JP2020089213A - ステータの製造方法およびステータの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動規制治具とコイルとが機械的に干渉することを防止しながら、移動規制治具により、一方のスロット収容部がスロットから径方向にはみ出すのを防止することが可能なステータの製造方法およびステータの製造装置を提供する。【解決手段】このステータ100の製造方法は、一方のスロット収容部11aを、スロット21に配置するとともに、他方のスロット収容部11bを、コイルガイド治具51に配置する工程(S24)と、移動規制治具260を、非規制状態で、ティース22の端面20aに配置する工程(S23)と、移動規制治具260が回動されることにより、移動規制治具260が非規制状態から規制状態に切り替えられるとともに、ステータコア20に対してコイルガイド治具51が周方向に移動させることにより、コイル10を変形する工程(S30)とを備える。【選択図】図54
Description
本発明は、ステータの製造方法およびステータの製造装置に関する。
従来、一対のスロット収容部を含むコイルを備えるステータの製造方法およびステータの製造装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、一対のスロット収容部を含むコイルを備えるステータの製造方法が開示されている。このステータの製造方法では、まず、丸線が複数回巻回されることにより、コイルが形成される。そして、一対のスロット収容部のうちの一方のスロット収容部が、ステータコアのスロットに配置されるとともに、他方のスロット収容部が、ステータコアの径方向内側に配置された第1治具の溝部に配置される。そして、径方向に延びる本体部分と、本体部分から周方向に突出する部分(以下、「突出部」とする)とを有する第2治具がスロットの開口を覆うように配置される。第2治具がスロットの開口に配置される際に、突出部を周方向に突出させた状態の第2治具がティースの径方向外側から径方向内側に移動されるとともに、軸方向に見てスロットにオーバラップする位置に突出部を周方向に突出させた状態の第2治具が周方向に移動される。そして、第2治具がスロットの開口を覆うことにより、一方のスロット収容部がスロットの開口からはみ出すのが抑制された状態で、第1治具がステータコアに対して周方向に移動されることにより、コイルが変形される。その後、他方のスロット収容部が、径方向内側から径方向外側に移動されることにより、一方のスロット収容部が配置されたスロットから周方向に離れたスロットに、他方のスロット収容部が配置される。
ここで、上記特許文献1に記載されているような従来のステータにおいて、ステータの小型化のために、ティースの周方向の幅をより小さくすることが考えられる。しかしながら、上記特許文献1に記載のステータの製造方法では、一方のスロット収容部がスロットの開口からはみ出すのを防止するために第2治具がスロットの開口に配置される際に、突出部を周方向に突出させた状態の第2治具がティースの径方向外側から径方向内側に移動され、軸方向に見てスロットにオーバラップする位置に突出部を周方向に突出させた状態の第2治具が周方向に移動される。このため、比較的幅が小さいティース上で第2治具が径方向および周方向に移動する際に、第2治具のうちの周方向に突出する突出部がティースと周方向に隣接するコイルと機械的に干渉することが考えられる。この場合、第2治具をスロットの開口まで移動させることが困難になる場合、および、コイルを損傷させる場合があると考えられる。そこで、従来、第2治具(移動規制治具)とコイルとが機械的に干渉することを防止しながら、第2治具(移動規制治具)により、一方のスロット収容部がスロットから径方向にはみ出すのを防止することが可能なステータの製造方法およびステータの製造装置が望まれていた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、移動規制治具とコイルとが機械的に干渉することを防止しながら、移動規制治具により、一方のスロット収容部がスロットから径方向にはみ出すのを防止することが可能なステータの製造方法およびステータの製造装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるステータの製造方法は、複数のティースと、周方向に隣り合う夫々のティースの間に形成される複数のスロットとを備えるステータコアと、複数のスロットのうちの互いに異なるスロットに収容される一対のスロット収容部を含むコイルとを備えるステータの製造方法であって、一対のスロット収容部のうちの一方のスロット収容部を、複数のスロットのうちの第1スロットに配置するとともに、他方のスロット収容部を、第1スロットに径方向に対向するように配置されたコイル配置用治具に配置する工程と、一方のスロット収容部の径方向の移動を規制する規制状態と、一方のスロット収容部の径方向の移動を規制しない非規制状態とを、回動されることにより切り替える移動規制治具を、移動規制治具が非規制状態で、ステータコアの軸方向におけるティースの端面に配置する工程と、移動規制治具を配置する工程の後、移動規制治具が回動されることにより、移動規制治具が非規制状態から規制状態に切り替えられるとともに、ステータコアとコイル配置用治具とのうちの少なくとも一方を、ステータコアの周方向に互いに相対的に移動させることにより、コイルを変形する工程と、コイルを変形する工程の後、移動規制治具が回動されることにより、移動規制治具が規制状態から非規制状態に切り替えられるとともに、他方のスロット収容部を、第1スロットから周方向に離れた位置に位置する第2スロットに挿入する工程とを備える。
この発明の第1の局面によるステータの製造方法では、上記のように、一方のスロット収容部の径方向の移動を規制する規制状態と、一方のスロット収容部の径方向の移動を規制しない非規制状態とを、回動されることにより切り替える移動規制治具を、移動規制治具が非規制状態で、ステータコアの軸方向におけるティースの端面に配置する工程を備える。これにより、突出部を周方向に突出させた状態の移動規制治具をティースの端面に配置する場合と異なり、非規制状態の移動規制治具では、移動規制治具のうちの一方のスロット収容部の径方向の移動を規制するための部分(以下、「規制部」という)を、移動規制治具を回動させることにより、移動規制治具のうちの軸方向一方側に退避させることができる。この結果、ティースの周方向の幅が比較的小さい場合でも、ティースの端面に移動規制治具を配置する工程において、軸方向一方側に退避された移動規制治具の規制部と、移動規制治具の周方向に配置されているコイルとが機械的に干渉するのを防止することができる。そして、本発明では、移動規制治具が回動されることにより、移動規制治具が非規制状態から規制状態に切り替えられるとともに、ステータコアとコイル配置用治具とのうちの少なくとも一方を、ステータコアの周方向に相対的に移動させることにより、コイルを変形する工程を備えるので、コイルを変形する工程中に、一方のスロット収容部が第1スロットから径方向にはみ出すのを、規制状態の移動規制治具により防止することができる。これらの結果、移動規制治具とコイルとが機械的に干渉することを防止しながら、移動規制治具により、一方のスロット収容部が第1スロットから径方向にはみ出すのを防止することができる。
この発明の第2の局面におけるステータの製造装置は、複数のティースと、周方向に隣り合う夫々のティースの間に形成される複数のスロットとを備えるステータコアと、複数のスロットのうちの互いに異なるスロットに収容される一対のスロット収容部を含むコイルとを備えるステータの製造装置であって、スロットの径方向に対向するように配置されているとともに、一対のスロット収容部のうちの一方のスロット収容部が複数のスロットのうちの第1スロットに配置された状態で、他方のスロット収容部が配置されるコイル配置用治具を含む、コイル配置部と、ステータコアの軸方向におけるティースの端面に配置され、一方のスロット収容部の径方向の移動を規制する規制状態と、一方のスロット収容部の径方向の移動を規制しない非規制状態とを、回動されることにより切り替える移動規制治具と、移動規制治具が回動されることにより、移動規制治具が非規制状態から規制状態に切り替えられた状態で、ステータコアとコイル配置用治具とのうちの少なくとも一方を、ステータコアの周方向に相対的に移動させることにより、コイルを変形するコイル変形部とを備え、コイル配置用治具は、移動規制治具が回動されることにより、移動規制治具が規制状態から非規制状態に切り替えられた状態で、コイル変形部により変形されたコイルの他方のスロット収容部を、一方のスロット収容部が配置された第1スロットから周方向に離れた位置に位置する第2スロットに挿入するように構成されている。
この発明の第2の局面によるステータの製造装置では、上記のように構成することにより、上記第1の局面によるステータの製造方法と同様に、移動規制治具とコイルとが機械的に干渉することを防止しながら、移動規制治具により、一方のスロット収容部がスロットから径方向にはみ出すのを防止することが可能なステータの製造装置を提供することができる。
本発明によれば、上記のように、移動規制治具とコイルとが機械的に干渉することを防止しながら、移動規制治具により、一方のスロット収容部がスロットから径方向にはみ出すのを防止することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[ステータの構造]
図1〜図9を参照して、本実施形態によるステータ100について説明する。ステータ100は、回転電機102の一部を構成する。また、ステータ100は、ロータ101の外周面と半径方向に対向するように配置されている。すなわち、回転電機102は、インナーロータ型の回転電機として構成されている。回転電機102は、たとえば、3相交流(U相、V相およびW相)の電力が供給されて駆動するモータとして構成されている。
図1〜図9を参照して、本実施形態によるステータ100について説明する。ステータ100は、回転電機102の一部を構成する。また、ステータ100は、ロータ101の外周面と半径方向に対向するように配置されている。すなわち、回転電機102は、インナーロータ型の回転電機として構成されている。回転電機102は、たとえば、3相交流(U相、V相およびW相)の電力が供給されて駆動するモータとして構成されている。
なお、本願明細書では、「軸方向」および「中心軸線方向」とは、ステータ100の中心軸線C1(図1参照)に沿った方向(Z1方向またはZ2方向)を意味する。また、「周方向」は、ステータ100の周方向(A1方向またはA2方向)を意味する。また、「径方向」は、ステータ100の径方向を意味する。そして、「径方向内側」および「内径側」は、ステータ100の中心軸線C1に向かう方向(B1方向側)を意味し、「径方向外側」および「外径側」は、ステータ100の中心軸線C1から遠ざかる方向(B2方向側)を意味する。
(コイルおよびステータコアの構成)
ステータ100には、図1に示すように、複数のコイル10が設けられている。複数のコイル10は、U相の交流電力が供給されるU相コイル10Uと、V相の交流電力が供給されるV相コイル10Vと、W相の交流電力が供給されるW相コイル10Wとを含む。なお、以下の記載では、U相コイル10UとV相コイル10VとW相コイル10Wとを特に区別しない場合には、単に「コイル10」として説明する。
ステータ100には、図1に示すように、複数のコイル10が設けられている。複数のコイル10は、U相の交流電力が供給されるU相コイル10Uと、V相の交流電力が供給されるV相コイル10Vと、W相の交流電力が供給されるW相コイル10Wとを含む。なお、以下の記載では、U相コイル10UとV相コイル10VとW相コイル10Wとを特に区別しない場合には、単に「コイル10」として説明する。
また、ステータ100は、図2に示すように、ステータコア20を備える。また、ステータコア20は、軸方向に長さL10(図22参照)を有する。ステータコア20には、複数のスロット21が設けられている。また、ステータコア20には、スロット21を構成する複数のティース22が設けられている。スロット21は、周方向に隣り合う夫々のティース22の間に形成されている。そして、ティース22は、それぞれ、バックヨーク23から径方向内側に突出するように形成されている。
スロット21は、図3に示すように、径方向内側に開口する開口部21aを有する。また、スロット21は、スロット21の内径側部分21bの周方向の幅W1よりも、スロット21の外径側部分21cの周方向の幅W2が大きく構成されている。開口部21aの周方向の幅は、たとえば、幅W1である。また、開口部21aの近傍には、コイル10の径方向内側への移動(脱落)を防止するための板状のウェッジ部材21eが配置されている。具体的には、ウェッジ部材21eは、スロット21の開口部21aの近傍の溝部21dに設けられている。そして、溝部21dは、この板状のウェッジ部材21eを配置(中心軸線方向に挿入する)ために、周方向の幅がW1よりも大きく(幅W3)構成されている。
コイル10は、図4に示すように、ステータコア20の複数のスロット21のうちの周方向位置が互いに異なるスロット21に収容される一対のスロット収容部11と、一対のスロット収容部11に接続され、ステータコア20(ティース22)の軸方向の端面20a(図9参照)から軸方向外側に突出するように配置されたコイルエンド部12とを含む。また、コイル10は、導線10aが複数回巻回されることにより形成されている。たとえば、導線10aは、丸線として構成されている。たとえば、コイル10は、径方向内側から見て、六角形形状または八角形形状を有する。
一対のスロット収容部11は、外径側スロット収容部11aおよび内径側スロット収容部11bからなる。外径側スロット収容部11aは、スロット21の外径側部分21cに配置されている。また、内径側スロット収容部11bは、外径側スロット収容部11aが配置されているスロット21から周方向に所定の数のスロット21の分(図2では、スロットピッチが6)、離れたスロット21の内径側部分21bに配置されている。すなわち、コイル10は、2層重ね巻きコイルでかつ分布巻きコイルである。なお、外径側スロット収容部11aは、特許請求の範囲の「一方のスロット収容部」の一例である。また、内径側スロット収容部11bは、特許請求の範囲の「他方のスロット収容部」の一例である。また、外径側スロット収容部11aが配置されているスロット21は、特許請求の範囲の「第1スロット」の一例である。また、外径側スロット収容部11aが配置されているスロット21から周方向に所定の数のスロット21の分(図2では、スロットピッチが6)、離れたスロット21は、特許請求の範囲の「第2スロット」の一例である。
