JP2020094006A - 徐放性防黴剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】層状無機化合物の層間に様々な化学構造を有する化学的に安定な有機無機複合基及び/又は有機無機架橋構造を導入し、その層間に防黴性有機化合物を挿入した後、それを比較的長期間に亘って放出することができる徐放性防黴剤及びその製造方法の提供。【解決手段】式(1)で表される有機無機複合基等を有する層間修飾層状無機化合物と、該無機化合物の層間に挿入された特定のイソチアゾリン系化合物を含む徐放性防黴剤。【選択図】なし
Description
本発明は、層間に有機無機複合基および/または有機無機複合架橋構造を含む層間修飾層状無機化合物と、その層間に挿入された、防黴性有機化合物を含む徐放性防黴剤およびその製造方法に関する。
従来から所望の材料に防黴性を付与するために種々の防黴剤が開発されており、有機系と無機系の防黴剤が知られている。有機系の防黴剤としては、塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩系化合物、2,4−チアゾリルベンジイミダゾール等のイオウ含有ベンズイミダゾール系化合物、メチレンビスチオイソシアナート等のビスチオシアナート系化合物、8−キノリノール等のキノリノール系化合物、エタノール等のアルコール系化合物、ホルマリン等のアルデヒド系化合物、クレゾール等のフェノール系化合物、ソルビン酸等のカルボン酸系化合物等の抗菌防黴剤が知られている。
一方、防黴性有機化合物の防黴効果を長期間に亘って持続させて発現させる方法としては、層状無機化合物の層間に挿入した防黴性有機化合物を放出する徐放剤とする方法が挙げられ、例えば、ホスト化合物として無修飾の層状無機化合物を用い、その層間にゲスト化合物である防黴性有機化合物を挿入し、徐放する複合剤が知られている。
また、機能性化合物の効果を長期間に亘って持続させて発現させる方法として、層状無機化合物の層間に存在する交換性金属カチオンをアルキルアンモニウムで交換して層間を有機化(疎水化)し、層間に機能性化合物を挿入し、徐放する複合剤が知られている。
例えば、特許文献1には、ホスト化合物として層間が無修飾で、交換性陽イオンがアルカリ土類金属である層状ケイ酸塩であるカルシウム型フッ素置換合成ウンモを用い、これにゲスト化合物として防黴性有機化合物である2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを層間挿入した複合剤を調製し、そこから2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを徐放する徐放性防黴剤およびその製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、ホスト化合物として粘土鉱物モンモリロナイトの層間の交換性金属カチオンとジメチルジオクタデシルアンモニウムとのカチオン交換により層間を有機化した有機化ベントナイトを用い、ゲスト化合物としてシメトリンを混合した徐放性シメトリン製剤およびその製造方法が記載されている。
防黴剤等の機能性化合物を使用環境に合わせて、所望の期間に亘って効果的に徐放するためには、層間環境および使用環境(溶媒、樹脂および空気中等)と防黴剤等の機能性化合物との親和性を適切に調節して徐放速度を制御する必要がある。しかしながら、特許文献1記載の交換性陽イオンが、アルカリ土類金属である層状ケイ酸塩をホスト化合物として利用して徐放化する場合には、その層間環境(親水性、疎水性、水素結合性および層間距離等)を調節する余地が少ない。さらに、層間環境を調節して、徐放速度を調節することにより、防黴剤を様々な使用環境に適合させて、長期間に亘って防黴効果を持続させるという示唆もない。
さらに、特許文献2に記載の層間をアルキルアンモニウムにより有機化修飾した層状無機化合物を、ホスト化合物として利用して徐放化する場合には、その層間環境は疎水化するだけで多様性を持たせることができないため、使用用途に合わせて任意の所望のゲスト化合物と層状無機化合物との相互作用を制御することができず、層間への挿入と層間からの徐放速度が最適になるように層間環境を設計し、合成することが困難であり、徐放化できる化合物と使用条件が限定される。さらに、アルキルアンモニウムによる層間修飾のため、酸性条件下などの使用環境の影響を容易に受けて、層間でのカチオン交換反応が進行し、アルキルアンモニウム基の層間からの脱離が容易に進行する。このため、このような有機化修飾ホスト化合物を用いた徐放剤の使用条件が限定される上、比較的長期間の使用においては、当該有機化層状無機化合物の層間修飾構造を維持することが困難となり、徐放剤として実用的ではない。
本発明は、上記の状況に鑑み、層状無機化合物の層間に様々な化学構造を有し、化学的に安定な有機無機複合基または有機無機複合架橋構造の少なくともいずれか1種を導入することにより、防黴性有機化合物から選ばれる化合物と適切に相互作用する環境を層間に設計および導入し、その化合物を層間に挿入した後、その放出速度を適切に調節し、長期間に亘って放出する徐放性黴剤およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、層状無機化合物の層間をシリル化剤等の有機無機複合修飾剤で修飾した層間修飾層状無機化合物、および/または有機無機複合架橋構造で架橋した層間修飾層状無機化合物をホスト化合物とし、その層間に、イソチアゾリン系防黴性有機化合物から選ばれる化合物が、ゲスト化合物として挿入されたホスト−ゲスト複合剤が、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、層状無機化合物の層間に下記式(1)で表される有機無機複合基および/または下記式(2)で表される有機無機複合架橋構造を有する層間修飾層状無機化合物と、前記層間修飾層状無機化合物の層間に挿入された、下記式(3)で表されるイソチアゾリン系化合物および/またはその塩から選択される少なくとも1種の化合物と、を含む徐放性防黴剤である。
(式(1)において、Rは、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示し、それぞれビニル基、エポキシ基、オキセタニル基、エーテル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のモノもしくはジアルキルアミノ基、炭素数6〜20のモノもしくはジアリールアミノ基、炭素数7〜20のモノもしくはジアラルキルアミノ基、第1級、第2級、第3級もしくは第4級アンモニウム基、チオール基、イソシアヌレート基、ウレイド基、イソシアナート基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基またはハロゲン原子で置換されていても良い。Mは、Si、Al、TiまたはZrを示し、Zは水素原子、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキルオキシ基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキルオキシ基、トリメチルシリルオキシ基、ジメチルシリルオキシ基、炭素数1〜8の飽和もしくは不飽和ヘテロシクロアルキルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のアルキルアミノ基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のジアルキルアミノ基または層状無機化合物由来の酸素原子を示し、MがSi、TiまたはZrのいずれかの場合には、それに対応するwは3で、かつtは1〜3の整数であり、MがAlの場合には、それに対応するwは2で、かつtは1または2であり、tが2または3の場合には、Rは同一でも異なっても良い。)
(式(2)において、M1およびM2は、それぞれ独立してSi、Al、TiまたはZrを示し、RaおよびRbは、それぞれ独立して炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキレン基、炭素数3〜20の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基または炭素数7〜20のアラルキレン基を示し、Rcは炭素数1〜40から成る有機基を示し、かつヘテロ原子、直鎖構造、分岐構造、環状構造、不飽和結合および芳香族構造を含んでも良く、Rdは炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示し、それぞれビニル基、エポキシ基、オキセタニル基、エーテル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のモノもしくはジアルキルアミノ基、炭素数6〜20のモノもしくはジアリールアミノ基、炭素数7〜20のモノもしくはジアラルキルアミノ基、第1級、第2級、第3級もしくは第4級アンモニウム基、チオール基、イソシアヌレート基、ウレイド基、イソシアナート基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基またはハロゲン原子で置換されていても良く、Zは水素原子、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキルオキシ基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキルオキシ基、トリメチルシリルオキシ基、ジメチルシリルオキシ基、炭素数1〜8の飽和もしくは不飽和ヘテロシクロアルキルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のアルキルアミノ基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のジアルキルアミノ基または層状無機化合物由来の酸素原子を示し、M1およびM2がSi、TiまたはZrのいずれかの場合には、それに対応するxは2で、かつnは0〜2の整数であり、M1およびM2がAlの場合には、それに対応するxは1で、かつnは0または1であり、p、qおよびrは0または1の整数で、これらのうち少なくともいずれか1つは1である。)
(式(3)において、Reは、水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示し、RfおよびRgは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、ハロゲン原子、またはRfおよびRgは互いに連結した炭素数2〜20の分岐差があっても良い飽和もしくは不飽和の炭化水素基であり、RfおよびRgは、それぞれハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アセトアミド基で置換されていても良い。)
前記式(1)で表される有機無機複合基において、Rで表される官能基が適切な保護基で保護されていても良く、前記式(2)で表される有機無機複合基において、Rdで表される官能基が適切な保護基で保護されていても良い。
前記式(1)で表される有機無機複合基において、Rで表される官能基が適切な保護基で保護されていても良く、前記式(2)で表される有機無機複合基において、Rdで表される官能基が適切な保護基で保護されていても良い。
また、本発明は、前記層間修飾層状無機化合物と、前記層間修飾層状無機化合物の層間に挿入するイソチアゾリン系化合物および/またはその塩から選択される少なくとも1種の化合物と、を混合することを特徴とする徐放性防黴剤の製造方法である。
本発明の層状無機化合物の層間をシリル化剤等の有機無機複合修飾剤で修飾、および/または有機無機複合架橋構造で架橋した層間修飾層状無機化合物は、層間修飾剤として様々な官能基を有するシリル化剤をはじめとする有機無機複合修飾剤やカップリング剤が入手可能であるために、層間環境(ゲスト化合物と相互作用する場や層間距離)の多様性が非常に広く、所望の防黴性有機化合物、例えば、イソチアゾリン系防黴性有機化合物の層間への挿入と徐放化に適した相互作用基、例えば、飽和または不飽和の脂肪族基等の疎水基や親水基、芳香族基や複素環構造基、水素結合生成基、配位結合生成基およびイオン結合生成基などの様々な官能基を選択して層間を設計し、導入することができ、目的に応じた所望のイソチアゾリン系防黴性有機化合物(ゲスト化合物)を層間に挿入し、徐放化することができる。
さらに、層状無機化合物の層間をシリル化剤等の有機無機複合修飾剤で修飾、および/または有機無機複合架橋構造で架橋した層間修飾層状無機化合物は、M、M1およびM2(M、M1およびM2はSi、Ti,ZrまたはAl)−O−Si(Siは層状無機化合物由来)結合等の共有結合を介して、ゲスト化合物と相互作用する官能基(層間修飾基および層間架橋構造)により修飾されているため、酸性やアルカリ性条件下等の様々な環境において化学的安定性が非常に高い。そのため使用環境の影響をほとんど受けることなく、実用的に十分長期間に亘り修飾基が層間に存在することができ、層間に挿入された防黴性有機化合物を実用的に長期間保持し、徐放化することができる。
さらに、本発明による層間を有機無機複合基で修飾、および/または有機無機複合架橋構造により架橋された層状無機化合物は、前記の通り化学的安定性が非常に高いため、その層間に挿入された防黴性有機化合物を外部環境から保護することができ、耐熱性、耐水性や耐紫外線性等を付与することができるため、耐熱性、耐水性や耐紫外線性等が低い化合物の徐放化だけでなく、当該徐放性動物忌避剤を樹脂等に混練および成形したり、水中や加湿条件下で使用したり、屋外の太陽光が当たる環境等の様々な環境下で使用することを可能とする。
また、種々の修飾基を導入することができるため、目的に合わせて層間距離を幅広く設定することができ、様々な化合物の挿入および徐放を可能とする。
また、種々の修飾基を導入することができるため、目的に合わせて層間距離を幅広く設定することができ、様々な化合物の挿入および徐放を可能とする。
以下、本発明の層間を、有機無機複合基および/または有機無機複合架橋構造で共有結合を介して修飾された層間修飾層状無機化合物の層間に挿入された、イソチアゾリン系化合物および/またはその塩から選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含む徐放性防黴剤について説明する。
本発明における層状無機化合物としては、特に限定されないが、グラファイト、層状金属カルコゲン化物、層状金属酸化物(例えば、酸化チタン、酸化ニオブを主体とする層状ペロブスカイト化合物、チタン・ニオブ酸塩、モリブデン酸塩等)、層状金属オキシハロゲン化物、層状金属リン酸塩(例えば、層状アンチモンリン酸塩等)、層状粘土鉱物、層状ケイ酸塩(例えば、雲母、スメクタイト族(モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、フルオロヘクトライト等)、カオリン族(カオリナイト等)、マガディアイト、ケニヤアイト、カネマイト等)および層状複水酸化物などが挙げられる。
これらの中でも入手の容易さ等から、層状ケイ酸塩、層状粘土鉱物および層状金属酸化物が好ましく用いられるが、これらは天然に産出されたものでも人工的に合成されたものでもいずれを用いてもよい。
これらの中でも入手の容易さ等から、層状ケイ酸塩、層状粘土鉱物および層状金属酸化物が好ましく用いられるが、これらは天然に産出されたものでも人工的に合成されたものでもいずれを用いてもよい。
本発明における有機無機複合基は、前記式(1)で表される構造であり、有機無機複合架橋構造は、前記式(2)で表される構造である。
前記式(1)および式(2)において、M、M1およびM2は、それぞれ層状無機化合物由来の酸素原子と共有結合を生成できる金属であり、その共有結合が加水分解等の分解反応を起こしにくく、入手も容易であることから、Si(ケイ素)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)およびZr(ジルコニウム)のいずれかであり、様々な相互作用基および架橋性官能基を導入するために入手が容易なSiが好ましい。
前記式(1)および式(2)において、M、M1およびM2は、それぞれ層状無機化合物由来の酸素原子と共有結合を生成できる金属であり、その共有結合が加水分解等の分解反応を起こしにくく、入手も容易であることから、Si(ケイ素)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)およびZr(ジルコニウム)のいずれかであり、様々な相互作用基および架橋性官能基を導入するために入手が容易なSiが好ましい。
層状無機化合物と共有結合を介して層間に導入された、前記式(1)で表される有機無機複合基および前記式(2)で表される有機無機複合架橋構造において、該有機無機複合基および有機無機複合架橋構造と層状無機化合物とが複数の共有結合を介して結合していることが、層間を繋ぐ結合の化学的安定性の観点からより好ましく、MがSi、TiおよびZrの場合にはtは1または2が好ましく、nは0または1がより好ましく、Alの場合にはtは1が好ましく、nは0がより好ましく、いずれの場合もZの少なくとも1つは層状無機化合物由来の酸素原子であるものを含んでいることがより好ましい。また互いに近傍の有機無機複合基および有機無機複合架橋構造のZが加水分解・縮合して、M−O−M、M−O−M1結合、M−O−M2、M1−O−M1結合、M1−O−M2結合またはM2−O−M2結合を生成しても良い。
前記式(1)で表される有機無機複合基において、前記式(3)で表されるイソチアゾリン系化合物またはその塩から選択される防黴効果を有する有効成分(ゲスト化合物)との相互作用を適切に設計することが出来ることから、飽和または不飽和の脂肪族基、芳香族基、複素環構造基、水素結合生成基、配位結合生成基およびイオン結合生成基のいずれかを含むことが好ましい。これによって、ゲスト化合物との非共有結合性相互作用(ファンデルワールス力、π―π相互作用、疎水性相互作用、水素結合、配位結合、イオン結合等)を適切に調節して付与することができ、これらの化合物の層間への挿入を促進して保持量を増やすなど調節することができ、さらに目的に合わせて放出速度を調節して徐放化することができる。
前記非共有結合性相互作用基としては特に制限はなく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、メチレン基、プロピレン基、シクロヘキシル基、ビニル基、アリル基等の飽和または不飽和の脂肪族基、スチリル基、フェニル基、ナフチル基、フェニレン基等の芳香族基、ピリジニル基、ピペリジニル基、ピロジニル基、ピリミジニル基、イミダゾリル基等のアゾール基、エポキシ基、オキセタニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチオフェニル基、ジオキサニル基、モルホリニル基、チアジニル基、インドール基、核酸塩基等の複素環構造基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、水酸基、チオール基、アルデヒド基、カルボキシル基、カルボン酸メチル基、リン酸基、リン酸エチル基、スルホン酸基、スルホン酸メチル基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、イソシアナート基等の水素結合および配位結合生成基、エチルアンモニウム基、ジメチルアンモニウム基およびトリメチルアンモニウム基のイオン結合生成基等が挙げられ、入手のし易さやから、メチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ヘキシル基、デシル基、オクタデシル基、メチレン基、プロピレン基、シクロヘキシル基、ビニル基、アリル基、スチリル基、フェニル基、フェニレン基、エポキシ基、オキセタニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、水酸基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、トリメチルアンモニウム基、イソシアヌレート基、ウレイド基およびイソシアナート基が好ましい。これらの非共有結合性相互作用基は層間で架橋反応によって架橋構造を生成していても良い。
