JP2017502082A - コハク酸エステルの調製方法 - Google Patents
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Abstract
コハク酸ジアルキルをバイオコハク酸供給原料から生成する方法であって、バイオコハク酸を、コハク酸のエステル化を可能にする温度および圧力で操作される反応蒸留ゾーン塔の塔底部またはその付近の位置に供給し、前記流れを上向きに流れるアルカノールと並流に流して、前記エステル化反応が起こるようにするステップと、ジエステル、アルカノール、エステル化の水および有機成分を含む、反応蒸留ゾーン塔の塔頂部またはその付近からのオーバーヘッド蒸気流を除去し、前記流れをアルカノール分離塔に流し、アルカノールをエステル化の水および有機成分から分離するステップと、アルカノール分離塔からの側方ドローをその塔への供給位置より下方の位置から除去するステップであって、前記側方ドローが部分非混和性の有機相と水相を含むステップと、前記側方ドローを相分離装置に流し、部分非混和性の有機相と水相を分離するステップと、前記有機相を、コハク酸ジアルキルが残留している水および他の有機成分から分離される塔に流すステップと、コハク酸ジアルキルを回収するステップとを含む方法。
Description
本発明は、発酵ベースの方法で生成されたコハク酸を含む供給原料から、コハク酸ジアルキルを生成する方法に関する。
ジカルボン酸および/あるいは無水物、またはモノアルキルもしくはジアルキルエステル、ラクトン、およびそれらの混合物と水素との反応によって、ジオールを生成することが知られている。商業的には、所望の生成物が1,4−ブタンジオールであり、共生成物が典型的にはテトラヒドロフランおよびγ−ブチロラクトンである場合、出発物質は通常マレイン酸ジメチルまたはマレイン酸ジエチルなどのマレイン酸ジアルキルエステルおよび/または無水物であり、少量のフマル酸ジアルキルおよび/またはコハク酸ジアルキルを含有していることがある。
これらの方法に関する情報は、例えばUS4584419、US4751334、WO86/03189、WO88/00937、US4767869、US4945173、US4919765、US5254758、US5310954およびWO91/01960で見ることができる。
これら従来の反応方法で供給原料として使用されるマレイン酸ジアルキルは、任意の適切な手段で生成することができる。このような方法で使用するためのマレイン酸ジアルキルの生成は、US4584419、US4751334、WO88/00937、US4795824およびWO90/08127に詳細に述べられている。
1,4−ブタンジオールおよび共生成物としてテトラヒドロフランを生成し、場合によってはγ−ブチロラクトンを生成する通常の一方法において、エステル化反応器のあらゆる残留メタノールと共にマレイン酸ジメチルなどのジアルキルエステルが気化器に供給され、気化器に供給された高温循環ガス流によって気化され、補給水素と混合され得る。循環ガスは、通常高濃度の水素ガスを含むが、炭化水素、酸化炭素、メタンおよび窒素を含めて他のガスを含むこともある。さらに、循環ガスが下流からの再循環ガスを含む場合、生成物エーテル、メタノール、水、共生成物および副生成物を含めて凝縮物も存在することがある。
次いで、気化器の一体となった蒸気流を反応器に流し、触媒の存在下で反応させて、1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフランおよび/またはγ−ブチロラクトンを形成する。生成物流を冷却し、反応生成物を凝縮させ、過剰の循環ガスから分離した後、精製ゾーンに流す。精製ゾーンにおいて、様々な生成物を分離し、1,4−ブタンジオールおよびテトラヒドロフランを取り除く。γ−ブチロラクトンを、中間体のコハク酸ジメチルおよびいくらかの1,4−ブタンジオールと一緒に再循環させることができる。一構成形態において、γ−ブチロラクトンをオプションの精製ゾーンで少なくとも部分抽出し、回収してもよい。生成物ミックスから分離されたメタノール水流は上流で再循環される。一般に、この方法または他の通常の方法で生成された1,4−ブタンジオールのかなりの部分は、その後テトラヒドロフランに変換される。
行われる反応全体は一連のステップであり、テトラヒドロフランが生成される最終脱水ステップを含む。予想される反応経路をスキーム1に示す。
異なる3つの触媒が使用される反応プロセスに無水マレイン酸エステルを供給する代替方法がWO99/35113に記載されている。まず、マレイン酸エステルは、不均一系選択的水素化触媒である第1の触媒の存在下に温度120℃〜170℃および圧力3〜40baraでコハク酸エステルに変換される。次いで、コハク酸エステルを、第2の触媒が存在する所に直接流し、主にγ−ブチロラクトンに変換する。次いで、第2の触媒との反応による生成物は、γ−ブチロラクトンを脱水するために使用される第3の触媒が存在する所に直接供給されて、テトラヒドロフランを生成する。第2の触媒の存在下に形成されたγ−ブチロラクトンの一部は、より高圧で操作する第2の反応ループに移され、1,4−ブタンジオールに変換される。
WO99/35113に記載されている代替方法で使用されるスキーム1の第1のステップおよび第1の触媒は、マレイン酸ジメチルのコハク酸ジメチルへの水素化に関するので、コハク酸ジメチルまたはコハク酸ジエチルは、水素と反応させて、1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフランおよび/またはγ−ブチロラクトンを形成するのに適した出発物質であり得ることが示唆されている。
コハク酸ジメチルをテトラヒドロフランおよび1,4−ブタンジオールの生成で使用する一方法が、US4656297に記載されている。この方法では、メタノールをエステル供給材料に加えて、変換を高め、エステル交換反応を低減する。コハク酸ジメチルが供給材料として提案される方法の別の例はWO99/35136であり、水素との反応が異なる2つの触媒で行われ、テトラヒドロフランとγ−ブチロラクトンの混合物が形成する。
無水マレイン酸は通常、共に究極的には原油に由来するベンゼンまたはn−ブタンから商業的に生成される。したがって、環境影響を改善し、経済性を潜在的に改善する試みとして石油に由来しない代替の出発物質を探索することが望ましい。
最近、糖の発酵によりコハク酸を生成および回収する方法において大幅な進歩があった。方法の例は、例えばUS5958744、US6265190およびUS8246792で見ることができる。現在、実証プラントが建設されている。やがてこのような方法は1,4−ブタンジオール生成用の経済的な供給原料である無水マレイン酸と競合することができるかもしれないと予想される。
コハク酸を供給原料として使用する場合、一般的に最初にエステル化して、コハク酸ジアルキルを生成する。US4795824およびWO90/08127に記載された方法およびプラントを使用して、コハク酸からコハク酸ジアルキルを生成することができるが、様々な不利な点および欠点がある。
これらの先行技術の体系に記載されている方法は、出発物質がコハク酸である場合に実施するのが理想的に適しているわけではない。これは特にコハク酸が発酵法で生成される場合に当てはまる。参照しやすいように、発酵法で生成したコハク酸を「バイオコハク酸」と呼び、この用語はそれに応じて解釈されるべきである。
バイオコハク酸は不純物を含むのが一般的である。これらは発酵残渣および副生成物であり得る。硫黄を含むことがあるこれらの不純物は、このバイオコハク酸を利用する反応で使用される触媒の働きに有害であり得る。これは特に後続反応で銅系触媒が利用される場合に問題となる。不純物が特に有害である別の構成は、エステル化などの後続反応で酸樹脂触媒が使用される場合である。これらの不純物を精製方法で除去した後、後続反応における触媒と接触させることによって問題に対処する可能性があり得るが、十分な純度のコハク酸を生成するのに要するステップの数が重要である。これらの精製ステップの必要性によって、コハク酸生成プラントに伴う資本コストと運転コストの両方が大幅に増加する。
したがって、複雑で費用のかかる精製ステップを必要としない、バイオコハク酸からコハク酸ジアルキルを生成する方法を提供することが望ましい。
