JP2020087757A - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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正博 井上
幸佑 西川
kosuke Nishikawa
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Abstract

【目的】スパークプラグの製造中、金具本体と、絶縁体との内外周面間に配置される滑石を先後方向に圧縮するのに、滑石圧縮装置の支持穴に組立仕掛品を内挿して、絶縁体の同心精度を高めるため、その先端を絶縁体先端ガイドの支持部で、絶縁体圧縮バネを圧縮している状態として芯出しをし、その下で滑石プレス治具によって滑石を圧縮する工程で、絶縁体の先端に生じることのある割れや折損の発生を防止する。【解決手段】滑石圧縮工程の終了前の適時に、絶縁体先端ガイド140の支持部145を絶縁体21の先端部21bから離し、同工程の終了まで、該先端部21bに絶縁体圧縮バネ149による弾性力を作用させない。絶縁体21に変形があるため、従来ではその先端部21bに過大な横荷重が生じるような場合でも、滑石圧縮工程の終了直前から終了時までの圧縮力が最大となるときに、その荷重を生じさせないので、絶縁体21の割れ等の発生を防ぎ得る。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関用のスパークプラグ(点火プラグ)の製造方法に関する。
自動車エンジン等の内燃機関の着火に使用される公知のスパークプラグの一例として、図8に示した構造のものが知られている。このスパークプラグ1は、中心電極5を先端(図8下端)において突出させた中空軸状(筒状)のセラミック製の絶縁体(絶縁碍子)21と、この絶縁体21の先端21a側の部分を包囲する形で保持、固定する異径で筒状の(軸孔を有する)金具本体31、さらには、この金具本体31の先端31aに、中心電極5の先端とで火花ギャップを形成するように設けられた接地側電極51などから構成されている。このようなスパークプラグ1は、金具本体31の先端寄り部位の筒状部の外周面に形成されているネジ34を、図示しないエンジンヘッドのプラグホール(ねじ穴)に、自身の後端寄り部位に設けられたねじ込み用多角形部38を介して回転させてねじ込み、この多角形部38とネジ34との間に位置するフランジ37をプラグホールの開口端周縁に着座させて取り付けられる構成を有している。なお本願において、このようなスパークプラグ1やその製造過程の組立仕掛品、又はその構成部材である金具本体31や絶縁体21等の構成部品及び部位(又は部分)に関して、先端(先方)というときは、図8におけるそれらの下端(下方)を意味し、後端(後方)というときは図8におけるそれらの逆(上端、上方)を意味することとする。
上記したようなスパークプラグ1を構成する金具本体31は、先端寄り部位の内周面32に対し、後端寄り部位の内周面33が大径をなすように形成されている。一方、絶縁体21は、先端21aに中心電極5を突出させている先方軸部(絶縁体脚部)22から後方に向けて、順次大径をなし、金具本体31の先端寄り部位の内周面32に包囲される先端側支持軸部25、そして、この金具本体31の後端寄り部位の内周面33に包囲される後端側支持軸部27を備えている。この後端側支持軸部27よりもスパークプラグ1の後端に設けられている端子3に向かう後方部位(金具本体31の後端より後方部位)は、それより細い後方軸部29をなしている。
そして、金具本体31の内側に位置する絶縁体21は、先方軸部22の後端と、先端側支持軸部25の先端との境界部に、環状で先細りテーパをなす先方向き環状面23を備えており、その先方向き環状面23を、金具本体31の先端寄り部位の内周面32において内向きに突出する突出部35のうち、先すぼまり状のテーパをなす後方向き環状面(環状受け棚)36に突き合わせるようにして組立てられている。なお、図8のスパークプラグ1では、この両環状面23、36の間に、気密保持部材である円環状(リング状)をなす金属製のパッキン(単にパッキンとも言う)41を介在させている。一方、後端側支持軸部27の後方であり、金具本体31の後端寄り部位の内周面33と、絶縁体21の後方軸部29の外周面との間の環状空隙には、Oリング45、滑石47、Oリング49を介在させ、前記したパッキン41、および、この滑石47等を先方に向けて圧縮(押圧)して、金具本体31、絶縁体21の内外周面間のシールを確保しつつ、組立てられている。ここで、その組立(組付け)は、金具本体31の後端に設けられたカシメ用筒部39を内側(中心軸線CL側)に折り曲げ、その筒部39であった折り曲げ部を先端側に圧縮、変形するカシメ加工をして、前記したパッキン41、滑石47等の圧縮状態を保持し、金具本体31内に絶縁体21を、気密を保持して固定している。
このようなスパークプラグ1の製造における上記したようなカシメ工程前の滑石47等の圧縮は、従来、次のように行われていた(図8、図9参照)。接地側電極用棒材51aを溶接してなる金具本体31内に、環状をなすパッキン41を内挿し、後方向き環状面36に載置し、その後、中心電極5等が組み付けられた絶縁体21を、その先端側からこの金具本体31内に内挿する(図9−A参照)。次に、この金具本体31の後端寄り部位の内周面33と絶縁体21の後方軸部29の外周面との間の環状空隙に、Oリング45、滑石47を配置して組立仕掛品1bとする(図9−B参照)。そして、このような組立仕掛品1bの段階において、滑石47を、後方軸部29に同心で外嵌されるよう配置される図示しない円筒状の滑石プレス治具を押し下げ、その先端で滑石47等を圧縮していた(特許文献1参照)。なお、この圧縮後は、Oリング49を装填する等してカシメ用筒部39をカシメ加工し、その後、接地側電極用棒材51aの曲げ加工等を行うことで、図8に示したようなスパークプラグとして製造される。
ところで、上記したようなスパークプラグ1は、金具本体31内に配置されている絶縁体21に傾きや偏心があり、その本体31、絶縁体21の先端寄り部位の、内外周面間の空間Kの周方向における間隔に不均一があると、その間隔が小さい側で横飛火が発生しやすくなるなど着火性(放電着火性)の低下を招く。近時は、スパークプラグの小型化に伴い、金具本体31の先端寄り部位と、その内側に同心で配置される絶縁体21との、前記した内外周面間の空間Kの間隔(内外周面間隔)も極めて小さいものとなっており、その両者の同心性(上記間隔の均一性)には極めて高い精度(同心精度)が要求されている。一方、この同心精度は、金具本体31内へ絶縁体21を組み付けたカシメ加工前の組立仕掛品1bの段階における組立精度のみならず、その組立仕掛品1bにおいて滑石を圧縮する滑石圧縮工程におけるそれらの部品等の位置決め精度にも左右される。このため、滑石圧縮工程においては、従来、次のようにして本体内に対する絶縁体(中心電極を含む絶縁体)の同心性(同心精度)を保持させながら、滑石を圧縮することとしていた(特許文献1参照)。
