JP2020102369A - 金属空気電池 - Google Patents

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彩乃 小出
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Abstract

【課題】金属極のリード線が接続される領域の異種金属接触腐食を効果的に抑制する、金属空気電池の提供。【解決手段】金属極15は、金属極本体15Xと、金属極本体15Xから突出し、リード線52が接続されるタブ部15ARとを備え、タブ部15ARとリード線52とが接続される接続箇所、及びタブ部15ARの端面のうち接続箇所に最も近接する近接箇所は、腐食防止されている。【選択図】図3

Description

本発明は、金属空気電池に関するものである。
空気極と金属極とを備え、内部に電解液が注液される金属空気電池が知られている。この種の金属空気電池には、金属極を長方形形状にし、金属極の裏全面を電気絶縁性塗料で被覆すると共に、空気極と対向する対向面を斜めに横断する領域が残存するように、電気絶縁性塗料で被覆したり、遮蔽体で遮蔽したりすることによって、放電末期に金属極の下部が孤立して起電反応に寄与できなくなる事態を防止する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、この種の金属空気電池には、金属極が集電体として機能を失った時点が電池の寿命であることに着目し、金属極の隣接する電池と密着する側の面を導電性材料で被覆することによって、単電池同士の接触部における異種金属接触腐食(ガルバニック腐食又は電食とも称する)を防止する技術も開示されている(例えば、特許文献2)。
特開昭56−15566号公報 特許第5737727号公報
しかし、特許文献1、2のいずれも金属極の端面の腐食防止に関する記載がない。特許文献1の技術では、長方形形状の金属極の上側角部に接続線(リード線に相当)の取出部を設けているので、端面の表面積が大きく、放電時に端面の腐食が進み、電圧挙動に異常が生じるおそれがある。特に、金属極をプレス加工の1つである打ち抜き加工によって製作した場合、端面が凹凸を有する粗い面となり、端面の腐食がより進行し易くなる。
特許文献2の技術は、隣接する単電池同士を密着させ、かつ、密着する側の面を導電性材料で被覆する必要があるため、構成の複雑化やコストの増大を招き易い、といった課題もある。
そこで、本発明は、金属極のリード線が接続される領域の異種金属接触腐食を効果的に抑制することを目的としている。
上述した課題を解決するため、空気極と金属極とを備え、内部に電解液が注液される金属空気電池において、前記金属極は、金属極本体と、前記金属極本体から突出し、リード線が接続されるタブ部とを備え、前記タブ部と前記リード線とが接続される接続箇所及び前記タブ部の端面のうち前記接続箇所に最も近接する近接箇所は、腐食防止されていることを特徴とする。
また、上記構成において、前記近接箇所は、前記タブ部の端面のうち、前記リード線の前記芯線に近接する領域を含むことを特徴とする。
また、上記構成において、前記タブ部の端面は、前記タブ部の前面及び後面よりも粗い面に形成され、前記端面のうち、前記リード線の前記芯線に近接する箇所を除く領域は、腐食防止されることなく金属面が露出することを特徴とする。
また、上記構成において、前記リード線の芯線には端子が設けられ、前記近接箇所は、前記タブ部の端面のうち、前記端子に近接する箇所であることを特徴とする。
また、上記構成において、前記端子を前記タブ部に接触させた状態で前記端子と前記タブ部とを接合する接合用部材を有し、前記接続箇所は、前記接合用部材に対応する領域を含むことを特徴とする。
また、上記構成において、前記金属極は、マグネシウム合金製の板材であることを特徴とする。
本発明によれば、金属極のリード線が接続される領域であるタブ部の異種金属接触腐食を効果的に抑制できる。
本発明の実施形態に係る金属空気電池10の斜視図である。 金属極を周辺構成と共に前面側から示した図である。 金属極を前面側から見た図である。 タブ部とリード線の接続箇所を前側から見た図である。 タブ部とリード線の接続箇所を側方から見た図である。 実施例及び比較例の金属極を示した図である。 実施例及び比較例の電圧−容量特性を示した図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る金属空気電池10の斜視図である。
