以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本明細書においては、全体を通じて、同一の部材には同一の符号を付する。
[U字型部材据付システム]
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るU字型部材据付システム100について説明する。図1は、U字型部材据付システム100の構成を示す概略図である。
地盤1に溝を形成する際には、まず、バックホウ(図示しない)を用いて地盤1を溝状に掘削して窪み2を形成する。次に、窪み2の底面に砕石3を敷設する。次に、U字型部材据付システム100を用いて砕石3上にU字型部材5が据え付けられる基盤となる基礎材料4(例えば、砂及びセメント等を混合したもの)を敷設し、複数のU字型部材5を基礎材料4上に直列に据え付ける。U字型部材5は、断面がU字型に形成されたプレキャストコンクリート製の重量物であり、U字型部材据付システム100を用いて基礎材料4上に据え付けられる。その後、隣り合うU字型部材5は連続して設置されるが、隣り合うU字型部材5の間をモルタルで埋めるとともに、窪み2の側面とU字型部材5との間を土で埋め戻す(図示しない)。以上の手順により、溝が完成する。なお、U字型部材5は、一対の側壁部51,52と、一対の側壁部51,52の下端部を接続する底部53と、を有する。
本実施形態では、基礎材料4上に据え付けられた既設のU字型部材5の長手方向を前後方向(すなわち、図中においてX軸に沿う方向)とし、その幅方向を左右方向(すなわち、図中においてY軸に沿う方向)とし、その高さ方向を上下方向(すなわち、図中においてZ軸に沿う方向)とする。
本実施形態では、複数のU字型部材5を据え付ける据付方向は、前後方向である。すなわち、複数のU字型部材5は、前後方向に延在する直線状に据え付けられるが、これに限定されるものではなく、例えば、折れ線状や曲線状に据え付けられてもよい。このように、U字型部材5を据え付ける据付方向は、必ずしも直線状ではない。
図1に示すように、U字型部材据付システム100は、U字型部材5を溝に据え付けるU字型部材据付装置6と、未設のU字型部材5をU字型部材据付装置6に搬送する搬送装置としての車両7と、U字型部材据付装置6の後述する把持部644c(図2参照)の位置を測定する光波測量器等としてのトータルステーション8と、を備える。なお、U字型部材据付装置6の詳細については後述する。
車両7は、複数のU字型部材5が載置される載置部71と、載置部71に載置される未設のU字型部材5をU字型部材据付装置6に搬送するクレーン部72と、を有するトラックである。本実施形態では、搬送装置は、車両7により構成されるが、これに限定されるものではなく、例えば、バックホウ等により構成されてもよい。
トータルステーション8は、把持部644cや把持部644cに把持された未設のU字型部材5に取り付けられたプリズム等(図示しない)に向けて光波を照射し、プリズム等で反射した光波を受光することにより、把持部644cに把持された未設のU字型部材5の水平方向の位置を測定することができる。
[U字型部材据付装置]
次に、図2及び図3を参照して、U字型部材据付装置6について説明する。図2は、U字型部材据付装置6の構成を示す斜視図である。図3は、既設のU字型部材5にガイドされた被ガイド部613を示す背面図である。
図2に示すように、U字型部材据付装置6は、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を据え付ける装置である。U字型部材据付装置6は、既設のU字型部材5に亘ってガイドされる本体部61と、本体部61を既設のU字型部材5に沿って据付方向(すなわち、走行方向)に走行させる走行機構62と、本体部61に載置された未設のU字型部材5を本体部61に沿って移送する移送機構63と、移送機構63により所定の位置に移送された未設のU字型部材5を把持して下降させ、据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付ける据付機構64と、を備える。
これにより、本体部61は、走行機構62により既設のU字型部材5に沿って据付方向に走行するため、既設のU字型部材5を利用して本体部61を据付方向に走行させることができる。また、移送機構63により所定の位置に移送された未設のU字型部材5は、据付機構64により把持されて下降し、据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付けられるため、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を作業性よく据え付けることができる。なお、本体部61がガイドされる既設のU字型部材5は、その長手方向の長さが長いほど走行機構62による走行が安定する。よって、複数の既設のU字型部材5であることが好ましい。
また、U字型部材据付装置6は、U字型部材5が据え付けられる基盤となる基礎材料4を敷設する作業装置としての基礎材料敷設機構65を更に備える。
このように、U字型部材据付装置6は、U字型部材5を据え付ける据付機構64と、U字型部材5が据え付けられる基盤となる基礎材料4を敷設する基礎材料敷設機構65とを備えるので、U字型部材5を据え付ける工程及びU字型部材5を据え付ける工程の前に行われる基礎材料4を敷設する工程の全ては、単一のU字型部材据付装置6により行われる。これにより、U字型部材5の据え付け工程及び基礎材料4の敷設工程を含むU字型部材5を設置する作業の作業性を向上させることができる。また、U字型部材5の据付位置の精度を向上させることができる。
本体部61は、走行方向に延在して平行に設けられる一対のベースフレーム611と、一対のベースフレーム611を接続する2本の接続フレーム612(612a,612b)と、を有する。
一対のベースフレーム611は、左右方向にU字型部材5の幅(すなわち、U字型部材5の一端部からU字型部材5の他端部までの寸法)よりも大きい間隔を空けて設けられる。これにより、本体部61が既設のU字型部材5に亘ってガイドされた状態において、一対のベースフレーム611が既設のU字型部材5の一対の側壁部51,52から突出するようになっている。2本の接続フレーム612(612a,612b)は、本体部61の走行方向前端側に設けられる。
