JP2020089006A - ステータの製造装置 - Google Patents

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真乙花 伊藤
Maoka Ito
真乙花 伊藤
哲也 松原
Tetsuya Matsubara
哲也 松原
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Abstract

【課題】コイル導線同士の接合部を覆うために樹脂成形型に樹脂を注入する際に、樹脂成形型によりコイル導線が挟まれている部分から樹脂が漏れるのを防止することが可能なステータの製造装置を提供する。【解決手段】このステータ100の製造装置200は、溶接部40(接合部)が挿入される開口部111(接合部挿入用開口部)と、樹脂を注入するための開口部112(樹脂注入用開口部)とを有する外径側樹脂成形型110(第1樹脂成形型)を備える。また、製造装置200は、樹脂成形時に開口部111の近傍において平角導線31をZ方向(第1の方向)に挟み込む一対の内径側樹脂成形型120(第2樹脂成形型)を備える。そして、注入された樹脂の注入圧力が、開口部111を介して、一対の内径側樹脂成形型120に対してZ方向と直交するB方向(第2の方向)にかかる。【選択図】図8

Description

本発明は、ステータの製造装置に関する。
従来、ステータコアのスロットに収容されたコイル導線の端部同士が溶接された複数の溶接部を備えるステータが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、ステータコアと、ステータコアのスロットに配置される波巻コイルとを備えるステータが開示されている。このステータでは、波巻コイルは、平角導線が波巻きされることにより形成されている。また、平角導線の端部は、ステータコアの径方向に沿うように折り曲げられている。また、波巻コイルは、複数設けられている。そして、複数の波巻コイルの、径方向に沿うように折り曲げられた端部(曲げ端部)同士が溶接されている。また、溶接された曲げ端部同士の溶接部は、絶縁性の高い樹脂材料により絶縁保護されている。
ここで、コイルの曲げ端部同士の溶接部(接合部)を絶縁保護する方法として、樹脂により溶接部を覆うことが考えられる。この場合、曲げ端部同士を、各々成形用凹部が形成された一対の樹脂成形型(金型)により挟むとともに、一対の樹脂成形型の成形用凹部に樹脂を注入することにより、溶接部が樹脂により覆われる。
国際公開第2012/049759号
しかしながら、コイル同士の接合部を覆うために樹脂を成形用凹部に注入する際、樹脂の射出圧により、一対の樹脂成形型が型開きする(互いに離間する)場合があるという不都合がある。この場合、樹脂成形時において、一対の樹脂成形型(金型)により平角導線が挟まれている部分から樹脂が漏れるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、コイル導線同士の接合部を覆うために樹脂成形型に樹脂を注入する際に、樹脂成形型によりコイル導線が挟まれている部分から樹脂が漏れるのを防止することが可能なステータの製造装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるステータの製造装置は、ステータコアのスロットに収容されたコイル導線の端部同士が接合された接合部が挿入される接合部挿入用開口部と、樹脂を注入するための樹脂注入用開口部とを有する第1樹脂成形型と、樹脂成形時に接合部挿入用開口部が設けられる第1樹脂成形型の第1面に近接するように設けられ、互いに接近するように移動することにより接合部挿入用開口部の近傍においてコイル導線を第1の方向に挟み込む一対の第2樹脂成形型と、樹脂注入用開口部を介して第1樹脂成形型に樹脂を注入する樹脂注入ノズルと、を備え、樹脂注入用開口部を介して注入された樹脂の注入圧力が、接合部挿入用開口部を介して、一対の第2樹脂成形型に対して第1の方向と交差する第2の方向にかかるように構成されている。なお、近接とは、互いに密着している状態と、互いに密着せずに近傍に配置されている状態との両方を含む意味である。
この発明の一の局面によるステータの製造装置では、上記のように、樹脂注入用開口部を介して注入された樹脂の注入圧力が、接合部挿入用開口部を介して、一対の第2樹脂成形型に対して、第1の方向と交差する第2の方向にかかる。これにより、一対の第2樹脂成形型がコイル導線を挟み込む方向と、一対の第2樹脂成形型に樹脂の注入圧力がかかる方向とを交差させることができる。その結果、一対の第2樹脂成形型がコイル導線を挟み込む方向と、一対の第2樹脂成形型に樹脂の注入圧力がかかる方向とが互いに平行である場合に比べて、樹脂の注入圧力により一対の第2樹脂成形型が型開きするのを抑制することができる。これにより、コイル導線同士の接合部を覆うために樹脂を注入する際に、コイル導線を挟む一対の第2樹脂成形型が型開きすることに起因して、一対の第2樹脂成形型によりコイル導線が挟まれている部分から樹脂が漏れるのを防止することができる。
本発明によれば、上記のように、コイル導線同士の接合部を覆うために樹脂成形型に樹脂を注入する際に、樹脂成形型によりコイル導線が挟まれている部分から樹脂が漏れるのを防止することができる。
一実施形態によるステータの斜視図である。 一実施形態によるステータのコイルの斜視図である。 図1の部分拡大図である。 一実施形態によるステータの絶縁被覆部および平角導線の概略的な斜視図である。 一実施形態によるステータの製造装置の樹脂成形前の平角導線、外径側樹脂成形型、および、内径側樹脂成形型の概略的な斜視図である。 一実施形態によるステータの製造装置の外径側樹脂成形型および内径側樹脂成形型の平面図である。 一実施形態によるステータの製造装置の樹脂成形時の平角導線、外径側樹脂成形型、および、内径側樹脂成形型の概略的な斜視図である。 一実施形態によるステータの製造装置の外径側樹脂成形型および内径側樹脂成形型の周方向から見た断面図(図6の300−300線に沿った断面図)である。 一実施形態によるステータの製造装置の樹脂成形時の外径側樹脂成形型および内径側樹脂成形型を径方向内側から見た図である。 一実施形態によるステータの製造装置の外径側樹脂成形型の温度調節部を示した斜視図である。 一実施形態によるステータの製造装置の上側樹脂成形型の温度調節部を示した斜視図である。 一実施形態によるステータの製造装置の外径側樹脂成形型および内径側樹脂成形型の移動を説明するための図(1)である。 一実施形態によるステータの製造装置の外径側樹脂成形型および内径側樹脂成形型の移動を説明するための図(2)である。 一実施形態の変形例によるステータの製造装置の外径側樹脂成形型および内径側樹脂成形型を周方向から見た図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[本実施形態の構成]
