JP2020085863A - 中性子吸収材、溶融燃料の管理方法、溶融燃料の取り出し方法及び原子炉の停止方法 - Google Patents

中性子吸収材、溶融燃料の管理方法、溶融燃料の取り出し方法及び原子炉の停止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】中性子をより効率的に吸収可能な中性子吸収材、溶融燃料の管理方法、溶融燃料の取り出し方法及び原子炉の停止方法を提供する。【解決手段】中性子吸収材は、金属と、ホウ素及びガドリニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む化合物と、を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、中性子吸収材、溶融燃料の管理方法、溶融燃料の取り出し方法、及び原子炉の停止方法に関する。
沸騰水型原子力プラント、加圧水型原子力プラント等の原子力プラントでは、核燃料物質を含む複数の燃料集合体が原子炉の炉心に装荷されている。炉心内に装荷されてから所定の運転サイクル数で原子炉の運転を経た燃料集合体は、使用済燃料集合体として原子炉内から原子炉外に搬出されている。
特許文献1には、原子力発電プラントの燃料を、炉心と燃料貯蔵プールとの間で自動的に移送する自動燃料交換装置が記載されている。自動燃料交換装置を用いて通常の運転サイクルで燃料集合体を搬出する際に臨界が発生しないよう、搬送する際の燃料集合体一体の大きさが設計されている。そのため、燃料集合体を一体ずつ搬出すれば臨界となる恐れはなく、安全に搬出できる。
一方で、万一、スリーマイル原子力発電所の原子力プラントのように、原子炉内の炉心に装荷している燃料集合体に含まれる核燃料物質が溶融する事故が発生した場合には、この溶融した核燃料物質(以下、「溶融燃料」ともいう。)は、切削して、原子炉から搬出する必要がある。この際には、万一の臨界発生を防止するための手段を講ずる必要がある。
例えば、非特許文献1には、スリーマイル原子力発電所の事故の後、核燃料物質を水中に保持しながら切削及び搬出を行い、その際に使用した水には中性子吸収材であるホウ素を一定以上の濃度となるように添加したという記載がある。
特開平8−262182号公報
Nuclear Technology,vol.87(1989),660−678
非特許文献1に記載のようなホウ素を添加する方法のほか、万一に備え、中性子をより効率的に吸収できるものが望まれている。
上記状況を鑑み、本発明は、中性子をより効率的に吸収可能な中性子吸収材、溶融燃料の管理方法、溶融燃料の取り出し方法及び原子炉の停止方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決する手段は、以下の実施形態を含む。
<1> 金属と、
ホウ素及びガドリニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む化合物と、
を含有する、中性子吸収材。
<2> 前記化合物が、さらに、ケイ素及びジルコニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む、<1>に記載の中性子吸収材。
<3> 前記金属が、ステンレス鋼を含む、<1>又は<2>に記載の中性子吸収材。
<4> 前記化合物の含有率が、5体積%以上である、<1>〜<3>のいずれか一項に記載の中性子吸収材。
<5> 粒子状物であり、前記粒子状物の最長径の平均値が0.1mm〜10mmである、<1>〜<4>のいずれか一項に記載の中性子吸収材。
<6> ホウ素及びガドリニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む化合物と、金属粒子と、樹脂結着材と、を含有する第一粒子を準備する工程と、
前記第一粒子を常圧又は減圧下で熱処理する工程と、
を有する、<1>〜<5>のいずれか一項に記載の中性子吸収材の製造方法。
<7> 前記化合物が、さらに、ケイ素及びジルコニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む、<6>に記載の中性子吸収材の製造方法。
<8> 原子炉の内部に漏れ出た溶融燃料の鉛直方向の上方から、<1>〜<5>のいずれか一項に記載の中性子吸収材を投入して、前記中性子吸収材を前記溶融燃料の表面に接触させた状態で前記溶融燃料の未臨界状態を維持する、溶融燃料の管理方法。
