JP2020096534A - 細胞培養構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】細胞を収容する複数の凹部を備えた細胞培養構造体において、凹部に収容された細胞の凹部間の移動を抑制する。【解決手段】細胞培養構造体は、板状部材に設けられた複数の凹部と、複数の凹部のうちの互いに隣接する凹部を互いに隔てる複数の隔壁と、複数の隔壁が交差する各交差部に設けられ、隔壁の頂部の高さよりも高い頂部を有する突起部と、を含む。【選択図】図2B
Description
開示の技術は、細胞培養構造体に関する。
細胞培養に用いられる細胞培養構造体に関する技術として、以下の技術が知られている。
特許文献1には、被培養物が培養される隔室を形成する窪み部が培養基材表面に複数形成されており、互いに近接する上記窪み部の間の培養基材表面が非平坦面とされた培養基材が記載されている。
特許文献2には、複数のウェルを有する底壁部と、底壁部上面に対して100°以上135°以下の傾斜角度をもって上方に行くにしたがって開拡するように形成された側壁部とを有する容器状の細胞培養担体が記載されている。この細胞培養担体において、複数のウェルのうち少なくとも一つのウェルが、底壁部と側壁部との境界線に接した位置に形成され、あるいは境界線を跨ぎ、側壁部の水平寸法が側壁部へのウェルの入り込み寸法の2倍以上の長さを有している。
上記の特許文献1に記載の培養基材によれば、窪み部の間の領域が非平坦面とされていることから、窪み部の間の領域に細胞が付着しにくくなり、細胞を効率的に窪み部に導入することができる。しかしながら、特許文献1に記載の培養基材の構造によれば、例えば、培養中に培養基材を運搬するなどして培養基材に振動が加わった場合に、窪み部内に収容された細胞が、窪み部間の隔壁を乗り越えて、他の窪み部に移動するおそれがある。窪み部内に収容された細胞が他の窪み部に移動すると、移動先の窪み部において得られる細胞塊のサイズは過度に大きくなるおそれがある。細胞塊のサイズが過大となると、細胞塊の内部への栄養や酸素の供給が不十分となり、死細胞となることがある。
一方、特許文献2に記載の細胞培養担体によれば、培養開始時に播種された細胞のうち、側壁部に向けて沈殿する細胞は、側壁部の傾斜によって底壁部に達することができる。しかしながら、側壁部の傾斜面を伝って底壁部に達した細胞の殆どは、底壁部と側壁部との境界線の近傍に形成されたウェル内に収容されることとなるので、当該ウェル内に収容される細胞の数は、底壁部の内周領域に形成されたウェル内に収容される細胞の数よりも多くなる。その結果、培養によって得られる細胞塊のサイズのばらつきが増大する。
開示の技術は、細胞を収容する複数の凹部を備えた細胞培養構造体において、細胞の凹部間の移動の抑制及び細胞の回収性の確保を両立することを目的とする。
開示の技術に係る細胞培養構造体は、板状部材に設けられた複数の凹部と、複数の凹部のうちの互いに隣接する凹部を互いに隔てる複数の隔壁と、複数の隔壁が交差する各交差部に設けられ、隔壁の頂部の高さよりも高い頂部を有する突起部と、を含む。
複数の凹部のうち、互いに隣接する2つの凹部が並ぶ方向における、2つの凹部を互いに隔てる隔壁の頂部の幅は、培養開始時の細胞の平均直径の2分の1以下であることが好ましい。
隔壁の頂部は、凸状の非平坦面を有していてもよい。複数の凹部の各々は、4つ以上の隔壁及び4つ以上の突起部に囲まれていてもよい。突起部の各々は、突起部の中央部から裾部の間で、隔壁に連なる傾斜した3つ以上の傾斜面を有していてもよい。複数の凹部の各々の形状は、半球状であってもよい。複数の凹部の各々は、6つの他の凹部と隣接していてもよい。
前記隔壁の頂部と突起部の頂部との間の高さ方向における距離をHとし、隔壁の頂部と凹部の底部との間の高さ方向における距離をLとし、凹部の開口径をDとしたとき、H≧L/10且つ2D≧3Lを満たすことが好ましい。
細胞培養構造体は、板状部材を底板として有していてもよく、この場合、底板の外縁を囲む側壁と、底板と側壁との間に傾斜面を形成する傾斜部と、を更に含み、複数の凹部のうちの一部が、傾斜部に設けられていてもよい。上記の構成において、複数の凹部の各々の開口径をDとし、底板が延在する平面に投影した前記傾斜部の幅をWとしたとき、W<2Dを満たすことが好ましい。
開示の技術に係る細胞培養構造体は、底板と、底板の外縁を囲む側壁と、底板と側壁との間に傾斜面を形成する傾斜部と、底板及び傾斜部に亘って設けられた複数の凹部と、を含む。複数の凹部の各々の開口径をDとし、底板が延在する平面に投影した傾斜部の幅をWとしたとき、W<2Dを満たす。
開示の技術は、細胞を収容する複数の凹部を備えた細胞培養構造体において、細胞の凹部間の移動の抑制及び細胞の回収性の確保を両立できる、という効果を奏する。
以下、開示の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。
