧脈波センサが不用意に突出して故障しないような機能を実現するための構成、および/または圧脈波センサの基準オフセット値を取得するための構成を実現することができる。または、平易な構造であって廉価な部材を構成要素として利用して圧脈波センサが不用意に突出して故障しないような機能を実現するための構成、および/または圧脈波センサの基準オフセット値を取得するための構成を実現する。このため、脈波計測装置の製造コストを抑え、コストダウンを可能とする。
1 CPU、2 ROM、3 RAM、4 操作部、5 A/D変換器、6 表示部、7,8 排気弁、9 ポンプ、10 3ポート弁、11 圧力センサ、12 圧力センサアンプ、13 カフ、14 圧脈波センサ、15 マルチプレクサ、16 圧脈波センサ用アンプ、17 負圧ポンプ、18 加圧ポンプ、19,22,23,26 排気弁、20,21 3ポート弁、22 制御回路、24 微速排気弁、30,31,32 エアチューブ、91 排気口、92 吸気口。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成の一例を示す図である。
図1は、第1の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成の一例を示す図である。
図1を参照して、第1の実施の形態にかかる脈波計測装置は、制御系の構成として、脈波計測装置全体の制御を行なうCPU(Central Processing Unit)1と、制御するためのデータやプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)2と、RAM(Random Access Memory)3と、外部から操作可能に設けられて各種情報を入力するために操作される操作部4と、計測信号をA/D変換するA/D変換器5と、制御回路22と、脈波計測結果などの各種情報を外部に出力するためのLED(Light Emitting Diode)やLCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示部6とを含む。
操作部4はユーザ操作に基づいた操作信号をCPU1に入力し、CPU1は、入力された操作信号に応じてアクセスしてプログラムを読出して実行し、制御回路22に対して制御信号を送出する。
また、脈波計測装置は、計測系の構成として、圧脈波センサ14が取付けられた空気袋であるカフ13と、カフ13とエアチューブ31を介して接続された圧力センサ11および圧力センサアンプ12と、圧脈波センサ14からの電圧信号を選択的に出力するマルチプレクサ15および圧脈波センサ用アンプ16と、カフ13とエアチューブ31を介して接続された3ポート弁10と、3ポート弁10とエアチューブ30を介して接続されたポンプ9と、3ポート弁10とエアチューブ32を介してポンプ9と共に接続された排気弁7とを含む。
圧脈波センサ14の一例として、単結晶シリコンなどからなる半導体チップに一方向に所定間隔に配列された複数のセンサエレメントを含んで構成される半導体圧力センサが挙げられる。圧脈波センサ14はカフ13の圧力によって計測中の被験者の手首などの計測部位に押圧される。その状態で、圧脈波センサ14は撓骨動脈を介して被験者の脈波を検出する。圧脈波センサ14は、脈波の圧力値に対応して変化する電圧信号を出力し、各センサエレメントのチャネルごとにマルチプレクサ15に入力する。マルチプレクサ15に入力された電圧信号は、圧脈波センサ用アンプ16において所定範囲まで増幅され、センサエレメントが出力する電圧信号ごとに、選択的にA/D変換器5に入力される。
圧力センサ11は、接続されたエアチューブ31内の圧力と等しいカフ圧を計測し、計測することで出力する電圧信号を圧力センサアンプ12に入力する。圧力センサアンプ12に入力された電圧信号は所定範囲まで増幅され、A/D変換器5に入力される。また、圧脈波センサ14の別の例として、1次元的もしくは2次元的に配列させた単数もしくは複数の電極対で構成される静電容量式圧力センサも挙げることができ、この場合には、脈波の圧力値に対応して変化する静電容量変化が、マルチプレクサ15を介して圧脈波センサ用アンプ16で電圧の変化に変換され、センサエレメントごとに、選択的にA/D変換器5に入力される。
A/D変換器5は、マルチプレクサ15から入力されたアナログ信号である電圧信号、および圧力センサアンプ12から入力されたアナログ信号である電圧信号をデジタル情報に変換して、CPU1に入力する。
CPU1はROM2に記憶されているプログラムを実行することで脈波計測部として機能し、上記デジタル情報に変換された電圧信号に基づいて脈波を算出してその結果を計測結果として表示部6に表示させる。
制御回路22は、排気弁7、ポンプ9、および3ポート弁10に接続されて、各部に対して制御信号を出力する。
ポンプ9は、排気口91と吸気口92とを備え、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、吸気口92からエアチューブ32内の気体を導入して、排気口91からエアチューブ30内に排気する動作を行なう。排気弁7は、ポンプ9の吸気口92側および3ポート弁10と共にエアチューブ32に接続され、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、外部気体とエアチューブ32との間の流路を遮断/確立する動作を行なう。
3ポート弁10は、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、カフ13およびポンプ9の排気口91と、カフ13、ポンプ9の吸気口92および排気弁7とを選択的に接続する動作を行なう。この動作によって、エアチューブ30とエアチューブ31との間の気体の流路が確立されて、エアチューブ31とエアチューブ32との間の気体の流路が遮断された状態と、エアチューブ31とエアチューブ32との間の気体の流路が確立されて、エアチューブ30とエアチューブ31との間の気体の流路が遮断された状態とが切換えられる。
図2は、実施の形態による脈波計測時の圧脈波センサ14に対する押圧レベルの変化グラフを示す図である。該グラフの縦軸に押圧のレベルが採られて、横軸に時間経過が採られている。図5を参照して、時間T1にて計測開始されると動脈直上に設置された圧脈波センサ14はカフ圧の上昇によって生体に押圧される。押圧力のためのカフ圧が徐々に高まるにつれて、圧脈波センサ14は動脈を橈骨に押しつける状態となり、動脈は押しつぶされていく。圧脈波センサ14が最適圧で生体に押圧されているとき、動脈は扁平した状態(トノメトリ状態)となり、動脈内圧の変動に起因した脈波を正確に計測できている。さらにカフ13による押圧レベルを上げると、動脈はさらに押しつぶされ、最後に閉塞する。以上の過程にておいては圧脈波センサ14により検出される脈波信号の波形変化に基づきCPU1が最適圧を判定している。計測では、最適圧以上まで押圧レベルを上昇させたときの時間T2から、押圧レベルは最適圧まで減圧され、CPU1が最適圧にまで達したと判断した時の時間T3以降は、最適圧が保持される。最適圧を保持している間に圧脈波センサ14により検出される脈波信号はA/D変換器5により脈波データに変換されて、CPU1に与えられて指標算出などの所定処理がされて、処理結果は表示部6に表示される。
計測が終了したとき、カフ圧は一旦、大気圧にまで急速に減圧される。以上の押圧シーケンスによって、脈波計測装置は脈波を計測している。
ここで、押圧レベルを最適圧まで減圧する期間(時間T2〜T3)は短時間であり、この短時間で押圧力は数10mmHg減圧されると共に、最適圧に合わせるためにさらに数mmHgの減圧も行なわれる。この際には、押圧力の微調整が行なわれる。
図3は、本実施の形態にかかる脈波計測装置の計測シーケンスの一例を示すフローチャートである。図3のフローチャートに示される処理は、CPU1がROM2にアクセスしてプログラムを読出し実行することによって実現される。
また、図4〜図11は、第1の実施の形態にかかる脈波計測装置の主要部分を示す概略図であって、脈波計測装置の計測シーケンスにおける各部の動作と気体の流路とを説明する図である。
図3を参照して、圧脈波センサ14が被計測者の計測部位の動脈上に位置するように取付けた後に、操作部4に含まれる電源スイッチを投入することで、ステップS1において図示しない電源が起動し、CPU1が動作を開始して以降の処理が開始する。CPU1は、ROM2に記録されているプログラムを読出して実行を開始する。
CPU1は上記プログラムにしたがって、電源投入直後、ステップS2において、たとえばROM2のデータ確認やRAM3の動作確認および周辺回路の動作確認や初期設定を行なう。初期状態においては、3ポート弁10はポンプ9の吸気口92側(エアチューブ32側)となっているものとする。
次に、ステップS3において、CPU1は排気弁7を開にするよう制御信号を出力し、エアチューブ31,32、およびカフ圧を大気圧とする。このときCPU1は、圧力センサ11に印加されている圧力、すなわち大気圧を、圧力センサアンプ12を経由してA/D変換器5でデジタル化された圧力値を読込んでRAM3に記録し、この圧力値以後のカフ圧力計測の基準圧力値とする。
図4は、電源投入直後である、ステップS3における各部の動作を説明する図である。
図4を参照して、電源投入直後、CPU1は、3ポート弁10を、初期状態の、ポンプ9の吸気口92側のままにして、排気弁7を開く。また、ポンプ9の動作を停止状態のままとする。
図4を参照して、電源投入直後、CPU1は、3ポート弁10を、初期状態の、ポンプ9の吸気口92側のままにして、排気弁7を開く。また、ポンプ9の動作を停止状態のままとする。
ステップS3では、このときに圧力センサ11に印加されている圧力すなわち大気圧が圧力センサアンプ12を経由してA/D変換器5でデジタル化されてCPU1に読込まれ、RAM3に記録される。RAM3に記録された圧力値は、この圧力値以後のカフ圧力計測の基準圧力値として用いられる。なお、排気弁7は、電源オフ時にすでに開であってもよい。
ステップS4において操作部4に含まれる計測開始スイッチが押されたことが検出されると、CPU1は以後の計測シーケンスを開始する。
カフ圧が大気圧である時には、圧脈波センサ14を取付けた際に、カフ13に接続された圧脈波センサ14やその他の構造物の重量によってカフ13が鉛直方向に引伸ばされることや、被計測者の計測部位の凹凸によって、圧脈波センサ14が被計測者の皮膚表面と接触している場合がある。
しかしながら、計測開始時の圧脈波センサ14の無負荷でのデータを、以後の圧脈波センサ14で得られるデータの基準オフセット値とするため、計測開始時には、圧脈波センサ14が被計測者の皮膚表面と接触していないことが好ましい。工場出荷時に圧脈波センサ14の無負荷時データをROM2に記録し、計測の度に読出して基準オフセット値とすることも可能ではあるが、圧脈波センサ14の無負荷時データの経時変化や回路のオフセットドリフトのような現象の可能性もあるため、計測ごとに圧脈波センサ14の基準オフセット値を取得する方が計測精度を高めることができる。そこで、計測シーケンスが開始されると、ステップS5において次のような制御が実行される。
図5は、計測シーケンスが開始された、ステップS5における負圧印加時の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図5に示されるように、ステップS5において、CPU1は排気弁7を閉じる。また、3ポート弁10はホンプ9の吸気口92側のままにする。その後、ポンプ9を動作させる。
