JP2020090637A - 掃除用物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】水性の汚れおよび油脂をどちらも十分に吸着可能な掃除用物品の提供を目的とする。【解決手段】掃除用物品は、カナディアン標準濾水度が100ml以上800ml以下であるポリオレフィン系合成パルプ(A)と、天然パルプ(B)と、を含む。前記ポリオレフィン系合成パルプ(A)の含有量100質量部に対する、前記天然パルプ(B)の含有量が50〜200質量部であり、密度が10kg/m3〜75kg/m3である。【選択図】なし
Description
本発明は、掃除用物品に関する。
入浴中、もしくは入浴後の湯には、様々な浮遊物や汚れが含まれやすい。そのため、複数人が入浴する場合、先に生じた汚れを湯内から除去すること等が求められる。また、これらの汚れは、湯を排出しても浴槽の壁面や底面に留まりやすく、掃除によって除去する必要がある、という課題があった。
そこで例えば、親油性の不織布から構成される湯垢吸着シートを浴槽内の湯に浮かべ、湯垢を吸着することが提案されている(特許文献1)。一方、親油性繊維からなる中芯材を親油性繊維で包んだ浴槽浮遊物吸着具も提案されている(特許文献2)。
ここで、浴槽内の湯に浮遊する汚れには、カルシウムやマグネシウムに代表される水性の汚れ、皮脂に代表される油脂、さらには微細な浮遊物等がある。ここで、上述の特許文献1に記載の湯垢吸着シートは、ポリエチレンまたはポリプロピレンの不織布からなる。しかしながら、このような不織布のみでは、油脂や水性の汚れの吸着が十分でないことがあり、さらなる改良が求められていた。
一方、特許文献2に記載の浴槽浮遊物吸着具は、中芯材がポリプロピレン不織布やポリエチレンパイプ、ポリ塩化ビニル不織布、ポリエステル不織布等であり、これを包む織布はポリプロピレン製である。しかしながら、当該浴槽浮遊物吸着具でも、油脂や水性の汚れの吸着が十分でないことがあり、さらなる改良が求められていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。水性の汚れおよび油脂の両方を十分に吸着可能な掃除用物品の提供を目的とする。
即ち、本発明は、以下の掃除用物品を提供する。
[1]カナディアン標準濾水度が100ml以上800ml以下であるポリオレフィン系合成パルプ(A)と、天然パルプ(B)と、を含み、前記ポリオレフィン系合成パルプ(A)の含有量100質量部に対する、前記天然パルプ(B)の含有量が50〜200質量部であり、密度が10kg/m3〜75kg/m3である、掃除用物品。
[1]カナディアン標準濾水度が100ml以上800ml以下であるポリオレフィン系合成パルプ(A)と、天然パルプ(B)と、を含み、前記ポリオレフィン系合成パルプ(A)の含有量100質量部に対する、前記天然パルプ(B)の含有量が50〜200質量部であり、密度が10kg/m3〜75kg/m3である、掃除用物品。
[2]融点が70℃以上130℃以下であるバインダー繊維(C)をさらに含む、[1]に記載の掃除用物品。
[3]前記バインダー繊維(C)が、ポリエチレン系繊維、低融点ポリエステル繊維、アクリル系繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート複合繊維、およびポリエステル複合繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種の繊維を含む、[2]に記載の掃除用物品。
[4]前記バインダー繊維(C)の含有量が総質量に対して1質量%〜50質量%である、[2]または[3]に記載の掃除用物品。
[3]前記バインダー繊維(C)が、ポリエチレン系繊維、低融点ポリエステル繊維、アクリル系繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート複合繊維、およびポリエステル複合繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種の繊維を含む、[2]に記載の掃除用物品。
[4]前記バインダー繊維(C)の含有量が総質量に対して1質量%〜50質量%である、[2]または[3]に記載の掃除用物品。
[5]抗菌剤(D)をさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の掃除用物品。
[6]前記抗菌剤(D)が、銀、亜鉛、ゼオライト、アパタイト、炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、リン酸ジルコニウム、珪酸カルシウム、カオリン、タルク、および酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含む、[5]に記載の掃除用物品。
[6]前記抗菌剤(D)が、銀、亜鉛、ゼオライト、アパタイト、炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、リン酸ジルコニウム、珪酸カルシウム、カオリン、タルク、および酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含む、[5]に記載の掃除用物品。
[7]前記ポリオレフィン系合成パルプ(A)の含有量および前記天然パルプ(B)の含有量の合計が、総質量に対して50質量%〜90質量%である、[1]〜[6]のいずれかに記載の掃除用物品。
本発明の掃除用物品は、水性の汚れおよび油脂をいずれも十分に吸着可能である。
本明細書において、「〜」で示す数値範囲は、「〜」の前後に記載された数値を含む数値範囲を意味する。