JP1216958には、均一系酸触媒を使用したコハク酸のエステル化方法が記載されている。この方法では、コハク酸の極めて希薄なメタノール溶液が均一系触媒と共に蒸留塔の上部領域に供給され、蒸留塔の基礎部において添加されたメタノールと向流で流される。エステル化は塔内で起こり、コハク酸ジアルキルは蒸留塔の基礎部から除去される。約1〜20重量%の非常に希薄なコハク酸の溶液が使用されるので、大量のメタノール再循環流が必要になり、メタノールをエステル化反応で生成するエステル化の水から分離する際にかなりのコストがかかる。JP1216958の実施例1は、コハク酸がバイオコハク酸である場合における樹脂触媒の失活に伴う問題を示した。
樹脂触媒の存在下におけるエステル化反応でバイオコハク酸を使用することに伴う問題は、「Reaction Kinetics for the Heterogeneously Catalyzed Esterification of Succinic Acid with Ethanol」の実施例1、Kolah A Kら、Ind. Eng. Chem. Res., 2008, 47(15) pp 5313−5317、「Pervaporation−assisted Esterification of Lactic and Succinic Acids with Downstream Ester Recovery」、Benedictら、J. Membrane Sci., 2006, 281 pp 435−445、「Combined Technology of Catalytic Esterification and Absorption of Succinic Acid」、Ding Bら、The Chinese Journal of Process Engineering 2007−01、US 5723639、および「Preparation of Diethyl Succinate by Catalytic Esterification and Absorption Dehydration」、Gang Cら、China Surfactant Detergent & Cosmetics 2008−04にも記載されている。
エステル化を無触媒系で実施する様々な方法が提示されてきた。
JP04091055では、コハク酸またはコハク酸無水物のエステル化反応で得られたコハク酸モノエステルがアルコールと共に反応器に導入される。ジエステルへの反応は触媒の非存在下で実施される。反応器の底部から除去された生成物には、相当量のモノエステルがやはり含まれており、したがって例えば銅触媒を使用する下流の反応での使用には適したものではないという恐れがある。さらに、反応器の基礎部から抜き取られたジエステルには、バイオコハク酸の生成からキャリーオーバーされた重質不純物が含まれていると考えられる。
無触媒系反応の別の問題としては、これらの系は変換率が低い可能性があり、したがって酸分が高い。例えば、1,4−ブタンジオールを生成する公知の方法の多くは銅系触媒を使用するので、酸が存在すると、存在する酸性種によって銅系触媒が失活するので問題となる。これは、失活した触媒を置換するために定期的な操業停止を要する。この失活は、出発材料が二重結合を含む系では水素化ステップにおいて二重結合の変換時に放熱量が高いため増強される恐れがある。これに対処するためには、酸を除去しなければならず、いくつかのステップを必要とし、この方法の資本コストおよび操業コストを増加させることになる。
コハク酸ジアルキルの使用によって、二重結合の変換時に放出される高熱に伴う問題が克服され、やはり出発物質として無水マレイン酸を使用することに伴う問題でもあるフマル酸エステルが形成されるリスクを回避するなど様々な他の利点がもたらされる。しかし、コハク酸のジエステル化が完全でない場合、酸性種が反応供給材料中に依然として存在しており、酸を除去するステップを講じなければ触媒の失活を招く恐れがある。したがって、ジエステル、特に水素化反応に適した供給材料であるジエステルへの完全な変換をもたらす方法を有することが望ましい。高い変換率には、大過剰の乾燥アルカノールが必要である。この乾燥アルカノールの回収および再循環によって、高い資本コストおよび操業コストがかかる。
出発物質としてコハク酸を使用することに伴う問題もある。コハク酸は周囲温度で結晶性固体であり、通常のエステル化温度を超える融点を有する。さらに、水、およびメタノールなどのアルカノールに対する溶解性が低い。これらによって、コハク酸を使用することができる様式が制限される。これは、一般に液体供給材料に特化された通常のエステル化方法で出発物質としてコハク酸を使用する上で難題を与える。
別の問題は、コハク酸ジアルキルの揮発性が次の点を引き起こすことである。通常の向流反応において、ジエステルは主に蒸留塔の基礎部から除去されるが、一部分が反応塔の塔頂部から生成されたエステル化の水および過剰のアルカノールと共にキャリーオーバーし、失われ、それによって効率が低減し、したがってこの方法の経済性に影響を及ぼす。さらに、エステルがこの流れに存在すると、流出液の問題をもたらす恐れがある。
[特許文献]
[特許文献1]US4584419
[特許文献2]US4751334
[特許文献3]WO86/03189
[特許文献4]WO88/00937
[特許文献5]US4767869
[特許文献6]US4945173
[特許文献7]US4919765
[特許文献8]US5254758
[特許文献9]US5310954
[特許文献10]WO91/01960
[特許文献11]US4795824
[特許文献12]WO90/08127
[特許文献13]WO99/35113
[特許文献14]WO99/35136
[特許文献15]US5958744
[特許文献16]US6265190
[特許文献17]US8246792
[特許文献18]JP1216958
[特許文献]
[特許文献1]US4584419
[特許文献2]US4751334
[特許文献3]WO86/03189
[特許文献4]WO88/00937
[特許文献5]US4767869
[特許文献6]US4945173
[特許文献7]US4919765
[特許文献8]US5254758
[特許文献9]US5310954
[特許文献10]WO91/01960
[特許文献11]US4795824
[特許文献12]WO90/08127
[特許文献13]WO99/35113
[特許文献14]WO99/35136
[特許文献15]US5958744
[特許文献16]US6265190
[特許文献17]US8246792
[特許文献18]JP1216958
したがって、出発材料がバイオコハク酸である場合に生ずる上記の確認された問題の少なくともいくつかに対処する方法を提供することが望ましい。上記の問題の全てに対処する方法を提供することが特に望ましい。
問題は、酸とアルコールがエステル化反応塔を並流に流れる自己触媒反応を反応蒸留ゾーン塔中で実施し、エステルを含む流れを塔から回収し、蒸留塔の基礎部またはその付近からの重質不純物をパージすることによって対処することができる。蒸留および相分離ならびに段の組合せによって、先行技術の問題を処理することができる。
したがって、本発明によれば、バイオコハク酸供給原料からコハク酸ジアルキルを生成する方法であって、
(a)バイオコハク酸を、コハク酸のエステル化を可能にする温度および圧力で操作される反応蒸留ゾーン塔の塔底部またはその付近の位置に供給し、前記流れを上向きに流れるアルカノールと並流に流して、前記エステル化反応が起こるようにするステップと、
(b)ジエステル、アルカノール、エステル化の水および有機成分を含む、反応蒸留ゾーン塔の塔頂部またはその付近からのオーバーヘッド蒸気流を除去し、前記流れをアルカノール分離塔に流し、アルカノールをエステル化の水および有機成分から分離するステップと、
(c)アルカノール分離塔からの側方ドローをその塔への供給位置より下方の位置から除去するステップであって、前記側方ドローが部分非混和性の有機相と水相を含むステップと、
(d)前記側方ドローを相分離装置に流し、部分非混和性の有機相と水相を分離するステップと、
(e)前記有機相を、コハク酸ジアルキルが残留している水および他の有機成分から分離される塔に流すステップと、
(f)コハク酸ジアルキルを回収するステップと
を含む方法が提供される。
