JP2020098418A - 領域提示システム、領域提示方法及びプログラム - Google Patents

領域提示システム、領域提示方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザーに対して、危険な領域や安全な領域を認識させる。【解決手段】領域提示システムは、事前に設定したエリアにおける監視対象物の変化を検出する第1の監視部と、前記監視対象物に対応するルールに基づいて決定された形状を持つ領域を提示する領域提示部と、前記監視対象物の変化に応じて、前記領域の形状又は/及び位置を変える領域変更部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、領域提示システム、領域提示方法及びプログラムに関する。
特許文献1に、対象物の状態に応じて投影画像における案内情報を変更することができるという投影装置(プロジェクタ装置)が開示されている。同文献によると、このプロジェクタ装置(100)は、距離検出部(230)と、撮像部(240)と、投影部(250)と、駆動部と、制御部(210)とを備える。撮像部(240)は、特定の対象物を検出する。投影部(250)は、投影画像を投影する。駆動部は、投影画像を投影する投影方向を変更するように投影部(250)を駆動する。距離検出部(230)は、撮像部(240)によって検出された対象物の状態を検出する。制御部(210)は、投影画像が対象物を追従するように、投影部(250)及び駆動部の少なくとも一方を制御する。投影画像は、対象物を案内するための内容を含む表示データを有する。制御部(210)は、距離検出部(230)によって検出された対象物の状態に応じて、対象物に追従して投影する投影画像の表示データに含まれる情報の内容を変更する。
特許文献2には、対象物の周囲の投影面において、その対象物に関するコンテンツを視認者にとって見易く投影することができるという投影装置が開示されている。同文献によると、この投影装置100は、投影部と、検出部と、制御部とを備える。そして、投影部は、所定の投影面60において投影画像80を投影する。検出部は、所定の投影面60において、一つ又は複数の物体70,71を検出する。制御部は、投影画像を制御する。制御部は、検出部の検出結果に基づいて、一つ又は複数の物体の中から所定の一つ又は複数の対象物70を特定する。制御部は、検出部の検出結果に基づいて、所定の投影面60上で物体が検出されない一つ又は複数の空き領域61を特定する。制御部は、所定の対象物に関するコンテンツを含む投影画像を制御して、空き領域の範囲内に、コンテンツを投影部に投影させる。
特許文献3には、映像コンテンツごとに映像コンテンツが投影される位置等を適切に制御することができるという投影装置が開示されている。
特許文献4には、虚像を自車前方スクリーンに投影して表示することにより、運転支援情報を運転者に通知する情報表示システムが開示されている。同文献によると、この情報表示システムは、自車前方周辺の情報を取得する車外情報取得部と、取得した情報により障害物を判定する障害物判定部と、障害物の判定情報と自車状況に基づき障害物の危険度を判定する危険度判定部と、を備える。そして、この情報表示システムの画像処理部は、虚像として、危険度判定部により判定された障害物の危険度に応じて変化する、障害物を示すための第1の虚像を生成、投影することが記載されている。
特許文献5には、動画像から車両を検出して得られる車両挙動データを解析し、交通事故の検出を行う交通事故検出装置が開示されている。
国際公開第2016/103560号 特開2017−163532号公報 特開2016−123079号公報 特開2017−186008号公報 特開2000−207676号公報
以下の分析は、本発明によって与えられたものである。特許文献1〜4に記載のように、ユーザーに対して各種の情報を提示する技術が知られているが、ユーザーに対して、危険な領域や、安全な領域を認識させることに着目したシステムが少ないのが現状である。特に、危険な領域や、安全な領域の位置や大きさが変わる可能性がある点、さらには、危険な領域や、安全な領域の位置や大きさを変えた方がよい場合がある点に着目したものは見当たらない。
例えば、対象物の状態に応じて投影画像における案内情報を変更するという特許文献1の投影装置において、駐車場の案内において車両の位置や向き及び駐車場の空き状況に応じて、コンテンツの内容や表示位置を変更する方式が開示されるに止まっている。
本発明は、ユーザーに対して、危険な領域や、反対に安全な領域を認識させる技術の豊富化に貢献できる領域提示システム、領域提示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
第1の視点によれば、事前に設定したエリアにおける監視対象物の変化を検出する第1の監視部と、前記監視対象物に対応するルールに基づいて決定された形状を持つ領域を提示する領域提示部と、前記監視対象物の変化に応じて、前記領域の形状又は/及び位置を変える領域変更部と、を備える領域提示システムが提供される。