本体部61の走行方向後方部分は、既設のU字型部材5に支持される。具体的には、本体部61の走行方向後方部分は、既設のU字型部材5に回転可能に当接してガイドされる被ガイド部613を介して既設のU字型部材5に支持される。これにより、本体部61は、被ガイド部613により既設のU字型部材5にガイドされるため、本体部61は、走行機構62により既設のU字型部材5に沿って走行する。
図2及び図3に示すように、被ガイド部613は、一対のベースフレーム611に回転可能に支持されるロッド613aと、ロッド613aに設けられ既設のU字型部材5の一対の側壁部51,52の上端部上を転動する一対のゴム製の円筒ローラ613bと、を有する。
ロッド613aは、左右方向に延在してその両端が一対のベースフレーム611に支持される。また、ロッド613aは、一対の円筒ローラ613bを介して既設のU字型部材5の一対の側壁部51,52に支持される。これにより、本体部61は、被ガイド部613のロッド613a及び円筒ローラ613bを介して既設のU字型部材5の一対の側壁部51,52に支持される。
一対の円筒ローラ613bの対向する側面には、既設のU字型部材5の一対の側壁部51,52の内面に当接可能な一対のフランジ613cが設けられる。一対のフランジ613cは、既設のU字型部材5の一対の側壁部51,52に挟まれる。これにより、既設のU字型部材5に対するフランジ613cの左右方向への移動が規制されるため、円筒ローラ613bは既設のU字型部材5の一対の側壁部51,52の上端部から脱落することなく転動可能にガイドされる。
本実施形態では、被ガイド部613は、ロッド613aを回転駆動するモータを有しないが、これに限定されるものではなく、例えばロッド613aを回転駆動するモータを有してもよい。この場合、モータは、一対のベースフレーム611のいずれか一方に設けられる。
また、本実施形態では、被ガイド部613は、左右方向に間隔を空けて配置される一対の円筒ローラ613bを有するが、これに限定されるものではなく、例えば、左右方向にU字型部材5の一端部からU字型部材5の他端部に亘って延在する1つの円筒ローラを有してもよい。
さらに、本実施形態では、一対のフランジ613cは、既設のU字型部材5の一対の側壁部51,52の内面に当接してU字型部材5の一対の側壁部51,52に挟まれるように構成されるが、これに限定されるものではなく、例えば、既設のU字型部材5の一対の側壁部51,52の外面に当接してU字型部材5の一対の側壁部51,52を挟むように構成されてもよい。この場合、一対のフランジ613cは、一対の円筒ローラ613bの対向しない側面に設けられる。
本体部61の走行方向前方部分を支持する観点から、走行機構62は、本体部61の走行方向前方部分に設けられる。本実施形態では、走行機構62は、直接に本体部61の走行方向前方部分に設けられるが、これに限定されるものではなく、例えば、他の部材を介して間接に本体部61の走行方向前方部分に設けられてもよい。
図2に示すように、走行機構62は、走行方向前方に配置される接続フレーム612aから下方に延在して設けられる一対の第1支持部621と、一対の第1支持部621の先端側(下端側)に回転可能に支持される車輪622と、一対の第1支持部621の片方に設けられ車輪622を回転駆動するモータ623と、を有する。
車輪622は、本体部61の走行方向前方部分を支持する。これにより、本体部61の走行方向前方部分及び走行方向後方部分は、それぞれ走行機構62の車輪622及び既設のU字型部材5に支持される。したがって、本体部61はバランスよく支持され走行し、U字型部材5を据え付けることができる。
車輪622は、基礎材料敷設機構65の後述するホッパ66よりも走行方向前方に設けられる。これにより、基礎材料4がホッパ66から撒き出される前に車輪622が砕石3上を回転するため、車輪622が基礎材料4上を回転することが確実に回避される。また、車輪622は、一対のベースフレーム611の間に配置されるため、車輪が一対のベースフレーム611よりも外側に突出するものに比べ、U字型部材据付装置6の左右方向における寸法を小さく抑えることができる。
本実施形態では、車輪622は、一対のベースフレーム611の間に配置されるが、これに限定されるものではなく、例えば、一対のベースフレーム611よりも外側に配置されてもよい。この場合、U字型部材据付装置6が振動等により左右方向へ転倒することを防止することができる。
移送機構63は、本体部61の走行方向後方部分に設けられ、車両7のクレーン部72により搬送された未設のU字型部材5を走行方向後方側から走行方向前方側へ移送させるものである。移送機構63は、被ガイド部613よりも走行方向前方に位置する。言い換えれば、被ガイド部613は、移送機構63よりも走行方向後方に位置する。これにより、移送機構63による未設のU字型部材5の移送が被ガイド部613に妨げられることを回避することができる。
移送機構63は、一対のベースフレーム611に回転可能に支持される複数のロッド631と、各ロッド631に設けられるゴム製の円筒ローラ632と、ベースフレーム611に内蔵され各ロッド631を回転駆動させるモータ(図示しない)と、を有する。
複数のロッド631は、前後方向に所定の間隔を空けて配列される。また、複数のロッド631は、ロッド613aと同様に左右方向に延在してその両端部が一対のベースフレーム611に支持される。複数の円筒ローラ632上に亘って未設のU字型部材5が載置される。
本実施形態では、円筒ローラ632は、軸線方向の寸法が大きい一つのものにより形成される。しかしながら、円筒ローラ632は、上記の形態に限定されるものではなく、例えば、軸線方向の寸法が小さい複数のものにより形成されてもよい。円筒ローラ632は、左右方向において一対の円筒ローラ613bの間に配置される。これにより、円筒ローラ632が既設のU字型部材5の一対の側壁部51,52と当接することが確実に回避される。
本体部61の走行方向前方部分及び本体部61の走行方向後方部分がそれぞれ走行機構62及び既設のU字型部材5に支持された状態において、複数のロッド631は、既設のU字型部材5の一対の側壁部51,52と当接しない。これにより、複数のロッド631が既設のU字型部材5の一対の側壁部51,52に接触して摩耗することが防止される。このため、複数のロッド631の回転駆動が既設のU字型部材5により妨げられず、各ロッド631を回転駆動させるモータの省エネが図られる。
このように、モータの回転駆動により複数のロッド631が回転し、円筒ローラ632を介して複数のロッド631上に載置された未設のU字型部材5を走行方向後方側から走行方向前方側へ移送することができる。