(ステータの構造)
図1〜図13を参照して、本実施形態によるステータ100の製造装置200の構造について説明する。
本願明細書では、「軸線方向」とは、ステータコア10の回転軸線(符号O)(Z方向)に沿った方向(図1参照)を意味する。また、「周方向」とは、ステータコア10の周方向(A方向)を意味する。また、「径方向」とは、ステータコア10の半径方向(B方向)を意味する。また、「径方向内側」および「内径側」とは、ステータコア10の中心に向かう方向(B1方向)を意味する。また、「径方向外側」および「外径側」とは、ステータコア10の外に向かう方向(B2方向)を意味する。なお、Z方向およびB方向は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1の方向」および「第2の方向」の一例である。
また、図1に示すように、ステータ100は、円環状のステータコア10を備えている。たとえば、ステータ100は、インナーロータ型の回転電機の一部を構成し、ステータコア10は、ロータコア20と径方向に対向するように配置されている。
(ステータコアの構成)
ステータコア10には、複数(たとえば、96個)のスロット11が設けられている。複数のスロット11には、それぞれ、コイル30が配置されている。スロット11は、たとえば、オープンスロットとして構成されている。すなわち、周方向において、スロット11の幅は、径方向に沿って略一定である。これにより、スロット11は、コイル30が径方向内側から挿入可能に構成されている。
ステータコア10は、スロット11の径方向外側を円環状に接続するバックヨーク12と、隣り合うスロット11の間に設けられ、バックヨーク12から径方向内側に向かって延びる複数のティース13とを含む。
(コイルの構成)
図2に示すように、ステータ100は、複数(たとえば、96個)のコイル30を備える。なお、図2は、複数のコイル30のうちの代表的な形状を示している。コイル30は、たとえば、平角導線31により形成されている。コイル30は、たとえば、平角導線31が複数回同芯巻きで巻回された略六角形状を有するカセットコイルとして構成されており、1つのスロット11当りに2つのコイル30のスロット収容部32が径方向に重なるように配置されている。なお、本願明細書では、「平角導線」とは、一体として断面形状が略矩形形状を有する導線を意味する。すなわち、「平角導線」とは、1本の導体線により形成されているものに限らず、複数の導体線が束になった状態で平角に成形されたものも含む概念として記載している。
また、複数のコイル30は、互いに平角導線31の一方端部31aおよび他方端部31bが接合されることにより、コイルアッセンブリを構成する。なお、平角導線31は、特許請求の範囲の「コイル導線」の一例である。また、一方端部31aおよび他方端部31bは、特許請求の範囲の「端部」の一例である。
詳細には、複数のコイル30は、それぞれ、互いに異なるスロット11に収容される一対のスロット収容部32と、一対のスロット収容部32同士を接続するコイルエンド部33とを含む。また、コイル30は、同芯巻きされた平角導線31の一方端部31aを含み、ステータコア10の径方向内側から径方向外側に延びるように成形された内径側リード線部34と、同芯巻きされた平角導線31の他方端部31bを含み、ステータコア10の外径側に配置される外径側リード線部35とを含む。
また、図3に示すように、一方端部31aおよび他方端部31bは、径方向に沿うように延びている。
(溶接部の構成)
図3に示すように、複数のコイル30のうちの一のコイル30の内径側リード線部34の一方端部31aと、複数のコイル30のうちの他のコイル30の他方端部31bとは、溶接されることより接合されて溶接部40を構成する。溶接部40は、周方向に沿って複数設けられている。複数の溶接部40の各々は、径方向に沿って延びるように設けられている。なお、溶接部40は、特許請求の範囲の「接合部」の一例である。
詳細には、コイル30は、一方端部31aおよび他方端部31bの被覆が剥がされた状態で接合されることにより、電気的に導通可能に接合されている。また、溶接部40は、一方端部31aと他方端部31bとが軸線方向(Z方向)にオーバラップする状態で接合されている。
(絶縁被覆部の構成)
図4に示すように、ステータ100は、絶縁被覆部50を含む。絶縁被覆部50は、周方向(A方向)に隣り合う2つの溶接部40を被覆して、溶接部40と他の物体との絶縁や対地絶縁を確保する機能を有する。絶縁被覆部50は、たとえば、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)を含む樹脂(樹脂成形)により構成されている。また、絶縁被覆部50は、同相の2つの溶接部40を被覆している。これにより、絶縁被覆部50の一部が破損した場合でも、隣り合う2つの溶接部40が同相であるので(電位差が略0であるので)、2つの溶接部40の短絡に起因する影響を低減することが可能になる。なお、絶縁被覆部50は、直方体形状を有している。
(ステータの製造装置)
次に、ステータ100の製造装置200について説明する。ここでは、絶縁被覆部50を樹脂成形するための製造装置200について説明する。
(外径側樹脂成形型および内径側樹脂成形型)
まず、絶縁被覆部50を樹脂成形するための製造装置200について説明する。ここで、本実施形態では、図5に示すように、製造装置200は、径方向に沿うように延びる複数の溶接部40が挿入される外径側樹脂成形型110を備えている。外径側樹脂成形型110は、溶接部40が挿入される開口部111と、樹脂を注入するための開口部112とを有する。開口部111は、外径側樹脂成形型110のB方向(B1方向側)の面113に設けられている。また、開口部112は、外径側樹脂成形型110のZ方向(Z1方向側)の面114に設けられている。なお、外径側樹脂成形型110および面113は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1樹脂成形型」および「第1面」の一例である。また、開口部111および開口部112は、それぞれ、特許請求の範囲の「接合部挿入用開口部」および「樹脂注入用開口部」の一例である。
外径側樹脂成形型110は、直方体状の形状を有している。具体的には、外径側樹脂成形型110の軸線方向の厚みt1は、径方向において一様である。また、図6に示すように、開口部111が設けられている外径側樹脂成形型110の面113は、ステータコア10の曲率に沿うように湾曲するように形成されている。
