JP2020094545A - Egr装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成でEGRクーラにおける内部の煤の堆積を防止する。【解決手段】EGR装置10aは、内燃機関の排気通路に連通するEGR上流通路20と、吸気通路に連通するEGR下流通路22と、EGR上流通路20とEGR下流通路22との間に設けられた回転体24aと、回転体24aを回転させるモータ30とを備える。回転体24aは、EGR上流通路20とEGR下流通路22とにそれぞれ連通し、一端に第1開口部48aを形成し他端に第2開口部48bを形成するガス通路48と、ガス通路48に設けられたEGRクーラ52とを有する。回転体24aは、第1開口部48aとEGR上流通路20とが連通して第2開口部48bとEGR下流通路22とが連通する第1状態と、第1開口部48aとEGR下流通路22とが連通して第2開口部48bとEGR上流通路20とが連通する第2状態との間で切り替わる。【選択図】図2

Description

本発明は、EGRクーラを備えるEGR装置に関する。
内燃機関の燃焼室内は燃料が燃焼する膨張行程において高温・高圧となり、燃焼室内の空気に含まれる窒素と酸素とが反応して窒素酸化物(NOx)が発生することがある。この対策として、内燃機関において排気ガスの一部を排気通路から吸気通路に還流させることによって燃焼室内の酸素濃度を低下させ、NOxの発生量を低減するEGR(Exhaust Gas Recirculation)装置が知られている。吸気通路に還流させる排気ガスはEGRガスと呼ばれる。
EGR装置では、吸気側の温度上昇を抑えるためにEGRガスを冷却するEGRクーラが設けられることがある。EGRクーラは排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路の途中に設けられる。EGRクーラは熱交換器であって、EGRガスを冷却水で冷却するように構成されている。
EGRガスつまり内燃機関の排気ガス中には、炭化水素等の未燃ガスおよび粒子状物質が含まれており、これらが煤となってEGRクーラの内部に付着すると熱交換効率が低下するという懸念がある。煤はEGRクーラの低温部、つまり下流側に付着しやすい傾向がある。
この懸念を解決するために、特許文献1では、EGRクーラの両端近傍にそれぞれ2つずつ合計4つのバルブを設け、該バルブを開閉制御することによりEGRガスの流通方向を切り替えることが提案されている。これによれば、EGRクーラの下流側に付着していた煤は、EGRガスの逆流により高温かつ逆向きの流れにさらされて、煤は気化または燃焼し除去される。従って、特許文献1によれば煤の堆積を抑制することができる。
特開2014−202140号公報
特許文献1に記載のEGR装置では、EGRクーラに流れるEGRガスの流通方向を切り替えるために4つのバルブを駆動させる必要があり、構造が複雑である。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、簡易な構成でEGRクーラの内部に煤が堆積することを抑制することのできるEGR装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるEGR装置は、内燃機関の排気通路に連通するEGR上流通路と、前記内燃機関の吸気通路に連通するEGR下流通路と、前記EGR上流通路と前記EGR下流通路との間に設けられた回転体と、前記回転体を回転させる回転手段と、を備え、前記回転体は、前記EGR上流通路と前記EGR下流通路とにそれぞれ連通するガス通路であって、一端に第1開口部を形成し他端に第2開口部を形成するガス通路と、前記ガス通路に設けられたEGRクーラと、を有し、前記回転体は回転することにより、前記第1開口部と前記EGR上流通路とが連通して前記第2開口部と前記EGR下流通路とが連通する第1状態と、前記第1開口部と前記EGR下流通路とが連通して前記第2開口部と前記EGR上流通路とが連通する第2状態との間で切り替わることを特徴とする。
このように、回転体が回転することにより、第1状態と第2状態との間で第1開口部と第2開口部との位置が入れ替わって、ガス通路の連通状態が切り替わるという簡易な構成でEGRクーラの内部に煤が堆積することを抑制することができる。
前記第1開口部および前記第2開口部は、前記回転体の回転軸に直交する同一平面で開口し、前記EGR上流通路および前記EGR下流通路のそれぞれの開口は前記同一平面で前記第1開口部および前記第2開口部に対向して開口していてもよい。
これにより、第1開口部および第2開口部が同一平面上にまとめられて回転体をコンパクトにすることができる。
前記EGRクーラは、前記ガス通路上に第1クーラと第2クーラとを有し、前記第1クーラおよび前記第2クーラにおけるEGRガスの流路方向は前記回転体の回転軸と平行であり、前記第1クーラと前記第2クーラとの間にはEGRガスの流れの方向を転換する折返部が設けられていてもよい。
このように、EGRクーラを第1クーラと第2クーラとで構成し、折返部をはさみ、流路方向を回転軸と平行に配置することにより、径方向への突出がなく回転体の径方向寸法を小さくすることができる。また、第1クーラと第2クーラとを折返部に対していずれか一方の側に直列配置する場合と比較して軸方向寸法を小さくすることができる。
前記EGRクーラにおけるEGRガスの流路方向は前記回転体の回転軸と直交していてもよい。
これにより、回転体の軸方向寸法を小さくすることができる。
前記ガス通路は複数設けられ、複数の前記ガス通路にそれぞれ対応する前記第1開口部および前記第2開口部は、前記回転体の回転軸を中心にして周方向に沿って等間隔かつ交互に設けられていてもよい。
これにより、回転体内のスペースを有効利用できる。