金属空気電池10は、電槽11(外装体とも称する)に二枚の空気極13A、13Bと一枚の金属極15とを配置し、電槽11内に電解液が注液されることによって発電を開始する一次電池である。発電時には、空気極13A、13Bが正極として機能し、金属極15が負極として機能する。
本説明において、上下左右等の各方向は、金属空気電池10を使用するときの方向の一例であり、図1等に示す符号Xは前方向を示し、符号Yは右方向を示し、符号Zは上方向を示している。X方向は空気極13A、金属極15及び空気極13Bの並び方向と一致している。なお、設置状況によって各方向は変更される場合もある。
電槽11は、薄型の直方体形状であり、所定のシート材を折り曲げることによって、電槽11の底面を構成する底板部21と、前面を構成する前壁部22と、後面を構成する後壁部23と、左右側面を構成する左右の側壁部(左壁部、右壁部)24と、上面を構成する上板部25とが形成されている。
前壁部22及び後壁部23は、前後方向に間隔を空けて平行に配置され、電槽11の中で最も大きい面に形成される。前壁部22及び後壁部23のそれぞれには、形状及びサイズが同じ矩形の開口部22Kが形成される。前壁部22の開口部22Kは、矩形の空気極13Aで覆われ、後壁部23の開口部22Kは、矩形の空気極13Bで覆われる。
電槽11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、紙、又は樹脂を用いることが可能である。電槽11を紙にする場合には、基材を構成する紙の表面にフィルムを設けたシート材が用いられ、具体例を挙げると、熱融着性樹脂(例えば、ポリエチレン(PE))で少なくとも内面がラミネート加工されたラミネート紙を用いることが可能である。ラミネート加工を施すことで、電解液の漏出等を防止することが可能である。
空気極13A、13Bは、同一形状及び同一サイズで形成され、金属極15の両側にそれぞれ配置されている。各空気極13A、13Bは、外部の空気を電槽11内に通気可能にする通気性、及び電解液を漏らさない非透液性を有する部材であり、集電体を構成する矩形状の銅メッシュ(集電体とも言う)の両面に、触媒層を構成する触媒シートを圧迫(プレス)等により一体化して形成される。
各空気極13A、13Bは、電槽11に設けられた開口部22Kを介して電槽11内に露出するので、各開口部22K内の領域が実質的に空気極13A、13Bとして機能する部分となる。なお、非透液性については、非透液性を有するシートを別途設けて確保してもよい。
上記集電体は、多孔質集電体であり、矩形状の銅メッシュ(銅の網状体)にすることで、良好な通気性を有する。なお、上記集電体は銅に限定されず、鉄、ニッケル及び真鍮等の他の金属でもよい。また、メッシュ(網状体)からなる多孔構造に限定されず、メッシュ以外の通気性を有する多孔構造を広く適用可能である。特に銅メッシュが電池特性とコストの両面において好適である。
上記触媒シートは、導電剤及び/または触媒と有機物バインダとを含む水で混練したペーストを、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルム(以下、PETフィルムと言う)で挟み、ローラープレス機でプレスしてシート状にし、乾燥工程を経て作製される。上記導電剤は、カーボンパウダー、銅又はアルミニウム等の金属材料、又はポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料等を用いることができる。なお、カーボンパウダーは、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンの粉末が好ましい。上記有機物バインダは、高分子ディスパージョンであり、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン(登録商標)等のフッ素系樹脂、又はポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂が好適である。触媒として、酸素の還元・酸化反応を効率良く行うための触媒が好ましく、白金、コバルトや二酸化マンガン等の金属や酸化物などを使用しても良い。また、空気極13A、13Bは上記構成に限らず、公知の構成を広く適用可能である。
図2は金属極15を周辺構成と共に前面側から示した図である。図2中、符号ULは、電槽11内に電解液を注液した場合の電解液の液面を示している。
本構成では、左右一対の支持部材30とともに金属極15を電槽11内に挿入した場合に、支持部材30によって金属極15が電槽11に位置決めされる。