また、外径側樹脂成形型110は、筒状形状を有している。開口部111および開口部112は、それぞれ、筒状形状の外径側樹脂成形型110の一方側の開口部および他方側の開口部である。すなわち、外径側樹脂成形型110は、単一の部材により構成されており、開口部111と開口部112とは外径側樹脂成形型110の内部を介して連通している。
また、図5に示すように、製造装置200は、樹脂成形時に開口部111が設けられる外径側樹脂成形型110の面113に近接するように設けられる(図6および図7参照)一対の内径側樹脂成形型120を備える。一対の内径側樹脂成形型120は、上側樹脂成形型121と、上側樹脂成形型121の下側(Z2方向側)に設けられる下側樹脂成形型122を含む。具体的には、一対の内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)の各々と、外径側樹脂成形型110の面113との間には、樹脂が漏れない程度の大きさの隙間が設けられている。なお、内径側樹脂成形型120は、特許請求の範囲の「第2樹脂成形型」の一例である。また、上側樹脂成形型121は、特許請求の範囲の「第2樹脂成形型」および「一方側樹脂成形型」の一例である。また、下側樹脂成形型122は、特許請求の範囲の「第2樹脂成形型」および「他方側樹脂成形型」の一例である。
上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122の各々は、開口部111が設けられている外径側樹脂成形型110の面113を覆うように設けられる板状形状を有している。なお、上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122の各々は、外径側樹脂成形型110の面113の湾曲に沿うように湾曲(図6参照)している。
ここで、本実施形態では、図6に示すように、径方向(B方向)において、外径側樹脂成形型110の厚みt2は、上側樹脂成形型121の厚みt3および下側樹脂成形型122の厚みt4(図5参照)よりも大きい。また、上側樹脂成形型121の厚みt3は、下側樹脂成形型122の厚みt4よりも大きい。また、外径側樹脂成形型110の厚みt2は、開口部112の直径rよりも大きい。また、上側樹脂成形型121の厚みt3、および、下側樹脂成形型122の厚みt4の各々は、開口部112の直径rよりも小さい。
また、図5および図7により示されているように、外径側樹脂成形型110および内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)は、それぞれ、独立して移動可能に構成されている。具体的には、外径側樹脂成形型110は、溶接部40が延びる径方向(B方向)に沿うように移動する。また、内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)は、溶接部40が延びる径方向(B方向)と直交する軸線方向(Z方向)において、互いに離間する型開き方向および互いに近接する型閉め方向に移動可能に構成されている。
これにより、溶接部40は、外径側樹脂成形型110の後述する樹脂成形用空間115に配置(挿入)される。また、一対の内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)は、互いに接近するように移動することにより平角導線31の開口部111近傍を軸線方向(Z方向)に挟み込む。
ここで、面113は、軸線方向(Z方向)に沿って(軸線方向に対して平行に)延びるように設けられている。すなわち、一対の内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)は、面113に沿うように延びる方向(面113に対して平行に延びる方向)である軸線方向(Z方向)に平角導線31を挟み込む。なお、外径側樹脂成形型110および内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)の各々は、図示しないシリンダ機構などにより押圧されることにより移動可能に構成されている。外径側樹脂成形型110および内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)の各々の移動については、後に詳細に説明する。
また、図8に示すように、外径側樹脂成形型110には、開口部111を介して溶接部40が挿入される樹脂成形用空間115(キャビティ)が設けられている。樹脂成形用空間115に樹脂が注入され、注入された樹脂が固まることによって、絶縁被覆部50(図4参照)が形成される。なお、樹脂成形用空間115は、直方体形状の絶縁被覆部50を形成するために、直方体形状に形成されている。
また、製造装置200は、開口部112を介して外径側樹脂成形型110に樹脂を注入する樹脂注入ノズル130を備える。外径側樹脂成形型110には、開口部112を介して挿入された樹脂注入ノズル130が配置される凹部116が設けられている。
具体的には、凹部116は、開口部112近傍に設けられる周状の傾斜面116aを含む。傾斜面116aは、樹脂成形用空間115側(Z2方向側)に向かって、開口部112の中心(図8のC点)側に傾くように設けられている。
また、凹部116は、傾斜面116aと連続して設けられる周状の側面116bを含む。側面部116bは、軸線方向(Z方向)に沿って延びるように設けられている。また、凹部116は、側面116bと連続して設けられる円形形状の底面116cを含む。底面116cは、軸線方向と直交するように延びる。樹脂注入ノズル130は、樹脂成形時において、底面116cに載置される。
また、外径側樹脂成形型110には、底面116cに樹脂注入ノズル130が載置された状態で、樹脂注入ノズル130の射出口131が挿入される射出口挿入孔117が設けられている。射出口挿入孔117は、樹脂成形用空間115と凹部116とを連通するように設けられている。なお、射出口挿入孔117に挿入された射出口131の先端は、樹脂成形用空間115の近傍に位置している。また、射出口挿入孔117は、径方向(B方向)において、樹脂成形用空間115の中央よりも、径方向外側(B2方向側)に設けられている。