前記第1開口部および前記第2開口部は、前記回転体の径方向に沿って回転軸を基準とした反対側の面に開口していてもよい。
これにより、EGR上流通路とEGR下流通路とを直線状に配置し、EGR装置がEGR上流通路とEGR下流通路との間に配置される。EGR装置は、EGR上流通路とEGR下流通路との間に配置されることにより、例えば内燃機関の近くに配置することができる。この場合、回転体は、例えば回転軸を中心軸とする円柱形状としてもよく、または回転軸を中心軸とする円錐面を有する形状にしてもよい。
冷媒を供給する冷媒供給通路および冷媒を排出する冷媒排出通路をさらに有し、前記回転体は、前記EGRクーラを経由して前記冷媒供給通路と前記冷媒排出通路とを連通し、一端に第1冷媒開口部を形成し他端に第2冷媒開口部を形成する冷媒通路を有し、前記第1状態のとき前記第1冷媒開口部と前記冷媒供給通路とが連通して前記第2冷媒開口部と前記冷媒排出通路とが連通し、前記第2状態のとき前記第1冷媒開口部と前記冷媒排出通路とが連通して前記第2冷媒開口部と前記冷媒供給通路とが連通してもよい。
これにより、EGRクーラの向きに合わせて冷媒の流通方向も切り替えることができる。
本発明によれば、回転体が回転することにより、第1状態と第2状態との間で第1開口部と第2開口部との位置が入れ替わって、ガス通路の連通状態が切り替わるという簡易な構成でEGRクーラの内部に煤が堆積することを抑制することができる。
図1は、第1実施形態にかかるEGR装置および該EGR装置が設けられた内燃機関の系統図である。 図2は、第1実施形態にかかるEGR装置の模式断面図である。 図3は、図2におけるマニホールドのIII〜III線視の断面図である。 図4は、図2におけるフランジのIV〜IV線視の断面図である。 図5は、第1クーラの分解斜視図である。 図6は、図2における回転体および環状部材のVI〜VI線視の断面図である。 図7は、EGR装置の制御ブロック図である。 図8は、第1実施形態にかかるEGR装置の模式図であり、(a)は第1状態を示す図であり、(b)は第2状態を示す図である。 図9は、第2実施形態にかかるEGR装置の模式断面図である。 図10は、図9におけるフランジのX〜X線視の断面図である。 図11は、第3実施形態にかかるEGR装置の模式断面図である。 図12は、第4実施形態にかかるEGR装置の模式斜視図である。 図13は、第5実施形態にかかるEGR装置の模式断面図である。 図14は、第6実施形態にかかるEGR装置の模式斜視図である。 図15は、第7実施形態にかかるEGR装置の模式断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を説明する。なお、本発明は、以下の実施形態により限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態であるEGR装置10aおよび該EGR装置10aが設けられた内燃機関12の系統図である。まず内燃機関12について説明する。図面上では適宜、ガスの流れを白抜き矢印で示し、冷却水の流れを細矢印で示す。以下の説明で、上下方向は図1および図9を基準とする。
内燃機関12はディーゼルエンジンであって、エアクリーナを通った空気は吸気通路14からインテークマニホールド12aを経てシリンダブロック12bにおける各気筒12cに分岐供給される。内燃機関12は、例えば車両用である。各気筒12cではカム、ピストン、コネクティングロッドおよびクランクシャフト等の作用により空気を吸入、圧縮、膨張、排出する。膨張行程は、燃料噴射ノズルよって気筒12cに燃料を噴射して燃焼させることにより行われる。膨張行程は高温・高圧になることから各気筒12c内でNOxが発生し得るが、EGR装置10aの作用によってNOxの発生が抑制される。
各気筒12cで発生した排気ガスはエキゾーストマニホールド12dで集合して排気通路16に流れ出し、さらに排気ガス処理装置およびマフラーを通って排出される。
次に、EGR装置10aについて説明する。EGR装置10aは、排気通路16に連通するEGR上流通路20と、吸気通路14に連通するEGR下流通路22と、EGR上流通路20とEGR下流通路22との間に設けられた回転体24aと、回転体24aに冷却水を供給する冷却水供給通路(冷媒供給通路)26と、冷却水を排出する冷却水排出通路(冷媒排出通路)28と、回転体24aを回転させるモータ(回転手段)30とを有する。回転体24aはモータ30の回転作用により、第1状態(図2、図8(a)参照)と第2状態(図8(b)参照)との間で切り替え可能となっている。第1状態および第2状態については後述する。冷却水供給通路26には冷却水バルブ31が設けられている。冷却水バルブ31は冷却水供給通路26の開度を0〜100%の範囲で調整可能である。
EGR下流通路22には、EGRバルブ32と、温度センサ34とが設けられている。EGRバルブ32はEGR下流通路22の開度を0%〜100%の範囲で調整可能である。温度センサ34は、EGR下流通路22を流れるEGRガスの温度を検出する。EGR上流通路20およびEGR下流通路22の各端部は平行に配列されて、マニホールド36を介して回転体24aの一端と接続されている。マニホールド36は円柱形状である。冷却水供給通路26および冷却水排出通路28は、環状部材38を介して回転体24aの側方部分に接続されている。
図2は、EGR装置10aの模式断面図である。図3は、図2におけるマニホールド36のIII〜III線視の断面図である。図4は、図2におけるフランジ40のIV〜IV線視の断面図である。
