JP2020090663A - 艶消し粉体塗料組成物および塗装品 - Google Patents

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Abstract

【課題】平滑性が優れ、任意に光沢を調整することができ、かつ、耐擦り傷性にも優れた塗膜を得るための艶消し粉体塗料組成物および塗装品を提供する。【解決手段】硬化性樹脂と、硬化剤と、ポリオレフィンワックスとを含み、ポリオレフィンワックスは、融点が141〜180℃であるポリオレフィンワックスAと、融点が90〜140℃であるポリオレフィンワックスBとを含む、艶消し粉体塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、艶消し粉体塗料組成物および塗装品に関する。より詳細には、本発明は、平滑性が優れ、任意に光沢を調整することができ、かつ、耐擦り傷性にも優れた塗膜を得るための艶消し粉体塗料組成物および塗装品に関する。
従来、粉体塗料は、塗装時に有機溶剤の大気中への揮発がないことから、低公害型の塗料として注目されており、溶剤塗料からの切り替えが進んでいる。そのような状況下において、ブロックイソシアネート硬化型ポリエステル粉体塗料は、ブロック剤であるε−カプロラクタムが原因となり、加熱硬化時に塗膜が黄変するという問題がある。これに対し、ブロック剤を含有しないHAA(β−ヒドロキシアルキルアミド)系硬化ポリエステル粉体塗料は、加熱硬化時に「黄変の要因の1つであるε−カプロラクタムガスを発生させないこと」や「硬化温度を下げられること」から注目されている。
ところで、粉体塗料は、家電、自動車、建材をはじめとする多くの分野で使用されている。塗膜は、美的観点から艶有(60度鏡面光沢度で90〜100%程度)、半艶消し(60度鏡面光沢度で30〜70%程度)および艶消し(60度鏡面光沢度で30%程度以下)が要求される場合がある。中でも、室内製品は、落ち着いた外観が求められることから、光沢度60%以下(特に45%以下)での需要が多い。そこで、種々の艶消し効果を得るための技術が提案されている(特許文献1〜4)。
特開2009−215372号公報 特開平10−7944号公報 特許第4897687号公報 特開2000−119561号公報
しかしながら、特許文献1に記載の艶消し粉体塗料組成物は、光沢値を調整するために複数の粉体塗料組成物を使用しなければならず、利便性が劣る。また、特許文献1に記載の艶消し粉体塗料は、複数の粉体塗料組成物を混合する際に、均一性が低下しやすい。また、特許文献2に記載の樹脂組成物は、高酸価樹脂を含むため、ゲル化が早く、塗膜の平滑性が劣りやすい。さらに、特許文献3に記載の体質顔料を用いた艶消し塗膜は、充分な艶消し性を付与するために酸化チタン等の顔料を多く配合すると、得られる塗膜の物性や平滑性が劣りやすい。さらに特許文献4に記載の粉体塗料組成物は、得られる塗膜の耐擦り傷性が不十分で、運搬時や使用時に基材同士や爪等で擦れた場合、傷が付きやすいという問題があった。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、平滑性が優れ、任意に光沢を調整することができ、かつ、耐擦り傷性にも優れた塗膜を得るための艶消し粉体塗料組成物および塗装品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂と、硬化剤と、特定の融点を示す複数のポリオレフィンワックスとを併用することにより、上記課題が適切に解決され得ることを見出し、本発明を完成した。すなわち、上記課題を解決する本発明の艶消し粉体塗料組成物および塗装品には、以下の構成が主に含まれる。
(1)硬化性樹脂と、硬化剤と、ポリオレフィンワックスとを含み、前記ポリオレフィンワックスは、融点が141〜180℃であるポリオレフィンワックスAと、融点が90〜140℃であるポリオレフィンワックスBとを含む、艶消し粉体塗料組成物。
このような構成によれば、得られる塗料組成物は、平滑性が優れ、任意に光沢を調整することができ、かつ、耐擦り傷性にも優れた塗膜を形成することができる。
(2)前記硬化性樹脂は、ポリエステル樹脂を含む、(1)記載の艶消し粉体塗料組成物。
このような構成によれば、得られる塗膜は、耐候性等の塗膜物性がより優れる。
(3)前記ポリエステル樹脂は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂を含む、(2)記載の艶消し粉体塗料組成物。
このような構成によれば、得られる塗膜は、優れた平滑性と塗膜物性を示す。
(4)前記ポリエステル樹脂と、前記ポリオレフィンワックスとの配合割合(質量比)は、100:6〜100:20である、(1)〜(3)のいずれかに記載の艶消し粉体塗料組成物。
このような構成によれば、得られる塗料組成物は、光沢度45%以下の塗膜を容易に形成できる。
(5)前記ポリオレフィンワックスAと、前記ポリオレフィンワックスBとの配合割合(質量比)は、10:0.3〜10:30である、(1)〜(4)のいずれかに記載の艶消し粉体塗料組成物。
このような構成によれば、得られる塗膜は、優れた耐擦り傷性が得られる。
(6)前記硬化剤は、β−ヒドロキシアルキルアミド、グリシジル基含有アクリル樹脂およびエポキシ樹脂のうち少なくとも1種を含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の艶消し粉体塗料組成物。
このような構成によれば、塗料組成物は、低温での硬化性や、脱ブロック剤の観点から好ましい。
(7)基材と、(1)〜(6)のいずれかに記載の艶消し粉体塗料組成物によって前記基材上に形成された塗膜層とを含む、塗装品。
このような構成によれば、得られる塗装品は、平滑性が優れ、任意に光沢を調整しやすく、かつ、耐擦り傷性が優れる。