すなわち、この滑石の圧縮においては、図10に示したように、滑石圧縮装置(プレス金型装置)100の支持体110における支持穴113内に、図9−Bに示したような、カシメ加工前の組立仕掛品(以下、単に仕掛品ともいう)1bであり、Oリング45、滑石47を配置してなるものを、支持穴113の中心軸線(以下、中心ともいう)と同心で隙間嵌し、これを金具本体31のフランジ37の先端向き面にて、支持穴113の開口周縁(上向き面)にて支持させるようにする。ただし、支持穴113の下方には、仕掛品1bにおける本体31と、絶縁体21との各先端31a,21aを、支持穴113の中心(中心軸線CL)と同心にガイドし、支持する本体先端ガイド130と、絶縁体先端ガイド140とが、それぞれ圧縮バネ139,149を介して設けられている。この両ガイド130,140は、仕掛品1bの支持穴113への挿入、押し込みにより、支持穴113の中心軸線CLと同心で上下動し、各バネの弾性力により、本体31と、絶縁体21との各先端部31b、21bをそれぞれ弾性的に支持するよう設けられている。なお、例えば、本体先端ガイド130の上部である本体先端支持部135は、凸となす円錐面(凸円錐面)を有し、本体31の先端31aの内周(先端面と内周面とのコーナ)に沿う円環状部である先端部31bにおいて、その径方向の移動を規制し、同心状にガイドし支持するよう形成されている。また、絶縁体先端ガイド140の上部は、凹部(例えば、凹となす円錐面(凹円錐面))145をなし、絶縁体21の先端21aの外周(先端面と外周面とのコーナ)に沿う円環状部である先端部21bにおいて、その径方向の移動を規制し、同心状に支持、ガイドするよう形成されている。
このように支持穴113に内挿された仕掛品1bは、図11に示したように、絶縁体21、及び、本体31の図示上端又は上端寄り部位を、仕掛品1bの後方(図示上方)から、それぞれ、支持穴113の中心軸線CLと同心配置で設けられた各押え付け手段(絶縁体押え治具220、本体押え治具210)で押え付けられる。これにより前記したように、それら絶縁体21、及び、本体31の各先端部21b,31bは、各ガイド140,130の上部に押え付けられ、支持穴113内において、各先端21a,31aはその中心と同心となるようガイドされ、絶縁体21、及び、本体31の各先端部21b,31bは、各バネ149,139により弾性的に支持される。これにより、本体31は支持穴113の上端開口周縁にフランジ37を介して支持されるように動き、絶縁体21はその先方向き環状面23が、本体31内の後方向き環状面36にて支持されるように動き、それぞれが下方に動く。滑石47は、このような支持状態の下で、図11に示したように、仕掛品1bの後方(図示上方)に同心配置で設けられている滑石プレス治具200を押し下げることで圧縮されるが、各ガイド140,130により、この滑石圧縮工程においては、金具本体31と絶縁体21との先端寄り部位の内外周面間の空間Kの周方向における間隔に不均一が生じないようにされている。なお、この工程の後は、Oリング49を装填する等して、上記したように本体31の後端のカシメ用筒部39を内側に曲げ、かつ、先方に押圧して変形させるカシメ加工等が行われて図8に示したようなスパークプラグ1となる。
特開2012−178338号公報
ところが、上記したような滑石圧縮装置を用いた滑石圧縮工程では、絶縁体21の先端21a又は先端寄り部位において、図11の拡大図中に示したように、割れ(クラック)Crや折損が発生することがある、といった問題があった。本願発明者は、その原因について検討した結果、次のように考えた。絶縁体21は、その製造上の諸事情により、その全長において微小ではあるものの、曲りや反りがあったり、その先端部分において変形を含んでいることがある。そして、金具本体31についても、さらには、本体31に絶縁体21を組み付けた状態の仕掛品1bにおいても、精度にバラツキが生じることがある。このため、例えば、微小な曲り変形のある絶縁体21を、上記したように滑石47を圧縮する前の段階において先方に押して、その先端部21bを絶縁体先端ガイド140にて支持させたような場合には、そのような曲り変形がある分、その先端21aが絶縁体先端ガイド140の凹部(凹円錐面)145の中心にあるとしても、絶縁体全体としては傾斜し、或いは偏心した体勢にあることになる。このため、このような状態のまま、配置された滑石47を圧縮する場合には、その滑石47の周方向における圧縮密度等に差異が生じることに起因して、絶縁体21の径方向における位置や体勢を、その圧縮工程途中で変更し、或いは動かそうとすることになる。
その一方で、絶縁体21の先端部21bは、ガイド140の凹部(凹円錐面)145にてその径方向への動きが規制されているため、このようなときには、絶縁体21の先端部21bに、図11の拡大図中に示したように、絶縁体先端ガイドの凹部(凹円錐面)145の一側から横荷重(分力)Fが作用することになる。そして、前記したような滑石圧縮工程においては、その進行、すなわち、圧縮荷重の増大にともない、絶縁体21の先端部21bがガイド140から受ける反力(バネによる弾性力)も増大するから、前記したような横荷重(分力)Fも大きくなり、このような横荷重Fは滑石47の圧縮の最終段階で最大となる。上記した割れや折損は、絶縁体の先端等が、このような横荷重の増大に起因して生じる応力に抗することができないようになり、生じると考えられる。
他方、上記構造のスパークプラグでは、滑石圧縮工程も含め、絶縁体21は、その先方向き環状面23が、金具本体31内の後方向き環状面36にて支持される構造を有している。このため、滑石圧縮工程においては、本体31さえその圧縮荷重に対して支持されるようになっていれば、その圧縮の進行自体に支障がでることは無い。すなわち、滑石圧縮工程において、絶縁体21の先端部21bが絶縁体先端ガイド140の凹部(支持部)145にて支持されていないとしても、圧縮荷重の受圧自体には問題はない。一方、滑石圧縮工程の終了時の近くまで、絶縁体先端ガイド140による絶縁体21の先端部21bのガイド、支持がなされていれば、絶縁体の同心精度が損なわれることもないと考えられる。そこで本願発明者は、滑石圧縮工程において上記したような割れや折損の生じる荷重付与の経過時点を調べ、その時点の前である滑石圧縮工程の終了時(時点)の前の適時において、絶縁体先端ガイド140を絶縁体21の先端から離すように移動するようにしたところ、絶縁体の先端等に生じる上記したような割れや折損の発生を殆ど解消でき、しかも、同心精度も許容範囲内に保持できることが知られた。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、絶縁体の同心精度の低下を招くことなく、滑石圧縮工程において発生する絶縁体の先端又は先端寄り部位における割れや折損の発生を防止できるスパークプラグの製造方法を提供することをその目的としてなされたものである。
請求項1に記載の本発明は、軸孔を有する絶縁体と、該軸孔の先端に設けられた中心電極と、前記絶縁体の部分を包囲する異径で筒状の金具本体とを含み、
該絶縁体が、その外周面に設けられた先方向き環状面において、該金具本体の内周面に設けられた後方向き環状面に支持されてなり、しかも、この両環状面の後方における該金具本体の後端寄り部位の内周面と、前記絶縁体の外周面との間の環状空間に充填されて圧縮された滑石を備えてなるスパークプラグの製造方法であって、
その製造途中の組立仕掛品の段階で該滑石を圧縮するための滑石圧縮工程に、
該組立仕掛品を構成している前記金具本体を、その先端側から内挿して支持する支持穴を備えた支持体と、
該支持穴に内挿される該金具本体に部分が包囲されている前記絶縁体の先端部を、該絶縁体の先端の中心が該支持穴の中心軸線と同心となるようにガイドし、かつ後端側へ押圧可能な状態で支持する支持部を有し、先後に移動可能に設けられた絶縁体先端ガイドと、
該支持部にて支持される前記絶縁体の先端部を、該絶縁体先端ガイドを介して、後方に向けて弾性的に押圧可能の絶縁体圧縮バネと、
前記滑石を後方から圧縮する滑石プレス治具と、を備える滑石圧縮装置を用い、
前記組立仕掛品を構成している前記金具本体をその先端側から前記支持穴に挿入した後、