一対のベースフレーム611には、本体部61上に載置された未設のU字型部材5の左右方向への移動を規制する移動規制部614が設けられる。このため、未設のU字型部材5は、その左右方向の位置が移動規制部614により大きくずれることなく、移送機構63により所定の位置(移送機構63の最も走行方向前方側)に移送される。
本体部61には、移送機構63よりも走行方向前方に位置する開口部615が形成される。開口部615は、一対のベースフレーム611、走行方向の最も前方に配置されるロッド631及び走行方向後方に配置される接続フレーム612bにより囲まれて形成される。未設のU字型部材5が上下方向に沿って開口部615を通過することができる。これにより、未設のU字型部材5は、据付機構64により把持されて開口部615を通過して下降し、据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付けられる。
次に、図2、図4から図6を参照して、据付機構64について説明する。図4は、据付機構64を示す側面図である。図5は、据付機構64の第1可動枠642、第2可動枠643及び左右移動部644を示す正面図である。図6は、据付機構64の第2可動枠643及び左右移動部644を示す上面図である。
図2に示すように、据付機構64は、据付方向に沿って開口部615及び移送機構63の走行方向前方部分に亘って本体部61上に設けられる。すなわち、移動機構63は、本体部61の据付機構64の据付方向後方に設けられる。なお、この場合、移送機構63の据付方向前方の一部と据付機構64の据付方向後方の一部とが部分的に据付方向に沿って重なる。据付機構64は、本体部61上に固定された固定枠641と、据付方向に移動可能に固定枠641に支持される左右一対の第1可動枠642と、上下方向に昇降可能に左右一対の第1可動枠642に支持される第2可動枠643と、左右方向に移動可能に第2可動枠643に支持される左右移動部644と、を有する。
固定枠641は、その一部が据付方向に沿って移送機構63と重なるように設けられる。固定枠641は、据付方向に延在するように一対のベースフレーム611上に固定される一対の下固定フレーム641aと、据付方向に延在するように一対の下固定フレーム641aよりも上方に設けられる一対の上固定フレーム641bと、一対の下固定フレーム641aと一対の上固定フレーム641bとを連結する連結フレーム641cと、を有する。
図4に示すように、上固定フレーム641bに対向する下固定フレーム641aの上面には、据付方向に延在する第1直進ガイド溝641dが形成される。下固定フレーム641aの内部には、据付方向に延在する第1送りねじ641eが回転可能に支持される。第1送りねじ641eの一端部は、下固定フレーム641aの一端部に固定された第1モータ641fの軸に連結される。これにより、第1モータ641fは、第1送りねじ641eを回転駆動することができる。
同様に、下固定フレーム641aに対向する上固定フレーム641bの下面には、据付方向に延在する第1直進ガイド溝641dが形成される。上固定フレーム641bの内部には、据付方向に延在する第1送りねじ641eが回転可能に支持される。第1送りねじ641eの一端部は、上固定フレーム641bの一端部に固定された第1モータ641fの軸に連結される。これにより、第1モータ641fの駆動により、第1送りねじ641eが回転駆動する。
連結フレーム641cは、上下方向に延在して設けられ、その一端部(下端部)及び他端部(上端部)がそれぞれ下固定フレーム641aの端部及び上固定フレーム641bの端部に連結される。
左右一対の第1可動枠642は、据付方向に延在して第1送りねじ641eに螺合される第1ナット642aと、据付方向に延在するように第1ナット642aに連結されるとともに第1直進ガイド溝641dにガイドされる第1スライダ642bと、端部が第1スライダ642bの据付方向の端部に連結され上下方向に延在する一対の鉛直フレーム642cと、を有する。
第1モータ641fの駆動により、第1送りねじ641eが回転駆動すると、第1直進ガイド溝641dにガイドされる第1スライダ642bに連結される第1ナット642aは、鉛直フレーム642cと一体的に据付方向に沿って移動する。これにより、左右一対の第1可動枠642は、固定枠641に対し据付方向に移動する。
本実施形態では、第1送りねじ641eと第1ナット642aと第1モータ641fの組み合わせにより、第1可動枠642を固定枠641に対し据付方向に移動可能としたが、これらの組み合わせに代えて、油圧ジャッキ又は電動ジャッキを使用してもよい。この場合、油圧ジャッキ又は電動ジャッキの一端及び他端を、それぞれ第1可動枠642及び固定枠641に連結させ、油圧ジャッキ又は電動ジャッキの伸縮により、第1可動枠642は、固定枠641に対し据付方向に移動できる。
このように、第1可動枠642は、据付方向に移動可能に固定枠641に支持されるため、把持された未設のU字型部材5の据付方向の位置を調整することができ、その結果、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を精度よく据え付けることができる。
したがって、第2可動枠643及び左右移動部644を介して左右一対の第1可動枠642に支持される未設のU字型部材5の据付方向の位置が調整される。すなわち、把持された未設のU字型部材5の据付方向の位置を調整する据付方向位置調整機構は、固定枠641の第1直進ガイド溝641d、第1送りねじ641e及び第1モータ641fと、第1可動枠642の第1ナット642a、第1スライダ642b及び鉛直フレーム642cと、により構成される。
図5に示すように、左右の鉛直フレーム642cの互いに対向する内側面には、上下方向に延在する第2直進ガイド溝642dが形成される。鉛直フレーム642cの内部には、上下方向に延在する第2送りねじ642eが回転可能に支持される。第2送りねじ642eの一端部は、鉛直フレーム642cの一端部に固定された第2モータ642fの軸に連結される。これにより、第2モータ642fの駆動により、第2送りねじ642eが回転駆動する。
図2及び図5に示すように、第2可動枠643は、第2送りねじ642eに螺合される第2ナット643aと、第2ナット643aに連結され第2直進ガイド溝642dにガイドされる第2スライダ643bと、左右方向に延在して端部が第2スライダ643bに連結される一対の第1水平フレーム643cを含む水平フレーム部643fと、を有する。