本発明によれば、平滑性が優れ、任意に光沢を調整することができ、かつ、耐擦り傷性にも優れた塗膜を得るための艶消し粉体塗料組成物および塗装品を提供することができる。
<艶消し粉体塗料組成物>
本発明の一実施形態の艶消し粉体塗料組成物(以下、塗料組成物ともいう)は、硬化性樹脂と、硬化剤と、ポリオレフィンワックスとを含む。ポリオレフィンワックスは、融点が141〜180℃であるポリオレフィンワックスAと、融点が90〜140℃であるポリオレフィンワックスBとを含む。以下、それぞれについて説明する。
(硬化性樹脂)
硬化性樹脂は通常の粉体塗料に用いられるものであれば特に限定されない。硬化性樹脂は、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂およびフッ素樹脂等である。これらの硬化性樹脂は、併用されてもよい。硬化性樹脂が併用されることにより、ハイブリッド型粉体塗料が得られ得る。これらの中でも、硬化性樹脂は、耐候性等の塗膜物性が優れる点から、ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。
・ポリエステル樹脂
ポリエステル樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分および多価アルコール成分とのエステル化反応、または、エステル交換反応によって製造することができる。多塩基酸成分は、たとえば、脂環族多塩基酸成分、脂肪族多塩基酸成分、芳香族多塩基酸成分等である。
脂環族多塩基酸成分は、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個以上のカルボキシル基を有する化合物、このような化合物の酸無水物およびエステル化物である。脂環族多塩基酸成分は、たとえば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;これら脂環族多価カルボン酸の無水物;これら脂環族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等である。脂環族多塩基酸成分は、併用されてもよい。
脂環族多塩基酸成分は、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物であることが好ましく、耐加水分解性が優れる点から、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物であることがさらに好ましい。
脂肪族多塩基酸成分は、たとえば、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物、該脂肪族化合物の酸無水物および該脂肪族化合物のエステル化物である。より具体的には、脂肪族多塩基酸成分は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸等の脂肪族多価カルボン酸;これら脂肪族多価カルボン酸の無水物;これら脂肪族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等である。脂肪族多塩基酸成分は、併用されてもよい。
脂肪族多塩基酸成分は、炭素数4〜18のアルキレン鎖を有するジカルボン酸であることが好ましい。炭素数4〜18のアルキレン鎖を有するジカルボン酸は、たとえば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸等であり、アジピン酸であることが好ましい。
芳香族多塩基酸成分は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、このような芳香族化合物の酸無水物および低級アルキルエステル化物等である。より具体的には、芳香族多塩基酸成分は、たとえば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;これら芳香族多価カルボン酸の無水物;これら芳香族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。芳香族多塩基酸成分は、併用されてもよい。
多価アルコール成分としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを好適に使用することができる。上記多価アルコールとしては、例えば、脂環族ジオール、脂肪族ジオール、芳香族ジオールおよび3価以上の多価アルコール等を挙げることができる。
脂環族ジオールは、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個の水酸基を有する化合物であることが好ましい。脂環族ジオールは、たとえば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンジオール等が挙げられる。これらは、脂環族ジオールは、併用されてもよい。
脂肪族ジオールは、1分子中に2個の水酸基を有する脂肪族化合物であることが好ましい。脂肪族ジオールは、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール化合物等が挙げられる。脂肪族ジオールは、併用されてもよい。
芳香族ジオールは、1分子中に2個の水酸基を有する芳香族化合物であることが好ましい。芳香族ジオールは、たとえば、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール化合物;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。芳香族ジオールは、併用されてもよい。
3価以上の多価アルコールは、たとえば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシブチル)イソシアヌレート等のトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート等が挙げられる。3価以上の多価アルコールは、トリメチロールプロパンであることが好ましい。
