JP2020091931A - 磁気ディスク装置及びリニアリティ誤差の補正方法 - Google Patents

磁気ディスク装置及びリニアリティ誤差の補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 サーボ位置決め精度を改善することが可能な磁気ディスク装置及びリニアリティ誤差の補正方法を提供することである。【解決手段】 本実施形態に係る磁気ディスク装置は、サーボセクタを有する記録領域を有するディスクと、前記ディスクに対してデータのライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、前記サーボセクタからリードしたサーボデータを復調した復調データを位相毎に区分した複数の区分データにそれぞれに対応する複数のリニアリティ誤差を補正する、コントローラと、を備える。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、磁気ディスク装置及びリニアリティ誤差の補正方法。
磁気ディスク装置では、繰り返しランナウト(RRO:Repeatable Runout)に起因する誤差(以下、単にRROと称する)を抑制してヘッドの位置を補正する技術が開発されている。例えば、ディスクの半径方向の異なる複数の位置でRROを測定し、測定した複数のデータの間のRROを補間したデータに基づいてヘッドの位置を補正する方法がある。このようなヘッドの位置を補正する方法において、RROを測定する位置を適切に設定するには、リニアリティ誤差の補正が重要となっている。
米国特許第9799360号明細書 米国特許第8625230号明細書 米国特許第9230584号明細書 米国特許第8891194号明細書 米国特許第7859778号明細書
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、サーボ位置決め精度を改善することが可能な磁気ディスク装置及びリニアリティ誤差の補正方法を提供することである。
本実施形態に係る磁気ディスク装置は、サーボセクタを有する記録領域を有するディスクと、前記ディスクに対してデータのライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、前記サーボセクタからリードしたサーボデータを復調した復調データを位相毎に区分した複数の区分データにそれぞれに対応する複数のリニアリティ誤差を補正する、コントローラと、を備える。
本実施形態に係るリニアリティ誤差の補正方法は、サーボセクタを有する記録領域を有するディスクと、前記ディスクに対してデータのライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、を備える磁気ディスク装置に適用されるリニアリティ誤差の補正方法であって、前記サーボセクタからリードしたサーボデータを復調した復調データを位相毎に区分した複数の区分データにそれぞれに対応する複数のリニアリティ誤差を補正する。
図1は、第1実施形態に係る磁気ディスク装置1の構成を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態に係るディスクに対するヘッド15の配置の一例を示す模式図である。 図3は、サーボ領域の構成の一例を示す模式図である。 図4は、Nバーストからリードしたバーストデータを復調した復調信号とQバーストからリードしたバーストデータを復調した復調信号とによるリサージュ波形の一例を示す図である。 図5は、目標ものさしと測定ものさしとの関係の一例を示す図である。 図6は、リニアリティ誤差の一例を示す模式図である。 図7は、補正パラメータを算出するためのサーボデータをリードするヘッドの経路の一例を示す図である。 図8は、Nバースト復調信号に対応するリサージュ波形の一例を示す図である。 図9は、Qバースト復調信号に対応するリサージュ波形の一例を示す図である。 図10は、区分された座標空間におけるリサージュ波形の一例を示す図である。 図11は、区分領域に対するデータ数の変化一例を示す図である。 図12は、基準ものさしに対する評価値の変化の一例を示す図である。 図13は、ガンマに対する評価値の標準偏差の変化の一例を示す図である。 図14は、対称性の良いリサージュ波形及び対称性の悪いリサージュ波形の一例を示す図である。 図15は、区分領域に対するガンマの変化の一例を示す図である。 図16は、サーボトラックに対するリニアリティ誤差の変化の一例を示す図である。 図17は、リニア学習位置及びリニアリティ誤差に対応する位置決め誤差の分布の一例を示す図である。 図18は、本実施形態に係るリニアリティ誤差の補正に使用するパラメータの調整方法の一例を示すフローチャートである。 図19は、区分された座標空間におけるリサージュ波形の一例を示す図である。 図20は、第2実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図21は、リードヘッドが図2に示した基準位置に位置する場合のライトヘッドと2つのリードヘッドとの幾何学的配置の一例を示す図である。 図22は、リードヘッドが図2に示した半径位置に位置する場合のライトヘッドと2つのリードヘッドとの幾何学的配置の一例を示す図である。 図23は、第2実施形態に係るR/Wチャネル及びMPUの構成例を示すブロック図である。 図24は、第2実施形態に係るリニアリティ誤差の補正に使用するパラメータの調整方法の一例を示すフローチャートである。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図面は、一例であって、発明の範囲を限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る磁気ディスク装置1の構成を示すブロック図である。
磁気ディスク装置1は、後述するヘッドディスクアセンブリ(HDA)と、ドライバIC20と、ヘッドアンプ集積回路(以下、ヘッドアンプIC、又はプリアンプ)30と、揮発性メモリ70と、不揮発性メモリ80と、バッファメモリ(バッファ)90と、1チップの集積回路であるシステムコントローラ130とを備える。また、磁気ディスク装置1は、ホストシステム(以下、単に、ホストと称する)100と接続される。
HDAは、磁気ディスク(以下、ディスクと称する)10と、スピンドルモータ(以下、SPMと称する)12と、ヘッド15を搭載しているアーム13と、ボイスコイルモータ(以下、VCMと称する)14とを有する。ディスク10は、SPM12に取り付けられ、SPM12の駆動により回転する。アーム13及びVCM14は、アクチュエータを構成している。アクチュエータは、VCM14の駆動により、アーム13に搭載されているヘッド15をディスク10の所定の位置まで移動制御する。ディスク10およびヘッド15は、2つ以上の数が設けられてもよい。
ディスク10は、そのデータをライト可能な領域に、ユーザから利用可能なユーザデータ領域10aと、システム管理に必要な情報をライトするシステムエリア10bとが割り当てられている。以下、ディスク10の半径方向に直交する方向を円周方向と称する。また、ディスク10の半径方向の所定の位置を半径位置と称し、ディスク10の円周方向の所定の位置を円周位置と称する場合もある。半径位置は、例えば、トラックに相当し、円周位置は、例えば、セクタに相当する。半径位置及び円周位置をまとめて単に位置と称する場合もある。
ヘッド15は、スライダを本体として、当該スライダに実装されているライトヘッド15Wとリードヘッド15Rとを備える。ライトヘッド15Wは、ディスク10上にデータをライトする。リードヘッド15Rは、ディスク10上のトラックに記録されているデータをリードする。なお、ライトヘッド15Wを単にヘッド15と称する場合もあるし、リードヘッド15Rを単にヘッド15と称する場合もあるし、ライトヘッド15W及びリードヘッド15Rをまとめてヘッド15と称する場合もある。ヘッド15の中心部をヘッド15と称し、ライトヘッド15Wの中心部をライトヘッド15Wと称し、リードヘッド15Rの中心部をリードヘッド15Rと称する場合もある。「トラック」は、ディスク10の半径方向に区分した複数の領域の内の1つの領域、ディスク10の円周方向に延長するデータ、トラックにライトされたデータや、その他の種々の意味で用いる。「セクタ」は、トラックを円周方向に区分した複数の領域の内の1つの領域、ディスク10の所定の位置にライトされたデータ、セクタにライトされたデータや、その他の種々の意味で用いる。また、トラックの半径方向の幅をトラック幅と称し、目標とするトラック幅の中心位置をトラックセンタと称する。
図2は、第1実施形態に係るディスク10に対するヘッド15の配置の一例を示す模式図である。図2において、半径方向において、ディスク10の外周に向かう方向を外方向(外側)と称し、外方向と反対方向を内方向(内側)と称する。また、図2には、ディスク10の回転方向を示している。なお、回転方向は逆向きであってもよい。図2において、ユーザデータ領域10aは、内方向に位置する内周領域IRと、外方向に位置する外周領域ORと、内周領域IRと外周領域ORとの間に位置する中周領域MRとに区分されている。図2には、半径位置IRP、半径位置RP0、及び半径位置ORPを示している。半径位置IRPは、半径位置RP0よりも内方向に位置し、半径位置ORPは、半径位置RP0よりも外方向に位置している。図2では、半径位置RP0は、中周領域MRにあり、半径位置ORPは、外周領域ORにあり、半径位置IRPは、内周領域IRにある。なお、半径位置RP0は、外周領域ORにあってもよいし、内周領域IRにあってもよい。図2には、内周領域IRの所定のトラックのトラックセンタの円周方向の軌跡(以下、単に、トラックセンタと称する)IIL、中周領域MRの所定のトラックのトラックセンタIL0、及び外周領域ORの所定のトラックのトラックセンタOILを示している。トラックセンタIILは、内周領域IRの所定のトラックにヘッド15を位置決めした場合のヘッド15の目標とする経路(以下、目標経路、目標軌道又は目標軌跡と称する)に相当する。トラックセンタIILは、半径位置IRPに対応している。トラックセンタIL0は、中周領域MRの所定のトラックにヘッド15を位置決めした場合のヘッド15の目標経路に相当する。トラックセンタIL0は、半径位置RP0に対応している。トラックセンタOILは、外周領域ORの所定のトラックにヘッド15を位置決めした場合のヘッド15の目標経路に相当する。トラックセンタOILは、半径位置ORPに対応している。目標経路は、例えば、ディスク10と同心円状の経路である。また、図2には、繰り返しランナウト(Repeatable Run Out : RRO)に起因してトラックセンタIIL、IL0、及びOILに対してそれぞれずれたヘッド15の経路ISL、SL0、及びOSLを示している。
ディスク10は、複数のサーボ領域SVを有している。以下、サーボ領域SVをサーボセクタと称する場合もある。複数のサーボ領域SVは、ディスク10の半径方向に放射状に延出して円周方向に所定の間隔を空けて離散的に配置されている。サーボ領域SVは、ヘッド15をディスク10の所定の半径方向の位置(以下、半径位置と称する)に位置決めするためのサーボデータとRRO補正データとを含んでいる。
サーボデータは、例えば、Nullサーボデータである。例えば、サーボデータは、サーボマーク(Servo Mark)、アドレスデータ、及びバーストデータ等を含んでいる。アドレスデータは、所定のトラックのアドレス(シリンダアドレス)と、所定のトラックのサーボセクタのアドレスとから構成される。バーストデータは、所定のトラックのトラックセンタに対するヘッド15の半径方向及び/又は円周方向の位置ずれ(位置誤差)を検出するために使用されるデータ(相対位置データ)であり、所定の周期の繰り返しパターンから構成される。バーストデータは、対外に隣接するトラックに跨って千鳥状にライトされている。バーストデータは、サーボデータをディスクにライトをしたときのディスク10の回転に同期したブレ(繰り返しランナウト:RRO)によって生じるディスク10と同心円状のトラックセンタ(目標経路)に対するトラックの歪みに起因する誤差を含む。バーストデータは、例えば、ディスク10におけるヘッド15の半径方向及び/又は円周方向の位置(以下、ヘッド位置と称する場合もある)を取得するために使用される。以下、説明の便宜上、RROによって生じるトラックセンタに対するトラックの歪みに起因する誤差を単にRROと称する。
複数のサーボ領域SVは、それぞれ、RROを補正するためのRRO補正データを構成するパターン(以下、単に、RRO補正データと称する)がライトされている。RRO補正データは、サーボデータの一種の付加データである。RRO補正データは、サーボデータ(より詳細には、サーボデータ中のサーボバーストデータ)のRROを補正、すなわち、トラックセンタに対するヘッド15の経路の歪みを補正するために使用される。このRROの補正を真円補正と称する場合もある。
RRO補正データは、RROプリアンブルパターン、同期パターン、及び補正量を符号化したデジタルデータ(以下、RRO補正符号(RRO Code)と称する)を含む。RROプリアンブルパターン、及び同期パターンは、後続の領域にライトされる補正量を符号化したデジタルデータのリード開始タイミングを検出するために使用される。このとき、RRO補正符号(RRO Code)は、RRO補正データの主要部を構成する。このようなRRO補正データを、RRObit、またはPostCode(ポストコード)と称する場合もある。
ヘッド15が半径位置RP0に位置する場合、スキュー角は、例えば、0°になる。以下、半径位置RP0を基準位置RP0と称する場合もある。ヘッド15が半径位置ORPに位置する場合、スキュー角は、例えば、正の値となる。ヘッド15が半径位置IRPに位置する場合、スキュー角は、例えば、負の値となる。なお、ヘッド15が半径位置ORPに位置する場合、スキュー角が負の値であってもよい。また、ヘッド15が半径位置IRPに位置する場合、スキュー角が正の値であってもよい。
図2に示した例では、半径位置IRPに位置決めした場合、ヘッド15は、ディスク10のサーボ領域SVのサーボデータに基づいて、経路ISLからトラックセンタIIL上を通るように動作を補正される。半径位置RP0に位置決めした場合、ヘッド15は、ディスク10のサーボ領域SVのサーボデータに基づいて、経路SL0からトラックセンタIL0上を通るように動作を補正される。半径位置ORPに位置決めした場合、ヘッド15は、ディスク10のサーボ領域SVのサーボデータに基づいて、経路OSLからトラックセンタOIL上を通るように動作を補正される。
ドライバIC20は、システムコントローラ130(詳細には、後述するMPU60)の制御に従って、SPM12およびVCM14の駆動を制御する。
ヘッドアンプIC(プリアンプ)30は、リードアンプ及びライトドライバを備えている。リードアンプは、ディスク10からリードされたリード信号を増幅して、システムコントローラ130(詳細には、後述するリード/ライト(R/W)チャネル40)に出力する。ライトドライバは、R/Wチャネル40から出力される信号に応じたライト電流をヘッド15に出力する。
