JP2020092880A - 鉗子および使い捨て医療用品セット - Google Patents

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Abstract

【課題】医療者が右手で鉗子を使用する場合であっても、左手で鉗子を使用する場合であっても、鉗子の係止解除を容易に行う。【解決手段】鉗子1の第1アーム3では、第1係止部35は、第1柄部31から第2アーム4に向かって左右方向に突出する。第2アーム4では、第2係止部45は、第2柄部41から第1アーム3に向かって左右方向に突出する。第1係止部35は、第1柄部31から第2柄部41に向かって左右方向に突出する第1凹凸部351を備える。第2係止部45は、第1凹凸部351よりも前側にて第2柄部41から第1柄部31に向かって左右方向に突出する第2凹凸部451を備える。これにより、医療者が鉗子1を右手で使用する場合であっても、左手で使用する場合であっても、鉗子1の係止解除を容易に行うことができる。【選択図】図1

Description

本発明は、鉗子および使い捨て医療用品セットに関する。
従来、外科手術等の際に、組織の止血や組織把持、切開部およびその周囲の消毒等に、様々な種類の鉗子が使用されている。例えば、特許文献1に記載された鉗子は、枢軸を介して互いに連結され、その枢軸回りに揺動自在な第1のアームと第2のアームとを有する。当該鉗子の各アームには、枢軸から一方側に延びる圧坐部と、枢軸から他方側に延びる柄部の後端に圧坐部を開閉操作するための指環部とが設けられている。
上記鉗子は、各アームが枢軸の軸方向(すなわち、上下方向)に捻れることを防止するために、第1のアームおよび第2のアームの柄部側面から突出する一対の摺接部を備えている。一対の摺接部は、柄部と指環部との接続部に配置され、柄部が閉じられる際に上下に重なる。一対の摺接部の摺接面には、柄部が閉じられる際に互いに係合するラチェット部が形成されている。これにより、圧坐部の間隔が、任意の距離に固定される。
特許第5328421号公報
ところで、特許文献1の鉗子を一旦閉じた後に再度開く場合、上述のラチェット部の係合を解除する必要がある。このため、鉗子を使用する医療者は、親指が通されている指環部を下方へと押し下げ、中指が通されている指環部を上方へと持ち上げることにより、一対の摺接部を上下に離間させる必要がある。なお、親指が通されている指環部を上方へと持ち上げ、中指が通されている指環部を下方へと押し下げて、一対の摺接部を上下に離間させようとすると、手に負担が掛かり難しい。
したがって、当該鉗子では、中指が通される指環部近傍から突出している摺接部が上側に位置し、親指の通される指環部近傍から突出している摺接部は下側に位置している。その結果、右利き用の鉗子と、左利き用の鉗子とで、一対の摺接部の上下関係は左右反対になる。なお、右利き用の鉗子を左手で使用する場合、あるいは、左利き用の鉗子を右手で使用する場合、上述のように、手に負担が掛かるため鉗子の係止解除を容易に行うことができない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、医療者が右手で鉗子を使用する場合であっても、左手で鉗子を使用する場合であっても、鉗子の係止解除を容易に行うことを目的としている。
請求項1に記載の発明は、鉗子であって、第1アームと、前記第1アームと交差する第2アームと、前記第1アームと前記第2アームとの交差位置にて前記第1アームと前記第2アームとを回転自在に連結する軸部とを備え、前記第1アームは、前記軸部から後方に延びる第1柄部と、前記第1柄部の後端に接続される第1指孔部と、前記軸部から前方に延びる第1挟持部と、前記第1柄部から前記第2アームに向かって左右方向に突出する第1係止部とを備え、前記第2アームは、前記軸部から後方に延びる第2柄部と、前記第2柄部の後端に接続される第2指孔部と、前記軸部から前方に延びる第2挟持部と、前記第2柄部から前記第1アームに向かって左右方向に突出する第2係止部とを備え、前記第1係止部は、前記第1柄部から前記第2柄部に向かって左右方向に突出するとともに前側の面に左右方向に並ぶ凹凸が設けられた第1凹凸部を備え、前記第2係止部は、前記第1凹凸部よりも前側にて前記第2柄部から前記第1柄部に向かって左右方向に突出するとともに後側の面に左右方向に並ぶ凹凸が設けられた第2凹凸部を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鉗子であって、前記第1凹凸部の前記前側の面には、左右方向に並ぶ複数の凹凸が設けられ、前記第2凹凸部の前記後側の面には、左右方向に並ぶ複数の凹凸が設けられる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の鉗子であって、前記第1凹凸部の前記複数の凹凸は、複数の第1表鋸面と複数の第1裏鋸面とが左右方向に交互に配列された鋸歯状であり、各第1表鋸面は、前方に向かうに従って左右方向において前記第2柄部から離れる方向に延び、各第1裏鋸面は、隣接する第1表鋸面の前端から後方に向かって延び、前記各第1表鋸面が前記第1柄部の延びる方向である第1長手方向と成す角度は、前記各第1裏鋸面が前記第1長手方向と成す角度よりも大きく、前記第2凹凸部の前記複数の凹凸は、複数の第2表鋸面と複数の第2裏鋸面とが左右方向に交互に配列された鋸歯状であり、各第2表鋸面は、後方に向かうに従って左右方向において前記第1柄部から離れる方向に延び、各第2裏鋸面は、隣接する第2表鋸面の後端から前方に向かって延び、前記各第2表鋸面が前記第2柄部の延びる方向である第2長手方向と成す角度は、前記各第2裏鋸面が前記第2長手方向と成す角度よりも大きい。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の鉗子であって、前記第1凹凸部および前記第2凹凸部は、後方に凸となるように湾曲している。