これによって、カフ13からエアチューブ31,32、およびホンプ9の吸気口92,排気口91を経由してエアチューブ30への気体の流路が確立されて、ホンプ9の吸気口92側のエアチューブ32,31の気体とカフ13内の気体とがエアチューブ30に送りこまれる。したがって、エアチューブ32,31内圧とカフ圧とは大気圧以下の負圧となり、カフ13の容積が減少していく。
カフ圧が所定の負圧値までに至ると、CPU1はホンプ9を停止させる。カフ13の容積は所定容量となり、これに伴い、カフ13に接続された圧脈波センサ14が被計測者の皮膚表面から離れる。
次に、ステップS6において、無負荷時の圧脈波センサ14の出力が、マルチプレクサ15および圧脈波センサ用アンプ16を経由してA/D変換器5でデジタル化されてCPU1に読込まれ、RAM3に記録される。RAM3に記録されたこのデータは、上述のように圧脈波センサ14の基準オフセット値として用いられる。
ステップS6において圧脈波センサ14の基準オフセット値が取得されると、押圧が開始される。図6は、ステップS7における、押圧開始時の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図6に示されるように、ステップS7において、CPU1は排気弁7を開く。また、3ポート弁10をホンプ9の排気口91側に切換える。3ポート弁10が切換わることによって、ホンプ9の排気口91側のエアチューブ30とエアチューブ31およびカフ13とが接続される。その後、ポンプ9を動作させる。
これによって、外部から排気弁7、エアチューブ32、ポンプ9の吸気口92,排気口91を経由し、エアチューブ30,31およびカフ13までの流路が確立され、エアチューブ30,31およびカフ13に気体(空気)が供給される。このため、エアチューブ30,31とカフ13とは加圧される。
カフ圧が上昇することでカフ13の容積が増加し、圧脈波センサ14が被計測者の皮膚表面と接触して、その後計測部位の動脈を押圧していく。この間も、圧脈波センサ14の出力が、マルチプレクサ15および圧脈波センサ用アンプ16を経由してA/D変換器5でデジタル化されてCPU1に読込まれ、RAM3に記録される。
次に、ステップS8において、CPU1は、脈波を計測するための、圧脈波センサ14の動脈に対する最適な押圧レベルを求める。ステップS8での方法は本発明には特定の方法に限定されず、あらゆる方法が採用され得る。1つの具体例としては、たとえば公知の技術として、本願の出願人が先に出願して公開されている、特開2004−313409号公報に記載された方法が挙げられる。
続くステップS9〜S10においては、CPU1は、ステップS8で求められた適正押圧値になるようにカフ圧を低下させていく。
ステップS9〜S10でのカフ圧を低下させる動作の原理は、たとえば本願の出願人が先に出願して公開されている、特願2003−333617号公報に記載された方法の原理と同様である。
図7〜図10は、ステップS9,S10でのカフ圧を低下させる各ステップ(STEP1〜STEP4)における各部の動作および気体の流路を説明する図である。
STEP1(図7)で、CPU1は排気弁7を閉じる。また、3ポート弁10をホンプ9の排気口91側のままにしてポンプ9の動作を停止する。したがって、エアチューブ30,31は閉じた状態となり、内部の圧力が保持される。
STEP2(図8)で、CPU1は排気弁7を開いて、エアチューブ32から外部への気体の流路を確立し、大気圧を導入する。したがって、エアチューブ32は外部に開放され、内部の圧力が大気圧となる。
STEP3(図9)で、CPU1は排気弁7を閉じる。したがって、エアチューブ32は閉じた状態となり、内部の圧力が大気圧に保持される。
STEP4(図10)で、CPU1は3ポート弁10をポンプ9の吸気口92側(エアチューブ32側)に切換える。したがって、エアチューブ32,31、およびカフ13が接続されて、閉じた状態となり、内部の圧力が均一になる。すなわち、カフ圧は、(エアチューブ31容積+カフ13容積)/(エアチューブ32容積+エアチューブ31容積+カフ13容積)の比で減圧される。
上記STEP1〜STEP4の減圧動作は、カフ圧がステップS8で決定された所定値に達するまで繰返される(ステップS10)。なお、上記動作によると、エアチューブ32,31、およびカフ13内の圧力が均一となるが、ステップS9のSTEP1以降、エアチューブ30の内の圧力が保持されることで、エアチューブ30の内の圧力とエアチューブ32,31およびカフ13内の圧力との間に圧力差が生じる。そのため、カフ圧を低下させる際に、STEP3およびSTEP4の動作(つまり3ポート弁10の切換動作)を繰返して、脈波計測装置の管内(エアチューブ30,32,31、およびカフ13内の)圧力を均一化することが好ましい。
ステップS11では、CPU1はSTEP4(図10)の状態を保持して、カフ圧を保持し、ステップS12において、圧脈波を計測する。CPU1は、計測結果に対して、脈波波形を表示部6に表示したり、臨床的に意義ある脈波指標、たとえばAugmentation Index(以後AIと略す)を算出したり、算出された脈波指標を表示部6に表示したりするという処理を行なう。なお、ここで脈波指標の一例としてAIを挙げたが、限定されるものではない。
上記ステップS11,12の計測を所定の時間を行なった後に、ステップS13において、CPU1は、動脈に対する圧脈波センサ14の押圧を解除する。図11は、ステップS13において、カフ13内の気体を急速に排気し、圧脈波センサ14の押圧を解除する際の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図11に示されるように、ステップS13において、CPU1は排気弁7を開く。3ポート弁10をホンプ9の吸気口92側のままにして排気弁7を開くことで、カフ13からエアチューブ31,32および排気弁7を経由して外部への気体の流路が確立され、エアチューブ31,32,およびカフ圧が大気圧となる。したがって、動脈に対する圧脈波センサ14の押圧が解除される。その後、さらに上記ステップS5と同様にしてカフ圧を大気圧以下にして、カフ13に接続された圧脈波センサ14が被測定者の皮膚表面から離れるようにしてもよい。
最後に、ステップS14において、計測の最終結果が表示部6に表示される。表示の内容は、たとえば脈波の平均波形、AI値の平均値、または計測値の変動を示す値(たとえば標準偏差)や、それらの値と他の指標(たとえば血圧値)との2次元グラフや、それらの値と過去のデータとを合わせて表示するような経時変化グラフや、指標の標準値に対する計測値の位置付けを示すグラフなどが考えられる。なお、表示内容はこれらの具体例に限定されない。
以上で、本実施の形態にかかる脈波計測装置の一連の計測シーケンスが終了する。この計測シーケンスは一例であり限定されるものではない。
本実施の形態にかかる脈波計測装置を図1に示される構成とすることで、従来の脈波計測装置の構成(図21)に含まれた2つのポンプ17,18を、同等の性能および価格の1つのポンプ9に置換えることができる。また、従来の脈波計測装置の構成(図21)に含まれた2つの3ポート弁20,21を同等の性能および価格の1つの3ポート弁10に置換えることができる。
このような構成にすることで、従来の脈波計測装置と比較してポンプ1つ分の容積および3ポート弁1つ分の容積を不要とすることができ、装置の小型化を実現できる。
また、このような構成にすることで、従来の脈波計測装置と比較して、いずれも特に高価な部品であるポンプ1つ分の価格および3ポート弁1つ分の価格を不要とすることができ、脈波計測装置のコストダウンを実現できる。
さらに、このような構成にすることで、CPU1の制御する要素が、従来の脈波計測装置では5要素(ポンプ17,18、排気弁、3ポート弁20,21)であったところ、3要素(ポンプ9、排気弁7、3ポート弁10)に削減されることで、従来の脈波計測装置における制御回路を簡略な構成の制御回路に置換えることができる。そのため、コストダウン効果をより大きくできる。
[第2の実施の形態]
図12は、第2の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成の具体例を示す図である。
図12は、第2の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成の具体例を示す図である。
図12を参照して、第2の実施の形態にかかる脈波計測装置は、図1に示された第1の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成に加えて、ポンプ9の排気口91側に排気弁8を含み、排気弁8、ポンプ9の排気口91側、および3ポート弁10は、エアチューブ30を介して接続される。
図13〜図20は、第2の実施の形態にかかる脈波計測装置の主要部分を示す概略図であって、脈波計測装置の計測シーケンスにおける各部の動作と気体の流路とを説明する図である。なお、第2の実施の形態にかかる脈波計測装置での計測シーケンスは、図3に示された第1の実施の形態にかかる脈波計測装置における計測シーケンスと同様である。
図13は、電源投入直後である、ステップS3における各部の動作を説明する図である。
図13を参照して、電源投入直後、CPU1は、3ポート弁10を、初期状態の、ポンプ9の吸気口92側のままにして、排気弁7を開き、排気弁8を閉じる。また、ポンプ9の動作を停止状態のままとする。
図14は、計測シーケンスが開始された、ステップS5における負圧印加時の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図14に示されるように、ステップS5において、CPU1は排気弁7を閉じ、排気弁8を開ける。また、3ポート弁10をホンプ9の吸気口92側に切換える。その後、ポンプ9を動作させる。
これによって、カフ13からエアチューブ31,32、ポンプ9の吸気口92,排気口91、エアチューブ30および排気弁8を経由して外部までの流路が確立され、ホンプ9の吸気口92側のエアチューブ32,31の気体とカフ13内の気体とがエアチューブ30に送りこまれて外部に排気される。したがって、エアチューブ32,31内圧とカフ圧とは大気圧以下の負圧となり、カフ13の容積が減少していく。
図15は、ステップS7における、押圧開始時の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図15に示されるように、上記ステップS6において圧脈波センサ14の基準オフセット値が取得されると、ステップS7において、CPU1は排気弁7を開き、排気弁8を閉じる。また、3ポート弁10をホンプ9の排気口91側に切換えかえる。その後、ポンプ9を動作させる。
これによって、外部から排気弁7、エアチューブ32、ポンプ9の吸気口92、排気口91を経由し、エアチューブ30,31およびカフ13までの流路が確立され、エアチューブ30,31およびカフ13に気体(空気)が供給される。このため、エアチューブ30,31とカフ13とは加圧される。
図16〜図19は、ステップS9,10でのカフ圧を低下させる各ステップ(STEP1〜STEP4)における際の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
STEP1(図16)で、CPU1は排気弁7を閉じる。また、3ポート弁10をホンプ9の排気口91側のままにしてポンプ9の動作を停止する。したがって、エアチューブ30,31は閉じた状態となり、内部の圧力が保持される。