図1は、開示の技術の実施形態に係る細胞培養構造体100の全体の構成を示す斜視図である。細胞培養構造体100は、板状部材10からなる底板110と、底板110の外縁を囲み、底板110の主面と交差する方向に壁面を形成する側壁120とを含んで構成されている。底板110の主面と、側壁120の壁面とのなす角は、例えば90°または90°よりも大きい角度であってもよい。底板110の主面の形状は円形とされており、細胞培養構造体100の外形は円柱状である。すなわち、本実施形態に係る細胞培養構造体100はシャーレ(ペトリ皿)等の容器の形態を有している。
細胞培養構造体100は、培養中の細胞の状態を観察できるように、全体が可視光に対して透過性を有する材料で構成されていることが好ましい。細胞培養構造体100を例えば、射出成形によって製造する場合、細胞培養構造体100の材料として、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。
図2A及び図2Bは、それぞれ、底板110を構成する板状部材10の表面の構造を拡大して示す、板状部材10の部分的な平面図及び斜視図である。図3Aは、図2Aにおける3−3線に沿った断面図であり、図3Bは、図2Aにおける3−3線に沿って切断した板状部材10の斜視図である。図4Aは、図2Aにおける4−4線に沿った断面図であり、図4Bは、図2Aにおける4−4線に沿って切断した板状部材10の斜視図である。
板状部材10の表面には、細胞培養構造体100を用いて培養される細胞を収容し、培養するための複数の凹部11が設けられている。凹部11の各々の形状は半球状とされている。図2A及び図2Bに示すように、複数の凹部11は、板状部材10の表面(X−Y平面)に六方最密配列の形態で配列されている。すなわち、複数の凹部11の各々は、6つの他の凹部11に隣接している。互いに隣接する各2つの凹部11は、当該2つの凹部11の間に設けられた隔壁12によって互いに隔てられている。すなわち、板状部材10は、互いに隣接する各2つの凹部11を互いに隔てる複数の隔壁12を有する。
ここで、図5は、板状部材10の表面構造を模式的に示す平面図である。なお、図5において、複数の凹部11を互いに区別するために、参照符号11に添え字a〜gを付与している。また複数の隔壁12を互いに区別するために、参照符号12に添え字ab、ac、ad、ae、af、ag、bc、cd、de、ef、fg、gbを付与している。図5において、中央に示された凹部11aは、6つの凹部11b、11c、11d、11e、11f、11gに隣接している。隔壁12abは、凹部11aと11bとを互いに隔てている。隔壁12acは、凹部11aと11cとを互いに隔てている。隔壁12adは、凹部11aと11dとを互いに隔てている。隔壁12aeは、凹部11aと11eとを互いに隔てている。隔壁12afは、凹部11aと11fとを互いに隔てている。隔壁12agは、凹部11aと11gとを互いに隔てている。複数の凹部11が六方最密配列の形態で配列されている場合、1つの凹部11は、6つの隔壁12によって囲まれる。
また、12bcは、凹部11bと凹部11cとを互いに隔てている。12cdは、凹部11cと凹部11dとを互いに隔てている。12deは、凹部11dと凹部11eとを互いに隔てている。12efは、凹部11eと凹部11fとを互いに隔てている。12fgは、凹部11fと凹部11gとを互いに隔てている。12gbは、凹部11gと凹部11bとを互いに隔てている。
また、12bcは、凹部11bと凹部11cとを互いに隔てている。12cdは、凹部11cと凹部11dとを互いに隔てている。12deは、凹部11dと凹部11eとを互いに隔てている。12efは、凹部11eと凹部11fとを互いに隔てている。12fgは、凹部11fと凹部11gとを互いに隔てている。12gbは、凹部11gと凹部11bとを互いに隔てている。
図3Aは、図中X方向に沿って配列された各凹部11の中心を結ぶ3−3線(図2A参照)に沿った断面図であり、隔壁12の頂部を含む断面が示されている。図3A及び図3Bに示すように、本実施形態において、隔壁12の上面(凹部11の開口側の面)が、凸状の非平坦面となっている。ここで、凹部11の底部と隔壁12の頂部との間の、高さ方向(Z方向)における距離をLとし、凹部11の開口径をDとしたとき、下記の(1)式を満たすことが好ましい。なお、開口径Dは、隔壁12の頂部間の距離に相当し、距離Lは、凹部11の深さに相当する。
2D≧3L ・・・(1)
すなわち、凹部11の開口径Dは、凹部11の深さに相当する距離Lの1.5倍以上であることが好ましい。開口径D及び距離Lは、細胞培養構造体100を用いて培養される細胞の凝集体である細胞塊のサイズに応じて定められる。開口径Dは、一例として、1.0mm程度であってもよく、距離Lは、例えば0.5mm程度であってもよい。開口径Dと距離Lとが(1)式を満たすことで、凹部11内に収容され、培養される細胞が、凹部11内で適度に動くことができ、好ましい培養状態を得ることができる。
2D≧3L ・・・(1)
すなわち、凹部11の開口径Dは、凹部11の深さに相当する距離Lの1.5倍以上であることが好ましい。開口径D及び距離Lは、細胞培養構造体100を用いて培養される細胞の凝集体である細胞塊のサイズに応じて定められる。開口径Dは、一例として、1.0mm程度であってもよく、距離Lは、例えば0.5mm程度であってもよい。開口径Dと距離Lとが(1)式を満たすことで、凹部11内に収容され、培養される細胞が、凹部11内で適度に動くことができ、好ましい培養状態を得ることができる。