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の鉗子であって、前記第1係止部は、前記第1凹凸部および前記第2凹凸部よりも前側にて前記第1柄部から前記第2柄部に向かって左右方向に突出する第1押さえ部をさらに備え、前記第2係止部は、前記第1凹凸部および前記第2凹凸部よりも後側にて前記第2柄部から前記第1柄部に向かって左右方向に突出する第2押さえ部をさらに備え、前記第1柄部と前記第2柄部とが左右方向において近づく際に、前記第1押さえ部の後側の面と前記第2凹凸部の前側の面とが左右方向に摺動して、前記第2凹凸部が前記第1凹凸部と前記第1押さえ部との間に挟み込まれ、前記第2押さえ部の前側の面と前記第1凹凸部の後側の面とが左右方向に摺動して、前記第1凹凸部が前記第2凹凸部と前記第2押さえ部との間に挟み込まれる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の鉗子であって、前記第1押さえ部の自由端部は、前方へと湾曲しており、前記第2押さえ部の自由端部は、後方へと湾曲している。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の鉗子であって、前記第1アームは、前記軸部と前記第1係止部との間にて前記第1柄部に設けられる第1重複部をさらに備え、前記第2アームは、前記軸部と前記第2係止部との間にて前記第2柄部に設けられる第2重複部をさらに備え、前記第1柄部と前記第2柄部とが係止された状態で、前記第1重複部と前記第2重複部とが上下方向に重なる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の鉗子であって、前記第1重複部は、前記第1柄部から前記第2柄部に向かって左右方向に突出しており、前記第2重複部は、前記第2柄部から前記第1柄部に向かって左右方向に突出しており、前記第1柄部と前記第2柄部とが係止された状態で、前記第1重複部および前記第2重複部のうち一方が、他方により上下から挟まれている。
請求項9に記載の発明は、使い捨て医療用品セットであって、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の鉗子を含む。
本発明では、医療者が右手で鉗子を使用する場合であっても、左手で鉗子を使用する場合であっても、鉗子の係止解除を容易に行うことができる。
一の実施の形態に係る鉗子の平面図である。 鉗子の右側面図である。 第1係止部および第2係止部近傍を拡大して示す平面図である。 鉗子の平面図である。 第1係止部および第2係止部近傍を拡大して示す平面図である。 使い捨て医療用品セットの平面図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る医療用の鉗子1の構成を示す平面図である。図2は、鉗子1の右側面図である。図3は、鉗子1の後述する第1係止部35および第2係止部45近傍を拡大して示す平面図である。図4は、第1係止部35および第2係止部45による係止が解除された状態の鉗子1を示す平面図である。図5は、図4の第1係止部35および第2係止部45近傍を拡大して示す平面図である。図6は、使い捨て医療用品セット6を示す平面図である。
鉗子1は、主に樹脂により形成された使い捨て鉗子である。鉗子1は、例えば、外科手術等の際に術野の消毒等に使用される消毒用鉗子である。図6に示すように、鉗子1は、医療処置の内容に合わせて用意された複数の使い捨ての医療用品のセットである使い捨て医療用品セット6に含まれている。使い捨て医療用品セット6では、鉗子1および他の医療用品(例えば、ドレープ等)が、平面視において略矩形状のトレイ61に収容された状態で、図示省略の包装部材により梱包されている。
鉗子1は、第1アーム3と、第2アーム4と、軸部5とを備える。第1アーム3および第2アーム4は、鉗子1の長手方向に延びる略棒状の樹脂製の部材である。第1アーム3および第2アーム4は、例えば、射出成形により形成される。第1アーム3と第2アーム4とは、略同形状である。第2アーム4は、第1アーム3と交差する。図1に示す例では、第1アーム3と第2アーム4との交差位置において、第2アーム4が第1アーム3の上側に位置する。
軸部5は、第1アーム3と第2アーム4との交差位置にて、第1アーム3と第2アーム4とを回転自在に連結する。軸部5は、例えば、金属製のリベットである。以下の説明では、鉗子1の長手方向(すなわち、図1中の左右方向)を「前後方向」とも呼ぶ。また、鉗子1のうち医療者の手元側(すなわち、図1中の左側)を「後側」と呼び、医療者の手元から離れている側(すなわち、図1中の右側)を「前側」と呼ぶ。さらに、軸部5が向く方向である軸方向(すなわち、図1中の紙面に垂直な方向)を「上下方向」とも呼ぶ。
第1アーム3は、第1柄部31と、第1指孔部32と、第1挟持部33と、第1先端部34と、第1係止部35と、第1重複部36とを備える。第1柄部31、第1指孔部32、第1挟持部33、第1先端部34、第1係止部35および第1重複部36は、好ましくは一繋がりの部材である。鉗子1の長手方向の全長(すなわち、図1における第1指孔部32の後端から、第1先端部34の前端に至る前後方向の長さ)は、例えば15cm〜26cmであり、好ましくは17cm〜24cmであり、より好ましくは18cm〜23cmである。
第1柄部31は、軸部5から後方(すなわち、鉗子1を使用する医療者の手元側)に延びる略棒状の部位である。第1指孔部32は、第1柄部31の後端に接続される環状の部位である。第1指孔部32には、医療者の指が上側から挿入される挿入孔321が設けられる。第1挟持部33は、軸部5から前方(すなわち、医療者の手元から離れる方向)に延びる略棒状の部位である。第1先端部34は、第1挟持部33の前端に接続される部位である。図2に示す例では、第1先端部34は略楕円環状の部位である。第1先端部34は、後述する第2先端部44と共に、消毒用の綿球等に直接的に接触して挟持する。
