JP2020100025A - ビード補強ゴムの押出成形装置 - Google Patents

ビード補強ゴムの押出成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】粘度が異なるゴムの全てに対してカールの発生を十分に抑制して、生産性の向上を図ることができるビード補強ゴムの押出成形装置を提供する。【解決手段】ゴムを押出して断面略三角形状のビード補強ゴムを成形するビード補強ゴムの押出成形装置であって、ゴムを押出す押出機と、押出機の下流側に配置されてゴムを略三角形状に押出すダイプレートとを備えており、ダイプレートは、押出機から送り込まれたゴムを受け取るゴム流入口と、略三角形状の開口部を有するゴム吐出口と、ゴム流入口とゴム吐出口とを繋ぐゴム流路とを有しており、少なくとも一部のゴム流路のゴム吐出口の幅広側に、ゴムの流速を減速させて、ゴムの押出しを遅くさせる遅延加工が施されているビード補強ゴムの押出成形装置。【選択図】図2

Description

本発明は、カールの発生が抑制されたビード補強ゴムを押出成形するビード補強ゴムの押出成形装置に関する。
空気入りタイヤにおいて、ビードの補強に用いられるゴム部材であるビードエイペックス(以下、「ビード補強ゴム」という)は、ビード補強ゴムの押出成形装置を用いて押出成形することにより製造されている。このビード補強ゴムの押出成形装置は、一般に、押出機と、押出機の下流側に隣接して配置されたプリフォーマと、プリフォーマの下流側に隣接して配置されたダイプレートとを備えており、押出機、プリフォーマ、ダイプレートの順にゴムが押出されることにより、ビード補強ゴムが作製される。
図5(a)に従来のビード補強ゴムの押出成形装置のダイプレートの斜視図を示し、図5(b)にダイプレートから押し出されたビード補強ゴムの平面図を示す。図5(a)に示すように、このダイプレート50は、断面略三角形のビード補強ゴムに合わせて、ゴム吐出口52が左右非対称の扁平な略三角形状に形成されている。このため、吐出時のゴムの流速Vは図5(a)に矢印で示すように先細りしている側ほど遅くなり、得られるビード補強ゴムGは、図5(b)に示すように、ゴム吐出口の幅狭側にカールした形状となり易い。カールしたビード補強ゴムは次工程で使用できなくなったり、使用できたとしても最終的に不良品になったりすることがあるため、生産性の低下を招いてしまう。
そこで、従来より、ダイプレートの流路において、ゴム吐出口の幅狭側のゴム流路が大きくなるようにダイプレートの裏側を加工して(裏取り加工)押出されるゴムの流速を均一化すること(例えば、特許文献1、2)や、ダイプレートのゴム吐出口の幅狭側から幅広側に向かう長辺の特定個所に屈曲点を設けその両側に急傾斜部と緩傾斜部を形成してゴム吐出口の形状を変えることが提案されている(特許文献3)。
特開2002−160281号公報 特開2013−43317号公報 特開2016−43653号公報
しかしながら、上記したダイプレートにおける裏取り加工やゴム吐出口の形状変更だけでは、粘度が異なるゴムの全てに対してカールの発生を十分に抑制することができず、さらなる改良が望まれている。
そこで、本発明は、粘度が異なるゴムの全てに対してカールの発生を十分に抑制して、生産性の向上を図ることができるビード補強ゴムの押出成形装置を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討を行い、以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、
ゴムを押出して断面略三角形状のビード補強ゴムを成形するビード補強ゴムの押出成形装置であって、
前記ゴムを押出す押出機と、前記押出機の下流側に配置されて、前記ゴムを略三角形状に押出すダイプレートとを備えており、
前記ダイプレートは、前記押出機から送り込まれた前記ゴムを受け取るゴム流入口と、略三角形状の開口部を有するゴム吐出口と、前記ゴム流入口と前記ゴム吐出口とを繋ぐゴム流路とを有しており、
少なくとも一部のゴム流路の前記ゴム吐出口の幅広側に、前記ゴムの流速を減速させて、前記ゴムの押出しを遅くさせる遅延加工が施されていることを特徴とするビード補強ゴムの押出成形装置である。
請求項2に記載の発明は、
前記ゴム吐出口の幅狭側のゴム流路に、裏取り加工が施されていることを特徴とする請求項1に記載のビード補強ゴムの押出成形装置である。
請求項3に記載の発明は、
前記遅延加工が、メッシュ加工が施された金属を前記ゴム吐出口の幅広側に設ける加工であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のビード補強ゴムの押出成形装置である。