第2の視点によれば、事前に設定したエリアにおける監視対象物の変化を検出し、前記監視対象物に対応するルールに基づいて決定された形状を持つ領域を提示し、前記監視対象物の変化に応じて、前記領域の形状又は/及び位置を変える領域提示方法が提供される。本方法は、ユーザーに対して領域を提示する領域提示システムという、特定の機械に結びつけられている。
第3の視点によれば、事前に設定したエリアにおける監視対象物の変化を検出する処理と、前記監視対象物に対応するルールに基づいて決定された形状を持つ領域を提示する処理と、前記監視対象物の変化に応じて、前記領域の形状又は/及び位置を変える処理と、領域提示システムを構成するコンピュータに実行させるプログラムが提供される。なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な(非トランジトリーな)記憶媒体に記録することができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
本発明によれば、ユーザーに対して、危険な領域や安全な領域を認識させることが可能となる。
本発明の一実施形態の構成を示す図である。 本発明の一実施形態の動作を説明するための図である。 本発明の一実施形態の動作を説明するための図である。 本発明の一実施形態の動作を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムの構成を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムのルール記憶部に保持される領域作成ルールの一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムのルール記憶部に保持される領域変更ルールの一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムの基本動作を表した流れ図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムの基本動作を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムの基本動作を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムの領域変更動作を表した流れ図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムの領域変更動作を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムの領域変更動作を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムの別の動作を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムの別の動作を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムの別の動作を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムの別の動作を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の領域提示システムの別の動作を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態の領域提示システムの構成を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態の領域提示システムのルール記憶部に保持される領域作成ルールの一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態の領域提示システムの基本動作を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態の領域提示システムの基本動作を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態の領域提示システムの領域変更動作を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態の領域提示システムの領域変更動作を説明するための図である。 本発明の領域提示システムを構成するコンピュータの構成を示す図である。
はじめに本発明の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート又はインタフェースがあるが図示省略する。また、以下の説明において、「A及び/又はB」は、A及びBの少なくともいずれかという意味で用いる。