ポリエステル樹脂の製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、ポリエステル樹脂は、たとえば、多塩基酸成分を必須成分とする酸成分と多価アルコール成分とを窒素気流中、150〜250℃で5〜10時間反応させて、エステル化反応またはエステル交換反応を行なうことにより製造することができる。
エステル化反応またはエステル交換反応は、上記酸成分およびアルコール成分を一度に添加してもよく、数回に分けて添加してもよい。また、はじめに酸成分およびアルコール成分を水酸基に対してカルボキシル基過剰の当量比で反応させることによりカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を合成した後、上記アルコール成分を用いて、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の一部をエステル化してもよい。さらに、はじめに水酸基含有のポリエステル樹脂を合成した後、酸無水物を反応させて、水酸基含有のポリエステル樹脂をハーフエステル化させてもよい。
エステル化反応またはエステル交換反応の際、反応を促進させるために、触媒が用いられてもよい。触媒は、ジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等である。
ポリエステル樹脂は、調製中またはエステル化反応後またはエステル交換反応後に、脂肪酸、油脂、モノエポキシ化合物、モノアルコール化合物、ポリイソシアネート化合物等で変性されてもよい。
脂肪酸は、たとえば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等の脂肪酸;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等である。
油脂は、たとえば、ヤシ油、綿実油、麻実油、米ぬか油、魚油、トール油、大豆油、アマニ油、桐油、ナタネ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油等が挙げられる。
変性に用いられるポリイソシアネート化合物は特に限定されない。一例を挙げると、ポリイソシアネート化合物は、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;リジントリイソシアネート等の3価以上のポリイソシアネート等の有機ポリイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した各有機ジイソシアネート同士の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビゥレット型付加物等である。ポリイソシアネート化合物は、併用されてもよい。
本実施形態の塗料組成物は、ポリエステル樹脂の中でも、上記したカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂としてカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を含むことにより、得られる塗料組成物は、平滑性がより優れ、かつ、耐擦り傷性にもより優れた塗膜を形成することができる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、特に限定されない。一例を挙げると、Mnは、2000以上であることが好ましく、3000以上であることがより好ましい。また、Mnは、30000以下であることが好ましく、25000以下であることがより好ましい。ポリエステル樹脂のMnが上記範囲内であることにより、得られる塗膜は、塗膜強度、加工性が優れ、かつ、平滑性が良好となりやすい。なお、本実施形態において、Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した数平均分子量を、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。具体的には、ゲルパーミュエーションクロマトグラフとして、「HLC8120GPC」(東ソー(株)製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」および「TSKgel G−2000HXL」(東ソー(株)製)の4本を使用し、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/minおよび検出器RIの条件下で測定することができる。
ポリエステル樹脂の水酸基価は特に限定されない。一例を挙げると、水酸基価は、10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、水酸基価は、200mgKOH/g以下であることが好ましく、100mgKOH/g以下であることがより好ましい。水酸基価が上記範囲内であることにより、塗料組成物は、得られる塗膜の耐擦り傷性および塗膜強度が優れる。なお、本実施形態において、水酸基価は、樹脂中の水酸基をアセチル化して、アセチル化に要した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量を、樹脂1gに対するmg数で表すことによって算出し得る。
ポリエステル樹脂の酸価は特に限定されない。一例を挙げると、酸価は、1mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、酸価は、200mgKOH/g以下であることが好ましく、100mgKOH/g以下であることがより好ましい。酸価が上記範囲内であることにより、塗料組成物は、得られる塗膜の加工性が優れる。なお、本実施形態において、酸価は、樹脂を合成するために用いる単量体の組成に基づいて、樹脂1gを中和するのに理論上要する水酸化カリウムのmg数を算術的に求めた理論酸価である。
