以下、図面を参照して、実施形態に係るX線診断装置を説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて、第1の実施形態に係るX線診断装置1について説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、X線診断装置1は、X線高電圧装置11と、X線管12と、X線絞り器13と、天板14と、Cアーム15と、X線検出器16と、メモリ17と、ディスプレイ18と、入力インターフェース19と、処理回路20とを備える。
なお、本実施形態では、説明の便宜のため、非チルト状態での天板14の長手方向をZ軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対して水平な方向をX軸方向とする。X軸方向は、非チルト状態での天板14の短手方向に対応する。また、Z軸方向に直交し、床面に対して垂直な方向をY軸方向とする。
X線高電圧装置11は、処理回路20による制御の下、X線管12に高電圧を供給する。例えば、X線高電圧装置11は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管12に印加する高電圧を発生する高電圧発生装置と、X線管12が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。なお、高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。
X線管12は、熱電子を発生する陰極(フィラメント)と、熱電子の衝突を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)とを有する真空管である。X線管12は、X線高電圧装置11から供給される管電圧を用いて、フィラメントからターゲットに向けて熱電子を照射することにより、X線を発生する。なお、X線管12は、X線発生部の一例である。
X線絞り器13は、X線管12により発生されたX線の照射範囲を絞り込むコリメータ、及び、X線管12により発生されたX線を調節するフィルタを有する。
X線絞り器13におけるコリメータは、例えば、スライド可能な4枚の絞り羽根を有する。コリメータは、絞り羽根をスライドさせることで、X線管12が発生したX線を絞り込んで被検体Pに照射させる。ここで、絞り羽根は、鉛などで構成された板状部材であり、X線の照射範囲を調整するためにX線管12のX線照射口付近に設けられる。
X線絞り器13におけるフィルタは、被検体Pに対する被曝線量の低減とX線画像データの画質向上を目的として、その材質や厚みによって透過するX線の線質を変化させ、被検体Pに吸収されやすい軟線成分を低減したり、X線画像データのコントラスト低下を招く高エネルギー成分を低減したりする。また、フィルタは、その材質や厚み、位置などによってX線の線量及び照射範囲を変化させ、X線管12から被検体Pへ照射されるX線が予め定められた分布になるようにX線を減衰させる。
例えば、X線絞り器13は、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構を有し、後述する処理回路20による制御の下、駆動機構を動作させることによりX線の照射を制御する。例えば、X線絞り器13は、処理回路20から受け付けた制御信号に応じて駆動電圧を駆動機構に付加することにより、コリメータの絞り羽根の開度を調整して、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。また、例えば、X線絞り器13は、処理回路20から受け付けた制御信号に応じて駆動電圧を駆動機構に付加することにより、フィルタの位置を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線の線量の分布を制御する。
なお、X線絞り器13は、コリメータを移動可能に構成されてもよい。即ち、X線絞り器13は、処理回路20から受け付けた制御信号に応じて駆動電圧を駆動機構に付加することにより、コリメータの位置を調整することで、被検体Pに対するX線の照射位置や照射角度を制御してもよい。
天板14は、被検体Pを載せるベッドであり、図示しない寝台駆動装置の上に配置される。なお、被検体Pは、X線診断装置1に含まれない。例えば、寝台駆動装置は、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構を有し、後述する処理回路20による制御の下、駆動機構を動作させることにより、天板14の移動・傾斜を制御する。例えば、寝台駆動装置は、処理回路20から受け付けた制御信号に応じて駆動電圧を駆動機構に付加することにより、天板14を移動させたり、傾斜させたりする。なお、以下では、被検体Pを載置する装置を寝台とも記載する。寝台は、例えば、天板14や寝台駆動装置を含む。
Cアーム15は、X線管12及びX線絞り器13と、X線検出器16とを、被検体Pを挟んで対向するように保持する。例えば、Cアーム15は、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構を有し、後述する処理回路20による制御の下、駆動機構を動作させることにより、回転したり移動したりする。例えば、Cアーム15は、処理回路20から受け付けた制御信号に応じて駆動電圧を駆動機構に付加することにより、X線管12及びX線絞り器13と、X線検出器16とを被検体Pに対して回転・移動させ、X線の照射位置や照射角度を制御する。なお、Cアーム15は、アームの一例である。図1では、X線診断装置1がシングルプレーンの場合を例に挙げて説明しているが、実施形態はこれに限定されるものではなく、バイプレーンの場合であってもよい。
