JP2020085844A - ゴム材料の動的弾性率測定方法 - Google Patents

ゴム材料の動的弾性率測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】例えば切れ込みのような異形部位を持つ不均一な形状の試験片について動的弾性率E*の測定を可能にする。【解決手段】実施形態に係るゴム材料の動的弾性率測定方法は、ゴム材料からなる試験片10の測定対象部位14にランダムパターンを付与し、該試験片10に繰り返し歪みを与えながら、試験片10を撮影するとともに試験片10にかかる荷重を測定し、撮影により得られた画像からデジタル画像相関法により測定対象部位14の歪みを算出し、測定した荷重から応力を算出し、測定対象部位14の応力と歪みとの比から測定対象部位14の動的弾性率E*を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム材料の動的弾性率を測定する方法に関する。
ゴム材料の粘弾性を解析することは、例えばタイヤ等のゴム製品を開発する上で重要である。粘弾性として動的弾性率Eを測定する場合、従来は短冊状の試験片といった均一な形状の試験片を用いて測定するのが一般的であり、不均一な形状の試験片について局所的な動的弾性率Eを測定することは行われていない。
ところで、ゴム材料の変形を解析する方法として、例えば、非特許文献1には、可視光を用いたカメラによる撮影とデジタル画像相関法を用いて、ゴム材料からなる試験片の切れ込み部の歪みを可視化することが記載されている。非特許文献2には、放射光X線イメージング法を用いてゴム試験片の路面との摩擦時における接触状態を撮影し、当該接触状態を解析することが記載されている。しかしながら、これらの文献には、動的弾性率を測定することは記載されていない。
特許文献1には、放射光X線CTを用いて、ゴム材料からなる試験片の転動時における3次元画像を撮影し、デジタル画像相関法を用いて歪み分布を得ることが記載されている。しかしながら、3次元CT像とデジタル画像相関法との組み合わせは、高速な撮影や時間とともに変化する像は撮影できず、動的弾性率を測定することも記載されていない。
特開2015−96839号公報
チャン・リュー(Chang Liu)、他4名、「カーボンブラック充填SBRの引き裂き抵抗についての裂け目近傍での歪み増大の影響(Influence of Strain Amplification Near Crack Tip on the Fracture Resistanceof Carbon Black-filled SBR)」、Rubber Chemistry andTechnology, Vol.88, No.2, pp276-288 (2015) 網野直也、他2名、「X線イメージング法を用いたゴムと路面の接触状態解析−摩擦時のゴムの破壊挙動とその場観察−」、日本ゴム協会誌、第87巻、第7号、2014、278−283頁
上記のように、不均一な形状の試験片について動的弾性率Eを測定することは従来行われていないが、例えば、実環境で亀裂が入ってしまったゴム製品の動的挙動を模擬する場合、切れ込みが入った試験片における当該切れ込み先端部での動的弾性率Eを測定することが求められる。
本発明の実施形態は、以上の点に鑑み、例えば切れ込みのような異形部位を持つ不均一な形状の試験片について動的弾性率の測定を可能にする方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るゴム材料の動的弾性率測定方法は、ゴム材料からなる試験片の測定対象部位にランダムパターンを付与すること、前記試験片に繰り返し歪みを与えながら前記試験片を撮影すること、前記試験片に繰り返し歪みを与えながら前記試験片にかかる荷重を測定すること、前記撮影により得られた画像からデジタル画像相関法により前記測定対象部位の歪みを算出すること、前記測定した荷重から応力を算出すること、及び、前記測定対象部位の前記応力と前記歪みとの比から前記測定対象部位の動的弾性率を算出すること、を含むものである。
本発明の実施形態であると、例えば切れ込みのような異形部位を持つ不均一な形状の試験片について動的弾性率を測定することができる。
一実施形態に係る動的弾性率測定方法を示すフローチャート 一実施形態に係る試験片の斜視図 一実施形態に係るX線イメージング装置の概略図 実施例における歪み試験での時間と荷重及び歪みとの関係を示すグラフ
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係る動的弾性率測定方法は、ゴム材料の粘弾性を解析する方法であって、ゴム材料からなる試験片の動的弾性率Eを測定するものであり、以下の工程を含む。
(a)ゴム材料からなる試験片の測定対象部位にランダムパターンを付与すること、
