JP2020100756A - 脂肪族グリコールの精製方法 - Google Patents

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【課題】ポリエステル製造の際に発生する不純物含有の脂肪族グリコール成分を精製する際に、精留残渣に含まれる脂肪族グリコール二量体の量を制御することで蒸留残渣の流動性を効率良く改良する方法を提供する。【解決手段】ポリエステル重合工程で発生する脂肪族グリコールを精製するに際して、精製後の残渣に含まれる脂肪族グリコール二量体量を18質量%以上24質量%以下とすることを特徴とする該脂肪族グリコールの精製方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル製造工程で発生する脂肪族グリコール成分を精製する際に、
精留残渣の取扱性が良好な脂肪族グリコールの精製方法に関するものである。
ポリエステル製造工程においては、反応性・生産性の両面から脂肪族グリコールを過剰下で反応させており、芳香族ジカルボン酸1モルに対し、脂肪族グリコールは1.05〜2.0モル供給されている。また、各反応において添加される触媒成分や添加物の多くは、溶媒に該脂肪族グリコールを使用しており、結局ポリエステル製造工程内にはポリエステル中に含まれる理論脂肪族グリコールに対して過剰の脂肪族グリコールが存在することになる。その結果、ポリエステル製造装置から脂肪族グリコールを一部抜き出す必要が生じる。この抜き出される脂肪族グリコールには、水分や低沸物、飛沫同伴したポリエステル低重合体や共重合成分として添加された脂肪族グリコール二量体が含まれており、これらが系外に留去されることとなる。通常、ポリエステル製造装置は、このように工程から留去された脂肪族グリコールを一括した後、純度の高い脂肪族グリコールに精製する工程を有している。
一般に、ポリエステル製造工程で発生する不純物を含有した脂肪族グリコールの精製は、沸点の違いを利用して蒸留することにより不純物を取り除き、目的とする脂肪族グリコールを得ている。
ところが、精留残渣の性状によっては、精留塔内で沈降、固化して、精留残渣の流動性が著しく低下するといった問題や、精留残渣が常温で固化せず残渣の取扱性が悪化するといった問題があった。
精留残渣の流動性向上に関しては、多くの技術が開示されている。例えば、特開2002―326966では、ポリエステル製造工程において発生する脂肪族グリコールを精製するに際して、有機アルカリ化合物を精留工程に仕込む前に添加し精留を行っている。これにより、酸性下での精留で生じる脂肪族グリコールの脱水縮合反応による縮合生成物および水の発生を抑制する事ができ、また有機アルカリを添加し精製することでアルカリ金属塩の発生による蒸留缶内部、配管、加熱用スチーム配管等にスケーリングし、配管閉塞、伝熱不良等の工程トラブルが抑制される報告がなされている。また、特開2004―323828においては、重縮合反応留出物に脂肪族グリコールよりも沸点が高いアルコールを混合する処理及び/又はポリエステルの重縮合触媒能を有する化合物を混合する処理を行った後処理混合物を精留することにより、含まれる固形物を変性させ、流動性を改良する方法が報告されている。ところが、精留工程に仕込む前に特別な処理を行わず、精留残渣に含まれる脂肪族グリコール二量体の量を制御することにより蒸留残渣の流動性を効率良く改良する技術については、これまで開示されていなかった。
特開2002―326966号公報 特開2004―323828号公報
本発明は、ポリエステル製造の際に発生する不純物含有の脂肪族グリコール成分を精製する際に、精留残渣に含まれる脂肪族グリコール二量体の量を制御することで蒸留残渣の流動性を効率良く改良する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記のような事情に注目し、鋭意検討を続けてきた結果、本発明に至った。すなわち、本発明の脂肪族グリコールの精製方法は、ポリエステル製造工程において発生する脂肪族グリコールを精製するに際して、精留残渣に含まれる脂肪族グリコール二量体の量を制御することを特徴とする脂肪族グリコールの精製方法である。
本発明の脂肪族グリコールの精製方法においては、精留残渣に含まれる脂肪族グリコール二量体の量を18質量%以上24質量%以下とすることが好ましい。
精留残渣に含まれる脂肪族グリコール二量体の量を18質量%以上とすることで、精留残渣が常温で固化することにより、例えば高沸物を焼却して熱回収する際の取り扱いが容易となる。また、精留残渣に含まれる脂肪族グリコール二量体の量を24質量%以下とすることで、蒸留缶や配管等での凝固による閉塞も発生せず、配管閉塞およびスチーム配管へのスケーリングによる精留工程の伝熱不良等を生じて、工程に重大な障害を引き起こすという問題の発生を防ぐことが可能となる。
次に本発明を詳術する。
ポリエステルの製造方法には、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールによる直接重合法と、芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体と脂肪族グリコールによるエステル交換法の2つがあるが、直接重合法では芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールをスラリー状にして反応缶に仕込む方法が一般的である。ここで、理論的には芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールの反応は等モルで進行するが、反応性・生産性の両面から脂肪族グリコールを過剰下で反応させており、通常ジカルボン酸1モルに対し、脂肪族グリコールは1.02〜2.0モル、好ましくは1.03〜1.3モルで行なわれている。また、エステル交換法においても直接重合法と同様の理由で、脂肪族グリコールを過剰下で反応させており、通常ジカルボン酸1モルに対し、脂肪族グリコールは1.02〜2.2モル、好ましくは1.5〜2.0モルで行なわれている。
本発明のポリエステルは、TPAまたはそのエステル形成性誘導体を芳香族ジカルボン酸とし、EG、BGなどのグリコールまたはそのエステル形成性誘導体を脂肪族グリコールとするポリエステルを対象とし、好ましくはポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートである。