第2モータ642fの駆動により、第2送りねじ642eが回転駆動すると、第2直進ガイド溝642dにガイドされる第2スライダ643bに連結される第2ナット643aは、水平フレーム部643fと一体的に上下方向に沿って移動する。これにより、第2可動枠643は、左右一対の第1可動枠642に対し上下方向に移動する。
本実施形態では、第2送りねじ642eと第2ナット643aと第2モータ642fの組み合わせにより、第2可動枠643を左右一対の第1可動枠642に対し上下方向に移動可能としたが、これらの組み合わせに代えて、電動ウインチとワイヤロープの組み合わせを使用してもよい。この場合、ワイヤロープの一端及び他端を、それぞれ第1可動枠642に設けられた電動ウインチ及び第2可動枠643に連結させ、電動ウインチのワイヤロープに対する巻き取り又は巻き出しにより、第2可動枠643は、左右一対の第1可動枠642に対し上下方向に移動できる。
このように、第2可動枠643は、上下方向に昇降可能に第1可動枠642に支持されるため、把持された未設のU字型部材5は、第2可動枠643により下降し、据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付けられ、その結果、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を作業性よく据え付けることができる。
したがって、左右移動部644を介して第2可動枠643に支持される未設のU字型部材5を下降させることができる。すなわち、把持された未設のU字型部材5を下降させる昇降機構は、鉛直フレーム642cの第2直進ガイド溝642d、第2送りねじ642e及び第2モータ642fと、第2可動枠643の第2ナット643a、第2スライダ643b、水平フレーム部643fと、により構成される。
図2及び図6に示すように、水平フレーム部643fは、据付方向に延在して一対の第1水平フレーム643cの端部を接続する一対の第2水平フレーム643dと、左右方向に延在して一対の第1水平フレーム643cの間に設けられる一対の第3水平フレーム643eと、を更に含む。一対の第3水平フレーム643eの対向する面側には、左右方向に延在するガイド部としての第3直進ガイド溝643gが形成される。第3水平フレーム643eの内部には、左右方向に延在する第3送りねじ643hが回転可能に支持される。第3送りねじ643hの一端部は、第2水平フレーム643dの一端部に固定された第3モータ643iの軸に連結される。これにより、第3モータ643iの駆動により、第3送りねじ643hが回転駆動する。
図2及び図6に示すように、左右移動部644は、第3送りねじ643hに螺合される第3ナット644aと、第3ナット644aに連結され第3直進ガイド溝643gにガイドされるスライダとしての第3スライダ644bと、第3スライダ644bから下方に延在して未設のU字型部材5を把持する把持部644cと、を有する。
図2に示すように、把持部644cの一例として、把持部本体644dと、把持部本体644dの左右両側に左右方向に移動可能に設けられる一対の把持アーム644eと、を有するものが挙げられる。一対の把持アーム644eは、左右方向に沿って外側へ移動することにより、U字型部材5の一対の側壁部51,52に対して突っ張る。これにより、把持部644cは、U字型部材5を把持することができる。しかしながら、把持部644cは、これに限定されるものではなく、他の態様より構成されてもよい。
第3モータ643iの駆動により、第3送りねじ643hが回転駆動すると、第3直進ガイド溝643gにガイドされる第3スライダ644bに連結される第3ナット644aは、把持部644cと一体的に左右方向に沿って移動する。これにより、左右移動部644は第2可動枠643に対し左右方向に移動する。
本実施形態では、第3送りねじ643hと第3ナット644aと第3モータ643fの組み合わせにより、左右移動部644を第2可動枠643に対し左右方向に移動可能としたが、これらの組み合わせに代えて、油圧ジャッキ又は電動ジャッキを使用してもよい。この場合、油圧ジャッキ又は電動ジャッキの一端及び他端を、それぞれ左右移動部644及び第2可動枠643に連結させ、油圧ジャッキ又は電動ジャッキの伸縮により、左右移動部644は、第2可動枠643に対し左右方向に移動できる。
このように、把持部644cを有する左右移動部644は、左右方向に移動可能に第2可動枠643に支持されるため、把持部644cに把持された未設のU字型部材5の左右方向の位置を調整することができ、その結果、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を精度よく据え付けることができる。
したがって、左右移動部644に支持される未設のU字型部材5の左右方向の位置が調整される。すなわち、把持された未設のU字型部材5の左右方向の位置を調整する左右方向位置調整機構は、第3水平フレーム643eの第3直進ガイド溝643g、第3送りねじ643h及び第3モータ643iと、左右移動部644の第3ナット644a、第3スライダ644b、把持部644cと、により構成される。
このように、据付機構64は、把持された未設のU字型部材5の据付方向の位置を調整する据付方向位置調整機構と、把持された未設のU字型部材5を下降させる昇降機構と、把持された未設のU字型部材5の左右方向の位置を調整する左右方向位置調整機構と、を備える。
また、据付方向位置調整機構、昇降機構及び左右方向位置調整機構は、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、それらのうちの少なくとも1つがラック及びラックに噛合するピニオンを備えて構成されてもよい。この場合、ピニオンを回転駆動するモータは、ピニオンと同軸に設けられる。
次に、図2及び図7を参照して、基礎材料敷設機構65について説明する。図7は、高さ調整機構69等を示す概略図である。
図2に示すように、基礎材料敷設機構65は、据付機構64よりも走行方向前方に設けられる。これにより、未設のU字型部材5を据付機構64により据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付ける前に、あらかじめ基礎材料敷設機構65により基礎材料4を砕石3上に敷設することができる。
