JP2020093446A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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【課題】ヘッドユニットのインク吐出面を清掃するワイパーブレードを備えたインクジェット記録装置において、ワイパーブレードを効果的に清掃することができると共に、ワイパーブレードの清掃時の摩耗による劣化を回避することが可能な装置を提供する。【解決手段】プリンター1は、ヘッドユニット21から加圧されたインクを吐出させるパージ処理を実行するポンプ8と、前記パージ処理後のヘッドユニット21におけるインク吐出面22Sに付着したインクを拭き取るワイパーブレード921と、ワイパーブレード921を清掃するブレード清掃機構93と、を備える。ブレード清掃機構93は洗浄液噴射パイプ931を含み、この洗浄液噴射パイプ931は、ヘッドユニット21から退避した退避位置に配置されたワイパーブレード921に向けて洗浄液を噴射する。【選択図】図15

Description

本発明は、所定のワークにインクを吐出することによって画像を形成するインクジェット記録装置に関する。
プリンター等の画像形成装置として、シートや布等のワークにインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置が知られている。このようなインクジェット記録装置は、インクを吐出する複数のインク吐出ノズルが配列されたヘッドユニットを備えている。
インクジェット記録装置では、インク吐出ノズルにインク詰まり等が発生していた場合には正常なインク吐出ができなくなる。このため、ワークへの画像形成処理の休止時にヘッドユニットに対するメンテナンス処理が実行される。メンテナンス処理においては、ヘッドユニットのインク吐出面に付着したインク等をワイパーブレードで拭き取るワイピング処理が行われる(例えば特許文献1参照)。
ワイピング処理の実行後においてワイパーブレードには、拭き取ったインク等が付着する。インク等が付着した状態のワイパーブレードによって次のワイピング処理が実行されると、ヘッドユニットのインク吐出面を汚してしまう可能性がある。そこで、特許文献1に開示された従来技術では、ワイピング処理後のワイパーブレードを清掃するブレードクリーナが備えられている。このブレードクリーナは、ワイパーブレードに接触しながら移動することにより、当該ワイパーブレードの付着物を拭き取って清掃する。
特開2009−241366号公報
ワイパーブレードを清掃した後のブレードクリーナには、ワイパーブレードから拭き取った付着物が残存する場合がある。付着物が残存した状態のままでブレードクリーナが、ワイパーブレードに接触しながら移動する清掃動作を実行すると、ワイパーブレードを汚してしまう虞がある。ワイパーブレードが汚れると、その汚れがワイピング処理の実行時にヘッドユニットのインク吐出面に転写してしまう虞がある。この場合には、ヘッドユニットからの正常なインク吐出ができなくなる。また、ブレードクリーナは、ワイパーブレードに接触しながら移動する清掃動作を実行するので、この清掃動作によってワイパーブレードが摩耗してしまう虞もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ヘッドユニットのインク吐出面を清掃するワイパーブレードを備えたインクジェット記録装置において、ワイパーブレードを効果的に清掃することができると共に、ワイパーブレードの清掃時の摩耗による劣化を回避することが可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の一の局面に係るインクジェット記録装置は、インクを吐出するインク吐出面を有するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットに対するメンテナンス処理として、前記ヘッドユニットから加圧されたインクを吐出させるパージ処理を実行するパージ機構と、前記インク吐出面と対向する前記ヘッドユニットの下方側において、前記ヘッドユニットに対して所定の水平方向の一方側に退避した退避位置に配置され、前記パージ機構による前記パージ処理の実行後に、前記退避位置を起点として前記インク吐出面に当接しながら前記水平方向に移動することにより、前記インク吐出面に付着したインクを拭き取るワイパーブレードと、前記ワイパーブレードを清掃するブレード清掃機構と、を備える。前記ブレード清掃機構は、前記退避位置の上方側に配置され、当該退避位置に配置された前記ワイパーブレードに向けて所定の洗浄液を噴射する洗浄液噴射部材を含む。
このインクジェット記録装置によれば、ヘッドユニットにおけるインク詰まりを解除若しくは予防するために、パージ機構によるパージ処理が実行される。これにより、ヘッドユニットからの正常なインク吐出が可能となる。前記パージ処理の実行後において、ワイパーブレードがヘッドユニットのインク吐出面に当接しながら移動することにより、当該インク吐出面に付着したインクが拭き取られる。ヘッドユニットに対する清掃動作後のワイパーブレードは、退避位置に戻る。
ブレード清掃機構の洗浄液噴射部材は、退避位置に配置されたワイパーブレードに向けて洗浄液を噴射する。これにより、ワイパーブレードに付着しているインク等の付着物を洗浄液によって除去することができる。ここで、ブレード清掃機構によるワイパーブレードに対する清掃動作は、ワイパーブレードに接触することなく洗浄液を噴射するという、非接触方式の動作である。このため、ブレード清掃機構の清掃動作によってワイパーブレードを汚してしまう現象の防止が可能となり、ワイパーブレードを効果的に清掃することができる。更に、ワイパーブレードに対する非接触方式の清掃動作を採用することにより、ワイパーブレードの清掃時の摩耗による劣化を回避することができる。
上記のインクジェット記録装置において、前記洗浄液は、インクのうち色材を除く成分を有する溶液、又は、インクのうち色材を除く成分に類似する成分を有する溶液からなり、前記洗浄液噴射部材は、前記洗浄液を噴射することにより、前記ワイパーブレードに付着したインクを除去すると共に、当該洗浄液の被膜を前記ワイパーブレードに形成するように構成されていてもよい。
また、上記のインクジェット記録装置において、前記ブレード清掃機構は、前記洗浄液を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクにより貯留された前記洗浄液を前記洗浄液噴射部材に向けて送出する送出ポンプと、を更に含む構成であってもよい。
