JP6909137B2 - ゴム材料の接触状態解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム材料と剛体面との接触状態を解析する方法に関し、また、この解析方法に好適に用いられるX線イメージング用試験片に関する。
従来、例えばタイヤ開発において、トレッドゴムの接地時における挙動を把握するために、ゴム材料と路面に相当する剛体面とを摩擦させたときのゴム材料の変形量を可視化することが求められている。
非特許文献1には、放射光X線イメージング法を用いて、ゴム材料からなる試験片を路面に摩擦させたときのX線イメージング画像を取得することが記載されている。この文献では、X線によって検出可能なマーカ粒子をゴム材料からなる試験片の全体に混合しており、該マーカ粒子によりX線イメージング画像を得ている。しかしながら、マーカ粒子を試験片の全体に分散させると、例えば、粒子画像流速測定法により画像解析する際に、試験片の奥行き方向(即ち、厚み方向)において手前側に位置するマーカ粒子と奥側に位置するマーカ粒子との区別ができず、追跡すべきマーカ粒子を見失ったり、奥行き方向でマーカ粒子を誤認識したりするなどして、正確な解析ができないという問題がある。
特許文献1には、放射光X線CT技術を用いて、ゴム材料からなる試験片の転動時における三次元画像を撮影し、変形状態を観察する方法が記載されており、ゴム材料にマーカ粒子を配合して、デジタル画像相関法により、マーカ粒子の位置情報からゴム材料の歪み分布を得ることが記載されている。しかしながら、三次元CT画像にデジタル画像相関法を組み合わせる方法は技術的に確立されておらず、ゴムの変形量を精度よく評価するには問題がある。
特開2016−008950号公報
網野直也、他2名「X線イメージング法を用いたゴムと路面の接触状態解析−摩耗時のゴムの破壊挙動とその場観察−」、日本ゴム協会誌、第87巻、第7号(2014)、278〜283頁
本発明の実施形態は、ゴム材料と剛体面との接触時における変形量を解析することができる方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るゴム材料の接触状態解析方法は、ゴム材料と剛体面との接触状態を解析する方法であって、マーカ粒子を含まないゴム材料からなる試験片本体と、マーカ粒子を含むゴム層であって前記試験片本体により両側から挟まれた状態に設けられたゴム層と、を備える試験片を準備し、前記試験片を剛体面に接触させて変形させながら、X線が前記ゴム層を透過するように前記試験片にX線を照射して、X線イメージング法により複数の二次元画像を取得し、得られた複数の二次元画像から粒子画像流速測定法により変形量を算出するものである。
本発明の実施形態に係るX線イメージング用試験片は、ゴム材料と剛体面との接触状態を解析するためにX線を照射して用いられるX線イメージング用試験片であって、マーカ粒子を含まないゴム材料からなる試験片本体と、マーカ粒子を含むゴム層であって前記試験片本体により両側から挟まれた状態に設けられたゴム層と、を備えるものである。
本発明の実施形態では、X線イメージング法により画像を取得するため試験片として、マーカ粒子を含むゴム層を試験片本体により挟み込むようにして設けた試験片を用いる。該試験片はその奥行き方向の全体にはマーカ粒子を有しておらず、得られた二次元画像は試験片の奥行き方向の一部に位置するマーカ粒子によるものである。そのため、粒子画像流速測定法による画像解析において、奥行き方向の全体でマーカ粒子が存在することによる誤認識などの不具合を解消して、接触時における試験片の変形量を解析することができる。
一実施形態に係る接触状態解析方法を示すフローチャート 一実施形態に係る試験片の斜視図 一実施形態に係るX線イメージング試験装置の概略図 実施例1における解析結果を示す図 実施例2において追跡対象の粒子を示すX線イメージングによる画像 実施例2における解析結果を示すグラフ
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係る解析方法は、ゴム材料と剛体面との接触状態を解析する方法であり、試験片を準備する工程と、該試験片を用いてX線イメージング法により画像を取得する工程と、得られた画像を解析する工程とを含む。
ここで、ゴム材料とは、ゴム状弾性を持つ物質であり、加硫ゴムだけでなく、熱可塑性エラストマーのようなエラストマーも含む概念である。また、剛体面とは、ゴム材料を接触させて変形させるための剛性を持つ物体の表面であり、弾性変形するゴム材料に対し、変形しない面である。例えばタイヤ開発においては、路面ないし模擬路面が剛体面として用いられる。
