JP2020100342A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】雪上路面での操縦安定性能と乾燥路面での操縦安定性能との両立を図った空気入りタイヤを提供する。【解決手段】タイヤ周方向D2に沿って延びる複数の周溝3、4と、複数の周溝3、4によって区画される複数の陸部とを有するトレッド面を備える空気入りタイヤであって、少なくとも一つの陸部5は、陸部5を区画する周溝3、4の一方に開口する一端部7bと、他端部7cと、タイヤ周方向の一方側D21に向けて凸状となる湾曲状の屈曲部7aとを含む細溝7を備える。細溝7の屈曲部7aの頂点7tは、陸部5をタイヤ幅方向に3等分した領域A1〜A3のうち、一端部7bを含む領域A1にある。頂点7tから一端部7bまでの第1溝部71における溝幅w71は、頂点7tから他端部7cまでの第2溝部72における溝幅w72よりも小さい。【選択図】図2

Description

本発明は、複数の周溝によって区画される複数の陸部を備える空気入りタイヤに関する。
従来、タイヤ周方向に沿って延びる複数の周溝と、それらによって区画される複数の陸部とをトレッド面に備える空気入りタイヤが知られている。そして、氷上での空気入りタイヤの走行性能を高めるため、特許文献1−3には、陸部に様々な形状のサイプを設けた空気入りタイヤが開示されている。陸部にサイプを設けると、氷上での走行性能のみならず、エッジ効果により雪上路面での走行性能も向上する。
ところで、近年、雪上路面での操縦安定性能と乾燥路面での操縦安定性能を両立させた空気入りタイヤが求められている。しかし、一般的に、雪上路面での走行性能の向上に寄与するサイプが陸部を区画する周溝で開口すると、当該陸部におけるタイヤ幅方向両外側の剛性が低下する傾向にある。陸部におけるタイヤ幅方向両外側の剛性が低下すると、旋回時等、トレッド面に左右方向の力が作用したときに、陸部が対抗できず、乾燥路面での操縦安定性能が低下しやすい。さらに、サイプの溝幅が一定である場合、トレッド面に大きな力が作用したときに、サイプが一斉に閉じやすく、雪上路面での操縦安定性能が十分に得られないこともある。
本発明者による特許文献4には、陸部に、タイヤ周方向の一方側に向けて凸状となる屈曲部を一つ有するように延びる第1陸溝と、タイヤ周方向の他方側に向けて凸状となる屈曲部を一つ有するように延びる第2陸溝と、を備えることで、周溝で開口する陸溝を備えながらも、雪上での操縦安定性能を確保しつつ乾燥路面での旋回性能を向上させた空気入りタイヤが記載されている。しかし、より高いレベルで雪上路面での操縦安定性能と乾燥路面での操縦安定性能とを両立させることが望まれる。
特開2017−087987号公報 特開2016−088342号公報 国際公開第2011/111394号 特開2018−090201号公報
本発明の目的は、雪上路面での操縦安定性能と乾燥路面での操縦安定性能との両立を図った空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ周方向に沿って延びる複数の周溝と、前記複数の周溝によって区画される複数の陸部とを有するトレッド面を備える空気入りタイヤであって、
少なくとも一つの前記陸部は、前記陸部を区画する前記周溝の一方に開口する一端部と、他端部と、タイヤ周方向の一方側に向けて凸状となる湾曲状の屈曲部とを含む細溝を備え、
前記細溝の屈曲部の頂点は、前記少なくとも一つの陸部をタイヤ幅方向に3等分した領域のうち、前記一端部を含む領域にあり、
前記頂点から前記一端部までの第1溝部における溝幅は、前記頂点から前記他端部までの第2溝部における溝幅よりも小さい。
細溝がタイヤ周方向の一方側に向けて凸状となる屈曲部を有する。そのため、第1溝部はタイヤ幅方向に対して傾斜して延びる部分を有し、第2溝部は第1溝部の傾斜方向とは逆向きに傾斜して延びる部分を有する。これにより、様々な方向からの負荷に対して力のかかる方向を分散し、陸部の剛性を高める。よって、乾燥路面での操縦安定性能が向上する。