また、上記のインクジェット記録装置において、前記洗浄液噴射部材は、前記ワイパーブレードの幅方向に沿って延びる、前記洗浄液が流れる流路を形成する管状体によって構成され、前記送出ポンプにより送出される前記洗浄液が流入する流入部と、前記幅方向に沿って配列され、前記流入部から流入した前記洗浄液が噴射される複数の噴射孔と、を有する構成であってもよい。
本発明によれば、ヘッドユニットのインク吐出面を清掃するワイパーブレードを備えたインクジェット記録装置において、ワイパーブレードを効果的に清掃することができると共に、ワイパーブレードの清掃時の摩耗による劣化を回避することが可能な装置を提供することができる。
図1は、本発明が適用されるインクジェット式プリンターの外観を示す斜視図である。 図2は、図1のII−II線方向の断面図である。 図3は、アウターカバーを取り外した状態の、前記インクジェット式プリンターの正面図である。 図4は、前記インクジェット式プリンターに搭載されているキャリッジの全体斜視図である。 図5は、一つの液体供給ユニット及びヘッドユニットを示す斜視図である。 図6Aは、ヘッドユニットの前後方向の断面を模式的に示す図であって、印刷モードが実行されている状態を示す。 図6Bは、ヘッドユニットの前後方向の断面を模式的に示す図であって、循環モードが実行されている状態を示す。 図7は、本実施形態における液体供給システムを示すブロック図であって、印刷モードが実行されている状態を示す図である。 図8は、循環モードが実行されている状態を示すブロック図である。 図9は、加圧パージモードが実行されている状態を示すブロック図である。 図10は、減圧モードが実行されている状態を示すブロック図である。 図11は、液体供給ユニットの前後方向の断面図であって、ポンプ部の内部構造を示す図である。 図12は、キャリッジが配置されたメンテナンスエリアの近傍を拡大して示す斜視図である。 図13は、メンテナンスエリアにおいてキャリッジの下方に配置された清掃機構を示す斜視図である。 図14は、清掃機構の構成を示す斜視図である。 図15は、清掃機構を構成するヘッド清掃機構とブレード清掃機構との位置関係を示す図である。 図16は、ヘッド清掃機構及びブレード清掃機構の断面図である。
[プリンターの全体構成]
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。まず、本発明に係るインクジェット記録装置が適用されるインクジェット式プリンターについて説明する。図1は、実施形態に係るインクジェット式プリンター1の外観を示す斜視図、図2は、図1のII−II線方向の断面図、図3は、アウターカバー102を取り外した状態の、プリンター1の正面図である。なお、図1〜図3、後出の図において、前後、左右、上下の方向表示を付しているが、これは説明の便宜のためであり、何ら方向の限定を企図したものではない。
プリンター1(インクジェット記録装置)は、各種サイズの紙シートや樹脂シート、或いは布生地などの各種ワークWに、インクジェット方式で印字、印画などの印刷処理を行うプリンターであって、とりわけ大サイズ且つ長尺のワークに対する印刷処理に好適なプリンターである。プリンター1は、キャスター付きのベースフレーム101と、このベースフレーム101に載置され、前記印刷処理を実行する装置本体11とを含む。
装置本体11は、ワーク搬送路12、搬送ローラー13、ピンチローラーユニット14及びキャリッジ2を含む。ワーク搬送路12は、印刷処理の施されるワークWを、後方側から装置本体11へ搬入し、前方側から搬出するための、前後方向に延びる搬送路である。搬送ローラー13は、左右方向に延び、ワーク搬送路12のワークWを間欠送りする駆動力を発生するローラーである。ピンチローラーユニット14は、搬送ローラー13に対して上方から対向するように配置され、搬送ローラー13と搬送ニップを形成するピンチローラーを備えている。ピンチローラーユニット14は、左右方向に所定間隔を置いて複数個配置されている。
キャリッジ2は、ワークWに対して印刷処理を行うユニットが搭載され、ベースフレーム101上において左右方向に往復移動が可能な移動体である。ベースフレーム101の後方側には、キャリッジ2の前記往復移動をガイドするガイドレールを備えたキャリッジガイド15が、左右方向に延在するように立設されている。キャリッジガイド15には、タイミングベルト16が左右方向に周回移動が可能に組み付けられている。キャリッジ2は、タイミングベルト16に対する固定部を有し、タイミングベルト16の正転又は逆転の前記周回移動に伴って、前記ガイドレールに案内されつつ、左右方向に移動する。
前記印刷処理は、搬送ローラー13及びピンチローラーユニット14がワークWを間欠送りし、ワークWの停止中にキャリッジ2が左右方向に移動して当該ワークWを印画走査(ワークWへのインクの噴射)するという態様で実行される。なお、ワーク搬送路12において、キャリッジ2の通過経路の下方には、ワークWを吸引する機能が付設されたプラテン121(図2)が配置されている。前記印刷処理時には、ワークWがプラテン121に吸着された状態で、キャリッジ2が印画走査を実行する。
装置本体11は、アウターカバー102によって覆われている。アウターカバー102の右方側の領域には、サイドステーション103が配置されている。サイドステーション103の内部には、印刷処理用のインク(所定の液体)を貯留するインクカートリッジIC(図5)を保持する、不動のインクカートリッジ棚17が収容されている。
サイドステーション103の前方部分は、キャリッジ2の退避空間となるキャリッジ退避エリア104である。図3に示すように、ベースフレーム101には、ワーク搬送路12に応じた間隔を左右方向に置いて、左フレーム105及び右フレーム106が立設されている。作業領域で区分すると、これら左右フレーム105、106間の領域が、前記印刷処理が実行可能な印刷エリアP(処理エリア)とされている。キャリッジガイド15は、印刷エリアPよりも長い左右幅を有しており、キャリッジ2は印刷エリアPの右外側まで移動可能である。キャリッジガイド15の右端側、つまり印刷エリアPの右隣の領域は、メンテナンスエリアMである。前記印刷処理が実行されないとき、キャリッジ2はメンテナンスエリアM(キャリッジ退避エリア104)に退避する。また、後述する加圧パージ処理も、このキャリッジ退避エリア104において実行される。