請求項4に記載の発明は、
前記メッシュ加工が施された金属が、薄膜であることを特徴とする請求項3に記載のビード補強ゴムの押出成形装置である。
請求項5に記載の発明は、
前記メッシュ加工が施された金属が、150W/m・K以下の熱伝導率を有する金属であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のビード補強ゴムの押出成形装置である。
請求項6に記載の発明は、
前記金属が、鉄またはステンレスであることを特徴とする請求項5に記載のビード補強ゴムの押出成形装置である。
請求項7に記載の発明は、
前記メッシュ加工が、
前記ゴムのムーニー粘度ML1+4が50以下の場合には、メッシュ数15のメッシュを設け、
前記ゴムのムーニー粘度ML1+4が50を超え65未満の場合には、メッシュ数10のメッシュを設ける加工であることを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載のビード補強ゴムの押出成形装置である。
請求項8に記載の発明は、
前記遅延加工が、前記ゴム流路を粗面化する加工であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のビード補強ゴムの押出成形装置である。
請求項9に記載の発明は、
前記ゴム流路を粗面化する加工が、凹凸溝の形成により粗面化する加工であることを特徴とする請求項8に記載のビード補強ゴムの押出成形装置である。
本発明によれば、粘度が異なるゴムの全てに対してカールの発生を十分に抑制して、生産性の向上を図ることができるビード補強ゴムの押出成形装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るビード補強ゴムの押出成形装置の模式的断面図である。 本実施の形態におけるダイプレートを裏側から見たゴム吐出口の形状を示す図である。 ダイプレートの裏取り形状を示す図である。 カール量測定方法を説明する図である。 (a)は従来のビード補強ゴムの押出成形装置のダイプレートを示す斜視図であり、(b)はダイプレートから押し出されたビード補強ゴムを示す平面図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態に基づき、本発明を具体的に説明する。
1.本実施の形態に係るビード補強ゴムの押出成形装置の基本的な構成
図1は、本実施の形態に係るビード補強ゴムの押出成形装置の基本的な構成を示す模式的断面図であり、1はビード補強ゴムの押出成形装置、2は押出機、3はシリンダ、5はシリンダ3の内部に収納されたスクリュー、7はプリフォーマ、8はダイプレートである。そして、10はプリフォーマ7のゴム流入口、12はプリフォーマ7に形成されたゴム流路、14はプリフォーマ7のゴム吐出口であり、16はダイプレート8のゴム流入口、18はダイプレート8に形成されたゴム流路、20はダイプレート8のゴム吐出口である。また、Gは押出成形されたビード補強ゴムである。
図1に示すように、本実施の形態に係るビード補強ゴムの押出成形装置1は、押出機2と、押出機2の下流側に隣接して配置されたプリフォーマ7と、プリフォーマ7の下流側に隣接して配置されたダイプレート8とを備えている点において、従来と同様である。
そして、押出機2のシリンダ3内に収納されたスクリュー5によって、ゴムをプリフォーマ7のゴム流入口10からプリフォーマ7のゴム流路12に送り込み、その後、ダイプレート8のゴム流入口16からゴム流路18を経由して、ゴム吐出口20から、ビード補強ゴムを押出す点においても、従来と同様である。
しかし、本実施の形態においては、後述するように、ダイプレート8のゴム吐出口20の幅広側の少なくとも一部のゴム流路18に、ゴムの流速を減速させて、ゴムの押出を遅くさせる遅延加工が施されている点で、従来とは異なっている。
このような遅延加工を施して、ダイプレート8のゴム吐出口20の幅広側からのゴムの押出を適宜遅くさせることにより、粘度が異なるゴムであっても、押出されるゴムの流速を全体として均一化させることができるため、カールの発生を十分に抑制して、生産性の向上を図ることができる。
2.本実施の形態に係るビード補強ゴムの押出成形装置の具体的な構成
(1)押出機
押出機2は、シリンダ3内に収容されてモータ(図示せず)によって回転駆動するスクリュー5を備えており、投入口(図示せず)から投入されたゴムが、回転するスクリュー5によって、シリンダ3内を下流側に向けて送られる。
(2)プリフォーマ
プリフォーマ7は、ゴムを予備成形するために設けられており、押出機2から送り込まれたゴムが流入されるゴム流入口10と、流入されたゴムをダイプレート8へ吐出するゴム吐出口14とを備えており、ゴム流入口10とゴム吐出口14との間には、両者を繋ぐゴム流路12が形成されている。