揮発性メモリ70は、電力供給が断たれると保存しているデータが失われる半導体メモリである。揮発性メモリ70は、磁気ディスク装置1の各部での処理に必要なデータ等を格納する。揮発性メモリ70は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、又はSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)である。
不揮発性メモリ80は、電力供給が断たれても保存しているデータを記録する半導体メモリである。不揮発性メモリ80は、例えば、NOR型またはNAND型のフラッシュROM(Flash Read Only Memory :FROM)である。
バッファメモリ90は、磁気ディスク装置1とホスト100との間で送受信されるデータ等を一時的に記録する半導体メモリである。なお、バッファメモリ90は、揮発性メモリ70と一体に構成されていてもよい。バッファメモリ90は、例えば、DRAM、SRAM(Static Random Access Memory)、SDRAM、FeRAM(Ferroelectric Random Access memory)、又はMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)等である。
システムコントローラ(コントローラ)130は、例えば、複数の素子が単一チップに集積されたSystem-on-a-Chip(SoC)と称される大規模集積回路(LSI)を用いて実現される。システムコントローラ130は、リード/ライト(R/W)チャネル40と、ハードディスクコントローラ(HDC)50と、マイクロプロセッサ(MPU)60と、を含む。システムコントローラ130は、例えば、ドライバIC20、ヘッドアンプIC30、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、バッファメモリ90、及びホスト100に電気的に接続されている。
R/Wチャネル40は、後述するMPU60からの指示に応じて、ディスク10からホスト100に転送されるリードデータ及びホスト100から転送されるライトデータの信号処理を実行する。R/Wチャネル40は、リードデータの信号品質を測定する回路、又は機能を有している。R/Wチャネル40は、例えば、ヘッドアンプIC30、HDC50、及びMPU60等に電気的に接続されている。
HDC50は、後述するMPU60からの指示に応じて、ホスト100とR/Wチャネル40との間のデータ転送を制御する。HDC50は、例えば、R/Wチャネル40、MPU60、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、及びバッファメモリ90等に電気的に接続されている。
MPU60は、磁気ディスク装置1の各部を制御するメインコントローラである。MPU60は、ドライバIC20を介してVCM14を制御し、ヘッド15の位置決めを行なうサーボ制御を実行する。また、MPU60は、ドライバIC20を介してSPM12を制御し、ディスク10を回転させる。MPU60は、ディスク10へのデータのライト動作を制御すると共に、ライトデータの保存先を選択する。また、MPU60は、ディスク10からのデータのリード動作を制御すると共に、リードデータの処理を制御する。MPU60は、磁気ディスク装置1の各部に接続されている。MPU60は、例えば、ドライバIC20、R/Wチャネル40、及びHDC50等に電気的に接続されている。
MPU60は、リード/ライト制御部610と、RRO学習部620と、RRO記録部630と、位置補正部640とを含む。MPU60は、これら各部、例えば、リード/ライト制御部610、RRO学習部620、RRO記録部630、及び位置補正部640等の処理をファームウェア上で実行する。なお、MPU60は、これら各部、例えば、リード/ライト制御部610、RRO学習部620、RRO記録部630、及び位置補正部640を回路として備えていてもよい。
リード/ライト制御部610は、ホスト100からのコマンドに従って、データのリード処理及びライト処理を制御する。リード/ライト制御部610は、ドライバIC20を介してVCM14を制御し、ヘッド15をディスク10の所定の位置に位置決めし、データをリード又はライトする。以下、「ヘッド15(ライトヘッド15W及びリードヘッド15R)をディスク10の所定の位置、例えば、所定のトラックの目標とする位置(以下、目標位置と称する)に位置決め又は配置する」ことを「ヘッド15(ライトヘッド15W及びリードヘッド15R)を所定のトラックに位置決め又は配置する」と記載する場合もある。
RRO学習部620は、ディスク10の所定の位置、例えば、所定のトラックの目標経路にリードヘッド15Rを位置決めして、目標経路とサーボセクタからリードしたサーボデータを復調した信号(以下、復調信号と称する場合もある)に基づいて算出したヘッド15(リードヘッド15R)の位置との差分値(以下、RRO補正量と称する)を測定し、その測定結果からRRO補正データを算出する。以下、「所定のサーボセクタをリードしたサーボデータを復調した復調信号に基づいて算出したヘッド位置」を「サーボ復調位置」、又は「復調位置」と称する場合もある。「RRO補正量を測定する」ことや「RRO補正量に基づいてRRO補正データを算出する」ことを「RRO学習」と称する場合もある。「RRO学習する」ことを単に「測定する」、「リードする」又は「取得する」等と称する場合もある。RRO補正量とRRO補正データとを同じ意味で用いる場合もある。RRO学習を実行する所定の半径位置及びRRO学習を実行した所定の半径位置を学習位置と称する場合もある。例えば、学習位置は、所定のトラックの目標位置、例えば、トラックセンタとRRO学習を実行した所定の半径位置との間の距離に相当する。また、RRO学習部620は、RRO学習した円周方向の位置情報等を取得することもできる。例えば、RRO学習部620は、磁気ディスク装置1の試験段階、又は製品段階でRRO学習処理を実行する。なお、RRO学習部620は、所定の半径位置において、円周方向の幾つかの位置でRRO学習を実行してもよいし、円周方向の全ての位置でRRO学習を実行してもよい。また、RRO学習部620は、幾つかの半径位置でRRO学習を実行してもよいし、ディスク10の全ての半径位置でRRO学習を実行してもよい。
RRO学習部620は、複数の学習位置にそれぞれ対応する複数のRRO補正量に基づいて、ディスク10の半径方向の所定の領域(以下、半径領域と称する)のディスク10のRRO補正量の半径方向の変化(以下、RROの変化又はRRO補正量の変化と称する)を推定し、推定した半径領域のRRO補正量の変化に基づいてヘッド位置を補正するために、この半径領域の複数の半径位置でRRO学習を実行する。例えば、RROの変化の傾きは、トラック毎に変化し得る。RRO学習部620は、例えば、2つの学習位置でそれぞれ取得した2つのRRO補正量に基づいてこの領域のRRO補正量の変化を推定し、推定したRRO補正量の変化に基づいてヘッド15の半径位置を補正する処理を実行可能なディスク10の半径領域の複数の半径位置でRRO学習を実行する。以下、「半径領域で2つの学習位置でそれぞれ取得した2つのRRO補正量に基づいてこの領域のRRO補正量の変化を推定し、推定したRRO補正量の変化に基づいてヘッド位置を補正する処理」を「リニアRRO補正処理」と称する場合もある。なお、リニアRRO補正処理では、半径領域で3つ以上の学習位置でそれぞれ取得した3つ以上のRRO補正量に基づいてこの半径領域のRRO補正量の変化を推定し、推定したRRO補正量の変化に基づいてヘッド位置を補正してもよい。
RRO学習部620は、リニアRRO補正処理の精度を向上するために、半径領域(又は、複数のトラック)、例えば、隣接する2つのトラックにおいてサーボデータを復調して取得される理想的なヘッド15の経路(又は、サーボデータの配置)に対応する情報とこの半径領域においてサーボデータを復調して実際に取得したヘッド15の経路に対応する情報との誤差に基づいて、リニアRRO補正処理で用いる学習位置(以下、リニア学習位置と称する)を設定する。以下、「半径領域においてサーボデータを復調して取得される理想的なヘッド15の経路(又は、サーボデータの配置)に対応する情報」を「理想とするサーボ復調ものさし」、又は「目標ものさし」と称する場合もある。目標ものさしは、半径領域における目標とする複数の半径位置(以下、サーボオフセット量と称する)に相当する。「半径領域においてサーボデータを復調して実際に取得したヘッド15の経路に対応する情報」を「実際のサーボ復調ものさし」、又は「測定ものさし」と称する場合もある。測定ものさしは、半径領域における実際にサーボデータをリードした複数の半径位置(サーボオフセット量)に相当する。測定ものさしは、例えば、半径領域の各トラックの半径方向への歪み等(以下、サーボ復調ものさしの非線形性又はものさしの非線形性と称する場合もある)を含む。そのため、測定ものさしは、目標ものさしに対して変動し得る。以下、目標ものさしと測定ものさしとの誤差をリニアリティ誤差と称する。例えば、リニアリティ誤差は、半径領域、例えば、所定のトラックの歪みを示す指標である。
RRO学習部620は、サーボ領域SVからリードしたサーボデータを復調した復調信号に基づいてサーボ復調位置を計算する過程でリニアリティ誤差やリニアリティ誤差に関連する値などを補正する機能と、リニアリティ誤差を補正するためのパラメータを調整する機能とを含む。以下で、「リニアリティ誤差を補正する」ことを「リニアリティ補正」と称する場合もある。また、「リニアリティ誤差を補正するためのパラメータを調整する」ことを「リニアリティ調整」と称する場合もある。RRO学習部620は、サーボ復調位置の計算過程において、サーボ復調位置に関連する種々の値を補正する計算で使用する種々のパラメータを算出する。例えば、RRO学習部620は、サーボ復調位置の計算過程において、リニアリティ補正で使用する種々のパラメータ(以下、補正パラメータ、又はリニアリティ補正パラメータと称する)を算出する。RRO学習部620は、補正パラメータの算出過程において、補正パラメータを調整する。以下、「補正パラメータを算出すること」を「補正パラメータを調整すること」として記載する場合もある。また、「補正パラメータを調整すること」を「補正パラメータを算出すること」として記載する場合もある。RRO学習部620は、例えば、製造工程において、補正パラメータの調整を実行する。RRO学習部620は、例えば、補正パラメータ、又は、リニアリティ補正誤差の大小に基づいてリニア学習位置を設定する。なお、RRO学習部620は、サーボ復調位置の計算過程、例えば、リニアリティ補正過程において算出した補正パラメータを所定の記録領域、例えば、ディスク10や不揮発性メモリ80等に記録してもよい。補正パラメータの調整は、ヘッド毎、ゾーン毎に実施してもよい。
以下、図3、図4、図5、及び図6を参照してリニアリティ誤差について説明する。
図3は、サーボ領域SVの構成の一例を示す模式図である。図3には、半径方向に連続して並んでいるトラックTRnとトラックTRn+1とを示している。トラックTRnは、トラックセンタTRCnを有している。トラックTRn+1は、トラックセンタTRCn+1と有している。なお、説明の便宜上、トラックTRn及びTRn+1は、円周方向に直線状に延長しているが、実際にはディスク10の円周方向に沿って湾曲している。トラックTRn及びTRn+1は、それぞれ、周期的に変動しながら波状に円周方向に延長していてもよい。また、トラックTRn及びTRn+1は、半径方向に僅かに離間していてもよいし、一部が重なっていてもよい。
図3に示した例では、サーボ領域SVは、プリアンブル(Preamble)、サーボマーク(Servo Mark)、グレイコード(Gray Code)、PAD、Nバースト、Qバースト、及びポストコード(Post Code)等を含む。プリアンブルは、サーボパターンの再生信号に同期するためのプリアンブル情報を含む。サーボマークは、サーボパターンの開始を示すサーボマーク情報を含む。グレイコードは、サーボセクタ番号やトラック(シリンダ)番号等を示すグレイコード情報を含む。PADは、ギャップ及びサーボAGCなどの同期信号のPAD情報を含む。Nバースト及びQバーストは、トラックに対するヘッド15(ライトヘッド15W及びリードヘッド15R)の半径方向の相対的な位置を示すバースト情報を含む。ポストコードは、RRO補正データを含む。なお、ポストコードは、サーボ領域SVに含まれていなくともよい。
図3に示した例では、RRO学習部620は、リードヘッド15Rがサーボマークの半径位置、例えば、トラックTRnのトラックセンタTRCnでリードしたサーボマーク情報の円周方向に続く、グレイコード、Nバースト、Qバースト、PostCodeを復調し、復調したリードヘッド15Rの半径位置をサーボ復調位置として検出する。RRO学習部620は、検出したサーボ復調位置等の情報を所定の記録領域、例えば、ディスク10や不揮発性メモリ80等に記録してもよい。
図4は、Nバーストからリードしたバーストデータを復調した復調信号(又は復調データ)とQバーストからリードしたバーストデータを復調した復調信号とによるリサージュ波形の一例を示す図である。図4において、横軸は、所定の位置(所定の半径位置且つ所定の円周位置)において、リードヘッド15RによりNバーストからリードしたバーストデータ(以下、Nバーストデータと称する場合もある)を復調した復調信号又は復調データ(以下、Nバースト復調信号と称する)を示し、縦軸は、所定の位置においてリードヘッド15RによりQバーストからリードしたバーストデータ(以下、Qバーストデータと称する場合もある)を復調した復調信号又は復調データ(以下、Qバースト復調信号と称する)を示している。Nバースト復調信号は、例えば、NバーストからリードしたNバーストデータを復調して取得した復調位置に相当し、リードしたNバーストデータに対応するトラックのトラックセンタ(又は、目標位置)から半径方向へのずれ量(以下、オフトラック量と称する)に相当する。Qバースト復調信号は、例えば、QバーストからリードしたQバーストデータを復調して取得した復調位置に相当し、リードしたQバーストデータに対応するトラックのトラックセンタ(又は目標位置)からのオフトラック量に相当する。図4には、Nバースト復調信号が0であり、且つQバースト復調信号が0である原点O(0、0)を示している。図4の横軸において、Nバースト復調信号は、原点Oより正の矢印の方向に進むに従って正の値の方向へ大きくなり、原点Oよりも負の矢印の方向に進むに従って負の値の方向へ小さくなる。図4の縦軸において、Qバースト復調信号は、原点Oより正の矢印の方向に進むに従って正の値の方向へ大きくなり、原点Oよりも負の矢印の方向に進むに従って負の値の方向へ小さくなる。図4には、半径領域に対応するリサージュ波形(又は、リサージュ図形)LFを示している。リサージュ波形LFの1周分は、例えば、2サーボトラック分の半径領域における複数の位置(複数の半径位置及び複数の円周位置)にそれぞれ対応する複数のNバースト復調信号及び複数のQバースト復調信号に相当する。ここで、2サーボトラックは、例えば、連続する2つのトラックの半径方向の幅に相当する。例えば、リサージュ波形LFの1周分は、図3に示したトラックTRn及びTRn+1分の半径領域における複数の位置でそれぞれリードされた複数のNバースト復調信号及び複数のQバースト復調信号に相当する。図4において、リサージュ波形LFを形成する複数の点は、それぞれ、半径領域における複数の位置にそれぞれ対応する複数のNバースト復調信号及び複数のQバースト復調信号に相当する。なお、リサージュ波形は、半径領域の複数の位置に対応する複数のNバースト復調信号及び複数のQバースト復調信号の内の少なくとも一方で形成されていてもよい。