ベースフレーム101の後方側には、印刷処理対象のワークWの巻回体である送り出しロールWaを収容する送り出し部107が備えられている。また、ベースフレーム101の前方側には、印刷処理後のワークWの巻回体である巻き取りロールWbを収容する巻き取り部108が備えられている。巻き取り部108は、巻き取りロールWbの巻回軸を回転駆動する図略の駆動源を備え、テンションローラー109で所定の張力をワークWに付与しつつ、当該ワークWを巻き取る。
[キャリッジの構成]
図4は、キャリッジ2の全体斜視図である。キャリッジ2には、ワークWに対してインクを噴射するヘッドユニット21と、インクカートリッジIC(図5)からヘッドユニット21へインクを供給する液体供給ユニット3とが搭載されている。図4では、2台のヘッドユニット21と、8台の液体供給ユニット3とがキャリッジ2に搭載されている例を示している。すなわち、1台のヘッドユニット21当たり、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インクを供給するために、4台の液体供給ユニット3が装備されている。なお、各液体供給ユニット3に異なる色のインクが充填され、2つのヘッドユニット21から最大8色のインクが噴射される態様でもよい。
キャリッジ2は、ヘッドユニット21及びヘッドユニット21を保持するキャリッジフレーム20を備える。キャリッジフレーム20は、最も下方に位置する下段フレーム201と、下段フレーム201の上方に間隔を置いて配置された上段フレーム202と、上段フレーム202の上面に組み付けられたラック203と、上段フレーム202の後方面に取り付けられた背面フレーム204とを含む。下段フレーム201と上段フレーム202とは、上下方向に延びる連結支柱205によって連結されている。背面フレーム204には、図略のボールねじ機構が搭載されており、そのボールねじで駆動されるナット部が、下段フレーム201に取り付けられている。また、背面フレーム204には、上下方向に延びるガイド支柱206が備えられている。前記ボールねじ機構の駆動により、下段フレーム201及び上段フレーム202の連結体は、ガイド支柱206でガイドされつつ、上下方向へ移動することができる。つまり、キャリッジ2の本体部分は、背面フレーム204に対して上下方向に移動可能である。さらに、背面フレーム204には、後述する上流管33の上流端331が取り付けられる背面プレート207が立設されている。
下段フレーム201には、ヘッドユニット21が搭載されている。キャリッジ2の本体部分は上記の通り上下方向に移動可能であるので、ワークWに対するヘッドユニット21の上下方向の高さ位置が調整可能である。上段フレーム202には、液体供給ユニット3が搭載されている。8台の液体供給ユニット3は、ラック203内において左右方向に整列された態様で、上段フレーム202に支持されている。背面フレーム204には、キャリッジガイド15の前記ガイドレールでガイドされる被ガイド部や、タイミングベルト16への固定部等が具備されている。
図5は、一つの液体供給ユニット3及びヘッドユニット21を示す斜視図である。液体供給ユニット3は、タンク部31及びポンプ部32を備えた本体部30と、本体部30のインク供給方向の上流側に配置される上流管33と、本体部30の下流側に配置される下流管34と、ヘッドユニット21側から液体供給ユニット3側へインクを戻す経路となる戻し管35と、モニター管36と、バイパス管32Pとを備える。
タンク部31は、負圧環境下でヘッドユニット21に供給されるインクを一時的に貯留する空間を形成する領域である。ポンプ部32は、前記負圧環境の形成のための減圧処理の際、ヘッドユニット21(インク吐出部22)の清浄化のための加圧パージ処理の際、並びにヘッドユニット21と液体供給ユニット3との間でインクを循環させる循環処理の際に作動されるポンプ8(図7〜図10)を収容する領域である。
上流管33は、タンク部31(第2室42)とインクカートリッジICとを連通する供給管である。上流管33の上流端331は、インクカートリッジICから延出されたチューブ330の終端部に接続され、下流端332はタンク部31の入口部分に接続されている。チューブ330には、上流管33の開閉の役目を果たす供給弁33Vが取り付けられている。供給弁33Vが開とされると、インクカートリッジICからタンク部31へインクが供給され得る状態となり、供給弁33Vが閉とされると、前記供給が不能な状態となる。
下流管34は、タンク部31(第2室42)とヘッドユニット21とを連通する供給管である。下流管34の上流端341は、逆流防止機構部38を介してタンク部31の出口部分に接続され、下流端342はヘッドユニット21に接続されている。戻し管35は、ヘッドユニット21とタンク部31(第2室42)とを連通する管である。戻し管35の上流端351はヘッドユニット21に、下流端352はタンク部31に各々接続されている。戻し管35の開閉するためのクリップ35Vが、当該戻し管35に装着されている。図5では、クリップ35Vが戻し管35を圧潰して当該戻し管35が閉とされている状態を示している。モニター管36は、タンク部31内のインクレベルを表示する管である。バイパス管32Pは、タンク部31の前記負圧環境(第2室42)を経由せずに、インクを下流管34に送るための管路である。バイパス管32Pは、ポンプ部32の上流側に配置されたバイパス上流管BP1と、下流側に配置されたバイパス下流管BP2とを含む。
ヘッドユニット21は、インク吐出部22、制御ユニット部23、エンドチューブ24及び回収チューブ25を含む。インク吐出部22は、インク滴をワークWに向けて吐出するノズル部分である。インク吐出部22におけるインク滴の吐出方式としては、ピエゾ素子を用いたピエゾ方式、加熱素子を用いたサーマル方式などを適用することができる。制御ユニット部23は、インク吐出部22が備える前記ピエゾ素子又は前記加熱素子を制御する制御基板を備え、インク吐出部22からのインク滴の吐出動作を制御する。
エンドチューブ24は、下流管34の下流端342とインク吐出部22とを繋ぐチューブである。下流端342はキャップ式ソケットであり、エンドチューブ24の上端嵌合部にワンタッチ装着が可能である。回収チューブ25は、インク吐出部22と戻し管35の上流端351とを繋ぐチューブである。なお、回収チューブ25は、初期使用時に液体供給ユニット3に封入されている保存液を排出するためにも用いられる。初期使用時、下流管34の下流端342がエンドチューブ24の上端嵌合部に装着され、回収チューブ25には別途チューブが接続され、前記保存液の貯留空間を開放することにより、前記保存液を排出する動作が実行される。