(3)ダイプレート
ダイプレート8は、プリフォーマ7を経由して送り込まれてきたゴムをビード補強ゴムGに成形するために設けられており、プリフォーマ7において予備成形されたゴムが流入されるゴム流入口16と、流入されたゴムをビード補強ゴムGに成形して押出すゴム吐出口20とを備えており、ゴム流入口16とゴム吐出口20との間には、両者を繋ぐゴム流路18が形成されている。
図2は、本実施の形態におけるダイプレートを裏側(プリフォーマ側)から見たゴム吐出口の形状を示す図である。図2に示すように、ダイプレートは、上板部30と下板部32とから構成されている。ゴム吐出口20は上板部30側に設けられており、その形状は、ビード補強ゴムの形状に合わせて、一方から他方の頂点26に向けて先細りしている左右非対称の扁平な略三角形状に形成されている。なお、図2において、24はゴム流路の天井面であり、ゴム流入口からゴム吐出口に向けて、徐々に、高さが低くなっている。また、25は頂点26の裏側のゴム流路の壁面であり、ゴム流入口からゴム吐出口に向けて、徐々に、高さが低くなると同時に、幅が狭くなっている。
(4)遅延加工
そして、本実施の形態においては、前記したように、ダイプレートのゴム吐出口20の幅広側の少なくとも一部のゴム流路、具体的には、ゴムの流速が大きい部分のゴム流路に、ゴムの流速を減速させて、ゴムの押出を遅くさせる遅延加工が施されており、図2には、その遅延加工の一例として、金属にメッシュ加工が施された薄膜22が設けられている。
このような金属にメッシュ加工が施された薄膜22を設ける遅延加工を施すことにより、ゴムの吐出時、薄膜22のメッシュ部をゴムが通過する際、ゴムが抵抗を受けてゴムの流速が減速される。この結果、ダイプレートのゴム吐出口20の幅広側におけるゴムの流れを幅狭側におけるゴムの流れに近づけて、押出されるゴムの流速を全体として均一化させることができるため、カールの発生が十分に抑制されたビード補強ゴムを得ることができる。
本実施の形態において、メッシュ加工に使用される金属の材質としては、熱伝導率が150W/m・Kを超えていると、押出成形時、摩擦熱によりゴムヤケを発生して、加工不良となる恐れがあるため、150W/m・K以下の熱伝導率を有する金属であることが好ましい。このような金属としては、例えば、鉄(熱伝導率:90.9W/m・K)やステンレスなどを挙げることができる。
また、これらの金属は、ゴム流路の体積を十分に確保するという観点から、上記のように、薄膜であることが好ましい。
なお、本実施の形態においては、ムーニー粘度ML1+4が低いゴム(軟らかいゴム)ほど、ゴム吐出口の幅広側と幅狭側との間における流速の差が大きく生じること、また、メッシュ数が大きいほど、メッシュ部をゴムが通過する際のゴムの抵抗が大きくなり、ゴムの流速が大きく低減されることの双方を考慮して、ゴムのムーニー粘度ML1+4に応じて、設けられるメッシュ数を調整することが好ましい。
具体的には、ムーニー粘度ML1+4が50以下の軟らかなゴムの場合には、メッシュ数を15と大きくして、メッシュを通過する幅広側のゴムに十分な抵抗を与えることが好ましい。そして、ゴムのムーニー粘度ML1+4が50を超え65未満の中間的な硬さのゴムの場合には、メッシュ数を15にするとメッシュを通過する幅広側のゴムの抵抗が大きくなって、先端部の幅狭側のゴムの流速よりも遅くなり、逆方向にカールが発生する恐れがあるため、メッシュ数は10とすることが好ましい。また、ゴムのムーニー粘度ML1+4が65以上の硬いゴムの場合には、幅広側のゴムがメッシュを通過する際の抵抗が大きくなり過ぎて、先端部の幅狭側のゴムの流速よりも遅くなり、逆方向にカールが発生する恐れがあるため、メッシュ加工は施さず、後述する粗面加工により流速を制御することが好ましい。
上記においては、遅延加工として、メッシュ加工が施された金属、特に、金属薄膜を設けた場合について説明したが、本実施の形態における遅延加工としては、ゴム流路を粗面化する加工も好ましい。
ゴム吐出口の幅広側におけるゴム流路を粗面化することにより、ゴムが抵抗を受けてゴムの流速が減速され、ゴムの流速を全体として均一化させることができる。具体的な粗面加工の方法としては、例えば、ゴム流路のキャビティ面にサンドブラストなどの研磨加工を施して粗面化する方法や、ゴム流路のキャビティ面上に凹凸溝を設けて粗面化する方法などを採用することができる。
具体的な粗面化の程度としては、JIS B 0601に規定される算術表面粗さRaで0.1〜1.6mm程度であることが好ましい。