STEP2(図17)で、CPU1は排気弁7を開いて、エアチューブ32から外部への気体の流路を確立し、大気圧を導入する。したがって、エアチューブ32は外部に開放され、内部の圧力が大気圧となる。
STEP3(図18)で、CPU1は排気弁7を閉じる。したがって、エアチューブ32は閉じた状態となり、内部の圧力が大気圧に保持される。
STEP4(図19)で、CPU1は3ポート弁10をポンプ9の吸気口92側(エアチューブ32側)に切換える。したがって、エアチューブ32,31、およびカフ13が接続されて、閉じた状態となり、内部の圧力が均一になる。すなわち、カフ圧は、(エアチューブ31容積+カフ13容積)/(エアチューブ32容積+エアチューブ31容積+カフ13容積)の比で減圧される。
図20は、ステップS13において、カフ13内の気体を急速に排気し、圧脈波センサ14の押圧を解除する際の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図20に示されるように、ステップS13において、CPU1は排気弁7を開く。3ポート弁10をホンプ9の吸気口92側のままにして排気弁7を開くことで、カフ13からエアチューブ31,32および排気弁7を経由して外部への気体の流路が確立され、エアチューブ31,32,およびカフ圧が大気圧となる。したがって、動脈に対する圧脈波センサ14の押圧が解除される。
第1の実施の形態にかかる脈波計測装置では、上記ステップS5において、エアチューブ32,31およびカフ13内の気体がエアチューブ30に送りこまれる構成であったが、本実施の形態にかかる脈波計測装置では、図12に示される構成とすることで、上記ステップS5において、エアチューブ32,31およびカフ13内の気体が排気弁8を経由して外部に排気される。すなわち、本実施の形態にかかる脈波計測装置を、第1の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成(図1)に低価格な排気弁が1つ追加された構成(図12)とすることで、負圧印加時に、第1の実施の形態にかかる脈波計測装置よりも、ポンプ9にかかる負荷を低減できる。
[第3の実施の形態]
図22は、第3の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成の具体例を示す図である。
図22は、第3の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成の具体例を示す図である。
図22を参照して、第3の実施の形態にかかる脈波計測装置は、計測系の構成として、図1に示された第1の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成のうち、排気弁7、ポンプ9、および3ポート弁10に替えて、カフ13とエアチューブ31を介して接続された負圧ポンプ17、加圧ポンプ18、微速排気弁24、および排気弁26を含んで構成される。さらに、負圧ポンプ17の排気口側に排気弁23、加圧ポンプ18の吸気口側に排気弁23が接続される。
制御回路22は、負圧ポンプ17、加圧ポンプ18、微速排気弁24、および排気弁22,23,26に接続されて、各部に対して制御信号を出力する。排気弁22,23,26は、制御回路22からの制御信号によって開閉が制御される電磁弁である。
負圧ポンプ17は、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、吸気口からエアチューブ31内の気体を導入して、排気口から排気弁23を介して大気中に排気する動作を行なう。加圧ポンプ18は、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、排気弁22を介して吸気口より外部気体を導入して、排気口からエアチューブ31内に排気する動作を行なう。微速排気弁24は、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、吸気口からエアチューブ31内の気体を導入して、排気量を調整しながら排気口から徐々に大気中に排気する動作を行なう。排気弁22は加圧ポンプ18の吸気口に、排気弁23は負圧ポンプ17の排気口に、および排気弁26はエアチューブ31直接接続され、各々、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、外部気体とエアチューブ31との間の流路を遮断/確立する動作を行なう。
図23〜図28は、第3の実施の形態にかかる脈波計測装置の主要部分を示す概略図であって、図3に示された脈波計測装置の計測シーケンスにおける各部の動作と気体の流路とを説明する図である。
本実施の形態にかかる脈波計測装置では、上記ステップS3において、CPU1は排気弁26を開にするよう制御信号を出力し、エアチューブ31およびカフ圧を大気圧とする。このときCPU1は、圧力センサ11に印加されている圧力、すなわち大気圧を、圧力センサアンプ12を経由してA/D変換器5でデジタル化された圧力値を読込んでRAM3に記録し、この圧力値以後のカフ圧力計測の基準圧力値とする。なお、電源オフ時にすでに排気弁26が開になっていてもよい。そして、ステップS4にて、操作部4に含まれる測定開始スイッチが押されると、以後の測定シーケンスが開始する。
図23は、負圧印加時である、上記ステップS5における各部の動作と気体の流路とを説明する図である。
図23を参照して、上記ステップS5では、CPU1は排気弁22,26および微速排気弁24を閉じ、排気弁23を開いて負圧ポンプ17を動作させる。これによって、カフ13からエアチューブ31、負圧ポンプ17の吸気口,排気口、および排気弁23を経由して外部への気体の流路が確立されて、ステップS3にて大気圧となったカフ13内に残留している気体は、エアチューブ31、負圧ポンプ17の吸気口,排気口、および排気弁23を経由して大気に排出される。したがって、エアチューブ31内圧とカフ圧とは大気圧以下の負圧となり、カフ13の容積が減少していく。
カフ圧が所定の負圧値まで至ると、CPU1は排気ホンプ17を停止させ排気弁23を閉じる。カフ13の容積は所定容量となり、これに伴い、カフ13に接続された圧脈波センサ14が被計測者の皮膚表面から離れる。
図24は、加圧時である、上記ステップS7における各部の動作と気体の流路とを説明する図である。
図24を参照して、上記ステップS7では、CPU1は排気弁22を開き加圧ポンプ18を動作させる。これによって、外部から排気弁22、加圧ポンプ18の吸気口,排気口、およびエアチューブ31を経由してカフ13までの流路が確立され、エアチューブ31およびカフ13に気体が供給される。このため、エアチューブ31とカフ13とは加圧される。
図25〜図27は、ステップS9,S10でのカフ圧を低下させる各ステップ(STEP1〜STEP3)における各部の動作および気体の流路を説明する図である。
STEP1(図25)で、CPU1はすべての排気弁22,23,25と微速排気弁24とを閉じ、負圧ポンプ17と加圧ポンプ18とは停止する。したがって、エアチューブ31は閉じた状態となり、内部の圧力が保持される。
STEP2(図26)で、CPU1は微速排気弁24を開いて、カフ13からエアチューブ31および微速排気弁24を経て外部への気体の流路を確立し、カフ13内の気体を外部に排出する。その際、CPU1は微速排気弁24のオンオフ制御もしくはデューティ制御を行なうことによって、排出する気体の流量を細かく調整することが可能であり、カフ13の減圧を細かく調整できる。なお、微速排気弁24としては、排気用の弁に替えて、オンオフ制御で所定の微小圧力ステップの減圧制御が可能な簡易な構造の排気弁が用いられてもよい。
STEP3(図27)で、CPU1はすべての排気弁22,23,26と微速排気弁24とを閉じ、負圧ポンプ17と加圧ポンプ18とを停止する。したがって、STEP1と同様にエアチューブ31は閉じた状態となり、内部の圧力が保持される。
カフ圧がステップS8で決定された所定値に達するまで、上記STEP3で内圧が保持された状態よりSTEP2の減圧動作が繰返される(ステップS10)。
ステップS11では、CPU1はSTEP3(図27)の状態を保持して、カフ圧を保持し、ステップS12において、圧脈波を計測する。そして、上記ステップS11,12の計測を所定の時間を行なった後に、ステップS13において、CPU1は、動脈に対する圧脈波センサ14の押圧を解除する。
図28は、ステップS13において、カフ13内の気体を急速に排気し、圧脈波センサ14の押圧を解除する際の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図28を参照して、ステップS13でCPU1は排気弁26を開き、カフ13からエアチューブ31および排気弁26を経由して外部への気体の流路を確立し、エアチューブ31およびカフ13内の気体を外部に開放してエアチューブ31内圧およびカフ圧を大気圧とする。したがって、動脈に対する圧脈波センサ14の押圧が解除される。
[変形例]
なお、使用する排気ポンプの種類によっては、推奨される使い方が、吸気口側の圧力を排気口側の圧力よりも低いこととなっている場合がある。これは排気ポンプ内に設けられている逆止弁が、吸気口側の圧力が排気口側の圧力よりも高くなると、逆流状態となり、排気ポンプの構造によってはこのような逆流が都合悪い場合があるためである。
なお、使用する排気ポンプの種類によっては、推奨される使い方が、吸気口側の圧力を排気口側の圧力よりも低いこととなっている場合がある。これは排気ポンプ内に設けられている逆止弁が、吸気口側の圧力が排気口側の圧力よりも高くなると、逆流状態となり、排気ポンプの構造によってはこのような逆流が都合悪い場合があるためである。
上記ステップS7〜S12において負圧ポンプ17の吸気口側の圧力が排気口側の圧力よりも高くなる可能性がある。このような事態に対処するために、排気弁23と負圧ポンプ17の排気口との間の容積を可能な限り小さくすることが好ましい。このようにすることで、逆流する気体の流量が低減でき、上記不具合を防止できる。
また、この他の対処としては、上記ステップS7での加圧時にCPU1は排気弁23を閉じ、負圧ポンプ17を動作させるようにすることが好ましい。このようにすることで、排気弁23と負圧ポンプ17の排気口との間の圧力を負圧ポンプ17の吸気口側の圧力よりも高くすることができ、上記具合を回避できる。
このように、本実施の形態にかかる脈波計測装置は、圧脈波センサが不用意に突出して故障しないような機能を実現するための構成、および/または圧脈波センサの基準オフセット値を取得するための構成として、高価な部品である3ポート弁に替えて平易な構造であって3ポート弁よりも廉価な構成要素を利用し、吸気口側に電磁弁を接続した加圧ポンプの排気側と、排気口側に電磁弁を接続した排気ポンプの吸気側と、制御排気弁を接続した流路路抵抗と、急速排気弁と、カフとを接続する構成とする。この構成によって、従来の構成よりも価格を低減することを可能としている。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、圧脈波センサが取付けられた空気袋を膨らませて圧脈波センサの生体動脈への押圧を増加させる方法を採用した脈波計測装置において、製造コストを抑えてコストダウンを実現するために有利に用いられ得る。
この発明は脈波計測装置に関し、特に、圧脈波センサが取付けられた空気袋を膨らませて圧脈波センサの生体動脈への押圧を増加させる方法を採用した脈波計測装置において、製造コストを抑えてコストダウンを実現する脈波計測装置に関する。