また、図1に示すように、同一のスロット21では、内径側部分21bと外径側部分21cとにおいて、同相のスロット収容部11が配置されている。また、図2に示すように、スロット21には、一対のスロット収容部11と、後述する第1接続部分33a、第2接続部分33bおよびスロット絶縁シート40が配置されている。
図4に示すように、一対のスロット収容部11とコイルエンド部12とは、連続して形成されている。一対のスロット収容部11は、それぞれ、中心軸線C1方向に直線状に延びるように形成されている。コイルエンド部12は、外径側スロット収容部11aと内径側スロット収容部11bとを接続するとともに、複数のスロット21に跨るように(図2参照)、周方向に沿って延びるように配置されている。また、コイルエンド部12は、一対のスロット収容部11のZ1方向側とZ2方向側とに、それぞれ設けられている。
図5に示すように、一の相のコイル10(たとえば、U相コイル10U)のコイルエンド部12は、他の相のコイル10(たとえば、V相コイル10V)のコイルエンド部12と径方向および周方向に隣接して配置されている。
(絶縁シートの構成)
ステータ100は、図6に示すように、複数(たとえば、コイル10の数と同数)の絶縁シート30を備える。絶縁シート30は、コイルエンド部12に配置され、中心軸線C1方向に沿って延びるように設けられた複数の折り曲げ部31が広げられた状態(図7参照)で配置されているコイルエンド部絶縁部32を含む。また、絶縁シート30には、コイルエンド部絶縁部32に接続されている接続部分33が設けられている。
ステータ100は、図6に示すように、複数(たとえば、コイル10の数と同数)の絶縁シート30を備える。絶縁シート30は、コイルエンド部12に配置され、中心軸線C1方向に沿って延びるように設けられた複数の折り曲げ部31が広げられた状態(図7参照)で配置されているコイルエンド部絶縁部32を含む。また、絶縁シート30には、コイルエンド部絶縁部32に接続されている接続部分33が設けられている。
複数の絶縁シート30のコイルエンド部絶縁部32の各々は、図5に示すように、複数のコイル10のコイルエンド部12の各々の径方向外側に配置されている。たとえば、ステータ100では、コイル10が全てのスロット21に配置された状態において、互いに隣接するコイル10同士(コイルエンド部12)の間に、絶縁シート30が配置された状態になる。そして、複数のコイル10のうちの径方向内側のコイル10のコイルエンド部12と、径方向内側のコイル10に隣接する径方向外側のコイル10のコイルエンド部12との径方向の間に、径方向内側のコイル10に取り付けられた絶縁シート30が配置される状態になる。なお、図5では、説明を容易にするために、コイル10と絶縁シート30とが離間して配置されるように(隙間を有するように)図示しているが、コイル10と絶縁シート30とは接触していてもよい。たとえば、コイルエンド部12の径方向外側の側面12aに、絶縁シート30のコイルエンド部絶縁部32が接触している。
たとえば、絶縁シート30は、ノーメックス(登録商標)またはカプトン(登録商標)のいずれかまたはこの組み合わせにより形成されている。なお、ノーメックスとは、アラミドポリマーから形成された繊維(絶縁紙)である。また、絶縁シート30を、PEN(polyethylene naphthalate)フィルムからなる芯材と、芯材の両面を覆うように設けられるアラミド繊維からなる表面部材とから構成してもよい。また、上記の材料またはその他の材料を接着材や融着などにより全面的に互いに接着することにより、1枚のシート状の絶縁シート30として構成してもよい。
図6および図7に示すように、絶縁シート30は、シート状に形成されており、1枚のシート状の絶縁シート30が複数回折り曲げられることにより、コイルエンド部絶縁部32に、複数の折り曲げ部31が形成されている。なお、図6は、複数の折り曲げ部31が広げられる前(折り曲げ部31が折りたたまれた状態:図8(a)参照)の絶縁シート30を示しており、ステータ100の製造時の絶縁シート30の状態を示している。また、図7は、複数の折り曲げ部31が広げられた後(図8(b)および(c)参照)の絶縁シート30を示しており、ステータ100の完成後の絶縁シート30の状態を示している。
複数の折り曲げ部31は、互いに平行に中心軸線C1方向に沿って延びるように形成されている。これにより、複数の折り曲げ部31が広げられた後の複数の折り曲げ部31の中心軸線C1方向に直交する方向の長さL2(図7参照)は、複数の折り曲げ部31が広げられる前の複数の折り曲げ部31の中心軸線C1方向に直交する方向の長さL1(図6参照)よりも大きくなる。そして、複数の折り曲げ部31が広げられた後のコイルエンド部絶縁部32の中心軸線C1方向に直交する方向の長さL4(図7参照)は、複数の折り曲げ部31が広げられる前のコイルエンド部絶縁部32の中心軸線C1方向に直交する方向の長さL3(図6参照)よりも大きくなる。また、コイルエンド部絶縁部32の中心軸線C1方向の長さL5は、複数の折り曲げ部31を広げることによっては略変化しない。
図8(a)に示すように、折り曲げ部31は、たとえば、絶縁シート30の一部が折り返されて(折り畳まれて)形成されている。たとえば、折り曲げ部31は、中心軸線C1方向に見て、略S字状に形成されている。略S字状の折り曲げ部31は、中心軸線C1方向に直交する方向(径方向)の長さL21を有する。そして、折り曲げ部31が中心軸線C1方向に交差する方向の両側から引っ張られることにより、折り曲げ部31の折り返されている部分(図8(b))が開放されて、図8(c)に示すように、折り曲げ部31の中心軸線C1方向に直交する方向の長さは、長さL21よりも大きいL22となる。そして、折り曲げ部31の折り曲げ位置に対応する位置の折り曲げ線31aが露出される状態となる。また、図7に示すように、複数の折り曲げ線31aは、互いに平行に中心軸線C1方向に沿って形成されている。
〈コイルエンド部絶縁部の構成〉
コイルエンド部絶縁部32は、異相間(または同相間)のコイルエンド部12同士の絶縁性能を確保する機能を有する。図7に示すように、コイルエンド部絶縁部32は、コイルエンド部12の形状に対応する形状を有する。具体的には、径方向に見て、コイルエンド部絶縁部32とコイルエンド部12とは、互いにオーバラップする位置に配置される。好ましくは、径方向に見て、コイルエンド部絶縁部32は、コイルエンド部12全体(側面12a全体)を覆うように形成されている。
コイルエンド部絶縁部32は、異相間(または同相間)のコイルエンド部12同士の絶縁性能を確保する機能を有する。図7に示すように、コイルエンド部絶縁部32は、コイルエンド部12の形状に対応する形状を有する。具体的には、径方向に見て、コイルエンド部絶縁部32とコイルエンド部12とは、互いにオーバラップする位置に配置される。好ましくは、径方向に見て、コイルエンド部絶縁部32は、コイルエンド部12全体(側面12a全体)を覆うように形成されている。
絶縁シート30には、Z1方向側に配置された第1コイルエンド部絶縁部32aと、Z2方向側に配置された第2コイルエンド部絶縁部32bとが設けられている。第1コイルエンド部絶縁部32aと第2コイルエンド部絶縁部32bとは、同様の形状を有する。第1コイルエンド部絶縁部32aと第2コイルエンド部絶縁部32bとは共に、コイル10の径方向外側に配置されている。
〈固定部の構成〉
また、図6に示すように、ステータ100の製造時において、コイルエンド部絶縁部32には、複数の折り曲げ部31同士を固定して、折り曲げ部31が開放しないようにするための固定部34が設けられている。たとえば、固定部34は、第1コイルエンド部絶縁部32aのZ2方向の端部に接続するように設けられている。また、固定部34は、第2コイルエンド部絶縁部32bのZ1方向の端部に接続するように設けられている。固定部34は、折り曲げ部31の折り返された部分が互いに接着剤等により固定されることにより形成されている。また、固定部34は、第1コイルエンド部絶縁部32aおよび第2コイルエンド部絶縁部32bからコイル10の巻回内側に向かって突出するように形成されている。また、固定部34は、ステータ100の完成時においては、取り除かれている。
また、図6に示すように、ステータ100の製造時において、コイルエンド部絶縁部32には、複数の折り曲げ部31同士を固定して、折り曲げ部31が開放しないようにするための固定部34が設けられている。たとえば、固定部34は、第1コイルエンド部絶縁部32aのZ2方向の端部に接続するように設けられている。また、固定部34は、第2コイルエンド部絶縁部32bのZ1方向の端部に接続するように設けられている。固定部34は、折り曲げ部31の折り返された部分が互いに接着剤等により固定されることにより形成されている。また、固定部34は、第1コイルエンド部絶縁部32aおよび第2コイルエンド部絶縁部32bからコイル10の巻回内側に向かって突出するように形成されている。また、固定部34は、ステータ100の完成時においては、取り除かれている。
〈接続部分の構成〉
図6に示すように、本実施形態では、絶縁シート30には、第1コイルエンド部絶縁部32aと第2コイルエンド部絶縁部32bとを接続する接続部分33(脚部)が設けられている。また、図2に示すように、接続部分33は、径方向外側に配置された第1接続部分33aと、径方向内側に配置された第2接続部分33bとを含む。ここで、本実施形態では、スロット21内において、第1接続部分33aは、一対のスロット収容部11のうちの外径側スロット収容部11aと、スロット21の径方向外側の底部を構成するステータコア20(バックヨーク23)の内面23a(内壁面)との間に配置されている。また、スロット21内において、第2接続部分33bは、内径側スロット収容部11bと開口部21aとの間に配置されている。
図6に示すように、本実施形態では、絶縁シート30には、第1コイルエンド部絶縁部32aと第2コイルエンド部絶縁部32bとを接続する接続部分33(脚部)が設けられている。また、図2に示すように、接続部分33は、径方向外側に配置された第1接続部分33aと、径方向内側に配置された第2接続部分33bとを含む。ここで、本実施形態では、スロット21内において、第1接続部分33aは、一対のスロット収容部11のうちの外径側スロット収容部11aと、スロット21の径方向外側の底部を構成するステータコア20(バックヨーク23)の内面23a(内壁面)との間に配置されている。また、スロット21内において、第2接続部分33bは、内径側スロット収容部11bと開口部21aとの間に配置されている。
(スロット絶縁シートの構成)
ステータ100には、図3に示すように、各スロット21に、スロット収容部11とスロット21とを絶縁するスロット絶縁シート40が設けられている。具体的には、スロット絶縁シート40は、絶縁シート30と同様の材料からなり、たとえば、ノーメックス、カプトン、または、PENフィルムのいずれかまたはこれらの組み合わせからなる。なお、スロット絶縁シート40は、特許請求の範囲の「スロット絶縁部材」の一例である。
ステータ100には、図3に示すように、各スロット21に、スロット収容部11とスロット21とを絶縁するスロット絶縁シート40が設けられている。具体的には、スロット絶縁シート40は、絶縁シート30と同様の材料からなり、たとえば、ノーメックス、カプトン、または、PENフィルムのいずれかまたはこれらの組み合わせからなる。なお、スロット絶縁シート40は、特許請求の範囲の「スロット絶縁部材」の一例である。
図9に示すように、スロット絶縁シート40は、スロット収容部11とスロット21との間に配置されたスロット絶縁部41を含む。スロット絶縁部41は、スロット21の内側面を覆うように配置されている。そして、スロット絶縁部41は、コイル10(スロット収容部11)とスロット21との間の絶縁を確保する機能を有する。
また、スロット絶縁シート40は、ステータコア20の回転軸方向の端面20aからZ1方向またはZ2方向に突出する襟状部42を含む。すなわち、襟状部42は、コイルエンド部12の径方向外側および周方向両側を覆うように配置される。また、襟状部42は、スロット絶縁部41に連続して形成されており、ステータコア20の端面20a側に折り返されることにより、襟状に形成されている。
(ステータの製造装置)
次に、図10〜図43を参照して、本実施形態によるステータ100の製造装置200について説明する。なお、以下の説明では、ステータコア20に配置された状態で、軸方向(Z方向)となる方向(外径側スロット収容部11aおよび内径側スロット収容部11bが延びる方向)を、E方向とし、コイル10の巻回軸線方向をF方向とし、E方向に直交しかつF方向に直交する方向をG方向とする。
次に、図10〜図43を参照して、本実施形態によるステータ100の製造装置200について説明する。なお、以下の説明では、ステータコア20に配置された状態で、軸方向(Z方向)となる方向(外径側スロット収容部11aおよび内径側スロット収容部11bが延びる方向)を、E方向とし、コイル10の巻回軸線方向をF方向とし、E方向に直交しかつF方向に直交する方向をG方向とする。
(コイル形成部の構成)
製造装置200は、図10に示すように、コイル10を形成するためのコイル形成部210を備える。コイル形成部210は、巻芯211と、2つの側板212と、2つの巻芯保持治具213とを含む。そして、図11に示すように、2つの側板212が、巻芯211をF方向両側から挟み込むように配置されることにより、巻枠が構成される。そして、コイル形成部210は、巻芯211(巻枠)に、導線10aが巻回されることにより、F方向に見て、長円(トラック形状)形状(図10参照)を有し、E方向に長さL31を有するコイル10を形成するように構成されている。また、巻芯211は、F方向に見て、長円(または楕円)形状を有するとともに、G方向の幅W11(図11参照)を有するように形成されている。また、巻芯211と側板212とは、絶縁シート30を巻芯211と側板212との間に挟み込むように配置される。
製造装置200は、図10に示すように、コイル10を形成するためのコイル形成部210を備える。コイル形成部210は、巻芯211と、2つの側板212と、2つの巻芯保持治具213とを含む。そして、図11に示すように、2つの側板212が、巻芯211をF方向両側から挟み込むように配置されることにより、巻枠が構成される。そして、コイル形成部210は、巻芯211(巻枠)に、導線10aが巻回されることにより、F方向に見て、長円(トラック形状)形状(図10参照)を有し、E方向に長さL31を有するコイル10を形成するように構成されている。また、巻芯211は、F方向に見て、長円(または楕円)形状を有するとともに、G方向の幅W11(図11参照)を有するように形成されている。また、巻芯211と側板212とは、絶縁シート30を巻芯211と側板212との間に挟み込むように配置される。