そして、本実施の形態において、流速遅延加工は、ゴムの粘度に合わせて、上記したメッシュ数を調整したメッシュ加工や粗面加工を組み合わせることにより、より顕著な効果を発揮させることができる。
(5)裏取り加工
本実施の形態においては、上記した流速遅延加工に加えて、従来と同様に、ゴム吐出口の幅狭側のゴム流路に裏取り加工が施されていることが好ましい。
図3は、ダイプレートの裏取り形状を示す図であり、ここでは、図2と同様に、ダイプレートを裏側(プリフォーマ側)から見た図を示している。図3に示すように、ゴム吐出口20の幅狭側の頂点26の近傍のゴム流路18には、白抜き矢印で示す方向に広がって裏取り加工が施されている。これにより、相対的にゴムが流れ難いゴム吐出口20の幅狭側へのゴムの供給を十分に行うことができ、前記した遅延加工による効果と相俟って、押出されるゴムの流速を全体として、一層、均一化させることができる。
そして、本実施の形態に係るビード補強ゴムの押出成形装置を用いてビード補強ゴムの押出成形を行う場合、作業自体は従来と同様でよいため、違和感なく、また生産性を低下させることもなく、カールの発生が抑制されたビード補強ゴムの押出成形を行うことができ、材料スクラップやタイヤスクラップの発生率を低減させることができる。
次に、本実施の形態を実施例に基づいて具体的に説明する。
[1]実験1(メッシュ加工による遅延加工)
本実験においては、遅延加工としてメッシュ加工を採用した場合について、その効果を確認した。
1.試験体の作製
最初に、表1に示す材質、メッシュ数の金属薄膜をゴム流路の幅広側に設けるメッシュ加工を施して、ダイプレートを作製した。次に、このダイプレートを押出成形装置に取付け、表1に示すムーニー粘度の各ゴムを押出成形して、試験体のビード補強ゴムを得た。
なお、鉄の熱伝導率は90.9W/m・Kであり、アルミの熱伝導率は236W/m・Kである。
2.評価
(1)評価方法
得られた各ビード補強ゴムをビードコアに貼り付けてビードを作製し、完成した各ビードを、水平なテーブルの上に、図4に示すように載置した。そして、周上の4点で、テーブルの上面からビード補強ゴムの先端までの高さ(反り)を、スケールを用いて測定した。このビード補強ゴムの先端における反りは、カールに基づいて発生しているため、この測定結果をカール量とみなして、4点の測定値の平均を求めた。
評価は、以下の基準に基づいて、「良」、「可」、「不可」の3段階で評価した。なお、ここで、カール量が「−」とは、下方のテーブル面に向けて反ったことを示している。
良 :0mm≦カール量≦6mm
可 :−6mm≦カール量<0mm、または、6mm<カール量≦12mm
不可:カール量<−6mm、または、12mm<カール量
(2)評価結果
評価結果を表1に示す。
Figure 2020100025
表1に示す結果より、ムーニー粘度が45の軟らかなゴムの場合(実験例1〜3)には、メッシュ加工を施すことによりカール量が低減していることが分かる。しかし、メッシュ数が10の場合(実験例2)には、未だ遅延効果が十分とは言えず、評価は「可」に留まっている。一方、メッシュ数を15(実験例3)の場合には、メッシュを通過する幅広側のゴムの抵抗が適切な大きさとなって、幅広側のゴムの流速が適切に遅延し、カール量が十分に低減し、評価が「良」となっている。
次に、ムーニー粘度が60の中間的な硬さのゴムの場合(実験例4〜6)も、メッシュ加工を施すことによりカール量が低減していることが分かる。しかし、この場合には、ムーニー粘度が45のゴムよりも硬いため、好ましいメッシュ数が逆転した。即ち、メッシュ数が10の場合(実験例5)にはメッシュを通過する幅広側のゴムの抵抗が適切な大きさとなって、幅広側のゴムの流速が適切に遅延し、カール量が十分に低減し、評価が「良」となっている。一方、メッシュ数が15(実験例6)の場合には、メッシュを通過する幅広側のゴムの抵抗が大きくなり過ぎることにより、幅広側のゴムの流速が大きく遅延して先端部の幅狭側のゴムの流速よりも遅くなって、「−」のカール量(逆方向にカール)となり、評価は「可」に留まっている。
そして、ムーニー粘度が70の硬いゴムの場合(実験例7、8)には、硬いゴムであるため、メッシュ加工を施さなくても(実験例7)、ゴム流路の幅広側を通過するゴムの抵抗により、幅広側のゴムの流速が適切に遅延して、カール量が十分に低減し、評価が「良」となっている。そして、メッシュ数が10の遅延加工を施した場合(実験例8)には、幅広側のゴムがメッシュを通過する際の抵抗が大きくなり過ぎて、幅広側のゴムの流速が先端部の幅狭側のゴムの流速よりも遅くなり、「−」のカール量(逆方向にカール)となり、評価は「可」に留まっている。