(a)バイオコハク酸を、コハク酸のエステル化を可能にする温度および圧力で操作される反応蒸留ゾーン塔の塔底部またはその付近の位置に供給し、前記流れを上向きに流れるアルカノールと並流に流して、前記エステル化反応が起こるようにするステップと、
(b)ジエステル、アルカノール、エステル化の水および有機成分を含む、反応蒸留ゾーン塔の塔頂部またはその付近からのオーバーヘッド蒸気流を除去し、前記流れをアルカノール分離塔に流し、アルカノールをエステル化の水および有機成分から分離するステップと、
(c)アルカノール分離塔からの側方ドローをその塔への供給位置より下方の位置から除去するステップであって、前記側方ドローが部分非混和性の有機相と水相を含むステップと、
(d)前記側方ドローを相分離装置に流し、部分非混和性の有機相と水相を分離するステップと、
(e)前記有機相を、コハク酸ジアルキルが残留している水および他の有機成分から分離される塔に流すステップと、
(f)コハク酸ジアルキルを回収するステップと
を含む方法が提供される。
ジエステルを反応蒸留ゾーン塔の塔頂部またはその付近において除去することによって、向流系において出現する生成物が塔の塔底部から抜き取られる場合に認められるエステルを汚染する供給材料に由来する重質不純物に伴う問題が克服される。さらに、反応および初期の蒸留を並流で実施することによって、未反応の酸およびモノエステルを後続反応のための内部再循環により塔内に保持することが可能になり、それによって変換率、したがって反応の効率が改善される。
本発明の別の利点は、ジエステルへの変換を完了するのに必要とされた比率が向流反応の場合に必要とされた比率と比べて低くなっていることである。向流系において、コハク酸がメタノール中でスラリー化されてまたはメタノール中に溶解されて導入される場合、そのメタノールの相当な割合は気相になり、したがって液相反応に関与しない。一方、本発明において、反応塔が並流式で操作される場合、アルカノールは全てエステル化反応に利用できる。アルカノールとコハク酸の比は本発明では低下しているので、反応容器のサイズを低減することができ、したがって資本コストと運転コストが同様に低減される。さらに、エネルギーの必要性も低減する。
反応蒸留ゾーン塔への供給材料はバイオコハク酸を含み、それには、バイオマスの発酵によるコハク酸形成後に存在する不純物が含まれる。存在する不純物は、バイオマスの供給源および使用する発酵法によって決まる。しかし、これらは一般的に、タンパク質、糖、アミノ酸、スクシナミン酸、スクシンアミド、アンモニウム、硫黄、有機化合物および金属イオンのうちの1つまたは複数を含む。有機化合物としては、酢酸、ピルビン酸、フマル酸、リンゴ酸および/または乳酸など他の有機酸が挙げられる。金属イオンは、栄養素または供給材料不純物によってバイオマス中に存在していることがある。本発明によれば、エステル化反応より前にこれらの不純物を取り出す必要性なしに反応を実施することが可能になる。
一構成形態において、バイオコハク酸は固体として反応蒸留ゾーン塔に供給されることがある。別の構成形態において、アルカノールまたは水中のスラリーまたは溶液として供給されることがある。アルカノールのスラリーまたは溶液として供給される場合、このアルカノールは全アルカノールの一覧またはその一部分を代表することができる。それが全要件の一部分でしかない場合、補給アルカノールを反応蒸留ゾーンに添加することができる。アルカノールとコハク酸の全体比は約3:1〜約10:1辺りである。これはコハク酸のエステル化の化学量論比を超えることがわかる。
本発明は、50重量%以上のコハク酸を含むバイオコハク酸供給材料を用いて行われることがある。一構成形態において、80重量%以上であることがある。酸供給材料は、約20重量%までの水を含んでもよい。しかし、より低い含水率が一般的に好ましい。含水率は結晶化条件および乾燥プロファイルによって変わる。一構成形態において、典型的な含水率は水約5重量%辺りである。残部は一般的に不純物である。
バイオコハク酸供給材料は、マレイン酸、無水マレイン酸およびマレイン酸モノアルキルのうちの1つまたは複数と同時供給することができる。
反応蒸留ゾーン塔は並流式に操作され、コハク酸のジエステルはコハク酸とモノエステルのどちらよりも揮発性が高いので、各反応段階から優先的に気化され、したがってその濃度は塔の上方に向かって増加する。温度プロファイルは、ジエステル化が行われるまで酸およびモノエステルを塔に保持するように設計することができる。したがって、所望の生成物への変換は最適化される。
任意の一構成形態において、バイオコハク酸を反応塔に添加する前に、前反応器中でアルカノールと前反応させてもよい。適切な前反応器としては、撹拌槽反応器が挙げられる。撹拌槽反応器は好ましくは連続撹拌槽反応器である。任意の適切な反応条件で作動させることができる。一構成形態において、撹拌槽反応器は、コハク酸の結晶を溶解することが可能になり、酸を溶液状態で維持し、エステル化反応が起こることを可能にする約120℃〜約140℃辺りの温度で操作される。適切な温度としては、120℃、125℃、130℃、135℃および140℃が挙げられる。撹拌槽反応器内の圧力は約5bara〜約10bara辺りとすることができる。これは、アルカノールを溶液状態で維持するのに最適な圧力である。適切な圧力としては、5bara、6bara、7bara、8bara、9baraおよび10baraが挙げられる。高圧が使用される場合、第1の反応器は、自己触媒エステル化反応が比較的速く、20〜90分間程度で進行し、アルカノールの気化を防止するのに十分高い温度で操作される。気化は反応平衡に悪影響を及ぼすので望ましくない。一構成形態において、反応時間は40〜50分程度である。
アルカノールとコハク酸の適切なモル比であれば、撹拌槽反応器に対していずれを選択してもよい。一構成形態において、選択されるモル比は約1:1〜約6:1のアルカノールとコハク酸である。約2:1、3:1および4:1のモル比も使用してよい。アルカノールの増加によって反応時間が短縮されることがわかる。しかし、アルカノールの存在が増加すると、アルカノール再循環のコストがかさむ。
前反応器における自己触媒反応で熱を発生させることがある。この一部分を利用して、供給材料が固体またはスラリーである場合にバイオコハク酸の溶解熱を克服することができる。残留熱があればそれを回収し、本発明の方法または上流もしくは下流の反応で利用することができる。これは、気化したアルカノールを凝縮することによってまたは代替の手段によることがある。代替的構成形態において、熱を供給して、溶解熱を克服しなければならないこともある。
前反応器から除去された流れは溶液であり得るが、いくつかの残留固形物を含有することがある。一構成形態において、前反応器から除去された流れはスラリーであり得る。
未反応のコハク酸、モノアルキルエステル、ジアルキルエステル、アルカノール、エステル化の水および不純物を含む、前反応器からの生成物流を、場合によっては後続反応容器を経由して流すことがあり、そこで、さらなる反応が行われ、したがって任意のモノエステルのジエステルへの変換が高められる。任意の適切な後続反応容器を使用できる。一構成形態において、プラグフロー反応容器を使用することができる。さらなるエステル化が起こることを可能にするこの反応器において、任意の適切な反応条件を使用できる。
後続反応容器が使用される場合、プラグフロー反応器から回収された反応流は反応蒸留ゾーン塔に流される。
前反応器が場合によっては後続反応器と共に使用される場合、回収された流れは、エステル化の水および場合によっては過剰アルカノールが大まかに除去されるように処理されることがある。任意の適切な処理手段を使用できる。一構成形態において、フラッシュ/蒸留塔を使用することがある。
さらにまたは別法として、反応流の温度を反応蒸留ゾーン塔に添加される前に必要に応じて調整することができる。
オプションの前反応器およびオプションの後続反応容器を使用すると、一般的に反応蒸留ゾーン塔に必要とされたアルカノールの量が低減する。
任意の適切な反応蒸留ゾーン塔の構成を使用できる。一般的には、反応を最大限にし、分離を改善するように設計される。したがって、複数の反応蒸留段を使用することができる。一構成形態において、反応蒸留ゾーン塔には液ホールドアップ棚段が設けられて、その中での滞留時間を増やすことが可能になる。さらに、通常の蒸留段を反応蒸留ゾーン塔に反応蒸留段より上に配置することができる。この構成形態により、重質不純物、コハク酸およびモノエステルを反応蒸留ゾーン塔に保持することができる。不純物を塔に保持する際に役立つために分縮器が存在することができる。次いで、重質不純物を反応器のサンプからパージすることができる。