これらの非共有結合性相互作用基の中でも、前有効成分であるゲスト化合物との相互作用が効果的に生じ、層間距離を適切に構築することができることから、これらの化合物の層間への保持量が多く、適度に徐放化することがより効果的であるため、芳香族基、カルボン酸エステル構造、脂肪族基および複素環構造基を含むものがより好ましい。
これらの非共有結合性相互作用基の中でも、前有効成分であるゲスト化合物との相互作用が効果的に生じ、層間距離を適切に構築することができることから、これらの化合物の層間への保持量が多く、適度に徐放化することがより効果的であるため、芳香族基、カルボン酸エステル構造、脂肪族基および複素環構造基を含むものがより好ましい。
前記式(2)で表される有機無機複合架橋構造において、前記式(3)で表されるイソチアゾリン系化合物またはその塩から選択される防黴効果を有する有効成分(ゲスト化合物)との相互作用を、適切に設計することが出来ることから、飽和または不飽和の脂肪族基、芳香族基、複素環構造基、水素結合生成基、配位結合生成基およびイオン結合生成基のいずれかを含むことが好ましい。これによって、ゲスト化合物との非共有結合性相互作用(ファンデルワールス力、π―π相互作用、疎水性相互作用、水素結合、配位結合、イオン結合等)を適切に調節して付与することができ、これらの化合物の層間への挿入を促進して保持量を増やすなど調節することができ、さらに目的に合わせて放出速度を調節して徐放化することができる。
前記有機無機複合架橋構造における非共有結合性相互作用基としては、特に制限はなく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、オクタメチレン基、シクロヘキシル基、シクロへキシレン基、ビニル基、アリル基等の飽和または不飽和のアルキル基、アルキレン基、シクロアルキル基およびシクロアルキレン基である脂肪族基、スチリル基、フェニル基、ナフチル基、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、ベンジル基、ベンジレン基等のアリール基、アラルキル基、アリーレン基およびアラルキレン基である芳香族基、ピリジニル基、ピペリジニル基、ピロジニル基、ピリミジニル基、イミダゾリル基等のアゾール基、エポキシ基、オキセタニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチオフェニル基、ジオキサニル基、モルホリニル基、チアジニル基、インドール基、核酸塩基等の複素環構造基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、水酸基、チオール基、アルデヒド基、カルボキシル基、カルボン酸メチル基、リン酸基、リン酸エチル基、スルホン酸基、スルホン酸メチル基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、イソシアナート基等の水素結合および配位結合生成基、エチルアンモニウム基、ジメチルアンモニウム基およびトリメチルアンモニウム基のイオン結合生成基等が挙げられる。
さらに、架橋構造を構成する主鎖骨格内のカルボン酸エステル構造、ウレタン構造、尿素構造、アミン構造、エーテル構造、チオエーテル構造、ジスルフィド構造が挙げられる。これらの中でも、入手の容易さから有機無機複合架橋構造に含まれる構造としては、水酸基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、オクタメチレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ベンジレン基、カルボン酸エステル構造、ウレタン構造、尿素構造、アミン構造、エーテル構造、チオエーテル構造およびジスルフィド構造の少なくともいずれか1つを有することが好ましい。
さらに、架橋構造を構成する主鎖骨格内のカルボン酸エステル構造、ウレタン構造、尿素構造、アミン構造、エーテル構造、チオエーテル構造、ジスルフィド構造が挙げられる。これらの中でも、入手の容易さから有機無機複合架橋構造に含まれる構造としては、水酸基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、オクタメチレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ベンジレン基、カルボン酸エステル構造、ウレタン構造、尿素構造、アミン構造、エーテル構造、チオエーテル構造およびジスルフィド構造の少なくともいずれか1つを有することが好ましい。
前記式(2)で表される有機無機複合架橋構造の中でも、様々なカップリング剤の架橋性官能基を反応させて構築することができるものが汎用的で好ましく、層間への導入の容易さから、下記式(4)〜(18)で表されるものがより好ましい。
(式(4)〜(18)において、R1は、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示し、それぞれビニル基、エポキシ基、オキセタニル基、エーテル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のモノもしくはジアルキルアミノ基、炭素数6〜20のモノもしくはジアリールアミノ基、炭素数7〜20のモノもしくはジアラルキルアミノ基、第1級、第2級、第3級もしくは第4級アンモニウム基、チオール基、イソシアヌレート基、ウレイド基、イソシアナート基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基またはハロゲン原子で置換されていても良く、R2およびR13は、それぞれ独立して炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキレン基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基または炭素数7〜20のアラルキレン基を示し、R3、R5、R6およびR7は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、R4は炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレン基または炭素数7〜10のアラルキレン基を示し、R8、R9、R10およびR12は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示し、R11は炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキレン基、炭素数3〜20の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数7〜20のアラルキレン基または炭素数6〜24のポリフェニレン基を示し、いずれのR11は、硫黄原子、酸素原子、窒素原子、ハロゲン原子ならびにそれを含む原子数1〜10個からなる置換基で置換されていても良く、Zは、水素原子、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキルオキシ基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキルオキシ基、トリメチルシリルオキシ基、ジメチルシリルオキシ基、炭素数1〜8の飽和もしくは不飽和ヘテロシクロアルキルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のアルキルアミノ基または層状無機化合物由来の酸素原子を示し、Iは、重合開始剤由来の基で同一でも異なってもよく、Yは、酸由来の共役塩基由来の基であり、nは0〜2の整数、mおよびhは0または1の整数を示し、kは0〜4の整数を示す。)
前記有機無機複合架橋構造は、層間をカップリング剤で処理してシリル化等で修飾した後、層間でその架橋性官能基を架橋反応させて構築することができる、また、カップリング剤の架橋性官能基をあらかじめ架橋させたり、グリニヤール試薬と加水分解性金属化合物とを反応させる等により、加水分解性部位を2つ以上有する有機無機複合架橋剤を調製し、これを層間に挿入して層状無機化合物由来の水酸基との修飾反応により構築することもできるが、副反応がなく、ゲル分が副生しないことから、前者の層間でカップリング剤由来の架橋性官能基を反応させる方法が好ましい。
層間をシリル化等で修飾した後、層間でその架橋性官能基を反応させて架橋構造を構築する上では、層間を同一のカップリング剤で修飾した後、架橋反応させると、製造工程がより少なく、工業的により有利なことから、有機無機複合架橋構造としては、前記式(4)〜(8)および前記式(13)〜(17)がより好ましく、架橋反応が温和な条件で容易に進行し、様々な化学構造、柔軟性および剛直性を導入可能で、架橋の長さも多様性に富むことから、前記式(4)〜(8)および前記式(15)〜(17)がさらに好ましい。
層間をシリル化等で修飾した後、層間でその架橋性官能基を反応させて架橋構造を構築する上では、層間を同一のカップリング剤で修飾した後、架橋反応させると、製造工程がより少なく、工業的により有利なことから、有機無機複合架橋構造としては、前記式(4)〜(8)および前記式(13)〜(17)がより好ましく、架橋反応が温和な条件で容易に進行し、様々な化学構造、柔軟性および剛直性を導入可能で、架橋の長さも多様性に富むことから、前記式(4)〜(8)および前記式(15)〜(17)がさらに好ましい。
次に、本発明における有機無機複合基および/または有機無機複合架橋構造により層間修飾された層状無機化合物について、該化合物を製造する方法に沿って詳しく説明する。なお、特にことわりのない限り、部数は質量部、%は質量%を表す。
本発明において、層状無機化合物に存在するナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属、ならびにマグネシウムおよびカルシウムなどのアルカリ土類金属等の金属カチオンなどの交換性陽イオンを有機オニウム塩などと反応させて得られる、層間を広げた層状無機化合物が、シリル化剤等の有機無機複合修飾剤でシリル化等を行う(シリル化の場合にはシリル化層状無機化合物の)前駆体である。
前記前駆体は、層状無機化合物の交換性陽イオンに対して、イオン交換容量として任意の割合のオニウム基で置換された化合物であり、シリル化等の反応率を高める場合には、オニウム基の割合は25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜70モル%であることがさらに好ましい。
前記前駆体は、層状無機化合物の交換性陽イオンに対して、イオン交換容量として任意の割合のオニウム基で置換された化合物であり、シリル化等の反応率を高める場合には、オニウム基の割合は25〜75モル%であることが好ましく、30〜70モル%であることがより好ましく、35〜70モル%であることがさらに好ましい。
ここで、イオン交換容量とは、イオン交換体の単位重量当たりのイオン交換量を表し、通常イオン交換体1g当たりのミリ当量(meq/g)やイオン交換体100g当たりのミリ当量(meq/100g)、およびイオン交換体1kg当たりのモル量(molc/kg)やイオン交換体1kg当たりのセンチモル量(cmolc/kg)等で表される。
例えば、ナトリウム−マガディアイトの化学式は、Na2Si14O29・nH2Oであり、ここでn=0とすると、式量は903.2であり、ナトリウムは全て交換性陽イオンとみなすことができるので、この場合のイオン交換容量は2.21molc/kgと表すことができる。
例えば、ナトリウム−マガディアイトの化学式は、Na2Si14O29・nH2Oであり、ここでn=0とすると、式量は903.2であり、ナトリウムは全て交換性陽イオンとみなすことができるので、この場合のイオン交換容量は2.21molc/kgと表すことができる。
交換性陽イオンとして、金属カチオンが層間に存在すると、シリル化剤等の有機無機複合修飾剤による層間修飾率(シリル化剤の場合はシリル化率)が低下するため、酸処理により金属カチオンを低減することが好ましい。
したがって、層状無機化合物の層間にオニウム基を導入する方法としては、陽イオン交換容量と当量以上のオニウム塩を反応させた後、酸を作用させる方法と、あらかじめ陽イオン交換容量の当量未満のオニウム塩を反応させるなどの方法があるが、より層間修飾率を向上させるために、前者の当量以上のオニウム塩を反応させた後、酸を作用させる方法がより好ましい。
また、層状無機化合物の層間のオニウム基の量を調整導入する方法としては、オニウム塩と酸を適切な量で混合したものを層状無機化合物に反応させても良く、先に酸を適切な量(好ましくは陽イオン交換容量の当量未満)で反応させた後、オニウム塩を反応させても良い。
したがって、層状無機化合物の層間にオニウム基を導入する方法としては、陽イオン交換容量と当量以上のオニウム塩を反応させた後、酸を作用させる方法と、あらかじめ陽イオン交換容量の当量未満のオニウム塩を反応させるなどの方法があるが、より層間修飾率を向上させるために、前者の当量以上のオニウム塩を反応させた後、酸を作用させる方法がより好ましい。
また、層状無機化合物の層間のオニウム基の量を調整導入する方法としては、オニウム塩と酸を適切な量で混合したものを層状無機化合物に反応させても良く、先に酸を適切な量(好ましくは陽イオン交換容量の当量未満)で反応させた後、オニウム塩を反応させても良い。
本発明において、前駆体の製造に用いるオニウム塩としては、特に限定されないが、有機オニウムが好ましく、例えば、有機アンモニウム、有機ピリジニウム、有機イミダゾリウム、有機ホスホニウム、有機オキソニウム、有機スルホニウム、有機スルホキソニウム、有機セレノニウム、有機カルボニウム、有機ジアゾニウム、有機ヨードニウム、有機ピリリニウム、有機ピロリジニウム、有機カルベニウム、有機アシリウム、有機チアゾリニウム、有機アルソニウム、有機スチボニウムおよび有機テルロニウム等の塩が挙げられ、これらの中でも、有機アンモニウム、有機ピリジニウム、有機イミダゾリウム、有機ホスホニウムおよび有機スルホニウムの塩が好ましく、これらのオニウム塩は単独または2種以上組み合わせて用いられる。
前記オニウム塩における有機基としては特に限定はないが、例えば、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数7〜22のアラルキル基、炭素数6〜22のアリール基、−(CH2−CH(CH3)O)s−H基、−(CH2−CH2−O)u−H 基が挙げられ、sおよびuは1〜20の整数であり、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基、エーテル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、水酸基、チオール基、イソシアナート基、ハロゲン原子、アミノ基やアルキルアミノ基等の塩基性基、カルボキシル基等の酸性基、光酸発生基、熱酸発生基、光塩基発生基、熱塩基発生基、光ラジカル発生基および熱ラジカル発生基等の官能基で置換されていても良い。
前記オニウム塩における有機基としては特に限定はないが、例えば、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数7〜22のアラルキル基、炭素数6〜22のアリール基、−(CH2−CH(CH3)O)s−H基、−(CH2−CH2−O)u−H 基が挙げられ、sおよびuは1〜20の整数であり、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基、エーテル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、水酸基、チオール基、イソシアナート基、ハロゲン原子、アミノ基やアルキルアミノ基等の塩基性基、カルボキシル基等の酸性基、光酸発生基、熱酸発生基、光塩基発生基、熱塩基発生基、光ラジカル発生基および熱ラジカル発生基等の官能基で置換されていても良い。
有機オニウム塩としては、下記式(19)で表される有機オニウム塩がさらに好ましい。
R14R15R16R17N+X- (19)
(式(19)において、R14、R15、R16およびR17は、それぞれ独立して炭素数1〜22のアルキル基、炭素数7〜22のアラルキル基、炭素数6〜22のアリール基および−(CH2−CH(CH3)O)s−H基または−(CH2−CH2−O)u−H 基を示し、sおよびuは1〜20の整数であり、X-はハロゲン化物イオンを示す。)
R14R15R16R17N+X- (19)
(式(19)において、R14、R15、R16およびR17は、それぞれ独立して炭素数1〜22のアルキル基、炭素数7〜22のアラルキル基、炭素数6〜22のアリール基および−(CH2−CH(CH3)O)s−H基または−(CH2−CH2−O)u−H 基を示し、sおよびuは1〜20の整数であり、X-はハロゲン化物イオンを示す。)
前記式(19)で表される有機オニウム塩としては特に限定されないが、例えば、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジメチルオクタデシルフェニルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化ドデシルアンモニウム、塩化ジメチルジポリエチレンオキシドアンモニウム、塩化ジメチルジプロピレンオキシドアンモニウム、塩化ジメチルポリエチレンオキシドポリプロピレンオキシドアンモニウム、塩化ジメチルステアリルポリエチレンオキシドアンモニウム、塩化ジメチルステアリルポリプロピレンオキシドアンモニウム、塩化メチルステアリルジポリエチレンオキシドアンモニウム、塩化メチルステアリルジポリプロピレンオキシドアンモニウム、塩化ベンジルメチルジポリエチレンオキシドアンモニウム、塩化ベンジルメチルジポリプロピレンオキシドアンモニウム、臭化1−エチルピリジニウム、塩化1−オクタデシルピリジニウム、臭化3−メチル−1−プロピルイミダゾリウム、塩化3−メチル−1−(2−ナフチル)イミダゾリウム、臭化トリフェニル(テトラデシル)ホスホニウム、塩化エチルジメチルスルホニウム、臭化トリフェニルスルホニウムなどが挙げられる。
これらの中でも、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化イコシルトリメチルアンモニウム、塩化ジメチルオクタデシルフェニルアンモニウム、塩化トリエチルベンシルアンモニウムおよび塩化ドデシルアンモニウムが好ましい。
これらの中でも、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジヘキサデシルジメチルアンモニウム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化イコシルトリメチルアンモニウム、塩化ジメチルオクタデシルフェニルアンモニウム、塩化トリエチルベンシルアンモニウムおよび塩化ドデシルアンモニウムが好ましい。
オニウム塩と反応させて、層状化合物の層間をオニウム基で修飾する方法は、特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、有機オニウムと塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン等の塩を水やメタノールなどのアルコール類、アセトニトリルなどの極性溶媒等の溶媒中で層状無機化合物と混合することにより、層状無機化合物中の交換性陽イオンと有機オニウムとの陽イオン交換反応により、層間をオニウム基で修飾することができる。
