JP2020091178A - プルトニウム消滅型の熔融塩原子炉、それを用いた発電システム、及び、プルトニウム消滅型の熔融塩原子炉の運転方法 - Google Patents
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Abstract
Description
トリウム熔融塩炉は、プルトニウムの消滅を図ると共に、トリウムから生成したウラン233を回収装置により分離し精製することで、核燃料として再利用することが可能な原子炉である。
なお、後記する本発明の実施形態1で用いる液体燃料は、プルトニウムを含みトリウムを含まないものである(トリウム0モル%)。
従来、軽水炉等では、固形燃料が使われていたため、原子炉内での事故時反応度を抑制するために、トリウムを削除することはできなかった。しかし、今回の熔融塩燃料のような液体燃料において、トリウムを削除したとしても、液体燃料の膨張のみで、十分な事故時反応度抑制効果が得られたため、トリウムを削除した熔融塩原子炉を可能とした。また、そのことにより、従来と比較して、プルトニウムの消滅速度を向上させることに成功した。
その他の解決手段については、後記する実施形態で詳細に説明する。
図1に示すように、発電システム100は、プルトニウム消滅型の熔融塩原子炉(以下適宜「熔融塩炉」という)10、一次系循環ポンプ20、熱交換器30、燃料注入装置40、二次系循環ポンプ50、蒸気発生器60、蒸気タービン70、発電機80、ドレイン回収装置90等を備える。
減速材として黒鉛13を採用し、リチウムとベリリウムの混合弗化物(LiF-BeF2)を母材とした熔融塩燃料Fが空隙部12を流れている。
発電系3は、前記のように、蒸気発生器60と、蒸気タービン70と発電機80とを備える。
蒸気発生器60において、二次系2から流れてくる二次塩31の熱によって、蒸気(高温の水蒸気)を発生させる。蒸気発生器60によって発生した蒸気が蒸気タービン70を回転させることにより、この蒸気タービン70と回転軸を介して接続された発電機80を回転させ、発電する。なお、蒸気タービン70を回転させた後の蒸気は、図示しない復水器によって冷却され、液体の水に復水される。
実施形態1において、熔融塩燃料Fは、LiF-BeF2の濃度は99.7モル%(熔融塩中の分子数の割合を%で示す指標)、プルトニウムの濃度は0.3モル%程度である。このプルトニウム濃度は原子炉を臨界にするのに最低限に必要な値であって、原子炉の大きさなどによって若干の変動はありえる。但し、本原子炉の例では、これ以上低い値、例えば0.2モル%とすると、原子炉を臨界にできず、運転できなくなる。一方、これ以上の高い値、例えば2倍の0.6モル%とすることは設計上では可能であるが、それによってプルトニウムの消滅速度が2倍になる訳ではない。それは、トリウムのない本原子炉、即ちトリウムの含有量が0モル%の熔融塩燃料では、他に中性子を吸収する物質がほとんどないため、プルトニウムの消滅速度は、原子炉内での総核分裂量、ひいては総発電量で決まるからである。従って、プルトニウム濃度は最低限必要な値とするのが最適である。
前記した実施形態1では、プルトニウムを含みトリウムを含まない熔融塩燃料F(LiF-BeF2の濃度は99.7モル%、プルトニウムの濃度は0.3モル%)を使用した。また、前記した実施形態1では、トリウムを含まないため、トリウムによる、事故時反応度抑制効果を得ることができない。
そこで、熔融塩炉10における液体膨張のみでは不十分な場合に備えて、実施形態2では、少量のトリウムを熔融塩燃料Fに含ませることができる例を示す。図2に示すように、トリウムは比較的少量でも有効な事故時反応度抑制効果がある。そのため、トリウムの含有量は1モル%から5モル%が好ましく、さらに好ましくは、1モル%から2モル%である。また、この場合トリウムから発生するウラン233は極めて少量であり、プルトニウム消滅に与える影響は小さい。
なお、トリウムの代わりに、ウラン238を使用することも可能である。ウラン238は、トリウムと同程度の事故時反応度抑制効果を有しており、使用形態としては、ウラン238を99.3%含有する天然ウランが安価である。ただし、ウラン238が中性子を吸収すると新たなプルトニウムが生成し、プルトニウム消滅速度が若干損なわれるので、使用量は1モル%から5モル%が好ましく、さらに好ましくは1モル%から2モル%である。
あるいは、トリウムとウラン238を併用し、合計量で1モル%から5モル%の含有量が好ましく、さらに好ましくは1モル%から2モル%として、ウラン238やトリウムの使用量(含有量)を更に低減することができる。