図4に示した例では、リサージュ波形LFは、ほぼ円形状である。リサージュ波形LFが円形状である場合にはリニアリティ誤差は、小さくなり得る。リサージュ波形LFが四角形状である場合にはリニアリティ誤差は、大きくなり得る。RRO学習部620は、少なくとも2サーボトラック分の半径領域における各位置でリードしたデータを復調した復調信号に基づいてリサージュ波形LFを取得してもよい。また、RRO学習部620は、取得したリサージュ波形LFを所定の記録領域、例えば、ディスク10や不揮発性メモリ80等に記録してもよい。
図5は、目標ものさしと測定ものさしとの関係の一例を示す図である。図5において、横軸は、目標ものさしを示し、縦軸は、半径領域において測定により取得したQバースト復調信号とNバースト復調信号とに基づく測定ものさしを示している。横軸において、大の矢印に向かって進むに従って目標ものさしは大きくなり、小の矢印に向かって進むに従って目標ものさしは小さくなる。縦軸において、大の矢印に向かって進むに従って測定ものさしは大きくなり、小の矢印に向かって進むに従って測定ものさしは小さくなる。図5には、線LL51と、破線LL52とを示している。線LL51及び破線LL52は、それぞれ、目標ものさしと測定ものさしとの関係を示している。
図5に示した例では、線LL51は、測定ものさしと目標ものさしとが比例関係にあることを示している。つまり、線LL51は、リニアリティ誤差が生じていないことを示している。破線LL52は、測定ものさしと目標ものさしとが非線形の関係にあることを示している。つまり、破線LL52は、リニアリティ誤差が生じていることを示している。RRO学習部620は、例えば、Qバースト復調信号及びNバースト復調信号に基づいて測定ものさしを算出し、算出した測定ものさしと目標ものさしとに基づいて目標ものさしと測定ものさしとの関係LL51及びLL52をそれぞれ算出する。
図6は、リニアリティ誤差の一例を示す模式図である。図6において、横軸は、目標ものさしを示し、縦軸は、リニアリティ誤差を示している。横軸において、大の矢印に向かって進むに従って目標ものさしは大きくなり、小の矢印に向かって進むに従って目標ものさしは小さくなる。縦軸において、原点0から正の矢印に向かって進むに従ってリニアリティ誤差は正の値の方向に大きくなり、原点0から負の矢印に向かって進むに従ってリニアリティ誤差は負の値の方向に小さくなる。図6には、線LL61と、破線LL62とを示している。線LL61及び破線LL62は、それぞれ、目標ものさしとリニアリティ誤差との関係を示している。線LL61は、図5に示した線LL51に対応し、破線LL62は、図5に示した破線LL52に対応している。
図6の目標ものさしとリニアリティ誤差との関係LL62で示すようにリニアリティ誤差が生じている場合、RRO学習部620は、復調位置の計算過程でリニアリティ補正を実行する。RRO学習部620は、リニアリティ補正において、Nバースト復調信号やQバースト復調信号を補正する。RRO学習部620は、例えば、Nバースト復調信号やQバースト復調信号を補正する補正パラメータを設定する。RRO学習部620は、補正パラメータに基づいてリニアリティ補正を実行して、復調位置を算出する。リニアリティ補正は、例えば、サーボセクタからリードしたサーボデータを復調した復調信号に対応する位相を補正すること(以下、初期位相補正と称する場合もある)と、サーボセクタからリードしたサーボデータを復調した復調信号の波形のずれを補正すること(以下、復調信号オフセット補正、又はオフセット補正と称する場合もある)と、復調信号に対応するリサージュ波形の回転方向へのずれを補正すること(以下、回転ずれ補正、または回転補正と称する場合もある)と、所定のパラメータ(以下、ガンマ(γ)と称する)に基づいて復調位置を補正すること(以下、ガンマ補正又はガンマ復調と称する場合もある)と、半径領域の各位置における目標ものさしに対する測定ものさしのずれ(以下、ものさし誤差と称する場合もある)に対応するテーブルに基づいて復調位置を補正すること(以下、テーブル補正と称する場合もある)とを含む。復調信号オフセットは、例えば、原点に対するリサージュ波形の中心のずれに対応する。ものさし誤差が最適、例えば、最小となるよう調整されたガンマは、半径領域における調整後のリニアリティ誤差が大きいか小さいかを示す。例えば、ガンマが大きくなるに従って、半径領域のリニアリティ誤差が大きくなり、ガンマが小さくなるに従って、半径領域のリニアリティ誤差が小さくなる。つまり、ガンマが大きくなるに従って、半径領域におけるリサージュ波形が、四角形状に近づき、ガンマが小さくなるに従って、半径領域におけるリサージュ波形が、丸形状に近づく。言い換えると、ガンマが大きくなるに従って、半径領域におけるリサージュ波形の最小振幅に対する最大振幅の比が1より大きくなり、ガンマが小さくなるに従って、半径領域におけるリサージュ波形の最小振幅に対する最大振幅が1に近づく。なお、リニアリティ補正は、Nバースト及びQバーストをリードした際のヘッド15(アーム13)の速度(以下、速度と称する場合もある)を補正すること(以下、速度補正と称する場合もある)を含んでいてもよい。補正パラメータは、初期位相補正に使用する補正値(以下、初期補正値と称する)と、復調信号オフセット補正に使用する補正値(以下、復調信号オフセット補正値、又はオフセット補正値と称する)と、回転ずれ補正に使用する補正値(以下、回転補正値と称する)と、ガンマ補正に使用するガンマ(以下、ガンマ補正値と称する)と、テーブル補正に使用する補正値(以下、テーブル補正値と称する)とを含む。なお、補正パラメータは、速度補正で使用する補正値(以下、速度補正値と称する)を含んでいてもよい。RRO学習部620は、種々の補正パラメータを所定の記録領域、例えば、ディスク10や不揮発性メモリ80に記録する。また、種々の補正パラメータは、ヘッド、ゾーン毎に調整されたパラメータであってもよい。例えば、RRO学習部620は、補正パラメータの内のガンマをヘッド、ゾーン毎に調整することによりリニアリティ誤差を小さくする。
以下、図7、図8、図9、図10、図11、図12、図13、図14、図15、及び図16を参照して、リニアリティ誤差の補正に使用する補正パラメータの調整方法の一例について説明する。
(復調経路の設定)
RRO学習部620は、リニアリティ補正パラメータを算出する場合、目標ものさしに対応する範囲、例えば、半径方向に2サーボトラック以上の範囲を含むように、サーボデータをリードする(又は、復調する)ヘッド15の経路(以下、リード経路又は復調経路と称する)を設定し、設定した復調経路に沿ってサーボデータをリードする(又は、復調する)。RRO学習部620は、例えば、リニアリティ誤差を全経路に亘って平均すると0となる復調経路を設定する。
図7は、補正パラメータを算出するためのサーボデータをリードするヘッド15の経路の一例を示す図である。図7において、横軸は、円周方向を示し、縦軸は、半径方向を示している。図7において、横軸には、円周方向に連続して並んでいるセクタSct1N、Sct2N、Sct3N、Sct4N、及びSct5Nを示している。図7において、縦軸には、半径方向に連続して並んでいるトラックTrk1M、Trk2M、Trk3M、Trk4M、Trk5M、Trk6M、Trk7M、及びTrk8Mを示している。図7には、サーボデータをリードする場合のヘッド15の経路(復調経路)RT71を示している。
図7に示した例では、RRO学習部620は、複数のトラックを横断し、且つディスク10を1周してリードを開始する位置(以下、リード開始位置)からリード開始位置と同じリードを終了する位置(以下、リード終了位置)までリードする復調経路RT71を設定する。以下、補正パラメータを算出するために、複数のトラックを横断し、ディスク10を1周してリード開始位置からリード開始位置と同じリード終了位置までリードする復調経路を仮想円軌道、またはSin波(正弦波)軌道と称する場合もある。なお、RRO学習部620は、ディスク10の内周側(又は外周側)から外周側(内周側)までスパイラル状に横断する復調経路を設定してもよい。また、サーボデータをリードする復調経路は半径方向に位置をずらして複数あってもよい。また、復調経路のトラック横断量(Sin波軌道の振幅)とリード開始位置の半径位置(Sin波軌道の位相)はヘッド、ゾーン毎に変わってもよい。
RRO学習部620は、復調経路に沿ってリードしたサーボデータをR/Wチャネル40で復調し、復調データを所定の記録領域、例えば、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、バッファメモリ90、又はディスク10等に記録する。例えば、RRO学習部620は、復調経路に沿ってNバースト及びQバーストからリードしたバーストデータ(Nバーストデータ及びQバーストデータ)をR/Wチャネル40でFFT(Fast Fourier Transform)処理により復調する。RRO学習部620は、NバーストからリードしたバーストデータをFFT処理により復調して取得したNバースト復調信号のsin成分(以下、Nsin成分と称する)及びcоs成分(以下、Ncоs成分と称する)と、QバーストからリードしたQバーストデータをFFT処理により復調して取得したQバースト復調信号のsin成分(以下、Qsin成分と称する)及びcоs成分(以下、Qcоs成分と称する)とを所定の記録領域、例えば、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、バッファメモリ90、又はディスク10等に記録する。なお、R/Wチャネル40が、振幅amp = sqrt (sin成分^2 + cos成分^2)と、位相phs = arctan(sin成分/cos成分)の計算及び出力に対応している場合、sin成分とcos成分の変わりに、振幅ampと位相phsとを取得してもよい。sin成分、cos成分が必要な場合は、amp × sin(phs)、amp × cos(phs)より計算すればよい。
(初期位相補正値の調整方法)
RRO学習部620は、復調経路に沿ってサーボセクタからサーボデータをリードし、リードしたサーボデータを復調した復調信号に対応する初期位相補正値を算出(調整)し、算出(調整)した初期位相補正値に基づいてこの復調信号の初期位相を補正する。RRO学習部620は、調整した初期位相値に基づいて初期位相を補正することでリニアリティ誤差を補正する。例えば、RRO学習部620は、復調経路に沿ってNバースト及びQバーストをリードし、Nバースト復調信号及びQバースト復調信号のそれぞれに対応する複数の初期位相補正値を算出し、算出した複数の初期位相補正値に基づいてNバースト復調信号の初期位相とQバースト復調信号の初期位相とをそれぞれ補正する。
以下、図8及び図9を参照して、初期位相補正値の補正方法について説明する。
図8は、Nバースト復調信号に対応するリサージュ波形の一例を示す図である。図8には、Nsin成分が0であり、且つNcоs成分が0である原点Onを示している。図8において、縦軸は、Nsin成分Nsを示し、横軸はNcоs成分Ncを示している。図8の縦軸において、Nsin成分Nsは、原点Onより正の矢印の方向に進むに従って正の値の方向へ大きくなり、原点Onよりも負の矢印の方向に進むに従って負の値の方向へ小さくなる。図8の横軸において、Ncоs成分Ncは、原点Onよりも正の矢印の方向に進むに従って正の値の方向へ大きくなり、原点Onよりも負の矢印の方向に進むに従って負の値の方向に小さくなる。図8には、初期位相を補正する前のNバースト復調信号N1(k,j)に対応するリサージュ波形LFN1{Ns1(k,j),Nc1(k,j)}と、初期位相を補正した後のNバースト復調信号N2(k,j)に対応するリサージュ波形LFN2{Ns2(k,j),Nc2(k,j)}とを示している。リサージュ波形LFN1の1周分は、2サーボトラック分の半径領域における複数の位置にそれぞれ対応する複数のNバースト復調信号N1(k,j)に相当する。例えば、リサージュ波形LFN1の1周分は、図3に示したトラックTRn及びTRn+1文の半径領域における複数の位置にそれぞれ対応する複数のNバースト復調信号N1(k,j)に相当する。図8に示した例では、リサージュ波形LFN1は、楕円形状である。リサージュ波形LFN1は、原点Onの周囲で傾いている。言い換えると、リサージュ波形LFN1の短軸は、図8の横軸に対して非平行であり、リサージュ波形LFN1の長軸は、図8の縦軸に対して非平行である。リサージュ波形LFN2の1周分は、2サーボトラック分の半径領域における複数の位置に対応するNバースト復調信号N2(k,j)に相当する。例えば、リサージュ波形LFN2の1周分は、図3に示したトラックTRn及びTRn+1文の半径領域における複数の位置に対応するNバースト復調信号N2(k,j)に相当する。リサージュ波形LFN2は、楕円形状である。リサージュ波形LFN2は、原点Onの周囲で傾いていない。言い換えると、リサージュ波形LFN2の短軸は、図8の横軸に平行であり、リサージュ波形LFN2の長軸は、図8の縦軸に平行である。Nsin成分Ns1(k,j)は、リサージュ波形LFN1に対応するNsin成分Nsであり、Ncоs成分Nc1(k,j)は、リサージュ波形LFN1に対応するNcоs成分Ncである。Nsin成分Ns2(k,j)は、リサージュ波形LFN2に対応するNsin成分Nsであり、Ncоs成分Nc2(k,j)は、リサージュ波形LFN2に対応するNcоs成分Ncである。ここで、kは、半径位置に対応する値、例えば、所定の半径領域においてサーボデータをリードした半径位置の順番を示す番号であり、jは、円周位置に対応する値、例えば、所定の半径領域においてサーボデータをリードした半径位置の順番を示す番号である。
図8に示した例では、RRO学習部620は、Nsin成分Ns1(k,j)及びNcоs成分Nc1(k,j)に基づいて取得したリサージュ波形LFN1をリサージュ波形LFN2に補正し、リサージュ波形LFN2に対応するNsin成分Ns2(k,j)及びNcоs成分Nc2(k,j)を算出する。RRO学習部620は、Nsin成分Ns1(k,j)、Ncоs成分Nc1(k,j)、Nsin成分Ns2(k,j)、及びNcоs成分Nc2(k,j)に基づいて、Nバースト復調信号N1をNバースト復調信号N2に補正するための初期位相補正値を算出する。
例えば、RRO学習部620は、以下の式によりNバースト復調信号N1の振幅Namp及び位相Nphsを算出する。
Namp=sqrt(Ns1(k,j)^2+Nc1(k,j)^2) (1)
Nphs=arctan(Ns1(k,j)/Nc1(k,j)) (2)