図2A、図2B及び図5に示すように、板状部材10の表面には、複数の隔壁12が交差する各交差部に、隔壁12の頂部の高さよりも高い頂部を有する突起部13が設けられている。図5に示すように、隔壁12ab、12ac、12bcの交差部、隔壁12ac、12ad、12cdの交差部、隔壁12ad、12ae、12deの交差部、隔壁12ae、12af、12efの交差部、隔壁12af、12ag、12fgの交差部、隔壁12ag、12ab、12gbの交差部に、それぞれ、突起部13が設けられている。換言すれば、図6に示すように、互いに隣接する各2つの凹部11の中心を結ぶ各線分によって囲まれた各領域(破線で囲まれた三角形の領域)の中央に、突起部13が設けられている。突起部13を上記のように配置した場合、1つの凹部11は、6つの突起部13によって囲まれる。
突起部13の形状は特に限定されないが、例えば、複数の凹部11が、六方最密配列の形態で配列されている場合には、突起部13の形状は、四面体(三角錐)状または、突起部13の頂部に対応する四面体の頂点を切り欠いた形状であってもよい。この場合、切り欠かれた突起部13の頂部の上面は、平坦であってもよく、湾曲していてもよい。
突起部13の形状を四面体状または四面体の頂点を切り欠いた形状とした場合、突起部13の各々は、突起部13の中央部(頂部)から裾部の間で、隔壁12に連なる傾斜した3つの傾斜面を有することになる。これら3つの傾斜面は、それぞれ、当該突起部13に隣接する3つの凹部11に向けて傾斜していることが好ましい。なお、突起部13の形状は、例えば円錐形状、円錐の頂点を切り欠いた円錐台形状、円柱形状または角柱形状であってもよい
図4Aは、図中Y方向に沿って配列された各凹部11の中心を結ぶ4−4線(図2A参照)に沿った断面図であり、隔壁12の頂部及び突起部13の頂部を含む断面が示されている。ここで、隔壁12の頂部と突起部13の頂部との間の、高さ方向(Z方向)における距離をHとしたとき、下記の(2)式を満たすことが好ましい。なお、距離Hは、突起部13の高さに相当する。
H≧L/10 ・・・(2)
すなわち、突起部13の高さに相当する距離Hは、凹部11の深さに相当する距離Lの10分の1以上であることが好ましい。凹部11の深さに相当する距離Lが、例えば0.5mm程度である場合、距離Hは、例えば0.08mm程度であってもよい。
H≧L/10 ・・・(2)
すなわち、突起部13の高さに相当する距離Hは、凹部11の深さに相当する距離Lの10分の1以上であることが好ましい。凹部11の深さに相当する距離Lが、例えば0.5mm程度である場合、距離Hは、例えば0.08mm程度であってもよい。
図7Aは、細胞培養構造体100の、底板110と側壁120とが交差する交差部の近傍の断面図である。図7Bは、図7Aに示す断面が露出するように切断した細胞培養構造体100の部分的な斜視図である。細胞培養構造体100は、底板110と側壁120との間に傾斜面を形成する傾斜部130を有する。傾斜部130は、底板110の外周を囲んでいる。傾斜部130の傾斜面は、底板110の内周側に向けて下り傾斜を形成している。すなわち、傾斜部130の傾斜面の、側壁120側の端部の高さ位置は、底板110側の端部の高さ位置よりも高い。
複数の凹部11は、底板110のみならず、傾斜部130にも設けられている。傾斜部130に設けられた凹部11の底部の深さ位置は、底板110に設けられた凹部11の底部の深さ位置と同じであってもよい。すなわち、底板110に設けられた凹部11の底部と、傾斜部130に設けられた凹部11の底部が、底板110が延在する平面(X−Y平面)と平行な同一面内に存在していてもよい。
ここで、底板110が延在する平面(X−Y平面)に投影した傾斜部130の幅をWとしたとき、下記の(3)式を満たすことが好ましい。
W<2D ・・・(3)
すなわち、傾斜部130の底板110が延在する平面(X−Y平面)に投影した幅Wは、凹部11の開口径Dの2倍未満であることが好ましい。換言すれば、傾斜部130において、幅Wの方向に並んで配置される凹部11の数は、2つ以下であることが好ましい。
W<2D ・・・(3)
すなわち、傾斜部130の底板110が延在する平面(X−Y平面)に投影した幅Wは、凹部11の開口径Dの2倍未満であることが好ましい。換言すれば、傾斜部130において、幅Wの方向に並んで配置される凹部11の数は、2つ以下であることが好ましい。
以下に、細胞培養構造体100を用いた開示の技術の実施形態に係る細胞培養方法の一例について説明する。図8A及び図8Bは、開示の技術の実施形態に係る細胞培養方法の一例を示す図である。
初めに、細胞培養構造体100の底板110及び側壁120によって囲まれた空間内に適量の培地1を注ぐ。続いて、図8Aに示すように、上記の空間内に注がれた培地1中に、細胞2を含む細胞懸濁液を注入する。細胞2は、単一細胞及び複数の単一細胞の凝集体である細胞塊を含み得る。細胞懸濁液は、細胞2が培地1中で略均一に分散するように注入される。なお、本実施形態に係る細胞培養方法を用いて培養される細胞の種類は、特に限定されるものではなく、例えば動物細胞及びヒト細胞であってもよい。細胞2は、自重によって細胞培養構造体100の底板110(板状部材10)に向けて培地1中を落下して、図8Bに示すように、凹部11内に収容され、凹部11内で培養される。