また、Cアーム15は、複数方向に回転可能であってもよい。例えば、Cアーム15は、図1に示すように、X線管12及びX線絞り器13とX線検出器16とで、被検体Pを+X方向から挟み込むように配置される。即ち、Cアーム15は、被検体Pの側面に配置される。かかる場合において、Cアーム15は、X軸方向を回転軸として回転したり、Z軸方向を回転軸として回転したりすることができる。
図1はあくまで一例であり、被検体Pに対するCアーム15の配置や、Cアーム15の回転軸の数及び方向については任意に変更が可能である。以下では一例として、Cアーム15が被検体Pの側面に配置され、かつ、Z軸方向を回転軸として回転する場合について説明する。
X線検出器16は、例えば、マトリクス状に配列された検出素子を有するX線平面検出器(Flat Panel Detector:FPD)である。X線検出器16は、X線管12から照射されて被検体Pを透過したX線を検出し、検出したX線量に対応した検出信号を処理回路20へと出力する。ここで、X線検出器16は、グリッド、シンチレータアレイ及び光センサアレイを有する間接変換型の検出器であってもよいし、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。なお、X線検出器16は、X線検出部の一例である。
メモリ17は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。例えば、メモリ17は、処理回路20によって収集されたX線画像データを受け付けて記憶する。また、メモリ17は、X線診断装置1に含まれる回路によって実行される各種機能に対応するプログラムを記憶する。なお、メモリ17は、X線診断装置1とネットワークを介して接続されたサーバ群(クラウド)により実現されることとしてもよい。
ディスプレイ18は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ18は、処理回路20による制御の下、操作者の指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、各種のX線画像を表示する。例えば、ディスプレイ18は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。なお、ディスプレイ18はデスクトップ型でもよいし、処理回路20と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
入力インターフェース19は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路20に出力する。例えば、入力インターフェース19は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。なお、入力インターフェース19は、処理回路20と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インターフェース19は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、X線診断装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路20へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース19の例に含まれる。
処理回路20は、制御機能201、取得機能202、受付機能203、画像生成機能204及び表示制御機能205を実行することで、X線診断装置1全体の動作を制御する。ここで、制御機能201は、制御部の一例である。また、取得機能202は、取得部の一例である。また、受付機能203は、受付部の一例である。
例えば、処理回路20は、メモリ17から制御機能201に相当するプログラムを読み出して実行することにより、入力インターフェース19を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路20の各種機能を制御する。また、制御機能201は、X線診断装置1における機構系を制御する。ここで、X線診断装置1の機構系には、例えば、X線絞り器13やCアーム15、寝台等が含まれる。例えば、制御機能201は、X線絞り器13の動作を制御し、コリメータが有する絞り羽根の開度を調整することで、X線管12により発生されたX線の照射範囲を絞り込む。また、制御機能201は、X線絞り器13の動作を制御し、コリメータの位置を調整することで、X線の照射位置や照射角度を制御する。また、制御機能201は、X線絞り器13の動作を制御し、フィルタの位置を調整することで、X線の線量の分布を制御する。また、制御機能201は、Cアーム15の動作を制御し、Cアーム15を回転させたり移動させたりすることで、X線の照射位置や照射角度を制御する。また、制御機能201は、寝台の動作を制御し、天板14を移動させたり傾斜させたりすることで、X線の照射位置や照射角度を制御する。なお、制御機能201による機構系の制御については後述する。
また、例えば、処理回路20は、メモリ17から取得機能202に相当するプログラムを読み出して実行することにより、被検体Pにおける注目部位の高さを示す高さ情報を取得する。また、例えば、処理回路20は、メモリ17から受付機能203に相当するプログラムを読み出して実行することにより、操作者から、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を補正する操作を受け付ける。なお、取得機能202及び受付機能203による処理については後述する。
