JP2020096280A - 撮像装置、撮像装置の制御方法、およびプログラム - Google Patents

撮像装置、撮像装置の制御方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】異なる露光時間で撮像された複数の画像を合成する場合において動体領域に生じる画質劣化を低減した画像を生成可能にすることを課題とする。【解決手段】撮像装置(400)は、被写体を撮像する複数の露光時間を制御する露光時間制御手段(401,407)と、被写体を複数の露光時間で時分割して撮像した複数の撮像画像を取得する画像取得手段(403)と、複数の撮像画像を合成してHDR画像を生成する合成手段(405)と、少なくとも撮像画像とHDR画像とを基に、HDR画像の中の被写体の残像による画質の劣化値を算出する算出手段(406)と、を有し、露光時間制御手段(401,407)は、劣化値が所定の閾値より低くなる露光時間を選択する。【選択図】図4

Description

本発明は、複数の画像を撮像して合成する場合の撮像制御の技術に関する。
従来、短い露光時間と長い露光時間のように異なる露光時間の撮像を繰り返して得られた複数の画像を合成することによりハイダイナミックレンジ(HDR)画像を生成する場合に、画像内の動体領域に生じる画質劣化を低減する様々な方法が提案されている。特許文献1では、動体領域を検出し、その領域内の画素ではHDR合成を行わないことで、動体領域がHDR合成されることで生じる二重像を低減する方法を開示している。また特許文献2では、特殊なセンサを用いて、撮像フレーム間の時間間隔を短くすることで、動体に生じる二重像を低減する方法を開示している。
特開平10−243288号公報 米国特許出願公開第2014/0211042号明細書
前述のような異なる露光時間の撮像で得られた画像をHDR合成した場合、動体領域の二重像の他に、露光時間の違いに起因して動体領域にシャープな残像(いわゆる尾引き)が発生することがある。一般的に、動画を撮像する際には、動体の動きが滑らかに見えるように、シャッタ角度が180°又は360°となる長い露光時間で撮像が行われるため、動体領域には大きなブレが生じて尾引きも大きくなる。このため、異なる露光時間で撮像した画像のHDR合成によりシャープな尾引きが発生したHDR画像を動画表示すると、動体の動きがカクカクして見えるいわゆるジャーキネスと呼ばれる画質劣化が発生する場合がある。しかしながら、前述した特許文献1や特許文献2に開示された方法では、動体領域のシャープな尾引きの発生に伴うジャーキネスを低減することができない。
そこで、本発明は、異なる露光時間で撮像された画像を合成する場合において動体領域に生じる画質劣化を低減した画像の生成を可能にすることを目的とする。
本発明の撮像装置は、被写体を撮像する複数の露光時間を制御する露光時間制御手段と、前記被写体を前記複数の露光時間で時分割して撮像した複数の撮像画像を取得する画像取得手段と、前記複数の撮像画像を合成してハイダイナミックレンジの合成画像を生成する合成手段と、少なくとも前記撮像画像と前記合成画像とを基に、前記合成画像の中の前記被写体の残像による画質の劣化値を算出する算出手段と、を有し、前記露光時間制御手段は、前記劣化値が所定の閾値より低くなる露光時間を選択することを特徴とする。
本発明によれば、異なる露光時間で撮像された複数の画像を合成する場合において動体領域に生じる画質劣化を低減した画像の生成が可能となる。
実施形態の撮像装置の構成例を示す図である。 移動する被写体とその撮影のイメージ図である。 時分割撮像タイミングと撮像画像例を示す図である。 撮像装置の機能ブロック図である。 第一の実施形態の撮像装置の動作を示すフローチャートである。 第二の露光時間で撮像した画像を合成したHDR画像例を示す図である。 動きブレを付与するフィルタの算出例を説明する図である。 第一の実施形態の劣化値算出部の動作を示すフローチャートである。 撮像画像とHDR画像をフーリエ変換した画像例を示す図である。 視覚の空間周波数応答特性を説明する図である。 視覚の空間周波数応答特性乗算後のフーリエ変換画像例を示す図である。 空間成分劣化値・フレームレート−尾引き劣化値のLUTを示す図である。 第一の露光時間で撮像した画像を合成したHDR画像例を示す図である。 尾引き劣化が大きい領域を強調表示したHDR画像例を示す図である。 画素位置違いに伴う空間周波数特性の差異を説明する図である。 第二の実施形態の劣化値算出部の動作を示すフローチャートである。 撮像画像をフーリエ変換した画像例を示す図である。 評価画像例を示した図である。 枯葉チャートの幾何パラメータを説明する図である。 枯葉チャートの生成例を説明する図である。 評価画像をフーリエ変換した画像例を示す図である。 評価画像・ΔDR−空間成分劣化値のLUT例を示す図である。 ブレを付与した評価画像例を示す図である。 HDR合成した評価画像例を示す図である。 被写体情報を基に選択した第一の露光時間の表示UI例を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は本発明を限定するものではない。また以下の説明において同一の構成については同じ参照符号を付して説明する。
<第一の実施形態>
図1は、本発明実施形態の撮像装置(例えばデジタルカメラ)の概略構成例を示したブロック図である。
撮像部101は、レンズ、絞り、シャッタ、光学ローパスフィルタ、カラーフィルタ、及び、CMOSやCCDなどの撮像センサ、A/D変換器等を有する。撮像部101は、被写体等から反射された反射光の光量を検知し、A/D変換を経たデジタルデータを、データ転送経路であるバス111に出力する。撮像制御部105は、撮像部101に対して、フォーカス合わせ、シャッタ開閉、絞り調節、感度設定、露光時間設定などの制御を行う。本実施形態の撮像装置においてハイダイナミックレンジ(HDR)合成によりHDR画像を生成する場合、撮像制御部105は、短い露光時間と長い露光時間の異なる露光時間による撮像を繰り返すように撮像部101を制御する。HDR合成およびHDR画像の生成、そのための露光時間の制御等の詳細については後述する。
