JP2020099306A - 菌叢バランス調節組成物及びその応用 - Google Patents

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文彦 奥村
Fumihiko Okumura
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麻里 廣澤
Mari Hirosawa
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唯 藤森
Yui Fujimori
唯 藤森
由美子 寺尾
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由美子 寺尾
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良 佐藤
雅之 西野
Masayuki Nishino
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Sayaka Tsuchida
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一成 牛田
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卓志 早川
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Abstract

【課題】プレボテラ科の中でも特定の細菌集団を減少及び/又は増加させる素材を提供する。【解決手段】16S rRNA遺伝子のV1—V2領域の特定の核酸配列と97%以上の類似度を有するプレボテラ科細菌からなる第一プレボテラ科細菌集団を選択的に減少させるため、及び/又はV1−V2領域の前記特定配列とは異なる他の特定核酸配列と少なくとも84.6%以上の類似度を有するプレボテラ科細菌からなる第二プレボテラ科細菌集団を選択的に増加させるために用いられる、アラビアガムを含有する組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、プレボテラ科の菌叢バランスを調節するために用いる組成物に関する。
プレボテラ科の細菌は、野菜等の食物繊維を多く摂取するヒトの腸内において増加することが知られている。プレボテラ科細菌の中には、身体の健康に有益な菌種と、有害な菌種が存在することが知られている(非特許文献1)。
健康に有益な種として、例えばプレボテラ・オーロラム(Prevotella oulorum)が挙げられる。20名のボランティアの歯肉炎のスコアとの関連性を調べた臨床研究では、プレボテラ・オーロラムは、歯肉の健康と相関することが示されている(非特許文献2)。
一方、例えばプレボテラ・コプリ(Prevotella copri)は、インスリン抵抗性を有する277名の糖尿病でない被験者を対象とした臨床研究により、インスリン抵抗性との関連性が指摘されている(非特許文献3)。また、初期の関節リウマチ患者と健常者で腸内菌叢を比較した試験においては、関節リウマチ患者でプレボテラ・コプリが優勢であることが明らかとなっている(非特許文献4)。
Nutients,2014年11月,第6巻,第11号,pp.4822-4838 PLoS One,2013年8月14日,第8巻,第8号,e71227 Nature,2016年,第535巻,pp.376-381 Arthritis & Rheumatology,2016年11月,第68巻,第11号,pp.2646-2661
特定のプレボテラ科細菌集団を選択的に減少させる手段、あるいは特定のプレボテラ科細菌集団を減少させる一方で、別のプレボテラ科の細菌集団を増加させる手段については報告がない。
そこで、本発明は、プレボテラ科の特定の細菌集団を減少及び/又は増加させる素材を提供することを目的とする。
本発明者らは、アラビアガムが、プレボテラ科の特定の細菌集団の割合を減少及び/又は増加させることを新たに見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の組成物を提供する。
項1.
16S rRNA遺伝子のV1―V2領域の配列が配列番号1の核酸配列と97%以上の類似度を有するプレボテラ科細菌からなる第一プレボテラ科細菌集団を減少させるため、及び/又は
V1−V2領域の配列が配列番号2の核酸配列と84.6%以上の類似度を有するプレボテラ科細菌からなる第二プレボテラ科細菌集団を増加させるために用いられる、アラビアガムを含有する組成物。
項2.
食品又は動物用飼料である、項1に記載の組成物。
項3.