図6A及び図6Bは、ヘッドユニット21の前後方向の断面を模式的に示す図であって、図6Aはクリップ35Vが閉とされている状態(印刷モード)、図6Bはクリップ35Vが開とされている状態(循環モード)を各々示している。インク吐出部22は、インクをワークWに向けて吐出する複数のインク吐出孔22Hを備える。ヘッドユニット21の内部には、インク吐出孔22Hへ個別にインクを供給する個別通路26と、これら個別通路26にインクを供給する共通通路27とが備えられている。
共通通路27は、水平方向に延びるインク通路である。各個別通路26の上流端は、共通通路27に連通している。下流管34は、その下流端342がエンドチューブ24を介して、共通通路27の上流側に連通している。戻し管35は、その上流端351が回収チューブ25を介して、共通通路27の下流側に連通している。換言すると、共通通路27の上流側は下流管34を通して、共通通路27の下流側は戻し管35を通して、各々タンク部31(第2室42)と連通している。
図6Aに示すように、クリップ35Vにより戻し管35が閉とされている状態で、下流管34からインクがヘッドユニット21に供給される場合を想定する。この場合、当該インクは、共通通路27及び各個別通路26を経て、インク吐出孔22Hから吐出される。一方、図6Bに示すように、クリップ35Vが開放され戻し管35が開とされている状態で、下流管34からインクがヘッドユニット21に供給される場合を想定する。この場合、当該インクは、専ら戻し管35を通ってタンク部31に戻ることになる。この場合、戻し管35が負圧化されると、インク吐出孔22Hからインクが漏出することはない。
[液体供給システムの構成]
本実施形態では、インクカートリッジICがヘッドユニット21の上方に配置され、水頭差によってインクがヘッドユニット21に供給される装置構成とされている。インクを水頭差供給する場合、常圧での供給を行うとヘッドユニット21のインク吐出部22から常時インクが吐出してしまう。このため、インクの供給経路中に負圧環境を作る負圧形成部を介在させ、インク吐出部22を適度な負圧とする必要がある。液体供給ユニット3のタンク部31は、上記の負圧形成部として機能する。
図7は、本実施形態のキャリッジ2において採用されている液体供給システムを概略的に示すブロック図である。インクカートリッジICは、インク吐出部22よりも高さhだけ高い位置に配置されている。この高さhが水頭差となり、当該水頭差によって、インクカートリッジICのインクがヘッドユニット21に供給される。液体供給ユニット3は、インクカートリッジICとヘッドユニット21との間のインク供給経路の途中に組み入れられている。液体供給ユニット3のタンク部31は、前記水頭差を受けて大気圧よりも高い圧力(第1圧力)となる第1室41と、第1室41に対してインク供給方向の下流側に配置され、負圧(第1圧力よりも減圧された第2圧力)に設定される第2室42とを備える。第1室41は、負圧操作が与えられない部屋であって、大気圧に加えて前記水頭差による圧力Pが加わる部屋となる。この圧力Pは、水の密度(インクは密度において水と同等に扱える)をρ、重力加速度をg、水頭差をhとするとき、P=ρgh[Pa]で表される。第1室41は、上流管33を介してインクカートリッジICと連通している。第2室42は、下流管34を介してインク吐出部22と連通している。
第1室41と第2室42とを区画する壁部には、押圧部材5に連結された開閉バルブ6が配置されている。また、第2室42を区画する壁部の一部は、大気圧検知フィルム7によって構成されている。第2室42内が所定の閾値を超える負圧になると、大気圧検知フィルム7が大気圧を検知して変位する。この変位力が押圧部材5に与えられ、連結されている開閉バルブ6が閉姿勢から開姿勢に姿勢変更し、第1室41と第2室42とが連通状態とされる。通常の印刷処理時におけるインク供給ルートは、上流管33、第1室41、第2室42及び下流管34を通過するルートである。これに加え、第2室42を経由せずに第1室41と下流管34とを短絡させるバイパス管32Pが具備されている。バイパス管32Pの上流端は、第1室41を介して上流管33と接続され、下流端は下流管34に合流している(合流部a)。バイパス管32Pには、正逆回転が可能なポンプ8が配置されている。
図7は、液体供給システムが印刷処理を行う印刷モードが実行されている状態を示す図でもある。この印刷モードでは、上流管33の供給弁33Vは開とされる一方、戻し管35のクリップ35Vは閉とされる。また、前記印刷モードにおいて、第1室41及び第2室42にはインクが所定量充填され、第2室42が所定の負圧とされる。第1室41の圧力は、上述の通り水頭差により大気圧+ρgh[Pa]であり、いつでもインクカートリッジICから水頭差によってインクが供給され得る状態である。印刷モードの基本設定として、第2室42を負圧とするため開閉バルブ6は閉姿勢とされ、第1室41と第2室42とは隔離された状態とされる。ポンプ8は停止状態とされる。ポンプ8はチューブポンプであり、当該ポンプ8の停止時にはバイパス管32Pは閉止状態となる。このため、下流管34及びインク吐出部22も、負圧に維持された状態となる。
第2室42へのインク充填をスムースに行わせるため、第2室42には空気抜き機構部37が付設されている。イニシャルの使用時やメンテナンス後などにおいて、第2室42に所定量のインクを初期充填する必要がある。空気抜き機構部37は、負圧環境に設定される第2室42を一時的に大気と連通させて(第2室42の空気を抜いて)、前記初期充填を促進させる。また、第2室42に収容されたインクが、高熱化によって気泡を発生する場合がある。空気抜き機構部37は、前記気泡に基づく空気を第2室42から除去する際にも用いられる。
ヘッドユニット21が作動し、インク吐出部22がインク滴を吐出すると、第2室42内のインクが消費され、これに伴い第2室42の負圧の程度が進行してゆく。つまり、インク吐出部22は、インク滴の吐出の度に、大気と隔離された状態にある第2室42からインクを吸い取る動作を行い、第2室42の負圧度を高めて行く。そして、第2室42内のインクの減少に伴い、当該第2室42が所定の閾値を超える負圧となると、上記の通り大気圧検知フィルム7が大気圧を検知して変位する。この変位力によって、押圧部材5を通して開閉バルブ6が閉姿勢から開姿勢に姿勢変更し、第1室41と第2室42とが連通状態となる。従って、両室の圧力差によって、第1室41から第2室42へインクが流入する。