一代替的構成形態において、垂直分割型塔を使用してもよい。この構成形態において、供給材料を任意の再循環物に対して壁の反対側に供給することができる。
反応蒸留ゾーン塔は、反応促進の助けとなるのに適した任意の反応条件で操作することができる。約1.3bara〜約10baraのオーバーヘッド圧を使用することができる。1bara、2bara、3bara、4bara、5baraおよび6baraの圧力を使用することができる。約2baraの圧力は、特にアルカノールがメタノールである場合いくつかの利点をもたらすことができる。圧力は、十分なアルカノール濃度が必要とされた反応温度で液相に保持されることができるように選択される。
任意の適切な反応蒸留温度を使用できる。一構成形態において、反応ゾーン塔は約80℃〜約300℃の温度で操作することができる。約100℃〜約200℃の温度を使用する場合、特定の利点が顕著になることがある。約150℃の温度が特に有利であることがある。塔サンプの温度は約80℃〜約250℃とすることができ、塔のオーバーヘッドの温度は約80℃〜約170℃とすることができる。
反応蒸留ゾーン塔における反応は、自己触媒されるように触媒の非存在下に実施することができる。代替的構成形態において、触媒を使用してもよい。一構成形態において、触媒は反応蒸留ゾーン塔のサンプに配置することができる。代替的構成形態において、触媒は反応蒸留ゾーン塔の上段に配置してもよい。この手段によって、不純物は触媒と接触しない。
反応蒸留ゾーン塔の塔頂部またはその付近から除去された流れは、アルカノール分離塔に流される。一代替形態において、流れをアルカノール分離塔に流す前に、冷却器または部分冷却器に通して、システムで使用することができる熱を回収してもよい。さらに、これによって、アルカノール分離塔に冷却器があればその冷却水負荷が低減される。反応蒸留ゾーン塔のサンプの温度を適度にするために反応蒸留ゾーン塔をアルカノール分離ゾーンより高い圧力ではなく、低い圧力で操作可能にするには、オーバーヘッド物流の完全凝縮が望ましいことがある。これによって、低級のリボイル熱が可能になり、したがって低級の材料を構築に使用することが可能になる。一構成形態において、アルカノール分離塔が存在すると、約1.3baraのオーバーヘッド圧をもたらすことができる。
反応蒸留ゾーン塔から除去された流れは、アルカノール分離塔の適切な任意の位置に供給されることがある。一構成形態において、その中央領域またはその付近において供給される。
アルカノール分離塔は適切な任意の配置をとることができる。アルカノールはアルカノール分離塔の塔頂部またはその付近から除去される。このアルカノールは、反応蒸留ゾーン塔および/または前反応器が存在する場合はそこに再循環させることができる。通常、このアルカノールは液体として除去される。一構成形態において、アルカノールを蒸気として除去することができる。一般的に、蒸気は圧縮された後、使用される位置にポンプで送られる。この手段によって、アルカノール分離塔の冷却器負荷を低減することができる。蒸気が反応塔に戻された場合、蒸気として有することによって、反応塔のリボイラーに対する気化負荷が低減される。
一構成形態において、パージを行うことができる。このパージによって、軽質不純物および/または硫黄を除去することができる。アルカノールが反応蒸留ゾーン塔からオーバーヘッド部で連続的に除去されるので、反応は平衡限界ではなく、したがって高純度ジエステル生成物を実現するために非常に高い純度のアルカノールは必要とされない。アルカノール分離塔は、分離が起こることを可能にするのに適切な任意の条件で操作される。一構成形態において、塔のオーバーヘッド圧は約1.3bara〜約2bara辺りである。これは、アルカノールがメタノールである場合に特に適している。約1.5bara、約1bara、および約1.5baraの圧力を使用することができる。温度は使用するアルカノールによって決まる。アルカノールがメタノールである場合、温度は約70℃である。
所望のジエステルを含む流れがアルカノール分離塔から側方ドローとして除去される。一般的に、側方ドローはアルカノール分離塔から、供給位置より下方の位置で除去される。この側方ドローは部分非混和性の有機相と水相を含むので、相分離装置に流される。任意の適切な相分離装置を使用できる。一構成形態において、デカンターを使用することがある。
相分離装置への供給材料を冷却して、相分離を高めることができる。
一構成形態において、分離した水相をアルカノール分離塔に戻す。戻された水相は一般的にドロー位置より下方の位置に戻される。好ましい構成形態において、水相をドロー位置の直下に添加する。これによって、水/コハク酸ジアルキル共沸混合物を克服することが可能になり、ジエステルのアルカノール分離塔の塔底物への滑り込みが最小限に抑えられる。交換器を使用して、水相から熱を回収することができ、水相はアルカノール分離塔に戻される。
相分離装置の有機相から回収された有機相は反応蒸留ゾーン塔に流されることがある。この構成形態において、液体コハク酸ジアルキルを除去する流れは、一般的に反応塔から側方ドローとして、相分離装置からの有機流が反応蒸留塔に供給される位置より下方で除去された。この構成形態において、パージ物をアルカノール分離塔から抜き取り、ブタノールを除去することができる。パージ物は、供給位置より下方であるがコハク酸ジアルキル/水ドローより上方の位置から抜き取ることができる。ドローをデカンターに通して、パージ物における水/アルカノール/コハク酸ジアルキルの損失を最小限に抑えることができる。
代替的構成形態において、相分離装置から回収された有機相をコハク酸ジアルキル分離塔に流してもよい。この塔を好ましくは軽真空において操作して、必要とされる温度を適度にする。一構成形態において、塔のオーバーヘッド圧は約0.1bara〜約1bara辺りである。約0.25bara、0.5baraおよび約0.75baraの圧力を使用することができる。塔からの塔底物は本質的に100%コハク酸ジメチルであり、したがって温度は操作圧力に応じて約140℃〜約170℃である。
一般的に、コハク酸ジアルキルはコハク酸ジアルキル分離塔から塔底流として除去される。
一構成形態において、コハク酸ジアルキル分離塔への供給材料に残留している水があればそれはオーバーヘッド物として除去される。それはアルカノール分離塔に再循環させることができる。
ブタンジオール生成方法における蒸留系列からの流れなど下流の反応からの水を含む流れをアルカノール分離塔に供給することができる。これが行われる場合、ブタンジオールの生成における水素化分解反応の副生成物であるブタノールは相分離装置からの有機化合物相に濃縮し、場合によっては、コハク酸ジアルキル分離塔から一般的に液体ドローとしてパージされることがある。さらにまたは別法として、ブタノールをアルカノール分離塔からパージしてもよい。
このブタノールパージ物を抜き取れば、その中にはコハク酸ジアルキルの大部分が入っていることがあり、システムにとって損失になる。一構成形態において、これらの損失は、液体ドローパージ物を元に戻し、より多くの有機化合物がオーバーヘッド流に流れ込むのを可能にすることによって低減することができる。この構成形態において、オーバーヘッドを第2の相分離装置に流し、水相を有機相から分離する。この第2の相分離装置はデカンターとすることができる。一構成形態において、水相をアルカノール分離塔に戻すことができる。アルカノール分離塔に直接供給してもよく、またはアルカノール分離塔の後に配置された相分離装置からの水相と組み合わせてもよい。
一構成形態において、第2の相分離装置からの有機相はコハク酸ジアルキル/ブタノール分離塔に流される。この構成形態において、ブタノールはコハク酸ジアルキル/ブタノール分離塔のオーバーヘッド部に濃縮され、高純度コハク酸ジアルキル流は塔の塔底部またはその付近から回収される。
コハク酸ジアルキル/ブタノール分離塔への供給材料は一般に比較的少量であるので、コハク酸ジアルキル/ブタノール分離塔は、コハク酸ジアルキル分離塔の側塔として配置されるのが有利であることがある。この構成形態において、コハク酸ジアルキル分離塔の塔底部からの蒸気ドローを専用リボイラーの代わりに使用することができる。
