JP2020094021A - レスベラトロール誘導体の新規製造方法および新規用途 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]レスベラトロールおよびカフェ酸を含む溶液を高圧下で加熱処理することで、式(1):
[2]高圧条件が10MPa以上600MPa以下である、前記[1]に記載のレスベラトロール誘導体の製造方法。
[3]加熱処理温度が60℃以上100℃未満である、前記[1]又は[2]に記載のレスベラトロール誘導体の製造方法。
[4]加熱処理時間が1時間以上20時間以下である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のレスベラトロール誘導体の製造方法。
[5]前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を有効成分とするキサンチンオキシダーゼ阻害剤。
[6]前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を有効成分とする尿酸生成阻害剤。
[7]前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を有効成分とする痛風又は高尿酸血症の改善又は予防剤。
[8]前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を有効成分とする尿酸値低下用飲食品組成物。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明により製造されるレスベラトロール誘導体は、式(1):
なお、前記特許文献12(特許第6379807号)では、オートクレーブを用いているが、加圧の程度は、0.1MPa程度であり、本発明のような高圧条件に比べると顕著に低い加圧条件となっている。
前記のようにして得られる前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体は、後記実施例に示すように、優れたキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する。したがって、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤として使用することができる。
例えば、キサンチンオキシダーゼが関与するプリン化合物の代謝異常が関係した疾病として、高尿酸血症が挙げられる。通常、37℃での血漿中の尿酸ナトリウムの飽和溶解度は7mg/dLとされている。したがって、尿酸の血中濃度が7mg/dLを超えると体内で尿酸結晶が析出する可能性が出てくる。このように、尿酸の血中濃度が7mg/dLを超える症状を高尿酸血症という。また、プリン化合物の代謝異常は痛風の原因ともなる。尿酸の血中濃度が高い状態が継続すると関節内又は関節周囲に尿酸塩の結晶が沈着する。この現象により、急性関節炎発作、痛風結節、関節機能障害、関節の変形等の症状をきたす。この症状を痛風という。痛風は、腎障害、血管障害等、多くの合併症を引き起こす疾患としても知られる。
したがって、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体は、高尿酸血症、痛風等の予防又は改善のための製剤(痛風又は高尿酸血症の改善又は予防剤)の有効性分として含有させることができる。また、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体は、上述した各製剤として使用することができ、また製造するために使用することもできる。
製剤形態としては、例えば、錠剤、丸剤、顆粒剤、顆粒を含有するカプセル剤、細粒剤、散剤、トローチ剤、チュアブル剤、液剤(ドリンク剤)などが挙げられる。錠剤、丸剤、顆粒剤、顆粒を含有するカプセル剤の顆粒は、必要により、ショ糖等の糖類、マルチトール等の糖アルコールで糖衣を施したり、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等でコーティングを施したり、さらには胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。また、製剤の溶解性を向上させるために、公知の可溶化処理を施すこともできる。常法に基づいて、注射剤、点滴剤に配合して使用してもよい。
例えば、前記飲料類として、炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料等が挙げられる。例えば、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体をワインに添加することで、ワインの健康機能効果をさらに増強した新規なワインとすることもできる。
例えば、上記以外の市販食品として、ベビーフード、ふりかけ、お茶潰けのり等が挙げられる。
例えば、飲食品の場合には、水、アルコール、澱粉質、蛋白質、繊維質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、着香料、着色料、甘味料、調味料、安定剤、防腐剤等のような食品に通常配合される原料又は素材と組み合わせることができる。
医薬部外品の場合には、主剤、基材、界面活性剤、起泡剤、湿潤剤、増粘剤、透明剤、着香料、着色料、安定剤、防腐剤、殺菌剤等組み合わせ、常法に基づいて、丸剤、板状の剤型、トローチ剤、液剤等の最終形態等にすることができる。
カフェ酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)、レスベラトロール(テクノサイエンス株式会社製)、エタノール、および0.5Mホウ酸溶液を表1の配合で調製し、三方シール袋に入れて脱気包装した。この試料を、90℃に予熱した加圧装置に投入し、100MPaまで昇圧後、この条件で18時間処理することにより前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の製造を試みた。加圧装置は、株式会社東洋高圧製の高圧処理装置「まるごとエキス(登録商標)」を使用した。
