JP2020097051A - 穿孔機械器具 - Google Patents

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Hiromitsu Tsuchiya
尋満 土屋
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Abstract

【課題】ポンチ及びダイスを交換することなく、大きさ又は形状の異なる孔を被加工物にあけることができる穿孔機械器具を提供する。【解決手段】本発明にかかる穿孔機械器具100は、ポンチ部材20とダイス部材30とを互いに嵌合させることで、ポンチ部材20とダイス部材30との間に配置された被加工物に孔をあける穿孔機械器具100であって、ポンチ部材20は、柱状の外側ポンチ部23と、外側ポンチ部23の一方底面から柱状に突出する内側ポンチ部21と、を備え、内側ポンチ部21と外側ポンチ部23との間の凹部にダイス部材30の一部が嵌合することで、被加工物に孔をあける。【選択図】図1

Description

本発明は、穿孔機械器具に関する。
従来、電気工事等において、リップ溝形鋼等の溝型鋼を含む鋼板又はプラスチック板等の被加工物に穿孔作業を行うための工具として、互いに嵌合する形状を有するダイス及びポンチの間に被加工物を配置して、当該ダイスと当該ポンチとを嵌合することで、当該ダイスと当該ポンチとの間に発生する剪断力を利用して被加工物に孔をあける携帯式パンチャーが知られている。
例えば、特許文献1に記載の携帯式パンチャーは、携帯用ハンドルと、当該携帯用ハンドルで支持される油圧作動機構と、当該油圧作動機構のピストンロッドに取り付けられたポンチと、当該油圧作動機構から前方に延びる支持部材に取り付けられた固定ダイスとを有する携帯式パンチャーであって、当該ポンチの最前端面及びその後方に位置する前端面に第1〜第4の切刃が形成されることを特徴とする。これにより、連続的かつ漸進的な剪断作用によって板材の切口を連続的かつ円滑に進行させ、打抜き時の衝撃を更に分散し、作動装置又は作業員の手指に作用する振動を更に低減し得る携帯式パンチャーを提供することができる。
登録実用新案公報第3010437号
特許文献1に記載の携帯式パンチャーによれば、被加工物にあける孔の形状及び大きさはポンチと固定ダイスの形状及び大きさによって決定される。このため、被加工物に最初にあけた孔と異なる形状及び大きさの孔を次にあける場合、最初の穿孔作業を行った後にポンチ及びダイスを交換する作業が必要であるという課題がある。
本発明は、上述の課題を鑑みてなされたものであって、ポンチ及びダイスを交換することなく、大きさ又は形状の異なる孔を被加工物にあけることができる穿孔機械器具を提供することを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために、以下の手段を採った。
本発明の穿孔機械器具は、
ポンチ部材とダイス部材とを互いに嵌合させることで、前記ポンチ部材と前記ダイス部材との間に配置された被加工物に孔をあける穿孔機械器具であって、
前記ポンチ部材は、柱状に形成された内側ポンチ部と、前記内側ポンチ部を囲う位置に前記内側ポンチ部よりも低く筒状に形成された外側ポンチ部と、を備えた部材であり、
前記ダイス部材は、前記内側ポンチ部と前記外側ポンチ部との間の凹部に一部が挿入可能な筒状部材であり、
前記ダイス部材の一部が前記凹部に挿入された際、前記ダイス部材の側面が前記内側ポンチ部の側面及び前記外側ポンチ部の内側側面と当接した状態で前記ダイス部材と前記ポンチ部材とが嵌合することを特徴とする、
ものである。
この穿孔機械器具によれば、ポンチ部材とダイス部材との間に被加工物を配置して、ポンチ部材とダイス部材とを近づけると、外側ポンチ部と内側ポンチ部の間の凹部にダイス部材の一部が挿入され、ダイス部材の側面が内側ポンチ部の側面及び外側ポンチ部の内側側面と当接した状態でポンチ部材とダイス部材が嵌合し、被加工物が剪断される。このとき、外側ポンチ部は内側ポンチ部よりも低く形成されているため、ポンチ部材とダイス部材とが嵌合する際には、ダイス部材と内側ポンチ部とが当接した後に、ダイス部材と外側ポンチ部とが当接することになる。こうすることにより、ポンチ部材とダイス部材とを互いに近づけることで、まず、内側ポンチ部の頂面と同形の孔(以下、「内孔」ともいう。)を被加工物から剪断し、更にポンチ部材とダイス部材とを互いに近づけることで、ダイス部材の外径と同径の孔(以下、「外孔」ともいう。)を剪断することができる。言い換えると、ポンチ部材とダイス部材を近づけるという一連の動作で、ポンチ部材又はダイス部材を取り替えることなく、内孔と外孔の2種類の大きさの異なる孔を被加工物に加工することができる。
本発明の穿孔機械器具は、前記内側ポンチ部を前記ダイス部材の方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記内側ポンチ部は、前記外側ポンチ部の頂面よりも前記ダイス部材に近い位置である第一押止位置と、前記外側ポンチ部の頂面よりも前記ダイス部材に遠い位置である第二押止位置とに摺動可能であり、前記内側ポンチ部は、前記付勢部材によって前記ダイス部材の方向に付勢された際、前記第一押止位置又は前記第二押止位置のいずれかの位置で前記外側ポンチ部と係止することを特徴としてもよい。こうすることにより、内側ポンチ部を第一押止位置に係止することで被加工物に内孔を、内側ポンチ部を第二押止位置に係止することで被加工物に外孔を、それぞれ加工することができる。言い換えると、内側ポンチ部の係止位置を変えることにより、ポンチ部材とダイス部材を近づけるという一連の動作で、ポンチ部材又はダイス部材を取り替えることなく、内孔と外孔の2種類の大きさの異なる孔を被加工物に加工することができる。
本発明の穿孔機械器具において、前記内側ポンチ部は、側面に前記外側ポンチ部の表面方向に突出するポンチ高さ調節片を有し、前記外側ポンチ部は、内側側面に前記ポンチ高さ調節片の一部が挿入され、前記ポンチ高さ調節片が前記ダイス部材に近づく方向及び遠ざかる方向に移動可能なポンチ高さ調整溝を有し、前記ポンチ高さ調整溝は、前記ポンチ高さ調節片を前記第一押止位置で係止する第一押止側面と、前記ポンチ高さ調節片を前記第二押止位置で係止する第二押止側面と、を有することを特徴としてもよい。こうすることにより、ポンチ高さ調節片がポンチ高さ調整溝に沿って移動することで、ポンチ部材とダイス部材とを容易に組み合わせることができ、内側ポンチ部が第一押止側面に係止することで内孔を、内側ポンチ部を第二押止側面に係止することで外孔を、それぞれ加工することができる。言い換えると、ポンチ高さ調節片の位置をポンチ高さ調整溝に沿って移動することで、内側ポンチ部の係止位置を容易に変更することができ、ポンチ部材とダイス部材を近づけるという一連の動作で、ポンチ部材又はダイス部材を取り替えることなく、内孔と外孔の2種類の大きさの異なる孔を被加工物に加工することができる。