第1係止部35は、第1柄部31の側面から第2アーム4の後述する第2柄部41に向かって左右方向に突出する。第1係止部35は、後述する第2係止部45と係合することにより、第1アーム3および第2アーム4が開く方向(すなわち、互いに離間する方向)に移動することを制限する。第1重複部36は、軸部5と第1係止部35との間にて、第1柄部31のうち第2アーム4と左右方向に対向する側面に設けられる。第1重複部36は、好ましくは、前後方向において第1係止部35と軸部5との間の中央よりも前側(すなわち、当該中央よりも軸部5に近い位置)に位置する。図1に示す例では、第1重複部36は、第1柄部31の側面から第2柄部41に向かって左右方向に突出する。第1重複部36は、例えば、前後方向および左右方向に延びる1枚の略平板状の部位である。
第2アーム4は、第2柄部41と、第2指孔部42と、第2挟持部43と、第2先端部44と、第2係止部45と、第2重複部46とを備える。第2柄部41、第2指孔部42、第2挟持部43、第2先端部44、第2係止部45および第2重複部46は、好ましくは一繋がりの部材である。
第2柄部41は、軸部5から後方に延びる略棒状の部位である。第2指孔部42は、第2柄部41の後端に接続される環状の部位である。第2指孔部42には、医療者の指が上側から挿入される挿入孔421が設けられる。第2挟持部43は、軸部5から前方に延びる略棒状の部位である。第2先端部44は、第2挟持部43の前端に接続される部位である。第2先端部44は、第1先端部34と同様に、略楕円環状の部位である。第2先端部44は、第1先端部34と共に、消毒用の綿球等に直接的に接触して挟持する。図1に示す例では、第2柄部41は第1柄部31の右側に位置し、第2挟持部43は第1挟持部33の左側に位置するが、左右反対であってもよい。
第2係止部45は、第2柄部41の側面から第1アーム3の第1柄部31に向かって左右方向に突出する。第2係止部45は、第1係止部35と係合することにより、第1アーム3および第2アーム4が開く方向に移動することを制限する。第2重複部46は、軸部5と第2係止部45との間にて、第2柄部41のうち第1アーム3と左右方向に対向する側面に設けられる。第2重複部46は、好ましくは、前後方向において第2係止部45と軸部5との間の中央よりも前側(すなわち、当該中央よりも軸部5に近い位置)に位置する。図1に示す例では、第2重複部46は、第2柄部41の側面から第1アーム3の第1柄部31に向かって左右方向に突出する。第2重複部46は、例えば、それぞれが前後方向および左右方向に延びる2枚の略平板状の板部461を備える。当該2枚の板部461は、第1重複部36よりも上側および下側に位置し、互いに離間しつつ上下方向に重なる。
図2に示すように、第2指孔部42の挿入孔421の前端部422は、前方に向かうに従って下方へと向かう傾斜面を有する。また、第2指孔部42の後端部423は、第2指孔部42のうち後端部423の周囲の部位よりも上下方向に厚く、下方に突出している。第2指孔部42の後端部423の下面は、下方に凸である滑らかな曲面である。第1指孔部32の形状は、第2指孔部42の形状と略同じである。すなわち、第1指孔部32の挿入孔321の前端部322は、前方に向かうに従って下方へと向かう傾斜面を有する。また、第1指孔部32の後端部323は、第1指孔部32のうち後端部323の周囲の部位よりも上下方向に厚く、下方に突出している。第1指孔部32の後端部323の下面は、下方に凸である滑らかな曲面である。
第1係止部35は、第1凹凸部351と、第1押さえ部353とを備える。第1凹凸部351および第1押さえ部353の上下方向の高さは、例えば、第1柄部31の上下方向の高さと略同じ、または、当該高さよりも少し高い。第1凹凸部351は、第1柄部31の側面から第2柄部41に向かって左右方向に突出する略板状の部位である。第1凹凸部351の前側の面には、左右方向に並ぶ複数の凹凸352が設けられている。第1凹凸部351は、左右方向の中央が後方に(すなわち、第1指孔部32側に向かって)凸となるように湾曲している。複数の凹凸352の上下方向に垂直な断面形状は、上下方向の各位置において略同じである。
第1凹凸部351の複数の凹凸352は、複数の第1表鋸面355と複数の第1裏鋸面356とが略左右方向に交互に配列された鋸歯状である。各第1表鋸面355は、前方に向かうに従って、左右方向において第2柄部41から離れる方向に延びる。各第1裏鋸面356は、左右方向において隣接する第1表鋸面355の前端から後方に向かって延びる。図5に示す例では、各第1裏鋸面356は、前方に向かうに従って、左右方向において第2柄部41から離れる方向に延びる。換言すれば、各第1表鋸面355および各第1裏鋸面356は、前方に向かうに従って、左右方向において第1柄部31に近づく方向に延びる。第1柄部31が延びる方向を「第1長手方向」と呼ぶと、各第1表鋸面355および各第1裏鋸面356は、第1長手方向に対して同じ側(図5中の上側)に傾斜している。各第1表鋸面355が第1長手方向と成す角度は、各第1裏鋸面356が第1長手方向と成す角度よりも大きい。なお、第1凹凸部351における凹凸352の数は適宜変更されてよい。
第1押さえ部353は、第1凹凸部351および後述する第2凹凸部451よりも前側にて、第1柄部31から第2柄部41に向かって左右方向に突出する略板状の部位である。第1押さえ部353の自由端部354(すなわち、第2柄部41に近い側の端部)は、前後方向において第1凹凸部351から離れるように、前方へと湾曲している。したがって、第1凹凸部351と第1押さえ部353との間の第1長手方向における距離は、第1押さえ部353の自由端部354側において大きくなっている。