<9> 原子炉の内部の燃料棒から漏れ出た溶融燃料の鉛直方向の上方から、<1>〜<5>のいずれか一項に記載の中性子吸収材を投入する工程と、
前記中性子吸収材を前記溶融燃料の表面に接触させた状態で前記溶融燃料を掘削し、前記原子炉の外部に取り出す工程と、
を有する、溶融燃料の取り出し方法。
<10> 前記原子炉の外部に取り出す工程では、掘削機を用いて前記溶融燃料を掘削し、吸引する、<9>に記載の溶融燃料の取り出し方法。
<11> 原子炉の非常の際、前記原子炉の内部に、<1>〜<5>のいずれか一項に記載の中性子吸収材を投入して、前記中性子吸収材が前記原子炉の内部の燃料棒の周囲に堆積した状態にする、原子炉の停止方法。
本発明によれば、中性子をより効率的に吸収可能な中性子吸収材、溶融燃料の管理方法、溶融燃料の取り出し方法及び原子炉の停止方法を提供することができる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
<中性子吸収材>
本開示の中性子吸収材は、金属と、ホウ素及びガドリニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む化合物(以下、「特定化合物」ともいう)と、を含有する。
中性子吸収材が特定化合物を含有することで、中性子吸収能を有する。また、中性子吸収材が特定化合物に加えて金属を含有することで、溶融燃料の中性子を効率良く吸収することができる。その理由は明らかではないが次のように考えられる。
中性子を吸収させる観点からは、中性子吸収材は、溶融燃料のなるべく近傍に存在していることが好ましい。しかしながら、容器内には機械的及び温度的な要因による対流が発生している。そのため、中性子吸収材は、その大きさ及び質量によっては炉内の水中を漂っていることが明らかとなった。特に、溶融燃料の中性子を効率良く吸収するためには、溶融燃料の隙間に中性子吸収材を入り込ませるよう、中性子吸収材を粒子状物(以下、「中性子吸収材粒子」ともいう)にして、大きさを小さくすることが好適である。しかしながら、中性子吸収材粒子を小さくすると、炉内の水中を漂いやすくなり、結果、中性子吸収材粒子が溶融燃料の隙間から抜け出てしまう。また、炉内の水中を漂う中性子吸収材粒子は、作業中の視認性を低下させる恐れがある。
それに対して、本開示の中性子吸収材は、特定化合物に加えて金属を含有するため、比重が大きくなっている。そのため、中性子吸収材をサイズの小さい粒子としても炉内の水中を漂うことが抑えられ、結果、溶融燃料の中性子を効率良く吸収させることができる。さらには、作業中の視認性にも優れる。なお、本開示の中性子吸収材は、比重が大きいことから溶融燃料の近傍に留まることができるため、必ずしも粒子状物としなくてもよい。
また、中性子吸収材が特定化合物に加えて金属を含有することで、特定化合物の水中への溶出量が低減され、水中での使用においても炉内が腐食環境となることが抑制されることも推測される。
非特許文献1に記載の方法でホウ素を炉内の水に添加すると、水と反応して生成したホウ酸が炉内に溶出する可能性がある。その際に炉内の水中のホウ酸濃度が適切に制御されなければ、炉内が腐食環境となる可能性があり、炉内構造物が腐食される懸念がある。
本開示の中性子吸収材において、特定化合物の水中への溶出量が低減される理由は明らかではないが次のように推測することができる。金属が特定酸化物の周囲に存在することで、特定化合物が酸化されてホウ酸等が生成するよりも金属の酸化が優先的に起こり、ホウ酸等の生成が抑えられていることが考えられる。しかしながら、本発明はこのような推測によって限定されない。
上記のように、溶融燃料の中性子を効率良く吸収する観点からは、中性子吸収材は粒子状物であることが好ましい。中性子吸収材粒子の最長径の平均値は、0.1mm〜10mmであることが好ましい。最長径の平均値が0.1mm以上であると、炉内の水流に流されることが抑制される傾向にある。また、最長径の平均値が10mm以下であると、原子炉内の燃料ペレット又は燃料棒の間隙に効果的に入り込む傾向にある。
最長径の平均値は、任意の100個の粒子状物について、最長径を測定し、得られた各最長径の算術平均値を求める。
中性子吸収材粒子の形状は特に限定されず、球状であることが好ましい。
中性子吸収材粒子の平均アスペクト比(最長径/最短径)は、1.0〜2.0であることが好ましい。平均アスペクト比が1.0〜2.0であると、中性子吸収材粒子による容器壁面の損傷が抑えられる傾向にある。
平均アスペクト比は、任意の100個の粒子状物について、最長径及び最短径を測定し、各粒子状物のアスペクト比を算出し、得られた各アスペクト比の算術平均値を求める。
