JP2020094021A - レスベラトロール誘導体の新規製造方法および新規用途 - Google Patents

レスベラトロール誘導体の新規製造方法および新規用途 Download PDF

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Abstract

【課題】レスベラトロール誘導体の新規な製造方法、当該レスベラトロール誘導体を含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤、尿酸生成阻害剤、痛風又は高尿酸血症の改善又は予防剤並びに尿酸値低下用飲食品組成物の提供。【解決手段】レスベラトロールおよびカフェ酸を含む溶液を高圧下で加熱処理することで、下式のレスベラトロール誘導体を生成する工程を有する、レスベラトロール誘導体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、レスベラトロール誘導体の新規な製造方法、当該レスベラトロール誘導体を含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤、尿酸生成阻害剤、痛風又は高尿酸血症の改善又は予防剤並びに尿酸値低下用飲食品組成物に関するものである。
赤ワインに含まれるレスベラトロールは、抗酸化、抗癌、抗動脈硬化作用など多くの生理機能が報告されており、中でも、サーチュインの活性化を介した抗老化作用があることも知られている。例えば、マウスを用いたレスベラトロールの抗老化作用に関する研究では、脳内の過酸化物質の減少や、活性酸素分解酵素(SOD)の活性向上や抗酸化物質であるグルタチオンの増加による血管性認知症の改善効果が報告されている(非特許文献1)。しかしながら、赤ワインや植物に含まれるレスベラトロールはごく微量であり、より有効性の高い物質の開発が期待されている。
そのような中、本発明者らは、レスベラトロールやピセアタンノール、プテロスチルベンに代表されるスチルベン類より、様々な生理活性を有する新規スチルベン誘導体、及び新規スチルベン誘導体混合物を報告している。そして、前記新規スチルベン誘導体などに、抗癌活性(特許文献1、2)をはじめ、アディポネクチンやサーチュイン産生促進効果(特許文献3)、摂食抑制効果(特許文献4)、白色脂肪細胞の褐色様脂肪細胞化効果(特許文献5〜7)、代謝活性化効果(特許文献8〜12)や、循環器系疾患予防効果(特許文献13、14)、その他、抗肥満や抗炎症効果(特許文献15、16)、記憶力抑制効果(特許文献17)などの効果があることを確認している。
一方、近年、食生活が急速に変化し、高カロリー、高タンパク、高脂肪の食事を摂る人の増加等に伴い、痛風の患者数は年々増加している。生活習慣病の一つとして知られている痛風は、プリン体の代謝異常による高尿酸血症を原因とし、足の親指等の関節に激しい痛みを伴う疾患である。このような痛みは、血液中で増加した尿酸が結晶化し、関節に沈着するために起こることから、血液中の尿酸を正常値内にコントロールすることが、痛風、高尿酸血症等の病気に対する予防及び治療の基本とされており、公知の血中尿酸値調整用薬剤として、尿酸合成抑制剤「アロプリノール」等が提供されている。しかしながら、アロプリノールが有するキサンチンオキシダーゼ阻害活性は一過性であること、また、副作用を伴うこと等の問題点がある。また、フラボノイド配糖体を有効成分とするキサンチンオキシダーゼ阻害剤が報告されているが、前記アロプリノールに比して格段にキサンチンオキシダーゼ活性が弱いという問題点がある(特許文献18)。
国際公開第2012/070656号公報 特許第5521788号公報 特許第5772220号公報 特許第5821366号公報 特許第6070367号公報 特許第6152735号公報 特開2015−124151号公報 特許第5895479号公報 特開2014−028776号公報 特許第5962398号公報 特許第5962399号公報 特許第6379807号公報 特開2014−101341号公報 特開2014−101342号公報 特許第5849616号公報 特開2013−177340号公報 特開2016−204303号公報 特開平6−172185号公報
坪田一男監修、「レスベラトロールの基礎と応用」、シーエムシー出版、2012年9月
本発明の目的は、優れたキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有するレスベラトロール誘導体の製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、前記レスベラトロール誘導体の新たな用途を提供すること、具体的には、前記レスベラトロール誘導体を含有するキサンチンオキシダーゼ阻害活性、尿酸生成阻害剤、痛風又は高尿酸血症の改善又は予防剤並びに尿酸値低下用飲食品組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究をした結果、意外にも高圧下で加熱処理を行うことにより、従来よりも低い温度で式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を効率的に製造することができ、当該レスベラトロール誘導体に新たにキサンチンオキシダーゼ阻害作用があることを見出した。そして、当該レスベラトロール誘導体を含むキサンチンオキシダーゼ阻害剤を有効成分とする飲食品が、尿酸値低下用飲食品組成物として利用できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]レスベラトロールおよびカフェ酸を含む溶液を高圧下で加熱処理することで、式(1):