RRO学習部620は、式(1)及び式(2)により半径領域における複数の位置にそれぞれ対応する複数のNバースト復調信号N1の複数の振幅Namp及び複数の位相Nphsを算出し、算出した複数の振幅Nampの内の最も大きい振幅(以下、最大振幅と称する場合もある)に対応する複数の位相Nphsの内の位相CNphsを初期位相補正値として算出する。RRO学習620は、以下の式により初期位相補正値CNphsを算出する。
CNphs=Nphs{MAX(Namp)} (3)
RRO学習部620は、初期位相補正値CNphsに基づいてリサージュ波形LFN1をリサージュ波形LFN2に補正し、リサージュ波形LFN2に対応するNsin成分Ns2(k,j)及びNcоs成分Nc2(k,j)を算出する。また、RRO学習部620は、初期位相補正値CNphsに基づいて以下の式(4)によりNバースト復調信号N1をNバースト復調信号N2に補正する。
N2=Nc1(k,j)×sin(CNphs)+Ns1(k,j)×cоs(CNphs) (4)
なお、RRO学習部620は、半径位置毎に複数の円周位置にそれぞれ対応する複数の振幅Nampの内の最大振幅に対応する複数の位相Nphsの内の所定の位相を算出してもよい。RRO学習部620は、半径位置毎に算出した複数の所定の位相を平均化した位相を初期位相補正値CNphsとして取得してもよい。
図9は、Qバースト復調信号に対応するリサージュ波形の一例を示す図である。図9には、Qsin成分が0であり、且つQcоs成分が0である原点Oqを示している。図9において、縦軸は、Qsin成分Qsを示し、横軸はQcоs成分Qcを示している。図9の縦軸において、Qsin成分Qsは、原点Oqより正の矢印の方向に進むに従って正の値の方向へ大きくなり、原点Oqよりも負の矢印の方向に進むに従って負の値の方向へ小さくなる。図9の横軸において、Qcоs成分Qcは、原点Oqよりも正の矢印の方向に進むに従って正の値の方向へ大きくなり、原点Oqよりも負の矢印の方向に進むに従って負の値の方向に小さくなる。図9には、初期位相を補正する前のQバースト復調信号Q1(k,j)に対応するリサージュ波形LFQ1{Qs1(k,j),Qc1(k,j)}と、初期位相を補正した後のQバースト復調信号Q2(k,j)に対応するリサージュ波形LFQ2{Qs2(k,j),Qc2(k,j)}とを示している。リサージュ波形LFQ1の1周分は、2サーボトラック分の半径領域における複数の位置にそれぞれ対応する複数のQバースト復調信号Q1(k,j)に相当する。例えば、リサージュ波形LFQ1の1周分は、図3に示したトラックTRn及びTRn+1文の半径領域における複数の位置にそれぞれ対応する複数のQバースト復調信号Q1(k,j)に相当する。図9に示した例では、リサージュ波形LFQ1は、楕円形状である。リサージュ波形LFQ1は、原点Onの周囲で傾いている。言い換えると、リサージュ波形LFQ1の短軸は、図9の横軸に対して非平行であり、リサージュ波形LFQ1の長軸は、図9の縦軸に対して非平行である。リサージュ波形LFQ2の1周分は、2サーボトラック分の半径領域における複数の位置に対応するQバースト復調信号Q2(k,j)に関連する情報に相当する。例えば、リサージュ波形LFQ2の1周分は、図3に示したトラックTRn及びTRn+1文の半径領域における複数の位置に対応するQバースト復調信号Q2(k,j)に相当する。リサージュ波形LFQ2は、楕円形状である。リサージュ波形LFQ2は、原点Oqの周囲で傾いている。言い換えると、リサージュ波形LFQ2の短軸は、図9の横軸に平行であり、リサージュ波形LFQ2の長軸は、図9の縦軸に平行である。Qsin成分Qs1(k,j)は、リサージュ波形LFQ1に対応するQsin成分Qsであり、Qcоs成分Qc1(k,j)は、リサージュ波形LFQ1に対応するQcоs成分Qcである。Qsin成分Qs2(k,j)は、リサージュ波形LFQ2に対応するQsin成分Qsであり、Qcоs成分Qc2(k,j)は、リサージュ波形LFQ2に対応するQcоs成分Qcである。
図9に示した例では、RRO学習部620は、Qsin成分Qs1(k,j)及びQcоs成分Qc1(k,j)に基づいて取得したリサージュ波形LFQ1をリサージュ波形LFQ2に補正し、リサージュ波形LFQ2に対応するQsin成分Qs2(k,j)及びQcоs成分Qc2(k,j)を算出する。RRO学習部620は、Qsin成分Qs1(k,j)、Qcоs成分Qc1(k,j)、Qsin成分Qs2(k,j)、及びQcоs成分Qc2(k,j)に基づいて、Qバースト復調信号Q1をQバースト復調信号Q2に補正するための初期位相補正値を算出する。
例えば、RRO学習部620は、以下の式により第1Nバースト復調信号N1の振幅Namp及び位相Nphsを算出する。
Qamp=sqrt(Qs1(k,j)^2+Qc1(k,j)^2) (5)
Qphs=arctan(Qs1(k,j)/Qc1(k,j)) (6)
RRO学習部620は、式(5)及び式(6)により半径領域における複数の位置にそれぞれ対応する複数のQバースト復調信号Q1の複数の振幅Qamp及び複数の位相Qphsを算出し、算出した複数の振幅Qampの内の最大振幅に対応する複数の位相Qphsの内の位相CQphsを初期位相補正値として算出する。RRO学習620は、以下の式により初期位相補正値CQphsを算出する。
CQphs=Qphs{MAX(Qamp)} (7)
RRO学習部620は、初期位相補正値CQphsに基づいてリサージュ波形LFQ1をリサージュ波形LFQ2に補正し、リサージュ波形LFQ2に対応するQsin成分Qs2(k,j)及びQcоs成分Qc2(k,j)を算出する。また、RRO学習部620は、初期位相補正値CQphsに基づいて以下の式(8)によりQバースト復調信号Q1をQバースト復調信号Q2に補正する。
Q2=Qc1(k,j)×sin(CQphs)+Qs1(k,j)×cоs(CQphs) (8)
なお、RRO学習部620は、半径位置毎に複数の円周位置にそれぞれ対応する複数の振幅Qampの内の最大振幅に対応する複数の位相Qphsの内の所定の位相を算出してもよい。RRO学習部620は、半径位置毎に算出した複数の所定の位相を平均化した位相を初期位相補正値CQphsとして取得してもよい。初期位相補正値CQphsは、初期位相補正値CNphsと同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、RRO学習部620は、サーボセクタからリードしたサーボデータを復調し、ファームウェア等で復調した復調信号の初期位相を補正してもよい。この場合、RRO学習部620は、初期位相補正値を算出せずに、初期位相を補正した復調信号、例えば、Nバースト復調信号及びQバースト復調信号を所定の記憶領域、例えば、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、バッファメモリ90、又はディスク10等に記録してもよい。
(オフセット補正値の調整方法)
RRO学習部620は、復調信号に対応するオフセット補正値を算出(調整)し、算出(調整)したオフセット補正値に基づいてこの復調信号に対応する復調信号オフセットを補正する。RRO学習部620は、調整したオフセット補正値に基づいて復調信号オフセットを補正することでリニアリティ誤差を補正する。例えば、RRO学習部620は、初期位相を補正したNバースト復調信号及びQバースト復調信号にそれぞれ対応する複数のオフセット補正値を算出し、算出した複数のオフセット補正値に基づいてNバースト復調信号及びQバースト復調信号に対応する復調信号オフセットを補正する。
RRO学習部620は、例えば、以下の式により半径領域における複数の位置にそれぞれ対応する複数のNバースト復調信号N2(k,j)の平均値をオフセット補正値CNOfとして算出する。
CNOf=ΣN2(k,j)/TN2 (9)
ここで、TN2は、Nバースト復調信号N2(k,j)の総数である。
RRO学習部620は、オフセット補正値CNOfに基づいて、以下の式によりNバースト復調信号N2をNバースト復調信号N3に補正する。
N3=N2-CNOf (10)
RRO学習部620は、以下の式により半径領域における複数の位置にそれぞれ対応する複数のQバースト復調信号Q2(k,j)の平均値をオフセット補正値CQOfとして算出する。
CQOf=ΣQ2(k,j)/TQ2 (11)
ここで、TQ2は、Qバースト復調信号Q2(k,j)の総数である。
RRO学習部620は、オフセット補正値CQOfに基づいて、以下の式によりQバースト復調信号Q2をNバースト復調信号Q3に補正する。
Q3=Q2-CQOf (12)
なお、オフセット補正CQOfは、オフセット補正値CNOfと同じであってもよいし、異なっていてもよい。オフセット補正値CNOf、OQOfが0になる場合には、RRO学習部620は、復調信号オフセットを補正しなくともよい。また、RRO学習部620は、初期位相及び復調信号オフセットをこれらの順番で補正した復調信号に対応するサーボデータをリードした際のヘッド15(アーム13)の速度に対応するこの復調信号の波形等のずれ(以下、速度ずれと称する)を補正するための補正値(以下、速度補正値と称する)を算出し、算出した速度補正値に基づいてこの復調信号の速度ずれを補正してもよい。この場合、RRO学習部620は、速度ずれを補正することによりリニアリティ誤差を補正する。速度ずれは、例えば、復調信号に対応する円形状のリサージュ波形に対するリサージュ波形の変形量に対応する。
(回転補正値の調整方法)
RRO学習部620は、復調信号に対応する回転補正値を算出(調整)し、算出(調整)した回転補正値に基づいてこの復調信号に対応する回転ずれを補正する。RRO学習部620は、調整した回転補正値に基づいて回転ずれを補正することによりリニアリティ誤差を補正する。例えば、RRO学習部620は、位相毎に復調信号を複数のデータ(以下、区分データと称する場合もある)に区分し、各区分データに基づいて各区分データに対応する各回転補正値を算出し、算出した各回転補正値に基づいてこの復調信号に対応する回転ずれを補正する。一例では、RRO学習部620は、Nバースト復調信号に対応する軸とQバースト復調信号に対応する軸とが原点で直交する座標空間(以下、単に座標空間と称する場合もある)を原点周りで所定の位相(又は、角度)毎に複数の領域(以下、区分領域と称する場合もある)に区分する。RRO学習部620は、初期位相及び復調信号オフセットをこれらの順番で補正したNバースト復調信号及びQバースト復調信号に対応する各区分領域の各区分データの数(以下、区分データ数と称する場合もある)に基づいて各区分データ(又は、区分領域)に対応する各回転補正値を算出し、算出した各回転補正値に基づいてNバースト復調信号及びQバースト復調信号に対応する回転ずれを補正する。なお、RRO学習部620は、初期位相、復調信号オフセット、及び速度ずれをこれらの順番で補正したNバースト復調信号及びQバースト復調信号に対応する回転補正値を算出し、算出した回転補正値に基づいてNバースト復調信号及びQバースト復調信号に対応する回転ずれを補正してもよい。
図10は、区分された座標空間におけるリサージュ波形LFR1、LFR2の一例を示す図である。図10において、横軸は、Nバースト復調信号を示し、縦軸は、Qバースト復調信号を示している。図10の横軸において、Nバースト復調信号は、原点Oより正の矢印の方向に進むに従って正の値の方向へ大きくなり、原点Oよりも負の矢印の方向に進むに従って負の値の方向へ小さくなる。図10には、横軸に平行で、且つ原点Oを通る水平軸HAと、縦軸に平行で、且つ原点Oを通る垂直軸VAとを示している。水平軸HA及び垂直軸VAは、互いに原点Oで交差し、例えば、直交している。水平軸HAは、原点Oから正の値側の直線HAPと、原点Oから負の値側の直線HAMとを有している。垂直軸VAは、原点Oから正の値側の直線VAPと、原点Oから負の値側の直線VAMとを有している。図10において、縦軸において直線HAPよりも正の値側、且つ横軸において直線VAPよりも正の値側の領域を第1象限QD1と称する。縦軸において直線HAMよりも正の値側、且つ横軸において直線VAPよりも負の値側の領域を第2象限QD2と称する。縦軸において直線HAMよりも負の値側、且つ横軸において直線VAMよりも負の値側の領域を第3象限QD3と称する。縦軸において直線HAPよりも負の値側、且つ横軸において直線VAMよりも正の値側の領域を第4象限QD4と称する。図10には、原点Oを通り、第1象限QD1から第3象限QD3に延出している斜線DA1と、原点Oを通り、第4象限QD4から第2象限QD2に延出している斜線DA2とを示している。斜線DA1及びDA2は、互いに原点Oで交差している。一例では、斜線DA1及びDA2は、直交している。なお、斜線DA1及びDA2は、直交していなくてもよい。斜線DA1は、原点Oから第1象限QD1側の直線DA1Pと、原点Oから第3象限QD3側の直線DA1Mとを有している。斜線DA2は、原点Oから第4象限QD4側の直線DA2Pと、原点Oから第2象限QD2側の直線DA2Mとを有している。
図10において、直線HAPから直線DA1Pまでの領域を第1領域RG1と称し、直線DA1Pから直線VAPまでの領域を第2領域RG2と称し、直線VAPから直線DA2Mまでの領域を第3領域RG3と称し、直線DA2Mから直線HAMまでの領域を第4領域RG4と称し、直線HAMから直線DA1Mまでの領域を第5領域RG5と称し、直線DA1Mから直線VAMまでの領域を第6領域RG6と称し、直線VAMから直線DA2Pまでの領域を第7領域RG7と称し、直線DA2Pから直線HAPまでの領域を第8領域RG8と称する。図10に示した例では、第1領域RG1乃至第8領域8は、Nバースト復調信号に対応する軸(水平軸HA)とQバースト復調信号に対応する軸(垂直軸VA)とが原点Oで直交する座標空間COSを原点Oの周りで均等な角度(又は位相)で区分して形成されている。なお、第1領域RG1乃至第8領域RG8は、座標空間COSを原点Oの周りで異なる角度(又は位相)で区分して形成されていてもよい。第1領域RG1乃至第8領域RG8のように座標空間COSを区分して形成された領域を区分領域と称する場合もある。図10には、直線HAPと直線DA1Pとの間の角度θ1と、直線DA1Pと直線VAPとの間の角度θ2と、直線VAPと直線DA2Mとの間の角度θ3と、直線DA2Mと直線HAMとの間の角度θ4と、直線HAMと直線DA1Mとの角度θ5と、直線DA1Mと直線VAMとの間の角度θ6と、直線VAMと直線DA2Pとの間に角度θ7と、直線DA2Pと直線HAPとの間に角度θ8を示している。図10に示した例では、角度θ1乃至θ8は、同じである。例えば、0°≦θ1<45°、45°≦θ2<90°、90°≦θ3<135°、135°≦θ4<180°、180°≦θ5<225°、225°≦θ6<270°、270°≦θ7<315°、315°≦θ8<360°である。なお、角度θ1乃至θ8は、それぞれ、異なっていてもよい。図10には、水平軸HAに対して非対称、且つ垂直軸VAに対して非対称であるリサージュ波形LFR1と、水平軸HAに対して対称、且つ垂直軸VAに対して対称であるリサージュ波形LFR2とを示している。リサージュ波形LFR1及びLFR2の1周分は、それぞれ、2サーボトラック分の半径領域における複数の位置にそれぞれ対応する複数のNバースト復調信号及び複数のQバースト復調信号に相当する。例えば、リサージュ波形LFR1及びLFR2の1周分は、図3に示したトラックTRn及びTRn+1分の半径領域における複数の位置でそれぞれリードされた複数のNバースト復調信号及び複数のQバースト復調信号に相当する。図10において、リサージュ波形LFR1を形成する複数の点は、それぞれ、半径領域における複数の位置にそれぞれ対応する複数のNバースト復調信号及び複数のQバースト復調信号に相当する。図10において、リサージュ波形LFR2を形成する複数の点は、それぞれ、半径領域における複数の位置にそれぞれ対応する複数のNバースト復調信号及び複数のQバースト復調信号に相当する。リサージュ波形LFR1は、リサージュ波形LFR2に対して原点O周りで回転方向に角度Azmでずれている。角度Azmは、回転補正値に相当する。図10に示したリサージュ波形LFR1において、Nバースト復調信号及びQバースト復調信号に対応するデータ数は、第1領域RG1乃至第8領域RG8で異なっている。図10に示したリサージュ波形LFR2において、Nバースト復調信号及びQバースト復調信号に対応するデータ数は、第1領域RG1乃至第8領域RG8でほぼ均等に分布している。