・エポキシ樹脂
エポキシ樹脂は、少なくとも1個のエポキシ基を有する有機化合物である。エポキシ樹脂中のエポキシ基の数は、1分子当たり1個以上であればよく、2個以上であることが好ましい。1分子当たりのエポキシ基の数は、エポキシ樹脂中のエポキシ基の総数をエポキシ樹脂中の分子の総数で除算することにより求められる。
エポキシ樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等である。
ビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等およびこれらの臭素化物、水添加物等が例示される。ノボラック型エポキシ樹脂は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が例示される。芳香族エポキシ樹脂は、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等が例示される。
脂環族エポキシ樹脂は、3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシシクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル等が例示される。
脂肪族エポキシ樹脂は、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2〜9のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシジルエーテル等が例示される。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂は、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、へキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等が例示される。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂は、トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N’−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、m−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体等が例示される。
これらの中でも、エポキシ樹脂は、形成される塗膜が優れた密着性を示す点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂であることが好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち、少なくともいずれか1つであることがより好ましい。これらエポキシ樹脂は、併用されてもよい。
密着性、耐水性、耐湿性の点から、エポキシ樹脂のエポキシ樹脂当量は、100g/当量以上であることが好ましく、150g/当量以上であることがより好ましく、180g/当量以上であることがさらに好ましい。また、エポキシ樹脂当量は、2500g/当量以下であることが好ましく、2200g/当量以下であることがより好ましく、2000g/当量以下であることがさらに好ましい。
塗料組成物の樹脂固形分エポキシ樹脂の含有量は、塗料固形分の違いにより変化するため、一概には決定されない。一例を挙げるとすれば、塗料組成物中の樹脂固形分において、5〜55重量%であることが好ましい。エポキシ樹脂の含有量が上記範囲内にある場合、形成される塗膜の強度や密着性が高められやすい。
エポキシ樹脂の数平均分子量(Mn)は、特に限定されない。一例を挙げると、Mnは、300以上であることが好ましく、800以上であることがより好ましい。また、Mnは、10000以下であることが好ましく、3000以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂のMnが上記範囲内であることにより、得られる塗膜は、塗膜強度、加工性が優れ、かつ、平滑性が良好となりやすい。
・アクリル樹脂
アクリル樹脂は、アルキル(メタ)アクリレートまたはアルコキシアクリレート等である。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレ−ト」は、「アクリレート」および「メタクリレート」を含む。
アルキル(メタ)アクリレートは、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソミリスチルアクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等である。アルコキシアクリレートは、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等である。アクリル樹脂は併用されてもよい。これらの中でも、アクリル樹脂は、反応性、貯蔵安定性、耐候性等の点からアルキル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
アクリル樹脂の数平均分子量(Mn)は、特に限定されない。一例を挙げると、Mnは、300以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。また、Mnは、10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。アクリル樹脂のMnが上記範囲内であることにより、貯蔵安定性が優れ、また得られる塗膜は、塗膜強度、加工性が優れ、かつ、平滑性が良好となりやすい。
・フッ素樹脂