本願の出願人が先に出願して公開されている特開2005−95392号公報(以下、特許文献1)は、生体の動脈上に圧脈波センサを押圧して動脈の圧脈波を計測する脈波計測装置において、圧脈波センサの押圧レベルを調整する方法・構成を開示している。
すなわち、特許文献1は、気体供給源から圧脈波センサが取付けられた空気袋(カフ)内に気体を送込む構成として、空気袋を膨らませて圧脈波センサの生体動脈への押圧を増加させる方法を開示している。
また、本願の出願人が先に出願して公開されている特開2004−313409号公報(特許文献2)は、脈波計測装置の一構成例として、上述のような圧脈波センサが取付けられた空気袋を膨らませて圧脈波センサの生体動脈への押圧を増加させる方法を採用した脈波計測装置において、圧脈波センサが不用意に突出して故障しないように電源ON時に押圧調整手段の一部を構成する空気袋内の圧力を大気圧より低くし、空気袋容積を小さく保つために負圧ポンプを採用する構成を開示している。
上述のような従来の脈波計測装置の構成では、圧脈波センサが不用意に突出して故障しないような機能を持たせるために、たとえば、圧脈波センサの押圧のための加圧ポンプとは別に、圧脈波センサの突出を抑えるための負圧ポンプが必要になる。さらに、加圧と負圧との機能を切換えるために、流路切換え用の3ポート弁が必要となる。
図21は、圧脈波センサが取付けられた空気袋を膨らませて圧脈波センサの生体動脈への押圧を増加させる方法を採用し、圧脈波センサが不用意に突出して故障しないような機能を備える、従来の脈波計測装置の構成の一例を示す図である。図21を参照して、従来の脈波計測装置は、カフ(空気袋)13の内圧(以下、カフ圧という)を加圧するための加圧ポンプ18と、カフ圧を減圧するための負圧ポンプ17とを備え、各ポンプ17,18は、各々、制御回路22からの制御信号にしたがって加圧ポンプ18と負圧ポンプ17とのいずれかを選択的にカフ13に切換接続する2つの3ポート弁20,21を介してカフ13に接続される。
特開2005−95392号公報
特開2004−313409号公報
このように、かかる機能を実現するために従来の脈波計測装置においては圧力制御系の部品点数が多くなり、これらの部品が高価であることより、脈波計測装置の価格を押し上げる要因の1つになるという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、圧脈波センサが取付けられた空気袋を膨らませて圧脈波センサの生体動脈への押圧を増加させる方法を採用した脈波計測装置において、圧脈波センサが不用意に突出して故障しないような機能を備えて、製造コストを抑えてコストダウンを実現することのできる脈波計測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、脈波計測装置は、生体の動脈上に押圧される圧力センサと、圧力センサを押圧するための押圧部と、押圧部により押圧される圧力センサに対する押圧レベルを変化させる過程で圧力センサより出力される圧力情報に基づいて動脈から発生する脈波を計測する脈波計測部と、気体収容部を含み、気体収容部中の気体の圧力を用いて圧力センサに対する押圧レベルを調整する押圧調整部と、気体収容部に気体を供給する供給部と、開くことで気体収容部と外部との間で気体を出し入れし、閉じることで気体収容部と外部との間の気体の出し入れを遮断する弁を含み、外部と気体収容部との間の気体の流路を調整する流路制御部とを備える。
上記気体収容部の一例としては、圧力センサが取付けられた空気袋(カフ)およびカフに接続されたエアチューブが挙げられる。また、脈波計測部としては、CPU(Central Processing Unit)が含まれる。
さらに、脈波計測装置は、気体収容部の気体を外部に排気する排気部を含み、上記弁は、供給部の外部の気体を吸気する吸気側に接続される第1弁と、排気部の外部へ気体を排気する排気側に接続される第2弁とを含み、流路制御部は、第1弁および第2弁の開閉と、供給部および排気部の動作とを制御することで、外部と気体収容部との間の気体の流路を調整することが好ましい。
上記供給部の一例としては吸気口と排気口とを備える加圧ポンプが挙げられ、上記排気部の一例としては吸気口と排気口とを備える負圧ポンプが挙げられる。上記第1弁および第2弁の一例としては、電磁弁である排気弁が挙げられる。上記気体収容部の一部に相当するエアチューブには、上記供給部に相当する加圧ポンプの排気口と、上記排気部に相当する負圧ポンプの吸気口とが接続される。
また、上記流路制御部の一例としては、脈波計測装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)からの制御信号を各部に出力する制御回路が挙げられる。
より具体的には、押圧調整部において圧力センサを生体の表面より離す際、流路制御部は、供給部の動作を停止し、排気部を動作するように制御し、第1弁を閉じ、第2弁を開けるよう制御することで、気体収容部から排気部および第2弁を経由して外部への第1流路を確立し、気体収容部中の気体を排気することが好ましい。
上記第1流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図23に挙げられる。
このため、計測開始時等には、カフ等である気体収容部から気体が排出されて減圧され、容積が低下することで、圧力センサが生体の表面より離れる。
また、より具体的には、押圧調整部において押圧部で圧力センサを押圧させる際、流路制御部は、供給部を動作するように制御し、第1弁を開け、第2弁を閉じるよう制御することで、外部から第1弁および供給部を経由して気体収容部への第2流路を確立し、気体収容部に気体を供給することが好ましい。
上記第2流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図24に挙げられる。
このため、計測が開始されるとカフ等である気体収容部に気体が供給されて加圧され、容積が増加することで、圧力センサが生体の表面に押圧される。
さらに、押圧調整部において押圧部で圧力センサを押圧させる際、流路制御部は、排気部を動作するように制御することがより好ましい。
このため、カフ等である気体収容部に気体が供給されて加圧されると気体収容部内の気体が負圧ポンプ等である排気部の吸気口側から排気口側に排気されて、排気部の排気口側の圧力を吸気口側の圧力よりも高くすることができる。これにより、排気ポンプの推奨される使い方が吸気口側の圧力を排気口側の圧力よりも低いこととなっている場合に、その使い方に対応させることができる。
また、より具体的には、脈波計測装置は、気体収容部の気体を排気量を調整しながら外部に排気する微速排気部をさらに含み、押圧調整部において圧力センサに対する押圧レベルを調整する際、流路制御部は、供給部および排気部の動作を停止し、微速排気部を動作するように制御し、第1弁および第2弁を閉じるよう制御することで、気体収容部から微速排気部を経由して外部への第3流路を確立し、気体収容部中の気体を排気することが好ましい。
上記第3流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において図26に挙げられる。
上記微速排気部の一例としては、制御信号に従って排気量を調整しながら排気口から徐々に大気中に排気する動作を行なうことが可能な微速排気弁が挙げられる。微速排気弁等である微速排気部が動作することで気体収容部内圧が徐々に減圧され、圧力センサの押圧レベルが徐々に減ぜられる。
さらに、流路制御部は、気体収容部内圧が所定圧力になるまで、第3流路の確立と気体収容部の閉鎖とを繰返すことがより好ましい。
このため、気体収容部内圧が所定圧力となり、圧力センサの押圧レベルを最適な押圧レベルとすることができる。
また、より具体的には、上記弁は、気体収容部に接続される第3弁をさらに含み、押圧調整部において圧力センサを生体より開放する際、流路制御部は、供給部および排気部の動作を停止するように制御し、第1弁および第2弁を閉じ、第3弁を開けるよう制御することで、気体収容部から第3弁を経由して外部への第4流路を確立し、気体収容部中の気体を排気することが好ましい。
上記第4流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図28に挙げられる。
このため、計測が終了するとカフ等である気体収容部から気体が急速に排気されて減圧され、容積が急速に低下することで、圧力センサが生体の表面より急速に離れる。
または、気体収容部は一定容量の第1気体収容部、第2気体収容部、および第3気体収容部を含み、押圧調整部は、第1気体収容部中の気体の圧力を用いて圧力センサに対する押圧レベルを調整し、供給部は第2気体収容部と第3気体収容部との間に設置されて、第3気体収容部中の気体を吸気して第2気体収容部に排気することで第2気体収容部に気体を供給し、上記弁は、開くことで第3気体収容部と外部との間で気体を出し入れし、閉じることで第3気体収容部と外部との間の気体の出し入れを遮断する第1弁を含み、流路制御部は、第1気体収容部が第2気体収容部を介して供給部の排気側に接続された第1接続状態と、第1気体収容部が第3気体収容部を介して供給部の吸気側に接続された第2接続状態とを切換える切換部をさらに含み、第1気体収容部、第2気体収容部、および第3気体収容部の間の気体の流路を調整することが好ましい。
上記切換部の一例としては、3ポート弁が挙げられ、より具体的には、第1気体収容部に接続されて気体を出し入れする第1ポートと、第2気体収容部に接続されて気体を出し入れする第2ポートと、第3気体収容部に接続されて気体を出し入れする第3ポートとを有する3ポート弁が挙げられる。
上記供給部の一例としては、吸気口と排気口とを備えるポンプが挙げられる。
上記第1弁の一例としては、排気弁が挙げられる。
上記第1弁の一例としては、排気弁が挙げられる。
上記第1気体収容部の一例としては、カフおよびカフに接続されたエアチューブが挙げられる。上記第1気体収容部に相当するエアチューブには、上記切換部に相当する3ポート弁の第1ポートが接続される。
上記第2気体収容部および上記第3気体収容部の一例としては、共にエアチューブが挙げられる。上記第2気体収容部に相当するエアチューブには、上記供給部に相当するポンプの排気口と、上記切換部に相当する3ポート弁の第2ポートとが接続される。上記第3気体収容部に相当するエアチューブには、上記供給部に相当するポンプの吸気口と、上記切換部に相当する3ポート弁の第3ポートと、上記第1弁に相当する排気弁が接続される。
上記流路制御部の一例としては、脈波計測装置全体を制御するCPUからの制御信号を各部に出力する制御回路が挙げられ、上記制御信号によって、上記切換部に相当する3ポート弁における各ポートの接続、上記供給部に相当するポンプの動作、および上記第1弁に相当する排気弁の開閉が制御される。
より具体的には、押圧調整部において圧力センサを生体の表面より離す際、流路制御部は、第1ポートを第3ポートに接続して第2接続状態とするよう3ポート弁を制御し、供給部を動作するように制御し、第1弁を閉じるよう制御することで、第1気体収容部から第3気体収容部を経由して第2気体収容部への第1流路を確立し、第1気体収容部中の気体を排出することが好ましい。
上記第1流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図5に挙げられる。
このため、計測開始時等には、カフ等である第1気体収容部から気体が排出されて減圧され、容積が低下することで、圧力センサが生体の表面より離れる。
