以下、本発明の一実施態様について、図面を参照しながら説明する。
<概要>
図1は、サービスシステム構成を示すシステム図である。
図1に示すように、当該サービスシステムは、サーバ(情報処理装置)100、複数のユーザ端末200A、200Bを含む。サーバ(情報処理装置)100は、ネットワーク400を介してユーザ端末200A、200Bと接続される。なお、図1において、説明を簡単にするために、ユーザ端末は2台だけ示してあるが、これ以上存在してもよいことは言うまでもない。また、ユーザ端末200の具体的な機器は、図示のように、スマートフォンに限定されず、例えば、携帯端末、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、その他の電子機器であってもよい。なお、以下においては、特に区別の必要がない場合に、ユーザ端末を総省して、ユーザ端末200と記載する。
ユーザ端末200A〜200Bは、本発明の一実施形態によるサービスの一部であるチャットを、サービス側が提供するメッセージングアプリを搭載し、当該アプリを用いて行っている。なお、ユーザ端末200Aは、ユーザ端末200Bおよび図示しないその他の複数のユーザ端末と共にグループを構成することもでき、グループ間でメッセージのやり取りを行うことができる。
なお、端末装置200Aは、端末装置200Bを含まないグループに属していても良い。すなわち、各端末装置は、それぞれ他の端末装置と共に複数のグループを構成することができる。
サービスシステムは、レストランおよびサロン等のサービスの予約が可能な店舗や施設、会議室およびレンタルスペース等を貸与する企業等の予約サービスまたはタスクスケジュールを管理するタスク管理サービス等に用いることができる。ここで、一例として、サービスシステムを図4でレストランの予約サービスに用いた例について説明する。
例えば、ユーザが希望のレストランに予約する場合、図4(a)に示すようにユーザ端末200に表示された画面の入力受付フィールドに従い、予約時間を「2015/11/15 19:00-21:00」と、予約リソース数(レストランやサロン等の予約であれば予約を希望する人数、タスク管理の予約であれば、工数等)を「5名」と、席・部屋情報(レストラン等の店舗であれば、カウンター席、窓際テーブル、個室、禁煙席、宴会席等の席情報、会議室等であれば、応接室、大規模会議室、集会室等の部屋情報)を「窓際テーブル」と、メニュー情報(レストラン等の店舗であれば、席の予約だけでなく、料理の予約をする際に対象の料理を示す情報、サロン等の店舗であれば、カット、カラー、パーマ、ネイル等の施術メニュー)を「季節の限定コース」と指定し、予約内容を設定することができる。また、併せて仮に予約が競合してしまった場合に備え、予めインセンティブ予算を設定することもできる。図4(a)で示すように、例えば、下限1,000円、上限3,000円と設定することができる。
ここで、「インセンティブ」とは、予約の競合が発生した際に、競合相手に予約の譲渡してもらうために支払われる金銭、メッセージングアプリで使用できるポイント等をいう。当該インセンティブを設けることで、ある店舗のある時間帯に行くことを強く希望するユーザに、既に予約をしている他のユーザが予約を譲渡する誘因となり、仮に競合が発生しても、予約を強く希望するユーザが諦めることなく、希望する店舗等に予約をすることができる。
上述の予約内容を条件として、「この条件で予約」表記する入力ボタンを押下すると、予約要求が実行される。予約要求が実行されると、図4(b)に示すように、競合する予約が存在する場合には、「申し訳ございません。ご指定の条件は予約がいっぱいです。予約譲渡可能なユーザ情報等をご覧ください。」といった断りのメッセージを表示することができる。また、併せて予約状況として、競合する他のユーザと当該他のユーザの予約時間、自らの予約希望時間および競合している時間をタイムライン表で表示することで、どのユーザに予約の譲渡交渉をすればいいのか視覚的に容易に理解することができる。また、当該タイムライン表示の特定のユーザの予約時間エリアをタップ等して指定すると、詳細情報として、例えば「ユーザC ○完全譲渡のみ ○3,000円で譲渡可能」といった表示をドロップダウンメニューで表示し、譲渡交渉相手が設定したインセンティブ情報を確認することもできる。また、当該タイムライン表示の中に(例えば、特定のユーザの予約時間エリア内に)インセンティブ情報を表示してもよい。これにより、具体的に、予約の譲渡にあたってどの様な条件を満たせばいいのか、視覚的に容易に、また、ユーザの情報と併せて一度に確認することができる。なお、この時、例えば、競合相手のユーザ情報および当該ユーザのうち予約の譲渡が可能なユーザの情報を表示するにあたって、これらのユーザのプライバシーを考慮して、ユーザが特定されるような詳細な情報(例えば、ユーザ名、アイコン等)を非表示にして表示することもできる。
また、当該ドロップダウンメニューで当該ユーザと予約譲渡のための交渉を要求するための「交渉要求」ボタンや予約譲渡要求を実行する「譲渡要求」ボタンを入力受付機能として設けることもできる。さらに、併せて、予約譲渡だけではなく、指定した予約内容に類似する予約時間帯で空きがあれば「20:30〜22:30であれば予約可能です!」といった案内表示や類似する席で空きがあれば「窓から離れたテーブルであれば予約可能です!」といった案内表示を表示することもできる。予約時間に近い空き時間や予約対象の店舗等に類似する店舗情報を通知することで、単に予約が競合するため予約不可能であるとの通知をする従来技術と比較して、予約の選択の可能性および選択の幅を広げ、ユーザにとって利便性の高いサービスを提供することができる。
例えば、図4で示すように「譲渡要求」ボタンを押下して、譲渡要求を実行すると、一例として、図4(c)で示すように、予約の譲渡が成立させ「○ユーザCからの譲渡が成立しました!」と表示し、また、予約を確定させ「○2015-11-15(日)19:00〜21:00 5名 窓際テーブル 季節の限定コースで予約が確定しました。」と表示することができる。
これにより、サービスシステムを用いたレストラン予約サービスを利用するユーザは、予約が競合しているため、単に希望の予約を諦めるのではなく、競合するユーザを自身で検索せずに、予約の競合相手のユーザの情報および当該ユーザのうち予約の譲渡が可能なユーザの情報を確認することができる。ひいては、効率的に予約の譲渡によって希望の予約をすることができる。または、類似の予約を案内することで、希望に近い予約をすることができる。