基礎材料敷設機構65は、本体部61に設けられ貯留された基礎材料4を撒き出すホッパ66と、本体部61に設けられホッパ66から撒き出された基礎材料4を均す均し部67と、本体部61に設けられ均し部67により均された基礎材料4を転圧する転圧部68と、均し部67の高さを調整する高さ調整機構69と、備える。
これにより、本体部61が走行機構に62より走行しながら、基礎材料4がホッパ66から撒き出される。また、ホッパ66から撒き出された基礎材料4は、均し部67により均される。したがって、基礎材料4を敷設する作業の作業性を向上させることができる。これにより、基礎材料4の敷設及びU字型部材5の据え付けを一体的に行うことができる。
ホッパ66は、本体部61が走行している際に、その内部に貯留された基礎材料4を撒き出す。ホッパ66は、一対の接続フレーム612a,612bの間に位置するように本体部61に設けられる。このため、ホッパ66は、車輪622よりも走行方向後方に位置する。すなわち、車輪622は、ホッパ66よりも走行方向前方に位置に設けられる。これにより、車輪622は、敷設された基礎材料4上を走行することなく、基礎材料4が敷設される前の砕石3上を走行することができる。
また、ホッパ66は、その上端に基礎材料4を投入する基礎材料入口661が形成され、その下端に基礎材料4を排出する基礎材料排出口662が形成される。基礎材料排出口662は、その左右方向の寸法がU字型部材5の底部53の左右方向の寸法よりも大きく形成される。これにより、U字型部材5の底部が設置される左右方向の全領域に基礎材料4を撒き出すことができる。
被ガイド部613が既設のU字型部材5にガイドされた状態において、ホッパ66は、その基礎材料排出口662の下端部が車輪622の底部よりも高い位置に配置される。これにより、被ガイド部613が既設のU字型部材5にガイドされた状態において、基礎材料排出口662と砕石3との当接を回避することができ、基礎材料排出口662から排出された基礎材料4を砕石3上に確実に撒き出すことができる。
均し部67は、ホッパ66よりも走行方向後方に設けられる。このため、ホッパ66は、走行方向に沿って走行機構62と均し部67との間に配置される。均し部67は、一対のベースフレーム611に回転可能に支持される一対の支持アーム671と、支持アーム671の先端部(下端部)に設けられる排土板672と、を有する。
一対の支持アーム671は、その基端部(上端部)が一対のベースフレーム611に軸支されるように設けられる。排土板672は、左右方向に延在する下縁を有する。被ガイド部613が既設のU字型部材5にガイドされた状態において、排土板672は、その下縁が基礎材料排出口662の下端部よりも低い位置に配置される。これにより、均し部67の排土板672は、ホッパ66から撒き出された基礎材料4を確実に均すことができる。
転圧部68は、均し部67よりも走行方向後方に設けられる。これにより、転圧部68は、均し部67により均された基礎材料4を転圧することができる。転圧部68は、一対のベースフレーム611から下方に延在して設けられる一対の第2支持部681と、一対の第2支持部681の先端側(下端側)に回転可能に設けられる転圧ローラ682と、を有する。
被ガイド部613が既設のU字型部材5にガイドされた状態において、転圧ローラ682は、その底部が車輪622の底部よりも高い位置に位置するとともに基礎材料排出口662の下端部よりも低い位置に位置するように配置される。これにより、転圧部68は、ホッパ66から撒き出され均し部67により均された基礎材料4を転圧して締固めることができる。
本実施形態では、ホッパ66、均し部67及び転圧部68は、いずれも直接に本体部61に設けられるが、これに限定されるものではなく、例えば、それらのうちの少なくとも1つが他の部材を介して間接に本体部61に設けられてもよい。
図7に示すように、高さ調整機構69は、流体圧シリンダにより構成される。流体圧シリンダは、一対の第2支持部681にそれぞれ内蔵される一対のシリンダチューブ691と、各シリンダチューブ691に往復摺動自在に支持されるピストン692と、各ピストン692に連結され第2支持部681から走行方向前方側に突出するピストンロッド693と、ピストンロッド693の先端部と支持アーム671とを連結する連結部694と、を有する。
連結部694は、左右方向に延在して一対の支持アーム671を連結しているので、一対の支持アーム671は、一体的に回転することができる。
流体圧シリンダを伸縮させることにより、支持アーム671が回動し、排土板672の高さが調整される。
被ガイド部613が既設のU字型部材5にガイドされた状態において、排土板672の高さが最も高い位置に調整された場合であっても、排土板672の下縁が基礎材料排出口662の下端部よりも低い位置に配置される。一方、被ガイド部613が既設のU字型部材5にガイドされた状態において、排土板672の高さが最も低い位置に調整された場合であっても、排土板672の下縁が車輪622の底部よりも高い位置に配置される。
このように、高さ調整機構69は、排土板672の高さを所定の範囲に調整することにより、ホッパ66から撒き出された基礎材料4を所望の高さに均すことができる。
本実施形態では、高さ調整機構69は、シリンダチューブ691、ピストン692、ピストンロッド693及び連結部694を有して構成されるが、これに限定されるものではなく、例えば、支持アーム671を回転駆動させるモータにより構成されてもよい。
基礎材料敷設機構65とU字型部材据付機構64とは、本体部61を介して連続的に配置されるので、走行機構62による走行により、基礎材料4の敷設とU字型部材5の据え付けが連続的に行われる。
[基礎材料を敷設する工程及び未設のU字型部材を移送する工程]
次に、図8及び図9を参照して、基礎材料敷設機構65が基礎材料4を敷設する工程及び移送機構63が未設のU字型部材5を移送する工程について説明する。図8は、本体部61が走行する前の状態を示す側面図である。図9は、本体部61が走行した後の状態を示す側面図である。
基礎材料4を敷設する工程において、本体部61は、走行機構62により走行方向前方側に所定の距離(U字型部材5の長手方向の寸法分)だけ走行する。すなわち、本体部61は、走行機構62により図8に示された状態から図9に示された状態に走行する間に、ホッパ66は、貯留された基礎材料4を砕石3上に撒き出す。