フッ素樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体等である。フッ素樹脂は併用されてもよい。
フッ素樹脂は、塗膜を形成した際にピンホールの発生を抑制でき、平滑性が優れる点から、PTFE、PFA、FEP、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体等であることが好ましい。
PFA中のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)であることがより好ましい。PFA中のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の量は、1〜50質量%であることが好ましい。
フッ素樹脂の数平均分子量(Mn)は、特に限定されない。一例を挙げると、Mnは、2000以上であることが好ましく、8000以上であることがより好ましい。また、Mnは、30000以下であることが好ましく、18000以下であることがより好ましい。フッ素樹脂のMnが上記範囲内であることにより、得られる塗膜は、塗膜強度、加工性が優れ、かつ、平滑性が良好となりやすい。
(硬化剤)
硬化剤は、硬化性樹脂と反応し、架橋結合を形成し得るものであれば特に限定されない。一例を挙げると、硬化性樹脂がポリエステル樹脂である場合の硬化剤は、β−ヒドロキシアルキルアミド、グリシジル基含有アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート、TGIC(トリグリシジルイソシアヌレート)等である。これらの中でも、硬化剤は、脱ブロック剤の観点から、β−ヒドロキシアルキルアミド、グリシジル基含有アクリル樹脂およびエポキシ樹脂のうち少なくとも1種を含むことが好ましく、β−ヒドロキシアルキルアミドであることがより好ましい。
・β−ヒドロキシアルキルアミド
β−ヒドロキシアルキルアミドは、低温硬化性や得られる塗膜の耐湿性が優れる点から、一分子当たりの官能基を2個以上有しているものが好ましい。好適なβ−ヒドロキシアルキルアミドは、以下の一般式で示される。
Figure 2020090663
式中、nは1以上の整数である。Rはそれぞれ独立にHまたはCH3である。nは、低温硬化性および粉体塗料組成物の耐ブロッキング性が優れる点から、3〜8であることが好ましく、4〜6であることがより好ましい。
・グリシジル基含有アクリル樹脂
グリシジル基含有アクリル樹脂は特に限定されない。一例を挙げると、グリシジル基含有アクリル樹脂は、上記したもののほか、グリシジル(メタ)アクリレ−ト等のグリシジル基含有モノマーと、必要に応じてその他のビニル系モノマーとを溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法等の公知の重合方法によりラジカル重合反応させて得られるものが挙げられる。
その他のビニル系モノマーは、たとえば、ヒドロキシル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類、(メタ)アクリロニトリル化合物類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー、酢酸ビニル等のカルボン酸のビニル系モノマー類等である。
グリシジル基含有アクリル樹脂のエポキシ当量は、250〜1500であることが好ましく、400〜900であることがより好ましい。
グリシジル基含有アクリル樹脂の軟化点は、50℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましい。また、軟化点は、130℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましい。軟化点が上記範囲内であることにより、得られる塗料組成物は、貯蔵安定性(耐ブロッキング性)、流動性が優れる。また、得られる塗膜は、平滑性が優れる。
グリシジル基含有アクリル樹脂の数平均分子量(Mn)は、300以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。また、Mnは、10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。Mnが上記範囲内であることにより、得られる塗膜は、塗膜物性が良好であり、平滑性が優れる。
・エポキシ樹脂
エポキシ樹脂は、硬化性樹脂として示したエポキシ樹脂をいずれも用いることができる。例えばカルボキシル基を含有する硬化性樹脂の硬化剤としてエポキシ樹脂を用いることにより、ハイブリッド型粉体塗料を得ることができる。具体的には、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、その他のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂等である。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、多価アルコール、多価フェノールなどとエピハロヒドリンまたはアルキレンオキシドとを反応させて得ることができるグリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂である。
多価アルコールは、たとえば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール等である。