霊長目、齧歯目、偶蹄目、奇蹄目、食肉目、及び有袋上目から選択される少なくとも1種に摂取される、項1又は2に記載の組成物。
本発明の組成物を動物に投与することによって、身体のプレボテラ科の細菌のうち、特定の細菌集団を選択的に減少させることができる。
さらに、本発明の組成物を摂取することで、別のプレボテラ科の細菌集団が増加して、プレボテラ科の菌のバランスを良好に保つことができる。
実施例餌投与前と後の配列番号1で表されるOTUの配列存在比率の変動を表すグラフである。(A)は、試験期間中の各時点の存在比率、(B)は実施例餌投与の前後で分けた存在比率の分布を箱ひげ図で表したものである。 実施例餌投与前と後の配列番号2で表されるOTUの配列存在比率の変動を表すグラフである。(A)は、試験期間中の各時点の存在比率、(B)は実施例餌投与の前後で分けた存在比率の分布を箱ひげ図で表したものである。
[組成物]
(アラビアガム)
本発明の菌叢バランスを調節するための組成物は、アラビアガムを含有する。
本発明で用いるアラビアガムは公知であり、マメ科植物であるアカシア属の植物(例えば、アカシア・セネガル(Acacia senegal)やアカシア・セイアル(Acacia seyal等))の樹液から得られる多糖類である。アラビアガムの分子構造は完全に明らかにはされていないが、ガラクトース、アラビノース、ラムノース、及びグルクロン酸を構成糖とすることが知られている。
アラビアガムは商業的に入手することができ、かかる製品としては、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「ガムアラビックSD」等が挙げられる。
本発明で用いるアラビアガムとして、前記アラビアガムを改質した、改質アラビアガムを用いることも可能である。改質の方法としては、例えば、90〜180℃で15分〜72時間加熱処理する方法や、アラビアガムから金属塩を除去又は低減する方法等が挙げられる。アラビアガムから金属塩を除去又は低減する方法としては、例えば、有機溶媒中でのイオン交換処理、電気透析膜、又はイオン交換樹脂等による脱塩処理が例示できる。これら改質アラビアガムは、例えば、特表2006−522202号公報、又は特開2005−179417号公報に記載された方法等に従って製造することができる。
前記性質を有する改質アラビアガムは、例えば、特表2006−522202号公報に記載の方法に従って製造することができる。一例として、アカシア・セネガル(Acacia senegal)種に属するアラビアガムを110℃で10時間以上、又はこれと実質的に同じ効果を得ることができる条件下で加熱することによって、前記性質を有する改質アラビアガムを製造することができる。加熱時間の条件としては、例えば72時間が挙げられる。また、上記性質を有する改質アラビアガムは商業的に入手することができ、かかる製品として例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「SUPER GUM EM10」等が挙げられる。
本発明で用いるアラビアガムは、特に限定されないが、前記重量平均分子量が、例えば、30万〜500万、30万〜300万、35万〜200万、40万〜150万、45万〜125万、又は50万〜100万であり、及び/又は、アラビノガラクタン蛋白質含量が、例えば5〜35質量%、5〜25質量%、6〜20質量%、又は7〜15質量%である。
アラビアガムの重量平均分子量及びアラビノガラクタン蛋白質含量(質量%)は、例えば、光散乱(MALLS)検出器、屈折率(RI)検出器及び紫外線(UV)検出器の3つの検出器を備えたゲル濾過クロマトグラフィーにより測定することができる。詳細には、特表2006−522202号公報に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の組成物において、アラビアガムの総含有量は、特に限定されないが、組成物の全量に対して、例えば0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上、4質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上とすることができ、また、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下、2質量%以下、1質量%以下、0.5質量%以下、0.2質量%以下、0.1質量%以下とすることができる。
(その他成分)
本発明の組成物は、特に限定されないが、本発明の効果を損なわない範囲で、アラビアガム以外に、可食性成分として、食品、動物用飼料、医薬品、医薬部外品、化粧品、若しくはこれらへの添加用組成物(食品添加物、医薬品添加剤、医薬部外品添加物、飼料添加物)、及び医薬品若しくは医薬部外品の有効成分等からなる群より選ばれる1種以上の組成物又は成分を含有することができる。
本明細書において、「食品」とは、医薬品及び医薬部外品に該当しない全ての飲食物を指し、加工食品、水、農産物、畜産物、水産物、飲料、油脂類、調味料、エキス類、機能性表示食品及び特定保健用食品を包含する。