第2室42へのインクの流入に伴い、当該第2室42の負圧度は徐々に緩和され、大気圧に近づいてゆく。同時に、大気圧検知フィルム7から押圧部材5へ与えられる変位力も徐々に小さくなってゆく。そして、第2室42が前記所定の閾値を下回る負圧となると、開閉バルブ6は閉姿勢に復帰し、第1室41と第2室42とは再び隔離された状態となる。この際、第1室41から第2室42へ流入した分だけ、水頭差によってインクカートリッジICから第1室41へインクが補充される。印刷モードでは、このような動作が繰り返されることになる。
本実施形態の液体供給システムは、上記の印刷モードの他、循環モード、加圧パージモード及び減圧モードが実行可能とされている。循環モードは、戻し管35を用いてインクを循環させ、ヘッドユニット21内のインク通路(個別通路26、共通通路27)に抱き込まれている空気を除去するモードである。加圧パージモードは、インク吐出部22におけるインク詰まりを解除若しくは予防するため、高圧のインクをインク吐出部22に供給し、吐出させるモードである。減圧モードは、イニシャルの使用時やメンテナンス後などに、常圧状態の第2室42を前記所定の負圧に設定するためのモードである。
図8は、循環モードが実行されている状態を示すブロック図である。この循環モードでは、供給弁33Vは閉とされて上流管33が閉じられた状態とされる一方、クリップ35Vは開とされて戻し管35は開いた状態とされる。また、バイパス管32Pに配置されたポンプ8が正転駆動される。図6A及び図6Bに示した通り、戻し管35の上流端351は、ヘッドユニット21内の共通通路27の下流端に連通されている。一方、戻し管35の下流端352は、第1室41に連通されている。また、戻し管35の下流端352は、直接的に連通する第1室41と、開閉バルブ6とを介して、第2室42とも連通している。
循環モードにおいてポンプ8が正転駆動されると、インクは、バイパス下流管BP2、合流部aよりも下流側の下流管34、ヘッドユニット21内の共通通路27、戻し管35及びバイパス上流管BP1からなる循環経路を通して循環するようになる。この際、供給弁33Vが閉とされているので、ポンプ8のインク吸引動作によって戻し管35及び共通通路27は負圧となる。従って、インク吐出孔22Hからインクが漏洩することはない。循環モードの実行により、ヘッドユニット21側に入り込んだ空気を、液体供給ユニット3(第1室41)へ回収することが可能となる。これにより、空気が個別通路26やインク吐出孔22Hに滞留させないようにすることができ、インクの吐出不良を抑止することができる。なお、第1室41に回収された空気は、開閉バルブ6を通して第2室42に移行させることができる。そして、空気抜き機構部37によって、当該空気は外部へ放出される。
図9は、加圧パージモードが実行されている状態を示す図である。加圧パージモードでは、ポンプ8は正転駆動される。クリップ35Vは閉とされる。ポンプ8の正転駆動によって、インクは、第2室42を迂回して、上流管33から第1室41及びバイパス管32Pを経て、下流管34へ直接向かうことになる。つまり、ポンプ8で加圧されたインクが、インク吐出部22に供給される。これにより、インク吐出部22からインクが強制吐出され、インク吐出部22が清浄化される。なお、加圧パージモードと同様の動作が、初期使用時において液体供給ユニット3に封入されている保存液を排出する際にも実行される。
加圧パージモードの実行の際、加圧されたインクが下流管34を通して第2室42へ逆流することを防止するために、逆流防止機構部38が備えられている。逆流防止機構部38は、下流管34とバイパス管32Pの下流端との合流部aよりも上流側において、下流管34に配置されている。逆流防止機構部38により、下流管34の合流部aよりも上流側が閉止されるので、バイパス管32Pにおいて生成される高圧インクは、全てインク吐出部22に向かう。従って、第2室42を区画している大気圧検知フィルム7の破損が防止される。
図10は、減圧モードが実行されている状態を示す図である。減圧モードでは、ポンプ8は逆転駆動される。クリップ35Vは閉とされる。ポンプ8が逆転駆動されると、下流管34及びバイパス管32Pを通して、インク吐出部22及び第2室42が減圧される。インク吐出部22及び第2室42は、この減圧モードによって所定の負圧、つまり、水頭差供給を行う場合にあっても、インク吐出部22からインク滴が漏れ落ちない負圧に設定される。なお、インク吐出部22を過度の負圧にすると、インク吐出部22におけるピエゾ素子等の駆動によるインク吐出が阻害されることがある。従って、インク吐出部22及び第2室42は、例えば−0.2〜−0.7kPa程度の弱い負圧とすることが望ましい。
[ポンプ部の構成]
図4,5に加えて図11を参照してポンプ部32の構成について説明する。図11は、液体供給ユニット3の前後方向の断面図であって、ポンプ部32の内部構造を示す図である。ポンプ部32は、タンク部31の後方斜め下に隣接して配置され、ポンプキャビティ321とカム軸挿通孔322とを備えている。ポンプキャビティ321は、ポンプ8を収容するキャビティである。カム軸挿通孔322は、ポンプキャビティ321と同心となる位置に設けられたボス孔であり、ポンプ8の偏心カム81を軸支するカム軸83(図4)が挿通される。カム軸83は、ラック203で支持されている。
ポンプ8は、インク吐出部22から加圧されたインクを吐出させる加圧パージモード(パージ処理)を実行するパージ機構を構成する。また、ポンプ8は、循環モード及び減圧モードを実行する機構をも兼ねる。
ポンプ8は、バイパス管32Pに配置され、当該バイパス管32Pを流通するインクを加圧する。ポンプ8は、偏心カム81及びしごきチューブ82を備えたチューブポンプである。偏心カム81の軸孔81Aには、当該偏心カム81の回転軸となるカム軸83が挿通される。この偏心カム81には、図略の駆動ギアから回転駆動力が与えられる。しごきチューブ82は、偏心カム81の周面に配置され、偏心カム81のカム軸83回りの回転によってしごかれ、チューブ内のインクを一端側から他端側へ送り出す。本実施形態では、しごきチューブ82は、バイパス管32Pと一体のチューブである。すなわち、しごきチューブ82の一端側はバイパス上流管BP1、他端側がバイパス下流管BP2、中央部分が偏心カム81の周面に配置されるしごき部とされている。