第2係止部45は、第2凹凸部451と、第2押さえ部453とを備える。第2凹凸部451および第2押さえ部453の上下方向の高さは、例えば、第2柄部41の上下方向の高さと略同じ、または、当該高さよりも少し高い。第2凹凸部451は、第1凹凸部351よりも前側にて第2柄部41の側面から第1柄部31に向かって左右方向に突出する略板状の部位である。第2凹凸部451の後側の面には、左右方向に並ぶ複数の凹凸452が設けられている。第2凹凸部451は、左右方向の中央が後方に(すなわち、第2指孔部42側に向かって)凸となるように湾曲している。複数の凹凸452の上下方向に垂直な断面形状は、上下方向の各位置において略同じである。
第2凹凸部451の複数の凹凸452は、複数の第2表鋸面455と複数の第2裏鋸面456とが略左右方向に交互に配列された鋸歯状である。各第2表鋸面455は、後方に向かうに従って、左右方向において第1柄部31から離れる方向に延びる。各第2裏鋸面456は、左右方向において隣接する第2表鋸面455の後端から前方に向かって延びる。図5に示す例では、各第2裏鋸面456は、後方に向かうに従って、左右方向において第1柄部31から離れる方向に延びる。換言すれば、各第2表鋸面455および各第2裏鋸面456は、後方に向かうに従って、左右方向において第2柄部41に近づく方向に延びる。第2柄部41が延びる方向を「第2長手方向」と呼ぶと、各第2表鋸面455および各第2裏鋸面456は、第2長手方向に対して同じ側(図5中の下側)に傾斜している。各第2表鋸面455が第2長手方向と成す角度は、各第2裏鋸面456が第2長手方向と成す角度よりも大きい。なお、第2凹凸部451における凹凸452の数は適宜変更されてよい。
第2押さえ部453は、第1凹凸部351および第2凹凸部451よりも後側にて、第2柄部41から第1柄部31に向かって左右方向に突出する略板状の部位である。第2押さえ部453の自由端部454(すなわち、第1柄部31に近い側の端部)は、前後方向において第2凹凸部451から離れるように、後方へと湾曲している。したがって、第2凹凸部451と第2押さえ部453との間の第2長手方向における距離は、第2押さえ部453の自由端部454側において大きくなっている。
医療者が右手で鉗子1を使用する場合、医療者の右手の親指および中指が、第1指孔部32の挿入孔321および第2指孔部42の挿入孔421に、それぞれ上側から挿入される。第1指孔部32および第2指孔部42に挿入された指は、手の平側へと曲げられて第1指孔部32および第2指孔部42を把持する。このとき、医療者の指の腹は、第1指孔部32の後端部323の下面、および、第2指孔部42の後端部423の下面に接触する。また、医療者の指の背は、第1指孔部32の前端部322の下面、および、第2指孔部42の前端部422の下面に接触する。
上述のように、第1指孔部32の後端部323、および、第2指孔部42の後端部423は、周囲の部位よりも上下方向に厚く、下方に突出している。このため、医療者が指を曲げた際に、第1指孔部32および第2指孔部42を把持し易い。また、第1指孔部32の後端部323の下面、および、第2指孔部42の後端部423の下面は、下方に凸である滑らかな曲面である。このため、医療者の指の腹が第1指孔部32および第2指孔部42により圧迫されることが抑制される。さらに、第1指孔部32の挿入孔321の前端部322、および、第2指孔部42の挿入孔421の前端部422は、前方に向かうに従って下方へと向かう傾斜面を有する。このため、医療者の指の背が、第1指孔部32および第2指孔部42の角部により圧迫されることが抑制される。これらの結果、鉗子1の使用感を向上することができる。
医療者は、第1指孔部32および第2指孔部42を把持すると、第1指孔部32および第2指孔部42を、図4に示す開状態から左右方向に互いに近づける。これにより、第1挟持部33および第2挟持部43が左右方向において近づき、第1先端部34と第2先端部44とにより、消毒用の綿球等が挟持される。
また、第1指孔部32および第2指孔部42が開状態から互いに近づけられると、第1柄部31および第2柄部41も左右方向において近づき、第1係止部35の第1凹凸部351が、第2係止部45の第2凹凸部451と第2押さえ部453との間に左側から挿入される。また、第2係止部45の第2凹凸部451は、第1係止部35の第1凹凸部351と第1押さえ部353との間に右側から挿入される。
そして、図3に示すように、第1凹凸部351の複数の凹凸352と、第2凹凸部451の複数の凹凸452とが左右方向に摺動して互いに噛み合う。換言すれば、第1凹凸部351の凸部が第2凹凸部451の凹部内に位置し、第2凹凸部451の凸部が第1凹凸部351の凹部内に位置する。これにより、第1凹凸部351と第2凹凸部451とが左右方向において離れる方向に移動することが制限され、第1柄部31と第2柄部41とが係止される。すなわち、第1凹凸部351および第2凹凸部451は、第1柄部31と第2柄部41との間の左右方向の距離を固定するラチェット構造を構成する。第1凹凸部351の第1表鋸面355は、第2凹凸部451の第2表鋸面455と左右方向に対向して接触または近接し、第1凹凸部351の第1裏鋸面356は、第2凹凸部451の第2裏鋸面456と左右方向に対向して接触または近接する。
第1凹凸部351が第2凹凸部451と第2押さえ部453との間に挿入される際には、第2押さえ部453の前側の面と、第1凹凸部351の後側の面(すなわち、複数の凹凸352が設けられる側とは反対側の面)とが左右方向に摺動し、第1凹凸部351が第2凹凸部451と第2押さえ部453との間に挟み込まれる。また、第2凹凸部451が第1凹凸部351と第1押さえ部353との間に挿入される際には、第1押さえ部353の後側の面と第2凹凸部451の前側の面(すなわち、複数の凹凸452が設けられる側とは反対側の面)とが左右方向に摺動し、第2凹凸部451が第1凹凸部351と第1押さえ部353との間に挟み込まれる。