ROM102とRAM103は、撮像や画像処理に必要なプログラム、データ、作業領域などをCPU104に提供する。RAM103は、撮像部101により撮像されてA/D変換された画像データを一時的に蓄積するバッファメモリや、ディスプレイ等に表示する画像データを一時的に蓄積するビデオメモリ、CPU104のワークメモリとして使用される。CPU104は、ROM102に格納されているプログラムを読み出してRAM103に展開して実行し、バス111を介して各構成を制御することで、後述する撮像装置の制御に関連する処理を含む様々な処理を実現する。
表示部107は、画像処理部110から受け取った撮像画像や文字等を、液晶ディスプレイなどの表示装置に表示させる。なおこの場合の表示装置には、デジタルカメラに搭載されたディスプレイや電子ビューファインダの他、外部接続されたディスプレイも含まれる。操作部106は、ボタンやモードダイヤルなどからなる。ユーザは、操作部106介して、電源の起動や処理パラメータの設定など各種の指示を入力することができる。またデジタルカメラの表示装置がタッチスクリーン機能を有している場合、このタッチスクリーンも操作部106に含まれ、ユーザはタッチスクリーンを介して様々な指示を入力することができる。
外部I/F部108は、PC(パーソナルコンピュータ)や、その他の外部メディア等109、例えばハードディスク、メモリカード、CFカード(CFは登録商標)、SDカード、USBメモリと接続するためのインターフェースである。
画像処理部110は、撮像部101で撮像されて一時的にRAM103に蓄積された画像データに対し、デジタルカメラにおいて行われる様々な画像処理を行う。また画像処理部110ではHDR画像を生成するHDR合成のための画像処理も行われる。本実施形態においてHDR画像を生成する場合、画像処理部110は、短い露光時間と長い露光時間の異なる露光時間による撮像を繰り返すような時分割撮像により得られた複数の画像を、後述するようにHDR合成するような画像処理を行う。
ここで、撮像装置(デジタルカメラ)において、短い露光時間と長い露光時間の異なる露光時間による撮像を繰り返すようにして時分割撮像した複数の画像をHDR合成してHDR画像を生成する場合の問題点について説明する。
図2は、撮像装置202が被写体201を撮影している状態を表したイメージ図である。被写体201は、幅Δ(pixel)の物体であり、例えば図の右側方向へ速度v(pixel/frame)で移動しているとする。そして、撮像装置202は、この被写体201を、短い露光時間と長い露光時間の異なる露光時間による撮像を繰り返す時分割撮像により複数の撮像画像を取得しているとする。
図3(a)には、時分割撮像により取得される各フレーム画像の露光開始および露出終了タイミングを表すタイムラインを示している。図3(a)において、露光時間TSと露光時間TLとは、それぞれが撮像時の露光時間を表しており、露光時間TLは露光時間TSよりも長い時間になっている。以下の説明では、時分割撮像により取得された時間順で隣接したi−1番目,i番目,i+1番目,・・・のフレーム画像を、それぞれ撮像画像i−1,撮像画像i,撮像画像i+1,・・・とする。また以下の例では、撮像画像iが例えば長い露光時間TLで撮像された画像であり、撮像画像iの前後の撮像画像i−1と撮像画像i+1とはそれぞれ短い露光時間TSにより撮像された画像であるとする。またこれら撮像画像i−1,撮像画像i,撮像画像i+1,・・・の撮像は、時間間隔TFPSごとに繰り返し行われるとする。
図3(b)は、短い露光時間TSにより撮像された例えば撮像画像i−1のイメージ図である。撮像画像i−1の場合、前述したように短い露光時間TSで撮像された画像であるため、この撮像画像内に写っている被写体201は暗く(適切な露光レベルに対して暗く)、また動きブレは小さくなっている。
一方、図3(c)は、長い露光時間TLにより撮像された撮像画像iのイメージ図である。撮像画像iの場合、前述したように長い露光時間TLで撮像された画像であるため、撮像画像内に写っている被写体201は明るく(例えば適切な露光レベル)なるが、動きブレは大きくなっている。
また図2に示した被写体201は右側方向へ速度vで移動しているため、撮像画像i−1内の被写体201は、撮像画像i内の被写体201よりも左側へv×(TFPS−0.5×(TL−TS))/TFPS(pixel)だけずれた位置となる。図示は省略しているが、撮像画像i+1内の被写体201は、撮像画像i内の被写体201よりも右側へv×(TFPS+0.5×(TL−TS))/TFPS(pixel)ずれた位置となる。
また、時分割撮像された複数の撮像画像をHDR合成する場合には、前述したように、動体領域の二重像の他に、露光時間の違いに起因して動体領域にシャープな残像(いわゆる尾引き)が発生する。そして、そのHDR画像を動画表示する場合には、動体の動きがカクカクして見えるジャーキネスと呼ばれる画質劣化が発生する。
そこで、本実施形態では、HDR画像の生成のために時分割撮像により複数の画像を撮像する際に、動体領域の尾引きに伴うジャーキネスを低減したHDR画像を取得可能となる露光時間を設定し、その露光時間で撮像した画像を用いたHDR合成を行う。詳細は後述するが、本実施形態の撮像装置は、撮像画像とHDR画像との空間周波数特性と、フレームレートとを基に、HDR画像内での被写体の尾引き劣化値を算出し、その尾引き劣化値が所定の閾値よりも低くなる露光時間を設定する。尾引き劣化値が所定の閾値よりも低くなる露光時間は、例えば予め用意された複数の露出時間の中から選択する。