試験片の準備工程では、マーカ粒子を含まないゴム材料からなる試験片の内部に、マーカ粒子を含むゴム層を設けた試験片を準備する。すなわち、試験片は、マーカ粒子を含まないゴム材料からなる試験片本体と、マーカ粒子を含むゴム層であって試験片本体により両側から挟まれた状態に設けられたゴム層と、を備えてなる。
試験片本体としては、例えば、円柱状やブロック状などの厚みを持ったゴム材料が用いられる。ゴム材料としては、加硫ゴムが好ましく用いられ、すなわち、ゴムポリマーに硫黄等の加硫剤を含む種々の配合剤を配合したゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムが挙げられる。ゴムポリマーとしては、例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、又はこれらの組み合わせなどの各種ジエン系ゴムが挙げられる。また、配合剤としては、カーボンブラックやシリカなどの充填剤、軟化剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、加硫促進剤など、通常ゴム工業で使用される各種配合剤を用いることができる。但し、試験片本体のゴム材料には、マーカ粒子は配合しない。
試験片本体の厚みは、特に限定しないが、入射X線の軸に沿った方向での厚みが2.0mmを超えるものが用いられ、3〜10mmでもよい。ここで、試験片本体の厚みとは、上記ゴム層の両側に位置する試験片本体の合計の厚みである。
ゴム層としては、試験片本体と同様に、加硫ゴムからなる層が挙げられるが、試験片本体に固着していれば、加硫されていなくてもよい。ゴム層を形成するゴム組成物としては、特に限定されないが、試験片本体を形成するゴム組成物と同様のものを用いることができる。但し、ゴム層には、マーカ粒子が配合される。
ここで、マーカ粒子とは、X線によって検出可能な微粒子、即ち、X線イメージング法において検出対象とする微粒子であり、例えば、X線を吸収可能な銀粒子やアルミナ粒子等が挙げられる。
マーカ粒子の配合量は、特に限定されず、例えば、ゴムポリマー100質量部に対して0.01〜100質量部でもよく、1〜10質量部でもよい。
ゴム層の厚みは、特に限定しないが、入射X線の軸に沿った方向での厚みが0.1mm以上2.0mm未満であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5mmであり、0.5〜1.0mmでもよい。ゴム層の厚みを小さくすることにより、奥行き方向で存在するマーカ粒子による誤認識などの不具合をより確実に解消することができる。
ゴム層は、試験片本体に挿入された薄い層である。詳細には、ゴム層は、X線の透過方向における試験片の一断面を構成する層であり、少なくともX線を透過させる部分における奥行き方向の1箇所において試験片本体により両側から挟み込まれるように保持されている。本実施形態では、剛体面に対する接触状態を解析するため、ゴム層は、試験片の内部から剛体面に接触する面に達するように設けられている。ゴム層は、通常は、入射X線の軸に垂直な層として設けられている。
試験片の準備工程は、一実施形態において、図1に示すように、試験片本体を準備する工程S1と、ゴム層を形成するゴムシートを準備する工程S2と、試験片本体によりゴムシートを挟み込んで試験片を作製する工程S3とを含んでもよい。
例えば、工程S1において、マーカ粒子を含まないゴム材料からなる未加硫の試験片本体を2つに分割して作製し、工程S2において、マーカ粒子を含む未加硫のゴムシートを作製し、工程S3において、2つに分割して作製した試験片本体の間にゴムシートを挟み込んで、両者を一体に加硫成形することにより、奥行き方向の一断面のみにマーカ粒子の層を設けた試験片を得てもよい。
図2は、一実施形態に係る試験片10を示したものであり、中空円柱状をなす試験片本体12と、その厚み方向(即ち、奥行き方向)の1箇所に設けられたゴム層14とからなる。試験片10は、その周面10Aを剛体面に対する接触面とし、周面10Aから立ち上がる左右の側面のうち一方の側面10BにX線が照射される。
ゴム層14は、側面10Bに平行な層として厚み方向の1箇所に設けられており、図の例では、厚み方向の中央部に設けられている。試験片本体12は、ゴム層14の一方側に位置する第1部分12Aと、他方側に位置する第2部分12Bとからなり、これら第1部分12Aと第2部分12Bとの間にゴム層14が挟み込まれている。なお、この例では、試験片10の一断面の全体にゴム層14が設けられているが、必ずしも全体に設ける必要はなく、一部のみに設けてもよい。剛体面に対する接地状態を観察する上では、ゴム層14は、試験片10の断面のうち少なくとも接触部近傍に設けられていればよく、例えば、試験片10の一断面における周方向の1箇所において、接触面である周面10Aに隣接する外周側の一部のみに設けられてもよい。