なお、材質がアルミのメッシュの場合には(実験例9)、カール量は低減できるものの、熱伝導率が大き過ぎるために、ゴムのヤケや加工不良が発生することがあった。
[2]実験2(粗面加工による遅延加工)
本実験においては、遅延加工として粗面加工を採用した場合について、その効果を確認した。なお、本実験では、実験1において使用したダイプレートの一部を使用して、以下の実験を行った。
具体的には、メッシュ加工を施していない実験例1、実験例4、実験例7において使用したダイプレートのゴム流路の幅広側に、算術平均粗さRaが0.8mmとなるように粗面加工を施して、それぞれを実験例10、実験例11、実験例12のダイプレートとし、実験1と同様にして、ビード補強ゴムを押出成形し、評価した。評価の結果を、表2に、粗面加工していない実験例と併せて示す。
Figure 2020100025
表2に示す結果より、いずれの粘度のゴムにおいても、粗面加工されたダイプレートを使用することにより、カール量を低減できることが分かる。
以上の実験結果より、ゴム吐出口の幅広側におけるゴム流路に、メッシュ加工や粗面加工などの遅延加工を施すことにより、粘度が異なるゴムであっても、カールの発生を十分に抑制できることが確認できた。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
1 ビード補強ゴムの押出成形装置
2 押出機
3 シリンダ
5 スクリュー
7 プリフォーマ
8、50 ダイプレート
10 プリフォーマのゴム流入口
12 プリフォーマのゴム流路
14 プリフォーマのゴム吐出口
16 ダイプレートのゴム流入口
18 ダイプレートのゴム流路
20、52 ダイプレートのゴム吐出口
22 薄膜
24 ゴム流路の天井面
25 ゴム流路の壁面
26 頂点
30 上板部
32 下板部
G ビード補強ゴム
V 吐出時のゴムの流速

Claims (9)

  1. ゴムを押出して断面略三角形状のビード補強ゴムを成形するビード補強ゴムの押出成形装置であって、
    前記ゴムを押出す押出機と、前記押出機の下流側に配置されて、前記ゴムを略三角形状に押出すダイプレートとを備えており、
    前記ダイプレートは、前記押出機から送り込まれた前記ゴムを受け取るゴム流入口と、略三角形状の開口部を有するゴム吐出口と、前記ゴム流入口と前記ゴム吐出口とを繋ぐゴム流路とを有しており、
    少なくとも一部のゴム流路の前記ゴム吐出口の幅広側に、前記ゴムの流速を減速させて、前記ゴムの押出しを遅くさせる遅延加工が施されていることを特徴とするビード補強ゴムの押出成形装置。
  2. 前記ゴム吐出口の幅狭側のゴム流路に、裏取り加工が施されていることを特徴とする請求項1に記載のビード補強ゴムの押出成形装置。
  3. 前記遅延加工が、メッシュ加工が施された金属を前記ゴム吐出口の幅広側に設ける加工であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のビード補強ゴムの押出成形装置。
  4. 前記メッシュ加工が施された金属が、薄膜であることを特徴とする請求項3に記載のビード補強ゴムの押出成形装置。
  5. 前記メッシュ加工が施された金属が、150W/m・K以下の熱伝導率を有する金属であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のビード補強ゴムの押出成形装置。
  6. 前記金属が、鉄またはステンレスであることを特徴とする請求項5に記載のビード補強ゴムの押出成形装置。
  7. 前記メッシュ加工が、
    前記ゴムのムーニー粘度ML1+4が50以下の場合には、メッシュ数15のメッシュを設け、
    前記ゴムのムーニー粘度ML1+4が50を超え65未満の場合には、メッシュ数10のメッシュを設ける加工であることを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載のビード補強ゴムの押出成形装置。
  8. 前記遅延加工が、前記ゴム流路を粗面化する加工であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のビード補強ゴムの押出成形装置。
  9. 前記ゴム流路を粗面化する加工が、凹凸溝の形成により粗面化する加工であることを特徴とする請求項8に記載のビード補強ゴムの押出成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021251363A1 (ja) 2020-06-09 2021-12-16 ダイキン工業株式会社 電動機、圧縮機、送風機、冷凍装置

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