既述の通り、ポンプ8は、図7に示した印刷モードでは停止状態とされる。この場合、偏心カム81には回転駆動力が与えられずに、偏心カム81がしごきチューブ82を圧潰して停止した状態となる。これにより、バイパス管32Pを通るインク供給路は閉止されることになる。一方、図8に示した循環モード及び図9に示した加圧パージモードでは、偏心カム81に正回転の回転駆動力が与えられることにより、ポンプ8は正転駆動される。図11において、偏心カム81の正転方向は、反時計方向である。このようなポンプ8の正転駆動によって、インクは、第1室41からバイパス上流管BP1を通して吸引され、バイパス下流管BP2から合流部aである逆流防止機構部38へ向かうことになる。なお、図10に示した減圧モードでは、偏心カム81に逆回転の回転駆動力が与えられることにより、ポンプ8は逆転駆動される。このようなポンプ8の逆転駆動によって、バイパス管32Pを通して、第2室42及び下流管34が負圧化する。
[ポンプの駆動機構]
上記の通り、ポンプ8は、加圧パージモード、循環モード及び減圧モードの実行時において、偏心カム81に回転駆動力が与えられることにより、正逆回転の駆動が可能である。図4に示すように、ラック203には、第1駆動軸84及び第2駆動軸85が軸支されている。第1駆動軸84及び第2駆動軸85は、キャリッジ2に搭載された各液体供給ユニット3が備えるポンプ8の偏心カム81に回転駆動力を伝達するための駆動ギアを有した軸部である。
加圧パージモード、循環モード及び減圧モードは、キャリッジ2が図3に示すメンテナンスエリアMに配置された状態において実行される。メンテナンスエリアMには、キャリッジ2の上方に位置する既述のインクカートリッジ棚17と、キャリッジ2の右側方に位置するエンドフレーム18とが設置されている。インクカートリッジ棚17及びエンドフレーム18は、ベースフレーム101に対して固定的に取り付けられている。エンドフレーム18は、上下方向に延びる平板からなるフレームである。
図12は、キャリッジ2が配置されたメンテナンスエリアMの近傍を拡大して示す斜視図である。エンドフレーム18には、ポンプ8に駆動力を与える第1モーター86及び第2モーター87が取り付けられている。第1モーター86は第1駆動軸84を回転駆動し、第2モーター87は第2駆動軸85を回転駆動する。第1モーター86及び第2モーター87は、各々正転及び逆転の回転駆動力を発生可能なモーターである。
第1モーター86には、第1連結軸861と、第1カップリング862とが付設されている。第1連結軸861は、第1モーター86の出力軸に連結されている。第1カップリング862は、第1連結軸861の先端に取り付けられ、第1モーター86の駆動力を出力する。同様に、第2モーター87には、第2連結軸871と、第2カップリング872とが付設されている。第2連結軸861は、第2モーター87の出力軸に連結されている。第2カップリング872は、第2連結軸871の先端に取り付けられ、第2モーター87の駆動力を出力する。
第1駆動軸84の右端付近には、第1カップリングピン84Cが径方向外側に突設されている。第1カップリングピン84Cは、第1モーター86の第1カップリング862と機械的に連結するためのピンである。すなわち、第1カップリングピン84Cは、第1カップリング862に備えられる係合溝に嵌り込むことによって、連結構造を形成する。第1駆動軸84は、第1カップリングピン84Cを通して第1モーター86の回転駆動力が与えられ、これを偏心カム81に伝達する。同様に、第2駆動軸85の右端付近には、第2カップリングピン85Cが径方向外側に突設されている。第2カップリングピン85Cは、第2モーター87の第2カップリング872と機械的に連結するためのピンである。すなわち、第2カップリングピン85Cは、第2カップリング872に備えられる係合溝に嵌り込むことによって、連結構造を形成する。第2駆動軸85は、第2カップリングピン85Cを通して第2モーター87の回転駆動力が与えられ、これを偏心カム81に伝達する。
第1モーター86及び第2モーター87の駆動力が、第1駆動軸84及び第2駆動軸85の駆動ギアを介して偏心カム81に伝達される。偏心カム81の軸孔81Aにはカム軸83が挿通されており、前記駆動力が伝達されると、偏心カム81はカム軸83回りに回転し、ポンプ動作を行う。
クリップ35Vが閉とされた状態において、偏心カム81が反時計方向に正転駆動されると、ポンプ8はパージ処理のためにヘッドユニット21に加圧されたインクを送り出す(加圧パージモード)。また、供給弁33Vが閉とされ且つクリップ35Vが開とされた状態において、偏心カム81が反時計方向に正転駆動されると、ポンプ8は循環処理のために、バイパス下流管BP2、合流部aよりも下流側の下流管34、ヘッドユニット21内の共通通路27、戻し管35及びバイパス上流管BP1からなる循環経路を通して、インクを循環させる(循環モード)。一方、偏心カム81が時計方向に逆転駆動されると、ポンプ8は減圧処理のためにヘッドユニット21を所定の負圧に減圧する(減圧モード)。
[清掃機構について]
上記の通り、加圧パージモードにおいてポンプ8は、ヘッドユニット21のインク吐出部22から加圧されたインクを吐出させるパージ処理を実行する。このパージ処理によってヘッドユニット21におけるインク詰まりを解除若しくは予防することができ、ヘッドユニット21からの正常なインク吐出が可能となる。パージ処理の実行後のヘッドユニット21においては、インク吐出部22のインク吐出面22S(図5)にインク等が付着している。なお、インク吐出面22Sは、左右方向に所定の幅を有して前後方向に延びる矩形状に形成されている。
本実施形態に係るプリンター1は、インク吐出面22Sに付着したインク等の付着物を除去するための機構として、図13に示す清掃機構9を備えている。図13に示すように、清掃機構9は、メンテナンスエリアMにおいてキャリッジ2の下方に配置される。この清掃機構9について、図14〜図16を参照して説明する。図14は、清掃機構9の構成を示す斜視図である。図15は、清掃機構9を構成するヘッド清掃機構92とブレード清掃機構93との位置関係を示す図である。図16は、ヘッド清掃機構92及びブレード清掃機構93の断面図である。清掃機構9は、清掃フレーム91と、ヘッド清掃機構92と、ブレード清掃機構93とを備える。
<清掃フレーム>