左右一対の支持部材30は同一部品で形成されており、より具体的には、各支持部材30は、金属極15に着脱自在に装着されて上下方向(Y方向)に延びる支持部材本体31と、支持部材本体31から張り出して電槽11の内面に当接する複数(本例では4個)の当接部41とを備えている。各当接部41は、支持部材本体31から前方(+X方向)に向けて張り出す上下一対の前側張り出し部42と、支持部材本体31から後方(−X方向)に張り出す上下一対の後側張り出し部43とを一体に備えている。
支持部材30を電槽11内に挿入した際に、支持部材30の前側張り出し部42の突出面が前壁部22に当接し、後側張り出し部43の突出面が後壁部23に当接することで、支持部材30に支持された金属極15の前後位置が位置決めされる。また、前側張り出し部42は、左右外側にも張り出して電槽11の側壁部24に当接し、金属極15の左右位置を位置決めする。これによって、金属極15の前後位置及び左右位置が電槽11に位置決めされる。また、左右一対の支持部材30は、金属極15を電槽11の底板部21から浮かして支持する。
金属極15は、左右一対の支持部材30によって電槽11内に支持され、各空気極13A、13Bと対向し、かつ、各空気極13A、13Bと平行に配置される。金属極15にはマグネシウム合金製の板材が使用され、電解液には塩化ナトリウム水溶液が使用される。つまり、本実施形態の金属空気電池10はマグネシウム空気電池である。マグネシウム空気電池は、電解液に海水を用いたり、水道水に塩を混合した液体を用いたりすることができるので、電解液の調達が容易である。なお、電槽11の内部に、電解質である塩化ナトリウムを収容した袋体を予め配置し、水道水等の水を注液するだけで発電するように構成してもよい。
電解液中の塩化ナトリウムの質量は、溶媒の質量に対し4%〜18%が好ましい。4%未満では電解質不足により、液抵抗が大きく電池としての性能が見込めず、18%を超えると、放電に伴い電解液が徐々に蒸発し食塩が析出してしまい抵抗となり、電池としての性能が見込めないためである。
なお、電解液に添加剤として、芳香化合物や防虫成分を有するイカリジンの化合物を添加することも可能である。これら添加剤は、マグネシウム空気電池の放電時に発生する気体と共に気化し外部に放出され、使用場所や使用状況に応じて、電解液の添加剤を適宜選択し使用することが可能である。
図3は金属極15を前面側から見た図である。
金属極15は、矩形板状の金属極本体15Xと、金属極本体15Xから突出する左右一対のタブ部15AL、15ARとを備える。左右一対のタブ部15AL、15ARは、金属極本体15Xから左右に間隔を空けて上方に突出する金属板部分であり、電解液の液面ULよりも上方に位置する(図2参照)。一対のタブ部15AL、15ARのいずれか一方(本実施形態ではタブ部15AR)が、リード線52を接続する配線接続部として使用される。
金属極本体15Xは、空気極13A、13Bと対向する部分である。この金属極本体15Xは、タブ部15AL、15ARが形成される左右の側部15Aと、これら側部15Aの間の中央部15Cを有している。中央部15Cは空気極13で覆われる矩形の開口部22K(図1参照)と対向する領域と一致している。
この金属極15は、一枚の金属板(本構成ではマグネシウム合金の板)を打ち抜いて製作される。図3に示すように、金属極15の左右下端部には、上方に切り欠かれた切り欠き部15A2が形成され、各切り欠き部15A2の外形状はタブ部15AL、15ARの外形状と一致する。つまり、金属極15の上面と下面とは同一形状に形成され、一枚の金属板から金属極15を打ち抜く際に、隙間を空けずに連続で金属極15を打ち抜くことが可能になる。
なお、金属極15を打ち抜き加工によって製作する方法に限定されず、打ち抜き加工を含む公知のプレス加工を広く適用して製作してもよい。打ち抜き加工以外としては、せん断加工、切断加工、研磨加工、又はブランキング等が挙げられる。このように打ち抜き加工等のプレス加工によって金属極15を製作した場合、タブ部15ARを含む金属極15の端面は切断面となり、金属極15の前面及び後面よりも粗い面となる。
次いで、タブ部15ARとリード線52の接続構造を説明する。
図4はタブ部15ARとリード線52の接続箇所を前側から見た図であり、図5は側方から見た図である。なお、説明の便宜上、接続箇所を符号60を付して示す。
図4に示すように、リード線52の先端からは芯線52Sが露出し、露出した芯線52Sには端子52Tが取り付けられ、この端子52Tが接合用部材61を介してタブ部15ARに接合される。芯線52Sは、例えばニッケル線の表面に銅をコーティングした線である。また、図4では、端子52Tに丸型の圧着端子を用いているが、先端が開放したいわゆるクワ型、丸型、Y型の端子等の公知の端子を広く適用可能である。