本発明は掃除用物品に関する。当該掃除用物品は、例えば浴室等の掃除に使用可能であるが、当該用途に限定されない。また、浴槽内の湯に浮かべて汚れを吸着させる用具として特に大きな効果を発揮するが、浴室の壁面や浴槽内を掃除するための用具としても使用可能である。
上述のように、従来、浴槽内の湯に浮かべて湯垢等を吸着するシートや吸着具が提案されていた。しかしながら、これらのシートや吸着具では、油脂や水性の汚れの吸着が十分ではなく、さらなる改良が求められていた。
これに対し、本発明の掃除用物品は、カナディアン標準濾水度が100ml以上800ml以下であるポリオレフィン系合成パルプ(A)と、天然パルプ(B)と、を所定の比率で含む。掃除用物品が、当該ポリオレフィン系合成パルプ(A)を一定量含むと、油脂を吸着しやすくなる。一方、掃除用物品が天然パルプ(B)を一定量含むと、水性の汚れを吸着しやすくなり、水の吸収性も良好となる。また、上記ポリオレフィン系合成パルプ(A)および天然パルプ(B)はいずれも多分岐構造を有するため、細かい浮遊物等も絡め取ることができる。さらに、当該掃除用物品は密度が10kg/m3〜75kg/m3である。したがって、当該掃除用物品を浴槽内の湯に浮かべることが可能であり、掃除用物品に湯内の各種汚れを吸着させて、湯外に除去することが可能となる。
本発明の掃除用物品は、ポリオレフィン系合成パルプ(A)と、天然パルプ(B)とを少なくとも含んでいればよいが、バインダー繊維(C)や、抗菌剤(D)等をさらに含んでいてもよい。以下、掃除用物品が含む各成分や、掃除用物品の物性等について、詳しく説明する。
・ポリオレフィン系合成パルプ(A)
ポリオレフィン系合成パルプ(A)とは、ポリオレフィンを主に含む合成パルプである。ポリオレフィン系合成パルプは、ポリオレフィン以外の成分を含んでいてもよいが、ポリオレフィンを90質量%以上含んでいることが好ましい。
ポリオレフィン系合成パルプ(A)とは、ポリオレフィンを主に含む合成パルプである。ポリオレフィン系合成パルプは、ポリオレフィン以外の成分を含んでいてもよいが、ポリオレフィンを90質量%以上含んでいることが好ましい。
ポリオレフィン系合成パルプ(A)を構成するポリオレフィンは、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン単独重合体であってもよい。また、ポリオレフィンは、エチレン・α−オレフィン共重合体等の、オレフィンを二種以上重合した共重合体であってもよい。ポリオレフィンを構成するオレフィンの炭素数は2〜10であることが好ましい。
ポリオレフィン系合成パルプ(A)の具体例には、ポリエチレン合成パルプや、ポリプロピレン合成パルプ、エチレン・プロピレン共重合体合成パルプ、エチレン・1−ブテン共重合体合成パルプ、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体合成パルプ等が含まれる。これらの中でも、コストの面、さらには油脂の吸着性が良好であるとの観点で、エチレン系合成パルプが好ましく、ポリエチレン合成パルプ、エチレン・プロピレン共重合体合成パルプ、エチレン・1−ブテン共重合体合成パルプ、またはエチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体合成パルプが特に好ましい。
また、ポリオレフィン系合成パルプ(A)を構成するポリオレフィンの、ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレート(以下、「MFR」とも称する)は、0.1〜100g/10分であることが好ましく、1.0〜60g/10分であることがより好ましい。ポリオレフィンのMFRが当該範囲であると、ポリオレフィンをパルプ状に加工しやすくなる。
また、ポリオレフィンの融点は、70〜140℃であることが好ましく、90〜140℃であることがより好ましい。ポリオレフィンの融点が当該範囲であると、ポリオレフィンをパルプ状に加工しやすいだけでなく、掃除用物品を浴槽内の湯に浸漬しても変形等が生じにくい。
ここで、ポリオレフィン系合成パルプ(A)のカナディアン標準濾水度(以下「CSF」とも称する)は、100ml以上800ml以下である。CSFは、JIS P 8121−2(2012)に従って測定される値である。ポリオレフィン系合成パルプ(A)のCSFは、ポリオレフィン系合成パルプ(A)を製造する際、ディスク型リファイナー等で処理することにより、調整できる。
ポリオレフィン系合成パルプ(A)の各繊維の長さ(繊維長)は特に限定されないが、通常、0.05〜50mmであり、得られる掃除用物品の強度等の観点から、0.05〜10mmが好ましい。また、平均繊維長は0.1〜5mmであることが好ましい。繊維長および平均繊維長は、例えばディスク型リファイナーで処理することにより調整できる。
平均繊維長は以下の手順で求めることができる。ポリオレフィン系合成パルプ(A)を構成する繊維を、長さ0.05mmごとに分級する。その後、それぞれの級(長さ)に含まれる繊維の実測繊維長と、それぞれの級に含まれる繊維の本数と、を測定する。測定は、12000〜13000本の繊維について行えばよい。その後、上記測定結果から、以下の式により、それぞれの級の数平均繊維長Ln(mm)を求める。
Ln=ΣL/N
L:1つの級に含まれる繊維の実測繊維長(mm)
N:1つの級に含まれる繊維の本数
Ln=ΣL/N
L:1つの級に含まれる繊維の実測繊維長(mm)
N:1つの級に含まれる繊維の本数
そして、以下の式により、ポリオレフィン系合成パルプ(A)を構成する繊維の平均繊維長(mm)を求める。