一代替形態において、コハク酸ジアルキル/ブタノール分離塔とコハク酸ジアルキル分離塔は、コハク酸ジアルキル分離塔の基礎部における分割壁の使用により統合することができる。
代替的構成形態において、反応蒸留塔ゾーンにおいて生成されたジエステルの一部分が液体側方ドローとして除去される。残部は上述のようにオーバーヘッド部において除去され、アルカノール分離塔に流される。一構成形態において、ジエステルの大部分は側方ドローで除去される。この構成形態において、反応蒸留ゾーン塔の還流比は一般的に増加し、したがってエステル化の水および過剰のメタノールからのコハク酸ジアルキルの分離の大部分はアルカノール分離塔ではなく反応蒸留ゾーン塔内で行われる。
反応蒸留ゾーン塔からの熱ジアルキルエステルドローの一部分は場合によってはコハク酸ジアルキル分離塔に供給されることがあり、そこで、圧力を下げることによって気化させた蒸気を塔のリボイラーの代わりに使用することができる。
生成物流の一部分が反応蒸留塔からの側方ドローとして除去される場合およびブタンジオール生成の下流の蒸留系列からの水性再循環流が除去される場合、水素化分解反応の副生成物であるブタノールは、コハク酸ジアルキル濃度が低下し、したがってジエステル損失が低減されるのでコハク酸ジアルキル分離塔ではなく、アルカノール分離塔からの液体ドローとして場合によってはパージされることがある。
反応蒸留ゾーン塔におけるエステル化ならびにアルカノール分離とコハク酸ジアルキル分離の一方または両方を別個の塔で行うことができる。一代替形態において、単一の塔に反応蒸留塔ゾーンおよび一方または両方の蒸留塔を組み合わせることができる。この後者の構成形態において、未反応の酸およびモノエステルは、塔還流により大部分が反応蒸留塔ゾーンに保持され、より揮発性の高いエステルだけがオーバーヘッドから出ていく。反応ゾーンと蒸留ゾーンを単一の塔に維持する利点は、再循環物を塔内に維持する利点を受けることである。
反応蒸留ゾーン塔ならびにアルカノール分離塔およびコハク酸ジアルキル分離塔が別個の塔に配置されている場合、塔のオーバーヘッド圧をそれぞれの塔の特定の要件に合わせることができるのでいくつかの利点が認められることがある。
いくつかの実施形態において、反応蒸留ゾーン塔のサンプの組成物が大部分はコハク酸およびコハク酸モノアルキルである場合、おそらく240℃辺りまたはそれ以上の高温が認められることがある。この高温はいくつかの課題をもたらすことがある。まず、相当な熱をリボイラーに提供しなければならない可能性がある。これは40bar程度の水蒸気とすることができる。さらに、これらの温度で反応器中に存在している組成物の腐食性は、反応器の製作に高級な材料が必要とされる可能性あることを意味する。これらの温度では、副生成物反応が起こることもあり、かつ/または供給原料不純物の熱分解が著しくなることもあり、反応の効率に悪影響を及ぼすこともあり得る。したがって、これらの課題が生ずる実施形態において課題を軽減しようとすることが望ましい。
これが行われる構成形態において、反応蒸留ゾーン塔のサンプからのパージ物を除去することが望ましいことがある。パージ物を通常の速度より速い速度で抜き取ることができる。供給速度の約5%までのパージ物を抜き取ることができる。このパージ物を場合によってはアルカノールと混合し、パージ反応器に流すことができ、そこで、コハク酸およびコハク酸モノアルキルを所望のコハク酸ジアルキルに変換させる。このコハク酸ジアルキルを直接回収することがあり、または一構成形態において、反応蒸留ゾーン塔に再循環させることがある。コハク酸ジアルキルは反応蒸留ゾーン塔に戻される場合、一般的に塔の反応段の上に供給される。
パージ物と混合されたアルカノールは一般的に大過剰で用いられる。一構成形態において、コハク酸およびコハク酸モノアルキル各1モルについて4または5モルのアルカノールを使用することがある。
任意の適切な反応器をパージ反応器に使用できる。一構成形態において、反応器はプラグフロー型反応器である。任意の適切な反応条件をパージ反応器に使用できる。一般的に、パージ反応器は、変換が行われるのに十分に高い温度でアルカノールを溶液状態で維持するために塔より高い圧力、通常10〜20baraで操作される。適切な温度としては、約150℃〜約180℃が挙げられる。触媒を使用してもよいが、一般的に反応は自己触媒反応である。滞留時間は約1.5〜約2時間とすることができる。これによって、パージ物流中の75%以上のコハク酸およびコハク酸モノアルキルの変換が可能になると考えられる。これによって、反応蒸留塔ゾーンサンプ温度を約220℃に下げることが可能になる。
任意の適切なアルカノールを使用できる。一般的に、C1〜C4アルカノールをメタノールと使用することができ、またはエタノールが好ましく、メタノールが特に好ましい。
本発明の方法はバイオコハク酸など低い純度のコハク酸を利用することができるので、発酵法の生成物に対して行うのに必要とされた精製ステップの数が大幅に節減される。したがって、コストは実質的に低減し、コハク酸エステル化プラントは、供給材料をブタンジオールプラントに通常の無水マレイン酸と比べて競争力のある価格で供給することができる。
一構成形態において、弱塩基性陰イオン交換樹脂システムを仕上げステップとして使用して、存在する可能性があり、下流の反応で使用されるあらゆる触媒を損なう恐れがあるあらゆる残留不純物を除去する。この仕上げステップは、本発明の実施における滑りの場合に下流の触媒を保護するためのガード床としても働く。一構成形態において、交換樹脂は、一般的に置換が容易になるように構築する場合に犠牲システムとすることができる。代替的構成形態において、塩基溶液を用いた再生システムを含む。
アルカノールの凝縮の必要性は、あらゆるアルカノール再循環流の機械的蒸気再圧縮を利用することによって低減することができ、したがって反応蒸留ゾーン塔の塔底部に直接導入することができる。
特定の目的のために建てられたプラントを参照しながら、本発明を説明してきたが、US 479584およびWO 90/08127に記載の方法を実施するために建てられたプラントなど通常のプラントを改造して、本発明を使用できることがわかる。
本発明で生成されたコハク酸ジアルキルは、1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフランおよび/またはγ−ブチロラクトンの生成において使用することができる。さらに、医薬品、農業化学品、香料製品、プラスチック、被覆物、染料、顔料、印刷インキおよび他の有機化合物の製造などに他の方法で使用することができる。さらに、加水分解して、コハク酸に戻すことができる。この場合、コハク酸は、本発明に対して供給される酸より純度が高いものになる。
次に、例として添付図面を参照しながら、本発明を説明する。
当業者は、図面が図表で表されていること、工業プラントではリフラックスドラム、ポンプ、真空ポンプ、温度センサー、圧力センサー、圧力安全弁、制御弁、流量調整器、液面調整器、汚水槽、貯蔵槽など別の品目の機器が必要とされることがあることをわかる。このような補助的品目の機器の提供は本発明の一部分とならず、通常の化学工学の慣行に従うものである。
コハク酸のメチル化を参照しながら、本発明を論ずる。しかし、同様に他のアルカノールの使用に適用することができる。
図1に示すように、場合によっては、コハク酸結晶をライン1でロックホッパーシステムによって大気圧を超えて操作される連続撹拌槽反応器Aに添加する。メタノールをライン2で添加する。コハク酸をメタノールに溶解し、同時にメタノールと反応させる。連続撹拌槽反応器Aからの生成物流3は、溶解しているコハク酸、モノエステル、ジエステル、メタノールおよび水の変換された混合物の一部分を含む。これは、場合によってはプラグフロー反応容器Bに流され、モノエステルからジエステルへのさらなる変換が行われる。次いで、この供給材料を蒸留反応蒸留ゾーン塔Cにその基礎部またはその付近で流す。
あるいは、コハク酸を反応蒸留ゾーン塔Cの基礎部または付近に直接供給する。コハク酸を固体として供給してもよく、またはメタノール中で前スラリー化してもよい。プラグフロー反応容器Bが認められた場合、撹拌槽反応器からの生成物流3は反応蒸留ゾーン塔Cに直接供給される。コハク酸および反応生成物は蒸気として上向きに流れる。追加のメタノールをライン4で添加することができる。