一方、本発明の穿孔機械器具において、前記外側ポンチ部は、側面に前記内側ポンチ部の表面方向に突出するポンチ高さ調節片を有し、前記内側ポンチ部は、外側側面に前記ポンチ高さ調節片の一部が挿入され、前記ポンチ高さ調節片が前記ダイス部材に近づく方向及び遠ざかる方向に移動可能なポンチ高さ調整溝を有し、前記ポンチ高さ調整溝は、前記ポンチ高さ調節片を前記第一押止位置で係止する第一押止側面と、前記ポンチ高さ調節片を前記第二押止位置で係止する第二押止側面と、を有することを特徴としてもよい。こうすることにより、ポンチ高さ調節片がポンチ高さ調整溝に沿って移動することで、ポンチ部材とダイス部材とを容易に組み合わせることができ、内側ポンチ部が第一押止側面に係止することで内孔を、内側ポンチ部を第二押止側面に係止することで外孔を、それぞれ加工することができる。言い換えると、ポンチ高さ調節片の位置をポンチ高さ調整溝に沿って移動することで、内側ポンチ部の係止位置を容易に変更することができ、ポンチ部材とダイス部材を近づけるという一連の動作で、ポンチ部材又はダイス部材を取り替えることなく、内孔と外孔の2種類の大きさの異なる孔を被加工物に加工することができる。
これらの態様の本発明の穿孔機械器具において、前記ポンチ高さ調整溝は、前記ポンチ高さ調節片が頂面方向又は底面方向に移動可能な移動部と、前記移動部の両端部の側面にそれぞれ連通する第一押止部及び第二押止部と、を有し、前記第一押止側面は、前記第一押止部に位置し、前記第二押止側面は、前記第二押止部に位置することを特徴としてもよい。こうすることにより、第一押止部又は第二押止部にポンチ高さ調節片が位置する場合には、ポンチ高さ調節片が第一押止側面又は第二押止側面に付勢部材によって付勢されることになるため、ポンチ部材とダイス部材とを互いに近づける際、移動部に沿って移動する可能性を未然に低減することができる。言い換えると、移動部に沿ってポンチ高さ調節片がダイス部材に近づく方向又は遠ざかる方向に移動する可能性を未然に低減することで、内側ポンチ部材が意図せず移動する可能性を未然に低減し、内孔を加工する際の安全性を向上させることができる。
本発明の穿孔機械器具において、前記内側ポンチ部の頂面には、凹状に凹んだ頂面凹部を有し、前記頂面凹部には、ねじ穴を有するねじが設けられていることを特徴としてもよい。このように、頂面凹部を有することにより、内孔を加工する際、内側ポンチ部の頂面が徐々に被加工物と当接し、剪断することになるため、頂面が平坦面である場合と比較して、内孔を加工する際の労力を低減することができ、内孔を加工しやすい。加えて、ねじ穴にねじを当接させて回転することにより、容易に内側ポンチ部を回転させることができる。言い換えると、内側ポンチ部を回転さえることでポンチ高さ調節片がポンチ高さ調整溝の移動部を移動可能な状態にすることができるため、内側ポンチ部の位置を変更し、加工する孔を内孔から外孔(又は、外孔から内孔)に容易に変更することができる。付言すると、加工する孔を容易に変更することができるため、ポンチ部材とダイス部材を近づけるという一連の動作で、ポンチ部材又はダイス部材を取り替えることなく、内孔と外孔の2種類の大きさの異なる孔を被加工物に容易に加工することができる。
本発明の穿孔機械器具において、前記外側ポンチ部の頂面は、前記内側ポンチ部の方向に延出し、前記外側ポンチ部と前記内側ポンチ部との間隔は、前記ダイス部材側が前記ダイス部材の反対側よりも狭いことを特徴としてもよい。こうすることにより、外側ポンチ部の内側側面がダイス部材の外側側面と当接して外孔を加工する際、内側ポンチ部の側面とダイス部材の内側側面とで剪断された剪断片を容易に取り外すことができる。
本発明の穿孔機械器具において、前記外側ポンチ部の外側側面は、頂面側が刃先となる切刃として形成されており、前記外側ポンチ部の内側側面は、頂面側が刃先となる切刃として形成されており、前記内側ポンチ部の側面は、頂面側が刃先となる切刃として形成されていることを特徴としてもよい。こうすることにより、内孔又は外孔を加工する際、切刃でない場合と比較して、より容易に内孔又は外孔を加工することができる。
本発明の穿孔機械器具において、前記外側ポンチ部の外周は直径32mm以上34mm以下の略円形状であり、前記内側ポンチ部の外周は直径18mm以上20mm以下の略円形状であり、前記内側ポンチ部の頂面は、前記外側ポンチ部の頂面よりも10mm以上高くなっていることを特徴としてもよい。こうすることにより、直径18mm以上20mm以下の略円形状の内孔及び直径32mm以上34mm以下の略円形状の外孔を被加工物に加工することができる。一般的な電気工事において求められる孔は、直径18mmから20mmの略円形状及び直径32mmから34mmの略円形状であるため、外側ポンチ部及び内側ポンチ部の直径を18mmから20mm及び32mmから34mmとすることにより、二種類の穿孔機械器具を携帯したり、二種類のポンチ及びダイスを携帯してポンチ及びダイスの少なくとも一方を交換したりすることなく、一般的な電気工事において求められる二種類の孔をあけることができる。また、一般的な電気工事において穿孔作業が求められるリップ溝形鋼等の鋼板又はプラスチック板等の被加工物は10mm未満の厚みを有するので、これを内側ポンチ部が打抜いたときに、外側ポンチ部が被加工物に干渉して、意図せずに剪断してしまう可能性を低減することができる。言い換えると、作業者は、内側ポンチ部が被加工物を打抜いたときに外側ポンチ部を被加工物に不用意に接触させて、傷つけてしまう可能性を低減することができる。
本発明の穿孔機械器具において、前記内側ポンチ部の頂面に複数の先端面を設けて、前記複数の先端面の縁に切刃を設けてもよい。こうすることにより、内側ポンチ部の複数の先端面が徐々に被加工物に接触するから、作業者が穿孔に要する力を分散及び軽減することができる。