そのとき、高さ調整機構69により高さが調整された排土板672は、ホッパ66から撒き出された基礎材料4を所望の高さに均すとともに、転圧部68の転圧ローラ682は、均し部67により均された基礎材料4を転圧して締固める。
以上のように、基礎材料4を敷設する工程、すなわち、基礎材料4を砕石3に撒き出して均して転圧する工程は、作業員により行われることなく、本体部61が走行機構62により所定の距離を走行する間に基礎材料敷設機構65により行われるため、基礎材料4を敷設する作業の自動化を図ることができる。
また、未設のU字型部材5を移送する工程において、本体部61が走行機構62により走行方向前方側に所定の距離だけ走行する間に、移送機構63は、図9に示された矢印のように、複数のロッド631上に載置された未設のU字型部材5を本体部61に沿って所定の位置に移送する。
以上のように、未設のU字型部材5を移送する工程は、基礎材料4を敷設する工程と同時に行われるため、全体の作業時間を短縮することができる。
本実施形態では、未設のU字型部材5を移送する工程は、基礎材料4を敷設する工程と同時に行われるが、これに限定されるものではなく、例えば、基礎材料4を敷設する工程が行われた後に行われてもよく、基礎材料4を敷設する工程が行われる前に行われてもよい。
[未設のU字型部材を据え付ける工程]
次に、図10から図12を参照して、据付機構64が未設のU字型部材5を据え付ける工程について説明する。図10は、据付機構64が所定の位置に移送された未設のU字型部材5を把持した状態を示す側面図である。図11は、据付機構64が未設のU字型部材5を所望の水平方向の位置に移動させた状態を示す側面図である。図12は、据付機構64が未設のU字型部材5を下降させて据え付けた状態を示す側面図である。
基礎材料4を敷設する工程及び未設のU字型部材5を移送する工程が行われた後に、図10から図12に示すように、据付機構64は、未設のU字型部材5を据え付ける工程を行う。すなわち、据付機構64は、未設のU字型部材5を据え付ける工程を行う際に、本体部61が走行せず停止している。また、その際に、開口部615は、据付方向に沿って既設のU字型部材5と重ならないため、未設のU字型部材5は、据付機構64により把持されて開口部615を通過して下降し、据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付けられる。以下、具体的に説明する。
まず、未設のU字型部材5を据え付ける工程において、図10に示すように、一対の把持アーム644eが左右方向に沿って外側へ移動し(図2参照)、U字型部材5の一対の側壁部51,52に対して突っ張ることにより、据付機構64の把持部644cは、移送機構63により所定の位置(移送機構63の最も走行方向前方側)に移送された未設のU字型部材5を把持する。そして、トータルステーション8(図1参照)は、所定の位置に移送された未設のU字型部材5の水平方向の位置を測定する。
次に、図11に示すように、据付機構64は、トータルステーション8が測定した未設のU字型部材5の水平方向の位置に基づいて、固定枠641に対し第1可動枠642を据付方向に移動させるとともに、第2可動枠643に対し左右移動部644を左右方向に移動させることにより、把持部644cに把持された未設のU字型部材5を所望の水平方向の位置(据え付けるべき位置)に移動させる。
次に、図12に示すように、据付機構64は、第1可動枠642に対し第2可動枠643を下降させることにより、所定の水平方向の位置に移動されたU字型部材5は、開口部615を通過して下降し、据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付けられる。
その後、U字型部材5に対する把持が解除されてから、第1可動枠642に対し第2可動枠643を上昇させて固定枠641に対し第1可動枠642を据付方向後方側に移動させる。これにより、把持部644cは、元の位置に戻り、移送機構63により所定の位置に移送された次の未設のU字型部材5を把持することができる。
以上のように、未設のU字型部材5を据え付ける工程は、据付機構64により行われるため、U字型部材5を精度よく据え付けることができるとともに、U字型部材5を据え付ける作業の作業性を向上させることができる。
上述した基礎材料4を敷設する工程、及び未設のU字型部材5を移送する工程、及び移送された未設のU字型部材5を据え付ける工程は、U字型部材据付装置6により繰り返して行われることにより、基礎材料4を敷設しながら既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を精度よく据え付けることができる。
次に、本実施形態による作用効果について説明する。
以上述べたように、本実施形態に係るU字型部材据付装置6は、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を据え付けるものであり、既設のU字型部材5に亘ってガイドされる本体部61と、本体部61を既設のU字型部材5に沿って据付方向に走行させる走行機構62と、未設のU字型部材5を把持して下降させ、据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付ける据付機構64と、を備えるものである。
これによれば、本体部61は、走行機構62により既設のU字型部材5に沿って据付方向に走行するため、既設のU字型部材5を利用して本体部61を据付方向に走行させることができる。また、未設のU字型部材5は、据付機構64により把持されて下降し、据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付けられるため、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を作業性よく据え付けることができる。
また、本実施形態において、据付機構64は、把持された未設のU字型部材5の左右方向の位置を調整する左右方向位置調整機構を備える。
これによれば、把持された未設のU字型部材5の左右方向の位置が左右方向位置調整機構により調整されるため、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を精度よく据え付けることができる。
また、本実施形態において、据付機構64は、把持された未設のU字型部材5の据付方向の位置を調整する据付方向位置調整機構を備える。