本発明は、その一実施形態において、図1に示すように、第1の監視部11と、領域提示部12と、領域変更部13と、を備える領域提示システム10にて実現できる。より具体的には、第1の監視部11は、事前に設定したエリアにおける監視対象物の変化を検出する。領域提示部12は、前記監視対象物に対応するルールに基づいて決定された形状を持つ領域を提示する。領域変更部13は、前記監視対象物の変化に応じて、前記領域の大きさ又は/及び位置を変える。
本発明は、例えば、図2に示すように、ユーザーに床面上の穴の存在を認識させる用途に利用できる。この場合、領域提示部12は、監視対象物である「穴」に対応するルールに基づいて決定された形状を持つ領域Zを提示する。これにより、周囲のユーザーに床面上の穴の存在を認識させることができる。なお、領域提示部12による領域Zの提示の形態としては、プロジェクター(投影装置)による領域Zに対応する像の投影のほか、照明装置による投光や床面の発光等、種々の形態を採ることができる。
そして、第1の監視部11は、前記「穴」の変化を検出する。例えば、図3に示すように、工事の進行に応じて、「穴」が拡がることがある。この場合、第1の監視部11は、工事の進行に応じて、「穴」が大きくなったことを検出する。そして、領域変更部13は、前記「穴」の変化に応じて、前記領域Zの形状(サイズ)を変える。これにより、周囲のユーザーに床面上の穴の大きさに応じた注意を喚起することができる。
また例えば、図4に示すように、工事の進行に応じて、「穴」の大きさは変わらないものの、「穴」自体が移動することがある。この場合、第1の監視部11は、工事の進行に応じて、「穴」が移動したことを検出する。そして、領域変更部13は、前記「穴」の変化に応じて、前記領域Zの位置を変える。これにより、周囲のユーザーに床面上の穴の位置に応じた注意を喚起することができる。換言すると、領域提示システム10は、移動前の「穴」の周囲は安全であることをユーザーに伝えることも可能となっている。
以上説明したように、本実施形態によれば、パイロン、バー、ロープ、テープ等を用いることなく、監視対象物の変化に応じた領域の提示を行うことが可能となる。なお、上記した例では、ユーザーに穴の存在を認識させる例を挙げて説明したが、監視対象物は「穴」に限定されない。例えば、「穴」の代わりに、雨漏り箇所、段差、高温個所等を認識させる用途にも適用可能である。また、これらのユーザーが領域内に入ることを警告する用途以外にも、ユーザーに領域内に入ることを推奨する用途にも適用可能である。例えば、工場内の安全なエリアを通知する用途や穴に近づかない通路(安全に通行可能な帯)を通知する用途にも適用可能である。また、別の用途として、小型基地局のサービスエリアや近距離無線通信を行いうるエリアを認識させる用途にも適用可能である。
[第1の実施形態]
続いて、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図5は、本発明の第1の実施形態の領域提示システムの動作を説明するための図である。図5を参照すると、第1の監視部101と、領域提示部102と、領域変更部103と、ルール記憶部104と、第2の監視部105と、投影部106と、撮影部107とを備えた構成が示されている。
以下、本実施形態では、領域提示部102は、DLP(登録商標)方式、LCD方式(透過型液晶方式)、LCoS方式(反射型液晶方式)などを用いた投影装置によって構成された投影部106を用いて領域の提示を行うものとして説明する。なお、DLPは、Digital Light Processingの略である。また、LCDは、Liquid Crystal Display、LCoSは、Liquid Crystal on Siliconの略である。
もちろん、領域提示部102による領域の提示は、投影装置以外の装置を用いてもよい。例えば、照射範囲を変更可能な照明装置を用いて領域を示す方法も採用可能である。例えば、床面にLED(Light Emitting Diode)等を埋め込んでおき、そのLEDを点灯させることにより領域を示す方法も採用可能である。
撮影部107は、投影部106の投影可能領域をカバーする領域を撮影可能なカメラなどによって構成される。撮影部107にて撮影された画像は、第1の監視部101と、第2の監視部105に入力される。なお、投影部106の投影可能領域と撮影部107の撮影領域は同じでなくてもよい。また、図5の例では、投影部106と撮影部107がそれぞれ1つずつ設けられているが、投影部106と撮影部107の数は同数でなくてもよい。
第1の監視部101は、撮影部107にて撮影された画像から床の開口部や積み荷等の予め設定された監視対象物を認識して、監視し、その位置情報や形状情報を領域提示部102及び領域変更部103に送る。なお、本実施形態では、監視対象物が1種類である例を挙げて説明するが、監視対象物が複数種類あってもよい。
