JP2020100453A - 物品搬送装置及び物品搬送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長尺状物品を搬送する過程で生じる長尺状物品の表面の磨耗を軽減できる物品搬送装置を提供する。【解決手段】 物品搬送装置1は、搬出装置10及び移送装置20を備える。搬出装置10は、可撓性を有する帯状のシート12と、アクチュエータ13を備える。アクチュエータ13は、シート12の長手方向を、収容凹部C1にて長手方向が同一方向に向けた状態で積み重ねられた長尺状物品Tの長手方向に直交させた状態にて、シート12の長手方向における中間部の上面に長尺状物品群が載置されるようにシート12を配置する。その後、シート12の長手方向における両端部を持ち上げることにより、長尺状物品群を、吊り下げ支持して収容凹部C1から搬出し、移送装置20の受容部21に載置する。【選択図】 図10

Description

本発明は、多数の長尺状物品(例えば、アルミニウム電解コンデンサー用のリード線端子)を搬送する物品搬送装置及び物品搬送方法に関する。
例えば、下記特許文献1の部品搬送装置は、ボウル及び加振装置を備える。ボウルの内周面には、螺旋状の搬送路が設けられている。多数の長尺状物品(例えば、アルミニウム電解コンデンサー用のリード線端子)が、ボウル内に投入されて、ボウルが加振装置によって加振されることにより、各長尺状物品が搬送路を登り始める。搬送路の幅は比較的狭いため、長尺状物品の長手方向が搬送路の延設方向に沿っている場合には、その長尺状物品は搬送路に沿って登り続けることができる。これに対し、長尺状物品の長手方向が搬送路の延設方向に対して傾いている場合には、その長尺状物品は搬送路から脱落してボウルの底部に戻り、再び搬送路を登り始める。このようにして、各長尺状物品が搬送路の終端部に到達するまでに、それらの向きが統一されて、各長尺状物品が搬送路の終端部から排出される。
特開平02−158510号公報
一般に、電子部品等の製造者は、多数の部品をケースに収容して、購入者(例えば、製品製造者)に納入する。その部品が長尺状物品である場合には、ケース内にて、多数の長尺状物品の長手方向が同一になるように積み重ねられていることが多い。このように多数の長尺状物品の向きが予め揃えられていたとしても、例えば、作業者が、特許文献1の部品搬送装置のボウルの上方(空中)にてケースを上下反転させて、多数の長尺状物品をボウルへ投下させた場合には、多数の長尺状物品は、それらの配列が乱れた状態でボウルの底部に収容される。したがって、搬送路を登り始めた長尺状物品のうちの多くの長尺状物品の向きが搬送路の延設方向に対して傾いている。よって、これらの長尺状物品は、搬送路を登る途中で搬送路から脱落してボウルの底部に戻り、再び搬送路を登る。このような動作を繰り返す間に、長尺状物品同士又は長尺状物品と搬送路面とが擦れることにより、長尺状物品の表面が摩耗する。この場合、長尺状物品に付着した摩耗粉が、製品の性能及び製品の製造装置などに影響を及ぼす虞がある。例えば、アルミニウム電解コンデンサー用のリード線端子では、リード線部の表面に半田濡れ性を向上させるためのメッキ層が形成されており、このメッキ層の一部が剥落して金属粉が発生することがある。この金属粉が付着したアルミニウム電解コンデンサーを電子回路基板に実装した場合、当該金属粉が電子回路基板上に落下して、電気回路基板上の電子部品の端子間がショートする虞がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、長尺状物品を搬送する過程で生じる長尺状物品の表面の磨耗を軽減できる物品搬送装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の物品搬送装置(1)は、上面が開放された収容凹部(C1)内に収容され、同一方向に向けられた状態にて積み重ねられた多数の長尺状物品(T)からなる長尺状物品群を前記収容凹部(C1)から搬出する搬出装置(10)と、前記搬出した長尺状物品群が載置される受容部(21)を有し、前記受容部(21)に載置された各長尺状物品(T)を、それらの向きを維持したまま移動させるとともに互いに重ならないように分散させる移送装置(20)と、を備えた物品搬送装置(1)であって、前記搬出装置(10)は、可撓性を有する帯状のシート(12)と、前記シート(12)の長手方向を前記長尺状物品(T)の長手方向に直交させた状態にて前記シート(12)の長手方向における中間部の上面に前記長尺状物品群が載置されるように前記シート(12)を配置した後、前記シート(12)の長手方向における両端部を持ち上げることにより前記長尺状物品群を吊り下げ支持して前記収容凹部(C1)から搬出し、前記移送装置(20)の受容部(21)に載置するアクチュエータ(13)と、を備える。
また、本発明の物品搬送方法は、上面が開放された収容凹部(C1)内に収容され、同一方向に向けられた状態にて積み重ねられた多数の長尺状物品(T)からなる長尺状物品群を前記収容凹部(C1)から搬出するとともに所定箇所に載置する物品搬送方法であって、可撓性を有する帯状のシート(12)の長手方向を前記長尺状物品(T)の長手方向に直交させた状態にて前記シート(12)の長手方向における中間部の上面に前記長尺状物品群が載置されるように前記シート(12)を配置する工程と、前記シート(12)の長手方向における両端部を持ち上げることにより前記長尺状物品群を吊り下げ支持して前記収容凹部(C1)から搬出する工程と、前記吊り下げ支持された長尺状物品群を前記所定箇所に載置する工程と、を含む。
本発明によれば、長尺状物品を搬送する過程で生じる長尺状物品の表面の磨耗を軽減できる。