図2において、ゴム層14の厚みをT2で示す。また、試験片本体12の厚みは、第1部分12Aの厚みT11と第2部分12Bの厚みT12との合計である。
次いで、図1に示すように、上記で得られた試験片を用いてX線イメージング法により画像を取得する工程S4(即ち、画像取得工程)を行う。
画像取得工程では、上記試験片を剛体面に接触させて変形させながら、X線がゴム層を透過するように試験片にX線を照射して、X線イメージング法により複数の二次元画像を取得する。詳細には、試験片を変形させながら、少なくとも剛体面との接触部を含む変形部分にX線を照射する。そして、放射光X線イメージング法を用いて、変形する試験片を所定時間毎に連続して撮影することにより、変形挙動を表す複数の静止画像が得られる。
剛体面としては、路面ないし模擬路面を用いることができ、例えば、平坦面でもよく、凹凸面でもよく、湾曲面でもよい。
本実施形態は、上記試験片の構成に特徴があり、X線イメージング法による画像取得方法自体は、公知の方法で行うことができ、特に限定されない。
図3は、一実施形態に係るX線イメージング試験装置の概略を示したものである。中空円柱状をなす試験片10は、その軸方向を水平方向に向けて不図示の固定具により固定されている。剛体面20は、この例では、小径の円柱状部材の周面、即ち円柱面である。該剛体面20を、矢印Aで示すように水平方向に移動させ、これにより、円柱状をなす試験片10の周面10Aと剛体面20とを摩擦させて試験片10を変形させる。これはタイヤによる突起の乗り越えを想定したものである。このときの試験片10の変形挙動を可視化する。
試験装置には、X線イメージングによる撮影手段として、試験片10にX線を照射する照射手段としてのX線管22と、試験片10を透過したX線を検知する検出器24とが設けられており、検出器24で検知したX線に基づいて二次元画像を取得する。X線管22と検出器24は、試験片10と剛体面20との接触部を挟んで一直線上に配置されており、この接触部にX線が照射されるように、X線管22と検出器24の高さが設定されている。
X線管22から出たX線は、ゴム層14を透過するように試験片10の側面10Bに照射される。この例では、側面10Bは入射X線の軸に垂直であり、X線は試験片10の厚み方向(即ち、奥行き方向)においてゴム層14とともに試験片本体12を透過する。
使用するX線としては、例えば1010(photons/s/mrad2/mm2/0.1%bw)以上の高輝度X線であることが好ましい。このようなX線を放射するシンクロトロンとしては、高輝度光科学研究センターのSPring−8、「知の拠点あいち」のあいちシンクロトロン光センターなどが挙げられる。
また、X線のエネルギーとしては、特に限定されず、例えば、1〜100keVでもよく、10〜50keVでもよい。X線の照射時間(即ち、露光時間)も、特に限定されず、例えば、0.0001〜10000msでもよく、1〜1000msでもよい。フレームレートも、特に限定されず、例えば、1〜10000fpsでもよく、1〜2000fpsでもよい。
次いで、上記で得られた複数の二次元画像から粒子画像流速測定法(PIV)によりマーカ粒子の変位量を算出する画像解析工程を行う。
粒子画像流速測定法は、粒子を含む流動場を連続撮影して得られた可視化画像から微小時間における粒子の変位ベクトルを求め、速度ベクトルを推定する方法である。そのため、上記で得られた複数の二次元画像により、当該画像中に存在する各マーカ粒子の変位量を算出することができ、よって、試験片の変形量を可視化することができる。すなわち、試験片と剛性面との接触部における試験片の各部位での変形の方向及び大きさを求めることができ、面内分布および定量性のある変形量解析が可能となる。さらに、変形量を微分することにより、歪みも算出することができる。例えば、x方向の変形量分布をx方向で微分すれば、x方向歪みが算出できる。
粒子画像流速測定法には、デジタル画像相関法(DIC)と、粒子追跡法(PTV)がある。デジタル画像相関法は、マーカ粒子の濃度が大きい場合に好適な手法であり、粒子追跡法は、マーカ粒子の濃度が小さい場合に好適な手法である。そのため、上記で得られた画像におけるマーカ粒子の濃度に応じて、いずれかの手法を選択すればよい。
デジタル画像相関法は、輝度値パターンの移動追跡を測定原理とする解析手法であり、より詳細には、1時刻目t=tと2時刻目t=t+dtにおける粒子画像について、1時刻目の画像における微小な領域(検査領域)内の輝度値分布と2時刻目の画像における領域(探査領域)内の輝度値分布との相互相関関数を求め、その最大値となる位置を検査領域内の粒子群の平均的な相対位置として推定し、これにより変位ベクトルを求める方法である。