鉗子1では、図4に示すように、第1係止部35および第2係止部45が左右方向に離れている開状態において、第1重複部36および第2重複部46も左右方向に離れている。また、第1係止部35と第2係止部45とが左右方向において近づくと、第1重複部36と第2重複部46とも左右方向において近づく。そして、図1に示すように、第1係止部35および第2係止部45により第1柄部31と第2柄部41とが係止された状態では、第1重複部36と第2重複部46とが上下方向に重なる。具体的には、略平板状の第1重複部36が、第2重複部46の2枚の板部461の間に左側から挿入され、当該2枚の板部461により上下から挟まれる。
医療者が鉗子1を利用して術野の消毒を行う際には、例えば、医療者の右手の人差し指が、第2重複部46の上側の板部461上に置かれ、第1先端部34および第2先端部44の間に挟持された綿球等を術野に当接させ、術野に消毒液が塗布される。医療者は、第2重複部46上に人差し指を置くことにより、第1先端部34および第2先端部44に力を加え易い。このため、医療者は、鉗子1を使った作業(すなわち、術野の消毒等)を容易に行うことができる。第2重複部46の上側の板部461の上面には、医療者の人差し指の位置ずれを防止する滑り止め構造462が設けられる。図1に示す例では、滑り止め構造462は、前後方向に配列されるとともに、それぞれが略左右方向に延びる略直線状の複数の溝を備える。滑り止め構造462の形状、大きさおよび構造等は、様々に変更されてよい。
医療者が、図1に示す閉状態から鉗子1を開く際には、親指および中指が挿入されている第1指孔部32および第2指孔部42を、互いに対して上下方向に相対的に移動させる。具体的には、親指が挿入されている第1指孔部32を下方へと押し下げ、中指が挿入されている第2指孔部42を上方へと持ち上げる。これにより、第1柄部31および第2柄部41を撓ませつつ、第1係止部35が第2係止部45に対して下方へと相対的に摺動する。そして、第1係止部35が第2係止部45から下方に離間することにより、第1係止部35および第2係止部45による第1柄部31と第2柄部41との係止が解除される。その後、第1指孔部32および第2指孔部42が左右方向に離されることにより、第1先端部34と第2先端部44とが左右方向に離れ、消毒用の綿球等の挟持が解除される。
一方、医療者が左手で鉗子1を使用する場合、医療者の左手の親指および中指が、右手で使用する場合とは逆に、第2指孔部42の挿入孔421および第1指孔部32の挿入孔321に、それぞれ上側から挿入され、第2指孔部42および第1指孔部32が把持される。続いて、右手で使用する場合と同様に、第1指孔部32および第2指孔部42が左右方向に互いに近づけられ、第1先端部34と第2先端部44とにより消毒用の綿球等が挟持される。このとき、上記と同様に、第1係止部35および第2係止部45により、第1柄部31と第2柄部41とが係止される。また、第1重複部36と第2重複部46とは、上下方向に重なる。
医療者が、左手に持った鉗子1を開く際には、親指および中指が挿入されている第2指孔部42および第1指孔部32を、互いに対して上下方向に相対的に移動させる。具体的には、親指が挿入されている第2指孔部42を下方へと押し下げ、中指が挿入されている第1指孔部32を上方へと持ち上げる。これにより、第1柄部31および第2柄部41を撓ませつつ、第1係止部35が第2係止部45に対して上方へと相対的に摺動する。そして、第1係止部35が第2係止部45から上方に離間することにより、第1係止部35および第2係止部45による第1柄部31と第2柄部41との係止が解除される。その後、第1指孔部32および第2指孔部42が左右方向に離されることにより、第1先端部34と第2先端部44とが左右方向に離れ、消毒用の綿球等の挟持が解除される。
以上に説明したように、鉗子1は、第1アーム3と、第2アーム4と、軸部5とを備える。第2アーム4は、第1アーム3と交差する。軸部5は、第1アーム3と第2アーム4との交差位置にて、第1アーム3と第2アーム4とを回転自在に連結する。第1アーム3は、第1柄部31と、第1指孔部32と、第1挟持部33と、第1係止部35とを備える。第1柄部31は、軸部5から後方に延びる。第1指孔部32は、第1柄部31の後端に接続される。第1挟持部33は、軸部5から前方に延びる。第1係止部35は、第1柄部31から第2アーム4に向かって左右方向に突出する。第2アーム4は、第2柄部41と、第2指孔部42と、第2挟持部43と、第2係止部45とを備える。第2柄部41は、軸部5から後方に延びる。第2指孔部42は、第2柄部41の後端に接続される。第2挟持部43は、軸部5から前方に延びる。第2係止部45は、第2柄部41から第1アーム3に向かって左右方向に突出する。
上述のように、第1係止部35は、第1柄部31から第2柄部41に向かって左右方向に突出する第1凹凸部351を備える。第1凹凸部351の前側の面には、左右方向に並ぶ凹凸352が設けられる。第2係止部45は、第1凹凸部351よりも前側にて第2柄部41から第1柄部31に向かって左右方向に突出する第2凹凸部451を備える。第2凹凸部451の後側の面には、左右方向に並ぶ凹凸452が設けられる。
上記構造を有する鉗子1では、第1柄部31と第2柄部41とが左右方向において近づく際に、第1凹凸部351の凹凸352と第2凹凸部451の凹凸452とが左右方向に摺動して噛み合うことにより、第1柄部31と第2柄部41とが係止される。これにより、鉗子1の第1先端部34および第2先端部44を、所望の間隔にて閉じた状態で容易に固定することができる。なお、鉗子1の長手方向の長さが比較的長い場合には、鉗子1の使用中に第1柄部31および第2柄部41が上下方向に撓む可能性がある。鉗子1では、第1凹凸部351と第2凹凸部451とが前後に重なって噛み合っているため、2つの凹凸部が上下に重なる構造に比べて、第1柄部31および第2柄部41の撓みにより第1凹凸部351と第2凹凸部451とが意図に反して離間することを抑制することができる。