反応蒸留塔ゾーンに適した構成形態の一例を図6に示す。一構成形態において、蒸留ゾーン202は反応ゾーン201の上に配置される。任意の適切な充填物をこれらのゾーン使用できる。適切な任意の形状の棚段を使用することができる。パージ物11を反応器Cの底部から除去する。これはバイオコハク酸からの重質不純物を含む。パージ物の一部分はヒーター203を経由して反応器Cを通して戻されることがある。
バイオコハク酸およびメタノールは図1の反応蒸留塔ゾーンCを上向きに流れる。メタノール洗浄液を反応ゾーン塔に適用することができる。供給材料からの不純物をライン11でパージする。
コハク酸ジアルキル、水、および過剰のメタノールを含む流れをオーバーヘッド流6として除去する。還流をもたらすために、冷却器7を設けることがある。流れの残部をオプションの冷却器G(図2に示す)に通して、流れを完全凝縮させたることができた後、ライン8でアルカノール分離塔Eに流す。流れの完全凝縮によって、反応蒸留ゾーン塔をアルカノール分離塔より低い圧力で操作することが可能になる。
メタノール流はライン29で除去される。塔還流をもたらすために、冷却器10を設けることがある。塔の塔底物をライン5でパージする。リボイラー12を塔Eに設けることができる。
ブタノールを図1に示すライン28で側方ドローとして除去することができる。
コハク酸ジメチルはアルカノール分離塔Eから液体側方ドロー13として、ライン8が塔Eに添加される位置より下方の位置から除去される。水も含むこの流13をデカンターFに流し、部分非混和性の有機相と水相を分離する。水相は、ライン14で塔Eに、ライン13が除去される位置の直下の位置に戻す。これによって、水とエステルの共沸混合物を克服することが可能になり、所望のエステルの塔の塔底物への滑り込みが最小限に抑えられる。
コハク酸ジメチル有機流はデカンターFからライン15で除去され、反応蒸留塔ゾーンCに反応段より上方の位置に戻される。
生成物流は反応蒸留塔ゾーンCからライン27で、ライン15のコハク酸ジメチル有機流が反応蒸留塔ゾーンCに添加される位置より下方の位置で除去される。
代替的構成形態を図2に示す。この構成形態において、デカンターFからライン15で除去されたコハク酸ジメチル有機流をコハク酸ジアルキル分離塔Hに流す。塔はリボイラー16を備える。コハク酸ジメチル生成物は塔Hからライン17で回収される。デカンターFから流れ15でキャリーオーバーされた水相があればそれは塔Hで分離され、オーバーヘッド部においてライン18で除去される。この流れを塔Eに戻して再循環させ、一般的にデカンターFからの水性流14と共に反応器に添加する。冷却器19によって、塔還流をもたらすことができる。
アルカノール分離塔も使用して、ブタンジオール蒸留プロセスからの水およびメタノールを含む流れを分離する場合、ブタノールはデカンターFから流れ15で有機化合物相に濃縮し、コハク酸ジアルキル分離塔から液体ドローとしてライン20でパージされることがある。
改変された方法を図3に示す。これは、アルカノール分離塔を使用して、ブタンジオール蒸留プロセスからの水およびメタノールを含む流れを分離する場合に特に適している。ブタノールを側方ドローとしてライン20で除去する上述の構成形態は様々な利点をもたらすが、一部のコハク酸ジアルキルがこのドローで失われる。図3に示す改変された方法はこれに対処する。
この構成形態において、側方ドロー20を省略し、より多くの有機化合物をライン18でデカンターIに流すことが可能になり、そこで、部分非混和性の水相と有機相が分離される。水相をアルカノール分離塔にライン21で戻す。有機相をライン22でコハク酸ジアルキル/ブタノール分離塔Jに流す。ブタノールをオーバーヘッド物としてライン23で除去する。冷却器24によって、塔還流をもたらすことができる。塔リボイラー25が一般的に設けられている。コハク酸ジアルキルは塔Jからライン26で除去される。
図2の構成形態の別の代替形態を図4に示す。この構成形態において、生成物の一部分は反応蒸留ゾーン塔Cから側方ドローとしてライン27で除去される。ブタノールが存在すればそれを側方ドローとしてライン28でアルカノール分離塔から除去することができる。
この代替方法での使用に適した反応蒸留塔ゾーンCの概略図を図6に示す。
別の代替的構成形態を図7に示す。これは図1に示す方法の改変形態として示した。しかし、この改変形態は本発明の任意の実施形態に適用できることが理解されよう。
パージ物30を反応蒸留ゾーン塔Cの試料から除去し、パージ反応器Kに流す。パージ物は一般的にコハク酸およびコハク酸モノメチルを含む。このパージ反応器は一般的にプラグフロー型反応器である。メタノールをパージ反応器Kにライン31で添加する。パージ物からのおよび所望のコハク酸ジメチルのあらゆる未反応の成分を含む、パージ反応器Kからの生成物はライン32で反応蒸留ゾーン塔Cに戻される。
次に、以下の実施例を参照しながら、本発明を説明する。
バックグラウンド例1
1リットルのオートクレーブに、Myriantバイオコハク酸(500g、4.2mol)およびメタノール(149g、4.7mol、1.1当量)を加えた。容器を封止し、窒素下で40bar(g)に加圧し、200℃に加熱し、その時点で、300rpmで撹拌することによって反応混合物を撹拌した。3時間後、容器を冷却すると、生成物が淡褐色スラリーとして放出された。その後のエステル化試験作業用に十分なコハク酸モノメチルが調製されるまで、この方法を繰り返した。
1リットルのオートクレーブに、Myriantバイオコハク酸(500g、4.2mol)およびメタノール(149g、4.7mol、1.1当量)を加えた。容器を封止し、窒素下で40bar(g)に加圧し、200℃に加熱し、その時点で、300rpmで撹拌することによって反応混合物を撹拌した。3時間後、容器を冷却すると、生成物が淡褐色スラリーとして放出された。その後のエステル化試験作業用に十分なコハク酸モノメチルが調製されるまで、この方法を繰り返した。
試験作業を繰り返して、粗および純Myriantバイオコハク酸試料に由来するコハク酸モノメチルの別々の試料を得た。
500mlの反応容器に、300gの粗バイオコハク酸モノメチルおよび30gのDPT−2樹脂(Johnson Matthey Davy Technologies Limited社から入手)を加えた。次いで、容器を加熱して、およそのポット温度を115℃にし、フランジを温度120℃に加熱して、内部還流を低減した。次いで、メタノールを溶液に1時間当たり3モル当量で導入した。得られた蒸気を除去し、凝縮させた。溶液の試料を経時的に採取し、指示薬としてフェノールフタレインおよび溶媒としてアセトンを使用して、0.1M水酸化カリウムに対する滴定で分析した。コハク酸モノメチル濃度が<0.5重量%になるまで、反応を継続した。
実験を繰り返して、4回のランを行った。その結果は図8で見られる。試験作業の結果は、粗Myriantコハク酸エステルによる樹脂の失活があったということを示唆する。
失活した樹脂のXRF分析は比較的大量のFeが存在していることを示したが、これは粗バイオコハク酸モノメチルには見られなかった。
バックグラウンド例2
純Myriantバイオコハク酸に由来するバイオコハク酸モノメチルを使用して、上述の実験を繰り返した。同じ電荷のイオン交換樹脂を使用して、5回の繰り返しのランを行った。その結果は図9で見られる。結果は、純材料による樹脂の失活はほとんどないことを示している。
純Myriantバイオコハク酸に由来するバイオコハク酸モノメチルを使用して、上述の実験を繰り返した。同じ電荷のイオン交換樹脂を使用して、5回の繰り返しのランを行った。その結果は図9で見られる。結果は、純材料による樹脂の失活はほとんどないことを示している。
バックグラウンド例3
Myriantバイオコハク酸試料に関する実験の有効性を確認するために、上述の方法を無水マレイン酸に由来するモノエステル供給材料について繰り返した。3つ口丸底フラスコに、無水マレイン酸(2kg、20.4mol)を添加した。撹拌しながら、容器を60℃に加熱し、その時点でメタノール(784g、3mol当量)を滴下し、10℃未満の発熱を維持した。メタノールの添加が完了すると、容器を流水下で急冷し、放出した。