前記絶縁体の先端部にて、前記絶縁体先端ガイドの前記支持部を先方に押させて前記絶縁体圧縮バネを圧縮して、該支持部が前記絶縁体の先端部を後方に向けて押圧するよう弾性力を作用させている状態の下で、前記滑石プレス治具によって前記滑石を所定の圧縮状態に圧縮する滑石圧縮工程において、
該滑石圧縮工程の終了前の適時に、前記絶縁体先端ガイドの前記支持部を前記絶縁体の先端部から離し、該滑石圧縮工程の終了まで、該先端部に前記絶縁体圧縮バネによる弾性力を作用させないことを特徴とする、スパークプラグの製造方法である。
請求項2に記載の本発明は、軸孔を有する絶縁体と、該軸孔の先端に設けられた中心電極と、前記絶縁体の部分を包囲する異径で筒状の金具本体とを含み、
該絶縁体が、その外周面に設けられた先方向き環状面において、該金具本体の内周面に設けられた後方向き環状面に支持されてなり、しかも、この両環状面の後方における該金具本体の後端寄り部位の内周面と、前記絶縁体の外周面との間の環状空間に充填されて圧縮された滑石を備えてなるスパークプラグの製造方法であって、
その製造途中の組立仕掛品の段階で該滑石を圧縮するための滑石圧縮工程に、
該組立仕掛品を構成している前記金具本体を、その先端側から内挿して支持する支持穴を備えた支持体と、
該支持穴に内挿される該金具本体に部分が包囲されている前記絶縁体の先端部を、該絶縁体の先端の中心が該支持穴の中心軸線と同心となるようにガイドし、かつ後端側へ押圧可能な状態で支持する支持部を有し、先後に移動可能に設けられた絶縁体先端ガイドと、
該支持部にて支持される前記絶縁体の先端部を、該絶縁体先端ガイドを介して、後方に向けて弾性的に押圧可能の絶縁体圧縮バネと、
前記滑石を後方から圧縮する滑石プレス治具と、を備える滑石圧縮装置を用い、
前記組立仕掛品を構成している前記金具本体をその先端側から前記支持穴に挿入した後、
前記絶縁体の先端部にて、前記絶縁体先端ガイドの前記支持部を先方に押させて前記絶縁体圧縮バネを圧縮して、該支持部が前記絶縁体の先端部を後方に向けて押圧するよう弾性力を作用させている状態の下で、前記滑石プレス治具によって前記滑石を所定の圧縮状態に圧縮する滑石圧縮工程において、
該滑石圧縮工程の終了前の適時から該滑石圧縮工程の終了まで、前記絶縁体の先端部に作用させていた前記絶縁体圧縮バネによる弾性力を、それより増大させないか、又は低減することを特徴とする、スパークプラグの製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記絶縁体圧縮バネのうち、前記絶縁体先端ガイドが位置する端側と反対側の端側に、該絶縁体圧縮バネを保持する保持体を、前記支持穴の中心軸線に沿って移動可能に設けておき、該保持体を、前記滑石圧縮工程の終了前の適時に、前記組立仕掛品から離間する方向に移動すること、を特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記滑石圧縮装置に、前記絶縁体先端ガイドと前記絶縁体圧縮バネとに加え、
該支持穴に内挿される該金具本体の先端部を、該金具本体の先端の中心が該支持穴の中心軸線と同心となるようにガイドし、かつ後端側へ押圧可能な状態で支持する本体先端支持部を有し、先後に移動可能に設けられた本体先端ガイドと、該本体先端支持部にて支持される該金具本体の先端部を、該本体先端ガイドを介して、後方に向けて弾性的に押圧可能の本体圧縮バネと、を備えるものを用い、
前記滑石圧縮工程において、
前記金具本体の先端部にて、前記本体先端ガイドの前記本体先端支持部を先方に押させて前記本体圧縮バネを圧縮している状態の下で、前記滑石プレス治具によって前記滑石を所定の圧縮状態に圧縮することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法である。
請求項5に記載の発明は、前記絶縁体圧縮バネのうち、前記絶縁体先端ガイドが位置する端側と反対側の端側に、該絶縁体圧縮バネを保持する保持体を、前記支持穴の中心軸線に沿って移動可能に設けておき、該保持体にて、前記本体圧縮バネのうち、前記本体先端ガイドが位置する端側と反対側の端側を保持させ、該保持体を、前記滑石圧縮工程の終了前の適時に、前記組立仕掛品から離間する方向に移動すること、を特徴とする請求項4に記載のスパークプラグの製造方法である。
請求項6に記載の発明は、軸孔を有する絶縁体と、該軸孔の先端に設けられた中心電極と、前記絶縁体の部分を包囲する異径で筒状の金具本体とを含み、
該絶縁体が、その外周面に設けられた先方向き環状面において、該金具本体の内周面に設けられた後方向き環状面に支持されてなり、しかも、この両環状面の後方における該金具本体の後端寄り部位の内周面と、前記絶縁体の外周面との間の環状空間に充填されて圧縮された滑石を備えてなるスパークプラグの製造方法であって、
その製造途中の組立仕掛品の段階で該滑石を圧縮するための滑石圧縮工程を、前記滑石を所定の圧縮状態に圧縮する本圧縮工程と、該本圧縮工程の前に該本圧縮工程より小さい圧縮力で該滑石を圧縮する予備圧縮工程とに分け、
該予備圧縮工程に、
該組立仕掛品を構成している前記金具本体を、その先端側から内挿して支持する支持穴を備えた支持体と、
該支持穴に内挿される該金具本体に部分が包囲されている前記絶縁体の先端部を、該絶縁体の先端の中心が該支持穴の中心軸線と同心となるようにガイドし、かつ後端側へ押圧可能な状態で支持する支持部を有し、先後に移動可能に設けられた絶縁体先端ガイドと、
該支持部にて支持される前記絶縁体の先端部を、該絶縁体先端ガイドを介して、後方に向けて弾性的に押圧可能の絶縁体圧縮バネと、
前記滑石を後方から圧縮する滑石プレス治具と、を備える滑石圧縮装置を用い、
該予備圧縮工程において、
前記組立仕掛品を構成している前記金具本体をその先端側から前記支持穴に挿入した後、
前記絶縁体の先端部にて、前記絶縁体先端ガイドの前記支持部を先方に押させて前記絶縁体圧縮バネを圧縮して、該支持部が前記絶縁体の先端部を後方に向けて押圧するよう弾性力を作用させている状態の下で、前記滑石プレス治具によって前記滑石を、前記本圧縮工程より小さい圧縮力で圧縮して、該滑石が予備圧縮されてなる滑石予備圧縮組立仕掛品を得た後、
前記本圧縮工程をおいて、前記絶縁体の先端部に荷重を作用させることなく、該滑石予備圧縮組立仕掛品における前記滑石を所定の圧縮状態に圧縮することを特徴とする、スパークプラグの製造方法である。
請求項1に記載の発明では、絶縁体の先端部に作用する絶縁体圧縮バネによる弾性力(圧縮力)を、従来のように滑石圧縮工程の終了まで作用させるのではなく、その終了前の適時から終了時まで、絶縁体の先端部から絶縁体先端ガイドを離すこととして、作用させないこととしている。このため、例えば、絶縁体の先端寄り部位に曲り変形があるために、滑石圧縮工程の終了時に、絶縁体の先端部に絶縁体先端ガイドから横荷重を受けるような場合でも、本発明では、そのような横荷重を受けることが無い。よって、従来のように滑石圧縮工程の終了時において絶縁体の先端部に大きな横荷重(外力)が作用することも、それにより発生していた割れや折損等の発生も防止される。なお、前記絶縁体先端ガイドの前記支持部を前記絶縁体の先端部から離すタイミングは、滑石圧縮工程において受ける絶縁体圧縮バネの圧縮により、絶縁体の先端部が受ける圧縮力の増大状態や、それとの関係で発生していたその先端等の割れ等の発生状況から、その先端の同心精度が損なわれず、その先端部に過大な外力が作用しない時点を、試験圧縮に基づいて割り出し、設定すればよい。