凹部11内に収容された細胞2同士が融合することで細胞塊が形成される。また、凹部11内に収容された細胞2が、細胞分裂を繰り返すことで、細胞塊のサイズが大きくなる。培養期間中、所定の培養プロトコルに従って、例えば数日おきに培地交換処理等の必要な処理が施される。凹部11内に形成された細胞塊のサイズが、所望のサイズにまで成長した段階で培養を終了させる。各凹部11は、隔壁12によって、隣接する他の凹部11と分離されているので、各凹部11内に形成される細胞塊のサイズを、凹部11間で略均一にすることができる。
所望のサイズにまで成長した細胞塊は、回収され、保存される。細胞塊の回収は、例えば、以下の手順で行われる。細胞培養構造体100を任意の方向に傾けることにより、各凹部11内に収容された細胞塊を凹部11の外側に流出させ、細胞培養構造体100の片隅に集める。その後、細胞培養構造体100の片隅に集められた細胞塊を、ピペット等によって吸引し、保存容器に移す。
本実施形態に係る細胞培養構造体100によれば、隔壁12の上面(凹部11の開口側の面)が、凸状の非平坦面とされているので、隔壁12の上面に落下した細胞2を、凹部11内に導くことができる。これにより、凹部11内に収容されることなく、隔壁12の上面に留まり続ける細胞の数を抑制することができる。細胞2が凹部11内に収容されない場合には、他の細胞と融合することができず、死細胞となる可能性が高い。従って、隔壁12の上面を非平坦面として、隔壁12の上面に落下した細胞2を凹部11内に導くことで、細胞のロスを抑制することができる。
また、本実施形態に係る細胞培養構造体100によれば、複数の隔壁12が交差する交差部の各々に、隔壁12の頂部の高さよりも高い頂部を有する突起部13を有し、各凹部11は、複数の突起部13によって囲まれている。また、隔壁12の頂部と突起部13の頂部との間の高さ方向における距離H、隔壁12の頂部と凹部11の底部との間の高さ方向における距離L、凹部11の開口径Dが、H≧L/10且つ2D≧3Lを満たしている。これにより、例えば、培養期間中に細胞培養構造体100を搬送するなどして、細胞培養構造体100に振動が加わった場合でも、凹部11内に収容された細胞2が、振動によって隔壁12を乗り越えて隣接する他の凹部11内に侵入するリスクを低減できる。また、突起部13は、各凹部11の外周に点在する形態で設けられているので、培養終了後、凹部11内に収容された細胞塊の回収容易性が損なわれることはない。突起部13の配置及び高さは、方向性を有していないので、細胞培養構造体100をどの方向に傾けても、凹部11内に収容された細胞塊を凹部11の外側に流出させることができ、細胞塊の回収が容易である。
また、本実施形態に係る細胞培養構造体100によれば、複数の凹部11が六方最密配列の形態で配列されている。すなわち、複数の凹部11の各々は、6つの他の凹部11と隣接している。複数の凹部11の配列形態を六方最密配列とすることで、板状部材10における凹部11の形成密度を最大とすることができ、細胞培養構造体100において収容可能な細胞数を最大化できる。
また、本実施形態に係る細胞培養構造体100において、3つの隔壁12が交差する各交差部に突起部13が設けられている。突起部13は、四面体状または四面体の頂点を切り欠いた形状とされており、その中央部から裾部の間で、隔壁12に連なる傾斜した3つの傾斜面を有する。突起部13に形成された3つの傾斜面は、それぞれ、当該突起部13に隣接する凹部11に向けて傾斜している。このように、突起部13の傾斜面の向きを、隣接する凹部11に向けることで、凹部11内に収容された細胞2の凹部11間の移動を抑制する効果を高めることができる。また、培養開始時に播種される細胞を、凹部11内に効率的に導くことができる。
また、(1)式に示されるように、凹部11の開口径Dは、凹部11の深さに相当する距離Lの1.5倍以上とされている。これにより、凹部11内に収容され、培養される細胞が、凹部11内で適度に動くことができ、好ましい培養状態を得ることができる。
また、(2)式に示されるように、突起部13の高さに相当する距離Hは、凹部11の深さに相当する距離Lの10分の1以上とされている。これにより、凹部11内に収容された細胞の、凹部11間の移動を抑制する効果を高めることができる。
また、本実施形態に係る細胞培養構造体100によれば、底板110と側壁120との間に傾斜部130を有するので、側壁120の近傍を落下する細胞2を、傾斜部130の傾斜面に沿って落下させ、傾斜部130の近傍の凹部11内に導くことができる。
ここで、図9は、底板110と側壁120との間に傾斜部を有しない比較例に係る細胞培養構造体100Xを用いて細胞培養を行った場合の、細胞の培養状態を示す図である。比較例に係る細胞培養構造体100Xによれば、側壁120の近傍を落下する細胞2は、底板110の縁部111に滞留する。細胞2の滞留は、底板110の縁部111の複数個所において発生し、滞留した細胞同士が融合して、過大サイズの細胞塊が形成される場合がある。このように、比較例に係る細胞培養構造体100Xを用いて細部培養を行った場合には、過大サイズの細胞塊が形成されるおそれがあり、細胞塊のサイズの均一性が損なわれるおそれがある。また、細胞塊のサイズが過大となると、細胞塊の内部への栄養や酸素の供給が不十分となり、死細胞となることがある。