本発明の実施形態に係る物品搬送装置の斜視図である。 ケース及び一群のリード線端子の斜視図である。 図2Aにおける一群のリード線端子の拡大図である。 リード線端子の斜視図である。 収容凹部及び一群のリード線端子の側面図である。 図1に示したシートの正面図である。 図1に示したガイドレールの平面図である。 図1に示した把持装置、前側シャッター及び後側シャッターの斜視図である。 図1に示した移送装置の平面図である。 図8Aにおける第5受容部及び第6受容部の拡大図である。 図1に示したガイド装置の斜視図である。 一群のリード線端子をシートの中間部に載置する工程を示す工程図である。 一群のリード線端子をシートの中間部に載置した状態におけるシートの折り返し部及びその周辺部の側面図である。 収容凹部から搬出した一群のリード線端子を受容部へ搬送する工程を示す工程図である。 収容凹部から一群のリード線端子を上方へ搬出した状態におけるシートの折り返し部及びその周辺部の側面図である。 ガイド装置及び第1受容部、並びにその周辺部の正面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る物品搬送装置1は、一群のリード線端子TをケースCの収容凹部C1から搬出する搬出装置10と、搬出装置10が搬出したリード線端子Tを外部装置30へ移送する移送装置20と、を備える。
搬出装置10は、収容凹部C1内において長手方向が同一の方向(実質的に同一の方向)へ向けられた状態で積み重ねられた長尺状のリード線端子T(一群のリード線端子T)を、帯状のシート12の中間部に載置する(図10の(C)を参照。)。つぎに、搬出装置10は、シート12の両端部を持ち上げて、一群のリード線端子Tを吊り下げるようにして、収容凹部C1から取り出す(図10の(D)を参照。)。すなわち、一群のリード線端子Tが収容凹部C1から搬出される際、シート12の中間部は下方へ撓んでいる。言い換えれば、シート12の中間部が折り返されるようにU字状に湾曲している。このようなシート12の折り返し部に一群のリード線端子Tが内包された状態で吊下げ支持される。搬出装置10は、収容凹部C1から取り出した一群のリード線端子Tを所定箇所、すなわち移送装置20の受容部21上に載置する。
移送装置20は、受容部21上に載置された一群のリード線端子Tを、それらの向きを維持したまま、それらが重ならないように分散させながら、外部装置30へ移送する。外部装置30は、例えば、リード線端子Tを加工する装置又はリード線端子Tを用いて製品(アルミニウム電解コンデンサー又はその一部)を組み立てる装置である。
より具体的に述べると、搬出装置10は、テーブル11、シート12及びアクチュエータ13を備える。
テーブル11は、長方形の天板部111を備える。天板部111の板厚方向が鉛直方向に一致している。以下の説明において、天板部111の板厚方向に平行な方向を上下方向と呼ぶ。また、天板部111の長辺の延設方向に平行な方向を左右方向と呼ぶ。また、天板部111の短辺の延設方向に平行な方向を前後方向と呼ぶ。テーブル11は、天板部111を前後方向及び上下方向へ移動させる図示しないテーブル駆動装置を含む。天板部111の上面に、次に説明するケースCが載置される。なお、外部装置30は、テーブル11の右斜め前方に配置されている。
ケースCは、例えば、真空成形法を用いて一体的に製造されている。ケースCは、図2Aに示すように、複数の収容凹部C1を備える。収容凹部C1は、上面が開放された箱状の部位である。すなわち、収容凹部C1は、長方形の底壁部C11と、底壁部C11の周縁部に沿って立設された周壁部C12とを備える。周壁部C12は、底壁部C11の上側の空間を取り囲む、第1壁部C12a、第2壁部C12b、第3壁部C12c及び第4壁部C12dを有する。第1壁部C12a及び第2壁部C12bは、底壁部C11の対向する2つの短辺にそれぞれ沿って設けられている。また、第3壁部C12c及び第4壁部C12dは、底壁部C11の対向する2つの長辺にそれぞれ沿って設けられている。収容凹部C1の上面は開放されている。収容凹部C1の第1壁部C12a側から第2壁部C12b側へ向かうに従って、収容凹部C1の深さが徐々に大きくなっている。すなわち、収容凹部C1の底面(底壁部C11)が、収容凹部C1の上面(開口面)に対して傾斜している。また、周壁部C12の上端部には、外方へ張り出したフランジ部Fが形成されている。
ケースCにおいて、10個の収容凹部C1が、それらの幅方向(底壁部C11の短辺に平行な方向)に並べられている。隣接する2つの収容凹部C1のフランジ部Fが連結されている。
各収容凹部C1内に、多数の(一群の)リード線端子Tが収容されている(図2A及び図2Bを参照。)。リード線端子Tは、アルミニウム電解コンデンサー用の電極端子である。リード線端子Tは、図3に示すように、棒状のリード線部T1と、平板状のタブ板部T2と、棒状の接合部T3と、を備える。タブ板部T2は、リード線部T1の長手方向における一端部に接合部T3を介して接合されている。接合部T3の直径は、リード線部T1の直径より僅かに大きい。したがって、各リード線端子Tは、その先端側(リード線部T1)が、それ以外の部分よりも小径であって、方向性を有する部品であると言える。
図4に示すように、収容凹部C1において、各リード線端子Tが同一の方向(実質的に同一の方向)へ向けられた状態(すなわち、長手方向が揃えられた状態)で積み重ねられている。具体的には、収容凹部C1に収容された状態にある各リード線端子Tの長手方向における先端(リード線部T1の端部であって、タブ板部T2とは反対側の端部)が第1壁部C12aに対向し、且つ、各リード線端子Tの長手方向における基端(タブ板部T2の端部であって、リード線部T1とは反対側の端部)が第2壁部C12bに対向している。収容凹部C1の長さ(すなわち、第1壁部C12aの内壁面と第2壁部C12bの内壁面との距離、前後方向の寸法)LC1は、リード線端子Tの長さLTよりも僅かに大きい。なお、リード線端子Tが、本発明の長尺状物品に相当する。また、上記の一群のリード線端子Tが、本発明の長尺状物品群に相当する。