また、図4及び図5では、接合用部材61に鳩目金具(ハトメ金具、又は単に鳩目、ハトメとも称する)を用いている。鳩目金具は、一端が拡径する筒形状を有しており、他端側の先端を、端子52T及びタブ部15ARに設けられた孔に挿通した後、公知の方法でかしめることによって、端子52Tとタブ部15ARとが接合される。この場合、端子52Tとタブ部15ARとは密着した状態となる。なお、鳩目金具に代えて、ネジ等の締結部材、又はリベット等の公知の他の接合用部材を使用してもよい。
端子52T及び接合用部材61は、アルミニウム合金、又は黄銅といった軽金属、又は鋼材等の金属材で形成されており、つまり、マグネシウム合金製のタブ部15ARとは異なる金属材で形成されている。
ところで、図2に示すように、リード線52とタブ部15ARの接続箇所60は、電解液の液面ULよりも上に配置される。しかし、電槽11内に電解液を注液した場合、放電反応によって発生したガスによって電解液の一部が飛散し、接続箇所60及びその周囲に付着するおそれがある。
特にマグネシウム空気電池は、放電反応中に電解液から水素ガスが発生するため、電解液界面が波打つことなどから電解液の一部が飛散し易い傾向がある。
また、電槽11を大きく傾けた状態で注液する等の意図しない方法で注液された場合にも、電解液が接続箇所60又はその周囲に付着するおそれがある。
電解液が接続箇所60等に付着すると、タブ部15ARのマグネシウム合金と、その周囲の端子52Tの金属との間に標準電極電位の電位差(イオン化傾向の差)に起因する局部電池が形成され、タブ部15AR等に異種金属接触腐食が生じるおそれがある。
電解液が接続箇所60等に付着すると、タブ部15ARのマグネシウム合金と、その周囲の端子52Tの金属との間に標準電極電位の電位差(イオン化傾向の差)に起因する局部電池が形成され、タブ部15AR等に異種金属接触腐食が生じるおそれがある。
この種の電池ではこれまでタブ部15ARから腐食が始まると言われてきた。発明者等が更に検討したところ、タブ部15ARと端子52Tとが接触する部分に加え、タブ部15ARの端面の腐食が進むことが判った。タブ部15ARの端面の腐食が進みやすい理由は、端面は金属極15の前面及び後面よりも粗い面となり、表面積が大きいことに起因すると考えられる。また、飛散した電解液がタブ部15ARの端面と端子52Tとの間の狭い隙間に入り込むことも要因の1つと考えられる。
そこで、発明者等は、図4及び図5に腐食防止箇所(クロスハッチングを付した箇所)を示すように、タブ部15ARの前面及び背面のうち、少なくとも接続箇所60と、タブ部15ARにおける接続箇所60に最も近接する近接箇所65とに対応する領域を、異種金属接触腐食を防止可能に腐食防止することで、タブ部15ARの異種金属接触腐食を抑制するようにした。
クロスハッチングで示す腐食防止箇所は、腐食防止材で覆う箇所(コーティング箇所とも称する)に相当する。腐食防止材は、防錆剤、又はバスコーク(セメダインバスコーク(登録商標)とも言う)等のシリコン系シーリング材である。なお、腐食防止材は、腐食防止機能を有する公知の他の材料でもよく、バスコーク以外のシーリング材や接着材でもよい。
また、腐食防止箇所を腐食防止材で覆う方法は、特に限定されるものではないが、噴射、浸漬、及び、刷毛による塗布等の公知の塗布法を適用可能である。
図4に示すように、接続箇所60では、タブ部15ARのうち、接続箇所60に位置する端子52T及び接合用部材61に対応する領域を腐食防止材で覆うことで、接続箇所60での異種金属接触腐食(以下、単に「腐食」と言う)を十分に抑制できた。なお、腐食防止材で覆う接続箇所60は、タブ部15ARに限定しなくてもよい。例えば、端子52T及び接合用部材61も腐食防止材で覆うようにすることで、端子52T及び接合用部材61の腐食を抑え、ひいてはタブ部15ARの腐食をより抑制可能である。腐食防止材で覆う箇所は、適宜に拡げてもよい。
さらに、同図4に示すように、外部に露出する芯線52Sについても腐食防止材で覆うことが好ましい。
また、図5に示すように、近接箇所65においては、タブ部15ARの端面(図5中、符号15Tで示す)のうち、端子52Tに近接する領域を腐食防止材で覆うことで、タブ部15ARの端面15Tの腐食を抑制できた。換言すると、タブ部15ARの端面15Tのうち、リード線52の先端に露出する芯線52Sに近接する領域を腐食防止材で覆うことで、端面15Tの腐食を抑制できた。なお、腐食防止材で覆う箇所は、図5に符号×で示す位置に限定されず、端子52T及び/又は芯線52Sに近接する他の位置を含んでもよい。