中性子吸収材の見かけの密度は、1.1g/cm以上であることが好ましく、3.0g/cm以上であることがより好ましい。
特定化合物は、ホウ素及びガドリニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む。特定化合物は、さらに、ケイ素及びジルコニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含んでもよい。
ホウ素(B)を含む化合物(ホウ素化合物)としては、例えば、BC(炭化ホウ素)、BN(窒化ホウ素)、及びB(酸化ホウ素)が挙げられる。中性子吸収能のある10Bを濃縮調整でき、比較的安価であることからBCを含むことが好ましい。
中性子吸収材中のホウ素化合物の含有率は、10体積%〜50体積%であることが好ましく、15体積%〜40体積%であることがより好ましく、20体積%〜30体積%であることがさらに好ましい。中性子吸収材中のホウ素化合物の含有率が10体積%以上であると、中性子吸収能がより向上する傾向にあり、50体積%以下であると中性子吸収材の保形性が向上する傾向にある。
ガドリニウム(Gd)を含む化合物としては、酸化ガドリニウム等を挙げることができる。Gdは高価ではあるが、Bの約60倍の中性子吸収断面積を有する元素である。そのため、Gdを用いることによって、中性子吸収量の増加を図ることができる。
ケイ素(Si)を含む化合物としては、酸化ケイ素等を挙げることができる。ジルコニウム(Zr)を含む化合物としては、酸化ジルコニウム等を挙げることができる。酸化ケイ素及び酸化ジルコニウムの少なくとも一種を用いることによって、耐水性が向上する傾向にある。
なお、特定化合物は、ガラス状物であってもよい。ガラス状物の場合には、含まれる成分は酸化物として表すが、酸化物として明確に含有されていなくともよい。ガラス状物の場合には、各成分の含有率は、酸化物換算で表される。
中性子吸収材における特定化合物の含有率は、5体積%以上であることが好ましく、10体積%以上であることがより好ましく、15体積%以上であることがさらに好ましく、20体積%以上であることが特に好ましい。
特定化合物の含有率が5体積%以上であると、中性子吸収能に優れる傾向にある。
特定化合物の含有率の上限値は特に限定されないが、90体積%以下であることが好ましい。特定化合物の含有率が90体積%以下であると、相対的に比重が大きくなって、炉内の水流に流されることが抑制される傾向にある。
金属としては、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル等が挙げられる。耐水性があり、比較的安価であることからステンレス鋼を含むことが好ましい。
中性子吸収材は、金属及び特定化合物のほかに、その他の成分を含んでいてもよい。中性子吸収材中の金属及び特定化合物の総量の占める割合は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることが好ましい。
<中性子吸収材の製造方法>
中性子吸収材の製造方法は特に限定されず、例えば、以下の方法を挙げることができる。
中性子吸収材の製造方法の一例としては、ホウ素及びガドリニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む化合物と、金属粒子と、樹脂結着材と、を含有する第一粒子を準備する工程と、前記第一粒子を常圧又は減圧下で熱処理する工程と、を有する。
(第一粒子の準備工程)
第一粒子は、特定化合物と金属粒子と樹脂結着材とを含有する。特定化合物の詳細は、上述したとおりである。
特定化合物は、粒子状物であることが好ましい。特定化合物の平均粒子径、及び金属粒子の平均粒子径は、それぞれ独立に、0.01mm以上であることが好ましく、0.05mm以上であることがより好ましい。特定化合物の平均粒子径、及び金属粒子の平均粒子径が、それぞれ0.01mm以上であると、静電的な凝集が抑えられ、第一粒子を作製し易い傾向にある。
また、最終物である中性子吸収材の好適な大きさに鑑み、特定化合物の平均粒子径、及び金属粒子の平均粒子径は、それぞれ独立に、1mm以下であることが好ましく、0.1mm以下であることがより好ましい。
樹脂結着材としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。