Figure 2020094021
で示されるレスベラトロール誘導体を生成する工程を有する、レスベラトロール誘導体の製造方法。
[2]高圧条件が10MPa以上600MPa以下である、前記[1]に記載のレスベラトロール誘導体の製造方法。
[3]加熱処理温度が60℃以上100℃未満である、前記[1]又は[2]に記載のレスベラトロール誘導体の製造方法。
[4]加熱処理時間が1時間以上20時間以下である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のレスベラトロール誘導体の製造方法。
[5]前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を有効成分とするキサンチンオキシダーゼ阻害剤。
[6]前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を有効成分とする尿酸生成阻害剤。
[7]前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を有効成分とする痛風又は高尿酸血症の改善又は予防剤。
[8]前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を有効成分とする尿酸値低下用飲食品組成物。
本発明のレスベラトロール誘導体の製造方法は、高圧下で加熱処理することにより、従来よりも、式(1)で表されるレスベラトロール誘導体をより多く製造することができる。また、前記レスベラトロール誘導体は、キサンチンオキシダーゼを阻害する作用を有するため、前記レスベラトロール誘導体を含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤、尿酸生成阻害剤および痛風又は高尿酸血症の改善又は予防剤という新規の用途の開発が可能になったことに加えて、前記レスベラトロール誘導体を含有する飲食品組成物は、血中尿酸値が高めまたは血中尿酸値が気になる対象のための尿酸値低下用飲食品組成物として有用である。
図1は、実施例1および比較例1の製造方法で製造したレスベラトロール誘導体の生成量を示した図である。 図2は、実施例2および比較例2の製造方法で製造したレスベラトロール誘導体の生成量を示した図である。 図3は、実施例4におけるキサンチンオキシダーゼ(XOD)阻害活性を測定した結果を示した図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、本発明を限定するものではない。
以下、本発明について詳細に説明する。
<レスベラトロール誘導体の製造方法>
本発明により製造されるレスベラトロール誘導体は、式(1):
Figure 2020094021
で示されるレスベラトロール誘導体又はその薬学的に許容可能な塩である。
前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体において、炭素−炭素2重結合は、トランス又はシスであってよく、シス体とトランス体との混合物を含む。
前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の薬学的に許容可能な塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アルミニウムヒドロキシド塩等の金属ヒドロキシド塩;アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、アルキレンジアミン塩、シクロアルキルアミン塩、アリールアミン塩、アラルキルアミン塩、複素環式アミン塩等のアミン塩;α−アミノ酸塩、ω−アミノ酸塩等のアミノ酸塩;ペプチド塩又はそれらから誘導される第1級、第2級、第3級若しくは第4級アミン塩等が挙げられる。これらの薬学的に許容可能な塩は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明者らは、鋭意検討した結果、レスベラトロールとカフェ酸を高圧下で加熱処理することにより、化学合成法のように有害な試薬や工程を必要とせずに、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を効率的で安全に製造することができることを見出した。以下に、本発明のレスベラトロール誘導体製造方法(以下、本発明の製造方法)について具体的に説明する。
