JP2020085822A - 化学構造推定装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応前の部分構造及び反応後の部分構造を推定する。【解決手段】化学的な反応の前後で増加した原子及び減少した原子を特定する変化情報に基づいて、複数の部分構造(例えば官能基)が登録されたデータベースが検索される。これにより、反応前の部分構造及び反応後の部分構造を表す部分構造情報が得られる。部分構造情報がマススペクトルと共に表示されてもよい。【選択図】図5

Description

本発明は化学構造推定装置及び方法に関し、特に、マススペクトルに基づいて化学構造を推定する技術に関する。
化学的分析方法として様々な方法が知られている。その中で、質量分析法は、物質に対して質量分析を実行し、これによりマススペクトルを得るものである。反応前の物質のマススペクトルと反応後の物質のマススペクトルとを比較すれば、反応によって、物質を構成する各成分が量的にどの程度変化したのかを特定できる。しかし、従来の質量分析法では、化学構造の変化を特定することは困難である。
なお、質量分析においては、組成推定法が用いられることもある。組成推定法は、マススペクトル中のピークから組成を推定するものである(例えば特許文献1を参照)。その方法は、分子を構成する原子の種別と種別ごとの原子の個数とを推定するものに過ぎず、化学構造を推定するものではない。
特開2017−129534号公報
化合物等の物質に含まれる官能基は当該物質の化学的性質を決める主な要素であり、化学反応が起こりやすい部分でもある。よって、化学分析においては官能基を特定することが重要となる。官能基以外の様々な部分(他の基、繰り返し単位、等)についても、その構造を特定することが望まれる。特に、反応前後での部分構造の変化(反応前の部分構造と反応後の部分構造)を特定したいというニーズが存在する。
本発明の目的は、部分構造を推定できる装置及び方法を実現することにある。
実施形態に係る化学構造推定装置は、複数の部分構造が登録されたデータベースと、化学的な反応の前後で増加した原子及び減少した原子を特定する変化情報に基づいて前記データベースを検索し、反応前の部分構造及び反応後の部分構造の内で少なくとも一方を特定し、それを表す部分構造情報を出力する検索手段と、を含む。
上記構成によれば、複数の部分構造が登録されたデータベースを利用して、変化情報から反応前の部分構造及び反応後の部分構造の一方又は両方を特定することが可能となる。一般に、マススペクトル又はその変化から、化合物の全体構造又はその変化を推定することは困難である。これに対し、化学的な反応(例えば誘導体化)により化合物の一部分が変化する場合、マススペクトルから得られる質量変化等の情報から、その一部分に限って、部分構造の変化を推定することは可能である。上記構成はそのような考え方に基づくものである。
変化情報は、増加した原子及び減少した原子を推定し得る情報であればよく、その概念には、反応前後での質量差又はそれに相当する情報が含まれる。データベースに対して多数の部分構造を網羅的に登録してもよいが、反応の前後で存在する可能性のある複数の部分構造だけを登録するようにしてもよい。
実施形態において、前記変化情報は、前記増加した原子の種別及び個数を特定する増加原子情報、及び、前記減少した原子の種別及び個数を特定する減少原子情報を含む。それらの情報を利用することにより、部分構造の推定精度を高められる。なお、増加した原子が無いという情報も増加原子情報であり、減少した原子が無いという情報も減少原子情報である。
実施形態において、前記検索手段は、前記データベースに登録された複数の部分構造によって定義される複数の部分構造ペアの中から前記変化情報に適合する部分構造ペアを特定し、当該部分構造ペアを構成する反応前の部分構造及び反応後の部分構造を表す前記部分構造情報を出力する。化学的に見てあり得る変化か否かという観点から、部分構造ペアの成否を判断するのが望ましい。データベース上に、複数の部分構造と共に、又は、それに代えて、複数の部分構造ペアが登録されてもよい。望ましくは、データベース上において部分構造ペアごとに部分構造の差分が登録される。その差分は変化情報と対比される情報であり、差分を登録しておけば検索効率を高められる。
実施形態に係る化学構造推定装置は、同一の又は異なるマススペクトル上において特定された反応前ピーク及び反応後ピークに基づいて前記変化情報を演算する変化情報演算手段を含む。この構成によれば、変化情報を正確に求めることが可能となる。また、ユーザーが変化情報を計算及び入力する必要がなくなる。
実施形態において、前記変化情報演算手段は、前記反応前ピークの質量電荷比と前記反応後ピークの質量電荷比との間の差に基づいて、前記変化情報として、増加原子情報及び減少原子情報を演算する。例えば、有機化合物の場合、それを構成する原子の種別は概ね絞れるので、質量電荷比の差、つまり質量差から、原子の種別及び個数、つまり組成差を特定することは可能である。