ここで、一例として、タイムラインの例を、図6を用いて説明する。例えば、図6(a)で示すように、予約サービスにおいて、ユーザAが18:00〜19:30に予約し、ユーザBが18:30〜20:00に予約し、ユーザCが20:30〜22:00に予約をしていた場合、ユーザが19:00〜21:00の予約時間を希望し予約要求を実行すると、希望する予約時間のうち、19:00〜20:00の時間区間および20:30〜21:00の時間区間について、予約の多重度(所定の時間区間における予約の重なっている数)により競合が発生していると判定することができる。当該例は、予約の多重度が1より大きくなった場合(予約の多重度が2以上の場合)に競合が発生していると判定しているが、当該判定における多重度の基準については、店舗等側の希望する席または予約リソース数を満たす席数、所有する会議室数、スタイリストの同時並行で施術できる人数等をふまえて、適宜設定すればよい。当該例においては、19:00〜20:00の時間区間においてはユーザAおよびユーザBに当該時間区間の予約を完全または部分譲渡してもらい、20:30〜21:00の時間区間についてはユーザCに完全または部分譲渡してもらうことで、希望どおりの予約内容で予約をすることができる。
また、図6(b)で示すように、予約サービスにおいて、ユーザAが18:00〜20:00に予約し、ユーザBが20:30〜22:00、ユーザCが19:00〜21:00に予約し、予約の多重度の基準を2と設定していた場合、ユーザが19:00〜21:00の予約時間を希望し予約要求を実行すると、希望する予約時間のうち、予約の多重度が2より大きい時間区間(予約の多重度が3以上の時間区間)である19:00〜20:00の時間区間および20:30〜21:00の時間区間について予約の競合が発生していると判定することができる。当該例においては、いずれの時間区間においても、ユーザAおよびユーザBに当該時間区間の予約を完全または部分譲渡してもらうか、または、ユーザCに完全譲渡してもらうことで、希望どおりの予約内容で予約をすることができる。
また、例えば、本発明をタスク管理サービスに用いる場合、ユーザが新規タスクを予約(登録)すると、当該タスクを実施する期間において別タスクとの重複がないか競合するタスクの存在を検索し、存在した場合には、さらにそのうちトレードオフが可能(譲渡が可能)なタスクを抽出することもできる。図6(c)で示すように、例えばタスク管理サービスにおいて、多重度の基準を1と設定した場合、「●●会議」タスクに対し、「■■報告書作成」タスクは、19:00〜21:00の時間区間で重複するタスクとして抽出し、当該重複している状態を競合として判定してもよい。当該抽出にあたっては、タスクの緊急度および重要度に基づいて抽出可能か判定してもよい。
<構成>
以下、サーバ(情報処理装置)100、ユーザ端末200の構成について説明する。図2は、サーバ100、ユーザ端末200の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130を含んで構成される。
通信部110は、受信部111および送信部112を備え、ネットワーク400を介して、ユーザ端末200との通信(各種データ、メッセージの送受信等)を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。ここで、「メッセージ」とは、テキストメッセージに限らず、画像、音声、動画、スタンプ(デジタルステッカー)等が含まれる。
受信部111は、ネットワーク400を介して、各ユーザ端末200からメッセージを受信し、当該メッセージに含まれるデータを制御部120に伝達する機能を有する。具体的には、例えば、受信部111は、予約譲渡の交渉要求、予約譲渡の交渉回答情報、トークルームのユーザ追加要求、トークルームの参加回答情報、予約の譲渡要求、予約譲渡の承認回答情報および予約譲渡の許可回答情報等を受信し、制御部120に伝達する。また、受信部111は、予約要求の受信の際に、受信した日時情報を当該要求に含まれるデータ(以下、「予約要求データ」という)に付与してから制御部120に伝達してもよい。例えば、受信部111は、ユーザ端末200Aからレストランの予約依頼をするための予約要求を受信した場合、当該予約要求データに、当該要求の受信日時情報を予約要求日時情報として付与し、制御部120に伝達してもよい。
ここで、「予約要求」とは、ユーザがレストラン、サロン等の様々な店舗等に予約をするためにサービスシステム100に当該予約をオンライン上で依頼した際に受信するメッセージでもあり、また、それ以外にもサービスシステム100が提供するタスク管理サービスにおいて、ユーザがサービスシステム100にタスクの予約を依頼する際に受信するメッセージでもある。予約要求のメッセージの詳細は、後述の<データ>で示す。
また、受信部111は、制御部120の制御に従い、一つの予約またはタスクに対して複数の予約要求または予約の譲渡要求が要求された場合、当該要求をメッセージ・キュー(Message Queue)等に保存して、先に受信した要求が処理(例えば、更新部123による予約の更新処理または制御部120の制御による予約譲渡の承認処理もしくは却下処理等)されるまで、それ以降に受信した要求を保持してもよい。これにより、一つの予約またはタスクに対して複数の予約要求または予約の譲渡要求が要求された場合でも整合を図って、予約の更新または譲渡等の処理を行うことができる。
また、受信部111は、ユーザ端末200から予約譲渡の交渉のための交渉要求を受信すると、制御部120の制御に従い、予約譲渡可能な予約情報に係る交渉相手のユーザが保有するユーザ端末200に当該交渉要求を送信するよう、送信部112に伝達する。その後、受信部111は、制御部120の制御に従い、交渉相手のユーザのユーザ端末200から当該交渉要求に対する交渉回答情報を受信すると、当該交渉回答情報の内容が交渉可能な旨の内容を含むものであれば、予約譲渡の交渉を希望するユーザおよび交渉相手のユーザの両方にユーザ端末200にトークルームの開設通知を送信するよう、トークルームの開設通知を送信部112に伝達する。これにより、予約譲渡にあたって、交渉に係るユーザ間においてトークルーム上で直接交渉することができ、予約譲渡交渉を成立させることができる。
なお、当該トークルーム上での直接交渉において、新たなインセンティブ情報の設定入力をすることもできる。当該入力の詳細は、後述の表示部210で説明する。
一方、当該交渉回答情報の内容が交渉不可能な旨の内容を含むものであれば、受信部111は、制御部120の制御に従い、予約譲渡の交渉を希望するユーザに当該交渉が不可能な旨の交渉回答情報を送信するよう、当該交渉回答情報を送信部112に伝達する。これにより、交渉相手のユーザは直接交渉を拒否することもできる。
さらに、受信部111は、ユーザ端末200から友達等の特定のユーザをトークルームに追加することを要求するユーザ追加要求を受信すると、制御部120の制御に従い、ユーザ追加要求で指定されたユーザが保有するユーザ端末200にトークルーム参加要求を送信するよう、送信部112に伝達する。その後、受信部111は、制御部120の制御に従い、参加要求相手のユーザのユーザ端末200から当該参加要求に対する参加回答情報を受信すると、当該参加回答情報の内容が参加可能な旨の内容を含むものであれば、参加要求相手のユーザのユーザ端末200にトークルームの開設通知を送信するよう、トークルームの開設通知を送信部112に伝達する。一方、当該参加回答情報の内容が参加不可能な旨の内容を含むものであれば、受信部111は、制御部120の制御に従い、参加要求するユーザのユーザ端末200に当該参加回答情報を送信するよう、当該参加回答情報を送信部112に伝達する。これにより、予約譲渡にあたって、交渉に係るユーザ間において友達等のユーザをトークルーム上の直接交渉に追加することができ、予約譲渡交渉を友達のユーザにも意見を聞きつつ交渉することができる。
