JP2020090447A - 口腔用組成物 - Google Patents
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(A)炭素数14〜18の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸又はそのアルカリ金属塩 0.01質量%以上1質量%以下
(B)カリウム化合物
を含有し、かつ25℃におけるpHが6.1以上9.3以下である象牙質知覚過敏用口腔用組成物を提供するものである。
なお、本発明において、「象牙質細管」は「象牙細管」ともいう。また、「象牙細管を封鎖する」とは、象牙細管を物理的に封鎖することであって、象牙質の表面において象牙細管の開口を覆う状態だけでなく、象牙細管の表面近傍の細管内に充填して蓋をする(栓をする)状態をも含む意味である。
本発明の象牙質知覚過敏用口腔用組成物は、成分(A)として、炭素数14〜18の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸又はそのアルカリ金属塩を0.01〜1質量%含有する。かかる成分(A)を含有することにより、本発明の象牙質知覚過敏用口腔用組成物を口腔内に適用した際、後述する成分(B)からのカリウムイオンとともに炭素数14〜18の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸カリウム塩を速やかに形成することにより、かかる塩を口腔内の隅々まで充分に行き渡らせて、所望の象牙質の表面まで容易に到達させることができる。さらに、かかる塩が象牙質の表面に到達した際には、かかるN−アシルアミノ酸のカリウム塩からN−アシルアミノ酸のカルシウム塩への置換が迅速に進み、炭素数14〜18の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸のカルシウム塩による析出物が象牙質の表面にて堅固に固着するため、効果的かつ極めて迅速に象牙細管を封鎖することができる。
一方、炭素数12の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸又はそのアルカリ金属塩については、カリウム塩を良好に形成させる観点から、本発明の象牙質知覚過敏用口腔用組成物中における含有量は少ない方がよく、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.08質量%以下であり、より好ましくは0.03質量%以下であり、さらに好ましくは炭素数12の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸又はそのアルカリ金属塩を含まないのがよい。
なお、ココイル基のように、上記炭素数の炭化水素基が複数種混在しつつ、上記炭素数以外の炭素数の炭化水素基を含み得るアシル基を有するN−アシルアミノ酸又はそのアルカリ金属塩を本発明の象牙質知覚過敏用口腔用組成物に用いる場合、そのうちの上記炭素数の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸又はそのアルカリ金属塩の含有量が、上記成分(A)の含有量となるように用いればよい。
成分(A)における炭素数14〜18の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸のアミノ酸部分がグリシンの場合、成分(A)の含有量は、本発明の象牙質知覚過敏用口腔用組成物中に0.01質量%以上であって、好ましくは0.02質量%以上であり、より好ましくは0.03質量%以上%以上であり、1質量%以下であって、より好ましくは0.6質量%以下であり、さらに好ましくは0.3質量%以下である。
成分(A)における炭素数14〜18の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸のアミノ酸部分がグルタミン酸の場合、成分(A)の含有量は、本発明の象牙質知覚過敏用口腔用組成物中に0.01質量%以上であって、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、1質量%以下であって、好ましくは0.8質量%以下であり、より好ましくは0.6質量%以下である。
また、成分(C)の含有量は、本発明の象牙質知覚過敏用口腔用組成物が液体歯磨き組成物である場合、本発明の象牙質知覚過敏用口腔用組成物中に、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。
また、成分(D)が有する炭化水素基は、好ましくは飽和炭化水素基であり、より好ましくは直鎖飽和炭化水素基である。かかる炭化水素基としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、及びパルミチン酸から選ばれる1種又は2種以上であり、さらに好ましくはミリスチン酸、及びパルミチン酸から選ばれる1種又は2種である。成分(D)のアルカリ金属塩としては、カリウム塩が好ましい。
なお、成分(D)としては、例えば、ルナックP95(パルミチン酸96質量%、花王株式会社)等の、上記炭素数の炭化水素基を有する脂肪酸又はその塩を一部に含む混合物を用いてもよい。
なお、ここで研磨性シリカとは、吸油量が50〜150mL/100gのものをいい、吸油量はシリカが担持できる油量を示したものであり、測定方法はJIS K5101−13−2(2004年制定)により、吸収される煮あまに油の量により特定する。
かかる粘結剤の含有量は、迅速かつ優れた象牙細管の封鎖効果を発揮する観点から、本発明の象牙質知覚過敏用口腔用組成物中に、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1.8質量%以下である。
なお、本発明の象牙質知覚過敏用口腔用組成物のpHは、pH電極を用いて25℃で測定した値であり、本発明の象牙質知覚過敏用口腔用組成物が液体歯磨き組成物である場合には、組成物を希釈せずにそのまま測定した値を意味し、本発明の象牙質知覚過敏用口腔用組成物が練り歯磨き組成物である場合には、イオン交換水又は蒸留水からなる精製水により10質量%の濃度の水溶液に調整した後に測定した値を意味する。
ただし、成分(D)を用いる場合には、成分(B)、成分(D)、及び少なくとも成分(C)の一部を含み、25℃におけるpHが9以上の混合物を得て加熱する工程(I)、並びに得られた混合物に成分(A)を混合する工程(II)を備えるのが好ましい。工程(I)における混合物の加熱温度は、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは50℃以上であり、さらに好ましくは55℃以上であり、好ましくは100℃以下であり、より好ましくは80℃以下である。