図4は本実施形態における主要部の機能ブロック400を示した図であり、以下、本実施形態の機能ブロック400に係る各機能について、図1に示した撮像装置100の構成を参照しながら説明する。
露光時間設定部401と露光時間選択部407とは撮像部101の露光時間制御を行う機能部であり、露光時間設定部401の機能は、CPU104による制御の下で撮像制御部105が撮像部101の露光時間を制御することにより実現される。露光時間設定部401は、撮像部101において前述した時分割撮像を行う際の異なる露光時間を設定する。また、露光時間設定部401は、その設定した露光時間の情報を感度設定部402と画像取得部403と画像合成部405とに出力する。露光時間選択部407については後述する。
感度設定部402は撮像部101の露光感度設定を行う機能部であり、この機能はCPU104による制御の下で撮像制御部105が撮像部101の露光感度を制御することにより実現される。感度設定部402は、撮像部101において前述した時分割撮像を行う際の複数のセンサ感度(ISOの値)を設定する。また、感度設定部402は、その設定したセンサ感度の情報を画像取得部403へ出力する。
画像取得部403は撮像部101により撮像画像を取得する機能部であり、この機能はCPU104による制御の下で撮像制御部105が撮像部101の撮像動作を制御することにより実現される。画像取得部403は、露光時間設定部401にて設定された異なる露光時間による時分割撮像を行って撮像画像を取得する。そして画像取得部403は、その取得した撮像画像を画像合成部405と劣化値算出部406とに出力する。
フレームレート取得部404は画像撮像時のフレームレートを取得する機能部であり、この機能はCPU104が実現する。フレームレート取得部404は、前述した時分割撮像による画像撮像時のフレームレートを取得する。フレームレートは予め決められているが、複数のフレームレートの中からユーザが任意に選択することも可能である。フレームレート取得部404は、取得したフレームレートの情報を劣化値算出部406へ出力する。
画像合成部405は時分割撮像により取得された撮像画像を合成する機能部であり、この機能はCPU104による制御の下で画像処理部110により実現される。画像合成部405は、露光時間設定部401からの露光時間の情報を基に、画像取得部403での時分割撮像により得られた複数の撮像画像をHDR合成する。画像合成部405にて合成されたHDR画像は、劣化値算出部406へ出力され、また、バス111を介して出力される。
劣化値算出部406は動体の被写体上に生じる尾引きに起因した画像の劣化度合いを表す尾引き劣化値を算出する機能部であり、この機能は概ねCPU104が実現する。なお、劣化値算出部406において画像に係る処理については画像処理部110が担当してもよい。劣化値算出部406は、画像取得部403からの撮像画像と、画像合成部405からのHDR画像とを基に、HDR合成によって動体の被写体上に生じる尾引きに起因した画像の劣化度合いを算出する。劣化値算出部406における劣化値算出処理の詳細は後述する。劣化値算出部406は、尾引きに起因した画像の劣化度合いを表す尾引き劣化値を、露光時間選択部407へ出力する。
露光時間選択部407は撮像部101における露光時間を選択する機能部であり、この機能はCPU104が実現する。露光時間選択部407は、劣化値算出部406からの尾引き劣化値を基に、後述するようにして、HDR合成により生じる被写体上の尾引きによる画質劣化を低減可能となる露光時間を選択する。本実施形態では、複数の露光時間の中から画質劣化を低減可能となる露光時間を選択する。露光時間選択部407は、その選択した露光時間の情報を露光時間設定部401へ出力する。これにより露光時間設定部401では、尾引きによる画質劣化を低減可能となる露光時間を設定することが可能となり、その設定した露光時間の情報を、感度設定部402と画像取得部403と画像合成部405とへ出力する。
図5は、第一の実施形態における撮像装置が実行する処理のフローチャートである。図5に示すフローチャートの処理は、CPU104が、本実施形態に係るプログラムをROM102から読み出してRAM103上に展開して実行することにより実施される。なお、図5のフローチャートの処理の全てがハードウェア構成により実現されても良いし、一部の処理がハードウェア構成により行われ残りの処理がプログラムによるソフトウェア構成により実行されてもよい。以下の説明では、図5のフローチャートの処理ステップS501〜ステップS514をそれぞれS501〜S514と略記する。これらのことは後述する他のフローチャートにおいても同様であるとする。
先ずS501において、露光時間設定部401は、後述するS512で選択済みの、尾引きを低減可能な第一の露光時間がRAM103等の記憶領域に記憶されているか否かを判定する。なお、以下の説明では記載の簡略化のため、RAM103等の記憶領域を単に記憶領域とのみ表記する。露光時間設定部401は、選択済みの第一の露光時間が記憶されていると判定した場合にはS504へ処理を移行し、一方、選択済みの第一の露光時間が記憶されていないと判定した場合にはS502へ処理を移行する。
S502に進むと、露光時間設定部401は、ユーザにより指定されて所定の記憶領域に記憶されている第二の露光時間を、後述するS506で撮像画像を取得(撮像)する際の露光時間に設定する。本実施形態では、第二の露光時間として、露光時間TS2=1/480(sec)と露光時間TL2=1/30(sec)とが設定されているとする。なお、第二の露光時間TS2は図3で説明した短い露光時間TSであり、第二の露光時間TL2は長い露光時間TLである。露光時間設定部401は、これら第二の露光時間TS2,TL2を、所定の記憶領域に記憶する。S502の後、撮像装置の処理は感度設定部402で行われるS503へと移行する。