前記陽イオン交換反応における有機オニウム塩の量に特に限定はなく、目的に応じて任意に設定することができるが、層状無機化合物の陽イオン交換容量に対して、好ましくは20〜2000モル%(0.2〜20当量)であり、より好ましくは50〜1000モル%(0.5〜10当量)であり、さらに好ましくは100〜500モル%(1〜5当量)である。
前記陽イオン交換反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは0〜100℃であり、より好ましくは10〜60℃であり、さらに好ましくは15〜40℃である。
前記陽イオン交換反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは0〜100℃であり、より好ましくは10〜60℃であり、さらに好ましくは15〜40℃である。
前記陽イオン交換反応の溶媒として用いる水としては、中性、酸性、アルカリ性の何れでも良く、特に限定はないが、好ましくはイオン交換水、蒸留水、純水および超純水である。
前記陽イオン交換反応で用いる溶媒の量は、特に限定されないが、原料として用いる層状無機化合物に対して、1〜100質量倍であり、より好ましくは5〜70質量倍であり、さらに好ましくは10〜50質量倍である。
前記陽イオン交換反応で用いる溶媒の量は、特に限定されないが、原料として用いる層状無機化合物に対して、1〜100質量倍であり、より好ましくは5〜70質量倍であり、さらに好ましくは10〜50質量倍である。
前記有機オニウム基を有する前駆体におけるオニウム基の割合を調整するために、層状無機化合物に有機オニウム塩を反応させた後、さらに、酸により層状無機化合物中のオニウム基の一部を水酸基に変換させる方法が好ましい。
作用させる酸の量は、目的に応じて任意に設定することができるが、好ましくは層状無機化合物の陽イオン交換容量を100モル%とした場合、100モル%−[層間に残したい有機オニウム基の割合(モル%)]に設定し、適宜、酸の量を増減するのがより好ましい。
作用させる酸の量は、目的に応じて任意に設定することができるが、好ましくは層状無機化合物の陽イオン交換容量を100モル%とした場合、100モル%−[層間に残したい有機オニウム基の割合(モル%)]に設定し、適宜、酸の量を増減するのがより好ましい。
前記酸としては、特に限定はなく、塩酸(塩化水素)、臭酸(臭化水素)、カルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸およびシュウ酸など)、リン酸、硝酸、硫酸およびメタンスルホン酸等のスルホン酸類などの公知の酸が挙げられるが、これらの中でも反応性に優れる点で、塩酸(塩化水素)が好ましい。
これらの酸を用いて層間のオニウム塩と反応させることによって、層間に存在するオニウム塩の量を特定な範囲に調整すると、層間シラノール等の水酸基が生成してシリル化等の修飾反応点が増えるため好ましい。
陽イオン交換容量の当量よりも少ない量のオニウム塩を用いた場合は、層間にナトリウムなどの金属カチオンが残存するため、反応点となるシラノール等の水酸基由来のアルコシラートが強固に金属カチオンと結合して、シリル化反応等の層間修飾反応を妨げる恐れがある。
これらの酸を用いて層間のオニウム塩と反応させることによって、層間に存在するオニウム塩の量を特定な範囲に調整すると、層間シラノール等の水酸基が生成してシリル化等の修飾反応点が増えるため好ましい。
陽イオン交換容量の当量よりも少ない量のオニウム塩を用いた場合は、層間にナトリウムなどの金属カチオンが残存するため、反応点となるシラノール等の水酸基由来のアルコシラートが強固に金属カチオンと結合して、シリル化反応等の層間修飾反応を妨げる恐れがある。
前記オニウム塩の一部を水酸基に変換する際に使用する有機溶剤としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノールおよび2−ヘキサノールなどのアルコール類、アセトニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトンおよびエチルメチルケトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシオドなどのスルホキシド類、ヘキサンなどのアルカン類、ベンゼンおよびトルエンなどの芳香族類、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルムおよびジクロロメタンなどのハロゲン系炭化水素類などが挙げられる。
これらの中でも、アルコール類や非プロトン性極性溶媒であるエーテル類、ニトリル類およびケトン類が好ましく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノールなどのアルコール類がより好ましく、高沸点で高極性であることから1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノールおよび1−メトキシ−2−プロパノールがさらに好ましい。
前記酸処理における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは0〜200℃であり、より好ましくは50〜160℃であり、さらに好ましくは70〜150℃である。通常は、反応溶媒として用いる有機溶剤の沸点(加熱還流下)で反応させることが好ましい。
前記陽イオン交換反応および酸処理で得られる前駆体は、単離および洗浄後に乾燥することが好ましい。単離、洗浄および乾燥する方法は、特に限定されることはなく、層状無機化合物および無機微粒子などを単離、洗浄および乾燥する公知の方法を使用することができる。
例えば、単離方法としては、反応液を静置したり、遠心分離して固液分離した後、上澄み液をデカンテーションにより除去したり、自然ろ過、加圧ろ過、減圧ろ過などのろ過操作により、層状無機化合物をろ取することなどが挙げられる。
加圧ろ過時の圧力は特に制限はなく、例えば、1〜5気圧の範囲であれば良い。減圧ろ過時の圧力は特に制限はなく、0〜1気圧の範囲であれば良い。
例えば、単離方法としては、反応液を静置したり、遠心分離して固液分離した後、上澄み液をデカンテーションにより除去したり、自然ろ過、加圧ろ過、減圧ろ過などのろ過操作により、層状無機化合物をろ取することなどが挙げられる。
加圧ろ過時の圧力は特に制限はなく、例えば、1〜5気圧の範囲であれば良い。減圧ろ過時の圧力は特に制限はなく、0〜1気圧の範囲であれば良い。
洗浄方法としては、デカンテーション後に得られた固体を水や有機溶剤などに再分散させた後、同様にしてデカンテーションや、ろ取した固体の上から水や有機溶剤を注いで固体を洗浄する方法などが挙げられる。
洗浄に用いる水は、中性、酸性、アルカリ性の何れでも良く、特に限定はないが、好ましくはイオン交換水、蒸留水、純水および超純水である。
洗浄に用いる有機溶剤としては、特に限定はないが、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類、ヘキサンなどのアルカン類、トルエン等の芳香族類などが挙げられる。このとき、層状無機化合物と水との接触を良好にするため、適切な極性溶媒などの有機溶剤を併用することもできる。
洗浄に用いる水は、中性、酸性、アルカリ性の何れでも良く、特に限定はないが、好ましくはイオン交換水、蒸留水、純水および超純水である。
洗浄に用いる有機溶剤としては、特に限定はないが、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類、ヘキサンなどのアルカン類、トルエン等の芳香族類などが挙げられる。このとき、層状無機化合物と水との接触を良好にするため、適切な極性溶媒などの有機溶剤を併用することもできる。
上記で得られた固体の乾燥方法としては、常温常圧で風乾することもできるし、減圧下に常温、適宜加熱または冷却しながら有機溶剤を除去することもできる。
減圧時の圧力は特に制限はなく、例えば、0〜1気圧の範囲であれば良い。また、温度も特に制限はなく、好ましくは−10〜200℃であり、より好ましくは0〜150℃であり、特に好ましくは10〜100℃である。
減圧時の圧力は特に制限はなく、例えば、0〜1気圧の範囲であれば良い。また、温度も特に制限はなく、好ましくは−10〜200℃であり、より好ましくは0〜150℃であり、特に好ましくは10〜100℃である。
前記のとおり、本発明における前駆体は、層状無機化合物の交換性陽イオンに対して任意の割合のオニウム基で置換させた化合物であればよいが、イオン交換容量で25〜75モル%の割合で、オニウム基で置換させた化合物であることが好ましい。
前駆体のオニウム塩の割合が25〜75モル%であれば、シリル化等の修飾反応点である水酸基が増えると共に、層間に空間が生じることでシリル化剤等が層間に挿入されやすくなる効果があり、シリル化率等が向上する。
前駆体のオニウム塩の割合が25〜75モル%であれば、シリル化等の修飾反応点である水酸基が増えると共に、層間に空間が生じることでシリル化剤等が層間に挿入されやすくなる効果があり、シリル化率等が向上する。
次に、前記前駆体の水酸基およびオニウム基の対アニオン(アルコキシラート)の全部または一部をシリル化剤等の有機無機複合修飾剤で層間修飾反応させて、層間に共有結合を介して有機無機複合基を有する層状無機化合物を製造する。
前記有機無機複合修飾剤は特に限定されることはなく、同一分子内に加水分解性基と機能性化合物と相互作用し得る官能基を有する有機無機複合修飾剤であればよく、例えば、シランカップリング剤を含むシリル化剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤およびジルコニウム系カップリング剤などが挙げられ、好ましくは下記式(20)で表される化合物である。
RtMDy-t (20)
RtMDy-t (20)
(式(20)において、Rは炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示し、それぞれビニル基、エポキシ基、オキセタニル基、エーテル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のモノもしくはジアルキルアミノ基、炭素数6〜20のモノもしくはジアリールアミノ基、炭素数7〜20のモノもしくはジアラルキルアミノ基、第1級、第2級、第3級もしくは第4級アンモニウム基、チオール基、イソシアヌレート基、ウレイド基、イソシアナート基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基またはハロゲン原子で置換されていても良く、MはSi、Al、TiまたはZrを示し、Dは水素原子、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキルオキシ基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキルオキシ基、トリメチルシリルオキシ基、ジメチルシリルオキシ基、炭素数1〜8の飽和もしくは不飽和ヘテロシクロアルキルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のアルキルアミノ基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のジアルキルアミノ基を示し、MはSi、Al、TiまたはZrを示し、MがSi、TiまたはZrのいずれかの場合には、それに対応するyは4で、かつtは1〜3の整数であり、MがAlの場合には、それに対応するyは3で、かつtは1または2であり、tが2または3の場合には、Rは同一でも異なっても良い。)
前記式(20)で表される有機無機複合修飾剤において、Rで表される官能基が適切な保護基で保護されていても良い。
前記有機無機複合修飾剤の中でも種類の豊富さ、入手、取扱いおよび加水分解反応制御の容易さから、MがSiであるシリル化剤がより好ましい。
シリル化剤の中でも、加水分解性基は、塩化水素などの酸を副生しないために官能基に対して副反応をする恐れが極めて低く、反応装置の腐食を起こさず、副生した酸の廃棄処理も必要としないアルコキシシランであることが好ましく、シリル化反応性に優れるメトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基のものがより好ましく、メトキシ基およびエトキシ基のものが特に好ましい。
前記式(20)で表されるシリル化剤は特に限定されないが、アルコキシシラン類としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、トリビニルメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、8−メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−8−アミノオクチルトリメトキシシラン、7−オクテニルトリメトキシシラン、4−(トリメトキシシリル)酪酸、4−(トリメトキシシリル)酪酸1,1−ジメチルエチル、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、トリメトキシメチルシランおよびトリエトキシシラン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンなどが挙げられる。
また、アルコキシシラン類以外のシリル化剤も使用することができる。例えば、ヘキサメチルジシラザン、クロロトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、トリエチルクロロシラン、ターシャリーブチルジメチルクロロシラン、クロロトリイソプロピルシラン、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン、クロロメチルトリメチルシラン、トリエチルシラン、アリルトリメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジクロロシシラン、トリス(N,N−ジメチルアミノ)メチルシラン、ビス(N,N−ジメチルアミノ)ジメチルシラン、(N,N−ジメチルアミノ)トリメチルシランなどが挙げられる。
これらのシリル化剤において、加水分解性基が一分子中に複数存在する場合には、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基などの加水分解性基が単一で存在しても、複数のものが混在しても良い。
これらのシリル化剤において、加水分解性基が一分子中に複数存在する場合には、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基などの加水分解性基が単一で存在しても、複数のものが混在しても良い。
また、前記シリル化剤の代わりに同様にチタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤などを使用することができる。
前記シリル化剤との反応に使用する有機溶媒は、特に限定されないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノールおよび2−ヘキサノールなどのアルコール類、アセトニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトンおよびエチルメチルケトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシオドなどのスルホキシド類、ヘキサンなどのアルカン類、ベンゼンおよびトルエンなどの芳香族類、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルムおよびジクロロメタンなどのハロゲン系炭化水素類などが挙げられ、これらの中でも、アルコール類や非プロトン性極性溶媒であるエーテル類、ニトリル類およびケトン類が好ましい。
より好ましくは、非プロトン性極性溶媒または第2級もしくは第3級アルコールであり、沸点が80℃以上のものが好ましく、より好ましくは90℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上である。
より好ましくは、非プロトン性極性溶媒または第2級もしくは第3級アルコールであり、沸点が80℃以上のものが好ましく、より好ましくは90℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上である。
非プロトン性極性溶媒としては、アセトニトリルおよびプロピオニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトンおよびメチレンイソプロピルケトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシオドなどのスルホキシド類が挙げられる。
また、第2級もしくは第3級アルコールとしては、特に限定されないが、2−プロパノール、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、フェノールなどの芳香族アルコール類などが挙げられる。
これらの中でもアセトニトリル、テトラヒドロフラン、メチルイソプロピルケトン、2−プロパノール、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノールおよび1−ブトキシ−2−プロパノールが好ましく、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールおよび1−ブトキシ−2−プロパノールがさらに好ましい。
これらの中でもアセトニトリル、テトラヒドロフラン、メチルイソプロピルケトン、2−プロパノール、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノールおよび1−ブトキシ−2−プロパノールが好ましく、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールおよび1−ブトキシ−2−プロパノールがさらに好ましい。
前記反応の有機溶媒として非プロトン性極性溶媒または第2級もしくは第3級アルコールを用いると、層状無機化合物に由来する水酸基およびアルコキシラートの副反応であるO−アルキル化反応が起こり難く、また、用いる有機溶媒の沸点が高いため、シリル化反応温度が上昇し、シリル化反応等の層間修飾反応が加速され、シリル化率等の層間修飾率が高くなると推論する。
さらに、第2級もしくは第3級アルコール類を用いると、後述するシリル化剤等の有機無機複合修飾剤の加水分解によるシラノール等の水酸基の副生や、シランカップリング剤等のカップリング剤同士の縮合等の副反応が抑制されるため好ましい。これは、アルコール性水酸基による溶媒効果であると推論する。
さらに、第2級もしくは第3級アルコール類を用いると、後述するシリル化剤等の有機無機複合修飾剤の加水分解によるシラノール等の水酸基の副生や、シランカップリング剤等のカップリング剤同士の縮合等の副反応が抑制されるため好ましい。これは、アルコール性水酸基による溶媒効果であると推論する。
前記反応時、反応系に水を添加することが好ましい。添加する水としては、中性、酸性およびアルカリ性の何れでも良く、特に限定はないが、好ましくはイオン交換水、蒸留水、純水および超純水である。
水の添加量は、層状無機化合物の反応点である水酸基およびオニウム基の対アニオンであるアルコキシラートの合計量、すなわちイオン交換容量に対して0.05〜4.0モル倍であることが好ましく、0.1〜3.0モル倍であることが特に好ましい。