Myriantバイオコハク酸試料に関する実験の有効性を確認するために、上述の方法を無水マレイン酸に由来するモノエステル供給材料について繰り返した。3つ口丸底フラスコに、無水マレイン酸(2kg、20.4mol)を添加した。撹拌しながら、容器を60℃に加熱し、その時点でメタノール(784g、3mol当量)を滴下し、10℃未満の発熱を維持した。メタノールの添加が完了すると、容器を流水下で急冷し、放出した。
同じ樹脂の試料を使用して以前に説明した手順に従って以上で合成されたマレイン酸モノメチルを使用して、4回の繰り返しのエステル化試験を行った。図10に示したように、失活を示す証拠はなかった。
この実施例は、バッチオートクレーブ中、温度190〜210℃におけるコハク酸とメタノールのエステル化を示す。
十字形磁気従動部をそれぞれ備えた6台の100cm3のHastelloy(商標)オートクレーブを使用して、コハク酸変換に関する研究を行った。加熱は、各オートクレーブにぴったり合った金属製ブロックヒーターで行った。加熱は適切な温度調整器で制御し、各オートクレーブを個別に磁気撹拌した。オートクレーブを加える前に、ブロックを所望の反応温度に予熱した。
各オートクレーブに、コハク酸およびメタノール(最高で30g)の所望の出発組成物を個別に加え、得られた懸濁液を室温において窒素150psigで封止および加圧して、反応時における成分蒸気の損失を最小限に抑えた。オートクレーブの漏れ試験を45分間行い、6台全てを予熱されたブロック中に一緒に配置した。最初のランによって、加熱されたブロックにおいて25分(210℃にて30分)後に、最高オートクレーブ圧力(190℃にて約390psig)が得られ、したがってこれらのタイミングをサンプリングのための開始時間「T=0」として使用することを決定した。
次いで、所望の試料採取のタイミングに到達次第、オートクレーブをブロックから取り出し、反応を急速に止めるために直ちに氷水に15分間浸した。反応(ベントされた)後のオートクレーブの質量と空のオートクレーブとの比較によって、質量収支を算出した。試料は全て、水について(電量Karl−Fisher)およびGC(Regisil処理、50mのDB−1カラム、HY 381法)によって分析した。
コハク酸とメタノールの出発モル組成1:2および1:4を、コハク酸の融点より高い反応温度190℃および210℃で用いた。T=0から開始して、データを10または15分間隔で収集し、ラン1回当たり50または75分間データを得た。質量収支は概して良好(>98%)であった。それは、コールドサンプリング方法を用いて、揮発性物質の保持が良好であることによる可能性がある。しかし、GCによるメタノールレベルは、試料のRegisil処理時に存在する急速な発熱のため、やはり信頼できないとみなされる。これは、これらの試料中に存在している水が高レベルであることによる可能性があり、典型的には10重量%を上回る。
表1〜4に示した得られたデータから、予想通りの成分の傾向を示し、コハク酸ジメチルへの変換は、温度が上がり、メタノールとコハク酸の比が高まるほど高まる。
結果を図11に示す。
この実施例は、温度190℃、変換率ほぼ90%でのコハク酸モノメチルとメタノールのジエステルへのエステル化を示す。
この試験作業用のコハク酸モノメチルを、市販の無水コハク酸からインハウスで合成し、その粗製の形で使用した。塔底物試料採取位置が取り付けられた1dm3のステンレス鋼オートクレーブに、コハク酸モノメチルを加え、窒素で200psigとして、成分蒸気圧を最小限に抑えた。次いで、反応器を所望の反応温度190℃に加熱し、このオートクレーブに、メタノールをHPLCポンプを介して所望の速度でポンプで送った。これを0時間(「T=0」)と称した。オーバーヘッド物を電気トレース加熱導管を介して抽出して、生成物混合物の凝縮および還流を縮合を回避した。次いで、図12に図式的に詳述するように、水冷キャッチポットを介して、これを凝縮し、回収した。
この構成形態において、窒素およびメタノールが撹拌型反応器3にそれぞれライン1および2で供給され、コハク酸モノメチルが形成される。生成物流はライン4で除去され、トレース加熱され、次いで流れは冷却器5で冷却され、エネルギーが除去される。次いで、水冷キャッチポット6に添加される。
反応器圧力を200psigに維持しながら、システムを流れる低分子ガスの流れをキャッチポット6の後のニードル弁/絞り弁およびバブラーの組合せ7で制御した。流れは冷却器8の水で冷却することができる。オートクレーブ自体からの試料および回収されたオーバーヘッド物の試料を定期的な時間間隔で採取し、その後水について(電量Karl−Fisher)およびGCによって分析した。オートクレーブ試料を50mのDB−1カラムでRegisil処理した後分析し、オーバーヘッド物を60mのDB−1カラムでメタノールおよびジメチルエーテルについて直接分析した。全ての試料および反応器内容物の質量は、質量収支を算出することを可能にすることが注目された。
反応温度190℃および1時間当たりコハク酸モノメチル1mol当たりメタノール2moの供給速度を選択した;3molのコハク酸モノメチルをオートクレーブに加え、ランにはメタノールを流速4.05mL/分で要した。第2のランをこの流速の2倍の速度で行った。システムが温度であった場合、メタノールフローを120分開始し、ラン全体を通して、定期的なサンプリングを行った。ラン1および2の各試験に使用した供給材料組成および条件をそれぞれ表5および8に記載し、結果を表6、7、9および10に記載する。
この実施例は、オーバーヘッド部で抜き取られた低酸性生成物を含むコハク酸ジメチルへのコハク酸モノメチルおよびコハク酸の半連続変換を示す。
試験用供給材料を調製するために、オートクレーブに、不活性雰囲気下で3000gのバイオコハク酸および2440gのメタノールを加え、120℃に加熱した。温度になると、容器を8〜9bar(g)に加圧し、内容物を30分間保持した後、放出した。これはコハク酸ジメチルへの過剰の変換を防止するためであった。得られた組成物は下記の通りであることがわかった:(重量%)
メタノール − 29.2%
コハク酸モノメチル − 44.88%
水 − 1.87%
コハク酸ジメチル − 17.83%
コハク酸 − 5.43%
メタノール − 29.2%
コハク酸モノメチル − 44.88%
水 − 1.87%
コハク酸ジメチル − 17.83%
コハク酸 − 5.43%
9個のSulzer型EX構造充填物が入っている直径1インチのガラスカラムを使用して、連続モードで操作して、蒸留を行った。Liebig冷却器を塔の塔頂部で使用して、オーバーヘッド物を冷却/凝縮させた。電熱テープも塔壁に適用し、それで塔壁は、コハク酸ジメチルオーバーヘッド物を同伴する際に役立つ温度で保持され、それが反応器および/または塔に閉じ込められないことが可能になった。
リボイラーはイソマントルを使用して加熱された絶縁性2リットル丸底フラスコであり、反応体積も提供するものであった。イソマントルの温度は、k型熱電対が反応容器の外被に取り付けられたWatlowバーストファイヤモジュールを使用して制御した。別のk型熱電対をリボイラーの内部に配置して、実際のプロセス温度を決定した。
カラム温度を210℃で制御した。フラスコに870gの上記の供給材料を加え、230℃に加熱した。温度になると、コンスタメトリックポンプを介して供給材料を導入し、毎時試料採取して、供給速度(0.8〜1.2mL/分の間に維持された速度)を変化させることによって100%質量収支を維持することを試みた。
酸性種の分割を実現可能にするN,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(Regisil)を使用して、ガスクロマトグラフィー(GC)でフラスコの化学的組成の分析を実施した。メタノール、コハク酸ジメチル、コハク酸モノメチル、およびコハク酸のレベルを決定した(Sil8カラム50m×0.32mm)。メタノール性フェノールフタレイン指示薬溶液を使用して、0.1N KOHで塩基滴定することによって、フラスコ試料も酸分について分析した。熱伝導度検出器(TCD)が取り付けられたHP08で水分析を行った。
オーバーヘッド物を水(HP08)およびコハク酸ジメチル/メタノールAS08(30m×0.32mm DB−FFAPカラム)について分析した。メタノール性フェノールフタレイン指示薬溶液を使用して、0.1N KOHで塩基滴定することによって、オーバーヘッド物試料も酸分について分析した。