S503に進むと、感度設定部402は、ユーザにより指定されて所定の記憶領域に記憶されている第二のセンサ感度を、後述するS506で撮像画像を取得(撮像)する際のセンサ感度に設定する。本実施形態では、第二のセンサ感度として、ISOS2=800、ISOL2=800が設定されているとする。なお、第二のセンサ感度ISOS2は第二の露光時間TS2で画像を撮像する際のセンサ感度(ISO)の設定値であり、第二のセンサ感度ISOL2は第二の露光時間TL2で画像を撮像する際のセンサ感度(ISO)の設定値である。感度設定部402は、これら第二のセンサ感度ISOS2,ISOL2を、所定の記憶領域に記憶する。
またS504に進んだ場合、露光時間設定部401は、第一の露光時間を、後述するS506で撮像画像を取得(撮像)する際の露光時間に設定する。本実施形態では、後述するS512で選択済みの第一の露光時間として、露光時間TS1=1/120(sec)と露光時間TL1=1/30(sec)とが設定されているとする。なお、露光時間TS1は図3で説明した短い露光時間TSであり、露光時間TL1は長い露光時間TLである。露光時間設定部401は、これらの第一の露光時間TS1,TL1を、所定の記憶領域に記憶する。S504の後、撮像装置の処理は感度設定部402で行われるS505へと移行する。
S505に進むと、感度設定部402は、第一の露光時間TS1およびTL1と、第二の露光時間TS2およびTL2と、第二のセンサ感度ISOS2およびISOL2とから、以下の式(1)により第一のセンサ感度ISOS1およびISOL1を設定する。
ここで本実施形態において、第一の露光時間はTS1=1/120(sec)およびTL1=1/30(sec)に設定され、第二の露光時間はTS2=1/480(sec)およびTL2=1/30(sec)に設定されている。したがって、第二のセンサ感度をISOS2=800およびISOL2=800、第一のセンサ感度をISOL1=800に設定した場合、式(1)により、ISOS1=200となる。感度設定部402は、これら設定した第一のセンサ感度ISOS1およびISOL1を、所定の記憶領域に記憶する。
前述したS503またはS505の後、撮像装置の処理は画像取得部403で行われるS506へと移行する。
S506に進むと、画像取得部403は、S502およびS503、または、S504およびS505で設定した露光時間およびセンサ感度で撮像した画像を取得する。本実施形態では、解像度がIMG(pixel)×IMG(pixel)で、8bitグレースケールの撮像画像が取得されるとする。画像取得部403は、この取得した撮像画像を所定の記憶領域に記憶する。S506の後、撮像装置の処理はフレームレート取得部404で行われるS507へと移行する。
S507に進むと、フレームレート取得部404は、S506で取得された撮像画像のフレームレートを取得する。フレームレート取得部404は、取得したフレームレートの情報を所定の記憶領域に記憶する。S507の後、撮像装置の処理は画像合成部405で行われるS508へと移行する。
S508に進むと、画像合成部405は、時間的に隣接したフレームの画像、例えば撮像画像i−1と撮像画像iとを用いて、公知のトーンマッピングアルゴリズムを用いてHDR画像を合成する。画像合成部405は、このHDR合成により生成したHDR画像を所定の記憶領域に記憶する。
本実施形態では、ユーザ指定の第二の露光時間による撮像で得られた撮像画像をHDR合成した場合、撮像画像i−1の露光時間が1/480(sec)と短いため、図6に示すように画像内の被写体201の領域の尾引きのブレが小さい合成画像が生成される。一方で、被写体の尾引きのブレが小さいため、HDR画像を動画として連続表示すると、被写体の動きがカクカクして見えるジャーキネスと呼ばれる画質劣化が発生する。S508の後、撮像装置の処理は劣化値算出部406で行われるS509へと移行する。
S509に進むと、劣化値算出部406は、第一の露光時間が所定の記憶領域に記憶されている否かを判定する。劣化値算出部406は、第一の露光時間が記憶されていると判定した場合には、尾引きを低減したHDR画像を取得できたと判定し、処理を終了する。一方、第一の露光時間が記憶されていないと判定した場合、劣化値算出部406は、尾引き劣化値の算出と尾引きを低減する露光時間の選択処理とが行われていないと判定し、S510へ処理を移行する。
S510に進むと、劣化値算出部406は、図3(c)に示したような長い露光時間による撮像画像iをHDR合成したHDR画像の尾引き劣化値Vを算出する。尾引き劣化値算出処理の詳細については後述する。S510の後、撮像装置の処理は露光時間選択部407で行われるS511へと移行する。
S511に進むと、露光時間選択部407は、閾値Vthを用いて、尾引き劣化値V<Vth(本実施形態ではVth=0.2)を満たすか否かを判定する。露光時間選択部407は、V<Vthを満たすと判定した場合には、尾引き劣化を低減する露光時間を選択できていると判定してS512へ移行する。一方、V<Vthを満たさないと判定した場合、露光時間選択部407は、尾引き劣化を低減する露光時間を選択できていないと判定し、S513へ移行する。
S512に進むと、露光時間選択部407は、S511で尾引き劣化を低減できると判定した露光時間を第一の露光時間に選択する。本実施形態では、第一の露光時間として、TS1=1/120(sec)、TL1=1/30(sec)が選択されているとする。露光時間選択部407は、この選択した第一の露光時間を所定の記憶領域に記憶する。これにより、露光時間選択部407で選択された露光時間が露光時間設定部401に送られることになる。S512の後、撮像装置の処理はS501へ戻る。
S513に進んだ場合、露光時間選択部407は、S511で尾引き劣化を低減できないと判定された露光時間を更新する。本実施形態では、撮像画像i−1の露光時間TS2=1/480(sec)を所定倍、例えば2倍にしたT´S2=1/240(sec)を撮像画像i−1の露光時間として更新する。露光時間選択部407は、更新した露光時間を所定の記憶領域に記憶する。これにより、露光時間選択部407で更新した露光時間が露光時間設定部401に送られることになる。S513の後、撮像装置の処理は画像合成部405で行われるS514へと移行する。