水の添加量が0.05モル倍未満であると添加効果が少なく、4.0モル倍を超えるとシランカップリング剤等のカップリング剤同士の加水分解・縮合等の副反応が進行する恐れがある。
水の添加量は、層状無機化合物の反応点である水酸基およびオニウム基の対アニオンであるアルコキシラートの合計量、すなわちイオン交換容量に対して0.05〜4.0モル倍であることが好ましく、0.1〜3.0モル倍であることが特に好ましい。
水の添加量が0.05モル倍未満であると添加効果が少なく、4.0モル倍を超えるとシランカップリング剤等のカップリング剤同士の加水分解・縮合等の副反応が進行する恐れがある。
前記反応におけるシリル化剤等の有機無機複合修飾剤の量は、特に限定されないが、反応点である水酸基およびオニウム基の対アニオンであるアルコキシラートの合計量、すなわちイオン交換容量に対して、好ましくは0.1〜30モル倍であり、より好ましくは0.05〜20モル倍であり、さらに好ましくは1.0〜10モル倍である。
カップリング剤の使用量が0.1モル倍より少ないとシリル化反応速度が小さくなり、一方、30モル倍を超えると原料コストの面で工業的に不利である。
カップリング剤の使用量が0.1モル倍より少ないとシリル化反応速度が小さくなり、一方、30モル倍を超えると原料コストの面で工業的に不利である。
層状無機化合物の層間における反応点、すなわちイオン交換容量に対するシリル化率等の層間修飾率は、目的に応じて選択されるため、特に限定はないが、シリル化率等の層間修飾率が15モル%以上であることが好ましく、さらに、25モル%以上であることがより好ましい。
一方、シリル化率等の層間修飾率が200モル%を超えると、層状無機化合物の層間が有機無機複合修飾剤由来の成分で過剰に覆われる恐れがあり、好ましくない。
一方、シリル化率等の層間修飾率が200モル%を超えると、層状無機化合物の層間が有機無機複合修飾剤由来の成分で過剰に覆われる恐れがあり、好ましくない。
前記層間修飾反応における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは0〜200℃であり、より好ましくは50〜180℃であり、さらに好ましくは70〜170℃である。通常は、反応溶媒として使用する有機溶媒の沸点(加熱還流下)で反応させる。
前記層間修飾反応で用いる有機溶剤の量は、特に限定されないが、原料として用いる層状無機化合物に対して、1〜30質量倍であり、より好ましくは5〜25質量倍であり、さらに好ましくは10〜20質量倍である。
本発明の有機無機複合修飾剤によるシリル化反応等の層間修飾反応は、触媒を使用してもしなくても良いが、塩化水素、ギ酸、酢酸およびシュウ酸等のカルボン酸、リン酸、硝酸、硫酸およびメタンスルホン酸等のスルホン酸類などの公知の酸、ならびにアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの公知の塩基を触媒として添加することができる。
その場合、添加する触媒の量は、特に限定はないが、反応点である水酸基およびオニウム基の対アニオンであるアルコキシラートの合計量、すなわちイオン交換容量に対して0.001〜1.0モル倍であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.1モル倍である。
その場合、添加する触媒の量は、特に限定はないが、反応点である水酸基およびオニウム基の対アニオンであるアルコキシラートの合計量、すなわちイオン交換容量に対して0.001〜1.0モル倍であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.1モル倍である。
前記シリル化反応等の層間修飾反応で得られる層間修飾層状無機化合物は、単離、洗浄後に乾燥することが好ましい。単離、洗浄および乾燥する方法は、特に限定されることはなく、層状無機化合物および無機微粒子を単離、洗浄および乾燥する公知の方法を使用することができ、例えば、前記前駆体における方法等を使用することができる。
次に、層間をカップリング剤で修飾した層状無機化合物に、該カップリング剤由来の架橋性官能基を反応させて層間架橋型層状無機化合物を製造する方法を説明する。
シランカップリング剤等のカップリング剤由来の架橋性官能基による架橋反応は、特に限定されることはなく、付加反応、置換反応、縮合反応、イオン反応、求電子反応、求核反応、ペリ環状反応、ラジカル反応等、一般に知られている様々な化学反応を利用することができ、いわゆるクリック反応も利用することができる。アルキル基からラジカルを発生させて架橋反応させたり、ハロゲン化アルキル基などをグリニヤール試薬としてアニオン種に変換して求核反応させたり、ハロゲン化アルキル基等に対して、水酸基、アルコキシ基やアミノ基等の求核種を作用させて求核置換反応させる架橋方法等も挙げられるが、カップリング剤の入手が容易で、かつ、架橋反応が比較的温和な条件で進行するため、下記式(21)〜(35)で表される反応が好ましく、層間を同一のカップリング剤で修飾した後、架橋反応させると製造工程がより少なく、工業的により有利なことから、式(21)〜(25)および式(30)〜(34)で表される架橋反応がより好ましく、架橋反応が温和な条件で容易に進行し、様々な化学構造、柔軟性および剛直性を導入可能で、架橋の長さも多様性を持たせることができることから、式(21)〜(25)および式(32)〜(34)で表される架橋反応がさらに好ましい。
シランカップリング剤等のカップリング剤由来の架橋性官能基による架橋反応は、特に限定されることはなく、付加反応、置換反応、縮合反応、イオン反応、求電子反応、求核反応、ペリ環状反応、ラジカル反応等、一般に知られている様々な化学反応を利用することができ、いわゆるクリック反応も利用することができる。アルキル基からラジカルを発生させて架橋反応させたり、ハロゲン化アルキル基などをグリニヤール試薬としてアニオン種に変換して求核反応させたり、ハロゲン化アルキル基等に対して、水酸基、アルコキシ基やアミノ基等の求核種を作用させて求核置換反応させる架橋方法等も挙げられるが、カップリング剤の入手が容易で、かつ、架橋反応が比較的温和な条件で進行するため、下記式(21)〜(35)で表される反応が好ましく、層間を同一のカップリング剤で修飾した後、架橋反応させると製造工程がより少なく、工業的により有利なことから、式(21)〜(25)および式(30)〜(34)で表される架橋反応がより好ましく、架橋反応が温和な条件で容易に進行し、様々な化学構造、柔軟性および剛直性を導入可能で、架橋の長さも多様性を持たせることができることから、式(21)〜(25)および式(32)〜(34)で表される架橋反応がさらに好ましい。
式(21)〜(23)および式(32)で表される架橋反応を用いた場合、架橋する官能基が同様または類似の構造を有し、反応や生成する架橋構造が比較的単純で、かつ、R2、R4およびR13の構造に応じて比較的容易に層状無機化合物の層間距離や層間の環境(疎水性や親水性、芳香族性等)を制御することができるという特長を有する。
また、式(24)、式(25)、式(33)および式(34)で表される架橋反応を用いた場合、R2、R4およびR13の構造に応じて比較的容易に層状無機化合物の層間距離や柔軟性、層間の環境(疎水性や親水性、芳香族性、水素結合生成等)を制御することができるだけでなく、様々に入手可能なアミン類およびジアミン類を架橋構造内に導入することが出来ることから、容易かつ自由に層状無機化合物の層間距離や柔軟性、層間の環境(疎水性や親水性、芳香族性、水素結合生成、複素環構造、イオン結合、配位共有結合等)を制御することができるという特長を有する。
また、式(24)、式(25)、式(33)および式(34)で表される架橋反応を用いた場合、R2、R4およびR13の構造に応じて比較的容易に層状無機化合物の層間距離や柔軟性、層間の環境(疎水性や親水性、芳香族性、水素結合生成等)を制御することができるだけでなく、様々に入手可能なアミン類およびジアミン類を架橋構造内に導入することが出来ることから、容易かつ自由に層状無機化合物の層間距離や柔軟性、層間の環境(疎水性や親水性、芳香族性、水素結合生成、複素環構造、イオン結合、配位共有結合等)を制御することができるという特長を有する。
(式(21)〜(35)において、R1は、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示し、それぞれビニル基、エポキシ基、オキセタニル基、エーテル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のモノもしくはジアルキルアミノ基、炭素数6〜20のモノもしくはジアリールアミノ基、炭素数7〜20のモノもしくはジアラルキルアミノ基、第1級、第2級、第3級もしくは第4級アンモニウム基、チオール基、イソシアヌレート基、ウレイド基、イソシアナート基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基またはハロゲン原子で置換されていても良く、R2およびR13はそれぞれ独立して炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキレン基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基または炭素数7〜20のアラルキレン基を示し、R3、R5、R6およびR7は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、R4は炭素数1〜6のアルキレン基、フェニレン基または炭素数7〜10のアラルキレン基を示し、R8、R9、R10およびR12は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示し、R11は炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキレン基、炭素数3〜20の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数7〜20のアラルキレン基または炭素数6〜24のポリフェニレン基を示し、いずれのR11は、硫黄原子、酸素原子、窒素原子、ハロゲン原子ならびにそれを含む原子数1〜10個からなる置換基で置換されていても良く、Zは、水素原子、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキルオキシ基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキルオキシ基、トリメチルシリルオキシ基、ジメチルシリルオキシ基、炭素数1〜8の飽和もしくは不飽和ヘテロシクロアルキルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のアルキルアミノ基、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和のジアルキルアミノ基または層状無機化合物由来の酸素原子を示し、Iは重合開始剤由来の基で同一でも異なってもよく、Yは、酸由来の共役塩基由来の基であり、nは0〜2の整数、mおよびhは0または1の整数を示し、kは0〜4の整数を示す。
また、前記式(21)〜(35)で表される架橋反応において、ケイ素原子(Si)の代わりにチタン(Ti)、アルミニウム(Al)およびジルコニウム(Zr)などからなるカップリング剤由来の架橋性官能基の架橋反応を利用することができる。
前記架橋反応において、炭素−炭素二重結合の架橋反応における架橋点は、二重結合の頭部または尾部の何れでも良く、エポキシ基およびオキセタニル基の開環架橋反応における架橋点は、環状エーテル基の酸素原子の隣接位に2つ存在する炭素原子上の何れでも良い。
前記架橋反応を促進するために、必要に応じて、公知の重合開始剤である熱ラジカル発生剤、光ラジカル発生剤、熱アニオン発生剤、光カチオン発生剤、熱酸発生剤、光酸発生剤、熱塩基発生剤ならびに光塩基発生剤、塩酸、硫酸、硝酸等の公知の無機酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の公知の有機酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の公知の無機塩基、メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等の公知の有機アミン等の有機塩基、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ等の公知のアンモニウム塩および無水コハク酸、無水フタル酸、無水マレイン酸等の公知の酸無水物等の公知の触媒や硬化剤、臭素やヨウ素等の酸化剤を併用することができる。
重合開始剤としては、特に限定されることはなく、重合性単量体の重合反応時に用いられる公知の重合開始剤が使用され、熱重合開始剤および/または光重合開始剤が使用されるが、層間をカップリング剤で修飾された層状無機化合物を含む架橋反応系が懸濁して紫外線等の光を通しにくい場合があることから、熱重合開始剤がより好ましい。
前記熱重合開始剤としては、種々の化合物を使用することができ、重合性基がラジカル重合性基の場合には、例えば、前記式(21)および前記式(31)の場合には、過酸化物およびアゾ系開始剤が好ましい。
過酸化物の具体例としては、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。
アゾ系開始剤の具体例としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾジ−t−オクタン、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物が挙げられ、これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
また、過酸化物と、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、酒石酸、クエン酸、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、塩化第二鉄等の還元剤とを併用したレドックス重合開始系と組み合わせることによりレドックス反応とすることも可能である。
また、過酸化物と、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、酒石酸、クエン酸、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、塩化第二鉄等の還元剤とを併用したレドックス重合開始系と組み合わせることによりレドックス反応とすることも可能である。
熱重合開始剤の使用量は、その種類および重合条件等により選択されるが、通常は、重合性官能基100モル量に対して1〜1000モル量であり、より好ましくは5〜500モル量であり、さらに好ましくは50〜200モル量である。
光重合開始剤の具体例としては、重合性基がラジカル重合性基の場合には、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−1−(メチルビニル)フェニル]プロパノン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)]フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オンおよび2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルおよびベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾフェノン、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパン−1−オン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンおよび4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;ならびにチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、3−[3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イル−オキシ]−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N―トリメチルアンモニウムクロライドおよびフルオロチオキサントン等のチオキサントン系化合物等が挙げられる。
前記以外の化合物としては、ベンジル、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート、フェニルグリオキシ酸メチル、エチルアントラキノン、フェナントレンキノンおよびカンファーキノン等が挙げられる。
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;ならびにチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルチオキサントン、3−[3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イル−オキシ]−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N―トリメチルアンモニウムクロライドおよびフルオロチオキサントン等のチオキサントン系化合物等が挙げられる。
前記以外の化合物としては、ベンジル、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート、フェニルグリオキシ酸メチル、エチルアントラキノン、フェナントレンキノンおよびカンファーキノン等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、その種類および重合条件等により選択されるが、重合性官能基100モル量に対して1〜1000モル量であり、より好ましくは5〜500モル量であり、さらに好ましくは50〜200モル量である。
また、重合性基がカチオン重合性基の場合には、例えば、前記式(22)、前記式(23)および前記式(32)の場合には、種々の公知のカチオン重合開始剤を使用することができ、熱カチオン重合開始剤としては、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらのなかでも、スルホニウム塩が好ましい。
熱カチオン重合開始剤における対アニオンとしては、例えば、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、B(C6F5)4 -等が挙げられる。
熱カチオン重合開始剤における対アニオンとしては、例えば、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、B(C6F5)4 -等が挙げられる。
前記スルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム六フッ化ヒ素、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素等が挙げられる。
また、上記スルホニウム塩は、市販品を用いることもでき、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカオプトンCP−66」(商品名)および「アデカオプトンCP−77」(商品名)、三新化学工業社製「サンエイドSI−60L」(商品名)、「サンエイドSI−80L」(商品名)および「サンエイドSI−100L」(商品名)等が挙げられる。