カフェ酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)、レスベラトロール(テクノサイエンス株式会社製)、エタノール、および0.5Mホウ酸溶液を表1の配合で調製し、レトルト製袋に入れて脱気包装した。この試料を、90℃に予熱した装置に投入して、常圧のまま18時間保持することにより前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の製造を試みた。
カフェ酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)、レスベラトロール(テクノサイエンス株式会社製)、エタノール、0.5Mホウ酸溶液、および蒸留水を表2の配合で調製し、レトルト製袋に入れて脱気包装した。この試料を、90℃に予熱した加圧装置に投入し、100MPaまで昇圧後、この条件で18時間処理することにより前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の製造を試みた。加圧装置は、株式会社東洋高圧製の高圧処理装置「まるごとエキス(登録商標)」を使用した。
カフェ酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)、レスベラトロール(テクノサイエンス株式会社製)、エタノール、0.5Mホウ酸溶液、および蒸留水を表2の配合で調製し、レトルト製袋に入れて脱気包装した。この試料を、90℃に予熱した装置に投入して、常圧のまま18時間保持することにより前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の製造を試みた。
上記の各条件下で製造した前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体(UHA6052という)の生成量をLC−MSにより定量した。すなわち、まずUHA6052標準品(UHA6052標準品は、特許第6379807号公報に記載の方法により調製したレスベラトロール誘導体を用いた)をメタノールで希釈し、10、50、100、500ppbに調製した。調製した標準品をLC−MS (SRMモード) によって分析した。得られたプロダクトイオン(m/z 345.12)のピークエリアから検量線を作成した。次に、上記の実施例および比較例において調製した各試料を適宜希釈後、同様にLC−MSで分析し、得られたプロダクトイオンのピークエリアから、標準品の検量線を用いて定量した。ここで用いたLC−MSの分析条件は以下の通りである。
[HPLC]
カラム:ウォーターズ ACQUITY UPLC BEH C18(1.7μm,2.1×100mm)
溶媒 :A)水(0.1%ギ酸),B)アセトニトリル(0.1%ギ酸)
グラジエント:B)2%(0分),2%(1分),39%(4分),41%(8分),98%(9分)
流速 :400μL/分
[MS]
装置:サーモフィッシャーサイエンティフィックTSQ Quantum Access MAX
スキャンモード:SRM(Negative)
CE :29V
プレカーサーイオン(m/z):361.14
プロダクトイオン(m/z):345.12
以下の手順により、UHA6052のキサンチンオキシダーゼ阻害活性を測定した。すなわち、各試料(〔1〕ネガティブコントロール:DMSO,〔2〕ポジティブコントロール:20μMアロプリノール,〔3〕比較サンプル:1000μM レスベラトロール(フナコシ株式会社製),〔4〕試験サンプル:1000μM UHA6052)10μL、1mM キサンチン10μL(SIGMA−ALDRICH社製)、12.5mM リン酸バッファー(pH7.4)160μLを混合し、37℃のウォーターバス中で、5分間インキュベーションした(コンディショニング)。次いで、9.7mU/mLキサンチンオキシダーゼ20μL(牛ミルク由来,SIGMA−ALDRICH社製)を添加し、37℃で10分間インキュベーションした。酵素反応の停止は、3%過塩素酸溶液25μLを添加することにより行った。酵素反応後の反応溶液中の尿酸量を以下の条件にてHPLC分析することで測定した。
カラム : 資生堂 CAPCELL PAK C18(5μm,4.6×250mm)
溶媒 : 水:メタノール=96:4(0.1%リン酸)
流速 : 1.0mL/分
検出波長 : 290nm
カラム温度: 40℃
〈XOD阻害率算出方法〉
XOD阻害率(%)=[(コントロールの尿酸値−サンプルの尿酸値)/コントロールの尿酸値]×100
また、前記UHA6052の原料であるカフェ酸およびレスベラトロールはいずれも食経験のある野菜などに含まれる成分であることから、これらの成分から生成されるUHA6052も安全性を有すると考えられる。また、UHA6052は、アロプリノールと比べて化学構造が相違しているために作用機序が相違しており、アロプリノールと比べて副作用も少ないと考えられる。
Claims (8)
- 高圧条件が10MPa以上600MPa以下である、請求項1に記載のレスベラトロール誘導体の製造方法。
- 加熱処理温度が60℃以上100℃未満である、請求項1又は2に記載のレスベラトロール誘導体の製造方法。
- 加熱処理時間が1時間以上20時間以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のレスベラトロール誘導体の製造方法。
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MOL. CELL. BIOCHEM., vol. 442, JPN6022016280, 21 September 2017 (2017-09-21), pages 39 - 45, ISSN: 0004759855 * |
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