第2の監視部105は、撮影部107にて撮影された画像から、人、車両、ロボット、動物等(以下、これらを総称して「侵入者又は侵入物」という。)を認識し、その動きを検出する。そして、第2の監視部105は、領域変更部103に対し、前記検出した侵入物の動きを送る。
領域提示部102は、ルール記憶部104に保持された領域作成ルールを参照して、第1の監視部101にて特定された監視対象物の周囲に提示する領域を決定する。領域提示部102は、投影部106を制御して、前記決定した領域の提示を行う。また、領域提示部102は、領域変更部103より、侵入者や侵入物が後述する第1、第2の領域に侵入したことに起因する警告指示を受けた場合、投影部106や音声により警告動作を実施する。
図6は、ルール記憶部104に保持された領域作成ルールの一例である。図6の例では、監視対象物の種別ごとに、第1の領域と、第2の領域の2つの領域を作成するルールが設定されている。例えば、床の開口部については、その周囲1mの範囲に、第1の領域を提示し、さらにその外側の開口部の周囲2mの範囲に、第2の領域を提示するルールが定められている。また、図6の例では、第2の領域に侵入者や侵入物が侵入した際に警告、第1の領域に侵入者又は侵入物が侵入した際に再警告を行うことが定められている。このようにすることで、第1の領域を立ち入り禁止区域とし、第2の領域をその外周の警告領域(グレーゾーン)として機能させることができる。
領域変更部103は、ルール記憶部104に保持された領域作成ルールを参照して、第2の監視部105にて検出された侵入物の動きに基づいて、領域提示部102にて提示中の領域の変更内容を決定する。また、領域変更部103は、侵入物が第1の領域や第2の領域に侵入したことを検知した場合、領域提示部102に対し警告動作を指示する。この警告動作の形態としては種々の形態が考えらえる。例えば、投影により文字や領域の点滅表示を行う形態が考えられる。その他、図示省略するスピーカーからの音声の出力や警報音の出力を行う形態も考えられる。
図7は、ルール記憶部104に保持された領域変更ルールの一例である。図7の例では、監視対象物の種別ごとに、侵入物の動きに応じた第1の領域と第2の領域の変更ルールが定められている。例えば、床の開口部に接近する侵入者や侵入物を検出した場合、領域変更部103は、第1の変更ルールを適用し、その侵入者や侵入物の方向に、領域を所定幅拡大すること決定する。この所定幅は、固定値であってもよいが、例えば、接近する侵入者や侵入物の速度に応じて大きくなるようにしてもよい。例えば、ある速度pで近づいている場合の拡大幅をPとした場合、その2倍の速度2pで近づいている場合の拡大幅を2Pとすることもできる。また、第1の領域と第2の領域毎に、異なる変更ルールを適用してもよい。例えば、侵入者や侵入物が速度qで近づいている場合、第1の領域の拡大幅をQ1とし、第2の領域の拡大幅をQ1より大きいQ2とすることができる。このようにすることで、危険をより早く通知することが可能となる。
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図8は、本発明の第1の実施形態の領域提示システム100の動作を表した流れ図である。図8に示すように、領域提示システム100は、所定の時間間隔で、監視対象物を認識する(ステップS001)。
次に、領域提示システム100は、ルール記憶部104に保持された領域作成ルールを参照して、認識した監視対象物の周囲に提示する領域を決定し、投影部106を用いて領域の提示を行う(ステップS002)。
上記ステップS001、S002の動作について、図9に示す具体例を用いて説明する。例えば、ステップS001において、領域提示システム100が、図9に示すように横X1、縦Y1の大きさの床の開口部(穴)を認識したものとする。この場合、領域提示システム100は、図6の領域作成ルールの床の開口部(穴)の第1の領域のルールを適用して、開口部の周囲1mの範囲に、X2、Y2のサイズを有する危険領域(第1の領域)を投影する。領域提示システム100は、図6の領域作成ルールの床の開口部(穴)の第2の領域のルールを適用して、開口部の周囲2mの範囲に、X3、Y3のサイズを有するグレーゾーン(第2の領域)を投影する。これにより、周囲にいるユーザーは床の開口部(穴)の存在に早く気づくことができる。
再度、図8を参照して説明を続ける。次に、領域提示システム100は、床の開口部(穴)の変化を確認する(ステップS003)。そして、床の開口部(穴)の変化があった場合、領域提示システム100は、領域の形状又は/及び位置の変更を行う(ステップS004)。なお、床の開口部(穴)の変化がない場合、領域提示システム100は、領域の変更処理を省略する(ステップS003のNo)。
