JP2020099579A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
Description
また、吸収性能を高める観点から吸収体に凹部を設けたものがある。例えば、吸収体の股下部から前後方向に形成された誘導凹部を備えた吸収性パッド(特許文献3)、腹側部に大便を収容する収容部とその上部の便遮蔽層とを設けたおむつ(特許文献4)などがある。また、2層からなる吸収性構造体の股下部において、上層吸収層に欠落部を設けた吸収性物品(特許文献5)などがある。
おむつ10は、着用者の前側、股下及び後側のそれぞれに配される前側部F、股下部C及び後側部Rに区分される。おむつ10は、この着用者の前側、股下及び後側に対応する部分がつながる方向に相当する長手方向Yと、長手方向Yに直交する幅方向Xとを有する。
凹み部5は平面視した吸収体3の端部にまで繋がっていない。言い換えると、空間領域51が吸収体3の端部にまで達しないように凹み部5を配置している。
本実施形態においては、凹み部5は、おむつ10の長手方向Yの中心線Wよりも後側において、吸収体3が有する前記吸収材料がなす壁面31に平面方向の周囲を囲まれて閉空間にされている。すなわち、凹み部5が備える空間領域51は、肌面側には開放されているものの、平面方向の周囲について、壁面31で囲まれて閉空間とされている。そのため、凹み部5は、吸収体3の外周に接することなく外周よりも内側に存在する。また、凹み部5は、中心線Wよりも後側の領域にのみ存在し、中心線Wよりも前側の領域に延出していない。なお、吸収体3が前記吸収材料の集合体とともに、該集合体を被覆するコアラップシートを有する場合、コアラップシートまでが凹み部5に沿って窪んでいなくてもよい。
本実施形態においては、凹み部5の平面視した形状は、着用者の着座時に、坐骨及び尾骨の先端周辺を内側に収め得る大きさの円形状とされている。これにより、着用者の着座時に、坐骨及び尾骨の先端周辺に沿うように吸収体3の凹み部5及びその周辺が変形し、着用者の坐骨及び尾骨の先端周辺が凹み部5の空間領域51に収まるようになる。同時に、壁面31周辺の吸収体の厚い部分32が着用者の臀部の肌面を支える。これにより、おむつ10は、着用者が長時間着座していても坐骨や尾骨に圧迫される身体の部分への負荷が軽減される。このとき、周囲の壁面31が着用者の坐骨や尾骨の先端周辺の臀部の肌面を支えていると、上記の圧迫がより軽減されやすくなり好ましい。なお、「着座」とは、臀部を下にして座り上体をおこした体勢を言う。例えば、椅子に限らずベッドや床などに腰を下ろして座る体勢を広く含む。また、前記体勢において、着用者は、上体を背もたれや壁などによりかからせていてもよい。
また、凹み部5の配置数は1つに限らず、着用者の坐骨や尾骨に対応して2つ以上とすることができる。凹み部5を着用者の左右一対の坐骨に対応して2つ配する場合、着用者の尾骨に対応して1つ配する場合、着用者の坐骨及び尾骨の全てに対応して3つ配する場合のいずれであっても、坐骨及び尾骨のそれぞれに対応する位置において、凹み部5は、正円形状や正多角形状など縦横比が1に近いものが好ましい。
さらに、図2(B)に示すように、肌面側から非肌面側に窪んだ凹み部5の断面視においては、対向する壁面31、31の肌面側の端部31A、31A同士の離間距離が、非肌面側の端部31B、31B同士の離間距離よりも大きいこと、すなわち、壁面31が肌当接面側に向けて開くようにテーパ状に傾斜配置されていることが好ましい。この場合、凹み部5の空間領域51が、非肌面側よりも肌面側で開くようにされている。非肌面側から肌面側に窪む凹み部5においては、対向する壁面31、31の非肌面側の端部同士の離間距離が、肌面側の端部同士の離間距離よりも大きいことが好ましい。
加えて同様の観点から、長手方向Yの中心線Wよりも後側のおむつ10の長さW1に対して、凹み部5の長手方向Yの長さW3の比(W3/W1)は、0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、また、0.2以下が好ましく、0.15以下がより好ましい。具体的には、前記比(W3/W1)は、0.01以上0.2以下が好ましく、0.03以上0.15以下がより好ましい。
さらに同様の観点から、凹み部5の配置位置におけるおむつ10の幅方向の長さL1に対して、凹み部5の幅方向Xの中心線Lを中心とした左右幅方向の長さL2の比(L2/L1)は、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、また、0.6以下が好ましく、0.5以下がより好ましい。具体的には、前記比(L2/L1)は、0.1以上0.6以下が好ましく、0.2以上0.5以下がより好ましい。
さらに、各凹み部501A及び501Bを平面視した形状の面積は、坐骨を凹み部501A、501Bの空間領域に収め得る大きさとする観点から、1cm2以上が好ましく、3cm2以上がより好ましく、また、30cm2以下が好ましく、18cm2以下がより好ましい。具体的には、各凹み部501A及び501Bを平面視した形状の面積は、1cm2以上30cm2以下が好ましく、3cm2以上18cm2以下がより好ましい。
また、第2実施態様において、坐骨に対応する凹み部502Aの配置位置については次のようにすることが好ましい。すなわち、凹み部502Aを平面視した形状の中心が、長手方向Yの中心線Wから、後側に離間して、10mm以上140mm以下の範囲に配置されることが好ましく、20mm以上120mm以下の範囲にあることがより好ましい。さらに、凹み部502Aの横方向の幅は、坐骨を凹み部502Aの空間領域に収め得る大きさとする観点から、70mm以上が好ましく、90mm以上がより好ましく、また、150mm以下が好ましく、130mm以下がより好ましい。具体的には、凹み部502Aの横方向の幅は、70mm以上150mm以下が好ましく、90mm以上130mm以下がより好ましい。