実施形態に係る化学構造推定装置は、前記反応前の部分構造及び前記反応後の部分構造の両者を表す前記部分構造情報をマススペクトルと共に表示する表示手段を含む。この構成によれば、分子量の変化と同時に構造の変化を視覚的に容易に把握できる。
実施形態において、前記部分構造情報は、前記マススペクトルに含まれる反応前ピーク及び反応後ピークを特定する情報と、前記反応前の部分構造及び前記反応後の部分構造を特定する情報と、を含む。
実施形態に係る化学構造推定方法は、化学的な反応の前後で増加した原子及び減少した原子を特定する変化情報を受け付ける工程と、前記変化情報に基づいて、複数の部分構造が登録されたデータベースを検索し、反応前の部分構造及び反応後の部分構造の内で少なくとも一方を特定する工程と、前記反応前の部分構造及び前記反応後の部分構造の内で少なくとも一方を表す部分構造情報を出力する工程と、を含む。
上記方法は、ハードウエアの機能により、又は、ソフトウエアの機能により実現され得る。後者の場合、上記方法を実行するためのプログラムが、可搬型記憶媒体又はネットワークを介して、情報処理装置にインストールされ得る。情報処理装置の概念には、質量分析システム、マススペクトル解析装置、パーソナルコンピュータ等が含まれる。
本発明によれば、反応前の部分構造及び反応後の部分構造の内で少なくとも一方を推定できる。
実施形態に係る化学構造推定装置の構成例を示すブロック図である。 変化情報演算部での処理例を示す図である。 部分構造データベースを示す図である。 複数の部分構造ペア及び複数の組成差を示す図である。 部分構造推定の第1例を示す図である。 部分構造推定の第2例を示す図である。 第1表示例を示す図である。 第2表示例を示す図である。 第3表示例を示す図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、実施形態に係る化学構造推定装置が示されている。図示された化学構造推定装置10は、後に詳述するように、反応前後での組成差から、反応前の部分構造及び反応後の部分構造を推定する装置である。部分構造の概念には、官能基、他の基、繰り返し単位、等が含まれる。実施形態において、化学構造推定装置10は、図示されていないマススペクトル測定装置と組み合わせて使用され、あるいは、それ単独で使用される。
化学構造推定装置10は、例えば、情報処理装置によって構成される。具体的には、化学構造推定装置10は、演算部12、部分構造データベース14、登録部(編集部)16、変化情報入力部18、表示部20等を有している。
部分構造データベース14には、複数の部分構造が登録される。例えば、複数の官能基、複数の繰り返し単位、等が登録される。個々の部分構造ごとに、必要に応じて、名称が登録される。それ以外の属性が登録されてもよい。後述するように、反応前(化学変化前)の部分構造と反応後(化学変化後)の部分構造とからなる部分構造ペアごとに、差分(組成差)が登録されてもよい。
登録部16は、部分構造データベース14に対して部分構造を登録する際に機能する。通常、ユーザーによって、部分構造データベース14に対して部分構造が登録される。部分構造データベース14に登録される情報がネットワークを介して取得されてもよい。登録部16を利用して部分構造データベース14の内容を編集することが可能であり、その意味において登録部16は編集部とも言い得る。編集の内容としては、部分構造の登録、修正及び削除、属性情報の登録、修正及び削除、等が挙げられる。
演算部12は、CPU及びプログラムによって構成される。それが複数のプロセッサによって構成されてもよい。演算部12は複数の機能を発揮し、図1においては、それが複数のブロックによって表現されている。演算部12は、検索部22、変化情報演算部24、組成差演算部26等を有している。
検索部22は、入力された変化情報に基づいて部分構造データベースを検索することにより、反応前の部分構造と反応後の部分構造とを特定するものである。変化情報は、増加した原子の種別及び種別ごとの原子の個数を特定する増加原子情報と、減少した原子の種別及び種別ごとの原子の個数を特定する減少原子情報と、からなるものである。変化情報は組成差を示す情報とも言える。増加した原子が無いという情報も増加原子情報であり、また、減少した原子が無いという情報も減少原子情報である。
ユーザーが変化情報を入力する場合、変化情報入力部18が利用される。変化情報入力部18は、キーボード、ポインティングデバイス等の入力器によって構成される。他の装置で特定された変化情報が演算部12に入力されてもよい。なお、同じ入力器を利用して、部分構造データベース14へ登録される部分構造が入力されてもよい。