清掃フレーム91は、メンテナンスエリアMにおいてキャリッジ2の下方に配置されるフレームであって、ベースフレーム101に対して固定的に取り付けられている。清掃フレーム91は、前後方向及び左右方向を含む水平面に沿う板状の底板部911と、底板部911の後端に上下方向に延びるように立設された板状の後板部912と、を含む。底板部911は、キャリッジ2のヘッドユニット21の下方側においてインク吐出面22Sと対向する。底板部911の前端には、後板部912と対向するように支持突片部913が突設されている。また、底板部911の中央には、後述のブレード清掃機構93によるブレード清掃動作によって発生される廃液を受ける廃液トレイ915が設置されている。後板部912には、前記支持突片部913と対向する側の面(前面)に固定ブロック914が固定的に取り付けられている。
<ヘッド清掃機構>
ヘッド清掃機構92は、加圧パージモードの実行後におけるヘッドユニット21を清掃するための機構である。ヘッド清掃機構92は、ワイパーブレード921と、ブレード支持プレート922と、可動体923と、ブレード移動部924と、を含む。なお、本実施形態では、図14に示すように、2台のヘッドユニット21のそれぞれに対応して、ワイパーブレード921及びブレード支持プレート922が、それぞれ2つずつ設けられている。各ワイパーブレード921及びブレード支持プレート922は、その構成が同一である。
ワイパーブレード921は、インク吐出面22Sの幅に対応して左右方向に所定の長さを有する、ゴム製のブレード部材である。ワイパーブレード921はブレード支持プレート922に支持され、このブレード支持プレート922は可動体923に固定的に取り付けられている。換言すると、ワイパーブレード921は、ブレード支持プレート922に支持された状態において可動体923に取り付けられている。ワイパーブレード921は、インク吐出面22Sと対向するヘッドユニット21の下方側において、ヘッドユニット21に対して前後方向の一方側(後方側)に退避した退避位置に配置されている。図14では、ワイパーブレード921が前記退避位置に配置された状態が示されている。ワイパーブレード921は、後述のブレード移動部924によって前後方向に移動される可動体923の移動に伴って、前後方向に移動可能である。ワイパーブレード921は、ポンプ8によるパージ処理の実行後に、前記退避位置を起点としてインク吐出面22Sに当接しながら前後方向に移動することにより、インク吐出面22Sに付着したインクを拭き取る。
ブレード移動部924は、可動体923を前後方向に移動させることにより、ワイパーブレード921を移動させるための機構である。本実施形態では、ブレード移動部924は、ボールねじ機構により構成される。ブレード移動部924は、ねじ軸9241と、ナット部9242と、連結シャフト9243と、案内シャフト9244と、駆動モーター9245とを含む。
ねじ軸9241は、外周面に雄ねじ部が形成された、前後方向に延びる軸である。ねじ軸9241は、可動体923を貫通し、清掃フレーム91の後板部912と支持突片部913とによって回転可能に軸支される。ねじ軸9241は、駆動モーター9245の駆動力によって、軸心回りに正逆両方向に回転する。ナット部9242は、ねじ軸9241の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部が形成された部材である。ナット部9242は、雌ねじ部の雄ねじ部との螺合によって、ねじ軸9241の回転に伴ってねじ軸9241に沿って前後方向に移動する。このナット部9242の移動は、案内シャフト9244によってガイドされる。案内シャフト9244は、ねじ軸9241の下方側に配置され、ナット部9242の移動方向となる前後方向に延びるシャフトである。案内シャフト9244は、ナット部9242及び可動体923を貫通し、清掃フレーム91の後板部912と支持突片部913とによって支持される。また、ナット部9242は、連結シャフト9243によって可動体923と連結されている。
以上のように構成されるブレード移動部924では、駆動モーター9245の駆動力によってねじ軸9241が回転すると、ナット部9242が案内シャフト9244にガイドされつつ前後方向に移動する。ナット部9242が移動すると、当該ナット部9242と連結シャフト9243を介して連結された可動体923が、前後方向に移動することになる。可動体923が移動すると、当該可動体923に取り付けられたワイパーブレード921が、インク吐出面22Sに当接しながら前後方向に移動し、インク吐出面22Sに付着したインクを拭き取る清掃動作を実行する。本実施形態では、ワイパーブレード921のヘッドユニット21に対する清掃動作は、ポンプ8によるパージ処理の1回当たりに、例えば3回実施される。勿論、ワイパーブレード921の清掃動作の回数は、前記3回に限定されるものではない。ヘッドユニット21に対する清掃動作後のワイパーブレード921は、ヘッドユニット21から後方側に退避した前記退避位置に戻る。
<ブレード清掃機構>
ブレード清掃機構93は、ワイパーブレード921を清掃するための機構である。ブレード清掃機構93は、洗浄液噴射パイプ931と、パイプホルダ932と、貯留タンク933と、送出ポンプ934と、を含む。なお、本実施形態では、図14及び図15に示すように、左右方向に並んで配置された2つのワイパーブレード921のそれぞれに対応して、洗浄液噴射パイプ931及びパイプホルダ932が、それぞれ2つずつ設けられている。各洗浄液噴射パイプ931及びパイプホルダ932は、その構成が同一である。
洗浄液噴射パイプ931は、洗浄液噴射部材の一例であって、ワイパーブレード921に沿って左右方向に延びる、洗浄液が流れる流路を形成する管状体によって構成される。洗浄液噴射パイプ931はパイプホルダ932に保持され、このパイプホルダ932は清掃フレーム91の固定ブロック914に固定的に取り付けられている。換言すると、洗浄液噴射パイプ931は、パイプホルダ932に保持された状態において固定ブロック914に取り付けられている。洗浄液噴射パイプ931は、前記退避位置の上方側に配置され、当該退避位置に配置されたワイパーブレード921に向けて所定の洗浄液を噴射する。
図15に示すように、洗浄液噴射パイプ931には、送出ポンプ934及び貯留タンク933が接続されている。貯留タンク933は、洗浄液を貯留するタンクである。送出ポンプ934は、貯留タンク933に貯留されている洗浄液を、洗浄液噴射パイプ931に向けて送出するポンプである。