平均繊維長=Σ(Nn×Ln3)/Σ(Nn×Ln2)
Nn:それぞれの級に含まれる繊維の本数
平均繊維長=Σ(Nn×Ln3)/Σ(Nn×Ln2)
Nn:それぞれの級に含まれる繊維の本数
なお、上記実測繊維長は、濃度が0.02質量%となるようにポリオレフィン系合成パルプ(A)を水に分散させ、メッツォオートメーション社(フィンランド国)製自動繊維測定機(製品名:FiberLab−3.5)で繊維の一本一本の長さを測定することで、求めることができる。当該測定機では、キャピラリー中を流れる際の繊維にキセノンランプ光を照射してCCD(電荷結合素子)センサーで映像信号を採取し、画像解析する。
また、ポリオレフィン系合成パルプ(A)の融点は、ポリオレフィン系合成パルプ(A)を構成するポリオレフィンと同等となる。したがって、70℃〜140℃であることが好ましく、90℃〜140℃であることがより好ましい。
ここで、ポリオレフィン系合成パルプ(A)は、公知の方法で製造したものであってもよく、市販品であってもよい。ポリオレフィン系合成パルプ(A)の製造方法は特に制限されない。例えば、Encyclopedia of Chemical Technology 3rd ed,Vol.19,P420−425に記載された方法を適用することもできる。具体的な製造方法には、ポリオレフィンを溶融紡糸した後、繊維を短く切り、叩解する方法;ポリオレフィンを用いて溶融フラッシュもしくはエマルジョンフラッシュを行った後、叩解処理する方法;等が含まれる。
掃除用物品用のポリオレフィン系合成パルプ(A)の製造には特に、ポリオレフィンを含む溶液、もしくはエマルジョンをフラッシュ紡糸する方法が適している。さらに、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」とも称する)を親水化剤として用いるエマルジョンフラッシュ法が好ましい。なお、PVAの使用量は、ポリオレフィン系合成パルプ(A)の総質量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましい。
また、上述のポリオレフィンに、本発明の目的を損なわない範囲内で各種の添加剤を添加し、ポリオレフィン系合成パルプ(A)を製造してもよい。添加剤の例には、難燃剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐候安定剤、顔料、抗菌剤等が含まれる。
一方、ポリオレフィン系合成パルプ(A)の市販品の例には、三井化学社製のSWP(「SWP」は同社の登録商標)等が含まれる。
ここで、本発明の掃除用物品が含むポリオレフィン系合成パルプ(A)の量は、20質量%以上であることが好ましく、油脂の吸着性をより向上させる観点から、30質量%以上であることがより好ましい。一方で、十分な量の天然パルプ(B)を含むとの観点から、ポリオレフィン系合成パルプ(A)の量は、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。
・天然パルプ(B)
天然パルプ(B)とは、天然の繊維を含むパルプである。天然パルプ(B)には、木材パルプおよび非木材パルプが含まれる。
天然パルプ(B)とは、天然の繊維を含むパルプである。天然パルプ(B)には、木材パルプおよび非木材パルプが含まれる。
木材パルプは、針葉樹および広葉樹などの木材から得られるパルプである。具体的には、これらの樹木を、クラフト法、ソーダ法および亜硫酸法に代表されるケミカルパルプ化法や、中性亜硫酸塩法、酸性亜硫酸塩法に代表されるセミケミカルパルプ化法や、その他公知のパルプ化法によって、パルプ化することが得られる。これらの中でも、強度をより向上させる観点から、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)が好ましい。
一方、非木材パルプは、木材以外の原料から得られるパルプである。木材以外の原料としては、植物繊維が挙げられる。植物繊維には、マニラ麻、亜麻、大麻、黄麻、楮、みつまたあるいは雁皮等からなる靱皮繊維;コットン、コットンリンター等の木綿;藁;竹;エスパルト;バガス等が含まれる。これらの植物繊維を、ケミカルパルプ化法、セミケミカルパルプ化法、ケミグランドパルプ化法、メカニカルパルプ化法等の公知のパルプ化法によってパルプ化することで得られる。非木材パルプは、複数種類の植物繊維を含んでいてもよい。これらの中でも、油脂の吸収性、入手のし易さ、供給量等から、マニラ麻を含む非木材パルプが好ましい。
なお、天然パルプ(B)は、一種の木材パルプまたは非木材パルプを含んでいてもよく、複数種類の木材パルプおよび/または非木材パルプを含んでいてもよい。
天然パルプ(B)の繊維長は、掃除用物品の強度等の観点から、1mm〜80mmが好ましく、2mm〜50mmがより好ましい。なお、天然パルプ(B)の繊維長は、ポリオレフィン系合成パルプ(A)の繊維長と同様にして測定される。
ここで、掃除用物品の総質量に対して、上述のポリオレフィン系合成パルプ(A)および天然パルプ(B)の合計量が、50〜90質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることがさらに好ましい。ポリオレフィン系合成パルプ(A)および天然パルプ(B)の合計量が当該範囲であると、水性の汚れおよび油脂を十分に吸着しやすくなる。
またこのとき、天然パルプ(B)の量は、ポリオレフィン系合成パルプ(A)の含有量100質量部に対して、50〜200質量部とされ、70〜150質量部であることがより好ましい。ポリオレフィン系合成パルプ(A)に対する天然パルプ(B)の量を当該範囲とすると、掃除用物品の水性の汚れの吸着性および油脂の吸着性のバランスが非常に良好となる。