変化情報演算部24は、質量分析装置から入力されるマススペクトル25に基づいて変化情報(増加原子情報、減少原子情報)を演算するモジュールである。後に詳述するように、同じ又は異なるマススペクトル上において反応前ピークと反応後ピークとが指定され、それらのピーク間のm/z差から変化情報が演算される。広い意味において、m/z差それ自体も変化情報である。マススペクトル上において、反応前の複数のピーク及び反応後の複数のピークが指定されてもよい。なお、各ピークについて組成推定を行った上で、2つの組成の差として、変化情報が演算されてもよい。
組成差演算部26は、反応前の部分構造と反応後の部分構造とからなる部分構造ペアごとに組成差を演算するモジュールである。検索の都度、複数の部分構造ペアについて複数の組成差を演算してもよいが、複数の組成差を事前に演算しておき、それらを部分構造データベース14に登録しておくのが望ましい。
検索時には、検索部22により、変化情報が個々の組成差と比較されつつ、変化情報に一致する組成差がサーチされる。変化情報に一致する組成差が見つかった場合、その組成差に対応する部分構造ペアが特定される。1回の検索で、複数の部分構造ペアが特定されることもある。検索結果つまり推定結果である部分構造情報は表示処理部に送られる。部分構造情報は、反応前の部分構造及び反応後の部分構造を表す情報である。反応前の部分構造が既知である場合、反応後の部分構造だけが特定されてもよい。あるいは、反応後の部分構造が既知である場合、反応前の部分構造だけが特定されてもよい。
表示処理部28は、部分構造情報を含む画像を作成する。その画像が表示部20に表示される。表示部20は例えばLCDによって構成される。その画像には、反応前の部分構造を表す情報としての組成式、構造式等が含まれ、反応後の部分構造を表す情報としての組成式、構造式等が含まれる。後述するように、マススペクトルと共に、部分構造情報が表示されてもよい。その場合、反応前ピーク及び反応後ピークを識別する情報が表示され てもよい。
検索部22の検索結果つまり推定結果が他の装置に提供されてもよい(符号30を参照)。例えば、他の解析装置に対して推定結果を提供し、より高度な物質解析が行われてもよい。
図2には、変化情報演算部24の構成例及び処理例が示されている。変化情報演算部24は、図示の例において、組成差推定部44及び精密質量データベース46を有している。反応前に取得されたマススペクトル32において、ユーザーによって、注目するピークが反応前ピーク36として指定される(符号38を参照)。また、反応後に取得されたマススペクトル34において、ユーザーによって、注目するピークが反応後ピーク40として指定される(符号42を参照)。ピーク指定に際してはポインティングデバイス等が利用される。反応前ピーク36及び反応後ピーク40が自動的に特定されてもよい。例えば、マススペクトル32,34の差分演算により、反応前ピーク36及び反応後ピーク40が特定されてもよい。なお、反応過程において取得された1つのマススペクトルにおいて反応前ピーク36及び反応後ピーク40の両方が特定されてもよい。
組成差推定部44は、反応前ピーク36のm/zと反応後ピーク40のm/zとの間の差Δm/zを演算し、その差Δm/zに基づいて、変化情報48として、増加原子情報50及び減少原子情報52を演算し、それらを出力する。既に説明したように、増加原子情報50は、増加した原子の種別及び種別ごとの原子数を示す情報であり、減少原子情報52は、減少した原子の種別及び種別ごとの原子数を示す情報である。組成差推定部44は、増加原子情報50及び減少原子情報52の演算に際して、精密質量データベース46を参照する。精密質量データベース46には、各原子の精密質量が格納されており、また電子の精密質量が格納されている。なお、反応前ピーク36のm/zと反応後ピーク40のm/zのそれぞれについて組成推定を行って、推定された2つの組成の差として、変化情報を演算することも可能である。
例えば、以下の(1)式に基づいて、各原子の増加数及び減少数が特定され得る。
Δm=k1×m1+k2×m2+・・・+kn×mn ・・・(1)
上記(1)式において、Δmは精密質量差を示しており、それはΔm/zから特定される。電荷数が1であればΔmはΔm/zに一致する。m1,m2,・・・,mnは、各原子の精密質量を示しており、各係数k1,k2,・・・,knは、原子の個数を示しており、それらはマイナス値、ゼロ又はプラス値をとり得る。nは推定対象となる原子の種別数である。各係数がとり得る範囲は事前に設定される。誤差範囲等が事前に設定されてもよい。上記(1)式に基づいて、複数の変化情報が演算されてもよい。上記(1)式は例示に過ぎず、他の計算式が利用されてもよい。