一方、本実施形態に係る細胞培養構造体100によれば、側壁120の近傍を落下する細胞2を、傾斜部130の傾斜面に沿って落下させ、傾斜部130の近傍の凹部11内に導くことができ、底板110の縁部における細胞の滞留を抑制することができる。従って、過大サイズの細胞塊の形成を抑制することができ、細胞塊のサイズの均一性を確保することができる。また、過大サイズの細胞塊の形成を抑制することで、細胞2が死細胞となるリスクを低減でき、細胞のロスを小さくすることできる。
また、本実施形態に係る細胞培養構造体100によれば、(3)式に示されるように、底板110が延在する平面(X−Y平面)に投影した傾斜部130の幅Wが、凹部11の開口径Dの2倍未満とされている。仮に、傾斜部130の幅Wが過度に広くなった場合には、傾斜部130の近傍に配置された凹部11内により多くの細胞が収容され、板状部材10の内周部と外周部とで凹部11内に収容される細胞数に顕著な差異が生じるおそれがある。その結果、培養後に得られる細胞塊のサイズが不均一となるおそれがある。本実施形態に係る細胞培養構造体100によれば、傾斜部130の、X−Y平面に投影した幅Wが、凹部11の開口径Dの2倍未満とされているので、傾斜部130の近傍に配置された凹部11内に収容される細胞の数が、板状部材10の内周部に配置された凹部11内に収容される細胞の数と比較して過度に多くなることを防止することができる。これにより、培養後に得られる細胞塊のサイズの均一性を確保することができる。
また、本実施形態に係る細胞培養構造体100によれば、複数の凹部11は、底板110のみならず、傾斜部130にも設けられており、底板110に設けられた凹部11の底部の高さ位置と、傾斜部130に設けられた凹部11の底部の高さ位置とが揃っている。これにより、傾斜部130に設けられる凹部11と、底板110に設けられる凹部11とを隔てる隔壁12の高さを確保することができる。
ここで、傾斜部130の幅方向に複数の凹部11を配置する場合、凹部11の配置位置が、側壁120に近づく程、凹部11の深さは深くなる。凹部11の深さが深くなると、凹部11内に侵入した気泡が抜けにくくなり、凹部11内への細胞の収容が困難となる。また、細胞培養構造体100を射出成形によって製造する場合には、凹部11の深さが深くなると、金型加工が困難となり、製造コストが高くなる。また、凹部11の深さが深くなると、細胞培養構造体100の金型からの取り外しに要する力(離型力)が大きくなり、成形不良が発生しやすくなり、生産性が低下するおそれがある。本実施形態に係る細胞培養構造体100によれば、上記のように、底板110が延在する平面(X−Y平面)に投影した傾斜部130の幅Wが、凹部11の開口径Dの2倍未満とされる。傾斜部130の幅Wを上記のように制限することで、深さの深い凹部11が形成されることがなくなる。これにより、傾斜部130に形成された凹部11において、気泡除去性の低下を抑制するとともに、細胞培養構造体100の製造コストを抑制し、生産性を高めることができる。
開示の技術の実施形態に係る細胞培養構造体100、第1の比較例に係る細胞培養構造体及び第2の比較例に係る細胞培養構造体をそれぞれ用いて細胞培養を行った。
第1の比較例に係る細胞培養構造体として、AGCテクノグラス社製、4000−903SP EZSPHERE(登録商標)SPディッシュ35mm Type903を用いた。この製品は、細胞培養容器の培養面に複数のすり鉢状のウェルが均一に配置された構造を有する。複数のウェルが設けられた培養面には、平坦な部分が存在しないので、播種されたすべての細胞が、ウェル内に落ち込み、細胞のロスを生じることなく細胞塊が形成できる、という効果が期待できる。第1の比較例に係る細胞培養構造体において、細胞を収容する凹部の平面形状は楕円形であり、その短径(開口径Dに相当)は、0.8mmであり、凹部の底部と、凹部間を隔てる隔壁の頂部との間の高さ方向の距離(距離Lに相当)は、0.4mmである。
一方、第2の比較例に係る細胞培養構造体は、開示の技術の実施形態に係る細胞培養構造体100と同様、底板、側壁及び傾斜部を備える。第2の比較例に係る細胞培養構造体は、底板を構成する板状部材の表面構造が、開示の技術の実施形態に係る細胞培養構造体100の板状部材10の表面構造と異なる。
図10A及び図10Bは、それぞれ、第2の比較例に係る細胞培養構造体の底板を構成する板状部材10Xの表面の構造を示す平面図及び斜視図である。第2の比較例に係る板状部材10Xは、開示の技術の実施形態に係る板状部材10が備える突起部13を有していない点が板状部材10と異なり、その他の構造は、板状部材10と同様である。すなわち、板状部材10Xにおいて、互いに隣接する凹部11を互いに隔てる隔壁12の交差部は、平坦面となっている。第1の比較例に係る細胞培養構造体において、凹部11の開口径(開口径Dに相当)は、1.0mmであり、凹部11の底部と、凹部11間を隔てる隔壁12の頂部との間の高さ方向の距離(距離Lに相当)は、0.5mmである。また、隔壁12の幅(図15C、15Dに示す幅Aに相当)は、8μmである。