各収容凹部C1に多数のリード線端子Tが収容されたケースCが、天板部111の上面に載置される。天板部111の上面において、ケースCの長手方向(収容凹部C1の並び方向)が左右方向に一致し、且つフランジ部F(収容凹部C1の上面)が水平であるように、ケースCの姿勢が、図示しないガイド部材によって規定される。すなわち、ケースCが、天板部111の上面に載置された状態では、底壁部C11は、その前端が後端に比べて上方に位置するように傾斜している。そして、第1壁部C12a及び第2壁部C12bが、前後方向に対して略垂直であり、第3壁部C12c及び第4壁部C12dが、左右方向に対して略垂直である。この状態では、収容凹部C1の長手方向が前後方向に一致し、幅方向が左右方向に一致し、深さ方向が上下方向に一致している。なお、図4に示したように、収容凹部C1内において積み重ねられたリード線端子Tのうち上部に位置するリード線端子Tの長手方向が略水平方向に一致しているが、その他のほとんどのリード線端子Tは、それらの先端側(リード線部T1側)が基端側(タブ板部T2側)よりも上方に位置するように傾斜している。
図1及び図5に示すシート12は、可撓性を有する帯状部材であり、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂製のシート材によって形成される。物品搬送装置1が一群のリード線端子Tの搬出を開始する前の状態にあるとき、図5に示すように、シート12は、その長手方向が上下方向に一致し、且つそのシート厚方向が左右方向に一致するように配置される。シート12の先端部12aを除き、シート12の幅Wは一定である。この幅Wは、図4に示した収容凹部C1の長さLC1より僅かに小さい。シート12の先端部12aは、図5に示すように、尖状(舌状)に形成されている。シート12の先端部12aの尖端12aaは、シート12の幅方向における中央位置よりも前側に位置している。
図1に示すように、アクチュエータ13は、水平アーム131、垂直アーム132、把持装置133、前側シャッター134、及び後側シャッター135を備える。
水平アーム131は、フレーム131a、スライドブロック131b及び電動モーター131cを備える。フレーム131aは、テーブル11の上方にて左右方向に延びる角筒状部材である。すなわち、フレーム131aは、左右方向にそれぞれ延びる、上下一対の水平壁部及び前後一対の垂直壁部を有する。フレーム131aの右端部が、図示しない支柱に固定されている。フレーム131aの右端は、テーブル11の右端よりも右方に位置し、フレーム131aの左端は、テーブル11の左端よりも左方に位置する。
スライドブロック131bは、フレーム131aに内蔵されたボールネジ及び減速装置を介して電動モーター131cの出力軸に接続されている。電動モーター131cの回転駆動力が減速装置を介してボールネジに伝達されて、ボールネジが回転する。これにより、スライドブロック131bがフレーム131aに沿って左右方向へ移動する。
垂直アーム132は、フレーム132a、スライドブロック132b及び電動モーター132c、並びにガイドレール132d,132eを備える。フレーム132aは、水平アーム131のフレーム131aの前方にて上下方向に延びる角筒状部材である。すなわち、フレーム132aは、上下方向にそれぞれ延びる、前後一対の垂直壁部及び左右一対の垂直壁部を有する。フレーム132aの右側の垂直壁部の上下方向における中間部が、スライドブロック131bに固定されている。
スライドブロック132bは、フレーム132aに内蔵されたボールネジ及び減速装置を介して電動モーター132cの出力軸に接続されている。電動モーター132cの回転駆動力が減速装置を介してボールネジに伝達されて、ボールネジが回転する。これにより、スライドブロック132bがフレーム132aに沿って上下方向へ移動する。
シート12の基端部12b(上端部、すなわち、図5に示す先端部12aと反対側の端部)がスライドブロック132bに固定されている。
ガイドレール132d,132eは、フレーム132aの左側の壁部に取り付けられている。ガイドレール132d,132eは、シート12の幅方向における両端部をそれぞれ支持(ガイド)するようになっている。すなわち、ガイドレール132dが、シート12の幅方向における一端部(前側)を摺動可能に支持し、ガイドレール132eがシート12の幅方向における他端部(後側)を摺動可能に支持する。ガイドレール132d,132eのそれぞれは、略長方形の板状部であり、それらの長手方向が上下方向に一致し、且つ、それらの板厚方向が左右方向に一致している。ガイドレール132dとガイドレール132eとは、前後方向に離間している。
図6に示すように、ガイドレール132dの端面のうち、後方へ向けられた面には、その上端から下端に亘って上下方向に直線状に延びる溝部G132dが設けられている。ガイドレール132eの端面のうち、前方へ向けられた面には、その上端から下端に亘って上下方向に直線状に延びる溝部G132eが設けられている。シート12の幅方向における両端部が、溝部G132d又は溝部G132eにそれぞれ挿入されて摺動可能に支持される。スライドブロック132bは、ガイドレール132dとガイドレール132eとの間の空間を上下方向に移動する。
前述したように、シート12の基端部12bはスライドブロック132bに固定されている。よって、スライドブロック132bが下方へ移動することにより、シート12の先端側(下端側)がガイドレール132d,132eの下端よりも下方へ送り出される。その際、シート12の基端側(上端側)の部分の幅方向における両端部が、依然として、ガイドレール132d,132eによって支持されている。よって、シート12の先端側の部分は、シート12の長手方向に平行に送り出される。
把持装置133は、図7に示すように、チャック装置133a及び昇降装置133bを備える。チャック装置133aは、ガイドレール132d,132eの下端部の左方に配置されている(図1を参照。)。チャック装置133aとガイドレール132d,132eのそれぞれとの左右方向の距離は、図2Aに示す収容凹部C1の幅(すなわち、第3壁部C12cの内壁面と第4壁部C12dの内壁面との距離、左右方向の寸法)WC1と同等である。チャック装置133aは、左右一対のチャック爪N1,N1を備える。各チャック爪N1は、略上下方向にそれぞれ延びる角柱状部材である。さらに、チャック装置133aは、左右一対の軸部材SH,SHを備える。軸部材SH,SHは、前後方向に延設されている。チャック爪N1,N1の上端部が、軸部材SH,SHにそれぞれ回動可能に支持されている。物品搬送装置1は、図示しない加圧空気供給装置を備えており、この加圧空気供給装置から、チャック装置133aに加圧空気が供給される。この加圧空気の圧力により、チャック爪N1,N1が、軸部材SH,SHのまわりに、互いに反対方向へ回動する。すなわち、チャック爪N1,N1が開閉される。
