JP2020100890A - 潤滑処理亜鉛めっき鋼板 - Google Patents
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Abstract
Description
このような潤滑処理亜鉛めっき鋼板では、皮膜構成としては、めっきの上に防食層を設けるとともに、防食層の上に潤滑層を設けて、これらの2層に機能分担させる。ここで、防食層にはクロメート処理皮膜、潤滑層にはオレフィン系ワックス等の潤滑剤、ウレタン系樹脂等のバインダー樹脂、シリカ等の体質顔料が用いられている。
従来の下層クロメート処理を代替するクロムフリー防食処理として、以前に当発明者等が発明し、その後出願公開された特許文献1に開示されるリチウムシリケート系処理を採用した。即ち、ジンケートアニオンよりも強いブレンステッド塩基としてのシリケートアニオンを、ジンクカチオンよりも弱いブレンステッド酸としてのイミノカチオンで中和した塩を皮膜中に構成させることにより、金属亜鉛に対する沈殿皮膜形成型腐食インヒビターとしての防食機構を発現させた。
一方、上記リチウムシリケート系処理によって下層を設けた場合は、図1の(式2)に示すように、下層にリチウムカチオンが存在するために、樹脂末端官能基の一部が下層より溶出してくる不揮発性のリチウムカチオンとの対となる結果、この部分は乾燥後再度の水侵入に対して可逆的に解離して、薬剤中でのアニオン状態に戻ってしまうことが判明した(式2)。
(2)このとき、単独でゾル・ゲル法によって硬化反応し得るシリケート液を更に添加すると、シリケート変性された樹脂エマルジョンの安定性を確保することができる。
(3)防食層、潤滑層の成分・状態だけでなく、防食層、潤滑層を合わせた皮膜層には大きな応力が残留することから所定の厚みが必要となる。その厚みは鋼板の状態およびその鋼板上のめっき層の状態に依存する。
即ち、不揮発性カチオン存在下で進行するシリケートのゾル・ゲル硬化反応を潤滑層の硬化に応用する。
防食層厚み(μm)が、
0.05≦(防食層厚み)≦0.05+34/(めっき層のRSm)
を満たし、かつ潤滑層厚みが
(めっき層のRa)≦(潤滑層厚み)≦5+(めっき層のRa)
を満足し、
防食層および潤滑層にともにシリケートおよび樹脂を含有し、
防食層および潤滑層に含有する樹脂がシリケート変性しており、
潤滑層には潤滑剤粒子が分散していることを特徴とする潤滑処理亜鉛めっき鋼板。
(2)前記潤滑剤粒子が表面をシリケート変性したワックス粒子であることを特徴とする上記(1)に記載の潤滑処理亜鉛めっき鋼板。
また、成形品としての最終製品の外観が良好であることを活用して、鋼板ユーザーにおいては塗装を省略することができる。
1−1.亜鉛系めっき鋼板
本発明における亜鉛系めっき鋼板は、純亜鉛又は亜鉛合金系めっき鋼板である。合金系めっきの場合、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、鉄、シリコン等の合金元素を含有した場合においても、めっき皮膜中の金属亜鉛が50%程度以上を占める場合には、同等の効果が得られる。具体的には、電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、5%アルミ−亜鉛合金溶融めっき鋼板、3〜12%アルミ−2〜4%マグネシウム−亜鉛合金溶融めっき鋼板、55%アルミ−亜鉛合金溶融めっき鋼板、10%ニッケル−亜鉛合金電気めっき鋼板等である。連続めっきラインで製造できる実用的な付着量は、片面あたりの付着量として、10〜300g・m−2程度であるが、本発明の効果発現についてはこの限りでない。本発明においては、これらの亜鉛系めっき鋼板を「基材」と称する場合がある。
金属亜鉛に対する沈殿皮膜形成型腐食インヒビターを防食機構として活用した本発明における防食層皮膜処理の作用については、特許文献1に詳細が記載されている。