加えて、第1溝部の溝幅を小さくする。これにより、陸部の一端部を含む領域における剛性の低下を抑制できる。また、第2溝部は、第1溝部よりも陸部のタイヤ幅方向の中央側に位置している。陸部のタイヤ幅方向の中央側は、タイヤ幅方向の両外側に比べ、剛性が高い。第2溝部の溝幅を、第1溝部の溝幅よりも大きくすることで、中央側の高い剛性を低下させることができる。これにより、陸部のタイヤ幅方向における剛性の均一性が高まり、乾燥路面での操縦安定性能が向上する。
また、細溝の中で溝幅に大小差があると、細溝が閉じるほどの力がトレッド面に作用したとき、溝幅の小さい部分は閉じて、溝幅の大きい部分は閉じずに残る。つまり、細溝が一斉に閉じることを抑制し、雪上路面での操縦安定性能が確保される。さらに、第2溝部は第1溝部よりも大きな溝幅を有するので、大きなエッジ効果が得られ、雪上路面での操縦安定性能が向上する。
前記第1溝部における溝深さは、前記第2溝部における溝深さよりも小さいと好ましい。第1溝部の溝深さが第2溝部の溝深さよりも小さいと、陸部の一端部を含む領域における剛性の低下を抑制できる。また、第2溝部の溝深さが第1溝部の溝深さよりも大きくなるため、陸部のタイヤ幅方向の中央側における剛性を低下させやすい。これにより、陸部のタイヤ幅方向における剛性の均一性が高まり、乾燥路面での操縦安定性能が向上する。さらに、第2溝部の大きな溝深さによりエッジ効果が高まり、雪上路面での操縦安定性能が向上する。
前記他端部は、前記少なくとも一つの前記陸部内で閉塞し、前記第2溝部は、前記頂点から前記他端部に向かって段階的に溝幅及び溝深さの少なくともいずれかを大きくしていると好ましい。他端部が陸部内で閉塞するため、他端部付近の剛性は高い。そのため、剛性の均一性を確保しつつ、第2溝部において、他端部側の溝幅及び溝深さを、第1溝部側の溝幅及び溝深さよりも大きくできる。他端部側の溝幅及び溝深さが大きくなると、エッジ効果がさらに高まり、雪上路面での操縦安定性能が向上する。
前記他端部は、前記少なくとも一つの前記陸部内で閉塞し、
前記第2溝部は、前記頂点から近い順に第1短溝部と第2短溝部とを備え、
前記第1短溝部と前記第2短溝部とは、いずれも、それぞれの短溝部内において、前記他端部に近づくにつれて溝幅が大きくなり、
前記第2短溝部における最小溝幅は前記第1短溝部における最大溝幅よりも小さく、
前記第2短溝部における最大溝幅は前記第1短溝部における最大溝幅よりも大きくしてもよい。
他端部が陸部内で閉塞するため、他端部付近の剛性は高い。そのため、剛性の均一性を確保しつつ、第1短溝部と第2短溝部それぞれの短溝部内において、他端部に近づくにつれて大きな溝幅を確保できる。また、第2短溝部における最大溝幅を、第1短溝部における最大溝幅よりも大きくできる。溝幅が大きくなると、エッジ効果がさらに高まり、雪上路面での操縦安定性能が向上する。
そして、前記第2短溝部における最小溝幅を、前記第1短溝部における最大溝幅よりも小さくすることで、第2溝部における剛性の過度な低下を抑制できる。これにより、陸部のタイヤ幅方向における剛性の均一性が高まり、乾燥路面での操縦安定性能が向上する。さらに、細溝の中で溝幅に大小差があると、細溝が閉じるほどの力がトレッド面に作用したとき、細溝が一斉に閉じることを抑制してエッジ効果を維持し、雪上路面での操縦安定性能が確保できる。
前記第1短溝部と前記第2短溝部とは、いずれも、それぞれの短溝部内において、溝幅が大きくなるにつれて溝深さが小さくなると好ましい。溝幅及び溝深さは大きくなるほど剛性が下がることを考慮して、大きな溝幅に対して小さな溝深さを適用し、小さな溝幅に対して大きな溝深さを適用する。これにより、第1短溝部及び第2短溝部それぞれの短溝部内における剛性の均一性を高めることができる。よって、乾燥路面での操縦安定性能が向上する。
本発明に係る空気入りタイヤの第1実施形態におけるトレッド面を示す展開図 図1におけるA部の拡大図 図2におけるp−p線分での断面図 第2実施形態におけるトレッド面の拡大図 図4におけるq−q線分での断面図 第3実施形態におけるトレッド面の拡大図 図6におけるr−r線分での断面図
<第1実施形態>
以下、本発明に係る空気入りタイヤにおける一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