S514に進むと、画像合成部405は、S513の更新で撮像画像i−1の露光時間TS2が増加した分のブレを撮像画像i−1に付与する。
ここでS514において、先ず、画像合成部405は、S506で取得された撮像画像i−1と撮像画像iに対し、図7(a)、図7(b)に示すフーリエ変換画像FFTi-1,FFTiを生成する。次に、画像合成部405は、図7(c)に示すフィルタサイズF(pixel)×F(pixel)の平均値フィルタによりフーリエ変換画像FFTF(図7(d))を生成する。本実施形態では、フィルタサイズFの初期値はF=2(pixel)とする。次に、画像合成部405は、以下の式(2)を満たすか否かを判定し、式(2)を満たすまで平均値フィルタのサイズをF=F+1とする更新を繰り返す。なお式(2)において、fx,fyはフーリエ変換画像中心を原点(0,0)とした時における各画素のx座標、y座標である。ΔFは平均値フィルタサイズの更新の可否を判定する閾値であり、本実施形態では、ΔF=0.1とする。
さらに画像合成部405は、撮像画像i−1にブレを付与する平均値フィルタサイズF´を算出する。画像合成部405は、繰り返し演算で算出した式(2)を満たす平均値フィルタサイズFCと、撮像画像i−1の更新前後の露光時間TS2,T´S2、撮像画像iフレームの露光時間TL2から、以下の式(3)により、平均値フィルタサイズF´を算出する。
そして、画像合成部405は、撮像画像i−1に対し、算出した平均値フィルタサイズF´による平均値フィルタ処理を行うことにより、テップS513の露光時間更新で撮像画像i−1の露光時間TS2が増加した分のブレを撮像画像i−1に付与する。画像合成部405は、このようにしてブレを付与した撮像画像i−1を所定の記憶領域に記憶する。S514の後、撮像装置の処理はS508へ戻る。
次に、S510で劣化値算出部406により行われる尾引き劣化値算出処理の詳細について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずS801において、劣化値算出部406は、S506で取得された撮像画像iをフーリエ変換した画像FFTiを生成する。図9(a)はフーリエ変換画像FFTiの例を示した図である。劣化値算出部406は、この生成したフーリエ変換画像FFTiを所定の記憶領域に記憶する。
次にS802において、劣化値算出部406は、S508で合成されたHDR画像をフーリエ変換した画像FFTHDRを生成する。図9(b)はHDR画像をフーリエ変換した画像FFTHDRの例を示した図である。劣化値算出部406は、その生成したHDR画像のフーリエ変換画像FFTHDRを所定の記憶領域に記憶する。
次にS803において、劣化値算出部406は、S801、S802で生成したフーリエ変換画像に対して、視覚の空間周波数応答特性を乗算する。例えば劣化値算出部406は、公知のDooleyの近似式から、視聴者の視距離Rを600(mm)として、以下の式(4)に示す空間周波数応答特性を、フーリエ変換画像に対して乗算する。なお、式(4)のρは、撮像画像の視聴時における被写体の空間周波数(cycle/degree)である。また図10に示す曲線は、視覚の空間周波数応答特性vtf(ρ)であり、4〜5cycle/degree辺りにピークをもつバンドパス特性となる。
vtf(ρ)=5.05・exp(-0.138ρ)・(1−exp(-0.1ρ)) 式(4)
さらに劣化値算出部406は、ρの単位cycle/degreeと、S801、S802で算出したフーリエ変換画像の空間周波数fの単位cycle/pixelとが一致するようにリサンプリングする。リサンプリングした視覚の空間周波数応答特性VTF(f)は以下の式(5)に従う。
ここで、撮像画像を視聴するディスプレイの画素ピッチをp(mm)、映像のx方向画素数をNx(pixel)とする。これらの値は、一般的な視聴者の観察環境に基づいて定められているとする。したがって劣化値算出部406は、S801、S802で生成したフレーム変換画像FFTi、FFTHDRに対して、以下の式(6)に従い、VTF(f)を乗算することによりVTFフィルタリング画像VTFi、VTFHDRを生成する。なお、式(6)のfx、fyはフーリエ変換画像中心を原点(0,0)とした時における各画素のx座標、y座標である。
図11(a)と図11(b)は、撮像画像iとHDR画像のフーリエ変換画像に視覚の空間周波数応答特性を乗算したVTFフィルタリング画像VTFi(図11(a))、VTFHDR(図11(b))を示した図である。これら画像では、視覚の応答特性が高い空間周波数である4〜5cycle/degreeの周波数帯域で画素値が高くなっている。そして劣化値算出部406は、それら生成したVTFフィルタリング画像VTFi、VTFHDRを所定の記憶領域に記憶する。
次にS804において、劣化値算出部406は、VTFフィルタリング画像VTFi、VTFHDRから、以下の式(7)に従い、空間成分劣化値を算出する。そして劣化値算出部406は、算出した空間成分劣化値を所定の記憶領域に記憶する。
次にS805において、劣化値算出部406は、S804で算出した空間成分劣化値と、S507で取得されたフレームレートとから、予め算出しておいたLUT(ルックアップテーブル)を参照することにより、尾引き劣化値を算出する。本実施形態では、図12に示すLUTを参照しており、このLUTによれば、フレームレートが低く、空間劣化値が大きい場合に、尾引き劣化値が大きくなっている。そして劣化値算出部406は、算出した尾引き劣化値を所定の記憶領域に記憶する。