図2に示すように、EGR上流通路20はマニホールド36の貫通孔36aを介して回転体24aの上方に接続され、EGR下流通路22はマニホールド36の貫通孔36bを介して回転体24aの下方に接続されている。EGR上流通路20およびEGR下流通路22はマニホールド36の左端面に接続されており、貫通孔36a,36bはマニホールド36の右端面まで貫通している。貫通孔36a,36bは、図2におけるマニホールド36の孔形状が左端面では円形(図3の符号36aa,36ba参照)であり、図2の右方に向かって断面が拡大し、マニホールド36の右端面では略半円形状(図3の符号36ab,36bb参照)となっている。この右端面の略半円形状は、後述する第1開口部48aおよび第2開口部48bの断面形状と同じである。
冷却水供給通路26は環状部材38の上部に設けられた第1チャンバー38aを介して回転体24aの上側方部分に接続されている。冷却水排出通路28は環状部材38の下部に設けられた第2チャンバー38bを介して回転体24aの下側方部分に接続されている。環状部材38の内周面には、回転体24aの周面との間に2つのシール39a,39bが設けられており、第1チャンバー38aおよび第2チャンバー38bからの漏水を防止している。漏水を防止するためには、第1チャンバー38aおよび第2チャンバー38bを個別にシールしてもよい。
回転体24aはほぼ全長に亘って円筒形状であって、図2における左端にフランジ40を有し、右端が半球形状部42となっている。フランジ40の端面にはザグリ部40aが設けられ、該ザグリ部40aにマニホールド36の一部が嵌合している。モータ30、マニホールド36および環状部材38は台座45で支持されている。
回転体24aは、EGRガスが流れるガス通路48と、ガス通路48に設けられたEGRクーラ52と、第1クーラ52aおよび第2クーラ52bを経由して冷却水供給通路26と冷却水排出通路28とを連通する冷却水通路49とを有する。回転体24aの内部には、半球形状部42を除く部分に仕切板46が設けられている。仕切板46は紙面垂直方向に延在しており、回転体24aを上下に仕切っている。仕切板46は半球形状部42の内部には設けられていないため、回転体24aの内部は側面視でU字のガス通路48を形成している。ガス通路48は一端(図2の左上方)に第1開口部48aを形成し、他端(図2の左下方)に第2開口部48bを形成している。マニホールド36とフランジ40との周方向摺接面にはガスシール44が設けられており、EGRガスの漏出を防止する。EGRガスの漏出を防止するためには第1開口部48aおよび第2開口部48bを個別にシールしてもよい。
ガス通路48の右端はEGRガスが流れる方向を180°転換する折返部48cとなっている。折返部48cの折り返し角度は厳密に180°でなくてもよい。ガス通路48は仕切板46の上下の部分(第1開口部48aおよび第2開口部48bを含む)において正面視で(図4参照)断面略半円形状となっている。折返部48cは半球形状部42の内側面に沿った側面視半円弧状の流路となっており、EGRガスが流れやすい。仕切板46の左端には穴46aが設けられている。マニホールド36の中心からは軸36cが突出して穴46aに嵌合しており、回転体24aは軸36cによって軸支されている。また、回転体24aはモータ30との接続部分で台座45によって軸支されている。
図4に示すように、第1開口部48aおよび第2開口部48bは、フランジ40の端面において上下に並んで開口している。フランジ40の端面は第1開口部48aおよび第2開口部48bを除いてマニホールド36の端面に当接し、摺接可能となっている。
図2に戻り、第1開口部48aおよび第2開口部48bはフランジ40の左端面に開口しており、これに対向してEGR上流通路20およびEGR下流通路22のそれぞれの開口はマニホールド36の右端面に開口している。つまり、第1開口部48aおよび第2開口部48bとEGR上流通路20およびEGR下流通路22とは、回転体24aの回転軸Jに直交する同一平面(図2におけるIII〜III線視の平面(図3参照)およびIV〜IV線視の平面(図4参照))に対向して開口しており、マニホールド36とフランジ40との部分でコンパクトにまとめられている。
半球形状部42の外面には上下に突出する小さい2つのストライカ42aが設けられている。2つのストライカ42aは、第1開口部48aおよび第2開口部48bが上下方向に並んだ時にいずれか一方がリミットスイッチ50をオンにする位置に設けられている。
モータ30は、回転体24aの右端つまり半球形状部42の頂部に対して接続されている。モータ30には減速機が含まれる。モータ30は回転体24aを回転させ、リミットスイッチ50がオンとなったときに回転体24aを停止させるように制御される。すなわち、EGR装置10aでは、モータ30の回転作用下に回転体24aが180°回転することにより、第1状態と第2状態との間で切り替え可能である。第1状態では、第1開口部48aとEGR上流通路20とが連通して第2開口部48bとEGR下流通路22とが連通する。第2状態では、第1開口部48aとEGR下流通路22とが連通して第2開口部48bとEGR上流通路20とが連通する。第1状態と第2状態との間の切り替わりにより、EGRクーラ52に流れるEGRガスの流通方向が切り替わる。回転体24aには180°間隔で設けられた被係合部に外部の係合部が係合して位置決めするインデックス機構が設けられていてもよい。回転体24aには停止時に固定するブレーキ機構が設けられていてもよい。
EGRクーラ52はガス通路48に設けられている。EGRクーラ52は熱交換器であって、折返部48cよりも第1開口部48aに近い側に配置された第1クーラ52aと、折返部48cよりも第2開口部に近い側に配置された第2クーラ52bとに分けて構成されている。図2に示す第1状態で、第1クーラ52aはガス通路48における仕切板46の上側に配置されており、第2クーラ52bはガス通路48における仕切板46の下側に配置されている。ただし、モータ30の回転作用により第1クーラ52aと第2クーラ52bとの配置は逆転しうる。第1クーラ52aと第2クーラ52bとはガス通路48に沿って直列に接続されている。第1クーラ52aと第2クーラ52bとは、レイアウト上は流路方向に平行で並列に配置されている。