請求項1では、前記絶縁体先端ガイドを前記絶縁体の先端部から離すこととしているが、請求項2に記載のように、該滑石圧縮工程の終了前の適時から該滑石圧縮工程の終了まで、前記絶縁体の先端部に作用させていた前記絶縁体圧縮バネによる弾性力を、それより増大させないか、又は低減することとしてもよい。すなわち、絶縁体の先端部が横荷重を受けるとしても、その横荷重が小さく、その先端等に割れ、折損等の発生防止が図られればよいためである。この場合において、弾性力を低減等させる前記適時については、その先端の同心精度が損なわれず、しかも、その先端部等に割れ等を発生させない圧縮時点がいつであるかを、圧縮試験に基づいて割り出し、設定すればよい。なお、このように弾性力を小さくするためには、例えば、前記絶縁体圧縮バネのうち、前記絶縁体先端ガイドと反対側に位置する端を、前記組立仕掛品から離間する方向に移動して、そのバネの圧縮が緩められるようにすればよい。
請求項1又は2においては、請求項3に記載のように、前記絶縁体圧縮バネのうち、前記絶縁体先端ガイドが位置する端側と反対側の端側に、該絶縁体圧縮バネを保持する保持体を、前記支持穴の中心軸線に沿って移動可能に設けておき、該保持体を、前記滑石圧縮工程の終了前の適時に、前記組立仕掛品から離間する方向に移動すること、とすればよい。
なお、本発明において用いられる滑石圧縮装置は、請求項4に記載のように、前記絶縁体先端ガイドと前記絶縁体圧縮バネとに加え、該支持穴に内挿される該金具本体の先端を、その中心が該支持穴の中心軸線と同心となるようにガイドして、その先端部を支持する本体先端支持部を有し、先後に移動可能に設けられた本体先端ガイドと、該本体先端支持部にて支持される該金具本体の先端を、該本体先端ガイドを介して、後方に向けて弾性的に押圧可能の本体圧縮バネと、を備えるものを用い、前記滑石圧縮工程において、前記金具本体の先端部にて、前記本体先端ガイドの前記本体先端支持部を先方に押させて前記本体圧縮バネを圧縮している状態の下で、前記滑石プレス治具によって前記滑石を所定の圧縮状態に圧縮するのがよい。
また、請求項4に記載のスパークプラグの製造方法においては、請求項5に記載の発明のように、前記絶縁体圧縮バネのうち、前記絶縁体先端ガイドが位置する端側と反対側の端側に、該絶縁体圧縮バネを保持する保持体を、前記支持穴の中心軸線に沿って移動可能に設けておき、該保持体にて、前記本体圧縮バネのうち、前記本体先端ガイドが位置する端側と反対側の端側を保持させ、該保持体を、前記滑石圧縮工程の終了前の適時に、前記組立仕掛品から離間する方向に移動することで、滑石圧縮装置の構造の単純化が図られる。本発明では、絶縁体の割れ等の発生防止を図ることとしているため、本来は、絶縁体先端ガイドのみを仕掛品の先方(仕掛品から離間する方向に)に移動すればよいといえるが、請求項5に記載の発明のようにし、両ガイドを移動するようにすることで、装置全体の簡素化が図られる。
請求項1〜5に記載の発明では、1つの滑石圧縮工程で滑石に必要とされる圧縮を行うものであり、その1つの滑石圧縮工程において、前記絶縁体の先端部に、その工程の開始から終了前の適時まで、前記絶縁体圧縮バネによる弾性力を作用させる一方で、その適時から同工程の終了までは、同弾性力を作用させないか、それを増大させないか、或いは、低減することとしている。すなわち、請求項1に記載の発明では、1つの滑石圧縮装置を用い、滑石圧縮工程を分けることなく、1つの滑石圧縮工程中において、前記絶縁体の先端部に、前記絶縁体圧縮バネによる弾性力を作用させた状態で滑石の圧縮を行い、その後は、その弾性力を作用させない状態で滑石の圧縮を連続して行うものである。
これに対し請求項6に記載の発明では、滑石圧縮工程を、上記したように、前記滑石を所定の圧縮状態に圧縮する本圧縮工程と、該本圧縮工程の前に該本圧縮工程におけるのよりも小さい圧縮力で該滑石を圧縮する予備圧縮工程との、例えば2回(2ポジション)に分け、予備圧縮工程においてのみ、前記絶縁体の先端部に、前記絶縁体圧縮バネによる弾性力を作用させた状態で滑石の圧縮を行うこととして絶縁体の先端の同心精度の確保を図る。一方、その予備圧縮工程後の本圧縮工程をおいては、前記絶縁体の先端部に荷重を作用させることなく、滑石が予備圧縮された滑石予備圧縮組立仕掛品における前記滑石を所定の圧縮状態に圧縮することとして、請求項1に記載の発明と同様、滑石圧縮工程の終盤において絶縁体の先端部に横荷重(外力)を作用させないこととしている。この予備圧縮工程で作用させる圧縮荷重の大きさ(予備圧縮における最大荷重)は、前記絶縁体の先端部に過大な横荷重が作用して損傷が発生しない範囲で、しかも、後の本発縮工程で、該絶縁体の先端の同心精度が損なわれないような、滑石の圧縮状態が得られるよう、試験プレスに基づき、例えば、本圧縮荷重(最大荷重)の1/4〜1/2程度などとして適宜に設定すればよい。なお、予備圧縮工程で作用させる圧縮荷重は、本圧縮工程で絶縁体の同心精度が損なわれることが無いようにするためには、なるべく大きくするのがよい。
このように、請求項6に記載の発明においては、滑石圧縮工程を、本圧縮工程と、予備圧縮工程とに分けているため、滑石圧縮工程中において、請求項1〜5に記載の発明のように、滑石圧縮工程の適時から終了まで、前記絶縁体圧縮バネによる弾性力を作用させないようにするとか、それを増大させないようにする等の制御を要しないため、製造工程の簡易化が図られる。なお、前記本圧縮工程においては、予備圧縮工程に用いる滑石圧縮装置とは別に設置された、絶縁体先端ガイド等の芯出し機構の無い、従来公知の滑石圧縮装置を用いればよいが、予備圧縮工程に用いた滑石圧縮装置を用い、前記絶縁体先端ガイドの前記支持部が、前記絶縁体の先端部から離れるよう設定しておいて、該滑石を圧縮するものとしてもよい。
本発明のスパークプラグの製造方法を具体化した実施の形態例1における滑石圧縮工程に使用される滑石圧縮装置を説明する模式的断面図。 図1の滑石圧縮装置の支持穴内に、スパークプラグの組立仕掛品を、その先端側を下にして挿入、配置し、金具本体の後端寄り部位の内周面と、絶縁体の外周面との間の環状空間に滑石を配置した状態を示す断面図。 図2において滑石を挿入、配置した後、支持穴内に挿入されている組立仕掛品における絶縁体と本体とを、先方に押し込み、滑石プレス治具で滑石を圧縮している状態を示す断面図。 図3の滑石圧縮工程の終了前の適時に、絶縁体先端ガイド保持体を組立仕掛品の先方に移動して、絶縁体の先端部から絶縁体先端ガイドを離したときを示す断面図、及びその要部拡大図。 本発明のスパークプラグの製造方法を具体化した実施の形態例2の滑石圧縮工程に使用される滑石圧縮装置を説明する模式的断面図。 図5の滑石圧縮装置を用いた滑石圧縮工程の終了前の適時に、保持体を組立仕掛品の先方に移動したときを示す断面図。 予備圧縮工程後の本圧縮工程を説明する滑石圧縮装置等の断面図。 スパークプラグの一例を説明する半縦断面図。 スパークプラグの製造方法における従来の滑石圧縮工程を説明する図であって、Aは滑石を配置する前の図、Bは滑石を配置した後の図。 従来の滑石圧縮工程に使用される滑石圧縮装置、及びその支持穴に仕掛品を挿入した説明用断面図。 図10の滑石圧縮装置を用いて滑石を圧縮する工程の説明用断面図、及びその工程の終了時に絶縁体に割れが発生するのを説明する拡大図。
以下、本発明のスパークプラグの製造方法を具体化した実施の形態例1について、図1〜図4を参照しながら説明する。ただし、本例において製造されるスパークプラグ1は、図8に示したものと同じであり、その製造過程の組立仕掛品も、図9等に示したものと同じ構成のものであり、上述した通りのものである。このため、それらに関しては、同一の部位には同一の符号を付すに止め、その説明は省略する。なお、以下の説明において、金具本体31や絶縁体21等の構成要素、及び組立仕掛品1b、滑石圧縮装置に関して、「先方」とは、各図の下方であり、「後方」はその逆方(上方)をいう。