また、処理回路20は、メモリ17から画像生成機能204に相当するプログラムを読み出して実行することにより、X線検出器16から出力された検出信号に基づいてX線画像データを生成し、生成したX線画像データをメモリ17に格納する。ここで、画像生成機能204は、生成したX線画像データに対して各種画像処理を行なってもよい。例えば、画像生成機能204は、X線画像データに対して、画像処理フィルタによるノイズ低減処理や、散乱線補正を実行する。
また、処理回路20は、メモリ17から表示制御機能205に相当するプログラムを読み出して実行することにより、ディスプレイ18に各種の画像を表示させる。例えば、表示制御機能205は、操作者の指示を受け付けるためのGUIをディスプレイ18に表示させる。また、例えば、表示制御機能205は、各種のX線画像データをディスプレイ18に表示させる。なお、表示制御機能205は、ディスプレイ18の全体にX線画像データを表示させてもよいし、ディスプレイ18の一部に表示領域を設け、表示領域にX線画像データを表示させてもよい。また、制御機能201は、X線診断装置1と他の装置との間におけるデータの送受信を制御する。例えば、制御機能201は、各種の画像データを、図示しない画像保管装置に対して送信する。
図1に示すX線診断装置1においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ17へ記憶されている。処理回路20は、メモリ17からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路20は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。なお、図1においては単一の処理回路20にて、制御機能201、取得機能202、受付機能203、画像生成機能204及び表示制御機能205が実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路20を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路20が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサはメモリ17に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
なお、図1においては、単一のメモリ17が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、複数のメモリ17を分散して配置し、処理回路20は、個別のメモリ17から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。また、メモリ17にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
また、処理回路20は、ネットワークNWを介して接続された外部装置のプロセッサを利用して、機能を実現することとしてもよい。例えば、処理回路20は、メモリ17から各機能に対応するプログラムを読み出して実行するとともに、X線診断装置1とネットワークNWを介して接続されたサーバ群(クラウド)を計算資源として利用することにより、図1に示す各機能を実現する。
以上、X線診断装置1の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、処理回路20による処理によって、Cアーム15の回転時において、注目部位を適切に表示する。
まず、Cアーム15の回転について、図2A、図2B及び図2Cを用いて説明する。図2A、図2B及び図2Cは、第1の実施形態に係るCアーム15の回転の一例を示す図である。なお、図2A及び図2Bにおいては、X線の照射範囲を点線にて示し、X線の照射範囲における中心線を実線で示す。
例えば、制御機能201は、まず、図2Aに示す配置において、被検体Pに対してX線を照射させる。一例を挙げると、制御機能201は、X線高電圧装置11からX線管12に対する管電圧の供給を制御することにより、被検体Pに対してX線パルスを繰り返し照射させる。ここで、X線検出器16は、被検体Pを透過したX線を検出し、検出したX線量に対応した検出信号を処理回路20へと出力する。また、画像生成機能204は、X線検出器16から出力された検出信号に基づいてX線画像データを生成する。例えば、画像生成機能204は、被検体Pに対するX線パルスの照射が行われるごとに、X線画像データを順次生成する。また、表示制御機能205は、X線画像データが生成される毎に、生成されたX線画像データをディスプレイ18に順次表示させる。なお、以下では、X線の照射と並行して順次表示されるX線画像データを、透視像と記載する。
ここで、透視像が示す範囲は、X線の照射範囲に対応する。例えば、注目部位がX線の照射範囲の中心線上に位置する場合、注目部位は、透視像の中心に表示される。即ち、X線の照射範囲に対する注目部位の位置が図2Aに示す状態である場合、注目部位は、図2C左図に示すように、透視像の中心に表示される。そして、注目部位が透視像の中心に表示されることで、操作者は注目部位を容易に観察することができる。即ち、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を図2Aに示す状態とすることで、X線診断装置1は、注目部位を適切に表示することができる。