図1は、第一実施形態にかかる穿孔機械器具100の正面図である。 図2は、第一実施形態にかかるポンチ部材20の斜視図、断面図及び平面図である。図2aが斜視図、図2bが断面図、及び図2cが平面図を示す。 図3は、第一実施形態にかかるダイス部材30の斜視図、断面図及び平面図である。図3aが斜視図、図3bが断面図、及び図3cが平面図を示す。 図4は、第一実施形態にかかる穿孔機械器具100の使用方法を説明するための図である。図4aが穿孔作業前の状態、図4bが内孔をあけた状態、図4cが外孔をあけた状態、及び図4dが穿孔作業後の状態を示す。 図5は、第二実施形態にかかるポンチ部材200の構成の概略を説明するための説明図であり、図5aが斜視図、図5bが図5aのC−C’断面図、図5cが平面図をそれぞれ示す。 図6は、第二実施形態にかかる外側ポンチ部23の構成の概略を説明するための説明図であり、図6aが外側ポンチ部23の断面を内側から示した図、図6bから図6gが、ポンチ高さ調整溝270及びその変形例を示す説明図である。 図7は、第二の実施の形態における内側ポンチ部21と外側ポンチ部23との位置関係及びポンチ高さ調節片260とポンチ高さ調整溝270との位置関係並びにこれらの対応関係を示す説明図であり、図7aがポンチ高さ調節片260が第一押止側面271に押止されている状態、図7bがポンチ高さ調節片260が垂直連接部264を移動している状態、図7cがポンチ高さ調節片260が第二押止側面272に押止されている状態をそれぞれ示す。 図8は、第二の実施の形態における穿孔機械器具100の使用方法を説明するための図であり、図8aが穿孔作業前の状態、図8bが外孔をあけた状態、図8cが穿孔作業後の状態をそれぞれ示す。
本発明にかかる穿孔機械器具100の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施の形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。また、説明の便宜上、図1に示すように、穿孔機械器具100の略中央にある中央支点51からポンチ部材20及びダイス部材30に向かう方向を前方と呼び、中央支点51から把持部材60a及び把持部材60bに向かう方向を後方と呼ぶこととする。更に、説明の便宜上、ポンチ部材20について、図2に示すように、内側ポンチ部21及び外側ポンチ部23のダイス部材30側の面(図2中、上側の面)を頂面、ポンチ部材20のダイス部材30側と反対側の面(図2中、下方の面)を底面と呼ぶ。また、外側ポンチ部23の一方底面の中央部に向かう方向を内側と呼び、外側ポンチ部23の一方底面において外縁部に向かう方向を外側と呼ぶ(図2a中の矢印参照)こととする。
(第一実施形態)
本実施形態にかかる穿孔機械器具100は、図1に示すように、ポンチ部材20と、ダイス部材30と、挟持部材40a及び挟持部材40bと、スプリング部45と、支点部材50と、把持部材60a及び把持部材60bとを主に備えている。この穿孔機械器具100は、ポンチ部材20とダイス部材30との間にリップ溝形鋼等の溝形鋼を含む鋼板又はプラスチック板等の被加工物1(図4を参照。)を配置し、作業者が把持部材60a及び把持部材60bを把持することで、把持部材60aと把持部材60bとを近づける。把持部材60aと把持部材60bとが近づくに伴い、回動支点52aと回動支点52bとが近づき、挟持部材40aと挟持部材40bとが近づく。これに伴って、挟持部材40aに取り付けられたポンチ部材20と挟持部材40bに取り付けられたダイス部材30とが近づき、ポンチ部材20及びダイス部材30が共に被加工物1に接触すると、ポンチ部材20の内側ポンチ部21とダイス部材30の嵌合部31との剪断作用によって被加工物1が剪断され、内孔があけられる。更に把持部材60a及び把持部材60bを近づけると、ポンチ部材20の外側ポンチ部23とダイス部材30の嵌合部31との剪断作用によって被加工物1が剪断され、外孔があけられる。こうすることにより、把持部材60aと把持部材60bを把持するという一連の動作により、内孔又は外孔の二種類の孔をあけることができる。なお、ここで、図1は、本実施形態にかかる穿孔機械器具100の正面図である。
ポンチ部材20は、図2に示すように、柱状に形成され、外側側面の一方底面(頂面)の縁を刃先とする切刃23aが設けられている外側ポンチ部23と、外側ポンチ部23の当該一方底面から柱状に突出して形成され、先端面(頂面)の縁を刃先とする切刃21aが側面に設けられている内側ポンチ部21と、内側ポンチ部21と外側ポンチ部23との間に位置し、当該一方底面であって内側ポンチ部21の側面を囲う位置に枠状に凹設してなる凹部22と、を有する。切刃21aは、内側ポンチ部21の先端面(頂面)の縁から内側ポンチ部21の側面に渡って設けられた凹凸の無い滑らかな面であり、内側ポンチ部21と一体に形成されている。また、外側ポンチ部23は、当該一方底面と凹部22とがなす縁から内側に延出している。言い換えると、凹部22の開放口において外側ポンチ部23の内側側面が内側ポンチ部21方向に延出し、凹部22の開放口側の幅が凹部22の底面側の幅よりも狭くなっている。こうすることにより、外側ポンチ部23と嵌合部31とで剪断する際、剪断された剪断片2c(図4dを参照。)を容易に取り外すことができる。なお、ここで図2は、ポンチ部材20の斜視図、断面図及び平面図であり、図2aが斜視図、図2bが図2aのA−A’断面を示す断面図、図2cが平面図をそれぞれ示している。
また、内側ポンチ部21の先端面(頂面)は、先端面全体が凹状に窪んだ形状に形成されている。こうすることにより、切刃21aが被加工物1を剪断するときに徐々に被加工物1に接触することになるため、平面形状である場合と比較して、剪断する際の労力を低減することができる。
更に、切刃23aは、外側ポンチ部23の当該一方底面の外側の縁から外側ポンチ部23の外側側面に渡って設けられた凹凸の無い滑らかな面であり、外側ポンチ部23と一体に形成されている。更に、切刃23bは、外側ポンチ部23の当該一方底面の内側の縁から外側ポンチ部23の内側側面に渡って設けられた凹凸の無い滑らかな面であり、外側ポンチ部23と一体に形成されている。こうすることにより、被加工物1を剪断する際、切刃23a又は切刃23bを有しない場合と比較して、より少ない労力で被加工物1を剪断できるため、孔をあけやすい。
このとき、内側ポンチ部21の外周は直径19mmの略円形状に、外側ポンチ部23の外周は直径33mmの略円形状に形成されている。また、内側ポンチ部21の先端面は、外側ポンチ部23の当該一方の底面よりも10mm高く形成されている。こうすることにより、一般的な電気工事において使用される被加工物に一般的な電気工事において求められる孔を容易にあけることができる。