また、上記スルホニウム塩は、市販品を用いることもでき、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカオプトンCP−66」(商品名)および「アデカオプトンCP−77」(商品名)、三新化学工業社製「サンエイドSI−60L」(商品名)、「サンエイドSI−80L」(商品名)および「サンエイドSI−100L」(商品名)等が挙げられる。
前記ホスホニウム塩としては、エチルトリフェニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチルホスホニウム六フッ化アンチモン等が挙げられる。
前記第四級アンモニウム塩としては、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルアニリニウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン等が挙げられる。
前記第四級アンモニウム塩としては、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルアニリニウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、セレニウム塩、ピリジニウム塩、フェロセニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩が挙げられる。これらのなかでも、ヨードニウム塩およびスルホニウム塩が好ましい。
光カチオン重合開始剤がヨードニウム塩またはスルホニウム塩である場合、対アニオンとしては、例えば、BF4 -、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、B(C6F5)4 -等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤がヨードニウム塩またはスルホニウム塩である場合、対アニオンとしては、例えば、BF4 -、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、B(C6F5)4 -等が挙げられる。
上記ヨードニウム塩としては、(トリクミル)ヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム・テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム・テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・テトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
また、上記ヨードニウム塩は、市販品を用いることもでき、具体的には、例えば、メンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製「UV9380C」(商品名)、ソルベイジャパン社製「PHOTOINITIATOR2074」(商品名)、富士フイルム和光純薬工業社製、「WPI−116」(商品名)および「WPI−113」(商品名)等が挙げられる。
また、上記ヨードニウム塩は、市販品を用いることもでき、具体的には、例えば、メンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製「UV9380C」(商品名)、ソルベイジャパン社製「PHOTOINITIATOR2074」(商品名)、富士フイルム和光純薬工業社製、「WPI−116」(商品名)および「WPI−113」(商品名)等が挙げられる。
上記スルホニウム塩としては、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム・テトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
また、スルホニウム塩は、市販品を用いることもでき、具体的には、例えば、ダウ・ケミカル日本社製「サイラキュアUVI−6990」(商品名)、「サイラキュアUVI−6992」(商品名)および「サイラキュアUVI−6974」、ADEKA社製「アデカオプトマーSP−150」(商品名)、「アデカオプトマーSP−152」(商品名)、「アデカオプトマーSP−170」(商品名)および「アデカオプトマーSP−172」(商品名)、富士フイルム和光純薬工業社製「WPAG−370」(商品名)、「WPAG−638」(商品名)等が挙げられる。
また、スルホニウム塩は、市販品を用いることもでき、具体的には、例えば、ダウ・ケミカル日本社製「サイラキュアUVI−6990」(商品名)、「サイラキュアUVI−6992」(商品名)および「サイラキュアUVI−6974」、ADEKA社製「アデカオプトマーSP−150」(商品名)、「アデカオプトマーSP−152」(商品名)、「アデカオプトマーSP−170」(商品名)および「アデカオプトマーSP−172」(商品名)、富士フイルム和光純薬工業社製「WPAG−370」(商品名)、「WPAG−638」(商品名)等が挙げられる。
前記ジアゾニウム塩としては、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロボーレート等が挙げられる。
また、重合性基が例えばエポキシ系重合性基の場合には、種々の公知の重合開始剤を使用することができ、例えば、アミン類、チオール類、イミダゾール類等を使用することができる。アミン類としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、1,3,4,6−テトラキス(3−アミノプロピル)グリコールウリル等が挙げられ、チオール類としては、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス(2−メルカプトエチル)イソシアヌレート、1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル等が挙げられ、イミダゾール類としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
前記式(24)および前記式(33)で表させるエポキシ基の架橋に用いることができる下記式(36)で表さるアミンは特に限定されないが、例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、イコシルアミン、イソプロピルアミン、アリルアミン、2−シクロヘキシルエチルアミン等のアルキルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロオクチルアミン、3−シクロヘキセニルアミン等の環状アルキルアミン、フェニルアミン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、2−アミノアントラセン、1−アミノピレン、3−アミノビフェニル等のアリールアミン、ベンジルアミン、2−フェニルエチル基、1−(1−ナフチル)エチルアミン、1−(2−ナフチル)エチルアミン、2−(7−メトキシ−1−ナフチル)エチルアミン等のアラルキルアミン等が挙げられる。
H2NR8 (36)
(式(36)において、R8は、水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示す。)
(式(36)において、R8は、水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示す。)
前記式(25)および前記式(34)で表させる、エポキシ基の架橋に用いることができる下記式(37)で表されるジアミンは、特に限定されないが、例えば、ジアミノメタン、尿素、チオ尿素、1,2−ジアミノエタン、1,2−ビス(メチルアミノ)エタン、N−メチルメチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,4−ビス(メチルアミノ)−2−ブテン、1,6−ジアミヘキサン、1,8−ジメチルオクタン、N,N−ビス(2−アミノエチル)メチルアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、3−アミノピロリジン、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、1,2,4−トリアミノベンゼン、N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン、2−クロロ−1,4−フェニレンジアミン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフェニル、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノアントラキノン、1,6−ジアミノピレン、1,8−ジアミノピレン、3−(アミノメチル)ベンジルアミン、4−(アミノメチル)ベンジルアミン等が挙げられる。
R9HR11NHR10 (37)
(式(37)において、R9およびR10は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示し、R11は炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキレン基、炭素数3〜20の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数7〜20のアラルキレン基または炭素数6〜24のポリフェニレン基を示し、いずれのR11は硫黄原子、酸素原子、窒素原子、ハロゲン原子ならびにそれを含む原子数1〜10個からなる置換基で置換されていても良い。)
(式(37)において、R9およびR10は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキル基、炭素数3〜8の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示し、R11は炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和アルキレン基、炭素数3〜20の分岐鎖があっても良い飽和もしくは不飽和シクロアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数7〜20のアラルキレン基または炭素数6〜24のポリフェニレン基を示し、いずれのR11は硫黄原子、酸素原子、窒素原子、ハロゲン原子ならびにそれを含む原子数1〜10個からなる置換基で置換されていても良い。)
前記式(30)で表される反応の場合には、酸化剤を併用することができ、例えば、塩基性条件下で臭素やヨウ素を用いる等、ジスルフィド生成反応を促進する公知の酸化剤を用いることができる。
層間での架橋反応を加熱より行う場合には、反応温度は特に制限されることはなく、適宜選択すれば良いが、例えば、0〜200℃が好ましく、25〜180℃がより好ましく、40〜170℃がさらに好ましい。このとき、架橋の容易性やコストの観点から、適宜、熱重合開始剤を反応系に含有することが好ましい。
層間での架橋反応を、活性エネルギー線を照射して行うための活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線および電子線等が挙げられる。活性エネルギー線として紫外線または可視光線を使用する場合は、架橋の容易性やコストの観点から、光重合開始剤を含有することが好ましい。
紫外線照射装置としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線無電極ランプおよび紫外線発光ダイオード(UV−LED)等が挙げられる。
照射エネルギーは、活性エネルギー線の種類や配合組成に応じて適宜設定すれば良く、反応系の厚みや照度等により異なるが、例えば、高圧水銀ランプを使用する場合、UV−A領域の照射エネルギーで、例えば、5〜10,000mJ/cm2が好ましい。また、UV−LEDを使用する場合、その発光ピーク波長は350〜420nmであるものが好ましく、照射エネルギーで、例えば、5〜10,000mJ/cm2が好ましい。
照射エネルギーは、活性エネルギー線の種類や配合組成に応じて適宜設定すれば良く、反応系の厚みや照度等により異なるが、例えば、高圧水銀ランプを使用する場合、UV−A領域の照射エネルギーで、例えば、5〜10,000mJ/cm2が好ましい。また、UV−LEDを使用する場合、その発光ピーク波長は350〜420nmであるものが好ましく、照射エネルギーで、例えば、5〜10,000mJ/cm2が好ましい。
活性エネルギー線として電子線を使用する場合は、光重合開始剤を含有させず、電子線により硬化させることも可能であるが、硬化性を改善させるため必要に応じて少量配合することもできる。
電子線照射装置としては種々の装置が使用でき、例えば、コッククロフト・ワルトン型、バンデグラーフ型および共振変圧器型の装置等が挙げられる。
電子線の吸収線量としては、例えば、1〜1000kGyが好ましい。
電子線照射雰囲気の酸素濃度としては、500ppm以下が好ましく、より好ましくは300ppm以下である。
電子線照射装置としては種々の装置が使用でき、例えば、コッククロフト・ワルトン型、バンデグラーフ型および共振変圧器型の装置等が挙げられる。
電子線の吸収線量としては、例えば、1〜1000kGyが好ましい。
電子線照射雰囲気の酸素濃度としては、500ppm以下が好ましく、より好ましくは300ppm以下である。
層間での架橋反応を行う場合には、反応溶媒を用いることができる。このような溶媒は特に制限されることはなく、適宜選択すれば良いが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノールおよび2−ヘキサノールなどのアルコール類、アセトニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトンおよびエチルメチルケトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシオドなどのスルホキシド類、ヘキサンなどのアルカン類、ベンゼンおよびトルエンなどの芳香族類、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルムおよびジクロロメタンなどのハロゲン系炭化水素類などが挙げられ、これらの中でも、アルコール類や非プロトン性極性溶媒であるエーテル類、ニトリル類およびケトン類が好ましい。
より好ましくは、非プロトン性極性溶媒または第2級もしくは第3級アルコールであり、沸点が80℃以上のものが好ましく、より好ましくは90℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上である。
より好ましくは、非プロトン性極性溶媒または第2級もしくは第3級アルコールであり、沸点が80℃以上のものが好ましく、より好ましくは90℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上である。
非プロトン性極性溶媒としては、特に限定されないが、アセトニトリルおよびプロピオニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトンおよびメチレンイソプロピルケトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシオドなどのスルホキシド類が挙げられる。
また、第2級もしくは第3級アルコールとしては、特に限定されないが、2−プロパノール、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノールおよびフェノールなどの芳香族アルコール類などが挙げられる。
これらの中でも、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メチルイソプロピルケトン、2−プロパノール、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノールおよび1−ブトキシ−2−プロパノールが好ましく、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールおよび1−ブトキシ−2−プロパノールがさらに好ましい。
これらの中でも、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メチルイソプロピルケトン、2−プロパノール、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノールおよび1−ブトキシ−2−プロパノールが好ましく、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールおよび1−ブトキシ−2−プロパノールがさらに好ましい。
層間での架橋反応における反応濃度は特に制限されることはなく、適宜選択すれば良いが、例えば層間修飾層状無機化合物の質量%として、1〜50質量%が好ましく、3〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましい。
前記式(1)で表される有機無機複合基に存在するZおよび前記式(2)で表される有機無機複合架橋構造に存在するZは、前記式(3)で表されるイソチアゾリン系化合物および/またはその塩から選択される少なくとも1種を有効成分とするゲスト化合物との相互作用に関与することもできる。例えば、水酸基であればこれらのゲスト化合物との水素結合を生成し、挿入と徐放に関与することができるし、Zの種類、例えば、水酸基、メトキシ基等や存在量によってこれらのゲスト化合物との相互作用の制御に関与することもできる。
また、本発明の有機無機複合基および/または有機無機複合架橋構造で層間が修飾された層状無機化合物の層間は、有機無機複合基および有機無機複合架橋構造に加えて任意の官能基や修飾基が存在しても良い。例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム等の交換性金属カチオンが存在してもよく、アルキルアンモニウムやアルキルホスホニウム等の有機オニウム基で修飾されていてもよく、層状無機化合物由来の水酸基が存在していてもよく、該水酸基がメトキシ基等のアルコキシ基により封止・変換されていても良い。これらの存在量によってゲスト化合物との相互作用の制御に関与することもできる。
前記の層間に存在する有機無機複合架橋構造以外の任意の官能基や修飾基を層間に導入する時期は、架橋構造を構築するためのカップリング剤による層間修飾の前でも後でも同時でも良く、また、層間に導入されたカップリング剤由来の架橋性官能基の層間架橋反応の前でも後でも良く、各種官能基、修飾基およびカップリング剤の反応性等を考慮して、任意に選択することができる。
前記有機無機複合基および/または有機無機複合架橋構造で層間が修飾された層状無機化合物に挿入され、徐放化される前記式(3)で表されるイソチアゾリン系化合物および/またはその塩について例示する。
前記式(3)におけるRe、RfおよびRgとして表される炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基で例示されるアルキル基;シクロプロピル基、2−メチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基で例示されるシクロアルキル基;ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基で例示されるアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基で例示されるアルキニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基で例示されるアリール基;ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基で例示されるアラルキル基などを挙げることができ、RfおよびRgが連結した構造としては、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の飽和炭化水素基、および炭素数4からなり、イソチアゾリン骨格中の4および5位炭素原子とともにベンゼン環を形成したもの等が挙げられる。