なお、注目部位は、透視像を用いた検査において、医師等の操作者が注目する部位である。例えば、消化器における病変の有無を診断する場合、注目部位の例としては、食道や胃などが挙げられる。また、例えば、血管狭窄に対するインターベンション治療において、狭窄位置にステントを留置する手技が行われる場合、注目部位の例としては、ステントや狭窄位置などが挙げられる。即ち、注目部位は、被検体Pの臓器や血管等であってもよいし、被検体Pの体内に挿入された医療デバイスであってもよい。
ここで、透視像を収集する角度は、検査中に変更される場合がある。例えば、注目部位を異なる角度で観察することを希望する場合、操作者は、入力インターフェース19を介して、Cアーム15を回転させる操作を入力する。ここで、受付機能203は、操作者から入力された操作を受け付ける。また、制御機能201は、操作者から受け付けた操作に基づいて、図2Bに示すように、Cアーム15を回転させる。
ここで、Cアーム15が回転したことによって、X線の照射範囲に対する注目部位の位置が変化してしまう場合がある。例えば、図2Bに示すように、Cアーム15が回転したことによって、X線の照射範囲における中心線から注目部位がずれてしまう場合がある。具体的には、Cアーム15の回転中心の位置と注目部位の位置とが一致している場合を除いて、Cアーム15の回転に伴い、X線の照射範囲に対する注目部位の位置は変化する。注目部位がX線の照射範囲の中心線からずれている場合、注目部位は、透視像の中心からずれた状態で表示され、或いは、透視像上に表示されなくなる。かかる場合、操作者は、注目部位を観察しにくくなり、或いは、注目部位を観察できなくなる。
そこで、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、被検体Pにおける注目部位の高さを示す高さ情報を取得し、Cアーム15の回転時に、高さ情報に基づいて、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持するように機構系を制御することで、注目部位を適切に表する。以下、高さ情報に基づく機構系の制御について、図3A及び図3Bを用いて説明する。図3A及び図3Bは、第1の実施形態に係る機構系の制御の一例を示す図である。
まず、取得機能202は、被検体Pにおける注目部位の高さを示す高さ情報を取得する。ここで、高さ情報は、被検体Pにおける注目部位の高さを間接的又は直接的に示す情報である。一例を挙げると、高さ情報は、注目部位のY座標である。別の例を挙げると、高さ情報は、基準位置と注目部位との間のY軸方向の距離である。以下では、基準位置と注目部位との間のY軸方向の距離を、高さ情報として取得する場合について説明する。即ち、以下では、基準位置から注目部位までの高さを、高さ情報として取得する場合について説明する。
なお、基準位置としては任意の位置を使用できる。例えば、取得機能202は、天板14の表面や、Cアーム15の回転中心、床、天井等の任意の位置を基準として、高さ情報を取得する。以下では一例として、天板14の表面を基準位置として、高さ情報を取得する場合について説明する。即ち、以下では、天板14の表面から注目部位までの高さを、高さ情報として取得する場合について説明する。
例えば、取得機能202は、まず、検査情報に基づいて、被検体Pにおける注目部位を特定する。一例を挙げると、取得機能202は、注目部位として、検査対象となる臓器や血管の種類、検査にて使用される医療デバイスの種類を特定する。ここで、検査情報は、入力インターフェース19を介して操作者により入力されてもよいし、ネットワークを介して病院情報システム(Hospital Information Systems:HIS)や放射線科情報システム(Radiology Information Systems:RIS)から取得されてもよい。
次に、取得機能202は、特定した注目部位に応じて、注目部位の高さを示す高さ情報を取得する。例えば、取得機能202は、部位と天板14の表面からの高さとを対応付けた対応情報R1に基づいて、注目部位の高さを示す高さ情報を取得する。
一例を挙げると、対応情報R1においては、検査対象となる臓器や血管の種類、検査にて使用される医療デバイスの種類のそれぞれに対して、天板14の表面からの高さが対応付けられる。なお、対応情報R1は、検査の開始前に作成され、メモリ17に事前に格納される。対応情報R1は、X線診断装置1又は他の装置により作成されてもよいし、操作者がマニュアルで作成してもよい。そして、取得機能202は、対応情報R1において注目部位に対応付いた高さを、注目部位の高さを示す高さ情報として取得する。即ち、取得機能202は、注目部位に応じてプリセットされた高さをメモリ17から読み出すことにより、高さ情報を取得する。
次に、制御機能201は、Cアーム15の回転時に、高さ情報に基づいて、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持するように機構系を制御する。以下、Cアーム15の回転時において制御機能201が行なう制御について、図3A及び図3Bを用いて説明する。図3A及び図3Bは、第1の実施形態に係る機構系の制御の一例を示す図である。なお、図3A及び図3Bにおいては、機構系の制御の一例として、被検体Pを載置する寝台の動作を制御する場合について説明する。