送信部112は、ネットワーク400を介して、制御部120の制御に従って、各ユーザ端末200にメッセージを送信する機能を有する。具体的には、例えば、送信部112は、各ユーザ端末200に予約情報の検索結果、譲渡可能な予約の抽出結果、交渉回答情報、トークルーム開設通知、トークルーム参加要求、トークルームの参加回答情報、予約の譲渡承認要求、予約の譲渡許可要求、予約譲渡の承認回答情報および予約の更新結果等を送信する。また、送信部112は、当該メッセージを送信する際に、送信する日時情報、送信者情報を当該送信データに付与してから各ユーザ端末200に送信してもよい。
また、送信部112は、制御部120の制御に従い、予約の譲渡にあたって譲渡要求対象の予約を保有するユーザに、予約への譲渡承認要求を当該ユーザのユーザ端末200に送信する。その後、受信部111が、当該ユーザ端末200から、当該譲渡承認要求に対する承認回答情報を受信すると、当該承認回答情報が承認可能な旨を含む情報であった場合は、制御部120の制御に従い、受信部111は、当該承認回答情報を更新部123に伝達し、更新部123は、予約の譲渡要求に基づいて予約の更新を行う。一方、当該承認回答情報が承認不可能な旨を含む情報であった場合は、受信部111は、当該承認回答情報を送信部112に伝達し、送信部112は、予約が譲渡不可能な旨を譲渡要求するユーザのユーザ端末200に送信する。これにより、譲渡対象の予約を保有するユーザの承認を得てから譲渡を実行することができ、予約の譲渡を円滑に進めることができる。
さらに、予約の譲渡にあたって、譲渡要求対象の予約を保有するユーザの単位は、1ユーザに限らず、例えば1以上のユーザから構成されるグループでもよい。譲渡要求対象の予約を保有する単位がグループの場合、送信部112は、制御部120の制御に従い、予約の譲渡にあたって譲渡要求対象の予約を保有するグループに属するユーザのうち少なくとも1以上のユーザ(例えば、グループに属するユーザ全員または一部のユーザ(予め設定したグループの代表者のユーザ等))に、予約への譲渡承認要求を当該ユーザのユーザ端末200に送信する。その後、受信部111が、当該ユーザ端末200から、当該譲渡承認要求に対する承認回答情報を受信すると、少なくとも1以上のユーザ端末(例えば、譲渡承認要求を送信した全てのユーザのユーザ端末としてもよいし、一部のユーザのユーザ端末としてもよい)から送信された当該承認回答情報が承認可能な旨を含む情報であった場合は、制御部120の制御に従い、受信部111は、当該承認回答情報を更新部123に伝達し、更新部123は、予約の譲渡要求に基づいて予約の更新を行う。
一方、当該承認回答情報が承認不可能な旨を含む情報であった場合は、受信部111は、当該承認回答情報を送信部112に伝達し、送信部112は、予約が譲渡不可能な旨を譲渡要求するユーザのユーザ端末200に送信する。これにより、譲渡対象の予約を保有するユーザの単位に多様性を持たせることができ、かつ、柔軟に、当該ユーザの承認を得てから譲渡を実行することができ、予約の譲渡を円滑に進めることができる。
さらに、送信部112は、制御部120の制御に従い、予約の譲渡にあたって譲渡要求対象の店舗等側のユーザに、予約への譲渡許可要求を当該ユーザのユーザ端末200に送信する。その後、受信部111が、当該ユーザ端末200から、当該譲渡許可要求に対する許可回答情報を受信すると、当該許可回答情報が譲渡を許可する旨を含む情報で合った場合は、制御部120の制御に従い、受信部111は、当該許可回答情報を更新部123に伝達し、更新部123は、予約の譲渡要求に基づいて予約の更新を行う。一方、当該許可回答情報が譲渡拒否の旨を含む情報であった場合は、受信部111は、当該許可回答情報を送信部112に伝達し、送信部112は、予約が譲渡不可能な旨を譲渡要求するユーザのユーザ端末200に送信する。これにより、譲渡対象の予約の店舗等側のユーザの許可を得てから譲渡を実行することができ、予約の譲渡を円滑に進めることができる。また、店舗等側のユーザが事前に変更を把握できることにも利点がある。
制御部120は、検索部121、抽出部122、更新部123を備え、サーバ100の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部120は、サーバ100が提供するサービスに関する処理を実行するものである。そのサービスの一環として制御部120は、受信部111から伝達されたメッセージに基づいて、記憶部120に記憶されている予約情報および予約実績情報等を更新し、ユーザ端末200において表示されるべき表示情報を生成する。また、制御部120は、図4および図5に示すように、ユーザが予約要求および予約の譲渡要求をするための入力表示および入力結果表示等のユーザ端末200の表示部210に表示させる表示情報を生成する。制御部120は、生成した表示情報を、ユーザ端末200に送信するよう、送信部112に伝達する。
検索部121は、受信部111から伝達された予約要求データに基づいて、記憶部130が記憶するユーザの予約情報から、当該予約要求データの予約と全部または一部が競合する予約情報を検索する機能を有する。具体的には、検索部121は、予約要求データに含まれる検索キーとなる情報、例えば、店舗、施設、会議室またはタスクのID情報、予約リソース数、予約時間(ユーザが予約をしたい時間区間における日付と時間帯の情報(予約をしたい日付と時間帯の開始日時および終了日時、時間数等))といった情報の少なくともいずれか一つを、単一キーまたは複合キーとして用いて検索する。
ここで、「競合する予約情報」とは、予約要求対象の予約と、予約対象(例えば、店舗ID情報またはタスクID情報等)、予約リソース数(例えば、人数または工数等)および予約時間の全てまたは一部が合致する予約の予約情報をいう。具体的には、同一の店舗および同一の人数に対する予約であり、例えば、図6(a)に示すように、ユーザAおよびユーザBは予約時間の一部が、ユーザCは予約時間の全てが合致する場合に競合するユーザA、ユーザBおよびユーザCの予約情報は競合する予約情報となる。
検索部121は、当該検索の結果、合致する予約情報が記憶されている予約情報から見つかった場合は、競合する予約情報(以下、「コンフリクト情報」という)が存在するとして、当該コンフリクト情報を予約要求データと共に抽出部122に伝達する。また、コンフリクト情報が存在しない場合は、当該検索結果をユーザ端末200に送信するために、送信部112に伝達する。