ここで、本実施形態では、開口部112を介して注入された樹脂の注入圧力が、開口部111を介して、一対の内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)に対して軸線方向(Z方向)と直交する径方向(B方向)にかかる。具体的には、一対の内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)により開口部111が覆われていることによって、開口部111から径方向内側(B1方向側)に樹脂が流れるのが規制されている。詳細には、径方向内側(B1方向側)から見て、開口部111のうち、後述する導線収容部121bとオーバラップしている部分以外の部分(図9の斜線部分)が、一対の内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)により覆われている。すなわち、上側樹脂成形型121のうち、図9の右斜線部分にのみ、径方向外側(B2方向側)から樹脂の注入圧力がかかり、下側樹脂成形型122のうち、図9の左斜線部分にのみ、径方向外側(B2方向側)から樹脂の注入圧力がかかっている。
ここで、樹脂注入ノズル130から射出された樹脂の流れについて説明する。まず、樹脂注入ノズル130は、開口部112を介して、樹脂成形用空間115に対して軸線方向(Z2方向側)に沿って樹脂を射出する。そして、樹脂注入ノズル130により射出された樹脂は、樹脂成形用空間115に導入される。樹脂成形用空間115に導入された樹脂は、樹脂成形用空間115内において、一対の内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)に向かって径方向(B1方向側)に流通する。そして、一対の内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)まで流れた樹脂によって、一対の内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)は径方向外側(B2方向側)から圧力を受ける。上記のように、樹脂注入ノズル130により射出された樹脂は、樹脂成形用空間115によって、進行方向が90度変化させられる。言い換えると、樹脂注入ノズル130により射出された樹脂は、略L字状に流通する。
また、図9に示すように、上側樹脂成形型121は、ステータコア10の周方向(A方向)における平角導線31の位置を位置決めするとともに、下側樹脂成形型122とにより平角導線31を挟み込むための溝部121aを含む。具体的には、上側樹脂成形型121は、ステータコア10の周方向(A方向)に沿って複数(本実施形態では2つ)設けられている溶接部40(図1参照)を挟み込む複数(本実施形態では2つ)の溝部121aを含む。溝部121aは、上側樹脂成形型121の下端側(Z2方向側の端部側)に設けられており、下方側(Z2方向側)に開放されるように形成されている。なお、図9では、平角導線31は、簡略化のため、図示を省略している。
また、溝部121aは、樹脂成形時に、平角導線31を収容する導線収容部121bを含む。導線収容部121bは、径方向(B方向)から見て、平角導線31の形状および大きさに合わせて、矩形形状に形成されている。
また、樹脂成形時において、平角導線31は、導線収容部121bおよび下側樹脂成形型122により固定される。具体的には、平角導線31は、導線収容部121bと下側樹脂成形型122とにより軸線方向(Z方向)の移動が規制され、導線収容部121bにより周方向(A方向)の移動が規制される。
ここで、本実施形態では、樹脂成形時において、溝部121aは、径方向(B方向)から見て、開口部111とオーバラップするように設けられている。具体的には、径方向から見て、2つの導線収容部121bの各々の全体は、開口部111にオーバラップしている。
また、一方側樹脂成形型は、平角導線31を溝部121a(導線収容部121b)に案内するとともに、溝部121aの開放端側(Z2方向側)に向かって溝部121aの幅Wを徐々に大きくする案内部121cを含む。
具体的には、案内部121cは、径方向(B方向)から見て、複数の溝部121aの各々の開放端側(Z2方向側)を周方向(A方向)に挟むように複数(本実施形態では3つ)設けられている。複数の溝部121aの各々の開放端側(Z2方向側)は、周方向に隣接する2つの案内部121cの各々に設けられる傾斜面121dにより挟まれるように設けられている。すなわち、3つの案内部121cのうちの中央の案内部121cには、周方向の両側に設けられる2つの傾斜面121dが設けられている。また、3つの案内部121cのうちの両端の2つの案内部121cには、上記中央の案内部121cの傾斜面121dと周方向に対向する1つの傾斜面121dが設けられている。
そして、周方向に対向するように設けられる互いに異なる案内部121cの傾斜面121d同士は、溝部121aの開放端側に向かって互いに離間するように傾斜している。言い換えると、3つの案内部121cの各々は、溝部121aの開放端側に向かって先細るテーパ形状を有している。
また、ここで、下側樹脂成形型122は、外径側樹脂成形型110の面113と近接する面122a(図8参照)と、径方向(B方向)において面122aと反対側の面122bとを含む。そして、本実施形態では、案内部121cは、面122bに対して、径方向(B方向)において対向するように設けられている。具体的には、案内部121cは、径方向から見て、面122bの上側(Z1方向側)の部分とオーバラップしている。言い換えると、面122bの上側(Z1方向側)の部分は、案内部121cにより径方向内側(B1方向側)から覆われている。なお、面122aは、特許請求の範囲の「第2面」の一例である。
また、本実施形態では、図10に示すように、製造装置200は、外径側樹脂成形型110の温度を、温度T1(たとえば70℃)に調節する温度調節部140を備える。なお、温度調節部140および温度T1は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1温度調節部」および「第1の温度」の一例である。
具体的には、温度調節部140は、外径側樹脂成形型110に設けられる貫通孔141を含む。貫通孔141は、外径側樹脂成形型110を周方向(A方向)に貫通するように設けられている。また、温度調節部140は、貫通孔141に挿入されるヒータ142を含む。ヒータ142の熱により、外径側樹脂成形型110の温度が温度T1に調節される。なお、ヒータ142の代わりに、冷媒(たとえば水)を流通させる冷媒管を用いてもよい。
また、図11に示すように、製造装置200は、一対の内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)の温度を、温度T1よりも低い温度T2(たとえば25℃)に調節する温度調節部150を備える。なお、温度調節部150および温度T2は、それぞれ、特許請求の範囲の「第2温度調節部」および「第2の温度」の一例である。