図13は、前述のようにして選択された第一の露光時間で撮像した画像を合成したHDR画像例を示した図である。本実施形態では、撮像画像i−1の露光時間が1/120(sec)であり、第二の露光時間で設定した1/480(sec)よりも長いため、被写体201の尾引きのブレが大きいHDR画像が合成される。一方で、被写体201の尾引きのブレが大きいため、HDR画像を動画として連続表示しても被写体の動きが滑らかに見えてジャーキネスは発生しない。
以上説明したように、第一の実施形態の撮像装置においては、異なる露光時間で時分割撮像した画像をHDR合成する際に、動体に生じるシャープな尾引きに伴うジャーキネスを低減したHDR画像を取得可能な露光時間を選択することができる。すなわち、本実施形態の撮像装置によれば、異なる露光時間で時分割撮像された複数の撮像画像をHDR合成する場合に動体領域に生じる画質劣化を低減したHDR画像を生成可能となる。
また本実施形態では、LUTを参照して尾引き劣化値を算出したが、前後数フレームの撮像画像とHDR画像のフーリエ変換画像に対し、フレームレートに応じて公知のKellyのVTFを乗算した時空間周波数特性の差分から尾引き劣化値を算出しても良い。
また本実施形態では、尾引き劣化値に基づき選択した第一の露光時間で画像を撮像したが、第一の露光時間で画像を撮像できない場合は、第二の露光時間で撮像した画像を出力しても良い。
また第二の露光時間で撮像した画像の内の短い露光画像に対し尾引き劣化を低減するブレを付与し、HDR画像を合成しても良い。
本実施形態では、HDR画像内全面の空間周波数特性から尾引き劣化値を算出したが、HDR画像を領域分割して各分割領域の尾引き劣化値を算出し、算出した尾引き劣化値が所定の閾値より大きい分割領域をユーザインターフェース上に強調表示しても良い。図14は、被写体201の領域において、尾引き劣化値が所定の閾値より大きい分割領域の境界を点線1401で囲んで強調表示した例を示した図である。
<第二の実施形態>
第一の実施形態では、撮像画像とHDR画像の空間周波数特性の差分と撮像画像のフレームレートとから尾引き劣化値を算出する方法を説明したが、第二の実施形態では、より高精度に尾引き劣化度を算出する方法について説明する。
例えば、図15(a)、図15(b)に示すにように、撮像画像とHDR画像内に同じ尾引きのブレを有する被写体201が写っていても、それら被写体201の画素位置が異なる場合がある。このように被写体201の画素位置が異なると、図15(c)、図15(d)に示すように、フーリエ変換画像の空間周波数特性に差異が生じる。この場合、撮像タイミングが異なる複数の撮像画像と複数の撮像画像を合成したHDR画像に写る被写体の画素位置が異なるために、尾引き劣化値の算出精度が低下してしまうことがある。具体的には速度vの被写体を露光時間TS、TL、フレームレートTFPSで撮像した場合と、速度2vの被写体を露光時間0.5TS、0.5TL、フレームレートTFPSで撮像した場合とでは、被写体上の尾引きは略々同じであるが画素位置に差異が生ずる。
そこで、第二の実施形態では、撮像画像とHDR画像とで画像内に写る被写体の画素位置が異なる場合でも、高精度に尾引き劣化値を算出可能とする。なお、第二の実施形態の撮像装置の構成は第一の実施形態と同様であるため、それらの図示および説明は省略する。第二の実施形態の場合、S510で劣化値算出部406により行われる尾引き算出処理が第一の実施形態とは異なる。
図16は、第二の実施形態において、S510で劣化値算出部406により行われる尾引き劣化値算出処理の流れを示すフローチャートである。なお、図16のフローチャートのS805の処理は、前述した図8のS805と同様であるためその説明は省略する。
先ずS1601において、劣化値算出部406は、S506で取得した撮像画像i−1をフーリエ変換した画像FFTi-1を生成する。図17はフーリエ変換画像FFTi-1の例を示した図である。劣化値算出部406は、生成したフーリエ変換画像FFTi-1を所定の記憶領域に記憶する。
次にS1602において、劣化値算出部406は、予め生成されて記憶領域に用意しておいた、異なる空間周波数特性を有する複数の評価画像を取得する。図18は、異なる空間周波数特性を有する複数の評価画像の例を示した図である。本実施形態では、画像の平行・回転移動、スケール変換等に対して空間周波数特性が変化しない特性を有するチャート(いわゆる枯葉チャート)を評価画像として取得する。枯葉チャートは、図19に示すように、長辺a(pixel)、短辺rasp×a(pixel)の長方形の画像パターンを多数描画することで生成する。短辺raspは長方形のアスペクト比で、0<rasp<1を満たす値である。
以下、図19、図20を用いて枯葉チャートの生成例について説明する。
先ず長方形の長辺の最大値aMAX(pixel)、最小値amin(pixel)、アスペクト比rasp(0<rasp<1)の幾何パラメータを設定する。枯葉チャート内に描画する長方形の大きさは、長方形の長辺の長さa(pixel)を、図20(a)に示す、最小値amin、最大値aMAXで1/a3に比例する確率分布からランダムに設定する。長方形の短辺の長さはrasp×a(pixel)に設定する。
長方形の枯葉チャート上の画素位置、傾きと長方形内の画素値は、図20(b)〜図20(d)に示す、一様な確率分布からランダムに設定する。枯葉チャート全面に長方形が描画されるまで、長方形の長辺・短辺の長さ、画素位置、傾き、画素値の設定を繰り返すことで枯葉チャートを生成する。本実施形態では幾何パラメータである最大値aMAX(pixel)と最小値amin(pixel)、短辺raspの組み合わせを複数設定することで、異なる空間周波数特性を有する複数の枯葉チャートを生成する。そして、このようにして予め生成した複数の枯葉チャートが評価画像として所定の記憶領域に記憶されている。