前記した実施形態1では、プルトニウムを含みトリウムを含まない熔融塩燃料F(LiF-BeF2の濃度は99.7モル%、プルトニウムの濃度は0.3モル%)を使用した。それに対し、実施形態3では、プルトニウム及び超ウラン元素(ネプチニウム、アメリシウム、キューリウム)を少量含み、トリウムを含まないか、又はトリウム又はウラン238又はトリウムとウラン238の合計量で1モル%以上で5モル%以下である液体の熔融塩燃料Fを炉心10aに供給し、プルトニウム及び超ウラン元素を同時に消滅することを特徴とする。
即ち、実施形態3として、トリウムもウラン238も含まない状態で、超ウラン元素を少量含むものである。又は、実施形態3として、トリウムの含有量が1モル%〜5モル%の状態で、超ウラン元素を少量含むものである。又は、実施形態3として、ウラン238の含有量が1モル%〜5モル%の状態で、超ウラン元素を少量含むものである。又は実施形態3としては、トリウム及びウラン238の含有量が合計1モル%〜5モル%の状態で、超ウラン元素を少量含むものである。
次に、実施形態4は、実施形態1、実施形態2、及び、実施形態3において、熔融塩燃料Fとして使用されているプルトニウムがなくなった際に、熔融塩炉10の運転を停止することなく、稼働し続けるための方法を示す。
1 一次系
2 二次系
3 発電系
10 熔融塩炉(プルトニウム消滅型の熔融塩原子炉)
10a 炉心
11 制御棒
12 空隙部
13 黒鉛
20 一次系循環ポンプ
20a ポンプ本体
20b 電動機
30 熱交換器
31 二次塩
40 燃料注入装置
50 二次系循環ポンプ
50a ポンプ本体
50b 電動機
60 蒸気発生器
70 蒸気タービン
80 発電機
F 熔融塩燃料(熔融塩)
Claims (6)
- 炉心を備え、プルトニウムを含む熔融塩が、燃料かつ冷却媒体として前記炉心に循環供給され、前記熔融塩には、トリウム、及び/又は、ウラン238が含まれ、その含有量が、0モル%〜5モル%であることを特徴とするプルトニウム消滅型の熔融塩原子炉。
- 前記含有量が、1モル%〜2モル%であることを特徴とする請求項1記載のプルトニウム消滅型の熔融塩原子炉。
- 熔融塩燃料である前記熔融塩は、さらに、超ウラン元素を含み、前記プルトニウム、及び、前記超ウラン元素を消滅させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプルトニウム消滅型の熔融塩原子炉。
- 前記熔融塩から、燃料として使用可能なプルトニムが全て消失した後に、低濃縮ウラン及びトリウムを、前記熔融塩に加えることにより、運転の継続を可能としたことを特徴とする請求項1記載のプルトニウム消滅型の熔融塩原子炉。
- プルトニウムを含む熔融塩が、燃料かつ冷却媒体として炉心に循環供給されるプルトニウム消滅型の熔融塩原子炉と、前記プルトニウムを含む熔融塩を、燃料かつ冷却媒体として前記炉心に循環供給する一次系と、前記一次系により前記炉心を循環する熔融塩に、前記燃料としての前記プルトニウムを供給する燃料供給装置と、発電機と、を備える、ことを特徴とするプルトニウム消滅型の熔融塩原子炉を備える発電システム。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項記載のプルトニウム消滅型の熔融塩原子炉において、
前記熔融塩から、燃料として使用可能なプルトニムが全て消失した後に、低濃縮ウラン及びトリウムを、前記熔融塩に加えることにより、運転の継続を可能としたことを特徴とするプルトニウム消滅型の熔融塩原子炉の運転方法。
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RU2741330C1 (ru) * | 2020-08-14 | 2021-01-25 | Федеральное государственное бюджетное учреждение "Национальный исследовательский центр "Курчатовский институт" | Автономная ядерная энергетическая установка |
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JP2014013149A (ja) * | 2012-07-03 | 2014-01-23 | Thorium Tech Solution Inc | ウラン・トリウムハイブリッドシステム |
WO2015094450A1 (en) * | 2013-09-27 | 2015-06-25 | Transatomic Power Corporation | Molten salt reactor |
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