上記ステップS003、S004の動作について、図10に示す具体例を用いて説明する。図9の状態の後、工事等が進捗して、図10に示すように、床の開口部(穴)のサイズが横X1+a、縦Y1の大きさになったものとする。領域提示システム100は、床の開口部(穴)のサイズの変化を検知する。そして、領域提示システム100は、図6の領域作成ルールの床の開口部(穴)の第1の領域のルールを適用して、開口部の周囲1mの範囲に、X2+a、Y2のサイズを有する危険領域(第1の領域)を投影する。領域提示システム100は、図6の領域作成ルールの床の開口部(穴)の第2の領域のルールを適用して、開口部の周囲2mの範囲に、X3+a、Y3のサイズを有するグレーゾーン(第2の領域)を投影する。これにより、周囲にいるユーザーは床の開口部(穴)の存在のみならず、その大きさに応じた警告領域の存在に早く気づくことができる。
再度、図8を参照して説明を続ける。次に、領域提示システム100は、侵入物監視処理を実施する(ステップS005)。図11は、侵入物監視処理の詳細を表したフローチャートである。図11に示すように、領域提示システム100は、所定の時間間隔で、投影可能領域をカバーする領域における侵入者や侵入物の有無を監視する(ステップS101)。前記監視の結果、侵入物が確認された場合(ステップS102のYes)、領域提示システム100は、侵入物が第1の領域又は第2の領域に侵入しているか否かを判定する(ステップS103)。ここで侵入物が第1の領域又は第2の領域に侵入している場合(ステップS103のYes)、領域提示システム100は、図6の監視対象物毎の警告動作を行う(ステップS106)。
次に、領域提示システム100は、侵入物の移動方向と速度を計算する(ステップS104)。そして、領域提示システム100は、ルール記憶部104に保持された領域変更ルールを参照して、前記計算した侵入物の移動方向と速度に基づいた領域の形状又は/及び位置の変更を行う(ステップS105)。
上記ステップS101〜S106の動作について、図12、図13に示す具体例を用いて説明する。図9のような領域を提示している状態において、図12に示すように、人が投影可能領域に進入し、床の開口部(穴)に近づいていったものとする。領域提示システム100は、図7に示す領域変更ルールを参照し、そのときの人の速度に基づいて、第1の領域、第2の領域をそれぞれ、当該人の方向に幅b1だけ拡大する。これにより、床の開口部(穴)に近づいているユーザーに、床の開口部(穴)の存在により早く気づかせることができる。
同様に、図9のような領域を提示している状態において、図13に示すように、車両(フォークリフト)が投影可能領域に進入し、床の開口部(穴)に近づいていったものとする。領域提示システム100は、図7に示す領域変更ルールを参照し、そのときの車両(フォークリフト)の速度に基づいて、第1の領域、第2の領域をそれぞれ、当該車両(フォークリフト)の方向に幅b2だけ拡大する。このとき、人の速度(例えば、4km/h)よりも車両の速度(例えば、20km/h)が大きい場合、b1<b2となるように、領域を拡大することが好ましい。このようにすることで、より高速で床の開口部(穴)に近づいている車両の運転者に、床の開口部(穴)の存在により早く気づかせ、より確実に転落事故等の発生を防止することができる。また、この際の第1の領域、第2の領域に投影する内容に、車両の自動運転機能と連携するコンテンツを併せて投影してもよい。例えば、自動運転機能を備えた車両の前方に停止標識や徐行標識を投影することで、これらの車両を停止させたり徐行させたりすることが可能となる。
さらに、上記侵入物の監視の過程において、侵入者や侵入物が第1、第2の領域に入ったことを検知した場合、領域提示システム100は、警告動作を行うことになる。このようにすることで、人や車両にそれ以上の接近を警告することができる。
以上、監視対象物が床の開口部(穴)である例を挙げて説明したが、本発明が対象とする監視対象物は床の開口部(穴)に限られない。例えば、図14に示すように、あるフロアにある積み荷を監視対象物とした場合でも同様に、図6に示した領域作成ルールに従い、その周囲に、X12、Y12のサイズを有する危険領域(第1の領域)と、X13、Y13のサイズを有するグレーゾーン(第2の領域)を投影することができる。積み荷の平面サイズをX11、Y11、高さをcとした時、X12、Y12はX11+(2×c)、Y11+(2×c)により求めることができる。X13、Y13はX12+1m、Y12+1mにより求めることができる。
また、この積み荷に変化が生じた場合、領域提示システム100は、床の開口部(穴)と同様に、危険領域(第1の領域)と、グレーゾーン(第2の領域)をそれぞれ変化させる。例えば、新しい積み荷が横に置かれた場合、領域提示システム100は、図15に示すように、危険領域(第1の領域)と、グレーゾーン(第2の領域)を拡大させる。図15の例では、右側に新しい積み荷が追加されているので、領域提示システム100は、危険領域(第1の領域)と、グレーゾーン(第2の領域)をそれぞれ右方向にX11だけ拡大させている。これにより、積み荷に近づいているユーザーに、積み荷の存在により早く気づかせることができる。