ダイス部材30は、図3に示すように、略円柱形状の部材であって、平滑な面からなるダイス面32を有する略円柱形状の部材から、ダイス面32に対して垂直に陥没してなり、内側ポンチ部21と嵌合する柱状に凹設してなる嵌合部31を有する。嵌合部31は、全体として略円柱の内側領域をくり抜いた形状を有しており、外側ポンチ部23の内側側面と当接する形状に形成されている。こうすることにより、外側ポンチ部23の内側側面とダイス部材30の外側側面とで被加工物1を剪断し、孔をあけることができる。また、嵌合部31は貫通孔33であるため、内側ポンチ部21が被加工物1に孔をあけた際に発生する剪断片2a(図4bを参照。)を容易に取り出すことができる。また、ダイス部材30の内側側面及び外側側面は平坦面として形成されている。こうすることにより、内側ポンチ部21の外側側面とダイス部材30の内側側面、外側ポンチ部23の内側側面とダイス部材30の外側側面とで被加工物を剪断しやすい。なお、ここで図3は、ダイス部材30の斜視図、断面図及び平面図であり、図3aが斜視図、図3bが図3aのB−B’断面を示す断面図、図3cが平面図を、それぞれ示す。
挟持部材40a及び挟持部材40bは、図1に示すように、2つの長尺の略直方体状の部材が略平行に配置されてなり、挟持部材40a及び挟持部材40bの前方の端部には、ポンチ部材20及びダイス部材30がそれぞれ対向する位置に取り付けられる。また、挟持部材40a及び挟持部材40bの中央部の側面には、支点部材50と回動可能に支持されてなる回動支点52a及び回動支点52bが設けられ、挟持部材40a及び挟持部材40bの後方の側面には、摺動支点53a及び摺動支点53bが設けられる。更に、摺動支点53a及び摺動支点53bは、挟持部材40a及び挟持部材40bの長尺方向に摺動可能に支持されてなる。
スプリング部45は、図1に示すように、挟持部材40aと挟持部材40bとの間に設けられた金属製のばねであり、挟持部材40aと挟持部材40bとが互いに離れる方向に付勢する。こうすることにより、把持部材60aと把持部材60bを把持して孔をあけ、他の被加工物1を加工する際、把持部材60aと把持部材60bとを離す作業を省略することができるため、作業時の労力を低減することができる。
支点部材50は、図1に示すように、把持部材60a及び把持部材60bと一体形成されており、2つの長尺の板状の部材が中央支点51で回動可能に支持される。こうすることにより、十分な強度及び耐久性を得ることができる。なお、支点部材50は、穿孔機械器具100の正面側及び背面側にそれぞれ設けられているが、背面側に設けられているものについては、正面側に設けられているものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
把持部材60a及び把持部材60bは、図1に示すように、人間の手の平の形状に沿った長尺状の部材である。こうすることにより、使用する際に片手で把持しやすい。
ここで、ポンチ部材20及びダイス部材30は、炭素鋼、ステンレス鋼、合金工具鋼又は炭素工具鋼等の工具鋼を用いて作製することが好ましいが、これに限定されるものではない。また、ポンチ部材20及びダイス部材30は、それぞれ、同一の素材を用いて一体成形により作製することが好ましい。こうすることにより、十分な強度と耐久性を得ることができる。
また、挟持部材40a及び挟持部材40b、支点部材50、把持部材60a及び把持部材60bは、炭素鋼、ステンレス鋼、合金工具鋼又は炭素工具鋼等の金属を用いて作製することが好ましいが、これに限定されるものではない。
更に、挟持部材40a及び挟持部材40bは、ポンチ部材20及びダイス部材30と同一の素材を用いて一体成形によって作製してもよいが、これに限定されるものではなく、異なる素材で別体に作製して接合してもよい。
こうして作製された穿孔機械器具100の使用方法を、図4を参照しつつ説明する。図4は、本実施形態にかかる穿孔機械器具100の使用方法を説明するための図で、図2aのポンチ部材20のA−A’断面、図3aのダイス部材30のB−B’断面及びポンチ部材20とダイス部材30との間に配置された被加工物1の断面を表している。まず、図4aに示すように、リップ溝形鋼等の被加工物1をポンチ部材20とダイス部材30との間に配置する。次に、把持部材60a及び把持部材60bを把持すると、把持部材60a及び把持部材60bが互いに近づくに伴って、回動支点52a及び回動支点52bが互いに近づき、挟持部材40a及び挟持部材40bが互いに近づく。こうすることにより、挟持部材40aに取り付けられたポンチ部材20及び挟持部材40bに取り付けられたダイス部材30も、互いに近づき、ポンチ部材20及びダイス部材30が共に被加工物1に当接すると、図4bに示すように、内側ポンチ部21の切刃21aとダイス部材30の頂面であるダイス面32との剪断作用により、被加工物1に内孔が打抜かれる。
被加工物1に内孔をあけることが目的である場合、作業者は、把持部材60a及び把持部材60bの把持を終了する。このとき、挟持部材40aと挟持部材40bとの間にはスプリング部45が設けられているため、スプリング部45の付勢力により、挟持部材40aと挟持部材40bとが離れると共に、ポンチ部材20及びダイス部材30が離れ、把持する前の状態に戻る(図4d参照)。このとき、被加工物1から打抜かれた剪断片2aは、嵌合部31の貫通孔33を通じて回収される。このように、把持部材60a及び把持部材60bを把持することで、簡単に内孔をあけることができる。
一方、図4bに示すように、被加工物1に内孔が打抜かれた後、作業者が把持部材60a及び把持部材60bを更に強く把持すると、把持部材60a及び把持部材60bが更に近づき、同時に挟持部材40a及び挟持部材40bも更に近づくことで、挟持部材40aに取り付けられたポンチ部材20の外側ポンチ部23が被加工物1に当接すると、図4cに示すように、外側ポンチ部23の切刃23a及び切刃23bとダイス面32との剪断作用により、被加工物1に外孔が打抜かれる。このとき、剪断片2b及び剪断片2cがそれぞれ打抜かれ、外側の剪断片2bは外側ポンチ部23に押し出される。このように、把持部材60a及び把持部材60bを把持することで、内孔とは異なる形状の外孔を簡単にあけることができる。
その後、作業者は、把持部材60a及び把持部材60bの把持を終了する。このとき、挟持部材40aと挟持部材40bとの間にはスプリング部45が設けられているため、スプリング部45の付勢力により、挟持部材40aと挟持部材40bとが離れると共に、ポンチ部材20及びダイス部材30が離れ、把持する前の状態に戻る(図4d参照)。このとき、被加工物1から打抜かれた剪断片2cは、凹部22から回収される。このように、把持部材60a及び把持部材60bを把持することで、内孔とは異なる形状の外孔を簡単にあけることができる。付言すると、内孔と外孔の二種類の形状の孔を、同様の操作で簡単にあけることができる。