また、より具体的には、押圧調整部において押圧部で圧力センサを押圧させる際、流路制御部は、第1ポートを第2ポートに接続して第1接続状態とするよう3ポート弁を制御し、供給部を動作するように制御し、第1弁を開けるよう制御することで、外部から第3気体収容部および第2気体収容部を経由して第1気体収容部への第2流路を確立し、第1気体収容部に気体を供給することが好ましい。
上記第2流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図6または図15に挙げられる。
このため、計測が開始されるとカフ等である第1気体収容部に気体が供給されて加圧され、容積が増加することで、圧力センサが生体の表面に押圧される。
また、より具体的には、押圧調整部において圧力センサに対する押圧レベルを調整する際、流路制御部は、第1ポートを第2ポートに接続して第1接続状態とするよう3ポート弁を制御し、供給部の動作を停止するように制御し、第1弁を開けるよう制御することで、第3気体収容部から外部への第3流路を確立し、第3気体収容部内圧を大気圧とした後、第1弁を閉じるよう制御することで第3気体収容部を閉鎖してから、第1ポートを第3ポートに接続して第2接続状態とするよう3ポート弁を制御し、供給部の動作を停止するように制御することで、第1気体収容部から第3気体収容部への第4流路を確立し、第1気体収容部内圧を減圧することが好ましい。
上記第3流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図8または図17に挙げられ、上記第4流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図10または図19に挙げられる。
第3気体収容部内圧が大気圧に減圧されることで、第1気体収容部と第3気体収容部との間に圧力差が生じ、その後、上記第4流路が確立されることで、第1気体収容部と第3気体収容部との内圧が等しくなって第1気体収容部内圧が減圧され、圧力センサの押圧レベルが減ぜられる。
さらに、流路制御部は、第1気体収容部内圧が所定圧力になるまで、第3流路の確立と、第3気体収容部の閉鎖と、第4流路の確立とを繰返すことがより好ましい。
このため、第1気体収容部内圧が所定圧力となり、圧力センサの押圧レベルを最適な押圧レベルとすることができる。
また、より具体的には、押圧調整部において圧力センサを生体より開放する際、流路制御部は、第1ポートを第3ポートに接続して第2接続状態とするよう3ポート弁を制御し、供給部の動作を停止するように制御し、第1弁を開けるよう制御することで、第1気体収容部から第3気体収容部を経由して外部への第5流路の確立し、第1気体収容部中の気体を排出することが好ましい。
上記第5流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図11または図20に挙げられる。
このため、計測が終了するとカフ等である第1気体収容部から気体が急速に排気されて減圧され、容積が急速に低下することで、圧力センサが生体の表面より急速に離れる。
または、上記弁は、開くことで第2気体収容部と外部との間で気体を出し入れし、閉じることで第2気体収容部と外部との間の気体の出し入れを遮断する第2弁をさらに含み、押圧調整部において圧力センサを生体の表面より離す際、流路制御部は、第1ポートを第3ポートに接続して第2接続状態とするよう3ポート弁を制御し、供給部を動作するように制御し、第1弁を閉じるよう制御し、第2弁を開けるよう制御することで、第1気体収容部から第3気体収容部、および第2気体収容部を経由して外部への第6流路を確立し、第1気体収容部中の気体を排出することが好ましい。
上記第2弁の一例としては、排気弁が挙げられ、上記第2気体収容部に相当するエアチューブに、上記供給部に相当するポンプの排気口と、上記切換部に相当する3ポート弁の第2ポートと共に接続される。
上記第6流路の一例は、以降の発明を実施するための最良の形態において、図14に挙げられる。
このため、計測開始時等には、カフ等である第1気体収容部から気体が外部に排出されて減圧され、容積が低下することで、圧力センサが生体の表面より離れる。
本発明にかかる脈波計測装置は上記構成とすることで、構成要素の数を従来装置よりも減じて圧脈波センサが不用意に突出して故障しないような機能を実現するための構成、および/または圧脈波センサの基準オフセット値を取得するための構成を実現することができる。または、平易な構造であって廉価な部材を構成要素として利用して圧脈波センサが不用意に突出して故障しないような機能を実現するための構成、および/または圧脈波センサの基準オフセット値を取得するための構成を実現する。このため、脈波計測装置の製造コストを抑え、コストダウンを可能とする。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成の一例を示す図である。
図1は、第1の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成の一例を示す図である。
図1を参照して、第1の実施の形態にかかる脈波計測装置は、制御系の構成として、脈波計測装置全体の制御を行なうCPU(Central Processing Unit)1と、制御するためのデータやプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)2と、RAM(Random Access Memory)3と、外部から操作可能に設けられて各種情報を入力するために操作される操作部4と、計測信号をA/D変換するA/D変換器5と、制御回路22と、脈波計測結果などの各種情報を外部に出力するためのLED(Light Emitting Diode)やLCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示部6とを含む。
操作部4はユーザ操作に基づいた操作信号をCPU1に入力し、CPU1は、入力された操作信号に応じてアクセスしてプログラムを読出して実行し、制御回路22に対して制御信号を送出する。
また、脈波計測装置は、計測系の構成として、圧脈波センサ14が取付けられた空気袋であるカフ13と、カフ13とエアチューブ31を介して接続された圧力センサ11および圧力センサアンプ12と、圧脈波センサ14からの電圧信号を選択的に出力するマルチプレクサ15および圧脈波センサ用アンプ16と、カフ13とエアチューブ31を介して接続された3ポート弁10と、3ポート弁10とエアチューブ30を介して接続されたポンプ9と、3ポート弁10とエアチューブ32を介してポンプ9と共に接続された排気弁7とを含む。
圧脈波センサ14の一例として、単結晶シリコンなどからなる半導体チップに一方向に所定間隔に配列された複数のセンサエレメントを含んで構成される半導体圧力センサが挙げられる。圧脈波センサ14はカフ13の圧力によって計測中の被験者の手首などの計測部位に押圧される。その状態で、圧脈波センサ14は撓骨動脈を介して被験者の脈波を検出する。圧脈波センサ14は、脈波の圧力値に対応して変化する電圧信号を出力し、各センサエレメントのチャネルごとにマルチプレクサ15に入力する。マルチプレクサ15に入力された電圧信号は、圧脈波センサ用アンプ16において所定範囲まで増幅され、センサエレメントが出力する電圧信号ごとに、選択的にA/D変換器5に入力される。
圧力センサ11は、接続されたエアチューブ31内の圧力と等しいカフ圧を計測し、計測することで出力する電圧信号を圧力センサアンプ12に入力する。圧力センサアンプ12に入力された電圧信号は所定範囲まで増幅され、A/D変換器5に入力される。また、圧脈波センサ14の別の例として、1次元的もしくは2次元的に配列させた単数もしくは複数の電極対で構成される静電容量式圧力センサも挙げることができ、この場合には、脈波の圧力値に対応して変化する静電容量変化が、マルチプレクサ15を介して圧脈波センサ用アンプ16で電圧の変化に変換され、センサエレメントごとに、選択的にA/D変換器5に入力される。
A/D変換器5は、マルチプレクサ15から入力されたアナログ信号である電圧信号、および圧力センサアンプ12から入力されたアナログ信号である電圧信号をデジタル情報に変換して、CPU1に入力する。
CPU1はROM2に記憶されているプログラムを実行することで脈波計測部として機能し、上記デジタル情報に変換された電圧信号に基づいて脈波を算出してその結果を計測結果として表示部6に表示させる。
制御回路22は、排気弁7、ポンプ9、および3ポート弁10に接続されて、各部に対して制御信号を出力する。
ポンプ9は、排気口91と吸気口92とを備え、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、吸気口92からエアチューブ32内の気体を導入して、排気口91からエアチューブ30内に排気する動作を行なう。排気弁7は、ポンプ9の吸気口92側および3ポート弁10と共にエアチューブ32に接続され、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、外部気体とエアチューブ32との間の流路を遮断/確立する動作を行なう。
3ポート弁10は、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、カフ13およびポンプ9の排気口91と、カフ13、ポンプ9の吸気口92および排気弁7とを選択的に接続する動作を行なう。この動作によって、エアチューブ30とエアチューブ31との間の気体の流路が確立されて、エアチューブ31とエアチューブ32との間の気体の流路が遮断された状態と、エアチューブ31とエアチューブ32との間の気体の流路が確立されて、エアチューブ30とエアチューブ31との間の気体の流路が遮断された状態とが切換えられる。
図2は、実施の形態による脈波計測時の圧脈波センサ14に対する押圧レベルの変化グラフを示す図である。該グラフの縦軸に押圧のレベルが採られて、横軸に時間経過が採られている。図2を参照して、時間T1にて計測開始されると動脈直上に設置された圧脈波センサ14はカフ圧の上昇によって生体に押圧される。押圧力のためのカフ圧が徐々に高まるにつれて、圧脈波センサ14は動脈を橈骨に押しつける状態となり、動脈は押しつぶされていく。圧脈波センサ14が最適圧で生体に押圧されているとき、動脈は扁平した状態(トノメトリ状態)となり、動脈内圧の変動に起因した脈波を正確に計測できている。さらにカフ13による押圧レベルを上げると、動脈はさらに押しつぶされ、最後に閉塞する。以上の過程にておいては圧脈波センサ14により検出される脈波信号の波形変化に基づきCPU1が最適圧を判定している。計測では、最適圧以上まで押圧レベルを上昇させたときの時間T2から、押圧レベルは最適圧まで減圧され、CPU1が最適圧にまで達したと判断した時の時間T3以降は、最適圧が保持される。最適圧を保持している間に圧脈波センサ14により検出される脈波信号はA/D変換器5により脈波データに変換されて、CPU1に与えられて指標算出などの所定処理がされて、処理結果は表示部6に表示される。
計測が終了したとき、カフ圧は一旦、大気圧にまで急速に減圧される。以上の押圧シーケンスによって、脈波計測装置は脈波を計測している。
ここで、押圧レベルを最適圧まで減圧する期間(時間T2〜T3)は短時間であり、この短時間で押圧力は数10mmHg減圧されると共に、最適圧に合わせるためにさらに数mmHgの減圧も行なわれる。この際には、押圧力の微調整が行なわれる。
図3は、本実施の形態にかかる脈波計測装置の計測シーケンスの一例を示すフローチャートである。図3のフローチャートに示される処理は、CPU1がROM2にアクセスしてプログラムを読出し実行することによって実現される。