昇降装置133bは、チャック装置133aの上方に配置されている。昇降装置133bは、上下方向にそれぞれ延びる一対のロッドR,Rを備える。ロッドR,Rは、左右方向に離間している。加圧空気供給装置から、昇降装置133bに加圧空気が供給される。この加圧空気の圧力により、ロッドR,Rが、上下方向に移動する。昇降装置133bのロッドR,Rの下端に、チャック装置133aが固定されている。昇降装置133bは、図示しないブラケットを介して、フレーム132a(図1を参照。)に固定されている。
前側シャッター134は、蓋板134a及び昇降装置134bを備える。蓋板134aは、チャック装置133aの前方に配置されている。蓋板134aは、垂直板部VBと、上下一対の水平板部HB,HBとを有する略コの字形の部材である。垂直板部VBは、前後方向に対して垂直な矩形の板状部である。垂直板部VBの上下方向の寸法は、収容凹部C1の深さ(図4に示す第2壁部C12b側の端部の深さDpC1)と同等である。垂直板部VBの左右方向の寸法は、図2Aに示す収容凹部C1の幅WC1と同等である。水平板部HB,HBは、上下方向に対して垂直な板状部である。水平板部HB,HBは、垂直板部VBの上端及び下端から、それぞれ前方へ少し突出している。
昇降装置134bは、蓋板134aの上方に配置されている。昇降装置134bは、図示しないブラケットを介して、フレーム132a(図1を参照。)に固定されている。昇降装置134bの構成は、昇降装置133bの構成と同一である。昇降装置134bのロッドR,Rの下端が、蓋板134aの上側の水平板部HBの上面に固定されている。
後側シャッター135は、蓋板135a及び昇降装置135bを備える。蓋板135aは、チャック装置133aの後方に配置されている。蓋板135aは、蓋板134aの前後を反対向きに配置した構成を有する。
昇降装置135bは、蓋板135aの上方に配置されている。昇降装置135bは、図示しないブラケットを介して、フレーム132a(図1を参照。)に固定されている。昇降装置135bの構成は、昇降装置133bの構成と同一である。昇降装置135bのロッドR,Rの下端が、蓋板135aの上側の水平板部HBの上面に固定されている。
蓋板134a及び蓋板135aは、昇降装置134b及び昇降装置135bによって、それらの上下方向の位置(例えば、下側の水平板部HBの上下方向の位置)が互いに同じになるように維持されながら、上下方向に移動される。
再び図1を参照すると、移送装置20は、受容部21、加振装置22及びガイド装置23を備える。受容部21は、断面U字形の樋状の部材で、水平アーム131の左端部の下方から、外部装置30まで延設されている。受容部21は、図1及び図8Aに示すように、それぞれ直線状に形成された第1受容部211乃至第6受容部216から構成されている。すなわち、第1受容部211乃至第6受容部216がこの順に並べられて、受容部21が形成されている。図1に示したように、受容部21は、帯状の底壁部21aと、底壁部21aの幅方向における両端部に沿って立設された一対の側壁部21b,21bを備える。一対の側壁部21b,21bは底壁部21aの長手方向に延びており、対向配置されている。すなわち、受容部21は、底壁部21a及び側壁部21b,21bによって構成された溝部G21を有する。溝部G21は上方へ開放されている。底壁部21aの始端部側(搬送方向上流側、すなわち水平アーム131側)に比べて、終端部側(搬送方向下流側、すなわち外部装置30側)が下方に位置している。すなわち、受容部21は、その始端部側から終端部側へ向かって傾斜した下降案内路を構成している。また、底壁部21aの始端部側から終端部側へ向かうに従って、底壁部21aの幅が徐々に減少している。すなわち、溝部G21の始端部側から終端部側へ向かうに従って、溝部G21の幅が徐々に減少している。具体的には、溝部G21の始端部においては、10個程度のリード線端子Tを、溝部G21の長手方向に延びると共に幅方向に重ならないように配置させることができるようになっているが、溝部G21の終端部においては、せいぜい2個程度のリード線端子Tしか同じ方向に配置させることができない。なお、溝部G21の始端部における溝部G21の幅は、リード線端子Tの長さLTより少し小さいため、リード線端子Tを溝部G21の幅方向と平行に配置することはできない。
図1及び図8Aに示すように、第1受容部211は、水平アーム131の左端部の下方から前方へ延設されている。第2受容部212は、第1受容部211の終端からさらに前方へ延設されている。第3受容部213は、第2受容部212の終端から右斜め前方へ延設されている。第4受容部214は、第3受容部213の終端から右方へ延設されている。第5受容部215は、第4受容部214の終端からさらに右方へ延設されている。第6受容部216は、第5受容部215の終端からさらに右方へ延設されている。
図1に示されている底壁部21aは、図8Aに示されている第1底壁部211a乃至第6底壁部216aから構成されている。また、図1に示されている側壁部21b,21bは、図8Aに示されている第1側壁部211b,211b乃至第6側壁部216b,216bから構成されている。第1底壁部211a乃至第4底壁部214a及び第6底壁部216aのそれぞれは平板状であるが、第5底壁部215aには、左右方向(すなわち長手方向)に延びる2つの凹部RP,RPが形成されている(図8Bを参照。)。さらに、水平面に対する、第1底壁部211a乃至第5底壁部215aの傾斜角度は互いに略同一であるが、第6底壁部216aの傾斜角度は、第1底壁部211a乃至第5底壁部215aのそれぞれの傾斜角度に比べて大きい。