巻芯保持治具213は、図11に示すように、巻芯211を、側板212を介してF方向の両側から挟み込むように保持するように構成されている。これにより、巻芯保持治具213は、F方向の両側からコイル10を保持するように構成されている。たとえば、巻芯保持治具213は、G方向の幅W12を有し、E方向に延びる板状に形成されている。幅W12は、幅W11と略同一である。また、巻芯保持治具213は、側板212と一体的にE方向に移動可能に構成されている。
(コイル保持治具の構成)
製造装置200は、図12〜図15に示すように、複数のコイル10の各々に設けられ、コイル10を保持することによりコイル10の少なくとも一部の変形を規制する複数のコイル保持治具220を備える。
製造装置200は、図12〜図15に示すように、複数のコイル10の各々に設けられ、コイル10を保持することによりコイル10の少なくとも一部の変形を規制する複数のコイル保持治具220を備える。
コイル保持治具220は、図12に示すように、コイル10を、ステータコア20の周方向両側(図12では、F方向の両側)から挟み込むように保持する板部材221および222と、接続部材223とを含む。板部材221および222は、コイル10を、ステータコア20の周方向両側から挟み込むように保持することにより、ステータコア20の周方向におけるコイル10の変形を規制するように構成されている。言い換えると、板部材221および222は、コイル10の寸法の拡大を防止するように構成されている。
また、板部材221は、コイル10のF2方向側に配置される第1部分221aと、第1部分221aに接続され、コイル10のG方向両側に配置される第2部分221bとを含む。また、板部材222は、コイル10のF1方向側に配置される第1部分222aと、第1部分222aに接続され、コイル10のG方向両側に配置される第2部分222bとを含む。そして、第1部分221aおよび222aにより、コイル10がF方向両側に拡大するように変形するのを規制することが可能となる。すなわち、コイル10のF方向の幅W21がスロット21の幅W2(または幅W1)以下となる。また、第2部分221bおよび222bにより、コイル10がG方向両側に拡大するように変形するのを規制することが可能となる。
また、図13に示すように、板部材221および222は、それぞれ、ステータコア20の周方向(A1方向側)から見て、開口部221cおよび222cが設けられていることにより略U字状を有するように形成されている。板部材221には、ステータコア20のZ1方向側に開口する開口部221cが設けられている。板部材222には、ステータコア20のZ1方向側に開口する開口部222cが設けられている。すなわち、開口部221cは、板部材221のZ1方向側の端部221eからZ2方向に切り欠く、切欠き部として形成されている。また、開口部222cは、板部材222のZ1方向側の端部222eからZ2方向に切り欠く、切欠き部として形成されている。
また、開口部221cおよび222cのE方向の長さL32は、コイル変形工程(S30)よりも前の状態のコイル10のE方向の長さL31以上である。また、開口部221cおよび222cのG方向の幅W13は、巻芯211の幅W11および巻芯保持治具213の幅W12以上である。これにより、コイル保持治具220は、巻芯保持治具213により開口部221cおよび222cを介してコイル10および巻芯211が保持された状態で、コイル10を保持可能に構成されている。
また、板部材221および222は、絶縁シート30をコイル10(コイルエンド部12)と板部材222との間に挟み込むように、コイル10を保持するように構成されている。すなわち、コイル保持治具220は、絶縁シート30が取り付けられたコイル10を保持するように構成されている。また、板部材221および222は、周方向から見て、絶縁シート30の固定部34が開口部221cおよび222cを介して露出するように、コイル10を保持するように構成されている。
接続部材223は、図13に示すように、板部材221および222を各々の端部221dおよび222d近傍において接続するように構成されている。具体的には、図14に示すように、接続部材223は、2つの接続板部223aと回動軸部223bとを含む。すなわち、接続部材223は、蝶番状に構成されている。なお、「端部221dおよび222d近傍」とは、端部221dおよび222dを含むとともに、端部221dおよび222dからコイル10のE2方向側のコイルエンド部12となる部分までの間の領域、および、端部221dおよび222dからさらにE2方向の領域を意味するものとする。
そして、コイル保持治具220は、回動軸部223bを支点として、図15に示す板部材221および222を開放させた状態と、図12および図13に示す板部材221および222を閉じた状態とを、変更可能に構成されている。すなわち、閉じた状態とは、板部材221および222が略平行となり、板部材221および222の両方がコイル10に当接(近接)する状態(コイル10を保持した状態)を意味する。また、開放させた状態とは、回動軸部223bまわりに板部材221および222の少なくとも一方が回動して、板部材221または222のいずれかがコイル10に接触しない状態(コイル10を保持していない状態)を意味する。
(第1コイル配置部の構成)
製造装置200は、図16に示すように、外径側スロット収容部11aをスロット21に配置するための第1コイル配置部230を備える。本実施形態では、第1コイル配置部230は、コイル保持治具220が取り付けられたコイル10の外径側スロット収容部11aを、スロット21に配置するように構成されている。具体的には、製造装置200は、第1コイル配置部230は、治具押圧部材231と、押圧位置規制部材232と、コイル位置固定治具233とを含む。
製造装置200は、図16に示すように、外径側スロット収容部11aをスロット21に配置するための第1コイル配置部230を備える。本実施形態では、第1コイル配置部230は、コイル保持治具220が取り付けられたコイル10の外径側スロット収容部11aを、スロット21に配置するように構成されている。具体的には、製造装置200は、第1コイル配置部230は、治具押圧部材231と、押圧位置規制部材232と、コイル位置固定治具233とを含む。
治具押圧部材231は、Z2方向側の端部231aがコイル保持治具220の端部221eおよび222eに接触した状態で、図示しない駆動装置により、治具押圧部材231にZ2方向に押圧力が加えられることにより、治具押圧部材231は、コイル保持治具220をZ2方向に押圧するように構成されている。これにより、第1コイル配置部230は、コイル保持治具220が取り付けられたコイル10の外径側スロット収容部11aを、スロット21に軸方向に挿入するように構成されている。
押圧位置規制部材232は、図17および図18に示すように、治具押圧部材231の周方向外側に配置され、治具押圧部材231と一体的に移動するように構成されている。そして、第1コイル配置部230は、治具押圧部材231と一体的に移動する押圧位置規制部材232がステータコア20の端面20a(図9参照)に接触して、治具押圧部材231の軸方向の移動を規制することにより、外径側スロット収容部11aのスロット21における軸方向位置を規制するように構成されている。
コイル位置固定治具233は、図16および図17に示すように、コイル10の巻回内側を保持するように構成されている。具体的には、図19に示すように、軸方向に延びる板状部233aと、板状部233aに接続されており周方向(A1方向)に突出する突出部233bとを含む。突出部233bは、A1方向に突出する円柱状に形成されている。そして、製造装置200では、突出部233bが、コイル10の巻回内側の側面に当接する(引っ掛かる)ように配置される。これにより、コイル位置固定治具233は、コイル10の軸方向位置を固定した状態で、コイル保持治具220をステータコア20に対してZ2方向側に移動させることにより、コイル10をスロット21に残存させた状態で、コイル保持治具220を取り外すことが可能に構成されている。
(固定部切除装置の構成)
製造装置200は、図20および図21に示すように、絶縁シート30の固定部34を切除する固定部切除装置240を備える。固定部切除装置240は、刃部241と、コイル保護材242と、クランプ材243と、受け材244と、切り屑排出材245とを含む。
製造装置200は、図20および図21に示すように、絶縁シート30の固定部34を切除する固定部切除装置240を備える。固定部切除装置240は、刃部241と、コイル保護材242と、クランプ材243と、受け材244と、切り屑排出材245とを含む。
刃部241は、図20に示すように、切り屑排出材245のE方向の両端の各々に設けられ、切り屑排出材245からF2方向に突出するように配置されている。図21に示すように、2つのうちの一方の刃部241は、F2方向に見て、絶縁シート30の固定部34と第1コイルエンド部絶縁部32aとの境界部分34aにオーバラップするように配置される。また、他方の刃部241は、F2方向に見て、固定部34と第2コイルエンド部絶縁部32bとの境界部分34aにオーバラップするように配置される。これにより、刃部241は、絶縁シート30の固定部34と第1コイルエンド部絶縁部32a(第2コイルエンド部絶縁部32b)との境界部分34aをF2方向に通過することにより、絶縁シート30から固定部34を切断して、固定部34を切除することが可能である。
コイル保護材242は、コイル10の巻回内側において、刃部241とコイル10とのG方向の間に配置されている。これにより、コイル保護材242は、刃部241が固定部34を切除する際に、コイル10が巻回内側に移動(変形)するのを規制することが可能である。
クランプ材243は、コイル10の巻回内側において、コイル保護材242のE方向の両端の各々に配置されている。図20に示すように、クランプ材243は、刃部241、コイル保護材242および切り屑排出材245とともに、F2方向に移動するように構成されている。なお、クランプ材243は、コイル保護材242が、F2方向に移動された後に、刃部241および切り屑排出材245とともに、F2方向に移動するように構成してもよい。
図21に示すように、受け材244は、コイル10の巻回内側において、コイル保護材242のE方向の両端の各々に配置されている。図20に示すように、受け材244は、クランプ材243のF2方向側に配置されており、クランプ材243、刃部241、コイル保護材242および切り屑排出材245がF2方向に移動した際に、クランプ材243と、第1コイルエンド部絶縁部32a(第2コイルエンド部絶縁部32b)を介して当接することにより、クランプ材243のF2方向への移動を規制するように構成されている。これにより、刃部241が固定部34を切除する際に、クランプ材243と受け材244との間に、固定部34と第1コイルエンド部絶縁部32a(第2コイルエンド部絶縁部32b)との境界部分34aのE1方向側(E2方向側)の近傍を挟むことが可能である。
切り屑排出材245は、クランプ材243が受け材244に当接した状態で、クランプ材243およびコイル保護材242に対して、刃部241と一体的にF2方向に移動するように構成されている。また、切り屑排出材245は、2つの刃部241のE方向の間に配置されている。これにより、切り屑排出材245により、切除された固定部34をF2方向側に押し出して、F2方向側に排出することが可能である。
(コイル変形装置の構成)
図22に示すように、ステータ100の製造装置200は、コイル変形装置50を備える。コイル変形装置50は、複数のコイルガイド治具51と、下側回転駆動装置52と、上側カプラ53と、コイル押圧装置54(図22および図23参照)と、下側カプラ55と、シャフト56とを備える。なお、コイル変形装置50、コイルガイド治具51、および、コイル押圧装置54は、特許請求の範囲の「コイル配置用治具」の一例である。
図22に示すように、ステータ100の製造装置200は、コイル変形装置50を備える。コイル変形装置50は、複数のコイルガイド治具51と、下側回転駆動装置52と、上側カプラ53と、コイル押圧装置54(図22および図23参照)と、下側カプラ55と、シャフト56とを備える。なお、コイル変形装置50、コイルガイド治具51、および、コイル押圧装置54は、特許請求の範囲の「コイル配置用治具」の一例である。
図24に示すように、コイルガイド治具51は、周方向に沿って隣り合うように互いに独立して複数(本実施形態では48個)設けられている。そして、複数のコイルガイド治具51は、それぞれ、Z1方向側から見て、径方向内側に向かって先細る略三角形形状または楔型形状を有する。そして、複数のコイルガイド治具51同士は、互いに周方向に等角度間隔で離れて配置されており、隙間CLが設けられている。隙間CLの幅W30は、内径側スロット収容部11bの幅W21よりも大きく、径方向に沿って略一定の大きさを有する。これにより、隙間CLは、内径側スロット収容部11bが、隙間CLの径方向の両側に渡って、移動可能に構成されている。言い換えると、隙間CLの径方向の両側に、それぞれ、内径側スロット収容部11bが通過可能な開口が設けられている。なお、「隙間CLの幅」とは、一のコイルガイド治具51の周方向の端面51aから、一のコイルガイド治具51に隣り合う他のコイルガイド治具51の端面51aに対向する端面51bまでの距離を意味する。
複数のコイルガイド治具51よりも径方向内側には、空間Sが設けられており、空間Sにおいて、コイル押圧装置54の挿入部54aが中心軸線方向に移動可能に構成されている。
また、図22に示すように、複数のコイルガイド治具51は、径方向に沿った断面形状が略矩形形状のガイド本体部51cと、ガイド本体部51cからZ2方向側に突出するとともに、コイルガイド治具51の下側(Z2方向側)に設けられる下側回転駆動装置52に接続される下側接続部51dと、ガイド本体部51cからZ1方向側に突出するとともに、上側カプラ53に接続される上側接続部51eとを含む。なお、ガイド本体部51c、下側接続部51d、および、上側接続部51eは、一体的に形成されている。また、ガイド本体部51cは、中心軸線方向に長さL11を有する。
また、シャフト56は、下側回転駆動装置52および上側カプラ53の両方を貫通するように中心軸線方向(Z方向)に延びるように設けられている。なお、シャフト56は、周状に設けられた複数のコイルガイド治具51の中央を中心軸線方向(Z方向)に延びるように設けられている。
ここで、シャフト56は、下側回転駆動装置52からの回転駆動力を上側カプラ53に伝達するように構成されている。具体的な構成について、以下に説明する。