また、図3A及び図3Bにおいては、天板14の表面から注目部位までの高さd1を、高さ情報として取得した場合について説明する。図3A及び図3Bに示すように、高さd1は、注目部位の実際の高さに一致する。即ち、図3A及び図3Bにおいては、高さ情報が正確である場合について説明する。
また、図3A及び図3Bにおける中心線L1は、Cアーム15が回転する前のX線の照射範囲における中心線を示す。なお、注目部位は、中心線L1上に位置する。即ち、Cアーム15が回転する前において、注目部位は、透視像の中心に表示される。また、図3A及び図3Bにおける角度αは、Y軸に対する中心線L1の角度を示す。
また、図3A及び図3Bにおける中心線L2は、Cアーム15が回転した後のX線の照射範囲における中心線を示す。なお、注目部位は、中心線L2上には位置しない。即ち、Cアーム15が回転した後において、注目部位は、透視像の中心からずれた状態で表示され、或いは、透視像上に表示されない。また、図3A及び図3Bにおける角度βは、Y軸に対する中心線L2の角度を示す。
また、図3A及び図3Bにおける高さtは、天板14の表面からCアーム15の回転中心までの高さを示す。制御機能201は、天板14及びCアーム15の位置に基づいて、高さtを取得することができる。即ち、天板14及びCアーム15の位置は制御機能201が制御するものであるため、高さtは既知の値である。
制御機能201は、角度α、角度β、高さt及び高さd1に基づいて、図3A及び図3Bにおける距離x1を算出する、例えば、制御機能201は、下記の式(1)に基づいて、距離x1を算出することができる。
制御機能201は、Cアーム15の回転時に距離x1を算出し、距離x1に基づいて寝台の動作を制御する。具体的には、制御機能201は、図3Bに示すように、天板14を−X方向に距離x1の分だけ移動させる。これにより、注目部位は、中心線L2上に移動することとなる。即ち、制御機能201は、Cアーム15の回転の前後に亘って、注目部位がX線の照射範囲における中心線上に位置するように、寝台の動作を制御する。換言すると、制御機能201は、Cアーム15の回転時に、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持するように、寝台の動作を制御する。
図3A及び図3Bに示したように、制御機能201は、Cアーム15の回転時に、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持するように、寝台の動作を制御する。これによって、制御機能201は、Cアーム15の回転時に、透視像における注目部位の位置を維持することができる。即ち、X線診断装置1は、Cアーム15の回転時において、注目部位を適切に表示することができる。
なお、制御機能201は、Cアーム15の回転後に寝台の動作を制御してもよいし、Cアーム15の回転中に寝台の動作を制御してもよい。ここで、Cアーム15の回転後に寝台の動作を制御する場合について説明する。この場合、制御機能201は、まず、操作者から受け付けた操作に基づいて、Cアーム15を回転させる。これにより、X線の照射範囲における中心線は、中心線L1から中心線L2に変化する。即ち、X線の照射範囲に対する注目部位の位置が変化するとともに、透視像における注目部位の位置が中心からずれる。次に、制御機能201は、角度α、角度β、高さt及び高さd1に基づいて距離x1を算出し、距離x1に基づいて寝台の動作を制御する。これにより、注目部位は、中心線L2上に移動するとともに、透視像における中心位置に再度表示される。即ち、制御機能201は、Cアーム15の回転時に、X線の照射範囲に対する注目部位の位置の変化を補正することにより、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持する。
次に、Cアーム15の回転中に寝台の動作を制御する場合について説明する。この場合、制御機能201は、まず、操作者から受け付けた操作に基づいて、距離x1を算出する。具体的には、制御機能201は、現在のX線の照射範囲の中心線L1の角度を、角度αとして取得する。また、制御機能201は、操作者から受け付けた操作に基づいてCアーム15を回転させた場合におけるX線の照射範囲の中心線L2の角度を、角度βとして取得する。そして、制御機能201は、角度α、角度β、高さt及び高さd1に基づいて距離x1を算出する。次に、制御機能201は、操作者から受け付けた操作に基づいて、Cアーム15を回転させるとともに、距離x1に基づいて寝台の動作を制御する。これにより、注目部位は、Cアーム15の回転に伴って変化するX線の照射範囲に追従して移動するとともに、中心位置からずれることなく透視像上に表示され続ける。即ち、制御機能201は、Cアーム15の回転時に、X線の照射範囲に対して注目部位の位置が変化しないよう制御することにより、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持する。
なお、図3A及び図3Bにおいては、正確な高さ情報を取得できる場合について説明した。ここで、取得機能202が正確な高さ情報を取得できない場合も想定される。例えば、患者間の個人差等により、注目部位に応じてプリセットされた高さと、被検体Pにおける注目部位の実際の高さとがずれてしまう場合がある。
以下、高さ情報が正確でない場合について、図4A及び図4Bを用いて説明する。図4A及び図4Bは、第1の実施形態に係る機構系の制御の一例を示す図である。なお、図4A及び図4Bにおいては、機構系の制御の一例として、被検体Pを載置する寝台の動作を制御する場合について説明する。また、図4A及び図4Bにおいては、高さ情報として、高さd2を用いる場合について説明する。高さd2は、被検体Pにおける注目部位の実際の高さと異なる値である。