本発明の製造方法において、原料として、レスベラトロールを用いる。レスベラトロールにはトランス体とシス体の構造異性体が存在するが、加熱や紫外線によってトランス体とシス体の変換が一部生じる。したがって、レスベラトロールとしては、トランス体でもシス体でも、あるいはトランス体とシス体の混合物であってもよい。レスベラトロールは、ブドウ果皮・茎・葉、ピーナッツの渋皮、メリンジョ、イタドリ、リンゴンベリー等の原料から抽出・精製した天然由来のものであっても、化学合成された純度の高い化成品であってもよい。天然由来のレスベラトロールを用いる場合は、完全に精製されたものである必要はなく、レスベラトロール以外の成分を含む混合物も使用できる。また、レスベラトロールには、塩等も含まれる。ただし、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の回収率の観点からは、レスベラトロール換算で5重量%以上含有された混合物が原料として望ましい。具体的には、例えば、ブドウ果皮・茎・葉、ピーナッツの渋皮、メリンジョ、イタドリ、リンゴンベリー等の原料からの抽出物、凍結乾燥品等を使用してもよい
また、本発明の製造方法において、原料としてカフェ酸も用いる。カフェ酸は、天然由来のものであっても、化学合成された純度の高い化成品であってもよい。天然由来のカフェ酸を用いる場合は、完全に精製されたものである必要はなく、後述のように所望の生成反応が進み、最終的に前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の製造に使用できるものであれば特に限定されず、カフェ酸以外の成分を含む混合物もカフェ酸含有原料として使用することができる。ただし、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の回収量の観点からは、カフェ酸が5重量%以上含有された混合物が原料として望ましい。このような原料としては、様々な果実やジュース、濃縮果汁、又は、破棄されることの多い果皮の抽出物、あるいは先行技術に示されるような微生物発酵によるカフェ酸含有培養液や酵素反応後のカフェ酸含有溶液等が挙げられる。
本発明の製造方法では、レスベラトロール、カフェ酸、又はレスベラトロールとカフェ酸との混合物を適切な溶媒に溶解又は懸濁させる。前記溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が使用できる。水と有機溶媒の配合比や、有機溶媒の種類に特に制限はなく、レスベラトロールやカフェ酸が十分に溶解すればよい。中でも、エタノールやメタノールのみの溶媒や、水とエタノール、水とメタノールの混合液を使用することがコスト面から好ましい。前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を含む反応溶液に対して最終的な精製を十分に適用せずに食品に使用する場合には、安全性や法規面から、溶媒として水、エタノールや含水エタノールを使用することが望ましい。
前記溶媒にレスベラトロール及びカフェ酸を混合して得られるレスベラトロール、カフェ酸、又はレスベラトロールとカフェ酸との混合物を含有する溶液中のレスベラトロール及びカフェ酸の濃度について制限はない。それぞれの濃度が高いほど、溶媒使用量が少ない等のメリットもあるため、レスベラトロール及びカフェ酸の濃度は各々の溶媒に対しレスベラトロール及びカフェ酸がそれぞれ飽和する濃度又はそれ以上にすることが好ましい。
次に、前記レスベラトロール及びカフェ酸を含有する溶液(以下、レスベラトロール、カフェ酸含有溶液)のpHを8未満に調整することが好ましい。調整方法として、例えば、レスベラトロール、カフェ酸含有溶液を調製した後にpH調整剤を添加してpHを調整してもよいし、前記溶液の調製時に前もって溶媒のpHを調整しておいてもよい。レスベラトロール、カフェ酸含有溶液の反応開始時のpHは8以上であれば、他の反応や目的化合物の分解も一方で生じるために最終的な前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の回収量が低下する傾向がある。したがって、反応開始時のpHは3以上8未満が望ましい。
本発明の製造方法では、レスベラトロール、カフェ酸含有溶液を高圧下で加熱処理する。本発明において、「高圧」とは10MPa以上の圧力環境をいう。このように高圧下で加熱処理することにより、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の生成反応が効率的に進行する。高圧処理は、当該技術分野において公知の様々な加圧装置を用いて行うことができる。前記加圧装置としては、レスベラトロール、カフェ酸含有溶液を10〜600MPa程度まで加圧することができるものであればよく、装置の材質、構成などについて特に限定はない。本発明の製造方法における高圧処理条件としては、10〜600MPa、好ましくは30〜400MPa、より好ましくは50〜150MPaである。実際の高圧処理においては、レスベラトロール、カフェ酸含有溶液の液面に加圧面が接触していればよい。
なお、前記特許文献12(特許第6379807号)では、オートクレーブを用いているが、加圧の程度は、0.1MPa程度であり、本発明のような高圧条件に比べると顕著に低い加圧条件となっている。
また、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の生成反応が効率的に進行させるために、圧力とともに、レスベラトロール、カフェ酸含有溶液の加熱温度を調節することが好ましい。加熱温度としては、60℃以上100℃未満、好ましくは70℃以上100℃未満、より好ましくは80℃以上100℃未満である。また、回収効率面から、溶液温度が均一に所定の温度になるように加熱することが、好ましい。