樹脂結着材の含有率は、第一粒子中、1質量%〜10質量%であることが好ましく、3質量%〜5質量%であることがより好ましい。樹脂結着材の含有率が10質量%以下であると、焼結前の予備加熱での焼け残りの発生が抑制される傾向にある。
第一粒子において、特定化合物と金属粒子の総量に対する特定化合物の含有率は、5体積%以上であることが好ましく、10体積%以上であることがより好ましく、15体積%以上であることがさらに好ましく、20体積%以上であることが特に好ましい。
第一粒子の最長径は、最終物である中性子吸収材の好適な大きさに鑑みて調節することが好ましい。
次工程の熱処理工程を行う前に、第一粒子は予備加熱してもよい。予備加熱は、有機結着材を焼き飛ばす(熱分解して除去する)ことが可能な温度で行うことが好ましい。予備加熱の温度は、使用する有機結着材の種類に応じて設定することができる。
(熱処理工程)
熱処理工程では、第一粒子を常圧又は減圧下で熱処理する。
熱処理は、第一粒子どうしの結着を避けるため、常圧下で行うことが好ましい。また、第一粒子どうしの結着を避けるため、熱処理の温度は、金属粒子の融点未満で行うことが好ましく、0℃〜融点(℃)を100%としたときに60%〜75%の温度で行うことがより好ましい。例えば、金属としてステンレス鋼を用いる場合には、800℃〜1080℃の温度で熱処理することが好ましい。熱処理温度が1080℃以下であると、熱処理後に容易に第一粒子どうしを解砕しやすく、量産性に優れる傾向にある。なお、燃料デブリの取り出し作業においては、トンオーダーの中性子吸収材が必要になることが見込まれるため、量産性に優れることは有用である。
熱処理は、特定化合物及び金属粒子の酸化を避けるため、酸素を含まない雰囲気で行うことが好ましい。また、窒化ホウ素以外のホウ素化合物を使用する場合には、窒素を含まない雰囲気で行うことが好ましい。窒素を含む雰囲気では、ホウ素と窒素が反応して、濡れ性の高い窒化ホウ素が生成し、結果、第一粒子どうしの結着が起こりやすくなる傾向にある。
<溶融燃料の管理方法>
本開示の溶融燃料の管理方法では、原子炉の内部に漏れ出た溶融燃料の鉛直方向の上方から、本開示の中性子吸収材を投入して、前記中性子吸収材を前記溶融燃料の表面に接触させた状態で前記溶融燃料の未臨界状態を維持する。
原子炉の内部に漏れ出た溶融燃料は、塊となって水中に沈んでいる。中性子吸収材が水中に投入されると、溶融燃料の塊の上面を覆うように、中性子吸収材が溶融燃料と直接的に接触する。中性子吸収材は金属を含むため密度が水よりも十分に大きいために、溶融燃料の表面に堆積しやすい。また、溶融燃料の塊内に割れ目があったり、溶融燃料の塊同士の間に隙間があったりする場合には、これらの割れ目、隙間等に中性子吸収材が入り込むことが可能となる。これにより、何らかの理由で、溶融燃料に正の反応度が印加された場合であっても、溶融燃料から発生する中性子を中性子吸収材が遮蔽し、連鎖反応を抑制することによって、臨界に達しないようにすることができる。
<溶融燃料の取り出し方法>
本開示の溶融燃料の取り出し方法は、原子炉の内部の燃料棒から漏れ出た溶融燃料の鉛直方向の上方から、本開示の中性子吸収材を投入する工程と、前記中性子吸収材を前記溶融燃料の表面に接触させた状態で前記溶融燃料を掘削し、前記原子炉の外部に取り出す工程と、を有する。
溶融燃料の取り出し作業の際に、再臨界を起こさせないために、本開示の中性子吸収材を原子炉内に投入する。溶融燃料を原子炉の外部に取り出す工程では、掘削機を用いて溶融燃料を掘削し、吸引してもよい。具体的には、溶融燃料を掘削機のドリルにより破砕し、掘削機の吸引管を介して粒子状になった溶融燃料を吸引してもよい。ここでは、ドリルで掘削して掘り出す方法を例として説明しているが、掘り出す方法はパワーショベルでもよく、掘削機に限定されるものではない。
<原子炉の停止方法>
本開示の原子炉の停止方法では、原子炉の非常の際、前記原子炉の内部に、本開示の中性子吸収材を投入して、前記中性子吸収材が前記原子炉の内部の燃料棒の周囲に堆積した状態にする。これにより、原子炉の核分裂反応を制御し、原子炉を緊急停止させる。
本開示の中性子吸収材は、溶融燃料に入り込んだ状態を維持することが可能となるため、核燃料の反応を抑制し続けることが可能となり、原子炉を長期間停止させやすくなる傾向にある。また、ホウ酸の生成が抑えられる場合には、炉内構造物の腐食を防止できるため、原子炉の長期間停止に寄与する傾向にある。
[実施例1]
特定化合物としてのBC粒子292gに、金属粒子としてのステンレス鋼粒子3708g、有機結着材としてのPVP156g、純水320gを加えてミキサーで撹拌し、そして乾燥させ、造粒粒子を得た。造粒は、粒度の最大頻度が、0.1〜1.0mmとなるようにした。