これによれば、把持された未設のU字型部材5の据付方向の位置が据付方向位置調整機構により調整されるため、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5をより精度よく据え付けることができる。また、隣り合うU字型部材5の間にモルタルを埋めるための所定の間隔を確保して、連続してU字型部材5を精度よく据え付けることができる。
また、本実施形態において、据付機構64は、本体部61上に固定された固定枠641と、据付方向に移動可能に固定枠641に支持される第1可動枠642と、上下方向に昇降可能に第1可動枠642に支持される第2可動枠643と、第2可動枠643に支持され未設のU字型部材5を把持する把持部644cと、を有する。
これによれば、第1可動枠642は、据付方向に移動可能に固定枠641に支持されるため、把持された未設のU字型部材5の据付方向の位置を調整することができ、その結果、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を精度よく据え付けることができる。また、未設のU字型部材5を把持する把持部644cが支持される第2可動枠643は、上下方向に昇降可能に第1可動枠642に支持されるため、把持部644cに把持された未設のU字型部材5は、第2可動枠643により下降し、据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付けられ、その結果、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を作業性よく据え付けることができる。
また、本実施形態において、据付機構64は、左右方向に延在して第2可動枠643に設けられる第3直進ガイド溝643gと、左右方向に移動可能に第3直進ガイド溝643gにガイドされ把持部644cに連結される第3スライダ644bと、を有する。
これによれば、把持部644cが連結される第3スライダ644bは、左右方向に移動可能に第3直進ガイド溝643gにガイドされるため、把持された未設のU字型部材5の左右方向の位置を調整することができ、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5をより精度よく据え付けることができる。
また、本実施形態において、本体部61の据付機構64の据付方向後方に設けられ、本体部61に載置された未設のU字型部材5を本体部61に沿って移送する移送機構63を更に備え、据付機構64は、移送機構63により所定の位置に移送された未設のU字型部材5を把持して下降させ、据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付ける。
これによれば、移送機構63により所定の位置に移送された未設のU字型部材5は、据付機構64により把持されて下降し、据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付けられるため、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5をより作業性よく据え付けることができる。
また、本実施形態において、本体部61には、据付機構64よりも走行方向後端側に位置するように既設のU字型部材5に当接してガイドされる被ガイド部613が設けられる。
これによれば、既設のU字型部材5に当接してガイドされる被ガイド部613は、据付機構64よりも走行方向後端側に位置するため、据付機構64によるU字型部材5の据え付けが被ガイド部613に妨げられることを回避することができる。
(U字型部材据付装置の変形例)
次に、図13及び図14を参照して、U字型部材据付装置の変形例について説明する。なお、変形例では、上記実施形態と同様の点については説明を省略し、主に上記実施形態と異なる点について説明する。
図13は、U字型部材据付装置6の変形例を示す側面図である。図14は、変形例の据付機構64’を示す正面概略図である。
図13に示すように、変形例のU字型部材据付装置6は、既設のU字型部材5に亘ってガイドされる本体部61と、本体部61を既設のU字型部材5に沿って据付方向に走行させる走行機構62と、本体部61に載置された未設のU字型部材5を本体部61に沿って移送する移送機構63と、移送機構63により所定の位置に移送された未設のU字型部材5を把持して下降させ、据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付ける据付機構64’と、U字型部材5が据え付けられる基盤となる基礎材料4を敷設する基礎材料敷設機構65と、を備える。
変形例の本体部61、走行機構62、移送機構63及び基礎材料敷設機構65は、上記実施形態の本体部61、走行機構62、移送機構63及び基礎材料敷設機構65と同様であるため、説明を省略する。
図13に示すように、変形例の据付機構64’は、据付方向に沿って移送機構63と重ならないように設けられる。据付機構64’は、本体部61上に固定された固定枠641’と、据付方向に移動可能に固定枠641’に支持される第1可動部642’と、左右方向に移動可能に第1可動部642’に支持される第2可動部643’と、第2可動部643’に設けられ未設のU字型部材5を下降させる昇降機構644’と、を有する。
図13に示すように、固定枠641’は、据付方向に延在するように一対のベースフレーム611上に固定される一対の下固定フレーム641a’と、据付方向に延在するように一対の下固定フレーム641aよりも上方に設けられる一対の上固定フレーム641b’と、一対の下固定フレーム641a’と一対の上固定フレーム641b’とを連結する連結フレーム641c’と、を有する。
上固定フレーム641b’の下固定フレーム641a’に対向する下側面には、据付方向に延在する第1直進ガイド溝641d’が形成される。上固定フレーム641b’の内部には、据付方向に延在する第1送りねじ641e’が回転可能に支持される。第1送りねじ641e’の一端部は、上固定フレーム614b’の一端部に固定された第1モータ641f’の軸に連結される。これにより、第1モータ641f’の駆動により、第1送りねじ641e’が回転駆動する。
連結フレーム641c’は、上下方向に延在するように設けられ、その一端部(下端部)及び他端部(上端部)がそれぞれ下固定フレーム641a’の端部及び上固定フレーム641b’の端部に連結される。