一方、本発明の中で防食層処理としてリチウムシリケート系処理を採用する理由を以下に記述する。
この問題さえ起らなければ(防食層薬剤pH>潤滑層薬剤pHであれば)、潤滑層皮膜処理のバインダー樹脂原料について広範な汎用グレード品からの選択が可能となるため、選択肢が拡がることによる性能追求、環境負荷低減、薬剤原料コスト低減が可能になる。
(防食層厚み)≦0.05+34/(めっき層のRSm)
上式はRSmが小さくなるほど、許容防食層厚みが無限に増加する形になっているが、上記の要因考察からは、許容防食層厚みが基材のめっき層Ra(中心線平均粗さ)を超えると無効であり、下式が成立すると考えられるが、目下の現実的めっき鋼板表面では想定できない事態である。
(防食層厚み)≦(基材のめっき層Ra)
潤滑層である上層皮膜は、大まかには従来技術同様、オレフィン系ワックス等の潤滑剤、ウレタン系樹脂等のバインダー樹脂、シリカ等の体質顔料から構成されるが、これらの各成分に、防食層である下層から溶出・混入するカチオンの存在下での上層皮膜の硬化阻害を克服する技術、従来の潤滑処理鋼板の問題点であった取扱い性を改善する技術を新規に発明した。
後述するシリケート変性が起こる末端官能基を有すればよく、また、薬剤として成立し、且つ下層シリケート皮膜上で硬化可能であればよい。樹脂末端官能基が後述するシリケート変性が可能なカルボキシル基である場合が多いことから、バインダー樹脂としては比較的広汎な原料を選ぶことができる。
樹脂物性については、従来技術でも指摘されているように、高El(母材塑性変形に追従)且つ高Ts(高面圧摺動にて皮膜切れを起さない)であるほど好ましい。
潤滑処理鋼板は、プレス成形下の潤滑性が要求されながらも、連続製造ライン通板における搬送ロールの滑りによる表面擦り疵発生、コイルやシートパイル搬送下における材料−材料間の滑りによるコイル巻き緩み・パイルつぶれ等、プレス成形以外の材料取扱いにおいては、潤滑性の反作用によるデメリットもが多い。潤滑剤としてはポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系ワックス、黒鉛微粒子、二硫化モリブデン微粒子等、従来より提案されている固体潤滑剤の各種が使用可能である。
潤滑剤の添加量は従来技術と同様で、皮膜中に1%以上20%以下、中でも10%程度が好ましい。
本発明における上層処理液中バインダー樹脂粒子及び潤滑剤粒子の表面をシリケート変性する作用及び方法を記述する。
シリケート水溶液の種類はゾル・ゲル硬化反応によって造膜する種類を選択することができ、珪酸リチウム、珪酸アンモニウムが挙げられる。珪酸ナトリウム、珪酸カリウムは耐水性良好な皮膜が得られず、好ましくない。シリケート水溶液を添加しない場合は薬剤のポットライフが短く、作業性が芳しくない。シリケート成分は造膜後には硬質なガラス状となるため、体質顔料的な機能を発現する。製造直後のコイル巻き取り温度は100℃前後であり、使用する樹脂によってはTgを超え、皮膜同士が融着する現象(ブロッキング)が起るが、シリケート添加はブロッキング対策として有効である。更に下層処理同様、シリケートアニオンは金属亜鉛に対する防食性を発揮するため、防食性改善の面でも有効である。
潤滑皮膜中のシリケート添加量の上限は、シリケートとしての体積比率が50%未満である。50%を超えると先述した防食皮膜とは逆に、分散構造の分散媒側がシリケートとなり、プレス加工に追従する皮膜の延びが極度に低下する。好ましくは10%から30%である。
上記以外の皮膜成分としては、従来技術と同様に、架橋剤、防食剤、造膜助剤等を含んでよい。特に、ゾル・ゲル硬化系に対して架橋剤的に作用する多価カチオンは好ましい。一例を挙げると、チタニウムは4価のカチオンで架橋剤的に作用する。アルカリ性の潤滑処理薬液にチタンの添加が可能な形態としては、アンモニアで中和したフルオロ錯体、アミン錯体が挙げられる。