被加工物1から打抜かれた二種類の剪断片2b及び剪断片2cのうち剪断片2cは、外側ポンチ部23がダイス部材30の嵌合部31と当接している間は凹部22に留まっている。この剪断片2cは、外側ポンチ部23が嵌合部31から離間した後に、凹部22の開放口を通じて凹部22から取り出され、回収される。このとき、凹部22の開放口側が内側ポンチ部21の方向に延出しているため、凹部22の幅よりも剪断された剪断片2cの幅は狭くなる。このため、凹部22に留まる剪断片2cを取り出す際、凹部22の幅と剪断片2cの幅とが同一の場合と比較して、取り出しやすい。言い換えると、凹部22の開放口側を内側ポンチ部21の方向に延出させることで、剪断片2cを容易に取り出すことができる。
本実施形態によれば、穿孔機械器具100のポンチ部材20又はダイス部材30の少なくとも一方を交換することなく、一般的な電気工事において穿孔が求められる直径約19mmの略円形の内孔と直径約33mmの略円形の外孔のいずれの大きさの孔を被加工物1にあけることができる。
(第二実施形態)
以下、本発明にかかる穿孔機械器具100の第二の実施の形態について図5から図8を用いて詳しく説明する。ここで、第二の実施の形態における穿孔機械器具100は、内側ポンチ部21が付勢部250によってダイス部材30の方向に付勢されており、かつ、内側ポンチ部21がダイス部材30と近づく方向又は遠ざかる方向に摺動可能であること、言い換えると、ポンチ部材200の構成以外については、第一の実施の形態の穿孔機械器具100と同様の構成を有する。このため、以下では、ポンチ部材200の構成について詳説し、同様の部材については、第一の実施の形態と同様の符号を付し、ここでは説明を省略する。ここで、図5は、第二実施形態にかかるポンチ部材200の構成の概略を説明するための説明図であり、図5aが斜視図、図5bが図5aのC−C’断面図、図5cが平面図をそれぞれ示す。また、図6は、第二実施形態にかかる外側ポンチ部23の構成の概略を説明するための説明図であり、図6aが外側ポンチ部23の断面図(図5a中のC−C’断面から内側ポンチ部21を除いた図)、図6bから図6gが、ポンチ高さ調整溝270及びその変形例を示す説明図である。更に、図7は、第二実施形態にかかる内側ポンチ部21と外側ポンチ部23との位置関係及びポンチ高さ調節片260とポンチ高さ調整溝270との位置関係並びにこれらの対応関係を示す説明図であり、図7aがポンチ高さ調節片260が第一押止側面271に押止されている状態、図7bがポンチ高さ調節片260が垂直連接部264を移動している状態、図7cがポンチ高さ調節片260が第二押止側面272に押止されている状態をそれぞれ示す。更にまた、図8は、第二実施形態にかかる穿孔機械器具100の使用方法を説明するための図であり、図8aが穿孔作業前の状態、図8bが外孔をあけた状態、図8cが穿孔作業後の状態をそれぞれ示す。
第二の実施の形態にかかるポンチ部材200は、図5に示すように、図示しない挟持部材40aの先端面に柱状に形成された内側ポンチ部21と、内側ポンチ部21を囲う位置であって、内側ポンチ部21よりも低い筒状に形成された外側ポンチ部23と、を備え、内側ポンチ部21と外側ポンチ部23とは、外側ポンチ部23の一方底面側から内側ポンチ部21の方向に延出する一方底面部201によって内側ポンチ部21が摺動可能に設けられている。このとき、内側ポンチ部21と外側ポンチ部23と一方底面部201によって囲まれた凹部22には、ダイス部材30の一部が挿入可能であり、ダイス部材30の一部が凹部22に挿入されることにより、内側ポンチ部21の側面とダイス部材30の内側側面、外側ポンチ部23の内側側面とダイス部材30の外側側面とで、それぞれ内孔及び外孔は剪断される。また、内側ポンチ部21と外側ポンチ部23との間には、ダイス部材30の一部が挿入可能な凹部22を有する。なお、内側ポンチ部21の先端面(頂面)の縁を刃先とする切刃21a、外側ポンチ部23の先端面(頂面)の外側側面の縁を刃先とする切刃23a及び内側側面の縁を刃先とする切刃23bを有する点は、外側ポンチ部23の先端面(頂面)の内側側面が内側ポンチ部21方向に延出している点(凹部22の開放口において外側ポンチ部23の内側側面が内側ポンチ部21方向に延出し、凹部22の開放口側の幅が凹部22の底面側の幅よりも狭くなっている点)については、第一の実施の形態と同様である。
また、内側ポンチ部21は、挟持部材40aの先端面に金属製のばねからなる付勢部250を介して取り付けられており、ダイス部材30の方向に付勢され、ダイス部材30に近づく方向及び遠ざかる方向に揺動可能に取り付けられている。具体的には、内側ポンチ部21の側面には、側面から外側方向に凸状に同一の高さで延出した3つのポンチ高さ調節片260が設けられており、外側ポンチ部23の一方底面からの最短距離が等しく、かつ略均等な間隔を有して設けられている。また、外側ポンチ部23の内側側面には、内側側面の表面に凹状に形成されたポンチ高さ調整溝270が、ポンチ高さ調節片260と対応する位置にそれぞれ設けられている。ポンチ高さ調整溝270は、図6aに示すように、内側ポンチ部21が付勢部250によって付勢された際に、外側ポンチ部23の頂面よりもダイス部材30に近い位置である第一押止位置で押止する第一押止側面271と、外側ポンチ部23の頂面よりもダイス部材30から遠い位置である第二押止位置で押止する第二押止側面272と、が設けられており、第一押止側面271と第二押止側面272とは、互いに連接部262で連接されている。具体的には、連接部262は、垂直連接部264の両端側に水平連接部266a及び水平連接部266b(以下、「水平連接部266」とも言う。)が互いに直交する方向に連接することで、全体が略コの字形状を構成し、それぞれの水平連接部266の両端側(垂直連接部264と連接する端部とは反対側の端部)に、第一押止側面271及び第二押止側面272が外側ポンチ部23の頂面方向に凹んだ凹部状であって、幅がポンチ高さ調節片260の幅と略同一又はポンチ高さ調節片260が埋没可能な幅で形成される。こうすることにより、ポンチ高さ調節片260が第一押止位置に位置する際には、第一押止側面271に付勢部250によって押止され、第二押止位置に位置する際には、第二押止側面272に付勢部250によって押止される。こうすることにより、ポンチ高さ調節片260が第一押止位置又は第二押止位置に押止することができる。このとき、第一押止側面271及び第二押止側面272の幅がポンチ高さ調節片260の幅と略同一の幅で形成されるため、第一押止側面271又は第二押止側面272に押止された際、ポンチ高さ調節片260が移動する可能性を未然に低減することができる。言い換えると、意図しない力が内側ポンチ部21に加わって内側ポンチ部21が付勢される方向とは垂直に回転することを未然に防止することができる。