図5は、第1クーラ52aの分解斜視図である。第1クーラ52aは、いわゆる多管式である。第2クーラ52bも第1クーラ52aと同構造である。図5において第2クーラ52bにかかる符号は括弧で示す。第1クーラ52aは、シェル54と、シェル54の内部に設けられた多数の細い伝熱管56と、シェル54の両端を塞ぐ一対の端板58と、シェル54の一端近傍で上側に設けられた第1管60aと、他端近傍で下側に設けられた第2管61aとを有する。シェル54の断面は第1クーラ52aが設けられるガス通路48の断面形状に合わせて半円型となっている。伝熱管56は熱伝導率の高い金属、例えば銅材で構成されている。
一対の端板58には各伝熱管56と連通する孔58aが設けられており、EGRガスは孔58aおよび伝熱管56を通って第1クーラ52aを軸方向に抜けるようになっている。第1管60aおよび第2管61aは冷却水がシェル54内に流入および流出する部分である。冷却水はシェル54の内部を軸方向に流れながら伝熱管56の外周面に接触し、該伝熱管56の内部を通るEGRガスを冷却する。つまり、シェル54の内部において伝熱管56以外の空間は冷却水通路(冷媒通路)49の一部となる。第2クーラ52bは、第1クーラ52aにおける第1管60aおよび第2管61aに相当する第1管60bおよび第2管61bを備える。
図6は、図2における回転体24aおよび環状部材38のVI〜VI線視の断面図である。図2および図6に示す第1状態で、第1クーラ52aの第1管60a(第1冷媒開口部)は回転体24aの外周面に開口して上方の第1チャンバー38aおよび冷却水供給通路26に連通しており、第2クーラ52bの第1管60b(第2冷媒開口部)は回転体24aの外周面に開口して下方の第2チャンバー38bおよび冷却水排出通路28に連通している。ただし、モータ30の回転作用により第1管60aと第1管60bとの配置は逆転しうる。換言すれば、第1状態のとき第1管60aと冷却水供給通路26とが連通して第1管60bと冷却水排出通路28とが連通し、第2状態のとき第1管60aと冷却水排出通路28とが連通して第1管60bと冷却水供給通路26とが連通する。第2管61aと第2管61bとは短い管路46bで連通している。
冷却水通路49の経路は、順に第1管60a、第1クーラ52aにおけるシェル54の内部空間、第2管61a、管路46b、第2管61b、第2クーラ52bにおけるシェル54の内部空間、および第1管60bとして構成されている。すなわち、冷却水通路49は、第1クーラ52aおよび第2クーラ52bを経由し、一端が第1管60aで開口し、他端が第1管60bで開口している。
なお、一般的にEGRガスを熱交換器で冷却する際には、EGRガスおよび冷却水の流通方向を順方向に設定する場合と、逆方向に設定する場合とがある。順方向の場合には冷却水が沸騰する懸念が低いという特徴があり、逆方向の場合には熱交換効率が高いという特徴がある。本実施の形態にかかるEGR装置10aでは、第1クーラ52aおよび第2クーラ52bともEGRガスと冷却水とを順方向に流通させるものとするが、条件によっては逆方向としてもよい。
図7は、EGR装置10aの制御ブロック図である。EGR装置10aは制御部62によって制御される。制御部62は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
制御部62はモータ30の回転制御、冷却水バルブ31の開閉制御、およびEGRバルブ32の開閉制御を行う。また、制御部62は温度センサ34およびリミットスイッチ50の計測信号を入力する。
制御部62によるEGR装置10aの制御手順の一例について説明する。制御部62は内燃機関12の負荷状況に応じて冷却水バルブ31およびEGRバルブ32の開度制御を行う一方、温度センサ34によってEGR下流通路22におけるEGRガスの温度を監視する。EGRクーラ52に煤が付着すると冷却効率が低下するため、温度センサ34が検出するEGRガスの温度も上昇する。そこで、制御部62は該温度が所定値以上となったときにモータ30を駆動して回転体24aを回転軸Jのまわりに180°回転させる。モータ30による回転体24aの回転時にはリミットスイッチ50の信号を監視し、一旦オフになった後再びオンになった時点でモータ30を停止させればよい。これにより、後述する作用でEGRクーラ52の煤が除去されるため、温度センサ34の温度信号は次第に低下する。制御部62は以上の制御を継続し繰り返して行えばよい。
制御部62によるEGR装置10aの制御手順としては、内燃機関12の燃焼温度が高いときにモータ30の回転作用下に回転体24aを180°回転させ、高温のEGRガスをガス通路48に導入して煤の気化または燃焼を促進させるようにしてもよい。
また、モータ30の回転作用下に回転体24aを180°回転させるタイミングは、内燃機関12の負荷状態などによりEGR装置10aの機能を停止させているとき、つまり冷却水バルブ31およびEGRバルブ32を閉にしているときに行うようにしてもよいし、あるいは回転体24aを回転させるときに冷却水バルブ31およびEGRバルブ32を一時的に閉としてもよい。これによりEGRガスや冷却水の漏出を一層防止できるとともに、安定した動作が可能になる。