本明細書において、「食品添加物」とは、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第4条第2項で定められる、「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するもの」を指し、いわゆる「香料」を包含する。
本明細書において、「飼料」とは、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和二十八年法律第三十五号)第2条第2項で定められる、「家畜等の栄養に供することを目的として使用される物」を指す。
本明細書において、「飼料添加物」とは、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律第2条第3項で定められる、「飼料の品質の低下の防止その他の農林水産省令で定める用途に供することを目的として飼料に添加、混和、浸潤その他の方法によって用いられる物で、農林水産大臣が農業資材審議会の意見を聴いて指定するもの」を指す。
中でも、本発明の組成物は、腸内の有益な細菌の成長を促進するか、腸内の病原細菌の成長又は定着を阻害する成分であるプレバイオティクスを、1種以上含有することがより好ましい。このようなプレバイオティクスとしては、特に限定されないが、例えば、グァーガム、部分加水分解グァーガム、ペクチン由来オリゴ糖、αグルカン、マルトデキストリン、βグルカン、デキストラン、難消化性デンプン、老化デンプン、グルコオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、イヌリン、アラビノガラクタン、フコシルラクトース、ガラクトオリゴ糖、ガラクトマンナン、ラクトスクロース、ラクチュロース、ミルクオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ラクトネオテトラオース、レバン、シアロオリゴ糖、シアリルラクトース、ダイズオリゴ糖、糖アルコール、キシロオリゴ糖、又はこれらの加水分解物等が挙げられる。
さらに、本発明の組成物は、それを用いる対象の健康を改善する食品用微生物(半生存又は弱体化、及び/又は非複製であるものを含め、生きている微生物)、代謝物、微生物細胞調製物、又は微生物細胞の構成物である、プロバイオティクスを1種以上含有することが好ましい。このようなプロバイオティクスとしては、特に限定されないが、例えば、アエロコッカス(Aerococcus)、アスペルギルス(Aspergillus)、バクテロイデス(Bacteroides)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、カンジダ(Candida)、クロストリジウム(Clostridium)、デバロマイセス(Debaromyces)、エンテロコッカス(Enterococcus)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、ロイコノストック(Leuconostoc)、メリッソコッカス(Melissococcus)、マイクロコッカス(Micrococcus)、ムコール(Mucor)、オエノコッカス(Oenococcus)、ペディオコッカス(Pediococcus)、ペニシリウム(Penicillium)、ペプトストレプトコッカス(Peptostrepococcus)、ピキア(Pichia)、プレボテラ(Prevotella)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、シュードカテニュレイタム(Pseudocatenulatum)、リゾプス(Rhizopus)、サッカロミセス(Saccharomyces)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、トルロプシス(Torulopsis)、ウェイセラ(Weissella)等が挙げられる。
(形態)
本発明の組成物の形態は、特に限定されないが、例えばアラビアガム単独、又は、食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、動物用飼料、若しくはこれらへの添加用組成物であり、好ましくは食品、食品添加物、動物用飼料又は飼料添加物であり、より好ましくは食品又は食品添加物である。
[用途]
(菌叢バランス改善用途)
本発明の組成物は、第一プレボテラ科細菌集団を減少させるため、及び/又は第二プレボテラ科細菌集団を増加させるために用いることができる。
第一プレボテラ科細菌集団は、16S rRNA遺伝子のV1―V2領域の配列の、配列番号1の核酸配列に対する類似度が、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、更に好ましくは、99%以上の細菌集団である。
第一プレボテラ科細菌集団に属する細菌としては、特に限定されないが、例えば、プレボテラ・コプリ等が挙げられる。