開示の技術の実施形態に係る細胞培養構造体100において、凹部11の開口径Dは、1.0mmであり、凹部11の底部と、凹部11間を隔てる隔壁12の頂部との間の高さ方向の距離Lは、0.5mmである。隔壁12の幅(図15C、15Dに示す幅Aに相当)は、8μmである。隔壁12の頂部と突起部13の頂部との間の高さ方向における距離Hは、0.08mmである。傾斜部130の底板110が延在する平面(X−Y平面)に投影した幅Wは1.62mmである。
図11A、11B及び11Cは、それぞれ、開示の技術の実施形態に係る細胞培養構造体100、第1の比較例及び第2の比較例に係る細胞培養構造体を用いた細胞培養によって得られた細胞塊の粒径分布を示すヒストグラムである。なお、培養開始時における細胞の平均直径は15μmであった。図12A及び図12Bは、それぞれ、開示の技術の実施形態に係る細胞培養構造体100及び第2の比較例に係る細胞培養構造体を用いて行った細胞培養の、培養期間中の状態を示す顕微鏡写真である。
第1の比較例に係る細胞培養構造体を用いた培養では、粒径が380μm以上の過大サイズの細胞塊が比較的多く発生した。培養中に細胞培養構造体を運搬するなどして細胞培養構造体に振動が加わり、ウェル内に収容された細胞が、ウェル間の隔壁を乗り越えて隣接する他のウェル内に移動したためと考えられる。すなわち、第1の比較例に係る細胞培養構造体によれば、細胞のウェル間移動が容易に発生し、過大サイズの細胞塊が発生しやすく、細胞塊のサイズの均一性が損なわれ、死細胞の発生リスクが高くなる。第1の比較例に係る細胞培養構造体を用いた培養では、細胞塊の粒径の標準偏差σは、70.118μmであった。
第2の比較例に係る細胞培養構造体を用いた培養では、粒径が380μm以上の過大サイズの細胞塊の数が第1の比較例に係る細胞培養構造体を用いた場合と比較して減少した。しかしながら、粒径100μm未満の過小サイズの細胞塊が比較的多く発生した。第2の比較例に係る細胞培養構造体を用いた培養では、図12B示すように、培養開始時に播種された細胞が、凹部内に収容されずに、凹部間を隔てる隔壁の交差部に形成された平坦面上に残留したためと考えられる。第2の比較例に係る細胞培養構造体を用いた培養では、細胞塊の粒径の標準偏差σは、82.026μmであった。
一方、開示の技術の実施形態に係る細胞培養構造体100を用いた培養では、粒径が380μm以上の過大サイズの細胞塊の数は、第1の比較例に係る細胞培養構造体を用いた場合と比較して少なく且つ、粒径100μm未満の過小サイズの細胞塊の数は、第2の比較例に係る細胞培養構造体を用いた場合と比較して少ない、という結果が得られた。
過大サイズの細胞塊の数が、第1の比較例に係る細胞培養構造体を用いた場合と比較して少なくなったのは、各凹部11を囲む突起部13によって、細胞の凹部11間の移動が抑制されたためと考えられる。また過小サイズの細胞塊の数が、第2の比較例に係る細胞培養構造体を用いた場合と比較して少なくなったのは、凹部11間を隔てる隔壁12の各交差部に突起部13を設けることにより、板状部材10の表面に平坦面がなくなり、培養開始時に播種された細胞が凹部11内に誘導されたためと考えられる。開示の技術の実施形態に係る細胞培養構造体100を用いた培養では、細胞塊の粒径の標準偏差σは、62.655μmであった。
以上のように、開示の技術の実施形態に係る細胞培養構造体100によれば、凹部11内に収容された細胞の凹部11間の移動を抑制することができる。また、培養によって得られる細胞塊のサイズの均一性を高めることができる。
なお、本実施形態では、凹部11の形状を半球形状とする場合を例示したが、この態様に限定されず、凹部11の形状は、例えば、円錐形状、円錐台形状、円柱形状、角柱形状または角錐形状であってもよい。凹部11の各々の形状を角部が存在しない半球形状とすることで、細胞培養構造体100の製造が容易となり、また、各凹部11において好適な培養環境を形成できるので、凹部11の形状は半球形状が最も好ましい。
また、本実施形態では、凹部11の配列を六方最密配列とする場合を例示したが、この態様に限定されない。例えば、図13に示すように、複数の凹部11を、X方向及びX方向と直交するY方向に沿って格子状に配列してもよい。なお、図13において、複数の凹部11を互いに区別するために、参照符号11に添え字a〜iを付与している。また複数の隔壁12を互いに区別するために、参照符号12に添え字ac、ae、ag、ai、bc、cd、de、ef、fg、gh、hi、ibを付与している。