多価フェノールは、たとえば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,2−ビス(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ハロゲン化ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、レゾルシン、テトラヒドロキシフェニルエタン、1,2,3−トリス(2,3−エポキシプロポキシ)プロパン、ノボラック型多価フェノール、クレゾール型多価フェノール等である。これらの中でも、エポキシ樹脂は、ビスフェノールAから誘導されるビスフェノールA型エポキシ樹脂であることが好ましい。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂は、たとえば、フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等である。
その他のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、たとえば、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート等である。
脂環族エポキシ樹脂は、たとえば、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、エポリードGT300(ダイセル化学工業(株)製、3官能脂環式エポキシ樹脂)、エポリードGT400(ダイセル化学工業(株)製、4官能脂環式エポキシ樹脂)、EHPE(ダイセル化学工業(株)製、多官能脂環式エポキシ樹脂)等である。
また、エポキシ樹脂は、アルキルフェノール型樹脂またはアルキルノボラックフェノール型樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させた、エポキシ基導入アルキルフェノールエポキシ樹脂またはアルキルノボラックフェノールエポキシ樹脂であってもよい。
さらに、エポキシ樹脂は、変性エポキシ樹脂であってもよく、たとえば、ウレタン変性エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂、ポリエステル変性エポキシ樹脂、末端アルキルフェノール変性エポキシ樹脂、アミン変性エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂等であってもよい。
エポキシ樹脂の数平均分子量(Mn)は、300以上であることが好ましく、800以上であることがより好ましい。また、Mnは、10000以下であることが好ましく、3000以下であることがより好ましい。Mnが上記範囲内であることにより、得られる塗膜は、塗膜物性が良好であり、平滑性が優れる。
硬化剤全体の説明に戻り、硬化剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、硬化剤の含有量は、ポリエステル樹脂の反応基であるカルボキシル基またはヒドロキシル基に対し、硬化剤の反応基(β−ヒドロキシアルキルアミドの場合はヒドロキシル基、エポキシ樹脂の場合はエポキシ基、ブロックイソシアネートの場合はイソシアネート基等)のモル比率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。また、硬化剤の含有量は、ポリエステル樹脂の反応基であるカルボキシル基またはヒドロキシル基に対する、硬化剤の反応基のモル比率が150%以下であることが好ましく、120%以下であることがより好ましい。硬化剤の含有量が上記範囲内であることにより、得られる塗膜は、塗膜性能が優れる。
(ポリオレフィンワックス)
ポリオレフィンワックスは、融点が141〜180℃であるポリオレフィンワックスAと、融点が90〜140℃であるポリオレフィンワックスBとを含んでおればよい。一例を挙げると、ポリオレフィンワックスは、オレフィン(たとえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体((共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む)、オレフィンの(共)重合体の酸素またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物(たとえばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物)、オレフィンと不飽和カルボン酸((メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等)または不飽和カルボン酸アルキルエステル((メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等)等との共重合体、ポリメチレン(たとえばサゾールワックス等のフィシャートロプシュワックス等)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸カルシウム等)および脂肪酸エステル(ベヘニン酸ベヘニル等)等が挙げられる。ポリオレフィンワックスAおよびポリオレフィンワックスBは、融点に基づいてこれらのポリオレフィンワックスから選択されればよい。
ポリオレフィンワックスAは、高融点であり、得られる塗膜に対して優れた耐擦り傷性を付与することができる。一方、ポリオレフィンワックスBは、低融点であり、得られる塗膜に対して優れた艶消し効果を付与することができる。本実施形態の塗料組成物は、これらの融点の異なるポリオレフィンワックスを併用することにより、それぞれの利点のみを得て、得られる塗膜に対して優れた艶消し効果と耐擦り傷性を付与することを特徴とする。中でも、ポリオレフィンワックスAが変性されていてもよいポリプロピレンワックスであり、ポリオレフィンワックスBが変性されていてもよいポリエチレンワックスであることが好ましい。
ポリオレフィンワックスAと、ポリオレフィンワックスBとの配合割合(質量比)は、特に限定されない。一例を挙げると、配合割合は、10:0.3〜10:30であることが好ましく、10:1〜10:5であることがより好ましい。ポリオレフィンワックスAと、ポリオレフィンワックスBとの配合割合が上記範囲内であることにより、得られる塗膜は、良好な耐擦り傷性と艶消し効果が得られる。