また、上記構造を有する鉗子1では、第1係止部35を第2係止部45に対して上下方向のいずれか一方側に相対的に摺動させて離間させることにより、第1柄部31と第2柄部41との係止が解除される。このように、鉗子1では、第1柄部31と第2柄部41との係止を解除する際に、第1係止部35の第2係止部45に対する相対移動方向が上下のいずれであってもよいため、医療者が鉗子1を右手で使用する場合であっても、左手で使用する場合であっても、鉗子1の係止解除を容易に行うことができる。したがって、右利き用の鉗子と左利き用の鉗子とを別々に準備することなく、1種類の鉗子1で、右利きおよび左利きの医療者の双方に対応することができる。
上述のように、第1凹凸部351の前側の面には、左右方向に並ぶ複数の凹凸352が設けられ、第2凹凸部451の後側の面には、左右方向に並ぶ複数の凹凸452が設けられることが好ましい。これにより、鉗子1により挟持される綿球等の大きさに合わせて、第1先端部34と第2先端部44との間の距離を変更し、所望の距離にて固定することができる。換言すれば、第1アーム3と第2アーム4との開き具合を変更し、所望の開き具合にて固定することができる。
鉗子1では、好ましくは、第1凹凸部351の複数の凹凸352は、複数の第1表鋸面355と複数の第1裏鋸面356とが左右方向に交互に配列された鋸歯状である。各第1表鋸面355は、前方に向かうに従って左右方向において第2柄部41から離れる方向に延びる。各第1裏鋸面356は、隣接する第1表鋸面355の前端から後方に向かって延びる。各第1表鋸面355が第1柄部31の延びる方向である第1長手方向と成す角度は、各第1裏鋸面356が第1長手方向と成す角度よりも大きい。また、第2凹凸部451の複数の凹凸452は、複数の第2表鋸面455と複数の第2裏鋸面456とが左右方向に交互に配列された鋸歯状である。各第2表鋸面455は、後方に向かうに従って左右方向において第1柄部31から離れる方向に延びる。各第2裏鋸面456は、隣接する第2表鋸面455の後端から前方に向かって延びる。各第2表鋸面455が第2柄部41の延びる方向である第2長手方向と成す角度は、各第2裏鋸面456が第2長手方向と成す角度よりも大きい。
このように、鉗子1では、第1凹凸部351および第2凹凸部451を、いわゆるラチェット構造とすることにより、第1柄部31と第2柄部41とが離れる方向(すなわち、左右に開く方向)に第1凹凸部351および第2凹凸部451が摺動することを抑制することができる。その結果、第1柄部31と第2柄部41とが意図に反して左右に開くこと(すなわち、第1先端部34および第2先端部44による挟持対象物の意図に反した挟持解除)を抑制することができる。
上述のように、各第1表鋸面355および各第1裏鋸面356は、第1長手方向に対して同じ側に傾斜していることが好ましい。また、各第2表鋸面455および各第2裏鋸面456は、第2長手方向に対して同じ側に傾斜していることが好ましい。これにより、第1柄部31と第2柄部41とが離れる方向に第1凹凸部351および第2凹凸部451が摺動することを、さらに抑制することができる。
上述のように、第1凹凸部351および第2凹凸部451は、後方に凸となるように湾曲していることが好ましい。これにより、第1凹凸部351および第2凹凸部451を、軸部5を中心とする周方向に沿わせることができ、第1凹凸部351と第2凹凸部451とが噛み合う際の摺動抵抗を低減することができる。その結果、医療者による第1柄部31と第2柄部41との係止動作を容易とすることができる。
鉗子1では、好ましくは、第1係止部35は、第1凹凸部351および第2凹凸部451よりも前側にて第1柄部31から第2柄部41に向かって左右方向に突出する第1押さえ部353をさらに備える。第2係止部45は、第1凹凸部351および第2凹凸部451よりも後側にて第2柄部41から第1柄部31に向かって左右方向に突出する第2押さえ部453をさらに備える。第1柄部31と第2柄部41とが左右方向において近づく際には、第1押さえ部353の後側の面と第2凹凸部451の前側の面とが左右方向に摺動して、第2凹凸部451が、第1凹凸部351と第1押さえ部353との間に挟み込まれる。また、第2押さえ部453の前側の面と第1凹凸部351の後側の面とが左右方向に摺動して、第1凹凸部351が、第2凹凸部451と第2押さえ部453との間に挟み込まれる。
これにより、第1柄部31と第2柄部41とが離れる方向(すなわち、左右に開く方向)に第1凹凸部351および第2凹凸部451が摺動することを抑制することができる。その結果、第1柄部31と第2柄部41とが意図に反して左右に開くこと(すなわち、第1先端部34および第2先端部44による挟持対象物の意図に反した挟持解除)を抑制することができる。
上述のように、第1押さえ部353の自由端部354は、前方へと湾曲していることが好ましい。これにより、第1凹凸部351と第2凹凸部451とが噛み合う際に、第2凹凸部451が、第1凹凸部351と第1押さえ部353との間に進入し易くなる。また、第2押さえ部453の自由端部454は、後方へと湾曲している。これにより、第1凹凸部351と第2凹凸部451とが噛み合う際に、第1凹凸部351が、第2凹凸部451と第2押さえ部453との間に進入し易くなる。その結果、医療者による第1柄部31と第2柄部41との係止動作を容易とすることができる。
鉗子1では、好ましくは、第1アーム3は、軸部5と第1係止部35との間にて第1柄部31に設けられる第1重複部36をさらに備える。また、第2アーム4は、軸部5と第2係止部45との間にて第2柄部41に設けられる第2重複部46をさらに備える。第1柄部31と第2柄部41とが係止された状態では、第1重複部36と第2重複部46とが上下方向に重なる。