なお、掃除用物品を作製する際、上述の天然パルプ(B)のみから構成された材料を用いてもよいが、例えば天然パルプ(B)と後述の抗菌剤(D)等とを複合化した材料(以下、「複合化材料」とも称する)を用いてもよい。複合化材料は、天然パルプ(B)の繊維の中空部分に抗菌剤(D)を含ませたものであってもよく、天然パルプ(B)表面に抗菌剤(D)を塗布したり、公知の方法で担持させたりしたものであってもよい。ただしこのような複合材料を用いる場合、上述の天然パルプ(B)の含有量には、抗菌剤(D)等の天然パルプ(B)以外の成分量は、含めないものとする。
・バインダー繊維(C)
バインダー繊維(C)は、上述のポリオレフィン系合成パルプ(A)および天然パルプ(B)を固定(融着)することが可能であり、かつ融点が70℃以上130℃以下である繊維であれば特に制限されない。バインダー繊維の融点は、100℃以上120℃以下であることがより好ましい。融点が当該範囲であると、過度に温度を高めることなく、ポリオレフィン系合成パルプ(A)および天然パルプ(B)を固定することが可能となる。なお、バインダー繊維(C)が2種以上の樹脂を含む複合繊維である場合、バインダー繊維(C)の融点とは、バインダー繊維(C)の表面部分の融点である。例えば、芯鞘複合繊維にあっては、鞘部分の融点が上記範囲であれば、本明細書で特定するバインダー繊維(C)に含める。
バインダー繊維(C)は、上述のポリオレフィン系合成パルプ(A)および天然パルプ(B)を固定(融着)することが可能であり、かつ融点が70℃以上130℃以下である繊維であれば特に制限されない。バインダー繊維の融点は、100℃以上120℃以下であることがより好ましい。融点が当該範囲であると、過度に温度を高めることなく、ポリオレフィン系合成パルプ(A)および天然パルプ(B)を固定することが可能となる。なお、バインダー繊維(C)が2種以上の樹脂を含む複合繊維である場合、バインダー繊維(C)の融点とは、バインダー繊維(C)の表面部分の融点である。例えば、芯鞘複合繊維にあっては、鞘部分の融点が上記範囲であれば、本明細書で特定するバインダー繊維(C)に含める。
このようなバインダー繊維(C)としては合成繊維が挙げられる。具体例には、ポリエチレン系繊維、低融点ポリエステル繊維、アクリル系繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート複合繊維、ポリエステル複合繊維、ポリビニルアルコール繊維、ビニルアルコール/エチレン共重合体繊維等が含まれる。これらの中でも、ポリエステル複合繊維、ポリビニルアルコール繊維が好ましい。なお、掃除用物品は、バインダー繊維(C)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
バインダー繊維(C)の形状は特に制限されず、短繊維であってもよく、長繊維であってもよい。また、芯鞘構造を有していてもよい。
バインダー繊維(C)の平均繊維長は、0.1〜20mmであることが好ましく、1〜10mmであることがより好ましい。この範囲内の平均繊維長であれば、上述のポリオレフィン系合成パルプ(A)および天然パルプ(B)を固定し、掃除用物品の強度を高めることが可能である。当該バインダー繊維(C)の平均繊維長は、ポリオレフィン系合成パルプ(A)の平均繊維長と同様に測定できる。
掃除用物品の総質量に対するバインダー繊維(C)の量は、1質量%〜50質量%であることが好ましく、5質量%〜30質量%であることがより好ましい。この範囲内のバインダー繊維(C)を含むことによって、ポリオレフィン系合成パルプ(A)および天然パルプ(B)を十分に固定し、掃除用物品の強度を高めることが可能となる。
・抗菌剤(D)
抗菌剤(D)は、掃除用物品に抗菌性を付与することが可能であれば、その種類は特に制限されず、例えば微生物の増殖等を抑制可能な無機物等とすることができる。より具体的には、銀、亜鉛、ゼオライト、アパタイト、炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、リン酸ジルコニウム、珪酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化銅等とすることができる。これらの中でも、ゼオライトに銀や亜鉛を担持させたものであることが好ましい。掃除用物品は、抗菌剤(D)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
抗菌剤(D)は、掃除用物品に抗菌性を付与することが可能であれば、その種類は特に制限されず、例えば微生物の増殖等を抑制可能な無機物等とすることができる。より具体的には、銀、亜鉛、ゼオライト、アパタイト、炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、リン酸ジルコニウム、珪酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化銅等とすることができる。これらの中でも、ゼオライトに銀や亜鉛を担持させたものであることが好ましい。掃除用物品は、抗菌剤(D)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