図1において、第1の方向D1は、タイヤ回転軸と平行であるタイヤ幅方向D1であり、第2の方向D2は、タイヤ回転軸周りの方向であるタイヤ周方向D2である(以下の図も同様)。なお、タイヤ幅方向D1の一方向(図1の右方向)は、第1幅方向D11といい、他方向(図1の左方向)は、第2幅方向D12という。また、タイヤ周方向D2の一方向(図1の上方向)は、第1周方向D21といい、他方向(図1の下方向)は、第2周方向D22という。
そして、タイヤ径方向(不図示)は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)1の直径方向である。また、タイヤ赤道面S1は、タイヤ回転軸に直交する面で且つタイヤ幅方向D1の中心に位置する面である。
トレッド面2は、タイヤ周方向D2に沿って延びる複数の周溝3、4と、複数の周溝3、4によって区画される複数の陸部5、6とを備えている。本実施形態においては、周溝3、4は、3本備えられており、陸部5、6は、4つ備えられている。なお、周溝3、4及び陸部5、6の数量は、斯かる構成に限られない。
タイヤ赤道面S1上に配置される周溝3はセンター周溝3といい、タイヤ幅方向D1の外側に配置される周溝4はショルダー周溝4という。また、センター周溝3に隣接する陸部はセンター陸部5といい、ショルダー周溝4よりもタイヤ幅方向D1の外側に配置される陸部はショルダー陸部6という。センター陸部5及びショルダー陸部6は、図1に示されるように、リブで構成されてもよく、タイヤ周方向D2に繰り返し配置されたブロックで構成されてもよい。
センター陸部5について詳述する。センター陸部5(以下、単に「陸部5」ともいう)は、タイヤ周方向D2と交差するように延びる複数の細溝7、8を備えている。細溝7、8は、周溝3、4よりも幅狭のものを指す。細溝7、8は、周溝3、4よりも浅いものでもよい。細溝7、8には、溝幅が1.5mm以下のサイプを含む。図1に示されるように、センター陸部5には多数の細溝7、8が備えられているため、大きなエッジ効果が得られ、タイヤ1の雪上路面における操縦安定性能が優れている。陸部5には、細溝7、8のうちいずれか一方のみが設けられていてもよい。
ここで、陸部5に設けられる細溝7、8について、図1におけるA部分を拡大した図2を参照しながら、説明する。細溝7は、第1周方向D21に向けて凸状となる屈曲部7aを一つ有するように延びている。また、細溝8は、第2周方向D22に向けて凸状となる屈曲部8aを一つ有するように延びている。このように、細溝7の屈曲部7aと細溝8の屈曲部8aとが互いに異なる方向に向けて凸状となっているため、特定の方向の力に対する陸部5の剛性の低下を抑制できる。
本実施形態では、1本の細溝7と2本の細溝8がタイヤ周方向D2に繰り返して形成されているが、これに限らない。例えば、1本の細溝7と1本の細溝8がタイヤ周方向D2に繰り返して形成されていてもよく、1本の細溝7と3本以上の細溝8がタイヤ周方向D2に繰り返して形成されていてもよい。
細溝7について詳細に説明する。細溝7の屈曲部7aは湾曲状に形成されている。細溝7は、屈曲部7aの他に、周溝4(陸部5を区画する周溝3、4の一方)に開口する一端部7bと、他端部7cとを有する。屈曲部7aは頂点7tを有する。頂点7tは、細溝7を構成する溝壁のうち凸状の外側で、且つ、第1周方向D21の最端位置の点である。頂点7tから一端部7bまでを第1溝部71、頂点7tから他端部7cまでを第2溝部72という。頂点7tは第1溝部71に含めると好ましいが、頂点7tを第2溝部72に含めても構わない。また、屈曲部7aは、曲線状に湾曲状に形成するのが好ましいが、直線が折れ曲がった屈折状に屈曲していても構わない。
第1溝部71は、頂点7tより一端部7b側となる屈曲部7aの部分と、その部分に続く延長部7dとから構成されている。延長部7dはタイヤ幅方向D1に対して傾斜している。延長部7dは、細溝7の開口端において、タイヤ幅方向D1に対して30度以上の角をなすと好ましく、45度以下の角をなすと好ましい。延長部7dは直線であると好ましいが、緩やかに曲がる曲線でも構わない。延長部7dを有さず、屈曲部7aが周溝4に開口していてもよい。