Cアーム15の回転時において、制御機能201は、角度α、角度β、高さt及び高さd2に基づいて、図4A及び図4Bにおける距離x2を算出する。例えば、制御機能201は、式(1)に基づく距離x1の算出と同様に、距離x2を算出することができる。また、制御機能201は、距離x2に基づいて、寝台の動作を制御する。具体的には、制御機能201は、図4Bに示すように、天板14を−X方向に距離x2の分だけ移動させる。
ここで、図4Bに示す場合、注目部位は、中心線L2に近い位置まで移動したものの、中心線L2上には移動していない。即ち、図4Bに示す場合、X線の照射範囲に対する注目部位の位置はおおよそ維持されるものの、変化が生じる。換言すると、高さ情報が正確でない場合、制御機能201は、Cアーム15の回転時に、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を正確に維持することができない。従って、高さ情報が正確でない場合、Cアーム15の回転時において、透視像における注目部位の位置にも変化が生じることとなる。
このような場合、受付機能203は、Cアーム15の回転後、操作者から、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を補正する操作を受け付ける。例えば、操作者は、Cアーム15の回転時に注目部位が透視像の中心位置からずれた場合、注目部位を透視像の中心位置に戻すように寝台操作を入力する。以下では、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を補正する操作を、キャリブレーション操作と記載する。即ち、操作者は、注目部位が透視像の中心位置からずれた場合、キャリブレーション操作を入力する。また、受付機能203は、操作者によるキャリブレーション操作を受け付ける。また、制御機能201は、受け付けたキャリブレーション操作に基づいて、寝台を動作させる。
一例を挙げると、操作者は、Cアーム15の回転後、Cアーム15が停止した状態において、入力インターフェース19が備えるキャリブレーションスイッチを押下する。次に、操作者は、入力インターフェース19を介して、寝台操作を入力する。これにより、操作者は、X線の照射範囲に対して天板14及び被検体Pを移動させ、注目部位が透視像の中心に位置するように調整する。
ここで、取得機能202は、操作者から受け付けたキャリブレーション操作に基づいて、注目部位の高さを算出する。以下、取得機能202が算出する注目部位の高さを、高さd3とする。具体的には、まず、制御機能201は、操作者から受け付けたキャリブレーション操作に基づいて、図4Cに示す位置まで天板14を移動させる。なお、以下では、操作者から受け付けたキャリブレーション操作に基づいて制御機能201が実行する寝台動作を、「操作者による寝台動作」と記載する。なお、図4Cは、第1の実施形態に係る注目部位の高さの算出処理について説明するための図である。
図4Cに示す距離x3は、高さd2に基づく寝台動作での天板14の移動量(距離x2)と、操作者による寝台動作での天板14の移動量との和である。即ち、距離x3は、既知の値である。例えば、取得機能202は、角度α、角度β、高さt及び距離x3に基づいて、注目部位の高さd3を算出する。一例を挙げると、制御機能201は、下記の式(2)に基づいて、高さd3を算出する。
高さd3は、透視像を参照しながら操作者が行なったキャリブレーション操作に基づいて算出された値である。即ち、高さd3は、被検体Pにおける注目部位の実際の位置に基づいて算出された値であり、注目部位の実際の高さに近い値となる。即ち、キャリブレーション操作が入力された場合、取得機能202は、キャリブレーション操作に基づいて注目部位の高さd3を精度良く算出し、より正確な高さ情報を取得することができる。
取得機能202が注目部位の高さを算出した後、更にCアーム15が回転する場合がある。かかる場合、制御機能201は、取得機能202が算出した高さd3に基づいて、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持するように、寝台の動作を制御する。また、Cアーム15の回転後、更にキャリブレーション操作が入力される場合がある。かかる場合、取得機能202は、キャリブレーション操作に基づいて、注目部位の高さを再度算出する。
即ち、取得機能202は、操作者によるキャリブレーション操作が入力されるごとに注目部位の高さを算出し、高さ情報を更新する。また、制御機能201は、Cアーム15の回転時に、更新された高さ情報に基づいて、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持するように、寝台の動作を制御する。従って、X線診断装置1は、キャリブレーション操作が入力されるごとにより正確な高さ情報を取得し、Cアーム15の回転時においてX線の照射範囲に対する注目部位の位置をより正確に維持することができる。
なお、キャリブレーション操作の一例として、被検体Pを載置する寝台に対する寝台操作について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、操作者は、キャリブレーション操作として、Cアーム15に対するアーム操作を入力してもよい。一例を挙げると、操作者は、Cアーム15の回転時において注目部位が透視像の中心位置からずれた場合、注目部位を透視像の中心位置に戻すように、Cアーム15を移動させる。また、受付機能203は、操作者によるアーム操作を受け付ける。また、取得機能202は、アーム操作に基づいて注目部位の高さを算出することにより、高さ情報を取得する。