本発明における潤滑層厚みは、めっき層の中心線平均粗さ(Ra)以上である必要がある。
即ち、(潤滑層厚み)≧(めっき層のRa)
潤滑層厚みがめっき層のRaを下回ると、プレス成形やロールフォーミングで工具との摺動跡がめっき層のRaを低下させ、このことに起因する光沢上昇が摺動跡を見る角度によって黒く浮き上がらせることで成形後ワークの外観を著しく悪くする。
2−1.製造設備
本発明における下層の防食層皮膜、上層の潤滑層皮膜を形成する方法として提案するのは、上記皮膜成分を含有する溶液や分散液等の液体を、基材であるめっき鋼板に塗布して乾燥させるウェットプロセスである。
鋼板コイルをペイオフしながら、連続で皮膜処理し、再びコイルに巻き取る連続コイル処理が、生産性が高く、好ましい。
防食層厚み([作用]1−2で詳述)と潤滑層厚み([作用]1−3(6)で詳述)を精度良くコントロールするためには、皮膜処理液の塗布方法としてはロールコーティング法が好ましい。また潤滑層の取扱い性確保([作用]1−3(2)で詳述)のためには、乾燥プロセスの最高到達温度をワックス融点未満とする必要がある。
(1−1).防食皮膜処理薬剤調合
以下に防食処理薬剤調合の実施例を表1に示す。
防食処理薬剤Aはシリコン化合物がシリケートであり、且つ、複合される樹脂粒表面にシリケート変性を施す本発明の要件を満たす実施例である。
防食処理薬剤Cはシリコン化合物がシリケートであるが、複合される樹脂粒表面にシリケート変性を施さない点で本発明の要件を満たさない比較例である。
・防食皮膜処理薬剤A
攪拌下、アクリル樹脂エマルジョン61.7gにシランカップリング剤0.69gを滴下してシリケート変性アクリル樹脂エマルジョンを調製した。
攪拌下、シリケート水溶液349.4gにイオン交換水521.8gで希釈した7.0gのフルオロチタン酸水溶液を滴下してシリケート混合溶液を調製した。
攪拌下、シリケート変性アクリル樹脂エマルジョン62.4gにシリケート混合溶液878.2gを滴下混合、次にシランカップリング剤25.6gを滴下混合、更にポリエチレンイミン水溶液23.3gを滴下混合し、水溶性チタン化合物10.5gを滴下混合して、下層処理薬液1000gを調製した。
攪拌下、アクリル樹脂エマルジョン61.7gにシランカップリング剤0.69gを滴下してシリケート変性アクリル樹脂エマルジョンを調製した。
攪拌下、シリカディスパージョン349.4gにイオン交換水521.8gで希釈した7.0gのフルオロチタン酸水溶液を滴下してシリケート混合溶液を調製した。
攪拌下、シリケート変性アクリル樹脂エマルジョン62.4gにシリケート混合溶液87.82gを滴下混合、次にシランカップリング剤25.6gを滴下混合、更にポリエチレンイミン水溶液23.3gを滴下混合し、水溶性チタン化合物10.5gを滴下混合して、下層処理薬液1000gを調製した。
攪拌下、シリケート水溶液349.4gにイオン交換水548.1gで希釈した7.0gのフルオロチタン酸水溶液を滴下して、シリケート混合溶液を調製した。
ポリエリレンイミン2.3gをイオン交換水21.0gに溶解してポリエチレンイミン水溶液を調製した。
攪拌下、アクリル樹脂エマルジョン61.7gにシリケート混合溶液904.5gを滴下混合、次にポリエチレンイミン水溶液23.3gを滴下混合し、最後に水溶性チタン化合物10.5gを滴下混合して、下層処理薬液1000gを調製した。
表3に潤滑処理薬剤調合の実施例を示す。
・潤滑皮膜処理薬液A
攪拌下、イオン交換水340.2gに低Tgウレタン樹脂エマルジョン198.3gを滴下混合、次いで高Tgウレタン樹脂エマルジョン304.1gを添加、更にシリケート水溶液69.4gを滴下混合、最後に17.2gのシランカップリング剤を17.2gのエタノールで希釈したシランカップリング剤エタノール溶液34.3gを滴下混合して、シリケート変性ウレタン樹脂エマルジョンを調製した。