一方、粒子追跡法は、個々の粒子像の移動追跡を測定原理とする解析手法であり、より詳細には、個々の粒子の位置情報を用いて自動的に粒子を追跡し、追跡された粒子の画像座標を実空間に変換して速度ベクトルを算出する方法である。
デジタル画像相関法については、「可視化情報ライブラリー4 PIVと画像解析技術」((株)朝倉書店発行、(社)可視化情報学会編、2012年4月25日発行)の31〜46頁に記載の方法を用いて行うことができる。また、粒子追跡法については、同文献の16〜30頁に記載の方法を用いて行うことができる。
画像解析工程は、一実施形態において、図1に示すように、マーカ粒子の濃度ないし密度を計算する工程S5と、算出した濃度が判別値以上か否かを判別する工程S6と、判別値以上の場合にデジタル画像相関法を用いて変位量を算出する工程S7と、判別値未満の場合に粒子追跡法を用いて変位量を算出する工程S8とを含んでもよい。このように二次元画像におけるマーカ粒子の濃度に基づいて、デジタル画像相関法と粒子追跡法を選択することによって、より精度の高い変位量の算出が可能になる。
このような判別に用いる濃度として、上記文献「可視化情報ライブラリー4 PIVと画像解析技術」の18頁に記載された、下記式(1)で表される相対距離ργを用いてもよい。
Figure 0006909137
式中、γmaxは画像における粒子の最大移動距離、Nは全画像内の粒子数、Aは画像の面積であり、N/Aは1つの粒子が割り当てられる領域の大きさを示す。ργ≧1のときには高密度として、デジタル画像相関法を用い、ργ<1のときには低密度として、粒子追跡法を用いることができる。
以上説明した本実施形態によれば、X線イメージング法により画像を取得するため試験片として、奥行き方向の一断面のみにマーカ粒子が存在する試験片を用いている。そのため、X線イメージング法により二次元画像を取得するときに、試験片の奥行き方向の全体にはマーカ粒子が存在しておらず、一断面のみに存在するマーカ粒子による二次元画像が得られる。そのため、奥行き方向の全体でマーカ粒子が存在することによる誤認識などの不具合を解消して、接触時における試験片の変形量を精度よく解析することができる。また、本実施形態では、試験片の内部の変形を可視化することができるため、例えば、タイヤ開発において、トレッドブロックの中央部におけるゴム摩擦時の変形を可視化することができる。
図2に示す例では、試験片10の奥行き方向における中央部にゴム層14を設けたが、ゴム層14の位置は、奥行き方向の中央には限定されず、奥行き方向における様々な位置に設けることができる。
また、奥行き方向におけるゴム層14の位置が異なる複数の試験片を作製し、それぞれの試験片について画像取得工程及び画像解析工程を行うことにより、各位置での変形量を可視化することにより、試験片全体の変形量を可視化してもよい。
更に、試験片の表面(即ち、図2における側面10B)にマーカ粒子を含むゴム層を設けた試験片を作製し、該試験片について、上記と同様の画像取得工程及び画像解析工程を行ってもよい。これにより、試験片の表面(側面部)の変形も可視化することができるため、本実施形態に係る試験片内部の変形を可視化することと組み合わせて、表面も含めた試験片全体での変形量を可視化することができる。
[実施例1]
バンバリーミキサーを用いて、スチレンブタジエンゴム(JSR(株)製「JSR1502」)100質量部に、カーボンブラック(東海カーボン(株)製「シースト3」)50質量部と、亜鉛華(三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」)2質量部と、ステアリン酸(花王(株)製「ルナックS−20」)1質量部と、硫黄(細井化学工業(株)製「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」)2質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ」)1質量部を添加し混練して、試験片本体用の未加硫ゴム組成物を調製した。
また、上記未加硫ゴム組成物に対して、マーカ粒子(シグマアルドリッチ製「製品番号327077 Silver flakes 10μ品」)をロール表面温度60℃でロール混合して、マーカ粒子を含むマーカゴム層用の未加硫ゴム組成物を調製した。マーカ粒子は、スチレンブタジエンゴム100質量部に対して4質量部添加した。