また、例えば、新しい積み荷が古い積み荷の上に置かれた場合も、領域提示システム100は、図16に示すように、危険領域(第1の領域)と、グレーゾーン(第2の領域)を拡大させる。図16の例では、新しい積み荷が追加されたことにより積み荷の高さが高くなっているので、領域提示システム100は、危険領域(第1の領域)と、グレーゾーン(第2の領域)をそれぞれ、その高さcが増えた分だけ拡大させている。これにより、積み荷に近づいているユーザーに、積み荷の存在により早く気づかせることができる。
また監視対象物は、動くものであってもよい。例えば、図17、図18に示すように、クレーンやロボットを監視対象物として、その周囲に危険領域(第1の領域)と、グレーゾーン(第2の領域)を投影することもできる。図17の例では、図6に示した領域作成ルールに従い、クレーンのアームの旋回周囲に、半径r1の円形の危険領域(第1の領域)と、半径r2の円形のグレーゾーン(第2の領域)を投影している。同様に、図18の例では、図6に示した領域作成ルールに従い、ロボットアームの旋回周囲に、半径r3の円形の危険領域(第1の領域)と、半径r4の円形のグレーゾーン(第2の領域)を投影している。また、これらの監視対象物が自ら移動する機能を備えている車両等である場合、領域提示システム100は、それを検知して、これらの監視対象物の位置に追従する形で、その周囲に危険領域(第1の領域)と、グレーゾーン(第2の領域)を投影することになる。もちろん、これらの領域作成ルールはあくまで一例であり、監視対象物の動きに応じて種々の変更を加えることができる。
[第2の実施形態]
続いて、撮影部107の代わりにセンサを用いて監視対象物の監視を行うようにした第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図19は、本発明の第2の実施形態の領域提示システム100aの構成を示す図である。図5に示した第1の実施形態の領域提示システム100との相違点は、第1の監視部101aに残量センサ108が接続されている点と、第2の監視部105に撮影部107が接続されている点である。その他の構成は第1の実施形態と同様であるため、以下、その相違点を中心に説明する。
残量センサ108は、監視対象物としてのタンク内の液体の残量を測定するセンサである。本実施形態では、タンク内に、放射性物質が含まれた液体が入っているものとして説明する。
第1の監視部101aは、上記残量センサ108で測定されたタンクの残量を領域提示部102及び領域変更部103に送る。
図20は、本実施形態の領域提示システム100aのルール記憶部104に保持される領域作成ルールの一例を示す図である。図20の例は、危険物タンクの内容量に応じた第1の領域と第2の領域の作成ルールと、警告動作が定められている。図20の例では、危険物タンクの内容量に所定係数を乗じた値を半径とする円を第1の領域(立ち入り禁止区域)とし、その外周2mの範囲に、第2の領域(グレーゾーン)を設定している。また、警告動作としては、第2の領域(グレーゾーン)に入った時に、「被ばく線量を確認してください」、「線量計の作動状態を確認して下さい」等の線量計の作動確認メッセージを出力することが規定されている。
上記領域作成ルールを用いた第2の実施形態の動作について、図21〜図23に示す具体例を用いて説明する。例えば、領域提示システム100aが、図20の領域作成ルールの危険物タンクの第1の領域のルールを適用して、危険物タンクの周囲に、その内容量に所定係数を乗じた値を半径r11とする円形の危険領域(第1の領域)を投影する。また、領域提示システム100aは、図20の領域作成ルールの危険物タンクの第2の領域のルールを適用して、危険領域(第1の領域)の外側に、r11よりも2m大きい半径r12とする円形のグレーゾーン(第2の領域)を投影する。これにより、周囲にいるユーザーはタンクが危険物タンクであることを早く気づくことができる。
図21の状態の後、図22に示すように、タンクの内容量が減ったものとする。領域提示システム100aは、残量センサ108から得られる内容量の変化に基づいて、危険領域(第1の領域)及びグレーゾーン(第2の領域)の大きさを変更する。この場合の危険領域(第1の領域)の半径は、その内容量に所定係数を乗じた値の半径r13である。同様に、グレーゾーン(第2の領域)の半径は、r13よりも2m大きい半径r14となる。これにより、周囲にいるユーザーに、危険物タンクの残量に応じた適切な危険領域、グレーゾーンを認識させることができる。換言すると、領域提示システム100aは、タンクの周囲で作業を行うユーザーに安全な区域が拡がったこと、即ち、よりタンクに近い領域も安全になったことを認識させることができる。