一対の第1可動部642’は、第1送りねじ641e’に螺合される第1ナット642a’と、第1ナット642a’に連結されるとともに第1直進ガイド溝641d’にガイドされる第1スライダ642b’と、第1スライダ642b’に連結され左右方向に延在する水平フレーム642c’と、を有する。
第1モータ641f’の駆動により、第1送りねじ641e’が回転駆動すると、第1直進ガイド溝641d’にガイドされる第1スライダ642b’に連結される第1ナット642a’は、水平フレーム642c’と一体的に据付方向に沿って移動する。これにより、一対の第1可動部642’は、固定枠641’に対し据付方向に移動する。
このように、第1可動部642’は、据付方向に移動可能に固定枠641’に支持されるため、把持された未設のU字型部材5の据付方向の位置を調整することができ、その結果、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を精度よく据え付けることができる。
したがって、第2可動部643’等を介して一対の第1可動部642’に支持される未設のU字型部材5の据付方向の位置が調整される。すなわち、把持された未設のU字型部材5の据付方向の位置を調整する据付方向位置調整機構は、固定枠641’の第1直進ガイド溝641d’、第1送りねじ641e’及び第1モータ641f’と、第1可動部642’の第1ナット642a’、第1スライダ642b’及び水平フレーム642c’と、により構成される。
図14に示すように、水平フレーム642c’の下側面には、左右方向に延在する第2直進ガイド溝642d’が形成される。水平フレーム642c’の内部には、左右方向に延在する第2送りねじ642e’が回転可能に支持される。第2送りねじ642e’の一端部には、水平フレーム642c’の一端部に固定された第2モータ642f’の軸に連結される。これにより、第2モータ642f’の駆動により、第2送りねじ642e’が回転駆動する。
第2可動部643’は、第2送りねじ642e’に螺合される第2ナット643a’と、第2ナット643a’に連結され第2直進ガイド溝642d’にガイドされる第2スライダ643b’と、第2スライダ643b’に連結され左右方向に延在する固定台643c’と、を有する。
第2モータ642f’の駆動により、第2送りねじ642e’が回転駆動すると、第2直進ガイド溝642d’にガイドされる第2スライダ643b’に連結される第2ナット643a’は、固定台643c’と一体的に左右方向に沿って移動する。これにより、第2可動部643’は、第1可動部642’に対し左右方向に移動する。
このように、第2可動部643’は、左右方向に移動可能に第1可動部642’に支持されるため、把持された未設のU字型部材5の左右方向の位置を調整することができ、その結果、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を精度よく据え付けることができる。
したがって、昇降機構644’を介して第2可動部643’に支持される未設のU字型部材5を左右方向に移動することができる。すなわち、把持された未設のU字型部材5の左右方向の位置を調整する左右方向位置調整機構は、水平フレーム642c’の第2直進ガイド溝642d’、第2送りねじ642e’及び第2モータ642f’と、第2可動部643’の第2ナット643a’、第2スライダ643b’、固定台643c’と、により構成される。
図14に示すように、昇降機構644’は、左右方向に延在して固定台643c’に固定され、その両端部に突出する軸645a’を有する駆動モータ645’と、駆動モータ645’の軸645a’に固定される一対の回転プーリ646’と、一対の回転プーリ646’に掛け回される一対のベルト647’と、一対のベルト647’に連結され、U字型部材5の面取りに引掛けることが可能な爪部648a’を有する一対の把持部648’と、を有する。
駆動モータ645’が時計回り及び反時計回りの一方に回転駆動すると、回転プーリ646’が掛け回されるベルト647’を巻き取ることにより、一対の把持部648’を上昇させることができる。一方、駆動モータ645’が時計回り及び反時計回りの他方に回転駆動すると、回転プーリ646’が掛け回されるベルト647’を巻き出すことにより、一対の把持部648’を下降させることができる。
本変形例では、昇降機構644’は、駆動モータ645’と一対の回転プーリ646’と一対のベルト647’との組み合わせにより、一対の把持部648’を上下方向に移動可能としたが、これらの組み合わせに代えて、電動ウインチとワイヤロープの組み合わせを使用してもよい。この場合、ワイヤロープの一端及び他端を、それぞれ固定台643’に固定された電動ウインチ及び一対の把持部648’に連結させ、電動ウインチのワイヤロープに対する巻き取り又は巻き出しにより、一対の把持部648’が昇降できる。
このように、把持部648’に把持された未設のU字型部材5は、昇降機構644’により下降し、据付方向の最も前方に据え付けられた既設のU字型部材5に隣接して据え付けられ、その結果、既設のU字型部材5に連続してU字型部材5を作業性よく据え付けることができる。
[変形例の基礎材料を敷設する工程、及び未設のU字型部材を移送する工程、及び未設のU字型部材を据え付ける工程]
変形例の基礎材料4を敷設する工程、及び未設のU字型部材5を移送する工程、及び未設のU字型部材5を据え付ける工程は、上記実施形態の基礎材料4を敷設する工程、及び未設のU字型部材5を移送する工程、及び未設のU字型部材5を据え付ける工程と同様であるため、説明を省略する。
なお、U字型部材5が据え付けられた後、本体部61を走行方向前方側に走行させるだけで、U字型部材5に対する把持が解除される。
変形例に係るU字型部材据付装置6によれば、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上記実施形態では、U字型部材据付装置6は、走行機構62を備えるが、これに限定されるものではなく、例えば、走行機構62を備えなくてもよい。この場合、転圧部68は、本体部61を走行させる走行機能を兼ね備えており、転圧ローラ682を回転駆動するモータが設けられる。
また、上記実施形態では、基礎材料敷設機構65は、据付機構64と一体に構成されるが、これに限定されるものではなく、据付機構64と基礎材料敷設機構65とは別体に構成されてもよい。この構成の場合、据付機構64と基礎材料敷設機構65とは、それぞれ走行機構を有し、独立に走行する。