図8はEGR装置10aの模式図であり、(a)は第1状態を示し、(b)は第2状態を示す。図8では第1クーラ52aと第2クーラ52bとを異なるハッチングで識別している。EGR装置10aでは、図2および図8(a)に示される第1状態において、EGR上流通路20から供給される高温のEGRガスは第1開口部48aから回転体24aにおけるガス通路48に流入し、順に第1クーラ52aの伝熱管56(図5参照)、折返部48c、第2クーラ52bの伝熱管56および第2開口部48bへと流れて冷却されて、EGR下流通路22へと排出される。冷却水供給通路26から供給される低温の冷却水は第1チャンバー38a、第1クーラ52aのシェル54(図5参照)、管路46b、第2クーラ52bのシェル54および第2チャンバー38bへと流れて昇温し、冷却水排出通路28へと排出される。
一方、回転体24aはモータ30の回転作用下に180°回転可能である。図8(a)に示す第1状態から回転体24aが180°回転した場合には、図8(b)に示す第2状態となる。第2状態においてはEGR上流通路20から供給される高温のEGRガスは第2開口部48bから回転体24aにおけるガス通路48に流入し、順に第2クーラ52bの伝熱管56(図5参照)、折返部48c、第1クーラ52aの伝熱管56および第1開口部48aへと流れて冷却されて、EGR下流通路22へと排出される。冷却水供給通路26から供給される低温の冷却水は第1チャンバー38a、第2クーラ52bのシェル54(図5参照)、管路46b、第1クーラ52aのシェル54および第2チャンバー38bへと流れて昇温し、冷却水排出通路28へと排出される。
上記のようにEGR装置10aでは、モータ30の回転作用下に回転体24aが180°回転することにより第1状態と第2状態との間で切り替え可能であり、EGRクーラ52に流れるEGRガスの流通方向が切り替わる。つまりアクチュエータは、基本的には1つのモータ30で足り、簡易な構成で回転体24aが回転し、第1状態と第2状態との間で第1開口部48aと第2開口部48bとの位置が入れ替わって、ガス通路48の連通状態が切り替わり、EGRクーラ52に流れるEGRガスの流通方向を切り替えることができる。
EGRクーラ52ではEGRガスの温度が低下した下流端付近で煤が付着する傾向があるが、EGR装置10aではEGRガスの流通方向が切り替わることにより、煤が付着しやすい低温の下流端付近が高温の上流端付近に移動することになり、煤は高温の化学的作用で気化または燃焼し、且つ流れ方向が逆転する物理的作用によって多くが除去され、堆積が抑制される。
また、EGR装置10aでは、第1クーラ52aおよび第2クーラ52bにおけるEGRガスの流路方向は回転体24aの回転軸Jと平行である。この流路方向とは、第1クーラ52aおよび第2クーラ52b内でのEGRガスが流れる方向であり、本実施形態の場合は伝熱管56の延在方向となる。第1クーラ52aと第2クーラ52bとの間にはEGRガスの流れの方向を180°転換する折返部48cが設けられている。このように、EGRクーラ52を第1クーラと52aと第2クーラ52bとに分けて流路方向を回転軸Jと平行に配置することにより、径方向への突出がなく回転体24aの径方向寸法を小さくすることができる。また、第1クーラ52aと第2クーラ52bとは折返部48cをはさんで上下に配置されることから、回転体24a内のスペースを有効利用できる。さらに、第1クーラ52aと第2クーラ52bとを折返部48cをはさんでいずれか一方に直列配置する場合と比較して軸方向寸法を小さくすることができる。
さらに、EGR装置10aでは第1状態と第2状態との間の切り替わりにより、冷却水供給通路26および冷却水排出通路28と、第1管60aおよび第1管60bとの連通経路が切り替わり、EGRクーラ52に流れる冷却水の流通方向が切り替わる。これにより、EGRクーラ52の向きに合わせて冷却水の流通方向も切り替えることができ、EGRクーラ52の冷却性能を維持することができる。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態にかかるEGR装置10bの模式断面図である。図10は、図9におけるフランジ66のX〜X線視の断面図である。以下の説明において、上記のEGR装置10aと同様の構成要素については同符号を付してその詳細な説明を省略する。
EGR装置10bにおいては、上記のEGR装置10aにおける回転体24a、マニホールド36、フランジ40およびモータ30が回転体24b、マニホールド64、フランジ66およびモータ68で置き換えられている。なお、モータ68は他部材と重複しないように図9と図10でやや位置をずらして表している。
図9および図10に示すように、マニホールド64には、EGR上流通路20およびEGR下流通路22が連通する貫通孔64a,64b以外に、冷却水供給通路26が連通する貫通孔64cおよび冷却水排出通路28が連通する貫通孔64dが設けられている。貫通孔64a,64bは上記の貫通孔36a,36bと同形状である。
冷却水供給通路26が連通する貫通孔64cは貫通孔64aの上方に設けられており、冷却水排出通路28が連通する貫通孔64dは貫通孔64bの下方に設けられている。マニホールド64とフランジ66との軸方向摺接面において、貫通孔64a,64bと貫通孔64c、64dとの間にはガスシール44が設けられており、貫通孔64a,64bを流通するEGRガスの漏出を防止している。マニホールド64とフランジ66との周方向摺接面にはシール39が設けられており、貫通孔64c,64dを流通する冷却水の漏出を防止している。
フランジ66は、上下に設けられた一対のストッパ66a,66bと、外周ギア66cと、端面から第1管60aに連通する第1冷却水経由路(第1冷媒開口部)70aと、端面から第1管60bに連通する第2冷却水経由路(第2冷媒開口部)70bとを有する。外周ギア66cはモータ68のピニオンギア68aと噛合している。