さらに、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の生成反応を効率的に進行させるために、圧力、温度とともに、処理時間を調節することが好ましい。処理時間も圧力および温度と同様に限られたものではなく、効率的に目的の反応が進行する時間条件とすればよい。例えば、100MPa、90℃付近で処理する場合は、1時間以上20時間以下の処理時間が望ましい。
前記高圧処理による前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の生成反応の終了は、例えば、HPLCによる成分分析により新規レスベラトロール誘導体の生成量を確認して判断すればよい。
得られる反応溶液中には、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体が含有されている。また、安全な原料のみを用いた工程により前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を製造した場合には、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を含む混合物の状態で飲食品に使用することが可能である。例えば、天然由来のレスベラトロール、カフェ酸を含水エタノール溶媒に溶解し、ミネラルウォーター等を用い、上記の高圧処理を行った場合には、得られる反応溶液を食品原料の一つとして使用することが可能である。
また、風味面での改良やさらなる高機能化を望む場合は、前記反応溶液を濃縮してレスベラトロール誘導体の濃度を高める、あるいは前記反応溶液を精製しレスベラトロール誘導体の純品を得ることができる。濃縮、精製は、公知の方法で実施可能である。例えば、クロロホルム、酢酸エチル、エタノール、メタノール等の溶媒抽出法や炭酸ガスによる超臨界抽出法等で抽出してレスベラトロール誘導体を濃縮できる。また、カラムクロマトグラフィーを利用して濃縮や精製を施すことも可能である。再結晶法や限外ろ過膜等の膜処理法も適用可能である。
また、前記反応溶液から式(1)で表されるレスベラトロール誘導体を分離して回収する場合には、カラムクロマトグラフィー、HPLC等を用いてもよい。
前記濃縮物や精製物を、必要に応じて、減圧乾燥や凍結乾燥して溶媒除去することで、粉末状の前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を得ることができる。
また、得られた前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体は、必要に応じて、当該分野で公知の方法により、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の塩としてもよい。
なお、原料であるレスベラトロール及びカフェ酸の安全性が確認されていることから、本発明のレスベラトロール誘導体の安全性も同様に優れたものであると考えられる。
<レスベラトロール誘導体の新用途>
前記のようにして得られる前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体は、後記実施例に示すように、優れたキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する。したがって、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤として使用することができる。
また、キサンチンオキシダーゼは、プリン化合物分解経路の最終の2段階の反応、すなわち、ヒポキサンチンをキサンチンへと酸化させる反応、次いでキサンチンを尿酸へと酸化させる反応を触媒する酵素である。したがって、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体はプリン化合物分解を阻害することで、例えば、尿酸生成阻害剤として使用することができる。
また、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体は、キサンチンオキシダーゼが関与するプリン化合物の代謝異常に起因する疾病の予防、改善又は治療に活用することができる。
例えば、キサンチンオキシダーゼが関与するプリン化合物の代謝異常が関係した疾病として、高尿酸血症が挙げられる。通常、37℃での血漿中の尿酸ナトリウムの飽和溶解度は7mg/dLとされている。したがって、尿酸の血中濃度が7mg/dLを超えると体内で尿酸結晶が析出する可能性が出てくる。このように、尿酸の血中濃度が7mg/dLを超える症状を高尿酸血症という。また、プリン化合物の代謝異常は痛風の原因ともなる。尿酸の血中濃度が高い状態が継続すると関節内又は関節周囲に尿酸塩の結晶が沈着する。この現象により、急性関節炎発作、痛風結節、関節機能障害、関節の変形等の症状をきたす。この症状を痛風という。痛風は、腎障害、血管障害等、多くの合併症を引き起こす疾患としても知られる。