また、検索部121は、検索にあたって、キー情報の所定の範囲内にある情報に基づいて、予約情報を検索することができてもよい。例えば、検索部121は、コンフリクト情報が存在した場合に、キー情報の予約時間であれば、指定された開始時刻または終了時刻の前後2時間の範囲内においてもコンフリクト情報が存在するか追加で検索することもできる。なお、当該所定の範囲については、店舗やタスクの特性等に応じて適宜設定すればよい。当該追加の検索結果をユーザ端末200に送信することにより、ユーザが予約時間の開始時刻をずらす変更をするだけで、他の予約との競合が解消し、希望どおりの店舗や席を等に予約することができる。
さらに、検索部121は、例えば、予約時間だけでなく、予約対象の店舗や会議室等に類似する店舗等に係る予約情報を追加で検索し、コンフリクト情報が存在するか検索することもできる。類似の範囲については、例えば、キーワードとなる単語(店舗であれば、場所、料理ジャンル、系統、用途・目的等を表す単語、会議室であれば、大規模・小規模、用途、プロジェクタ付き等のオプションを表す単語等)を予め店舗等に付与して記憶部130に店舗情報として記憶しておき、予約対象の店舗等と全部または一部が一致する店舗等を類似すると判定してもよいし、予め類似する店舗等を任意で設定し、当該店舗等のID情報を付与して記憶部130に記憶してもよい。
当該追加の検索結果をユーザ端末200に送信することにより、予約時間に近い空き時間や予約対象の店舗等に類似する店舗情報を通知することで、ユーザに希望に近い店舗や会議室等に変更する提案をすることができ、単に予約が競合するため予約不可能であるとの通知をする従来技術と比較して、予約の選択の可能性および選択の幅を広げ、ユーザにとって利便性の高いサービスを提供することができ、ユーザも希望に近い店舗等に予約をすることができる。
抽出部122は、検索部121から伝達されたコンフリクト情報等に基づいて、当該コンフリクト情報のうち、譲渡可能な予約情報を抽出する機能を有する。具体的には、抽出部122は、コンフリクト情報に含まれる譲渡可否情報(フラグ情報)またはコンフリクト情報に含まれるインセンティブ情報の有無を確認し、譲渡可またはインセンティブ情報有りとなっていた場合は、当該コンフリクト情報を譲渡可能な予約情報として抽出する。当該抽出の結果は、ユーザ端末200に送信するために、上記検索結果およびコンフリクト情報と共に送信部112に伝達する。これにより、予約を希望するユーザは、予約の競合相手のユーザの情報および当該ユーザのうち予約の譲渡が可能なユーザの情報を自身が保有するユーザ端末200に送信され、表示部210で確認することができる。ひいては、予約の譲渡によって効率的に希望の予約をすることができる。
また、抽出部122は、予約要求データにインセンティブ指定条件が設定されていた場合には、コンフリクト情報に含まれるインセンティブ情報が当該条件を満たす場合にのみ、当該コンフリクト情報を譲渡可能な予約情報として抽出してもよい。
さらに、抽出部122は、予約要求データに含まれる予約リソース数と、上記譲渡可能な予約情報の予約リソース数を比較して、これらの予約リソース数の差分が一致または所定の範囲内にある譲渡可能な予約情報の優先度が高くするように優先度を判定することもできる。
一例として、譲渡可能な予約情報が複数あった場合に、予約要求データに含まれる予約リソース数が2名で、譲渡可能な予約情報が5名と3名であった場合、3名の譲渡可能な予約情報の優先度を高く判定し、5名の譲渡可能な予約情報の優先度を低くして判定して、当該判定の結果を含む抽出結果をユーザ端末200に送信する。これにより、店舗等側にとって人数が減ったことによる利益損失を減らすようにユーザの譲渡してもらう予約情報の選択を導くことができる。なお、当該優先度の判定結果については、一例として、ユーザ端末200に表示する際に優先度が高い店舗順に表示したり、お勧め度合として表示したりすることで導いてもよい。
更新部123は、予約の譲渡要求または予約の確定要求に係るデータが受信部111から伝達されると、当該データに基づいて記憶部130に記憶する予約情報を更新する。具体的には、一例として、更新部123は、記憶部130に記憶する予約の譲渡要求の対象となる予約情報に対して、当該予約情報に含まれるユーザID、予約リソース数、メニュー情報、タスク内容等を、譲渡要求データに含まれるこれらのデータに書き換える。もしくは、記憶部130に記憶する予約の譲渡要求の対象となる予約情報を物理または論理削除を行い、譲渡要求データに含まれる予約情報のデータに基づいて新規の予約情報を追加する。また、例えば、更新部123は、予約の確定要求に係るデータに基づいて新規の予約情報を記憶部130に追加する。これにより、予約の譲渡要求に基づいて、予約情報を譲渡人のユーザに係る情報から譲渡先のユーザに係る情報に書き換える更新をすることで、効率的に予約の譲渡ひいては予約を実現することができる。
また、更新部123は、店舗側または会議室の運営会社側等のユーザ端末から予約どおり実行されたか、すなわち店舗であれば予約したユーザが来店したか否か等の判定情報を受信部111が受信し、当該受信した判定情報を受信部111から伝達されると、記憶部130に記憶されている予約実績情報の予約実行回数または予約キャンセル回数の少なくともいずれか一つを更新する。
さらに、更新部123は、予約の譲渡要求に係るデータが受信部111から伝達された際に、ユーザごとの予約回数、予約譲渡回数、予約実行回数または予約キャンセル回数に基づいて、予約キャンセル回数から予約実行回数を引いた数、予約キャンセル率(予約キャンセル回数を予約回数で割って求める予約全体に対する予約キャンセル回数の割合)、予約譲渡回数から予約実行回数を差し引いた数、予約譲渡率(予約譲渡回数を予約回数で割って求める予約全体に対する予約譲渡回数の割合)の少なくともいずれか一つを算出し、当該算出の結果、所定の閾値を上回る場合は、当該ユーザは不正な利益を得るための空予約(例えば、実際にはお店に行ってサービスを受ける意志がないのにも関わらず、予約譲渡の際のインセンティブを得るために、架空の予約をすること等をいう)を繰り返すユーザと判定し、当該譲渡要求を破棄してもよい。
これにより、空予約に関わる譲渡要求を受け付けなくすることができる。なお、上記所定の閾値については、予約サービス全体の予約状況、予約譲渡状況、予約実行状況、予約キャンセル状況等をふまえて適宜設定すればよい。
ここで、上記予約譲渡要求の破棄を含め、図5を用いて空予約の譲渡を成立させない入力受付を含む表示の例について説明する。例えば、図5(a)に示すように、空予約を繰り返すと判定されたユーザCが予約の競合する相手として抽出され、ユーザ端末200に表示された場合に、「現在、ユーザCへの譲渡要求を受け付けることができません。」といったような通常のドロップダウンメニューとは異なる譲渡が不可である旨の表示をし、予約譲渡のための交渉要求や譲渡要求の入力をさせないこともできる。また、図5(b)で示すように、予約状況のタイムライン表示にユーザCの表示エリアには「譲渡不可」と表示し、タップ等による指定自体を無効にする表示をすることもできる。さらに、図5(c)に示すように、一旦予約の交渉要求または譲渡要求は受け付けるものの、「申し訳ございません。ご指定の譲渡要求は、諸事情により受け付けることが出来ません。再度選び直して頂く等ご対応お願い致します。」といった譲渡が破棄された旨の表示をして、当該要求を破棄することもできる。