具体的には、温度調節部150は、上側樹脂成形型121の径方向内側(B1方向側)に設けられる水冷管取付部151と、水冷管取付部151に設けられる貫通孔152とを含む。貫通孔152は、水冷管取付部151を周方向(A方向)に貫通するように設けられている。また、温度調節部150は、貫通孔152に挿入される水冷管153を含む。水冷管153を流れる冷媒(たとえば水)の熱により、外径側樹脂成形型110の温度が温度T2に調節される。なお、貫通孔152は、上側樹脂成形型121に設けられていてもよい。
なお、水冷管取付部151の径方向(B方向)における厚みt5は、上側樹脂成形型121の径方向における厚みt3(図6参照)よりも大きい。
また、下側樹脂成形型122には、図示しない冷却フィンが取り付けられており、この冷却フィンにより下側樹脂成形型122の温度が温度T2に調節されている。なお、下側樹脂成形型122に対しても取り付けが可能であれば水冷管(水冷管取付部)を取り付けてもよい。また、上側樹脂成形型121に対して冷却フィンが取り付けられていてもよい。なお、図11以外では、水冷管取付部151は、簡略化のため図示を省略している。
(樹脂成形時の工程)
次に、図12および図13を参照して、外径側樹脂成形型110および一対の内径側樹脂成形型120(上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122)の移動について詳細に説明する。
まず、図12に示すように、ステップS1において、上側樹脂成形型121、下側樹脂成形型122、および、外径側樹脂成形型110を、それぞれ、平角導線31(溶接部40)に対して上方側(Z1方向側)、下方側(Z2方向側)、および、径方向外側(B2方向側)に配置する。
次に、ステップS2において、上側樹脂成形型121を下方側(Z2方向側)に移動させるとともに、下側樹脂成形型122を上方側(Z1方向側)に移動させる。これにより、平角導線31が上側樹脂成形型121および下側樹脂成形型122により軸線方向(Z方向)に挟み込まれる。この際、平角導線31は、上側樹脂成形型121の案内部121c(図9参照)に案内されて溝部121a(導線収容部121b)に導入される。
次に、ステップS3において、外径側樹脂成形型110を径方向内側(B1方向側)に移動させる。これにより、溶接部40が外径側樹脂成形型110の樹脂成形用空間115に挿入(収容)される。
次に、図13に示すように、ステップS4において、樹脂注入ノズル130を凹部116に配置する。そして、凹部116に樹脂注入ノズル130を配置した状態で、樹脂注入ノズル130から樹脂を射出する。この際、下方側(Z2方向側)に射出された樹脂は、樹脂成形用空間115内において径方向内側(B1方向側)に流通する。そして、樹脂成形用空間115内が、樹脂により充填される。
次に、ステップS5において、樹脂成形用空間115内に充填された樹脂が固まった後、上側樹脂成形型121、下側樹脂成形型122、および、外径側樹脂成形型110を、それぞれ元の位置まで移動させる。具体的には、まず、外径側樹脂成形型110を径方向外側(B2方向側)に移動させる。次に、上側樹脂成形型121を上方側(Z1方向側)に移動させるとともに、下側樹脂成形型122を下方側(Z2方向側)に移動させる。これにより、1つ(1箇所)の溶接部40に対する絶縁被覆が完了する。
次に、図示は省略するが、ステータ100および樹脂注入ノズル130をステータ100の周方向に相対的に回転させる。そして、次の絶縁被覆処理対象となる溶接部40の絶縁被覆処理が行われる。対象となる全ての溶接部40に対して絶縁被覆処理が反復実施されて、絶縁被覆処理が終了する。
[本実施形態の効果]
上記本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、樹脂注入用開口部(112)を介して注入された樹脂の注入圧力が、接合部挿入用開口部(111)を介して、一対の第2樹脂成形型(120)に対して第1の方向(Z方向)と交差する第2の方向(B方向)にかかる。これにより、一対の第2樹脂成形型(120)がコイル導線(31)を挟み込む方向と、一対の第2樹脂成形型(120)に樹脂の注入圧力がかかる方向とを交差させることができる。その結果、一対の第2樹脂成形型(120)がコイル導線(31)を挟み込む方向と、一対の第2樹脂成形型(120)に樹脂の注入圧力がかかる方向とが互いに平行である場合に比べて、樹脂の注入圧力により一対の第2樹脂成形型(120)が型開きするのを抑制することができる。これにより、コイル導線(31)同士の接合部(40)を覆うために樹脂を注入する際に、コイル導線(31)を挟む一対の第2樹脂成形型(120)が型開きすることに起因して、一対の第2樹脂成形型(120)によりコイル導線(31)が挟まれている部分から樹脂が漏れるのを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、一対の第2樹脂成形型(120)は、第1面(113)に沿うように延びる第1の方向(Z方向)にコイル導線(31)を挟み込む。このように構成すれば、コイル導線(31)同士の接合部(40)を覆うために樹脂を注入する際に、コイル導線(31)を挟む一対の第2樹脂成形型(120)が型開きすることに起因して、一対の第2樹脂成形型(120)によりコイル導線(31)が挟まれている部分から樹脂が漏れるのを効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、一対の第2樹脂成形型(120)は、第1面(113)に対して平行に延びる第1の方向(Z方向)にコイル導線(31)を挟み込む。このように構成すれば、コイル導線(31)同士の接合部(40)を覆うために樹脂を注入する際に、コイル導線(31)を挟む一対の第2樹脂成形型(120)が型開きすることに起因して、一対の第2樹脂成形型(120)によりコイル導線(31)が挟まれている部分から樹脂が漏れるのをより効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1樹脂成形型(110)は、筒状形状を有し、樹脂注入用開口部(112)および接合部挿入用開口部(111)は、それぞれ、筒状形状の第1樹脂成形型(110)の一方側の開口部および他方側の開口部である。このように構成すれば、樹脂注入用開口部(112)および接合部挿入用開口部(111)が互いに異なる部材に設けられている場合と異なり、注入された樹脂が、樹脂注入用開口部(112)と接合部挿入用開口部(111)との間において第1樹脂成形型(110)の外部に漏れるのを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1樹脂成形型(110)は、直方体状の形状を有している。一対の第2樹脂成形型(120)の各々は、接合部挿入用開口部(111)が設けられている第1面(113)を覆うように設けられる板状形状を有している。