硬化性樹脂と、ポリオレフィンワックスとの配合割合(質量比)は特に限定されない。一例を挙げると、配合割合は、100:6〜100:20であることが好ましく、100:6〜100:15であることがより好ましい。ポリエステル樹脂と、ポリオレフィンワックスとの配合割合が上記範囲内であることにより、得られる塗料組成物は、半艶消し〜艶消しの範囲で光沢調整が可能で、優れた平滑性を示す塗膜が得られる。
次に、本実施形態の塗料組成物が好適に含む成分について説明する。
(ワックス(ただしポリオレフィンワックスを除く))
塗料組成物は、上記したポリオレフィンワックス以外の他のワックスを含んでもよい。ワックスは特に限定されない。ワックスは、動物性、植物性、鉱物性の天然ワックス、または合成ワックスが適宜使用される。合成ワックスは、水素化ヒマシ油とモノエタノールアミンとの反応によって得られる脂肪族アミンロウ、パルミチルアルコール、ステアリルアルコールのような長鎖アルコールとパルミチン酸、ミリスチン酸のような酸との反応生成物、脂肪酸のグリセリドのような脂肪酸エステルワックス、グリコールエステル、アマイドワックス等が例示される。天然ワックスは、日本ロウ、カルナウパロウ、シェラックロウ、パラフィンロウ等が例示される。
(体質顔料)
塗料組成物は、体質顔料が好適に配合される。体質顔料は特に限定されない。一例を挙げると、体質顔料は、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、シリカ粉、珪藻土、タルク、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナホワイト等である。これらの中でも、平滑性の点から、体質顔料は、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウムであることが好ましい。
体質顔料の配合量は特に限定されない。一例を挙げると、体質顔料は、ポリエステル樹脂100質量部に対し、60質量部以下となるよう配合されることが好ましく、40質量部以下となるよう配合されることがより好ましい。配合量が60質量部を超える場合、得られる塗料組成物は、平滑性が劣る傾向がある。
(他の任意成分)
本実施形態の塗料組成物は、通常、塗料組成物に用いられる他の任意成分を適宜配合されてもよい。このような任意成分としては、可塑剤、硬化促進剤、架橋促進触媒、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、流動性調整剤、垂れ防止剤、消泡剤、艶消し剤、着色顔料、防錆顔料、光輝性顔料、流動性調整剤、ブロッキング防止剤、ワキ防止剤、帯電制御剤、硬化促進剤等が例示される。
本実施形態の塗料組成物の製造方法は特に限定されない。塗料組成物は、従来公知の方法で製造することができる。一例を挙げると、塗料組成物は、各成分を溶融混合後、冷却し粉砕することによって製造することができる。得られる塗料組成物の粒径は、体積平均粒径で10μm〜80μm程度に調整される。
以上、本実施形態の塗料組成物は、融点の異なる複数のポリオレフィンワックスを併用することにより、平滑性が優れ、任意に光沢を調整することができ、かつ、耐擦り傷性にも優れた塗膜を形成することができる。
<塗装品および塗装品の製造方法>
本発明の一実施形態の塗装品は、基材と、上記塗料組成物によって基材上に形成された塗膜層とを含む。
基材は特に限定されない。一例を挙げると、基材は、鉄、ステンレス等の鉄系金属、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、それらの合金等の非鉄金属である。鉄系基材は、冷延鋼板、熱延鋼板、ステンレス鋼板等が例示される。非鉄金属基材は、アルミニウム鋼板、亜鉛鋼板、マグネシウム合金、アルミニウム−亜鉛合金、亜鉛−ニッケルメッキ鋼板、亜鉛−クロムメッキ鋼板、亜鉛−マグネシウムメッキ鋼板等が例示される。これらの基材は、各種電化製品、自動車部品(アルミニウムホイール等)、建材、構造物、事務機器等に使用される。
塗装品の製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、塗装品は、上記の基材に、塗料組成物を塗工し、塗膜を形成することにより作製し得る。塗装方法は特に限定されない。塗装方法は、静電塗装法、流動浸漬法、吹き付け法、インモールド等の公知の方法が採用される。これらの中でも、塗装方法は、粉体塗装ガンを用いた静電粉体塗装法が好ましい。静電粉体塗装法は、基材が金属素材である場合に、基材に接地した後、コロナ帯電型塗装ガン、摩擦帯電型塗装ガン等の粉体塗装装置を用いて粉体塗料組成物をスプレーする方法である。
コロナ帯電型塗装ガンを使用する場合、コロナ放電処理により塗料組成物に加える荷電圧は、−50〜−100KV程度である。一方、摩擦帯電型塗装ガンを使用する場合、塗料組成物の内部発生電流値は、1.0〜8.0μA程度である。塗装ガンの好ましい吐出量は50〜400g/分程度であり、吐出圧は4.9×104〜4.9×105Pa程度である。さらに、塗装ガン先端から基材までの距離は10〜50cm程度である。これにより、塗料組成物の粒子を塗着効率よく、基材に静電的に付着させて塗膜を形成しやすい。その結果、得られる塗装品には、平滑性が優れ、任意に光沢が調整され、かつ、種々の塗膜性能の優れた塗膜が形成され得る。
塗膜層の厚みは特に限定されない。一例を挙げると、塗膜層の厚みは、30〜120μmであることが好ましく、50〜100μmであることがより好ましい。塗膜層の厚みが上記範囲内であることにより、優れた平滑性と塗膜性能が得られる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
使用した原料を以下に示す。
<ポリエステル樹脂>
・カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