図25に示すように、上側カプラ53は、コイル10の変形時に、複数のコイルガイド治具51(上側接続部51e)の上端部51f(図22参照)に取り付けられる。具体的には、上側カプラ53は、コイルガイド治具51の上端部51fに取り付けられた状態で、複数のコイルガイド治具51の各々の上端部51fと嵌合する凹部53aを含む。また、上側カプラ53は、板状のフランジ部材53bと、フランジ部材53bに取り付けられるキャップ部材53cとを含む。図26に示すように、凹部53aは、フランジ部材53bの下面53d(図25参照)において周状に沿って隣り合うように複数設けられている。
また、図25に示すように、キャップ部材53cには、キャップ部材53cとフランジ部材53bとを締結するためのネジ部材(図示せず)が挿入される複数のネジ孔53eが設けられている。なお、キャップ部材53cは、フランジ部材53bの上面53f(Z1方向側の表面)に締結されている。
また、フランジ部材53bおよびキャップ部材53cは、それぞれ、上側カプラ53がコイルガイド治具51の上端部51fに取り付けられた状態で、シャフト56が回転駆動力を伝達可能に嵌合される(図22参照)貫通孔53gおよび貫通孔53hを有する。貫通孔53gと貫通孔53hとは、中心軸線方向から見てオーバラップするように設けられている。
また、図27(a)に示すように、シャフト56は、シャフト56の周面56aに設けられる凸部56bを含む。凸部56bは、周面56aに沿って周状(等角度間隔)に複数設けられている。なお、凸部56bは、径方向外側に向かって先細る形状を有しているが、この形状に限られない。
また、図27(b)に示すように、上側カプラ53のキャップ部材53cの貫通孔53hには、シャフト56が嵌合された状態で、シャフト56の凸部56bと係合する凹部53iが設けられている。凹部53iは、貫通孔53hの周面53jに沿って周状(等角度間隔)に複数設けられている。また、複数の凹部53iの各々は、中心軸線方向(Z方向)に延びるように設けられている。
また、上側カプラ53のフランジ部材53bの貫通孔53gには、シャフト56が嵌合された状態で、シャフト56の凸部56bと係合する凹部53k(図26参照)が設けられている。凹部53kは、貫通孔53hの周面53l(図26参照)に沿って周状に複数設けられている。また、複数の凹部53kの各々は、中心軸線方向(Z方向)に延びるように設けられている。
凸部56bと、凹部53iおよび凹部53kとが係合することにより、シャフト56の回転力が上側カプラ53(キャップ部材53c)に伝達され、上側カプラ53が回転する。その結果、上側カプラ53および下側回転駆動装置52の各々が回転することにより、コイルガイド治具51は上下方向の両端において回転駆動力を受ける。その結果、複数のコイルガイド治具51が回転する。なお、凹部53iおよび凹部53kの各々は、凸部56bと同様に、径方向外側に向かって先細る形状を有している。また、キャップ部材53cは、凹部53iおよび凹部53kが中心軸線方向から見てオーバラップするように、フランジ部材53bに締結されている。なお、図27(b)では、簡略化のため、ネジ孔53eの図示を省略している。
なお、Z1方向側から見て、キャップ部材53cおよびフランジ部材53bの各々は、円形形状を有している。また、キャップ部材53cの直径r1(図27(b)参照)およびフランジ部材53bの直径r2(図27(b)参照)の各々は、円環形状を有するステータコア20の内周側の直径r3(図1参照)よりも小さい。すなわち、上側カプラ53がコイルガイド治具51に取り付けられた状態において、上側カプラ53の全体は、Z1方向側から見てステータコア20に取り囲まれる。
また、図28に示すように、下側カプラ55は、コイル10の変形時に、下側回転駆動装置52に取り付けられる。下側カプラ55は、コイル10の変形時に、シャフト56を介して下側回転駆動装置52の回転駆動力を上側カプラ53に伝達するように構成されている。
具体的には、下側カプラ55は、コイル10の変形時にシャフト56が挿入される貫通孔55aを含む。また、下側カプラ55は、下側回転駆動装置52と締結するための複数のネジ孔55bを含む。ネジ孔55bに図示しないネジ部材が挿入されることにより、下側カプラ55は、下側回転駆動装置52に締結される。
また、図29に示すように、下側カプラ55の貫通孔55aの周面55cには、中心軸線方向(Z方向)に延びる複数の凹部55dが周状(等角度間隔)に設けられている。凹部55dと、シャフト56の凸部56b(図27(a)参照)とが係合することにより、下側回転駆動装置52の回転駆動力が、下側カプラ55を介してシャフト56に伝達される。その結果、下側カプラ55を介してシャフト56に伝達された回転駆動力によって、上側カプラ53が回転する。
また、図23に示すように、コイル押圧装置54は、挿入方向(Z2方向)に先細るテーパ形状を有する挿入部54aを含む。挿入部54aは、挿入方向側(Z2方向側)の先端側がテーパ状に形成されている。具体的には、挿入部54aは、円筒形状の円筒部154と、円筒部154を周状に取り囲むように円筒部154に接続され、挿入方向に先細る複数(本実施形態では48個)の板状の羽部254とを含む。複数の羽部254は、中心軸線方向から見て、円筒部154から放射状(図30参照)に延びるように設けられている。また、複数の羽部254は、中心軸線方向(Z1方向側)から見て、コイルガイド治具51同士の隙間CL(図55参照)とオーバラップするように設けられている。
挿入部54aは、中心軸線方向(Z2方向側)に移動されることにより、ステータコア20の内側に挿入される。また、挿入部54aは、挿入時において、内径側スロット収容部11bを、径方向外側の外径側スロット収容部11aが配置されたスロット21から周方向に離れた位置に位置するスロット21側に押圧する。
具体的には、コイル押圧装置54は、コイルガイド治具51の径方向内側に配置されている複数(本実施形態では48個)の押圧部54bを含む。複数の押圧部54bの各々は、互いに異なるスロット21の径方向内側に配置されている。そして、挿入部54aがZ2方向側に移動することにより、押圧部54bは、挿入部54a(羽部254)により径方向外側に押圧され、隣り合うコイルガイド治具51同士の隙間CLに進入(図55参照)する。これにより、内径側スロット収容部11bは、押圧部54bにより径方向内側から径方向外側に押圧される。
ここで、挿入部54aは、中心軸線方向(Z方向)に延びるとともに、挿入時においてシャフト56が挿入される挿入孔54cを含む。なお、挿入方向とは反対側(Z1方向側)の挿入孔54cの直径r4は、挿入方向側(Z2方向側)の挿入孔54cの直径r5よりも大きい。
また、図31に示すように、ステータ100の製造装置200は、ウェッジ部材21eを保持するウェッジ保持部材57を備える。ウェッジ保持部材57の中心軸線方向(Z方向)の長さL42は、ウェッジ部材21eの中心軸線方向の長さL43よりも大きい。
また、ウェッジ保持部材57の中心軸線方向(Z方向)の長さL42は、ステータコア20の中心軸線方向の長さL10(図22参照)よりも大きい。これにより、後述するようにウェッジ保持部材57により内径側スロット収容部11bを径方向内側から押圧する際に、ステータコア20から中心軸線方向(Z1方向側およびZ2方向側)に突出するコイルエンド部12がウェッジ保持部材57により押圧されて拡張される。
ウェッジ部材21eは、ウェッジ保持部材57の径方向外側の表面57aに設けられた段差部57bに配置されている。ウェッジ部材21eは、段差部57bに配置されていることにより、ウェッジ保持部材57の中心軸線方向(Z方向)における中央よりも上側(Z1方向側)の部分57cに設けられている。なお、ウェッジ保持部材57のうち、部分57cよりも下側(Z2方向側)の部分を、以下では部分57dとする。
また、部分57dは、部分57cに対して、ウェッジ部材21eを開口部21aに配置する際のウェッジ保持部材57の移動方向側(Z2方向側)に設けられている。
また、図32に示すように、ウェッジ部材21eが段差部57bに配置されている状態で、ウェッジ部材21eに設けられた凹部21fと、ウェッジ保持部材57に設けられた凸部57eとが係合することにより、ウェッジ部材21eが仮止めされている。凹部21fおよび凸部57eの各々は、ウェッジ部材21eの中心軸線方向の両端側にそれぞれ設けられている。
また、ウェッジ保持部材57は、中心軸線方向(Z方向)から見て、内径側スロット収容部11bの径方向内側に配置されている。具体的には、ウェッジ保持部材57は、中心軸線方向から見て、径方向において、内径側スロット収容部11b(スロット21)と押圧部54bとにより挟まれるように配置(図24参照)されている。詳細には、ウェッジ保持部材57は、押圧部54bが挿入部54aにより押圧される前は、コイルガイド治具51の下側接続部51dに設けられた段差部51g(図22参照)において、周方向に隣接するガイド本体部51cに挟まれるように(隙間CLに)配置されている。なお、ウェッジ保持部材57は、複数の内径側スロット収容部11b(隙間CL)の各々に対応するように複数(本実施形態では48個)設けられている。
また、図23に示すように、ステータ100の製造装置200は、中心軸線方向(Z方向)から見て、スロット21の開口部21a(図3参照)と周方向に隣接して設けられるトグル機構54dを備える。トグル機構54dは、複数のコイルガイド治具51の各々に対応するように複数(本実施形態では48個)設けられている。具体的には、中心軸線方向から見て、トグル機構54dは、コイルガイド治具51のガイド本体部51cの径方向外側の端部とオーバラップする(図24参照)ように設けられている。また、トグル機構54dは、中心軸線方向から見て、周方向に隣接する羽部254に挟まれる位置(図30参照)に設けられている。
複数のトグル機構54dの各々は、挿入部54aに取り付けられており、挿入部54a(円筒部154)の外周面54eに沿うように設けられている。すなわち、複数のトグル機構54dは、挿入部54aを周状に取り囲むように設けられている。
また、図33に示すように、複数のトグル機構54dの各々には、中心軸線方向(Z方向)に延びる板状部分54fと、板状部分54fのコイルガイド治具51側(Z2方向側)の端部に取り付けられているトグル54gとが設けられている。
トグル54gは、板状部分54fに取り付けられている第1部分54hと、第1部分54hを周方向に挟むように設けられる一対の第2部分54iとにより構成されている。一対の第2部分54iは、一対の第2部分54iと第1部分54hとを貫通するピン54jを軸に回動可能に構成されている。なお、図示は省略するが、第1部分54hおよび一対の第2部分54iの各々には、ピン54jが貫通する貫通孔が設けられている。
これにより、一対の第2部分54iが(Z1方向側から移動して)ガイド本体部51cに当接することにより、一対の第2部分54iが互いに反対方向(周方向から見て時計回りと反時計回り)に回動する。その結果、周方向から見て互いに交差するように固定されていた一対の第2部分54iが、ガイド本体部51cにより下方側(Z2方向側)から押圧され、互いに交差する角度が大きくなるように広げられる。これにより、図34に示すように、一対の第2部分54iの一方の端部により、ステータコア20からZ1方向側に突出しているコイルエンド部12が径方向内側から径方向外側に押圧される。
また、図23に示すように、ステータ100の製造装置200は、挿入部54aに取り付けられているとともに、挿入部54a(円筒部154)の外周面54eに沿うように設けられるウェッジ打ち込み部材54kを備える。ウェッジ打ち込み部材54kは、複数のウェッジ保持部材57に対応するように複数(本実施形態では48個)設けられている。複数のウェッジ保持部材57の各々は、外周面54eに沿って中心軸線方向にスライド移動可能に構成されている。
また、ステータ100の製造装置200には、挿入部54aに取り付けられているとともに挿入部54a(円筒部154)の外周面54eに沿うように設けられるスリーブ54lを含む。スリーブ54lは、挿入部54aを取り囲むように設けられる円筒形状を有している。また、スリーブ54lは、中心軸線方向にスライド移動することにより、複数のウェッジ打ち込み部材54kを上方側から押圧するように構成されている。これにより、複数のウェッジ打ち込み部材54kの各々は、スリーブ54lと一体的にスライド移動するように構成されている。
また、ステータ100の製造装置200は、挿入部54aに取り付けられているとともに挿入部54a(円筒部154)の外周面54eに沿うように設けられるスリーブ54mを含む。スリーブ54mは、挿入部54aを取り囲むように設けられる円筒形状を有している。また、スリーブ54mは、中心軸線方向にスライド移動することにより、複数のトグル機構54d(板状部分54f)を上方側から押圧するように構成されている。これにより、複数のトグル機構54d(板状部分54f)の各々は、スリーブ54mと一体的にスライド移動するように構成されている。
ここで、挿入部54a、トグル機構54d(スリーブ54m)、および、ウェッジ打ち込み部材54k(スリーブ54l)は、互いに独立して中心軸線方向(Z方向)に沿って移動可能に構成されている。すなわち、挿入部54a、トグル機構54d(スリーブ54m)、および、ウェッジ打ち込み部材54k(スリーブ54l)の各々は、移動するタイミングおよび移動量を互いに異ならせることが可能である。すなわち、トグル機構54d(スリーブ54m)、および、ウェッジ打ち込み部材54k(スリーブ54l)の各々は、挿入部54aに取り付けられているので挿入部54aの移動に伴って移動されるとともに、挿入部54a(円筒部154)の外周面54eに沿って挿入部54aの移動とは独立して移動可能である。
(移動規制治具の構成)
製造装置200は、図35〜図43に示すように、外径側スロット収容部11aの径方向内側への移動を規制する移動規制治具260を備える。
製造装置200は、図35〜図43に示すように、外径側スロット収容部11aの径方向内側への移動を規制する移動規制治具260を備える。
移動規制治具260は、図35に示すように、ティース22の端面20aに配置されている。具体的には、移動規制治具260は、ステータコア20の軸方向両側(図22参照)の端面20aにそれぞれ配置されている。そして、移動規制治具260は、図36に示すように、外径側スロット収容部11aの径方向内側への移動を規制する規制状態と、図37および図38に示すように、外径側スロット収容部11aの径方向内側への移動を規制しない非規制状態とを、回動されることにより切り替えるように構成されている。
具体的には、移動規制治具260は、径方向に沿った回動軸線C2回りに回動するとともに、ステータコア20の径方向(B方向)に延びる棒状部261と、図36に示すように、棒状部261の先端部261aに設けられ、外径側スロット収容部11aの径方向の移動を規制する規制部262とを含む。また、移動規制治具260は、規制治具本体部263と、締結部材264と、回動用治具265(図43参照)とを含む。