そして、第2の方向(B方向)において、第1樹脂成形型(110)の厚み(t2)は、一対の第2樹脂成形型(120)の各々の厚み(t3、t4)よりも大きい。このように構成すれば、第1樹脂成形型(110)を比較的大きくすることができるので、第1樹脂成形型(110)において樹脂が第2の方向(B方向)に流れる経路(流路)を比較的長くすることができる。その結果、第1樹脂成形型(110)を介して一対の第2樹脂成形型(120)にかかる樹脂の注入圧力を軽減することができる。これにより、樹脂の注入圧力により一対の第2樹脂成形型(120)が型開きするのをより一層効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、樹脂注入用開口部(112)は、第1樹脂成形型(110)の第1の方向(Z方向)の面(114)に設けられている。また、樹脂注入ノズル(130)は、樹脂注入用開口部(112)を介して、樹脂成形用空間(115)に対して第1の方向(Z方向)に沿って樹脂を射出するように構成されている。そして、樹脂注入ノズル(130)により樹脂成形用空間(115)に対して第1の方向(Z方向)に沿って射出された樹脂は、樹脂成形用空間(115)内において、一対の第2樹脂成形型(120)に向かって第2の方向(B方向)に沿って流通する。このように構成すれば、第1樹脂成形型(110)と一対の第2樹脂成形型(120)とが隣接する方向と、樹脂注入ノズル(130)により樹脂が射出される方向とを直交させることができる。これにより、樹脂の射出圧により、第1樹脂成形型(110)と一対の第2樹脂成形型(120)とが型開きするのを防止することができる。その結果、樹脂注入ノズル(130)による樹脂の射出圧を大きくすることができるとともに、樹脂の注入を高速に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1樹脂成形型(110)、および、一対の第2樹脂成形型(120)は、それぞれ、独立して移動可能に構成されている。そして、第1樹脂成形型(110)は、接合部(40)が延びる第2の方向(B方向)に沿うように移動する。このように構成すれば、第2の方向(B方向)に延びる接合部(40)を、接合部挿入用開口部(111)を介して、第1樹脂成形型(110)に容易に挿入させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、一対の第2樹脂成形型(120)の各々は、接合部(40)が延びる第2の方向(B方向)と交差する第1の方向(Z方向)において、互いに離間する型開き方向および互いに近接する型閉め方向に移動可能に構成されている。このように構成すれば、一対の第2樹脂成形型(120)により、第1の方向(Z方向)に沿って、樹脂成形時における型閉め、および、樹脂成形後における型開きを容易に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、樹脂成形時において、溝部(121a)は、第2の方向(B方向)から見て、接合部挿入用開口部(111)とオーバラップするように設けられている。このように構成すれば、溝部(121a)に配置(挿入)されているコイル導線(31)の大きさの分、接合部挿入用開口部(111)を介して一対の第2樹脂成形型(120)にかかる樹脂の注入圧力を軽減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、樹脂成形時において、複数の溝部(121a)の各々は、第2の方向(B方向)から見て、接合部挿入用開口部(111)とオーバラップするように設けられている。このように構成すれば、複数の溝部(121a)の各々に配置(挿入)されているコイル導線(31)の大きさの分、接合部挿入用開口部(111)を介して一対の第2樹脂成形型(120)にかかる樹脂の注入圧力が軽減される。これにより、1つの溝部(121a)が接合部挿入用開口部(111)とオーバラップする場合に比べて、一対の第2樹脂成形型(120)にかかる樹脂の注入圧力をより軽減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、一方側樹脂成形型(121)は、コイル導線(31)を溝部(121a)に案内するとともに、溝部(121a)の開放端側に向かって溝部(121a)の幅(W)を徐々に大きくする案内部(121c)を含む。このように構成すれば、案内部(121c)により、コイル導線(31)を溝部(121a)に容易に導入(挿入)することができる。
また、本実施形態では、上記のように、案内部(121c)は、他方側樹脂成形型(122)のうち、第2の方向(B方向)において第2面(122a)と反対側の面(122b)に対して、第2の方向(B方向)において対向するように設けられている。このように構成すれば、案内部(121c)と他方側樹脂成形型(122)の面(122b)とが第2の方向(B方向)において対向しているので、他方側樹脂成形型(122)が第2の方向(B方向)に沿って案内部(121c)側へ移動するのを規制することができる。その結果、他方側樹脂成形型(122)に比較的大きい樹脂の注入圧力がかかった場合でも、第2の方向(B方向)において他方側樹脂成形型(122)の位置がずれるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1樹脂成形型(110)の温度を、第1の温度(T1)に調節する第1温度調節部(140)と、一対の第2樹脂成形型(120)の温度を、第1の温度(T1)よりも低い第2の温度(T2)に調節する第2温度調節部(150)と、をさらに備える。ここで、樹脂は、比較的高い温度の状態では流動性が比較的大きく、比較的温度が低い状態では流動性が比較的小さい。したがって、第1樹脂成形型(110)の温度を第1の温度(T1)に調節するとともに、一対の第2樹脂成形型(120)の温度を第1の温度(T1)よりも低い第2の温度(T2)に調節することによって、第1樹脂成形型(110)に樹脂を流し込むのをスムーズにすることができるとともに、一対の第2樹脂成形型(120)の間(コイル導線(31)が挟まれている部分)から樹脂が漏れるのを防止することができる。その結果、樹脂注入ノズル(130)による樹脂の射出圧を厳密に調整しなくても、樹脂の漏れを防止しながら、樹脂の注入の速度を確保することができる。すなわち、樹脂注入におけるロバスト性(外的要因により影響されにくい性質)を向上させることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、開口部112(樹脂注入用開口部)が、外径側樹脂成形型110(第1樹脂成形型)の軸線方向(Z方向)(第1の方向)の面114に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、樹脂注入用開口部が、径方向(B方向)(第2の方向)の面に設けられていてもよい。