次にS1603において、劣化値算出部406は、前述のように予め生成された異なる空間周波数特性を有する複数の評価画像(枯葉チャート)を、フーリエ変換して画像FFTDを取得する。図21は、図18の評価画像をフーリエ変換した画像FFTDの例を示した図である。そして劣化値算出部406は、フーリエ変換画像FFTDを所定の記憶領域に記憶する。なおフーリエ変換画像FFTDを予め生成しておいてもよく、この場合はS1602の評価画像の取得処理は省くことができる。
次にS1604において、劣化値算出部406は、以下の式(8)に従い、撮像画像i−1に近い空間周波数特性を有する評価画像を選択する。なお、式(8)のfx、fyはフーリエ変換画像中心を原点(0,0)とした時における各画素のx座標、y座標である。ΔFは評価画像の選択可否を判定する閾値であり、本実施形態ではΔF=0.1とする。
そして、劣化値算出部406は、その選択した評価画像DSを所定の記憶領域に記憶する。
次にS1605において、劣化値算出部406は、S1604で選択した評価画像DSと、S502で設定した第二の露光時間とから、予め算出しておいたLUTを参照することにより、空間成分劣化値を算出する。本実施形態では、図22に示すLUTを参照しており、評価画像が高周波の空間周波数特性を有し、第二の露光時間で短秒と長秒の露光時間差によるダイナミックレンジの増加量ΔDR(stops)が大きい場合に、空間成分劣化値が大きくなる。また本実施形態では、第二の露光時間TS2=1/480(sec)、TL2=1/30(sec)が設定されているため、露光時間差によるダイナミックレンジの増加量ΔDR=4(stops)である。
図23、図24を用いてLUTに予め記憶しておいた各評価画像に対する空間成分劣化値の算出例を説明する。
先ず、劣化値算出部406は、図18に示す評価画像に対し、被写体201の速度v(pixel/frame)、ダイナミックレンジの増加量ΔDRに応じた平均値フィルタでブレを付与した画像を生成する。図23はブレを付与した評価画像の例を示した図である。本実施形態では被写体201の速度v=10(pixel/frame)とする。なお図3(a)に示した撮像画像i−1と撮像画像iの撮像タイミング違いにより生じる被写体の画素位置ずれを付与しても良いが、画像の平行移動に対して空間周波数特性が変化しない枯葉チャートを用いているため、本実施形態では画素位置ずれを付与しない。
次に、劣化値算出部406は、図18に示す評価画像と図23に示すブレを付与した評価画像とをHDR合成し、図24に示すHDR画像を生成する。更に、劣化値算出部406は、生成したHDR画像とブレを付与した評価画像とから空間成分劣化値を算出する。そして、劣化値算出部406は、各評価画像とダイナミックレンジの増加量ΔDRについて算出した空間成分劣化値をLUTとして予め所定の記憶領域に記憶する。また劣化値算出部406は、LUTの参照により算出した空間成分劣化値を所定の記憶領域に記憶する。
第二の実施形態の撮像装置では、撮像画像と同じ空間周波数特性を有し、画像の平行・回転移動、スケール変換に対して空間周波数特性が変化しない評価画像を用いて尾引き劣化値を算出している。これにより、第二の実施形態によれば、撮像画像とHDR画像内に写る被写体の画素位置が異なる場合でも、高精度に尾引き劣化値を算出することができる。
また第二の実施形態では、被写体201の速度v=10(pixel/frame)として各評価画像と空間成分劣化値のLUTを算出したが、複数の速度で空間成分劣化値を算出し、各劣化値の平均値や最大・最小値からLUTを算出しても良い。
本実施形態では、撮像画像と評価画像とを用いて尾引き劣化を低減する露光時間を選択したが、ユーザが事前情報として入力した撮像する被写体のダイナミックレンジと移動速度から、尾引き劣化を低減する露光時間をユーザインターフェース上に表示しても良い。具体的には、被写体のダイナミックレンジと移動速度から、異なる空間周波数特性を有する複数の評価画像の尾引き劣化値を算出し、尾引き劣化値が所定の閾値以下となる評価画像の数が所定の数より多い露光時間をユーザインターフェース上に表示する。図25は、ユーザが入力した被写体のダイナミックレンジと移動速度から選択した尾引き劣化を低減する露光時間及びセンサ感度の表示例を示した図である。
なお前述した実施形態では、撮像装置の一適用例としてデジタルカメラを挙げたが、本発明はこの例に限定されるものではない。本実施形態は、デジタルカメラ機能を備えたパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォン、携帯ゲーム機などの各種情報端末に適用可能である。また撮像装置は、デジタル一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラ、コンパクトデジタルカメラ、カムコーダ、車載カメラ、監視カメラ、医療用カメラ、工業用カメラ等のいずれであってもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
上述の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明は、その技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
101:撮像部、102:ROM、103:RAM、104:CPU、105:撮像制御部、110:画像処理部、401:露光時間設定部、403:画像取得部、404:フレームレート取得部、405:画像合成部、406:劣化値算出部、407:露光時間選択部

Claims (16)

  1. 被写体を撮像する複数の露光時間を制御する露光時間制御手段と、
    前記被写体を前記複数の露光時間で時分割して撮像した複数の撮像画像を取得する画像取得手段と、
    前記複数の撮像画像を合成してハイダイナミックレンジの合成画像を生成する合成手段と、
    少なくとも前記撮像画像と前記合成画像とを基に、前記合成画像の中の前記被写体の残像による画質の劣化値を算出する算出手段と、を有し、