(b)前記試験片に繰り返し歪みを与えながら前記試験片を撮影すること、
(c)前記試験片に繰り返し歪みを与えながら前記試験片にかかる荷重を測定すること、
(d)前記撮影により得られた画像からデジタル画像相関法により前記測定対象部位の歪みを算出すること、
(e)前記測定した荷重から応力を算出すること、及び、
(f)前記測定対象部位の前記応力と前記歪みとの比から前記測定対象部位の動的弾性率Eを算出すること。
図1は、一実施形態に係る動的弾性率測定方法のフローチャートである。この例では、工程(b)と工程(c)を同じステップS2で実施しているが、いずれか一方を先に実施してもよい。
実施形態に係る動的弾性率測定方法では、まず、工程(a)において、ゴム材料からなる試験片の測定対象部位にランダムパターンを付与する(ステップS1)。
ゴム材料とは、ゴム状弾性を持つ物質であり、加硫ゴムだけでなく、熱可塑性エラストマーのようなエラストマーも含む概念である。一実施形態として、ゴム材料としては、加硫ゴムが好ましく用いられ、すなわち、ゴムポリマーに硫黄等の加硫剤を含む種々の配合剤を配合したゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムが挙げられる。ゴムポリマーとしては、例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、又はこれらの組み合わせなどの各種ジエン系ゴムが挙げられる。また、配合剤としては、カーボンブラックやシリカなどの充填剤、軟化剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、加硫促進剤など、通常ゴム工業で使用される各種配合剤を用いることができる。
ゴム材料からなる試験片の形状としては、特に限定されない。例えば工程(b)において放射線を透過させて画像を取得する場合、放射線が透過可能であればよく、シート状、円柱状、ブロック状等の種々の形状が挙げられ、好ましくはシート状である。
一実施形態において、試験片としては、切れ込み(即ち、カット)等の異形部位を持つ不均一形状の試験片を用いてもよい。図2は、その一例を示したものであり、短冊状をなす試験片10の幅方向の一方側の辺において、その長手方向の中央部に切れ込み12が設けられている。切れ込み12は、試験片10の長手方向に垂直な方向に切れ目を入れることで形成されている。切れ込み12の長さL1は特に限定されず、試験片10の幅W0の10〜70%でもよい。異形部位としては、切れ込みの他、例えば、試験片の中央部に設けたスリットや、穴(即ち、開口部)などが挙げられる。
測定対象部位は、試験片において局所的な動的弾性率Eを測定する際の当該一部位(解析領域)であり、適宜に設定することができる。例えば、異形部位を持つ不均一形状の試験片を用いる場合、当該異形部位及びその周辺において測定対象部位を設定することができる。一例として、図2に示す切れ込み12を持つ試験片10において、その切れ込み12の先端部を測定対象部位14としてもよい。図2に示す例では、試験片10の長手方向に繰り返し歪みを付与するため、切れ込み12の先端(即ち、裂け目である亀裂の先端)及びその周辺が、測定対象部位14とされている。この場合の測定対象部位14の幅W1は、特に限定されず、例えば、試験片10の幅W0の10〜30%でもよく、適宜に設定することができる。
ランダムパターンは、デジタル画像相関法を行うために試験片に付されるランダムなパターンである。そのため、少なくとも測定対象部位に付与されるが、測定対象部位に付与されていれば、例えば試験片の全体に付与されてもよい。
ランダムパターンは、試験片の表面又は内部に付与することができる。例えば、工程(b)における撮影がX線を用いて画像を取得する場合、ランダムパターンは試験片の表面又は内部に付与してもよい。また、工程(b)における撮影が可視光を用いて画像を取得する場合、ランダムパターンは試験片の表面に付与してもよい。
ランダムパターンを試験片の表面に付与する場合、例えば、マーカ粒子を含むコート液を試験片の表面にスプレーする等して塗布してもよく、あるいはまた、マーカ粒子を含むゴム層を試験片の表面に設けてもよい。また、例えば可視光を用いて画像を取得する場合、着色剤を用いて試験片表面に斑模様などのランダムパターンを付与してもよい。
ランダムパターンを試験片の内部に付与する場合、ゴム材料中にマーカ粒子を配合して、試験片内部にマーカ粒子を分散させることにより、試験片にランダムパターンを付与してもよい。