したがって、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体は、高尿酸血症、痛風等の予防又は改善のための製剤(痛風又は高尿酸血症の改善又は予防剤)の有効性分として含有させることができる。また、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体は、上述した各製剤として使用することができ、また製造するために使用することもできる。
本明細書において、上記の「使用」とは、適用対象であるヒト若しくは非ヒト動物における使用であり得る。また、本明細書において、「改善」とは、ヒト若しくは非ヒト動物における疾患、症状又は状態の好転;疾患、症状又は状態の悪化の防止、遅延若しくは疾患又は症状の進行の逆転、防止又は遅延をいう。また、本明細書において、「予防」とは、ヒト若しくは非ヒト動物における疾患若しくは症状の発症の防止又は遅延、或いは適用対象の疾患若しくは症状の発症の危険性を低下させることをいう。
前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体及びこれを有効成分として含有する上述の各種製剤(以下、「本発明の各種製剤」ともいう)は、ヒト若しくは非ヒト動物に摂取させる又は投与して、キサンチンオキシダーゼが関与する疾病、疾患や症状の改善又は予防を図るための方法に使用することができる。
本発明の各種製剤において、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の含有量は、製剤の最終組成物に対し、少なくとも0.001質量%であることが好ましい。前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の摂取量又は投与量は、ヒト又は非ヒト動物の年齢、症状等により異なるが、通常、0.001〜3000mg/kg体重/日、好ましくは0.01〜200mg/kg体重/日であり、1日1回から3回に分けて投与してもよい。例えば、ヒトに対する摂取量又は投与量は、好ましくは10mg/kg体重/日である。
また、前記本発明の各種製剤は、前記のようなキサンチンオキシダーゼが関与する疾病、疾患や症状のための、又は上述した高尿酸血症、痛風等の予防、改善及び/又は治療のための、ヒト用若しくは動物用の医薬品、医薬部外品等の有効成分としてこれらに配合して使用可能である。
前記医薬品としては、日本薬局方に収められている医薬品で口に含むことができれば特に限定されるものではなく、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体成分に薬学的に許容される担体を添加して、経口用または非経口用の製剤とすることができる。
製剤形態としては、例えば、錠剤、丸剤、顆粒剤、顆粒を含有するカプセル剤、細粒剤、散剤、トローチ剤、チュアブル剤、液剤(ドリンク剤)などが挙げられる。錠剤、丸剤、顆粒剤、顆粒を含有するカプセル剤の顆粒は、必要により、ショ糖等の糖類、マルチトール等の糖アルコールで糖衣を施したり、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等でコーティングを施したり、さらには胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。また、製剤の溶解性を向上させるために、公知の可溶化処理を施すこともできる。常法に基づいて、注射剤、点滴剤に配合して使用してもよい。
前記医薬部外品としては、厚生労働大臣が指定した医薬部外品で口に含むことができれば特に限定されるものではなく、形態としては、例えば、内服液剤、健康飲料、ビタミン含有保健剤などが挙げられる。
また、本発明は、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を有効成分として含有する尿酸値低下用飲食品組成物に関する。ここで、「有効成分」とは、血中尿酸値が高めまたは血中尿酸値が気になる対象のために、キサンチンオキシダーゼを阻害する効果による血中尿酸値低下効果を奏する上で必要とされる成分のことを意味する。
本明細書中において、「血中尿酸値が高めであるまたは血中尿酸値が気になる対象」とは、好ましくは血中尿酸値の低下を必要とするヒトであるが、血中尿酸値が高いヒトだけでなく、血中尿酸値は高くはないが、血中尿酸値の上昇が気になるヒト、高尿酸血症を予防したいヒト、痛風を予防したいヒト、血中尿酸値を高める飲食品(例えば、レバー類、白子、エビ、イワシ、カツオ等の魚介類などプリン体の含まれる飲食品)の摂取量の多いヒトなど、血中尿酸値の上昇を予防することを望むヒト、式(1)で表される新規レスベラトロール誘導体が配合されている旨の表示を観て、健康によいので服用したいと考える潜在的なヒトも含まれる。また、前記対象には、非ヒト動物、例えば、ウシ、ウマ、ヤギ等の家畜動物、イヌ、ネコ、ウサギ等のペット動物、又は、マウス、ラット、モルモット、サル等の実験動物も含まれる。また、本発明の尿酸値低下用飲食品組成物のように、健康機能効果が加わった飲食品は、社会ニーズの非常に高い分野に応えることが可能である。なお、前記食品には、機能性表示食品、健康食品、健康志向食品等も含まれる。