記憶部130は、サーバ100が動作するうえで必要とする各種プログラム、データおよびパラメータを記憶する機能を有する。具体的には、例えば、記憶部130は、予約情報および予約実績情報等を記憶する。記憶部130は、典型的には、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等各種の記録媒体により実現される。
以上が、サーバ(情報処理装置)100の構成である。
次にユーザ端末200の構成について説明する。
図2に示すように、ユーザ端末200は、表示部210、制御部220、通信部230、記憶部240を含んで構成される。
表示部210は、ユーザからの入力を受け付ける機能を有する。典型的には、タッチパネル等のソフトキーあるいはハードキーにより実現される。また、表示部210は、制御部220の制御に従い、サーバ100から送信された表示情報等を表示する機能を有するモニタである。典型的には、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等を用いればよい。
また、表示部210は、トークルーム上のユーザの入力について、サーバ100の記憶部130に記憶する予約情報の更新が必要な入力について識別し、当該識別した入力情報をサーバ100に送信するよう、制御部220の制御に従い、送信部232に伝達することができる。例えば、予約を要求するユーザと、交渉相手のユーザ(予約の譲渡可能なユーザ)がトークルーム上で予約譲渡の直接交渉の中で、新たなインセンティブを設定入力した場合、当該設定情報を識別し、当該識別した設定情報をサーバ100に送信する。サーバ100の受信部112が当該識別した設定情報を受信し、更新部123に伝達すると、更新部123は当該伝達された当該識別した設定情報に基づいて、予約情報の予約内容情報604のインセンティブ設定情報を更新することができる。
また、インセンティブの設定だけでなく、トークルーム上で予約譲渡の直接交渉の末、予約の譲渡が決定した際に、交渉の中で変更された情報のうち、予約情報の更新が必要な入力を識別し、当該識別した入力情報をサーバ100に送信するよう、制御部220の制御に従い、送信部232に伝達することができる。これにより、直接交渉の入力とは別途、画面遷移等してインセンティブの設定入力をする必要がなく、ユーザインタフェースの向上を図ることができる。なお、予約情報の更新が必要な入力の識別においては、予めパラメータ情報として特定のキーワード情報(例えば、“[インセンティブ再設定]”等のタグ情報等)を設定し、当該特定のキーワードが付与されているかどうかで識別してもよいし、対象の入力をタップするとポップアップ表示を表示させて、当該ポップアップ表示上の入力(例えば、ポップアップ表示に“予約情報を更新する”と表示した押下ボタンを設ける等))で識別してもよい。
制御部220は、ユーザ端末200の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部220は、受信部231から伝達されたサーバ100から受信した情報を表示部210に伝達し、表示させる機能を有する。また、制御部220は、表示部210から入力された情報に基づいて、サーバ100に送信するよう、送信部232に伝達し、送信させる機能を有する。さらに、制御部220は、サーバ100から受信部231が受信した表示情報を表示部210に表示するよう制御する機能を有する。さらに、制御部220は、伝達された各種情報に基づいて、記憶部240に記憶されている情報を更新(追加、変更および削除)する機能を有する。
通信部230は、受信部231および送信部232を備え、ネットワーク400を介して、サーバ100との通信(各種データ、メッセージの送受信等)を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。ここで、「メッセージ」とは、テキストメッセージに限らず、画像、音声、動画、スタンプ(デジタルステッカー)等が含まれる。
受信部231は、ネットワーク400を介して、サーバ100または各ユーザ端末200からメッセージを受信し、当該メッセージに含まれるデータを制御部220に伝達する機能を有する。具体的には、例えば、受信部231は、サーバ100から予約情報の検索結果、譲渡可能な予約の抽出結果、交渉回答情報、トークルーム開設通知、トークルーム参加要求、トークルームの参加回答情報、予約の譲渡承認要求、予約の譲渡許可要求、予約譲渡の承認回答情報および予約の更新結果等を受信する。
送信部232は、ネットワーク400を介して、制御部220の制御に従って、サーバ100または各ユーザ端末200にメッセージを送信する機能を有する。具体的には、例えば、送信部232は、予約譲渡の交渉要求、予約譲渡の交渉回答情報、トークルームのユーザ追加要求、トークルームの参加回答情報、予約の譲渡要求、予約譲渡の承認回答情報および予約譲渡の許可回答情報等をサーバ100に送信する。
記憶部240は、サーバ100が動作するうえで必要とする各種プログラム、データおよびパラメータを記憶する機能を有する。記憶部240は、具体的には、例えば、メッセージングアプリおよび予約情報等を記憶する。記憶部240は、典型的には、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等各種の記録媒体により実現される。
以上が、ユーザ端末200の構成である。
<データ>
ここで、本実施の形態において、予約要求メッセージのデータ構成例並びに記憶部130に記憶される予約情報および予約実績情報のデータ構成例について図3a〜cに示す。図3aは、予約要求メッセージのデータ構成例を示すデータ概念図である。
予約要求ID501は、予約要求メッセージを識別するために付与された固有の識別情報である。
ユーザID502は、ユーザを識別するために付与されたユーザ固有の識別情報である。
予約要求日時503は、予約要求メッセージに付与される日時(日付と時刻を示すものであれば、どのような形で表現されてもよく、例えば、ISO 8601で規定されている、年=YYYY、月=MM、日=DD、時=hh、分=mm、秒=ssとした、基本表記YYYYMMDDThhmmssまたは、拡張表記YYYY-MM-DDThh:mm:ss等を用いることが考えられる。)の情報である。具体的には、予約要求メッセージがユーザ端末200の表示部210がユーザからの予約依頼の入力を受け付けた日時もしくは制御部220で生成時の日時または上述のとおりサーバ100が予約要求メッセージを受信した日時でも統一して設定されればよい。
予約時間504は、ユーザが予約をしたい時間区間における日付と時間帯の情報(予約をしたい開始日時および終了日時、時間数等)である。
予約内容情報505は、予約の対象となる店舗情報、予約の内容、予約譲渡の際に必要となるインセンティブ情報等を示す情報である。