なお、ポンチ高さ調整溝270の形状は、内側ポンチ部21を第一押止位置及び第二押止位置に押止できるものであればこのような形状に限定されるものではなく、種々の形状を採用することができ、以下のいずれの態様であっても、同様の効果を得ることができる。例えば、図6bに示すように、第一押止側面271が垂直連接部264の一端側に位置し、垂直連接部264の他端側に直交して連接する水平連接部266の端部(垂直連接部264と連接する側とは反対側の端部)に第二押止側面272が設けられていても良い。また、図6cに示すように、第一押止側面271及び第二押止側面272が、水平連接部266の側面を形成し、水平連接部266の端部に凹部を有しなくとも良い。更に、図6dに示すように、水平連接部266aと水平連接部266bとが、垂直連接部264を挟んで互いに遠ざかる方向に設けられていても良い。更にまた、図6eに示すように、垂直連接部264及び水平連接部266に代えて、階段状に形成され、階段状に形成された一方を第一押止側面271、他方を第二押止側面272としても良い。そして、図6fに示すように、略Jの字形状に設けられたポンチ高さ調整溝270の一方側を第一押止側面271、他方側を第二押止側面272としてもよい。そしてまた、図6gに示すように、第一押止側面271の反対側に凹状に凹む第三押止側面273を設けてもよい。この場合には、こうすることにより、付勢方向とは反対方向の力が意図せず加えられた場合であっても、ポンチ高さ調節片260が第三押止側面273に位置決めされるため、意図せず移動する可能性を未然に低減することができる。
加えて、内側ポンチ部21の頂面(ダイス部材30側の面)は、中心部が凹状に凹んだ形状に形成されており、中心部には、ネジの頭にプラス形状又はマイナス形状の溝241を有するネジ240が、ネジの頭の頂面の位置が内側ポンチ部21の頂面の位置よりも低くなる位置に設けられている。このように、内側ポンチ部21の頂面を凹状に形成することにより、切刃21aが被加工物1を剪断するときに徐々に被加工物1に接触することになるため、平面形状である場合と比較して、剪断する際の労力を低減することができる。加えて、ネジ240が設けられていることにより、後述する内側ポンチ部21の位置を調節するために内側ポンチ部21を回転させる際、ドライバー工具等を用いて容易に回転することができる。付言すると、ポンチ高さ調節片260をポンチ高さ調整溝270の形状に沿って上下左右に容易に移動させることができる。
次に、第二の実施の形態における穿孔機械器具100の使用方法を、図7及び図8を用いて詳しく説明する。ここで、図7は、第二の実施の形態にかかる内側ポンチ部21と外側ポンチ部23との位置関係及びポンチ高さ調節片260とポンチ高さ調整溝270との位置関係並びにこれらの対応関係を示す説明図であり、図7aは、ポンチ高さ調節片260が第一押止側面271に押止されている状態、図7bは、ポンチ高さ調節片260が第一押止側面271から第二押止側面272に向かって移動している状態、図7cは、ポンチ高さ調節片260が第二押止側面272に押止されている状態をそれぞれ示す。また、図7a’、図7b’、図7c’は、それぞれの状態におけるポンチ高さ調節片260の位置を説明するための模式図である。また、図8は、第二実施形態にかかる穿孔機械器具100の使用方法を説明するための図であり、図8aが穿孔作業前の状態、図8bが外孔をあけた状態、図8cが穿孔作業後の状態をそれぞれ示す。
まず、穿孔機械器具100は、内孔を加工する際は、図7aに示すように、内側ポンチ部21を第一押止位置に位置する状態で使用し、外穴を加工する際は、図7cに示すように、内側ポンチ部21を第二押止位置に位置する状態で使用する。このように、内側ポンチ部21を第一押止位置又は第二押止位置に押止することで、内孔を加工する際と外孔を加工する際とで異なる場所で剪断されることになるため、内側ポンチ部21の位置を変更するという簡単な操作で、内孔と外孔の2種類の孔を加工することができる。また、第一の実施の形態では、外孔をあける際には、内孔も同時にあけられることになったが、第二の実施の形態では、外孔のみがあけられることになるため、内孔をあける際に使用される切刃21aの消耗を低減することができる。
具体的には、穿孔機械器具100を用いて被加工物3に内孔をあける際は、図7aに示すように、内側ポンチ部21が第一押止位置、すなわち、内側ポンチ部21の頂面の位置が、外側ポンチ部23の頂面の位置よりも10mm突出した位置で被加工物3を加工する。このとき、ポンチ高さ調節片260とポンチ高さ調整溝270との位置関係は、図7a’に示すようにポンチ高さ調節片260が第一押止側面271に当接して、付勢部250によって付勢された状態となっている。次に、穿孔機械器具100を用いて被加工物3に外孔をあけるときは、内側ポンチ部21の頂面に設けられた溝241にドライバー等の工具の先端部を差し込んで係合させ、内側ポンチ部21を付勢部250の方向に押し込んだ状態で、ネジ240を回転させる。こうすることにより、ネジ240の回転に伴って、ポンチ高さ調節片260が水平連接部266aに沿って垂直連接部264の方向に移動する。
更にネジ240を回転させ、ポンチ高さ調節片260が垂直連接部264まで到達してネジ240が回転しない状態となった後に、更にネジ240を付勢部250の方向に押し込む(図7b及び図7b’参照)。こうすることで、ポンチ高さ調節片260が垂直連接部264に沿って移動し、水平連接部266bに到達する。続いて、ネジ240を逆方向に回転させ、ポンチ高さ調節片260が水平連接部266bの端部まで到達した後に、ネジ240を開放する。こうすることで、付勢部250によってポンチ高さ調節片260が第二押止側面272に付勢されることになり、内側ポンチ部21が第二押止位置に押止される(図7c及び図7c’参照)。こうすることにより、内側ポンチ部21を第一押止位置から第二押止位置に変更することができ、内孔と外孔との二種類の孔を容易に加工することができる。なお、内側ポンチ部21を第二押止位置から第一押止位置に変更する際の動作は、第一押止位置から第二押止位置に変更する際の動作を逆順にしたものであるため、ここでは説明を省略する。