図3には、部分構造データベース14の内容が例示されている。図示の例では、個々の部分構造ごとに、組成式56及び名称58が登録されている。属性である名称58は必要に応じて登録される。部分構造データベース14に構造式等が登録されてよい。複数の部分構造データベースを用意しておいて、試料、反応の種類等に応じて、使用する部分構造データベースを選択してもよい。上記のように、部分構造データベース14には、官能基等の部分構造の他、アルキル鎖やリン酸等の繰り返し単位も登録できる。官能基の組成式は様々な文献から容易に得られる。また、測定対象となる固有の官能基(例えば保護基など)が登録されてもよい。
図4には、複数の部分構造ペア及び複数の組成差を表したテーブル14Aが示されている。1つのセル60が1つの部分構造ペアに対応しており、各セル60の中には組成差が示されている。個々の部分構造ペアは、変化前つまり反応前の部分構造と、変化後つまり反応後の部分構造と、の組み合わせである。化学的に見てあり得ない変化については、部分構造ペアは構成されない。組成差は、反応前の部分構造と反応後の部分構造の差であり、原子の種別と種別ごとの原子の個数とを特定する情報である。組成差は上記変化情報の実体と同じである。図4において、「+」は増加を意味しており、「−」は減少を意味している。図4に示されるテーブル14Aが検索の都度、作成されてもよいが、事前にテーブル14Aを演算し、それを部分構造データベースに登録しておけば検索時間を大幅に短縮できる。テーブル14Aが有する対称性を利用して、半分のサイズを有するテーブルを構成してもよいし、その対称性を利用してテーブル14Aの作成時の演算量を削減してもよい。
図5及び図6を用いて、化学構造推定装置が備えるユーザーインターフェイス(UI)及びその使用例を説明する。
図示されたUI62は、変化情報入力欄64、部分構造参照欄66、検索結果表示欄68、等を有している。部分構造参照欄66を利用して部分構造データベースに登録されている部分構造をリストとして参照することが可能である。変化情報入力欄64には増加原子情報入力欄70及び減少原子情報入力欄72が含まれ、また、検索実行ボタン73が含まれる。
図5に示す使用例においては、増加原子情報入力欄70に「C4」が入力され、減少原子情報入力欄72には何も入力されない(減少原子ゼロが指定される)。検索を実行すると、検索結果表示欄68に図示のように検索結果が表示される。ここでは2つの部分構造ペア74,76が表示されている。すなわち、図示の例では、NHCH3が減ってC5H4N(pyridyl)が増えたこと、及び、C3H7(isopropyl)が減ってC6H5CH2(benzyl)が増えたこと、が表示される。ここでItem1は反応前の部分構造を示しており、Item2は反応後の部分構造を示している。
図6には別の使用例が示されている。図6において、図5に示した要素には同一符号を付し、その説明を省略する。増加原子情報入力欄70に「OH」を入力し、また、減少原子情報入力欄72に「N」を入力すると、検索結果表示欄68に図示のような1つの部分構造ペア78が表示される。すなわち、図示の例では、CN(cyano)が減ってCHO(aldehyde)が増えたこと、が表示される。
以上のように、増加原子情報及び減少原子情報を入力すれば、それに相当する組成差を有する1又は複数の部分構造ペアを特定できる。検索結果を表示する際に、組成式に代えて構造式を表示してもよい。また該当可能性を示す割合等を表示してもよい。
次に、部分構造情報についての幾つかの表示例(アノテーション表示例)を説明する。図7に示す第1表示例においては、マススペクトル80と共に部分構造情報82が表示されている。部分構造情報82は、図形88、矢印90、第1組成式92及び第2組成式94を有する。図形88は、反応前ピーク84を識別する垂直ライン、反応後ピーク86を識別する垂直ライン、及び、それらのラインを繋ぐ水平ラインによって構成されている。矢印90によって反応方向が示されている。
第1組成式92は、反応前の部分構造を示しており、その先頭には「−」が付されている。それは減少を意味している。第2組成式94は、反応後の部分構造を示しており、その先頭には「+」が付されている。それは増加を意味している。ユーザーは、このような部分構造情報82を参照することにより、マススペクトル80の内容を考慮しながら、部分構造の変化を認識することが可能である。
図8に示す第2表示例においては、部分構造情報96が図形98及び吹き出し100を有している。図形98は反応前ピーク及び反応後ピークを識別する情報であり、矢印によって反応方向が表現されている。もっとも、そのような表示は必須ではなく、2つのピークの対応関係が分かるだけでもよい。吹き出し100には幾つかの情報が含まれている。情報102は、差Δm/z及びそれに対応する組成差である。例えば、上記(1)式を用いて、差Δm/zから組成差が求められる。そこに含まれる「+」は増加を意味している。第1組成式104は反応前の部分構造の組成式である。第2組成式106は反応後の部分構造の組成式である。第2組成式106の直前に付された矢印は反応方向を示している。