コハク酸モノメチルおよびコハク酸のより重質の沸騰酸種からのコハク酸ジメチルの分離は成功であった。表11および12に示す通り、酸レベルは一貫してオーバーヘッド部で低いまま(コハク酸モノメチルとして<0.2重量%)であり、>60重量%のコハク酸ジメチル濃度が認められた。
この実施例は、実施例3の結果を追試して、定常状態に近い条件を実現する拡張試験を示す。
供給材料を実施例3に詳述するように調製した。得られた組成物は下記の通りであることがわかった:(重量%)
メタノール − 15.42%
コハク酸モノメチル − 24.69%
水 − 14.02%
コハク酸ジメチル − 40.78%
コハク酸 − 3.54%
メタノール − 15.42%
コハク酸モノメチル − 24.69%
水 − 14.02%
コハク酸ジメチル − 40.78%
コハク酸 − 3.54%
1リットルの丸底フラスコ(RBF)に、820.9gの上記供給材料を加えた。今回、幅1インチの蒸留塔には、分離を助けるSulzer充填物12個が入っており、カラムはカラムの塔頂部区域と塔底部区域の両方の温度を制御可能にする加熱された2つのゾーンを有した点以外は、実施例3と同様にして、反応を行った。実施例3に記載のように、反応を定期的にサンプリングした。
オーバーヘッド部のコハク酸ジメチルレベルは試験全体を通して比較的安定しており、オーバーヘッド部の(コハク酸モノメチルとしての)酸は低量であった(<0.1重量%)。塔のフラッディングを招く試験の終わりにおける塔ヒーター温度の増加は、過熱および分離効率の低下がオーバーヘッド物への酸キャリーオーバーをいかに増加させるかを示す。図14、15および16は、オーバーヘッド物組成物、フラッシュ組成物および試験時間にわたる重要な温度を示す。
この実施例は、コハク酸ジメチルをメタノールおよび水から分離させるための、実施例4からのオーバーヘッド物の別の蒸留を示す。
実施例4中に収集されたオーバーヘッド物を一緒に混ぜ、1471.4gを2Lの丸底フラスコに加え、実施例3に記載の塔装置を使用して、バッチ式で蒸留した。オーバーヘッド試料およびポット試料を毎時抜き取り、試料をGC AS08でメタノールおよびコハク酸ジメチル濃度を分析し、水分析(カールフィッシャー定量滴定)で分析した。メタノール性フェノールフタレイン指示薬溶液を使用して、0.1N KOHで塩基滴定することによって、いくつかの試料も酸分について分析した。
図17、18および19はそれぞれ、試験の過程にわたってオーバーヘッド物組成物、ポット組成物および温度を示す。図17において、水は、低沸点共沸混合物が存在するため単蒸留でコハク酸ジメチルから完全に分離することはできないことに留意されたい。
Claims (29)
- コハク酸ジアルキルをバイオコハク酸供給原料から生成する方法であって、
(a)バイオコハク酸を、コハク酸のエステル化を可能にする温度および圧力で操作される反応蒸留ゾーン塔の塔底部またはその付近の位置に供給し、前記流れを上向きに流れるアルカノールと並流に流して、前記エステル化反応が起こるようにするステップと、
(b)ジエステル、アルカノール、エステル化の水および有機成分を含む、反応蒸留ゾーン塔の塔頂部またはその付近からのオーバーヘッド蒸気流を除去し、前記流れをアルカノール分離塔に流し、アルカノールをエステル化の水および有機成分から分離するステップと、
(c)アルカノール分離塔からの側方ドローをその塔への供給位置より下方の位置から除去するステップであって、前記側方ドローが部分非混和性の有機相と水相を含むステップと、
(d)前記側方ドローを相分離装置に流し、部分非混和性の有機相と水相を分離するステップと、
(e)前記有機相を、コハク酸ジアルキルが残留している水および他の有機成分から分離される塔に流すステップと、
(f)コハク酸ジアルキルを回収するステップと
を含む方法。 - バイオコハク酸が、前反応器に添加された後に反応蒸留ゾーン塔に供給される、請求項1に記載の方法。
- 前反応器が連続撹拌槽反応器である、請求項2に記載の方法。
- 前反応器の生成物が、プラグフロー反応容器に流された後に反応蒸留ゾーン塔に供給される、請求項2または3に記載の方法。
- 反応蒸留ゾーン塔が約1.3bara〜約10baraのオーバーヘッド圧で操作される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 反応蒸留ゾーン塔が約80℃〜約300℃の温度で操作される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
- 反応蒸留ゾーン塔における反応が、自己触媒されるように触媒の非存在下で実施される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
- 反応蒸留ゾーン塔における反応が触媒の存在下で実施される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
- 触媒が反応蒸留ゾーン塔の上段に配置されている、請求項8に記載の方法。
- 反応蒸留ゾーン塔の塔頂部またはその付近から除去された流れが、冷却器を通された後にアルカノール分離塔に流される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
- 反応蒸留ゾーン塔から除去された流れが、アルカノール分離塔の中央領域に供給される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
- アルカノール分離塔において分離されたアルカノールが、反応蒸留ゾーン塔および/または前反応器が存在する場合はそれに再循環される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
- 所望のジエステルがアルカノール分離塔から側方ドローとして除去される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
- 側方ドローがアルカノール分離塔から供給位置より下方の位置で除去される、請求項13に記載の方法。
- 相分離装置がデカンターである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
- 相分離装置からの水相がアルカノール分離塔に戻される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
- 戻される水相が側方ドロー位置より下方の位置に戻される、請求項16に記載の方法。
- 相分離装置からの有機相が反応蒸留塔に流される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
- コハク酸ジアルキルが反応蒸留塔から側方ドローとして除去される、請求項18に記載の方法。
- 相分離装置からの有機相がコハク酸ジアルキル分離塔に流される、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
- コハク酸ジアルキル分離塔が軽真空で操作される、請求項20に記載の方法。
- コハク酸ジアルキルがコハク酸ジアルキル分離塔から塔底流として除去される、請求項20または21に記載の方法。
- コハク酸ジアルキル分離塔において分離されたあらゆる水がアルカノール分離塔に再循環される、請求項20から22のいずれか一項に記載の方法。
- あらゆるブタノールが、コハク酸ジアルキル分離塔から液体ドローとして除去される、請求項20から23のいずれか一項に記載の方法。
- コハク酸ジアルキル分離塔からのオーバーヘッド物が、第2の相分離装置に流される、請求項20から24のいずれか一項に記載の方法。
- 第2の相分離装置がデカンターである、請求項25に記載の方法。
- 第2の相分離装置から水相がアルカノール分離塔に戻される、請求項25または26に記載の方法。
- 第2の相分離装置からの有機相がコハク酸ジアルキル/ブタノール分離塔に流される、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
- 反応蒸留塔ゾーンにおいて生成されたジエステルの一部分が、液体側方ドローとして除去される、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
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