図1に示したように、加振装置22は、第1受容部211乃至第5受容部215をそれぞれ加振する第1加振装置221乃至第5加振装置225を備える。第1加振装置221乃至第5加振装置225のそれぞれは、圧電素子(又は電磁石)からなる振動体を備える。図示しない電力源から前記振動体に交流電力が供給されると、前記振動体により第1受容部211乃至第5受容部215がそれぞれ加振される。
ガイド装置23は、第1受容部211の後方に配置されている。ガイド装置23は、図9に示すように、押圧装置231及びテーブル232を備える。押圧装置231は、一対のガイド爪N2,N2を備える。各ガイド爪N2は、前後方向にそれぞれ延びる棒状部材である。一対のガイド爪N2,N2は、左右方向に離間している。さらに、押圧装置231は、左右一対のスライドブロック231a,231a及びレール231bを備える。レール231bは、左右方向に延びる溝部G231bを有する。スライドブロック231a,231aは、溝部G231bに摺動可能に嵌合している。なお、このレール231bは、後述するテーブル232の天板部232aに固定されている。ガイド爪N2,N2の長手方向における後端部が、スライドブロック231a,231aにそれぞれ支持されている。加圧空気供給装置から、押圧装置231に加圧空気が供給される。この加圧空気の圧力により、スライドブロック231a,231aが、左右方向に、互いに反対方向へ移動する。すなわち、一対のガイド爪N2,N2が開閉(接近又は離隔)する。
テーブル232は、前後方向に延びるレールに支持された天板部232aを備える。押圧装置231は、天板部232aの上面に載置されている。テーブル232は、天板部232aを前後方向に移動させる図示しない駆動装置を備える。
加えて、物品搬送装置1は、図示しない制御装置を備える。この制御装置は、テーブル11、アクチュエータ13、加振装置22及びガイド装置23を制御する。この制御装置は、天板部111、スライドブロック131b、スライドブロック132b、スライドブロック231aなどの位置を検出するセンサー及びコントローラ(マイクロコンピュータを含む電子制御回路)を含む。マイクロコンピュータは、CPU、RAM、及びROM等を含んでおり、CPUはROMに格納されたプログラムに従って各種の処理を実行する。
つぎに、物品搬送装置1の動作について説明する。まず、それぞれの収容凹部C1に一群のリード線端子Tを収容したケースCが天板部111の上面に載置される。その状態において、物品搬送装置1が初期化されると、各部はコントローラによって次に述べる状態に設定される(図1を参照。)。
・垂直アーム132は、水平アーム131の左端に配置されている。
・把持装置133のチャック装置133a(図7参照)は、その上下方向における可動範囲の下端に配置されている。
・把持装置133のチャック装置133aのチャック爪N1,N1(図7参照)は開かれている。
・スライドブロック132bが上方の初期位置に移動させられ、それにより、シート12の先端部12a(図5参照)がガイドレール132d,132eの下端より上方に位置している。すなわち、シート12が引き戻されている。
・前側シャッター134及び後側シャッター135が、それらの上下方向における可動範囲の上端に配置されている。
・天板部111が、後方の初期位置に移動させられて、ガイド爪N2,N2(図9参照)の先端は、第1受容部211の後端より後方に配置されている。
・押圧装置231のガイド爪N2,N2は閉じられている。
つぎに、コントローラは、ケースCに含まれる10個の収容凹部C1のうちの1つを被選択収容凹部C1として認識(特定)する。なお、コントローラは、例えば、右端の収容凹部C1から左端の収容凹部C1に向って順に1つの収容凹部C1を被選択収容凹部C1として認識していく。
つぎに、コントローラは、被選択収容凹部C1の第3壁部C12cの上方にシート12の先端部12aが位置するように、テーブル駆動装置を用いてテーブル11の天板部111を前後方向(図1の場合、後方向)に移動させ、且つ、電動モーター131cを用いて垂直アーム132を水平アーム131のフレーム131aに沿って左右方向(図1の場合、右方向)に移動させる。さらに、コントローラは、前側シャッター134及び後側シャッター135の下側の水平板部HBの下面が被選択収容凹部C1のフランジ部Fの上面に当接または近接するように、テーブル駆動装置を用いて天板部111を上方向に移動させる(図11の蓋板134a及び蓋板135aを参照。)。この状態が図10の(A)に示されている。この状態において、チャック装置133aは、第4壁部C12dの上方に位置している。なお、図10の(A)乃至図10の(D)において、前側シャッター134及び後側シャッター135は図示されていない。
つぎに、図10の(A)に示すように、コントローラは電動モーター132c(図1を参照。)を用いてスライドブロック132bを下降させる。これにより、シート12が下方へ送り出されるので、シート12の先端部12aが被選択収容凹部C1内に進入し、さらに第3壁部C12cに沿って下降し、やがて、底壁部C11に当接する。
コントローラはスライドブロック132bを下降させつづける。そのため、図10の(B)に示すように、シート12の先端部12aが、第3壁部C12cと底壁部C11との交差部分に沿って左にL字形に屈曲し、その後、底壁部C11に沿って左方へ移動する。すなわち、シート12の先端部が一群のリード線端子Tの下方に潜り込む。
コントローラはスライドブロック132bを下降させ続ける。そのため、シート12の先端部12aが第4壁部C12dに当接する。この状態からスライドブロック132bがさらに下降させられると、シート12の先端部12aが、底壁部C11と第4壁部C12dとの交差部分に沿って上方へ屈曲してU字形となる。その後、シート12は、図10の(C)に示すように、第4壁部C12dに沿って上方へ移動する。やがて、シート12の先端部12aが収容凹部C1の上方へ突出し、チャック装置133aのチャック爪N1,N1の間に進入する。