第2溝部72は、頂点7tより他端部7c側となる屈曲部7aの部分と、その部分に続く延長部7eとから構成されている。延長部7eは直線でも緩やかに曲がる曲線でもよい。延長部7eはタイヤ周方向D2に対して傾斜している。延長部7eは、延長部7dの傾斜方向とは逆向きに傾斜している。これにより、様々な方向からタイヤ1に与えられる負荷に対して、力のかかる方向を分散し、陸部5の剛性を高める。よって、乾燥路面での操縦安定性能が向上する。
屈曲部7aの屈曲角θ7は、延長部7dと延長部7eとの間になす角によって決定される。乾燥路面での操縦安定性能を向上する観点から、屈曲角θ7は90度以上であれば好ましく、110度以上であればより好ましい。屈曲角θ7は、150度以下であれば好ましく、130度以下であればより好ましい。
ところで、図2に示すように、陸部5は、タイヤ幅方向D1の外側に配置される端部領域A1、A2と、端部領域A1、A2の間に配置される中央領域A3と、3等分に区画される。第1幅方向D11側の端部領域は、端部領域A1といい、第2幅方向D12側の端部領域は、端部領域A2という。頂点7tは、一端部7bを含む端部領域A1にある。細溝7の長さを適度に確保する観点から、本実施形態のように、他端部7cは端部領域A2にあり、第2溝部72が中央領域A3を横切っていることが好ましい。
端部領域A1は、細溝7が周溝4に開口するため、中央領域A3に比べて剛性の低下要因となる。中央領域A3は、その両側を端部領域A1、A2に挟まれているため、中央領域A3の剛性は端部領域A1、A2に比べて高くなりがちである。しかし、本実施形態では、第1溝部71の溝幅w71を第2溝部72の溝幅w72よりも小さくして、端部領域A1における剛性の低下を抑制している。また、第2溝部72の溝幅w72が第1溝部71の溝幅w71よりも大きくなるため、中央領域A3の剛性を低下させることができる。これにより、陸部5のタイヤ幅方向D1における剛性の均一性が高まる。そのうえ、第2溝部72は相対的に大きな溝幅w72を確保できるため、エッジ効果が高まる。しかも、細溝7の中で溝幅に大小差があると、細溝7が閉じるほどの力がトレッド面2に作用したとき、細溝7の中で溝幅の小さい部分だけが閉じて、大きい部分は閉じずに残る。つまり、細溝7が一斉に閉じることを抑制し、エッジ効果を維持する。
図2では、溝幅の異なる第1溝部71と第2溝部72との繋ぎ目部分において、溝壁がなめらかに接続されているが、溝壁がなめらかに接続されなくてもよい。例えば、第1溝部71と第2溝部72との繋ぎ目部分において、溝壁が折れ曲がるように形成されていてもよい。溝壁が折れ曲がるように形成された細溝7は、タイヤ1の加硫成型時にサイプブレードで形成される場合において、サイプブレードの加工が容易となる利点がある。
図3は、図2における細溝7の延在方向であるp−p線分に沿う断面図である。当図に示すように、第1溝部71における溝深さd71は、第2溝部72における溝深さd72よりも小さいと好ましい。溝深さd71は、例えば、溝深さd72の60%以下に設定される。第1溝部71の溝深さd71が第2溝部72の溝深さd72よりも小さいと、端部領域A1における剛性の低下を抑制できる。また、第2溝部72の溝深さd72は第1溝部71の溝深さd71よりも大きくなるため、中央領域A3の剛性を低下させやすい。これにより、陸部5のタイヤ幅方向D1における剛性の均一性が高まり、乾燥路面での操縦安定性能が向上する。さらに、第2溝部72の大きな溝深さによりエッジ効果が高まる。もっとも、第1溝部71における溝深さd71と第2溝部72における溝深さd72とを同じ値にしても構わない。
第1溝部71の底部と第2溝部72の底部とは壁77によって接続されている。壁77はトレッド面2に対し垂直に形成されていてもよく、傾斜していてもよい。傾斜する場合は、細溝7が浅くなるにつれて細溝7の開口面積が拡大するように傾斜していると好ましい。他端部7cにおいて対向する一対の溝壁に挟まれる壁も、壁77と同様である。
他端部7cは陸部5内で閉塞していると好ましい。これにより、端部領域A2の剛性を確保して、第2溝部72の他端部7c側の溝幅及び溝深さを、第1溝部71側の溝幅及び溝深さよりも大きくできる。もっとも、他端部7cが周溝3に開口していても構わない。