マーカ粒子とは、デジタル画像相関法で利用されるランダムパターンを形成するための微粒子である。例えば、X線等の放射線によって検出可能な微粒子、即ち放射線イメージング法において検出対象とする微粒子である。マーカ粒子としては、放射線によりコントラストがつきやすい金属元素を含む粒子(即ち、金属元素含有粒子)が用いられ、ゴム材料の大部分を構成する炭素よりも原子番号の大きい金属元素を含み、単粒子として安定なものが挙げられる。具体的には、例えば、タングステン粒子、銀粒子、鉛粒子などの金属粒子、アルミナ粒子などが挙げられる。
マーカ粒子の粒径は、特に限定されず、例えば放射線イメージング法による空間分解能(実行ピクセル数)以上であればよい。なお、空間分解能は、使用する放射線の線幅や発散の仕方により異なる。
次いで、上記で得られた試験片を用い、工程(b)及び工程(c)において該試験片に繰り返し歪みを与えて、試験片を撮影するとともに、試験片にかかる荷重を測定する(ステップS2)。
繰り返し歪みとは、所定の周波数で所定の方向に所定の大きさの歪みを試験片に繰り返して付与することである。歪みは、試験片を引っ張ることによる伸長歪みでもよく、圧縮することによる圧縮歪みでもよい。図3は、伸長歪みの一例として、図2に示す切れ込み12を持つ試験片10に対し、その長手方向に所定の周波数で繰り返しの伸長を与える場合を示したものである。
このように試験片に繰り返し歪みを与えながら、試験片を所定時間毎に連続して撮影することにより、デジタル画像相関法に用いる複数の2次元の静止画像を取得する。撮影は、測定対象部位に対して実施されるものであり、測定対象部位が含まれていれば例えば試験片全体の画像を取得してもよい。撮影は、試験片の繰り返し歪みの1周期中において、所定のタイミングで複数回行われ、これにより、1周期中における歪みの時間的変化を表す複数の画像を取得することができる。
画像の取得方法は特に限定されない。例えば、通常の可視光を用いたカメラによる撮影により、繰り返し歪み変形する試験片の表面に付与されたランダムパターンの写った複数の画像(写真)を取得することができる。あるいはまた、X線などの放射線を試験片に照射してイメージング法により複数の画像を取得してもよい。
イメージング法では、試験片に繰り返し歪みを与えながら、測定対象部位に放射線が透過するように放射線を照射して、放射線イメージング法により複数の二次元画像を取得する。詳細には、放射線イメージング法を用いて、変形する試験片を所定時間毎に連続して撮影することにより、変形挙動を表す複数の静止画像が得られる。放射線イメージング法による画像取得方法自体は、公知の方法で行うことができ、特に限定されない。ここで、放射線とは、広義の放射線を意味し、中性子線などの粒子放射線、X線、ガンマ線、紫外線などの電磁波を包含する。好ましくはX線である。
図3は、一実施形態に係るX線イメージング試験装置の概略を示したものである。短冊状の試験片10は、その長手方向の両端部が不図示のつかみ具に保持された状態で引張試験機に取り付けられ、両側のつかみ具を互いに離隔する方向に移動させ、また互いに近づく方向に移動させることを繰り返すことにより、繰り返しの伸長歪みが付与される。
試験装置には、X線イメージングによる撮影手段として、試験片10にX線を照射する照射手段としてのX線管22と、試験片10を透過したX線を検知する検出器24とが設けられており、検出器24で検知したX線に基づいて二次元画像を取得する。X線管22と検出器24は、試験片10における切れ込み12の先端部に設定した測定対象部位14を挟んで一直線上に配置されており、少なくとも該測定対象部位14にX線が照射されるように、X線管22と検出器24の位置が設定されている。
使用するX線としては、例えば1010(photons/s/mrad2/mm2/0.1%bw)以上の高輝度X線であることが好ましい。このようなX線を放射するシンクロトロンとしては、高輝度光科学研究センターのSPring−8、「知の拠点あいち」のあいちシンクロトロン光センターなどが挙げられる。
また、X線のエネルギーとしては、特に限定されず、例えば、1〜100keVでもよく、10〜50keVでもよい。X線の照射時間(即ち、露光時間)も、特に限定されず、例えば、0.0001〜10000msでもよく、1〜1000msでもよい。フレームレートも、特に限定されず、例えば、1〜10000fpsでもよく、1〜2000fpsでもよい。
工程(c)では、このように試験片を撮影しながら、試験片にかかる荷重を測定する。荷重は、例えば、試験片に繰り返し歪みを付与する試験機に設けられたロードセルにより測定することができ、繰り返し歪みによる変形時における試験片にかかる荷重の時間的変化を求めることができる。
次いで、工程(d)において、上記工程(b)で得られた画像を用いて、デジタル画像相関法により測定対象部位の歪みを算出する(ステップS3)。詳細には、デジタル画像相関法により測定対象部位における変形量(即ち、変形の方向及び大きさ)を求め、該変形量を微分することにより歪みを算出することができる。