具体的には、図14に示すように、開口部212は、外径側樹脂成形型210のうち、樹脂成形用空間115に対して、面113とは反対側の面213に設けられている。樹脂注入ノズル130は、開口部212を介して、樹脂成形用空間115に対して、径方向(B1方向側)に沿って樹脂を射出する。そして、樹脂注入ノズル130により樹脂成形用空間115に対して径方向(B1方向側)に沿って射出された樹脂は、樹脂成形用空間115内において、一対の内径側樹脂成形型120に向かって径方向(B1方向側)に沿って流通する。すなわち、樹脂注入ノズル130により射出された樹脂は、流れる方向が変化することなく一対の内径側樹脂成形型120まで流通する。なお、外径側樹脂成形型210および開口部212は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1樹脂成形型」および「樹脂注入用開口部」の一例である。
このように構成すれば、面113とは反対側の面213側におけるスペースが大きい場合において、樹脂注入ノズル130を容易に配置することができる。
また、上記実施形態では、開口部112(樹脂注入用開口部)が、外径側樹脂成形型110(第1樹脂成形型)の軸線方向(Z方向)(第1の方向)の面114に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、樹脂注入用開口部が、周方向(A方向)の面に設けられていてもよい
また、上記実施形態では、樹脂の注入圧力が、一対の内径側樹脂成形型120(第2樹脂成形型)に対して、一対の内径側樹脂成形型120(第2樹脂成形型)が移動するZ方向(第1の方向)と直交するB方向(第2の方向)にかかる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、樹脂の注入圧力が、一対の内径側樹脂成形型120(第2樹脂成形型)に対して、Z方向(第1の方向)と交差する方向にかかってもよい。
また、上記実施形態では、2つの溶接部40(接合部)を一度に絶縁被覆する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、1つの溶接部40(接合部)毎に絶縁被覆が行われてもよい。この場合、一対の内径側樹脂成形型120(第2樹脂成形型)により、平角導線31(コイル導線)は、たとえば周方向に挟み込まれてもよい。また、3つ以上の溶接部40(接合部)が一度に絶縁被覆されてもよい。
また、上記実施形態では、温度調節部140(第1温度調節部)が、貫通孔141とヒータ142とを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1温度調節部として、外径側樹脂成形型110(第1樹脂成形型)を平角導線31(コイル導線)側に移動させる前に、外径側樹脂成形型110(第1樹脂成形型)に対して所定の温度の風を吹き付ける機構を用いてもよい。
また、上記実施形態では、温度調節部150(第2温度調節部)が、水冷管取付部151と、貫通孔152と、水冷管153(または冷却フィン)とを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2温度調節部として、一対の内径側樹脂成形型120(第2樹脂成形型)を平角導線31(コイル導線)側に移動させる前に、一対の内径側樹脂成形型120に対して所定の温度の風を吹き付ける機構を用いてもよい。
また、上記実施形態では、コイル30が平角導線31により形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コイル30が平角導線以外の導線から形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、樹脂成形用空間115が外径側樹脂成形型110(第1樹脂成形型)にのみ設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、下側樹脂成形型122(第2樹脂成形型、他方側樹脂成形型)のうち、上側樹脂成形型121(第2樹脂成形型、一方側樹脂成形型)と接する面に窪みが設けられており、樹脂成形用空間115に加えて上記窪みにも樹脂が充填されてもよい。
また、上記実施形態では、径方向(B方向)(第2の方向)に延びる溶接部40(接合部)を絶縁被覆する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、軸線方向(Z方向)(第1の方向)に延びる接合部を絶縁被覆してもよい。この場合、接合部は、第2樹脂成形型により、軸線方向と交差する方向(たとえば周方向)に挟み込まれる。
また、上記実施形態では、コイル30の一方端部30aと他方端部30bとが溶接されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コイル30の一方端部30aと他方端部30bとが、ロウ付け、超音波接合、または、圧着等されていてもよい。
また、上記実施形態では、一対の内径側樹脂成形型120(第2樹脂成形型)の各々と、外径側樹脂成形型110(第1樹脂成形型)の面113(第1面)との間に隙間が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、一対の内径側樹脂成形型120(第2樹脂成形型)の各々と、外径側樹脂成形型110(第1樹脂成形型)の面113(第1面)とは、密着していてもよい。
また、上記実施形態では、一対の内径側樹脂成形型120(第2樹脂成形型)の各々が軸線方向(Z方向)(第1の方向)に移動する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、一対の内径側樹脂成形型120(第2樹脂成形型)が、互いに異なる方向(たとえば互いに交差する方向)に移動してもよい。
10 ステータコア
11 スロット
31 平角導線(コイル導線)
31a 一方端部(端部)
31b 他方端部(端部)
40 溶接部(接合部)
100 ステータ
110、210 外径側樹脂成形型(第1樹脂成形型)
111 開口部(接合部挿入用開口部)
112、212 開口部(樹脂注入用開口部)
113 面(第1面)
114 面(第1樹脂成形型の第1の方向の面)
115 樹脂成形用空間
120 内径側樹脂成形型(第2樹脂成形型)
121 上側樹脂成形型(第2樹脂成形型、一方側樹脂成形型)
121a 溝部
121c 案内部
122 下側樹脂成形型(第2樹脂成形型、他方側樹脂成形型)