これにより、第1柄部31と第2柄部41との意図しない捻れ等の変形を抑制することができる。その結果、第1凹凸部351と第2凹凸部451とが意図に反して上下方向に摺動して離間し、第1柄部31と第2柄部41とが意図に反して左右に開くことを抑制することができる。
上述のように、第1重複部36は、第1係止部35と軸部5との中央よりも前側に位置し、第2重複部46は、第2係止部45と軸部5との中央よりも前側に位置することがさらに好ましい。これにより、第1柄部31と第2柄部41との意図しない捻れ等の変形をさらに抑制することができる。その結果、第1柄部31と第2柄部41とが意図に反して左右に開くことを、より一層抑制することができる。
鉗子1では、好ましくは、第1重複部36は、第1柄部31から第2柄部41に向かって左右方向に突出しており、第2重複部46は、第2柄部41から第1柄部31に向かって左右方向に突出している。また、第1柄部31と第2柄部41とが係止された状態では、第1重複部36が、第2重複部46により上下から挟まれている。これにより、第1柄部31と第2柄部41との意図しない捻れ等の変形を、より一層抑制することができる。
鉗子1では、上記構造とは異なり、第1重複部36が上下方向に重なる2枚の略平板状の板部を備え、第2重複部46が、当該2枚の板部により上下から挟まれる1枚の略平板状の部位であってもよい。すなわち、鉗子1では、第1柄部31と第2柄部41とが係止された状態で、第1重複部36および第2重複部46のうち一方が、他方により上下から挟まれていることが好ましい。これにより、上述のように、第1柄部31と第2柄部41との意図しない捻れ等の変形を、より一層抑制することができる。
上述のように、第1アーム3および第2アーム4は樹脂製であることが好ましい。これにより、第1柄部31および第2柄部41を容易に撓ませることができるため、鉗子1の係止解除をさらに容易に行うことができる。
上述の鉗子1では、様々な変更が可能である。
例えば、第1凹凸部351は、必ずしも後方に凸となるように湾曲している必要はなく、例えば、第1柄部31に対して略垂直に略直線状に延びていてもよい。第2凹凸部451も、必ずしも後方に凸となるように湾曲している必要はなく、例えば、第2柄部41に対して略垂直に略直線状に延びていてもよい。
第1係止部35では、第1凹凸部351における複数の凹凸352の形状、数および大きさ等は、適宜変更されてよい。第2係止部45においても同様に、第2凹凸部451の複数の凹凸452の形状、数および大きさ等は、適宜変更されてよい。例えば、複数の凹凸352および複数の凹凸452の平面視における形状は、鋸歯状ではなく、略正弦曲線状であってもよい。第1凹凸部351の前側の面には、必ずしも複数の凹凸352が設けられる必要はなく、少なくとも1組の凹凸が設けられていればよい。当該1組の凹凸では、周囲の部位よりも突出した部位が凸部と捉えられ、当該凸部の周囲の部位が凹部と捉えられる。あるいは、当該1組の凹凸では、周囲の部位よりも凹んでいる部位が凹部と捉えられ、当該凹部の周囲の部位が凸部と捉えられる。第2凹凸部451についても同様であり、第2凹凸部451の後側の面には、少なくとも1組の凹凸が設けられていればよい。
第1係止部35および第2係止部45では、第1押さえ部353の自由端部354、および、第2押さえ部453の自由端部454は、必ずしも湾曲している必要はなく、略直線状に延びていてもよい。また、第1係止部35および第2係止部45では、第1押さえ部353および第2押さえ部453が省略されてもよい。
第1重複部36および第2重複部46の構造は、既述のものには限定されず、様々に変更されてよい。例えば、第1重複部36および第2重複部46がそれぞれ、上下方向に重なる複数の板部を備え、第1柄部31と第2柄部41とが係止された状態で、第1重複部36の複数の板部と、第2重複部46の複数の板部とが、上下方向に交互に重なってもよい。このように、第1重複部36が第2重複部46により上下から挟まれ、第2重複部46が第1重複部36により上下方向から挟まれることによっても、第1柄部31と第2柄部41との意図しない捻れ等の変形を抑制することができる。
また、第1重複部36および第2重複部46はそれぞれ、1枚の略平板状の板部であってもよい。あるいは、第1重複部36は、第1柄部31の側面から第2柄部41に向かって突出する凸部であり、第2重複部46は、第2柄部41の側面に設けられた凹部であってもよい。この場合、第1柄部31と第2柄部41とが係止された状態で、第1重複部36である凸部が、第2重複部46である凹部に挿入されて上下方向に重なる。いずれの場合であっても、第1柄部31と第2柄部41との意図しない捻れ等の変形を抑制することができる。
鉗子1では、第1重複部36および第2重複部46は省略されてもよい。あるいは、第1重複部36および第2重複部46の一方の板部のみが、医療者の人差し指を置く指置き部として設けられてもよい。
鉗子1では、第1先端部34および第2先端部44の形状は、第1先端部34と第2先端部44とにより挟持される挟持対象物の大きさ、形状、種類等に合わせて様々に変更されてよい。
鉗子1の構造は、消毒以外の目的で使用される鉗子(例えば、組織の止血や組織把持に使用される鉗子)に適用されてもよい。鉗子1の各部の形状や大きさは、鉗子1の用途に合わせて適宜変更されてよい。また、第1アーム3および第2アーム4は、樹脂以外の材料により形成されてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 鉗子
3 第1アーム
4 第2アーム
5 軸部
6 使い捨て医療用品セット
31 第1柄部
32 第1指孔部
33 第1挟持部
35 第1係止部
36 第1重複部
41 第2柄部
42 第2指孔部