デジタル画像相関法は、粒子を含む流動場を連続撮影して得られた可視化画像から微小時間における粒子の変位ベクトルを求め、速度ベクトルを推定する方法である。そのため、上記で得られた複数の画像により、当該画像中に存在する各マーカ粒子の変位量を算出することができ、よって、試験片の測定対象部位における変形量を可視化することができる。そして、この変形量を微分することにより、歪みを算出することができる。詳細には、試験片に対する上記繰り返し歪みの入力方向における変形量分布を当該入力方向で偏微分することにより、入力方向の歪みを算出できる。例えば、上記試験片10の長手方向の変形量分布を当該長手方向で偏微分することにより、長手方向の歪みが算出できる。
より詳細には、デジタル画像相関法は、輝度値パターンの移動追跡を測定原理とする解析手法であり、1時刻目t=tと2時刻目t=t+dtにおける粒子画像について、1時刻目の画像における微小な領域(検査領域)内の輝度値分布と2時刻目の画像における領域(探査領域)内の輝度値分布との相互相関関数を求め、その最大値となる位置を検査領域内の粒子群の平均的な相対位置として推定し、これにより変位ベクトルを求める方法である。画像相関法については、「可視化情報ライブラリー4 PIVと画像解析技術」((株)朝倉書店発行、(社)可視化情報学会編、2012年4月25日発行)の31〜46頁に記載の方法を用いて行うことができ、また市販のソフトウェアを用いて行うこともできる。
測定対象部位の歪みは、測定対象部位の範囲内の歪みの平均値としてもよい。詳細には、測定対象部位を複数の領域に分割し、各領域の変形量分布を微分することにより、各領域の歪みを算出し、その平均値をとることにより、測定対象部位の歪みの平均値が得られる。例えば、上記試験片10の測定対象部位14の範囲内の各歪み値は、測定対象部位14を複数領域に分割し、各領域の長手方向変形量分布を長手方向で偏微分すれば得られる。得られた各領域の歪み値の平均をとることで、測定対象部位14の歪みが得られる。
次いで、工程(e)において、上記工程(c)で得られた荷重を用いて試験片に生じる応力を算出する(ステップS4)。なお、図1に示すフローチャートでは、工程(d)を実施した後に工程(e)を実施しているが、工程(d)と工程(e)の順序は特に限定されない。
応力は、一実施形態として、荷重を当該荷重が作用している面の面積で割ることにより算出することができる。そのため、例えば、図2に示す切れ込み12を持つ試験片10を用いて、図3に示すように伸長歪みを繰り返し付与する場合、荷重が作用している断面積は、切れ込み12を除いた試験片10の幅W2(=W0−L1)に試験片の厚みを乗じて求められるので、工程(c)で得られた荷重をこの断面積で割ることにより、応力が算出される。その際、荷重は、試験片全体に均等にかかっていると仮定する。
動的弾性率Eを算出する際の応力として、応力の振幅値(σ)を用いる場合、荷重の振幅値(F)を用いて、当該荷重の振幅値を、荷重が作用している断面積(A)で割ることにより、応力の振幅値(σ=F/A)が得られる。
次いで、工程(f)において、上記工程(d)で求めた測定対象部位の歪みと、上記工程(e)で求めた応力との比から、測定対象部位の動的弾性率Eを算出する(ステップS5)。
動的弾性率Eは、測定対象部位での応力を測定対象部位での歪みで割ることにより算出される。詳細には、動的弾性率Eを算出する際の応力として応力の振幅値(σ)を用い、測定対象部位の歪みとして当該部位での歪みの振幅値(ε)を用いる場合、測定対象部位の動的弾性率Eは、E=σ/εにより算出される。
このように本実施形態によれば、試験片のうちの局所的な部位である測定対象部位についての動的弾性率Eを測定することができる。そのため、例えば、切れ込みのような異形部位を持つ不均一な形状の試験片について、当該異形部位周辺の局所的な動的弾性率Eを求めることができ、例えば、実環境で亀裂が入ってしまったゴム製品の動的挙動をより正確に模擬することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを用いて、スチレンブタジエンゴム(JSR(株)製「JSR1502」)100質量部に、カーボンブラック(東海カーボン(株)製「シースト3」)50質量部と、亜鉛華(三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」)2質量部と、ステアリン酸(花王(株)製「ルナックS−20」)1質量部と、硫黄(細井化学工業(株)製「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」)2質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ」)1質量部を添加し混練した。次いで、マーカ粒子(シグマアルドリッチ製「製品番号327077 Silver flakes 10μ品」)4質量部をロール表面温度60℃でロール混合して、未加硫ゴム組成物を調製した。