なお、TPA成分の一部を、例えば、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、ドデカンジオン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、などの脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸で置き換えるか、またはグリコール成分の一部をポリテトラメチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、p-キシレングリコール、1,4−シクロヘキサジメタノール、ビスフェノールなどの脂肪族、脂環族、芳香族のシオキシ化合物で置き換えでもよい。
さらに熱可塑性を損なわない程度であれば、三官能以上の多官能性化合物を共重合してもよい。また、ポリエステルには、顔料、耐熱材および蛍光増白剤などの添加物を含んでもよい。
また、本発明のポリエステルの製造方法は連続式であっても回分式であってもよい。
このように、ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族グリコールの重縮合反応により製造されるが、ポリエステル製造の際には、反応性・生産性の両面から脂肪族グリコールを過剰下で反応させて予備反応および重縮合反応を速やかに進行させるため、通常は反応系を高真空にして脂肪族グリコールを反応系外に留去させながら反応を行う。留去した脂肪族グリコールには不純物が多量含まれることから、精製して不純物を除去した後、再びポリエステル原料として使用される。
回収された脂肪族グリコールに含まれる不純物としては、ポリエステル製造の際添加される触媒に起因するもの、原料である芳香族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールの低重合体、環状3量体などのオリゴマー、さらにはポリエステル製造時
の熱分解により発生した副反応生成物である反応性に富むアルデヒドなどが挙げられる。
脂肪族グリコールの精留工程では、構成各物質の沸点の違いを利用する。まず水、アルデヒド等の低沸点物質を留去する低沸物除去工程、脂肪族グリコールを精製・留出させ高沸点物質を缶出する精製工程、さらに缶出した高沸点物質を濃縮し精製残渣とする3工程から成るが、回分式でも連続式のどちらの方法でも良い。
蒸留工程は減圧下で行なうことが好ましく、圧力は1〜700Torrが好ましく、更に好ましくは1〜150Torrである。また、反応温度は100〜200℃が好ましく、更に好ましくは120〜170℃で行なわれる。
本発明では、該脂肪族グリコールの精留工程において、精留残渣に含まれる脂肪族グリコール二量体の量を制御することにより蒸留残渣の流動性を効率良く改良する。具体的には、精製後の残渣に含まれる脂肪族グリコール二量体量を18質量%以上24質量%以下とすることにより蒸留残渣の流動性を効率良く改良する。
以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。なお、ジエチレングリコール(以下、DEGと略す)の分析においては以下の方法に従って測定した。
・DEG
試料0.5gを1,6−ヘキサンジオール(5mg)とエタノール(1.25ml)の混合溶媒に溶解して、島津製作所製のガスクロマトグラフィー(GC−14A)により測定した。
[実施例1] ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)を製造し、その際、発生・回収されたエチレングリコール(以下、EGと略す)を精留すべく、該EGを連続精留工程にフォードした。連続精留工程は、EGより低沸点成分を留出除去する塔とEGより高沸点成分を精留残渣として除去する塔の2塔から成る。低沸物を除去する第1塔目の
精留工程条件は、フィード量4.5m3/hr、加熱缶温度154℃、真空度は100torrとし、低沸物(不純物)の留出量は0.8m3/hr、残りの高沸物の第2塔へのフィード量は3.6m3/hrであった。精製EGを留出させる第2塔目の精留工程条件は、加熱缶温度160℃、真空度は100torrとした。その後第2塔缶出液を濃縮する精留残渣濃縮工程条件は、フィード量は4m3/BT、加熱缶温度120〜200℃、真空度は100torr→30torr→1torrと順次変更した。該精留工程の残渣を測定するとDEGは20%であった。該精留工程を継続運転したが、精留残渣が常温で固化することにより、例えば高沸物を焼却して熱回収する際の取り扱いが容易となり、また運転開始3ヶ月経過後も配管詰まり、加熱不良等の工程トラブルは発生しなかった。
[実施例2] PETの製造の際、発生・回収されたEGを実施例1と同様の設備で精製したところ、該精留工程の残渣を測定するとDEGは18%であった。該精留工程を継続運転したが、精留残渣が常温で固化することにより、例えば高沸物を焼却して熱回収する際の取り扱いが容易となり、また運転開始3ヶ月経過後も配管詰まり、加熱不良等の工程トラブルは発生しなかった。
[実施例3] PETの製造の際、発生・回収されたEGを実施例1と同様の設備で精製したところ、該精留工程の残渣を測定するとDEGは24%であった。該精留工程を継続運転したが、精留残渣が常温で固化することにより、例えば高沸物を焼却して熱回収する際の取り扱いが容易となり、また運転開始3ヶ月経過後も配管詰まり、加熱不良等の工程トラブルは発生しなかった。
[比較例1] PETの製造の際、発生・回収されたEGを実施例1と同様の設備で精製したところ、該精留工程の残渣を測定するとDEGは17%であった。精留残渣が常温で固化せず、例えば高沸物を焼却して熱回収する際の取り扱いが困難となった。
[比較例2] PETの製造の際、発生・回収されたEGを実施例1と同様の設備で精製したところ、該精留工程の残渣を測定するとDEGは25%であった。蒸留缶や配管等での凝固による閉塞が発生し、配管閉塞およびスチーム配管へのスケーリングによる精留工程の伝熱不良等を生じ、工程に重大な障害を引き起こすという問題が発生した。
Figure 2020100756

Claims (2)

  1. ポリエステル重合工程で発生する脂肪族グリコールを精製するに際して、精製後の残渣に含まれる脂肪族グリコール二量体量を18質量%以上24質量%以下とすることを特徴とする該脂肪族グリコールの精製方法。
  2. 該脂肪族グリコールが、エチレングリコールであることを特徴とする請求項1記載の脂肪族グリコールの精製方法。
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