図13において、中央に示された凹部11aは、4つの凹部11c、11e、11g、11iに隣接している。凹部11bは、凹部11i及び11cに隣接している。凹部11dは、凹部11c及び11eに隣接している。凹部11fは、凹部11e及び11gに隣接している。凹部11hは、凹部11g及び11iに隣接している。隔壁12acは、凹部11aと11cとを互いに隔てている。隔壁12aeは、凹部11aと11eとを互いに隔てている。隔壁12agは、凹部11aと11gとを互いに隔てている。隔壁12aiは、凹部11aと11iとを互いに隔てている。隔壁12bcは、凹部11bと11cとを互いに隔てている。隔壁12cdは、凹部11cと11dとを互いに隔てている。隔壁12deは、凹部11dと11eとを互いに隔てている。隔壁12efは、凹部11eと11fとを互いに隔てている。隔壁12fgは、凹部11fと11gとを互いに隔てている。隔壁12ghは、凹部11gと11hとを互いに隔てている。隔壁12hiは、凹部11hと11iとを互いに隔てている。隔壁12ibは、凹部11iと11bとを互いに隔てている。図13に示すように、複数の凹部11が格子状配列の形態で配列されている場合、1つの凹部11は、4つの隔壁12によって囲まれる。
複数の凹部11が、図13に示すように格子状配列の形態で配列される場合においても、突起部13は、複数の隔壁12が交差する各交差部に設けられる。図13に示すように、隔壁12bc、12ac、12ai、12ibの交差部、隔壁12cd、12de、12ae、12acの交差部、隔壁12ae、12ef、12fg、12agの交差部、隔壁12ai、12ag、12gh、12hiの交差部に、それぞれ、突起部13が設けられている。換言すれば、図14に示すように、互いに隣接する各2つの凹部11の中心を結ぶ各線分によって囲まれた各領域(破線で囲まれた四角形の領域)の中央に、突起部13が設けられている。突起部13を上記のように配置した場合、1つの凹部11は、4つの突起部13によって囲まれる。
突起部13の形状は特に限定されないが、例えば、複数の凹部11が、格子状配列の形態で配列されている場合には、突起部13の形状は、四角錐状または、突起部13の頂部に対応する四角錐の頂点を切り欠いた形状であってもよい。この場合、切り欠かれた突起部13の頂部の上面は、平坦であってもよく、または湾曲していてもよい。
突起部13の形状を四角錘状または四角錘の頂点を切り欠いた形状とした場合、突起部13の各々は、突起部13の中央部(頂部)から裾部の間で、隔壁12に連なる傾斜した4つの傾斜面を有することになる。これら4つの傾斜面は、それぞれ、当該突起部13に隣接する4つの凹部11に向けて傾斜していることが好ましい。
図15A、図15B、図15C、図15Dは、それぞれ、隔壁12の頂部の形態のバリエーションを示す断面図である。図15A〜図15Dには、互いに隣接する凹部11の中心を結ぶ線分に沿った断面(X−Z平面)が示されている。
隔壁12は、図15A及び図15Bに示すように、その上面(凹部11の開口側の面)が、凸状の非平坦面であってもよい。この場合、隔壁12の上面は、図15Aに示すように、滑らかに湾曲していてもよいし、図15Bに示すように、頂点を形成するように屈曲していてもよい。
また、隔壁12の上面は、図15Cに示すように、平坦面であってもよく、図15Dに示すように、凹状の非平坦面であってもよい。これらの場合、互いに隣接する凹部11の中心を結ぶ線分の方向(X方向)における隔壁12の頂部の幅Aは、培養開始時に、細胞培養構造体100に播種される細胞(単一細胞及び細胞塊を含む)の平均直径の2分の1以下であることが好ましく、3分の1以下がより好ましく、4分の1以下が更に好ましい。隔壁12の頂部の幅Aを、細胞培養構造体100に播種される細胞(単一細胞及び細胞塊を含む)の平均直径の2分の1以下とすることで、凹部11内に収容されることなく、隔壁12の上面に留まり続ける細胞の数を抑制することができ、細胞のロスを抑制することができる。なお、隔壁12の上面が、図15A及び図15Bに示すような凸状の非平坦面である場合、互いに隣接する凹部11の中心を結ぶ線分の方向(X方向)における隔壁12の頂部の幅は、実質的にゼロとみなすことができ、隔壁12の上面に留まり続ける細胞の数をより効果的に抑制することができ、より好ましい。
なお、細胞の平均直径は、培養液に含まれる細胞サンプルを撮像装置(図示しない)で撮像して得られた画像から画像解析により求めることができる。この場合、サンプル数が少ないとサンプルの偏りの影響があるので、サンプル数は、500個以上とすることが好ましい。細胞の直径として、円相当直径を算出してもよい。円相当直径は、対象物(この場合単一細胞または細胞塊)の輪郭線によって画定される領域を、同じ面積を有する円とみなした場合の円の直径である。
また、本実施形態においては、細胞培養構造体100が、板状部材10からなる底板110と、側壁120とを含む、容器の形態を有する場合を例示したが、この態様に限定されるものではない。図16A及び図16Bは、開示の技術の他の実施形態に係る細胞培養構造体100Aの構成の一例を示す斜視図である。
図16A及び16Bに示すように、細胞培養構造体100Aは、板状部材10のみで構成されていてもよい。すなわち、細胞培養構造体100Aは、プレートの形態を有している。細胞培養構造体100Aにおける板状部材10の表面構造は、容器の形態を有する細胞培養構造体100の底板110を構成する板状部材10と同じである。細胞培養構造体100Aにおいて、板状部材10の主面の外形は、任意の形状とすることができ、例えば、図16Aに示すように、四角形であってもよく、また、図16Bに示すように、円形であってもよい。本実施形態に係る細胞培養構造体100Aの使用形態として、例えば、一般的なシャーレ等の容器の底面に、細胞培養構造体100Aを載置して使用する形態を例示することができる。