攪拌下、シリケート変性ウレタン樹脂エマルジョン946.2gにシリケート変性ワックスディスパージョン53.8gを滴下混合して、潤滑処理薬液1000gを調製した。
攪拌下、イオン交換水338.7gに低Tgウレタン樹脂エマルジョン200.0gを滴下混合、次いで高Tgウレタン樹脂エマルジョン306.7gを添加、更にシリケート水溶液70.0gを滴下混合、最後に17.3gのシランカップリング剤を17.3gのエタノールで希釈したシランカップリング剤エタノール溶液34.6gを滴下混合して、シリケート変性ウレタン樹脂エマルジョンを調製した。
攪拌下、シリケート変性ウレタン樹脂エマルジョン950gに混合ワックスディスパージョン50gを滴下混合して、潤滑処理薬液1000gを調製した。
攪拌下、イオン交換水340.2gに低Tgウレタン樹脂エマルジョン198.3gを滴下混合、次いで高Tgウレタン樹脂エマルジョン304.1gを添加、更にシリカディスパージョン69.4gを滴下混合、最後に17.2gのシランカップリング剤を17.2gのエタノールで希釈したシランカップリング剤エタノール溶液34.3gを滴下混合して、シリケート変性ウレタン樹脂エマルジョンを調製した。
攪拌下、シリケート変性ウレタン樹脂エマルジョン946.2gにシリケート変性ワックスディスパージョン53.8gを滴下混合して、潤滑処理薬液1000gを調製した。
攪拌下、イオン交換水327.8gに低Tgウレタン樹脂エマルジョン213.1gを滴下混合、次いで高Tgウレタン樹脂エマルジョン326.7gを添加、更にシリケート水溶液74.6を滴下混合して、シリケート添加ウレタン樹脂エマルジョンを調製した。
攪拌下、シリケート添加ウレタン樹脂エマルジョン942.2gにシリケート変性ワックスディスパージョン57.8gを滴下混合して、潤滑処理薬液1000gを調製した。
(2−1).表面処理基材
量産ラインで表5に示すめっき品種無処理材を採取、アルカリ脱脂による表面洗浄を行い、表面処理用のめっき鋼板基材とした。
基材に皮膜処理薬剤を塗布し、加熱乾燥することで皮膜処理鋼板サンプルを調製した。
塗布プロセスはバットに張った表面処理薬剤に基材をくぐらせ、次にスピンコーターで余分な薬剤を振り切るスピンコーティングを行った。皮膜量を皮膜形成前後の重量差から求め、狙いの皮膜量になるように薬剤の水希釈倍率とスピンコーター回転速度とを調整した。
加熱乾燥プロセスは熱風炉を用いた。炉温350℃、在炉5秒間で材温110±10℃に到達するように風量を調節した。熱風炉からの取出後はサンプル立てに鋼板を立て掛けた状態で放冷した。
鏡面アルミ板に防食層、潤滑層、夫々単層のスピンコーティングを行い、コーティング前後の秤量値の差を処理面積で除すことで皮膜量(mg・m−2)を求めた。次に、FIBにて試料断面薄片サンプルを作成し、電子顕微鏡で皮膜厚(μm)を測定した。皮膜比重値を(皮膜量mg・m−2)/(皮膜厚μm)により算出し、以後は皮膜量を直接測定し、皮膜比重値で除すことで皮膜厚値を算出した。
表6に全実施例供試材の構成と本発明の特許要件とをまとめた。
(3−1).処理皮膜の耐水性評価方法
イオン交換水を染み込ませたガーゼでサンプル表面をラビングし、皮膜層の残存を目視確認した。2、4、8、16、32、64、128回のラビング回数の各タイミングでサンプルを一旦乾燥させ、残存皮膜の状態を確認した。
○(良好):128回のラビングで皮膜層が保たれている
×(効果不足):128回のラビングで艶退け等の皮膜層の変化が認められる
××(実用不可):128回のラビング以前に皮膜が払拭される
150mm×70mmの鋼板サンプルの端面をポリエステルテープでマスクしたものをテストピースとした。
テストピースを塩水噴霧試験(SST)に曝し腐食促進した。