つぎに、図12に示すように、コントローラは、電動モーター132c(図1を参照。)及び昇降装置133b(図7を参照。)を用いて、スライドブロック132b及びチャック装置133aを同時に上昇させる。つまり、一群のリード線端子Tが、シート12の長手方向における中間部に載置された状態で、シート12の長手方向における両端部(基端部12b及び先端部12a)が持ち上げられる。このとき、図13に示すように、シート12の折り返し部の下端が、前側シャッター134の蓋板134a及び後側シャッター135の蓋板135aの下端と一致する程度まで持ち上げられる。そして、コントローラは、テーブル駆動装置を用いて天板部111を僅かに下降させる。このようにして、一群のリード線端子Tが収容凹部C1から上方へ搬出される(取り出される)。
つぎに、コントローラは、垂直アーム132を左方へ移動させることにより、シート12の折り返し部を第1受容部211の上方に位置させる。つぎに、コントローラは、スライドブロック132b及びチャック装置133a、並びに前側シャッター134の蓋板134a及び後側シャッター135の蓋板135aを、同時に下降させ、シート12の折り返し部の下端を第1受容部211の第1底壁部211aの上面に当接させる。これにより、一群のリード線端子Tが第1受容部211内に搬入される。その後、コントローラは、蓋板134a及び蓋板135aを同時に上昇させ、その可動範囲の上端に配置させる。
つぎに、第1加振装置221によって第1受容部211が加振される。上記のように、各リード線端子Tは、その先端が、それ以外の部分よりも小径であって、方向性を有する部品である。このような形状のリード線端子Tがシート12の折り返し部によって吊り下げ支持されている状態では、ほとんどのリード端子Tの先端側が低く、基端側が高くなっている(図13を参照。)。特に、一群のリード線端子Tのうち、上側に位置するリード線端子Tの傾斜角度が大きい。加えて、第1受容部211の第1底壁部211aは、その前端側(下流側)が後端側(上流側)に比べて低くなるように傾斜している。したがって、第1受容部211が加振されることにより、一群のリード線端子Tが徐々に前進するとともに、一群のリード線端子Tのうちの上側のリード線端子Tが前方へ崩れる(滑り出す)。このようにして、一群のリード線端子Tが、シート12の折り返し部から離脱する。なお、この場合、僅かな数のリード線端子Tがシート12の折り返し部に残ることがある。
つぎに、コントローラは、図示しない駆動装置を用いて押圧装置231を前方向に移動させ、互いに接近した位置にある(閉じられている)ガイド爪N2,N2をシート12の折り返し部の内側に挿入させる。
つぎに、図14に示すように、コントローラは図示しない加圧空気供給装置を用いてガイド爪N2,N2を開く(互いに離隔させる)。これにより、シート12の折り返し部のうち、第1側壁部211b,211bに対面している部位がガイド爪N2,N2により、第1側壁部211b,211bに軽く押し付けられる。つぎに、コントローラは、チャック爪N1,N1を開く。これにより、シート12の先端部12aがチャック爪N1,N1から解放される。つぎに、コントローラは、スライドブロック132bを上方の初期位置まで上昇させる。これにより、シート12が引き戻される。このとき、上記のように、シート12のうち、第1側壁部211b,211bに対面している部位が、ガイド爪N2,N2により第1側壁部211b,211bに軽く押し付けられている。したがって、シート12が引き戻される際、シート12が第1受容部211の内側面(内壁面)に沿って移動する。
つぎに、コントローラは、ガイド爪N2,N2を閉じ(互いに接近させ)、その後、押圧装置231をその初期位置にまで後退させる。そして、コントローラは、次の被選択収容凹部C1を認識し、その被選択収容凹部C1の第3壁部C12cの上方にシート12の先端部12aが位置するように、垂直アーム132を右方へ移動する。その後、上述した手順と同様の手順に従って、新たに選択された被選択収容凹部C1から一群のリード線端子Tが搬出され、第1受容部211へ搬入される。
コントローラは、受容部21を、加振装置22によって加振する。これにより、搬出装置10によって第1受容部211の後端部に搬入され、シート12から離脱した一群のリード線端子Tが、第1受容部211から第6受容部216へと順に進行して、外部装置30に至る。
ところで、上述したように、溝部G21の始端部(第1受容部211の後端部)においては、その幅が比較的大きい。したがって、収容凹部C1にて積み重ねられていた一群のリード線端子Tが、シート12から離脱して第1受容部211内を進行する間に崩れて、第1受容部211の幅方向に拡がる。ただし、溝部G21の始端部の幅は、リード線端子Tの長さLT(図4を参照。)より小さいので、一群のリード線端子Tの向きが略維持される。さらに、上述したように、溝部G21の始端部側から終端部側へ向かうに従って、溝部G21の幅が徐々に減少している。よって、第1受容部211においてリード線端子Tの向きが多少ばらついたとしたとしても、それらが進行する間に、それらの向きが進行方向に沿うように矯正される。加えて、一群のリード線端子Tが進行する間に、受容部21の幅方向に並ぶリード線端子Tの数が徐々に減少する。具体的には、第4受容部214の終端では、その幅方向に並ぶリード線端子Tの数が3個程度になっている。そして、第5受容部215に進入したリード線端子Tが凹部RP,RPに沿ってさらに進行する。これにより、受容部21の幅方向に並ぶリード線端子Tの数が高々2個になる。このようにして、一群のリード線端子Tが分散され、第6受容部216を通って、外部装置30に至る。
なお、図1においては、天板部111の上に1つのケースCが載置されているが、天板部111の上に複数のケースCが並べられてもよい。この場合、コントローラは、前記複数のケースCのうちの1つのケースCを被選択ケースCとして認識し、さらに被選択ケースCのうちの1つの収容凹部C1を被選択収容凹部C1として認識する。