また、上記の実施形態では、傾斜部130に設けられた凹部11の底部の深さ位置と、底板110に設けられた凹部11の底部の深さ位置とが同じである場合を例示したが、図17に示すように、傾斜部130に設けられた凹部11の底部の深さ位置と、底板110に設けられた凹部11の底部の深さ位置とが異なっていてもよい。この場合、傾斜部130に設けられた凹部11の底部と隔壁12の頂部12との間の高さ方向における距離Leが、底板110に設けられた凹部11の底部と隔壁12の頂部12との間の高さ方向における距離L以上であればよい。この構成においても、細胞の凹部間の移動、細胞の回収性及び気泡除去性に関して、図7A、図7Bに示す構成と同様の性能を確保することができる。
1 培地
2 細胞
10、10X 板状部材
12 隔壁
13 突起部
100、100A 細胞培養構造体
110 底板
111 縁部
120 側壁
130 傾斜部
2 細胞
10、10X 板状部材
12 隔壁
13 突起部
100、100A 細胞培養構造体
110 底板
111 縁部
120 側壁
130 傾斜部
Claims (11)
- 板状部材に設けられた複数の凹部と、
前記複数の凹部のうちの互いに隣接する凹部を互いに隔てる複数の隔壁と、
前記複数の隔壁が交差する各交差部に設けられ、前記隔壁の頂部の高さよりも高い頂部を有する突起部と、
を含む細胞培養構造体。 - 前記複数の凹部のうち、互いに隣接する2つの凹部が並ぶ方向における、当該2つの凹部を互いに隔てる前記隔壁の頂部の幅は、培養開始時の細胞の平均直径の2分の1以下である
請求項1に記載の細胞培養構造体。 - 前記隔壁の頂部は、凸状の非平坦面を有する
請求項1または請求項2に記載の細胞培養構造体。 - 前記複数の凹部の各々は、4つ以上の前記隔壁及び4つ以上の前記突起部に囲まれている
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の細胞培養構造体。 - 前記突起部の各々は、当該突起部の中央部から裾部の間で、前記隔壁に連なる傾斜した3つ以上の傾斜面を有する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の細胞培養構造体。 - 前記複数の凹部の各々の形状は、半球状である
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の細胞培養構造体。 - 前記複数の凹部の各々は、6つの他の凹部と隣接している
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の細胞培養構造体。 - 前記隔壁の頂部と前記突起部の頂部との間の高さ方向における距離をHとし、前記隔壁の頂部と前記凹部の底部との間の前記高さ方向における距離をLとし、前記凹部の開口径をDとしたとき、H≧L/10且つ2D≧3Lを満たす
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の細胞培養構造体。 - 前記板状部材を底板として有し、
前記底板の外縁を囲む側壁と、
前記底板と前記側壁との間に傾斜面を形成する傾斜部と、
を更に含み、
前記複数の凹部のうちの一部が、前記傾斜部に設けられている
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の細胞培養構造体。 - 前記複数の凹部の各々の開口径をDとし、前記底板が延在する平面に投影した前記傾斜部の幅をWとしたとき、W<2Dを満たす
請求項9に記載の細胞培養構造体。 - 底板と、
前記底板の外縁を囲む側壁と、
前記底板と前記側壁との間に傾斜面を形成する傾斜部と、
前記底板及び前記傾斜部に亘って設けられた複数の凹部と、
を含み、
前記複数の凹部の各々の開口径をDとし、前記底板が延在する平面に投影した前記傾斜部の幅をWとしたとき、W<2Dを満たす
細胞培養構造体。
Priority Applications (1)
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JP2017072301 | 2017-03-31 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2017084034A Pending JP2020096534A (ja) | 2017-03-31 | 2017-04-20 | 細胞培養構造体 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020096534A (ja) |
-
2017
- 2017-04-20 JP JP2017084034A patent/JP2020096534A/ja active Pending
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