そして、移動規制治具260は、棒状部261が回動されることにより、規制部262がステータコア20の軸方向外側(図37および図38では、Z1方向)に突出する非規制状態と、規制部262が周方向一方側(図35および図36では、A2方向)に突出する規制状態とが切り替えられるように構成されている。すなわち、「非規制状態」とは、規制部262が棒状部261から軸方向外側に突出する状態であって、規制部262がスロット21(開口部21a)と軸方向視でオーバラップしない状態である。また、「規制状態」とは、規制部262が棒状部261から周方向に突出する状態であって、規制部262がスロット21(開口部21a)と軸方向視でオーバラップする状態である。
棒状部261は、図40および図41に示すように、ステータコア20の径方向に延びる円柱状または円筒状に形成されている。そして、棒状部261の直径D1は、ティース22の周方向の幅W41以下の大きさである。
規制部262は、突出する方向に先細り形状を有する。そして、規制部262の厚みt1(最も厚みが大きい部分の厚み)は、棒状部261の直径D1よりも小さい。また、規制部262は、図39に示すように、平板状に形成されている。そして、規制部262のうちの棒状部261との境界部分(図39の点線部分)の径方向の長さL51は、規制部262のうちの周方向先端部の径方向の長さL52よりも大きい。ここで、境界部分とは、規制部262のうちの棒状部261から突出している部分(露出している部分)である第1部分262aと、規制部262のうちの棒状部261の内部に配置されている部分である第2部分262bとの境界を意味するものとする。
また、規制部262は、複数の締結用穴262cが設けられている。締結用穴262cに、棒状部261を介して締結部材264(図36参照)が締結されることにより、棒状部261と規制部262とが互いに固定されている。
規制治具本体263は、ガイド部263aと、回動機構部263bと、ローラー部263cとを含む。ガイド部263aは、棒状部261が回動可能に、棒状部261の周方向両側および軸方向両側を保持するように構成されている。また、規制治具本体263は、図示しない駆動装置により、棒状部261がステータコア20の径方向に沿って、規制治具本体263に対して移動可能に構成されている。すなわち、ガイド部263aは、棒状部261の回動および径方向の移動を案内する機能を有する。また、規制治具本体263は、図示しない駆動装置によって、ステータコア20に対して径方向に移動可能に構成されている。
回動機構部263bは、図42に示すように、径方向に見て、略L字状に形成されている。そして、回動機構部263bは、回動用治具265に接続されており、回動用治具265の回動(ステータコア20の周方向回りの回動)に連動して、回動機構部263bの向きが変更される(回動する)ように構成されている。そして、回動機構部263bは、棒状部261に固定されており、回動機構部263bがH1方向に回動することにより、棒状部261が連動してH1方向に回動する。すなわち、回動用治具265がA1方向に回動することにより、棒状部261がH1方向に回動(図42(a)の状態から図42(b)の状態に変化)し、回動用治具265がA2方向に回動することにより、棒状部261がH2方向に回動(図42(b)の状態から図42(a)の状態に変化)する。
ローラー部263cは、図36および図38に示すように、棒状部261に接触しており、ローラー部263cが回動することにより、棒状部261を径方向に移動(スライド移動)させるように構成されている。
また、図43に示すように、規制治具本体263は、軸方向に見て、円環状に配置されているとともに、周方向に隣接して配置されている。また、規制治具本体263は、ステータコア20のティース22毎に設けられている。これにより、移動規制治具260が規制状態の場合には、規制部262は、周方向に隣り合う規制治具本体263に配置された棒状部261に近接または接触するように配置された状態となる。
回動用治具265は、Z2方向に見て、円環状に形成されている。また、回動用治具265は、ステータコア20の軸方向両側のそれぞれに配置されている。そして、回動用治具265は、図示しない駆動装置により、中心軸線C1回りに回動されるように構成されている。そして、回動用治具265の回動が、ステータコア20の軸方向一方側に配置された全ての回動機構部263bに伝達されることにより、回動機構部263bが回動軸線C2回りの回動し、ステータコア20の軸方向一方側に配置された全ての棒状部261が一斉に回動される。
また、コイル変形装置50は、移動規制治具260が回動されることにより、移動規制治具260が非規制状態から規制状態に切り替えられた状態で、コイルガイド治具51をステータコア20に対して、ステータコア20の周方向に移動させることにより、コイル10を変形するように構成されている。
そして、コイル変形装置50は、移動規制治具260が回動されることにより、移動規制治具260が規制状態から非規制状態に切り替えられた状態で、コイル変形装置50により変形されたコイル10の内径側スロット収容部11bを、外径側スロット収容部11aが配置されたスロット21から周方向に離れた位置に位置するスロット21に挿入するように構成されている。
(ステータの製造方法)
次に、本実施形態によるステータ100の製造方法(製造工程)について説明する。図44に、ステータ100の製造工程に関するフローチャートを示す。また、図45〜図48に各工程における詳細な製造工程を説明するためのフローチャートを示す。
次に、本実施形態によるステータ100の製造方法(製造工程)について説明する。図44に、ステータ100の製造工程に関するフローチャートを示す。また、図45〜図48に各工程における詳細な製造工程を説明するためのフローチャートを示す。
(コイル形成工程)
ステップS10において、コイル10が形成される。具体的には、図45に示すように、ステップS11、S12およびS13が実施される。
ステップS10において、コイル10が形成される。具体的には、図45に示すように、ステップS11、S12およびS13が実施される。
ステップS11において、導線10aが巻芯211に巻回されることにより、コイル10が形成される。具体的には、図10および図11に示すように、巻芯211および2つの側板212により形成される巻枠に導線10aが複数回巻回される。ここで、巻芯211のF1方向側に固定部34を有し、複数の折り曲げ部31が固定された絶縁シート30が取り付けられた状態で、導線10aが巻芯211に巻回される。これにより、絶縁シート30が取り付けられたコイル10が形成される。また、巻芯211および側板212は、巻芯保持治具213により保持されている。
ステップS12において、複数のコイル10の各々に、コイル10を保持することによりコイル10の少なくとも一部の変形を規制するコイル保持治具220が取り付けられる。具体的には、図12に示すように、コイル10を、ステータコア20の周方向両側から板部材221および222により挟み込むように保持することにより、ステータコア20の周方向におけるコイル10の変形を規制するコイル保持治具220が取り付けられる。
詳細には、図15に示すように、接続部材223の回動軸部223bを支点(回転軸)として、板部材221および222の間を開放させた状態で、コイル10がコイル保持治具220に配置される。この時、図13に示すように、コイル10の巻回内側の開口と、コイル保持治具220の開口部221cおよび222cとが、F方向にオーバラップするように、コイル10がコイル保持治具220に配置される。
その後、接続部材223の回動軸部223bを支点(回転軸)として、板部材221および222の間が閉じられることにより、コイル10が、板部材221および222により挟まれるように保持される。これにより、板部材221の第1部分221aおよび板部材222の第1部分222aによって、コイル10が周方向(F方向)に広がるように変形するのが規制される。また、板部材221の第2部分221bおよび板部材222の第2部分222bによって、コイル10が径方向(G方向)に広がるように変形するのが規制される。
また、コイル10のコイル保持治具220への配置は、図15(a)に示すように、開口部221cおよび222cを介してコイル10の巻回内側に設けられた巻芯211を保持する巻芯保持治具213によりコイル10が保持された状態で行われる。すなわち、ステップS11においてコイル10が巻回された時点から、コイル10にコイル保持治具220が取り付けられる時点まで、巻芯保持治具213がコイル10から取り外されない。これにより、コイル10が巻回された時点から、コイル10が変形するのを防止することが可能となる。
そして、コイル10にコイル保持治具220が取り付けられた状態で、開口部221cおよび222cを介して、E1方向またはF方向に巻芯保持治具213が取り外される。また、側板212は、板部材221および222とコイル10との間からE1方向に取り出される。そして、巻芯211は、開口部221cおよび222cを介して、F方向に取り外される。
また、図13に示すように、固定部34を有する絶縁シート30がコイル10とコイル保持治具220(板部材222)との間に挟み込むように、コイル保持治具220がコイル10に取付けられる。
ステップS13において、図49に示すように、絶縁シート30の固定部34が切除される。すなわち、コイル保持治具220がコイル10に取り付けられた状態で、固定部切除装置240により、固定部34が切除される。具体的には、まず、図49(a)に示すように、固定部切除装置240の受け材244が、コイル保持治具220が取り付けられたコイル10のF2方向側に配置される。
そして、図49(b)に示すように、刃部241と、コイル保護材242と、クランプ材243と、切り屑排出材245とが、コイル保持治具220が取り付けられたコイル10に向かってF2方向に、クランプ材243が、受け材244との間に、固定部34と第1コイルエンド部絶縁部32a(第2コイルエンド部絶縁部32b)との境界部分34aのE1方向側(E2方向側)の近傍を挟んだ状態で受け材244に当接するまで移動される。すなわち、図21に示すように、コイル保護材242がコイル10の巻回内側で、かつ、コイル保持治具220の板部材221および222の開口部221cおよび222cに配置される。なお、図49(a)および図49(b)では、コイル保護材242が、刃部241、クランプ材243、および、切り屑排出材245と、一体的に移動する例を記載しているが、この例に限られず、コイル保護材242が、刃部241、クランプ材243、および、切り屑排出材245と別個に移動されてもよい。
そして、図49(c)に示すように、クランプ材243が受け材244に第1コイルエンド部絶縁部32a(第2コイルエンド部絶縁部32b)を介して当接した状態で、クランプ材243およびコイル保護材242に対して、切り屑排出材245と刃部241とが一体的にF2方向に移動される。そして、刃部241が、固定部34と絶縁シート30の第1コイルエンド部絶縁部32a(第2コイルエンド部絶縁部32b)との境界部分34aを通過して、境界部分34aを切断することにより、固定部34が絶縁シート30から切除される。そして、切除された固定部34は、切り屑排出材245により、F2方向側に押し出されて、コイル10近傍から切除された固定部34(切り屑)が排出される。そして、コイル10に、コイル保持治具220が取り付けられた状態で、固定部切除装置240からコイル10が取り外される。
〈外径側スロット収容部配置工程〉
次に、ステップS20において、外径側スロット収容部11aがスロット21に配置される。具体的には、図46に示すように、ステップS21〜S26の工程が実施される。
次に、ステップS20において、外径側スロット収容部11aがスロット21に配置される。具体的には、図46に示すように、ステップS21〜S26の工程が実施される。
ステップS21において、コイル変形装置50のコイルガイド治具51の径方向外側にステータコア20が配置される。具体的には、図50に示すように、上側カプラ53(図22参照)が、複数のコイルガイド治具51から取り外された状態で、ステータコア20がコイルガイド治具51のZ1方向側に配置され、ステータコア20がコイルガイド治具51に対してZ2方向に移動されることにより、ステータコア20とコイルガイド治具51とが組み合わされる。
ステップS22において、図2に示すように、スロット絶縁シート40が各スロット21に配置される。たとえば、スロット絶縁シート40がステータコア20のZ1方向側に配置され、スロット絶縁シート40がステータコア20に対してZ2方向に移動されることにより、スロット絶縁シート40がスロット21に挿入される。詳細には、スロット絶縁シート40のスロット絶縁部41がスロット21内に配置されるとともに、スロット絶縁シート40の襟状部42がティース22の端面20aから軸方向外側に突出するように(図41参照)、スロット絶縁シート40がスロット21に配置される。
ステップS23において、図50に示すように、移動規制治具260がステータコア20の軸方向の両側に配置される。具体的には、移動規制治具260が、ステータコア20の径方向外側に配置された後、移動規制治具260が、径方向内側(図50のJ1方向)に移動されることにより、移動規制治具260がステータコア20の軸方向の端面20aに配置される。また、移動規制治具260は、図43に示すように、ステータコア20に設けられている複数のティース22の端面20aの各々に配置される。
詳細には、図41に示すように、移動規制治具260が非規制状態で、ステータコア20の軸方向におけるティース22の端面20aに配置される。すなわち、規制部262がステータコア20の軸方向外側に突出する非規制状態で、移動規制治具260がティース22の端面20aに配置される。たとえば、規制部262が非規制状態で、ステータコアの径方向外側から径方向内側に向かって、移動規制治具260が移動される。そして、移動規制治具260は、移動規制治具260の棒状部261が、スロット絶縁シート40の襟状部42と周方向に隣り合うように配置される。
ステップS24において、コイル保持治具220が取り付けられたコイル10の外径側スロット収容部11aが、スロット21に配置されるとともに、コイル変形装置50(コイルガイド治具51)にコイル保持治具220が取り付けられたコイル10の内径側スロット収容部11bが配置される。具体的には、図50に示すように、コイル保持治具220が取り付けられたコイル10をステータコア20に対してJ2方向(Z2方向)に移動させて、接続部材223を先端(Z2方向側)として外径側スロット収容部11aが、スロット21に配置される。