第二プレボテラ科細菌集団は、16S rRNA遺伝子のV1―V2領域の配列の、配列番号2の核酸配列に対する類似度が、好ましくは84.6%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは88%以上の細菌集団である。
第二プレボテラ科細菌集団に属する細菌としては、特に限定されないが、例えば、プレボテラ・オーロラム、プレボテラ・ロエッシェアイ(Prevotella loescheii)、プレボテラ・シャヒアイ(Prevotella shahii)等が挙げられる。
本明細書において、核酸配列の類似度とは、既知配列を集約したデータベース検索において、アライメント(核酸配列を対応させること)可能な範囲における塩基が一致した数の割合で定義される。特定の16S rRNA配列と既知の細菌の16S rRNA配列との類似度は、特に限定されないが、例えば、既知配列を集約したデータベースとして、SINA(https://www.arb-silva.de/aligner/)又はBLAST(https://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast)を用いることができる。
(関節の炎症の予防又は改善用途)
また、本発明の組成物は、関節の炎症の予防又は改善に用いることができる。
係る用途においては、本発明の組成物は、アラビアガム以外に抗炎症作用を有する成分をさらに含むことが好ましい。そのような成分としては、特に限定されないが、例えば、コラーゲン、グルコサミン、コンドロイチン、ω−3脂肪酸(エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等)、共役脂肪酸(例えば共役リノール酸(CLA)等)、アミノ酸(セリン、スレオニン等)、又はそれらの塩等が挙げられる。
(関節リウマチの予防又は改善用途)
また、本発明の組成物は、関節リウマチの予防又は改善に用いることができる。
本発明の組成物を関節リウマチの予防又は改善に用いる場合には、本発明の組成物は、アラビアガム以外に関節リウマチに対して予防又は改善効果を有する成分をさらに含むことが好ましい。そのような成分としては、特に限定されないが、例えば、メソトレキサート、タクロリムス、ブシラミン、ペニシラミン、金チオリンゴ酸、オーラノフィン、レフルノミド、アクタリット、ロベンザリット、サラゾスルファピリジン等が挙げられる。
(関節の機能の改善用途)
本発明の組成物は、関節の機能の改善の機能の改善に用いることができる。対象となる関節の部位としては、特に限定されないが、好ましくは膝、肩、又は腰であり、より好ましくは膝である。
本明細書において、「関節の機能」が健康である状態とは、歩行、跳躍、走行、体の部位の曲げ伸ばし、姿勢の維持等、関節の回転又は関節への負荷を伴う動作を行ったときに、関節の動きが円滑であり、関節に不快感、違和感又は痛みを感じることがない状態を指す。
本発明の組成物における関節の機能の改善を表す表現として、特に限定されないが、例えば、「関節の動きをサポート」、「関節の動きの悩みを緩和する」、「関節の不快感、違和感又は痛みを緩和する」、「関節の柔軟性を維持する」等の関節機能の改善を表す表現のほか、例えば「膝が楽に」等の関節を有する部位と、その改善を示唆する語句の組み合わせ、「歩行能力の維持」のように、関節の機能の改善の結果得られる運動機能の改善を表す表現等を用いることができる。
本発明の組成物を関節の機能の改善に用いる場合には、本発明の組成物は、アラビアガム以外に関節の機能を改善する成分を1種以上含有することが好ましい。このような成分としては、特に限定されないが、例えば、グルコサミン又はその塩、プロテオグリカン、コラーゲン、軟骨抽出物、カテキン、テアニン、ピペリン、クレアチン、S−アデノシルメチオニン、コンドロイチン又はその塩等が挙げられる。
本発明の組成物を関節の機能の改善に用いる場合には、本発明の組成物は、アラビアガム以外に運動機能の改善、筋肉の機能の改善、又は疲労感の改善をもたらす成分を1種以上含有することが好ましい。このような成分としては、特に限定されないが、例えば、3−ヒドロキシ−3−メチルブチレート(HMB)又はその塩、ロイシン、クエン酸、還元型コエンザイムQ10、イミダゾールジペプチド、タウリン、ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、ニコチン酸アミド(ナイアシン)等)、ビオチン、カフェイン、ローヤルゼリー等が挙げられる。
(歯周病の予防又は改善用途)
本発明の組成物は、歯周病の予防又は改善に用いることができる。
本発明の組成物を歯周病の予防又は改善に用いる場合には、本発明の組成物は、歯周病に対して予防又は改善効果を有する成分をさらに含むことが好ましい。そのような成分としては、特に限定されないが、例えば、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、トリクロサン等の抗菌成分、トラネキサム酸、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸又はこれらの塩、オウバクエキス等の歯肉の炎症や出血を防ぐ成分、塩化ナトリウム等の収れん成分、酢酸トコフェロール(ビタミンE)等の血行促進成分、等が挙げられる。