次に本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
図6は実施例1〜3及び比較例1、2の金属極15を示した図である。
実施例1〜3及び比較例1、2は、金属極15の腐食防止箇所が異なる点以外は同じ構成であり、具体的には、電槽11の内容積は700cm、空気極13A、13Bの離間距離は26mm、金属極15は略長方形形状(四辺が約150mm)で厚さ3mmである。
図6に示すように、実施例1は、金属極15の全ての端面と、タブ部15ARの前後面とを溶剤希釈型防錆剤で保護した。溶剤希釈型防錆剤は筆を用いて手動で塗布した。
実施例2は、金属極15のタブ部15ARの端面と、タブ部15ARの前後面とを実施例1と同じ溶剤希釈型防錆剤で保護した。溶剤希釈型防錆剤の塗布方法は実施例1と同じである。
実施例3は、金属極15のタブ部15ARの端面と、タブ部15ARの前後面とをバスコークで保護した。バスコークは、30mm×50mmで厚さ2mmのプラスチック製の板を用いて手動で塗布した。
比較例1は、金属極15の端面は保護せず、タブ部15ARの前後面だけを実施例1等と同じ溶剤希釈型防錆剤で保護した。溶剤希釈型防錆剤の塗布方法は実施例1等と同じである。
比較例2は、金属極15のタブ部15ARから離れた場所の端面(左右の側部15A間の端面)と、タブ部15ARの前後面だけを実施例1等と同じ溶剤希釈型防錆剤で保護した。溶剤希釈型防錆剤の塗布方法は実施例1等と同じである。
これら実施例1〜3及び比較例1、2に対し、常温環境下で、10%塩化ナトリウム水溶液の電解液を650ml注液し、定電流6.0Aで放電を行い、容量を算出する実験を行った。なお、カットオフ電圧は0.5Vとした。さらに、放電終了後に解体し、タブ部15ARの腐食の有無を目視で確認した。腐食の有無は、接合用部材61として機能する鳩目金具の変色の有無で判断した。この実験により得られた電圧−容量特性を図7に示し、腐食の有無、及び保護に要する時間を表1に示している。
Figure 2020102369
表1に示すように、タブ部15ARの端面を保護していない比較例1及び2は、タブ部15ARの腐食が確認されると共に、実施例1〜3と比べて容量が少なくなることが確認された。
容量が少ない理由は、タブ部15ARの腐食の影響によりタブ部15ARの接続不良が発生し、放電が早く終了したためと考えられる。また、比較例1と比べ、比較例2の容量が少なくなった理由は、タブ部15ARから離れた場所の端面が保護されていると、保護されていない端面の腐食の進行速度が早まり、タブ部15ARに腐食が到達する時間が早まったためと考えられる。
図7に示すように、比較例1及び2は放電初期に大きな電圧降下が確認されたことから放電初期より腐食が始まっていることが推察される。
一方、実施例1〜3は、タブ部15ARの腐食が確認されず、放電末期まで安定した電圧を維持することが確認された。実施例1〜3の容量の違いは誤差範囲であり、実施例1〜3では同程度の容量が得られたものと判定できる。
実施例1と実施例2の違いは、金属極15の全ての端面を保護しているか、タブ部15ARの端面だけを保護しているかの違いであり、いずれも十分な腐食防止効果が得られることを確認した。
表1に示すように、腐食防止に要する時間は、実施例1〜3のうち、実施例2が最も短く、次に実施例3が短く、実施例1が最も時間が長くなった。この時間は、腐食防止材の使用量にも比例している。以上の傾向は、金属極15の枚数が多いほど顕著となることは明らかである。
従って、製作時間の短縮、及び腐食防止材の使用量低減の観点からは、実施例2が最も有利である。但し、実施例2と実施例3とは腐食防止材が異なるだけであり、腐食防止材の選択に応じて実施例2又は実施例3のいずれかを採用すればよい。また、腐食防止材の塗布方法に、ディッピング装置を用いた浸漬法、又はスプレー塗布を用いた場合に、実施例1を採用することが考えられる。
なお、実施例1〜3では、タブ部15ARの前後面の全体を腐食防止材で保護しているが、図4に示したように、タブ部15ARの前後面のうち、端子52T及び接合用部材61に対応する領域だけを腐食防止材で覆うようにしてもよい。つまり、実施例1〜3に限定されず、腐食防止材で覆う箇所は狭めてもよいし、拡げてもよく、要は十分に腐食を抑制できればよい。
以上説明したように、本実施形態では、タブ部15ARとリード線52とが接続される接続箇所60、及びタブ部15ARの端面のうち接続箇所60に最も近接する近接箇所65を腐食防止しているので、金属極15のリード線52が接続される領域であるタブ部15ARの腐食を効果的に抑制できる。