抗菌剤(D)が無機物である場合、その形状は特に制限されないが、例えば粒子状とすることができる。無機粒子の平均粒子径は、1μm以上150μm以下であることが好ましく、掃除用物品の水性汚れや油脂の吸着性の観点から、3μm以上130μm以下であることがより好ましく、5μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。当該平均粒子径は、レーザー回折式の粒子径測定装置で測定される値である。粒子径測定装置としては、具体的には島津製作所社製SALD−2000J、コールター社製コールターカウンター、日機装社製マイクロトラック粒度分布測定装置が好ましく用いられ、島津製作所社製SALD−2000Jがより好ましく用いられる。
また、抗菌剤(D)が無機粒子である場合、その比重(相対密度)は、1.5以上10以下であることが好ましく、2以上6以下であることがより好ましい。なお、無機粒子の比重(相対密度)は、カタログや文献(例えば、無機化学ハンドブック(技報堂出版))等に記載されている。
抗菌剤(D)を掃除用物品に含める方法としては、上述のポリオレフィン系合成パルプ(A)や天然パルプ(B)にバインダー繊維(C)を介して固定してもよい。また上述のように、抗菌剤(D)および天然パルプ(B)を複合化してもよく、抗菌剤(D)は天然パルプ(B)中に練り込まれたりしていてもよい。
掃除用物品の総質量に対する抗菌剤(D)の量は、0.01〜10.0質量%であることが好ましく、0.05〜5.0質量%であることがより好ましい。掃除用物品が範囲の抗菌剤(D)を含むことにより、菌の繁殖等が抑制されやすくなる。
・その他
掃除用物品は、本発明の目的および効果を損なわない範囲において、他の成分をさらに含んでいてもよい。例えば、掃除用物品の風合い(手触り)等を高めるため、水酸基を有する水溶性高分子等をさらに含んでもよい。
掃除用物品は、本発明の目的および効果を損なわない範囲において、他の成分をさらに含んでいてもよい。例えば、掃除用物品の風合い(手触り)等を高めるため、水酸基を有する水溶性高分子等をさらに含んでもよい。
水溶性高分子の例には、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースに代表される水溶性セルロース;ポリビニルアルコール;等が含まれる。これらの中でもポリビニルアルコールが好ましい。さらにポリビニルアルコールとしては、そのケン化度が90%以上のポリビニルアルコールが好ましく、ケン化度が98%以上のポリビニルアルコールがより好ましい。ポリビニルアルコールの具体例には、日本合成化学社製の商品名ゴーセノールの完全ケン化型や準完全ケン化型、日本酢ビ・ポバール社製の商品名J−ポバールの完全ケン化型や中間ケン化型等が含まれる。
水酸基を有する水溶性高分子を用いる場合、その添加量は、掃除用物品の総質量に対して0.1〜10.0質量%であることが好ましい。
また、掃除用物品は、本発明の目的よび効果を損なわない範囲で、公知の添加剤をさらに含んでいてもよい。このような添加剤の例には、難燃剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐候安定剤、顔料等が含まれる。
・製造方法
本発明の掃除用物品の製造方法の一例を以下に示す。まず、上述のポリオレフィン系合成パルプ(A)、天然パルプ(B)と、必要に応じてバインダー繊維(C)や抗菌剤(D)、その他の成分等とを混合する。そして、当該混合物をハンマーミル解砕機等で解砕する。解砕は、各成分が略均一に混ざり、かつ混合物が綿状になるまで行うことが好ましい。そして、当該混合物を、所定の型に入れ、バインダー繊維(C)の融点以上の温度まで加熱する。これによりバインダー繊維(C)が溶融し、各成分を固定させる。加熱温度や加熱時間は、バインダー繊維(C)の量や種類等に応じて適宜選択される。
本発明の掃除用物品の製造方法の一例を以下に示す。まず、上述のポリオレフィン系合成パルプ(A)、天然パルプ(B)と、必要に応じてバインダー繊維(C)や抗菌剤(D)、その他の成分等とを混合する。そして、当該混合物をハンマーミル解砕機等で解砕する。解砕は、各成分が略均一に混ざり、かつ混合物が綿状になるまで行うことが好ましい。そして、当該混合物を、所定の型に入れ、バインダー繊維(C)の融点以上の温度まで加熱する。これによりバインダー繊維(C)が溶融し、各成分を固定させる。加熱温度や加熱時間は、バインダー繊維(C)の量や種類等に応じて適宜選択される。
このような方法で製造すると、内部に空隙を有し、上述の密度を満たすスポンジ状の掃除用物品が得られる。ただし、掃除用物品の製造方法や製造装置は上記の方法や装置に制限されず、掃除用物品の用途等に合わせて適宜選択される。また、上記工程以外に、掃除用物品を着色する工程や、裁断したりする工程等をさらに有していてもよい。
・物性および用途
上述の掃除用物品の密度は10kg/m3〜75kg/m3であり、25kg/m3〜50kg/m3であることがより好ましい。掃除用物品の密度が当該範囲であると、上述のように、湯面に浮かせやすく、さらには湯面の汚れを絡め取ったりすることができる。
上述の掃除用物品の密度は10kg/m3〜75kg/m3であり、25kg/m3〜50kg/m3であることがより好ましい。掃除用物品の密度が当該範囲であると、上述のように、湯面に浮かせやすく、さらには湯面の汚れを絡め取ったりすることができる。
本発明の掃除用物品の形状は特に制限されず、シート状であってもよく、立体的な形状を有していてもよい。掃除用物品の用途に合わせてその大きさや形状は選択される。形状の具体例としては、円、楕円、不定形状などが挙げられるが、制限されない。例えば、動物、植物、キャラクターなどの形状を模しても良い。また、当該掃除用物品は、そのまま用いてもよく、網や通水性のある袋に包んだ状態で使用してもよい。