第2の実施形態においても、撮影部107及び第2の監視部105を用いた侵入物の監視とこれに基づいた投影領域の変更が行われる。例えば、図22のような領域を提示している状態において、図23に示すように、人が投影可能領域に進入し、危険物タンクに近づいていったものとする。領域提示システム100aは、図20に示す領域変更ルールを参照し、そのときの人の速度に基づいて、第1の領域及び第2の領域の半径をそれぞれ、当該人の方向に幅b5、b6だけ拡大する。これにより、危険物タンクに近づいているユーザーに、危険物タンクの存在により早く気づかせることができる。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示した装置構成、各要素の構成、データの表現形態は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
例えば、上記した実施形態では、領域が矩形や円形である例を挙げて説明したが、領域の形はこれらに限定されない。上述した領域作成ルールとして、任意の形の領域を作成するルールを設定することで、監視対象物に応じて領域の提示が可能となる。例えば、図24に示すように、クレーンのアームの方向に突き出た形状を持つ領域を提示することも可能である(第3の実施形態)。また、上記した実施形態では、危険領域の外側にグレーゾーンを提示するものとして説明したが、グレーゾーンの提示を省略することも可能である。また、グレーゾーンは必ずしも、危険領域の外側である必要はなく、想定される危険の度合いが高い領域を危険領域とし、この危険領域よりも危険の度合いが相対的に低い領域をグレーゾーンとしてもよい。例えば、図24の場合、クレーンのアームの直下とその左右所定幅の範囲を危険領域とし、それ以外のクレーンの周囲の領域をグレーゾーンとしてもよい。
また領域を変化させる形態も、1辺の長さを変えたり、円形の半径を変えたりする形態に限られない。例えば、図24のクレーンが荷物の吊り下げを開始した場合、第1の領域及び第2の領域の突き出た部分の大きさを拡げるような領域の変更を行ってもよい。
また、上記した実施形態では、第2の監視部105が、侵入者又は侵入物の動きの認識と、領域への侵入をそれぞれ検出するものとして説明したが、侵入者又は侵入物の動きの認識と、領域への侵入者又は侵入物の検出をそれぞれ別の装置に行わせてもよい。例えば、領域への侵入者又は侵入物の検出は赤外線センサ等の各種センサ等によって行わせることもできる。
例えば、上記した実施形態では、監視対象物の周囲の危険を知らせる用途に、領域提示システム100、100aを用いた例を挙げて説明したが、本発明の適用可能範囲は、これに限られない。一例として、来訪者や侵入者に監視が行われていることを認識させ、必要に応じ展示物等への接近を警告することのできるセキュリティシステムとして利用することもできる。
また、例えば、工場内の安全な区域を工場見学者等に知らせる装置として本領域提示システム100、100aを用いることもできる。この場合の領域作成ルールは、工場内の機械類から所定距離以上離れている領域を提示するルールとすることができる。また、この場合においても、人がエリアからはみ出した場合に、警告を発したり、人の数や動きに応じて領域の形状や位置を変更させたりすることもできる。
また例えば、本領域提示システム100、100aを、アミューズメント施設として利用することもできる。例えば、施設に入った段階で、入場者に、順次領域への移動や特定の動作を指示することで、特定のシナリオに沿った体験ができる体験型のアミューズメント施設を構成することもできる。
また、領域を提示する対象は、人に限られず動物であってもよい。例えば、本領域提示システム100、100aは、ペットや家畜や害獣等に特定の領域への侵入を警告するシステムとしても利用できる。
また、上記した第1〜第3の実施形態に示した手順は、領域提示システム100、100aとして機能するコンピュータ(図25の9000)に、領域提示システム100、100aとしての機能を実現させるプログラムにより実現可能である。このようなコンピュータは、図25のCPU(Central Processing Unit)9010、通信インタフェース9020、メモリ9030、補助記憶装置9040を備える構成に例示される。すなわち、図25のCPU9010にて、領域提示プログラムや侵入物監視プログラムを実行し、その補助記憶装置9040等に保持された各計算パラメーターの更新処理を実施させればよい。
即ち、上記した第1〜第3の実施形態に示した領域提示システム100、100aの各部(処理手段、機能)は、上記したコンピュータに搭載されたプロセッサに、そのハードウェアを用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することができる。
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第1の形態]
(上記第1の視点による領域提示システム参照)
[第2の形態]
上記した領域提示システムは、さらに、
前記領域に近づく侵入者又は侵入物を検出する第2の監視部を備え、
前記領域変更部は、前記侵入者又は前記侵入物の移動速度に応じて、前記領域の形状又は/及び位置をさらに変更する構成を採ることができる。