24時間毎に錆発生の占める面積比率を目視測定、錆面積率−時間に対して累乗式でフィッティングを行い、5%錆発生時間を内挿で求めた(図2)。5%錆発生までのSST暴露時間が240hr以上となるものを良好品とした。
○(良好) :錆発生時間≧240/hr
×(目標未達):錆発生時間<240/hr
サンプル鋼板を表7の条件で角筒成形し、図3に示す伸び、圧縮共に歪が大きいコーナーフランジ部パンチ面にポリエステルテープを貼付・剥離させて脱落する皮膜の存在を確認した。脱落皮膜の存在確認は図4に示すように脱落皮膜を捕捉したポリエステルテープを透明ポリエステルシートに貼付、色差測定用黒色基準板上で透明ポリエステルシートを通して明度の高い脱落皮膜を目視で確認した。
○(良好) :脱落皮膜が認められない
△(実用可能):脱落皮膜が認められるが軽微である
×(実用不可):脱落皮膜が認められる
プレス成形品表面光沢の安定性を、円筒成形品においてショックラインを起点とする光沢変化幅で評価した。評価条件の詳細を表8に、光沢変化の実例を図5に示した。
○(良好) :光沢変化幅≦2mm
×(外観不良):光沢変化幅>2mm
図6に概念図を、表9に詳細条件を示すピンオンディスク摩擦試験法で潤滑皮膜の無塗油耐焼付き性を評価した。スライダーが供試材よりも硬質であり、且つ接触面が球面であるため、接触面圧は供試材塑性流動応力と釣り合っている。このことから同一摺動軌道での周回を繰り返す程に摺動の軌跡の轍は深まり、スライダーと轍とに介在する潤滑皮膜はスクィーズアウトされていき、図7に示すように、やがて焼付きが発生して、動摩擦係数が急上昇する。無潤滑下でのロールフォーミングや深絞り加工で要求される高度な耐焼付き性を、ピンオンディスク法における焼付き発生までの摺動繰返し数で評価した。
○(良好) :焼付き発生までの摺動繰返し数≧200回
×(耐焼付き性不足):焼付き発生までの摺動繰返し数<200回
表10に示す方法で静摩擦係数(μfs)を評価した。従来の潤滑処理鋼板(μfs <0.1)では、特にスリッターラインで加工される狭巾フープコイルの潰れが深刻であった。本発明者等の実験でμfs ≧0.125とすればフープコイルの潰れを皆無にできることが判明したため。μfs ≧0.125を基準として評価した。
○(安全に取扱い可能):0.125≦μfs
×(要注意):0.1≦μfs <0.125
××(危険):0.1>μfs
試験結果の一覧を表11に示す。
試験例No2は防食層にシリケート成分を添加しない例、No3は樹脂粒表面のシリケート変成を行わない例であり、試験例No1の実施例との対比から、シリケート添加と樹脂粒表面のシリケート変成が防食性発現の支配要因であることが判る。
試験例No27〜31では、他の様々なめっき材についても本発明の要件を満たせば良好な鋼板商品が得られることを確認できる。
また、成形品としての最終製品の外観が良好であることを活用して鋼板ユーザーにおいては塗装を省略できる大きな生産性メリットを産む。
Claims (2)
- 基材上に基材側から防食層、潤滑層の順にクロムフリーの皮膜層が形成された潤滑処理亜鉛めっき鋼板であって、
防食層厚み(μm)が、
0.05≦(防食層厚み)≦0.05+34/(めっき層のRSm)
を満たし、かつ潤滑層厚みが
(めっき層のRa)≦(潤滑層厚み)≦5+(めっき層のRa)
を満足し、
防食層および潤滑層にともにシリケートおよび樹脂を含有し、
防食層および潤滑層に含有する樹脂がシリケート変性しており、
潤滑層には潤滑剤粒子が分散していることを特徴とする潤滑処理亜鉛めっき鋼板。 - 前記潤滑剤粒子が表面をシリケート変性したワックス粒子であることを特徴とする請求項1に記載の潤滑処理亜鉛めっき鋼板。
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