次に、第二の実施の形態の穿孔機械器具100を用いた穿孔作業について説明する。第二の実施の形態の穿孔機械器具100を用いて外孔を加工する際は、図7cに示すように、上述した方法で内側ポンチ部21を第二押止位置に押止した状態で、図8aに示すように、被加工物3をポンチ部材200とダイス部材30との間に配置する。次に、把持部材60a及び把持部材60bを把持すると、把持部材60a及び把持部材60bが互いに近づくに伴って、回動支点52a及び回動支点52bが互いに近づき、挟持部材40a及び挟持部材40bが互いに近づく。こうすることにより、挟持部材40aに取り付けられたポンチ部材200及び挟持部材40bに取り付けられたダイス部材30が互いに近づき、ポンチ部材200及びダイス部材30が共に被加工物3に当接すると、図8bに示すように、内側ポンチ部21の切刃23bとダイス面32との剪断作用により、被加工物3に外孔が打抜かれ、剪断片4aが発生する。なお、このとき、内側ポンチ部21の頂面は、外側ポンチ部23の頂面よりも付勢部250側に位置するため、内側ポンチ部21の頂面と被加工物3の表面とは当接しない。このため、外孔を加工する際には、内側ポンチ部21に設けられた切刃21aが摩耗しない。
続いて、把持部材60a及び把持部材60bの把持を終了すると、挟持部材40aと挟持部材40bとの間にはスプリング部45が設けられているため、スプリング部45の付勢力により、挟持部材40aと挟持部材40bとが離れると共に、ポンチ部材20及びダイス部材30が離れ、把持する前の状態に戻る(図8c参照)。このとき、被加工物3から打抜かれた剪断片4bは、ポンチ部材200とダイス部材30との間から回収される。また、凹部22の開放口側が内側ポンチ部21の方向に延出しているため、凹部22の幅よりも剪断された剪断片4bの幅は狭くなる。このため、凹部22に留まる剪断片4bを取り出す際、凹部22の幅と剪断片4bの幅とが同一の場合と比較して、取り出しやすい。言い換えると、凹部22の開放口側を内側ポンチ部21の方向に延出させることで、剪断片4bを容易に取り出すことができる。
なお、内孔を加工する際の動きは、第一の実施の形態における穿孔機械器具100の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
第二の実施の形態によれば、穿孔機械器具100のポンチ部材200又はダイス部材30の少なくとも一方を交換することなく、一般的な電気工事において穿孔が求められる直径約19mmの略円形の内孔と直径約33mmの略円形の外孔のいずれの大きさの孔を被加工物3にあけることができる。加えて、被加工物3に外孔をあける前に、内側ポンチ部21が被加工物3に当接することがないため、切刃21aが摩耗しない。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得る。
例えば、上述した実施形態では、作業者が把持部材60a及び把持部材60bを把持することにより、ポンチ部材20とダイス部材30とを近づけて被加工物1に内孔及び外孔をあける穿孔機械器具100としたが、ポンチ部材20とダイス部材30とを近づける方法は作業者が把持部材60a及び把持部材60bを把持することに限定されず、種々の方法を採用することができる。例えば、図示しない起動スイッチ、油圧作動部及び電源部等を設けて、油圧によりポンチ部材20とダイス部材30とを近づけて被加工物1又は被加工物3に内孔及び外孔をあけてもよい。この場合であっても、内側ポンチ部21が内孔及び外側ポンチ部23が外孔を被加工物1又は被加工物3にあけることができる。
上述した実施形態では、内側ポンチ部21、外側ポンチ部23及びダイス部材30の形状は略円柱形状であるものとしたが、外側ポンチ部23とダイス部材30の内側側面とが当接可能な形状であれば、他の形状、例えば、楕円柱又は四角柱、三角柱その他の多角柱であってもよい。いずれの場合であっても、内側ポンチ部21が内孔を、外側ポンチ部23が外孔を、それぞれ被加工物1又は被加工物3にあけることができる。
上述した実施形態では、外側ポンチ部23の内側側面は、凹部22の開放口において内側ポンチ部21方向に延出し、凹部22の開放口側の幅が凹部22の底面側の幅よりも狭くなっているものとしたが、延出していなくてもよい。この場合であっても、内側ポンチ部21が内孔及び外側ポンチ部23が外孔を被加工物1又は被加工物3にあけることができる。
上述した実施形態では、内側ポンチ部21の先端面は直径19mmの略円形状であり、外側ポンチ部23の外周は直径33mmの略円形状であるものとしたが、嵌合部31が外側ポンチ部23の内側側面と当接し、内側ポンチ部21と嵌合する限り、内側ポンチ部21の先端面及び外側ポンチ部23の底面は所望の形状及び大きさとすることができる。この場合であっても、内側ポンチ部21が内孔を、外側ポンチ部23が外孔を、それぞれ被加工物1又は被加工物3にあけることができる。
上述した実施形態では、内側ポンチ部21の先端面は外側ポンチ部23の一方の底面より10mm高くなっているものとしたが、これに限定されることなく、種々の高さにすることができる。この場合であっても、内側ポンチ部21が内孔を、外側ポンチ部23が外孔を、それぞれ被加工物1又は被加工物3にあけることができる。
上述した実施形態では、ダイス部材30は筒状の部材であるものとしたが、ポンチ部材20又はポンチ部材200と少なくとも一部が嵌合できる形状であればこの形状に限定されるものではなく、種々の形状を採用することができる。例えば、柱状の部材の中央部に貫通孔を有する形状にしたり、貫通孔に代えて、凹状に凹んだ形状の凹部を有していても良い。この場合であっても、内側ポンチ部21が内孔を、外側ポンチ部23が外孔を、それぞれ被加工物1又は被加工物3にあけることができる。
例えば、上述した実施形態では、内側ポンチ部21の頂面は先端面全体が凹状に窪んだ形状に形成されるものとしたが、平坦面で形成しても良いし、他の形状で形成しても良い。また、内側ポンチ部21の先端が複数の先端面を有するように形成して、各先端面の縁に切刃を設けてもよい。いずれの場合であっても、内側ポンチ部21が内孔を、外側ポンチ部23が外孔を、それぞれ被加工物1又は被加工物3にあけることができる。
このとき、内側ポンチ部21の頂面に、ネジ240はなくてもよい。この場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