また、ハロゲン原子としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基おおよびヨード基を挙げることができる。
これらの中でも、Reは、メチル基、オクチル基等のアルキル基、RfおよびRgは、水素原子、クロロ基および炭素数4からなり、イソチアゾリン骨格中の4および5位炭素原子とともにベンゼン環を形成したものが好ましい。
前記式(3)におけるRe、RfおよびRgとして表される炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基で例示されるアルキル基;シクロプロピル基、2−メチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基で例示されるシクロアルキル基;ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基で例示されるアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基で例示されるアルキニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基で例示されるアリール基;ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基で例示されるアラルキル基などを挙げることができ、RfおよびRgが連結した構造としては、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の飽和炭化水素基、および炭素数4からなり、イソチアゾリン骨格中の4および5位炭素原子とともにベンゼン環を形成したもの等が挙げられる。
また、ハロゲン原子としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基おおよびヨード基を挙げることができる。
これらの中でも、Reは、メチル基、オクチル基等のアルキル基、RfおよびRgは、水素原子、クロロ基および炭素数4からなり、イソチアゾリン骨格中の4および5位炭素原子とともにベンゼン環を形成したものが好ましい。
前記式(3)で表される具体的な化合物としては、例えば、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンまたは2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられ、汎用性が高いことから2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンがより好ましい。
これらの防黴性有機化合物は、単独で用いても併用しても良い。
これらの防黴性有機化合物は、単独で用いても併用しても良い。
本発明に係るゲスト化合物であるイソチアゾリン系化合物および/またはその塩は、公知の方法により無機塩または有機塩としてもよい。本発明に適用可能な塩に限定はないが、無機塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができ、有機塩としては、酢酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、アミノ酸塩などを挙げることができる。
有機無機複合基および/または有機無機複合架橋構造で層間修飾された層状無機化合物の層間に、前記防黴効果を有する有効成分であるゲスト化合物を挿入したホスト−ゲスト複合剤を含む徐放性防黴剤の製造方法に特に制限はなく、例えば、溶媒の非存在下でホスト化合物とゲスト化合物とを混合する方法や、ゲスト化合物が可溶または不溶の溶媒の存在下でホスト化合物とゲスト化合物を混合する方法等が挙げられる。
ゲスト化合物が気体もしくは液体の場合には、溶媒が非存在下で混合する方法が経済的であり好ましい。一方、ゲスト化合物が高粘性の液体もしくは固体の場合には、ゲスト化合物が可溶な溶媒の存在下、ホスト化合物と混合する方法を用いるとゲスト化合物が効率的に層間に挿入するので好ましい。また、化合物が固体の場合には、その融点以上に加温して液体化させて層間修飾層状無機化合物と混合する方法は溶媒を必要とせず、効率的である。
ゲスト化合物が気体もしくは液体の場合には、溶媒が非存在下で混合する方法が経済的であり好ましい。一方、ゲスト化合物が高粘性の液体もしくは固体の場合には、ゲスト化合物が可溶な溶媒の存在下、ホスト化合物と混合する方法を用いるとゲスト化合物が効率的に層間に挿入するので好ましい。また、化合物が固体の場合には、その融点以上に加温して液体化させて層間修飾層状無機化合物と混合する方法は溶媒を必要とせず、効率的である。
ゲスト化合物とホスト化合物を混合する温度は特に制限はなく、通常は0〜200℃の範囲であればよく、10〜150℃が好ましく、15〜100℃がより好ましい。
ホスト−ゲスト複合剤(徐放性防黴剤)を製造するときに用いる溶媒は、特に制限はなく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノールおよび2−ヘキサノールなどのアルコール類、アセトニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトンおよびエチルメチルケトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシオドなどのスルホキシド類、ヘキサンなどのアルカン類、ベンゼンおよびトルエンなどの芳香族類、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルムおよびジクロロメタンなどのハロゲン系炭化水素類などが挙げられ、ゲスト化合物の溶解性やホスト化合物の層間修飾基の親水性や疎水性といった性質との兼ね合いで適切に選択すれば良い。
ホスト−ゲスト複合剤を製造するときのホスト化合物である層間修飾層状無機化合物とゲスト化合物である防黴性有機化合物の混合比は特に制限されず、目的に応じて任意に設定されるが、層間修飾層状無機化合物100部に対して、防黴性有機化合物が0.1〜200部が好ましく、1〜100部がより好ましく、2〜50部がさらに好ましい。
また、長期間に亘って徐放性防黴剤とする場合には、層状無機化合物の層間に挿入され得る防黴性有機化合物の最大量以上と混合することが望ましい。例えば、層間修飾層状無機化合物100部に対し、50部の防黴性有機化合物を層間に挿入することができる場合には、50部以上と混合することが好ましい。
本発明のホスト化合物である層間修飾層状無機化合物と、ゲスト化合物であるイソチアゾリン系化合物および/またはその塩を混合して得られたホスト−ゲスト複合剤は、そのまま徐放性防黴剤として用いることもできるし、過剰のゲスト化合物や溶媒を除去した後に徐放性防黴剤として用いることもできる。過剰なゲスト化合物や溶剤は、ゲスト化合物が液体である場合やゲスト化合物の可溶性溶媒を併用した場合は、例えば、自然ろ過、減圧ろ過、加圧ろ過等の公知のろ過操作により、ろ別して除去することができる。ゲスト化合物が、液体や昇華性のある個体の場合には風乾や加熱蒸発、減圧留去操作等により除去することもできる。ゲスト化合物が固体で、溶媒を併用した場合には、不要な溶媒を風乾や加熱蒸発、減圧留去操作により除去することもできる。
本発明のホスト化合物である層間修飾層状無機化合物と、ゲスト化合物であるイソチアゾリン系化合物および/またはその塩から選択される少なくとも1種の化合物とからなる徐放性防黴剤において、2種以上のゲスト化合物を混合して用いる場合には、あらかじめゲスト化合物を2種以上混合してから、層間修飾層状無機化合物と混合してホスト−ゲスト複合剤としたものを使用することもできるし、あらかじめホスト−ゲスト複合剤とした徐放性防黴剤を2種以上混合して使用することもでき、目的に応じて適宜選択される。
また、本発明のゲスト化合物であるイソチアゾリン系化合物を塩として用いる場合には、あらかじめ塩にしたゲスト化合物と層間修飾層状無機化合物を混合してホスト−ゲスト複合剤とすることもできるし、ホスト−ゲスト複合剤に酸等を作用させて層間等に存在するゲスト化合物を塩にすることもでき、目的に応じて適宜選択される。
本発明の徐放性防黴剤は、必要に応じて他の防黴剤や、防虫剤、殺虫剤、殺菌剤、虫忌避剤、動物忌避剤、香料および着色料などの添加物を加えることもできる。
本発明における徐放性防黴剤の使用方法は特に制限はなく、例えば、当該徐放性防黴剤をそのまま徐放性防黴剤として用いることもできるし、樹脂に混合して構造材料、コーティング剤、繊維、フィルム、シート、板、粒子、ブロック等として用いることもでき、さらに、溶媒や重合性モノマー等に分散させて塗料として用いることもできる。
本発明の徐放性防黴剤は、各種材料に配合して防黴効果を付与することができる。配合することができる材料として、例えば、シリコーン、アクリル等のゴム、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ABS、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリル酸等の様々なプラスチックス等が挙げられる。
また、本発明の徐放性防黴剤は、バインダーの存在下、または非存在下に、水または有機溶剤等の液状媒体に懸濁させたものを、スプレーコーティング、コーターコーティング、ディッピング、刷毛塗り、ロールコーティング等の通常の塗布手段によって、各種金属やプラスチックス、セラミックス等の表面に塗布し、被膜を形成することもでき、そのようにして各種材質の物品における黴の発育を阻止することができる。
本発明の徐放性防黴剤を各種材料に配合するときの好ましい割合は、特に制限はなく、使用環境や目的に応じて任意に選択することができるが、例えば、防黴性を付与しようとする材料100部当たり、0.05〜30部であり、より好ましくは0.1〜20部であり、さらに好ましくは0.5〜10部である。
本発明の徐放性防黴剤を配合した材料または成形体の具体的な用途として、タオル、カーペット、カーテン、衣類、寝具等の繊維製品、皮革、冷蔵庫、洗濯機、食器乾燥機、掃除機、空調機、テレビ、電話、パソコン等の電化製品、壁紙、タイル、煉瓦、コンクリート、ネジ、目地等の建築材料、洗顔器、歯ブラシ、ほうき、ホース、スリッパ、ごみ箱、たわし等の日用雑貨品、まな板、三角コーナー、包丁等の台所用品、トイレタリー用品、自動車、航空機、船舶等のモビリティ用品、各種コーティング剤、塗料、接着剤等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
以下、実施例および比較例により、本発明を具体的に説明する。
<実施例1>フェニルシリル基で層間修飾したマガディアイトの層間に、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以後、OITと記す)を挿入した徐放性防黴剤の合成とその徐放性評価。
(1)ナトリウム−マガディアイト(以下、Na−マガディアイトと記す)の合成。
珪酸ソーダ(富士化学社製、商品名:4号珪酸ソーダ)18.34g、シリカゲル(富士フイルム和光純薬社製、商品名:ワコーゲルQ―63)7.28gおよび純水54.37gを混ぜ合わせた後、高圧用反応分解容器(三愛科学社製、商品名:HU−100)に封入し、170℃で30時間加熱した。生成物を吸引ろ取し、希NaOH水溶液(pH:9〜10)および純水で洗浄し、40℃で2日間乾燥することでNa−マガディアイト15.9gを得た。
原子吸光分析装置(島津製作所社製、AA−6200)および熱重量分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、TG/DTA6300)を用いてNa−マガディアイトの組成を算出した結果、Na2Si14O29・nH2Oであり、n=0として算出したイオン交換容量は2.21molc/kgであった。
また、X線回折装置(BRUKER社製、商品名:D8 ADVANCE)を用いて得られたNa−マガディアイトの底面間隔を求めた結果、1.54nmであった。
<実施例1>フェニルシリル基で層間修飾したマガディアイトの層間に、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(以後、OITと記す)を挿入した徐放性防黴剤の合成とその徐放性評価。
(1)ナトリウム−マガディアイト(以下、Na−マガディアイトと記す)の合成。
珪酸ソーダ(富士化学社製、商品名:4号珪酸ソーダ)18.34g、シリカゲル(富士フイルム和光純薬社製、商品名:ワコーゲルQ―63)7.28gおよび純水54.37gを混ぜ合わせた後、高圧用反応分解容器(三愛科学社製、商品名:HU−100)に封入し、170℃で30時間加熱した。生成物を吸引ろ取し、希NaOH水溶液(pH:9〜10)および純水で洗浄し、40℃で2日間乾燥することでNa−マガディアイト15.9gを得た。
原子吸光分析装置(島津製作所社製、AA−6200)および熱重量分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、TG/DTA6300)を用いてNa−マガディアイトの組成を算出した結果、Na2Si14O29・nH2Oであり、n=0として算出したイオン交換容量は2.21molc/kgであった。
また、X線回折装置(BRUKER社製、商品名:D8 ADVANCE)を用いて得られたNa−マガディアイトの底面間隔を求めた結果、1.54nmであった。
(2)ドデシルトリメチルアンモニウム(以後、DTMAと記す)−マガディアイトの合成(Na−マガディアイトの塩化ドデシルトリメチルアンモニウム処理による層間アンモニウム化によるシリル化前駆体の合成)。
前記のようにして得られたNa−マガディアイト100g、純水6500gおよび塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(富士フイルム和光純薬社製)175gを混合し、室温で7日間撹拌した。その後、固体を吸引ろ取して、メタノール洗浄した後、60℃で乾燥してDTMA−マガディアイト94gを得た。
原子吸光分析装置(島津製作所社製、AA−6200)を用いて、得られたDTMA−マガディアイト中のNa質量を測定した結果、Na含有率は0.04質量%未満で、ほとんど陽イオン交換されたことを確認した。
元素分析装置(ヤナコ分析工業社製、CHNコーダーMT−5)および熱重量分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、TG/DTA6300)を用いて得られたDTMA−マガディアイトの組成を算出した結果、DTMA1.72H0.28Si14O29・nH2Oであった。
また、前記と同様に、得られたDTMA−マガディアイトの底面間隔を求めたところ2.89nmであった。
前記のようにして得られたNa−マガディアイト100g、純水6500gおよび塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(富士フイルム和光純薬社製)175gを混合し、室温で7日間撹拌した。その後、固体を吸引ろ取して、メタノール洗浄した後、60℃で乾燥してDTMA−マガディアイト94gを得た。
原子吸光分析装置(島津製作所社製、AA−6200)を用いて、得られたDTMA−マガディアイト中のNa質量を測定した結果、Na含有率は0.04質量%未満で、ほとんど陽イオン交換されたことを確認した。
元素分析装置(ヤナコ分析工業社製、CHNコーダーMT−5)および熱重量分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、TG/DTA6300)を用いて得られたDTMA−マガディアイトの組成を算出した結果、DTMA1.72H0.28Si14O29・nH2Oであった。
また、前記と同様に、得られたDTMA−マガディアイトの底面間隔を求めたところ2.89nmであった。
(3)DTMA−マガディアイトの塩酸処理による部分プロトン化DTMA−マガディアイト(シリル化前駆体)の合成。
前記のようにして得られたDTMA−マガディアイト100gと0.1mol・dm-3塩酸655gを混合し、室温で1日攪拌した。その後、固体を吸引ろ取して、純水洗浄した後、60℃で乾燥して部分プロトン化DTMA−マガディアイト86gを得た。
前記と同様に、得られた部分プロトン化DTMA−マガディアイトの組成を算出したところDTMA1.11H0.89Si14O29・nH2Oであり、アンモニウム基の割合はイオン交換容量に対して56モル%であった。
前記と同様に、部分プロトン化DTMA−マガディアイトの底面間隔を分析した結果、明確な回折ピークが観測されなかった。これは得られた部分プロトン化DTMA−マガディアイトの層状構造の大部分が崩れているためと推測される。
前記のようにして得られたDTMA−マガディアイト100gと0.1mol・dm-3塩酸655gを混合し、室温で1日攪拌した。その後、固体を吸引ろ取して、純水洗浄した後、60℃で乾燥して部分プロトン化DTMA−マガディアイト86gを得た。
前記と同様に、得られた部分プロトン化DTMA−マガディアイトの組成を算出したところDTMA1.11H0.89Si14O29・nH2Oであり、アンモニウム基の割合はイオン交換容量に対して56モル%であった。
前記と同様に、部分プロトン化DTMA−マガディアイトの底面間隔を分析した結果、明確な回折ピークが観測されなかった。これは得られた部分プロトン化DTMA−マガディアイトの層状構造の大部分が崩れているためと推測される。
(4)部分プロトン化DTMA−マガディアイトのPh−TRIMS処理による層間シリル化(フェニル基の導入)。
前記のようにして得られた部分プロトン化DTMA−マガディアイト100gを100℃、約100Paで2時間減圧乾燥した後、モレキュラーシーブ3Aで乾燥した1−メトキシ−2−プロパノール(以下、PGMと記す)1850g、純水3.4g、Ph−TRIMS263g(反応点に対して7モル倍、信越化学工業社製)を混合し、窒素雰囲気下で加熱還流を行いながら4日間攪拌した。その後、固体を吸引ろ取し、メタノール洗浄した後、60℃で乾燥し、シリル化マガディアイト(以後、PhS−マガディアイトと記す)102gを得た。
前記と同様に、得られたPhS−マガディアイトの組成を算出した結果、フェニルシリル(PhS)1.13DTMA0.40Me0.47Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.16nmであった。
前記のようにして得られた部分プロトン化DTMA−マガディアイト100gを100℃、約100Paで2時間減圧乾燥した後、モレキュラーシーブ3Aで乾燥した1−メトキシ−2−プロパノール(以下、PGMと記す)1850g、純水3.4g、Ph−TRIMS263g(反応点に対して7モル倍、信越化学工業社製)を混合し、窒素雰囲気下で加熱還流を行いながら4日間攪拌した。その後、固体を吸引ろ取し、メタノール洗浄した後、60℃で乾燥し、シリル化マガディアイト(以後、PhS−マガディアイトと記す)102gを得た。
前記と同様に、得られたPhS−マガディアイトの組成を算出した結果、フェニルシリル(PhS)1.13DTMA0.40Me0.47Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.16nmであった。
(5)塩化水素およびメタノールを用いたPhS−マガディアイトの残存DTMA基の除去およびメチル基の導入(シラノールの封止)。