具体的には、店舗・タスクID(店舗等および他タスク固有の識別情報)、分類(店舗等への予約かタスク予約を分別する情報)、席・部屋情報、予約リソース数、メニュー情報、指名情報(サロン等の店舗であれば、希望のスタイリスト、ネイリスト等を指定する情報)およびタスク内容(タスク管理サービスの場合に実施すべきタスクの内容を示す情報)から構成することができる。
図3aにおいて、一例として、予約要求IDが「RR0089」で示される予約要求メッセージは、ユーザID「U0123」が付与されているユーザからの予約要求であり、「2015/9/15 20:58」に表示部210で予約入力を受け付けられた予約要求である。また、その予約内容は、店舗ID「Res002」が付与されたレストランに対する予約であり、席・部屋情報が「窓際テーブル」と窓際にあるテーブル席を指定し、予約リソース数が「5名」と5名の人間が来店すること、また、当該人数が座れる大きさの席であることを指定し、メニュー情報が「季節の限定コース」とするコース料理を指定するものである。
インセンティブ設定情報は、ユーザの予約確定後、他のユーザから予約譲渡を要求した際に求めるインセンティブの内容を示す情報である。具体的には、インセンティブ設定情報は、譲渡分類(完全譲渡か部分譲渡か両方対応できるかを分別する情報であり、完全譲渡は予約時間全体を一つのまとまりとして譲渡するものであり、部分譲渡は任意の時間単位で予約時間を分割したまとまりで譲渡するものである)、金額(完全)(完全譲渡の際に必要となる金銭の額の上限または下限の少なくともいずれか一つ)、金額(部分)(部分譲渡の際に必要となる金銭の額の上限または下限の少なくともいずれか一つ)、単位時間(部分譲渡にあたって、分割の時間単位を示す情報)、緊急度(タスク管理サービスにあたって、対象のタスクの緊急性の度合いを示す情報(例えば、高、中、低等)および重要度(タスク管理サービスにあたって、対象のタスクの重要性の度合いを示す情報(例えば、高、中、低等)から構成することができる。
インセンティブ指定条件は、ユーザの予約要求の際、競合する予約が存在し、当該予約を譲渡してもらうにあたって、当該譲渡のためのインセンティブに対する条件を示す情報である。具体的には、インセンティブ指定条件は、譲渡分類、金額(完全)、金額(部分)および単位時間から構成することができる。インセンティブ設定情報およびインセンティブ指定条件を設けることで、ある店舗のある時間帯に行くことを強く希望するユーザに、既に予約をしている他のユーザが予約を譲渡する誘因となり、仮に競合が発生しても、予約を強く希望するユーザが諦めることなく、希望する店舗等に予約をすることができる。
図3bは、記憶部130に記憶されている予約情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
予約要求ID601、ユーザID602、予約要求日時603は、図3aで示した予約要求メッセージで設定された情報を示すものである。予約内容情報604のうち、譲渡可否は対象の予約が譲渡可能か否かを示す情報であり、予約要求メッセージのインセンティブ設定情報が設定されていたら、自動的に譲渡可と判定し設定してもよいし、譲渡可否の選択フィールドを表示部210および予約要求メッセージに設けて判別し、設定してもよい。予約内容情報604の譲渡可否以外のフィールドについては、予約要求メッセージで設定された情報を示すものである。また、ステータス605は、対象の予約の状況を示す情報であり、予約の未実施、実行、キャンセル、譲渡済等の状況を示すことができる。
図3cは、記憶部130に記憶されている予約実績情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
予約実績情報は、ユーザごとの予約実績を示す情報である。ユーザID701は、上述のとおりユーザを識別するために付与されたユーザ固有の識別情報である。具体的には、予約実績情報は、予約回数(対象のユーザがこれまで予約サービスで予約した回数)、予約実行回数(対象のユーザが予約した予約のうち、予約内容情報どおりに店舗への来店やタスク等を実行した回数)、予約キャンセル回数(対象のユーザが予約した予約のうち、予約内容情報どおりに実行しなかった回数)、予約譲渡回数(対象のユーザが予約した予約のうち、他のユーザに予約を譲渡した回数)から構成することができる。なお、図3cには不図示だが、予約実績情報は、予約キャンセル率および予約譲渡率を含んでもよい。
<動作>
本実施の形態に係るサーバ100の動作およびサーバ100とユーザ端末200のメッセージ等のやり取りの流れを説明する。図8a〜cを用いて、サーバ100の動作を説明する。図8a〜cは、サーバ100の動作を示すフローチャート図である。
図8aを示すように、記憶部130に、ユーザの予約情報が記憶される(ステップS11)。受信部111は、ユーザ端末200から送信された予約要求を受信する(ステップS12)。検索部121は、受信した予約要求メッセージに基づいて、記憶部130が記憶するユーザの予約情報から、当該予約要求データの予約と全部または一部が競合する予約情報を検索する(ステップS13)。検索部121が検索した結果、競合する予約情報が存在しなかった場合(ステップS14のNO)には、検索部121が競合する予約が存在しないため予約可能であるとして当該検索結果を送信部112に伝達し、送信部112が当該検索結果をユーザ端末200に送信する(ステップS18)。
一方、検索部121が当該検索した結果、競合する予約情報が存在する場合(ステップ14のYES)には、予約時間に近い空き時間または類似の予約対象の少なくともいずれか一つを検索する(ステップS15)。検索部121の検索結果は抽出部121に伝達され、抽出部122は、伝達された検索結果に基づいて、競合する予約のうち、譲渡可能な予約を抽出する(ステップS16)。抽出部121は、伝達された検索結果および当該抽出結果を送信部112に伝達し、送信部112がこれらの検索結果および抽出結果をユーザ端末200に送信する(ステップS17)。
これにより、予約を希望するユーザに、予約が競合するユーザ情報と、当該競合するユーザのうち予約の譲渡が可能なユーザを示す情報を通知することで、また、予約時間に近い空き時間や予約対象の店舗等に類似する店舗情報を通知することで、単に予約が競合するため予約不可能であるとの通知をする従来技術と比較して、予約の選択の可能性および選択の幅を広げ、ユーザにとって利便性の高いサービスを提供することができる。
次に図8bに示すように、ユーザが競合するユーザ情報、譲渡可能なユーザを示す情報等を確認して、ユーザ端末200から送信した予約の譲渡要求、予約の交渉要求または確定要求を、受信部111が受信する(ステップS21)。予約の交渉要求を受信した場合(ステップS22の交渉要求の場合)には、制御部120の制御に従い、送信部112が交渉要求を交渉相手のユーザ(予約の譲渡可能なユーザ)に交渉要求を送信する(ステップS23)。送信された交渉要求に対して、交渉相手のユーザが、交渉に応じるか否かの回答情報をユーザ端末200から送信し、受信部111は、当該回答情報を受信する(ステップS24)。受信した回答情報に基づいて、交渉可能である場合には送信部112がトークルーム開設通知をユーザと交渉相手のユーザの双方のユーザ端末に送信する(ステップS27)。