図9に示す第3表示例においては、部分構造情報108は、図形110、第1組成式112及び第2組成式114を含む。図形110は反応前ピーク、反応後ピークを識別するものであり、またそれによって反応方向が示されている。但し、図示されたマススペクトルは反応後のものであり、反応前ピークがグラフィック要素としてのライン116によって模擬的に表現されている。第1組成式112は引出線によって反応前ピークに関連付けられており、また、第2組成式114は別の引出線によって反応後ピークに関連付けられている。
実施形態によれば、化学分析において重要な情報である部分構造、特に、反応前後での部分構造の違いを推定することが可能である。上記第1表示例乃至第3表示例において、測定条件によって反応方向(右から左、又は、左から右)を自動的に特定してもよい。例えば、MS/MSシステム及びGC−MSシステムにおいて電子イオン化法(EI法)が採用された場合には、左から右への反応方向を特定し、LC−MSシステムにおいては、右から左への反応方向を特定してもよい。なお、部分構造の検索を行うことなく第1表示例、第2表示例又は第3表示例のような表示を行う装置を構成する変形例も考えられる。
10 化学構造推定装置、12 演算部、14 部分構造データベース、18 変化情報入力部、22 検索部、24 変化情報演算部、26 組成差演算部、28 表示処理部。

Claims (9)

  1. 複数の部分構造が登録されたデータベースと、
    化学的な反応の前後で増加した原子及び減少した原子を特定する変化情報に基づいて前記データベースを検索し、反応前の部分構造及び反応後の部分構造の内で少なくとも一方を特定し、それを示す部分構造情報を出力する検索手段と、
    を含むことを特徴とする化学構造推定装置。
  2. 請求項1記載の化学構造推定装置において、
    前記変化情報は、前記増加した原子の種別及び個数を特定する増加原子情報、及び、前記減少した原子の種別及び個数を特定する減少原子情報を含む、
    ことを特徴とする化学構造推定装置。
  3. 請求項1記載の化学構造推定装置において、
    前記検索手段は、前記データベースに登録された複数の部分構造によって定義される複数の部分構造ペアの中から前記変化情報に適合する部分構造ペアを特定し、当該部分構造ペアを構成する反応前の部分構造及び反応後の部分構造を表す前記部分構造情報を出力する、
    ことを特徴とする化学構造推定装置。
  4. 請求項1記載の化学構造推定装置において、
    同一の又は異なるマススペクトル上において特定された反応前ピーク及び反応後ピークに基づいて前記変化情報を演算する変化情報演算手段を含む、
    ことを特徴とする化学構造推定装置。
  5. 請求項4記載の化学構造推定装置において、
    前記変化情報演算手段は、前記反応前ピークの質量電荷比と前記反応後ピークの質量電荷比との間の差に基づいて、前記変化情報として、増加原子情報及び減少原子情報を演算する、
    ことを特徴とする化学構造推定装置。
  6. 請求項1記載の化学構造推定装置において、
    前記反応前の部分構造及び前記反応後の部分構造の両者を表す前記部分構造情報をマススペクトルと共に表示する表示手段を含む、
    ことを特徴とする化学構造推定装置。
  7. 請求項6記載の化学構造推定装置において、
    前記部分構造情報は、
    前記マススペクトルに含まれる反応前ピーク及び反応後ピークを特定する情報と、
    前記反応前の部分構造及び前記反応後の部分構造を特定する情報と、
    を含むことを特徴とする化学構造推定装置。
  8. 化学的な反応の前後で増加した原子及び減少した原子を特定する変化情報を受け付ける工程と、
    前記変化情報に基づいて、複数の部分構造が登録されたデータベースを検索し、反応前の部分構造及び反応後の部分構造の内で少なくとも一方を特定する工程と、
    前記反応前の部分構造及び前記反応後の部分構造の内で少なくとも一方を表す部分構造情報を出力する工程と、
    を含むことを特徴とする化学構造推定方法。
  9. 情報処理装置において化学構造推定方法を実行するためのプログラムであって、
    化学的な反応の前後で増加した原子及び減少した原子を特定する変化情報を受け付ける機能と、
    前記変化情報に基づいて、複数の部分構造が登録されたデータベースを検索し、反応前の部分構造及び反応後の部分構造の内で少なくとも一方を特定する機能と、
    前記反応前の部分構造及び前記反応後の部分構造の内で少なくとも一方を表す部分構造情報を出力する機能と、
    を含むことを特徴とするプログラム。
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