Uralac P785(酸価:32〜38mgKOH/g ディー・エス・エム ジャパン(株)製)
Uralac P821(酸価:20〜24mgKOH/g ディー・エス・エム ジャパン(株)製)
Uralac P886(酸価:33〜37mgKOH/g ディー・エス・エム ジャパン(株)製)
CRYLCOAT 2671−3(酸価:50mgKOH/g ダイセル・オルネクス(株)製)
CRYLCOAT 1540−0(酸価:70mgKOH/g ダイセル・オルネクス(株)製)
・水酸基含有ポリエステル樹脂
ユピカコートGV−570(酸価:4mgKOH/g 日本ユピカ(株)製)
<硬化剤>
・HAA
Primid XL−552(エムスケミー・ジャパン(株)製)
Primid QM−1260(エムスケミー・ジャパン(株)製)
・エポキシ樹脂
D.E.R 662−E(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ等量590〜630、OLIN社製)
・グリシジル基含有アクリル樹脂
ファインディック A261(DIC(株)製)
・ブロックイソシアネート
アルキュア4470(Polynt社製)
<ポリオレフィンワックス>
・ポリオレフィンワックスA
CERAFLOUR 970(ポリプロピレンワックス、融点:160℃)
Ceridust 6050M(ポリプロピレンワックス、融点:142〜148℃)
・ポリオレフィンワックスB
CERAFLOUR 950(変性高密度ポリエチレンワックス、融点:135℃)
AC A12(高密度酸化ポリエチレンワックス、融点:121℃)
AC 573A(マレイン酸共重合ポリエチレンワックス、融点:106℃)
<添加剤>
Resiflow P67(アクリル系レベリング剤、ESTRON社製)
CERAFLOUR 993(アマイドワックス、ビックケミージャパン社製)
PP−360(リン系触媒、ケイ・アイ化成(株)製)
ベンゾイン(ワキ防止剤)
<着色顔料>
TiONA 595(酸化チタン、CRISTAL社製)
SPECIAL BLACK 4ビーズ(カーボンブラック、オリオン・エンジニアドカーボンズ社製)
<体質顔料>
R−50A(炭酸カルシウム、丸尾カルシウム(株)製)
簸性硫酸バリウムBA(簸性硫酸バリウム、堺化学工業(株)製)
(実施例1〜18、比較例1〜10)
表1または表2に記載の配合でそれぞれの原料を攪拌、混合し、塗料組成物を得た。得られた塗料組成物について、鋼製基材に、コロナ式静電粉体塗装にて、乾燥後膜厚が約70μmになるように塗布し、165℃で20分間、焼付乾燥を行った後、1時間放置して基材を作製した。その後、以下の評価方法および評価基準にしたがって各評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2020090663
Figure 2020090663
<光沢値>
JIS K 5600−4−7に準拠して、60°鏡面光沢度を測定した。光沢値が45以下である場合を合格とした。
<耐擦り傷性>
学振型摩耗試験機を使用し、荷重500g、往復回数1000回にて、試験用添付白布綿(金巾3号)を3枚重ねた被塗物を用いて塗膜を擦った。上記光沢値の測定方法により、試験前後の光沢値を測定し、比較した。光沢値の変化が10以内であれば合格、10より大きい場合は不合格とした。
<平滑性>
塗膜の平滑性を目視により評価した。
(評価基準)
◎:平滑性は、非常に良好であった。
○:平滑性は、良好であった。
×:平滑性は、劣った。
表1に示されるように、高融点であるポリオレフィンワックスAおよび低融点であるポリオレフィンワックスBを併用した実施例1〜18の塗料組成物は、いずれも広範囲の光沢値を達成することができ、かつ、耐擦り傷性および平滑性が優れた。
一方、表2に示されるように、高融点であるポリオレフィンワックスAおよび低融点であるポリオレフィンワックスBのうち、少なくともいずれか一方を配合しなかった比較例1〜10の塗料組成物は、艶消し効果が低いか、耐擦り傷性、平滑性が劣った。

Claims (7)

  1. 硬化性樹脂と、硬化剤と、ポリオレフィンワックスとを含み、
    前記ポリオレフィンワックスは、融点が141〜180℃であるポリオレフィンワックスAと、融点が90〜140℃であるポリオレフィンワックスBとを含む、艶消し粉体塗料組成物。
  2. 前記硬化性樹脂は、ポリエステル樹脂を含む、請求項1記載の艶消し粉体塗料組成物。
  3. 前記ポリエステル樹脂は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂を含む、請求項2記載の艶消し粉体塗料組成物。
  4. 前記硬化性樹脂と、前記ポリオレフィンワックスとの配合割合(質量比)は、100:6〜100:20である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の艶消し粉体塗料組成物。
  5. 前記ポリオレフィンワックスAと、前記ポリオレフィンワックスBとの配合割合(質量比)は、10:0.3〜10:30である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の艶消し粉体塗料組成物。
  6. 前記硬化剤は、β−ヒドロキシアルキルアミド、グリシジル基含有アクリル樹脂およびエポキシ樹脂のうち少なくとも1種を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の艶消し粉体塗料組成物。
  7. 基材と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の艶消し粉体塗料組成物によって前記基材上に形成された塗膜層とを含む、塗装品。
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