前記飲食品組成物の形態としては、液状、ペースト状、固体、粉末等の形態を問わず、錠菓、流動食、飼料(ペット用を含む)等のほか、例えば、菓子類、飲料類、小麦粉製品、即席食品、農産加工品、水産加工品、畜産加工品、乳・乳製品、油脂類、基礎調味料、複合調味料・食品類、冷凍食品、これら以外の市販食品等が挙げられる。
例えば、前記菓子類として、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、グミキャンディ、キャラメル、チューインガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、米菓子、豆菓子、デザート菓子、その他の菓子等が挙げられる。
例えば、前記飲料類として、炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料等が挙げられる。例えば、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体をワインに添加することで、ワインの健康機能効果をさらに増強した新規なワインとすることもできる。
例えば、前記小麦粉製品として、パン、マカロニ、スパゲッティ、めん類、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等が挙げられる。前記即席食品類として、即席めん、カップめん、レトルト・調理食品、調理缶詰め、電子レンジ食品、即席スープ・シチュー、即席みそ汁・吸い物、スープ缶詰め、フリーズ・ドライ食品、その他の即席食品等が挙げられる。例えば、前記農産加工品として、農産缶詰め、果実缶詰め、ジャム・マーマレード類、漬物、煮豆類、農産乾物類、シリアル(穀物加工品)等が挙げられる。前記水産加工品として、水産缶詰め、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、水産珍味類、つくだ煮類等が挙げられる。前記畜産加工品として、畜産缶詰め・ペースト類、畜肉ハム・ソーセージ等が挙げられる。
例えば、前記乳・乳製品として、加工乳、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料類、チーズ、アイスクリーム類、調製粉乳類、クリーム、その他の乳製品等が挙げられる。前記油脂類として、バター、マーガリン類、植物油等が挙げられる。例えば、前記基礎調味料として、しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類等が挙げられる。前記複合調味料・食品類として、調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類、その他の複合調味料等が挙げられる。例えば、前記冷凍食品として、素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済冷凍食品等が挙げられる。
例えば、上記以外の市販食品として、ベビーフード、ふりかけ、お茶潰けのり等が挙げられる。
また、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を用いて食品、医薬品又は医薬部外品を調製する場合、本発明の効果が損なわれない範囲内で飲食品、医薬品又は医薬部外品に通常用いられる成分を適宜任意に配合することができる。
例えば、飲食品の場合には、水、アルコール、澱粉質、蛋白質、繊維質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、着香料、着色料、甘味料、調味料、安定剤、防腐剤等のような食品に通常配合される原料又は素材と組み合わせることができる。
医薬部外品の場合には、主剤、基材、界面活性剤、起泡剤、湿潤剤、増粘剤、透明剤、着香料、着色料、安定剤、防腐剤、殺菌剤等組み合わせ、常法に基づいて、丸剤、板状の剤型、トローチ剤、液剤等の最終形態等にすることができる。
前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を飲食品に添加する場合には、該飲食品中に対して、通常は0.001〜10重量%添加することが好ましい。
前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を医薬用途で使用する場合、例えば、その摂取量は、所望の改善、治療又は予防効果が得られるような量であれば特に制限されず、通常その態様、患者の年齢、性別、体質その他の条件、疾患の種類並びにその程度等に応じて適宜選択される。摂取量は1日当たり約0.1mg〜1,000mg程度とするのがよく、これを1日に1〜4回に分けて摂取することができる。
前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体を医薬部外品に添加する場合には、該医薬部外品中に、通常0.001〜30重量%添加するのが好ましい。