本発明の掃除用物品は、上述のように、浴槽内の湯に浮かべて汚れを吸着させる用具として特に大きな効果を発揮するが、浴室の壁面や浴槽内を掃除するためのスポンジ等としても使用可能である。また浴室以外の掃除用にも使用することが可能である。
当該掃除用物品は、使用後、洗浄したり、絞ったりすることにより、吸着もしくは吸収した水や油、各種汚れを取り除くことができ、繰返し使用することが可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はこれによって何ら制限を受けない。
<材料の準備>
(1)合成パルプ(A)
合成パルプ(A)としては、以下の合成パルプ(A−1)および合成パルプ(A−2)を用いた。また、比較用に、ポリエチレン繊維(a−1)も用いた。これらの物性を下記表1に示す。
(1)合成パルプ(A)
合成パルプ(A)としては、以下の合成パルプ(A−1)および合成パルプ(A−2)を用いた。また、比較用に、ポリエチレン繊維(a−1)も用いた。これらの物性を下記表1に示す。
・合成パルプ(A−1):後述の方法で製造したポリエチレン系合成パルプ
・合成パルプ(A−2):SWP E620(「SWP」は同社の登録商標、ポリオレフィン系の合成パルプ)、三井化学社製
・ポリエチレン繊維(a−1):ポリエチレン製ショートカット繊維、ダイワボウ社製、繊維長3mm
・合成パルプ(A−2):SWP E620(「SWP」は同社の登録商標、ポリオレフィン系の合成パルプ)、三井化学社製
・ポリエチレン繊維(a−1):ポリエチレン製ショートカット繊維、ダイワボウ社製、繊維長3mm
(合成パルプ(A−1)の製造方法)
じゃま板を具備した80リットル容器の攪拌機付きオートクレーブ中に、n−ヘキサン20リットル(23℃)、水20リットル(23℃)、ポリエチレン樹脂(ASTM D1238に準拠して測定のMFR:4.0g/10分(190℃、2.16kg荷重))1000g、およびポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールNL−05、日本合成化学工業社製、ケン化度99%、20℃における4%水溶液粘度4.6〜6.0mPa・s)30gを投入した。回転数900rpmで撹拌しながら、混合液温が145℃になるまで昇温させた。
じゃま板を具備した80リットル容器の攪拌機付きオートクレーブ中に、n−ヘキサン20リットル(23℃)、水20リットル(23℃)、ポリエチレン樹脂(ASTM D1238に準拠して測定のMFR:4.0g/10分(190℃、2.16kg荷重))1000g、およびポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールNL−05、日本合成化学工業社製、ケン化度99%、20℃における4%水溶液粘度4.6〜6.0mPa・s)30gを投入した。回転数900rpmで撹拌しながら、混合液温が145℃になるまで昇温させた。
その後、混合液を145℃に保持して、さらに30分間撹拌を続けた。次いで、この懸濁液をオートクレーブに取り付けられた直径3mm、長さ20mmの孔を経て、窒素雰囲気下、かつ−400mmHgの圧力下にあるドラム内に噴出(フラッシュ)させて繊維状物を得た。
得られた繊維状物をさらに受容器内で3g/リットル濃度の水スラリーとした。その後、直径12インチのディスク型リファイナーを用いて、その繊維長およびカナディアン標準濾水度を調整し、合成パルプ(A−1)を得た。
(2)天然パルプ(B)
天然パルプ(B)として、以下の天然パルプ(B−1)、ならびに天然パルプ(BD−1)および天然パルプ(BD−2)を用いた。なお、天然パルプ(BD−1)および天然パルプ(BD−2)は、天然パルプ内に抗菌剤(D)を練り込んだものである。したがって、当該天然パルプ(BD−1)および天然パルプ(BD−2)中の抗菌剤成分は、後述の抗菌剤(D)として機能する。
天然パルプ(B)として、以下の天然パルプ(B−1)、ならびに天然パルプ(BD−1)および天然パルプ(BD−2)を用いた。なお、天然パルプ(BD−1)および天然パルプ(BD−2)は、天然パルプ内に抗菌剤(D)を練り込んだものである。したがって、当該天然パルプ(BD−1)および天然パルプ(BD−2)中の抗菌剤成分は、後述の抗菌剤(D)として機能する。
・天然パルプ(B−1):針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、三井物産パッケージング社製、平均繊維長:4mm
・天然パルプ(BD−1):銀・亜鉛セルガイア(ゼオライト含有セルロース繊維、ゼオライト含有量:45質量%、天然パルプ含有量:55質量%)、レンゴー社製、平均繊維長:4mm
・天然パルプ(BD−2):銀セルガイア(ゼオライト含有セルロース繊維、ゼオライト含有量:45質量%、天然パルプ含有量:55質量%)、レンゴー社製、平均繊維長:4mm
・天然パルプ(BD−1):銀・亜鉛セルガイア(ゼオライト含有セルロース繊維、ゼオライト含有量:45質量%、天然パルプ含有量:55質量%)、レンゴー社製、平均繊維長:4mm
・天然パルプ(BD−2):銀セルガイア(ゼオライト含有セルロース繊維、ゼオライト含有量:45質量%、天然パルプ含有量:55質量%)、レンゴー社製、平均繊維長:4mm
(3)バインダー繊維(C)
バインダー繊維(C)として、以下のバインダー繊維(C−1)およびバインダー繊維(C−2)を用いた。
・バインダー繊維(C−1):ポリビニルアルコール繊維、クラレ社製、融点:80℃、繊維長:5mm
・バインダー繊維(C−2):ポリエステル/変性ポリエステル芯鞘繊維、クラレ社製、鞘部融点:110℃、繊維長:5mm