他端部7cが周溝3に開口する場合は、端部領域A2における剛性の低下を防ぐために、端部領域A2側にも端部領域A1と同形状の屈曲部をD22方向に凸となるように形成したり、端部領域A2における細溝7の溝深さを浅くしたり、細溝8に対する細溝7の数を減じてタイヤ周方向D2に繰り返して形成したり、これらを組み合わせて適用したりするとよい。
上述した実施形態は、陸部5に設けられる細溝7のみならず、細溝8についても適用できる。細溝7と細溝8とに同一形状及び同一の溝幅と溝深さを適用しても良いし、異なる形状又は異なる溝幅と溝深さを適用してもよい。
図2に示されるように、細溝8の形状は、細溝7を上下左右に反転させた形状に相当する。そして、細溝8は、屈曲部8aの他に、周溝3(陸部5を区画する周溝3、4の一方)に開口する一端部8bと、他端部8cとを有する。細溝7、8により、陸部5の左右両側で細溝が周溝3、4に開口することとなるため、陸部5における剛性の均一化に寄与する。
そのうえ、細溝8の屈曲部8aの頂点8tは端部領域A2に位置する。細溝7、8により、端部領域A1、A2の各々に屈曲部7a、8aが設定されることとなるため、陸部5における剛性の均一化に寄与する。それから、細溝7の他端部7cが端部領域A2に位置するのに対し、細溝8の他端部8cが端部領域A1に位置することも、陸部5における剛性の均一化に寄与する。また、細溝7の第1溝部71と、細溝8の第2溝部82とが、タイヤ周方向D2に隣り合っていること、細溝7の第2溝部72と、細溝8の第1溝部81とが、タイヤ周方向D2に隣り合っていることも、陸部5における剛性の均一化に寄与する。
上述した実施形態は、センター陸部5のみならず、ショルダー陸部6等に設けられる細溝についても適用できる。
<第2実施形態>
第2実施形態は、以下に説明する構成の他は、第1実施形態と同様の構成であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。第1実施形態で説明した部位と同一の部位には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。また、説明した複数の変形例については、特に制約なく組み合わせて採用することが可能である。第3実施形態においても、これと同様である。
第2実施形態を、図4を参照して説明する。第2溝部72’は、頂点7tから近い順に第1短溝部73と第2短溝部74とを備える。第2短溝部74の溝幅w74は、第1短溝部73の溝幅w73よりも大きい。第1短溝部73の溝幅w73は、第1溝部71の溝幅w71よりも大きい。そして、第2溝部72’の溝幅が頂点7tから他端部7cに向かって段階的に大きくなっている。他端部7cは陸部5内で閉塞するため、他端部7c付近の剛性は高い。そのため、陸部5の剛性の均一性を確保しつつ、第2短溝部74の溝幅w74を、第1短溝部73の溝幅w73よりも大きくできる。第2短溝部74の溝幅w74を大きくできるため、さらにエッジ効果が高まる。さらに、細溝7の中で溝幅に大小差があると、細溝7が閉じるほどの力がトレッド面2に作用したとき、細溝7の中で溝幅の小さい部分だけが閉じて、大きい部分は閉じずに残る。つまり、細溝7が一斉に閉じることを抑制し、エッジ効果を維持する。
図5は、図4における細溝7’の延在方向であるq−q線分に沿う断面図である。当図に示すように、頂点7tから他端部7cに向かって段階的に溝深さを大きくしている。他端部7c付近の剛性は高いため、陸部5の剛性の均一性を確保しつつ、第2短溝部74の溝深さd74を、第1短溝部73の溝深さd73よりも大きくできる。第2短溝部74の溝深さd74を大きくできるため、さらにエッジ効果が高まる。また、第2短溝部74の溝幅w74と溝深さd74の両方を、第1短溝部73の溝幅w73と溝深さd73よりも大きくしてもよい。
上述した実施形態は、第2溝部72’において、溝幅及び溝深さの双方を段階的に大きくした構成であるが、溝幅を段階的に大きくしつつ溝深さを一定にした構成でもよく、溝幅を一定にしつつ溝深さを段階的に大きくした構成でもよい。また、上述した実施形態では、第2溝部72’を2つの短溝部から構成したが、3つ以上の短溝部から構成してもよい。多段に構成するほどに、陸部5の剛性の均一性と一部の短溝部の溝幅の拡大とを図り易くなる。
<第3実施形態>