詳細には、治具押圧部材231により、コイル保持治具220をZ2方向に押圧することにより、コイル保持治具220が取り付けられたコイル10がスロット21およびコイル変形装置50の隙間CLに挿入される。具体的には、内径側スロット収容部11bは、スロット21(内径側部分21b)における径方向内側に開口する開口部21aよりも径方向内側で、かつ、スロット21(内径側部分21b)の開口部21aと径方向に向かい合う位置に配置される。
そして、治具押圧部材231と一体的に移動する押圧位置規制部材232がステータコア20の軸方向の端面20aに接触して、治具押圧部材231のZ2方向への移動が規制されることにより、外径側スロット収容部11aのスロット21における軸方向位置が規制されるとともに、内径側スロット収容部11bのコイルガイド治具51における軸方向位置が規制される。
ステップS25において、コイル保持治具220がコイル10から取り外される。具体的には、図51に示すように、コイル10の巻回内側をコイル位置固定治具233により保持することによって、コイル10の軸方向位置を固定した状態で、コイル保持治具220をJ3方向(Z2方向)に相対移動させることにより、コイル保持治具220がコイル10から取り外される。詳細には、図50に示すように、開口部221cおよび222よりもZ2方向側においてコイル位置固定治具233の突出部233bによりコイル10を保持した状態から、コイル保持治具220をJ3方向に相対移動させることにより、開口部221cおよび222cを突出部233bがZ方向に通過させるように、コイル保持治具220が取り外される。
ステップS26において、コイル位置固定治具233がコイル10から取り外される。また、治具押圧部材231と、押圧位置規制部材232とがコイル10から取り外される。具体的には、コイル位置固定治具233がA2方向に移動されることにより、突出部233bがコイル10の巻回内側から取り外される。そして、治具押圧部材231と、押圧位置規制部材232と、コイル位置固定治具233とが、J4方向(Z1方向)にコイル10に対して移動されることにより、治具押圧部材231と、押圧位置規制部材232と、コイル位置固定治具233とが、コイル10から取り外される。
〈コイルを変形する工程〉
次に、ステップS30において、コイル10を変形する工程が行われる。具体的には、図47に示すように、ステップS31〜S33の工程が実施される。
次に、ステップS30において、コイル10を変形する工程が行われる。具体的には、図47に示すように、ステップS31〜S33の工程が実施される。
ステップS31において、複数の移動規制治具260の各々が、非規制状態(図52参照)から規制状態(図53および図54)に切り替えられる。すなわち、外径側スロット収容部11aが径方向内側への移動が規制された状態となる。なお、図52〜図54では、説明を容易にするため、1つのコイル10および1つの移動規制治具260を図示しているが、各スロット21にコイル10が配置され、各ティース22に移動規制治具260が配置されている。
具体的には、まず、図53に示すように、移動規制治具260がスロット21の開口部21aよりも径方向内側に移動させた状態で、棒状部261が回動されることにより、規制部262が軸方向外側(Z1方向)に突出する状態から、規制部262がA2方向に突出する状態に切り替えられる。
そして、図54に示すように、規制部262がA2方向に突出する状態の移動規制治具260の棒状部261を径方向外側に移動させることにより、規制部262が開口部21aに配置される。これにより、スロット21の径方向内側の一部が塞がれた状態となり、外径側スロット収容部11aが径方向内側に移動しようとする場合に、外径側スロット収容部11aと規制部262とが当接する。
また、各ティース22に設けられた複数の移動規制治具260は、回動用治具265により、一斉に回動されることにより、非規制状態から規制状態に切り替えられる。すなわち、回動用治具265がA2方向に回動されることに連動し、図42に示すように、各移動規制治具260が回動軸線C2回りにH2方向に回動する。これにより、図40に示すように、複数の移動規制治具260の各々が、移動規制治具260が配置されたティース22の周方向一方側に隣接するスロット21の開口部21aに配置される。すなわち、規制部262が開口部21aと軸方向視でオーバラップする状態となる。そして、複数の移動規制治具260の各々が、A2方向側に隣接するスロット21の外径側スロット収容部11aの径方向の移動が規制する状態となる。
ステップS32において、上側カプラ53(図22参照)が、複数のコイルガイド治具51の上端部51f(図23参照)に取り付けられる。具体的には、上側カプラ53(フランジ部材53b)に周状に設けられた複数の凹部53a(図25参照)に、複数のコイルガイド治具51の各々の上端部51fが嵌合されるとともに、キャップ部材53cの貫通孔53h(図25参照)およびフランジ部材53bの貫通孔53g(図25参照)に、シャフト56が回転駆動力を伝達可能に嵌合される。なお、シャフト56が貫通孔53hおよび貫通孔53gに嵌合される前に、キャップ部材53cはフランジ部材53bに対してネジ部材等により締結される。
また、シャフト56が貫通孔53hおよび貫通孔53gに嵌合する際、シャフト56の周面56aに設けられた凸部56b(図27(a)参照)が、キャップ部材53cの貫通孔53hの周面53jに設けられた凹部53i(図27(b)参照)、および、フランジ部材53bの貫通孔53gの周面53lに設けられた凹部53k(図26参照)とが係合された状態で、シャフト56と、貫通孔53hおよび貫通孔53gとが嵌合される。
次に、ステップS33において、内径側スロット収容部11bが隙間CLに配置されるとともに外径側スロット収容部11aがスロット21に配置された状態で、下側回転駆動装置52(図23参照)が回転される。これにより、下側回転駆動装置52に取り付けられた下側カプラ55(図23参照)が回転される。そして、下側カプラ55の貫通孔55aの周面55cに設けられた凹部55d(図29参照)と、シャフト56の凸部56b(図27(a)参照)とが係合しているので、下側カプラ55が回転することにより、下側回転駆動装置52の回転駆動力が、下側カプラ55を介してシャフト56に伝達される。これにより、下側カプラ55を介してシャフト56に伝達された回転駆動力が、シャフト56を介して上側カプラ53に伝達される。
その結果、下側回転駆動装置52の回転に伴って上側カプラ53が回転することにより、複数のコイルガイド治具の各々は、中心軸線方向の両端側において回転駆動力を受ける。これにより、複数のコイルガイド治具51の各々が回転される。そして、コイルガイド治具51同士の隙間CLに配置された内径側スロット収容部11bが周方向に移動(図55参照)されるとともに、コイル10が変形される。これにより、外径側スロット収容部11aと内径側スロット収容部11bとの距離が変形前よりも大きくなり、絶縁シート30の折り曲げ部31が開放される(図8(b)および図8(c)参照)。
〈内径側スロット収容部およびウェッジ部材を配置する工程〉
次に、ステップS40において、内径側スロット収容部11bおよびウェッジ部材21eを配置する工程が行われる。具体的には、図48に示すステップS41〜S46の工程が実施される。
次に、ステップS40において、内径側スロット収容部11bおよびウェッジ部材21eを配置する工程が行われる。具体的には、図48に示すステップS41〜S46の工程が実施される。
まず、ステップS41において、図41に示すように、棒状部261が回動されることにより、規制部262が規制状態から非規制状態に切り替えられる。そして、図23に示すように、移動規制治具260をスロット21(ティース22)よりも径方向外側に向かって移動させることにより、移動規制治具260がティース22から退避される。すなわち、規制部262がZ1方向に突出する状態で、移動規制治具260(棒状部261)がR2方向に移動される。
そして、ステップS42において、コイルガイド治具51の上端部51fに取り付けられた上側カプラ53(図22参照)が取り外される。この際、下側カプラ55およびシャフト56は、取り外されずに残されている。
次に、ステップS43において、コイルガイド治具51の上端部51f側(Z1方向側)から、挿入部54a(図23参照)がステータコア20の内側に挿入される。なお、この際、挿入部54aは、挿入部54aの挿入孔54cにシャフト56を挿入させながら、ステータコア20の内側に挿入される。
挿入部54aが挿入されることにより、押圧部54b(図23参照)は、挿入部54a(羽部254、図23参照)によって径方向内側から径方向外側に押圧されるとともに径方向外側に移動される。その結果、押圧部54bの径方向外側に配置されている内径側スロット収容部11bが、押圧部54bにより径方向内側から径方向外側に押圧される。これにより、内径側スロット収容部11bは、外径側スロット収容部11aが配置されたスロット21から周方向に離れた位置に位置するスロット21内(図55参照)に移動(径方向内側から挿入)される。
なお、この際、ウェッジ保持部材57(図24等参照)が、押圧部54bと内径側スロット収容部11bとにより挟まれながら、径方向外側のスロット21側に移動される。すなわち、押圧部54bを径方向外側のスロット21側に移動させることにより、押圧部54bによる押圧力が、ウェッジ保持部材57を介して、内径側スロット収容部11bに伝達される。これにより、内径側スロット収容部11bは、スロット21に対して径方向内側から径方向外側に押し込まれる。
詳細には、内径側スロット収容部11bは、ウェッジ保持部材57のうち、ウェッジ部材21eが保持されている部分57c以外の部分57dにより、径方向内側から径方向外側に向かって押圧される。すなわち、この際、ウェッジ部材21eが中心軸線方向においてステータコア20から上方側(Z1方向側)に突出した状態(図56参照)で、ウェッジ保持部材57を介した内径側スロット収容部11bの押圧が行われる。
次に、ステップS44において、トグル機構54dおよびスリーブ54m(図23参照)が、中心軸線方向(Z2方向側)に(挿入部54aおよびウェッジ打ち込み部材54kとは独立して)移動される。そして、トグル54gの一対の第2部分54iがガイド本体部51cに当接することにより、板状部分54fとガイド本体部51cとにより挟まれた一対の第2部分54i(図33参照)が径方向に互いに開くように回動される。その結果、一対の第2部分54iのうちの一方により、ステータコア20からZ1方向側に突出しているコイルエンド部12が径方向内側から径方向外側に押圧される。
次に、ステップS45において、トグル機構54dによりコイルエンド部12が押圧された状態で、ウェッジ打ち込み部材54kおよびスリーブ54l(図23参照)が、中心軸線方向(Z2方向側)に(挿入部54aおよびトグル機構54dとは独立して)スライド移動される。そして、ウェッジ打ち込み部材54kにより下端がウェッジ保持部材57の上端に当接した状態で、ウェッジ打ち込み部材54kが移動されることによって、ウェッジ保持部材57がウェッジ打ち込み部材54kにより上方側(Z1方向側)から押圧される。その結果、ウェッジ保持部材57が下方(Z2方向側)に移動(図57参照)される。
この際、ウェッジ保持部材57は、コイルガイド治具51同士の隙間CLを通って、コイルガイド治具51にガイドされながら、下方側(Z2方向側)へ移動される。そして、ウェッジ保持部材57に保持されたウェッジ部材21eは、ウェッジ保持部材57が移動されることにより、開口部21a(溝部21d)(図3参照)に対して上方側(Z1方向側)から挿入される。なお、この際、ウェッジ保持部材57を介して内径側スロット収容部11bが押圧された状態で、ウェッジ保持部材57の移動が行われる。
そして、ステップS46において、挿入部54aの上方側(Z1方向側)への抜き出し(図58参照)が行われる。挿入部54aが上方側(Z1方向側)に抜き出されることにより、ウェッジ保持部材57を介した押圧部54bによる内径側スロット収容部11bへの押圧が解除される。これにより、ウェッジ保持部材57が下方側から抜き出される。その後、各治具がステータ100から取り外され、ステータ100が完成される。そして、ステータ100の径方向内側にロータ101が配置され、回転電機102が製造される。
[上記実施形態の製造方法の効果]
上記実施形態の製造方法では、以下のような効果を得ることができる。
上記実施形態の製造方法では、以下のような効果を得ることができる。
上記実施形態では、一方のスロット収容部(11a)の径方向の移動を規制する規制状態と、一方のスロット収容部(11a)の径方向の移動を規制しない非規制状態とを、回動されることにより切り替える移動規制治具(260)を、移動規制治具(260)が非規制状態で、ステータコア(20)の軸方向におけるティース(22)の端面(20a)に配置する工程(S23)を備える。これにより、突出部を周方向に突出させた状態の移動規制治具をティース(22)の端面(20a)に配置する場合と異なり、非規制状態の移動規制治具(260)では、移動規制治具(260)のうちの一方のスロット収容部(11a)の径方向の移動を規制するための部分である規制部(262)を、移動規制治具(260)を回動させることにより、移動規制治具(260)のうちの軸方向一方側に退避させることができる。この結果、ティース(22)の周方向の幅(W41)が比較的小さい場合でも、ティース(22)の端面(20a)に移動規制治具(260)を配置する工程(S23)において、移動規制治具(260)の規制部(262)と、移動規制治具(260)の周方向に配置されているコイル(10)とが機械的に干渉するのを防止することができる。そして、上記実施形態では、移動規制治具(260)が非規制状態から規制状態に切り替えられるとともに、ステータコア(20)とコイル配置用治具(51)とのうちの少なくとも一方を、ステータコア(20)の周方向に相対的に移動させることにより、コイル(10)を変形する工程(S30)を備えるので、コイル(10)を変形する工程(S30)中に、一方のスロット収容部(11a)が第1スロット(21)から径方向にはみ出すのを、規制状態の移動規制治具(260)により防止することができる。これらの結果、移動規制治具(260)とコイル(10)とが機械的に干渉することを防止しながら、移動規制治具(260)により、一方のスロット収容部(11a)が第1スロット(21)の開口部(21a)からはみ出すのを防止することができる。