以上、説明したように、物品搬送装置1において、シート12の長手方向をリード線端子T(長尺状物品)の長手方向に直交させた状態にて、一群のリード線端子Tが、シート12の長手方向における中間部の上面に載置される。つぎに、シート12の長手方向における両端部が持ち上げられる。これにより、ケースCの収容凹部C1内に収容されていた一群のリード線端子Tの配列(向き)が実質的に維持された状態で、一群のリード線端子Tが、収容凹部C1からまとめて取り出される。そして、その取り出された一群のリード線端子Tが移送装置20の受容部21に載置される。よって、受容部21に載置された一群のリード線端子Tの向きが既に揃っている。したがって、移送装置20は、各リード線端子Tの向きを受容部21において揃える必要は無く、単に、一箇所(すなわち、第1受容部211)に積み重ねられた各リード線端子Tの向きを維持したまま移動(進行)させるだけで、各リード線端子Tの向きが揃っていて且つそれらが重ならないように搬送できる。つまり、物品搬送装置1は、各リード線端子Tを簡単に分散させることができる。そのため、物品搬送装置1を用いた場合には、特許文献1の部品整列装置を用いた場合に比べて、リード線端子T同士又はリード線端子Tと搬送路(受容部21)とが擦れ合う頻度が少ない。よって、本実施形態によれば、リード線端子Tを搬送する過程で生じるリード線端子Tの表面の磨耗を軽減できる。
さらに、アクチュエータ13は、シート12の長手方向における基端部を把持して、シート12をその長手方向に送り出す垂直アーム132(第1アクチュエータ)であって、シート12の先端部を、リード線端子Tの長手方向に対して直交する方向の一方側から収容凹部C1内に挿入するとともに一群のリード線端子Tの下方へ潜り込ませた後、収容凹部C1から突出させる垂直アーム132と、収容凹部C1から突出したシート12の先端部12aを挟み込んで把持する把持装置133(第2アクチュエータ)を備える。
これによれば、垂直アーム132を用いて、シート12を、その長手方向に送り出すだけで、シート12の長手方向における中間部に、一群のリード線端子Tを載置できる。そして、垂直アーム132及び把持装置133を用いて、シート12の両端部を持ち上げることができる。
加えて、収容凹部C1の底壁部C11が収容凹部C1の上面に対して傾斜している。このような形状の収容凹部C1の上面(開口面)が水平になるように、ケースCが、ガイド部材を用いて、天板部111の上面に載置される。したがって、一群のリード線端子Tを収容凹部C1から取り出す時点において、収容凹部C1における一群のリード線端子Tのうちの上側のリード線端子Tが略水平に配置されている(図4を参照。)。上記のようなガイド部材を用いることなく収容凹部C1の底壁部C11の下面を天板部111の上面に当接させた場合には、収容凹部C1の上面(開口面)が水平面に対して傾斜した状態になる。よって、この場合には、シート12の先端部を収容凹部C1に挿入する際、積み重ねられた一群のリード線端子Tが崩れて、収容凹部C1からこぼれ落ちる可能性が高い。本実施形態のように、ガイド部材を用いて、収容凹部C1の上面(開口面)が水平であるようにケースCを載置すれば、上記のようなリード線端子Tのこぼれを抑制できる。
さらに、リード線端子Tのリード線部T1に比べて、接合部T3が太い。収容凹部C1の上面が水平であるように、ケースCが天板部111の上面に載置された状態では、底壁部C11は、その前端が後端に比べて上方に位置するように傾斜している。そのため、底壁部C11と一群のリード線端子Tの先端側部分との隙間が比較的大きくなる。そこで、本実施形態では、シート12の尖端12aaが、シート12の幅方向における中央部よりも前側に位置するように、シート12の先端部12aを構成している。これによれば、収容凹部C1内へ挿入されたシート12の先端部12aの尖端12aaが、比較的大きい隙間が形成されている、一群のリード線端子Tの先端側の下方に潜り込む。よって、シート12を一群のリード線端子Tの下方に潜り込ませ易い。
また、アクチュエータ13は、シート12の中間部であって、一群のリード線端子Tが載置された部分の幅方向における一端部側(前側)及び他端部側(後側)に配置された蓋板134a,135a(蓋部材)を備える。
これによれば、収容凹部C1から一群のリード線端子Tを搬出した際、シート12の中間部に載置された各リード線端子Tの長手方向への移動が蓋板134a,135aによって規制されるので、各リード線端子Tが移動してシート12の中間部からこぼれ落ちることを抑制できる。
移送装置20は、一対のガイド爪N2,N2を含むガイド装置23を備えている。ここで、ガイド装置23を用いることなくシート12を引き戻した場合には、シート12の折り返し形状(U字形状)が残存した状態のままシート12が引き上げられる虞がある。その際、シート12上に残っていた一群のリード線端子Tのうちの一部が、上記のような折り返し形状の残存部に引っ掛かって跳ね上げられることにより、第1受容部211から脱落する虞がある。本実施形態では、第1受容部211に挿入されたシート12の折り返し部が、ガイド装置23のガイド爪N2,N2によって第1側壁部211b,211bに軽く押し付けられた状態で、シート12が引き戻される。これにより、シート12の先端部12aを第1受容部211の内側面に沿って移動させることができる。すなわち、上記のような折り返し形状の残存部が生じ難い。よって、リード線端子Tが跳ね上げられて第1受容部211から脱落することを抑制できる。
受容部21は、リード線端子Tの長手方向に延びる溝部G21を有し、溝部G21の長手方向における始端部側(搬送方向上流側)から終端部側(搬送方向下流側)へ向かうに従って、溝部G21の幅が徐々に小さくなっており、移送装置20は、受容部21を振動させて、リード線端子Tを、溝部G21の始端部側から終端部側へ進行させて分散させる加振装置22を備える。