また、図4〜図11は、第1の実施の形態にかかる脈波計測装置の主要部分を示す概略図であって、脈波計測装置の計測シーケンスにおける各部の動作と気体の流路とを説明する図である。
図3を参照して、圧脈波センサ14が被計測者の計測部位の動脈上に位置するように取付けた後に、操作部4に含まれる電源スイッチを投入することで、ステップS1において図示しない電源が起動し、CPU1が動作を開始して以降の処理が開始する。CPU1は、ROM2に記録されているプログラムを読出して実行を開始する。
CPU1は上記プログラムにしたがって、電源投入直後、ステップS2において、たとえばROM2のデータ確認やRAM3の動作確認および周辺回路の動作確認や初期設定を行なう。初期状態においては、3ポート弁10はポンプ9の吸気口92側(エアチューブ32側)となっているものとする。
次に、ステップS3において、CPU1は排気弁7を開にするよう制御信号を出力し、エアチューブ31,32、およびカフ圧を大気圧とする。このときCPU1は、圧力センサ11に印加されている圧力、すなわち大気圧を、圧力センサアンプ12を経由してA/D変換器5でデジタル化された圧力値を読込んでRAM3に記録し、この圧力値以後のカフ圧力計測の基準圧力値とする。
図4は、電源投入直後である、ステップS3における各部の動作を説明する図である。
図4を参照して、電源投入直後、CPU1は、3ポート弁10を、初期状態の、ポンプ9の吸気口92側のままにして、排気弁7を開く。また、ポンプ9の動作を停止状態のままとする。
図4を参照して、電源投入直後、CPU1は、3ポート弁10を、初期状態の、ポンプ9の吸気口92側のままにして、排気弁7を開く。また、ポンプ9の動作を停止状態のままとする。
ステップS3では、このときに圧力センサ11に印加されている圧力すなわち大気圧が圧力センサアンプ12を経由してA/D変換器5でデジタル化されてCPU1に読込まれ、RAM3に記録される。RAM3に記録された圧力値は、この圧力値以後のカフ圧力計測の基準圧力値として用いられる。なお、排気弁7は、電源オフ時にすでに開であってもよい。
ステップS4において操作部4に含まれる計測開始スイッチが押されたことが検出されると、CPU1は以後の計測シーケンスを開始する。
カフ圧が大気圧である時には、圧脈波センサ14を取付けた際に、カフ13に接続された圧脈波センサ14やその他の構造物の重量によってカフ13が鉛直方向に引伸ばされることや、被計測者の計測部位の凹凸によって、圧脈波センサ14が被計測者の皮膚表面と接触している場合がある。
しかしながら、計測開始時の圧脈波センサ14の無負荷でのデータを、以後の圧脈波センサ14で得られるデータの基準オフセット値とするため、計測開始時には、圧脈波センサ14が被計測者の皮膚表面と接触していないことが好ましい。工場出荷時に圧脈波センサ14の無負荷時データをROM2に記録し、計測の度に読出して基準オフセット値とすることも可能ではあるが、圧脈波センサ14の無負荷時データの経時変化や回路のオフセットドリフトのような現象の可能性もあるため、計測ごとに圧脈波センサ14の基準オフセット値を取得する方が計測精度を高めることができる。そこで、計測シーケンスが開始されると、ステップS5において次のような制御が実行される。
図5は、計測シーケンスが開始された、ステップS5における負圧印加時の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図5に示されるように、ステップS5において、CPU1は排気弁7を閉じる。また、3ポート弁10はポンプ9の吸気口92側のままにする。その後、ポンプ9を動作させる。
これによって、カフ13からエアチューブ31,32、およびポンプ9の吸気口92,排気口91を経由してエアチューブ30への気体の流路が確立されて、ポンプ9の吸気口92側のエアチューブ32,31の気体とカフ13内の気体とがエアチューブ30に送りこまれる。したがって、エアチューブ32,31内圧とカフ圧とは大気圧以下の負圧となり、カフ13の容積が減少していく。
カフ圧が所定の負圧値までに至ると、CPU1はポンプ9を停止させる。カフ13の容積は所定容量となり、これに伴い、カフ13に接続された圧脈波センサ14が被計測者の皮膚表面から離れる。
次に、ステップS6において、無負荷時の圧脈波センサ14の出力が、マルチプレクサ15および圧脈波センサ用アンプ16を経由してA/D変換器5でデジタル化されてCPU1に読込まれ、RAM3に記録される。RAM3に記録されたこのデータは、上述のように圧脈波センサ14の基準オフセット値として用いられる。
ステップS6において圧脈波センサ14の基準オフセット値が取得されると、押圧が開始される。図6は、ステップS7における、押圧開始時の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図6に示されるように、ステップS7において、CPU1は排気弁7を開く。また、3ポート弁10をポンプ9の排気口91側に切換える。3ポート弁10が切換わることによって、ポンプ9の排気口91側のエアチューブ30とエアチューブ31およびカフ13とが接続される。その後、ポンプ9を動作させる。
これによって、外部から排気弁7、エアチューブ32、ポンプ9の吸気口92,排気口91を経由し、エアチューブ30,31およびカフ13までの流路が確立され、エアチューブ30,31およびカフ13に気体(空気)が供給される。このため、エアチューブ30,31とカフ13とは加圧される。
カフ圧が上昇することでカフ13の容積が増加し、圧脈波センサ14が被計測者の皮膚表面と接触して、その後計測部位の動脈を押圧していく。この間も、圧脈波センサ14の出力が、マルチプレクサ15および圧脈波センサ用アンプ16を経由してA/D変換器5でデジタル化されてCPU1に読込まれ、RAM3に記録される。
次に、ステップS8において、CPU1は、脈波を計測するための、圧脈波センサ14の動脈に対する最適な押圧レベルを求める。ステップS8での方法は本発明には特定の方法に限定されず、あらゆる方法が採用され得る。1つの具体例としては、たとえば公知の技術として、本願の出願人が先に出願して公開されている、特開2004−313409号公報に記載された方法が挙げられる。
続くステップS9〜S10においては、CPU1は、ステップS8で求められた適正押圧値になるようにカフ圧を低下させていく。
ステップS9〜S10でのカフ圧を低下させる動作の原理は、たとえば本願の出願人が先に出願して公開されている、特開2005−95392号公報に記載された方法の原理と同様である。
図7〜図10は、ステップS9,S10でのカフ圧を低下させる各ステップ(STEP1〜STEP4)における各部の動作および気体の流路を説明する図である。
STEP1(図7)で、CPU1は排気弁7を閉じる。また、3ポート弁10をポンプ9の排気口91側のままにしてポンプ9の動作を停止する。したがって、エアチューブ30,31は閉じた状態となり、内部の圧力が保持される。
STEP2(図8)で、CPU1は排気弁7を開いて、エアチューブ32から外部への気体の流路を確立し、大気圧を導入する。したがって、エアチューブ32は外部に開放され、内部の圧力が大気圧となる。
STEP3(図9)で、CPU1は排気弁7を閉じる。したがって、エアチューブ32は閉じた状態となり、内部の圧力が大気圧に保持される。
STEP4(図10)で、CPU1は3ポート弁10をポンプ9の吸気口92側(エアチューブ32側)に切換える。したがって、エアチューブ32,31、およびカフ13が接続されて、閉じた状態となり、内部の圧力が均一になる。すなわち、カフ圧は、(エアチューブ31容積+カフ13容積)/(エアチューブ32容積+エアチューブ31容積+カフ13容積)の比で減圧される。
上記STEP1〜STEP4の減圧動作は、カフ圧がステップS8で決定された所定値に達するまで繰返される(ステップS10)。なお、上記動作によると、エアチューブ32,31、およびカフ13内の圧力が均一となるが、ステップS9のSTEP1以降、エアチューブ30の内の圧力が保持されることで、エアチューブ30の内の圧力とエアチューブ32,31およびカフ13内の圧力との間に圧力差が生じる。そのため、カフ圧を低下させる際に、STEP3およびSTEP4の動作(つまり3ポート弁10の切換動作)を繰返して、脈波計測装置の管内(エアチューブ30,32,31、およびカフ13内の)圧力を均一化することが好ましい。
ステップS11では、CPU1はSTEP4(図10)の状態を保持して、カフ圧を保持し、ステップS12において、圧脈波を計測する。CPU1は、計測結果に対して、脈波波形を表示部6に表示したり、臨床的に意義ある脈波指標、たとえばAugmentation Index(以後AIと略す)を算出したり、算出された脈波指標を表示部6に表示したりするという処理を行なう。なお、ここで脈波指標の一例としてAIを挙げたが、限定されるものではない。
上記ステップS11,12の計測を所定の時間を行なった後に、ステップS13において、CPU1は、動脈に対する圧脈波センサ14の押圧を解除する。図11は、ステップS13において、カフ13内の気体を急速に排気し、圧脈波センサ14の押圧を解除する際の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図11に示されるように、ステップS13において、CPU1は排気弁7を開く。3ポート弁10をポンプ9の吸気口92側のままにして排気弁7を開くことで、カフ13からエアチューブ31,32および排気弁7を経由して外部への気体の流路が確立され、エアチューブ31,32,およびカフ圧が大気圧となる。したがって、動脈に対する圧脈波センサ14の押圧が解除される。その後、さらに上記ステップS5と同様にしてカフ圧を大気圧以下にして、カフ13に接続された圧脈波センサ14が被測定者の皮膚表面から離れるようにしてもよい。
最後に、ステップS14において、計測の最終結果が表示部6に表示される。表示の内容は、たとえば脈波の平均波形、AI値の平均値、または計測値の変動を示す値(たとえば標準偏差)や、それらの値と他の指標(たとえば血圧値)との2次元グラフや、それらの値と過去のデータとを合わせて表示するような経時変化グラフや、指標の標準値に対する計測値の位置付けを示すグラフなどが考えられる。なお、表示内容はこれらの具体例に限定されない。
以上で、本実施の形態にかかる脈波計測装置の一連の計測シーケンスが終了する。この計測シーケンスは一例であり限定されるものではない。
本実施の形態にかかる脈波計測装置を図1に示される構成とすることで、従来の脈波計測装置の構成(図21)に含まれた2つのポンプ17,18を、同等の性能および価格の1つのポンプ9に置換えることができる。また、従来の脈波計測装置の構成(図21)に含まれた2つの3ポート弁20,21を同等の性能および価格の1つの3ポート弁10に置換えることができる。
このような構成にすることで、従来の脈波計測装置と比較してポンプ1つ分の容積および3ポート弁1つ分の容積を不要とすることができ、装置の小型化を実現できる。
また、このような構成にすることで、従来の脈波計測装置と比較して、いずれも特に高価な部品であるポンプ1つ分の価格および3ポート弁1つ分の価格を不要とすることができ、脈波計測装置のコストダウンを実現できる。
さらに、このような構成にすることで、CPU1の制御する要素が、従来の脈波計測装置では5要素(ポンプ17,18、排気弁、3ポート弁20,21)であったところ、3要素(ポンプ9、排気弁7、3ポート弁10)に削減されることで、従来の脈波計測装置における制御回路を簡略な構成の制御回路に置換えることができる。そのため、コストダウン効果をより大きくできる。