ここで、「トークルーム」とは、ユーザ端末200に搭載されるメッセージングアプリが提供するチャット機能を用いて、ユーザ間でメッセージのやりとりをする仮想空間をいう。
トークルーム開設通知を受けたユーザと交渉相手のユーザは、トークルームのチャットを用いて具体的な予約の譲渡交渉を直接行うことができ、予約の譲渡を効果的に実現することができる。
また、受信部111がユーザ端末200から予約の譲渡要求を受信した場合(ステップS22の譲渡要求の場合)には、受信部111は、更新部123に当該譲渡要求を伝達し、更新部123は、譲渡人の予約キャンセル回数等が所定の閾値を上回るか否か判定し、所定の閾値を上回る場合(ステップS27のYES)には、当該譲渡要求を破棄し(ステップS36)、当該破棄の結果を送信部112に伝達し、送信部112は伝達された破棄の結果をユーザ端末200に送信する(ステップS37)。
一方、更新部123は、譲渡人の予約キャンセル回数等が所定の閾値を上回らないと判定した場合(ステップS27のNO)には、予約の譲渡にあたって相手の承諾が必要か否か判定する(ステップS28)。当該判定の基準は、予約要求の際にユーザに選択させてもよく、その場合、記憶部130に記憶されている予約情報に含まれる一情報として記憶し、判定の際には、当該情報に基づき判定することができる。また、当該判定の基準は、サービスシステム全体で統一してパラメータ等に設定してもよい。
更新部123は、相手の承認が必要と判定した場合(ステップS28のYES)には、予約の譲渡承認要求を送信部112に伝達し、送信部112は伝達された譲渡承認要求を譲渡人のユーザ端末200に送信する(ステップS29)。送信された譲渡承認要求に対して、譲渡人のユーザが、譲渡を承認するか否かの承認回答情報をユーザ端末200から送信し、受信部111は、当該承認回答情報を受信する(ステップS30)。受信した当該承認回答情報は、受信部111から更新部123に伝達される。
次に、更新部123は、予約の譲渡にあたって店舗等側の承諾が必要か否か判定する(ステップS31)。更新部123は、店舗等側の承諾が必要と判定した場合(ステップS31)には、店舗等側のユーザ端末200に送信する譲渡許可要求を送信部112に伝達し、送信部112は伝達された予約の譲渡許可要求を店舗側のユーザ端末200に送信する(ステップS32)。送信された譲渡許可要求に対して、店舗等側のユーザが、許可するか否かの許可回答情報をユーザ端末200から送信し、受信部111は、当該許可回答情報を受信する(ステップS33)。受信した当該許可回答情報は、受信部111から更新部123に伝達される。
更新部123は、予約の譲渡要求、交渉要求および確定要求並びにそれらに関する交渉回答情報、承認回答情報および許可回答情報に基づいて記憶部130に記憶する予約情報および予約実績情報を更新する(ステップS34)。更新部123は、当該更新の結果を送信部112に伝達し、送信部112は伝達された当該更新の結果をユーザ端末200に送信する(ステップS35)。なお、当該更新の結果は、交渉回答情報、承認回答情報および許可回答情報を含み、また、それらの情報に基づいて更新しなかった結果についても含むものとする。また、図8cに示すように、受信部111は、店舗等側のユーザ端末200から、予約どおりに実行されたか否かの判定情報を受信する(ステップS41)。受信部111は、受信した判定情報を更新部123に伝達し、更新部123は伝達された判定情報に基づいて、予約実績情報の予約の実行回数またはキャンセル回数等を更新する(ステップS42)。
次に、図9および図10を用いて、サーバ100とユーザ端末200間のメッセージ等の情報のやり取りおよび処理の流れを説明する。図9は、サーバ100とユーザ端末200間の譲渡要求の送信から予約情報等の更新結果の送信までのメッセージ等の情報のやり取りおよび処理の流れを示すシーケンス図である。ここで、図9におけるユーザ端末200について、予約を希望し予約要求を行うユーザをユーザ1とし、ユーザ1が所有するユーザ端末200を第1のユーザ端末、当該要求された予約と競合する予約を保有し、予約の譲渡人であるユーザをユーザ2とし、ユーザ2が所有するユーザ端末200を第2のユーザ端末、当該要求された予約の対象となる店舗等のユーザをユーザ3とし、ユーザ3が所有するユーザ端末200を第3のユーザ端末とする。
先ず、第1のユーザ端末が予約要求メッセージをサーバ100に送信すると(ステップS51)、サーバ100は、当該予約要求に基づいて、競合する予約を検索し(ステップS52)、競合する予約のうち、譲渡可能な予約を抽出する(ステップS53)。その後、サーバ100は、当該検索結果または抽出結果メッセージを少なくともいずれか一つを第1のユーザ端末に送信する(ステップS54)。
次に、第1のユーザ端末が譲渡要求メッセージをサーバ100に送信すると(ステップS55)、サーバ100は譲渡人の承認が必要か否か判定し、承認が必要な場合は、サーバ100およびユーザ端末200は、opt1(Option1、以下同じ)タグのエリア内にあるメッセージのやり取りおよび処理を実行する。具体的には、サーバ100は譲渡承認要求メッセージを第2のユーザ端末に送信し(ステップS56)、第2のユーザ端末は当該送信された譲渡承認要求メッセージに対する承認回答情報メッセージをサーバ100に送信する(ステップS57)。サーバ100は第2のユーザ端末から当該承認回答情報メッセージを受信すると、第1のユーザ端末に当該承認回答情報メッセージを送信する(ステップS58)。
また、店舗等の許可が必要な場合は、サーバ100およびユーザ端末200は、opt2タグのエリア内にあるメッセージのやり取りおよび処理を実行する。具体的には、サーバ100は予約の譲渡許可要求メッセージを第3のユーザ端末に送信し(ステップS59)、第2のユーザ端末は、当該譲渡許可要求メッセージに対する許可回答情報メッセージをサーバ100に送信する(ステップS60)。サーバ100は第3のユーザ端末から当該許可回答情報メッセージを受信すると、第1のユーザ端末に当該許可回答情報メッセージを送信する(S61)。
サーバ100は、予約の譲渡要求、承認回答情報、許可回答情報を受信すると、記憶部130に記憶する予約情報および予約実績情報を更新し(ステップS62)、当該更新結果を第1のユーザ端末、第2のユーザ端末および第3のユーザ端末にそれぞれ送信する(ステップS63、S64、S65)。
図10は、サーバ100とユーザ端末200間の譲渡要求の送信から予約情報等の更新結果の送信までのメッセージ等の情報のやり取りの流れを示すシーケンス図であるが、図9で示したシーケンス図に対し、ユーザ間の予約の譲渡交渉および友達のユーザを当該交渉の場に途中参加する場合のメッセージのやり取りおよび処理の流れを加えたシーケンス図である。ここで、図10におけるユーザ端末200について、加えて、予約を希望し予約要求を行うユーザ1の友達である別のユーザをユーザ4とし、ユーザ4が所有するユーザ端末を第4のユーザ端末とする。