得られた造粒粒子を550℃で予備加熱することで有機結着材を焼き飛ばし、その後、970℃、真空雰囲気中で8時間の加熱によって焼成し、焼結体を得た。
[実施例2〜7]
実施例1と同様の方法で造粒粒子を作製し、但し、焼成温度を、それぞれ、850℃、900℃、950℃、1000℃、1050℃、1100℃として焼結体を得た。
実施例1〜7によって得られた焼結体について、焼結性及び量産性の評価を実施した。
焼結性については、SEM写真から、金属粒子どうしのネック成長、及び金属粒子とホウ素化合物の析出物の状態により、A:非常に良好、B:良好、C:劣る、と判定した。
量産性については、焼結後の第一粒子どうしの結着が少ないことを評価指標とした。具体的には、焼結後の多数の第一粒子からなるバルク体をラトラー試験機により100回転させ、下記式により質量変化率を算出した。評価結果を表1に示す。
質量変化率(%)=100回転後の解砕された質量/100回転前の全質量×100
実施例1〜6は良好に焼結されており、また、焼結後に容易に第一粒子どうしを解砕しやすく、量産性も良好であった。一方、実施例7は良好に焼結されているため中性子吸収材として使用可能であるが、焼結が進み過ぎて第一粒子どうしの結着が強くなっていた。そのため、量産性を鑑みると、実施例1〜6の条件で製造することが好適であることがわかった。

Claims (11)

  1. 金属と、
    ホウ素及びガドリニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む化合物と、
    を含有する、中性子吸収材。
  2. 前記化合物が、さらに、ケイ素及びジルコニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む、請求項1に記載の中性子吸収材。
  3. 前記金属が、ステンレス鋼を含む、請求項1又は請求項2に記載の中性子吸収材。
  4. 前記化合物の含有率が、5体積%以上である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の中性子吸収材。
  5. 粒子状物であり、前記粒子状物の最長径の平均値が0.1mm〜10mmである、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の中性子吸収材。
  6. ホウ素及びガドリニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む化合物と、金属粒子と、樹脂結着材と、を含有する第一粒子を準備する工程と、
    前記第一粒子を、常圧又は減圧下で熱処理する工程と、
    を有する、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の中性子吸収材の製造方法。
  7. 前記化合物が、さらに、ケイ素及びジルコニウムからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含む、請求項6に記載の中性子吸収材の製造方法。
  8. 原子炉の内部に漏れ出た溶融燃料の鉛直方向の上方から、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の中性子吸収材を投入して、前記中性子吸収材を前記溶融燃料の表面に接触させた状態で前記溶融燃料の未臨界状態を維持する、溶融燃料の管理方法。
  9. 原子炉の内部の燃料棒から漏れ出た溶融燃料の鉛直方向の上方から、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の中性子吸収材を投入する工程と、
    前記中性子吸収材を前記溶融燃料の表面に接触させた状態で前記溶融燃料を掘削し、前記原子炉の外部に取り出す工程と、
    を有する、溶融燃料の取り出し方法。
  10. 前記原子炉の外部に取り出す工程では、掘削機を用いて前記溶融燃料を掘削し、吸引する、請求項9に記載の溶融燃料の取り出し方法。
  11. 原子炉の非常の際、前記原子炉の内部に、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の中性子吸収材を投入して、前記中性子吸収材が前記原子炉の内部の燃料棒の周囲に堆積した状態にする、原子炉の停止方法。
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