本明細書において「予防」とは、疾病若しくは症状の発症の防止若しくは遅延、又は疾病若しくは症状の発症の危険性を低下させることをいう。
本明細書において「改善」とは、疾病、症状若しくは健康状態の好転若しくは緩和、疾患、症状、若しくは健康状態の悪化の防止若しくは遅延、又は疾患若しくは症状の進行の逆転、防止若しくは遅延をいう。
[適用対象者]
本発明の組成物を投与される対象は、例えば、哺乳綱に属する動物であり、好ましくは、霊長目、齧歯目、偶蹄目、奇蹄目、食肉目、及び有袋上目からなる群から選択される少なくとも1種の動物であり、より好ましくは霊長目の動物である。
霊長目(サル目、Primates)の動物としては、特に限定されないが、例えば、ヒト、チンパンジー等のヒト上科;パタスモンキー、ヒヒ等のオナガザル上科;マーモセット、タマリン、リスザル等のオマキザル科;スローロリス、ショウガラゴなどのロリス下目;ネズミキツネザル等のキツネザル下目の動物が挙げられ、好ましくはヒト、マーモセット、又はスローロリスであり、より好ましくはヒトである。
齧歯目(ネズミ目、Rodentia)の動物としては、特に限定されないが、例えば、ヌートリア、アメリカトゲネズミ等のデグー上科;チンチラ等のチンチラ上科;カナダヤマアラシ等のアメリカヤマアラシ上科;アグチ、モルモット、カピバラ等のテンジクネズミ上科、ハダカデバネズミ等のフィオミス小目;グンディ等のグンディ下目;ビーバー等のビーバー下目;トビウサギ等のウロコオリス下目;ハムスター、ハタネズミ、ハツカネズミ、スナネズミ、トビネズミ等のネズミ上科;ヤマネ等のヤマネ下目、ヤブリス、シマリス、プレーリードッグ等のリス下目の動物が挙げられ、好ましくはアグチ又はヤブリスである。
偶蹄目(ウシ目、Artiodactyla)の動物としては、特に限定されないが、例えば、ラクダ、リャマ、ブタ、イノシシ、シカ、トナカイ、シフゾウ、キリン、オカピ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、カバ、コビトカバ等が挙げられる。
奇蹄目(ウマ目、Perissodactyla)の動物としては、特に限定されないが、例えば、ウマ、シマウマ、サイ、バク等が挙げられる。
食肉目(ネコ目、Carnivora)の動物としては、特に限定されないが、例えば、ネコ、ライオン、チーター、マングース、ジャコウネコ、ハイエナ、オオカミ、イヌ、キツネ、タヌキ、レッサーパンダ、アライグマ、イタチ、スカンク、クマ、パンダ、アシカ、オットセイ、セイウチ、アザラシ等が挙げられる。
有袋上目(有袋類、Marsupialia)の動物としては、特に限定されないが、例えば、ポッサム、フクロモモンガ、ネズミカンガルー、カンガルー、コアラ、タスマニアデビル等が挙げられ、好ましくはポッサム、フクロモモンガ、又はネズミカンガルーである。
対象がヒトの場合、本発明の組成物を投与される対象の年齢は、特に限定されないが、例えば、20歳以上、好ましくは30歳以上、より好ましくは40歳以上、更に好ましくは50歳以上、特に好ましくは60歳以上である。
[用法・用量]
本発明の組成物は、本発明の効果を奏する限りにおいては特に限定されないが、例えば、1日1〜6回、1日1〜3回、1日1〜2回、1日1回、2日に1回、3日に1回、又は7日に1回の頻度で対象に投与される。
本発明の組成物は、特に限定されないが、例えば、摂取、経口投与、皮膚又は粘膜への塗布、口腔内(含嗽、歯磨き剤の使用を含む)、点眼、鼻腔内投与で対象に投与され、中でも摂取又は経口投与が好ましい。
摂取又は経口投与の場合、1回当たりの組成物の投与量は、アラビアガムに換算して、対象の体重1kgに対し、例えば、0.01〜20gである。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」を意味する。また、文中「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製であることを示し、文中「※」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
[1.スローロリスへのアラビアガムの投与試験]
予め蒸しイモ、温州ミカン、夏ミカン、リンゴ、ゆで卵、バナナ、新世界サル専用ドライフード(商品名:SPS、オリエンタル酵母工業株式会社)、コオロギを含む餌(対照餌)で飼育したスローロリス2匹(ともに成体オス、出生由来と年齢は不明だがともに日本モンキーセンターで10年間飼養)に、1か月間同じ餌を摂取させる投与前期間の後で、これらの原料に加えてアラビアガム(分子量約60万)3gを含む実施例餌を1日1回、8ヶ月間摂取させた(介入期間1)。その後、対照餌を45日摂取させるウォッシュアウト期間を設けた。ウォッシュアウト期間の後に、再びアラビアガムを含む実施例餌を2ヶ月間摂取させた(介入期間2)。