バインダー繊維(C)として、以下のバインダー繊維(C−1)およびバインダー繊維(C−2)を用いた。
・バインダー繊維(C−1):ポリビニルアルコール繊維、クラレ社製、融点:80℃、繊維長:5mm
・バインダー繊維(C−2):ポリエステル/変性ポリエステル芯鞘繊維、クラレ社製、鞘部融点:110℃、繊維長:5mm
(4)抗菌剤(D)
抗菌剤(D)として、以下の抗菌剤(D−1)と、上述の天然パルプ(BD−1)および天然パルプ(BD−2)中の抗菌剤成分とを用いた。
D−1:抗菌粒子ゼオミックLJ210N、シナネンゼオミック社製、平均粒径:40μm(島津製作所社製SALD−2000Jにて測定)、比重:2.1
抗菌剤(D)として、以下の抗菌剤(D−1)と、上述の天然パルプ(BD−1)および天然パルプ(BD−2)中の抗菌剤成分とを用いた。
D−1:抗菌粒子ゼオミックLJ210N、シナネンゼオミック社製、平均粒径:40μm(島津製作所社製SALD−2000Jにて測定)、比重:2.1
<実施例1>
合成パルプ(A−1)を45質量部、天然パルプ(B−1)を40質量部、天然パルプ(BD−2)5質量部(天然パルプ量:2.75質量部、抗菌剤量:2.25質量部)、バインダー繊維(C−1)を5質量部、およびバインダー繊維(C−2)5質量部を混合した。当該混合物をハンマーミル解砕機にかけ、繊維が混合された綿状の解砕物を得た。この解砕物を離型剤としてダイキン社製フッ素系離型剤「ダイフリー」を塗ったステンレス製の10cm角、高さ3cmのパットに入れた。送風乾燥機を用いて温度170℃で熱処理を行うことにより、スポンジ(掃除用物品)を得た。
合成パルプ(A−1)を45質量部、天然パルプ(B−1)を40質量部、天然パルプ(BD−2)5質量部(天然パルプ量:2.75質量部、抗菌剤量:2.25質量部)、バインダー繊維(C−1)を5質量部、およびバインダー繊維(C−2)5質量部を混合した。当該混合物をハンマーミル解砕機にかけ、繊維が混合された綿状の解砕物を得た。この解砕物を離型剤としてダイキン社製フッ素系離型剤「ダイフリー」を塗ったステンレス製の10cm角、高さ3cmのパットに入れた。送風乾燥機を用いて温度170℃で熱処理を行うことにより、スポンジ(掃除用物品)を得た。
<実施例2〜7、および比較例1〜3>
合成パルプ(A)、天然パルプ(B)、バインダー繊維(C)、および抗菌剤(D)の種類および量を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様の工程を行い、スポンジ(掃除用物品)を得た。
合成パルプ(A)、天然パルプ(B)、バインダー繊維(C)、および抗菌剤(D)の種類および量を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様の工程を行い、スポンジ(掃除用物品)を得た。
<比較例4>
熱処理を行う前に、掃除用物品の密度が200kg/m3となるように加圧したことを除いて、実施例1と同様の工程を行い、成形物を得た。
熱処理を行う前に、掃除用物品の密度が200kg/m3となるように加圧したことを除いて、実施例1と同様の工程を行い、成形物を得た。
<評価>
実施例および比較例で得られたスポンジについて、以下の方法で、密度、水溶性染料吸着率、油吸着量、抗菌性、水吸着量、および強度を測定し、評価した。結果を表2に示す。
実施例および比較例で得られたスポンジについて、以下の方法で、密度、水溶性染料吸着率、油吸着量、抗菌性、水吸着量、および強度を測定し、評価した。結果を表2に示す。
(1)密度
JIS 8807に準拠して、得られたスポンジの密度を測定した。
JIS 8807に準拠して、得られたスポンジの密度を測定した。
(2)水溶性染料吸着率
得られたスポンジを10cm角に切り出し、重量を測定した。その後、水溶性染料の0.01%水溶液500mlにスポンジを浸け、水溶性染料の吸着量で評価した。水溶性染料の吸着量は、吸着前後の水溶液の吸光度の変化を測定して行った。吸光度の変化量は、島津製作所社製のUV計にて特定した。
得られたスポンジを10cm角に切り出し、重量を測定した。その後、水溶性染料の0.01%水溶液500mlにスポンジを浸け、水溶性染料の吸着量で評価した。水溶性染料の吸着量は、吸着前後の水溶液の吸光度の変化を測定して行った。吸光度の変化量は、島津製作所社製のUV計にて特定した。
(3)油吸着量
得られたスポンジを10cm角に切り出し、重量を測定した。その後、市販のサラダ油に10分間浸漬し、取り出した。そして、表面の油を拭い取り、重量を測定した。油吸着量は、下記式で算出した。
油吸着量(%)=浸漬後重量/浸漬前重量×100
得られたスポンジを10cm角に切り出し、重量を測定した。その後、市販のサラダ油に10分間浸漬し、取り出した。そして、表面の油を拭い取り、重量を測定した。油吸着量は、下記式で算出した。
油吸着量(%)=浸漬後重量/浸漬前重量×100
(4)抗菌性
入浴後の浴槽内の湯にスポンジを一晩浸漬した。そして、翌朝のスポンジの匂いを、5点法で官能評価した。全く臭いが生じなかったものを5点とし、強い匂いが生じたものを1点とした。実用的には3点以上が必要である。
入浴後の浴槽内の湯にスポンジを一晩浸漬した。そして、翌朝のスポンジの匂いを、5点法で官能評価した。全く臭いが生じなかったものを5点とし、強い匂いが生じたものを1点とした。実用的には3点以上が必要である。
(5)水吸着量
得られたスポンジを10cm角に切り出し、重量を測定した。その後、水道水に10分間浸漬し、取り出した。そして、表面の水を拭い取り、重量を測定した。水吸吸着量は下記式で算出した。
水吸着量(%)=浸漬後重量/浸漬前重量×100