これによれば、溝部G21の始端部側において、リード線端子Tの長手方向が、溝部G21の延設方向に対して多少ずれたとしても、そのリード線端子Tが進行する間に、溝部G21の延設方向に沿うように矯正される。また、溝部G21の始端部側では、比較的多くのリード線端子Tが、溝部G21の幅方向に並んだ状態で進行できるが、終端部側へ向かうに従って、溝部G21の幅方向に並んだ状態で進行可能なリード線端子Tの数が減少する。言い換えれば、リード線端子Tを、それらの長手方向に分散させることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、物品搬送装置1の搬送対象の物品は、リード線端子Tに限られず、ボルト、釘及びシャフトなどの長尺状の物品であってもよい。長尺状物品の長手方向における中央部から見た両側の形状が対称であって、方向性を有しない長尺状物品の場合には、収容凹部C1の底壁部C11と収容凹部C1の上面とが平行であってもよい。この場合、底壁部C11の下面を天板部111に当接させればよい。但し、物品搬送装置1は、リード線端子Tのように、方向性を有していて、その方向性を維持して積み重ねられたときに互いに傾斜するような長尺状物品の搬送に、より好適である。
加えて、上記実施形態では、受容部21を振動させて、リード線端子Tを進行させているが、これに代えて、例えば、ベルトコンベアー、ローラーコンベアーなどを用いてリード線端子Tを進行させてもよい。例えば、磁力、風力などを用いて、リード線端子Tを進行させてもよい。
移送装置20は、搬出装置10によって搬出された一群のリード線端子T(長尺状物品群)を載置する板状のトレイと、前記トレイ上において積み重ねられている一群のリード線端子Tを均すようにして分散させるスキージとを備えていてもよい。
C…ケース、C1…収容凹部、G21…溝部、N1…チャック爪、T…リード線端子、1…物品搬送装置、10…搬出装置、11…テーブル、12…シート、13…アクチュエータ、20…移送装置、21…受容部、21a…底壁部、21b…側壁部、22…加振装置、23…ガイド装置、111…天板部、131…水平アーム、131b…スライドブロック、132…垂直アーム、132b…スライドブロック、132d,132e…ガイドレール、133…把持装置、134…前側シャッター、134a,135a…蓋板、135…後側シャッター

Claims (5)

  1. 上面が開放された収容凹部(C1)内に収容され、同一方向に向けられた状態にて積み重ねられた多数の長尺状物品(T)からなる長尺状物品群を前記収容凹部(C1)から搬出する搬出装置(10)と、
    前記搬出した長尺状物品群が載置される受容部(21)を有し、前記受容部(21)に載置された各長尺状物品を、それらの向きを維持したまま移動させるとともに互いに重ならないように分散させる移送装置(20)と、を備えた物品搬送装置(1)であって、
    前記搬出装置(10)は、
    可撓性を有する帯状のシート(12)と、
    前記シート(12)の長手方向を前記長尺状物品(T)の長手方向に直交させた状態にて前記シート(12)の長手方向における中間部の上面に前記長尺状物品群が載置されるように前記シート(12)を配置した後、前記シート(12)の長手方向における両端部を持ち上げることにより前記長尺状物品群を吊り下げ支持して前記収容凹部(C1)から搬出し、前記移送装置(20)の受容部(21)に載置するアクチュエータ(13)と、
    を備えた、物品搬送装置。
  2. 請求項1に記載の物品搬送装置(1)において、
    前記アクチュエータ(13)は、
    前記シート(12)の長手方向における一端部を把持して、前記シート(12)をその長手方向に送り出す第1アクチュエータ(132)であって、前記シート(12)の他端部を、前記長尺状物品(T)の長手方向に対して直交する方向の一方側から前記収容凹部(C1)内に挿入するとともに前記長尺状物品群の下方へ潜り込ませた後、前記収容凹部(C1)から突出させる第1アクチュエータ(132)と、
    前記収容凹部(C1)から突出した前記シート(12)の他端部を挟み込んで把持する第2アクチュエータ(133)と、
    を含む、物品搬送装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の物品搬送装置(1)において、
    前記アクチュエータ(13)は、前記シート(12)の中間部であって、前記長尺状物品群が載置された部分の幅方向における両側に配置され、前記長尺状物品(T)の長手方向への移動を規制する蓋部材(134a,135a)を備えた、物品搬送装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の物品搬送装置(1)において、
    前記受容部(21)は、前記長尺状物品の移動方向に延びる溝部(G21)を有し、
    前記溝部(G21)の長手方向における一端部側から他端部側へ向かうに従って、前記溝部(G21)の幅が徐々に小さくなっており、
    前記移送装置(20)は、前記受容部(21)を振動させて、前記長尺状物品群を前記溝部(G21)の長手方向における一端部側から他端部側へ移送しつつ個々の長尺状物品(T)に分散させる加振装置(22)を備えた、物品搬送装置。
  5. 上面が開放された収容凹部(C1)内に収容され、同一方向に向けられた状態にて積み重ねられた多数の長尺状物品(T)からなる長尺状物品群を前記収容凹部(C1)から搬出するとともに所定箇所に載置する物品搬送方法であって、
    可撓性を有する帯状のシート(12)の長手方向を前記長尺状物品(T)の長手方向に直交させた状態にて前記シート(12)の長手方向における中間部の上面に前記長尺状物品群が載置されるように前記シート(12)を配置する工程と、
    前記シート(12)の長手方向における両端部を持ち上げることにより前記長尺状物品群を吊り下げ支持して前記収容凹部(C1)から搬出する工程と、
    前記吊り下げ支持された長尺状物品群を前記所定箇所に載置する工程と、
    を含む、物品搬送方法。
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