得られた未加硫ゴム組成物を、ロールを用いて、厚み1.00mmの未加硫ゴムシートに成形し、金型モールドでプレス加工(160℃、30分)することにより、厚み1.00mmのゴムシートを作製した。得られたゴムシートを幅9mm×長さ30mmの短冊状に打ち抜き、その中央部に長さ1.42mmの切れ込みを入れることにより、図2に示す試験片10を作製した。切れ込みを除いた試験片10の幅W1は7.58mmである。
得られた試験片10を用いて、図3に示すように、繰り返し伸長歪みを与えながら試験片10の測定対象部位14を撮影し、即ちX線イメージング法により画像を取得した。繰り返し伸長歪みは、動歪み25%(引張試験機のつかみ具間距離を試験片の未伸長状態(0%)から25%伸長状態まで伸長)、周波数0.34Hzとした。測定対象部位14は切れ込み12の先端部であり、切れ込み12の先端から幅W1=1.29mmまでの矩形状の範囲を測定対象部位14とした。
X線の条件及び撮影条件としては、フレームレート:50fsp、X線の露光時間:10ms、X線のエネルギー:15keV、撮影画像の分解能:7μm/pxとした。
また、X線イメージング法による撮影時に、引張試験機のロードセルにより試験片にかかる荷重を測定した。結果を図4に示す。
次いで、得られた複数の画像について、デジタル画像相関法による画像解析を行い、測定対象部位14における変形量を求め、試験片10の長手方向変形量分布を当該長手方向で偏微分することにより、測定対象部位14における長手方向の歪みを算出した。その際、幅W1=1.29mm及び高さ1.98mmの測定対象部位14を、幅方向に3等分、高さ方向に4等分して、合計12領域に分け、各領域の長手方向変形量分布を当該長手方向で偏微分することにより、各領域の長手方向歪みを求め、その平均値を算出することにより、測定対象部位14の歪みを算出した。結果を図4に示す。図4では「切れ込み先端部歪み」として示している。
次いで、得られた荷重から試験片10に生じる応力を算出した。図4に示すように、荷重の振幅値(F)は8.71Nであった。ここで荷重は試験片全体に均等にかかっていると仮定した。切れ込み12が設けられた部分での試験片10の断面積は7.58mm×1.00mmであるため、応力の振幅値(σ)は、
σ=8.71N/(7.58mm×1.00mm)=1.15(MPa)
であった。
一方、測定対象部位14(切れ込み先端部)における歪みの振幅値(ε)は、図4に示すように、0.394(39.4%)である。そのため、測定対象部位14での動的弾性率Eは、
=σ/ε=1.15(MPa)/0.394=2.9(MPa)
であった。
なお、試験片全体での動的弾性率E-totalは、歪みの振幅値が0.25(25%)であるため、
-total=0.15(MPa)/0.250=4.6(MPa)
であった。
以上より、測定対象部位14である切れ込み12の先端部は試験片全体に対して動的弾性率が低く、そのため当該切れ込み先端部での歪みが大きいことが表現できていた。このように、切れ込み等の異形部位を持つ不均一な形状の試験片について、異形部位周辺を測定対象部位としたときの当該測定対象部位での動的弾性率Eを測定できることが分かる。
10…試験片、12…切れ込み、14…測定対象部位

Claims (4)

  1. ゴム材料からなる試験片の測定対象部位にランダムパターンを付与すること、
    前記試験片に繰り返し歪みを与えながら前記試験片を撮影すること、
    前記試験片に繰り返し歪みを与えながら前記試験片にかかる荷重を測定すること、
    前記撮影により得られた画像からデジタル画像相関法により前記測定対象部位の歪みを算出すること、
    前記測定した荷重から応力を算出すること、及び、
    前記測定対象部位の前記応力と前記歪みとの比から前記測定対象部位の動的弾性率を算出すること、
    を含む、ゴム材料の動的弾性率測定方法。
  2. 前記撮影はX線を用いて画像を取得するものであり、前記ランダムパターンは前記試験片の表面又は内部に付与する、請求項1に記載のゴム材料の動的弾性率測定方法。
  3. 前記撮影は可視光を用いて画像を取得するものであり、前記ランダムパターンは前記試験片の表面に付与する、請求項1に記載のゴム材料の動的弾性率測定方法。
  4. 前記測定対象部位が前記試験片に設けられた切れ込みの先端部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム材料の動的弾性率測定方法。
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