[第2の実施の形態]
図12は、第2の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成の具体例を示す図である。
図12は、第2の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成の具体例を示す図である。
図12を参照して、第2の実施の形態にかかる脈波計測装置は、図1に示された第1の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成に加えて、ポンプ9の排気口91側に排気弁8を含み、排気弁8、ポンプ9の排気口91側、および3ポート弁10は、エアチューブ30を介して接続される。
図13〜図20は、第2の実施の形態にかかる脈波計測装置の主要部分を示す概略図であって、脈波計測装置の計測シーケンスにおける各部の動作と気体の流路とを説明する図である。なお、第2の実施の形態にかかる脈波計測装置での計測シーケンスは、図3に示された第1の実施の形態にかかる脈波計測装置における計測シーケンスと同様である。
図13は、電源投入直後である、ステップS3における各部の動作を説明する図である。
図13を参照して、電源投入直後、CPU1は、3ポート弁10を、初期状態の、ポンプ9の吸気口92側のままにして、排気弁7を開き、排気弁8を閉じる。また、ポンプ9の動作を停止状態のままとする。
図14は、計測シーケンスが開始された、ステップS5における負圧印加時の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図14に示されるように、ステップS5において、CPU1は排気弁7を閉じ、排気弁8を開ける。また、3ポート弁10をポンプ9の吸気口92側に切換える。その後、ポンプ9を動作させる。
これによって、カフ13からエアチューブ31,32、ポンプ9の吸気口92,排気口91、エアチューブ30および排気弁8を経由して外部までの流路が確立され、ポンプ9の吸気口92側のエアチューブ32,31の気体とカフ13内の気体とがエアチューブ30に送りこまれて外部に排気される。したがって、エアチューブ32,31内圧とカフ圧とは大気圧以下の負圧となり、カフ13の容積が減少していく。
図15は、ステップS7における、押圧開始時の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図15に示されるように、上記ステップS6において圧脈波センサ14の基準オフセット値が取得されると、ステップS7において、CPU1は排気弁7を開き、排気弁8を閉じる。また、3ポート弁10をポンプ9の排気口91側に切換えかえる。その後、ポンプ9を動作させる。
これによって、外部から排気弁7、エアチューブ32、ポンプ9の吸気口92、排気口91を経由し、エアチューブ30,31およびカフ13までの流路が確立され、エアチューブ30,31およびカフ13に気体(空気)が供給される。このため、エアチューブ30,31とカフ13とは加圧される。
図16〜図19は、ステップS9,10でのカフ圧を低下させる各ステップ(STEP1〜STEP4)における際の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
STEP1(図16)で、CPU1は排気弁7を閉じる。また、3ポート弁10をポンプ9の排気口91側のままにしてポンプ9の動作を停止する。したがって、エアチューブ30,31は閉じた状態となり、内部の圧力が保持される。
STEP2(図17)で、CPU1は排気弁7を開いて、エアチューブ32から外部への気体の流路を確立し、大気圧を導入する。したがって、エアチューブ32は外部に開放され、内部の圧力が大気圧となる。
STEP3(図18)で、CPU1は排気弁7を閉じる。したがって、エアチューブ32は閉じた状態となり、内部の圧力が大気圧に保持される。
STEP4(図19)で、CPU1は3ポート弁10をポンプ9の吸気口92側(エアチューブ32側)に切換える。したがって、エアチューブ32,31、およびカフ13が接続されて、閉じた状態となり、内部の圧力が均一になる。すなわち、カフ圧は、(エアチューブ31容積+カフ13容積)/(エアチューブ32容積+エアチューブ31容積+カフ13容積)の比で減圧される。
図20は、ステップS13において、カフ13内の気体を急速に排気し、圧脈波センサ14の押圧を解除する際の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図20に示されるように、ステップS13において、CPU1は排気弁7を開く。3ポート弁10をポンプ9の吸気口92側のままにして排気弁7を開くことで、カフ13からエアチューブ31,32および排気弁7を経由して外部への気体の流路が確立され、エアチューブ31,32,およびカフ圧が大気圧となる。したがって、動脈に対する圧脈波センサ14の押圧が解除される。
第1の実施の形態にかかる脈波計測装置では、上記ステップS5において、エアチューブ32,31およびカフ13内の気体がエアチューブ30に送りこまれる構成であったが、本実施の形態にかかる脈波計測装置では、図12に示される構成とすることで、上記ステップS5において、エアチューブ32,31およびカフ13内の気体が排気弁8を経由して外部に排気される。すなわち、本実施の形態にかかる脈波計測装置を、第1の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成(図1)に低価格な排気弁が1つ追加された構成(図12)とすることで、負圧印加時に、第1の実施の形態にかかる脈波計測装置よりも、ポンプ9にかかる負荷を低減できる。
[第3の実施の形態]
図22は、第3の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成の具体例を示す図である。
図22は、第3の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成の具体例を示す図である。
図22を参照して、第3の実施の形態にかかる脈波計測装置は、計測系の構成として、図1に示された第1の実施の形態にかかる脈波計測装置の構成のうち、排気弁7、ポンプ9、および3ポート弁10に替えて、カフ13とエアチューブ31を介して接続された負圧ポンプ17、加圧ポンプ18、微速排気弁24、および排気弁26を含んで構成される。さらに、負圧ポンプ17の排気口側に排気弁23、加圧ポンプ18の吸気口側に排気弁25が接続される。
制御回路22は、負圧ポンプ17、加圧ポンプ18、微速排気弁24、および排気弁23,25,26に接続されて、各部に対して制御信号を出力する。排気弁23,25,26は、制御回路22からの制御信号によって開閉が制御される電磁弁である。
負圧ポンプ17は、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、吸気口からエアチューブ31内の気体を導入して、排気口から排気弁23を介して大気中に排気する動作を行なう。加圧ポンプ18は、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、排気弁25を介して吸気口より外部気体を導入して、排気口からエアチューブ31内に排気する動作を行なう。微速排気弁24は、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、吸気口からエアチューブ31内の気体を導入して、排気量を調整しながら排気口から徐々に大気中に排気する動作を行なう。排気弁25は加圧ポンプ18の吸気口に、排気弁23は負圧ポンプ17の排気口に、および排気弁26はエアチューブ31に直接接続され、各々、制御回路22から入力される制御信号にしたがって、外部気体とエアチューブ31との間の流路を遮断/確立する動作を行なう。
図23〜図28は、第3の実施の形態にかかる脈波計測装置の主要部分を示す概略図であって、図3に示された脈波計測装置の計測シーケンスにおける各部の動作と気体の流路とを説明する図である。
本実施の形態にかかる脈波計測装置では、上記ステップS3において、CPU1は排気弁26を開にするよう制御信号を出力し、エアチューブ31およびカフ圧を大気圧とする。このときCPU1は、圧力センサ11に印加されている圧力、すなわち大気圧を、圧力センサアンプ12を経由してA/D変換器5でデジタル化された圧力値を読込んでRAM3に記録し、この圧力値以後のカフ圧力計測の基準圧力値とする。なお、電源オフ時にすでに排気弁26が開になっていてもよい。そして、ステップS4にて、操作部4に含まれる測定開始スイッチが押されると、以後の測定シーケンスが開始する。
図23は、負圧印加時である、上記ステップS5における各部の動作と気体の流路とを説明する図である。
図23を参照して、上記ステップS5では、CPU1は排気弁25,26および微速排気弁24を閉じ、排気弁23を開いて負圧ポンプ17を動作させる。これによって、カフ13からエアチューブ31、負圧ポンプ17の吸気口,排気口、および排気弁23を経由して外部への気体の流路が確立されて、ステップS3にて大気圧となったカフ13内に残留している気体は、エアチューブ31、負圧ポンプ17の吸気口,排気口、および排気弁23を経由して大気に排出される。したがって、エアチューブ31内圧とカフ圧とは大気圧以下の負圧となり、カフ13の容積が減少していく。
カフ圧が所定の負圧値まで至ると、CPU1は排気ポンプ17を停止させ排気弁23を閉じる。カフ13の容積は所定容量となり、これに伴い、カフ13に接続された圧脈波センサ14が被計測者の皮膚表面から離れる。
図24は、加圧時である、上記ステップS7における各部の動作と気体の流路とを説明する図である。
図24を参照して、上記ステップS7では、CPU1は排気弁25を開き加圧ポンプ18を動作させる。これによって、外部から排気弁25、加圧ポンプ18の吸気口,排気口、およびエアチューブ31を経由してカフ13までの流路が確立され、エアチューブ31およびカフ13に気体が供給される。このため、エアチューブ31とカフ13とは加圧される。
図25〜図27は、ステップS9,S10でのカフ圧を低下させる各ステップ(STEP1〜STEP3)における各部の動作および気体の流路を説明する図である。
STEP1(図25)で、CPU1はすべての排気弁23,25,26と微速排気弁24とを閉じ、負圧ポンプ17と加圧ポンプ18とは停止する。したがって、エアチューブ31は閉じた状態となり、内部の圧力が保持される。
STEP2(図26)で、CPU1は微速排気弁24を開いて、カフ13からエアチューブ31および微速排気弁24を経て外部への気体の流路を確立し、カフ13内の気体を外部に排出する。その際、CPU1は微速排気弁24のオンオフ制御もしくはデューティ制御を行なうことによって、排出する気体の流量を細かく調整することが可能であり、カフ13の減圧を細かく調整できる。なお、微速排気弁24としては、排気用の弁に替えて、オンオフ制御で所定の微小圧力ステップの減圧制御が可能な簡易な構造の排気弁が用いられてもよい。
STEP3(図27)で、CPU1はすべての排気弁23,25,26と微速排気弁24とを閉じ、負圧ポンプ17と加圧ポンプ18とを停止する。したがって、STEP1と同様にエアチューブ31は閉じた状態となり、内部の圧力が保持される。
カフ圧がステップS8で決定された所定値に達するまで、上記STEP3で内圧が保持された状態よりSTEP2の減圧動作が繰返される(ステップS10)。