また、第3実施態様において、坐骨に対応する凹み部503A及び503Bの配置位置については次のようにすることが好ましい。すなわち、各凹み部503A及び503Bを平面視した形状の中心が、長手方向Yの中心線Wから、後側に離間して、10mm以上140mm以下の範囲に配置されることが好ましく、20mm以上120mm以下の範囲にあることがより好ましい。凹み部503A、503B同士は、幅方向Xの中心線Lを軸にして線対称に配置されていることが好ましい。また、凹み部503Aと503Bとの離間距離L9は、凹み部503A及び503Bを坐骨位置に対応させる観点から、60mm以上が好ましく、80mm以上がより好ましく、また、160mm以下が好ましく、140mm以下がより好ましい。具体的には、凹み部503Aと503Bとの離間距離L9は、60mm以上160mm以下が好ましく、80mm以上140mm以下がより好ましい。
なお、図7(B)は、坐骨に対応する凹み部504A及び504Bの断面のみを示しているが、尾骨に対応する凹み部504Cも同様の構造を有する。このようにすると吸収体の吸収容量を減らすことなく坐骨及び尾骨への座面からの接触圧力を低減させることができる。また、土手部33の外周及び内周は円形に限定されるものではない。また、土手部33があることにより坐骨及び尾骨が所定位置に収まりやすい。
図8は、凹み部が吸収体の肌面側に配された態様を示している。図8における各凹み部の壁面は、図6に示す第3実施態様における坐骨に対応する凹み部503A及び503Bの断面の配置に合わせて示されている。図8に示す肌面側の各壁面は、図6に示す第3実施態様における尾骨に対応する凹み部503C、図1、4、5及び7に示す凹み部の態様においても当てはまる。
図9は、図8に示す凹み部が吸収体の非肌面側に配される態様を示している。図9に示す凹み部は、図6に示す第3実施態様における尾骨に対応する凹み部503C、図1、4、5及び7に示す様々な凹み部の態様においても当てはまる。
前述の図1及び2の実施形態、図4〜7及び下記に示す図8及び9に示す各実施態様は、適宜任意に組み合わせて実施することができる。
これらのいずれの態様においても、着用者の坐骨は、凹み部底部53の肌面側の吸収体部分38を押圧することになる。この場合、凹み部底部53の肌面側の吸収体部分38は押されて撓みながら、非肌面側の凹み部503A及び503Bに入っていく。着用者の坐骨の先端周辺は、凹み部底部53の吸収体部分38の肌面側の撓んだ部分に入り込む。この態様においては、凹み部底部53の肌面側の吸収体部分38が着用者の坐骨の先端周辺を支え、さらにその非肌面側に凹み部503A及び503Bの各空間領域が控えているため、座面との接触をより小さく抑えることができる。この作用をより効果的に発現させる観点から、壁部は非肌面側に開くように、吸収体3の厚み方向に対して傾斜配置されていることが好ましい。また、着用者の坐骨の先端周辺と凹み部底部53の肌面側の吸収体部分38とがより広範囲かつ均等に接触しやすくなるため、坐骨や尾骨への負担をより軽減することができるとともに、着用感も高くなる。このような作用は、図6に示す第3実施態様における尾骨に対応する凹み部503C、図1、4、5及び7に示す様々な凹み部を吸収体3の非肌面側に配した場合にも当てはまる。
さらに、本実施形態のおむつ10は、前述した態様のうち1種類の凹み部を有する場合に限らず、複数種類の凹み部を適宜組み合わせて有していてもよい。凹み部の少なくとも1つが、吸収体3の厚みを部分的に厚くした土手部33によって囲まれた部分(第4実施態様の凹み部504)であることが好ましい。
2 裏面シート
3 吸収体
31、311、312、313、314、315 壁面
32 壁面周辺の吸収体の厚い部分
33 土手部
37 (吸収体の肌面側から厚みが薄くされた凹部の)凹み部底部の非肌面側の吸収体部分
38 吸収体の非肌面側から厚みが薄くされた凹部の)凹み部底部の肌面側の吸収体部分
5、501〜504 凹み部
51 空間領域
52 (吸収体の肌面側から厚みが薄くされた凹部の)凹み部底部
53 (吸収体の非肌面側から厚みが薄くされた凹部の)凹み部底部
8 サイドシート
10 使い捨ておむつ
11 サイドシール部
12 吸収性本体
13 外装体
Claims (8)
- 肌当接面側の表面シート、非肌当接面側の裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートとの間に介在される吸収体を備え、着用者の前側、股下及び後側に対応する部分がつながる方向に相当する長手方向と、該長手方向に直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、前記吸収体は、前記吸収性物品の前記長手方向の中心線よりも後側にのみ凹み部を1又は複数有し、該凹み部は平面視で吸収体の端部にまで繋がっていない吸収性物品。
- 前記凹み部は、前記吸収体の、着用者の坐骨にあたる部分に一対配置されている請求項1記載の吸収性物品。
- 前記凹み部は、前記吸収体の、着用者の尾骨にあたる部分に配置されている請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記凹み部の壁面が、前記吸収体の厚み方向に対して傾斜配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記凹み部の平面視した形状が円形状である請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記凹み部が非貫通である請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記凹み部が前記吸収体の非肌面側に配されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記凹み部の少なくとも1つが、吸収体3の厚みを部分的に厚くした土手部によって囲まれた部分である請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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