図9および図10に示す第1状態で、第1冷却水経由路70aはフランジ66の軸方向端面に開口して上方の冷却水供給通路26に連通しており、第2冷却水経由路70bはフランジ66の軸方向端面に開口して下方の冷却水排出通路28に連通している。ただし、モータ30の回転により第1冷却水経由路70aと第2冷却水経由路70bとの配置は逆転しうる。換言すれば、第1状態のとき第1冷却水経由路70aと冷却水供給通路26とが連通して第2冷却水経由路70bと冷却水排出通路28とが連通し、第2状態のとき第1冷却水経由路70aと冷却水排出通路28とが連通して第2冷却水経由路70bと冷却水供給通路26とが連通する。軸64eは上記の軸36cと同形状であって、穴46aに嵌合している。回転体24bは、モータ68の回転によりピニオンギア68aおよび外周ギア66cを介して回転する。
ストッパ66bは、図10に示す第1状態で台座45に固定されたポスト72の左側面に当接する位置に設けられている。ストッパ66aは図10に示す第1状態から回転体24bが180°回転した第2状態のときにポスト72の右側面に当接する位置に設けられている。すなわち、図10に示す第1状態からモータ68が反時計方向に回転することにより回転体24bは時計方向に回転し、180°回転するとストッパ66aがポスト72の右側面に当接して位置決めされて第2状態となる。第2状態のとき、第1開口部48aおよび第1冷却水経由路70aが下側となり第2開口部48bおよび第2冷却水経由路70bが上側となる。また、モータ68が時計方向に回転することにより回転体24bは反時計方向に回転し、180°回転するとストッパ66bがポスト72の左側面に当接して第1状態に戻って位置決めされる。このとき、第1開口部48aおよび第1冷却水経由路70aが上側となり第2開口部48bおよび第2冷却水経由路70bが下側となる。
第2実施形態にかかるEGR装置10bでは、第1開口部48a、第2開口部48b、第1冷却水経由路70a、第2冷却水経由路70bがそれぞれフランジ66の端面に開口していることから、これらと連通するEGR上流通路20、EGR下流通路22、冷却水供給通路26および冷却水排出通路28を同方向にまとめて配置することができる。回転体24bは小径のピニオンギア68aと大径の外周ギア66cによって減速して回転されるので、モータ68は小出力型でよい。また、回転体24bは2つのストッパ66a,66bによって正しく位置決めされる。
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態にかかるEGR装置10cの模式断面図である。以下の実施形態では冷却水回路の説明は省略する。EGR装置10cではガス通路48が略C字型となっており、C字の2つの端部が第1開口部48aおよび第2開口部48bとなっている。EGR装置10cでは、1つのEGRクーラ74におけるEGRガスの流路方向が回転体24cの回転軸Jと直交している。EGRクーラ74は、上記の第1クーラ52aおよび第2クーラ52bと同じ機能を有するが、形状が円柱状または角柱状となっており、汎用性がある。EGRクーラ74は、第1開口部48aおよび第2開口部48bからみてガス通路48における最奥部において図11の上下方向に沿って配置されている。
このようなEGR装置10cによれば、モータ30の回転作用によって回転体24cが180°回転することにより、煤が付着しているEGRクーラ74の下流側が上流側に移り、煤は高温の化学的作用で気化または燃焼し、且つ流れ方向が逆転する物理的作用によって多くが除去され、堆積が抑制される。また、1つのEGRクーラ74でEGRガスを冷却することができて部品点数が少なくなるとともに、回転体24cの軸方向寸法を小さくすることができる。
(第4実施形態)
図12は、第4実施形態にかかるEGR装置10dの模式斜視図である。EGR装置10dでは回転体24dが円柱形状となっており、円柱形状の中心軸が回転中心となっている。ガス通路48およびEGRクーラ74は回転体24dの内部で直径方向に沿って設けられており、第1開口部48aと第2開口部48bとは径方向に沿って回転軸Jを基準とした反対側の周面に開口している。
EGR上流通路20とEGR下流通路22とは回転体24dを挟んで対向する向きに開口しており、それぞれの開口部は回転体24dの周面に摺接可能となっている。このようなEGR装置10dでは、EGR上流通路20とEGR下流通路22とが直線状に配置される。EGR装置10dはEGR上流通路20とEGR下流通路22との間に配置されることにより、例えば内燃機関12の近くに配置することができる。EGR装置10dでは、回転体24dが円柱形状であることから回転中も周面とEGR上流通路20およびEGR下流通路22との間に隙間が生じることがなく、EGRガスの漏れがない。なお、回転体24dが円柱形状でない場合には、該回転体24dの回転中にEGR上流通路20およびEGR下流通路22をバルブなどで閉じておくとよい。
(第5実施形態)
図13は、第5実施形態にかかるEGR装置10eの模式断面図である。EGR装置10eでは回転体24eが円錐台形状となっており、円錐台形状の中心軸が回転中心となっている。第1開口部48aと第2開口部48bとは回転体24eの径方向に沿って回転軸Jを基準とした反対側の円錐面に開口している。つまり第1開口部48aおよび第2開口部48bは、回転体24eの回転軸Jに対して斜め方向に開口する。ガス通路48は第1開口部48aと第2開口部48bとを連通している。ガス通路48およびEGRクーラ74は回転体24eの内部で径方向に沿って設けられている。EGR上流通路20とEGR下流通路22のそれぞれの開口部は回転体24eの円錐面に摺接可能となっている。
このようなEGR装置10eでは、回転体24eの円錐面の傾斜角度によって、EGR上流通路20およびEGR下流通路22の延在方向が調整可能となり、レイアウト自由度が向上する。