まず、本例での滑石圧縮工程に使用される滑石圧縮装置100は、滑石の圧縮に際して仕掛品1bを支持する支持体110と、滑石を圧縮する滑石プレス治具200装置等から構成されている。図1〜図4に示したように、支持体110は、仕掛品1bを先端側から内挿して支持する支持穴113を備えて搬送台104に取付けられている。そして、図2に示したように、この支持体110が所定位置にあるときに、仕掛品1bが供給されその支持穴113に挿入され、圧縮前の材料である滑石47が配置される。その後、搬送台104の移動によってその支持体110を滑石プレス位置に移動させ、そこで、図3、図4に示したようにして滑石47の圧縮が行われる。
滑石圧縮装置100について図1等に基づき説明する。支持体110は、異径円形で上下に貫通する空孔を備えており、その空孔の上部が支持穴113をなし、その支持穴113の図示下方には、円環状の本体先端ガイド130、そして、本体先端ガイド130の内側に設けられている円筒状の絶縁体先端ガイド140、さらに、これらをそれぞれ支持する本体圧縮バネ139、絶縁体圧縮バネ149等を備えている。この支持体110は、上部外周面にフランジ115を有する異径円筒状をなし、搬送台104に設けられた平面視円形の嵌合穴105に嵌合された状態で取付けられている。支持体110の支持穴113は、スパークプラグの組立仕掛品(本体)におけるネジ(オネジ)34の部位において、これを隙間嵌めで内挿し、収容するよう形成されており、支持穴(空孔)113の下方が本体先端ガイド130、絶縁体先端ガイド140等のガイド配置スペース117をなしている。
このガイド配置スペース117は、支持穴113と同心で、それより大径の横断面円形の空孔をなし、支持体110の下端であるガイド配置スペース117の下端には、その空孔を閉塞する形で、本体圧縮バネ139の下端を保持する保持体(本体圧縮バネ用保持体)150が固着されている。円環状の本体先端ガイド130は、本体圧縮バネ139の上端に配置されている。この本体先端ガイド130は、支持穴113の中心軸線CLに沿って上下にスライド可能に形成され、本体圧縮バネ139の弾性力(バネ力)により、仕掛品1bを支持穴113に挿入する前、或いは単に挿入しただけでは、図2に示したように、ガイド配置スペース117の上端であり、支持穴113の下端との境界の下向き環状面114に、本体先端ガイド130の外周寄りの上向き環状面が押付けられるよう構成されているが、図3に示したように、滑石47の圧縮を行う前に、支持穴113に挿入されている仕掛品1bを下方に押し込むことで、本体31の先端部31bが本体先端ガイド130を押し下げて本体圧縮バネ139を適度に圧縮する設定とされている。
このように、本体先端ガイド130は、滑石の圧縮に際しては、支持穴113の中心軸線CLに沿って上下にスライドするように設けられていると共に、本体圧縮バネ139にて中心軸線CLに沿って仕掛品(本体)を、後方(図示上方)に向けて押圧可能に設けられている。そして、この本体先端ガイド130は、本例ではその上部の中心寄り部位の外周面が、凸となす円錐面(凸円錐面)に形成されており、その上端寄り部位(凸円錐面)である本体先端支持部135にて、支持穴113内に挿入、配置される組立仕掛品1bにおける金具本体31の先端(面)31aの内周縁(円環状部)である先端部31bを支持し、その先端31aが支持穴113の中心軸線CLと同心となるようガイドするよう形成されている(図3参照)。すなわち、本体圧縮バネ139にて本体先端ガイド130を後方に弾性的に押し、本体先端支持部135をなす凸円錐面が、本体31の中心(軸線)CLを、支持穴113の中心軸線CLと同心に保持し得るよう構成されている。
本体圧縮バネ139を支持する保持体(本体圧縮バネ保持体)150の中央には、支持穴113と同心で円形穴153が設けられており、この円形穴153内には、絶縁体圧縮バネ149の下端を支持する保持体(絶縁体圧縮バネ保持体)160が、上下にスライド可能に配置されている。この絶縁体圧縮バネ保持体160は、滑石圧縮装置100に固定された油圧シリンダ170のロッド173の先端に取付けられている。そして、絶縁体圧縮バネ149の上端には、円筒状をなす絶縁体先端ガイド140が配置されている。この絶縁体先端ガイド140は、円環状をなす本体先端ガイド130の中空部(円形穴部)137内において、その中心、すなわち、支持穴113の中心軸線CLに沿って上下にスライド可能に配置されている。ただし、この絶縁体先端ガイド140は、その上端の内周面が凹となす円錐面(凹円錐面)からなる先すぼまり状の凹部をなし、この凹部をなす支持部145が、支持穴113内に挿入配置される組立仕掛品1bにおける絶縁体21の先端(面)21aの外周縁である先端部21bを支持し、その先端21aの中心が径方向へ移動するのを規制し、支持穴113の中心軸線CLと同心となるようガイドするよう形成されている。なお、本体先端ガイド130等を含め、滑石圧縮装置100を構成する部材は金属製とされるが、本例では絶縁体先端ガイド140は硬質の樹脂製とされ、絶縁体21の先端部21bへの接触における金属微粉の付着防止が図られている。
この絶縁体先端ガイド140は、油圧シリンダ170のロッド173が図示上方に向けて、例えば所定ストローク押し出されているとき、絶縁体圧縮バネ149の弾性力によって常時、後方(図示上方)に押圧されており、絶縁体先端ガイド140の下端の外周に設けられたフランジ147を、本体先端ガイド130の下端面の中空部周縁(下向き環状面)に係止させる設定とされている。そして、滑石47の圧縮を行う前に、支持穴113に挿入されている仕掛品1bが下方に押し込まれることで、絶縁体21の先端21aが同心に保持されながら、絶縁体先端ガイド140の支持部145を先方に押圧し、絶縁体圧縮バネ149を適度に圧縮する設定とされている。
なお、本例に用いる滑石圧縮装置100をなす支持体110は、搬送台104の移動により、その支持穴113に仕掛品1bを供給、挿入する位置から、滑石47を圧縮する位置に移動させられる。その移動後の位置においては、支持体110の支持穴113、およびそこに挿入されている仕掛品1bの中心軸線CLと同軸で、本体押え治具210、絶縁体押え治具220、さらには滑石プレス治具200を下降させ得るよう備えている(図3参照)。この滑石プレス治具200は、外径が本体31の後端寄り部位の内周面33の内径より微量小さく、内径が絶縁体21の後方軸部29の外径より微量大きい円筒状をなしている。また、本体押え治具210は、図示しないバネを介して、その円環状内周の先端向き面にて、本体31の後端寄り部位(ねじ込み用多角形部38の後端)を適度の弾性で押え付け得るよう設けられている。そして、絶縁体押え治具220は、図示しないバネを介して、その円環状内周の先端向き面にて、絶縁体21の後方軸部29の後端を押え付け得るように設けられている。
このような本例では、次のようにして滑石47の圧縮が行われる。すなわち、図2に示したように、所定位置にある支持体110の支持穴113に組立仕掛品1bをその先端側から内挿する。そして、図2に示したように、本体31の後端寄り部位の内周面33と、絶縁体21の後方軸部29の外周面との間の環状空間に、Oリングパッキン45と所定量の滑石47を、その順で装填、配置する。その後、その搬送台104を移動して、当該支持体110を滑石プレス位置に移動させる。