第3実施形態を、図6を参照して説明する。第2溝部72’’はのこぎり状に構成されている。すなわち、第2溝部72’’は、第1溝部71から近い順に第1短溝部75と第2短溝部76とを備え、第1短溝部75と第2短溝部76とは、いずれも、それぞれの短溝部内において、他端部7cに近づくにつれて溝幅が大きくしている。他端部7cは陸部5内で閉塞し、他端部7c付近の剛性が高い。そのため、他端部7cに近づくにつれて溝幅を大きくしても、陸部5の剛性の均一性を確保できる。また、第2短溝部76における最大溝幅を第1短溝部75における最大溝幅よりも大きくしても、陸部5の剛性の均一性を確保できる。
第2短溝部76における最小溝幅は第1短溝部75における最大溝幅よりも小さい。これにより、溝幅を大きくすることで過度に低下しがちな陸部5の剛性を維持することができる。また、部分的に溝幅を大きい部分を形成することで、エッジ効果が高まる。さらに、細溝7の中で溝幅に大小差があると、細溝7が閉じるほどの力がトレッド面に作用したとき、細溝7の中で溝幅の小さい部分だけが閉じて、大きい部分は閉じずに残る。つまり、細溝7が一斉に閉じることを抑制し、エッジ効果を維持する。
図7は、図6における細溝7’’の延在方向であるr−r線分に沿う断面図である。当図に示すように、第2溝部72’’は、第1溝部71から近い順に第1短溝部75と第2短溝部76とを備える。第1短溝部75と第2短溝部76とは、いずれも、それぞれの短溝部内において、溝幅が大きくなるにつれて溝深さが小さくなる。溝幅及び溝深さは、いずれも、大きくなるほど剛性が下がる。そこで、溝幅を変化させたそれぞれの短溝部内において、大きな溝幅に対して小さな溝深さを適用し、小さな溝幅に対して大きな溝深さを適用することで、第1短溝部75と第2短溝部76それぞれの短溝部内における局所的な剛性を微調整できる。これにより剛性の均一性を高めることができる。しかし、本実施形態において、図7に示された断面形状は必須の構成ではない。図5に示された断面形状のように各短溝部内で一定の溝深さを有してもよく、図3に示された断面形状のように第2溝部72’’で一定の溝深さを有してもよい。
本発明に係るタイヤは、トレッド面2を上述の如く構成すること以外は、通常のタイヤと同等に構成でき、従来公知の材料、形状、構造、製法などはいずれも採用できる。図示は省略するが、本実施形態のタイヤは、一対のビード部と、そのビード部の各々からタイヤ径方向の外側に延びるサイドウォール部と、そのサイドウォール部の各々のタイヤ径方向の外側端に連なるトレッド部とを備え、該トレッド部の表面にはトレッド面2を含んでいる。
本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
実施例1として、図1に示されたトレッド面において、一対のセンター陸部に設けられた全ての細溝が第1実施形態で示した形態を有するタイヤを評価した。細溝は第1溝部と第2溝部とから構成され、第1溝部の溝幅は0.6mm、第2溝部の溝幅は1.5mmである。第1溝部の溝深さと第2溝部の溝深さは、ともに7mmである。
実施例2として、図1に示されたトレッド面において、一対のセンター陸部に設けられた全ての細溝が第1実施形態で示した形態を有するタイヤを評価した。細溝は第1溝部と第2溝部とから構成され、第1溝部の溝幅は0.6mm、第2溝部の溝幅は1.5mmである。第1溝部の溝深さは3mm、第2溝部の溝深さは7mmである。
実施例3として、図1に示されたトレッド面において、一対のセンター陸部に設けられた全ての細溝が第2実施形態で示した形態を有するタイヤを評価した。細溝は第1溝部と第2溝部とから構成され、第2溝部は、第1溝部に近い順に、第1短溝部と第2短溝部とから構成される。第1短溝部の溝幅は1.2mm、第2短溝部の溝幅は2.0mm、及び第1溝部の溝幅は0.6mmである。第1短溝部の溝深さは5mm、第2短溝部の溝深さは7mm、及び第1溝部の溝深さは3mmである。
比較例として、図1に示されたトレッド面を有するタイヤを評価した。一対のセンター陸部に設けられた細溝は、各実施例と同様に、タイヤ周方向の一方側に向けて凸状となる湾曲状の屈曲部を有する。ただし、細溝の溝幅は0.8mmで一定であり、溝深さは7mmで一定である。