洗浄液噴射パイプ931は、送出ポンプ934により送出される洗浄液が流入する流入部9311と、複数の噴射孔9312とを有する。複数の噴射孔9312は、流入部9311から洗浄液噴射パイプ931の内部空間に流入した洗浄液が噴射される孔部である。複数の噴射孔9312は、ワイパーブレード921に沿って左右方向に配列されている。
以上のように構成されるブレード清掃機構93では、貯留タンク933に貯留されている洗浄液を送出ポンプ934が洗浄液噴射パイプ931へ送出する。送出ポンプ934により送出され、流入部9311を介して洗浄液噴射パイプ931に流入した洗浄液は、複数の噴射孔9312からワイパーブレード921に向けて噴射される。洗浄液噴射パイプ931は、ヘッドユニット21に対する清掃動作後のワイパーブレード921が前記退避位置に戻ってきたタイミングで、洗浄液を噴射する。これにより、ワイパーブレード921に付着しているインク等の付着物を洗浄液によって除去することができる。
ここで、ブレード清掃機構93によるワイパーブレード921に対する清掃動作は、ワイパーブレード921に接触することなく洗浄液噴射パイプ931から洗浄液を噴射するという、非接触方式の動作である。このため、ブレード清掃機構93の清掃動作によってワイパーブレード921を汚してしまう現象の防止が可能となり、ワイパーブレード921を効果的に清掃することができる。更に、ワイパーブレード921に対する非接触方式の清掃動作を採用することにより、ワイパーブレード921の清掃時の摩耗による劣化を回避することができる。
洗浄液噴射パイプ931から噴射される洗浄液は、インクとは異なり、例えば、インクのうち色材を除く成分を有する溶液、又は、インクのうち色材を除く成分に類似する成分を有する溶液であることが望ましい。洗浄液がインクに混入した場合に、インクの特性に及ぼす影響が小さいからである。洗浄液は、例えば、溶媒と水とを含む。具体的には、洗浄液は、イオン交換水とアルコール類とを含有することが望ましい。洗浄液がアルコール類を含有すれば、洗浄液の浸透性を高めることができる。より好ましくは、洗浄液は、グリコールエーテル類を更に含有する。洗浄液がグリコールエーテル類を含有すれば、洗浄液の浸透性を高めることができる。洗浄液は、グリセリン及びグリコールの少なくともいずれか一方を更に含有してもよい。この場合には、洗浄液の蒸発を抑制できる。また、洗浄液には、界面活性剤、防腐剤、及び防かび剤のうちの全部又は一部が添加されていてもよい。
洗浄液噴射パイプ931は、ワイパーブレード921に向けて洗浄液を噴射することにより、ワイパーブレード921に付着したインクを除去すると共に、当該洗浄液の被膜をワイパーブレード921に形成する。
ワイパーブレード921に洗浄液の濡れた被膜が形成されることによって、ワイパーブレード921のヘッドユニット21に対する清掃動作の実行時にインク吐出面22Sからインクを拭き取ったときに、当該インクとの間に洗浄液の被膜が介在することになる。これにより、ワイパーブレード921に対するインクの表面張力を低下させることができる。このため、ワイパーブレード921に付着したインクが時間の経過とともに乾燥して増粘したとしても、ワイパーブレード921上でのインクの流動性の低下を抑制し、ワイパーブレード921からのインクの除去性を高めることができる。
また、ワイパーブレード921に洗浄液の濡れた被膜が形成されることによって、ワイパーブレード921がインク吐出面22Sに当接した状態で移動しつつインクを拭き取るときに、ワイパーブレード921とインク吐出面22Sとの間に生じる摩擦が軽減され、インクの拭き取り性を良好なものとすることができる。
1 プリンター(インクジェット記録装置)
21 ヘッドユニット
22 インク吐出部
22S インク吐出面
8 ポンプ(パージ機構)
9 清掃機構
91 清掃フレーム
92 ヘッド清掃機構
921 ワイパーブレード
93 ブレード清掃機構
931 洗浄液噴射パイプ(洗浄液噴射部材)
9311 流入部
9312 噴射孔
932 パイプホルダ
933 貯留タンク
934 送出ポンプ

Claims (4)

  1. インクを吐出するインク吐出面を有するヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットに対するメンテナンス処理として、前記ヘッドユニットから加圧されたインクを吐出させるパージ処理を実行するパージ機構と、
    前記インク吐出面と対向する前記ヘッドユニットの下方側において、前記ヘッドユニットに対して所定の水平方向の一方側に退避した退避位置に配置され、前記パージ機構による前記パージ処理の実行後に、前記退避位置を起点として前記インク吐出面に当接しながら前記水平方向に移動することにより、前記インク吐出面に付着したインクを拭き取るワイパーブレードと、
    前記ワイパーブレードを清掃するブレード清掃機構と、を備え、
    前記ブレード清掃機構は、前記退避位置の上方側に配置され、当該退避位置に配置された前記ワイパーブレードに向けて所定の洗浄液を噴射する洗浄液噴射部材を含む、インクジェット記録装置。
  2. 前記洗浄液は、インクのうち色材を除く成分を有する溶液、又は、インクのうち色材を除く成分に類似する成分を有する溶液からなり、
    前記洗浄液噴射部材は、前記洗浄液を噴射することにより、前記ワイパーブレードに付着したインクを除去すると共に、当該洗浄液の被膜を前記ワイパーブレードに形成する、請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記ブレード清掃機構は、
    前記洗浄液を貯留する貯留タンクと、
    前記貯留タンクにより貯留された前記洗浄液を前記洗浄液噴射部材に向けて送出する送出ポンプと、を更に含む、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記洗浄液噴射部材は、
    前記ワイパーブレードの幅方向に沿って延びる、前記洗浄液が流れる流路を形成する管状体によって構成され、
    前記送出ポンプにより送出される前記洗浄液が流入する流入部と、
    前記幅方向に沿って配列され、前記流入部から流入した前記洗浄液が噴射される複数の噴射孔と、を有する、請求項3に記載のインクジェット記録装置。
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