(第6実施形態)
図14は、第6実施形態にかかるEGR装置10fの模式斜視図である。EGR装置10fでは回転体24fが円柱状となっており、円柱の中心軸が回転中心となっている。回転体24fの内部には円柱状または角柱状の第1クーラ74a、第2クーラ74b、第3クーラ74cおよび第4クーラ74dが回転軸Jの方向に沿って並列し、回転軸Jを中心として周方向に沿って90°間隔で軸対称に設けられている。また、回転体24fにはガス通路48が2本設けられている。一方のガス通路48には折返部48cを挟んで第1クーラ74aと第2クーラ74bとが流路に沿って直列に配置されており、他方のガス通路48には折返部48cを挟んで第3クーラ74cと第4クーラ74dとが流路に沿って直列に接続されている。第1クーラ74a〜第4クーラ74dは、レイアウト上は流路方向が回転軸Jと平行で並列に配置されている。
また、回転体24fではガス通路48が2本設けられていることから、2つの第1開口部48aと2つの第2開口部48bとが形成される。2つの第1開口部48aと2つの第2開口部48bとは、回転体24fの回転軸Jを中心にして周方向に沿って等間隔(90°)かつ交互に設けられている。第1開口部48aの一方は第1クーラ74aと連通し、他方は第3クーラ74cと連通する。第2開口部48bの一方は第2クーラ74bと連通し、他方は第4クーラ74dと連通する。
EGR装置10fには2本のEGR上流通路20a,20bと、2本のEGR下流通路22a,22bとが接続されている。EGR上流通路20a,20bおよびEGR下流通路22a,22bは、例えば上記のEGR上流通路20およびEGR下流通路22からそれぞれ分岐したものである。
図14に示す状態では、EGR上流通路20aから流入したEGRガスは一方の第1開口部48aから第1クーラ74a,第2クーラ74bおよび一方の第2開口部48bを経てEGR下流通路22aに排出される。EGR上流通路20bから流入したEGRガスは他方の第1開口部48aから第3クーラ74c,第4クーラ74dおよび他方の第2開口部48bを経てEGR下流通路22bに排出される。
これに対してモータ30の作用下に回転体24fがいずれかの方向に90°回転すると、2つの第1開口部48aはEGR下流通路22a,22bに連通し、2つの第2開口部48bはEGR上流通路20a,20bに連通することになり、図14に示す第1状態と比較してEGRガスの流通方向が切り替わり、第2状態となる。
このようなEGR装置10fでは、第1クーラ74a〜第4クーラ74dは形状が円柱状または角柱状であって汎用性が高く、しかも回転体24fにおける回転径内に4つを配置できることからスペースを有効利用できる。また、回転体24fにおいては第1クーラ74a〜第4クーラ74dは回転軸Jを基準として軸対称に配置されており、しかも周方向に沿って均等に分散して配置されていることから重量バランスがよい。さらに、EGRガスの流れを切り替える際の回転体24fの回転角度は90°で足り、迅速な切り替えが可能である。ガス通路48を3以上設け、各ガス通路48に対応する第1開口部48aと第2開口部48bとを回転体24fの回転軸Jを中心にして周方向に沿って等間隔かつ交互に設けてもよい。
(第7実施形態)
図15は、第7実施形態にかかるEGR装置10gの模式断面図である。EGR装置10gでは、回転体24gは固定リング76の内周側で回転するように設けられている。固定リング76は円筒形状であり、該固定リング76の中心が回転体24gの回転中心である。この回転体24gでは、2つの第1開口部48aが図15の上下方向に設けられ、2つの第2開口部48bが左右方向に設けられており、それぞれの開口部の縁は固定リング76の内周面に摺接可能となっている。回転体24gにはガス通路48が2本設けられている。図15に示す状態で、一方のガス通路48は上方の第1開口部48aと右方向の第2開口部48bとを連通しており、この間には第1クーラ74aが設けられている。他方のガス通路48は下方の第1開口部48aと左方向の第2開口部48bとを連通しており、この間に第2クーラ74bが設けられている。
EGR装置10fにはEGR上流通路20a,20bと、EGR下流通路22a,22bとが接続されている。図15に示す第1状態でEGR上流通路20aは上方の第1開口部48aと連通し、EGR上流通路20bは下方の第1開口部48aと連通している。EGR下流通路22aは右方向の第2開口部48bと連通し、EGR下流通路22bは左方向の第2開口部48bと連通している。
これに対してモータ30の作用下に回転体24gがいずれかの方向に90°回転して第2状態になると、2つの第1開口部48aはEGR下流通路22a,22bに連通し、2つの第2開口部48bはEGR上流通路20a,20bに連通し、図15に示す第1状態と比較してEGRガスの流通方向が切り替わる。
EGR装置10fでは、例えばレイアウト上の都合で2本のEGR上流通路20a,20bを対向配置させ、2本のEGR下流通路22a,22bを対向配置させる場合に好適である。
なお、上記のEGR装置10a〜10gは従来技術にかかるEGR装置と同様の基本的作用を有している。すなわち、排気通路16を流れる排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路14に還流させることによって気筒12cの酸素濃度を低下させ、NOxの発生量を低減させることができる。また、EGR装置10a〜10gではEGRクーラ52,74によってEGRガスが冷却され、吸気側の温度上昇を抑制してガス密度を高め、内燃機関12の損失低減およびノッキングを防止することができる。さらに、EGR装置10a〜10gを適用して吸気通路14にEGRガスが供給されることにより、内燃機関12では気筒12cの吸気抵抗が軽減し、ポンピングロス低減による燃費改善作用がある。