実施例1〜3と比較例のタイヤをテスト車両に取り付けて、雪上路面での操縦安定性能とコーナリングパワーとを評価した。併せて、乾燥路面での制動性能を評価した。各評価項目の条件を下記に示す。
<雪上路面での操縦安定性能の評価>
195/65R15のタイヤを車両に装着して雪上路面で直進走行やレーンチェンジ走行を実施し、ドライバーの官能試験により評価した。比較例の結果を「4」として7段階で評価し、数値が大きいほど操縦安定性能に優れていることを示す。
<コーナリングパワーの評価>
直径が2500mmのドラム試験機を使用し、内圧200kPa、荷重4.2kNにおける195/65R15のタイヤに発生するコーナリングフォースを測定し、スリップ角1度におけるコーナリングパワーを求めた。比較例の結果を100として指数評価し、数値が大きいほどコーナリングパワーが大きく、乾燥路面での操縦安定性能に優れることを示す。
<乾燥路面での制動性能の評価>
195/65R15のタイヤを車両に装着し、乾燥路面において、速度100km/hから制動力をかけて、ABSを作動させた際の制動距離の逆数を評価した。比較例の結果を100として指数で評価し、数値が大きいほど乾燥路面での制動性能に優れていることを示す。
Figure 2020100342
表1に評価結果を示す。これより、実施例1及び実施例2は、比較例に対し、雪上路面での操縦安定性能について同等の結果を確保したうえで、乾燥路面でのコーナリングパワー及び制動性能について優れた結果を得た。実施例3は、比較例に対し、乾燥路面でのコーナリングパワー及び制動性能のみならず、雪上路面での操縦安定性能も優れた結果を得た。つまり、実施例1〜3は、比較例に対し、より高いレベルで雪上路面での操縦安定性能と乾燥路面での操縦安定性能とを両立させている。
1…タイヤ
2…トレッド面
3…センター周溝
4…ショルダー周溝
5…センター陸部
6…ショルダー陸部
7、8…細溝
7a…屈曲部
7b…一端部
7c…他端部
7d、7e…延長部
7t…頂点
71…第1溝部
72、72’、72’’…第2溝部
73、75…第1短溝部
74、76…第2短溝部

Claims (5)

  1. タイヤ周方向に沿って延びる複数の周溝と、前記複数の周溝によって区画される複数の陸部とを有するトレッド面を備える空気入りタイヤであって、
    少なくとも一つの前記陸部は、前記陸部を区画する前記周溝の一方に開口する一端部と、他端部と、タイヤ周方向の一方側に向けて凸状となる湾曲状の屈曲部とを含む細溝を備え、
    前記屈曲部の頂点は、前記少なくとも一つの陸部をタイヤ幅方向に3等分した領域のうち、前記一端部を含む領域にあり、
    前記頂点から前記一端部までの第1溝部における溝幅は、前記頂点から前記他端部までの第2溝部における溝幅よりも小さい、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第1溝部における溝深さは、前記第2溝部における溝深さよりも小さい、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記他端部は、前記少なくとも一つの陸部内で閉塞し、
    前記第2溝部は、前記頂点から前記他端部に向かって段階的に溝幅及び溝深さの少なくともいずれかを大きくしている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記他端部は、前記少なくとも一つの前記陸部内で閉塞し、
    前記第2溝部は、前記頂点から近い順に第1短溝部と第2短溝部とを備え、
    前記第1短溝部と前記第2短溝部とは、いずれも前記他端部に近づくにつれて溝幅が大きくなり、
    前記第2短溝部における最小溝幅は前記第1短溝部における最大溝幅よりも小さく、
    前記第2短溝部における最大溝幅は前記第1短溝部における最大溝幅よりも大きい、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第1短溝部と前記第2短溝部とは、いずれも溝幅が大きくなるにつれて溝深さが小さくなる、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
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