また、例えば、操作者は、キャリブレーション操作として、X線絞り器13が有するコリメータに対するコリメータ操作を入力してもよい。一例を挙げると、操作者は、Cアーム15の回転時において注目部位が透視像の中心位置からずれた場合、注目部位を透視像の中心位置に戻すように、コリメータの位置を移動させる。また、受付機能203は、操作者によるコリメータ操作を受け付ける。また、取得機能202は、コリメータ操作に基づいて注目部位の高さを算出することにより、高さ情報を取得する。
次に、X線診断装置1による処理の手順の一例を、図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態に係るX線診断装置1の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS102、ステップS103、ステップS104、ステップS105及びステップS108は、制御機能201に対応するステップである。ステップS101及びステップS109は、取得機能202に対応するステップである。ステップS106及びステップS107は、受付機能203に対応するステップである。
X線画像データの撮影が開始された後、処理回路20は、注目部位に応じてプリセットされた高さをメモリ17から読み出すことにより、高さ情報を取得する(ステップS101)。次に、処理回路20は、透視が継続されるか否かを判定し(ステップS102)、透視が継続される場合には(ステップS102肯定)、Cアーム15が回転しているか否かを判定する(ステップS103)。
Cアーム15が回転している場合(ステップS103肯定)、処理回路20は、注目部位の高さを示す高さ情報に基づいて、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持するように、天板14の移動量を算出する(ステップS104)。例えば、処理回路20は、高さ情報に基づいて、図3Aに示した距離x1を算出する。次に、処理回路20は、ステップS104にて算出した移動量に基づいて寝台を動作させる(ステップS105)。例えば、処理回路20は、図3Bに示したように、天板14を距離x1だけ移動させる。
また、処理回路20は、ステップS105の後、再度ステップS102に移行する。即ち、処理回路20は、透視においてCアーム15が回転している間、天板14の移動量の算出、及び、算出した移動量に基づく寝台動作を繰り返し実行する。これにより、処理回路20は、透視においてCアーム15が回転している間、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持することができる。換言すると、処理回路20は、透視においてCアーム15が回転している間、X線の照射範囲に対して注目部位の位置が変化しないよう制御することにより、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持するとともに、透視像における注目部位の位置を維持することができる。
一方で、Cアーム15が回転していない場合(ステップS103否定)、処理回路20は、キャリブレーションスイッチが押下されたか否かを判定する(ステップS106)。また、キャリブレーションスイッチが押下された場合(ステップS106肯定)、処理回路20は、キャリブレーション操作として、寝台操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS107)。
寝台操作を受け付けた場合(ステップS107肯定)、処理回路20は、受け付けた寝台操作に基づいて寝台を動作させる(ステップS108)。また、処理回路20は、受け付けた寝台操作に基づいて注目部位の高さを算出することにより、高さ情報を取得する。なお、ステップS108とステップS109との順序は任意であり、並行して行なわれる場合であってもよい。
キャリブレーションスイッチが押下されなかった場合(ステップS106否定)、寝台操作を受け付けなかった場合(ステップS107否定)、又は、ステップS109の後、処理回路20は、再度ステップS102に移行する。なお、ステップS109の後に再度ステップS104に移行した場合、処理回路20は、最後に取得した高さ情報に基づいて天板14の移動量を算出する。また、透視を継続しない場合(ステップS102否定)、処理回路20は、処理を終了する。
上述したように、第1の実施形態によれば、取得機能202は、被検体Pにおける注目部位の高さを示す高さ情報を取得する。また、制御機能201は、Cアーム15の回転時に、高さ情報に基づいて、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持するように、寝台の動作を制御する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、Cアーム15の回転時において、注目部位を適切に表示することができる。例えば、X線診断装置1は、Cアーム15の回転時において、透視像における注目部位の位置を維持することができる。
また、Cアーム15の回転によって透視像における注目部位の位置が変化してしまった場合、操作者は、透視像を参照しながら、変化前の状態を再現するように寝台操作を入力する。これに対して、X線診断装置1は、Cアーム15の回転時において透視像における注目部位の位置を維持することで、操作者が行う操作の量を低減して操作者の負担を軽減するとともに、被検体Pの被ばく量を低減することができる。