また、前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体は、安全性に優れたものであるので、ヒトに対してだけでなく、非ヒト動物、例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジー等の哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類等の治療剤又は飼料に配合してもよい。飼料としては、例えばヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、ウナギ、タイ、ハマチ、エビ等に用いる魚介類用飼料、イヌ、ネコ、小鳥、リス等に用いるペットフードが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕高圧処理によるレスベラトロール誘導体の製造(溶媒:エタノール系)
カフェ酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)、レスベラトロール(テクノサイエンス株式会社製)、エタノール、および0.5Mホウ酸溶液を表1の配合で調製し、三方シール袋に入れて脱気包装した。この試料を、90℃に予熱した加圧装置に投入し、100MPaまで昇圧後、この条件で18時間処理することにより前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の製造を試みた。加圧装置は、株式会社東洋高圧製の高圧処理装置「まるごとエキス(登録商標)」を使用した。
〔比較例1〕常圧下でのレスベラトロール誘導体の製造(溶媒:エタノール系)
カフェ酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)、レスベラトロール(テクノサイエンス株式会社製)、エタノール、および0.5Mホウ酸溶液を表1の配合で調製し、レトルト製袋に入れて脱気包装した。この試料を、90℃に予熱した装置に投入して、常圧のまま18時間保持することにより前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の製造を試みた。
Figure 2020094021
〔実施例2〕高圧処理によるレスベラトロール誘導体の製造(溶媒:水系)
カフェ酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)、レスベラトロール(テクノサイエンス株式会社製)、エタノール、0.5Mホウ酸溶液、および蒸留水を表2の配合で調製し、レトルト製袋に入れて脱気包装した。この試料を、90℃に予熱した加圧装置に投入し、100MPaまで昇圧後、この条件で18時間処理することにより前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の製造を試みた。加圧装置は、株式会社東洋高圧製の高圧処理装置「まるごとエキス(登録商標)」を使用した。
〔比較例2〕常圧下でのレスベラトロール誘導体の製造(溶媒:水系)
カフェ酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)、レスベラトロール(テクノサイエンス株式会社製)、エタノール、0.5Mホウ酸溶液、および蒸留水を表2の配合で調製し、レトルト製袋に入れて脱気包装した。この試料を、90℃に予熱した装置に投入して、常圧のまま18時間保持することにより前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体の製造を試みた。
Figure 2020094021
〔実施例3〕レスベラトロール誘導体の定量
上記の各条件下で製造した前記式(1)で示されるレスベラトロール誘導体(UHA6052という)の生成量をLC−MSにより定量した。すなわち、まずUHA6052標準品(UHA6052標準品は、特許第6379807号公報に記載の方法により調製したレスベラトロール誘導体を用いた)をメタノールで希釈し、10、50、100、500ppbに調製した。調製した標準品をLC−MS (SRMモード) によって分析した。得られたプロダクトイオン(m/z 345.12)のピークエリアから検量線を作成した。次に、上記の実施例および比較例において調製した各試料を適宜希釈後、同様にLC−MSで分析し、得られたプロダクトイオンのピークエリアから、標準品の検量線を用いて定量した。ここで用いたLC−MSの分析条件は以下の通りである。
〈LC−MS分析条件〉
[HPLC]
カラム:ウォーターズ ACQUITY UPLC BEH C18(1.7μm,2.1×100mm)
溶媒 :A)水(0.1%ギ酸),B)アセトニトリル(0.1%ギ酸)
グラジエント:B)2%(0分),2%(1分),39%(4分),41%(8分),98%(9分)
流速 :400μL/分
[MS]
装置:サーモフィッシャーサイエンティフィックTSQ Quantum Access MAX
スキャンモード:SRM(Negative)
CE :29V
プレカーサーイオン(m/z):361.14
プロダクトイオン(m/z):345.12