[2.糞便中のDNAの回収]
糞便からのDNAの回収は、下記のように、早川らの文献(Primates,2018年,第59巻,第5号,pp.423-436)に準じて行った。
まず、上記の投与前期間、介入期間1、ウォッシュアウト期間、及び介入期間2において、スローロリスの糞便を排便後速やかに回収し、凍結保存した。
凍結保存していた糞便を、凍結乾燥してサンプルとした。そして、糞塊内部の直径5 mm程度から、QIAamp Fast DNA Stool Mini Kit(QIAGEN)を用いてDNAを精製した。まず、2 mlチューブにサンプルと1.0 mlのキット付属のInhibitEXバッファーを添加し、直径3 mmのジルコニアビーズ4個及び1 mgのジルコニア/シリカビーズ(直径0.1 mm)を加え、4200 rpmで4分以上破砕処理した。その後、キットのマニュアルに従って、DNAサンプルを精製した。最後に100μlのバッファーAEに溶出した。
NanoDrop 1000(Thermo Fisher Scientific)を用いてDNA溶液の純度を測定した。Qubit dsDNA HS Assay Kit及びQubit fluorometer(Thermo Fisher Scientific)を用いてDNA濃度を測定した。精製DNAサンプルは4℃で保管した。
[3.シーケンスライブラリの調製]
16SrRNAのV1-V2領域のシーケンスは、MiSeqシステム(Illumina,Inc.)の製造者プロトコールの手順を一部改変して行った。使用したプライマーを表1に示す。V1-V2領域シーケンス用のフォワード及びリバース配列として27Fmod及び338R(表1下線部)を選択した。27Fmodに対しては、5’-TCG TCG GCA GCG TCA GAT GTG TAT AAG AGA CAG- 3’を、338Rに対しては、5’-GTC TCG TGG GCT CGG AGA TGT GTA TAA GAG ACA G- 3’を特異的オーバーハングアダプターとしてそれぞれの5’末端側に融合させ、フォワード及びリバースプライマーとしている(配列番号3、4)。
Figure 2020099306
PCRは、200 nMのフォワード及びリバースプライマー、並びに12.5 ngの糞便から得られた上記の精製DNAサンプルを鋳型として、KAPA HiFi HotStart ReadyMix PCRキット(Kapa Biosystems、Inc.)を用いて、25μlスケールで行った。PCR反応は、最初の変性を95℃で3分間行った後、98℃で30秒(変性)、55℃で30秒(プライマーアニーリング)、72℃で30秒(伸長)のサイクルを18サイクル行い、72℃で5分間伸長させて完了した。低いDNA収量のために12.5 ngのDNAが利用できない場合には、利用可能な最大量のDNA溶液をPCRに使用した。
各PCR産物(20μl)を、36μlのAgencourt AMPure XPビーズ(Beckman Coulter,Inc.)を用いて精製した。それぞれの精製したPCR産物を42μlの10 mM Tris-HCl (pH 8.5)中で溶出させた。KAPA HiFi HotStart ReadyMix PCR Kit及びIllumina Nextera XT Index Kitを用いて、各アンプリコンに特異的デュアルインデックス及びシーケンシングアダプターを、8サイクルのPCRで付加した。得られた反応物(45μl)を、50μlのAgencourt AMPure XPビーズを用いて精製した。
各産物のDNA濃度は、Qubit dsDNA HS Assay Kitを用いて測定し、それぞれのDNAを等量ずつ混合して、プールされた配列決定ライブラリーを形成した。ライブラリーの断片サイズ分布は、Agilent 2100 Bioanalyzerまたは4200 TapeStation(Agilent Technologies、Inc.、La Jolla, CA, USA)を用いて推定した。
[4.シーケンシング]
得られたライブラリーをMiSeq Reagent Kit v3(600サイクル)を用いたイルミナMiSeqシーケンシングプラットフォームに沿って、5% PhiXを添加し、シーケンスを行った。
バイオインフォマティクスの手順では、Claident v0.2.2016.04.07(https://www.claid ent.org)及びQIIME v1.9.1(http://qiime.org)を用いた。
Claidentで作成されたOTU(operational taxonomic unit)テーブルについて、QIIME上で各サンプルに含まれるリード数が同一になるようにサブサンプリング(rarefaction)した。そしてR version 3.3.2を用いて解析を行った。得られたOTUから、SINA 1.2.11(https://www.arb-silva.de/aligner/)を用いて種同定を行った。介入試験によって増大または減少した細菌集団の検出は、LEfSe (Linear discriminant analysis effect size)解析によって行った(Segata et al. Genome Biology 2011, 12:R60)。