122a 面(第2面)
122b 面(第2面と反対側の面)
130 樹脂注入ノズル
140 温度調節部(第1温度調節部)
150 温度調節部(第2温度調節部)
213 面(第1面とは反対側の面)
B 方向(第2の方向)
T1 温度(第1の温度)
t2 厚み(第1樹脂成形型の厚み)
T2 温度(第2の温度)
t3 厚み(一方側樹脂成形型の厚み)
t4 厚み(他方側樹脂成形型の厚み)
W 幅(溝部の幅)
Z 方向(第1の方向)

Claims (14)

  1. ステータコアのスロットに収容されたコイル導線の端部同士が接合された接合部が挿入される接合部挿入用開口部と、樹脂を注入するための樹脂注入用開口部とを有する第1樹脂成形型と、
    樹脂成形時に前記接合部挿入用開口部が設けられる前記第1樹脂成形型の第1面に近接するように設けられ、互いに接近するように移動することにより前記接合部挿入用開口部の近傍において前記コイル導線を第1の方向に挟み込む一対の第2樹脂成形型と、
    前記樹脂注入用開口部を介して前記第1樹脂成形型に樹脂を注入する樹脂注入ノズルと、を備え、
    前記樹脂注入用開口部を介して注入された樹脂の注入圧力が、前記接合部挿入用開口部を介して、前記一対の第2樹脂成形型に対して前記第1の方向と交差する第2の方向にかかるように構成されている、ステータの製造装置。
  2. 前記一対の第2樹脂成形型は、前記第1面に沿うように延びる前記第1の方向に前記コイル導線を挟み込む、請求項1に記載のステータの製造装置。
  3. 前記一対の第2樹脂成形型は、前記第1面に対して平行に延びる前記第1の方向に前記コイル導線を挟み込む、請求項2に記載のステータの製造装置。
  4. 前記第1樹脂成形型は、筒状形状を有し、
    前記樹脂注入用開口部および前記接合部挿入用開口部は、それぞれ、前記筒状形状の第1樹脂成形型の一方側の開口部および他方側の開口部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のステータの製造装置。
  5. 前記第1樹脂成形型は、直方体状の形状を有しており、
    前記一対の第2樹脂成形型の各々は、前記接合部挿入用開口部が設けられている前記第1面を覆うように設けられる板状形状を有しており、
    前記第2の方向において、前記第1樹脂成形型の厚みは、前記一対の第2樹脂成形型の各々の厚みよりも大きい、請求項1〜4のいずれか1項に記載のステータの製造装置。
  6. 前記第1樹脂成形型には、前記接合部挿入用開口部を介して前記接合部が挿入される樹脂成形用空間が設けられており、
    前記樹脂注入用開口部は、前記第1樹脂成形型の前記第1の方向の面に設けられており、
    前記樹脂注入ノズルは、前記樹脂注入用開口部を介して、前記樹脂成形用空間に対して前記第1の方向に沿って樹脂を射出するように構成され、
    前記樹脂注入ノズルにより前記樹脂成形用空間に対して前記第1の方向に沿って射出された樹脂は、前記樹脂成形用空間内において、前記一対の第2樹脂成形型に向かって前記第2の方向に沿って流通する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のステータの製造装置。
  7. 前記第1樹脂成形型には、前記接合部挿入用開口部を介して前記接合部が挿入される樹脂成形用空間が設けられており、
    前記樹脂注入用開口部は、前記第1樹脂成形型のうち、前記樹脂成形用空間に対して、前記第1面とは反対側の面に設けられており、
    前記樹脂注入ノズルは、前記樹脂注入用開口部を介して、前記樹脂成形用空間に対して前記第2の方向に沿って樹脂を射出するように構成され、
    前記樹脂注入ノズルにより前記樹脂成形用空間に対して前記第2の方向に沿って射出された樹脂は、前記樹脂成形用空間内において、前記一対の第2樹脂成形型に向かって前記第2の方向に沿って流通する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のステータの製造装置。
  8. 前記接合部は、前記第2の方向に沿って延びるように設けられており、
    前記第1樹脂成形型、および、前記一対の第2樹脂成形型は、それぞれ、独立して移動可能に構成されており、
    前記第1樹脂成形型は、前記接合部が延びる前記第2の方向に沿うように移動する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のステータの製造装置。
  9. 前記一対の第2樹脂成形型の各々は、前記接合部が延びる前記第2の方向と交差する前記第1の方向において、互いに離間する型開き方向および互いに近接する型閉め方向に移動可能に構成されている、請求項8に記載のステータの製造装置。
  10. 前記一対の第2樹脂成形型のうちの一方の一方側樹脂成形型は、前記ステータコアの周方向における前記コイル導線の位置を位置決めするとともに、前記一対の第2樹脂成形型のうちの他方の他方側樹脂成形型とにより前記コイル導線を挟み込むための溝部を含み、
    樹脂成形時において、前記溝部は、前記第2の方向から見て、前記接合部挿入用開口部とオーバラップするように設けられている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のステータの製造装置。
  11. 前記一方側樹脂成形型は、前記ステータコアの周方向に沿って複数設けられている前記接合部を挟み込む複数の前記溝部を含み、
    樹脂成形時において、前記複数の溝部の各々は、前記第2の方向から見て、前記接合部挿入用開口部とオーバラップするように設けられている、請求項10に記載のステータの製造装置。
  12. 前記一方側樹脂成形型は、前記コイル導線を前記溝部に案内するとともに、前記溝部の開放端側に向かって前記溝部の幅を徐々に大きくする案内部を含む、請求項10または11に記載のステータの製造装置。
  13. 前記他方側樹脂成形型は、前記接合部挿入用開口部が設けられる前記第1樹脂成形型の前記第1面に近接する第2面を含み、
    前記案内部は、前記他方側樹脂成形型のうち、前記第2の方向において前記第2面と反対側の面に対して、前記第2の方向において対向するように設けられている、請求項12に記載のステータの製造装置。
  14. 前記第1樹脂成形型の温度を、第1の温度に調節する第1温度調節部と、
    前記一対の第2樹脂成形型の温度を、前記第1の温度よりも低い第2の温度に調節する第2温度調節部と、をさらに備える、請求項1〜13のいずれか1項に記載のステータの製造装置。

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