図10に示した例では、RRO学習部620は、座標空間COSを原点Oの周りで第1領域RG1乃至第8領域RG8に区分している。例えば、RRO学習部620は、Nバースト復調信号及びQバースト復調信号に基づいて座標空間COSを原点Oの周りで第1領域RG1乃至第8領域RG8に区分している。RRO学習部620は、Nバースト復調信号(NF)≧0、Qバースト復調信号(QF)≧0、且つNFの絶対値≧QFの絶対値である領域を第1領域RG1とし、NF≧0、QF≧0、且つNFの絶対値<QFの絶対値である領域を第2領域RG2とし、NF<0、QF≧0、且つNFの絶対値<QFの絶対値である領域を第3領域RG3とし、NF<0、QF≧0、且つNFの絶対値≧QFの絶対値である領域を第4領域RG4とする。また、RRO学習部620は、NF<0、QF<0、且つNFの絶対値≧QFの絶対値である領域を第5領域RG5とし、NF<0、QF>0、且つNFの絶対値<QFの絶対値である領域を第6領域RG6とし、NF≧0、QF<0、且つNFの絶対値<QFの絶対値である領域を第7領域RG7とし、NF≧0、QF<0、且つNFの絶対値≧QFの復調信号の絶対値である領域を第8領域RG8とする。なお、RRO学習部620は、座標空間COSを8以外の数の領域に区分してもよい。
一例では、RRO学習部620は、第1領域RG1乃至第8領域RG8においてNバースト復調信号及びQバースト復調信号に対応するデータ数がほぼ同等になるように原点O周りに回転した角度(又は、回転量)を回転補正値Azmとして算出する。他の例では、RRO学習部620は、第1領域RG1、第3領域RG3、第5領域RG5、及び第7領域RG7のデータ数の総数と、第2領域RG2、第4領域RG4、第6領域RG6、及び第8領域RG8のデータ数の総数との差分値が0となるように原点O周りに回転した角度を回転補正値Azmとして算出する。他の例では、RRO学習部620は、第1領域RG1乃至第8領域RG8におけるデータ数の標準偏差が最小となるように原点O周りに回転した角度を回転補正値Azmとして算出する。
RRO学習部620は、回転補正値Azm、Nバースト復調信号N3、及びQバースト復調信号Q3に基づいて、以下の式によりNバースト復調信号N3をNバースト復調信号N4に補正する。
N4=N3×cоs(Azm)−Q3×sin(Azm) (13)
RRO学習部620は、回転補正値Azm、Nバースト復調信号N3、及びQバースト復調信号Q3に基づいて、以下の式によりQバースト復調信号Q3をQバースト復調信号Q4に補正する。
Q4=N3×cоs(Azm)+Q3×sin(Azm) (14)
図11は、区分領域に対するデータ数の変化一例を示す図である。図11は、図10に示した例に対応している。図11において、横軸は、区分領域を示し、縦軸は、データ数を示している。図11の横軸には、図10の第1領域RG1乃至第8領域RG8を示している。図11の縦軸において、データ数は、大の矢印の方向に進むに従って大きくなり、小の矢印の方向に進むに従って小さくなる。図11には、リサージュ波形LFR1に対応する区分領域に対するデータ数の変化(以下、データ数の変化と称する場合もある)NSNと、リサージュ波形LFR2に対応するデータ数の変化NSCとを示している。
RRO学習部620は、回転補正値Azmに基づいてリサージュ波形LFR1をリサージュ波形LFR2に補正することで、第1領域RG1乃至第8領域RG8におけるデータ数の変化をデータ数の変化NSNに示すように不均一な状態からデータ数の変化NSCに示すようにほぼ均一な状態に第1領域RG1乃至第8領域RG8におけるデータ数の変化を補正することができる。このように、回転補正値Azmに基づいて回転ずれを補正することで、リニアリティ誤差を改善できる。
(ガンマ補正値の調整方法)
RRO学習部620は、復調信号に対応するガンマ(γ)補正値を算出(調整)し、算出したガンマ補正値(以下、補正ガンマと称する)に基づいて復調位置を算出する。RRO学習部620は、調整したガンマ補正値に基づいて復調位置を算出することでリニアリティ誤差を補正する。RRO学習部620は、リニアリティ誤差が小さくなるように(線形なサーボ復調位置となるように)ガンマ補正を実行する。例えば、RRO学習部620は、復調信号を位相毎に複数の区分領域に区分し、各区分領域に区分されたデータに基づいて各区分領域に対応するガンマ補正値を算出し、算出した各ガンマ補正値に基づいて各区分領域の復調位置を算出する。RRO学習部620は、各区分領域に対応するガンマ補正値に基づいて復調位置を算出することにより、各区分領域に対応するリニアリティ誤差を補正する。一例では、RRO学習部620は、座標空間を原点周りで所定の位相(又は、角度)毎に複数の区分領域、例えば、図10に示した第1領域RG1乃至第8領域に区分する。RRO学習部620は、初期位相、復調信号オフセット、及び回転ずれをこれらの順番で補正したNバースト復調信号及びQバースト復調信号に対応する各区分領域の区分データに基づいて区分領域毎にガンマ補正値を算出し、算出した各ガンマ補正値に基づいて各区分データ(又は、区分領域)に対応する各復調位置を算出する。なお、RRO学習部620は、初期位相、復調信号オフセット、速度ずれ、及び回転ずれをこれらの順番で補正したNバースト復調信号及びQバースト復調信号に対応するガンマを算出し、補正ガンマに基づいて復調位置を算出してもよい。
RRO学習部620は、例えば、以下の式により複数のNバースト復調信号N4及び複数のQバースト復調信号Q4に対応する復調位置d1を算出する。
abs(N4)≧abs(Q4)の場合、
d1=(1−γc)×(Q4/N4)+γc×(Q4/N4)^2 (15)
abs(N4)<abs(Q4)の場合、
d1=(1−γc)×(N4/Q4)+γc×(N4/Q4)^2 (16)
ここで、abs(N4)は、Nバースト復調信号N4の絶対値であり、abs(Q4)は、Qバースト復調信号Q4の絶対値であり、γcは、ガンマ補正値である。
RRO学習部620は、式(15)及び式(16)とγc=0とにより複数のNバースト復調信号及び複数のQバースト復調信号に対応する複数の復調位置d0を算出する。RRO学習部620は、複数の復調位置d0に基づいて複数のNバースト復調信号N4及び複数のQバースト復調信号Q4に対応する複数の復調位置d1に小さい値から大きい値まで順(昇順に)に順番を設定する。RRO学習部620は、昇順に順番を設定した複数の復調位置d1を複数の区分領域、例えば、図10に示した第1領域RG1乃至第8領域RG8に分類する。図10に示した例では、第1領域RG1におけるサーボオフセット量の範囲は、0.0〜0.25(サーボトラック)であり、第2領域RG2におけるサーボオフセット量の範囲は、0.25〜0.5(サーボトラック)であり、第3領域RG3におけるサーボオフセット量の範囲は、0.5〜0.75(サーボトラック)であり、第4領域RG4におけるサーボオフセット量の範囲は、0.75〜1.0(サーボトラック)であり、第5領域RG5におけるサーボオフセット量の範囲は、1.0〜1.25(サーボトラック)であり、第6領域RG6におけるサーボオフセット量の範囲は、1.25〜1.5(サーボトラック)であり、第7領域RG7におけるサーボオフセット量の範囲は、1.5〜1.75(サーボトラック)であり、第8領域RG8におけるサーボオフセット量の範囲は、1.75〜2.0(サーボトラック)である。
第1領域RG1乃至第8領域RG8のデータ数の総数(以下、全データ数と称する)がLenである場合、基準となるものさし(以下、基準ものさしと称する)Xの目盛り幅は、2サーボトラック/Lenである。全データ数Lenは、例えば、サーボトラック数×各トラックにおけるサーボオフセットをリードした数(以下、測定オフセット数と称する場合もある)である。基準ものさしXは、以下の式で表される。なお、基準ものさしは、目標ものさしであってもよい。
X=0、2/Len、2×2/Len、3×2/Len、…、(Len−1)×2/Len (17)
RRO学習部620は、式(17)で示される基準ものさしXと復調位置d1との誤差(以下、評価値と称する場合もある)の標準偏差σの最小値をガンマ補正値γcとして算出する。言い換えると、RRO学習部620は、評価値の最小値をガンマ補正値γcとして算出する。例えば、評価値は、前述したものさし誤差に対応する。RRO学習部620は、算出したガンマ補正値γcに基づいて復調位置を算出し、リニアリティを補正する。RRO学習部620は、例えば、区分領域毎にガンマ補正値を算出し、区分領域毎に算出したガンマ補正値γcに基づいて各区分領域に対応する復調位置を算出し、リニアリティを補正する。なお、RRO学習部620は、評価値に基づいてリニアリティ誤差を評価することもできる。例えば、RRO学習部620は、評価値が大きい場合、リニアリティ誤差も大きいと評価し、評価値が小さい場合、リニアリティ誤差も小さいと評価する。また、RRO学習部620は、ガンマを調整することによりリニアリティ誤差が十分に小さくなる場合、後述するテーブル補正をしなくともよい。
図12は、基準ものさしに対する評価値の変化の一例を示す図である。図12において、横軸は、基準ものさし[サーボトラック]を示し、縦軸は、評価値[サーボトラック]を示している。図12の横軸において、基準ものさしは、大の矢印の方向に進むに従って大きくなり、小の矢印の方向に進むに従って小さくなる。図12の縦軸において、評価値は、原点0よりも正の矢印の方向に進むに従って正の値の方向に大きくなり、原点0よりも負の矢印の方向に進むに従って負の値の方向へ小さくなる。図12には、ガンマ補正していない場合の基準ものさしに対する評価値の変化EGNと、ガンマ補正した場合の基準ものさしに対する評価値の変化EGCとを示している。
RRO学習部620は、ガンマ補正値γcに基づいてガンマ補正することで、基準ものさしに対する評価値の変化EGNで示すように大きい状態から基準ものさしに対する評価値の変化EGCで示すようにほぼ0の状態に基準ものさしに対する評価値の変化を補正することができる。このように、ガンマ補正値γcに基づいてガンマ補正することで、リニアリティ誤差を改善できる。
図13は、ガンマに対する評価値の標準偏差σの変化の一例を示す図である。図13において、横軸は、ガンマを示し、縦軸は、評価値の標準偏差σを示している。図13の横軸において、ガンマは、原点0よりも正の矢印の方向に進むに従って正の値の方向に大きくなり、原点0よりも負の矢印の方向に進むに従って負の値の方向へ小さくなる。図13の縦軸において、評価値の標準偏差σは、大の矢印の方向に進むに従って大きくなり、小の矢印の方向に進むに従って小さくなる。図13には、ガンマに対する標準偏差の変化SDLと、ガンマに対する評価値の標準偏差σの変化SDLの最小値MPとを示している。
RRO学習部620は、ガンマに対する評価値の標準偏差σの変化SDLを算出し、算出したガンマに対する評価値の標準偏差σの変化SDLの最小値MPをガンマ補正値γcとして算出する。
図14は、対称性の良いリサージュ波形LFG及び対称性の悪いリサージュ波形LFBの一例を示す図である。図14において、横軸は、Nバースト復調信号を示し、縦軸は、Qバースト復調信号を示している。図14の横軸において、Nバースト復調信号は、原点Oよりも正の矢印の方向に進むに従って正の値の方向へ大きくなり、原点Oよりも負の矢印の方向に進むに従って負の値の方向へ小さくなる。図14には、対称性の良いリサージュ波形LFGと、対称性の悪いリサージュ波形LFBとを示している。図14に示した例では、リサージュ波形LFGは、水平軸HAに対して対称、且つ垂直軸VAに対して対称である。リサージュ波形LFBは、水平軸HAに対して非対称、且つ垂直軸VAに対して非対称である。
図14に示した例では、RRO学習部620は、区分領域毎にリサージュ波形LFGの各区分領域に対応する各ガンマ補正値γcを算出し、区分領域毎に算出した各ガンマ補正値γcに基づいてリサージュ波形LFGの各区分領域(領域RG1乃至RG8)に対応するガンマ補正を実施する。RRO学習部620は、区分領域毎にリサージュ波形LFBの各区分領域に対応する各ガンマ補正値γcを算出し、区分領域毎に算出した各ガンマ補正値γcに基づいてリサージュ波形LFBの各区分領域(領域RG1乃至RG8)に対応するガンマ補正を実施する。
図15は、区分領域に対するガンマ補正値の変化の一例を示す図である。図15において、横軸は、区分領域を示し、縦軸は、ガンマ補正値を示している。図15の横軸には、図10の第1領域RG1乃至第8領域RG8を示している。図15の縦軸において、ガンマ補正値は、大の矢印の方向に進むに従って大きくなり、小の矢印の方向に進むに従って小さくなる。図15には、図14の対称性が良いリサージュ波形LFGの区分領域に対するガンマ補正値の変化GL0と、図14の対称性が悪いリサージュ波形LFBの区分領域毎にガンマ補正値を補正した場合の区分領域に対するガンマ補正値の変化GL1と、図14の対称性が悪いリサージュ波形LFBの全区分領域でガンマ補正値を同じガンマ補正値に設定した場合の区分領域に対するガンマ補正値の変化GL2と、を示している。
図15に示した例では、RRO学習部620は、例えば、図14に示したリサージュ波形LFGである場合、区分領域に対するガンマの変化GL0で示すように区分領域毎のガンマを算出する。なお、RRO学習部620は、リサージュ波形LFGの各区分領域の各区分データに基づいて各区分データに対応するガンマ補正値を算出し、図15の区分領域に対するガンマの変化GL0で示すように各ガンマ補正値に基づいてリサージュ波形LFGの各区分領域に対応するガンマ補正を実施してもよい。
RRO学習部620は、例えば、図14に示したリサージュ波形LFBである場合、図14のリサージュ波形LFBの各区分領域の区分データに基づいて区分領域毎にガンマ補正値を算出し、図15の区分領域に対応するガンマの変化GL1で示すように各ガンマ補正値に基づいてリサージュ波形LFBの各区分領域に対応するガンマ補正を実施する。