ステップS11では、CPU1はSTEP3(図27)の状態を保持して、カフ圧を保持し、ステップS12において、圧脈波を計測する。そして、上記ステップS11,12の計測を所定の時間を行なった後に、ステップS13において、CPU1は、動脈に対する圧脈波センサ14の押圧を解除する。
図28は、ステップS13において、カフ13内の気体を急速に排気し、圧脈波センサ14の押圧を解除する際の各部の動作および気体の流路を説明する図である。
図28を参照して、ステップS13でCPU1は排気弁26を開き、カフ13からエアチューブ31および排気弁26を経由して外部への気体の流路を確立し、エアチューブ31およびカフ13内の気体を外部に開放してエアチューブ31内圧およびカフ圧を大気圧とする。したがって、動脈に対する圧脈波センサ14の押圧が解除される。
[変形例]
なお、使用する排気ポンプの種類によっては、推奨される使い方が、吸気口側の圧力を排気口側の圧力よりも低いこととなっている場合がある。これは排気ポンプ内に設けられている逆止弁が、吸気口側の圧力が排気口側の圧力よりも高くなると、逆流状態となり、排気ポンプの構造によってはこのような逆流が都合悪い場合があるためである。
なお、使用する排気ポンプの種類によっては、推奨される使い方が、吸気口側の圧力を排気口側の圧力よりも低いこととなっている場合がある。これは排気ポンプ内に設けられている逆止弁が、吸気口側の圧力が排気口側の圧力よりも高くなると、逆流状態となり、排気ポンプの構造によってはこのような逆流が都合悪い場合があるためである。
上記ステップS7〜S12において負圧ポンプ17の吸気口側の圧力が排気口側の圧力よりも高くなる可能性がある。このような事態に対処するために、排気弁23と負圧ポンプ17の排気口との間の容積を可能な限り小さくすることが好ましい。このようにすることで、逆流する気体の流量が低減でき、上記不具合を防止できる。
また、この他の対処としては、上記ステップS7での加圧時にCPU1は排気弁23を閉じ、負圧ポンプ17を動作させるようにすることが好ましい。このようにすることで、排気弁23と負圧ポンプ17の排気口との間の圧力を負圧ポンプ17の吸気口側の圧力よりも高くすることができ、上記不具合を回避できる。
このように、本実施の形態にかかる脈波計測装置は、圧脈波センサが不用意に突出して故障しないような機能を実現するための構成、および/または圧脈波センサの基準オフセット値を取得するための構成として、高価な部品である3ポート弁に替えて平易な構造であって3ポート弁よりも廉価な構成要素を利用し、吸気口側に電磁弁を接続した加圧ポンプの排気側と、排気口側に電磁弁を接続した排気ポンプの吸気側と、制御排気弁を接続した流路抵抗と、急速排気弁と、カフとを接続する構成とする。この構成によって、従来の構成よりも価格を低減することを可能としている。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、圧脈波センサが取付けられた空気袋を膨らませて圧脈波センサの生体動脈への押圧を増加させる方法を採用した脈波計測装置において、製造コストを抑えてコストダウンを実現するために有利に用いられ得る。
1 CPU、2 ROM、3 RAM、4 操作部、5 A/D変換器、6 表示部、7,8 排気弁、9 ポンプ、10 3ポート弁、11 圧力センサ、12 圧力センサアンプ、13 カフ、14 圧脈波センサ、15 マルチプレクサ、16 圧脈波センサ用アンプ、17 負圧ポンプ、18 加圧ポンプ、19,23,25,26 排気弁、20,21 3ポート弁、22 制御回路、24 微速排気弁、30,31,32 エアチューブ、91 排気口、92 吸気口。
Claims (16)
- 生体の動脈上に押圧される圧力センサ(14)と、
前記圧力センサを押圧するための押圧部(13)と、
前記押圧部により押圧される前記圧力センサに対する押圧レベルを変化させる過程で前記圧力センサより出力される圧力情報に基づいて前記動脈から発生する脈波を計測する脈波計測部(1)と、
気体収容部を含み、前記気体収容部中の気体の圧力を用いて前記圧力センサに対する前記押圧レベルを調整する押圧調整部(30,31,32)と、
前記気体収容部に気体を供給する供給部(9,18)と、
開くことで前記気体収容部と外部との間で気体を出入れし、閉じることで前記気体収容部と外部との間の気体の出入れを遮断する弁(7,22,23)を含み、外部と前記気体収容部との間の気体の流路を調整する流路制御部(22)とを備える、脈波計測装置。 - 前記気体収容部(31)の気体を外部に排気する排気部(17)をさらに含み、
前記弁は、前記供給部(18)の外部の気体を吸気する吸気側に接続される第1弁(22)と、前記排気部の外部へ気体を排気する排気側に接続される第2弁(23)とを含み、
前記流路制御部は、前記第1弁および前記第2弁の開閉と、前記供給部および前記排気部の動作とを制御することで、外部と前記気体収容部との間の気体の流路を調整する、請求項1に記載の脈波計測装置。 - 前記押圧調整部において前記圧力センサを前記生体の表面より離す際、前記流路制御部は、前記供給部の動作を停止し、前記排気部を動作するように制御し、前記第1弁を閉じ、前記第2弁を開けるよう制御することで、前記気体収容部から前記排気部および前記第2弁を経由して外部への第1流路を確立し、前記気体収容部中の気体を排気する、請求項2に記載の脈波計測装置。
- 前記押圧調整部において前記押圧部で前記圧力センサを押圧させる際、前記流路制御部は、前記供給部を動作するように制御し、前記第1弁を開け、前記第2弁を閉じるよう制御することで、外部から前記第1弁および前記供給部を経由して前記気体収容部への第2流路を確立し、前記気体収容部に気体を供給する、請求項2に記載の脈波計測装置。
- 前記押圧調整部において前記押圧部で前記圧力センサを押圧させる際、前記流路制御部は、さらに、前記排気部を動作するように制御する、請求項4に記載の脈波計測装置。
- 前記気体収容部の気体を排気量を調整しながら外部に排気する微速排気部(24)をさらに含み、
前記押圧調整部において前記圧力センサに対する前記押圧レベルを調整する際、前記流路制御部は、前記供給部および前記排気部の動作を停止し、前記微速排気部を動作するように制御し、前記第1弁および前記第2弁を閉じるよう制御することで、前記気体収容部から前記微速排気部を経由して外部への第3流路を確立し、前記気体収容部中の気体を排気する、請求項2に記載の脈波計測装置。 - 前記流路制御部は、前記気体収容部内圧が所定圧力になるまで、前記第3流路の確立と前記気体収容部の閉鎖とを繰返す、請求項6に記載の脈波計測装置。
- 前記弁は、前記気体収容部に接続される第3弁(19)をさらに含み、
前記押圧調整部において前記圧力センサを前記生体より開放する際、前記流路制御部は、前記供給部および前記排気部の動作を停止するように制御し、前記第1弁および前記第2弁を閉じ、前記第3弁を開けるよう制御することで、前記気体収容部から前記第3弁を経由して外部への第4流路を確立し、前記気体収容部中の気体を排気する、請求項2に記載の脈波計測装置。 - 前記気体収容部は一定容量の第1気体収容部(31)、第2気体収容部(32)、および第3気体収容部(33)を含み、
前記押圧調整部は、前記第1気体収容部中の気体の圧力を用いて前記圧力センサに対する前記押圧レベルを調整し、
前記供給部(9)は前記第2気体収容部と前記第3気体収容部との間に設置されて、前記第3気体収容部中の気体を吸気して前記第2気体収容部に排気することで前記第2気体収容部に気体を供給し、
前記弁は、開くことで前記第3気体収容部と外部との間(7)で気体を出入れし、閉じることで前記第3気体収容部と外部との間の気体の出入れを遮断する第1弁(7)を含み、
前記流路制御部は、前記第1気体収容部が前記第2気体収容部を介して前記供給部の排気側に接続された第1接続状態と、前記第1気体収容部が前記第3気体収容部を介して前記供給部の吸気側に接続された第2接続状態とを切換える切換部(10)をさらに含み、前記第1気体収容部、前記第2気体収容部、および前記第3気体収容部の間の気体の流路を調整する、請求項1に記載の脈波計測装置。 - 前記切換部は、前記第1気体収容部に接続されて気体を出入れする第1ポートと、前記第2気体収容部に接続されて気体を出入れする第2ポートと、前記第3気体収容部に接続されて気体を出入れする第3ポートとを有する3ポート弁である、請求項9に記載の脈波計測装置。
- 前記押圧調整部において前記圧力センサを前記生体の表面より離す際、前記流路制御部は、前記第1ポートを前記第3ポートに接続して前記第2接続状態とするよう前記3ポート弁を制御し、前記供給部を動作するように制御し、前記第1弁を閉じるよう制御することで、前記第1気体収容部から前記第3気体収容部を経由して前記第2気体収容部への第1流路を確立し、前記第1気体収容部中の気体を排出する、請求項10に記載の脈波計測装置。
- 前記押圧調整部において前記押圧部で前記圧力センサを押圧させる際、前記流路制御部は、前記第1ポートを前記第2ポートに接続して前記第1接続状態とするよう前記3ポート弁を制御し、前記供給部を動作するように制御し、前記第1弁を開けるよう制御することで、外部から前記第3気体収容部および前記第2気体収容部を経由して前記第1気体収容部への第2流路を確立し、前記第1気体収容部に気体を供給する、請求項10に記載の脈波計測装置。
- 前記押圧調整部において前記圧力センサに対する前記押圧レベルを調整する際、前記流路制御部は、前記第1ポートを前記第2ポートに接続して前記第1接続状態とするよう前記3ポート弁を制御し、前記供給部の前記動作を停止するように制御し、前記第1弁を開けるよう制御することで、前記第3気体収容部から外部への第3流路を確立し、前記第3気体収容部内圧を大気圧とした後、前記第1弁を閉じ、前記第3気体収容部を閉鎖してから、前記第1ポートを前記第3ポートに接続して前記第2接続状態とするよう前記3ポート弁を制御し、前記供給部の前記動作を停止するように制御することで、前記第1気体収容部から前記第3気体収容部への第4流路を確立し、前記第1気体収容部内圧を減圧する、請求項10に記載の脈波計測装置。
- 前記流路制御部は、前記第1気体収容部内圧が所定圧力になるまで、前記第3流路の確立と、前記第3気体収容部の閉鎖と、前記第4流路の確立とを繰返す、請求項13に記載の脈波計測装置。
- 前記押圧調整部において前記圧力センサを前記生体より開放する際、前記流路制御部は、前記第1ポートを前記第3ポートに接続して前記第2接続状態とするよう前記3ポート弁を制御し、前記供給部の前記動作を停止するように制御し、前記第1弁を開けるよう制御することで、前記第1気体収容部から前記第3気体収容部を経由して外部への第5流路の確立し、前記第1気体収容部中の気体を排出する、請求項10に記載の脈波計測装置。
- 前記弁は、開くことで前記第2気体収容部と外部との間で気体を出入れし、閉じることで前記第2気体収容部と外部との間の気体の出入れを遮断する第2弁(8)をさらに含み、
前記押圧調整部において前記圧力センサを前記生体の表面より離す際、前記流路制御部は、前記第1ポートを前記第3ポートに接続して前記第2接続状態とするよう前記3ポート弁を制御し、前記供給部を動作するように制御し、前記第1弁を閉じるよう制御し、前記第2弁を開けるよう制御することで、前記第1気体収容部から前記第3気体収容部、および第2気体収容部を経由して外部への第6流路を確立し、前記第1気体収容部中の気体を排出する、請求項10に記載の脈波計測装置。
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