結果を図1および図2に示した。図1はエタノール系の溶媒を使った場合の結果、図2は水系の溶媒を使った結果である。図1に示したように常圧(比較例1の製造方法)では、UHA6052を検出することはできなかった。一方、100MPaの圧力をかけた場合(実施例1の製造方法)では、表1の実(1)の組成においては7.43ppm、実(2)の組成においては35.8ppm、実(3)の組成においては190.0ppmのUHA6052が生成されることが確認された。このようにレスベラトロールおよびカフェ酸を含むエタノール溶液に90℃という比較的低い温度下、100MPaという高い圧力をかけることにより、レスベラトロール誘導体を効率的に製造することが可能であることが判明した。
図2の水の溶媒を使った場合の結果においては、100MPaの圧力をかけることにより、UHA6052生成量は、比(4)および実(4)の原料液組成において1.2ppm(比(4))から64.6ppm(実(4))と53.8倍に、比(5)および実(5)の原料液組成において14.2ppm(比(5))から131.4ppm(実(5))と9.3倍に増加した。なお、実(6)の組成の溶液においては、処理後、沈殿が生じ分析することができなかった。以上の結果より、レスベラトロールおよびカフェ酸を含む水溶液に90℃という比較的低い温度下、100MPaという高い圧力をかけることにより、レスベラトロール誘導体を効率的に製造することが可能であることが判明した。
〔実施例4〕キサンチンオキシダーゼ(XOD)阻害活性の測定
以下の手順により、UHA6052のキサンチンオキシダーゼ阻害活性を測定した。すなわち、各試料(〔1〕ネガティブコントロール:DMSO,〔2〕ポジティブコントロール:20μMアロプリノール,〔3〕比較サンプル:1000μM レスベラトロール(フナコシ株式会社製),〔4〕試験サンプル:1000μM UHA6052)10μL、1mM キサンチン10μL(SIGMA−ALDRICH社製)、12.5mM リン酸バッファー(pH7.4)160μLを混合し、37℃のウォーターバス中で、5分間インキュベーションした(コンディショニング)。次いで、9.7mU/mLキサンチンオキシダーゼ20μL(牛ミルク由来,SIGMA−ALDRICH社製)を添加し、37℃で10分間インキュベーションした。酵素反応の停止は、3%過塩素酸溶液25μLを添加することにより行った。酵素反応後の反応溶液中の尿酸量を以下の条件にてHPLC分析することで測定した。
〈HPLC分析条件〉
カラム : 資生堂 CAPCELL PAK C18(5μm,4.6×250mm)
溶媒 : 水:メタノール=96:4(0.1%リン酸)
流速 : 1.0mL/分
検出波長 : 290nm
カラム温度: 40℃
反応溶液中の尿酸濃度を用いて、キサンチンオキシダーゼ阻害率(%)を以下計算式により求めるとともに、50%阻害率(IC50)に相当する濃度を得た。
〈XOD阻害率算出方法〉
XOD阻害率(%)=[(コントロールの尿酸値−サンプルの尿酸値)/コントロールの尿酸値]×100
結果を図3に示した。比較サンプルである50μMレスベラトロールのXOD阻害率が6.1%であったのに対し、同濃度の50μM UHA6052のXOD阻害率は43.4%と顕著な阻害活性を示した。さらに、UHA6052のIC50は、77.7μMであることが分かった。
以上の結果より、式(1)で示されるレスベラトロール誘導体(UHA6052)は、キサンチンオキシダーゼの活性を阻害する「キサンチンオキシダーゼ阻害剤」として有用であることが示された。
また、前記UHA6052の原料であるカフェ酸およびレスベラトロールはいずれも食経験のある野菜などに含まれる成分であることから、これらの成分から生成されるUHA6052も安全性を有すると考えられる。また、UHA6052は、アロプリノールと比べて化学構造が相違しているために作用機序が相違しており、アロプリノールと比べて副作用も少ないと考えられる。


Claims (8)

  1. レスベラトロールおよびカフェ酸を含む溶液を高圧下で加熱処理することで、式(1):
    Figure 2020094021
    で示されるレスベラトロール誘導体を生成する工程を有する、レスベラトロール誘導体の製造方法。
  2. 高圧条件が10MPa以上600MPa以下である、請求項1に記載のレスベラトロール誘導体の製造方法。
  3. 加熱処理温度が60℃以上100℃未満である、請求項1又は2に記載のレスベラトロール誘導体の製造方法。
  4. 加熱処理時間が1時間以上20時間以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のレスベラトロール誘導体の製造方法。
  5. 式(1):
    Figure 2020094021
    で示されるレスベラトロール誘導体を有効成分とするキサンチンオキシダーゼ阻害剤。
  6. 式(1):
    Figure 2020094021
    で示されるレスベラトロール誘導体を有効成分とする尿酸生成阻害剤。
  7. 式(1):
    Figure 2020094021
    で示されるレスベラトロール誘導体を有効成分とする痛風又は高尿酸血症の改善又は予防剤。
  8. 式(1):
    Figure 2020094021
    で示されるレスベラトロール誘導体を有効成分とする尿酸値低下用飲食品組成物。
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