RRO学習部620は、例えば、図14に示したリサージュ波形LFBである場合、図14のリサージュ波形LFBの全区分領域の区分データに基づいて全区分領域に対応するガンマ補正値を算出し、図15の区分領域に対応するガンマの変化GL2で示すように全区分領域に対応するガンマ補正値に基づいてリサージュ波形LFBの各区分領域に対応するガンマ補正を実施する。
図16は、サーボトラックに対するリニアリティ誤差の変化の一例を示す図である。図16において、横軸は、サーボトラックを示し、縦軸は、リニアリティ誤差[1/サーボトラックピッチ]を示している。ここで、1サーボトラックピッチは、隣接する2つのトラックのトラックセンタの半径方向の距離に相当する。図16には、図15の区分領域毎のガンマの変化GL0に対応するサーボトラックに対するリニアリティ誤差の変化GLL0と、図15の区分領域毎のガンマの変化GL1に対応するサーボトラックに対するリニアリティ誤差の変化GLL1と、図15の区分領域毎のガンマ変化GL2に対応するサーボトラックに対するリニアリティ誤差の変化GLL2とを示している。サーボトラックに対するリニアリティ誤差の変化GLL0は、図14の対称性が良いリサージュ波形LFGに対応する区分領域に対するガンマに対応している。サーボトラックに対するリニアリティ誤差の変化GLL1は、図14の対称性が悪いリサージュ波形LFBに対応するガンマを区分領域毎に算出したガンマ補正値で補正した場合の区分領域毎のガンマに対応している。サーボトラックに対するリニアリティ誤差の変化GLL2は、図14の対称性が悪いリサージュ波形LFBに対応するガンマを全区分領域で同じガンマ補正値で補正した場合の区分領域毎のガンマに対応している。
図16に示した例では、サーボトラックに対するリニアリティ誤差の変化GLL2は、対称性が良いリサージュ波形LFGに対応するサーボトラックに対するリニアリティ誤差の変化GLL0と比較して大きくなっている。また、サーボトラックに対するリニアリティ誤差の変化GLL1は、サーボトラックに対するリニアリティ誤差の変化GLL0に近似している。つまり、対称性の悪いリサージュ波形LFBに対応するガンマを全区分領域で同じガンマ補正値で補正した場合と比較して、対称性の悪いリサージュ波形LFBに対応するガンマを区分領域毎に算出したガンマ補正値で補正した場合、サーボトラックに対するリニアリティ誤差の変化は、小さくなる。
(テーブル補正値の調整方法)
RRO学習部620は、ガンマ補正値に基づいて算出した復調位置と基準ものさしとの差分値に対応するテーブル補正値を算出(調整)し、算出(調整)したテーブル補正値に基づいて復調位置を補正する。RRO学習部620は、調整したテーブル補正値に基づいて復調位置を補正することでリニアリティ誤差を補正する。
RRO学習部620は、例えば、以下の式により、基準ものさしXとガンマ補正値に基づいて算出した復調位置d1との差分値をテーブル補正値CTBとして算出する。
CTB(k)=X(k)―d1(k) (18)
例えば、2サーボトラックを128分割した場合、kは、0、1、2、3、4、…、127となり、2サーボトラックにおけるサーボオフセット量は、k×2/128で示される。なお、式(18)により算出したテーブル補正値は、サーボデータをリードした半径位置におけるトラックピッチムラに対応する成分(以下、トラックピッチムラ成分と称する)を含む可能性がある。この場合、RRO学習部620は、トラックピッチムラ成分のような不要な成分を除去してテーブル補正値を算出してもよい。
図17は、リニア学習位置及びリニアリティ誤差に対応する位置決め誤差の分布の一例を示す図である。図17において、横軸は、トラックTRkのトラックセンタRCGに対する半径位置を示し、縦軸は、トラックTRkにおいてリニアRRO補正処理により取得したRRO補正量に基づいてヘッド15をトラックTRkの所定の半径位置に位置決めした場合のサーボ位置決め誤差(Repeatable Position Error : RPE)を示している。横軸において、ヘッド15は、外方向の矢印に向かって進むに従ってディスク10の外周側に位置し、内方向の矢印に向かって進むに従ってディスク10の内周側に位置する。縦軸において、大の矢印に向かって進むに従って位置決め誤差が大きくなり、小の矢印に向かって進むに従って位置決め誤差が小さくなる。図17には、トラックTRkのトラックセンタRCGと、トラックセンタRCGより外方向のリニア学習位置px11と、トラックセンタRCGより内方向のリニア学習位置px21と、トラックセンタRCGより外方向、且つリニア学習位置px11よりも内方向のリニア学習位置px12と、トラックセンタRCGより内方向、且つリニア学習位置px21よりも外方向のリニア学習位置px22とを示している。図7には、位置決め誤差の分布D1と、位置決め誤差の分布D2、及び位置決め誤差の分布D3を示している。
図17に示した例では、位置決め誤差の分布D1は、リニアリティ誤差が小さい場合にリニア学習位置px11及びpx21のそれぞれで学習した2つのRRO補正量を用いてリニアRRO補正処理により取得したトラックTRkの各半径位置に対応する各RRO補正量に基づいてヘッド15をトラックTRkの各半径位置に位置決めした場合の位置決め誤差の変化を示している。位置決め誤差の分布D1において、各丸い点は、トラックTRkにおいてヘッド15を各半径位置に位置決めして測定した各位置決め誤差の測定値を示している。図17において、位置決め誤差の分布D2は、リニアリティ誤差が大きい場合にリニア学習位置px11及びpx21のそれぞれで学習した2つのRRO補正量を用いてリニアRRO補正処理により取得したトラックTRkの各半径位置に対応する各RRO補正量に基づいてヘッド15をトラックTRkの各半径位置に位置決めした場合の位置決め誤差の変化を示している。位置決め誤差の分布D2において、各交差している点は、トラックTRkにおいてヘッド15を各半径位置に位置決めして測定した各位置決め誤差の測定値を示している。図17において、位置決め誤差の分布D3は、リニアリティ誤差が大きい場合にリニア学習位置px12及びpx22のそれぞれで学習した2つのRRO補正量を用いてリニアRRO補正処理により取得したトラックTRkの各半径位置に対応するRRO補正量に基づいてヘッド15をトラックTRkの各半径位置に位置決めした場合の位置決め誤差の変化を示している。位置決め誤差の分布D3において、各四角い点は、トラックTRkにおいてヘッド15を各半径位置に位置決めして測定した各位置決め誤差の測定値を示している。
図17に示した例では、リニアリティ誤差が大きい場合、リニア学習位置px11及びpx21よりもリニア学習位置px12及びpx22の方が、トラックセンタ近傍の位置決め誤差が小さくなっている。言い換えると、リニアリティ誤差が大きい場合、2つのリニア学習位置の間隔(以下、リニア学習位置間隔と称する)が小さい方が、位置決め誤差が小さくなる。つまり、リニアリティ誤差が大きい場合、RROの変動の周期が短く、RROの変動が大きい。図17に示すように、リニアリティ誤差は、RRO(RRO補正量)に対応している。例えば、リニアRRO補正処理を実行する場合、RRO学習部620は、リニアリティ誤差が大きくなるに従ってリニア学習位置間隔を小さくする。言い換えると、リニアRRO補正処理を実行する場合、RRO学習部620は、リニアリティ誤差が小さくなるに従ってリニア学習位置間隔を大きくする。また、例えば、リニアRRO補正処理を実行する場合、RRO学習部620は、リニアリティ誤差が0であればリニア学習位置間隔が最大となり得る。
RRO記録部630は、ヘッド15を所定の半径位置に位置決めして、RRO学習により取得したRRO補正データを所定のサーボ領域SVにライトする。RRO記録部630は、少なくとも1つのRRO補正データを各サーボ領域SVにライトする。RRO記録部630は、RRO補正データのリード可能な半径方向の幅(以下、再生幅と称する)を調整することができる。RRO記録部630は、例えば、RRO補正データの配置間隔、及びライト条件(例えば、ライト電流やライト浮上)等により再生幅を増減できる。また、再生幅は、ライトヘッド15Wの幅、及びリードヘッド15Rの幅等の設計的な条件でも増減する。RRO記録部630は、RRO補正データの再生幅の中心位置(以下、単に、RRO補正データと称する)が各トラックでデータをライトすることが許可されているトラックセンタから半径方向に設定された所定の範囲(以下、許可範囲と称する)内に配置されるように、RRO補正データをライトする。
位置補正部640は、所定のトラックの円周方向の所定の領域(以下、円周領域と称する)に対応するRRO補正データ(RRO bit)をリードし、リードしたRRO補正データから取得したRRO補正量、このRRO補正データを学習した学習位置や、このRRO補正データに対応する円周領域のトラックセンタからこのRRO補正データに対応する円周領域におけるヘッド位置までのオフトラック量に基づいて、ヘッド位置をこの円周領域における所定の半径位置、例えば、トラックセンタに近づくように補正する。位置補正部640は、少なくとも2つのリニア学習位置でそれぞれ学習した少なくとも2つのRRO補正量に基づいて、半径領域のRRO補正量の変化を算出し、算出した半径領域のRRO補正量の変化に基づいて、この半径領域におけるヘッド位置を補正するリニアRRO補正処理を実行する。
図18は、本実施形態に係るリニアリティ誤差の補正に使用する補正パラメータの調整方法の一例を示すフローチャートである。
MPU60は、リニアリティ補正パラメータを算出する場合、目標ものさしに対応する半径方向の範囲を含むように、復調経路を設定する(B1801)。例えば、MPU60は、2サーボトラック以上の複数のトラックを横断し、且つディスク10を1周してリード開始位置からリード開始位置と同じリード終了位置までリードする復調経路を設定する。MPU60は、復調経路に沿ってサーボセクタからサーボデータをリードし、リードしたサーボデータを所定の記録領域、例えば、揮発性メモリ70、又はバッファメモリ90などに記録する(B1802)。MPU60は、所定の記録領域に記録したデータに基づいて、復調した復調信号に対応する初期位相補正値を調整し、調整した初期位相補正値に基づいてこの復調信号の初期位相を補正する(B1803)。MPU60は、初期位相を補正した復調信号に対応するオフセット補正値を調整し、調整したオフセット補正値に基づいてこの復調信号に対応する復調信号オフセットを補正する(B1804)。MPU60は、初期位相、及び復調信号オフセットをこの順に補正した復調信号に対応する回転補正値を調整し、調整した回転補正値に基づいてこの復調信号に対応する回転ずれを補正する(B1805)。MPU60は、初期位相、復調信号オフセット、及び回転ずれをこれらの順に補正した復調信号に対応するガンマ補正値を調整し、調整したガンマ補正値に基づいて復調位置を算出する(B1806)。例えば、MPU60は、座標空間を原点周りで所定の位相毎に複数の区分データに区分し、初期位相、復調信号オフセット、及び回転ずれをこれらの順に補正した各区分領域の区分データに基づいて区分領域毎にガンマ補正値を調整し、調整したガンマ補正値に基づいて各区分領域に対応するリニアリティ補正を実行する。MPU60は、リニアリティ誤差が十分小さいか大きいかを判定する(B1807)。言い換えると、MPU60は、調整したガンマ補正値が十分小さいか大きいかを判定する。なお、MPU60は、リニアリティ誤差が所定の閾値よりも小さいと判定した場合にリニアリティ誤差が十分小さいと判定し、リニアリティ誤差がこの閾値以上であると判定した場合にリニアリティ誤差が大きいと判定してもよい。リニアリティ誤差が十分小さいと判定した場合(B1807のYES)、MPU60は、処理を終了する。リニアリティ誤差が大きいと判定した場合(B1807のNO)、MPU60は、補正ガンマに基づいて算出した復調位置と基準ものさしとの差分値に対応するテーブル補正値を調整し(B1808)、調整したテーブル補正値に基づいて復調位置を補正して処理を終了する。
本実施形態によれば、磁気ディスク装置1は、補正パラメータを算出する場合、複数のトラックを横断し、且つディスク10を1周してリード開始位置からリード開始位置と同じリード終了位置までリードする復調経路を設定する。磁気ディスク装置1は、設定した復調経路に沿ってサーボセクタからサーボデータをリードし、リードしたサーボデータを復調した復調信号に対応する初期位相補正値を算出(調整)し、算出(調整)した初期位相補正値に基づいてこの復調信号の初期位相を補正する。磁気ディスク装置1は、初期位相を補正した復調信号に対応するオフセット補正値を算出(調整)し、算出(調整)したオフセット補正値に基づいてこの復調信号に対応する復調信号オフセットを補正する。磁気ディスク装置1は、初期位相、及び復調信号オフセットを補正した復調信号に対応する回転補正値を算出(調整)し、算出(調整)した回転補正値に基づいてこの復調信号に対応する回転ずれを補正する。磁気ディスク装置1は、座標空間を原点周りで所定の角度毎に複数の区分領域に区分し、初期位相、復調信号オフセット、及び回転ずれをこれらの順に補正した復調信号に対応する各区分領域の区分データに基づいて区分領域毎にガンマ補正値を算出(調整)し、算出(調整)した各補正ガンマに基づいて各復調位置を算出する。磁気ディスク装置1は、ガンマ補正により算出した復調位置と基準ものさしとの差分値に対応するテーブル補正値を算出(調整)し、算出(調整)したテーブル補正値に基づいて復調位置を補正する。磁気ディスク装置1は、区分領域毎に算出したガンマ補正値に基づいて区分領域毎にリニアリティ誤差を補正するため、リニアリティ誤差の精度を向上することができる。磁気ディスク装置1は、リニアリティ補正で算出したガンマに基づいてリニア学習位置を設定する。そのため、磁気ディスク装置1は、リニアRRO補正処理の精度を向上することができる。したがって、磁気ディスク装置1は、サーボ位置決め精度を改善することができる。
次に、変形例及び他の実施形態に係る磁気ディスク装置について説明する。変形例及び他の実施形態において、前述の実施形態と同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
(変形例1)
変形例1の磁気ディスク装置1は、区分領域の数が前述した実施形態と異なる。
図19は、区分された座標空間におけるリサージュ波形LFR2の一例を示す図である。図19には、垂直軸VA及び斜線DA1の間で原点Oを通り、第1象限QD1から第3象限QD3に延出している斜線MA1と、斜線DA1及び水平軸HAの間で原点Oを通り、第1象限QD1から第3象限QD3に延出している斜線MA2と、水平軸HA及び斜線DA2の間で原点Oを通り、第4象限QD4から第2象限QD2に延出している斜線MA3と、垂直軸VA及び斜線DA2の間で原点Oを通り、第4象限QD4から第2象限QD2に延出しているMA4とを示している。斜線MA1、MA2、MA3、及びMA4は、互いに原点Oで交差している。一例では、斜線MA1及びMA3は、直交している。また、斜線MA2及びMA4は、直交している。なお、斜線MA1及びMA3は、直交していなくてもよいし、斜線MA2及びMA4は、直交していなくてもよい。斜線MA1は、原点Oから第1象限QD1側の直線MA1Pと、原点Oから第3象限QD3側の直線MA1Mとを有している。斜線MA2は、原点Oから第1象限QD1側の直線MA2Pと、原点Oから第3象限QD3側の直線MA2Mとを有している。斜線MA3は、原点Oから第4象限QD4側の直線MA3Pと、原点Oから第2象限QD2側の直線MA3Mとを有している。斜線MA4は、原点Oから第4象限QD4側の直線MA4Pと、原点Oから第2象限QD2側の直線MA4Mとを有している。