ここで、接続箇所60は、電解液の液面UL(図2)よりも上方、かつ、放電反応時に飛散した電解液が付着する位置にあるので、飛散した電解液を介した異種金属接触腐食を十分に抑制できる。
また、近接箇所65は、端子52Tの端面15T(図5)のうち、端子52Tに近接する領域(芯線52Sに近接する領域に相当)を含むので、芯線52Sに設けられた端子52T及び/又は芯線52Sとタブ部15ARとの間で腐食が発生する事態を効果的に抑制できる。
また、タブ部15ARの端面は、タブ部15ARの前面及び後面よりも粗い面に形成され、実施例2及び3においては、金属極15の端面のうち、端子52Tに近接する領域(芯線52Sに近接する領域)を除く領域は、腐食防止されることなく金属面が露出するので、腐食防止材の使用量及び塗布時間の低減を図り易くなり、コスト低減に有利である。
また、端子52Tをタブ部15ARに接触させた状態で端子52Tとタブ部15ARとを接合する接合用部材61を有し、接続箇所60は、接合用部材61に対応する領域を含むので、接合用部材61とタブ部15ARとの間で腐食が発生する事態を効果的に抑制できる。
上記実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、端子52T及び接合用部材61を用いる場合を説明したが、端子52T及び接合用部材61を用いる構成に限定されない。例えば、リード線52をタブ部15ARに抵抗溶接等で接合してもよいし、リード線52をタブ部15ARに巻き付ける等して接続してもよい。
また、金属極15はマグネシウム合金に限らず、他の素材を用いてもよい。他の素材としては、例えば、亜鉛、鉄、アルミニウムなどの金属、又はこれらのいずれかを含む合金を挙げることができる。金属極15に亜鉛を用いる場合、電解液に水酸化カリウム水溶液を用いるようにすればよく、金属極15に鉄を用いる場合、電解液にアルカリ系水溶液を用いるようにすればよい。また、金属極15にアルミニウムを用いる場合には、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウムを含む電解液を用いるようにすればよい。また、図1に示す金属空気電池10に本発明を適用する場合を説明したが、これに限定されず、金属空気電池10の構成は適宜に変更してもよい。例えば、金属空気電池10を、空気極13A、13Bのいずれか一方を備えない構成にしてもよい。
10 金属空気電池
11 電槽
13A、13B 空気極
15 金属極
15X 金属極本体
15AL、15AR タブ部
15C 中央部
15T 端面
30 支持部材
52 リード線
52S 芯線
52T 端子
60 接続箇所
61 接合用部材
65 近接箇所
UL 電解液の液面

Claims (6)

  1. 空気極と金属極とを備え、内部に電解液が注液される金属空気電池において、
    前記金属極は、金属極本体と、前記金属極本体から突出し、リード線が接続されるタブ部とを備え、
    前記タブ部と前記リード線とが接続される接続箇所及び前記タブ部の端面のうち前記接続箇所に最も近接する近接箇所は、腐食防止されていることを特徴とする金属空気電池。
  2. 前記近接箇所は、前記タブ部の端面のうち、前記リード線の芯線に近接する領域を含むことを特徴とする請求項1に記載の金属空気電池。
  3. 前記タブ部の端面は、前記タブ部の前面及び後面よりも粗い面に形成され、
    前記端面のうち、前記リード線の前記芯線に近接する箇所を除く領域は、腐食防止されることなく金属面が露出することを特徴とする請求項2に記載の金属空気電池。
  4. 前記リード線の芯線には端子が設けられ、
    前記近接箇所は、前記タブ部の端面のうち、前記端子に近接する箇所であることを特徴とする請求項3に記載の金属空気電池。
  5. 前記端子を前記タブ部に接触させた状態で前記端子と前記タブ部とを接合する接合用部材を有し、
    前記接続箇所は、前記接合用部材に対応する領域を含むことを特徴とする請求項4に記載の金属空気電池。
  6. 前記金属極は、マグネシウム合金製の板材であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の金属空気電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015210910A (ja) * 2014-04-25 2015-11-24 古河電池株式会社 金属空気電池
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