上記で得られた試験片本体用の未加硫ゴム組成物を、ロールを用いて、幅4mm、厚み3mmの短冊状シートを作製し、該短冊状シートを円筒状の棒に巻きつけて、軸方向での厚みが4mmの中空円柱状の未加硫ゴム成形体を2つ作製した。また、上記で得られたマーカゴム層用の未加硫ゴム組成物を、ロールを用いて、厚み0.5mmの未加硫ゴムシートに成形した。1つの中空円柱状の未加硫ゴム成形体の側面に、マーカゴム層用のゴムシートを隙間なく貼り付け、その後、もう1つの中空円柱状の未加硫ゴム成形体を、上記ゴムシートを挟み込むように貼り合わせて、マーカゴム層の厚みT2が0.5mm、試験片本体の厚みT11=T12=4mm、合計の厚みが8.5mmの中空円柱状の未加硫ゴム成形体を得た。その後、該未加硫ゴム成形体を金型モールドでプレス加工(160℃、30分)することにより、厚み8.5mm、外径50mmの中空円柱状ゴム試験片を作製した。
得られた試験片を用いてX線イメージング法により画像を取得した。剛体面としては、半径500μmの円柱状突起を用いて、該円柱状突起を図3に示すように移動させることにより、円柱状をなす試験片の周面と剛体面とを摩擦させて試験片を変形させた。X線の条件及び撮影条件としては、フレームレート:150fsp、X線の露光時間:2ms、X線のエネルギー:20keV、撮影画像の分解能:0.7μm/pxとした。
次いで、得られた複数の画像について、デジタル画像相関法(DIC)による画像解析を行った。図4はその解析結果を示した図である。図4では、剛体面である突起が画面左から右に移動し、試験片が突起の上をすべるときの変位ベクトルのy成分(突起の移動方向に垂直な方向成分)の絶対値(μm)をプロットした。図4のグレースケールでは、y成分の絶対値が大きいほど白色に近づくように等値線で表した。
図4に示されたように、試験片は、突起の直上では変形量が0に近く動いていないことが分かる。突起の左上および右上では30〜60μmほど動いており、よく変形していることが分かる。このように試験片の変形量を精度よく解析することができた。
[実施例2]
マーカゴム層用の未加硫ゴム組成物に配合するマーカ粒子の量を、スチレンブタジエンゴム100質量部に対して1.5質量部とし、その他は実施例1と同様にして試験片を作製した。また、得られた試験片を用いて、実施例1と同様にして、X線イメージング法により画像を取得した。
得られた複数の画像について、粒子追跡法(PTV)による画像解析を行った。解析では、図5に示すように突起に近い順で複数のマーカ粒子(1番〜9番)に着目し、それぞれのマーカ粒子について突起が画面左から右に移動するときの粒子追跡を行った。図5には、着目した各マーカ粒子の軌跡を動いた方向とともに示している。マーカ粒子の座標から各マーカ粒子の変位ベクトルを求め、図6に、変位ベクトルのy成分(突起の移動方向に垂直な方向成分)の絶対値を縦軸に、横軸に時間をプロットした。
その結果、図6に示すように、突起に近い1番のマーカ粒子は変形量が大きく、突起から遠い9番のマーカ粒子は変形量が小さいことが分かった。このように試験片の変形量を精度よく解析することができた。
10…試験片、12…試験片本体、14…ゴム層、20…剛体面、

Claims (5)

  1. ゴム材料と剛体面との接触状態を解析する方法であって、
    マーカ粒子を含まないゴム材料からなる試験片本体と、マーカ粒子を含むゴム層であって前記試験片本体により両側から挟まれた状態に設けられたゴム層と、を備える試験片を準備し、
    前記試験片を剛体面に接触させて変形させながら、X線が前記ゴム層を透過するように前記試験片にX線を照射して、X線イメージング法により複数の二次元画像を取得し、
    得られた複数の二次元画像から粒子画像流速測定法により変形量を算出する
    ゴム材料の接触状態解析方法。
  2. 前記粒子画像流速測定法がデジタル画像相関法である、請求項1に記載のゴム材料の接触状態解析方法。
  3. 前記粒子画像流速測定法が粒子追跡法である、請求項1に記載のゴム材料の接触状態解析方法。
  4. 前記ゴム層の厚みが0.1mm以上2.0mm未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム材料の接触状態解析方法。
  5. ゴム材料と剛体面との接触状態を解析するためにX線を照射して用いられるX線イメージング用試験片であって、
    マーカ粒子を含まないゴム材料からなる試験片本体と、
    マーカ粒子を含むゴム層であって前記試験片本体により両側から挟まれた状態に設けられたゴム層と、
    を備えるX線イメージング用試験片。
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