図19において、直線HAPから直線MA2Pまでの領域を第1領域RG1と称し、直線MA2Pから直線DA1Pまでの領域を第2領域RG2と称し、直線DA1Pから直線MA1Pまでの領域を第3領域RG3と称し、直線MA1Pから直線VAPまでの領域を第4領域RG4と称する。直線VAから直線MA4Mまでの領域を第5領域RG5と称し、直線MA4Mから直線DA2Mまでの領域を第6領域RG6と称し、直線DA2Mから直線MA3Mまでの領域を第7領域RG7と称し、直線MA3Mから直線HAMまでの領域を第8領域RG8と称する。直線HAMから直線MA2Mまでの領域を第9領域RG9と称し、直線MA2Mから直線DA1Mまでの領域を第10領域RG10と称し、直線DA1Mから直線MA1Mまでの領域を第11領域RG11と称し、直線MA1Mから直線VAMまでの領域を第12領域RG12と称する。直線VAMから直線MA4Pまでの領域を第13領域RG13と称し、直線MA4Pから直線DA2Pまでの領域を第14領域RG14と称し、直線DA2Pから直線MA3Pまでの領域を第15領域RG15と称し、直線MA3Pから直線HAPまでの領域を第16領域RG16と称する。
図19に示した例では、第1領域RG1乃至第16領域RG16は、Nバースト復調信号に対応する軸(水平軸HA)とQバースト復調信号に対応する軸(垂直軸VA)とが原点Oで直交する座標空間COSを原点Oの周りで均等な角度(位相)で区分して形成されている。なお、第1領域RG1乃至第16領域RG16は、座標空間COSを異なる角度(位相)で区分して形成されていてもよい。図19には、直線HAPと直線MA2Pとの間の角度θ1と、直線MA2Pと直線DA1Pとの間の角度θ2と、直線DA1Pと直線MA1Pとの間の角度θ3と、直線MA1Pと直線VAPとの間の角度θ4と、直線VAPと直線MA4Mとの角度θ5と、直線MA4Mと直線DA2Mとの間の角度θ6と、直線DA2Mと直線MA3Mとの間に角度θ7と、直線MA3Mと直線HAMとの間に角度θ8を示している。また、直線HAMと直線MA2Mとの間の角度θ9と、直線MA2Mと直線DA1Mとの間の角度θ10と、直線DA1Mと直線MA1Mとの間の角度θ11と、直線MA1Mと直線VAMとの間の角度θ12と、直線VAMと直線MA4Pとの角度θ13と、直線MA4Pと直線DA2Pとの間の角度θ14と、直線DA2Pと直線MA3Pとの間に角度θ15と、直線MA3Pと直線HAPとの間に角度θ16を示している。図19に示した例では、角度θ1乃至θ16は、同じである。例えば、0°≦θ1<22.5°、22.5°≦θ2<45°、45°≦θ3<67.5°、67.5°≦θ4<90°、90°≦θ5<112.5°、112.5°≦θ6<135°、135°≦θ7<157.5°、157.5°≦θ8<180°、180°≦θ9<202.5°、202.5°≦θ10<225°、225°≦θ11<247.5°、247.5°≦θ12<270°、270°≦θ13<292.5°、292.5°≦θ14<315°、315°≦θ15<337.5°、337.5°≦θ16<360°である。なお、角度θ1乃至θ16は、それぞれ、異なっていてもよい。
図19に示した例では、RRO学習部620は、座標空間COSを原点Oの周りで第1領域RG1乃至第16領域RG16に区分している。例えば、RRO学習部620は、Nバースト復調信号及びQバースト復調信号に基づいて座標空間COSを原点Oの周りで第1領域RG1乃至第16領域RG16に区分している。RRO学習部620は、Nバースト復調信号(NF)≧0、Qバースト復調信号(QF)≧0、NFの絶対値≧QFの絶対値、且つNS(=NF^2−QF^2)の絶対値≧QS(=2NF×NQ)の絶対値である領域を第1領域RG1とし、NF≧0、QF≧0、NFの絶対値≧QFの絶対値、且つNSの絶対値<QSの絶対値である領域を第2領域RG2とし、NF≧0、QF≧0、NFの絶対値<QFの絶対値、且つNSの絶対値<QSの絶対値である領域を第3領域RG3とし、NF≧0、QF≧0、NFの絶対値<QFの絶対値、且つNSの絶対値≧QSの絶対値である領域を第4領域RG4とする。RRO学習部620は、NF<0、QF≧0、NFの絶対値<QFの絶対値、且つNSの絶対値≧QSの絶対値である領域を第5領域RG5とし、NF<0、QF≧0、NFの絶対値<QFの絶対値、且つNSの絶対値<QSの絶対値である領域を第6領域RG6とし、NF<0、QF≧0、NFの絶対値≧QFの絶対値、且つNSの絶対値<QSの絶対値である領域を第7領域RG7とし、NF<0、QF≧0、NFの絶対値≧QFの絶対値、且つNSの絶対値≧QSの絶対値である領域を第8領域RG8とする。RRO学習部620は、NF<0、QF<0、NFの絶対値≧QFの絶対値、且つNSの絶対値≧QSの絶対値である領域を第9領域RG9とし、NF<0、QF<0、NFの絶対値≧QFの絶対値、且つNSの絶対値<QSの絶対値である領域を第10領域RG10とし、NF<0、QF<0、NFの絶対値<QFの絶対値、且つNSの絶対値<QSの絶対値である領域を第11領域RG11とし、NF<0、QF<0、NFの絶対値<QFの絶対値、且つNSの絶対値≧QSの絶対値である領域を第12領域RG12とする。RRO学習部620は、NF≧0、QF<0、NFの絶対値<QFの絶対値、且つNSの絶対値≧QSの絶対値である領域を第13領域RG13とし、NF≧0、QF<0、NFの絶対値<QFの絶対値、且つNSの絶対値<QSの絶対値である領域を第14領域RG14とし、NF≧0、QF<0、NFの絶対値≧QFの絶対値、且つNSの絶対値<QSの絶対値である領域を第15領域RG15とし、NF≧0、QF<0、NFの絶対値≧QFの絶対値、且つNSの絶対値≧QSの絶対値である領域を第16領域RG16とする。なお、RRO学習部620は、座標空間COSを16以外の数の領域に区分してもよい。
一例では、RRO学習部620は、座標空間を原点周りで所定の角度毎に複数の区分領域、例えば、図10に示した第1領域RG1乃至第16領域RG16に区分する。RRO学習部620は、初期位相、復調信号オフセット、及び回転ずれをこれらの順番で補正したNバースト復調信号及びQバースト復調信号に対応するガンマに基づいてガンマ補正値を区分領域毎に算出し、区分領域毎にリニアリティ補正を実行し、復調位置を算出する。
変形例1によれば、磁気ディスク装置1は、座標空間を原点周りで所定の角度毎に第1領域RG1乃至第16領域RG16に区分する。磁気ディスク装置1は、初期位相、復調信号オフセット、及び回転ずれをこれらの順番で補正したNバースト復調信号及びQバースト復調信号に対応する各区分領域の区分データに基づいて区分領域毎にガンマ補正値を算出し、区分領域毎にリニアリティ補正を実行し、復調位置を算出する。そのため、磁気ディスク装置1は、サーボ位置決め精度を改善することができる。
(第2実施形態)
変形例2の磁気ディスク装置1は、ヘッド15の構成が第1実施形態及び変形例1と異なる。
図20は、第2実施形態に係る磁気ディスク装置1の構成を示すブロック図である。
ヘッド15は、当該スライダに実装されているライトヘッド15Wとリードヘッド15R1、15R2とを備える。リードヘッド15R1は、例えば、ライトヘッド15Wから最も離れた位置に設けられている。リードヘッド15R2は、例えば、ライトヘッド15Wからリードヘッド15R1の次に離れた位置に設けられている。なお、リードヘッドは、3つ以上設けられていてもよい。以下、説明の便宜上、ディスク10のトラックにライトされたデータを単にトラックと称する場合もある。以下、磁気ディスク装置1はリードヘッド15R1を基準としてヘッド15をディスク10の所定の半径位置又は所定のトラックに位置決めするものとして説明する。なお、磁気ディスク装置1は、リードヘッド15R1以外のリードヘッド、例えば、リードヘッド15R2を基準としてヘッド15を位置決めしてもよい。
図21は、リードヘッド15R1が図2に示した基準位置RP0に位置する場合のライトヘッド15Wと2つのリードヘッド15R1、15R2との幾何学的配置の一例を示す図である。以下、リードヘッド15R1の位置を基準としてヘッド15におけるライトヘッド15Wと2つのリードヘッド15R1、15R2との幾何学的配置を説明する。図21には、ライトヘッド15Wの中心部WCと、リードヘッド15R1の中心部RC1と、リードヘッド15R2の中心部RC2とを示している。図21には、リードヘッド15R1の中心部RC1及びリードヘッド15R2の中心部RC2の中間部HRを示している。以下、リードヘッド15R1の中心部RC1とリードヘッド15R2の中心部RC2との間の第2方向Yの距離をダウントラック距離(Down Track Separation:DTS)と称する。
図21に示す例では、リードヘッド15R1が基準位置RP0に位置する場合、ライトヘッド15Wは、リードヘッド15R1に対して外方向にリード/ライト(R/W)オフセットOF0で離間した位置に位置している。以下、R/WオフセットOF0を基準オフセットOF0と称する。また、ライトヘッド15Wの中心部WCは、リードヘッド15R1の中心部RC1に対して円周方向にリード/ライト(R/W)ギャップGP0で離間した位置に位置している。基準オフセットOF0は、製造工程時のばらつき等に起因して発生し得る。なお、基準オフセットOF0は、0(ゼロ)であってもよいし、内方向にオフセットする値でもよい。基準オフセットOF0は、例えば、数百[nm(ナノメートル)]のオーダーである。また、R/WギャップGP0を基準ギャップGP0と称する。基準ギャップGP0は、例えば、数千[nm(ナノメートル)]のオーダーである。
図21に示す例では、リードヘッド15R1の中心部RC1が基準位置RP0に位置する場合、リードヘッド15R2の中心部RC2も、基準位置RP0に位置している。言い換えると、リードヘッド15R1の中心部RC1が基準位置RP0に位置する場合、リードヘッド15R1の中心部RC1及びリードヘッド15R2の中心部RC2は、円周方向に沿って並んでいる。リードヘッド15R1の中心部RC1は、半径方向において、ライトヘッド15Wの中心部WCから基準オフセットOF0で離間している。リードヘッド15R2の中心部RC2も、半径方向において、ライトヘッド15Wの中心部WCから基準オフセットOF0で離間している。リードヘッド15R2の中心部RC2は、リードヘッド15R1の中心部RC1に対して円周方向にダウントラック距離DTS0で離間している。以下、ダウントラック距離DTS0を基準ダウントラック距離DTS0と称する。基準ダウントラック距離DTS0は、例えば、数十[nm]のオーダーである。リードヘッド15R1の中心部RC1が基準位置RP0に位置する場合、中間部HRも、基準位置RP0に位置している。そのため、中間部HRは、半径方向において、ライトヘッド15Wの中心部WCか基準オフセットOF0で離間している。なお、リードヘッド15R1の中心部RC1が半径位置RP0に位置する場合、リードヘッド15R1の中心部RC1及びリードヘッド15R2の中心部RC2が半径方向で互い僅かにずれていてもよい。以下、説明の便宜上、「リードヘッド(ライトヘッド)の中心部」を単に「リードヘッド(ライトヘッド)」と表現する場合もある。
図22は、リードヘッド15R1が図2に示した半径位置ORPに位置する場合のライトヘッド15Wと2つのリードヘッド15R1、15R2との幾何学的配置の一例を示す図である。以下、リードヘッド15R1の中心部RC1とリードヘッド15R2の中心部RC2との間の半径方向の距離をクロストラック距離(Cross Track Separation:CTS)と称する。
図22に示す例では、半径位置ORPにリードヘッド15R1が位置する場合、リードヘッド15R2は、リードヘッド15R1に対してスキュー角αで外方向に傾いている。そのため、リードヘッド15R2は、リードヘッド15R1から半径方向にクロストラック距離CTSで離間し、リードヘッド15R1から円周方向にダウントラック距離DTSで離間している。クロストラック距離CTSは、スキュー角αに従って変化する。リードヘッド15R1は、ライトヘッド15Wから半径方向にR/WオフセットOF1で離間し、ライトヘッド15Wから円周方向にR/WギャップGP1で離間している。また、リードヘッド15R1が半径位置ORPに位置する場合、中間部HRは、リードヘッド15R1から半径方向にクロストラック距離CTS/2で離間し、リードヘッド15R1から円周方向にダウントラック距離DTS/2で離間している。
なお、リードヘッド15R1が半径位置IRPに位置する場合にもリードヘッド15R1が半径位置ORPに位置する場合と同様に、ライトヘッド15Wと2つのリードヘッド15R1、15R2との幾何学的配置について、スキュー角α、クロストラック距離CTS、基準ダウントラック距離DTS0、基準ギャップGP0、及び基準オフセットOF0を用いて説明できる。
図23は、本実施形態に係るR/Wチャネル40及びMPU60の構成例を示すブロック図である。図23おいて、ディスク10、ヘッド15、ドライバIC20、及びヘッドアンプIC30等は省略している。
R/Wチャネル40は、第1復調部410と、第2復調部420とを備えている。例えば、第1復調部510は、リードヘッド15R1でリードしたデータ、例えば、サーボ信号を復調し、復調したサーボデータをMPU60等に出力する。第1復調部510と同様に、第2復調部は420、リードヘッド15R2でリードしたサーボ信号を復調し、復調したサーボデータをMPU60等に出力する。なお、3つ以上のリードヘッドが設けられている場合、R/Wチャネル40は、これらのリードヘッドにそれぞれ対応する3つ以上の復調部を備えていてもよい。
リード/ライト制御部610は、リードヘッド15R1及び15R2の内の少なくとも一方を使用してリード及びライト処理を実行する。リード/ライト制御部610は、ディスク10の所定の半径位置にヘッド15を位置決めして、リードヘッド15R1及びリードヘッド15R2でリード/ライト処理を同時に実行できる。ヘッド15を位置決めした半径位置で横ずれCTSが異なるため、リード/ライト制御部610は、クロストラック距離CTSに応じてリードヘッド15R1及びリードヘッド15R2のいずれか一方でリード/ライト処理を実行するか、リードヘッド15R1及びリードヘッド15R2の両方でリード/ライト処理を実行するかを制御できる。なお、リード/ライト制御部610は、ディスク10の各半径位置におけるクロストラック距離CTS、基準ダウントラック距離DTS0、基準オフセットOF0、及び基準ギャップGP0等をヘッド15に紐づけて不揮発性メモリ80やシステムエリア10bに記録していてもよい。
RRO学習部620は、複数のヘッド15(リードヘッド)により同時にRRO学習を実行できる。RRO学習部620は、例えば、リニア補正領域でリードヘッド15R1及び15R2により同時にRRO学習を実行する。