また、上記実施形態では、移動規制治具(260)は、径方向に沿った回動軸線(C2)回りに回動するとともに、径方向に延びる棒状部(261)と、棒状部(261)の先端部(261a)に設けられ、一方のスロット収容部(11a)の径方向の移動を規制する規制部(262)とを含み、非規制状態は、規制部(262)が棒状部(261)から軸方向外側に突出する状態であって、規制部(262)が第1スロット(21)と軸方向視でオーバラップしない状態であり、規制状態は、規制部(262)が棒状部(261)から周方向に突出する状態であって、規制部(262)が第1スロット(21)と軸方向視でオーバラップする状態であり、移動規制治具(260)を配置する工程(S23)は、規制部(262)が非規制状態で、移動規制治具(260)をティース(22)の端面(20a)に配置する工程(S23)であり、コイル(10)を変形する工程(S30)は、棒状部(261)が回動されることにより、規制部(262)が非規制状態から規制状態に切り替えられた状態で、コイル(10)を変形する工程(S30)であり、他方のスロット収容部(11b)を挿入する工程(S43)は、棒状部(261)が回動されることにより、規制部(262)が規制状態から非規制状態に切り替えられた状態で、他方のスロット収容部(11b)を挿入する工程(S43)である。このように構成すれば、規制部(262)がステータコア(20)の軸方向外側に突出する非規制状態では、規制部(262)が周方向に隣接するコイル(10)に機械的に干渉しにくい状態となる。これにより、規制部(262)とコイル(10)とが機械的に干渉するのを防止しながら、移動規制治具(260)をティース(22)の端面(20a)に配置することができる。また、他方のスロット収容部(11b)を挿入する工程(S30、S40)を行うまでに、棒状部(261)を回動させることにより、移動規制治具(260)を非規制状態から規制状態に容易に切り替えることができる。
また、上記実施形態では、移動規制治具(260)を配置する工程(S23)は、規制部(262)がステータコア(20)の軸方向外側に突出する非規制状態で、ステータコア(20)の径方向外側から径方向内側に向かって、移動規制治具(260)を移動させて配置する工程である。このように構成すれば、ティース(22)が延びる径方向に沿って移動規制治具(260)を移動させてティース(22)に配置することにより、ティース(22)に対して周方向に移動規制治具(260)を移動させてティース(22)に配置する場合と異なり、規制部(262)とコイル(10)とが機械的に干渉するのをより一層防止することができる。
また、上記実施形態では、コイル(10)を変形する工程(S30)は、移動規制治具(260)をスロット(21)の径方向内側の開口部(21a)よりも径方向内側に移動させた状態で、棒状部(261)が回動されることにより、規制部(262)がステータコア(20)の軸方向外側に突出する状態から規制部(262)が周方向に突出する状態に切り替え、規制部(262)が周方向に突出する状態の移動規制治具(260)を径方向外側に移動させることにより、規制部(262)を開口部(21a)に配置して規制部(262)が第1スロット(21)の開口部(21a)と軸方向視でオーバラップした状態で、コイル(10)を変形する工程(S30)である。このように構成すれば、規制部(262)を開口部(21a)よりも径方向内側に移動させるので、規制部(262)を軸方向外側に突出する状態から周方向に突出する状態に切り替える際に、規制部(262)と、開口部(21a)よりも径方向外側に位置するコイル(10)との距離を大きくすることができる。この結果、非規制状態から規制状態に切り替える際に、規制部(262)とコイル(10)とが機械的に干渉するのを防止することができる。
また、上記実施形態では、他方のスロット収容部(11b)を挿入する工程(S43)は、規制部(262)がステータコア(20)の軸方向外側に突出する状態で、移動規制治具(260)をティース(22)よりも径方向外側に向かって移動させることにより、移動規制治具(260)をティース(22)から退避させて、他方のスロット収容部(11b)をスロット(21)に挿入する工程(S43)である。このように構成すれば、他方のスロット収容部(11b)をスロット(21)に挿入する際に、移動規制治具(260)がティース(22)から退避されているので、他方のスロット収容部(11b)と移動規制治具(260)とが機械的に干渉するのを防止することができる。また、上記実施形態では、規制部(262)がステータコア(20)の軸方向外側に突出する状態で、移動規制治具(260)がティース(22)から退避されるので、移動規制治具(260)がティース(22)から退避する際に、規制部(262)が周方向に隣接するコイル(10)と機械的に干渉するのを防止することができる。
また、上記実施形態では、移動規制治具(260)を配置する工程(S23)は、第1スロット(21)を形成する周方向に隣り合うティース(22)のうちの周方向一方側の第1ティース(22)の端面(20a)に移動規制治具(260)を配置する工程(S23)であり、コイル(10)を変形する工程(S30)は、第1ティース(22)の端面(20a)に配置された移動規制治具(260)の規制部(262)が周方向他方側に突出するように棒状部(261)が回動されることにより、規制部(262)が第1スロット(21)に配置された一方のスロット収容部(11a)の径方向の移動を規制した状態で、コイル(10)を変形する工程(S30)である。このように構成すれば、第1スロット(21)に配置された一方のスロット収容部(11a)の径方向の移動を規制するために、第1スロット(21)の周方向両側のティース(22)に移動規制治具(260)を配置する場合と異なり、周方向一方側の第1ティース(22)の端面(20a)のみに移動規制治具(260)を配置すればよいので、移動規制治具(260)の数が増大するのを防止することができる。
また、上記実施形態では、コイル(10)を変形する工程(S30)は、第1ティース(22)の端面(20a)に配置された移動規制治具(260)の規制部(262)が周方向他方側に突出するように棒状部(261)が回動されることにより、規制部(262)が第1スロット(21)の開口部(21a)と軸方向視でオーバラップする規制状態にされ、規制状態の規制部(262)が一方のスロット収容部(21a)の径方向の移動を規制した状態で、コイル(10)を変形する工程である。このように構成すれば、一方のスロット収容部(21a)が、開口部(21a)側に径方向に移動しようとする場合でも、開口部(21a)に配置された規制部(262)により、一方のスロット収容部(21a)の径方向の移動を規制することができる。
また、上記実施形態では、一方のスロット収容部(21a)を配置する工程(S24)は、複数のコイル(10)の各々の一方のスロット収容部(21a)をスロット(21)に配置する工程(S24)であり、移動規制治具(260)を配置する工程(S23)は、複数のスロット(21)を形成する複数のティース(22)の端面(20a)の各々に、移動規制治具(260)を配置する工程(S23)であり、移動規制治具(260)を配置する工程(S23)の後で、かつ、コイル(10)を変形する工程(S33)の前に、回動用治具(265)により、複数のティース(22)の端面(20a)の各々に配置された移動規制治具(260)を一斉に回動させて、非規制状態から規制状態に切り替える工程(S31)をさらに備える。このように構成すれば、複数の移動規制治具(260)を個別に回動させて、複数の移動規制治具(260)を個別に非規制状態から規制状態に切り替える場合と異なり、複数の移動規制治具(260)を非規制状態から規制状態に切り替えるために要する工程数が増加するのを防止することができる。
また、上記実施形態では、一方のスロット収容部(11a)を配置する工程(S24)に先立って、スロット(21)にティース(22)の端面(20a)から軸方向外側に突出する襟状部(42)を有する絶縁部材(30)をスロット(21)に配置する工程(S22)をさらに備え、移動規制治具(260)を配置する工程(S23)は、襟状部(42)と周方向に隣り合うように、移動規制治具(260)をティース(22)の端面(20a)に配置する工程(S23)である。ここで、スロット(21)に襟状部(42)を有する絶縁部材(30)が配置されている場合で、かつ、回動するための構成を有さないで周方向に突出する規制部を有する移動規制治具をティース(22)の端面(20a)に配置する場合には、襟状部(42)とこの移動規制治具とが機械的に干渉してしまう場合があると考えられる。そこで、この移動規制治具を、襟状部(42)よりも軸方向外側に配置することが考えられるが、この移動規制治具がティース(22)およびスロット(21)から離れる分、一方のスロット収容部(11a)の移動を規制する機能が低下して、一方のスロット収容部(11a)の一部の導線(10a)がスロット(21)から漏れ出る場合があると考えられる。これに対して、上記実施形態の移動規制治具(260)では、非規制状態では移動規制治具(260)をティース(22)の端面(20a)に配置するので、襟状部(42)と移動規制治具(260)とが機械的に干渉するのを防止しながら、襟状部(42)と周方向に隣り合うように、移動規制治具(260)をティース(22)の端面(20a)に配置することができる。そして、上記実施形態のように、移動規制治具(260)を配置する工程(S23)を、襟状部(42)と周方向に隣り合うように、移動規制治具(260)をティース(22)の端面(20a)に配置する工程(S23)とすることにより、一方のスロット収容部(11a)の一部の導線(10a)がスロット(21)から漏れ出るのを防止することができる。これらの結果、襟状部(42)を有するスロット絶縁部材(30)がスロット(21)に配置されている場合でも、一方のスロット収容部(11a)の一部の導線(10a)がスロット(21)から漏れ出るのを防止することができる。
[上記実施形態の製造装置の効果]
上記実施形態の製造装置では、以下のような効果を得ることができる。
上記実施形態の製造装置では、以下のような効果を得ることができる。
上記実施形態の製造装置のように構成することにより、移動規制治具(260)とコイル(10)とが機械的に干渉することを防止しながら、移動規制治具(260)により、一方のスロット収容部(11a)が第1スロット(21)から径方向にはみ出すのを防止することが可能なステータ(100)の製造装置(200)を提供することができる。
また、上記実施形態では、移動規制治具(260)は、径方向に沿った回動軸線(C2)回りに回動するとともに、径方向に延びる棒状部(261)と、棒状部(261)の先端部(261a)に設けられ、一方のスロット収容部(11a)の径方向の移動を規制する規制部(262)とを含み、棒状部(261)が回動されることにより、規制部(262)がステータコア(20)の軸方向外側に突出する非規制状態と、規制部(262)が周方向に突出する規制状態とが切り替えられるように構成されており、非規制状態は、規制部(262)が棒状部(261)から軸方向外側に突出する状態であって、規制部(262)が第1スロット(21)と軸方向視でオーバラップしない状態であり、規制状態は、規制部(262)が棒状部(261)から周方向に突出する状態であって、規制部(262)が第1スロット(21)と軸方向視でオーバラップする状態である。このように構成すれば、突出部を周方向に突出させた状態の移動規制治具をティース(22)の端面(20a)に配置する場合と異なり、移動規制治具(260)をティース(22)の端面(20a)に配置する際に、規制部(262)をステータコア(20)の軸方向外側に突出するように退避させることができる。これにより、規制部(262)とコイル(10)とが機械的に干渉するのを防止しながら、移動規制治具(260)をティース(22)の端面(20a)に配置することができる。また、他方のスロット収容部(11b)を挿入する工程(S30、S40)を行う前に、棒状部(261)を回動することにより、移動規制治具(260)を非規制状態から規制状態に容易に切り替えることができる。この結果、規制部(262)とコイル(10)とが機械的に干渉するのを防止しながら、移動規制治具(260)をティース(22)の端面(20a)に配置することができるとともに、コイル(10)を変形する工程(S30)を行う際には、規制部(262)により一方のスロット収容部(11a)の移動を容易に規制することができる。
また、上記実施形態では、棒状部(261)は、径方向に延びる円柱状または円筒状に形成されており、棒状部(261)の直径(D1)は、ティース(22)の周方向の幅(W41)以下の大きさである。このように構成すれば、棒状部(261)がティース(22)の周方向に隣接するスロット(21)にはみ出すのが防止されるので、棒状部(261)と一方のスロット収容部(11a)とが機械的に干渉するのを防止することができる。
また、上記実施形態では、規制部(262)は、平板状に形成されており、規制部(262)の厚み(t1)は、棒状部(261)の直径(D1)よりも小さい。このように構成すれば、規制部(262)が軸方向外側に突出する状態(非規制状態)において、規制部(262)が棒状部(261)よりも周方向にはみ出るのを防止することができるので、非規制状態において、規制部(262)が一方のスロット収容部(11a)に機械的に干渉するのを防止することができる。
また、上記実施形態では、規制部(262)のうちの棒状部(261)との境界部分(262aと262bとの境界)の径方向の長さ(L51)は、規制部(262)のうちの周方向先端部(262a)の径方向の長さ(L52)よりも大きい。このように構成すれば、境界部分の長さ(L51)が、先端部(262a)の長さ(L52)以下である場合に比べて、規制部(262)の根元側の部分(棒状部(261)が支持している部分)の機械的強度を向上させることができる。
また、上記実施形態では、移動規制治具(260)は、ステータコア(20)の径方向に沿って移動可能に構成されている。このように構成すれば、必要に応じて移動規制治具(260)の径方向の位置を変更することができる。たとえば、移動規制治具(260)を非規制状態から規制状態に切り替える際に、移動規制治具(260)をスロット(21)よりも径方向内側に移動させることにより、移動規制治具(260)とコイル(10)とが機械的に干渉するのをより一層防止することができる。また、コイル(10)を変形させる工程(S30)の後に、移動規制治具(260)をティース(22)よりも径方向外側に退避させることができるので、他方のスロット収容部(11b)をスロット(21)に配置する際に、移動規制治具(260)と他方のスロット収容部(11b)とが機械的に干渉するのを防止することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、スロットの開口部を径方向内側に設けて、ステータをインナーロータ型の回転電機の一部を構成するように形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、スロットの開口部を径方向外側に設けて、ステータをアウターロータ型の回転電機の一部を構成するように形成してもよい。