[第3の形態]
上記した領域提示システムは、
前記監視対象物の周囲の危険個所を示す範囲を決定するためのルールに基づいて前記領域を決定する構成を採ることができる。
[第4の形態]
上記した領域提示システムの前記領域提示部は、
前記領域の外側に、注意喚起領域を提示する構成を採ることができる。
[第5の形態]
上記した領域提示システムは、侵入者又は侵入物の前記注意喚起領域への侵入を検出可能に構成され、
前記侵入者又は前記侵入物の前記注意喚起領域への侵入を検出した場合、所定の警告動作を行う構成を採ることができる。
[第6の形態]
上記した領域提示システムは、侵入者又は侵入物の前記領域への侵入を検出可能に構成され、
前記侵入者又は前記侵入物の前記領域への侵入を検出した場合、所定の警告動作を行う構成を採ることができる。
[第7の形態]
上記した領域提示システムの前記領域提示部は、投影装置によって構成され、
前記第1の監視部及び前記第2の監視部は、カメラから得られた画像から物の動きを検出する認識装置によって構成されていることが好ましい。
[第8の形態]
上記した領域提示システムの前記領域提示部は投影装置によって構成され、
前記第1の監視部はセンサによって構成され、前記第2の監視部はカメラから得られた画像から物の動きを検出する認識装置によって構成されていることが好ましい。
[第9の形態]
(上記第2の視点による領域提示方法参照)
[第10の形態]
(上記第3の視点によるプログラム参照)
なお、上記第9〜第10の形態は、第1の形態と同様に、第2〜第8の形態に展開することが可能である。
なお、上記の特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
10、100、100a 領域提示システム
11 第1の監視部
12 領域提示部
13 領域変更部
101、101a 第1の監視部
102 領域提示部
103 領域変更部
104 ルール記憶部
105 第2の監視部
106 投影部
107 撮影部
108 残量センサ
9000 コンピュータ
9010 CPU
9020 通信インタフェース
9030 メモリ
9040 補助記憶装置
Z 領域

Claims (10)

  1. 事前に設定したエリアにおける監視対象物の変化を検出する第1の監視部と、
    前記監視対象物に対応するルールに基づいて決定された形状を持つ領域を提示する領域提示部と、
    前記監視対象物の変化に応じて、前記領域の形状又は/及び位置を変える領域変更部と、
    を備える領域提示システム。
  2. さらに、
    前記領域に近づく侵入者又は侵入物を検出する第2の監視部を備え、
    前記領域変更部は、前記侵入者又は前記侵入物の移動速度に応じて、前記領域の形状又は/及び位置をさらに変更する請求項1の領域提示システム。
  3. 前記領域は、
    前記監視対象物の周囲の危険個所を示す範囲を決定するためのルールに基づいて決定される請求項1又は2の領域提示システム。
  4. 前記領域提示部は、
    前記領域の外側に、注意喚起領域を提示する請求項1から3いずれか一の領域提示システム。
  5. 侵入者又は侵入物の前記注意喚起領域への侵入を検出した場合、所定の警告動作を行う請求項4の領域提示システム。
  6. 侵入者又は侵入物の前記領域への侵入を検出可能に構成され、
    前記侵入者又は前記侵入物の前記領域への侵入を検出した場合、所定の警告動作を行う請求項1から5いずれか一の領域提示システム。
  7. 前記領域提示部が投影装置によって構成され、
    前記第1の監視部又は/及び第2の監視部がカメラから得られた画像から物の動きを検出する認識装置によって構成されている請求項1から6いずれか一の領域提示システム。
  8. さらに、前記領域に近づく侵入者又は侵入物を検出する第2の監視部を備え、
    前記領域提示部が投影装置によって構成され、
    前記第1の監視部がセンサによって構成され、前記第2の監視部がカメラから得られた画像から物の動きを検出する認識装置によって構成されている請求項1から6いずれか一の領域提示システム。
  9. 事前に設定したエリアにおける監視対象物の変化を検出し、
    前記監視対象物に対応するルールに基づいて決定された形状を持つ領域を提示し、
    前記監視対象物の変化に応じて、前記領域の形状又は/及び位置を変える領域提示方法。
  10. 事前に設定したエリアにおける監視対象物の変化を検出する処理と、
    前記監視対象物に対応するルールに基づいて決定された形状を持つ領域を提示する処理と、
    前記監視対象物の変化に応じて、前記領域の形状又は/及び位置を変える処理と、
    領域提示システムを構成するコンピュータに実行させるプログラム。
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