また、RRO学習部620は、リードヘッド15R1でサーボデータをリードして復調した復調信号(以下、第1リード信号と称する)とリードヘッド15R2でサーボデータをリードして復調した復調信号(以下、第2リード信号と称する)に対応する復調パラメータを算出し、第1リード信号や第2リード信号に基づいて補正パラメータを算出する。RRO学習部620は、補正パラメータに基づいて、リードヘッド15R1および15R2でリードしたサーボ復調データを補正することにより、リニアリティ誤差を補正し、復調位置を算出する。
例えば、RRO学習部620は、クロストラック距離がほぼ0(ゼロ)となる中周領域MRにおいて、Nバースト及びQバーストの両方をリードして復調した復調信号に基づいて復調位置を算出する。一方、RRO学習部620は、クロストラック距離の絶対値が0(ゼロ)より大きくなる内周領域IRや外周領域ORにおいて、リードヘッド15R1及び15R2でNバーストからそれぞれリードしたNバースト信号をそれぞれ復調した複数の復調信号(Nバースト復調信号)に基づいて復調位置を算出することができる。言い換えると、中周領域MRでは、復調位置を算出するためにNバースト及びQバーストの両方をリードする必要があるが、内周領域IR及び外周領域ORでは、復調位置を算出するためにNバーストをリードするのみでよい。この場合、ディスク10は、内周領域IR及び外周領域ORにおいて、ディスク10は、図3に示したQバーストの一部又は全部を含んでいなくてもよい。リードヘッド15R1及びリードヘッド15R2でサーボデータをそれぞれリードして復調した複数の復調信号に基づいて復調位置を算出する場合、第1リード信号に対する第2リード信号の遅れ又は進み分の位相θrは、2つのリードヘッドのクロストラック距離Tr(=CTS)とバーストパターンの繰り返し長Lとから以下の式で表すことができる。バーストパターンの繰り返し長Lは、トラックピッチの2倍とほぼ同等である。
θr=2π×Tr/L (19)
ここで、リードヘッド15R1によりNバーストからリードしたNバーストデータを復調した復調信号を復調信号Nr1とし、リードヘッド15R1によりQバーストからリードしたQバーストデータを復調した復調信号を復調信号Qr1とし、リードヘッド15R2によりNバーストからリードしたNバーストデータを復調した復調信号を復調信号Nr2とし、リードヘッド15R2によりQバーストからリードしたQバーストデータを復調した復調信号を復調信号Qr2とする。復調信号Nr1は、例えば、復調信号Qr1に対して90°進相した波形となる。復調信号Nr2は、例えば、復調信号Qr2に対して90°進相した波形となる。式(19)に示されるように、Tr=L/4(>0)の場合には、θr=π/2=90°(進相)となるので、Nr2=Qr1とみなすことができる。すなわち、クロストラック距離Trの絶対値が0より大きい内周領域IRや外周領域ORでは、NバーストからリードしたNバーストデータを復調した復調信号=復調信号Nr1、QバーストからリードしたQバーストデータを復調した復調信号=復調信号Nr2と見なすことで、Qバーストをリードしなくとも、復調位置を算出することが可能である。
RRO学習部620は、内周領域IR及び外周領域ORにおいてサーボデータをリードした場合、クロストラック距離Trと、第1リード信号RS1と、第2リード信号RS2とに基づいて復調位置を算出する。内周領域IR及び外周領域ORでは、ヘッド15が走行方向に対しスキュー角αが0°以外になるために、復調信号Nr1及びNr2は、所定の進み又は遅れを有する出力となる。リードヘッド15R1でNバースト及びQバーストからそれぞれリードした複数のバーストデータ(Nバーストデータ及びQバーストデータ)をそれぞれ復調した複数の復調信号(Nバースト復調信号及びQバースト復調信号)は、以下の式で表される。
Nr1=cоsθ、Qr1=sinθ (20)
ここで、θは、位相角である。一方、Nr1とNr2との関係に着目すると、中周領域MRにおいては、ほぼ同一半径位置のリードヘッド15R1、15R2でバースト信号振幅を求めていることになるのでほぼ重なるが、外周領域ORにおいては、復調信号Nr1が復調信号Nr2に先行した位相進み関係になっていて、逆に内周領域IRにおいては、復調信号Nr1が復調信号Nr2に対し位相遅れ関係になっている。この位相差をθrとすると、復調信号Nr1及びNr2は、正で進み、負で遅れとなる以下の式で表される。
Nr1=cоsθ、Nr2=cоs(θ+θr) (21)
これは、クロストラック距離Trによる、バーストパターンの半径方向の復調位置が異なってくるためで、バーストパターンの半径方向における繰り返し長Lを用いて、式(19)にて、位相差θrが決まる。復調信号Qr1に相当する復調信号を補正復調信号SQとすると、復調信号Nr1、復調信号Nr2、cоsθr、sinθrから、以下の式が導出される。
SQ=sinθ=(Nr1×cоsθr−Nr2)/sinθr (22)
RRO学習部620は、内周領域IR及び外周領域ORにおいてリードしたNバースト復調信号に相当する第1リード信号及び第2リード信号に基づいて復調位置を算出する場合、式(22)に基づいて第1リード信号又は第2リード信号に対応するNバースト復調信号をQバースト復調信号に変換して復調位置を算出する。
図24は、第2実施形態に係るリニアリティ誤差の補正に使用するパラメータの調整方法の一例を示すフローチャートである。
MPU60は、復調経路を設定し(B1801)、復調経路に沿ってリードしたサーボデータを所定の記録領域に記録し(B1802)、復調した復調信号に対応する初期位相補正値を調整し(B1803)、この復調信号に対応する復調信号オフセット補正値を調整し(B1804)、複数のリードヘッドによりサーボセクタからリードしたサーボデータを復調した復調信号を補正する位相差θrを算出する(B2401)。位相差θrは、リードヘッド15R1およびリードヘッド15R2の復調位置dpos1とdpos2を取得し、Tr=dpos2-dposと式(19)を用いて計算すればよい。例えば、MPU60は、クロストラック距離の絶対値が0(ゼロ)より大きくなる内周領域IRや外周領域ORにおいて、リードヘッド15R1及び15R2でNバーストをそれぞれリードし、リードヘッド15R2でリードしたNバーストを復調したNバースト復調信号をリードヘッド15R1でQバーストを復調したQバースト復調信号に相当する補正復調信号に位相差θrを用いて補正する。MPU60は、リードヘッド15R1で復調したNバースト復調信号と、リードヘッド15R1で復調したNバースト、リードヘッド15R2で復調したNバースト、位相差θrを用いて補正した補正復調信号を用いて、回転補正値を調整し、調整した回転補正値に基づいて回転ずれを補正し(B1805)、回転補正後の復調信号を用いてガンマ補正値を調整し、調整したガンマ補正値に基づいて復調位置を算出し(B1806)、リニアリティ誤差が十分小さいか大きいかを判定する(B1807)。リニアリティ誤差が大きいと判定した場合(B1807のNO)、MPU60は、テーブル補正値を調整し(B1808)、調整したテーブル補正値に基づいて復調位置を補正して処理を終了する。
第2実施形態によれば、磁気ディスク装置1は、内周領域IRや外周領域ORにおいて、リードヘッド15R1及び15R2でNバーストからそれぞれリードした複数のバーストデータをそれぞれ復調した複数のNバースト復調信号に基づいて複数の復調位置を算出することができる。リードヘッド15R1及び15R2で同時にNバーストをリード可能であるため、磁気ディスク装置1は、リードヘッド15R1及び15R2のNバースト信号に基づいて、リニアリティ補正パラメータを調整することができる。そのため、磁気ディスク装置1は、サーボフォーマット効率を改善するためQバーストをなくして場合でも、リードヘッド15R1および15R2を用いてリードしたNバースト信号に基づいて、リニアリティ補正されたサーボ復調位置を計算することできる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…磁気ディスク装置、10…磁気ディスク、10a…ユーザデータ領域、10b…システムエリア、12…スピンドルモータ(SPM)、13…アーム、14…ボイスコイルモータ(VCM)、15…ヘッド、15W…ライトヘッド、15R、15R1、15R2…リードヘッド、20…ドライバIC、30…ヘッドアンプIC、40…リード/ライト(R/W)チャネル、50…ハードディスクコントローラ(HDC)、60…マイクロプロセッサ(MPU)、70…揮発性メモリ、80…不揮発性メモリ、90…バッファメモリ、100…ホストシステム(ホスト)、130…システムコントローラ。

Claims (12)

  1. サーボセクタを有する記録領域を有するディスクと、
    前記ディスクに対してデータのライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、
    前記サーボセクタからリードしたサーボデータを復調した復調データを位相毎に区分した複数の区分データにそれぞれに対応する複数のリニアリティ誤差を補正する、コントローラと、を備える磁気ディスク装置。
  2. 前記コントローラは、前記復調データに対応するリサージュ波形を位相毎に区分した前記複数の区分データにそれぞれ対応する複数のパラメータに基づいて前記複数のリニアリティ誤差をそれぞれ補正する、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
  3. 前記コントローラは、前記複数のパラメータを、前記復調データを元にそれぞれ位相毎に調整することで前記複数のリニアリティ誤差をそれぞれ小さくする、請求項2に記載の磁気ディスク装置。
  4. 前記コントローラは、前記リサージュ波形を第1区分データ、第2区分データ、第3区分データ、第4区分データ、第5区分データ、第6区分データ、第7区分データ、及び第8区分データに区分し、前記第1区分データに対応する第1パラメータに基づいて前記第1区分データに対応する第1リニアリティ誤差を補正し、前記第2区分データに対応する第2パラメータに基づいて前記第2区分データに対応する第2リニアリティ誤差を補正し、前記第3区分データに対応する第3パラメータに基づいて前記第3区分データに対応する第3リニアリティ誤差を補正し、前記第4区分データに対応する第4パラメータに基づいて前記第4区分データに対応する第4リニアリティ誤差を補正し、前記第5区分データに対応する第5パラメータに基づいて前記第5区分データに対応する第5リニアリティ誤差を補正し、前記第6区分データに対応する第6パラメータに基づいて前記第6区分データに対応する第6リニアリティ誤差を補正し、前記第7区分データに対応する第7パラメータに基づいて前記第7区分データに対応する第7リニアリティ誤差を補正し、前記第8区分データに対応する第8パラメータに基づいて前記第8区分データに対応する第8リニアリティ誤差を補正する、請求項2に記載の磁気ディスク装置。
  5. 前記コントローラは、前記第1パラメータ乃至第8パラメータを、前記区分データを元にそれぞれ調整することで前記第1リニアリティ誤差乃至前記第8リニアリティ誤差を小さくする、請求項4に記載の磁気ディスク装置。
  6. 前記第1区分データは、前記リサージュ波形において第1位相から第2位相までの第1範囲に対応し、前記第2区分データは、前記リサージュ波形において第2位相から第3位相までの第2範囲に対応し、前記第3区分データは、前記リサージュ波形において第3位相から第4位相までの第3範囲に対応し、前記第4区分データは、前記リサージュ波形において第4位相から第5位相までの第4範囲に対応し、前記第5区分データは、前記リサージュ波形において第5位相から第6位相までの第5範囲に対応し、前記第6区分データは、前記リサージュ波形において第6位相から第7位相までの第6範囲に対応し、前記第7区分データは、前記リサージュ波形において第7位相から第8位相までの第7範囲に対応し、前記第8区分データは、前記リサージュ波形において第8位相から第9位相までの第8範囲に対応し、
    前記第1範囲乃至第8範囲は、同じ範囲である、請求項4又は5に記載の磁気ディスク装置。
  7. 前記第1範囲は、0°乃至45°の範囲であり、前記第2範囲は、45°乃至90°の範囲であり、前記第3範囲は、90°乃至135°範囲であり、前記第4範囲は、135°乃至180°の範囲であり、前記第5範囲は、180°乃至225°の範囲であり、前記第6範囲は、225°乃至270°の範囲であり、前記第7範囲は、270°乃至315°の範囲であり、前記第8範囲は、315°乃至360°の範囲である、請求項6に記載の磁気ディスク装置。
  8. 前記コントローラは、前記ディスクの複数のトラックを横断し、且つ前記ディスクの1周して前記サーボセクタをリードする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  9. 前記ヘッドは、第1リードヘッドと第2リードヘッドを有し、
    前記コントローラは、前記第1リードヘッドによりリードした第1サーボデータを復調した第1復調データと前記第2リードヘッドによりリードした第2サーボデータを復調した第2復調データとに対応する前記複数の区分データにそれぞれ対応する前記複数のリニアリティ誤差を補正する、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
  10. サーボセクタを有する記録領域を有するディスクと、
    前記ディスクに対してデータのライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、
    前記サーボセクタからリードしたサーボデータを復調した復調データに対応するリサージュ波形を位相毎に区分した複数の区分領域にそれぞれ対応するリニアリティ誤差を補正する、コントローラと、を備える磁気ディスク装置。
  11. 前記コントローラは、前記リサージュ波形を第1位相から第2位相までの第1区分領域と、第2位相から第3位相までの第2区分領域と、第3位相から第4位相までの第3区分領域と、第4位相から第5位相までの第4区分領域と、第5位相から第6位相までの第5区分領域と、第6位相から第7位相までの第6区分領域と、第7位相から第8位相までの第7区分領域と、第8位相から第9位相までの第8区分領域とに区分し、第1区分領域乃至第8区分領域にそれぞれ対応する複数のリニアリティ誤差をそれぞれ補正する、請求項10に記載の磁気ディスク装置。
  12. サーボセクタを有する記録領域を有するディスクと、前記ディスクに対してデータのライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、を備える磁気ディスク装置に適用されるリニアリティ誤差の補正方法であって、
    前記サーボセクタからリードしたサーボデータを復調した復調データを位相毎に区分した複数の区分データにそれぞれに対応する複数のリニアリティ誤差を補正する、リニアリティ誤差の補正方法。
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