43 第2挟持部
45 第2係止部
46 第2重複部
351 第1凹凸部
352 (第1凹凸部の)凹凸
353 第1押さえ部
354 (第1押さえ部の)自由端部
355 第1表鋸面
356 第1裏鋸面
451 第2凹凸部
452 (第2凹凸部の)凹凸
453 第2押さえ部
454 (第2押さえ部の)自由端部
455 第2表鋸面
456 第2裏鋸面

Claims (9)

  1. 鉗子であって、
    第1アームと、
    前記第1アームと交差する第2アームと、
    前記第1アームと前記第2アームとの交差位置にて前記第1アームと前記第2アームとを回転自在に連結する軸部と、
    を備え、
    前記第1アームは、
    前記軸部から後方に延びる第1柄部と、
    前記第1柄部の後端に接続される第1指孔部と、
    前記軸部から前方に延びる第1挟持部と、
    前記第1柄部から前記第2アームに向かって左右方向に突出する第1係止部と、
    を備え、
    前記第2アームは、
    前記軸部から後方に延びる第2柄部と、
    前記第2柄部の後端に接続される第2指孔部と、
    前記軸部から前方に延びる第2挟持部と、
    前記第2柄部から前記第1アームに向かって左右方向に突出する第2係止部と、
    を備え、
    前記第1係止部は、前記第1柄部から前記第2柄部に向かって左右方向に突出するとともに前側の面に左右方向に並ぶ凹凸が設けられた第1凹凸部を備え、
    前記第2係止部は、前記第1凹凸部よりも前側にて前記第2柄部から前記第1柄部に向かって左右方向に突出するとともに後側の面に左右方向に並ぶ凹凸が設けられた第2凹凸部を備えることを特徴とする鉗子。
  2. 請求項1に記載の鉗子であって、
    前記第1凹凸部の前記前側の面には、左右方向に並ぶ複数の凹凸が設けられ、
    前記第2凹凸部の前記後側の面には、左右方向に並ぶ複数の凹凸が設けられることを特徴とする鉗子。
  3. 請求項2に記載の鉗子であって、
    前記第1凹凸部の前記複数の凹凸は、複数の第1表鋸面と複数の第1裏鋸面とが左右方向に交互に配列された鋸歯状であり、
    各第1表鋸面は、前方に向かうに従って左右方向において前記第2柄部から離れる方向に延び、
    各第1裏鋸面は、隣接する第1表鋸面の前端から後方に向かって延び、
    前記各第1表鋸面が前記第1柄部の延びる方向である第1長手方向と成す角度は、前記各第1裏鋸面が前記第1長手方向と成す角度よりも大きく、
    前記第2凹凸部の前記複数の凹凸は、複数の第2表鋸面と複数の第2裏鋸面とが左右方向に交互に配列された鋸歯状であり、
    各第2表鋸面は、後方に向かうに従って左右方向において前記第1柄部から離れる方向に延び、
    各第2裏鋸面は、隣接する第2表鋸面の後端から前方に向かって延び、
    前記各第2表鋸面が前記第2柄部の延びる方向である第2長手方向と成す角度は、前記各第2裏鋸面が前記第2長手方向と成す角度よりも大きいことを特徴とする鉗子。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の鉗子であって、
    前記第1凹凸部および前記第2凹凸部は、後方に凸となるように湾曲していることを特徴とする鉗子。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の鉗子であって、
    前記第1係止部は、前記第1凹凸部および前記第2凹凸部よりも前側にて前記第1柄部から前記第2柄部に向かって左右方向に突出する第1押さえ部をさらに備え、
    前記第2係止部は、前記第1凹凸部および前記第2凹凸部よりも後側にて前記第2柄部から前記第1柄部に向かって左右方向に突出する第2押さえ部をさらに備え、
    前記第1柄部と前記第2柄部とが左右方向において近づく際に、前記第1押さえ部の後側の面と前記第2凹凸部の前側の面とが左右方向に摺動して、前記第2凹凸部が前記第1凹凸部と前記第1押さえ部との間に挟み込まれ、前記第2押さえ部の前側の面と前記第1凹凸部の後側の面とが左右方向に摺動して、前記第1凹凸部が前記第2凹凸部と前記第2押さえ部との間に挟み込まれることを特徴とする鉗子。
  6. 請求項5に記載の鉗子であって、
    前記第1押さえ部の自由端部は、前方へと湾曲しており、
    前記第2押さえ部の自由端部は、後方へと湾曲していることを特徴とする鉗子。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の鉗子であって、
    前記第1アームは、前記軸部と前記第1係止部との間にて前記第1柄部に設けられる第1重複部をさらに備え、
    前記第2アームは、前記軸部と前記第2係止部との間にて前記第2柄部に設けられる第2重複部をさらに備え、
    前記第1柄部と前記第2柄部とが係止された状態で、前記第1重複部と前記第2重複部とが上下方向に重なることを特徴とする鉗子。
  8. 請求項7に記載の鉗子であって、
    前記第1重複部は、前記第1柄部から前記第2柄部に向かって左右方向に突出しており、
    前記第2重複部は、前記第2柄部から前記第1柄部に向かって左右方向に突出しており、
    前記第1柄部と前記第2柄部とが係止された状態で、前記第1重複部および前記第2重複部のうち一方が、他方により上下から挟まれていることを特徴とする鉗子。
  9. 使い捨て医療用品セットであって、
    請求項1ないし8のいずれか1つに記載の鉗子を含むことを特徴とする使い捨て医療用品セット。
JP2018233335A 2018-12-13 2018-12-13 鉗子および使い捨て医療用品セット Active JP7122952B2 (ja)

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