第1のユーザ端末が予約要求メッセージをサーバ100に送信し(ステップS71)、サーバ100が、当該検索結果または抽出結果メッセージを少なくともいずれか一つを第1のユーザ端末に送信する(ステップS74)までのメッセージのやり取り等(ステップS71〜S74)は、図9で示したシーケンス図のメッセージのやり取り等(ステップS51〜S54)と同様である。
次に、第1のユーザ端末がサーバ100に交渉要求メッセージを送信し(ステップS75)、サーバ100が当該交渉要求メッセージを受信すると、サーバ100は、第2のユーザ端末に当該交渉要求メッセージを送信する(ステップS76)。第2のユーザ端末は当該交渉要求メッセージを受信すると、交渉回答情報メッセージをサーバ100に送信する(ステップS77)。サーバ100は当該交渉回答情報メッセージを受信すると予約譲渡の交渉可能か否か判定し、交渉不可の場合は、サーバ100および第2のユーザ端末は、alt1(Alternative1、以下同じ)タグのエリアの破線上部エリアにあるメッセージのやり取りおよび処理を実行する。具体的には、サーバ100は、第1のユーザ端末に当該交渉回答情報メッセージを送信する(ステップS78)。一方、交渉可の場合は、サーバ100および第2のユーザ端末は、al1タグのエリアの破線下部エリアにあるメッセージのやり取りおよび処理を実行する。具体的には、サーバ100は、トークルーム開設通知メッセージを第2のユーザ端末に送信し(ステップS79)、また、サーバ100は、当該交渉回答情報メッセージおよびトークルーム開設通知メッセージを第1のユーザ端末に送信する(ステップS80)。
その後、第1のユーザがサーバ100にユーザ4をトークルームに追加するようユーザ追加要求メッセージをサーバ100に送信し(S81)、サーバ100は当該追加要求メッセージを受信すると、第1のユーザ端末にトークルーム参加要求メッセージを送信する(ステップS82)。第4のユーザ端末は当該参加要求メッセージを受信すると、参加回答情報メッセージをサーバ100に送信する(ステップS83)。サーバ100は当該参加回答情報メッセージを受信するとユーザ4がトークルーム参加可能か否か判定し、参加不可の場合は、サーバ100は、alt2タグのエリアの破線上部エリアにあるメッセージのやり取りおよび処理を実行する。具体的には、サーバ100は、参加不可の旨の情報を含む参加回答情報メッセージを第1のユーザ端末に送信する(ステップS84)。一方、参加可の場合は、サーバ100およびユーザ端末200は、alt2タグのエリアの破線下部エリアにあるメッセージのやり取りおよび処理を実行する。具体的には、サーバ100は、参加可の旨の情報を含む参加回答情報メッセージを第1のユーザ端末に送信し(ステップS85)、第4のユーザ端末にトークルーム開設通知メッセージを送信する(ステップS86)。
第1のユーザ端末が予約の譲渡要求メッセージをサーバ100に送信し(ステップS87)、サーバ100が、予約情報の更新結果を第1のユーザ端末、第2のユーザ端末および第3のユーザ端末にそれぞれ送信する(ステップS95、S96、S97)までのメッセージのやり取り等(ステップS87〜S97)は、図9で示したシーケンス図のメッセージのやり取り等(ステップS55〜S65)と同様である。
本発明に係るサービスシステムにおいては、図4に示すように専用のGUIとなる表示部210を設ける以外にも図7に示すようにトークルームを用いて予約および予約譲渡を行うこともできる。例えば、図7(a)に示すように、制御部220が備えるボット機能により、ユーザには「@コンシェルジュサービス」アカウントとしてチャットメッセージでレストランの予約要求を受け付けることができる。予約要求を受け付け、競合する予約が存在する場合には、「@コンシェルジュサービス」アカウントから譲渡可能な予約があること、予約時間に近い空き時間があること、希望の席に類似する席が空いていることを提案することができる。また、図7(b)に示すように、チャットの途中で友達である別のユーザを参加させることもできる。これにより、ユーザは、参加した別のユーザの「@コンシェルジュサービス」アカウントとユーザのこれまでのメッセージのやり取りを見た「@コンシェルジュサービス」アカウントから提案された選択肢に対する意見を聞くことができる。
ユーザ間で意見を言い合い、「@コンシェルジュサービス」アカウントから提案された選択肢から選択した案を「@コンシェルジュサービス」アカウントに伝えると、本発明に係るサービスシステムは当該案を実行する。例えば図7(b)に示すように、本発明に係るサービスシステムは予約の譲渡を選択した場合、予約の譲渡のための各処理を行う。図(c)に示すように予約確定のためのインセンティブの支払い決済についても指定のメッセージをタップすることで支払い決済のためのページに遷移させ、決済処理をすることもできる。
これにより、普段トークルームにおいて友達同士でチャットをする感覚で、簡易的に予約および予約譲渡を行うことが出来、ユーザにとって利便性の高いサービスを提供することができる。
サーバ100及びユーザ端末200の各機能部は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)およびメモリを用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、各機能部は、1または複数の集積回路により実現されてよく、複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。図11には、サーバ100およびユーザ端末200の各機能部を回路で示した例を示している。なお、ここで「回路」は、コンピュータによるデジタル処理、すなわち、ソフトウェアによる機能的処理としての意味合いを含んでもよい。また、当該回路は、再構築可能な回路(例えば、FPGA:Field Programmable Gate Array)により実現されてもよい。
サーバ100及びユーザ端末200の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、サーバ100またはユーザ端末200は、各機能を実現するソフトウェアである表示情報生成プログラムの命令を実行するCPU、上記検索プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記検索プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記検索プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記検索プログラムは、当該検索プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記検索プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
なお、上記検索プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。