この工程(II)において、工程(I)で得られた混合物に他の水溶性成分を混合することもできる。かかる他の水溶性成分としては、例えば、フッ素イオン供給化合物、サッカリンナトリウム等の水溶性成分が挙げられる。また、粘結剤を添加し、混合することもできる。
さらに、工程(III)を経た後、15〜30℃の室温において、工程(III)で得られた混合物に香料を添加し、混合する工程(IV)を含んでもよい。
(A)炭素数14〜18の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸又はそのアルカリ金属塩 0.01質量%以上1質量%以下
(B)カリウム化合物
を含有し、かつ25℃におけるpHが6.1以上9.3以下である口腔用組成物を口腔内に適用する、象牙質細管の封鎖方法を提供する。
本発明の象牙質細管の封鎖方法であれば、象牙質細管の封鎖効果の増強及び迅速化を図ることが可能である。
表1に示す実施例1〜9、表2に示す比較例1〜4の液体歯磨き組成物について、常法により各成分を混合することにより製造した。なお、表1に示す実施例10は、各成分を常法にしたがって混合した後、約60℃に加熱して成分(D)が溶解することを確認することにより製造した。
得られた各組成物と下記象牙質サンプルを用い、以下に示す方法により、象牙細管の開口部封鎖状態の評価を行った。
評価結果を表1〜2に示す。
牛歯の象牙質の約1cm各切片(厚さ約500μm)の表面を砥粒サイズ40μmのサンドペーパー、及び砥粒サイズ3μmのサンドペーパーを用いて鏡面研磨した後、10分間超音波処理を施した。次いで、1%クエン酸水溶液にて20秒間エッチング処理を施し、再度10分間超音波処理を施すことによりスメア層を完全に除去して、牛歯の象牙質の象牙細管の開口部を露出させた。
得られた象牙質サンプルを各組成物10mLに1分間又は5分間浸漬した後、かかるサンプルを蒸留水で10秒間洗浄した。洗浄後、充分に乾燥させたサンプルの表面に白金蒸着させて、表面における象牙細管の開口部を、電子顕微鏡(VE−7800、KEYENCE社製、加速電圧2kV)を用いて倍率2000倍で観察し、最表面の象牙細管の開口状態を観察し、下記の基準により評価した。
AA:象牙細管の開口が充分に覆われている
A :象牙細管の開口がほぼ覆われている
B :象牙細管の開口が覆われている部分と、象牙質が露出している部分とを確認できる
C :象牙質の表面に付着物を確認できるが、象牙質がほぼ露出している
D :象牙細管が露出している(象牙質の表面に付着物を確認できない)
なお、実施例2、実施例7〜8、比較例1及び比較例3における象牙質の表面の電子顕微鏡写真を各々図1〜5に示す。
また、最近1か月の間で歯がしみるのが毎日である者、又は週に2,3回である者をパネラーとして、3名のパネラーに実施例2及び4の液体歯磨き組成物を30秒間含漱させ、その後冷水を口に含み、象牙質知覚過敏症に起因する痛みの評価を行った。その結果、知覚過敏官能評価は実施例2が平均3(ほとんどしみない)、実施例4が平均3.7
(4が全くしみない)であった。
4 :全くしみない
3 :ほとんどしみない
2 :少々しみる
1 :しみる
表3に示す実施例11〜12の練り歯磨き組成物について、上記記載の工程(I)〜(IV)を経ることにより製造した。
得られた象牙質サンプルを各練り歯磨き組成物2gと蒸留水6gを混合した溶液8gに1分間又は5分間浸漬した以外は、実施例1と同様にして象牙細管の開口部封鎖状態の評価を行った。
評価結果を表3に示す。なお、実施例11における象牙質の表面の電子顕微鏡写真を図6に示す。
Claims (10)
- 次の成分(A)並びに(B):
(A)炭素数14〜18の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸又はそのアルカリ金属塩 0.01質量%以上1質量%以下
(B)カリウム化合物
を含有し、かつ25℃におけるpHが6.1以上9.3以下である象牙質知覚過敏用口腔用組成物。 - 炭素数12の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸又はアルカリ金属塩の含有量と、炭素数12〜18の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸又はアルカリ金属塩の含有量との質量比(C12/(C12〜C18))が、0.9以下である請求項1に記載の象牙質知覚過敏用口腔用組成物。
- 炭素数12の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸又はそのアルカリ金属の含有量が、0.1質量%以下である請求項1又は2に記載の象牙質知覚過敏用口腔用組成物。
- 成分(A)におけるN−アシルアミノ酸のアミノ酸部分が、グルタミン酸、グリシン及びアラニンから選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の象牙質知覚過敏用口腔用組成物。
- 成分(B)の含有量が、0.001質量%以上10質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の象牙質知覚過敏用口腔用組成物。
- 成分(B)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((B)/(A))が、0.01以上50以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の象牙質知覚過敏用口腔用組成物。
- さらに、水(C)を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の象牙質知覚過敏用口腔用組成物。
- さらに、炭素数12〜18の炭化水素基を有する脂肪酸又はそのアルカリ金属塩(D)を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の象牙質知覚過敏用口腔用組成物。
- 成分(D)の含有量と成分(A)の含有量との質量比((D)/(A))が、0.5以上10以下である請求項8に記載の象牙質知覚過敏用口腔用組成物。
- 次の成分(A)並びに(B):
(A)炭素数14〜18の炭化水素基を有するN−アシルアミノ酸又はそのアルカリ金属塩 0.01質量%以上1質量%以下
(B)カリウム化合物
を含有し、かつ25℃におけるpHが6.1以上9.3以下である口腔用組成物を口腔内に適用する、象牙質細管の封鎖方法。
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