前記で得られたPhS−マガディアイト100gを100℃、約100Paで2時間減圧乾燥した後、モレキュラーシーブ3Aで乾燥したPGM1650g、5%塩化水素メタノール溶液78.5gを混合し、窒素雰囲気下で加熱還流させながら3日間攪拌した。その後、固体を吸引ろ取し、メタノール洗浄した後、60℃で乾燥させた。
得られた固体の全量をメタノール1980gと混合し、窒素雰囲気下で加熱還流させながら2日間攪拌した。その後、固体を吸引ろ取し、60℃で乾燥させ、DTMA基が除去され、マガディアイト由来のシラノールがO−メチル化されたPhS−マガディアイト(以後、PhS−マガディアイト−PPMeと記す)76gを得た。
前記と同様に、得られたPhS−マガディアイト−PPMeの組成を算出した結果、PhS1.13DTMA0.04Me0.83Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は1.69nmであった。
前記で得られたPhS−マガディアイト100gを100℃、約100Paで2時間減圧乾燥した後、モレキュラーシーブ3Aで乾燥したPGM1650g、5%塩化水素メタノール溶液78.5gを混合し、窒素雰囲気下で加熱還流させながら3日間攪拌した。その後、固体を吸引ろ取し、メタノール洗浄した後、60℃で乾燥させた。
得られた固体の全量をメタノール1980gと混合し、窒素雰囲気下で加熱還流させながら2日間攪拌した。その後、固体を吸引ろ取し、60℃で乾燥させ、DTMA基が除去され、マガディアイト由来のシラノールがO−メチル化されたPhS−マガディアイト(以後、PhS−マガディアイト−PPMeと記す)76gを得た。
前記と同様に、得られたPhS−マガディアイト−PPMeの組成を算出した結果、PhS1.13DTMA0.04Me0.83Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は1.69nmであった。
(6)PhS−マガディアイト−PPMeとOITの複合剤の調製。
前記で得られたPhS−マガディアイト−PPMe90gをメタノール200gおよびOIT10gと混合し、25℃で24時間撹拌した。その後、混合液をシャーレに移して25℃で16時間乾燥させて溶剤であるメタノールを除去し、PhS−マガディアイト−PPMeとOITの複合剤(以後、PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)を得た。その底面間隔は2.77nmであった。
前記で得られたPhS−マガディアイト−PPMe90gをメタノール200gおよびOIT10gと混合し、25℃で24時間撹拌した。その後、混合液をシャーレに移して25℃で16時間乾燥させて溶剤であるメタノールを除去し、PhS−マガディアイト−PPMeとOITの複合剤(以後、PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)を得た。その底面間隔は2.77nmであった。
(7)PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤からのOIT放出試験。
前記で得られたPhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgをオクタン20gと混合し、25℃で撹拌した。撹拌開始後、経時的にサンプリングを行い、サンプリング液を遠心分離し、その上澄み液中のOIT濃度を、ガスクロマトグラフィ(アジレント・テクノロジー社製7820A、カラム:CP−Sil 5 CB)を用いて分析した。
その結果を表1および表2に示す。
前記で得られたPhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgをオクタン20gと混合し、25℃で撹拌した。撹拌開始後、経時的にサンプリングを行い、サンプリング液を遠心分離し、その上澄み液中のOIT濃度を、ガスクロマトグラフィ(アジレント・テクノロジー社製7820A、カラム:CP−Sil 5 CB)を用いて分析した。
その結果を表1および表2に示す。
<実施例2>フェニルシリル基およびヘキシルシリル基で層間修飾されたマガディアイトの層間にOITを挿入した徐放性複合剤の合成とその徐放性評価。
(1)部分プロトン化DTMA−マガディアイトのPh−TRIMSおよびヘキシルシリルトリメトキシシラン(以後、Hx−TRIMSと記す)処理による層間シリル化(フェニル基およびヘキシル基の導入)。
Ph−TRIMSg263gをPh−TRIMS132gおよびHx−TRIMS(東京化成化学工業社製)137gに変更した以外は、実施例1(4)と同様にして層間シリル化を行うことによりシリル化マガディアイト(以後、PhS−HxS−マガディアイトと記す)108gを得た。
前記の元素分析装置、熱重量分析装置および核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製、JNM−ECA400)を用いて得られたPhS−HxS−マガディアイトの組成を算出した結果、PhS0.45HxS0.24DTMA0.71Me0.60Si14O29・nH2Oであった。
また、前記と同様に、得られたPhS−HxS−マガディアイトの底面間隔を求めたところ2.35nmであった。
(1)部分プロトン化DTMA−マガディアイトのPh−TRIMSおよびヘキシルシリルトリメトキシシラン(以後、Hx−TRIMSと記す)処理による層間シリル化(フェニル基およびヘキシル基の導入)。
Ph−TRIMSg263gをPh−TRIMS132gおよびHx−TRIMS(東京化成化学工業社製)137gに変更した以外は、実施例1(4)と同様にして層間シリル化を行うことによりシリル化マガディアイト(以後、PhS−HxS−マガディアイトと記す)108gを得た。
前記の元素分析装置、熱重量分析装置および核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製、JNM−ECA400)を用いて得られたPhS−HxS−マガディアイトの組成を算出した結果、PhS0.45HxS0.24DTMA0.71Me0.60Si14O29・nH2Oであった。
また、前記と同様に、得られたPhS−HxS−マガディアイトの底面間隔を求めたところ2.35nmであった。
(2)塩化水素およびメタノールを用いたPh−HxS−マガディアイトの残存DTMA基の除去およびメチル基の導入(シラノールの封止)。
PhS−マガディアイト100gをPhS−HxS−マガディアイト100g100に変更した以外は、実施例1(5)と同様にしてDTMA基が除去され、マガディアイト由来のシラノールがO−メチル化されたPhS−HxS−マガディアイト(以後、PhS−HxS−マガディアイト−PPMeと記す)76gを得た。
前記と同様に、得られたPhS−HxS−マガディアイト−PPMeの組成を算出した結果、PhS0.45HxS0.24DTMA0.18Me1.13Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は1.95nmであった。
PhS−マガディアイト100gをPhS−HxS−マガディアイト100g100に変更した以外は、実施例1(5)と同様にしてDTMA基が除去され、マガディアイト由来のシラノールがO−メチル化されたPhS−HxS−マガディアイト(以後、PhS−HxS−マガディアイト−PPMeと記す)76gを得た。
前記と同様に、得られたPhS−HxS−マガディアイト−PPMeの組成を算出した結果、PhS0.45HxS0.24DTMA0.18Me1.13Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は1.95nmであった。
(3)PhS−HxS−マガディアイト−PPMeとOITの複合剤の調製。
PhS−マガディアイト−PPMe90gをPhS−HxS−マガディアイト−PPMe90gに変更した以外は、実施例1(6)と同様にしてPhS−HxS−マガディアイト−PPMeとOITの複合剤(以後、PhS−HxS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)を得た。その底面間隔は2.66nmであった。
PhS−マガディアイト−PPMe90gをPhS−HxS−マガディアイト−PPMe90gに変更した以外は、実施例1(6)と同様にしてPhS−HxS−マガディアイト−PPMeとOITの複合剤(以後、PhS−HxS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)を得た。その底面間隔は2.66nmであった。
(4)PhS−HxS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤からのOIT放出試験。
PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgをPhS−HxS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgに変更した以外は、実施例1(7)と同様にしてオクタン中のOIT濃度を分析した。
その結果を表1および表2に示す。
PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgをPhS−HxS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgに変更した以外は、実施例1(7)と同様にしてオクタン中のOIT濃度を分析した。
その結果を表1および表2に示す。
<実施例3>メタクリロイル型架橋およびフェニルシリル基で層間修飾したマガディアイトの層間にOITを挿入した徐放性防黴剤の合成とその徐放性評価。
(1)DTMA−マガディアイトのPh−TRIMS処理による層間シリル化(フェニルシリル基の導入)。
部分プロトン化DTMA−マガディアイト100gを実施例1(2)のようにして得られたDTMA−マガディアイト100gに変更した以外は、実施例1(4)と同様にして層間シリル化を行うことによりPhS−マガディアイト89gを得た。
前記と同様に、得られたPhS−マガディアイトの組成を算出した結果、PhS0.86DTMA0.71Me0.43Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.28nmであった。
(1)DTMA−マガディアイトのPh−TRIMS処理による層間シリル化(フェニルシリル基の導入)。
部分プロトン化DTMA−マガディアイト100gを実施例1(2)のようにして得られたDTMA−マガディアイト100gに変更した以外は、実施例1(4)と同様にして層間シリル化を行うことによりPhS−マガディアイト89gを得た。
前記と同様に、得られたPhS−マガディアイトの組成を算出した結果、PhS0.86DTMA0.71Me0.43Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.28nmであった。
(2)PhS−マガディアイトの3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(以後、MAC−TRIMSと記す)処理による層間シリル化(メタクリロイルオキシプロピル基の導入)。
部分プロトン化DTMA−マガディアイト100gを前記のようにして得られたPhS−マガディアイト100gに変更し、Ph−TRIMSg263gをMAC-TRIMS307g(信越化学工業社製)に変更した以外は、実施例1(4)と同様にして層間シリル化を行うことによりメタクリロイルオキシプロピルシリル(MACPS)−PhS−マガディアイト86gを得た。
前記と同様に、得られたMACPS−PhS−マガディアイトの組成を算出した結果、MACPS0.51PhS0.86DTMA0.20Me0.43Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.17nmであった。
部分プロトン化DTMA−マガディアイト100gを前記のようにして得られたPhS−マガディアイト100gに変更し、Ph−TRIMSg263gをMAC-TRIMS307g(信越化学工業社製)に変更した以外は、実施例1(4)と同様にして層間シリル化を行うことによりメタクリロイルオキシプロピルシリル(MACPS)−PhS−マガディアイト86gを得た。
前記と同様に、得られたMACPS−PhS−マガディアイトの組成を算出した結果、MACPS0.51PhS0.86DTMA0.20Me0.43Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.17nmであった。
(3)MACPS−PhS−マガディアイトの架橋反応による層間架橋型層状無機化合物の合成。
前記のようにして得られたMACPS−PhS−マガディアイト100gおよびトルエン1450gを混合し、氷浴で冷却しながら窒素ガスを1時間バブリングして系内の酸素を除いた。その後、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(以後、AIBNと記す)を7.88g加え、60℃で24時間撹拌した。その後、固体を吸引ろ取し、メタノール洗浄した後、60℃で乾燥し、メタクリロキシ基が架橋されたマガディアイト(以後、P−MACPS−PhS−マガディアイトと記す)100gを得た。
前記と同様に得られたP−MACPS−PhS−マガディアイトの組成を算出した結果、架橋されたメタクリロイルオキシプロピル基(P−MACPS)0.16MACPS0.35PhS0.86DTMA0.20Me0.43Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.15nmであった。
前記のようにして得られたMACPS−PhS−マガディアイト100gおよびトルエン1450gを混合し、氷浴で冷却しながら窒素ガスを1時間バブリングして系内の酸素を除いた。その後、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(以後、AIBNと記す)を7.88g加え、60℃で24時間撹拌した。その後、固体を吸引ろ取し、メタノール洗浄した後、60℃で乾燥し、メタクリロキシ基が架橋されたマガディアイト(以後、P−MACPS−PhS−マガディアイトと記す)100gを得た。
前記と同様に得られたP−MACPS−PhS−マガディアイトの組成を算出した結果、架橋されたメタクリロイルオキシプロピル基(P−MACPS)0.16MACPS0.35PhS0.86DTMA0.20Me0.43Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.15nmであった。
(4)P−MACPS−PhS−マガディアイトとOITの複合剤の調製。
PhS−マガディアイト−PPMe90gをP−MACPS−PhS−マガディアイト90gに変更した以外は、実施例1(6)と同様にしてP−MACPS−PhS−マガディアイトとOITの複合剤(以後、P−MACPS−PhS−マガディアイト/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)94gを得た。その底面間隔は2.38nmであった。
PhS−マガディアイト−PPMe90gをP−MACPS−PhS−マガディアイト90gに変更した以外は、実施例1(6)と同様にしてP−MACPS−PhS−マガディアイトとOITの複合剤(以後、P−MACPS−PhS−マガディアイト/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)94gを得た。その底面間隔は2.38nmであった。
(5)P−MACPS−PhS−マガディアイト/OIT複合剤からのOIT放出試験。
PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgを、P−MACPS−PhS−マガディアイト/OIT複合剤20mgに変更した以外は、実施例1(7)と同様にしてオクタン中のOIT濃度を分析した。
その結果を表1および表2に示す。
PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgを、P−MACPS−PhS−マガディアイト/OIT複合剤20mgに変更した以外は、実施例1(7)と同様にしてオクタン中のOIT濃度を分析した。
その結果を表1および表2に示す。
<実施例4>フェニルシリル基および3−メルカプトプロピルシリル基で層間修飾されたマガディアイトの層間にOITを挿入した徐放性防黴剤の合成とその徐放性評価。
(1)部分プロトン化DTMA−マガディアイトのPh−TRIMSおよび3−メルカプトプロピルシリルトリメトキシシラン(以後、MP−TRIMSと記す)処理による層間シリル化(フェニル基およびメルカプトプロピル基の導入)。
Hx−TRIMS137gをMP−TRIMS(信越化学工業社製)123gに変更した以外は、実施例2(1)と同様にして層間シリル化を行うことによりシリル化マガディアイト(以後、PhS−MPS−マガディアイトと記す)104gを得た。
前記と同様に、得られたPhS−MPS−マガディアイトの組成を算出した結果、PhS0.62メルカプトプロピルシリル(MPS)0.61DTMA0.27Me0.50Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.15nmであった。
(1)部分プロトン化DTMA−マガディアイトのPh−TRIMSおよび3−メルカプトプロピルシリルトリメトキシシラン(以後、MP−TRIMSと記す)処理による層間シリル化(フェニル基およびメルカプトプロピル基の導入)。
Hx−TRIMS137gをMP−TRIMS(信越化学工業社製)123gに変更した以外は、実施例2(1)と同様にして層間シリル化を行うことによりシリル化マガディアイト(以後、PhS−MPS−マガディアイトと記す)104gを得た。
前記と同様に、得られたPhS−MPS−マガディアイトの組成を算出した結果、PhS0.62メルカプトプロピルシリル(MPS)0.61DTMA0.27Me0.50Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.15nmであった。
(2)塩化水素およびメタノールを用いたPhS−MPS-マガディアイトの残存DTMA基の除去およびメチル基の導入(シラノールの封止)。
PhS−マガディアイト100gをPhS−MPS−マガディアイト100gに変更した以外は、実施例1(5)と同様にしてDTMA基が除去され、マガディアイト由来のシラノールがO−メチル化されたPhS−MPS−マガディアイト(以後、PhS−MPS−マガディアイト−PPMeと記す)93gを得た。
前記と同様に、得られたPhS−HxS−マガディアイト−PPMeの組成を算出した結果、PhS0.62MPS0.61DTMA0.19Me0.58Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.15nmであった。
PhS−マガディアイト100gをPhS−MPS−マガディアイト100gに変更した以外は、実施例1(5)と同様にしてDTMA基が除去され、マガディアイト由来のシラノールがO−メチル化されたPhS−MPS−マガディアイト(以後、PhS−MPS−マガディアイト−PPMeと記す)93gを得た。
前記と同様に、得られたPhS−HxS−マガディアイト−PPMeの組成を算出した結果、PhS0.62MPS0.61DTMA0.19Me0.58Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.15nmであった。
(3)PhS−MPS−マガディアイト−PPMeとOITの複合剤の調製。
PhS−マガディアイト−PPMe90gをPhS−MPS−マガディアイト−PPMe90gに変更した以外は、実施例1(6)と同様にしてPhS−MPS−マガディアイト−PPMeとOITの複合剤(以後、PhS−MPS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)98gを得た。その底面間隔は2.48nmであった。