EGR装置10a〜10gにおいては回転体24a〜24gはモータ30,68によって回転するものしとたが、回転体24a〜24gの回転手段は機械的な駆動機構、例えばリンク機構であってもよい。EGR装置10a〜10gの冷却手段は液冷型に限らず、空冷型でもよい。EGRクーラ52,74は多管式に限らず、例えば矩形断面を有する積層式等の他の形式や他の形状であってもよい。
内燃機関12にはターボチャージャおよびインタークーラが設けられていてもよい。ターボチャージャが設けられる場合、EGR装置10a〜10gはその設置個所によって型式が区別されることがある。すなわち、EGR装置10a〜10gはターボチャージャと内燃機関12との間に設けられる場合には高圧型EGRと呼ばれる。また、EGR装置10a〜10gはターボチャージャからみて内燃機関12と反対側に設けられる場合には低圧型EGRと呼ばれる。EGR装置10a〜10gは高圧型EGRおよび低圧型EGRのいずれの場合にも適用可能である。内燃機関12はコモンレール式であってもよい。内燃機関12はディーゼルエンジン以外にも、例えばガソリンエンジンであってもよい。内燃機関12は、電動モータや二次電池と組み合わされてハイブリッド車両の動力源を構成してもよい。
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g EGR装置、12 内燃機関、14 吸気通路、16 排気通路、20,20a,20b EGR上流通路、22,22a,22b EGR下流通路、24a,24b,24c,24d,24e,24f,24g 回転体、26 冷却水供給通路(冷媒供給通路)、28 冷却水排出通路(冷媒排出通路)、30,68 モータ(回転手段)、31 冷却水バルブ、32 EGRバルブ、34 温度センサ、46 仕切板、48 ガス通路、48a 第1開口部、48b 第2開口部、48c 折返部、49 冷却水通路(冷媒通路)、50 リミットスイッチ、52,74 EGRクーラ、52a,74a 第1クーラ、52b,74b 第2クーラ、60a 第1管(第1冷媒開口部)、60b 第1管(第2冷媒開口部)、62 制御部、64 マニホールド、66 フランジ、70a 第1冷却水経由路(第1冷媒開口部)、70b 第2冷却水経由路(第2冷媒開口部)、74c 第3クーラ、74d 第4クーラ

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気通路に連通するEGR上流通路と、
    前記内燃機関の吸気通路に連通するEGR下流通路と、
    前記EGR上流通路と前記EGR下流通路との間に設けられた回転体と、
    前記回転体を回転させる回転手段と、
    を備え、
    前記回転体は、
    前記EGR上流通路と前記EGR下流通路とにそれぞれ連通するガス通路であって、一端に第1開口部が形成され他端に第2開口部が形成されるガス通路と、
    前記ガス通路に設けられたEGRクーラと、
    を有し、
    前記回転体は回転することにより、前記第1開口部と前記EGR上流通路とが連通して前記第2開口部と前記EGR下流通路とが連通する第1状態と、前記第1開口部と前記EGR下流通路とが連通して前記第2開口部と前記EGR上流通路とが連通する第2状態との間で切り替わることを特徴とするEGR装置。
  2. 前記第1開口部および前記第2開口部は、前記回転体の回転軸に直交する同一平面に開口し、
    前記EGR上流通路および前記EGR下流通路のそれぞれの開口は前記同一平面で前記第1開口部および前記第2開口部に対向して開口していることを特徴とする請求項1に記載のEGR装置。
  3. 前記EGRクーラは、前記ガス通路上に第1クーラと第2クーラとを有し、
    前記第1クーラおよび前記第2クーラにおけるEGRガスの流路方向は前記回転体の回転軸と平行であり、
    前記第1クーラと前記第2クーラとの間にはEGRガスの流れの方向を転換する折返部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のEGR装置。
  4. 前記EGRクーラにおけるEGRガスの流路方向は前記回転体の回転軸と直交していることを特徴とする請求項1または2に記載のEGR装置。
  5. 前記ガス通路は複数設けられ、
    複数の前記ガス通路にそれぞれ対応する前記第1開口部および前記第2開口部は、前記回転体の回転軸を中心にして周方向に沿って等間隔かつ交互に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のEGR装置。
  6. 前記第1開口部および前記第2開口部は、前記回転体の径方向に沿って回転軸を基準とした反対側の面に開口していることを特徴とする請求項1に記載のEGR装置。
  7. 冷媒を供給する冷媒供給通路および冷媒を排出する冷媒排出通路をさらに有し、
    前記回転体は、前記EGRクーラを経由して前記冷媒供給通路と前記冷媒排出通路とを連通し、一端に第1冷媒開口部が形成され他端に第2冷媒開口部が形成される冷媒通路を有し、
    前記第1状態のとき前記第1冷媒開口部と前記冷媒供給通路とが連通して前記第2冷媒開口部と前記冷媒排出通路とが連通し、前記第2状態のとき前記第1冷媒開口部と前記冷媒排出通路とが連通して前記第2冷媒開口部と前記冷媒供給通路とが連通することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のEGR装置。
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