また、Cアーム15の回転によって注目部位が透視像上に表示されなくなる可能性がある場合、被検体Pの広い範囲について透視像が収集される場合がある。即ち、Cアーム15の回転によって注目部位が透視像上に表示されなくなる可能性がある場合、このような事態を回避するため、広いFOV(Field Of View)が設定される場合がある。これに対して、X線診断装置1は、Cアーム15の回転時において透視像における注目部位の位置を維持し、注目部位が透視像上に表示されなくなる事態を回避することができる。従って、X線診断装置1は、狭いFOVの設定を可能とし、被検体Pの被ばく量を低減することができる。
また、上述したように、第1の実施形態によれば、受付機能203は、Cアーム15の回転後、操作者から、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を補正するキャリブレーション操作を受け付ける。また、取得機能202は、キャリブレーション操作に基づいて注目部位の位置を算出することにより、高さ情報を取得する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、Cアーム15の回転が行われるごとに高さ情報の精度を向上させることができる。ひいては、X線診断装置1は、Cアーム15の回転が行われるごとに、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持する制御の精度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
さて、これまで第1の実施形態について説明したが、上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した実施形態では、注目部位の高さに応じてプリセットされた高さをメモリ17から読み出し、又は、キャリブレーション操作に基づいて注目部位の高さを算出することにより、高さ情報を取得する場合について説明した。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、取得機能202は、注目部位の高さの入力操作を受け付けることにより、高さ情報を取得してもよい。一例を挙げると、操作者は、被検体Pの体格を考慮して、被検体Pにおける注目部位の天板14の表面からの高さを入力する。また、取得機能202は、操作者によって入力された注目部位の高さを、高さ情報として取得する。
また、上述した実施形態では、天板14の表面を基準位置として、高さ情報を取得する場合について説明した。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、取得機能202は、Cアーム15の回転中心を基準位置として、高さ情報を取得してもよい。即ち、取得機能202は、Cアーム15の回転中心から注目部位までの高さを示す高さ情報を取得する場合であってもよい。
また、上述した実施形態では、Cアーム15の回転時に、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持するように寝台の動作を制御する場合について説明した。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではない。即ち、制御機能201は、Cアーム15の回転時に、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持するように、寝台以外の機構系を制御してもよい。
例えば、制御機能201は、Cアーム15の回転時に、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持するように、Cアーム15の動作を制御する場合であってもよい。一例を挙げると、制御機能201は、Cアーム15を回転させるとともに、高さ情報に基づいてCアーム15を移動させる。これにより、制御機能201は、被検体Pに対するX線の照射位置を制御し、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持することができる。
また、例えば、制御機能201は、Cアーム15の回転時に、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持するように、X線絞り器13におけるコリメータの動作を制御する場合であってもよい。一例を挙げると、制御機能201は、Cアーム15を回転させるとともに、高さ情報に基づいて、X線管12に対してコリメータを移動させる。これにより、制御機能201は、被検体Pに対するX線の照射位置及び照射角度を制御し、X線の照射範囲に対する注目部位の位置を維持することができる。
第1〜第2の実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
また、第1〜第2の実施形態で説明した医用画像処理方法は、予め用意された医用画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この医用画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この医用画像処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、アームの回転時において、注目部位を適切に表示することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。