得られたスポンジを10cm角に切り出し、重量を測定した。その後、水道水に10分間浸漬し、取り出した。そして、表面の水を拭い取り、重量を測定した。水吸吸着量は下記式で算出した。
水吸着量(%)=浸漬後重量/浸漬前重量×100
(6)強度
強度は、以下の方法によって測定した。
得られたスポンジを両手に持ち、90°まで折り曲げた。その過程を観察して、下記の評価基準で評価した。
(評価基準)
3:90°まで折り曲げても破断が生じなかった
2:45°〜90°まで折り曲げた時点で破断が生じた
1:45°まで折り曲げるまでに破断が生じた
強度は、以下の方法によって測定した。
得られたスポンジを両手に持ち、90°まで折り曲げた。その過程を観察して、下記の評価基準で評価した。
(評価基準)
3:90°まで折り曲げても破断が生じなかった
2:45°〜90°まで折り曲げた時点で破断が生じた
1:45°まで折り曲げるまでに破断が生じた
上記表2に示されるように、カナディアン標準濾水度が100ml以上800ml以下であるポリオレフィン系合成パルプ(A)と、天然パルプ(B)と、を所定の比率で含み、かつ密度が10kg/m3〜75kg/m3であるスポンジでは、水溶性染料、油、および水の吸着量がいずれも優れていた(実施例1〜7)。当該結果から、本発明の掃除用物品によれば、水性の汚れおよび油脂の両方を十分に吸着できるといえる。また、これらはいずれも強度が高かった。さらに、これらの掃除用物品が抗菌剤を含む場合には、抗菌性が高かった(実施例1〜4、6、および7)。
一方、カナディアン標準濾水度が100ml以上800ml以下であるポリオレフィン系合成パルプ(A)を含まない場合には、油吸着量および水吸着量のいずれもが低かった(比較例1)。
さらに、ポリオレフィン系合成パルプ(A)に対する天然パルプ(B)の割合が高すぎる場合、強度が低く、さらに油吸着量および水吸着量のいずれもが低かった(比較例2)。また、ポリオレフィン系合成パルプ(A)に対する天然パルプ(B)の割合が低すぎる場合も強度が低くなり、さらには水吸着量や、水溶性染料の吸着量が非常に低かった(比較例3)。
さらに、密度が過度に高い場合には、水溶性染料の吸着量、油吸着量および水吸着量のいずれもが低かった(比較例4)。また、比較例2は、抗菌剤を含むにもかかわらず、抗菌性が低かった。
本発明の掃除用物品は、水性の汚れおよび油脂を十分に吸着できる。したがって、浴槽内の汚れを除去するための掃除用物品として非常に有用である。
Claims (7)
- カナディアン標準濾水度が100ml以上800ml以下であるポリオレフィン系合成パルプ(A)と、
天然パルプ(B)と、を含み、
前記ポリオレフィン系合成パルプ(A)の含有量100質量部に対する、前記天然パルプ(B)の含有量が50〜200質量部であり、
密度が10kg/m3〜75kg/m3である、
掃除用物品。 - 融点が70℃以上130℃以下であるバインダー繊維(C)をさらに含む、
請求項1に記載の掃除用物品。 - 前記バインダー繊維(C)が、ポリエチレン系繊維、低融点ポリエステル繊維、アクリル系繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート複合繊維、およびポリエステル複合繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種の繊維を含む、
請求項2に記載の掃除用物品。 - 前記バインダー繊維(C)の含有量が総質量に対して1質量%〜50質量%である、
請求項2または3に記載の掃除用物品。 - 抗菌剤(D)をさらに含む、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の掃除用物品。 - 前記抗菌剤(D)が、銀、亜鉛、ゼオライト、アパタイト、炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、リン酸ジルコニウム、珪酸カルシウム、カオリン、タルク、および酸化銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含む、
請求項5に記載の掃除用物品。 - 前記ポリオレフィン系合成パルプ(A)の含有量および前記天然パルプ(B)の含有量の合計が、総質量に対して50質量%〜90質量%である、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の掃除用物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018230026A JP2020090637A (ja) | 2018-12-07 | 2018-12-07 | 掃除用物品 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=71013281
Family Applications (1)
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JP2018230026A Pending JP2020090637A (ja) | 2018-12-07 | 2018-12-07 | 掃除用物品 |
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Country | Link |
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2018
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