    前記露光時間制御手段は、前記劣化値が所定の閾値より低くなる露光時間を選択することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記複数の撮像画像のフレームレートを取得するレート取得手段をさらに有し、
    前記算出手段は、前記撮像画像と前記合成画像との空間周波数特性の差分と、前記フレームレートとを基に、前記劣化値を算出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記複数の撮像画像のフレームレートを取得するレート取得手段をさらに有し、
    前記算出手段は、前記撮像画像と前記合成画像との空間周波数特性の差分と前記フレームレートとを基に、前記撮像画像と前記合成画像との時空間周波数特性の差分を算出し、前記時空間周波数特性の差分から前記劣化値を算出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記算出手段は、前記撮像画像と前記合成画像とをフーリエ変換した画像に対し、視覚の空間周波数応答特性を乗算した画像から、前記空間周波数特性の差分を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の撮像装置。
  5. 前記算出手段は、前記撮像画像から、画像の撮像タイミング違いによる空間周波数特性の変化が所定の閾値より小さい評価画像と、前記評価画像に対する前記劣化値とのルックアップテーブルを算出し、前記ルックアップテーブルを参照して、前記合成画像の中の前記被写体における前記劣化値を算出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  6. 前記算出手段は、前記撮像画像と前記合成画像を複数の領域に分割した分割領域における前記劣化値を算出し、
    前記劣化値が所定の閾値より大きい前記分割領域を、表示装置のユーザインターフェース上に表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記露光時間制御手段は、
    前記露光時間を選択した場合には、前記選択した露光時間を第一の露光時間として設定し、
    前記第一の露光時間が選択されていない場合には、ユーザが指定した露光時間を第二の露光時間として設定することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 前記合成手段は、前記第一の露光時間で撮像した画像を取得できない場合に、前記第二の露光時間で撮像した画像を出力することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記露光時間制御手段による前記露光時間の設定に応じて露光感度を設定する露光感度設定手段を有することを特徴とする請求項7または8に記載の撮像装置。
  10. 前記露光感度設定手段は、
    前記第二の露光時間が設定された場合には、ユーザが指定した露光感度を第二の露光感度として設定し、
    前記第一の露光時間が設定された場合には、前記第一の露光時間と前記第二の露光時間と前記第二の露光感度とを基に、第一の露光感度を設定することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
  11. 前記算出手段は、画像の中の前記被写体のダイナミックレンジと前記被写体の移動速度とを取得する手段を更に有し、前記ダイナミックレンジと前記移動速度とを基に、前記劣化値が所定の閾値より低くなる複数の露光時間を、表示装置のユーザインターフェース上に表示することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像装置。
  12. 前記第一の露光時間で撮像した画像を取得できない場合、
    前記合成手段は、前記第二の露光時間で時分割して撮像された撮像画像の内、露光時間が短い撮像画像に対して、前記残像による劣化を低減するブレを付与して前記合成画像を生成することを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の撮像装置。
  13. 前記露光時間制御手段は、前記第二の露光時間のうち短い露光時間を所定倍した露光時間を設定し、
    前記合成手段は、前記所定倍された露光時間により増加する前記残像による劣化を低減するブレを、前記第二の露光時間で時分割して撮像された前記露光時間が短い撮像画像に対して付与することを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
  14. 前記合成手段は、前記撮像画像をフーリエ変換した画像を基に算出したフィルタサイズの平均値フィルタ処理により、前記ブレの付与を行うことを特徴とする請求項12または13に記載の撮像装置。
  15. 被写体を撮像する複数の露光時間を制御する露光時間制御工程と、
    前記被写体を前記複数の露光時間で時分割して撮像した複数の撮像画像を取得する画像取得工程と、
    前記複数の撮像画像を合成してハイダイナミックレンジの合成画像を生成する合成工程と、
    少なくとも前記撮像画像と前記合成画像とを基に、前記合成画像の中の前記被写体の残像による画質の劣化値を算出する算出工程と、を有し、
    前記露光時間制御工程では、前記劣化値が所定の閾値より低くなる露光時間を選択することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  16. コンピュータを請求項1から14のいずれか1項に記載の撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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