上述した実施形態では、スプリング部45を設けるものとしたが、スプリング部45は無くてもよい。この場合であっても、内側ポンチ部21が内孔を、外側ポンチ部23が外孔を、それぞれ被加工物1又は被加工物3にあけることができる。
第二実施形態では、付勢部250は金属製のばねからなるものとしたが、付勢力を有する種々の弾性体を採用することができる。
第二の実施の形態におけるポンチ高さ調整溝270の形状は、第一の実施の形態の場合と同様、図6bから図6gで示すいずれの形状を採用しても良い。この場合であっても、内側ポンチ部21が内孔を、外側ポンチ部23が外孔を、それぞれ被加工物3に加工することができる。
上述した実施形態で示すように、穿孔機械器具、特に、電気工事等の穿孔作業に用いる携帯式工具として利用することができる。
1…被加工物、2a…剪断片、2b…剪断片、2c…剪断片、3…被加工物、4a…剪断片、4b…剪断片、20…ポンチ部材、21…内側ポンチ部、21a…切刃、22…凹部、23…外側ポンチ部、23a…切刃、23b…切刃、30…ダイス部材、31…嵌合部、32…ダイス面、33…貫通孔、40a…挟持部材、40b…挟持部材、45…スプリング部、50…支点部材、51…中央支点、52a…回動支点、52b…回動支点、53a…摺動支点、53b…摺動支点、60a…把持部材、60b…把持部材、100…穿孔機械器具、200…ポンチ部材、201…一方底面部、240…ネジ、241…溝、250…付勢部、260…ポンチ高さ調節片、262…連接部、264…垂直連接部、266…水平連接部、266a…水平連接部、266b…水平連接部、270…ポンチ高さ調整溝、271…第一押止側面、272…第二押止側面、273…第三押止側面。

Claims (9)

  1. ポンチ部材とダイス部材とを互いに嵌合させることで、前記ポンチ部材と前記ダイス部材との間に配置された被加工物に孔をあける穿孔機械器具であって、
    前記ポンチ部材は、柱状に形成された内側ポンチ部と、前記内側ポンチ部を囲う位置に前記内側ポンチ部よりも低く筒状に形成された外側ポンチ部と、を備えた部材であり、
    前記ダイス部材は、前記内側ポンチ部と前記外側ポンチ部との間の凹部に一部が挿入可能な筒状部材であり、
    前記ダイス部材の一部が前記凹部に挿入された際、前記ダイス部材の側面が前記内側ポンチ部の側面及び前記外側ポンチ部の内側側面と当接した状態で前記ダイス部材と前記ポンチ部材とが嵌合することを特徴とする、
    穿孔機械器具。
  2. 請求項1に記載の穿孔機械器具であって、
    前記内側ポンチ部を前記ダイス部材の方向に付勢する付勢部材と、
    を備え、
    前記内側ポンチ部は、前記外側ポンチ部の頂面よりも前記ダイス部材に近い位置である第一押止位置と、前記外側ポンチ部の頂面よりも前記ダイス部材に遠い位置である第二押止位置とに摺動可能であり、
    前記内側ポンチ部は、前記付勢部材によって前記ダイス部材の方向に付勢された際、前記第一押止位置又は前記第二押止位置のいずれかの位置で前記外側ポンチ部と係止することを特徴とする、
    穿孔機械器具。
  3. 前記内側ポンチ部は、側面に前記外側ポンチ部の表面方向に突出するポンチ高さ調節片を有し、
    前記外側ポンチ部は、内側側面に前記ポンチ高さ調節片の一部が挿入され、前記ポンチ高さ調節片が前記ダイス部材に近づく方向及び遠ざかる方向に移動可能なポンチ高さ調整溝を有し、
    前記ポンチ高さ調整溝は、前記ポンチ高さ調節片を前記第一押止位置で係止する第一押止側面と、前記ポンチ高さ調節片を前記第二押止位置で係止する第二押止側面と、を有することを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の穿孔機械器具。
  4. 前記外側ポンチ部は、側面に前記内側ポンチ部の表面方向に突出するポンチ高さ調節片を有し、
    前記内側ポンチ部は、外側側面に前記ポンチ高さ調節片の一部が挿入され、前記ポンチ高さ調節片が前記ダイス部材に近づく方向及び遠ざかる方向に移動可能なポンチ高さ調整溝を有し、
    前記ポンチ高さ調整溝は、前記ポンチ高さ調節片を前記第一押止位置で係止する第一押止側面と、前記ポンチ高さ調節片を前記第二押止位置で係止する第二押止側面と、を有することを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の穿孔機械器具。
  5. 前記ポンチ高さ調整溝は、前記ポンチ高さ調節片が頂面方向又は底面方向に移動可能な移動部と、前記移動部の両端部の側面にそれぞれ連通する第一押止部及び第二押止部と、を有し、
    前記第一押止側面は、前記第一押止部に位置し、
    前記第二押止側面は、前記第二押止部に位置することを特徴とする、
    請求項3又は4に記載の穿孔機械器具。
  6. 前記内側ポンチ部の頂面には、凹状に凹んだ頂面凹部を有し、
    前記頂面凹部には、ねじ穴を有するねじが設けられていることを特徴とする、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の穿孔機械器具。
  7. 前記外側ポンチ部の頂面は、前記内側ポンチ部の方向に延出し、
    前記外側ポンチ部と前記内側ポンチ部との間隔は、前記ダイス部材側が前記ダイス部材の反対側よりも狭いことを特徴とする、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の穿孔機械器具。
  8. 前記外側ポンチ部の外側側面は、頂面側が刃先となる切刃として形成されており、
    前記外側ポンチ部の内側側面は、頂面側が刃先となる切刃として形成されており、
    前記内側ポンチ部の側面は、頂面側が刃先となる切刃として形成されていることを特徴とする、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の穿孔機械器具。
  9. 前記外側ポンチ部の外周は直径32mm以上34mm以下の略円形状であり、
    前記内側ポンチ部の外周は直径18mm以上20mm以下の略円形状であり、
    前記内側ポンチ部の頂面は、前記外側ポンチ部の頂面よりも10mm以上高くなっていることを特徴とする、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の穿孔機械器具。

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