この滑石プレス位置においては、図3に示したように、本体押え治具210と、絶縁体押え治具220を下降して、支持穴113内に挿入されている仕掛品1bにおける本体31の後端寄り部位と、絶縁体21の後端とをそれぞれ押え付ける。この押え付けにより、本体31は、そのフランジ37の先端向き面において、支持穴113の開口端周縁(支持体110の上面112に)に支持される共に、先端31aの内周縁である先端部31bが、本体先端ガイド130の本体先端支持部135をなす凸円錐面に押付けられ、これを適量押し下げ、本体圧縮バネ139を圧縮する。これにより、本体31の先端31aは支持穴113の中心軸線CLと同心となるようガイドされ、位置決めされる。そして、絶縁体21の先端部21bも絶縁体先端ガイド140の支持部145に押付けられて、これを押し下げ、絶縁体圧縮バネ149を圧縮する。かくして、絶縁体21の先端21aは、絶縁体先端ガイド140にて支持穴113の中心軸線CLに同心となるようガイドされ、位置決めされる。
本例における滑石47の圧縮は、このような押え治具210,220による押え付け状態の下で、滑石プレス治具200、すなわち、円筒状をなし、外径が本体31の後端寄り部位の内周面33の内径より微量小さく、内径が絶縁体21の後方軸部29の外径より微量大きい円筒状をなして、組立仕掛品1bと同心配置で設けられている滑石プレス治具200を所定ストローク(所定の圧縮荷重となるよう)押し下げる。これにより滑石47は所定の圧縮状態に圧縮されるが、その滑石圧縮工程の終了の直前の適時に、図4に示したように、シリンダ170を駆動して、絶縁体圧縮バネ149を保持する保持体(絶縁体圧縮バネ保持体160)を図示下方に、所定量、引き下げ、絶縁体先端ガイド140を絶縁体21の先端部21bから離し、この状態を滑石圧縮工程の終了まで保持する。
こうすることで本例では、保持体160の引き下げ前まで、絶縁体21の先端部21bに作用し、増大していた絶縁体圧縮バネ149による弾性力が、その引き下げ後は作用しないので、従来におけるような滑石圧縮工程の終了時において、絶縁体21の先端部21bに過大な圧縮荷重を作用させることがない。結果、絶縁体21の先端部21b等に曲り変形等があり、従来であれば滑石圧縮工程で大きな圧縮力を受けるような場合でも、その先端部21bに絶縁体先端ガイド140の支持部145から過大な横荷重が作用しないので、絶縁体21における割れや折損等の損傷防止が図られる。なお、保持体160を引き下げたとしても、絶縁体21は、その先方向き環状面41を本体31内の後方向き環状面に係止させる構造を有している等により、本体31から先方に抜け出すことも、もちろんない。
すなわち、滑石47の圧縮工程における圧縮荷重は、次第に増大し、その滑石圧縮工程の終了時に最大となり、従来であれば、絶縁体21の先端部21bが絶縁体先端ガイド140から受ける外力も、その終了時に最大になるところ、本例では、滑石圧縮工程の終了直前から終了時まで、絶縁体先端ガイド140を絶縁体21の先端部21bから離すこととしているため、絶縁体21の先端部21bに、過大な外力が作用することはない。よって、滑石圧縮工程において、絶縁体21に割れや折損等の損傷の発生の未然防止が図られる。しかも、本例では、滑石圧縮工程中でも、本体先端ガイド130による本体31の先端部31bの支持は保持されたままであるから、支持穴113内における本体31の先端31aの芯ずれを招くこともない。
本例において、絶縁体先端ガイド140を絶縁体21の先端部21bから離すタイミング、すなわち、保持体160を引き下げるタイミングは、上記もしたように、滑石圧縮工程において、滑石47の必要な圧縮が行われ、絶縁体21の先端部21bが受ける圧縮力の増大によって発生していたその先端等の割れや折損が発生せず、しかも、その先端の同心精度が損なわれない時点を、圧縮試験に基づいて割り出し、設定すればよい。なお、保持体160の引き下げは、滑石47の圧縮ごと、そのように割り出されたときの圧縮力をセンサで検知させて、シリンダ170を駆動するようにしてもよい。
滑石47の圧縮の終了後は、滑石プレス治具200、絶縁体押え治具220、本体押え治具210を引き上げる等してから、その仕掛品1bを支持穴113から取り出せばよい。そして、このような滑石47の圧縮を終えた後は、次工程において、本体31の後端を内側に折り曲げて先方に押す塑性変形(カシメ加工)を行い、接地側電極の曲げ加工等を行うことで、スパークプラグとなる。
上記例では、絶縁体先端ガイド140を絶縁体21の先端部21bから離すようにしたが、絶縁体先端ガイド140の支持部145が絶縁体21の先端部21bに接触しているとしても、その先端に割れ等の折損が生じないよう、絶縁体21の先端部21bに作用する絶縁体圧縮バネ149による弾性力(圧縮荷重)を滑石圧縮工程の終了前の適時から増大させないか、又は低減する制御をすることとしてもよい。すなわち、上記例におけるような滑石圧縮装置100では、滑石圧縮工程の終了前の適時から滑石圧縮工程の終了まで、絶縁体21の先端部21bに過大な圧縮力が作用しないよう、シリンダ170を駆動して、絶縁体圧縮バネ149を保持する保持体160を図示下方に、適量、引き下げて絶縁体圧縮バネ149の圧縮量を減らすようにしてもよい。上記例におけるように、絶縁体先端ガイド140を絶縁体21の先端部21bから離すようにする場合には、このように絶縁体圧縮バネ149の圧縮量を減らす場合のように、その減少量を考慮する必要が無いので、保持体(絶縁体先端ガイド140)160の動作制御が簡単となり工程の簡略化が図られる。ただし、このように絶縁体先端ガイド140を絶縁体21の先端部21bから離すことなく、絶縁体圧縮バネ149の弾性力(圧縮荷重)を制御する場合には、滑石圧縮工程の終了まで、それによるガイドが得られるため、絶縁体21の先端21aの同心精度の低下防止が図られる。上記例では、絶縁体圧縮バネ149を保持する保持体160をシリンダ170の駆動によって引き下げるシリンダ駆動によるものとしたが、例えばカム機構等の別の機構によることもできる。
また上記例では、本体圧縮バネ139の下端を保持する保持体(本体圧縮バネ用保持体)150を、支持体110の下端に固着し、絶縁体圧縮バネ149を保持する絶縁体圧縮バネ保持体160と別体のものとして具体化した場合で説明したが、上記例において、図5に示したように、1つの保持体180で、絶縁体圧縮バネ149と、本体圧縮バネ139とを保持するようにしておいてもよい。図5では、保持体180を横断面が上下に一定の円筒体からなる有底カップ形状としてあり、そのカップの円筒部183の内壁面の内側が、上記例におけるガイド配置スペース117をなすよう構成されており、保持体180は支持体110の下部の空孔をなす内壁面116に沿って、円筒部183でもって上下にスライドするようにされている。このようにすることで、図6に示したように、この保持体180を支持体110内においてシリンダ170等の駆動手段で引き下げ、絶縁体先端ガイド140を絶縁体21の先端部21bから離すか、絶縁体21の先端部21bに作用する荷重を低減するようにしておいてもよい。なお、この場合には、本体先端ガイド130も、本体31の先端部31bから離れるか、本体31の先端部31bに作用する本体圧縮バネ139による弾性力も低減するが、その構造に基づき、滑石圧縮装置100の構造の簡素化が図られる。