PhS−マガディアイト−PPMe90gをPhS−MPS−マガディアイト−PPMe90gに変更した以外は、実施例1(6)と同様にしてPhS−MPS−マガディアイト−PPMeとOITの複合剤(以後、PhS−MPS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)98gを得た。その底面間隔は2.48nmであった。
(4)PhS−MPS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤からのOIT放出試験。
PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgを前記で得られたPhS−MPS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgに変更した以外は、実施例1(7)と同様にしてオクタン中のOIT濃度を分析した。
その結果を表1および表2に示す。
PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgを前記で得られたPhS−MPS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgに変更した以外は、実施例1(7)と同様にしてオクタン中のOIT濃度を分析した。
その結果を表1および表2に示す。
<実施例5>3−メルカプトプロピルシリル基で層間修飾されたマガディアイトの層間にOITを挿入した徐放性複合剤の合成とその徐放性評価。
(1)部分プロトン化DTMA−マガディアイトのMP−TRIMS処理による層間シリル化(メルカプトプロピル基の導入)。
Ph−TRIMS263gをMP−TRIMS245gに変更した以外は、実施例1(4)と同様にして層間シリル化を行うことによりシリル化マガディアイト(以後、MPS−マガディアイトと記す)97gを得た。
前記と同様に、得られたMPS−マガディアイトの組成を算出した結果、MPS0.95DTMA0.30Me0.75Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.22nmであった。
(1)部分プロトン化DTMA−マガディアイトのMP−TRIMS処理による層間シリル化(メルカプトプロピル基の導入)。
Ph−TRIMS263gをMP−TRIMS245gに変更した以外は、実施例1(4)と同様にして層間シリル化を行うことによりシリル化マガディアイト(以後、MPS−マガディアイトと記す)97gを得た。
前記と同様に、得られたMPS−マガディアイトの組成を算出した結果、MPS0.95DTMA0.30Me0.75Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.22nmであった。
(2)塩化水素およびメタノールを用いたMPS−マガディアイトの残存DTMA基の除去およびメチル基の導入(シラノールの封止)。
PhS−マガディアイト100gをMPS−マガディアイト100gに変更した以外は、実施例1(5)と同様にしてDTMA基が除去され、マガディアイト由来のシラノールがO−メチル化されたMPS−マガディアイト(以後、MPS−マガディアイト−PPMeと記す)93gを得た。
前記と同様に、得られたMPS−マガディアイト−PPMeの組成を算出した結果、MPS0.95DTMA0.23Me0.82Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.21nmであった。
PhS−マガディアイト100gをMPS−マガディアイト100gに変更した以外は、実施例1(5)と同様にしてDTMA基が除去され、マガディアイト由来のシラノールがO−メチル化されたMPS−マガディアイト(以後、MPS−マガディアイト−PPMeと記す)93gを得た。
前記と同様に、得られたMPS−マガディアイト−PPMeの組成を算出した結果、MPS0.95DTMA0.23Me0.82Si14O29・nH2Oであり、底面間隔は2.21nmであった。
(3)MPS−マガディアイト−PPMeとOITの複合剤の調製。
PhS−マガディアイト−PPMe90gをMPS−マガディアイト−PPMe90gに変更した以外は、実施例1(6)と同様にしてMPS−マガディアイト−PPMeとOITの複合剤(以後、MPS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)95gを得た。その底面間隔は2.51nmであった。
PhS−マガディアイト−PPMe90gをMPS−マガディアイト−PPMe90gに変更した以外は、実施例1(6)と同様にしてMPS−マガディアイト−PPMeとOITの複合剤(以後、MPS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)95gを得た。その底面間隔は2.51nmであった。
(4)MPS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤からのOIT放出試験。
PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgを前記で得られたMPS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgに変更した以外は、実施例1(7)と同様にしてオクタン中のOIT濃度を分析した。
その結果を表1および表2に示す。
PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgを前記で得られたMPS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgに変更した以外は、実施例1(7)と同様にしてオクタン中のOIT濃度を分析した。
その結果を表1および表2に示す。
<比較例1>DTMA基で層間修飾されたマガディアイトの層間にOITを挿入した複合剤の合成とその徐放性評価。
(1)DTMA−マガディアイトとOITの複合剤の合成。
PhS−マガディアイト−PPMe90gを実施例1(2)のようにして得られたDTMA−マガディアイト90gに変更した以外は、実施例1(6)と同様にしてDTMA−マガディアイトとOITの複合剤(以後、DTMA−マガディアイト/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)99gを得た。その底面間隔は3.99nmであった。
(1)DTMA−マガディアイトとOITの複合剤の合成。
PhS−マガディアイト−PPMe90gを実施例1(2)のようにして得られたDTMA−マガディアイト90gに変更した以外は、実施例1(6)と同様にしてDTMA−マガディアイトとOITの複合剤(以後、DTMA−マガディアイト/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)99gを得た。その底面間隔は3.99nmであった。
(2)DTMA−マガディアイト/OIT複合剤からのOIT放出試験。
PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgをDTMA−マガディアイト/OIT複合剤20mgに変更した以外は実施例1(7)と同様にしてオクタン中のOIT濃度を分析した。
その結果を表1および表2に示す。
PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgをDTMA−マガディアイト/OIT複合剤20mgに変更した以外は実施例1(7)と同様にしてオクタン中のOIT濃度を分析した。
その結果を表1および表2に示す。
<比較例2>カルシウム型フッ素置換合成ウンモの層間にOITを挿入した複合剤の合成とその徐放性評価。
(1)カルシウム型フッ素置換合成ウンモの合成。
0.1mol/LのCaCl2水溶液1.0Lに、層状ケイ酸塩であるナトリウム型フッ素置換合成ウンモ100.0gを加え、60℃で4時間攪拌して懸濁させ、交換性ナトリウムイオンをカルシウムイオンに置換した。得られた懸濁液をイオン交換水で露駅の電導度が100μS/cm以下となるまで洗浄し、次いで115℃で乾燥し、粉砕して、平均粒径5μmであるカルシウム型フッ素置換合成ウンモを得た。
(1)カルシウム型フッ素置換合成ウンモの合成。
0.1mol/LのCaCl2水溶液1.0Lに、層状ケイ酸塩であるナトリウム型フッ素置換合成ウンモ100.0gを加え、60℃で4時間攪拌して懸濁させ、交換性ナトリウムイオンをカルシウムイオンに置換した。得られた懸濁液をイオン交換水で露駅の電導度が100μS/cm以下となるまで洗浄し、次いで115℃で乾燥し、粉砕して、平均粒径5μmであるカルシウム型フッ素置換合成ウンモを得た。
(2)カルシウム型フッ素置換合成ウンモとOITの複合剤の調製。
PhS−マガディアイト−PPMe90gを前記のようにして得られたカルシウム型フッ素置換合成ウンモ90gに変更した以外は、実施例1(6)と同様にしてカルシウム型フッ素置換合成ウンモとOITの複合剤(以後、カルシウム型フッ素置換合成ウンモ/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)99gを得た。その底面間隔は1.74nmであった。
PhS−マガディアイト−PPMe90gを前記のようにして得られたカルシウム型フッ素置換合成ウンモ90gに変更した以外は、実施例1(6)と同様にしてカルシウム型フッ素置換合成ウンモとOITの複合剤(以後、カルシウム型フッ素置換合成ウンモ/OIT複合剤と記す、OITの有効成分濃度:10wt%)99gを得た。その底面間隔は1.74nmであった。
(3)カルシウム型フッ素置換合成ウンモ/OIT複合剤からのOIT放出試験。
PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgをカルシウム型フッ素置換合成ウンモ/OIT複合剤20mgに変更した以外は実施例1(7)と同様にしてオクタン中のOIT濃度を分析した。
その結果を表1および表2に示す。
PhS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤20mgをカルシウム型フッ素置換合成ウンモ/OIT複合剤20mgに変更した以外は実施例1(7)と同様にしてオクタン中のOIT濃度を分析した。
その結果を表1および表2に示す。
<実施例6>PhS−HxS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤(徐放性防黴剤)を練り込んだ樹脂の防黴試験。
(1)樹脂試験片の作製。
ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製UBEポリエチレンJ3519、以後、PP樹脂と記す)40gを加熱ミルで、140℃で攪拌しながら溶解させた。ここに実施例2で合成したPhS−HxS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤0.4gを添加して15分間攪拌した後、得られた混合液を金型に入れ、160℃で5分間プレスしてから放冷し、2mmの厚さのプレートに成形した。ここから2.5cm×2.5cm×2mmの大きさの試験片を切り出した。
(1)樹脂試験片の作製。
ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製UBEポリエチレンJ3519、以後、PP樹脂と記す)40gを加熱ミルで、140℃で攪拌しながら溶解させた。ここに実施例2で合成したPhS−HxS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤0.4gを添加して15分間攪拌した後、得られた混合液を金型に入れ、160℃で5分間プレスしてから放冷し、2mmの厚さのプレートに成形した。ここから2.5cm×2.5cm×2mmの大きさの試験片を切り出した。
(2)樹脂試験片の加熱劣化処理。
前記(1)で作製した樹脂試験片を、80℃の通風乾燥機内に96時間静置後、25℃で17日間静置した。
前記(1)で作製した樹脂試験片を、80℃の通風乾燥機内に96時間静置後、25℃で17日間静置した。
(3)樹脂試験片の温水浸漬劣化処理。
前記(1)で作製した樹脂試験片に金属の重りを付け、純水1L入りの1Lポリ瓶に入れて、試験片を完全に水中に沈め、ポリ瓶の蓋を閉めて、60℃で120時間加熱した。途中、温水浸漬開始24時間後および96時間後にそれぞれ水を純水に入れ替えた。
前記(1)で作製した樹脂試験片に金属の重りを付け、純水1L入りの1Lポリ瓶に入れて、試験片を完全に水中に沈め、ポリ瓶の蓋を閉めて、60℃で120時間加熱した。途中、温水浸漬開始24時間後および96時間後にそれぞれ水を純水に入れ替えた。
(4)防黴試験(ハロー試験)。
防黴性の評価に用いたカビは、黒カビ(Cladosporium cladospolioides)、青カビ(Penicillium funiculosum)および黒麹カビ(Aspergills niger)で、表3に示す組成の無機塩溶液に胞子を添加し、それぞれの胞子数が105個/mL前後となるように調整して胞子混合懸濁液とした。
直径9cmのポテトデキストロース寒天培地上に上記胞子混合懸濁液150μLを一様に接種し、その上の中央付近に上記(1)〜(3)で作製した試験片を置いて密着させた。これを25℃、湿度90%以上で3日間培養し、発育阻止帯の形成の有無を確認することにより、防黴性の評価を行った。
評価結果を表4に示す。表中の記号は、〇:発育阻止帯の形成あり(防黴効果あり)、×:発育阻止帯の形成なし(防黴効果なし)を意味する。
防黴性の評価に用いたカビは、黒カビ(Cladosporium cladospolioides)、青カビ(Penicillium funiculosum)および黒麹カビ(Aspergills niger)で、表3に示す組成の無機塩溶液に胞子を添加し、それぞれの胞子数が105個/mL前後となるように調整して胞子混合懸濁液とした。
直径9cmのポテトデキストロース寒天培地上に上記胞子混合懸濁液150μLを一様に接種し、その上の中央付近に上記(1)〜(3)で作製した試験片を置いて密着させた。これを25℃、湿度90%以上で3日間培養し、発育阻止帯の形成の有無を確認することにより、防黴性の評価を行った。
評価結果を表4に示す。表中の記号は、〇:発育阻止帯の形成あり(防黴効果あり)、×:発育阻止帯の形成なし(防黴効果なし)を意味する。
<比較例3>OIT(ゲスト化合物である防黴性有機化合物)を練り込んだ樹脂の防黴試験。
PhS−HxS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤0.4gを、OIT0.04gに変更した以外は、実施例4と同様にして試験片を作製し、加速劣化処理および温水浸漬劣化処理を行って、防黴試験を実施した。その結果を表4に示す。
PhS−HxS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤0.4gを、OIT0.04gに変更した以外は、実施例4と同様にして試験片を作製し、加速劣化処理および温水浸漬劣化処理を行って、防黴試験を実施した。その結果を表4に示す。
<比較例4>PhS−HxS−マガディアイト−PPMe(ホスト化合物である層間修飾層状無機化合物)を練り込んだ樹脂の防黴試験。
PhS−HxS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤0.4gを、PhS−HxS−マガディアイト−PPMe0.36gに変更した以外は、実施例4と同様にして試験片を作製し、加速劣化処理および温水浸漬劣化処理を行って、防黴試験を実施した。その結果を表4に示す。
PhS−HxS−マガディアイト−PPMe/OIT複合剤0.4gを、PhS−HxS−マガディアイト−PPMe0.36gに変更した以外は、実施例4と同様にして試験片を作製し、加速劣化処理および温水浸漬劣化処理を行って、防黴試験を実施した。その結果を表4に示す。
表1および表2に示すように、実施例1〜実施例5で示した本発明の有機無機複合基および有機無機複合架橋構造で層間修飾された層間修飾層状無機化合物をホスト化合物とした場合には、層間修飾基に応じてゲスト分子であるOITを異なる速度で放出することができ、比較例2の従来の無修飾型の層状無機化合物をホスト化合物とした場合と比べて、放出速度を速くすることも、遅くすることもでき、目的に応じて徐放速度を幅広く調節することができる。一方、比較例1の従来のアルキルアンモニウム基により層間修飾したホスト化合物を用いた場合には、OITが層間に保持されず、一気に放出されてしまい、徐放性を有していない。
また、表4に示すように、OITを単独でPP樹脂に練り込んだ試験片(比較例3)は、初期には黴の阻止帯が観察され、防黴効果を示すが、加熱および温水浸漬による劣化試験後には、いずれも阻止帯が全く観察されず、防黴効果を示さなかった。
一方、本発明の徐放性防黴剤をPP樹脂に練り込んだ試験片(実施例6)は、初期だけでなく、加熱および温水浸漬による劣化処理後のいずれも阻止帯が観察され、防黴効果が確認された。これは、本発明の有機無機複合基および有機無機複合架橋構造で層間修飾された層間修飾層状無機化合物をホスト化合物として用いると、防黴性有機化合物に徐放性を付与した上に、耐熱性および耐温水性を付与できることを示しており、実用的な徐放性防黴剤であることを示している。
一方、本発明の徐放性防黴剤をPP樹脂に練り込んだ試験片(実施例6)は、初期だけでなく、加熱および温水浸漬による劣化処理後のいずれも阻止帯が観察され、防黴効果が確認された。これは、本発明の有機無機複合基および有機無機複合架橋構造で層間修飾された層間修飾層状無機化合物をホスト化合物として用いると、防黴性有機化合物に徐放性を付与した上に、耐熱性および耐温水性を付与できることを示しており、実用的な徐放性防黴剤であることを示している。
Claims (6)
- 層状無機化合物の層間に下記式(1)で表される有機無機複合基および/または下記式(2)で表される有機無機複合架橋構造を有する層間修飾層状無機化合物と、前記層間修飾層状無機化合物の層間に挿入された、下記式(3)で表されるイソチアゾリン系化合物および/またはその塩から選択される少なくとも1種の化合物と、を含む徐放性防黴剤。
- 前記式(3)で表される化合物が、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の徐放性防黴剤。
- 前記式(1)におけるM、ならびに前記式(2)におけるM1およびM2が、Siである請求項1または請求項2に記載の徐放性防黴剤。
- 前記式(2)で表される有機無機複合架橋構造中に、カルボン酸エステル構造、ウレタン構造、尿素構造、アミン構造、エーテル構造、チオエーテル構造、ジスルフィド構造および水酸基からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の徐放性防黴剤。
- 前記層状無機化合物が層状ケイ酸塩、層状粘土鉱物および層状金属酸化物からなる群から選ばれる1つを含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の徐放性防黴剤。
- 前記層間修飾層状無機化合物と、前記層間修飾層状無機化合物の層間に挿入する前記イソチアゾリン系化合物および/またはその塩から選択される少なくとも1種の化合物と、を混合することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の徐放性防黴剤の製造方法。
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