[5.結果]
(細菌叢の変化)
対照餌から実施例餌に切り替えると、3日後には糞便中のプレボテラ科に属する細菌の割合が変化した。さらに、再び対照餌に切り替えると、プレボテラ科に属する細菌の割合が投与前期間の状態に近くなった。もう一度実施例餌に戻すと、介入期間1に近い状態が再現された。以上から、アラビアガムを含有する餌によって、スローロリスの腸内において、プレボテラ科の細菌の変動が再現性良く引き起こされることが確認された。
糞便のシーケンスから介入期間1 (Ex1) と2(Ex2) で共に割合の増加又は減少が見られたOTUを表2に示す。プレボテラ科の細菌に由来するOTU0907はアラビアガムを含む餌を摂取することにより減少し、OTU0100、OTU180、OTU0195、OTU0387、OTU0476、OTU0528は逆に増加していた(表2のLDA(liner discriminant analysis)スコア参照。(+)は増加、(-)は減少を表す)。
Figure 2020099306
得られたOTUのうち、OTU0907は配列番号1、OTU0195は配列番号2で表される16S rRNA V1-V2領域を有していた。糞便における配列番号1のOTUの割合は、図1に示すように、アラビアガムを含む実施例餌の投与により減少した。一方、配列番号2のOTUの割合は、図2に示すように、実施例餌の投与により増加した。
これらの配列についてSINAを用い、上記のOTUの種同定を行った。その結果、配列番号1と類似度99.4%の生物種としてプレボテラ・コプリが見出された。また配列番号2と類似度が高い細菌として、類似度84.6%の生物種として同じくプレボテラ・コプリがヒットするが、類似度が低いため、実際にはデータベース未登録のPrevotellaceae科の細菌と考えられる。
以上のように、本試験によって、アラビアガムをスローロリスに投与することによって、優占するプレボテラ科の菌種を交代させることが示された。
(配列番号1:OTU0907 16S rRNA V1-V2領域、DNA塩基配列)
GATGAACGCTAGCTACAGGCTTAACACATGCAAGTCGAGGGGAAACGATATTGGAAGCTTGCTTCCGATAGGCGTCGACCGGCGCACGGGTGAGTAACGCGTATCCAACCTGCCCACCACTTGGGGATAACCTTGCGAAAGTAAGACTAATACCCAATGATATCTCTAGAAGGCATCTGAAAGAGATTAAAGATTTATCGGTGATGGATGGGGATGCGTCTGATTAGCTTGTTGGCGGGGTAACGGCCCACCAAGGCAACGATCAGTAGGGGTTCTGAGAGGAAGGTCCCCCACATTGGAACTGAGACACGGTCCAA
(配列番号2:OTU0195 16S rRNA V1-V2領域、DNA塩基配列)
GATGAACGCTAGCTACAGGCTTAACACATGCAAGTCGCGGGGTAACGATGGAGAAGCTTGCTTCTCCAGGCGACGACCGGCGCACGGGTGAGTAACGCGTATCCAACCTGCCCTTCACAGCGGAATAACCTCCCGAAAGAGAGCCTAATACCGCATGGCGTCACACGAAGACATCTGAATGTGACTAAAGGCCTCGGCCGGTGAAGGATGGGGATGCGTCCGATTAGCTTGACGGCGGGTTAAAGGCCCACCGTGGCGACGATCGGTAGGGGTTCTGAGAGGAAGGTCCCCCACATTGGAACTGAGACACGGTCCAA

Claims (3)

  1. 16S rRNA遺伝子のV1―V2領域の配列が配列番号1の核酸配列と少なくとも97%以上の類似度を有するプレボテラ科細菌からなる第一プレボテラ科細菌集団を減少させるため、及び/又は、
    V1−V2領域の配列が配列番号2の核酸配列と少なくとも84.6%以上の類似度を有するプレボテラ科細菌からなる第二プレボテラ科細菌集団を増加させるために用いられる、アラビアガムを含有する組成物。
  2. 食品又は動物用飼料である、請求項1に記載の組成物。
  3. 霊長目、齧歯目、偶蹄目、奇蹄目、食肉目、及び有袋上目から選択される少なくとも1種に摂取される、請求項1又は2に記載の組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022102500A (ja) * 2020-12-25 2022-07-07 島貿易株式会社 水溶性食物繊維を含む家畜用栄養補助組成物及び該栄養補助組成物を用いた家畜の体調管理方法

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