上記各例では、1つの滑石圧縮工程(1圧縮工程)にて滑石47に要求される圧縮を連続して行っており、そして、その1つの工程中、絶縁体21の先端部21bに、その工程の開始から終了前の適時まで、絶縁体圧縮バネ149による弾性力を作用させる一方で、その適時から同工程の終了までは、同弾性力を作用させないか、それを増大させないか、或いは、低減した状態に保持して、滑石47を所定の圧縮状態まで圧縮して、その圧縮を終えるというものである。これに対し、次に、滑石を予備的に圧縮する予備圧縮工程と、その後、この予備圧縮工程における圧縮力より大きい圧縮力にて、予備的に圧縮された滑石を所定の圧縮状態まで圧縮する本圧縮工程との、2回(2ポジション)に分けて圧縮する場合について説明する。すなわち、この場合には、予備圧縮工程においてのみ、例えば図3に示した滑石圧縮装置100を用い、仕掛品1bにおける絶縁体21の先端部21bに、絶縁体圧縮バネ149による弾性力を作用させた状態で滑石47の予備的な圧縮を行うこととして、絶縁体21の先端の同心精度の確保をも図る。一方で、その後は、図7に示したような別の滑石圧縮装置102を用い、絶縁体21の先端部21bには荷重を作用させることなく、滑石47が予備圧縮された仕掛品(滑石予備圧縮組立仕掛品)1cにおける滑石47を所定の最終的な圧縮状態に圧縮する本圧縮工程を行う。これにより、この後の本圧縮工程をおいては、絶縁体21の先端部21bに横荷重(外力)を作用させないですむ。より具体的には次のようである。なお、図7に示した滑石圧縮装置102等は、図3に示した滑石圧縮装置100等を簡略化したものであるため、図3におけるのと同一部位には同一の符号を付すに止め、その説明を省略する。
例えば、予備圧縮工程に、図3に示した滑石圧縮装置100を用い、組立仕掛品1bを構成している金具本体31をその先端側から支持穴113に挿入した後、絶縁体21の先端部21bにて、絶縁体先端ガイド140の支持部145を先方に押させて絶縁体圧縮バネ149を圧縮して、支持部145が絶縁体21の先端部21bを後方に向けて押圧するよう弾性力を作用させ、その状態の下で、滑石プレス治具200によって滑石47を、後の2回目の本圧縮工程で付与する圧縮力より小さい圧縮力で圧縮して、滑石47が予備圧縮された滑石予備圧縮組立仕掛品を得る。なお、この予備圧縮工程は、例えば上記したのと同様に、本体押え治具210と、絶縁体押え治具220を下降して、支持穴113内に挿入されている仕掛品1bにおける本体31の後端寄り部位と、絶縁体21の後端とをそれぞれ押え付けた状態の下で行えばよい(図3参照)。かくして、この予備圧縮工程では、本体31の先端31aは、支持穴113の中心軸線CLと同心となるようガイドされ、位置決めされると共に、絶縁体21の先端21aは、絶縁体先端ガイド140にて支持穴113の中心軸線CLに同心となるようガイド、位置決めされ、しかも、滑石47が適度に予備圧縮された予備圧縮組立仕掛品を得る。
その後の本圧縮工程をおいては、この予備圧縮組立仕掛品を、その滑石47の圧縮を可能に位置決め、支持し、絶縁体21の先端部21bに荷重を作用させないようにした状態の下で、図3におけるのと同構造の滑石プレス治具200を下降させる等して、滑石47を所定の圧縮状態に圧縮する本圧縮をすればよい。図7に示したような、滑石圧縮装置102を用いて本圧縮工程を行う場合には、その支持穴113に、予備圧縮組立仕掛品1cにおける金具本体31をその先端側から挿入し、その絶縁体21の先端部21bに荷重が作用しないようにして、その支持穴113と同軸の配置で設けられている滑石プレス治具200を、所定ストローク下降させるか、所定の圧縮状態となるようその滑石47を圧縮すればよい。かくして、滑石を所定の圧縮状態にした後は、上記したのと同様の工程を経ることで、スパークプラグを得ることができる。
なお、予備圧縮工程で作用させる圧縮荷重の大きさ(予備圧縮における最大荷重)は、絶縁体21の先端部21bに過大な横荷重が作用して損傷が発生しない範囲で、しかも、後の本発縮工程で、該絶縁体21の先端の同心精度が損なわれないような、滑石の圧縮状態が得られるよう、試験プレスに基づき、例えば、本圧縮荷重(最大荷重)の1/4〜1/2程度などとして適宜に設定すればよいのは上記したとおりである。また、予備圧縮工程で作用させる圧縮荷重は、本圧縮工程で絶縁体21の同心精度が損なわれることが無いようにするためには、なるべく大きくするのがよい。
上記各例におけるよう、1つの滑石圧縮工程中において、絶縁体21の先端部21bに、絶縁体圧縮バネ149による弾性力を作用させた状態で滑石47の圧縮を行うと共に、当該1つの滑石圧縮工程の適時から終了まで、絶縁体圧縮バネ149による弾性力を作用させないようにしたり、それを増大させない等する場合には、そのための制御を要するのに対し、滑石圧縮工程を、前記例におけるように、予備圧縮工程と本圧縮工程とに分ける場合には、このような制御を要しないため、製造工程の簡易化が図られる。なお、最終的な圧縮を行う本圧縮工程においては、絶縁体の先端部に荷重を作用させないで、滑石が所望とする圧縮状態になるものであればよく、したがって、適宜の滑石圧縮装置を用いることができる。このため、図3に示したような滑石圧縮装置100を用い、本圧縮工程においては、図4に示したように、その絶縁体先端ガイド140の支持部145が、絶縁体21の先端部21bから離れるよう設定しておき、その状態の下で、滑石47を圧縮するものとしてもよい。
上記各例では、滑石47の圧縮工程(前例では予備圧縮工程)において、絶縁体21の先端21aだけでなく、本体31の先端31aをも支持穴113の中心軸線CLと同心となるようにガイドして支持する本体先端ガイド130を備える滑石圧縮装置100を用いた場合で説明したが、このような本体先端ガイド130は、本発明において必須の構成ではない。ただし、本体先端ガイドについては、別の手段も含め、本体31の先端31aの径方向への移動が規制されるようにしておくのが好ましい。また、本発明において、絶縁体先端ガイド140における支持部145は、凹円錐面ではなく、絶縁体21の先端部21bを支持し、かつ、径方向への移動を規制することのできる凹部であればよく、上記例における形状、構造の凹部に限定されるものではない。
本発明のスパークプラグの製造方法は、上記したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜に変更して具体化できる。また、製造されるスパークプラグも上記例におけるものに限定されるものではない。例えば、上記例では、絶縁体が、その外周面に設けられた先方向き環状面において、金具本体の内周面に設けられた後方向き環状面に、パッキンを介して支持されてなる構造のものにおいて説明したが、このようなパッキンを備えないものにおいても、上記したような滑石を備える構造を有する公知のスパークプラグであり、その製造において、上記したような滑石圧縮工程を含むスパークプラグの製造に広く適用できる。
1 スパークプラグ
1b 組立仕掛品
5 中心電極
21 絶縁体
21a 絶縁体の先端
21b 絶縁体の先端部
23 絶縁体の外周面の先方向き環状面
31 金具本体
31a 金具本体の先端
31b 金具本体の先端部
33 金具本体の後端寄り部位の内周面
36 金具本体の内周面の後方向き環状面
47 滑石
51 接地側電極
100 滑石圧縮装置
110 滑石圧縮装置の支持体
113 支持体の支持穴
130 本体先端ガイド
135 本体先端支持部
139 本体圧縮バネ
140 絶縁体先端ガイド
145 絶縁体先端ガイドの支持部
149 絶縁体圧縮バネ
160 絶縁体圧縮バネを保持する保持体
180 保持体
200 滑石プレス治具
CL 支持穴の中心軸線

Claims (6)

  1. 軸孔を有する絶縁体と、該軸孔の先端に設けられた中心電極と、前記絶縁体の部分を包囲する異径で筒状の金具本体とを含み、
    該絶縁体が、その外周面に設けられた先方向き環状面において、該金具本体の内周面に設けられた後方向き環状面に支持されてなり、しかも、この両環状面の後方における該金具本体の後端寄り部位の内周面と、前記絶縁体の外周面との間の環状空間に充填されて圧縮された滑石を備えてなるスパークプラグの製造方法であって、