また、上記実施形態では、規制部を棒状部の先端部に設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、規制部により一方のスロット収容部の径方向の移動の規制が可能であれば、規制部を棒状部の先端部よりも径方向外側に設けてもよい。
また、上記実施形態では、規制部を板状に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、規制部を棒状部から突出する棒状に形成してもよい。
また、上記実施形態では、移動規制治具を径方向外側から径方向内側に移動させることにより、ティースに移動規制治具を配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、非規制状態の移動規制治具を軸方向に移動させて、移動規制治具をティースに配置してもよい。
また、上記実施形態では、移動規制治具を非規制状態から規制状態に切り替える工程(S31)において、移動規制治具をスロットの径方向内側の開口部よりも径方向内側に移動させた状態で、棒状部が回動させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動規制治具をスロットの径方向内側の開口部、または、開口部よりも径方向外側において、棒状部を回動させても、規制部と一方のスロット収容部とが機械的に干渉する虞が無い場合には、移動規制治具をスロットの径方向内側の開口部、または、開口部よりも径方向外側において、棒状部を回動させてもよい。
また、上記実施形態では、他方のスロット収容部を挿入する工程(S43)の前に、移動規制治具をティースから退避させる(S41)例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、他方のスロット収容部を挿入する工程(S43)において、移動規制治具と他方のスロット収容部とが機械的に干渉する虞がない場合には、移動規制治具をティースから退避させずに、他方のスロット収容部をスロットに挿入する工程(S43)を行ってもよい。
また、上記実施形態では、複数の移動規制治具を回動用治具により一斉に回動させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ステータの製造における工程数の増加を許容することができる場合には、複数の移動規制治具を1つずつ順次回動させてもよい。
また、上記実施形態では、スロット絶縁シートに襟状部を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、襟状部が設けられていないスロット絶縁シートをスロットに配置してもよい。
また、上記実施形態では、棒状部を円柱状または円筒状に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、棒状部を角柱状に形成してもよい。
また、上記実施形態では、規制部の第1部分の棒状部との境界部分の径方向の長さを、規制部の第1部分の先端部の径方向の長さよりも大きく構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、規制部の機械的強度が十分確保されている場合には、規制部の第1部分の棒状部との境界部分の径方向の長さを、規制部の第1部分の先端部の径方向の長さ以下としてもよい。
また、上記実施形態では、コイル変形工程において、コイルガイド治具をステータコアに対して周方向に移動させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ステータコアをコイルガイド治具に対して周方向に移動させてもよいし、コイルガイド治具およびステータコアの両方を相対的に周方向に移動させてもよい。
10 コイル 10a 導線
11 スロット収容部
11a 外径側スロット収容部(一方のスロット収容部)
11b 内径側スロット収容部(他方のスロット収容部)
20 ステータコア 20a 端面(ティースの端面)
21 スロット(第1スロット、第2スロット)
21a 開口部(スロットの開口部)
22 ティース 40 スロット絶縁シート(スロット絶縁部材)
42 襟状部 50 コイル変形装置(コイル配置用治具)
51 コイルガイド治具(コイル配置用治具)
54 コイル押圧装置(コイル配置用治具)
100 ステータ 200 製造装置
260 移動規制治具 261 棒状部
261a 先端部(棒状部の先端部) 262 規制部
265 回動用治具
11 スロット収容部
11a 外径側スロット収容部(一方のスロット収容部)
11b 内径側スロット収容部(他方のスロット収容部)
20 ステータコア 20a 端面(ティースの端面)
21 スロット(第1スロット、第2スロット)
21a 開口部(スロットの開口部)
22 ティース 40 スロット絶縁シート(スロット絶縁部材)
42 襟状部 50 コイル変形装置(コイル配置用治具)
51 コイルガイド治具(コイル配置用治具)
54 コイル押圧装置(コイル配置用治具)
100 ステータ 200 製造装置
260 移動規制治具 261 棒状部
261a 先端部(棒状部の先端部) 262 規制部
265 回動用治具
Claims (15)
- 複数のティースと、周方向に隣り合う夫々の前記ティースの間に形成される複数のスロットとを備えるステータコアと、前記複数のスロットのうちの互いに異なるスロットに収容される一対のスロット収容部を含むコイルとを備えるステータの製造方法であって、
前記一対のスロット収容部のうちの一方のスロット収容部を、前記複数のスロットのうちの第1スロットに配置するとともに、他方のスロット収容部を、前記第1スロットに径方向に対向するように配置されたコイル配置用治具に配置する工程と、
前記一方のスロット収容部の径方向の移動を規制する規制状態と、前記一方のスロット収容部の径方向の移動を規制しない非規制状態とを、回動されることにより切り替える移動規制治具を、前記移動規制治具が前記非規制状態で、前記ステータコアの軸方向における前記ティースの端面に配置する工程と、
前記移動規制治具を配置する工程の後、前記移動規制治具が回動されることにより、前記移動規制治具が前記非規制状態から前記規制状態に切り替えられるとともに、前記ステータコアと前記コイル配置用治具とのうちの少なくとも一方を、前記ステータコアの周方向に互いに相対的に移動させることにより、前記コイルを変形する工程と、
前記コイルを変形する工程の後、前記移動規制治具が回動されることにより、前記移動規制治具が前記規制状態から前記非規制状態に切り替えられるとともに、前記他方のスロット収容部を、前記第1スロットから周方向に離れた位置に位置する第2スロットに挿入する工程とを備える、ステータの製造方法。 - 前記移動規制治具は、径方向に沿った回動軸線回りに回動するとともに、径方向に延びる棒状部と、前記棒状部の先端部に設けられ、前記一方のスロット収容部の径方向の移動を規制する規制部とを含み、
前記非規制状態は、前記規制部が前記棒状部から軸方向外側に突出する状態であって、前記規制部が前記第1スロットと軸方向視でオーバラップしない状態であり、
前記規制状態は、前記規制部が前記棒状部から周方向に突出する状態であって、前記規制部が前記第1スロットと軸方向視でオーバラップする状態であり、
前記移動規制治具を配置する工程は、前記規制部が前記非規制状態で、前記移動規制治具を前記ティースの端面に配置する工程であり、
前記コイルを変形する工程は、前記棒状部が回動されることにより、前記規制部が前記非規制状態から前記規制状態に切り替えられた状態で、前記コイルを変形する工程であり、
前記他方のスロット収容部を挿入する工程は、前記棒状部が回動されることにより、前記規制部が前記規制状態から前記非規制状態に切り替えられた状態で、前記他方のスロット収容部を挿入する工程である、請求項1に記載のステータの製造方法。 - 前記移動規制治具を配置する工程は、前記規制部が前記ステータコアの軸方向外側に突出する前記非規制状態で、前記ステータコアの径方向外側から径方向内側に向かって、前記移動規制治具を移動させて配置する工程である、請求項2に記載のステータの製造方法。
- 前記コイルを変形する工程は、前記移動規制治具を前記スロットの径方向内側の開口部よりも径方向内側に移動させた状態で、前記棒状部が回動されることにより、前記規制部が前記ステータコアの軸方向外側に突出する状態から前記規制部が前記周方向に突出する状態に切り替え、前記規制部が前記周方向に突出する状態の前記移動規制治具を径方向外側に移動させることにより、前記規制部を前記開口部に配置して前記規制部が前記第1スロットの開口部と軸方向視でオーバラップした状態で、前記コイルを変形する工程である、請求項3に記載のステータの製造方法。
- 前記他方のスロット収容部を挿入する工程は、前記規制部が前記ステータコアの軸方向外側に突出する状態で、前記移動規制治具を前記ティースよりも径方向外側に向かって移動させることにより、前記移動規制治具を前記ティースから退避させて、前記他方のスロット収容部を前記スロットに挿入する工程である、請求項3または4に記載のステータの製造方法。
- 前記移動規制治具を配置する工程は、前記第1スロットを形成する周方向に隣り合う前記ティースのうち周方向一方側の第1ティースの端面に前記移動規制治具を配置する工程であり、
前記コイルを変形する工程は、前記第1ティースの端面に配置された前記移動規制治具の前記規制部が周方向他方側に突出するように前記棒状部が回動されることにより、前記規制部が前記第1スロットに配置された前記一方のスロット収容部の径方向の移動を規制した状態で、前記コイルを変形する工程である、請求項2〜5のいずれか1項に記載のステータの製造方法。 - 前記コイルを変形する工程は、前記第1ティースの端面に配置された前記移動規制治具の前記規制部が周方向他方側に突出するように前記棒状部が回動されることにより、前記規制部が前記第1スロットの開口部と軸方向視でオーバラップする規制状態にされ、規制状態の前記規制部が前記一方のスロット収容部の径方向の移動を規制した状態で、前記コイルを変形する工程である、請求項6に記載のステータの製造方法。
- 前記一方のスロット収容部を配置する工程は、複数の前記コイルの各々の前記一方のスロット収容部を前記スロットに配置する工程であり、
前記移動規制治具を配置する工程は、前記複数のスロットを形成する複数の前記ティースの端面の各々に、前記移動規制治具を配置する工程であり、
前記移動規制治具を配置する工程の後で、かつ、前記コイルを変形する工程の前に、回動用治具により、前記複数のティースの端面の各々に配置された前記移動規制治具を一斉に回動させて、前記非規制状態から前記規制状態に切り替える工程をさらに備える、請求項6または7に記載のステータの製造方法。 - 前記一方のスロット収容部を配置する工程に先立って、前記スロットに前記ティースの端面から軸方向外側に突出する襟状部を有するスロット絶縁部材を前記スロットに配置する工程をさらに備え、
前記移動規制治具を配置する工程は、前記襟状部と周方向に隣り合うように、前記移動規制治具を前記ティースの端面に配置する工程である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のステータの製造方法。 - 複数のティースと、周方向に隣り合う夫々の前記ティースの間に形成される複数のスロットとを備えるステータコアと、前記複数のスロットのうちの互いに異なるスロットに収容される一対のスロット収容部を含むコイルとを備えるステータの製造装置であって、
前記スロットの径方向に対向するように配置されているとともに、前記一対のスロット収容部のうちの一方のスロット収容部が前記複数のスロットのうちの第1スロットに配置された状態で、他方のスロット収容部が配置されるコイル配置用治具を含む、コイル配置部と、
前記ステータコアの軸方向における前記ティースの端面に配置され、前記一方のスロット収容部の径方向の移動を規制する規制状態と、前記一方のスロット収容部の径方向の移動を規制しない非規制状態とを、回動されることにより切り替える移動規制治具と、
前記移動規制治具が回動されることにより、前記移動規制治具が前記非規制状態から前記規制状態に切り替えられた状態で、前記ステータコアと前記コイル配置用治具とのうちの少なくとも一方を、前記ステータコアの周方向に相対的に移動させることにより、前記コイルを変形するコイル変形部とを備え、
前記コイル配置用治具は、前記移動規制治具が回動されることにより、前記移動規制治具が前記規制状態から前記非規制状態に切り替えられた状態で、前記コイル変形部により変形された前記コイルの前記他方のスロット収容部を、前記一方のスロット収容部が配置された前記第1スロットから周方向に離れた位置に位置する第2スロットに挿入するように構成されている、ステータの製造装置。 - 前記移動規制治具は、径方向に沿った回動軸線回りに回動するとともに、径方向に延びる棒状部と、前記棒状部の先端部に設けられ、前記一方のスロット収容部の径方向の移動を規制する規制部とを含み、前記棒状部が回動されることにより前記非規制状態と前記規制状態とが切り替えられるように構成されており、
前記非規制状態は、前記規制部が前記棒状部から軸方向外側に突出する状態であって、前記規制部が前記第1スロットと軸方向視でオーバラップしない状態であり、
前記規制状態は、前記規制部が前記棒状部から周方向に突出する状態であって、前記規制部が前記第1スロットと軸方向視でオーバラップする状態である、請求項10に記載のステータの製造装置。 - 前記棒状部は、径方向に延びる円柱状または円筒状に形成されており、
前記棒状部の直径は、前記ティースの周方向の幅以下の大きさである、請求項11に記載のステータの製造装置。 - 前記規制部は、平板状に形成されており、
前記規制部の厚みは、前記棒状部の直径よりも小さい、請求項12に記載のステータの製造装置。 - 前記規制部のうちの前記棒状部との境界部分の径方向の長さは、前記規制部のうちの周方向先端部の径方向の長さよりも大きい、請求項11〜13のいずれか1項に記載のステータの製造装置。
- 前記移動規制治具は、前記ステータコアの径方向に沿って移動可能に構成されている、請求項10〜14のいずれか1項に記載のステータの製造装置。
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JP2018225098A JP2020089213A (ja) | 2018-11-30 | 2018-11-30 | ステータの製造方法およびステータの製造装置 |
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