    その製造途中の組立仕掛品の段階で該滑石を圧縮するための滑石圧縮工程に、
    該組立仕掛品を構成している前記金具本体を、その先端側から内挿して支持する支持穴を備えた支持体と、
    該支持穴に内挿される該金具本体に部分が包囲されている前記絶縁体の先端部を、該絶縁体の先端の中心が該支持穴の中心軸線と同心となるようにガイドし、かつ後端側へ押圧可能な状態で支持する支持部を有し、先後に移動可能に設けられた絶縁体先端ガイドと、
    該支持部にて支持される前記絶縁体の先端部を、該絶縁体先端ガイドを介して、後方に向けて弾性的に押圧可能の絶縁体圧縮バネと、
    前記滑石を後方から圧縮する滑石プレス治具と、を備える滑石圧縮装置を用い、
    前記組立仕掛品を構成している前記金具本体をその先端側から前記支持穴に挿入した後、
    前記絶縁体の先端部にて、前記絶縁体先端ガイドの前記支持部を先方に押させて前記絶縁体圧縮バネを圧縮して、該支持部が前記絶縁体の先端部を後方に向けて押圧するよう弾性力を作用させている状態の下で、前記滑石プレス治具によって前記滑石を所定の圧縮状態に圧縮する滑石圧縮工程において、
    該滑石圧縮工程の終了前の適時に、前記絶縁体先端ガイドの前記支持部を前記絶縁体の先端部から離し、該滑石圧縮工程の終了まで、該先端部に前記絶縁体圧縮バネによる弾性力を作用させないことを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
  2. 軸孔を有する絶縁体と、該軸孔の先端に設けられた中心電極と、前記絶縁体の部分を包囲する異径で筒状の金具本体とを含み、
    該絶縁体が、その外周面に設けられた先方向き環状面において、該金具本体の内周面に設けられた後方向き環状面に支持されてなり、しかも、この両環状面の後方における該金具本体の後端寄り部位の内周面と、前記絶縁体の外周面との間の環状空間に充填されて圧縮された滑石を備えてなるスパークプラグの製造方法であって、
    その製造途中の組立仕掛品の段階で該滑石を圧縮するための滑石圧縮工程に、
    該組立仕掛品を構成している前記金具本体を、その先端側から内挿して支持する支持穴を備えた支持体と、
    該支持穴に内挿される該金具本体に部分が包囲されている前記絶縁体の先端部を、該絶縁体の先端の中心が該支持穴の中心軸線と同心となるようにガイドし、かつ後端側へ押圧可能な状態で支持する支持部を有し、先後に移動可能に設けられた絶縁体先端ガイドと、
    該支持部にて支持される前記絶縁体の先端部を、該絶縁体先端ガイドを介して、後方に向けて弾性的に押圧可能の絶縁体圧縮バネと、
    前記滑石を後方から圧縮する滑石プレス治具と、を備える滑石圧縮装置を用い、
    前記組立仕掛品を構成している前記金具本体をその先端側から前記支持穴に挿入した後、
    前記絶縁体の先端部にて、前記絶縁体先端ガイドの前記支持部を先方に押させて前記絶縁体圧縮バネを圧縮して、該支持部が前記絶縁体の先端部を後方に向けて押圧するよう弾性力を作用させている状態の下で、前記滑石プレス治具によって前記滑石を所定の圧縮状態に圧縮する滑石圧縮工程において、
    該滑石圧縮工程の終了前の適時から該滑石圧縮工程の終了まで、前記絶縁体の先端部に作用させていた前記絶縁体圧縮バネによる弾性力を、それより増大させないか、又は低減することを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
  3. 前記絶縁体圧縮バネのうち、前記絶縁体先端ガイドが位置する端側と反対側の端側に、該絶縁体圧縮バネを保持する保持体を、前記支持穴の中心軸線に沿って移動可能に設けておき、該保持体を、前記滑石圧縮工程の終了前の適時に、前記組立仕掛品から離間する方向に移動すること、を特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
  4. 前記滑石圧縮装置に、前記絶縁体先端ガイドと前記絶縁体圧縮バネとに加え、
    該支持穴に内挿される該金具本体の先端部を、該金具本体の先端の中心が該支持穴の中心軸線と同心となるようにガイドし、かつ後端側へ押圧可能な状態で支持する本体先端支持部を有し、先後に移動可能に設けられた本体先端ガイドと、該本体先端支持部にて支持される該金具本体の先端部を、該本体先端ガイドを介して、後方に向けて弾性的に押圧可能の本体圧縮バネと、を備えるものを用い、
    前記滑石圧縮工程において、
    前記金具本体の先端部にて、前記本体先端ガイドの前記本体先端支持部を先方に押させて前記本体圧縮バネを圧縮している状態の下で、前記滑石プレス治具によって前記滑石を所定の圧縮状態に圧縮することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
  5. 前記絶縁体圧縮バネのうち、前記絶縁体先端ガイドが位置する端側と反対側の端側に、該絶縁体圧縮バネを保持する保持体を、前記支持穴の中心軸線に沿って移動可能に設けておき、該保持体にて、前記本体圧縮バネのうち、前記本体先端ガイドが位置する端側と反対側の端側を保持させ、該保持体を、前記滑石圧縮工程の終了前の適時に、前記組立仕掛品から離間する方向に移動すること、を特徴とする請求項4に記載のスパークプラグの製造方法。
  6. 軸孔を有する絶縁体と、該軸孔の先端に設けられた中心電極と、前記絶縁体の部分を包囲する異径で筒状の金具本体とを含み、
    該絶縁体が、その外周面に設けられた先方向き環状面において、該金具本体の内周面に設けられた後方向き環状面に支持されてなり、しかも、この両環状面の後方における該金具本体の後端寄り部位の内周面と、前記絶縁体の外周面との間の環状空間に充填されて圧縮された滑石を備えてなるスパークプラグの製造方法であって、
    その製造途中の組立仕掛品の段階で該滑石を圧縮するための滑石圧縮工程を、前記滑石を所定の圧縮状態に圧縮する本圧縮工程と、該本圧縮工程の前に該本圧縮工程より小さい圧縮力で該滑石を圧縮する予備圧縮工程とに分け、
    該予備圧縮工程に、
    該組立仕掛品を構成している前記金具本体を、その先端側から内挿して支持する支持穴を備えた支持体と、
    該支持穴に内挿される該金具本体に部分が包囲されている前記絶縁体の先端部を、該絶縁体の先端の中心が該支持穴の中心軸線と同心となるようにガイドし、かつ後端側へ押圧可能な状態で支持する支持部を有し、先後に移動可能に設けられた絶縁体先端ガイドと、
    該支持部にて支持される前記絶縁体の先端部を、該絶縁体先端ガイドを介して、後方に向けて弾性的に押圧可能の絶縁体圧縮バネと、
    前記滑石を後方から圧縮する滑石プレス治具と、を備える滑石圧縮装置を用い、
    該予備圧縮工程において、
    前記組立仕掛品を構成している前記金具本体をその先端側から前記支持穴に挿入した後、
    前記絶縁体の先端部にて、前記絶縁体先端ガイドの前記支持部を先方に押させて前記絶縁体圧縮バネを圧縮して、該支持部が前記絶縁体の先端部を後方に向けて押圧するよう弾性力を作用させている状態の下で、前記滑石プレス治具によって前記滑石を、前記本圧縮工程より小さい圧縮力で圧縮して、該滑石が予備圧縮されてなる滑石予備圧縮組立仕掛品を得た後、
    前記本圧縮工程をおいて、前記絶縁体の先端部に荷重を作用させることなく、該滑石予備圧縮組立仕掛品における前記滑石を所定の圧縮状態に圧縮することを特徴とする、スパークプラグの製造方法。
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